ゲオ - ファーストメイク・リミテッド投資顧問

2012/7/27
ファーストメイク・リミテッド 投資顧問
No.551
週刊レポート
■参考銘柄
ゲオホールディングス
(2681 東証 1 部)
100,000
’12/7/26現在
ゲオホールディングス
日足一目均衡表
98,000
【レンタルビデオから複合メディア企業に】
96,000
7/26 株価 86,600 円(1 株単位)
94,000
92,000
90,000
88,000
連結 PER
5.23 倍
連結 PBR
0.93 倍
連結 ROE
17.8%
発行済株式数
86,000
543,828 株
配当利回り
3.46%
転換線
84,000
年初来高低
基準線
先行スパン1
82,000
80,200-99,300 円
売買高 10 日移動平均
先行スパン2
1272.0 株
ポイント1
12/09/27
12/09/21
12/09/14
12/09/10
12/09/04
12/08/29
12/08/23
12/08/17
12/08/13
12/08/07
12/08/01
12/07/26
12/07/20
12/07/13
12/07/09
12/07/03
12/06/27
12/06/21
12/06/15
12/06/11
12/06/05
12/05/30
12/05/24
12/05/18
12/05/14
12/05/08
12/04/27
12/04/23
12/04/17
12/04/11
12/04/05
12/03/30
12/03/26
12/03/19
12/03/13
12/03/07
12/03/01
12/02/24
12/02/20
12/02/14
12/02/08
12/02/02
12/01/27
12/01/23
12/01/17
12/01/11
80,000
12/01/04
遅行スパン
レンタルビデオショップからスタートし、複合メディア企業へ躍進
ゲオホールディングスは愛知県に本社を置くAV(音響・映像)ソフトのレンタル・販売店である。レンタルビデオショッ
プでは「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と市場を 2 分する日本最大手企業である。
2004 年 6 月に創業社長の遠藤結城氏が交通事故で不慮の死を遂げ、一時は企業としての命運が大きく揺らいだが、
後任として当時専務だった沢田喜代則氏が社長に昇格し、企業規模の拡張を主眼とする遠藤路線をそのまま引き継
いだ。これによって創業社長の喪失を全社一丸となって乗り越えてきた。
同社の事業の最大の特色は、中核店舗である「ゲオショップ」内に DVD、CD、ゲームソフト、書籍などのあらゆるアミ
ューズメントを集約して消費者に供給する複合形態にある。ユーザーは DVD の視聴ひとつをとっても、レンタル、リサイ
クル販売、新品販売、という3通りの遊び方の中から好みのものを選ぶことができる。ゲオ側から見れば、ひとつのメデ
ィア、コンテンツ(DVD やゲームソフト)をマルチパッケージとして扱い、レンタルやリサイクルなどのマルチサプライとし
て供給できる利便性がある。その上で、2011 年 11 月に会社分割により「株式会社ゲオ」を新設し、従来のメディア事業
を継承させ、同時に社名を「ゲオホールディングス」に変更して持株会社に移行した。現在は傘下に小売サービス事業
とアミューズメント事業を有する複合形態を採っている。現在の店舗数は小売サービス店舗が 1413 店(直営 1174、代
理店 106、FC142)、アミューズメント施設が 55(すべて直営)、合計で 1468 店となっている。前年比では+113 店増加し
た。新体制となった最初の決算である 2012 年 3 月期は、売上高が 2582 億円(前年比+2%)、経常利益が 164 億円
(+14%)といずれも過去最高を記録したが、引当金として繰延税金資産を計上したため当期純利益は 68 億円(-8.9%)
と減少した。
この資料はファーストメイク・リミテッドが会員のみに発行するものです。当資料に記載されている数字・意見等は、当社がその正確性を保証するものではありません。また、投
資に関する最終判断はご自身で行われますよう、お願い申し上げます。加えて、当資料の著作権はファーストメイク・リミテッドに帰属し、いかなる方法によっても、全部もしくは
一部を無断で複製・転用・配布・転送することを禁じます。
ファーストメイク・リミテッド
1
東京都千代田区岩本町 2-8-9
TEL:03-5821-7781
林慶ビル 7 階
FAX:03-5821-5600
2012/7/27
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ゲオホールディングス
ポイント2
週刊レポート
No.551
(2681 東証 1 部)
持株会社の傘下に小売サービス事業とアミューズメント事業を並列
会社創業から 25 年でまったくゼロからスタートしたレンタルビデオ店は、現在全国に 1100 店を超える巨大アミューズ
メント・ネットワークを構築するに至った。持株会社に移行して事業区分を小売サービス事業とアミューズメント事業を区
分けしている。
小売サービス事業では、DVD・CD・ゲーム・漫画本のレンタルを手がける「ゲオ」、中古衣料・雑貨・家具・家電製品の
買い取りを行う「セカンドストリート」「ジョンブルハウス」がある。主力のレンタル事業である「ゲオ」では、創業以来、一
貫して低価格のサービスを提供するというポリシーの下に直営店による店舗拡大を図ってきた。商品の価格管理から
在庫管理をすべて本部で一括してコントロールすることによって低価格が実現でき、同時に直営であることによって店
舗のスクラップ&ビルドが容易となり、それだけ収益力を高めることができる。その上で近年は代理店や FC 形式の店
舗展開も強化している。これはレンタル業界の勢力淘汰がほぼ全国的に完了し、居抜きによるビル一棟丸ごと買収す
る機会が減少しているためでもあるが、現在は書店などから業態転換を図る加盟店オーナーに対して、ゲオショップの
サービスの一部をパッケージ化して提供することで短期間に同社のノウハウを移植できると好評である。
さらに小売サービス事業の一環として、リユース市場の拡大に着目して「 2nd STREET(セカンドストリート)」と
「JUMBLE STORE(ジャンブルストア)」を展開する。「セカンドストリート」は衣料品・バッグ・靴・アクセサリーなどの服飾
雑貨を中心に、家電製品・家具・生活雑貨・楽器・ホビーグッズなどあらゆるジャンルのリユース(中古)商品を取り扱っ
ている。郊外型店舗からスタートして首都圏の駅前立地への出店も進行している。「ジャンブルストア」では衣料と服飾
雑貨のリユースを専門的に取り扱っている。
ポイント 3
テクニカル : 底値圏での三角保ち合いを形成
株価は 2008 年のリーマン・ショックによる急落から底練りを繰り返している。ここに来て足かけ 3 年にまたがる大きな
三角保ち合いを形成。かなりの煮詰まり感が生じており、保ち合い放れのタイミングも近いと見られる。仮に上に抜けて
きた場合は、保ち合いレンジの同幅上げで 10 万円の大台突破が見込まれる。その際にまずは 9 万円~9 万 5000 円の
壁を抜けることが肝要。
この資料はファーストメイク・リミテッドが会員のみに発行するものです。当資料に記載されている数字・意見等は、当社がその正確性を保証するものではありません。また、投
資に関する最終判断はご自身で行われますよう、お願い申し上げます。加えて、当資料の著作権はファーストメイク・リミテッドに帰属し、いかなる方法によっても、全部もしくは
一部を無断で複製・転用・配布・転送することを禁じます。
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2
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ゲオホールディングス
ポイント 4
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(2681 東証 1 7部)
不況に陥るたびに業容を拡大
もうひとつのアミューズメント事業では、「ゲオディノス」「ウェアハウス」「ゲオカフェ」「ゲオフィットネス」などを展開す
る。「ゲオディノス」はボウリング場、アーケードゲーム、映画館、カラオケ、ビリヤード、ダーツ、ゴルフバーなど、あらゆ
る世代向けのアミューズメント施設を店舗の規模に合わせて運営している。「ウェアハウス」は比較的高い年齢層向け
に、アーケードゲーム、ビリヤード、メダルゲームなどを大人のプレイスポットを意識してカジノのような雰囲気で展開し
ている。「ゲオカフェ」は主に「ゲオショップ」と併設して展開するカフェで、人気コミックなど豊富に取りそろえている。ま
た「ゲオフィットネス」はジム、スパ、プール、スタジオなどのトレーニング設備を提供している。
リーマン・ショックで受けた傷が癒えつつあった昨年 3 月 11 日、日本は東日本大震災に襲われた。同時に発生した
福島第一原発事故により、昨年に続いて今年も日本全国で節電を呼び掛ける運動が広がっている。消費の現場では
一時の自粛ムードは薄れてきたが、以前と同じような浪費型のライフスタイルは避ける傾向にあり、不要不急の支出は
敬遠され、リサイクルで間に合うものはリサイクルでまかなう正確感覚が庶民の間でも定着している。レンタル、リサイ
クル、リユースという消費者の間で広がる新しいトレンドをうまく汲みあげて同社は現在も売上げ成長を続けている。
DVD レンタル業界では、長年にわたって CCC(ツタヤ)との間で繰り広げられてきた低価格競争はほぼ一巡したと見
られる。今では旧作 DVD のレンタルは「7 泊 8 日で 1 枚 100 円」が期間限定ではなく常態化しており、同社は 2 年前か
ら「1 枚 50 円」でサービスを提供しているほどである。レンタル市場はそのあおりで大幅に縮小しており(2010 年の映像
ソフト売上高は 804 億円、前年比-14.5%の減少、2011 年も-4.9%)、同時にインターネットを経由したユーチューブ、ユ
ーストリームでのオンライン配信も急速に市場を拡大させている。中小レンタル店は完全に淘汰され、レンタルソフト業
界は同社と CCC の大手 2 社に利益が集中する体制がほぼ確立した。CCC の「T-ポイント」に対抗して、三菱商事が始
めた共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」の導入によって顧客の囲い込みを図る。不況になるたびにパワーを増すの
がゲオの秘密である。再び同社の活躍余地が膨らんできた。
業績(連結・億円・前期比%)
売上高 2011/3
2530
4.8
2012/3
2582
2.0
2013/3予
2650
2.6
経常利益
144
4.3
164
14.0
183
11.2
純利益 75
12.7
68
-8.9
90
31.5
EPS
14,039
12,581
16,549
(四季報より)
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