『ばろっくざーる』Vol.53 表・裏面

ばろっくざーる
「ピアノ・トリオ・コンサート PIANO TRIO CONCERT」開催記念
情報誌
ピアニスト 小菅 優 特別インタビュー
―― 超豪華メンバーによる「ピアノ・トリオ・コンサート」、
クラシック音楽ファンなら誰もが喜ぶメンバーが勢揃いです。
どのような経緯でトリオを組まれたのですか?
小菅優さん
(以下、K)
:3年前にサイトウ・キネン・フェスティ
バルでの室内楽公演のプログラミングをしていたとき、
前から共演させていただいているヴァイオリニストの樫本
© Marco Borggreve
さんと、彼が主催しているル・ポン国際音楽祭で共演した
チェリストのボルケスさんと一緒に弾けたらいいなあと
思って、このトリオが実現しました。このメンバーで弾いたのはその時が初めてです。そのあとも
樫本さんが声をかけて下さって、ル・ポン国際音楽祭や霧島音楽祭で共演を重ねてきました。
―― プログラムはオール・ベートーヴェンですね。思わずキャッチコピーを スーパー・スターたちによる
「特別な」ベートーヴェン にしました。
だけでなく、ベートーヴェンの室内楽や歌曲など、ピアノ付きの作品を全曲徐々に取り上げていく
企画を立ち上げたのです。この企画を、偉大な作曲家ベートーヴェンの作品一つ一つに詣でると
いう意味で、
「ベートーヴェン詣で」と名付けました。そこでまずやりたかったのが、ベートーヴェン
の室内楽作品の中でもとても重要なレパートリーのピアノ・トリオでした。そこで『この作品を
誰と弾こうかな』と考えたとき、すぐに思い当たったのが、樫本さんとボルケスさんだったのです。
リズム感、音を撫でるようなレガートなど、得るものがたくさんあります。ソロのときは、常に全部
一人で考えなくてはいけません。一方、室内楽では、互いの意見をぶつけ合い、話し合うこと、聴き
あうことによって自分たちの音楽が生まれます。コラボレートすることで、それぞれの個性が呼応
し合い、想像以上の音楽になることさえあります。
―― 音大や芸大で学ぶ学生たちへ、室内楽をする上でのコツを教えて下さいますか?
K:人の音を聴くことほど大事なことはありません。メロディーのアクションにはリアクションが
あるため、相手の音と重なり合うことによってハーモニーが生まれます。それは、ただ単に音を合わ
せるのではなく、自然に語り合うことによって楽曲のストーリーが生まれます。自分がリードすべき
場所は、抑えることなく自分の「言葉」で訴えることによって、メリハリのある面白い音楽を作ること
お願いします。
K:京都という伝統ある地で弾かせていただくのは、大変光栄です。ベートーヴェンの音楽はとても
人間的で、感情的に引き付けられるところがたくさんあります。皆さまも是非、想像の翼を大きく
広げて、かけがえのない3つのピアノ・トリオに浸って下さいね。
皆さまの前で、素晴らしいメンバーと大好きな曲を演奏すること・・・今から楽しみにしています!
―― なるほど。小菅さんはソロだけではなく、様々な方とのアンサンブル活動を幅広くなさっていま
きました。私にとって樫本さんとボルケスさんは、とても尊敬している音楽仲間です。彼らは、音楽
に対して並外れた情熱とこだわりを持っています。リハーサルをしていても、作曲者の意図を常に
追求しています。また、楽譜に対して忠実に寄り添いながら、その楽曲が持つメッセージを掘り下げて
いく彼らとのプロセスは、とても勉強になるのです。また、彼らはとてもユーモラスな人たちなので、
常に笑いが絶えません。室内楽をする上で最も大切なことは、音楽で自然な対話をすることだと思う
のですが、彼らと演奏すると、それがキャッチボールのように自由に繰り広げられ、本当に喋ってい
るようになるのですよ。私たちは皆ドイツで育ったので、ドイツ語で会話することは勿論、メンタリ
ティの面でも共通点を感じます。あと、私たちは皆、食べることが大好き!美味しいものに命をかけて
いるといっても大げさでないぐらい、ツアー中でもいい店を見つけることも心がけています。
―― 演奏家さんにインタビューをすると、なぜか食べ物の話になることが多いです(笑)美味しいもの
は演奏へのパワーになるのでしょうね。ところで小菅さんにとって、ソロとアンサンブルはどのような
公 演 情 報
樫本大進×小菅優×
クラウディオ・ボルケス
PIANO TRIO CONCERT
平成28年 5月26日
(木)19 時開演(18時30分開場)
京都・青山音楽記念館バロックザール
◆ プログラム:ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲 第3番、第6番、第5番「幽霊」
◆ 入場料:5,000円(全席指定)
存在でしょうか?
K:私にとって、ソロもコンチェルトも室内楽もどれも必要な分野です。ピアノ・ソロは自分の世界
秋の演奏会ラッシュの勢いそのままに、バロックザールの冬シーズンが
とうとう始まりました。
(公財)青山財団主催公演「イザベル・ファウスト
無伴奏ヴァイオリン・リサイタル」のほか、バラエティ豊かな音楽家たち
による公演が目白押しです。バロックザールのホームページをはじめ、
財団公式Facebook ページや公式ブログには公演情報が満載!ぜひ
チェックしてみて下さいね。今号は、
『若き音楽家たちによる音の祭典』
(平成28年3月12日
(土)、13日
(日)、19日
(土)、各公演とも14時開演)に
平成28年3月12日(土)・13日(日)・19日(土)
若き音楽家たちによる音の祭典
第3回青山財団奨学生
成果披露演奏会 開催!
え がわ
な お
江川菜緒さん/
京都市立芸術大学
ヴァイオリン専攻4年生
Q:はじめに江川さんとヴァイオリンとの出会いを教えて下さい。
平成28年1月9日
(土)午前10時 チケット発売開始
を作り、オーケストラや室内楽を想像して、その世界観を一人で表現しなければいけません。その
江川さん(以下、敬称略)
:それは6歳のときでした。ある楽器屋
●「拝啓クラシック・ビギナーのみなさま Vol.2“バロックザールのピアノについて教えて!”」は次号にて掲載いたします ●
No.
6
©Detlev Schneider
「メロマーヌ mélomane」とは、フランス語で
「熱狂的な音楽愛好家」。連載『わたしはメロマーヌ』は、
第一線で活躍するあらゆる分野のエキスパートたちに、自身の「クラシック音楽体験」を自由に語って
いただき、多彩で豊かな音楽風景を皆さまにお届けするシリーズです。第6回目は、直木賞作家の阿部
牧郎(あべ まきお)先生をお迎えします。
『それぞれの終楽章』で第98回直木賞を受賞された阿部先生。
音楽にも造詣が深く、先生の著書には多くのクラシック音楽作品が登場します。ご自身もオーボエを
演奏されるとのこと!今日はどのようなお話が聞けるのでしょうか?
変哲もないオバサンである。幻想と現実の違いを思い知らされたのだ。
私はときおり幼時の記憶をたどって北白川界隈を散歩することがあった。邸宅街の小倉町を歩き、
ピアノの音がきこえると、云いしれぬ甘い感情で胸が痺れた。立ち停まってうっとりした。クラシック
音楽は私にとってインテリ層に不可欠な教養であり富裕層に至るための階段だった。どんな美しい
令嬢が弾いているのだろうと空想を膨らませた。だが、出雲路橋の下宿の件があったので、令嬢の実像
は確かめに行かなかった。
それでも無い金をはたいて演奏家のコンサートには出かけた。諏訪根自子(すわ ねじこ)、巌本真理
(いわもと まり)など日本人だけでなく、ゲルハルト・ヒュッシュやヘルベルト・フォン・カラヤンと
旧制中学三年のころ私はクラシック音楽に入門した。戦争が終わって三年目。手回しの蓄音機にSP
レコード。ベートーヴェンの交響曲が「運命」
「英雄」
「田園」
「合唱付き」など一曲ごとに分厚いアルバム
になっていた。友人の兄に東北大の学生がいて、それら名曲のレコードを買いそろえていた。私は友人
宅を訪ねてそれら名曲を聴かせてもらい、入門をはたしたのである。レコードは高価で、一般家庭では
とても手が出なかった。私の暮らした秋田県下のH町では学校以外にピアノのある家は、町一番の旅館
と音楽教師宅の二軒のみだったから、ピアノはもちろんほかの楽器にふれる機会もなかった。
「聴く
だけ」のクラシック音楽愛好者だったのである。
大学へ入ると、愛好の度合いが深くなった。大学の近くに二、三あった音楽喫茶へ入り浸った。当時
は客(主に学生)のリクエストに応じてクラシック音楽を聴かせる喫茶店があった。コーヒー一杯で
二、三時間も粘ってバッハやモーツアルト、シューベルト、ブラームスなどを聴いた。いかにも初心者
らしい学生が有名すぎる曲をリクエストしたり、曲に陶酔して指揮者ふうに両手をゆらゆらと振った
りすると、
「アホかこいつは」と私は冷笑したものだ。聴き手として一日の長がある余裕だったが、いま
思うと嫌みな学生だった。
私は小学校五年まで京都北白川で育ったが、戦争の終わる年の春休み、父の郷里である秋田県へ疎開
した。そのまま中学、高校を秋田県ですごした。京都に帰りたくてたまらず、京都の大学へ入ったのだ。
最初、出雲路橋の付近へ下宿した。当時から朝寝坊だったが、毎朝午前十時ごろ寝床でうとうとして
いると、近所からピアノの音がきこえてくる。曲目はベートーヴェンのソナタ18番。練習中らしくとき
おりミスのある演奏だったが、
「ああやっぱりここは京都だ。朝からベートーヴェンがきこえる」と私
は感激したものだった。どんな女性が弾いているのか。私は会いたくてたまらなくなった。
Vol.53
嘱望される音楽家の卵です。今年度は、平成28年3月12日(土)
・13日(日)
・19日(土)の3日間にわたっ
て、奨学生たちがバロックザールに一堂に会し、一年間学んだ成果を披露します。国内の主要な
音大・芸大から選ばれた学生たちによる瑞々しい演奏を是非お聴き下さい。
さい
しょう き
崔 勝貴さん/ 大阪音楽大学
サクソフォーン専攻4年
Q:サクソフォーンを専攻されている崔さん。楽器との出会いを
教えて下さい。
何を思ったか、後日わたしから「ヴァイオリンを弾きたい!」と
時はサクソフォーン担当でしたが、中2と中3の時にパーカッ
オリンを見せてもらったのがファーストコンタクトだったと
思います。新しく手に入れたオモチャを背負いながら走りま
わって見事に転んだとき、母は真っ先に楽器を心配して『どう
やらこいつは人間のわたしより大切にされるらしい』と少し
嫉妬したのを覚えています。
ことがきっかけでサクソフォーンを始めました。中学1年生の
ション・パートにコンバートされて、一度サクソフォーンから
離れたのです。しかし、どうしてもサクソフォーンが吹きたかっ
たので、高校入学と同時に親に楽器を買ってもらい、懲りずに
また吹奏楽部でサクソフォーンを始めました。幼い頃から歌う
ことが好きで『将来は歌手になる!』と決め込んでいたのです
が、とにかくサクソフォーンを上手に吹きたいと思って、通っ
ていた高校に打楽器のレッスンで来られていた先生に相談して
Q:確かに、擦り傷は治りますが楽器の破損は直りません。
それにしても、少し切ない思い出ですね(笑)ところで、江川さんはソロだけではなく室内楽やオー
ケストラ演奏も好きとのこと。どんな共通点や違いがありますか?
みたのです。そうしたら、今も師事する西本淳先生を紹介して
いただきました。この出会いをきっかけに、本格的にサクソフォーンの道に進みました。初対面の時
に直感で『あ、この人に付いていけば人生楽しい気がする』と思ったほど、先生との出会いは衝撃的
なものでした。
江川:ソロは一人ぼっちで寂しいですが、室内楽は二人以上で音楽を作っていく過程にそれぞれ感じ方、
「弾けない音楽愛好者」である私はシューベルトやベートーヴェンの歌曲が好きだった。だが、ドイツ
ます。一人ではなかなか気付かない部分、考えつかないアイディアもたくさん出てきて刺激的です。
カナつきのドイツ語をドイツ語らしく歌っていると、インテリ層の一員になったような快感があった。
ブルと考えることができるので、その点は室内楽と似ているかもしれません。
崔:クラシック・スタイルのサクソフォーンは、今ではポピュラーになりつつありますが、ピアノや
ンス小説の面白さに惹かれた。一応フランス語を習ったが、ベルリオーズやフォーレはとても手に負え
Q:充実した演奏活動を送っていらっしゃるのですね。
位置が確立されているとは言い難い状況にあります。ですが、発展途上だからこそ、クラシックの
語がわからない。日本語訳で歌うのは何か違和感がある。高校時代から原語にカナをふって歌った。
表し方の違いがみられ、今まで学んできたことや培ってきたことを良い意味でぶつけ合うことができ
音楽の基礎は弦楽四重奏と言われていますし、数十人規模のオーケストラでもパートごとのアンサン
大学では仏文科へ入った。シューベルトやベートーヴェンを原語で歌いたい欲求をわすれてフラ
ない。流行歌であるシャンソンを歌うのがせいぜいである。ドイツ語の歌曲は仮名ふりのまま、のちに
オペラをいくつか聴いて、イタリア語をやれば良かったと後悔したが、どちらも手遅れである。独仏伊
とも歌曲やアリアはふり仮名つきで歌うしかなかった。
だが、仮名つき原語にもそれなりの良さがある。へたに意味がわかるよりも、原語を歌う外国人歌手
の声が一つの楽器のようになって、曲の美しさや激しさ、悲嘆などが直接胸に伝わるのである。日本語
の歌詞は意味がよくわかりすぎて音楽の美が伝わりにくい。母音が多くて響きが悪いせいだろうか。
先日、神戸波の会の「日本歌曲コンサート」を聴いてますますその感を強くした。外国語が分から
なくてかえって良かったと、いまは思っている。
江川:はい!大学4回生になってはじめて、台湾、中国、フランス、ドイツ、フィンランドの同世代の
人たちと室内楽やオーケストラで演奏する機会がありました。お互いに母国語でない英語を用いなが
らコミュニケーションを取ろうとするのは大変でしたが、彼らと音楽を共有できたのはとても楽しく
て嬉しくて幸せでした。私の拙い英語を理解してくれようとし、飽きずに相手をしてくれた友人たち
とは近況を報告し合って、そのうち3人とはいつか弦楽四重奏の演奏会を開こうと約束をしています。
Q:学生生活は二度と来ない、かけがえのない時間ですので大切に過ごして下さいね。江川さんは
来春に卒業されますが、将来はどんな演奏家になりたいですか?
阿部牧郎(あべ まきお、作家)/京都府出身。京都大学文学部フランス文学科卒。サラリーマン
生活の傍ら作家活動に入り、1968 年に『蛸と精鋭』が候補になって以後69 ∼ 71年にかけて 7 回
(61、62、64、65、67、71回)直木賞候補になる。1987年『それぞれの終楽章』で第98回直木賞受賞。
処女作から受賞作までの悪戦苦闘の足跡を綴った自伝的小説に『大阪迷走記』
(新潮社)がある。
音楽に造詣が深く、管弦楽曲、ピアノ曲などのクラシック作品が効果的な情景描写として使われ
ることも多い。また50代になってからオーボエ演奏を習得した。
江川:まず、人として魅力的になりたい。かっこいいこと、ワクワクすることに積極的に取り組んで、
いつまでも目標は高く、限界を作らず、自分に挑戦し続ける人でありたいです。私は精神的に弱い
部分があるので、踏んばらないといけない時にはいつも松岡修造さんの動画や録画した番組をみて
励ましてもらっています。音楽でもって、彼のように誰かに元気や勇気、希望を少しでも持ってもら
えるような、そして誰かの心に寄り添うことができるような演奏家になりたいです。
Q:まさか松岡修造さんの名前が出てくるとは思いませんでした!それでは最後に、来年3月にバロック
ザールで開催される演奏会への意気込みを教えて下さい。
2015 年12月25日発行
奨学金を授与しています。彼らは皆、大学で大変優秀な成績を収めている学生たちであり、将来を
N響なども聴きにいった。ヒュッシュの「冬の旅」やカラヤン指揮の「展覧会の絵」の感動は老人に
なった今日でもよくおぼえている。
弾けないメロマーヌ
同志社女子大学、大阪音楽大学、相愛大学、沖縄県立芸術大学の9校から選ばれた学生45名に対して、
崔さん(以下、敬称略):僕は中学の時に吹奏楽部に入部した
言い出したそうです。母に連れられてその楽器屋さんでヴァイ
ある朝、演奏の終わるのを待って私はその家の前へいってみた。弾き手とおぼしい女性が出てきた。
青山財団は、東京藝術大学、東京音楽大学、桐朋学園大学、愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学、
さんの近くでヴァイオリンをやってみるかと母に尋ねられ、
よくわからなかったのでちゃんときっぱり断ったはずなのに、
わたしはメロマーヌ
先駆けて、
(公財)青山財団の奨学生たちのインタビュー記事を掲載。
そのほか、平成28年度(公財)青山財団主催公演ラインナップも必見で
す。来年度も素晴らしいアーティストたちがバロックザールにやってき
ますよ!連載 6 回目となる「わたしはメロマーヌ」には、直木賞作家の
阿部牧郎(あべ まきお)先生が登場。なぜ先生の著作にクラシック音楽の
場面がたびたび現れるのか、その秘密が分かるかも…?
が出来ますよ。
すが、その中でこのトリオはどのような位置づけにありますか?
K:どのアーティストもそれぞれ魅力ある個性を持っているので、今までたくさんの刺激を受けて
Vol. 53
ためには、室内楽をしないと理解出来ない部分がたくさんあると思います。弦楽器奏者の呼吸や、
―― それでは最後に、コンサートを心待ちにしているクラシック音楽ファンに向けてメッセージを宜しく
K:ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会が3月に終わったのですが、これを期にソロ作品
2015年(平成27年)12月25日
編集発行/公益財団法人 青山財団 Tel : 075-393-0011
〒615-8282 京都府京都市西京区松尾大利町9-1
E-Mail : [email protected]
ホームページ:www.barocksaal.com
誌面デザイン:
株式会社 JY DESIGN
江川:あの憧れのバロックザールで演奏させていただけるのはとても嬉しい反面、プレッシャーも
いくらか感じています。あまり気張りすぎず、音楽への情熱と自分らしさを持って演奏しますので
楽しんでいただけると幸いです。
江川さんはVol.1(3月12日)にご出演
Q:そんなに印象的な出会いだったのですね。同時に、サクソフォーンへの深い愛情も感じます。サクソ
フォーンの魅力は何でしょうか?
ヴァイオリンといったその他の楽器によるクラシック音楽と比べれば、立場的にも歴史的にも十分な
レパートリーはもちろんのこと、現代曲、音響エレクトロニクスとのコラボやジャズ、あらゆる
ジャンル、シーンに対応できるフレキシブルさがあり、まだまだ色んな可能性を秘めているところが、
サクソフォーンの一つの魅力と感じております。
Q:崔さんにとって「音楽」や「サクソフォーン」とはどのような意味を持つものですか?
崔:音楽には聴いた人の心を動かす力があると思いますし、僕がそうだったように時には人生まで
変える力を持っていると確信しています。サクソフォーンは僕にとって、自分自身を映し出す鏡だと
思っています。自分が伝えたいと思っている「音楽」を表現すると同時に、音そのものに「自分」が
投影されるからです。また、最近はありがたいことに新曲初演をさせていただく機会が多くなり、
今まさに新しい音楽が生まれる瞬間をお客様と共有できる時間が何とも言えず、ハマってしまいま
した。今後は、自ら作曲家に委嘱をしたり、新曲初演の機会を増やして新たなレパートリーの開拓に
チャレンジしていきたいです。
Q:音楽が持つ力というのは計り知れないものがありますね。演奏している側も聴いている側も、
音楽に突き動かされるような瞬間があると思います。崔さんの演奏がますます楽しみになってきま
した。3月の「音の祭典」ではベリオの無伴奏曲を演奏なさいますね!
崔:3月の演奏会は今年度に自分がどれだけ成長したかを披露する場ですので、集大成として最後まで
自分自身と向き合っていきたいと思います。一人でも多くの方に感動をお届けすることができるように
頑張ります。
崔さんは Vol.3(3月 19 日)にご出演
Q:なるほど、よく分かります。アンサンブルの醍醐味を一度知ると、やめられませんよね。それに、
アンサンブルをしているとソロにも良い影響が出てくると思います。今はどの作曲家を重点的に
よし だ
かず き
吉田一貴さん/
勉強なさっていますか?
東京音楽大学
声楽専攻(テノール)4年生
て下さいますか?
吉田さん(以後敬称略):私の音楽との出会いは中学の時から
です。私は中学、高校と吹奏楽部に入っていました。中学では
またクララに対する愛情表現の多様さもとても魅力的です。今後はピアノ作品だけでなく、ドイツ
リートや文学についても勉強し、よりシューマンの音楽について理解を深めたいと思っています。
Q:シューマンを多角的に学ばれる林さん、将来の夢を教えて下さいますか?
勉強しなければ、と思っています。
林さんは Vo.2(3月 13 日)にご出演
みや
りょう
田宮 亮さん/
Q:田宮さんは珍しいプロフィールをお持ちですね。まず京都
吉田:私はオペラが大好きです。高校時代、音楽の授業で初めて見たオペラ(ドニゼッティの《愛の
大学の法学部を出られてから東京藝大のオルガン科へ入学され
持ったのです。オペラは総合芸術なので、様々な要素が っています。それも魅力のうちでした。ですが、
田宮さん(以下、敬称略)
:3年生くらいになると、京大では周囲
してドラマを作っていきますよね。自分もそのようなことをしてみたいと思ったのです。
で、私はどちらにも余り興味を持てず、好きだった音楽にじっ
妙薬》)に心奪われてしまいました。やり直しがきかず、一瞬の「ドラマ」を大事にするところに興味を
ています。転向なさる時に迷いはありませんでしたか?
何と言ってもオペラ歌手たちは輝いて見えました。彼らは舞台上で、怒ったり、哀しんだり、楽しんだり
の学生が就職や大学院進学に向けて準備を始めます。そんな中
いらっしゃいますか?
吉田:ありがたいことに声楽曲には歌詞が有ります。ですので、歌曲であろうとオペラであろうと、
その一つ一つの言葉の意味を調べ深く考え、自分なりの考えを持ち、その役の性格、他の役との関係性
タルを開催します!
小菅優(ピアノ)、そしてクラウディオ・ボルケス(チェロ)によるピアノ・トリオがバロックザール
各公演のチケット発売開始日や開演時間等は追って発表します。
トリオから、第3番、第5番、第6番が演奏されます。3人の「競演」が今から楽しみですね。
ので、バロックザールのHPをチェックしてくださいね!
人気のある公演は、チケットが即日完売になることもあります
© Rainer Maillard
ミヒャエル・プレトニョフ
何の挑戦もしないまま就職や進学をしても後悔が残ると思い、
一度だけ、ダメなら諦めるつもりで受験しました。
どこに一番魅力を感じたのですか?
作品も、
中世の写本から21 世紀に書かれた作品まで多種多様です。レパートリーの多彩さはオルガン
© Daisuke Akita
の魅力の一つです。また、オルガンは一台一台、楽器の規模、持っている音色がまったく異なります。
樫本大進
ゆく先々で個性的な楽器に出会うのも大きな楽しみです。
Q:そんなにレパートリーが広いと曲選びが大変そうですね。楽器について学ぶだけでも骨が折れ
演奏する楽しみ、喜びを皆様と分かち合いたいと思っております。
田宮:楽器の練習が大半を占めますが、オルガンは建造した時代と地域によって大きく異なるので、
吉田さんはVol.2(3月13日)にご出演
て来日するブルネロ、忙しい合間を縫って待望のソロ・リサイ
しました。迷いはありましたが、やりたいと思ったことに対して
尊敬する先生と色々な方々の存在があるからです。そして何より、私自身が音楽や歌を愛していて、
世界に通用するオペラ歌手になるという大きな夢があるからです。ですので、今回の演奏会を通し、
ソナタ》などの名曲を演奏します。オーケストラのソリストとし
くりと時間をかけて向き合ってみたいと思い、東京藝大を受験
田宮:オルガンという楽器が非常に長い歴史を持っているのに応じて、オルガンのために書かれた
も辞めようと思ったことはありません。それは僕を支えてくれている家族や切磋琢磨できる友人、
シューベルトの《アルペジョーネ・ソナタ》やフランクの《チェロ・
にやってきます。今をときめく3人、夢のように豪華なメンバーです。ベートーヴェンのピアノ・
Q:お話を伺っているうちに吉田さんの歌を聴くのが楽しみになってきました。それでは、
『若き音楽家
時、挫折の時もあり、大変悩んできました。ですが、悩み抜き苦しんだ事があったにも関わらず、一度
平成 28 年11月19日
(土)には、チェリストのマリオ・ブルネロが
平成28年度主催公演の第1号は室内楽です。平成 28 年5月26日(木)、樫本大進(ヴァイオリン)、
Q:一度きりの人生ですものね。よく分かります。オルガンの
吉田:私は今まで、大好きな歌を楽しくやってくることができました。その途中にはうまくいかない
ある響きとシューベルトの歌曲集の相性は抜群です。
ところあと1本(イザベル・ファウスト公演、
たちを迎える予定です。
などを演出の先生、指揮の先生、声楽の先生方と話し合いながら勉強しています。
による音の祭典』への意気込みを教えて下さい。
傑作歌曲集《冬の旅》を歌います。バロックザールの温かみの
する、バラエティ豊かな素晴らしい演奏家
東京藝術大学
オルガン専攻3年生
がお好きですか?
Q:音楽家の中でも、特にオペラ歌手は「演じること」が重要ですね。吉田さんはどのように学んで
歌手であるクリスティアン・ゲルハーヘルが、シューベルトの
大好評を博しております。
平成 27年度も残す
ンナップを発表します!今回も世界中で活躍
た
れる演奏を披露してくれるでしょう。
アリスに引き続き、平成28年度は秋の公演が目白押し。平成28年10月23日
(日)は、世界的なバリトン
ことが出来る、青山財団の主催公演。毎回、
では、平成 28 年度青山財団主催公演のライ
声だね、声楽をやってみないか?」と声をかけて頂いてから
ありますよね。吉田さんはオペラか歌曲か、どちらのジャンル
才能
平成 28年1月13日)
となりました。そこで今号
そして高校2年の時、部の顧問である声楽科出身の先生に「良い
Q:なるほど、息を使うという点で管楽器と声楽は共通点が
に開催します。弱冠27歳の彼女ですが、人気女流ピアニストNo.1の座も遠くはありません。若さと
ば届きそうな距離で超一流の演奏に触れる
林:知的で説得力のある演奏家になりたいです。学ぶことは数え切れないほどありますので、日々
貴重な機会になること間違いありません。
いま話題の新人ピアニスト、アリス=紗良・オットのピアノ・リサイタルは平成28年10月9日
(日)
世界中で活躍する演奏家を招き、手を伸ばせ
テューバ、高校ではトランペット、ホルンを吹いていました。
私の声楽への道は開かれました。
ラインナップ決定!
林:シューマンです。シューマンのドイツ音楽らしい和声や旋律、感情表現の豊かさに惹かれています。
Q:吉田さんは18歳から声楽を始められたそうで、一般的に
見ると少し遅いスタートですね。声楽との出会いについて教え
平成28年度青山財団主催公演
平成 28 年7月3日(日)には、あのミヒャエル・プレトニョフがピアノ・リサイタルを開催します。
最近は指揮者としての活動がメインでしたが、
「ピアニスト、プレトニョフ」を目の当たりにして頂ける
小菅 優
© Neda Navaee
クラウディオ・ボルケス
© Marie Staggat
アリス=紗良・オット
クリスティアン・ゲルハーヘル
マリオ・ブルネロ
イザベル・ファウスト
そうです。普段はどのような勉強をなさっているのですか?
無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
そうした楽器の様式の勉強や、作品の様式についての勉強もしています。また、音楽はその作品が書か
れた地域の言語と密接に関わっているため外国語の勉強も欠かせません。
© Marco Borggreve
(平成 28 年1月 13日開催)公演直前インタビュー
Q:オルガンとオーケストラは確かに響きや規模が似ているなと思いますが、声楽は思いもしません
でした。
「語りかける」ようなところが似ているのでしょうか。とても面白い視点をお持ちの田宮さん、
はやし
林 あゆみさん/
同志社女子大学
ピアノ専攻4年生
Q:林さんは同志社女子大学でピアノを学ばれていますが、ピアノ
専攻の学生としてどのような大学生活を送っていますか?
林さん(以下、敬称略)
:私は極度のあがり症なので、出来るだけ
多く舞台に立つようにしています。本番で緊張に負けてしまい、
まだまだ思うように演奏ができなかったりすることもあります
が、大学一年生の頃に比べると、ずいぶん成長したのではない
どんなオルガニストになるか楽しみです。
リサイタルということで、J. S. バッハの楽曲を選ばれましたね。
田宮:どんな音楽作品にも、伝えられるべき内容や意味があると思います。作品の内包するそうした
メッセージを演奏によって明らかにし、
聴いて下さるお客様と共有することが出来る演奏家になりたい
と思っています。
Q:それでは最後になりましたが、来年3月にバロックザールで開催される演奏会への意気込みを
教えて下さい。
田宮:京都は京大時代にお世話になった馴染み深い、また懐かしい場所です。今回このような形で、
京都での演奏の機会をいただいた事をとてもうれしく、楽しみにしています。
Q:舞台に立つと誰もが緊張するものだと思います。その中で
うですが、どのようなところに魅力を感じますか?
林:私は人と一緒に演奏することが好きで、ソロにはない世界観を作り出すことが出来ることに魅力を
感じています。それから、色んな方々の意見を取り入れて一つの音楽を作り上げる面白さも、アンサン
ブルや伴奏が好きな理由の一つです。意見が合わなくてぶつかりあったりすることもありますが、それ
を乗り越えたからこそ得られた達成感や、アンサンブルの楽しさを改めて実感することが出来ています。
奨学生の活躍
平成 25年度の青山財団奨学生だった黒岩航紀さん(東京藝術大学
大学院2年・ピアノ、写真上)が、第 84回日本音楽コンクールの
ピアノ部門で見事優勝を飾られました。このコンクールは国内
若き音楽家たちによる音の祭典
̶ 第3回 公益財団法人 青山財団 奨学生成果披露演奏会 ̶
Vol.1
3.12
平成28年
|土|
Vol.2
3.13
平成28年
|日|
Vol.3
※いずれの回も14 時開演(13時30分開場)
3.19
平成28年
|土|
◆入場料:無料、整理券要(各回とも200名まで。定員に達し次第、受付終了) ※未就学児の入場はご遠慮ください
◆主 催:公益財団法人 青山財団
◆後 援:京都府、京都市、京都府教育委員会、京都市教育委員会 東京藝術大学音楽学部、東京音楽大学、桐朋学園大学
音楽学部、愛知県公立大学法人 愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学音楽学部、同志社女子大学、大阪音楽大学、
相愛大学音楽学部、沖縄県立芸術大学音楽学部
◆会 場:京都・青山音楽記念館 バロックザール 京都市西京区松尾大利町9−1
◆整理券申込方法 ▶1.ハガキ、メール ([email protected]) にて受け付けております。また、直接ご来館頂い
また、今年度の奨学生である荒木奏美さん(東京藝術大学4年・
で優勝されました。日本人による第1位受賞は、同コンクール
受付でお渡し下さい。▶4.整理券のお申し込みは、平成27年12月23日
(水・祝)
から受け付けます。申込数が定員に達し
登竜門としても有名です。
オーボエ、写真下)が第11回軽井沢国際オーボエコンクール
史上初の快挙であり、アジア勢としても史上初とのことです。
なお、荒木さんは平成 28 年3月19日の『若き音楽家たちによる
音の祭典』にご出演予定です。
今後のご活躍が楽しみですね。おめでとうございます!
ではありませんでした。なぜなら、たいてい一番初めに習う曲ですし、全ての学生が弾こうとする
ものだからです。しかし、今では他の 5 曲に劣らず美しく完璧な曲だと思います。《パルティータ 第
弾む、楽しい曲でしょう。
《パルティータ 第2番ニ短調》は、本当に見事な曲で各楽章共に素晴らし
いです。最終曲の〈シャコンヌ〉は、このコンサートを締めくくるのにまさにぴったりです。この曲
のあとには何もいりません。
―― バッハの無伴奏ヴァイオリン曲(ソナタとパルティータ)について、日本では「ヴァイオリンの
旧約聖書 」なんて呼ばれているのですよ。日本人はそれほど「神聖なもの」として捉えているよう
ても構いません。電話・FAXでの受付は行いません。■ハガキ・メールで申し込まれる方/以下の必要事項をご記入の上、
当財団までご郵送・ご送信下さい・入場ご希望の方の氏名(複数の場合は全員の氏名をご記入下さい。)・連絡先ご住所
とお電話番号(複数の場合は全員分の住所と電話番号をご記入下さい。)・ご入場を希望される回 ・ご入場を希望される
回が複数ある方は、すべてご記入下さい。■直接ご来館頂き申し込まれる方/ご来館頂いた際に連絡先ご住所とお電話番
最 難 関 の コ ン ク ー ル と し て 知 ら れ る も の で、若 手 音 楽 家 の
すべて素晴らしく、どれ一つとして同じものはありません。《ソナタ第1番ト短調》は、おそらく一番
3 番ホ長調》は、これもまた他のパルティータとはまったく異なる曲です。きっと、もっとも明るく
田宮さんはVol.2(3月13日)にご出演
ですね。ところで、林さんはアンサンブルや伴奏もお好きだそ
イザベル・ファウストさん(以下、F ):無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータは6曲とも
短いもので、6 曲のうちの一番目の曲でもあります。この曲は、他の 5 曲に比べるとあまり好きな方
かと思っています。
成長したと感じられるとのこと、大学生活における大きな収穫
―― バロックザールにお呼びしたくて、今回やっとそれが叶いました。今回は無伴奏ヴァイオリン・
号を用紙にご記入下さい。▶2.申込ハガキ・メールが到着次第、受付整理番号を記載した整理券を送付いたします。この
整理券はコンサート当日の入場に必要ですので、大切に保管して下さい。▶3.コンサート当日、お送りした整理券を会場
次第、申込受付を締め切り、その旨を財団ホームページに記載致します。▶5.お申し込みから2週間が経っても整理券が
届かない場合は、お手数ですが当財団までお問い合わせ下さい。
公益財団法人
申込先
青山財団
お問合せ
青山財団
公益財団法人
〒615-8282
京都市西京区松尾大利町 9 -1「第3回音の祭典」
係
「第 3 回音の祭典」担当 TEL : 075 - 393 - 0011 MAIL : [email protected]
です。
© Felix Broede
F:私もまさに、このバッハの作品は自分の一生、ひょっとすると一日一日と融和していなければ
ならないと考えますし、この曲をコンサートで度々演奏できることに喜びを感じています。
―― ところで、バロック時代の楽曲を演奏する際に、議論の的となることが「楽器と奏法をモダンに
するかピリオド *1にするか」です。イザベルさんはこの点に関してどのようなスタンスをお持ちで
すか?
F:バロック音楽を演奏するには、バロック奏法と楽器の深い知識が必要です。それは古典派、ロマン
派などにも同様のことが言えます。バロック音楽をまったくロマン派的に演奏することは、過去に
多くの偉大なヴァイオリニストがそうしてきましたが、私にはこの現代では少し奇妙に感じます。
私が思うには、手に入るあらゆる情報や楽譜を研究すること、自分だけのイメージを作り上げること
が刺激的なのです。
―― 現在使用されている楽器「スリーピング・ビューティー *2」はどのような楽器ですか?
F:このヴァイオリンは素晴らしく、本当に優れた楽器です。私は20年間弾いてきました。とても
澄んだ、鮮明で明るい響きをもっており、非常に明瞭な音を出すのです。
―― バロックザールのお客さまからは、以前よりイザベルさんを呼んで欲しいという声がたくさん
ありました。特に、ヴァイオリンを専攻する学生にとってはイザベルさんの演奏スタイルは理想でも
あり、目標でもあるようです。そこで、イザベルさんがヴァイオリンを演奏する時に心がけている
ことがありましたら教えてください。
F:そのように仰って頂き大変光栄です。私には練習のルーティンはないのですが、バッハを常に
練習することは、脳やテクニックを磨く効果があると思います。ぜひお勧めします!
―― それでは最後に、イザベルさんの今後の夢について教えてください。
F:たくさんありますが、そのうち一つはとにかくこれから長く健康で、音楽づくりに楽しみながら
取り組み続けることが出来ることです!
*1/「ピリオド」とは「当時の」という意味。最近の古楽界では、作曲された当時の楽器を用いて、
楽譜や奏法に関しても作曲当時の情報を参考に、可能な限りオリジナルに近い形で演奏する
HIP(Historically Informed Performance)が主流となっている。
*2/ 18世紀にドイツの貴族が購入し、以後150年間、屋根裏部屋に忘れられたまま保管されていた
ヴァイオリン。20世紀初頭に貴族の相続人が再発見した。ロンドンの専門家が鑑定したとこ
ろ、ストラディヴァリウスと判明した。長年眠っていたにもかかわらず、弓を引くと光り輝く
ような響きがしたという。こういった経緯から「スリーピング・ビューティー」という愛称が
つけられた。1996年以降、イザベル・ファウストにより使用されている。
公 演 情 報
イザベル・ファウスト
無 伴 奏ヴァイオリン・リサイタル
平成28年1月13日(水)19時開演(18時30分開場)
京都・青山音楽記念館バロックザール
◆ プログラム/ J.S.バッハ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番、
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番、第2番
◆ 入場料:5,000円(全席指定)
チケット完売