2010年度版

よんでんグループCSRレポート2010
CSR re po r t 2010
よんでんグループのCSR
※1
よんでんグループでは、
「 地域と共に生き、地域と共に歩み、地域と共に栄える」
という基本精神のもと、広く社会に
対する責任(CSR)を果たし、貢献するさまざまな活動を通じてステークホルダーの皆さま
(お客さま、株主・投資家の
皆さま、取引先、従業員、地域社会)
との信頼関係の構築に努めています。
「 皆さまから信頼される企業づくり」の徹底
を通じて基本精神の実現につなげていく、そのためのさまざまな取り組みがよんでんグループのCSR活動です。
編集方針
●発行の目的
よんでんグループのCSR活動の状況や考え方を、ステークホルダーの皆さまにわかりやすくご報告し、広くご意見をいただくこと
を目的として、本レポートを毎年発行しています。
●報告期間
2009年度の活動実績をもとに作成しています。なお、一部、発行までの最新の情報についても掲載しています。
●報告範囲
四国電力株式会社およびグループ会社(詳細はP54「よんでんグループ一覧」をご参照ください)
●参考としたガイドライン
CSRレポートの国際的なガイドラインであるGRI※2の「サステナビリティ・リポーティング・ガイドライン(第3版)」を参考にしています。
●発行時期
毎年7月末発行
●主な報告対象分野とツール
CSR情報を明瞭にご紹介
環境情報を詳細にご紹介
財務情報を詳細にご紹介
よんでんグループCSRレポート
(7月末発行)
よんでんグループ環境保全活動レポート
(7月末発行)
四国電力 アニュアルレポート
(9月発行予定)
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「よんでんグループCSRレポート」
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エネルギー・環境−環境問題への取り組み
よんでんグループCSRレポート
環境保全活動レポート
会社情報−IR情報・株式情報
IR資料室
アニュアルレポート
●お問い合わせ先
四国電力株式会社 総合企画室 経営企画部 〒760-8573 香川県高松市丸の内2の5 TEL:087-821-5061(代表) FAX:087-825-3018 E-Mail:[email protected]
●免責事項
本レポートには、四国電力株式会社およびグループ会社の過去と現在
の事実だけではなく、将来の業績に関する記述が含まれています。
こう
した記述は、記述した時点の情報に基づいた仮定や判断であり、経営
環境など前提条件の変化などに伴い修正する可能性があります。読者
の皆さまには、以上をご了承いただきますようお願い申しあげます。
※1 CSR・・・Corporate Social Responsibilityの略で、一般に
「企業の社会的責任」
と訳されている。
※2 GRI(Global Reporting Initiative)・・・持続可能性報告書の国際的なガイドラインを立案し、普及させることを目的としたオランダに本部を置く国際非営利団体。
企業、非営利団体、会計士団体、投資機関、労働組合など多様な関係者が参画し、1997年秋から活動している。
01
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR
report
2010
01
編集方針
02
目次
03
トップメッセージ
四国電力株式会社 取締役社長
千 葉 昭
05
よんでんグループの目指す姿/ミッション・ビジョン
06
よんでんグループのCSR
07
特集
低炭素社会実現への扉を開くために
3Eの同時達成に向けて
Energy security , Environmental conservation , Economy
〈CSR活動の7つの柱〉
13
Ⅰ 電力の安定供給の遂行
21
Ⅱ コンプライアンスの推進
23
Ⅲ 環境保全活動の推進
31
Ⅳ 開かれた経営の実践
35
Ⅴ お客さま志向の徹底
39
Ⅵ 従業員活力の維持・向上
43
Ⅶ 地域共生活動の推進
47
CSRアクションプラン
49
皆さまの声を大切に ○アドバイザー会議
○主なコミュニケーション方法一覧
51
会社概要(四国電力)
52
主要事業場・設備/財務関連データ
53
第三者意見
54
よんでんグループ一覧
よんでんグループCSRレポート 2010
02
トップメッセージ
社長の千葉でございます。
よんでんグループにおけるCSR活動をご報告する
「よんでんグループCSRレポート2010」
の発行にあたり、一言、
ごあいさつを申しあげます。
公益事業者としての使命遂行のために
公益事業者であるよんでんグループの「使命」
2009年度は、世界的な景気の低迷のなか、
は、良質で低 廉な電 気を安 定 的にお客さまに
よんでんグループにとっても、非常に厳しい環境
お届けするということです。私たちはこれまで、
下での事 業 運 営となりましたが 、重 要な経 営
その使命遂行のため、
3E
(安定供給・環境保全・
課題であった伊方発電所3号機におけるプルサー
経済性)の同時達成を図りつつ、
「 電源のベスト
マルの導入、
また、坂出発電所へのLNG導入など
ミックス」の実現に取り組んできましたが、地球
のプロジェクトを着実に進展させることができ
温暖化という人類共通の課題に直面している今、
ました。
さらに、低炭素社会実現のための新たな
「低炭素社会の実現」に向けた取り組みの重要
03
グループ一体となった経営基盤の強化 を
取り組みとして、メガソーラー発電所や電気自
性が高まってきています。
動車の導入なども進めました。
よんでんグループは、その使命遂行のために、
こうした成果をもとに、2010年度は、
「いかな
これらの取り組みを通じ、グループ大で協働して
る事業環境の変化にもぶれないよう、
しっかりと
諸課題への対応に全力を尽くしているところです。
経営の足場を固める年」
と位置づけ、
よんでんグループCSRレポート 2010
・経済性・環境適合性にも優れ、安定供給の
皆さまには、よんでんグループに対し、なお
一翼を担う坂出LNGプロジェクトの完遂
一層のご理解とご支援をお願いいたします。
・プルサーマルの着実な実施はもとより、
耐震安全性の向上などを通じた原子力の
最後になりますが、本レポートは、
「よんでん
長期安定・安全運転の維持
グループのCSR活 動 」をできるかぎりわかり
のほか、
「 安定供給を支える技術力の維持・向上
やすく、かつ広くステークホルダーの皆さまに
とその着実な継承」など、時代に適合した中長
ご紹介するとともに、
ご覧いただいた皆さまから
期的な安定供給基盤の強化に取り組んでまいり
の声を今後の活動に反映してゆくことを目的に
ます。
作成しております。
また、
「お客さま本位の徹底」を図るべく、お客
是 非ご 一 読 いただき、忌 憚 のないご 意 見・
さまニーズの把握・掘り起しを可能とする双方
ご感想などを賜りますよう、
お願い申しあげます。
向コミュニケーションの充実やグループ一体と
なった総合的な提案力の向上などの取り組みを
深化させてまいります。
公益を担う誇りと責任の重さを胸に
今後も、
「 地域と共に生き、地域と共に歩み、
地域と共に栄える」を基本精神とするよんでん
グループにとって、地域の皆さまからの信頼こそ
が全ての事業活動の源泉であります。
よんでんグループでは、グループを構成する
一人ひとりが公益事業者としての誇りと、責任
の重みを胸に、法令遵守をはじめ、全てオープン
で 公 平・公 正 な 事 業 運 営 に努め 、グル ープが
一体となって、これまでに培われた信頼という
無形のブランドを受け継ぎ、発展させるとともに、
皆さまの「しあわせのチカラ」につながっていく
2010年7月 四国電力株式会社
取締役社長
よう、連綿不断の努力を続けてゆく所存です。
よんでんグループCSRレポート 2010
04
よんでんグループの目指す姿
よんでんグループでは、将来にわたって、皆さまと共に持続的成長を遂げていくために、以下のミッション
およびビジョンをかかげ、その実現に向けてグループ一体となって取り組んでいます。
グループミッション
四国電力グループは、エネルギーを中心として、人々の生活に関わるさまざまなサービスを、
高い品質で提供し続けることにより、快適・安全・安心な暮らしと地域の発展に貢献します。
グループビジョン ∼目指すべき企業グループ像∼
暮らしを支えるマルチユーティリティー企業グループ
四国地域を基盤に、お客さまから最も信頼されるパートナーとして、エネルギーから情報通信、
ビジネス・生活サポートまで、多様なサービスをワンストップで提供できる企業グループへの
変革・成長を目指します。
総合エネルギー
情報通信
ビジネス・生活サポート
中期経営構想
グループビジョンの実現に向け、
より実効性のある5ヵ年プランとしての中期経営構想の中で、
具体的な経営課題と数値目標を以下のとおり定めています。
ビジョン実現に向けた6つの課題
◎競争に勝ち抜くコスト体質の構築
◎営業力の強化
◎戦略分野への経営資源投入
◎人材の育成と組織活力の向上
◎技術レベルの維持・向上
◎グループブランドの醸成・強化
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「経営方針」 トップ
05
会社情報−IR情報・株式情報
よんでんグループCSRレポート 2010
経営方針
数値目標(連結)
2006∼2010年度
ROA
[総資産営業利益率]
平均4.0%以上
自己資本比率
25∼30%
電力販売拡大
5年間で10億kWh
よんでんグループのCSR
よんでんグループ行動憲章
私たちよんでんグループは、地域と共に生き、地域と共に歩み、地域と共に栄えるとの基本精神のもと、事業活動に深く係わり、
これを支えていただいている全ての皆さまとの信頼関係をより強固なものとし、広く社会に対する責任を果たしていくことが、
企業グループとして成長・発展し続けるために必要不可欠であると考えます。 よんでんグループの役員および従業員は、法令を遵守し、企業倫理を徹底するとともに、透明性が高く開かれた事業活動を
遂行することを基本に、以下の基準に則り行動することにより、社会からのご期待に応え、一層信頼される企業づくりに全力
を尽くします。
− お客さまと共に −
◎お客さまのご満足を第一に、社会に有用な商品およびサービスを、安全性に十分配慮して、誠実に提供いたします。
◎特に電気の供給に当たっては、電気事業者としての社会的使命のもと、
良質で安価な電気エネルギーを、安全かつ安定的にお届けします。
− 株主・投資家の皆さまと共に −
◎長期的かつ継続的な企業価値の向上を目指し、健全かつ透明な事業活動を行います。
◎株主・投資家の皆さまに対し、積極的かつ正確な情報開示を行います。
− 取引先の皆さまと共に −
◎全ての取引先の皆さまが、対等の立場にある良きパートナーであることを認識し、公正にして自由な取引を行います。
− 従業員と共に −
◎個々の従業員の人格と個性を尊重します。
◎安全で働きやすい職場環境を確保し、明朗にして自由闊達な企業風土をつくります。
− 社会と共に −
◎社会の一員として、地域社会の発展のために貢献します。
◎政治・行政とは、健全かつ正常な関係を維持します。
◎市民社会に脅威を与える反社会的勢力とは、断固として対決します。
− 地球と共に −
◎環境保全の重要性を認識し、全ての事業活動において環境負荷の抑制に努めます。
(2006年9月制定)
CSR推進会議の役割
CSR活動の7つの柱
社長を委員長とする
「CSR推進会議」では、CSR活動に
重点的に取り組むCSR活動を
「7つの柱」
として位置付け、
係る諸 活 動 を全 社 的 な 視 点 から取りまとめ 、さらなる
柱ごとにPDCA(計画・実行・評価・次年度への反映)のサイ
ステップアップへの総括的な検討を実施しています。
クルに沿って、効果的にCSR活動を推進しています。
四国電力
C S R 推進 会議
コンプライアンス
推進委員会
個人情報保護
推進委員会
よんでんグループ
コンプライアンス
推進協議会
環境委員会
よんでんグループ
環境会議
グループ大で一体となって推進
Ⅰ
電力の安定供給の遂行
P13∼20
Ⅱ
コンプライアンスの推進
P21∼22
Ⅲ
環境保全活動の推進
P23∼30
Ⅳ
開かれた経営の実践
P31∼34
Ⅴ
お客さま志向の徹底
P35∼38
Ⅵ
従業員活力の維持・向上
P39∼42
Ⅶ
地域共生活動の推進
P43∼46
特命委員会
(必要に応じ設置)
よんでん
グループ各社
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「CSRへの取り組み」トップ
会社情報−CSRへの取り組み
よんでんグループCSRレポート 2010
06
特集
低炭素社会への扉を開くために
電力の安定供給
Energy
security
よんでんグループは、低炭素社会の実現に貢献するという時代の要請に応えながら、
良質で低廉な電気を安定的に供給するという社会的使命を遂行するため、
◎電力の安定供給 「Energy security」
3E
◎環境保全 「Environmental conservation」
◎経済性の追求 「Economy」
環境保全
の3つのEの同時達成に取り組んでいます。
Environmental
conservation
経済性
グループ大での取り組み
Economy
供給サイド・需要サイド双方を見つめて
よんでんグループでは、常に3Eのバランスを考えつつ、供給・需要両サイドで、低炭素社会実現のための取り組みを
進めています。
供給サイドでは、
良質で低廉な電力の安定供給を大前提に、経済性に優れ、発電時に二酸化炭素を排出しない
「原
子力発電の安定運転」
に努めるとともに、経済性・環境適合性に優れた
「LNG火力の導入」
による電源のベストミック
スを図りつつ、環境への影響が少なく、国産エネルギーである
「再生可能エネルギーの活用」
を推進しています。
一方、需要サイドでは、電化推進によるエネルギーの高効率利用・環境負荷の低減を目指し、
お客さまにエネルギー
の有効活用を提案する
「技術サポート活動」
をはじめ、
ヒートポンプや電気自動車の導入拡大など
「電化シフト」
を図る
取り組みを進めています。
●日本の電源別CO2排出原単位の比較
●1kWhあたりの電源別発電コスト
出典:総合資源エネルギー調査会電気事業分科会(2004年1月)資料
1,000
11.9
(円/kWh)
10.7
出典:電力中央研究所報告書 他
(g-CO2/kWh(送電端))
975
88
800
設備・運用
発電燃料燃焼
742
38
10
600
608
130
6.2
5.7
5.3
5
887
400
519
111
704
478
200
408
53
0
0
水力
石油
LNG
石炭
原子力
40年運転ベース
(割引率:3%)
日本のエネルギー自給率
日本のエネルギー自給率は、わずか4%(原子力を国産とした場
合約19%)
しかなく、エネルギー資源のほとんどを輸入に頼ってい
ます。なかでも石油はほぼ全量を輸入している状況であり、エネル
ギー自給率の向上が課題となっています。
また、石油の調達は中東地域に大きく依存するなど、不安定さも
孕んでおり、電力の安定供給の確保には、原子力発電の安定運転と
ともに、電源や燃料調達先の多様化などが重要となっています。
石炭
火力
石油
火力
LNG
LNG 太陽光
火力 コンバインド
29
25
15
11
風力
原子力
地熱
水力
(注1)発電燃料の燃焼に加え、原料の採掘から諸設備の建設・燃料輸送・精製・運用・保守等のために消費され
るすべてのエネルギーを対象としてCO₂排出量を算定。原子力発電については、現在計画中の使用済燃料
国内再処理・プルサーマル利用
(1回リサイクルを前提)
・高レベル放射性廃棄物処分などを含めて算定。
(注2)
四捨五入の関係で、合計値が合わない場合があります。
●主要国のエネルギー自給率
出典:ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2005-2006
(%)
140
143%
120
100
72%
80
62%
60
40
20
0
15%
4%
日本
27%
7%
フランス イタリア ドイツ アメリカ イギリス カナダ
(注)電力は輸出入量を一次エネルギーとして計上している。100%を超えている部分は輸出を示す。
07
よんでんグループCSRレポート 2010
特集 低炭素社会への扉を開くために
3E
Energy security
Environmental conservation
Economy
の同時達成に向けて
低炭素社会の切り札としての原子力
原子力発電は、燃料費の割合が少ない(約3割)のため、燃料価格に左右されにくいという大きな利点があるう
え、燃料となるウランは産出国が特定地域に偏っていないため、資源確保の観点から供給安定性に優れています。
また、発電の過程でCO₂を排出せず、安定した発電ができる原子力発電は、低炭素社会実現に向けた切り札として
期待されており、私たちはグループを挙げてその安定運転に努めています。
※伊方発電所の安全運転・設備保全への取り組みについては、P17・18をご参照ください。
耐震安全性評価の状況報告 ∼原子力の信頼性向上のために∼
伊方発電所では、2006年9月改訂の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」
( 以下、
「 新耐震指針」)や、2007年
7月に発生した新潟県中越沖地震を踏まえて、耐震安全性評価を行っています。
3号機においては、2009年2月に耐震安全性評価の最終報告を、1,2号機においては、2009年3月に中間報告として主要設
備の耐震安全性評価をまとめ、
それぞれ原子力安全・保安院(以下、
「保安院」)
に報告しました。評価の結果、敷地に最も影響を
及ぼすような地震が発生したとしても、原子炉施設の安全性は十分確保されることを確認しており、2010年1月に保安院より、
伊方発電所3号機の主要設備の耐震安全性評価結果が妥当との評価結果を受領しました。
今後とも、皆さまに信頼される伊方発電所を目指して、最新の知見を十分フォローし、新耐震指針等に基づく適正な評価を行
い、耐震安全性に対する信頼性を一層向上させていきます。
「伊方発電所の耐震安全性評価に関する
断層長さの変更による検討結果について」
2009年8月、保安院から、四国電力が伊方発電所の基準地
震動策定のために設定している基本震源モデルの断層長さを
従来の42kmから54kmに変更した場合について検討するよう
要請があり、地震動評価を行った結果、基準地震動の最大加速度
は、従来の570ガルを超えないことを確認しました。
あわせて、3号機の安全上重要な機能を有する主要な施設に
ついて、今回の地震動評価結果を用いても耐震安全性が確保
されていることを確認し、2009年9月、保安院の専門家会合に
評価結果を報告しました。
四国電力の発電量の約4割を発電する伊方発電所
伊方発電所3号機におけるプルサーマル開始
限りある資源を大切にし、有効利用していくために、
日本では、
「プルサーマル計画」
に取り組んでいます。
プルサーマル計画とは、使用済燃料から再処理して取り出した
プルトニウムをウランと混ぜて新しい燃料(MOX燃料)
を作り、原子力発電所でリサイ
クルする計画です。
伊方発電所3号機は、2010年1月から開始した第12回定期検査においてMOX燃
料16体を含む全燃料157体を装荷した後、3月には経済産業省による総合負荷性能
検査に合格して、国内2例目となるプルサーマルによる営業運転を開始しました。
当社では、今後も安全を最優先に、伊方発電所の安定運転に取り組んでいきます。
MOX燃料1体目装荷の様子
よんでんグループCSRレポート 2010
08
特集
低炭素社会への扉を開くために
当社初のLNGの導入
よんでんグループでは、新たに経済性・環境適合性に優れたLNGの導入を進めています。
LNGの導入は、電源の
多様化によるバランスのよい電源構成の実現にもつながるうえ、CO₂削減にも大きく貢献します。
今後も、着実にその導入を進め、安定供給基盤を磐石なものとしていきます。
LNG基地の運転開始
坂出LNG基地は、海外からの大型LNG船が直接入港できる四国
初のLNG基地で、地上式タンクとしては国内最大級である容量18
万キロリットルのLNGタンク1基を有しています。同基地では、坂出
発電所や地元企業へのガス供給のため、LNGをガス化できる設備
のほか、四国各地のお客さまへ環境特性の優れたLNGをお届けで
きるよう、ローリー出荷設備も備えています。
2007年1月から進めてきた工事も無事に完了し、2010年3月に
営業運転を開始しています。
LNGを受け入れ中の坂出LNG基地
坂出発電所へのLNG導入状況
LNG基地建設とあわせ、坂出発電所ではLNGへの燃料転換を進
めています。1号機を発電効率の高いコンバインドサイクル方式(出力
29.6万kW)へリプレースするとともに、4号機(出力35.0万kW)に
ついても、
これまでの設備を活用しながら燃料を石油から天然ガスに
変更するもので、4号機は本年3月に営業運転を開始しました。1号
坂出発電所1号機発電設備
機も本年8月の営業運転開始に向け、最終調整段階です。
また、
これらに引き続き、2号機についてもコンバインドサイクル方
式(出力28万kW級)にリプレースすることとし、2014年度の工事着
工、2016年度の営業運転開始を目指して、現在は環境アセスメント
手続きを進めています。
本プロジェクトにより、坂出発電所では4基のうち3基がLNGを燃
料とする発電設備となり、
これにより四国電力のCO 2 排出量を年間
約70万t削減できる見込みです。
坂出LNG 技術部 技術課
坂出発電所1号機外観
高尾 浩 (たかお ひろし)
「運開!」
2010年3月25日。坂出LNG基地は、四国最大のLNG供給拠点として運転
を開始しました。
私は、基地建設中、計装設備を担当していました。同年1月9日、第1船入船を
皮切りに、試験、調整が徐々に本格化するにつれ、充実感が溢れてきました。
今後も、私たち坂出LNGは、四国のクリーンエネルギーの拠点として安定的
にLNGを供給する使命と責任を自覚し、社員一丸となって自らの職務の遂行
に真摯に取り組んでいきます。
09
よんでんグループCSRレポート 2010
特集 低炭素社会への扉を開くために
3E
Energy security
Environmental conservation
Economy
の同時達成に向けて
再生可能エネルギーの導入
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、
自然条件に大きく左右されやすく、供給力としての量の確保も困難で
あるなど、主力電源として導入するには多くの課題がありますが、発電時にCO₂を排出しない電源として、
よんでん
グループ一体となって導入を進めています。
メガソーラー発電所の建設
低炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、
「メガソーラー
※
の建設を松山市内で進めています。
発電所」
これは、既設の松山太陽光発電所を増設するもので、第一期工事
として、2011年1月の営業運転開始を目指し、
出力1,742kWの太陽
電池パネルを設置する予定です。
さらに第二期工事として、2020年
度までに、
出力2,300kW程度の増設を行う予定です。
既設分と第一期・第二期分を合わせると、合計出力約4,300kW、
年間発電電力量約460万kWhの発電設備となる予定です。
これによ
第一期工事完了後の完成予想図(松山太陽光発電所)
り、CO₂排出量を年間約0.2万t削減できる見込みです。
※出力1,000kW以上の太陽光発電所
風力発電所の展開
よんでんグループでは、風力発電事業にも取り組んでいます。四
国電力が参画している
「三崎ウインドパーク
(愛媛県、
20,000kW)」
の年間発電電力量は、約5千万kWhであり、年間約2万tのCO₂を
削 減しています。このほか 、大 川 原ウインドファーム( 徳 島 県 、
三崎ウインドパーク
(出力20,000kW)
19,500kW)などでも風力発電所の運転を行っています。
木質バイオマスの活用
西条発電所では、燃料の石炭に木質バイオマスを混合して燃焼
させる運用を2005年から開始しています。
これにより、2009年
度は約0.8万tのCO₂を削減し、
これまでに約5万tのCO₂を削減し
ました。
木質バイオマス
木質バイオマスの
受入れ
電気自動車(EV:Electric Vehicle)の導入・活用
よんでんグループでは、走行時にCO₂を排出しない電気自動車(以下、
「EV」)
の普及促進に取り組んでいます。
四国電力では、2009年度に業務用車両として30台を導入し、
お客さま訪
問など日常業務をはじめ、電化住宅イベントや地域祭りでの展示など、
さまざ
まな機会でEVを積極的に活用しています。 今後、2020年を目途に、順次、当社の業務用車両の半数にあたる300台
を対象にEV(プラグインハイブリッド車含む)導入の方向で検討を進めてお
り、300台のEVを導入した場合、CO₂の排出量を年間約200t削減できる見
込みです。
よんでんグループCSRレポート 2010
10
特集
低炭素社会への扉を開くために
グループ一体となったソリューションサービスの展開
低炭素社会を実現するためには、電気の需要サイドにおいても、高効率のヒートポンプ技術の活用などにより
さらなる電化を推進することで、環境負荷の低減を図ることが必要となります。
よんでんグループでは、設備の省エネ診断による運用改善や、機器取替による設備効率改善など、お客さまが
直面するさまざまな技術的課題に対し、グループの技術力やノウハウを活用し、
より良い解決策を提案する
「技術
サポート活動」を一体となって推進しています。
最近では工場の生産プロセスにおけるエネルギーの最適利用、環境対策、国内クレジット制度の活用提案な
ど、幅広いコンサルティングを提供しており、今後ともお客さまの多様なご要望にワンストップでお応えしながら、
低炭素社会実現に向けたソリューションサービスを展開していきます。
●主なソリューションメニュー
項目
省エネ対策
●提案営業活動の実施状況(提案件数)
主な提案内容
空調・給湯の電化
ボイラー・コンプレッサ・照明等の高効率化
(件)
2,000
2,087
その他
1,939
負荷平準化対策
1,793
設備保全対策
省エネ対策
(熱設備)
1,500
1,469
省エネ対策
(電気設備)
設備保全対策
受変電設備劣化診断
スチームトラップ点検
負荷平準化対策
デマンド監視装置の導入
蓄熱空調システムの導入
その他
環境対策、国等の補助事業の活用
国内クレジット制度の活用
1,110
1,000
791
594
500
326
123
0
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009(年度)
<事例紹介1>
国内クレジット制度を活用した提案活動
四国電力では、技術サポート活動の一環として国内クレジット制度に基づくCO₂排
出削減事業を実施しています。
具体的には、省エネコンサルなどを通じて得たノウハウを提供し、施設園芸ハウス、
宿泊施設、工場、病院などで電気式ヒートポンプ空調の導入や高効率機器に更新い
ただくことにより、省エネ・省CO₂を図るもので、
これまでに13事業を申請しています。
これにより、
当社は約1.3万t−CO₂のCO₂排出削減クレジットを取得することを予
定しています。
電気式ヒートポンプ空調(宿泊施設)
<事例紹介2>
塗装乾燥工程へのヒートポンプ式熱風発生装置の導入
変圧器ケースの製造・塗装を事業とする株式会社南電器製作所(香川県多度津
町)
では、その塗装乾燥工程での給気予熱に、
ヒートポンプ式熱風発生装置を導入
し、ハイブリッド式乾燥システムにすることで、省エネとCO 2 排出量の低減を実現で
きました。
これからもよんでんグループでは、工場の生産プロセスへのヒートポンプ技術の
適用や、利用されずに捨てられている温水・廃熱の回収利用提案を積極的に展開し
ていきます。
11
よんでんグループCSRレポート 2010
南電器製作所に導入されたヒートポンプ式熱風発生装置
特集 低炭素社会への扉を開くために
3E
Energy security
Environmental conservation
Economy
の同時達成に向けて
モルディブでの技術サポート活動
四国電力では、
これまでに蓄積した技術・ノウハウを活用して、
独立行政法人国際協力機構(JICA)
から受託した
「モルディブ共
和国における省エネルギーに関する専門家派遣事業」
に参画し
ました。
モルディブはインド洋にある千を超える島々からなる国家で
あり、首都マーレは高い経済成長と人口増加により電力供給が
逼迫している状況です。
このため、同国の支援要請を受け、同国
の関係省庁および電力公社に対し、省エネ診断技術指導および
省エネマニュアル作成支援などの技術移転を行いました。
今後も技術サポート活動で培った技術等を活用して、低炭素
社会の実現に貢献したいと考えています。
現地技術者への省エネ診断技術指導
活動成果報告会
よんでんグループでは、毎 年 、より一 層のサービス充 実を
目指して「技術サポート活動成果報告会」を開催しています。
当日は四国電力・グループ会社の経営層・担当者が出席し、
その 模 様 は テレビ 会 議 システムで 同 時 中 継 されるなど、
技術サポート活動の情報共有と水平展開が図られています。
2009年の報告会では、
「 補助事業の活用による初期費用
を低減した空調・給湯の電化提案」
「ボイラー・コンプレッサの
省 エネ 提 案 」など計6件 が 紹 介 され 、活 発 な 質 疑 応 答 が
行われました。
今後も、本報告会を通して、今まで以上にグループの総合力
を活かしたソリューション活動を推進していきます。
技術サポート活動成果報告会(2009年)
高知支店 営業部
(よしだ たくや)
「感謝の言葉を糧に」四国電力
営業提案センター技術サポート課 吉田 卓矢
私の所属する技術サポート課では、お客さまの抱える課題
解決に向けたさまざまなソリューション活動を展開しています。
その一環として、省エネ・省CO₂に取り組みたいというお客さ
まを対象に省エネ講習会を開催したところ、
お客さまから
「これ
までの電気の使い方のムダや改善点が分かったうえ、電気の有
効な使い方がよく分かり、
とても有意義だった。ぜひ今後も引き
続き省エネについて助言してほしい。」
と感謝の言葉をいただい
たことは私にとって大きな喜びとなっています。
今後もお客さまの感謝の言葉を糧に、
「お役立ち」活動を通し
て、低炭素社会の実現に向け貢献していきたいと思います。
菓子製造工場における省エネ講習会
よんでんグループCSRレポート 2010
12
CSR活動の7つの柱
Ⅰ
電力の安定供給の遂行
よんでんグループでは、
四国地域のライフラインを担う事業者として、
良質で安価な電気エネルギーを安全かつ安定的にお届けすることをもっとも重要な社会的使命と考え、
グループ一体となってその使命の遂行に全力を尽くしています。
グループ一体となって支える安定供給〈グループ各社の取り組み例〉
坂出LNG(燃料受入)
LNG受入・貯蔵・出荷などの運用業務
橘火力港湾サービス(燃料受入)
橘湾発電所(徳島県)
の石炭揚炭業務や、港湾・
揚運炭設備の運用業務
橘火力港湾サービス 細川 慎也
事業部 揚運炭課 (ほそかわ しんや)
私は、橘湾発電所で使用する石炭を、石炭輸送船から揚炭機(アン
ローダ)
を用いて揚炭し、
運炭設備(ベルトコンベア)
により石炭サイロ
まで輸送する業務を担当しています。
揚炭機の運転では、台風や強風などにより揚炭作業行程に影響が
出る場合もありますが、安全に気をつけ、揚炭機と船壁や船倉上部と
の距離、船倉内の状況に注意
しながら、安全・安定運転に
努めています。
今後とも発電所の安定運
転のため、石 炭 揚 運 炭 業 務
に取り組んでいきたいと思い
ます。
橘湾発電所の揚炭作業
燃料受入
発 電
四電エンジニアリング 伊方支社 宮武 哲也
汽機部 汽機二課(みやたけ てつや)
私は、2009年に入社して、伊方発電所におけるタービン設備の保
守を担当しています。
日々、先輩とのパトロールを通じて、発電所の仕
組みや機器の構造について学んでいま
す。3 号 機 で MOX 燃 料 が 装 荷 され 、
2010年3月には、全国で二例目となるプ
ルサーマル発電が開始されました。私は、
このMOX燃料の装荷作業に立ち会うこ
とができ、
とても貴重な経験をしました。
これからも、設備の保守に必要とされ
る知識や技術力を向上させ、早く先輩方
に近づけるよう頑張っていきます。
13
よんでんグループCSRレポート 2010
四電エンジニアリング(発電・変電)
発電所や変電所などの建設工事・保守点検
(発電)
四電技術コンサルタント
環境調査・コンクリートの劣化診断、
水力発電所の保守およびダム管理業務
伊方サービス(発電)
伊方発電所の放射線管理や化学管理
CSR活動の7つの柱 Ⅰ 電力の安定供給の遂行
四国計測工業 善通寺工場
池田 則昭
電力システム部 ソフト設計第一課 (いけだ のりあき)
四国計測工業(発電・変電・配電)
発電所の電気計装設備の設計・工事・保守、
変電所・配電線の監視・制御装置の製造・開発
四電工(送電・配電)
送電線、配電線の建設・点検・保守工事
テクノ・サクセス(送電・変電・配電)
送電線・変電所・配電線の開閉器類や雷害防止
装置など電力機器類の製造
四国航空(送電)
ヘリコプターによる送電線の定期巡視、
ヘリコプター
搭載ハイビジョンカメラの画像解析による保守点検
(変電・配電)
四変テック
私は1999年に入社以来、監視制御システムのソフトウェア開
発者として、配電系統自動化システムや中央給電指令所システム
等の開発に携わり、多くのノウハウを身につけてきました。
2009年3月に運用を開始した四国電力の中央給電指令所シス
テムは、四国全体の電気をコン
トロールする役 割を担って昼
夜を問わず連続稼働している
システムで、私が製作したプロ
グラムの一 部が作 動している
と思うと、身の引き締まる思い
がします。
これからも技術力の向上に
努め、システム開発を通じて、
電気エネルギーの安定供給に
貢献していきたいと思います。
変圧器や配電盤などの電力機器の開発・製造
送変電
配 電
お客さま
四国電力と四電工との合同復旧訓練
東南海・南海地震等における災害復旧応援の広域化に対応した、迅速・的確な復旧作
業技術を磨くため、四国電力と四電工の配電部門は合同で、
「 非常災害対策実動訓練
(2008年度から実施)」
と
「大規模災害応急復旧訓練(2004年度から毎年実施)」を
2009年度は徳島県吉野川市において、
同一日に連続した訓練として実施しました。
訓練では、被災地域外の支店からの応援要員移動、応援者の受入れ、的確な指揮命
令と情報連絡および応急復旧作業等を実施するとともに、
ライフラインを預かる事業者
としての社会的使命を再確認しました。
大規模災害応急復旧訓練
非常災害対策実動訓練(参集状況)
非常災害対策実動訓練(情報連絡とテント設営)
よんでんグループCSRレポート 2010
14
CSR活動の7つの柱
Ⅰ
電力の安定供給の遂行
安定供給に向けた電源計画・燃料調達
中長期的な安定供給確保
最適な電源バランス
四国電力では、石油危機を契機として脱石油を図るとと
原子力・火力・水力などの発電方式は、運転方法や発電コス
もに、原子力の開発に積極的に取り組んできました。
ト
(経済性)、環境への影響などの面でそれぞれ特徴がありま
その結果、当社の発受電電力量における石油等の割合
す。
当社では、
それらの特徴を踏まえ、原子力発電を中心に水
は、1975年度の74%から2009年度では9%まで低減し
力や火力をバランスよく組み合わせて電気を供給しています。
ているほか、発電時にCO₂を排出しない原子力、水力、新
例えば、年間で最も電力消費量の多い夏場では、経済的で
エネルギーの合計比率が50%となるなど、バランスの良い
安定した発電ができる原子力と自流式水力を中心に発電し、
電源構成を実現しています。
不足分は発電出力が柔軟に上げ下げできる火力でカバー、
これらに加えて、2010年にはLNGを導入し、2011年
そして、昼間の電力消費ピーク時は、素早く発電を開始できる
にはメガソーラー発電の導入を計画するなど、電源の多様
揚水式水力と貯水池式水力で補っています。
化を推進するとともに、今後も安定的な電力供給の確保に
1日の電気の作り方(四国・夏季)
努めていきます。
揚水式水力
①ピーク部分
貯水池式水力
発受電電力量構成比の推移と見通し
(四国電力)
石油火力
(%)
60
74
石炭火力
34
31
石炭
自流式水力
8
9
10
水力
原子力
44
②変動が大きい部分
17
16
40
LNG
石油等
40
35
80
LNG火力
1
6
8
1 1
9
100
新エネルギー
1
5
8
0
20
0
6
12
③ベース部分
18
24(時)
原子力
26
32
41
43
1975実績
1990実績
2009実績
2010計画
①ピーク部分は、
素早く発電を開始できる揚水式水力と貯水池式水力で。
②変動が大きい部分は、発電量の調整が容易な火力で。
③ベース部分は、
経済的で安定して発電できる原子力と自流式水力で。
2019計画(年度)
揚水式水力:夜間の電気で上池に汲み上げた水を昼間に放水して発電。
貯水池式水力:貯水池を設け、必要に応じて発電。
自流式水力:川の流れを水路に引き込み発電。
安定的な燃料調達
新興国の経済成長による需要の増加や、供給国の政情不安など、安定した
燃料調達を継続していくには、今後も困難な状況が続くと考えられます。
このため、
どの燃料にも過度に依存しない「燃料のベストミックス」に今後も
努めるとともに、燃料調達の際には、供給信頼性の高い調達先との長期契約を
はじめ、調達国の分散化、調達方法の多様化など、安定的に燃料が調達できる
当社石炭の安定輸送の一役を担う専航船「たちばな」
よう取り組んでいます。
電気を安定的にお送りするために
四国電力 系統運用部
中央給電指令所 当直員
中央給電指令所では、24時間交代制で時々刻々と変化する電気の使用量に合わせて、発電
量と電気の流れをコントロールしています。
良質で低廉な電気を安定的にお届けするためには、季節・曜日・天候等の要因を考慮して、
電力需要を正確に予測しつつ、最も経済的になるように発電機の出力を配分するとともに電気
の流れを総合管理する必要があります。
また、万一停電した際には迅速・的確な復旧操作を
行うことが必要となりますが、私たちは日々の業務や訓練等を通じてこれら高度で専門的な
技術・技能を修得し、
さらに磨きをかけるよう日々努めています。
1つのミスが電気の質に直接影響するため,勤務中は一瞬の気も抜くことはできないほどの
緊張感に包まれますが、
ライフラインの担い手として、
また、電力系統運用のプロとして細心の
注意を払いながら、24時間体制でこれからも良質の電気を四国に送り届けたいと思います。
15
よんでんグループCSRレポート 2010
大西 健介(おおにし けんすけ)
CSR活動の7つの柱 Ⅰ 電力の安定供給の遂行
発電所の安全運転・設備保全への取り組み
火力発電の取り組み
水力発電の取り組み
火力発電所は、
24時間、時々刻々と変化する需要に応
水力発電には長い歴史があり、四国電力創立(1951年)
じて発電量を調整するなど、電力の安定供給に不可欠な
以前に運転を開始し、今も現役で活躍している発電所が
電源です。
多数存在しており、平均すると運転開始以来約60年が経過
安定運転への取り組みとして、毎日の現場パトロールや
しています。
中央制御室での運転監視により機器の異常を早期に発見
これらの水力発電の安定運転を確保するため、設備巡
し、事故の未然防止を図るとともに、訓練シミュレータを利
視や定期点検などきめ細かな保守管理を行うことにより、
用した運転技術の向上に加え、日頃より事故を想定した訓
異常の早期発見を図り、事故の未然防止に努めています。
練を実施しています。
また、今後も長期にわたって有効活用するため、長寿命化
また、設備保全への取り組みとして、実機を利用した保
に軸足をおいた設備保全に取り組んでいます。
守研修等による現場技術力の維持・向上に努めるととも
具体的には、水車・発電機やダムゲートなど主要設備の
に、設備の重要度に応じた適切かつ効率的な設備保全を
余寿命診断を的確に行うとともに、設備を取り替える際に
行うことで、設備の信頼性の確保を図っています。
は、信頼性の高い新材料や新技術を積極的に導入するな
ど、設備の信頼度向上と長寿命化を図っています。
2009年度については、津賀ダム(高知県)のダムゲート
(全10門)の取り替えを完了するとともに、大渡発電所(高
知県)や第五黒川発電所(愛媛県)などにおいてオーバー
ホール※を実施しました。
※水車・発電機のトラブルを未然に防止するため、定期的に分解点検を行い、
老朽部品を取り替える作業
シミュレータ訓練(火力技術研修センター)
蒸気タービン開放点検(橘湾発電所)
ダムゲートの取り替えを完了した津賀ダム
(高知県)
電気を安定的にお送りするために
四国電力 阿南火力事業所
橘湾発電所 保修課
島尾 遼太郎(しまお りょうたろう)
入社10年目の私は、橘湾発電所の運開10周年とあわせて大きな節目を迎
えました。
これまで、入社以来9年間発電所の運転業務に携わっていましたが、2010
年度から初めて発電所の機械装置のメンテナンスを担当する保修課に配属と
なりました。
これは例えば、今まで車に乗って運転していたドライバーが、急に一から車
を整備するような変化です。
とまどいもありますが、過去に蓄積した運転のノウ
ハウを生かし、先輩方からの指導を得ながら、勉強の日々を送っています。
今後は、橘湾発電所とともに、長期に渡って無事故無災害で電力を安定供
給することで地域社会に貢献したいと思っています。
よんでんグループCSRレポート 2010
16
CSR活動の7つの柱
Ⅰ
電力の安定供給の遂行
発電所の安全運転・設備保全への取り組み〈原子力発電所〉
品質保証活動の取り組み
社長によるトップマネジメントの品質保証体制のもと、PDCAサイクルを回すことによって、保安活動の継続的
な改善を実施しています。
品質保証体制
社 長
(トップマネジメント)
報告
監査計画
結果報告
指導
考査室
原子力監査担当部長
(管理責任者)
原子力本部長
(管理責任者)
報告
資材部長
指導
土木建築部長
原子力部長
原子燃料部長
連係
運転管理および設備の維持管理
伊方発電所では、運転員が24時間体制で設備の運転状況
を監 視し、定 期 的なパトロールを行うととともに、約 1 年
(13ヵ月)
に1回、発電所の運転を止めて、法律で定められて
いる
「定期検査」
を実施しています。
また、設備の経年的な変化を考慮し、国内外の運転経験や
トラブル事例から得た知見に基づき、点検や取替などの予防
保全対策を実施しています。
運転開始から30年前後経過した伊方発電所1,2号機で
は、原子炉容器内部構造物、蒸気発生器、原子炉容器上蓋、
低圧タービンなどの重要な大型機器や中央制御盤の取替を
実施しています。
運転員のパトロール
中央制御盤取替
伊方発電所1号機は1977年9月に、
また2号機は1982年3月に
それぞれ運転開始して以降、
アナログ式の中央制御盤で運転して
きましたが、2009年2月から7月にかけて、最新のデジタル式に取
り替えました。
本工事により、大型画面の採用による視認性の向上および、装置
の予備品や取替部品の共用化や保修作業の標準化が可能となる
など保守性が向上したほか、制御回路の2重化や自己診断機能に
より信頼性が向上しました。
取替後の中央制御盤
17
よんでんグループCSRレポート 2010
指導
原子力
保安研修所長
伊方発電所長
CSR活動の7つの柱 Ⅰ 電力の安定供給の遂行
高経年化対策
原子力防災対策
原子力発電所では、運転開始後30年を経過するまでに、
万一の災害時に迅速に対応するため、原子力災害対策特
各機器に対して技術的な詳細評価を行い、それ以降の具体
別措置法や災害対策基本法に基づき、国、
自治体、電力会社
的な
「長期保全計画」
を策定し、
その後10年毎に再評価を行
などがオフサイトセンター※を中心に一体となって迅速に対
うことになっています。
応する仕組みになっています。
伊方発電所では、2006年9月、1号機の経年変化に関する
また、愛媛県主催の原子力防災訓練に毎年参加し、通報
技術的な評価と長期的な保全計画を国へ報告し、2007年8
連絡や緊急時環境モニタリングなどの訓練を行っています。
月、国は当社の報告書の内容が妥当であるとする審査結果を
※発電所外にある緊急事態応急対策拠点施設
公表しています。
高経年化対策の流れ
高経年化対策の検討
高経年化技術評価を行い、長期保全計画を策定します。
10年毎に、国内外の運
反映
健全性評価
転 経 験 、技 術 的 知 見の
反映状況を評価します。
長期保全計画
定期安全
レビュー
定期安全
レビュー
定期安全
レビュー
10年毎
10年毎
再評価
再評価
計画に基づく保全の実施
定期安全
レビュー
定期安全
レビュー
運転中の監視・点検・定期点検等
運転開始
10
20
30
40
50
年
年
年
年
年
2009年度原子力総合防災訓練(オフサイトセンター内)
地震対策
原子力発電所の地震対策
原子力発電所は、設計・建設から運転に至るあらゆる段階
で耐震安全性を確認しています。
たとえ大地震が起こったと
しても原子炉を安全に
「停止し」、
「 冷やし」、
「 閉じこめる」機
能が十分保たれるよう万全の安全対策を講じています。
(※)伊方発電所の耐震安全性評価の状況については、特集ページ(P8)を
ご参照ください。
四国電力 伊方発電所 保修グループ 長谷
徹底した
調査
強固な
岩盤上に
建設
あらゆる
地震を
想定した
設計
詳細な
解析評価
大型振動台
を使った
実証実験
原子炉を
安全に
自動停止
津波対策
義幸(ながたに よしゆき)
私は1989年に入社し、運転業務を6年間経験した後、今の計装保修業務に15年間携わ
りました。主に2次系計装設備を担当して、設備に対する知識・技術を深めてきました。2009
年の中央制御盤等取替工事では、
それまでの経験を活かして2次系計器ラックの設計業務
やインターフェース試験を無事完遂させることができました。
2010年3月より新たに1次系計装設備の保修業務を担当することになりましたが、
これま
で習得した知識・技術を活用し、
これからも伊方発電所の安全・安定運転に貢献していきたい
と考えています。
よんでんグループCSRレポート 2010
18
CSR活動の7つの柱
Ⅰ
電力の安定供給の遂行
電力輸送に係わる取り組み
送変電設備の保全
配電設備の保全
送変電設備は、
基幹となる50万ボルト系統をはじめとして、
配電設備を常に健全な状態に維持するために、定期的な
総延長約6,400km(日本の最北端から最南端までの2倍)
点検に加え、老朽化した設備の取替などの改修工事を行って
の送電線と、送られてくる超高圧の電気を、お客さまが必要
います。
とする電圧に変える約200ヵ所の変電所から構成されて
万が一、台風などによって停電が発生した際は、停電が
います。電気を安定して皆さまにお送りするため、日々昼夜
広範囲に及ばないよう、制御スイッチによって
「停電範囲を
を問わず、
これら設備の維持・管理に努めています。
可能な限り縮小して送電する」
という操作が短時間に自動的
に実行されます。平行して作業員が現場に急行し、停電原因
具体的には、
部分の探査から復旧に至るまで、迅速に対応しています。
◎人里離れた急峻な山岳地などでの送電線巡視や
超高層ビル並の鉄塔上での点検
◎設備が長期にわたって安定に機能するよう
また、停電時への備えとして
「各自治体主催の防災訓練へ
の参加」
や、
「グループ会社を含めた災害時の復旧作業、情報
伝達などの訓練」
を実施しています。
設備状態の十分な評価と綿密な管理
お客さま1軒あたりの年間事故停電時間の国際比較
◎台風など悪天候時における迅速な事故復旧
(分)
140・
◎地震など自然災害への備え
128
120・
100・
など、地道な取り組みの積み重ねにより、電力の安定供給を
82
80・
支えています。
62
60・
37
40・
20・
0・
6
日本
2008
注:荒天時等を含み、
計画停電
および送電線事故に起因
する停電を除く。
3
アメリカ
アメリカ
(ニューヨーク)
(カリフォルニア)
2007
2007
ドイツ
2006
フランス
2007
イギリス
2007(年) 出典:海外電気事業統計2009
お客さま1軒あたりの停電時間および回数(四国電力)
(分/戸)
35・
(回/戸)
・0.8
144
停電時間
(分/戸)
30・
・0.7
停電回数
(回/戸)
・0.6
25・
21
・0.5
20・
・0.4
15・
・0.3
8
10・
5・
0・
送電線の補修作業
5
2000
8
4
4
2001
2002
7
2003
2004
2005
2006
2007
2008
強(まつなか つよし)
私は、松山支店管内の配電設備の保守・工事等に係る業務を担当していますが、台
風・雷・大雪などの自然災害により停電が広範囲に及んだ際は、支店・営業所管轄を
超えた応援体制により、災害復旧に取り組んでいます。
2010年春の大雪で倒木により電線が断線し停電が発生した際には、私は徹夜で
復旧作業に従事しました。
お客さまから
「寒い中、
ありがとう、電気がついて暖がとれ
る」
とお礼を言われた時の感動を忘れず、電力というライフラインの建設と保守を充実
させて人々の生活に貢献していきたいと考えています。
よんでんグループCSRレポート 2010
・0.2
・0.1
・0.0
2009
(年度)
注:計画停電を除く。
2004、
2005年度は大型台風の影響により停電時間・回数ともに増加。
四国電力 松山支店 営業部 配電センター 計画課 松中
19
9
8
CSR活動の7つの柱 Ⅰ 電力の安定供給の遂行
技術の維持・向上
東南海・南海地震への対応
設備の合理的な形成や安全・安定的な運用に加え、
それを
今後30年以内の地震発生確率は、東南海地震は60∼
支える技術力の維持・向上とその着実な継承にグループ大で
70%、南海地震は50%と言われており、東南海・南海地震が
取り組んでいます。
発生した際の被害軽減・早期復旧のため、順次対策を実施し
ています。
電力供給技術の維持・強化
東南海・南海地震は、地震動による被害に加え、特に津波
○シミュレータ訓練設備を活用した発電所、変電所の
による浸水被害が広範囲に及ぶと予想されているため、浸水
運転・運用に関する知識・技能の習得
防止対策として変電所設備の一部をかさ上げするなどの対
○災害復旧や設備の保守訓練を通じた現場技術レベ
策を進めています。
ルの向上
また、
定期的に防災訓練を実施し、地震発生時の初動対応
○グループ大での技術研修、資格取得の推進
に備えています。
○ベテラン技術者やOBによる知識・技術の継承
主な対策の実施状況
○設備被害を最小限に食い止める対策および早期
将来に向けた技術開発
復旧のための設備増強工事・復旧用資機材の増配備
○設備の長寿命化、運用・保守の効率化などコスト
○四国全体での復旧体制の整備や防災訓練の実施
低減技術の開発
○全ての火力・原子力発電所で気象庁の「緊急地震
○設備の保全・健全性評価技術、電力系統運用技術
速報」
を利用したシステムを導入
など電力安定供給技術の開発
○お客さまへの地震に対する広報活動の実施
○電化機器や電気の有効利用などお客さまニーズに
お応えするための技術開発
○バイオマスの利用や石炭灰有効利用など環境保全
技術の開発
シミュレータ訓練設備を活用した原子力発電所の運転訓練(原子力保安研修所)
橘湾発電所 防水ゲート設置
四国電力 松山支店 電力部 松山送電センター 沖田
健昇(おきた けんしょう)
私は、送電部門における若年層社員の現場技術力向上を目的とす
る
「直営技術プロジェクト」
で、
指導を行っています。
当社では、
これからのベテラン社員の大量退職に備えた現場技術
力の維持・継承が課題となっています。
そこで私は、
これまで培った26年の経験を活かし、若年層社員に施
工・安全面等の技能や知識を伝えるとともに活力溢れる送電技術者
となるよう育成を行っています。
よんでんグループCSRレポート 2010
20
CSR活動の7つの柱
Ⅱ
コンプライアンスの推進
よんでんグループでは、皆さまとの信頼の絆を今後より一層強め、企業価値を高めていくために、
法令の遵守や企業倫理の徹底など、従業員一人ひとりが遵法意識を高く持ち、社会の要請に応えていきます。
コンプライアンス
(法令遵守・企業倫理の徹底)
の推進
コンプライアンス推進体制
「コンプライアンス相談窓口」
の設置
グループ各社に
「コンプライアンス推進委員会」を設置す
「コンプライアンス相談窓口」を、社内および社外の弁護
るとともに、
「よんでんグループコンプライアンス推進協議
士事務所に設け、法令や企業倫理に反する行為について、
会」を設置し、グループ全体でコンプライアンスの推進に取
社内外からの相談を受け付けていますが、いずれも適切に
り組んでいます。
対応しました。(2009年度相談件数・・・11件)
また、役員および従業員がコンプライアンスの推進を図
るための具体的事項を定めた「コンプライアンスガイドライ
コンプライアンス相談窓口の概要(四国電力の例)
コンプライアンス
推進委員会
報告
◎相談内容の事実確認
◎必要があれば是正措置や再発防止策
を講じる 等
ン」を制定し、周知・徹底を図っています。
従業員への教育の徹底
電話・ファックス・郵送
◎経営層や委員会事務局による事業所の巡回
〈相談者〉
◎全従業員を対象としたe-ラーニングによる研修
◎当社従業員
(原則として顕名)
◎グループ
従業員
◎当社またはグループにおける法令
違反行為・企業倫理に反する行為
(一般的な要望は対象外)
◎集合教育の機会を活用したコンプライアンス教育
◎有識者を講師に招いての講演会の実施
などにより、従業員へのコンプライアンス意識の
◎社外の方
浸透・定着に努めています。
専用イントラネット・インターネット
郵 送
社内窓口
相談窓口
社外窓口
(弁護士事務所)
個人情報保護の徹底
管理体制の確立
「個人情報保護に関する基本方針」
の公表
個人情報保護の全社的な取り組みを検討、推進する
「個人
「個人情報保護に関する基本方針」を制定し、個人情報
情報保護推進委員会」
を設置し、各種社内規程の整備などを
の利用目的などを公表するとともに、
「 個人情報相談窓口」
行うことにより、
お客さま情報をはじめとする、個人情報の適
を設置して、
ご意見、
ご質問を受け付けています。
正管理の徹底を図っています。
また、内部監査部門による監査を定期的に実施し、
その結
従業員への教育の徹底
果を経営層に報告しています。
各種研修での個人情報保護教育や注意喚起の周知など
により、従業員への教育を徹底しています。
ホームページ
「コンプライアンスへの取り組み」トップ
ホームページ
「個人情報保護への取り組み」トップ
会社情報
会社情報
四国電力の取り組み−コンプライアンスへの取り組み
四国電力の取り組み−個人情報保護への取り組み
四国電力 総務部 法務グループ
小山 尚人(こやま なおと)
学生時代、私は、恩師から
「法は人々の願いの集合体である」
という言葉
をいただきました。今は、
この言葉を胸に、公益事業に携わる者として、
よん
でんグループと関わる皆さまの願い・ご期待に沿うために、
どうすることが
最善かを常に念頭に置きつつ、社内での法務相談への対応やコンプライア
ンス研修会の開催などを通じて、
より一層のコンプライアンス推進を図って
いきたいと考えています。
21
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR活動の7つの柱 Ⅱ コンプライアンスの推進
情報管理の徹底
情報システムセキュリティの確保(四国電力の例)
よんでんグループでは、情報管理の徹底を事業運営上の
重要な課題であると認識し、さまざまな取り組みを行って
インターネット
◎社外からの
不正なアクセスの遮断
◎コンピュータウイルス
対策など
います。
情報システムセキュリティの確保
四国電力では、個人情報を含む大量の情報をコンピュー
タ処理しており、万が一、情報流出や改ざん、
システムの停
止などがあると多大な影響を及ぼすことから、セキュリティ
コンピュータセンター
コンピュータ
データベース
◎地震や火災からコンピュ
ータ等を守るための専用
コンピュータセンター
◎厳重な入退館管理など
確保のためのシステム的なさまざまな取り組みのほか、従業
員へのセキュリティ意識の徹底を図っています。
◎物理的対策
コンピュータなどを設置している専用のセンターには
防災対策および防犯対策を実施
◎技術的対策
個人認証やコンピュータウイルス対策、
データの暗号化、
不正アクセスの監視・遮断
◎人的対策
「情報システムセキュリティ管理要領」などによるセキュ
リティの確保、セキュリティの確保の重要性やパソコン
利用上の注意事項に関する教育・周知
社内ネットワーク
事 業 場
パソコン
◎個人認証
◎データの暗号化など
発電設備の点検・調査結果を踏まえた取り組み
行動計画の策定とフォローアップ
四国電力では、2007年5月21日に「当社発電設備に係
2009年度については、行動計画に掲げた項目を計画通
る点検・調査結果を踏まえた今後の具体的な行動計画」
り実施し、
コンプライアンス意識の定着および浸透が図ら
(以下、
「 行動計画」)を経済産業省に提出しました。
れていることを確認しています(2010年3月31日にホーム
その中で、毎年度、行動計画の実施状況を確認し、CSR
ページに開示)。
推進会議において全体の評価を行ったうえ、その結果を
引き続きコンプライアンス意識の定着および浸透に向け
ホームページに開示することで、業務品質のさらなる向上
てさらなる意識付けを図ってまいります。
につなげていくこととしています。
具体的行動計画の実施状況についてのより詳しい内容は、ホームページ
をご確認ください。
ホームページ
「具体的な行動計画の実施状況についてのより詳しい内容」トップ
会社情報−CSRへの取り組み
CSRトピックス
火力発電所における騒音・振動等発生施設に関する
変更届出書の提出について
四国電力では、電気事業法に基づく変更届出の準備の一環として、騒音・振動等発生施設の現状確認を行ったところ、火力発電
所において過去に送風機等の機器更新工事を行った際に、電気事業法に基づく工事計画の届出が行われていなかったことを確認
したため、2009年10月14日、原因と再発防止策を取りまとめた報告書を中国四国産業保安監督部四国支部に提出しました。
また、今回の事案を全社大で情報共有するとともに、各部門ごとに届出・申請業務の実施方法について再確認し、新たに騒音・
振動等発生施設を網羅した一覧表を整備し、事業所ごとに管理する仕組みを追加するなど、再発防止に努めてまいります。
今回の事案を反省し繰り返さないよう、再発防止策を着実に実施するとともに、コンプライアンス意識の一層の定着、浸透に取
り組んでまいります。
よんでんグループCSRレポート 2010
22
Ⅲ
CSR活動の7つの柱
環境保全活動の推進
よんでんグループでは、エネルギー供給事業者の責任として、地球のため、未来のため、
環境に優しい事業活動を推進しています。
よんでんグループの環境保全活動の詳細は、
「よんでんグループ環境保全活動レポート2010」
をご参照ください。
ホームページ トップ
エネルギー・環境−環境問題への取り組み
環境保全活動レポート
環境管理の推進
よんでんグループ環境方針
「よんでんグループ環境方針」のもと、グループを挙げて環境保全活動を推進しています。
●よんでんグループ環境方針(2004年11月制定)
環境基本方針
環境行動指針
当社グループの環境保全に対する基本的な理念です
具体的な取り組み内容です
地球温暖化対策の推進
省エネルギー・負荷平準化の推進
環境基本方針
1
あらゆる事業分野において環境負荷の
継続的低減をはかります
地域環境保全の推進
循環型社会形成の推進
グリーン購入・エコオフィスの推進
環境基本方針
2
環境管理を推進します
環境管理の推進
環境基本方針
3
社会とのコミュニケーションを推進します
社会とのコミュニケーションの推進
環境保全活動の推進体制
環境管理システムの充実
よんでんグループ各社が参加する「よんでんグループ環
よんでんグループ環境会議に参加しているグループ各社
境会議」を定期的に開催し、環境保全計画や実施状況の
では 、I S O 1 4 0 0 1 に準じた 環 境マネジメントシステム
報告・審議を通じて、グループ一体となって取り組み内容の
(EMS)を導入・水平展開し、環境保全活動の継続的改善
さらなるレベルアップに取り組んでいます。
を図っています。
四国電力では、環境担当役員を委員長とし、関係各部長
四国電力では、本店、支店等全ての事業所(25ヶ所)
につい
により構成された「環境委員会」を中心として、環境保全活
て、ISO14001に準じたEMSを導入しています。
動を推進しています。
ホームページ
「環境問題への取り組み」トップ
エネルギー・環境−環境問題への取り組み
従業員への環境教育
環境保全活動において、実際に行動するのは「人」
である
ことを重視し、従業員を対象に、環境保全意識の向上を目
的とした環境教育を計画的に実施しています。
四国電力では、毎年、環境部が事業所に出向き、対面方
式での全社環境教育を実施するとともに、事業所ごとに選
任された環境教育リーダーを対象に集合教育や施設見学
会を実施しています。
また、環境教育リーダーによる各事業所での自律的な職
場環境教育に加え、e-ラーニングによる環境学習や、電子
掲示板を通じた環境情報の提供なども実施しています。
23
よんでんグループCSRレポート 2010
「よんでんグループ環境保全
活動レポート」
では、
よんでん
グル ープでの取り組みを紹
介しています。
より分かりやすく、より親
しみやすいレポートとなるよ
う、皆さまのご意見を反映し
たいと考えておりますので、
ぜひご覧頂き、
ご感想をお寄
せ下さい。
CSR活動の7つの柱 Ⅲ 環境保全活動の推進
地球温暖化問題への取り組み
「2008∼2012年度平均のCO₂排出原単位を0.326kg−CO₂/kWh(1990年度比20%削減)程度まで低減」
という目
標を設定し、
「 電力供給サイドの対策」および「電力需要サイドの対策」を推進するとともに、京都メカニズムクレジットの活用
などこれらの対策を補完する取り組みも実施し、CO₂の排出削減に取り組んでいます。
CO₂の排出状況
2 0 0 9 年 度 の C O ₂ 排 出 量 は 1 , 1 1 9 万 tとなり、
CO2排出量・CO2排出原単位の推移(四国電力)
(使用電力量
[千万/kWh]
、CO2排出量
[万トン]
)
(CO2排出原単位
[kg・CO2/kWh]
)
お客さまの使用電力量1kWhあたりのCO₂排出量は
0.407kg-CO₂/kWhとなりました。
3,000
また、京都メカニズムクレジットを反映した2009年
2,500
度のCO₂排出原単位は0.356kg-CO₂/kWhとなりま
2,000
した。
1,500
今後も引き続き、目標達成に向けた取り組みを進め
1,000
ていきます。
排出量
(左軸)
使用電力量
(左軸)
橘湾発電所
(石炭火力)
運転開始
伊方3号運転開始
0.5
0.407
0.4
0.356
0.3
排出原単位(右軸)
0.2
0.1
500
0.0
2009 (年度)
0
1990
1995
2000
2005
[ ※2008年度から
電力供給サイドの対策
●原子力発電所の設備利用率の向上
クレジット反映前
クレジット反映後 ]
主要国の原子力発電所の設備利用率
(%)
100
原子力発電所は発電時にCO₂を発生しないため、設備
CO₂の抑制に努めています。
利用率※1の向上を図り、
0.6
アメリカ
90
伊方
2009年度の伊方発電所の設備利用率は、安全・安定
運転に努めた結果、79.6%となりました。
80
79.6%
フランス
70
●発電効率の向上
火力・水力発電所では、設備更新の機会に合わせて、
日本
60
最新の高効率機器を採用するなどの取り組みを行い、
発電効率の向上に努めています。
●輸送設備の高効率化
50
1990
1995
2000
2009(年度)
2005
50万ボルト送電線網
50万ボルトの高電圧送電線の導入(18万ボルトの
約10分の1程度のロス率)や、新たな送電線を建設す
る際にロスの少ない電線を採用するなど、送・配電ロス※2
の低減を図っています。
伊方発電所
川内変電所
東予
変電所
讃岐変電所
阿波変電所
阿波幹線
※1
※2
発電所が100%の出力で1年間フルに稼働した場合に比べて
実際にどの程度発電したかを示す。
電気を送・配電線でお客さまにお届けするまでに、
その一部が熱になり消えてしまうこと。
橘湾発電所
橘湾火力線
四国中央幹線
南阿波幹線
阿南変換所
よんでんグループCSRレポート 2010
24
CSR活動の7つの柱
Ⅲ
環境保全活動の推進
地球温暖化問題への取り組み
電力供給サイドの対策
●再生可能エネルギーの活用
風力・太陽光発電等からの電力購入(契約電力の推移)
(万kW)
25
廃棄物発電
風力発電
太陽光発電
メガソーラーの導入や、風力発電事業など、
グループ大で
20
再生可能エネルギー導入に取り組んでいます。
(詳細は特集のP7∼10をご参照ください。)
15
また、
お客さまが設置している風力や太陽光発電設備など
10
から電力を購入し、再生可能エネルギーの普及促進に努めて
5
います。2009年度の風力・太陽光発電等の契約電力の合計
は、25.1万kWとなり、これは、四国電力の全発電設備の
0
1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
(年度)
約3%に相当します。
海外での再生可能エネルギー利用促進への取り組み
独立行政法人国際協力機構(JICA)
の政府開発援助(ODA)事業を通じて、南太平洋の島国(パラオ共和国、
ミクロネシア連邦、
マーシャル諸島共和国、
トンガ王国)
における、
再生可能エネルギーの開発・利用を促進する取り組みを行っています。
本事業では、新たなエネルギー源として太陽光発電の導入
を提案するとともに、太陽光発電設備を既存の電力系統に
連系する際の系統への影響等について評価し、
これに伴い必要
となる法制度の変更ならびに中長期的な電力設備開発計画に
ついても各国政府機関に提言しています。
このような電源開発
から法制度の検討などの運用面までのトータル・コーディネー
トは、JICAのみならず各国からも高く評価されています。
今後とも、四国電力の電力技術およびノウハウを活用し、
海外でも再生可能エネルギーの利用促進に向けた取り組みを
継続して行く予定です。
公共施設・産業・商業省大臣と
(パラオ)
四国電力 事業企画部 海外事業プロジェクトコンサルティングチーム 藤澤
慶哲(ふじさわ よしてつ)
海外事業プロジェクトコンサルティングチームでは、水力発電など従来
型エネルギーのみならず、太陽光発電などの再生可能エネルギーおよび
省エネルギーへもコンサル事業を展開しています。現在の主な活動拠点
である東南アジア・太平洋地域においては、地球温暖化などの課題に
加え、
どの国も、
それぞれ電力供給サイドでの課題を抱えています。
これらに対して、国内業務で培った知識・経験を有効活用することで、
それぞれの課題解決に貢献でき、
ひいては対象国での電力の安定供給に
貢献できていると考えています。
私たちの活動は、生活基盤を安定化させるという電力本来の使命に通
じるものであり、
その使命を仕事を通して現地の方々と共に体感できるこ
とは海外事業プロジェクトならではの醍醐味だと思っています。
ミクロネシア短期大学での変圧器確認
(ミクロネシア)
25
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR活動の7つの柱 Ⅲ 環境保全活動の推進
電力需要サイドの対策
地域熱供給のしくみ
サンポート高松地区の地域熱供給システムの概念図(温水排給の例)
●ヒートポンプ蓄熱空調システムなどの普及拡大
高松
シンボルタワー
ヒートポンプ蓄熱空調システムは、夜間に「空気の熱」を
全日空ホテル
クレメント高松
高松港旅客
ターミナルビル
利用して作った温冷水を、昼間に空調で利用するもので、
電気使用量が少なく、発電設備に余裕のある夜間の電力
高松サンポート
合同庁舎
を利用することで発電設備などを効率的に運用するととも
に、高効率のヒートポンプ利用によりCO₂を削減できるこ
海
とから、積極的に普及に取り組んでいます。
また、
ヒートポンプ蓄熱空調システムを取り入れた地域熱
放水
供給※にも取り組んでおり、大規模化による効率向上を図る
取水
とともに、地下水や海水の持つ温度差エネルギーなどの未
海水取水管
利用エネルギーを活用することで、CO₂を削減しています。
ポンプ
地域配管
海水
海水熱交換器
ヒートポンプ
四国電力では、現在、高松市内の3ヵ所で地域熱供給を
ポンプ
地域熱供給基地
(地下2階)
蓄熱槽
実施しており、
これにより年間のCO₂排出量を約0.6万t削
減しています。
※再開発などにあわせ、建物ごとに設置していた冷暖房用の熱源機器を1ヵ所
に集め、
地域内の各建物に供給するもの。
●エコキュートの普及拡大
エコキュートは、
「空気の熱」
をヒートポンプ技術を用いて
集め、
「お湯を沸かす熱」
として利用する給湯機です。
従来の電気給湯器に比べ3分の1のエネルギーでお湯を沸
かすことができ、
CO₂排出量を大幅に抑制できることから、
グ
ループ一体となってエコキュートの普及に取り組んでいます。
「第15回四万十川ウルトラマラソン」
で
電気自動車が活躍
四国電力中村支店では、2009年10月、高知県の四万
十市と四万十町で開催された「第15回四万十川ウルトラ
マラソン」
に協賛するとともに、電気自動車を大会車両に活
用し、
またランナーボランティアとして多数の従業員が参加
しました。
同大会の魅力は、
なんと言っても最後の清流「四万十川」
に出会えること。
コース途中で四万十川名物「沈下橋」
を通
●お客さまへの省エネ情報の提供
ホームページやパンフレット、各種イベントなどを通じて、
お客さまへ省エネに関する情報を幅広く提供するとともに、
過するなど、四万十川の流れを感じ、雄大な自然を堪能で
きることで全国的にも有名な同マラソンには、過去最多の
3,997名が応募し、抽選の結果、100kmの部に1,459名、
60kmの部に339名が出場しました。
大口お客さまへの省エネコンサルティング活動などにも積
レース当日は、当社の電気自動車2台が、
トップランナー
極的に取り組んでいます。
より少し前を走行しながらランナーの通過予告を行いまし
ホームページ
「エネルギーソリューション」
トップ
ビジネスサポート−エネルギーソリューション
た。初めて電気自動車を目にする人も多く、沿道の人々から
「静かでスムーズな走り方に驚いた」など高い注目を浴びま
した。
電気自動車は、排気ガスを出さないクリーンな点が注目
供給・需要サイドでの対策を補完する取り組み
されることから、今後とも環境とランナーに優しい車両とし
て各種大会へ協力したいと考えています。
以上の対策を補完する国際的な取り組みとして、
「 世界
銀行炭素基金※1 」や「日本温暖化ガス削減基金 ※2 」などを
通じて、京都メカニズムを利用した排出削減クレジットを
取得しています。
また、国内クレジット制度を活用したCO2排出削減事業
にも取り組んでいます。
※1 先進国の政府や企業が出資した資金を、
発展途上国などの温室効果ガス
削減プロジェクトに投資し、
「排出削減クレジット」
の獲得を行うための基金。
※2 京都議定書における温室効果ガス削減目標や各企業の自主削減目標の
達成に貢献する我が国で初の炭素基金。
第15回 四万十川ウルトラマラソン
よんでんグループCSRレポート 2010
26
CSR活動の7つの柱
Ⅲ
環境保全活動の推進
地域の環境保全への取り組み
発電所などの建設時に周辺環境に及ぼす影響を事前に予測・評価する
「環境アセスメント」
の実施や、運転開始後
のさまざまな環境保全対策などを通じて、地域の環境保全を図っています。
大気汚染・水質汚濁防止対策
化学物質の管理
火力発電所で発生する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物
●PCBの管理
(NOx)、ばいじんなどを取り除く装置を設置し、大気中への
排出を抑制しています。
高濃度PCBを使用した変圧器、
コンデンサなどの電気機器
は、
すべて取り替えを終了し、
厳重に保管・管理しています。
これらPCB廃棄物は、広域処理施設である日本環境安全
主要国のSOx・NOx排出原単位
事業㈱北九州事業所において、2009年度から処理を開始し
ています。
四国電力
SOx
NOx
(2009年度)
また、
微量PCB混入問題への対応について、
電気機器の撤
去時などに混入の有無を確認し、
混入が判明した場合は適正
ドイツ
(2005年)
に保管・管理しています。
イギリス
(2005年)
アメリカ
●アスベスト問題への対応
(2005年)
2005年8月に環境委員会の下部組織として
「アスベスト対
フランス
(2005年)
0.0
策検討部会」
を設置し、
アスベスト使用状況の調査結果、
対策
1.0
2.0
3.0
4.0
(g/kWh)
発電所では、使用した水を構内に設けた総合排水処理装
の取り組みとその状況について公表するとともに、
継続的に調
査および対策を進めています。
今後とも、
アスベスト問題に対して適正に対応していきます。
置を通して、清浄な水として海に放流しています。
なお、火力発電所ではSOx,NOxなどの排出状況、原子力
発電所では、温排水の拡散状況や放射線の調査を継続的に
行い、
いずれも良好な状況であることを確認しています。
生物多様性の保全への取り組み
伊方発電所では、運転開始前の1973年から、継続して
水温・水質・海生生物などのモニタリングを実施しています。
また、3号機の敷地造成工事による埋め立て区域の代替
藻場を造成し、その結果、周辺の天然藻場と同様の植生を
示しています。
また、現在、坂出発電所2号機のリプレース工事に向けて、
坂出発電所1号機リプレースにおける
貴重な動植物への保全対策
坂出発電所1号機のリプレースにおいては、動植物の生
息・生育環境への影響を極力低減するため、既設設備を有
効活用するとともに、建設工事の工法やレイアウトを工夫
することによって、工事区域を最小限に抑えるなどの保全
対策を実施しました。
また、工事区域内の調査において貴重な種として指定さ
れているマイコアカネ
(トンボ目)
やキアシハナダカバチモド
キ
(ハチ目)等の昆虫類が確認されたことから、
それらに対
する影響を予測・評価し、
当該区域の樹木を工事区域外の
既存緑地へ移植するなど、生息環境の保全に十分配慮し
ています。
環境影響評価法に基づき環境アセスメントを進めています。
今後、国・自治体による環境影響評価方法書の審査結果を
踏まえて、調査・予測・評価を行うこととしています。
そのほか、発電所では周辺環境への調和も考慮して、敷地
内の緑化に取り組んでいます。
坂出発電所1号機リプレース工事における調査状況
(写真左はマイコアカネ)
27
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR活動の7つの柱 Ⅲ 環境保全活動の推進
循環型社会形成に向けた取り組み
火力発電所の運転に伴う副産物や撤去資材など、事業活動に伴って発生する廃棄物について、有効利用の拡大に取り組んで
います。
その結果、2009年度の廃棄物の有効利用率は、
99.6%となりました。
石炭灰の有効活用
紙資源の有効活用
石炭灰は、
セメント原料、
コンクリート混和材および土壌改
四国電力では、2009年度の再生紙使用率95%(目標:
良材などとして、
これまでほぼ全量を有効利用しています。
95%)、古紙回収率88%
(目標:80%)
となり、
いずれも目標
また、天然粒素材(砕石、海砂など)
の代替として、
石炭灰に
を達成しています。
水とセメントなどを撹拌・混合させ粒状化した
「灰テックビー
ズ」
を開発し、利用促進を図っています。
当社における再生紙使用率と古紙回収率の推移
古紙回収率
石炭灰の用途内訳
(%)
100
(万t)
30 ・
92
94
55
66
95
再生紙使用率
96
96
96
95
95
95
83
81
83
84
85
88
2004
2005
2006
2007
2008
80
25 ・
60
20 ・
40
15 ・
10 ・
78
20
5・
0
2001
2002
2003
2009(年度)
0・
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
(年度)
セメント原料
コンクリート混和材他
四国電力 土木建築部
武田 啓二
建設資源利用推進グループ(たけだ けいじ)
撤去資材のリサイクル
古くなって取り替えられた銅電線やアルミ電線は、新たな
電線などとして、
コンクリート柱は、粉砕し鉄筋と分けられた
上で、建設用骨材(道路舗装用路盤材)
として、
いずれも全量
再利用しています。
土木建築部建設資源利用推進グループでは、石炭火力発
電所から発生する石炭灰の有効利用技術の開発や、
当社事
業活動に伴って発生する廃棄物(コンクリート殻、
がいし殻、
貝殻、木くずなど)
の有効利用に向けた技術開発を行ってい
ます。
これまでの研究開発の一例として、灰テックビーズを材料
とした屋上緑化基盤ブロックや魚礁・藻礁ブロックの開発、
廃コンクリート殻・廃がいし殻の砂利代替としての適用方法
の開発などを行っており、廃棄物の有効利用に少しでもお役
に立てればと思っています。
多種多様な廃棄物を対象としていることから、有効利用技
術の開発においては、広い知識や技術が必要であり大変な
業務です。
ゼロエミッション社会の実現に向けて微力ながら
頑張っています。
再生前のコンクリート柱
再生された建設用骨材
よんでんグループCSRレポート 2010
28
CSR活動の7つの柱
Ⅲ
環境保全活動の推進
環境コミュニケーションの推進
地域の皆さまとの交流活動や各種刊行物の発行などを通じて、
よんでんグループの環境保全活動や、環境保全
の大切さについてご理解いただけるよう努めています。
環境月間での取り組み
各種イベントへの参加
国の環境月間(毎年6月)に合わせて、1991年度から
2009年12月、高松市で開催された「CO₂削減
かがわ
環境に対するさまざまな行事をグループを挙げて展開して
ええことフェア2009」
( 香川県地球温暖化防止センター
います。
主催)に出展し、エネルギー・地球環境問題への取り組み
2 0 0 9 年 度の環 境月間では、
「 続く、広がる、環 境への
などをPRしました。
思いやり」をテーマに、苗木の配布、植樹や清掃活動など、
環境保全を呼びかけるふれあい活動を実施しました。
山内一豊像の清掃
フェアの様子
(高知支店)
環境懇話会の実施
社外の有識者の方々より、
「よんでんグループ環
境保全活動レポート」や四国電力の環境保全活動
流木を使った炭作り
(池田支店)
ホームページ
「環境月間について」
トップ
エネルギー・環境
環境問題への取り組み̶環境月間について
境懇話会」を、毎年6月に開催しています。
2009年度に実施した環境懇話会では、
「 専門用
語が多いため、わかりやすい表現に努めてもらいた
刊行物の発行
い」
「 冊子に携わっている担当者の顔が見えるよう
よんでんグループの環境保全への取り組みをわかりやす
なコメントがあると良い」などのご意見をいただき、
くお伝えするため、環境保全活動レポートを毎年発行する
今後のレポートの作成や環境保全活動の参考に
とともに、2007年度からは、子供向けの小冊子「北極で
させていただいています。
最後の一頭になった白クマからキミへ」を発行しています。
写真(白クマ小冊子)
「北極で最後の一頭になった白クマからキミへ」
29
全般に対する評価やご意見をいただく
「よんでん環
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR活動の7つの柱 Ⅲ 環境保全活動の推進
環境保全へのさまざまな取り組み
四国電力:社有建物のCO₂削減への取り組み
四国電力では、社有建物のCO 2 削減への取り組みとして
「BESS」
(ビルディング・エナジー・セービング・システム)
を2009年9月より営業所建物において試行しています。
BESSとは空調や照明などの使用電力量や温度などを計測し、分析を行い、運用面・設備面での改善により消費エ
ネルギー削減を図るもので、2009年10月∼12月の間のデータ分析の結果、当面の対策でも年間約21tのCO 2排出
量削減(約▲9%)が期待できることがわかりました。
また、土壌蓄熱空調システム(本店建物に採用:平成20年度(社)空気調和衛生工学会の技術賞を受賞)や新たな
試みとして、躯体蓄熱空調システムの導入など、オフィスでのエネルギー使用量削減に努めています。
エネルギー計測システム
(例)
現地に設置されているオープンプラネット
(OP)技術※を用いたビルコントロールシステムを活用し、
現地の状況をリアルタイムに把握
計測データの分析状況
※オープンプラネット技術…よんでんグループが独自開発したインターネット等の既存ネットワークを利用して各種機器を遠隔監視・制御する技術。
ケーブルメディア四国の取り組み:地域の自然環境を情報発信
ケーブルメディア四国(CMS,愛称:高松ケーブルテレビ)では、2009年4月より自主放送のハイビジョン化に
あわせ、データ放送をデジタルチャンネルで開始しました。
折しも、地球温暖化への国際的な関心の高まりにつれて、地域の自然環境に関連する情報発信は、地域密着情報
発信というケーブルテレビの使命からも、
より重要なテーマとなっています。
CMSでは、自然環境等の情報提供として、先ずは地域の貴重な動植物の状況を広く認知してもらい環境保護への
関心をより高めていくことが重要と考え、香川県内の野生生物ですでに絶滅したと考えられる12種、絶滅する危険性
の高い274種をはじめ798種の野生生物を掲載している
「香川県レッドデータブック」を自主放送によるデータ放送
番組にて取り上げることとしました。
今回、香川県レッドデータブックの中から毎日5件の希少動植物を環境情報枠内で日替わりで紹介しています。
CMSデータ放送をご活用いただき、地域の環境等にも関心を持っていただければと考えています。
今 後 は 、香 川 県 内の
他 のケーブルテレビ 局
とも連 携して提 供でき
ればと考えています。
よんでんグループCSRレポート 2010
30
CSR活動の7つの柱
Ⅳ
開かれた経営の実践
よんでんグループでは、皆さまに事業活動全般についてわかりやすくお伝えすることで、
より親しまれ、
信頼されるよんでんグループブランドの醸成に努めています。
ガバナンス体制
四国電力は、取締役、監査役制度のもと、業務執行ならびに経営の監督体制の強化に努め、迅速かつ的確な意思決定に
基づく透明度の高い経営および法令遵守・企業倫理を徹底した事業運営を推進しています。
ガバナンス体制図
(四国電力)
〈取締役会・常務会〉
◎取締役会は、重要な業務執行に関する意思決定
および取締役の職務執行を監督する機関として
原則毎月開催
◎常務会や各種専門委員会を設置し、重要な経営判
断、意思決定を的確かつ適正に行う体制を整備
株 主 総 会
選任・解任
取締役・取締役会
監査
連係
常務会
指示
(重要事項の審議)
代表取締役
各種専門委員会
内部監査
指示
報告
業務執行部門
コンプライアンス
相談窓口
グループ会社
監査
連係
四国電力の取り組み−業務の適正を確保するための体制
内部統制への取り組み
リスク管理への取り組み
日々の業務を適正かつ効率的に行うための仕組みである、
四国電力では、
リスク管理の重要性を強く認識し、事業運
内部統制を有効に機能させるためには、健全な企業風土の
営を進めており、
リスク管理の基本的事項や行動原則など
醸成や責任・権限の明確化、事業活動を阻害するリスクに対
を定めた
「リスク管理規程」
を制定するとともに、経営に重大
応した管理体制の構築などが必要です。
な影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、経営層が全
また、その仕組みの運用状況を定期的にチェックし、不備
社横断的な観点からチェック・アンド・レビューを行い、毎年
があれば速やかに見直しを行い、改善していくことが欠かせ
度の経営計画に反映することで、
リスクの発生防止と低減に
ません。
努めています。
四国電力では、
これまでも内部統制の重要性を強く認識の
また、危機情報が速やかに集まる窓口として、総務部内に
うえ、その仕組みを構築し、事業運営を進めてきましたが、
「危機ホットライン」を設置するなど、全従業員の危機管理
2006年4月、内部統制の基本方針となる
「業務の適正を確
意識の徹底や適切な情報共有に努めているほか、危機発生
保するための体制」
を取締役会で決議しました。
時の体制・役割を明確化して、被害の最小化と早期復旧を
今後とも、
この方針に則った適正な事業運営に努めていく
図っています。
とともに、
この基本方針の役員・従業員への一層の理解浸透
今後も、ますます多様化・複雑化する事業環境の変化を
を図っていきます。
踏まえ、
リスク管理の充実に向けた取り組みの推進に努めて
さらに、
引き続き皆さまの良きパートナーであり続けるため
いきます。
にも、
内部統制の仕組みの一層の充実に向けた取り組みを強
化していきます。
31
会計監査
報告 (CSR推進会議など)
統制
などにより、取締役の重要な意思決定状況を監査
◎考 査 室の監 査内容の調 査・活用、会計監査人・
グループ会社の監査役との意見交換などによる
監査の精度と実効性の向上
会社情報
指示
報告
取締役
監査役室
〈監査役〉
◎取締役会など重要会議への出席や重要書類の調査
選定・解職・監督
会計監査人
報告
考査室
監査役・監査役会
〈考査室(内部監査部門)
〉
◎年度の基本方針・計画であるグループ経営計画を
軸としたマネジメントサイクルの実施状況の監査
◎各職位の責任・権限に基づく適正な意思決定、
効率的な業務運営について監査
ホームページ
「業務の適正を確保するための体制」 トップ
選任・解任
選任・解任
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR活動の7つの柱 Ⅳ 開かれた経営の実践
情報開示の徹底
ご迷惑をおかけした事案への取り組み
原子力トラブル発生時における
「伊方方式」
お客さまの電気設備に関する定期調査期限の
超過について
「伊方方式」
とは、伊方発電所の運営にあたり、
◎正常状態以外の全ての事象を愛媛県・伊方町へ直ちに
通報連絡するとともに、 ◎通報を受けた愛媛県が、県の公表要領に従って、適切な
タイミングで公表
(県にあわせて四国電力も公表)
する
情報公開方式のことです。
これは、1999年に伊方3号機で発生した非常用ディー
ゼル発電機のトラブルについて、通報が遅れ、厳しい批判
を受けたことから、愛媛県・伊方町との間で締結している安
全協定を改定し、
「 正常状態以外のすべての事象を直ちに
通報連絡する」
こととしたものです。
当初、通報された事象は、すべて即時公表されていまし
たが、四国電力の情報公開の姿勢が次第に評価されるとと
もに、報道機関などの理解も進んだことから、2001年4月、
愛媛県が、事象の軽重に応じて取り扱いを3つに区分する
公表要領を制定し、現在に至っています。
これからも
「伊方方式」に則って、原子力トラブルに関す
る情報公開を行っていきます。
四国電力は、電気事業法に基づき4年に1回、
お客さ
まの電気設備(屋内配線)が国の定める技術基準に適
合しているか定期調査を行い、その結果をお知らせし
ておりますが、
この定期調査において、前回の調査から
4年を経過して行われていないものが、3事業所におい
て、合計725件あることが、2009年6月に判明いたしま
した。
四国電力では、直ちに中国四国産業保安監督部四
国支部へ報告するとともに、発見した725件のお客さ
まについて、個々にお詫び申しあげ、全数の調査を直ち
に実施いたしました。
発生の原因は、定期調査実施時に使用する定期調
査管理システムのデータを変更した際に、
「次回調査年
月」
のデータを誤って入力したことによるものでした。
今後はこのようなことが起きないよう、再発防止策を
徹底してまいります。
安全協定に基づく愛媛県・伊方町への通報状況
再発防止策
年 度 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
A区分
̶
̶
5
3
5
7
9
5
7
2
9
◎今回の発生事象およびシステムデータ変更
B区分
̶
̶
6
10
11
8
7
5
11
5
8
時の注意事項について、社内周知、教育を徹
C区分
̶
̶
29
33
30
35
23
23
30
26
30
合 計
13
64
40
46
46
50
39
33
48
33
47
〈愛媛県の公表要領の概要〉
A区分(直ちに公表)
: 国への報告を要するトラブル等
B区分(48時間以内に公表)
: 管理区域内における設備の異常等
C区分(毎月10日に前月分を公表): A・B区分以外のもの
底し、再発防止を徹底いたします。
◎定期調査管理システムの改造を行い、システ
ム的に調査周期のチェックができる機能を付
加いたしました。
( 2010年2月完了)
ホームページ
「伊方発電所の情報公開について」
トップ
エネルギー・環境
原子力情報−伊方発電所
ホームページを利用した情報開示
四国電力の事業活動については、
プレスリリースなどを通じて報道機関に
情報提供していますが、ホームページでもタイムリーに情報を掲載し、迅速
かつ的確な情報開示に努めています。なお、
プレスリリース情報については、
RSS機能※を利用して、
より迅速に更新情報を入手することができます。
また、台風などの自然災害や事故により大規模な停電が発生した場合は、
四国内の停電状況や設備被害状況などを適宜、ホームページや携帯電話サ
イトに掲載しています。
原子力情報のコンテンツでは、現在の発電機出力や放射線モニタ値など、
伊方発電所の運転情報をタイムリーに提供するとともに、
トラブル発生時に
はプレスリリースをホームページに掲載するなどして、情報公開の徹底に努
めています。
※RSS機能 RSSリーダーと呼ばれるアプリケーションを使って指定したページ
を定期的に読み込み、最新の更新情報を収集する仕組み
↑ホームページ
トップページ
←原子力情報
(ホームページアドレス)http://www.yonden.co.jp/
(携帯サイトアドレス) http://www.yonden.co.jp/m/
よんでんグループCSRレポート 2010
32
CSR活動の7つの柱
Ⅳ
開かれた経営の実践
ステークホルダーの皆さまとの積極的なコミュニケーション
株主・投資家の皆さま
お客さま・地域の皆さま
●タイムリーかつ透明性の高い情報提供の実践
●電力アドバイザーとの懇談会
四国電力では、
さまざまなツールを用いて、株主・投資家
四国電力では、地域の皆さまにアドバイザーになっていた
の皆さまへのタイムリーかつ透明性の高い情報提供に努
※
を設け、各事業所での懇談会
だく
「電力アドバイザー制度」
めています。
や発電所の見学会などを通じて、
ご意見やご要望を直接い
情報提供にあたっては、公平性・速報性の観点からホー
ただいています。
ムページを積極的に活用するとともに、目指すべき経営の
また、社長をはじめとする経営層が、地域の各界の皆さま
方向性やグループビジョンの実現に向けた取り組みなどを
から直接ご意見をおうかがいする
「お客さま懇談会」
を全て
取りまとめたアニュアルレポートを毎年発行するなど、内容
の支店で毎年開催し、貴重なご意見をいただいています。
の充実・強化を図っています。
※
「電力アドバイザー制度」
については、P49をご参照ください。
また、希望される株主・投資家の皆さまに対し、タイム
リーにIR関連の情報を電子メールでお知らせする
「IRメー
ル配信サービス」
も行っています。
●伊方発電所へのご理解をいただくために
伊方発電所は、地域とともに歩む発電所でありたいとの
思いから、スポーツ大会や科学体験教室の開催、地域行事
への参加、広報誌「伊方だより」の発行など、さまざまな活
動を通して皆さまと積極的にコミュニケーションを図って
います。
また、地元地域のご家庭を一軒一軒訪問する対話活動
を、1988年から毎年実施し、原子力発電の安全性等につ
いてご説明するとともに、皆さまから貴重なご意見をいた
アニュアルレポート2009
だいています。
●コミュニケーション活動の充実・強化
四国電力では、
アナリストや機関投資家の皆さまを対象
に、経営計画の公表および決算発表にあわせて、代表取締
役による会社説明会を東京で年3回開催するとともに、個
人投資家向け説明会についても、四国4県都で開催し、株
主・投資家の皆さまとの双方向コミュニケーションの充実
に努めています。
また、当社に対するご理解をより一層深めていただくた
訪問対話活動の様子
め、発電所など施設の見学会を定期的に実施しています。
●広報誌「ライト&ライフ」の発行
広報誌「ライト&ライフ」
を毎月1日
に発行し、
よんでんグループの取り組
みについて皆さまにご理解を深めてい
ただくとともに、四国の歴史や文化、
伝統産業、
さらには地域の新たな取り
組みなどについても積極的にご紹介
しています。
ライト&ライフ
ホームページ
「ライト&ライフ」
会社説明会
33
よんでんグループCSRレポート 2010
トップ
会社情報
広報・広告ライブラリー−広報誌「ライト&ライフ」
CSR活動の7つの柱 Ⅳ 開かれた経営の実践
取引先の皆さま
従業員
四国電力では、資機材やサービスの調達に際して、調達
グループ情報誌「YONDEN GROUP」
を定期的に発行、
方針やガイドライン等を定め、取引先の皆さまと信頼関係を
グループ社員全員に配付し、グループ内の情報共有および
構築し、
ともにCSRを推進しています。
グループの一体感の醸成を図っています。
また、グループ会社は各社ごとに社内報を発行しており、
このうち四国電力では、社内報「YONDENてらす」を毎月
●資材調達の基本方針
四国電力では、
「 オープンな調達」など、以下の8項目を
発行し、従業員間の情報共有を行っています。
資材調達の基本方針として制定し、CSRに留意した調達
「YONDEN GROUP」の発行
活動を展開しています。
◎オープンな調達
◎環境への配慮
2004年に創刊した
「よんでんグループ」は、2010
◎公平・公正な選定
◎契約の遵守
年2月の20号から、
「YONDEN GROUP」
へと、紙面
◎法令・社会規範の遵守
◎相互信頼の確立
構成をリニューアルしました。
◎安全の最優先
◎地域社会への貢献
よんでんグループ各社の仕事や商品・サービスを、
それぞれの社員の方々からご紹介いただくなど、
よん
でんグループ内の人と人をつなぎ、
ビジネスに役立つ
内容を充 実しつつ、これまで以 上に親しみやすい
●CSRに係わる調達活動
グループ情報誌を目指しています。
「グリーン購入ガイドライン」を策定し、日常業務で使用
する一般汎用品(事務用品)
と電力用資機材について評価
基準を設け、取引先の皆さまと協働して環境負荷の低減を
図っています。
また、
「 取引先さまへのお願い」をホームページ上に掲載
するなど、取引先の皆さまに、CSRに留意した企業活動の
実践に努めていただくようお願いしています。
加えて、個人情報保護の観点から、個人情報を取り扱う
取引先の皆さまに定期的にアンケートにお答えいただき、
その結果を調達活動に反映するなど、取引先の皆さまと
共に個人情報の管理を徹底しています。
ホームページ
「資材調達情報」
トップ
ビジネスサポート
四国電力とのビジネス−資材調達情報
四国電力 資材部 流通設備調達チーム 岡田
敬祐(おかだ けいすけ)
取引先さまは日々移り変わる厳しい状況の中にあります。例えば私の担当する送電分野
においては、少子化などの影響によって施工技術者の不足が懸念されており、将来的な電
気の安定供給に関わる問題を抱えています。
私たちはそのような状況下においても、品質や価格だけでなく法令遵守、安全確保、環境
保全などを総合的に判断して取引先さまを選定し、さらには関係部門と協力して相互に発
展する道を模索しております。
よんでんグループに求められるさまざまな責任を果たしていくためにも取引先さまと良好
な関係を築き、公正で自由な取引を通じて共に地域の発展に貢献していきたいと思います。
よんでんグループCSRレポート 2010
34
CSR活動の7つの柱
Ⅴ
お客さま志向の徹底
よんでんグループでは、
「 人々の暮らしを支えるマルチユーティリティー企業グループ」を目指し、
常にお客さまの視点に立って、
より一層のサービス向上に取り組んでいきます。
良質で安価な電気料金
電気料金メニューの多様化
電力自由化や燃料価格の大幅な変動など、事業環境が
お客さまのライフスタイルによって、電気の使い方はさま
大きく様変わりするなか、1996年1月以降、経営の効率
ざまです。お客さまの電気の使用形態に応じて、
さまざまな
化による成果を反映した電気料金の見直しを7回にわたっ
選択メニューをご用意しています。
て実施いたしました。
お客さまにお選びいただける料金メニュー例(一般家庭向け)
その結果、現在の電気料金(1kWhあたり)は、1994年
概要
度と比べ、約4分の3の水準となっています。
今後も、お客さまに喜ばれるサービスの充実を目指して
得トクナイト
いくとともに、良質で安価な電気をお届けできるよう努め
(時間帯別電灯)
てまいります。
「夜間」
の料金単価を割安に、
「昼間」
の 料 金 を 若 干 高 め に 設 定したメ
ニューです。電気のご使用を
「昼間」
から
「夜間」
に移行していただくほど、
電気料金がお安くなります。
2009年度の電気料金は、1994年度の約4分の3の水準です。
21.15円/kWh
1994年度
約
3
4
エコノミ プラン
1kWhあたりの電気料金の推移
電化Deナイト
(季節別時間帯別電灯)
e
16.17円/kWh
2009年度
e割
(全電化住宅割引)
料金見直しの実施
96年1月 98年2月
00年10月 02年10月 05年4月
06年7月
08年9月
(注)上記は、各年度の電気料金収入(電灯料・電力料)を販売電力量で除した値をグラフ化したもの。
エコキュートや電気温水器などをお
使いいただくお客さまを対象に、
「夜
間」
の料金単価を割安に、
「夏季の昼
間」
の料金単価を若干高めに設定し
たメニューです。
「 電化De
電化住宅※のお客さまが、
ナイト」にご加入いただくと、電気料
金が10%割引になります。
〔上限は1ヶ月あたり3,150円(消費
税等相当額を含む)
〕
※給湯・調理・冷暖房など、
すべての熱源を電気でまかなう住宅
ホームページ
「電気料金のご案内」 トップ
電気料金のご案内
お客さまの声を活かしたサービス向上
お引越しをはじめ、電気に関する各種お申し込みやご相
談など、お客さまから寄せられるお電話は年間約77万件
にのぼります。
これらのお申し出に対し、専門スタッフによる質の高い対
応を効率的に行うため、徳島、高知、松山、高松の四国電力
各県都支店に
「集中受付センター」を設置しています。
また、集 中センターに日々寄せられる多 様なご意 見・
ご要望を共有・分析することにより、さらなるサービス向上
や業務改善につなげています。
各県都支店の集中受付センターでは、
県下全域のお客さまからのお電話を受け付けています。
四国電力 高松支店 営業部 集中受付センター 松村
奈央子(まつむら なおこ)
私たちは、電話を通して日々多くのお客さまからのお問い合わせにお答えしてい
ます。姿が見えない電話応対だからこそ、
お客さまを目の前にして笑顔でお話して
いる意識を心がけています。
そのため、第一声は、明るく爽やかに発声し、
ひとつひとつ心を込めて丁寧に応
対するよう努めています。
今後とも、私たち集中受付センターでは、
「またこの人とお話したいな」
とお客さ
まに思っていただけるよう、好感度の高い電話応対により、
お客さま満足度の向上
に努めていきます。
35
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR活動の7つの柱 Ⅴ お客さま志向の徹底
グループ一体となった快適な暮らしのご提案
電化住宅のご提案
理想の
「オール電化」施設のご提案
電化住宅は、火を使用しないためご高齢の方にも安心し
オフィスビルや学校・福祉施設、店舗などの「業務用」分
てお住まいいただけるうえ、手間がかからず、お得な電気料
野においても、空調・給湯・厨房などの全ての熱源を電気で
金で光熱費も節約できることから、
お客さまにご好評をいた
まかなう
『オール電化』を積極的にご提案しています。
だいています。
近年の環境意識の高まりや原油価格の乱高下を背景
四国電力では、テレビや新聞、ホームページなどでのPR
に、電化による環境性や省エネ性、コスト安定性が再認識
に加え、四電エナジーサービスなどとの共催により電化フェ
されていることに加えて、
「 安心、快適、清潔」
といった電化
アを各地で実施するなど、
グループ一体となった提案活動を
メリットを実感いただくことで、
『オール電化』施設のご採用
推進しています。
は着実に拡がりをみせています。
その結果、多くのお客さまに電化住宅をご採用いただき、
今後とも、最適な『オール電化』のご提案により、お客さ
2009年度にはご契約口数が19万口を超えています。
まの満足にお応えしていきたいと考えています。
今後も、
より多くのお客さまにご満足いただけるよう、四電
エナジーサービスをはじめ、
グループ全体できめ細やかな提
ホームページ
「電化DE快適厨房」トップ
ホームページ
「蓄熱&電化」トップ
案活動を展開していきます。
ビジネスサポート−業務用電化厨房
ビジネスサポート−蓄熱&電化
電化住宅採用戸数の推移
(千戸)
35
31.3
30.8
30
26.8
23.9
25
19.0
20
15
10.6
10
5
0
12.3
8.2
4.0
5.9
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
(年度)
出所:四国電力管内データ 2010年3月末における電化住宅の契約口数は193,868口
ホームページ
「よんでん電化ナビ」 トップ
電化により快適・清潔な厨房を実現(宇多津町学校給食センター)
暮らしのサポート−電化ナビ
憧れのオール電化で悠々自適に!
丸亀市 山野
松子(やまの まつこ)さま
エコキュートの自動湯張機能やIHのお手入れが簡単なところにひかれ、
リフォー
ムを機に憧れだったオール電化住宅にしました。
実際、
オール電化住宅に住んでみるとエコキュートの運転音はとても静かで、追
い炊き機能で湯量も安心。心配だったIHの火力も十分な強さで、温度設定機能を
使えば揚げ物等もラクラク調理でき大助かりです。何より光熱費が予想していた以
上に安くなったので、
大満足しています。
オール電化にしてから、気持ちと時間にゆとりができ、毎日充実した生活を送れ
ています。
よんでんグループCSRレポート 2010
36
CSR活動の7つの柱
Ⅴ
お客さま志向の徹底
グループ一体となった快適な暮らしのご提案
光ファイバ で、四国の暮らしにもっと笑顔を
光ファイバによる通信サービス
(ピカラ)
のイメージ図
よんでんグループでは、これまで培ってきた情報通信技
術をはじめ、人材や光ファイバなどの設備を有効活用し、電
気通信、情報処理、
CATV
(ケーブルテレビ)事業などを通
じて、お客さまの豊かでより快適な暮らしを幅広くサポート
しています。
その中核を担うSTNetでは、企業・自治体向けの専用
線・データ通信サービスなどに加え、個人向け光サービス
『Pikara
(ピカラ)』をご提供しています。
この「ピカラ」は、①超高速インターネット
「ピカラ光ねっ
と」②加入者間通話が無料で、ご家庭の固定電話回線を
そっくり置き換え可能な新世代IP電話「ピカラ光でんわ」
生活サポートの推進
をセットでご提供するものです。
高齢化が進むなか、地域の皆さまの生活支援に少しでも
さらに、よんでんグループのケーブルメディア四国、ケー
お役に立ちたいとの思いから、介護付有料老人ホーム「ア
ブルテレビ徳島をはじめとした各地域のCATV事業者と協
ミーユよんでん道後」
( 愛媛県松山市)
と
「アミーユよんでん
力して、③地上デジタル放送やBS/CSデジタル放送など
栗林」
( 香川県高松市)を開業し、よんでんライフケアが運
多彩なチャンネルを美しい映像でお届けする「多チャンネ
営を行っています。
ル放送」の3つのサービスをワンストップでご提供する独自
ここでは、
ご自宅と変わらない生活を楽しんでいただける
の提携サービスを展開しています。
よう、自由に外出、外泊ができるほか、季節感あふれる各種
これに加え、地域のお祭りやイベントなど、デジタルハイ
イベントも趣向をこらして実施し、開放感ある明るい雰囲
ビジョンによる迫力のあるライブ映像などをご家庭にお届
気の施設運営を行っています。
けすることを通じて、地域文化の継承、そして地域間の文化
交流にも貢献しています。
電気に続く、もうひとつのライフライン 光ファイバ で、
四国の暮らしにもっと笑顔をお届けします。
アミーユよんでん栗林
ホームページ
「ピカラWebサイト」 http://www.pikara.jp/index.html
STNet ブロードバンドサービス本部 ピカラ営業部
ホームページ
「よんでんライフケア」 http://www.yondenlc.co.jp/
上村 麻衣(うえむら まい)
皆さまのおかげでピカラはブロードバンド情報サイト
「RBB TODAY」※の
ユーザ投票による
「ブロードバンドアワード2009」
の四国エリア
「ベストキャリ
ア」部門において2008年に続き、お客さま満足度NO.
1を2年連続受賞する
ことができました。
これからも皆さまのご期待を裏切らないよう、
よりよいサービスをご提供でき
るよう頑張ってまいります。
※株式会社イードが運営する日本最大級のブロードバンド情報サイト。
37
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR活動の7つの柱 Ⅴ お客さま志向の徹底
お客さまのご期待により一層お応えするためのさまざまな取り組み
よんでんグループフェスタ
グループ一体となって地域のお客さまとの交流を深め
ることを目的に、よんでんグループフェスタを毎年開催し
ています。本フェスタには毎年3,000人を超えるお客さま
にご来場いただいており、
よんでんグループの総合力を広
くアピールする場となっています。
2009年度は、9月26日に「よんでんグループフェスタ
2009」をヨンデンプラザ・サンポート
(高松市)で開催し、
グループ企業12社が、
「 電化」
「 情報通信」
「 生活サポー
ト」などの分野で提供している商品やサービスを体験型ス
タイルでPRしました。また、新たな電化社会の到来を象
徴する電気自動車の展示・試乗なども実施し、多くのお客
さまに楽しんでいただきました。
今 後も、本フェスタを通して、
「 暮らしを支えるマルチ
ユーティリティー企業グループ」
というよんでんグループブ
ランドの浸透を図っていきます。
四電エナジーサービス:
「ハイブリッド給湯システム」
のご提案
四電エナジーサービスでは、業務用電化厨房機器の普及と併せて、
「ハイブリット給湯システム」をご提案し、飲食店
(レストラン)
や理・美容店などさまざまな業種の方からご採用いただいています。
本システムは、既設の
「ガス給湯器」
を残しつつ、
「業務用エコキュート」
を導入する、従来のオール電化の観念にとらわ
れない、柔軟な発想から生まれたシステムであり、給湯量も実測するという、
データに基づく信頼性の高いご提案です。
既存の設備を残すことで、
比較的低コストで導入が可能であるとともに、
ランニングコストを大幅に削減できるという、
大きなメリットがあります。
また、CO₂排出量の大幅
ハイブリッド給湯システムイメージ
な削減につながることで、
お客さまには、地球温暖化
防止への取り組みに貢献
できたと実感いただいてい
でんき
ガス
石油
ます。
今後もお客さまのニーズ
に合った提 案 活 動を通じ
て、地域に密着した企業を
ガス・石油
〈既設給湯器〉
ガス・石油
〈既設給湯器〉
〈業務用エコキュート〉
導入前
⇨ ハイブリッド給湯
メリット
電気
目指してまいります。
●ランニングコストの大幅削減により、4年程度で投資回収可能
●省エネにより、CO2排出量を年間約60%削減
※エコキュート
(ヒートポンプユニット3台+タンクユニット1台)
と、省エネ型食器洗浄機を導入した場合
よんでんグループCSRレポート 2010
38
CSR活動の7つの柱
Ⅵ
従業員活力の維持・向上
よんでんグループでは、従業員が
「やりがい」
や
「充実感」
をもって積極的かつ創造的に仕事に取り組むことができるよう、
従業員一人ひとりの人格や個性を尊重し、風通しの良い活力ある職場環境の整備に取り組んでいます。
従業員の人格と個性の尊重
働きやすい職場環境づくり
ダイバーシティ
(多様性)
の推進
従業員の挑戦意欲や多様な意識・価値観、
ライフデザイン
セクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメント
防止に向けた対応
をサポートする諸制度を充実するとともに、
ふさわしい能力と
四国電力では、全従業員を対象としたeラーニングを活
意欲を持った者については、性別を問わず、広く上位職位への
用して、セクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメント防止
門戸を開くなど、活躍の舞台を整えています。
のための教育を行うとともに、
「 職場におけるハラスメントに
ダイバーシティの推進に向けた取り組み
(四国電力)
関する相談(苦情を含む)窓口」
を設置し、相談者のプライバ
シーを保護しつつ、公平・公正な対応を行っています。
社内ベンチャー制度
従業員の
挑戦意欲
グループ人材公募制度
多様な意識
や価値観
労働時間の適正管理
女性従業員の活躍推進
システムを導入するなど、労使一体となって労働時間の適正管理
を推進しています。
ワーク・ライフ・
バランスの実現
キャリア志向別採用
専門職制度
不払い残業の防止に向け、労働時間を適正に把握するための
今後は、
さらなる業務の効率化による労働時間の削減および有
地域限定勤務制度
給休暇の計画的な取得に向けて、積極的に取り組んでいきます。
職場意識・風土の改革
総実労働時間と時間外実績の推移
人権教育
同和問題をはじめ、
さまざまな人権問題に対する正しい理
解と認識を全従業員に浸透させるため、四国電力では
「人権
(時間)
(時間)
2,000
20
16.9
17.1
17.0
1,500
15
教育推進委員会」
を設置して、集合研修をはじめ、各事業所
での職場研究会や講演会などを積極的に開催・活用するな
ど、人権意識の啓発に積極的に取り組んでいます。
また、
「よん
1,000
1,964.3
1,941.3
1,933.4
500
10
5
年間総実
労働時間
でんグループ人権啓発推進連絡会」
を設置し、
グループ各社
と人権問題に関する情報交換などを行っています。
0
2007
0
2009(年度)
2008
従業員の頑張りに応える公正な評価制度
仕事と生活の両立支援
業績貢献度に加え、業務遂行過程での能力発揮度を適正
四国電力では、
「 仕事と生活の両立
に評価する
「人事評定制度」
を設けています。
時間外勤務実績
(1人あたり/月)
支援相談窓口」
を人事労務部内に設置
また、
四国電力では、顕著な業績発揮や発明・考案を行った
するとともに、育児や介護のための休
従業員を対象に年1回表彰を行うとともに、現場第一線で働
職制度や、
フレキシブル勤務制度など
く従業員の地道な取り組みや、社会貢献活動などを事業所単
をわかりやすく解説したハンドブックを
位でタイムリーに顕彰する
「褒める制度」
を導入しています。
作成し、従業員がより効果的に制度を
活用できるようサポートしています。
障がい者および高齢者の雇用促進
四国電力の障がい者の雇用率は
「1.98%
(88人、2009年
雇用データ
(四国電力)
従業員数
度末)」
と、法定雇用率(1.80%)
を上回っています。今後も、
障がい者の自立と社会参加を応援していきます。
男子
また、2006年4月から、定年退職予定者のうち希望する者
女子
全員を段階的に65才まで継続雇用する制度(シニア社員制
計
度)
を導入しています。
39
よんでんグループCSRレポート 2010
平均年齢
(歳)
平均勤続年数
(年)
91.7
41.9
21.9
376
8.3
40.3
20.0
4,549
100.0
41.7
21.7
(人)
(%)
4,173
(注)上表の従業員数は、
有価証券報告書に記載
(2010年3月31日現在)
CSR活動の7つの柱 Ⅵ 従業員活力の維持・向上
育児支援制度
2009年度 主な育児・介護支援制度利用実績(四国電力)
(単位:名)
四国電力では、
男女を問わず子育てを行う従業員が仕事と
出産休暇
173
保する施策に加え、次世代出生・育成支援のための
「次世代
育児休職
14
(取得率100%)
出生祝金制度」
を導入するなど、
従業員のニーズをふまえて制
子育て支援フレキシブル勤務
12
度の充実を図っています。
育児短時間勤務
17
これらの取り組みが認め
子の看護休暇
られ、2008年10月には、香
繰延休暇
20
川労働局より次世代育成支
介護休職
援対策推進法に基づく
「子
介護短時間勤務
―
(2009年度利用実績なし)
育児の両立を図れるよう、育児休職制度や子育て時間を確
1
育て支援に取り組む企業」
として認定され、認定マーク
良好な労使関係の構築
「くるみん」
を取得することが
認定マーク「くるみん」
できました。
四国電力では、経営層とグループ経営計画などについて
協議・意見交換を行う
「中央労使協議会」
をはじめ、各事業所
出産・育児に関する主な支援制度
(四国電力)
での活発な協議の実施など、労使間で積極的なコミュニ
ケーションを図っています。
○産前産後休暇
産前(6週間)
から
産後(8週間)
まで
また、グループ各社の経営層と労働組合役員が参加する
○出産休暇
(配偶者の出産時、年休とは別に5日間の
特別休暇を付与)
「よんでんグループ労使懇談会」
を開催し、
グループ大で経営
諸課題などについて認識の共有化を図っています。
○出生時「次世代出生祝金」支給
○育児休職
満2歳まで
女性活躍推進チームの設置
(満2歳未満の子を養育する従業員)
○時間外労働の免除
満3歳まで
(満3歳未満の子を養育する従業員)
○子育て支援フレキシブル勤務
(所定勤務時間を10分単位で繰上・繰下)
○育児短時間勤務
小学校卒業まで
(1日最高2時間所定勤務時間を短縮)
○子の看護休暇
(年間15日を限度に看護休暇を付与)
○繰延休暇
(子の傷病看護や学校行事参加時に利用)
障がい者の雇用
女性社員の「更なる活躍・能力発揮」
と
「仕事と家庭の
両立」を支援するため、2010年3月、女性活躍推進チー
ムを人事労務部内に設置しました。
四国電力では、
これまで育児休職や子育て支援のため
のフレキシブル勤務など、両立支援のための制度の充実
を図ってきました。今後は、女性社員のキャリア形成支援
や、育児や介護を抱える社員に対する職場の理解・認識
を深めるなど、
より積極的な取り組みを進めていくことと
しています。
取り組みの一環として、2010年5月から7月にかけて、
四国各県で社外講師を招き、参加者と対話しながらご講
演いただきました。
(年度末)
年度
2006
2007
2008
2009
雇用率(%)
2.04
2.01
2.03
1.98
シニア社員の雇用状況
(年度末)
年度
2007
2008
2009
2010(予定)
在籍数(人)
43
70
106
160人程度
社外講師による講演の様子
よんでんグループCSRレポート 2010
40
CSR活動の7つの柱
Ⅵ
従業員活力の維持・向上
人材育成の積極的な推進
厳しさを増す経営環境のもとで、将来にわたり持続的成長を遂げるために、充実した教育研修を体系的に実施することに
より、従業員一人ひとりが自ら考え行動できる
「自律型人材」
の育成に努めています。
さまざまな集合
四国電力の教育体系では、従業員の意欲とニーズを尊重し、本人の自己啓発と仕事を通じたOJT※を基礎に、
教育を効果的に組み合わせて教育施策を推進しています。集合教育の一つである「よんでんグループオープンセミナー」は、
グループ従業員も参加し、グループ各社の教育施策を効果
的に補完・支援しています。
〈教育体系/educational policy〉
OJT
対象者
e
通信教育
ビジネス
スキル研修
ラーニング
よんでん
グループ
オープン
セミナー
自己
啓発
部門教育訓練
新入社員
教育
キャリア開発研修
中堅社員
教育
国内外派遣教育
労働安全衛生の徹底
一般社員
※On the Job Training(職場内訓練)
の略
業務改善活動
よう、2009年度より
「キャリア開発研修」
を実施しています。
管理者
教育
業務
教育
課題別教育
ビジネスリーダー教育
使命感を感じながら、仕事や能力開発に取り組んでいける
日常教育
ン(仕事を軸にした生き方の将来像)をもって、やりがいと
階層別教育
管理者
また、従業員一人ひとりが、職業人としてのキャリアビジョ
電力技術
研修
全国大の業種別災害発生率
(度数率:100万延実労働時間当たりの労災死傷者数)
安全衛生の管理推進体制
各事業所に安全衛生に係わる管理者※を置き、安全・健
康の管理を推進するとともに、会社側、組合側双方の選出
(人)
4.5
運輸業 サービス業 製造業 電気ガス業 全産業 四国電力
4
3.5
3
2.5
委員などから構成される「安全委員会」、
「 衛生委員会」を
一 定 規 模 以 上の事 業 所に設 置し、安 全や衛 生に関する
重要事項を審議しています。
※安全管理者、安全運転管理者、衛生管理者、産業医など。
2
1.5
1
0.5
0
2004
2005
2006
2007
2008
(年度)
出典:業種別災害発生率は厚生労働省「労働災害動向調査」
安全管理の取り組み
災害ゼロの達成に向けて、
「よんでんグループ安全推進
よんでんグループの業務上休業災害発生件数(件)
◎安全最優先の意識・職場風土の醸成
◎安全に関する教育訓練の充実
◎作業・請負工事に対する安全対策の徹底
などの安全管理活動に取り組んでいます。
衛生管理の取り組み
四国電力
※
請負・委託
合計
作業
交通
作業
交通
0
0
1
0
1
0
11
5
9
2
15
1
11
5
10
2
16
1
社内健康管理学習プログラム
e-ラーニング
〈健康チャレンジ YONDEN〉
①食生活編
定期健康診断では、最新の医学的知見を反映した自動
②運動編
判定システムにより従業員の健康状態を解析し、きめ細か
③ウェイトコントロール編
メンタルヘルス対策では、セルフチェックを目的とした
ストレス診断システムを導入するとともに、グループ会社を
含めた従業員とその家族の悩みや不安を解消するため、
カウンセラーによる相談体制を整備しています。
よんでんグループCSRレポート 2010
2009
交通
健康の保持・増進対策を推進しています。
な保健指導に活用しています。
2008
作業
※請負、
委託の災害件数は、
四国電力からの発注・委託業務での発生件数
定期健康診断によるヘルスチェックを中心に、心と体の
41
2007
年度
委員会」を設置し、
④禁煙編
⑤メンタルリフレッシュ編
CSR活動の7つの柱 Ⅵ 従業員活力の維持・向上
活力溢れる職場風土づくりに向けた取り組み
四国電力:社長の現場巡回
四国電力では、他の電力会社に比べ規模が小さいが
短時間での懇談ではありましたが、懇談は和やかな
ゆえの「スモールメリット」を有効に活用するとともに、
雰囲気の中で行われ、
「 電力の安定供給」
という社会的
コンプライアンス意識の一層の徹底や風通しのよい職場
使命を共有する者として、経営トップである社長と従業員
風土醸成を図ることなどを目的に、経営層が現場従業員
がお互いの理解を一層深め合うことができました。
と直接対話する現場巡回活動を継続して実施しています。
2010年度も、引き続き、
この現場巡回活動を継続す
2009年度は、新社長となった千葉社長が現場巡回活
る予定です。
動を実施し、51事業所(全77ヶ所)
を訪問、社員が数人
規模の小さな事業所にまで足を運びました。
この社長による現場巡回は、常盤前社長から始まった
ものですが、千葉社長も普段あまり話す機会のない現場
従業員と直接対話し、電力の安定供給を支える現場業
務に従事することを労うとともに、経営方針に係るトップ
の思いを伝え、現場従業員からの質問に社長が答えるほ
か、業務での苦労話やプライベートの過ごし方など社員
の生の声に耳を傾けました。
四電エンジニアリング:
「安全リストバンド」
で安全第一の職場風土づくり
四電エンジニアリング(四E)では、関係する全ての
声を掛けて回収するなど、四Eと協力会社の作業関係者
工事において、作業に従事する従業員および協力会社の
が一体となって、安全意識の高揚に努めています。
作業員が、
「安全」
「確認」
と印字した
「安全リストバンド」
今後とも、作業災害の未然防止に効果があると思わ
を着用し、一人ひとりが、作業中にリストバンドを目に
れる活動を積極的に展開し、協力会社を含めた安全
するたび、安 全に対する注 意を喚 起することにより、
第一の職場風土づくりに取り組んでいきます。
安全第一の職場風土づくりに取り組んでいます。
近年、四Eが関係する工事において、協力会社の作業
員による災害が多発傾向にありました。
その原因の大半
を、ちょっとした気の緩みや思い込みなどのヒューマン
エラーが占めているため、何とかして作業員一人ひとり
の危険に対する感受性を高め、安全意識を持続させる
ことにより、災害から作業員を守りたいとの思いから、
安全リストバンドの導入を決めたものです。
このリストバンドは、毎日、四Eの責任者から、作業着手
前に
「本日もご安全に!」などの一声を添えてから渡され
「本日もご安全に!」一声かけて装着
ます。これを作業員同士がお互いに一言を掛けあって
装着し合うとともに、作業終了後「ご苦労さま」などと
よんでんグループCSRレポート 2010
42
CSR活動の7つの柱
Ⅶ
地域共生活動の推進
よんでんグループでは、
「 地域と共に生き、地域と共に歩み、地域と共に栄える」
との基本精神のもと、
事業基盤を置く四国地域の活性化への支援・協力に積極的に取り組んでいます。
地域振興活動の積極展開
企業誘致活動
交流人口の拡大
四国の工業用地に関わる各種データを紹介したPR冊子
四国が擁する四国霊場八十八箇所などの多様な歴史文
「四国の工業用地のご案内」を発行するとともに、ホーム
化に容易に触れ親しむ環境を整備する「歴史文化道事業」
ページで四国の工業用地を紹介しています。
に、四国経済連合会や四国地方整備局、四国4県などと取
また、四国の魅力や最新のプロジェクトなどを紹介した
り組み、交流人口の拡大を図っています。
「ルネサンス四国」を発行し、四国出身の経営者をはじめ、
具体的には、四国各地に歴史的テーマを持つ11のモデ
全国の企業に送付するなど、立地先としての四国への関心を
ル地域を設け、歴史文化遺産を安全快適に巡るルートづく
高めることに努めています。
りや、全国に向けた情報発信などを展開しています。
四国の工業用地の
ご案内
ルネサンス四国
ホームページ
「工業用地ナビ」
トップ
ビジネスサポート
四国の工業用地のご案内
ホームページ
「ルネサンス四国」
トップ
会社情報
広報・広告ライブラリー−地域情報誌「ルネサンス四国」
一方、四国総合研究所では、新たな事業分野への進出に
取り組む企業などへのサポートとして、研究室を低廉な料金
で貸し出すインキュベーション事業にも取り組んでいます。
語り部がご案内する歴史文化道ツアー(愛媛県松山市)
ホームページ
「四国歴史文化道」http://www.netwave.or.jp/rekishi/
ホームページ
「インキュベータルーム」
トップ
ビジネスサポート
四国電力とのビジネス−インキュベータルームの利用
芸術・文化・スポーツの振興
1991年に設立した「よんでん文化振興財団」では、芸術家を志す
四国出身の学生への奨学援助をはじめ、四国にゆかりのある優れた
芸術家に対する顕彰や、奨学生による
「ふるさとコンサート」
「 美術展」
の開催、演奏家の派遣助成などの事業を継続的に行っています。
これら
の四国地域における芸術・文化の向上への協力を通じて、豊かでゆとり
のある地域社会の実現に貢献できるよう努めています。
また、四国電力では、陸上競技部の活動を通じて地域のスポーツ振
興に協力しているほか、地域の活性化のために、四国内のサッカーJ2
チームや野球の四国・九州アイランドリーグなどの地域スポーツを応援
しています。
ホームページ「よんでん文化振興財団」http://wwwa.pikara.ne.jp/yonden-f/
四国電力が応援する地域スポーツチーム一覧
43
「よんでん文化振興財団」
の奨学生による
「ふるさとコンサート」
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR活動の7つの柱 Ⅶ 地域共生活動の推進
社会とのコミュニケーションの積極的な推進
よんでんグループふれあい旬間
ふれあい旬間の取り組み内容
(2009年度)
通じ、グループ大でのCSRへの取り組みや事業活動につい
区分
社会奉仕活動
よんでんグループでは、地域のお客さまとの対話活動を
回数・箇所等
参加者等
自治体への街路灯寄贈
749ヵ所
文化財や福祉施設等の電気設備点検
一人暮らしのお年寄り宅の電気設備点検
地域清掃活動・樹木伐採・植樹等
139ヵ所
51戸
370ヵ所
約3,600名
1回
約3,200名
13ヵ所
約2,000名
施設見学会(発電所、工場、研究施設等)
40回
約1,900名
科学体験イベント・出前エネルギー教室の開催
61回
約2,700名
協会が協力し、四国各地で地域のお客さまとの社会奉仕
コンサート・講演会・絵画展等
90回
約21,200名
活動やふれあい活動など、
さまざまな行事を実施しました。
お客さま懇談会・お客さま訪問等
56ヵ所
約700名
て、
ご理解を深めていただくとともに、グループへの親近感
や信 頼 感 の 醸 成を図ることを目的として、毎 年 1 0 月に
「よんでんグループふれあい旬間」をグループ一体となって
2009年度は、あなたと共に未来を見つめるよんでん
グループ をキャッチフレーズに、10月20日から31日までの
12日間、
よんでんグループ各社ならびに
(財)四国電気保安
ホームページ
「よんでんグループふれあい旬間」 トップ
小松島の金長だぬきの清掃【徳島支店】
会社情報
よんでんグループフェスタ
各種イベント
実施しています。
街頭キャンペーン
四国電力の取り組み−社会貢献活動への取り組み
松尾川第2発電所の電力設備見学会【池田支店】
よんでんグループふれあい旬間
四万十よんでんの森で間伐体験学習【高知支店】
ふれあいコンサート
【中村支店】
地域イベントなどへの支援・協力
地域社会の一員として、公益事業者としての立場を考慮
しながら、教育、文化、科学技術、スポーツ、地域イベント
などの分野に支援や協力を行っています。
また、歳末助け合い運動への募金協力やグループ各社
周辺の清掃活動などのボランティア活動にも継続的に取り
四国霊場札所でお茶のご接待
【宇和島支店】
ふれあい絵画展【高松支店】
組んでいます。
阿波おどりで地域に貢献
四国電力徳島支店では、毎年8月12日から15日に徳島市で
開催される
「阿波おどり」
へ参加しています。
2009年は支店およびグループ従業員をはじめ総勢約200
名が、市内の演舞場へ踊り込みました。
また、徳島支店構内に
「よんでん阿波おどり広場」を開設。当時、よんでんグループ
情報通信事業のPRキャラクターを務めていた女優の佐倉絵麻
さんが参加。華やかなオレンジ色の衣装を身にまとい、若々
しい踊りを披露しました。
今後も阿波おどりへの参加を通じて、地域振興に貢献して
いきたいと考えています。
よんでんグループ連
徳島市両国本町演舞場にて
よんでん阿波おどり広場
佐倉絵麻さんは
高張提灯(右側)後ろの女性浴衣
よんでんグループCSRレポート 2010
44
Ⅶ
CSR活動の7つの柱
地域共生活動の推進
次世代層への支援
エネルギー教育
四国電力では、次代を担う子どもたちに、エネルギー・
環境問題について正しく理解し、問題解決に向けた取り組み
につなげていただくことを目的に、出前エネルギー授業を
左から中学校版の
エネルギー教育用指導解説書、
次世代層向けエネルギー
学習支援サイト
2002年度から実施しています。
こうした取り組みは、教育関係者のみならず、地域の皆さ
まからも広く知られる活動となってきており、2009年度に
は、参加者数の累計が15万人に達しました。
また、新『学習指導要領』の全面実施に向けて、中学校版
インターンシップの実施 の「エネルギー教育用指導解説書」を昨年度の小学校版に
学生の職業意識の醸成と電気事業に対する理解促進な
続き制作し、四国地域の中学校などに寄贈するとともに、
どを目的に、大学(院)
・高専などを対象にインターンシップ
当社ホームページの次 世 代 層 向けエネルギー 学習支 援
を実施しています。
サイト
「キッズミュージアム」
の充実を図るなど、子どもたちが
充実したエネルギー・環境教育を受けることができるよう
サポートしています。
(回/人)
出前エネルギー授業の実績
年度
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
累計
回数
338
375
341
469
578
684
785
609
4,179
人数
13,171
15,797
11,967
15,966
21,268
25,538
27,471
20,127 151,305
ホームページ
「キッズミュージアム」
トップ
暮らしのサポート
キッズコーナー−キッズミュージアム
ホームページ
「エネルギー学習支援サイト」
トップ
暮らしのサポート
キッズコーナー−エネルギー学習支援
柱上作業を体験するインターンシップ実習生
インターンシップ受入実績(四国電力)
[大学(院)
・高専]
年度
2005
2006
2007
2008
2009
人数
23
24
40
35
35
このほか、中学校・高校からの要請を受け、インターンシップを
実施しています。
( 2009年度受入実績 計102名)
従業員の社会活動支援
従業員ボランティア休職・休暇制度
表彰制度
四国電力では、青年海外協力隊や、国・地方公共団体が
交通事故防止や共同募金活動など、日頃の活動が評価
運営する社会奉仕活動などに長期にわたり参加する従業
され、地域から表彰をいただいています。
員に対して、1994年度から
「ボランティア休職制度」を導
(四国電力2009年度表彰実績:事業所14ヵ所、個人20人)
入しています。また、年次有給休暇とは別に、年間最大7日
四国電力高知支店
の休暇を取得できる
「ボランティア休暇制度」を2002年度
山田営業所および四電
から導入しています。
工山田営 業 所では、
2 0 0 9 年 6月に高 知 県
知 事から、手 結 港 海 岸
裁判員休暇制度
緑 地 公 園のワシントン
裁判員制度に基づき、裁判員候補者・裁判員となって裁
ヤシ剪定作業をボラン
判所に出頭する従業員を対象に、
「 特別休暇制度」を2008
ティアで継続的に実施
年度から導入しています。
していることに対し、感
謝状をいただきました。
ボランティア活動への感謝状を手に
45
よんでんグループCSRレポート 2010
CSR活動の7つの柱 Ⅶ 地域共生活動の推進
地域共生に向けたさまざまな取り組み
四国電力:「西条の元気会」
を通じて地域の活性化に寄与
四 国 電力西 条 営 業 所では、2 0 0 9 年 5月、
西 条 市内で事 業を営む企 業の事 業 所 長や、
自治 体 、警 察 署の代 表 者などの皆 様を会員
として迎え「西条の元気会」第1回目の会合を
開催しました。
この会は、情報交換を通じて市の経済活性
化に寄与することを目的に同営業所が発起人
となって2009年度に創設したもので、2010
年3月までに経営者向け講演会の開催や工場
見 学など計4回の行 事を実 施するとともに
同営業所も事務局として会の運営に参加する
など、異業種交流を通じて地域の活性化への
寄与を図っています。
同営業所では、今後も同会を通じ人的ネット
「西条の元気会」のメンバー
ワークの拡大と地域の活性化につなげていき
たいと考えています。
四電エナジーサービス:漁業関係者の悩みを解決した
「冷海水供給システム」
高知県安芸郡田野町にある田野漁港は、奈半利川河口から数百メートル上流に面し、海水と淡水が混じり合うた
め、一定した塩分濃度の海水を容易に取水できないという悩みがあり、
これまでは、沖合の海底にポンプを設置して
海水を汲み上げていましたが、海が荒れるたびに修理を余儀なくされていました。
また、魚の鮮度保持に氷塊を使用していたため、魚が傷つく等の悩みがあり、鮮度保持に適した冷海水を安定的に
確保できる設備を望んでいました。
四電エナジーサービスは、田野町漁協関係者が抱える問題点を把握することから始め、その課題を地域の関係者
と同じ目線で検討し、強みである産業電化技術のノウハウ
を結集した結果、お客さまの悩みを解決できる効率的な
冷海水供給システムを2009年7月に導入しました。
このシステムは、海水の塩分濃度が一定(3%)になる
と、それをセンサーで自動検知して自動取水し、
ろ過・殺菌
したうえで魚の鮮度維持に適した3℃まで冷却・貯蔵し、
いつでも必要なだけ漁場や市場に給水することを可能と
したものです。
本システム導入により、地域の水産業の活性化に少なか
らず貢献できたものと考えており、今後も地域に密着した
お客さまの声
これまで魚の鮮度保持
は氷だけに頼って苦労
していましたが、
このシ
ステムが完成してからは
魚の鮮度が向上し、仲
買人の評判も良く大変
喜んでいます。また、電
気代も安く助かってい
ます。
高知県漁協田野支店
(左から)小松様、大西様
活動を心がけていきます。
よんでんグループCSRレポート 2010
46
■ CSRアクションプラン
よんでんグループでは、
「CSRアクションプラン」
( 活動計画)を策定し、それに則り取り組みを進めるとともに、
本レポートへの掲載を通じてステークホルダーの皆さまに広くお伝えしています。
そして、さまざまなコミュニケーション機会を通じて頂戴したご意見・ご要望などに照らしながら、取り組みの
進捗状況を確認し、その結果を次年度のアクションプランへ反映することで、
さらなるCSR活動の推進につなげ
ていくこととしています。
活 動 項 目
設備の合理的形成と
安定・効率的運用
○伊方発電所1、2号機中央制御盤取替工事等を計画どおり実施
○伊方発電所3号機のプルサーマルを計画どおり開始
○坂出発電所LNG導入工事を計画どおり実施
○安定供給の基本となる定期点検などの設備保全や高経年化対策工事を継続実施
技術の維持・継承
○社員教育・研修を通じた技術の習得、OJTによる技術力の強化を実施
防災対策
事故停電の未然防止・早期復旧
○ハード面(被害軽減・早期復旧対策)、
ソフト面(復旧訓練)ともに計画どおり実施
○事故停電時間の目標値を達成
コンプライアンスの推進
コンプライアンス講演会の実施
○全従業員を対象としたe-ラーニングおよび各種研修、
○「よんでんグループコンプライアンス推進協議会」を開催し、グループ大で情報共有の実施
個人情報保護の徹底
情報セキュリティの確保
○全従業員を対象としたe-ラーニングおよび各種研修の実施
地球温暖化対策の推進
○CO₂排出原単位削減目標の達成に向けた施策の推進(原単位実績:0.356kg-CO₂/kWh)
地域環境保全の推進
○環境諸規制への対応を適切に実施
○高濃度PCB処理について計画どおり開始
循環型社会形成の推進
○廃棄物有効利用の推進(有効利用率実績:99.6%)
環境管理の推進
○従業員への巡回教育・各種集合教育等を実施
環境コミュニケーションの推進
○グループ環境月間行事などさまざまな環境コミュニケーションを実施
コーポレートガバナンスの
充実・強化
○業務セルフチェックの実施
○経営リスクの抽出およびその影響・対応状況等の評価を実施
情報開示の徹底
○「安全協定」
に基づく愛媛県、伊方町への通報:計47件
○ネガティブ情報を含む積極的な情報開示を実施
IR活動を通じた企業価値の向上
○会社説明会、発電所などの施設見学会を実施
○アニュアルレポートの発行(9月)、ホームページ等を活用したIR情報の開示を実施
お客さま志向の徹底
○ソリューションサービス提案採用件数:約800件
○各事業所でお客さま応対研修を実施
○電化住宅累計採用戸数:19万戸突破
○光サービス
「ピカラ」
の契約者数が目標を達成(契約者数:9.4万件)
○PFI・指定管理者等でグループ一体となった取り組みを実施
従業員の人格と個性の尊重
○ダイバーシティ
(多様性)
の推進に向け、女性活躍推進チームを設置
○シニア社員の雇用実績:106人(年度末時点)
働きやすい職場環境づくり
○労働時間適正化検討会の充実
○主な育児支援
育児休職:14人(対象者の取得率:100%)、
育児短時間勤務、子育て支援フレキシブル勤務等:29人、出産休暇:173人
制度利用実績
良好な労使関係の構築
○よんでんグループ労使懇談会・中央労使懇談会等における活発な意見交換を実施
人材育成の積極的な推進
○階層別教育やビジネスリーダー教育等を計画どおり実施
労働安全衛生の徹底
○よんでんグループ各社における安全研修や相互パトロールなど安全諸活動を実施
○特定検診・特定保健指導(メタボリック症候群対策)
を実施
地域振興活動の積極展開
○ルネサンス四国の発行(11、3月)、歴史文化道、よんでん文化振興財団等の活動を推進
地域共生活動の推進
○各事業所においてさまざまな地域共生活動を実施
○よんでんグループふれあい旬間を通じてグループ大で地域共生活動を実施
次世代層への支援
○出前エネルギー授業の開催:609回、中学生向けエネルギー教育用教材を作成
Ⅰ 電力の安定供給の遂行
Ⅱ コンプライアンスの推進
Ⅲ 環境保全活動の推進
Ⅳ 開かれた経営の実践
Ⅴ お客さま志向の徹底
Ⅵ 従業員活力の維持・向上
Ⅶ 地域共生活動の推進
47
2009年度の主な実施事項
よんでんグループCSRレポート 2010
CSRアクションプラン
2010年度の計画・目標
○伊方発電所1、2号機湿分分離加熱器取替等の着実な実施
○発電を開始したプルサーマルの着実な推進
○坂出発電所LNG導入工事の着実な推進
○設備の高経年化対策や信頼度維持・向上対策を継続実施
掲載ページ
P13∼20
○グループ会社一体となった技術研修や資格取得の推進
○東南海・南海地震対策の着実な実施
○未然防止・早期復旧対策の高度化による事故停電時間のさらなる短縮
○コンプライアンス意識定着を図る教育・研修等のさらなる充実
○グループ大でのコンプライアンスのさらなる推進
○e-ラーニングおよび各種研修、全社周知の実施による個人情報適正管理の徹底
○情報セキュリティ教育の継続実施
P21∼22
○CO₂排出原単位削減目標の達成に向けた施策の継続実施
○環境諸規制への対応の継続
○坂出発電所2号機リプレースに伴う環境アセスメントの実施
○廃棄物有効利用の継続実施
P23∼30
○環境教育の充実・継続実施
○環境コミュニケーション活動の一層の推進
○業務セルフチェックの継続実施
○リスク管理の適切な推進
○伊方発電所原子力関係情報の積極的公開の継続実施
○ネガティブ情報を含む積極的な情報開示の推進
P31∼34
○会社説明会、発電所などの施設見学会の継続実施
○投資家・アナリスト向け情報開示の継続実施
○お客さまニーズを捉えたソリューション提案活動のさらなる展開
○各事業所でのCS向上に向けた取り組みの一層の推進
○快適な暮らしに向けたきめ細やかな電化提案活動の積極展開
○グループ大でのピカラ光サービスの積極展開
○「ビジネス・生活サポート」分野の積極的な取り組みの推進
P35∼38
○女性活躍促進・両立支援に関する具体施策の実施
○シニア社員制度の積極的な運用・活用
○労働時間の適正化に向けた取り組みの検討・継続実施
○次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(第2回)の推進
P39∼42
○労使関係諸行事のさらなる活性化
○自律型人材の育成を目指した教育研修の体系的な実施
○グループ大での連携強化と積極的な安全諸活動の展開
○特定保健指導のグループ大での実施拡大
○地域活性化に資する諸施策の検討
○各事業所における地域共生活動の継続実施
○ふれあい行事の継続実施、一層の充実
P43∼46
○次世代層へのエネルギー教育の継続実施、内容の拡充
よんでんグループCSRレポート 2010
48
■ 皆さまの声を大切に
電力アドバイザー会議
四国電力では、地域の皆さまからご意見やご要望などをいただくため、各事業所において
「電力アドバイザー会議」を開催し
ています。
このアドバイザー会議は、地域の皆さまに任期1年の「電力アドバイザー」になっていただき、会議や設備見学会など
の開催を通じて、事業活動の紹介や意見交換などを行い、
アドバイザーの皆さまからいただいた貴重なご意見を今後の事業
活動に活かしています。
今回はその一例として、高知支店 山田営業所での会議についてご紹介します。
高知支店 山田営業所でのアドバイザー会議において、
いただいた主なご意見
高知支店 山田営業所では、2009年6月18日に会議を開催し、
アドバイザーの皆さまから貴重なご意見をいただき、あわせて設
備見学会を実施しました。
料金関係
○料金体系がわかりにくい。
どのような電気料金体系になっているのか。
◎電灯・動力別、電圧、使用形態など使用条件が類似した
需要ごとに、異なる料金を設定しています。
会議の様子
○料金の上げ下げ時期が原油価格の上げ下げより数ヵ月遅いのはなぜか。
◎電気料金は、燃料価格や為替レートの
変動を料金に反映すべく、燃料費調整
平均燃料価格の反映イメージ
10月 11月 12月
1月
2月
制度が採用されてます。ただ、その月の
平均燃料価格の算定期間
燃料費をすぐにその月の電気料金に反
12∼2月
映することが難しいことから、右記のと
おりずれを生じています。
3月
4月
5月
6月
〈2ヵ月後〉
(5月分)
平均燃料価格の算定期間
〈2ヵ月後〉
1∼3月
電気料金
への反映
(6月分)
平均燃料価格の算定期間
2∼4月
〈2ヵ月後〉
配電関係
○電力メータ設置には何か基準があるのか。
◎検針、保守および検査のため容易に立ち入ることができ
る場所であること、振動が少ない、煤煙・塵埃が少ないこ
と、など常識の範囲内です。
高さは1.8m以上2.2m以下としています。
また、電力メータは供給方式に合致するメータを用いる
こととなっており、計量器であるため計量法により規定さ
れています。
設備見学会(新改(水力)発電所)
49
よんでんグループCSRレポート 2010
7月
電気料金
への反映
電気料金
への反映
(7月分)
8月
9月
皆さまの声を大切に
主なコミュニケーション方法一覧
主なコミュニケーションツール
主なコミュニケーション手段
□グループ一体となったソリューションサービス
冊子等
□集中受付センター、窓口
□四国電力グループ(グループ会社紹介パンフレット)
□電気の検針、訪問活動
□YONDEN NOW(会社概要パンフレット)
□電力アドバイザー会議
□ライト&ライフ(広報誌)
□お客さま懇談会
□ルネサンス四国(地域情報誌)
□ふれあい施設(よんでんプラザなど)
□四国の工業用地のご案内
□施設見学会(発電所など)
□電化住宅のご案内、原子力発電の
□ふれあい活動
理解促進などの各種パンフレット
(清掃活動やふれあいコンサートなど)
その他
□地域イベントなどへの参加
□よんでんグループ各社ホームページ
□原子力広報活動・訪問対話活動
YONDEN NOW
□四国TODAY(会社概要紹介ビデオ)
□住民意識調査などのアンケート
□YONDENリリース365(事業活動紹介ビデオ)
□テレビCM
主なコミュニケーション手段
□株主総会
□個人投資家の皆さまへの説明会
お客さま・
地域の
皆さま
□アナリスト・機関投資家の
皆さまへの説明会
□発電所などの施設見学会
原子力広報CM
主なコミュニケーションツール
冊子等
主なコミュニケーション手段
□お取引
株主・
投資家の
皆さま
取引先の
皆さま
主なコミュニケーションツール
□決算短信
□有価証券報告書
□ファクトブック
□アニュアルレポート
冊子等
(日本語版・英語版)
□資材調達情報の窓口公開
□株主のみなさまへ(報告書)
その他
□会社説明会資料
□よんでんグループ各社ホームページ
従業員
環境
コミュニ
ケーション
その他
□よんでんグループ
各社ホームページ
□メール配信サービス
主なコミュニケーション手段
□経営層による職場巡回
主なコミュニケーション手段
□従業員意識調査
□労使懇談会、組合による職場懇談会
□環境懇話会
□植樹・植林活動
□職場レクリエーション活動
□出前エネルギー授業
□地域清掃活動
□ライフプランやメンタルヘルスなどの各種相談
主なコミュニケーションツール
主なコミュニケーションツール
冊子等
冊子等
□よんでんグループ環境保全活動レポート
□YONDEN GROUP(グループ情報誌)
(環境保全活動紹介パンフレット)
□Let s ECO LIFE!
□YONDENてらす
□北極で最後の一頭になった白クマからキミへ(子供向け小冊子)
その他
□よんでんグループ各社ホームページ
Let s ECO LIFE!
その他
□よんでんグループ各社ホームページ
よんでんグループCSRレポート 2010
50
■ 会社概要(四国電力)
会社概要(2010年3月31日時点)
設立年月日
供給設備
水 力 発 電 所 5 8ヵ所
1,141千kW
1,455億円
火 力 発 電 所 4ヵ所
3,501千kW
233,086千株
原 子 力 発 電 所 1ヵ所
2,022千kW
株主数
110,003名
太 陽 光 発 電 所 1ヵ所
0.3千kW
総資産
1兆3,202億円
風 力 発 電 所 1ヵ所
0.3千kW
合 計 6 5ヵ所
6,665千kW
1951年5月1日
資本金
発行済み株式総数
お客さま数
電 灯
2,461千口
(契約口数)
電 力
400千口
送 電 線( 電 線 路こう長 )
3,388km
2,861千口
( 回 線 延 長 )
6,363km
計
販売電力量
(2009年度)
電 灯
9,464百万kWh
変 電 所 2 0 8ヵ所
2,001万kVA
電 力
18,032百万kWh
変 換 所 1ヵ所
140万kW
計
27,496百万kWh
配 電 線( 電 線 路こう長 )
44,962km
その他(他電力への送電等) 3,446百万kWh
( 電 線 延 長 )
165,577km
合 計
30,942百万kWh
販売電力量(電灯+電力)の推移
(億kWh)
300
280
292.7
279.7
281.6
売上高の推移(単独ベース)
(億円)
6,000
(人)
5,500
5,756
287.0
275.0
従業員数の推移(単独ベース)
5,567
5,600
5,201
5,000
5,261
4,500
260
5,200
240
4,800
4,000
220
4,400
3,500
200
2005
2006
2007
2008
2009(年度)
4,000
4,927
2005
2006
2007
2008
2009(年度)
3,000
4,433
4,432
4,445
4,474
2005
2006
2007
2008
4,549
2009(年度)
事業所一覧(四国電力)
〒760-8573 香川県高松市丸の内2の5
☎(087)821-5061
松 山 支 店
〒790-8540 愛媛県松山市湊町6丁目6の2
☎(089)941-6111 0120-410-452
徳 島 支 店
〒770-8555 徳島県徳島市寺島本町東2丁目29
☎(088)622-7121 0120-564-552
宇和島支店
〒798-0033 愛媛県宇和島市鶴島町1の28
☎(0895)22-4733 0120-410-582
池 田 支 店
〒778-8504 徳島県三好市池田町シマ930の3
☎(0883)72-7500 0120-410-778
新居浜支店
〒792-0023 愛媛県新居浜市繁本町9の32
☎(0897)37-2101 0120-459-789
高 知 支 店
〒780-8545 高知県高知市本町4丁目1の11
☎(088)822-9211 0120-410-430
高 松 支 店
〒760-8501 香川県高松市亀井町7の9
☎(087)831-0211 0120-410-761
中 村 支 店
〒787-8691 高知県四万十市中村大橋通6丁目9の21
☎(0880)34-2161 0120-410-787
東 京 支 社
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1丁目3の1
東京銀行協会ビルヂング18階
☎(03)3201-4591
本
店
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「四国電力の概要」 トップ
51
会社情報−四国電力の概要
よんでんグループCSRレポート 2010
会社概要(四国電力)/主要事業場・設備/財務関連データ
■ 主要事業場・設備(2010年3月31日時点)
[凡例]
本四連系線(電源開発)
本店
坂出
高松支店
水力発電所(2万kW以上)
原子力発電所
壬生川
伊方
太陽光発電所
池田支店 麻
東予 三島
西条
讃岐
松尾川第二
本川
川内
大洲
西条
柳谷
分水第一
大渡
送電線(18万7千V)
大川
鳴門淡路線
(関西電力)
広見
高知支店
鳴門
井川
阿波
徳島支店
松尾川第一
平山
国府
蔭平
面河第三
送電線(50万V)
香川
松山
松山支店
風力発電所
高松
新居浜支店
北松山
松山
火力発電所
阿南
橘湾
広野
高知
阿南変換所
宇和島支店
奈半利川
交直変換所
変電所(50万V)
阿南紀北直流幹線
(関西電力、電源開発)
室戸
中村支店
変電所(18万7千V)
本店・支店
■ 財務関連データ
(連結ベース)
●売上高
●総資産
(億円)
6,500・
(億円)
15,000・
6,351
6,181
6,000・
5,674
14,595
14,500・
5,790
14,207
5,453
5,500・
14,056
14,000・
5,000・
13,500・
4,500・
13,000・
4,000・
2005
2006
2007
2008
2009(年度)
●営業利益・経常利益
営業利益
経常利益
700・
602
400・
396
2005
2006
3,921
3,888
2007
2008
3,739
3,810
2007
2008
2009(年度)
435
(億円)
4,500・
4,000・
542
531
500・
12,500・
13,831
●自己資本
(億円)
800・
600・
14,358
437
542
465
424
3,601
3,500・
357
3,000・
300・
200・
2,500・
100・
0・
2005
2006
2007
2008
2009(年度)
●ROA※1
2,000・
2005
2006
2009(年度)
●自己資本比率※2
(%)
5.0・
(%)
29・
4.2
4.0・
3.8
3.8
3.8
28・
3.0
3.0・
27・
26.9
27.1
27.1
26.3
26.0
2.0・
26・
1.0・
25・
0.0・
2005
2006
2007
2008
2009(年度)
※1 ROA(%)
=営業利益 総資産 100
[収益性をはかる指標]
24・
2005
2006
2007
2008
2009(年度)
※2 自己資本比率(%)
=自己資本 総資産 100
[安定性をはかる指標]
よんでんグループCSRレポート 2010
52
■ 第三者意見
まつ もと しゅう じ
弁護士松本修二氏には2007年1月からCSR推進会議に社外
有識者としてご出席いただき、弁護士のお立場からよんでんグルー
プのCSR活動にご助言をいただいております。
本レポートの発行にあたり、松本弁護士から本レポートならび
によんでんグループのCSR活動へのご意見をいただきました。
松本 修二
氏
1976年 香川県弁護士会登録
1993年 香川県弁護士会会長
2003年 四国弁護士会連合会理事長
2003年 日本弁護士連合会副会長
2006年に設置された、
「CSR推進会議」
は、
すでに、20
時代の要請に適った特集であると、大きく評価される
回の開催を数えるに及んでいるのではないでしょうか。
ことでしょう。
そこでは、
よんでんグループのCSR活動に係る諸活動を
一方、本レポートでは、発生した2件の不適切事案に
全社的な視点から取りまとめ、
さらなるステップアップの
ついて、事案の内容、原因の究明、再発防止への対応が
総括的な検討を実施することを目的としています。
報告されています。
私は、
この推進会議に、第三者の立場で出席させていた
成果だけでなく、問題事案の発生とその対応を開示す
だいております。
ることは、社会の信頼を深めることになるものと考えます。
委員長を務める社長の強力なリーダーシップぶりと、
これからも、
このような姿勢を持続してほしいと存じます。
参加メンバーの活発な発言(ときには歯に衣着せぬが
さらに、弁護士の立場から付言させていただければ、
ごとき)
が印象的であります。
地域共生活動の推進の一つとして、
「裁判員休暇制度」
を
CSR推進会議には熱気があり、社長以下メンバーの
導入いただいていることに、
感謝申し上げたいと存じます。
方々の「よんでんCSR活動」についての高い使命感が
ところで、本レポートの目的は、
よんでんグループのCSR
伝わってきます。
活動の状況や考え方を、株主・投資家、取引先、顧客、
今後とも、
このような状況が続くことを、私は望みます。
従業員等々にわかりやすく報告し、広く意見をいただく
これまでと同様に、適切な課題の把握、適宜の開催
ことにあります。そして、寄せられた意見を共有し、それを
実施、
そして自由闊達に発言できる環境の保持等に配慮
CSR推進活動に生かしていくことにあると考えます。
をお願いしたいと存じます。
そこで、
「よんでんグループC S Rレポート」に対して
本レポートは、2009年度のよんでんグループのCSR
寄せられた意見を、適宜、集約して、
レポートに掲載する
活動の報告、2010年度のCSR活動のスタンスとこれに
ことは、意義あることと思います。
ご検討ください。
基づくアクションプランを内容としています。
よんでんは、四国の先頭に立つ企業と思います。
特集として、
「低炭素社会実現への扉を開くために、3E
この 観 点 での 誇りと使 命 感 からしても、よんでん
(電力の安定供給、環境保全、経済性の追求)
の同時達成
に向けて」
の視点での取り組みが、報告されています。
グループは、四国企業のCSR推進活動のトップランナー
としての走りを、続けていただきたいと存じます。
第三者意見を受けて
松本先生には、本レポートならびによんでんグループ
CSR活動に対する大変貴重なご意見をいただき、
ありがと
うございました。
的に情報開示してゆく所存ですが、先生からいただいた
「ステークホルダーの皆さまからお寄せいただいたご意見
先生からは、CSR推進会議の運営状況に関し過分の
を本レポートに掲載してはどうか」
とのご提案についても
評 価をいただきましたが、今 後も、会 議における審 議の
検 討させていただき、ステ ークホルダー の 皆さまとの
活性化・充実に努める所存でございます。
双方向コミュニケーション活動のさらなる改善に努めて
先生には、
これまで同様、弁護士のお立場として大所高
まいります。
所からのご指導を賜りたいと存じます。
今後もよんでんグループ一体となって、
これまで取り組ん
また、本レポートの特集に関しても
「時代の要請に適っ
できたCSR活 動 をより一 層
た」
ものとの評価を賜りました。
これまで、私どもは、電力の
推進し、広くステークホルダーの
安定供給という社会的使命を果たしつつ、低炭素社会実現
皆さまから信頼される企業づく
に向け取り組みを進めており、本レポートでは、それらの諸
りを進めてまいります。
活動の状況を特集記事として皆さまにお伝えすべくご紹介
いたしました。今後も引き続き、公益事業者として3Eの
同時達成に全力を傾注してまいります。
53
当社グループは、今後もこれらCSRに係る諸活動を積極
よんでんグループCSRレポート 2010
四国電力株式会社
常務取締役 総合企画室長
いえ たか じゅんいち
家髙 順一
■ よんでんグループ一覧
電
力
研
究
開
発
エ
ネ
ル
ギ
ー
関
連
建
設
製
造
ビ
ジ
ネ
ス
・
サ
ー
ビ
ス
ほ
か
情
報
通
信
運
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会社情報−CSRへの取り組み
よんでんグループCSRレポート
発行年月 2010年7月
よんでんグループCSRレポート 2010
54
〔 表紙写真 〕
愛媛県松山市 城山公園から市街を望む̶。
松山市のランドマークともいえる松山城は、標高約
132mの城山の上に築かれています。
本丸広場からの眺めは雄大にして美しく、
とりわけ街
の灯が煌めきだす頃が印象的です。