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平成20年4月4日
経 済 産 業 省
特
許
庁
平成20年度「知財功労賞」の表彰について
特許庁では、4月18日の「発明の日」を記念し、平成20年度「知財功労
賞」を決定しました。今回は、地域ブランドの推進、発展での表彰を含む経済
産業大臣表彰として個人3名と企業7社、特許庁長官表彰として個人5名と企
業10社を表彰します。
なお、授与式は、下記のとおり開催いたします。
※発明の日:明治18年4月18日に専売特許条例が公布されたことを記念
し、産業財産権制度の普及・啓発を図ることを目的として制定。
※知財功労賞:産業財産権制度の普及促進及び発展に貢献のあった個人に対
して「産業財産権制度関係功労者表彰」として、また、産業財
産権制度を有効に活用し円滑な運営・発展に貢献のあった企業
に対して「産業財産権制度活用優良企業等表彰」として、それ
ぞれ経済産業大臣表彰及び特許庁長官表彰(
『知財功労賞』と総
称)を行っています。
記
【発明の日記念行事】
開催日:平成20年4月18日(金)
会 場:グランドプリンスホテル赤坂(東京都千代田区紀尾井町1−2)
プログラム:
1.知財功労賞表彰式(五色の間)
11:00∼11:40
(1)経済産業大臣式辞
(2)「知財功労賞」授与式
2.発明の日記念シンポジウム(五色の間) 14:00∼16:45
<テーマ> 「知財を活用した国際戦略」
(1)基調講演 コナミ(株)代表取締役社長 上月影正氏
(2)パネルディスカッション
3.意匠制度120周年記念イベント(新緑)17:00∼20:00
○ゲスト 渡辺公貴氏(世界最小二足歩行ロボット「i-SOBOT」(タカラトミー)開発者)
水田一久氏(2007年G大賞「eneloop」(三洋電機)デザイン担当者)
○出 演 小山薫堂氏(放送作家)、望月理恵氏(フリーアナウンサー)
平成20年度
U
表彰者及び表彰企業
(50音順
敬称略)
■経済産業大臣表彰
産業財産権制度関係功労者
熊 倉 禎 男
[弁護士・弁理士 中村合同特許法律事務所パートナー]
妹 尾 堅一郎
[NPO法人産学連携推進機構 理事長]
田 中 章 雄
[株式会社ブランド゙総合研究所 代表取締役社長]
産業財産権制度活用優良企業等
セイコーエプソン株式会社
(特許活用) [長野県]
株式会社タニタ
(特許活用) [東京都]
三鷹光器株式会社
(特許活用) [東京都]
株式会社岡村製作所
(意匠活用) [神奈川県]
山本光学株式会社
(意匠活用)
[大阪府]
任天堂株式会社
(商標活用)
[京都府]
東京エレクトロン株式会社
(特許戦略) [東京都]
U
U
■特許庁長官表彰
産業財産権制度関係功労者
川 島 秀 雄
[カワボウ株式会社 代表取締役会長]
木 村 友 久
[国立大学法人山口大学大学院技術経営研究科教授]
大 門
悟
[ブラザー工業株式会社 参与]
照 井 正三郎
[元サニーヘルスホ−ルディングス株式会社 顧問]
松 尾 憲一郎
[弁理士 松尾特許事務所所長]
産業財産権制度活用優良企業等
井関農機株式会社
(特許活用) [愛媛県]
オリヱント化学工業株式会社
(特許活用) [大阪府]
株式会社飾一
(特許活用)[神奈川県]
倉敷化工株式会社
(特許活用) [岡山県]
株式会社石野製作所
(意匠活用) [石川県]
前田金属工業株式会社
(意匠活用) [大阪府]
朝日酒造株式会社
(商標活用) [新潟県]
大分県漁業協同組合
(商標活用) [大分県]
有限会社金沢大学ティ・エル・オー
(普及貢献) [石川県]
ニチハ株式会社
(特許戦略) [愛知県]
U
U
U
(お問い合わせ先)
特許庁総務部秘書課
栄典担当
《功労者》
担当者:二宮、森吉
電
話:03−3581−1101(内線
2012)
03−3581−2767(直通)
特許庁総務部企画調査課特許戦略調整班
《優良企業等》
担当者:深沢
電
話:03−3581−1101(内線
2144)
03−3581−9628(直通)
平成20年度 産業財産権制度関係功労者表彰
経 済 産 業 大 臣 表 彰
くま
熊
くら
倉
よし
3人
お
男[弁護士・弁理士(中村合同特許法律事務所パートナー)]
禎
■(社)日本国際知的財産保護協会(AIPPI)で副会長を長年務める。また、AIPPI 日本部会会長
として、日本部会を世界最大の部会に発展させるとともに、数多くの日本会員を本部委員
に派遣するなど、知的財産権制度の国際調和に貢献。
■日本・中国・韓国の AIPPI 部会の定期会合を開催し相互理解を深めたのをはじめ、世界の
知的財産に関する諸団体との交流を促進。
■長年の弁護士・弁理士としての実績や経験に基づき、数多くの著書や論文を著すととも
に、国内外での講演活動等を通じて実務者の能力向上、人材の育成に貢献。
【埼玉県】
せの
お
けん
いち
ろう
妹 尾 堅 一 郎
[NPO法人産学連携推進機構 理事長]
■知財人材育成のパイオニアとして、内閣官房知財戦略本部専門調査会委員、特許庁知財人
材育成調査研究委員長、知財人材育成推進協議会幹事等を通じて知財立国における知財人
材育成戦略に貢献。
■「互学互習」による実践的な方法論を知財界に導入するなど、多くの新しい知財人材モデ
ルやその育成モデルを創出。
■東大先端研「知財マネジメントスクール」や日本弁理士会「知財ビジネスアカデミー」
等、数多くの教育プログラムをプロデュースするとともに自らも講師として数多くの知財
専門家の育成に貢献。
【東京都】
た
田
なか
中
あき
章
お
雄
[株式会社ブランド総合研究所 代表取締役社長]
■全国で開催された、地域ブランドフォーラムにおいて、数多くの基調講演やシンポジウム
のコーディネーターとして活躍。地域団体商標制度活用の重要性を訴えるなど、地域ブラ
ンド推進の第一人者として、同制度の普及促進・発展に多いに貢献。
■地域ブランドマニュアルや地域団体商標取得のためのガイドラインの作成に積極的に協力
するとともに、自らも地域ブランドアドバイザーとして多くの地域で活動。
■種苗管理センターでの知的財産権専門研修をはじめ各地農林水産事業者、公的機関職員等
への研修講師として活動、産業財産権制度の普及促進と人材の育成に貢献。
【東京都】
平成20年度 産業財産権制度関係功労者表彰
特 許 庁 長 官 表 彰
かわ
しま
ひで
5人
お
川 島 秀 雄[カワボウ株式会社 代表取締役会長]
■(社)発明協会岐阜県支部支部長をはじめ岐阜県繊維協会会長、岐阜県経営者協会理事と
して活動し、地域企業等における産業財産権制度の活用及び普及・発展に貢献。
■「岐阜県発明くふう展」を充実させるため、一般、女性部門など多様な部門を設け幅広く
募集を行うとともに、集客力、注目度を高めるために大型複合店舗の会場を活用するな
ど、全国トップクラスの発明工夫展に発展させた。
【岐阜県】
き
むら
とも
ひさ
木 村 友 久
[国立大学法人 山口大学大学院技術経営研究科教授]
■都城工業高等専門学校で高専の科目として初めて「工業所有権法」の授業を実施、その後
も数多くの中国、四国、九州地域の職業高校、大学等において知財教育を創設、地域にお
ける知財教育の基盤を構築し知財教育の発展、人材育成に貢献。
■知的財産教育のためのメディア教材を自ら開発、特に特許電子図書館(IPDL)を積極
的に活用した実践型知財教育を実施し、大学等での知財教育の定着に尽力。
【福岡県】
だい
もん
大 門
さとる
悟
[ブラザー工業株式会社 参与]
■長年、企業内で戦略的な知財活動を推進。企業で培った経験を地域企業等へ還元するとと
もに、愛知県の知的財産施策の基礎となる「あいち知的財産創造プラン」の策定に尽力す
るなど、地域における産業財産権制度の活用に貢献。
■(社)日本縫製機械工業会や(社)日本ビジネス機械・情報システム産業協会において、
中心となって国内外における模倣品対策等に積極的に取り組む。
【愛知県】
てる
い
しょうざぶろう
照 井 正三郎
[元サニーヘルスホールディングス株式会社 顧問]
■長年、(社)日本食品・バイオ知的財産権センター理事長、理事として活動。国内だけで
なく国外の産業財産権制度等、種々のテーマについての講演会を実施するなど、食品業界
等における産業財産権制度の普及・利用促進に尽力。
■食品業界を代表して、法改正への提案や産業構造審議会への委員の派遣等について積極的
に協力し産業財産権制度の発展に貢献。
【千葉県】
まつ
お
けんいちろう
松 尾 憲一郎
[弁理士(松尾特許事務所 所長)]
■長年、九州地区で部会長等を歴任、地域弁理士の中核として活躍。地域での活動が認めら
れ、日本弁理士会で初めて東京近県、近畿、東海地区以外から選出された副会長として、
日本弁理士会の地域知財振興事業の推進に貢献。
■早期審査制度や減免制度等、依頼者に対し各種制度の有効活用を促すとともに、IPDL
等を活用した調査等を適切に行い、迅速かつ適切な権利取得に尽力。
【福岡県】
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《経済産業大臣表彰(特許活用優良企業)》
企 業 名:セイコーエプソン株式会社
代 表 者:代表取締役社長 花岡 清二
所 在 地:長野県諏訪市大和3丁目3番5号
資 本 金:53,204百万円
従 業 員:13,039人(2007年3月末現在)
設
立:1942(昭和17)年5月18日
事業内容:情報関連機器・電子デバイス・精密機器などの開発・製
造・販売
【受賞のポイント】
知財担当の執行役員常務が本部長を務める社長直轄の知財本部を設置し、「知
財が一番活用されるのは事業経営の場」との考えのもと、知財戦略を経営戦略の
主要な柱の一つに位置づけて三位一体の経営を実践している。
各事業部に知財グループを設置するとともに、該グループの課長が知財本部の
課長を兼務する知財組織体制を敷き、新事業創出支援に向けた知財力倍増活動
(ドルフィン活動)を通じて、研究開発部門と知財部門の連携を強めるなど、研
究開発の初期段階から充実した知財管理を行っている。
全国各地での講演活動に加え、中国においても、知的財産権に関する正しい認
識を持ったオピニオンリーダーを育成すべく、有力大学や行政諸機関との提携に
よる知財系メディア幹部養成講座で講演するなど、広く産業財産権制度の発展・
啓蒙に貢献している。
【保有権利に基づく製品例】
インクジェットプリンタPM−T990
プロジェクタEMP−1825
特許第3208777号
特許第3254680号
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《経済産業大臣表彰(特許活用優良企業)》
企 業 名:株式会社タニタ
代 表 者:代表取締役社長 谷田 大輔
所 在 地:東京都板橋区前野町1丁目14番2号
資 本 金:51百万円
従 業 員:260人(2007年12月末現在)
設
立:1944(昭和19)年1月17日
事業内容:体組成計、体内脂肪計、脂肪計付きヘルスメーター、クッ
キングスケール、歩数計、血圧計、体温計等の製造・販売
【受賞のポイント】
体内脂肪計をはじめ世界初の商品を次々に開発し、特許等で保護、体内脂肪
計・体組成計分野で国内シェア5割、海外3割を達成している。
経営陣の知的財産権の重要性に対する認識が高く、開発担当役員は知的財産担
当役員を兼任、役員会で知的財産権に関する事項の報告を実施している。
また、知財報告会を開催、知財部門、技術部門、開発部門の間で知的財産関連
の情報共有を行っている。
海外シェア増大を経営戦略に掲げており、早い時期から事業展開に先駆けて海
外での権利取得を行っている海外出願比率の高い中小企業であり、研究開発予算
の26%に相当する知的財産関係予算を計上している。
模倣品対策にも積極的で、特許だけでなく意匠・商標も活用し、経営に大きな
影響を及ぼしかねない権利侵害には、海外も含め訴訟等で厳正に対処している。
【保有権利に基づく製品例】
家庭用体組成計 BC-528
家庭用体組成計 BC-305
特許第2835656号他
特許第3091313号他
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《経済産業大臣表彰(特許活用優良企業)》
企 業 名:三鷹光器株式会社
代 表 者:代表取締役社長 中村 勝重
所 在 地:東京都三鷹市野崎1丁目18番8号
資 本 金:10百万円
従 業 員:49人(2007年12月末現在)
設
立:1966(昭和41)年5月11日
事業内容:手術顕微鏡、手術支援装置、非接触三次元測定装置、宇宙
観測装置、天体望遠鏡、太陽熱発電装置等の製造・販売
【受賞のポイント】
大型天体望遠鏡や観測ロケット搭載用光学機器等、高い技術力を有する企業。
海外光学機器メーカーとの業務提携による手術顕微鏡の開発により、医療分野
への事業拡大を果たし、手術顕微鏡の世界市場では、後発の中小企業でありなが
ら、先発の欧州大手企業とシェアを二分している。
社長の知的財産に対する意識が高く、メディアや全国各地での講演では、特許
重視の経営を紹介しつつ中小企業における特許の重要性を訴えている。
社長は、様々な機会に知財部長を随行させており、大企業等との契約交渉の場
では、知財部長が製品の優位性を特許の面からアピールしている。
【保有権利に基づく製品例】
手術用顕微鏡システム
非接触三次元測定装置
特許第2825721号
特許第2125498号
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《経済産業大臣表彰(意匠活用優良企業)》
企 業 名:株式会社岡村製作所
代 表 者:代表取締役会長 中村 喜久男
所 在 地:神奈川県横浜市西区北幸2丁目7番18号
資 本 金:18,670百万円
従 業 員:2,713人(2007年12月末現在)
設
立:1945(昭和20)年10月
事業内容:スチール家具全般の製造・販売
【受賞のポイント】
世界的に権威のある海外のデザイン賞を2年連続で受賞するなど、国際的にも
高い評価を得ているオフィス家具メーカー。
デザインのほとんどは社内デザイナーが手がけ、オリジナリティーを追求した
積極的な商品開発を行うとともに、意匠制度を活用して優位性を確保している。
オフィス家具メーカーの中では意匠登録件数が最も多く、他業種を含めても常
に上位に位置する(2006年は第2位)。
日頃から知的財産を重視する文化が浸透しており、デザイナーが自ら意匠調査
も実施している。
国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)等、産業界の業種横断的な模倣品
対策の活動にも積極的に参加するなど、模倣品対策にも力を入れている。
【保有権利に基づく製品例】
知 的 創 造 ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン
「Cruise&Atlas」
エルゴノミックメッシュチェア
(机
「Contessa」
:意匠登録第1244750号)
(椅子:意匠登録第1253099号)
(意匠登録第1183637号)
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《経済産業大臣表彰(意匠活用優良企業)》
企 業 名:山本光学株式会社
代 表 者:代表取締役社長 山本 為信
所 在 地:大阪府東大阪市長堂3丁目25−8
資 本 金:230百万円
従 業 員:226人(2007年12月末現在)
設
立:1935(昭和10)年11月1日
事業内容:スポーツ、産業用眼鏡・ゴーグルの高付加価値ブランド製
品の製造販売
【受賞のポイント】
スイミングゴーグル・スキーゴーグル等のスポーツ用ゴーグルで国内シェア6
0%(ブランド名は「SWANS」)、レーザー用保護眼鏡で国内シェア80%を
誇る。スポーツ用サングラスはアテネ五輪の女子マラソン選手や有名プロゴルフ
ァーも使用している。
商品のデザインを全て社内で行うなど、デザイン性を重視した製品開発を行っ
ており、日本のグッドデザイン賞を長年連続で受賞している。
海外でも通用するクオリティの高いものを意匠出願するため、日本で出願する
ものは、ほとんど海外にも出願している。
社長の知的財産に対する関心が強く、社員への知財教育にも熱心である。
【保有権利に基づく製品例】
RISINGSUN
(スキー用ゴーグル)
意匠登録第1221417号
Gullwing
(スポーツ用サングラス)
意匠登録第905949号
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《経済産業大臣表彰(商標活用優良企業)》
企 業 名:任天堂株式会社
代 表 者:代表取締役社長 岩田 聡
所 在 地:京都府京都市南区上鳥羽鉾立町11番地1
資 本 金:10,065百万円
従 業 員:1,403人(2007年12月末現在)
設
立:1947(昭和22)年11月20日
事業内容:家庭用レジャー機器(携帯型ゲーム機・据置型ゲーム機の
ハードウエア・ソフトウエア等)の開発・製造・販売
【受賞のポイント】
据置型ゲーム機「Wii」や携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS/ニンテンド
ーDS Lite」など、世界レベルのヒット商品で国際的にも高いブランド価
値評価を得ている。
商品コンセプトに合わせたネイミングを重視し、開発部門と密接に連携を取り
つつ、ハウスマークや主力製品については、日米の知財担当部門を軸とする国際
ネットワークを駆使して、世界各国における商標の事前調査、商標出願、権利化
等を適時に着実に実施している。
模倣品問題に対しても、国際ネットワークを通じて模倣品製造国・流通国の関
係当局と連携するなど積極的な取り組みで実績を挙げており、国際的な模倣品撲
滅の活動に貢献している。
【保有権利に基づく製品例】
商標:Wii
商標登録第4992560号
商標:NINTENDO DS、ニンテンドーDS、NINTENDO DS Lite
商標登録第4841498号、第4853764号、
第4963786号
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《経済産業大臣表彰(特許戦略優良企業)》
企 業 名:東京エレクトロン株式会社
代 表 者:代表取締役社長 佐藤 潔
所 在 地:東京都港区赤坂5丁目3番1号 赤坂Bizタワー
資 本 金:54,961百万円
従 業 員:928人(2007年12月末現在)
設
立:1963(昭和38)年11月11日
事業内容:半導体製造装置、フラット・パネル・ディスプレイ製造装
置の開発・製造・販売
【受賞のポイント】
半導体製造装置事業、フラット・パネル・ディスプレイ製造装置事業等を展開
している特許査定率及びグローバル率の高い企業。
知財・法務担当副会長を筆頭に、戦略的な知的財産活動を推進しており、知的
財産戦略、技術戦略、製品戦略の三位一体の経営を実践している。
世界レベルでの事業保護の観点から、海外での知的財産権取得に注力してお
り、事業・開発部門との密接な連携により、各事業計画に沿った特許ポートフォ
リオの構築を図っている。
自社製品の技術的差別化や競争優位性確保を目的として、量ではなく使える権
利を取得することを重視しており、「知財の基礎は出願・権利化にある」との方
針のもと、人材育成を含め、出願マネジメントを徹底している。
【保有権利に基づく製品例】
CLEAN TRACK® LITHIUS ProTM
Tactras®
次世代 300mm ウェーハプロセス対応のレジスト塗
300mm ウェーハの真空連続搬送を可能にし
布現像装置。
た最新型エッチング装置。
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(特許活用優良企業)》
企 業 名:井関農機株式会社
代 表 者:代表取締役社長 蒲生 誠一郎
所 在 地:愛媛県松山市馬木町700番地
資 本 金:22,784百万円
従 業 員:6,516人(2007年12月末現在、連結)
設
立:1926(大正15)年8月
事業内容:トラクタ、田植機、コンバイン、籾摺機、乾燥機、精米機、
野菜作機械、農業用施設等の製造・販売
【受賞のポイント】
知的財産の重要性に対する認識が高く、事業戦略、研究開発戦略、特許戦略を
三位一体として展開し、知的財産重視の経営が同社の柱の一つとなっている。
特許部が独自に調査・分析して作成した特許情報を元に開発テーマを提案する
等、研究開発活動にも積極的に関与している。
また、効率的な特許管理の徹底により、2006年には、特許査定率90.4%
(全出願人の平均48.5%)も達成し、「三年連続特許査定率日本一」である
ことを、営業部門のセールストークの一つとして積極的に活用している。
四国地域知的財産戦略本部での講演や愛媛県知的財産戦略策定委員の派遣な
ど、地域の産業財産権の円滑な運営にも貢献している。
【保有権利に基づく製品例】
乗用田植機「さなえPZ」
特許第2091045号
特許第2773293号他
トラクタ「GEAS AT33」
特許第3891171号
特許第3605991号他
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(特許活用優良企業)》
企 業 名:オリヱント化学工業株式会社
代 表 者:代表取締役社長 髙橋 昭博
所 在 地:大阪府大阪市中央区北久宝町4丁目4番2号
資 本 金:91百万円
従 業 員:260人(2007年12月末現在)
設
立:1949(昭和24)年12月23日
事業内容:染料、顔料、トナー用荷電制御剤・OPC用電荷発生剤・
発光剤など機能性材料の製造販売
【受賞のポイント】
情報記録材料、工業用着色材等の染料・顔料の専門メーカー。
知的財産を経営の柱に据え、売上高80億、経常利益5億の中小企業である
が、研究開発費に6億、知財管理費に1億を予算措置するなど、研究開発を重視
するとともに、その成果をグローバルな視点で特許出願している。
海外出願の要否や出願国の決定に際しては、研究開発部門、財務部門、法務部
門の長、特許室長等で構成される「発明委員会」を開催し、戦略的な出願を行っ
ている。
他社動向の把握、重複研究の防止を図るべく、特許担当者と連携しながら、開
発担当者による研究開発前の先行技術調査は欠かさず実施し、中国、韓国への出
願においては、逆翻訳チェックを実施するなど、研究開発初期段階からきめ細か
な知財管理を実践している。
【保有権利に基づく製品例】
BONTRON E−84、E−304
インクジェット用水性インキ
(静電荷像現像用トナー)
特許第3405817号他
特許第1630240号他
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(特許活用優良企業)》
企 業 名:株式会社飾一
代 表 者:代表取締役社長 岩宮 竜伍
所 在 地:神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央5丁目7番2号
資 本 金:201百万円
従 業 員:28人(2007年12月末現在)
設
立:1988(昭和63)年5月
事業内容:各種正月飾り、水引製品、ラッピング用品、金封、クリス
マス商品等の企画・製造・販売及び超越紙、超越ウッドコ
ートの企画・製造・販売
【受賞のポイント】
正月飾りの考案を基に知的財産権を活用したベンチャー企業の先駆者的な企
業。会長、社長ともに知的財産に対する認識が高く、三位一体の経営戦略を実践
している。地域講演会の講師としても活躍しており、特許活用による産業活性化
をPRしている。
会長自ら発見した「超越紙」(紙にガラス質を常温でコーティングしたもの)
に将来性を感じ、研究所を設置して研究を重ね、その基本技術を確立。「超越
紙」の世界展開を見越して、基本技術については、米国、欧州、中国、韓国等に
も出願し、さらに、応用特許、周辺特許等の出願も行い、知的財産による競争力
強化を図っている。
他企業との共同研究や産学連携も積極的に行っている。
【保有権利に基づく製品例】
超越紙を利用した食品包装容器等
特許第3456956号
正月飾り
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(特許活用優良企業)》
企 業 名:倉敷化工株式会社
代 表 者:代表取締役社長 立山 修
所 在 地:岡山県倉敷市連島町矢柄四の町4630番地
資 本 金:309百万円
従 業 員:677人(2007年12月末現在)
設
立:1964(昭和39)年3月25日
事業内容:自動車用ゴム部品、産業用防振・防音・緩衝機器の製造販
売
【受賞のポイント】
防振ゴムの専門メーカーであり、自動車産業において、自主技術による高品質
な自動車部品の供給に努め、確固たる地位を築いている企業。
取締役を委員長とする特許推進委員会を毎月開催するなど、経営陣の知的財産
に対する意識が高い企業であり、知的財産に対する方針を会社の年度方針に加え
るとともに、各事業部の中期・短期計画にも折り込んで活動している。
社長直轄の企画室知的財産課に加え、各事業部にパテントアドバイザー(課長
クラス)を配置し、発明の発掘を推進しており、知財教育も徹底している。
また、知財担当者により社内分類を付与した社内特許データベースが構築さ
れ、技術者が研究開始段階から先行技術を調査し易いよう工夫している。
【保有権利に基づく製品例】
e-Stable アクティブ除振台
水平除振機構
特許第3799244号
「ドームジンバルピストン」
特許第3910023号
特許第3611356号
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(意匠活用優良企業)》
企 業 名:株式会社石野製作所
代 表 者:代表取締役社長 石野 晴紀
所 在 地:石川県金沢市増泉5丁目10番48号
資 本 金:50百万円
従 業 員:94人(2007年12月末現在)
設
立:1962(昭和37)年4月28日
事業内容:回転寿司コンベア機、寿司周辺機器、食品加工機器の製造
【受賞のポイント】
国内の回転寿司コンベア機のシェアは60%以上、自動皿洗浄機のシェアは6
0%強。機能美を追求したチェーンレスコンベア機は平成 17 年にグッドデザイ
ン賞を受賞している。
保有する意匠権は468件を数え、意匠権を積極的に活用している。
研究開発当初から自社内で先行調査を実施し、特許、意匠、部分意匠等からよ
り戦略効果の高い制度を検討し、戦略的に出願を行っている。
機能美あふれるデザインという観点にこだわったクリアルーフ付きコンベア機
においては、意匠による保護を積極的に意識して、ルーフの形状や開閉方法等に
よるマトリクスを作成、考えられるすべての意匠を 272 件の部分意匠という形で
守り、他社の参入を防衛している。
【保有権利に基づく製品例】
チェーンレスコンベア
クリアルーフ
意匠登録1226592号
意匠登録第1021698号
搬送路にはチェーンが無くマグネ
衛生管理効果をあげ、清潔感をアピールし
ットを使用
たクリアルーフ付きコンベア
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(意匠活用優良企業)》
企 業 名:前田金属工業株式会社
代 表 者:代表取締役社長 原田 稔
所 在 地:大阪府大阪市東成区深江北3丁目14番3号
資 本 金:605百万円
従 業 員:145人(2007年12月末現在)
設
立:1938(昭和13)年8月6日
事業内容:作業工具及び機器の製造・販売
【受賞のポイント】
ビル建築に用いられる電動式のボルト・ナット締付機(国内シェア80%)の
大型機種を15年ぶりにモデルチェンジ、2006グッドデザイン賞を受賞。自
社のブランドカラーで配色し、他機種のモデルチェンジにも利用可能な基本デザ
インとなることを意識している。
隔週月曜日毎に、開発部門全員による先行技術文献の確認を行うというルール
が設けられており、担当者全員に他社の権利を尊重する意識が浸透している。
関連意匠、部分意匠を積極的に取得し、多角的に保護している。
企業戦略の中で「プロ用工具におけるデザインの重要性」を認識、有価証券報
告書等にて対外的に公表している。
知的財産権侵害対策規程を設け、類似製品を発見したときの対応マニュアルを
整備している。
【保有権利に基づく製品例】
シヤーレンチ
デジトルク
意匠登録第1282943号
意匠登録第1259416号
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(商標活用優良企業)》
企 業 名:朝日酒造株式会社
代 表 者:取締役社長 平澤 修
所 在 地:新潟県長岡市朝日880番地1
資 本 金:180百万円
従 業 員:169人(2007年12月末現在)
設
立:1920(大正9)年5月16日
事業内容:清酒の製造・販売
【受賞のポイント】
社を挙げての総合的なブランドアップ戦略により、内外の日本酒市場において
メインブランド「久保田」の圧倒的な差別化を図ってきた企業である。
一例としては、「久保田」の商品コンセプトを明確に定め、直接小売店に説明、
十分理解してくれる小売店のみで「久保田会」を結成している。従来の流通経路
を使わず、直接小売店と契約することで、常に商品が見える形で販売し、パンフ
レットもなく、コマーシャルを一切行わない口コミ戦略を徹底している。
また、酒の値崩れが進む中、高品質を保ち、価値向上に必要とされる約束事を
メーカと小売店が互いに共通認識として確認し合いながら、日々顧客の満足度を
高めるための活動に励んでおり、更には小売店向けに久保田塾等を開催して意識
の高揚を行うなど、小売店との信頼関係の醸成にも務めている。
これらの取り組みにより、「久保田」取り扱い店は優良酒販店として評価され
る仕組みが構築され、ブランドアップの好循環を生んでいる。
【保有権利に基づく製品例】
商標登録第4899272号
商標登録4490629号
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(商標活用優良企業)》
企 業 名:大分県漁業協同組合
代 表 者:代表理事組合長 山本 勇
所 在 地:大分県大分市府内町3丁目5番7号 大分県水産会館
資 本 金:2,464百万円
従 業 員:330人(2007年12月末現在)
設
立:2002(平成14年)年4月1日
事業内容:水産資源の管理、水産動植物の増殖、水産に関する経営及
び技術の向上に関する指導、組合員の漁獲物その他生産物
の運搬、加工、販売及び信用・共済事業等
【受賞のポイント】
「関あじ」「関さば」のブランド化の取り組みは、漁民の生活に危機感を持っ
た佐賀関町漁協が買い取り販売事業を開始し、県外数カ所で販促キャンペーンを
実施したことが発端である。
キャンペーンが奏功して価格が急上昇したのを契機に、「佐賀関町漁協+図
形」商標を取得(平成8年)し、模倣品対策として、同商標を尾びれに押印して
出荷を開始した。その後「関あじ・関さば+図形」商標を取得(平成15年)し
て尾びれに扇形のシールを付けて出荷するなどの工夫を重ねて、「関あじ」「関
さば」ブランドを確立した。
平成18年の商標制度改正に伴う地域団体商標も取得し、ブランド保護の取り
組みを積極的に推進している。
東京、大阪など全国5箇所で漁業関係者や一般主婦に小売店の販売調査を委託
し、月1回の報告を受ける等、積極的な模倣品対策も実施している。
【保有権利に基づく製品例】
商標登録第5083301号
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(普及貢献企業等)》
企 業 名:有限会社金沢大学ティ・エル・オー
代 表 者:代表取締役社長 板垣 英治
所 在 地:石川県金沢市角間町ヌ7番地金沢大学内
資 本 金:9百万円
従 業 員:7人(2007年12月末現在)
設
立:2002(平成14)年10月31日
事業内容:金沢大学等の教員の発明に関わる特許権等の知的財産権の
取得及び管理業務、研究成果の技術移転業務等
【受賞のポイント】
必要な特許を効率よく取得することに努めており、特許出願・特許取得実績に
比べ、ライセンス契約件数、特許実施料収入の実績が顕著である。
各技術毎に、発明の発掘、先行技術調査、出願、権利化、技術移転等の一連の
業務を一人の担当者が一貫して行うパテント・ライセンシング・アソシエイト体
制を敷くことで、業務の効率化を図るとともに、その技術の優位性を熟知したセ
ールストークを実践している。
海外展開にも積極的で、マッチングファンド方式による企業との共同研究成果
(「高速原子間力顕微鏡」)については、米国で開催された展示会に出展し、
欧・米の企業とのライセンス契約に成功した。また、昨年11月に、アメリカの
ベンチャー商社と委託契約を結び、北米での特許販売も開始した。
地域の銀行と協調を図り、新技術のプレゼンや交流会を開催するなど、地域へ
の特許流通及び普及にも尽力している。
【保有権利に基づく製品例】
KUTLOの北米支店機能の開設
許可
支援
UNIVERSITY
金
沢
大
KUTLO
LIASON
REPRESENTATION
USA
B社
RICH
報告
080128
代理店契約
START
UP
CO
国 際 的 製薬会社
技術移転
営業場所提供
市場情報提供
ラボ提供
展示会情報発信
若手育成支援
MEGA
PHARM
BUSINESS CONTRACT
KUTLO
PP
22
GOAL
GOAL
高速原子間力顕微鏡(NLV)
従来比約 1000 倍の 30∼60 フレーム/秒
のビデオレートを実現
平成20年度 産業財産権制度活用優良企業等表彰
《特許庁長官表彰(特許戦略優良企業)》
企 業 名:ニチハ株式会社
代 表 者:代表取締役社長 井上 洋一郎
所 在 地:愛知県名古屋市中区錦二丁目18番19号
資 本 金:8,136百万円
従 業 員:1,299人(2007年9月末現在)
設
立:1956(昭和31)年6月25日
事業内容:窯業系外壁材、屋根材及び各種住宅機材の製造・販売、ハ
ードボード、各種建築材料の販売
【受賞のポイント】
窯業系外壁材のトップメーカー。
2005年から2007年の平均特許査定率は68.9%(2007年は7
1.6%)と高い査定率を維持している。
国内では市場が飽和しつつある一方、海外での潜在ニーズに着目し、「海外戦
略の本格的展開」の事業戦略のもと、特許出願戦略を、国内重視から海外重視へ
と転換してきた。
国内では、特許出願を厳選し、出願から権利取得まで全て社内で対応するとと
もに、実用新案制度も積極的に活用している。
【保有権利に基づく製品例】
留め付け金具
特許第3454244号
防汚層が形成された外壁材
特許第3964847号