「島国における地域看護 ~フィジー・トンガの事例から~」 トンガ基礎データ

HANDS報告会「島国における地域看護~フィジー・トンガの事例から~」
フィジー、トンガの位置
「島国における地域看護
~フィジー・トンガの事例から~」
シニア・プログラムオフィサー 小林美紀
大洋州地域
地域保健看護師のための
「ニーズに基づく現任研修」強化プロジェクト
 JICA技術協力プロジェクト
(株式会社コーエイ総合研究所との共同実施)
 対象国:フィジー、トンガ、バヌアツ
 実施期間:2010年10月~2014年4月
 カウンターパート:各国保健省看護担当部署
プロジェクト概要
モニタリング&評価
(M&E)の実施
地域保健看護師
のニーズに基づく
研修の実施
保健省 (看護部署管理職)
地域保健看護師の
ニ
ズに基づく研修の
ニーズに基づく研修の
提案
地域保健局・病院等の中間管理職
研修ニーズ等
のフィードバック
スーパービジョン
&コーチング
(S&C)
地域や離島で勤務する地域保健看護師
トンガ基礎データ
基礎データ(2010年)
人口:104,000人
面積:750㎢(対馬とほぼ同じ)
ヌクアロファ(人口34,000人)
一人当たりGNI (購買力平価):$4,580
行政区分
4地域(トンガタプ、
ババウ、ハアパイ、
ニウアス)
保健データ(2010年)
出生時平均余命:72
5歳未満乳幼児死亡率(出生千対):16
妊産婦死亡率(出生十万対):110
保健人材(2010年)
内科医数(人口一万対):2.9
看護師・助産師数:29.3
出典:WHO Health Profile
http://www.who.int/gho/countries/tng.pdf
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保健サービス供給システム
三次レベル
バイオラ病院
(トンガタプ)
二次レベル
バイオラ病院?
(トンガタプ)
一次レベル
バイオラ病院
(トンガタプ)
外来?
RHクリニック?
地域病院
ババウ:Prince Ngu
ババウ:Prince Ngu
ハアパイ:Niu’ui
エウア:Niu’uiki
保健所
(Health Center)
保健所
(H lth C t )
(Health Center)
トンガタプMu’a HC
Reproductive Health Clinic
(RHC)
医師
地域保健看護師
地域保健看護師1.2名
保健サービス供給システム
フィジー 基礎データ
基礎データ (2010年)
面積:18,300㎢ (四国とほぼ同じ)
人口:861,000人 (フィジー系57%、インド系38%)
首都:スバ(人口75,000人)
人当たりGNI(購買力平価):$4,510
510
一人当たりGNI(購買力平価):$4
三次レベル
二次レベル
保健データ(2010年)
出生時平均余命(男/女):69
5歳未満乳幼児死亡率(出生千対):17
妊産婦死亡率(出生十万対):26
保健人材
内科医数(人口一万対):4.3
看護師・助産師数:22.4
植民地戦争記念病院
(Colonial War Memorial Hospital: CWM Hospital)
専門病院
(精神病、結核、ハンセン氏病等)
地域病院
Divisional Hospital
エリア病院
地区病院
Sub‐Divisional Hospital
保健所
(Health Center)
看護ステーション
(Nursing Station)
簡易診療所
(Dispensary)
一次レベル
出典:WHO Health Profile
http://www.who.int/gho/countries/fji.pdf
Vaiola Hospital
2012年5月4日 新バイオラ病院落成式
複数の医師
地域保健看護師
地域保健看護師1名
Vaiola Hospital
一般外来待合室
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Vaiola Hospital
Prince Ngu Hospital, Vava’u
RHC受付
薬局
Prince Ngu Hospital, Vava’u
スタッフリスト
トンガでのインパクト調査
実施時期
目的
ベースライン調査
2011年7月‐10月
プロジェクト開始時のベースラインデータ
収集、プロジェクトのデザイン検討
収集
プ ジ ク
デザイ 検討
中間調査
2012年5月‐8月
ベースラインデータとの比較(プロジェクト
の進捗確認)、(必要であれば)プロジェク
トの方向修正
エンドライン調査
2013年2月‐5月
予定?????
ベースラインデータとの比較(プロジェクト
の成果確認)
Reproductive Health Clinic
ベースライン調査の結果まとめ1
ベースライン調査の結果まとめ2
 若手看護師ほどエリート?
 看護師としての能力を測定する能力測定はプロジェ
(2002年より看護学校の卒業資格が大卒相当に引き上げら
れた。看護学校入学競争率の上昇等の理由による。)
 臨床看護師ほど出世コース?
 一度地域保健看護師に転出してしまうと配置
クト開始前から行われていた。
 看護指導者によるスーパービジョンも行われていた。
 コーチングは新しい概念。
 現任研修も、様々なテ
現任研修も 様々なテーマについて量的には十分に
マについて量的には十分に
行われていることが分かった。
換えが少なく、臨床への復帰はなし?
地理的には勤務地が首都から離れるほど、年齢が上がるほど、
看護師としての知識や技術をアップデートするチャンスがない
ことが分かった。
看護指導者と部下との関係がトップダウンなので、コ
ミュニケーションの見直し、改善が必要である。それに
より、看護師のニーズが指導者、保健省に的確に伝
わり、「ニーズに基づく現任研修」が行われるようにな
るのでは?
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プロジェクト活動:
スーパービジョン&コーチング(S&C)
プロジェクト活動:能力測定
能力基準の作成
能力基準に基づくチェッ
クリスト、測定用記入
フォームを作成
看護師自身による自己
能力測定
看護指導者による
能力測定
トンガタプ地域
Nukunuku保健所
トンガタプ地域Kolomotu’a 1保健所
両者の話し合いにより
能力測定の最終結果確定
中間調査時に感じた変化
日本人チーム不在時でも、トンガのカウン
ターパートが活動の趣旨をよく理解し、能力
測定、S&Cなどの研修、活動実施を進めた。
 看護師の看護指導者に対する評価が上がった。
(よく話を聞いてくれる、管理職としてのリーダーシップ
の改善等)
 看護師が能力基準、能力測定の趣旨について昨年
よりよく理解していた。(アピールのため、自己評価
の点数を高くつける等の問題がなくなった。)
 看護師と看護指導者の間で研修ニーズについて話
す機会が増えた。
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