業務継続計画論 - 人と防災未来センター

業務継続計画論
2015年10月14日
人と防災未来センター・エキスパートBコース
神戸大学 社会科学系教育研究府
特命准教授 紅谷 昇平
(人と防災未来センター リサーチフェロー)
1
はじめに
2
災害対応に関する勘違い
災害時でも、庁舎や設備、機器は使えるだろう。
災害時でも、職員はそれなりに集まるだろう。
災害対応は、防災・危機管理部局に任せておけばいい。
立派な地域防災計画やマニュアルがあるから大丈夫。
被災自治体の職員の方の声を聞くと・・・・
3
実際には・・・・
うちの部署が、こんなに忙しくなるとは思わなかった。
電気もパソコンも電話も、全く使えなくなるとは思えなかった。
何日も、食べるものもない状態で、家にも帰れなくなるとは思
わなかった。
誰も指示を出してくれず、自分で考えて動かなければならな
かった。
「普段から、もっときちんとマニュアル、計画を作ってお
けば良かった」
「訓練をきちんとすれば良かった」
4
自治体の災害対応の課題
地域防災計画に「やるべきこと」は書かれている。
でも、「誰が、どのようにやるのか」が決まっておらず、災害時
に実行できない。
その理由として、「庁舎・設備・人員の準備不足」、「防災部局
任せ(当事者意識の不足)」、「災害時の業務の優先順位が
不明確」なことが挙げられる。
職員の安全確保、生活、安否確認などについて、ほとんど考
えられていない自治体も多い。
そこで、地域防災計画を補完するために、業務継続計画(
BCP、Business Continuity Plan)が必要となる。
5
1.もし、首長(上司)が「
業務継続計画(BCP)」に
関心を持ったら・・・
6
市長or上司によびだされる①
• なんか、最近、BCPという防災計画があるら
しいな。
• この前の会議で、隣町の町長さんと、会議
所の会頭が話してた。
• ところで、BCPって、何や?
Q:業務継続計画とは?
7
元々は、企業防災で必要な対策:BCP
• 企業は、災害や事故で被害を受けても、
「重要業務が中断しないこと」
「中断しても可能な限り短い期間で再開すること」
が望まれている。
• 事業継続は、顧客の他社への流出、マーケットシェ
アの低下、企業評価の低下などから企業を守る経
営レベルの戦略的課題と位置づけられる。
• この事業継続を追求する計画が「事業継続計画」
(BCP:Business Continuity Plan)
内閣府「事業継続ガイドライン」より
8
BCP(事業継続計画)の目的
内閣府「事業継続ガイドライン」より
9
サプライチェーンで考えることの重要性
・経済の取引は、関係者がつながっている。(サプライチェーン)
・自らが被災しなくても、影響がある。(間接被害)
ライフライン
販売店
製品輸送
原料・燃料
給料
消費者へ
働き手
部品
・
水
設備
消費活動へ
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自治体のBCPとは?
・ BCP(業務継続計画:Business Continuity Plan)とは、災
害等の資源制約下において、最低限必要な重要業務を継
続させるために策定する計画。
・ 地域防災計画と比較すると、
「最低限必要な業務を、いかに継続させるか」
→自治体の場合、重要業務の多くは災害対応業務。
「重要業務の継続に必要な資源を、いかに確保するか」
を考慮する点が異なる。(特に後者が重要)
・ 様々な制約条件を考慮したうえで、必要性の高い業務を、
何とかやりとげる方法を考える。
・ したがって、地域防災計画と全く別の計画をつくる必要は
ない。
11
災害後の業務イメージ
外部応援で確保
災害対応業務・新規業務
業
務 従前
レ 業務
ベ
ル
内容が変わる従前業務
従前業務
時間軸
12
宮城県の災害後6カ月の事例
• 税務課では発災翌日の3月12日から,津波により被
災した自動車に関する問い合わせ、ふるさと納税に
関する問い合わせや申込みが殺到。
→ 【通常業務が拡大】
• 産業振興担当部局では、被害の把握や、復興のた
めの補助金の手続き等に忙殺され、従前業務は全く
手がつかず。
→ 【新規業務による従前業務の圧迫】
• 土木部局では、災害査定、復興計画策定、復興事業
実施のための人員、ノウハウが不足。
→ 【新規業務と通常業務の区別が困難】
→ 【資源不足が長期化する】
13
市長or上司によびだされる②
• CBPじゃなくて、BCPか。まぎらわしいな。
• 民間企業で、BCPが注目されているのは分
かった。
• でも、過去の災害で、本当にBCPがないと
いけなかったのか?
Q:企業の災害対応はどうだった?
14
阪神・淡路大震災の神戸新聞社
• 1994年に京都新聞との「緊急事態発生時における新聞発行
援助協定」を締結。
• 1995年の阪神淡路大震災では、神戸新聞会館が全壊、紙面
制作システムが壊滅した。
• しかし、協定に基づき、京都新聞の協力を得て、震災当日の
夕刊から通常よりも頁数が大幅に削減された形で、無休で新
聞の発行を続けた。
• 2007年9月22日、神戸新聞の編集システムにトラブルが発生
したが、阪神・淡路大震災の際と同様に、京都新聞の協力を
経て新聞を通常通り発行した。
15
阪神・淡路大震災でのO社
• 阪神・淡路大震災により、機械の8割が転倒、インフ
ラも大きな被害を受けた。
• 被災当日は、45名の社員のうち約2割が出勤。
• 地震直後から取引先企業から、応援が入った。(20
~40名。重機、食料、設備修理等)
• 高い技術力を持つことで、取引先との関係が強かっ
たことで、災害時に支援を得られた。
• 外部との情報のやりとりは、被災地外の取引先にFA
Xを置かせてもらい、それを利用。
• その結果、被災から約1ヶ月で復旧宣言が出来た。
(電気の復旧とほぼ同時期)
16
オイルプラントナトリの事例
• 今年1月末策定の事業継続計画(BCP)にもとづき1週間で事業を再開。
• 津波で、18基あった大型タンクは、ほぼすべてが流され、機械設備も修理に
数カ月を要する状態。24台あった運搬車両は半数が津波に飲まれた。
• 14日から民家に本社機能を移し、協力会社との確認、被災状況の具体的な
調査などを開始。
• 復旧方針は、①二次災害の防止、②社会的要請、③社員の生活の確保の3
点。
• 回収した廃油を自社で精製するのではなく、他県のリサイクル会社まで運ん
で再生燃料(重油)にしてもらい、それを自社の取引先に届ける仕組みを構
築し、BCPにおける目標復旧時間(3日)と大差がない3月17日から業務を再
開させることができた。(委託費を考慮しても採算がとれた)
• このビジネスモデルを県内で被災した同業者にも提案し、各社が回収してき
た廃油を、一端、オイルプラントナトリのタンクに集め、そこから他県のリサイ
クル会社に運び、再資源(燃料)化したものを各社の取引先に届けるという大
きなビジネスサイクルが立ち上がった。
17
市長or上司によびだされる③
• なるほど、うちの市の企業にも、BCPをつく
ってもらわないと、雇用や税収に影響がで
るな。
• うちの市には、えらい先生に入ってもらって
、地域防災計画もつくってるやないか。BCP
と何が違うのか?
Q:地域防災計画とBCPの違い
18
地域防災計画の課題
重要
・ 自分たち(自治体の施設、組織、人員)が被災することを想定
していない。
・ 計画に抜け、漏れがたくさんある。
・ 関係機関が、きちんと機能しているという前提になっている。
・ 担当や調整の仕組みが、具体的に定められていない。
・ 計画内容が実行可能かどうか、訓練で検証されていない。
●業務継続計画(BCP)、マニュアルの策定、あるい
は地域防災計画の改善が必要
●平時の事前対策が最重要(災害後では手遅れ)
19
自治体BCPへの2つのアプローチ
重要
重要業務を絞
り込み、継続さ
せる
自治体BCPの必要性
■民間企業のBCP
・重要業務の絞り込み
・影響度評価の実施
・目標復旧時間の設定
・サプライチェーンの評価
・必要な対策の実施
資源制約を踏
まえ、実効性
を持たせる
■自治体の災害対応実態
・機能しない災害対策本部
・実行できない地域防災
計画
20
20
地域防災計画と業務継続計画の違い
• BCPは、「災害対応業務を実施するための
共通の基礎部分」と考えると理解しやすい。
<災害・事故>
地域防災計画:
災害時にやるべき業務
<その他>
新型インフルエンザ,
口蹄疫、不祥事、等
優先的に実施すべき通常業務(少数)
BCP(業務継続計画):
組織を機能させるために必要な環境整備
重要
防災計画とBCP対象業務との関係
これが意外に多い
従来の防災計画
重要
防災計画未記載の応急業務
平常時の業務
復旧を急がなくてもよい業務
応急 復旧業務など
<BCPに記載する業務>
行政機関自ら被災時の
災害後優先すべき業務
継続・早期復旧が必
要な業務
(=重要継続業務)
復興期の業務など
*BCPには、災害後優先すべき業務以外に事前対策の計画も記載されるので留意。
22
22
・
地域防災計画で抜けがちな事項(例)
■職員・施設の被害への想定
・ 負傷した職員の救助、救命活動。
・ 庁舎倒壊などシビアな被害への対応。
・ 連絡要員への連絡手段(衛星携帯)の配備。電
源の確保。
■職員も「被災者」という前提
・ 職員のトイレ、食料品、休憩場所の確保。
・ 出勤できない職員が一定数発生することを前提
にした、職員の動員計画。(ローテーション含む)
23
■外部応援の使い方
・ 十分な数の応援職員、あるいは専門分野を有する
応援職員の内外からの動員、マネジメントの方法。
・ 庁内における、外部関係機関の活動拠点、必要施
設の確保(政府現地本部・現地連絡対策室、県現地
本部、自衛隊、NPO、NGO、倉庫協会・トラック協会、
DMAT、応援自治体職員)
・ 自組織が機能不全の場合の、外部応援の確保。
・ 市町村が機能不全の場合の県の対応計画。
・ 旅館組合、エネルギー関係団体等との実効性のあ
る協定
24
■忘れられている業務、あいまいな表現の業務
・ 災害廃棄物の処理方針。
・ 緊急車両の認定基準
・ 災害救助法で支弁可能な費用項目等の一覧
・ 臨時災害FM放送局の設置
・ 寄付の受付手続きの簡略化。
・ 子ども、女性、高齢者等の目線での対応。
・ 想定外の公共施設(庁舎等)が避難所となった場合
の対応方法 (特に都道府県)
25
■会議に付帯する業務
・ 災害対策本部会議の議事内容
・ 災害対策本部会議の議事録の作成
■庁内での調整体制、情報共有
・ 実質的な全庁的な調整会議の開催
・ テーマ別(避難所、がれき処理、等)の情
報共有会議開催
26
市長or上司によびだされる④
• 確かにBCPはあった方がいいな。
• でも、うちだけが作るのもおかしいだろう。
他の自治体はもう作っているのか?
Q:自治体BCPの策定状況
27
総務省「地域におけるICT利活用の現状及
び経済効果に関する調査」(平成24年)
都道府県では策定が進むが、市区町村では、未検討の自治体も
多くの残る。
業務継続計画の策定状況について
平成24年版 情報通信白書
28
日本政策投資銀行調査(平成25年7~9月)
• 都道府県と人口5万人
以上の608市区町村を
対象。
• 東日本大震災後に22.7
%の自治体でBCPの策
定・改訂が行われたが、
68.5%の自治体で未策
定のまま。
• 策定が進まない理由は
、「庁内で議論がなされ
ていない」「策定に必要
な人員、人材がいない」
「策定に必要十分な知
見がないため」など
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時事通信調査結果
(平成26年1月)
• 都道府県、政令市、県庁所
在市の98自治体を対象。
• 自然災害を想定した業務継
続計画(BCP)を策定済み
の自治体は50%。
• うちBCPに基づく訓練を行
っているのは28自治体で、
全体の29%だった。
30
公開されている地方公共団体の
業務継続計画の例
• 内閣府(防災)にて、自治体の業務継続計画策定関
連資料を更新中。
• 参考資料として、「公開されている地方公共団体の業
務継続計画の例」がある。
• http://www.bousai.go.jp/taisaku/chihogyoumukeizoku/
index.html
31
市長or上司によびだされる⑤
• 隣の○○市でも、作り始めたというから、う
ちでもやらないといけないな。
• よし、おまえが担当となって、すぐに作ってく
れ。
• 何か問題はあるか?
Q:BCP策定の課題(民間事例)
32
BCP策定の課題(民間企業)
0%
10%
20%
30%
費用対効果がはっきりしない
34.2%
顧客・取引先企業(川下)との調整が難しい、または要求が明確でない
60%
40.0%
35.4%
38.0%
33.8%
計画策定に必要な人手の確保が難しい
計画策定に必要な時間の確保が難しい
29.2%
重要業務の絞り込みが難しい
29.2%
27.7%
有効な対策の選定が難しい
納入元企業(川上)との調整が難しい、または協力が得られない
21.5%
51.9%
40.5%
40.5%
32.9%
26.2%
24.6%
27.8%
対策に必要な費用の確保が難しい
20.0%
22.8%
BCPに対する従業員の認識が低い
12.3%
計画策定に必要なノウハウ・スキルがない
35.4%
10.8%
10.1%
行政や公的主体などによるノウハウ支援が不十分
7.6%
10.8%
BCP策定済み
策定中・策定予定
9.2%
11.4%
重要業務の担当部署の協力が得られない(例:多忙などの理由で)
9.2%
計画策定に必要な費用の確保が難しい
19.0%
9.2%
11.4%
行政から何を求められているか不明確
復旧の遅れの原因特定が難しい
50%
36.9%
19.0%
目標復旧時間の設定が難しい
税制優遇措置、低利融資などの財務上の支援が不十分
40%
6.2%
13.9%
自治体でも問題となるのは
•
•
•
•
重要
誰が、どういう体制でつくるのか?
ノウハウがないけれども、どうすればいいのか?
他部署、取引先の協力は得られるのか?
職員には、BCPの必要性について理解してもらえ
るのか?
・できるだけ総務部門に担当してもらう。
・全庁的な体制で検討する。
・首長、幹部のお墨付きをもらう。
(できれば庁内会議に出席してもらう)
34
2.もし、自分がBCP策定
の主担当になったら
35
BCPをつくる①
• いきなり「つくれ」と言われても、よく分から
ないなぁ。
• なんか参考になる資料や、教えてくれる人
はいないのかな?
Q:参考資料は?
36
『地震発災時における地方公共団体の業
務継続の手引きとその解説』
(平成22年4月/内閣府)もうすぐ更新
・震災を想定したBCPを策定するよう、内閣府防災(予防担
当)が、市町村に促すためのもの。
・2010年度には、全国3カ所で、市町村の防災担当者を集
めて、内閣府が説明会を開催。
・各都道府県でも、市町村向けの説明会を開催。
・かなり出来が良く、まずはこの1冊から始める。(参考資料
、参考図書も、これに紹介されている。)
・なぜか職員、来庁者の負傷対策、安否確認については、
全く触れられていない。そこは、補って検討する。
37
特に小規模自治体向けの資料
「市町村のための業務継続計画作成ガイド」
を平成27年5月に策定
災害が頻発している近年の現状においても、市町村における業
務継続計画の策定状況は、策定済みがわずか 13%(平成 25 年
8月現在。消防庁調べ)にとどまっており、特に人口の少ない小
規模な市町村ほど低位な傾向にあります。
この要因の1つに、手引きに沿った業務継続計画の策定方法が
小規模な市町村にとって作業量が多いものとなっていたことが考
えられることから、平成 26 年度に有識者等による「地方公共団
体の業務継続の手引き改訂に関する検討会」において手引きの
見直しを進め、今般、政令市や中核市等はもとより、人口が1万
人に満たないような小規模な市町村であってもあらかじめ策定し
ていただきたい事項を抽出した「市町村のための業務継続計画
作成ガイド」を策定しました。
38
39
4.業務継続計画の特に重要な6要素
○ 業務継続計画の中核となり、その策定に当たって必ず定
めるべき特に重要な要素として以下の6要素がある。市町村
はこれらの6要素(以下「重要6要素」という。)についてあら
かじめ定めておくものとする
40
41
参考:アメリカの業務継続計画
業務継続計画の10の要素
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
優先機能(Essential Functions)
リーダーの権限承継順位(Orders of Succession)
指揮命令権限の委譲(Delegations of Authority)
設備・施設、代替拠点(Continuity Facilities)
12時間以内稼働、30日継続を条件とする通信手段(
Continuity Communications)
重要資料の確保(Essential Records Management)
人的資源(Human Resources)
教育・研修(Test, Training, and Exercise (TT&E))
運用体制(人員、設備)の引継(Devolution of Control
and Direction)
通常体制への復帰(Reconstitution Operations)
BCPをつくる②
• なるほど、なんとなくどんな計画をつくったら
いいかは、分かってきたぞ。
• しかし、担当は、自分ひとり。全部やるのは
無理だよなぁ。
• どういう体制でつくればいいんだろう。
Q:BCP策定に向けた体制
43
A:お金がある
• コンサルタント委託をする。事務作業軽減、被害状況、資
源制約、重要業務の分析に役立つ。
• でも、コンサル任せではダメ。作成主体は、あくまで自治
体側。
B:お金がない。
• 自力策定も十分可能。
• ノウハウ面では、外部有識者の助けを得る。
C:共通
• トップの理解をもらう。
• 他部局(特に人事、管財)を巻き込んだタスクフォースや
調整会議を設置する。
• 一般職員、幹部への説明会を開催し、BCPについて知っ
てもらう。
• 外部の重要取引先も巻き込む。
BCP策定の隠れた意義
• 総務部、人事、管財、トップを巻き込むための方便。
(防災部局だけでは出来ない資源管理をやる) 重要
• 職員の研修、教育に生かす
(災害が発生したら何をするのか考えさせる)
• 実は、それができれば、「BCP」として策定する必要は
ない。地域防災計画のマニュアル(資源管理、庶務的
業務等)を作成するのでも良い。
(でも、地域防災計画本体に入れると、柔軟な修正が
やりにくい))
45
BCPをつくる③
• まずは被害を想定した、影響評価(BIA)と
いうのをやらないといけないようだ。
• いったい、どのような災害を想定すればい
いんだろう。
Q:BCPで想定する被害
46
• 日本の場合は、まずは震災。内閣府の手引きを参照
する。
• しかし、細かい被害予測には、あまり意味がない。阪
神淡路や東日本大震災の経験から、資源制約をざくっ
と考えるのでも良い。
• 庁舎への被害については、水害、津波、火災なども考
慮しておく。
• 当面、新型インフルエンザは別枠で考えた方が良い。
• 欧米の場合、災害や危機の種類は、そこまで気にしな
い。「災害の結果、会社がどういう状態になるか」から
始める。
• そうすると、原因にかかわらず、対応することが出来る
し、「想定外」も起こりにくい。
47
被害想定と優先業務を考える
順番について
• 日本の場合、被害想定→資源制約→優先
業務
• アメリカの場合、優先業務→被害想定→資
源制約
• 被害想定は大切だが、被害想定が全ての
出発点になってはいけない。
48
BCPをつくる④
• 災害時には、いろんな資源が使えなくなるら
しい。
• どのような資源制約を考えればいいんだろ
う。
Q:BCPで考える資源制約とは
49
制約を考えるべき資源
■人
・稼働できる要員数の増加、代替要員の確保・育成、職員の
住宅の安全確保
■施設・設備
・耐震補強、代替施設の確保、設備等の代替調達先の確保
■資金
・給料、決済、復旧資金の手当て
(自治体の場合、救助法の申請(4号適用)、特例基準の活
用、国への要望、なども含む。)
■情報
・データ、重要な文書等のバックアップ
50
庁舎の損壊
・庁舎自体(内装、設備を含めて)が被災し、直後に利用
できないケースが多い。
・免震構造にしても、津波、火災により、近づけない場合
がある。
・情報については、複数の拠点への分散化が必要。
51
参考:東京経済大学吉井博明先生資料より
中越地震発生(午後5時56分)
・川口町では庁舎が地震で被害を受け危険で入れず庁舎前のテントに
本部設置→移動系無線が使えず、情報収集が困難
・長岡市では災対本部設置予定の3階会議室が停電と漏水で使えず
→1階に設置→暗くて業務に支障
・小千谷市では4階の大会議室に災対本部を設置することになってい
たが、余震がこわい上、出入りに不便。2階と3階はものが散乱して使
えない。
→6時40分、消防本部前のテントが使えるという情報で本部をそこに
設置。しかし、テントには何もなく、本部機能を果たせず、おまけに寒い
庁舎・設備の被害
東日本大震災における
業務継続の課題
• 津波被害だけでなく、地震の揺れによっても、過去の災害と同
様の庁舎被害が発生していた。
<事例>
• 地震、津波で庁舎が使えなくなり、プレハブ等の仮設庁舎が
必要となった。
(一方、バックアップ拠点を決めていたことで、スムーズに対
応が進んだ事例もあった)
• 電話回線では、光電話がストップ。回線増設に時間がかかり、
電話機も不足した。
• 災害対応用のコピー機の能力が不足。
• 非常用発電装置、無線設備が1階、地下であり、津波での浸
水後は、連絡がとれない状況となった。
53
東日本大震災における
業務継続の課題
東日本大震災における庁舎・職員被害
陸前高田市
庁舎全壊。職員68名死亡・行方不明。
大槌町
庁舎全壊。町長・職員ら33名死亡・行方不明。
釜石市
庁舎1階浸水。職員4名死亡。
石巻市
庁舎6,7階大破。職員48名死亡・行方不明。
南三陸町
庁舎全壊。職員39名死亡・行方不明。
女川町
庁舎浸水、全壊。職員1名死亡
気仙沼市
一部庁舎の1階浸水。職員2名死亡
双葉町など福島 原発事故で役場移転
県9町村
(読売新聞2012年1月15日記事より)
震度6弱以上を観測した
都道府県
岩手県:全市町村数34
宮城県:全市町村数35
福島県:全市町村数59
茨城県:全市町村数44
栃木県:全市町村数27
群馬県:全市町村数35
埼玉県:全市町村数64
千葉県:全市町村数54
合 計 237
地震・津波被災により
本庁舎を移転した市町村数
合計
移転
一部移転
4(3)
2(2)
2(1)
5(3)
3(2)
2(1)
6(0)
3(0)
3(0)
8(0)
3(0)
5(0)
3(0)
1(0)
2(0)
0(0)
0(0)
0(0)
1(0)
1(0)
0(0)
1(0)
0(0)
1(0)
28(6)
13(4)
15(2)
※( )内の数字は本庁舎が津波による被災を受けた市町村の数
で内数。
※福島原発事故の影響による移転は含んでいない。
55
アメリカの業務継続計画の事例
Emergency Relocation Group
(ERG)
• 緊急時には、一次的に拠点を移動して事業継続体
制を確立するため、専門チームEmergency
Relocation Group (ERG)の設置が求められている。
• ERGメンバーの役割
– 研修、教育への参加
– 活動に必要な重要情報、資料等を含む持ち出しセットの
準備
– 業務継続計画発動に向けた家庭での準備
– 業務継続計画の発動に向けた常時準備体制の整備と
報告
首長、職員の出勤
・家族が被災すると、参集できない。
・参集については、歩留まりを考慮して、参集要員を
多めに指定しておくことが必要。
57
1995年・阪神淡路大震災
兵庫県知事
• 地震発生時は、公舎の2Fにて熟睡していた。
• 地震後は停電で真っ暗な状態だった。
• 警察や市の消防に連絡しようとするが、電話がつながらない
。
• 県庁まで徒歩30分以上かかるため、音信不通の状態ならな
いよう、公舎にて待機。
• 7時頃、電話がつながった副知事と協議し、災害対策本部の
設置を指示。
• その後、 8時頃に職員のマイカーで登庁。
貝原俊民「大震災100日の記録」より
1995年・阪神・淡路大震災
芦屋市長
• 日高課長が到着し、まず、腰を強打した北村市長の夫の巌さ
んを病院に運ぶことになった。市立芦屋病院が市長宅から
歩いて一分ほどのところにあった。日高課長が病院へ走り、
キャスターのついた簡易ベッドを借りてきた。病室から手術室
に運ぶときに使うベッドである。
• 北村市長、次男の豊さん、日高課長、そして近所にいた人の
手で、巌さんを庭から路上の簡易ベッドに運んだ。玄関のひ
さしが崩れ落ち、道路に下りる石段には瓦や木材が散乱して
いて、苦労した覚えが北村市長にはある。
「芦屋女性市長震災日記」より
59
2007年・中越沖地震
刈羽村長
• 状況把握は、当日は自宅にいた。中越地震と比べても大きな揺
れ、衝撃の違いが分かった。これは、中越よりもすごい、という認
識をした。
• 車庫のシャッターが開かないので、バイクを出して、バイクで役場
に向かった。途中、道路の段差があり車ではダメだったので、バイ
クを使ったのは正解だった。
• 途中でけが人がでており、頭から血を流した人を助けていた。
• まず状況把握が大切だと考えた。また、役場が災害対応している
ことを伝えることを考えた。3年前も、村長の声を聞いて安心した、
という声があったので、防災行政無線で情報を流した。
• 庁内は散乱していたので、外の車を動かして、災害対策本部を立
ち上げた。
人と防災未来センター・インタビューより
60
非常参集要員の人員は十分か?
2007年・中越沖地震
• 柏崎市において、指定避難所80カ所、実際には、自主的な避
難所を含めて約100カ所で避難者が生活。
• 元々の計画では、「地震後、各避難所(予定施設)に職員2名が
訪問し、開錠し、避難所を設置する」ことになっていた。
• 柏崎市の市長部局職員は700名。
• 100カ所の避難所に、職員1名を、24時間交代で派遣したとし
ても、常時200名の職員が避難所運営にとられることになる。
• これで、通常業務がこなせるのか?
(実際には、中越地震を経験した新潟県が、すぐに各避難所に応
援職員を派遣。地元コミュニティも対応。もし、市職員だけで対
応したとしたら、1カ所に何名必要だったのだろうか?)
• 大規模な災害になると被災地の市町村では、
次から次へと初めての、しかも膨大な量の業
務をこなさなくてはならず、これらを処理する
人員が全く不足することになります。国・県か
らは補助金等の財政的な支援があり、県や
他市町村からは応援職員の派遣もあります
が、あまりの業務量に絶対的な人手不足は
解消せず、それが復旧、復興が進まない原
因の一つになっているという側面もあります。
• (小千谷市長 関広一「中越大震災 自治体
の叫び」より)
63
職員の不足
東日本大震災における
業務継続の課題
• 過去の局所災害を想定した計画では、広域災害時のマンパワ
ーの絶対数が不足した。
<事例>
・ローテーション体制や庁内での応援要員確保が十分に考えられ
ていなかった。
・通勤困難な職員が多数発生し、事後的に、自宅最寄りの事務所
等で災害対応に当たることになった。
・外部応援の受援体制が不足し、応援職員を有効に活用できなか
った。
・技術職など専門的知識を有する人材が、一般的な応援業務に回
されるなど、全庁的に有効に配置する体制が不十分であった。
64
企業従業員アンケートより
65
あなたが会社の災害対応要員に指
名されていたとします。もし、自宅で
大地震が発生した場合、あなたは会
社に出社しますか。
0%
どのような場合でも、すぐに出社する
10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%
2.3%
79.8%
条件によれば出社する
16.3%
できるだけ出社しない
その他
1.6%
企業就業者アンケート(2010年5月・人と防災未来センター)
66
会社に出社する条件は?
0%
10%
20%
30%
40%
50%
56.8%
自宅の安全が確認できれば、出社する
家族が全く負傷していなければ、出社する
44.5%
家族を、親戚や避難所、病院などに送り届けること
ができれば、出社する
39.9%
36.0%
家族に重傷者がいなければ、出社する
会社から呼び出しの連絡があれば、出社する
60%
27.3%
企業就業者アンケート(2010年5月・人と防災未来センター)
67
職員の職務環境
・食べるもの、寝る場所、トイレ、負傷した職員の救助(
人員、医療用具)なども備える。
68
職員の安全確保対策、執務環境
東日本大震災における
業務継続の課題
• 内閣府の震災自治体BCPの手引きと対策でも、記載が不十
分だった点。
• 問題のある地域防災計画、マニュアルのため、自治体職員に
犠牲が発生した。また職員の執務環境も劣悪であった。
<事例>
・自治体職員の災害時マニュアルに問題。多数の犠牲が発生。
・職員のための救助、救護体制が考えられていない。
・被害調査時の安全確保対策が不十分だった。
・職員用の食料備蓄がなく、食料調達方法も決まっておらず、食べ
るものがない状態で業務をすることとなった。
・避難者受入を想定しておらず、対応する職員、備蓄食料等がなか
った。(または津波で備蓄が浸水した場合があった)
69
東日本大震災における
業務継続の課題
• 「朝日新聞が岩手、宮城、福島の3県の沿岸部や原
発事故に伴う避難対象の42市町村に、4~7月に新
たに病気休暇を取った職員数を取材。震災の影響を
探るため、前年同期に休暇を取った職員数も合わせ
て聞いたところ、36市町村が答えた。今年4~7月に
休暇を取ったのは514人で、前年同期より72人多
かった。」
• 「兵庫県こころのケアセンターの加藤寛・副センター
長は「『職員の心身の健康を守ることが住民を守るこ
とにつながる』と社会が認識する必要がある。上司が
率先して休み、『休むのも仕事だ』と部下を休ませる
べきだろう」と話す。」
朝日新聞2011年9月18日より
70
燃料不足
・民間との協定には、罰則規定がなく、実効性に疑問。
71
外部応援の活用
72
民間企業への委託
• 中越沖地震における各避難所への食料及
び生活必需品の配給は、新潟県トラック協
会(日本通運)が、7月20 日から8月31 日ま
で市役所裏車両倉庫に救援物資配送セン
ターを設置し、各避難所へ配送した。
地域・ボランティアによる避難所運営(比
角コミュニティ)
• 施設内に独自のボランティアセンターを設置。地
域の役員と外部ボランティアがペアで活動。
• 小学校には、地震3日目から地域の子供育成会
のメンバーが運営支援に入る。
• 外部からボーイスカウトのグループが支援に入り、
一時、市職員は常駐せず、地域と外部のボラン
ティアグループのみで避難所運営した時期もあっ
た。
74
(専門知識を持つ人材による支援が必要
な場合もある)
• 天竜川の増水に対しては、国土交通省と随
時情報交換していたため、適切なタイミング
で被害想定地域の住民に避難勧告を発令
することができた。また、本市の災害対策本
部に県職員や警察官が同席していたため、
県及び警察ともスムーズに連携をとること
ができた。
• (伊那市長・小坂樫男「水害現場でできたこ
と、できなかったこと」より)
75
■資源制約を考える
重要
• 現在の地域防災計画に、最も欠けている視点。自らの
限界を知ることが大切。
• 庁舎、設備・電源の被害想定を踏まえた計画を策定す
る。
• 庁舎が耐震でない町・村の場合には、自動車に衛星携
帯とマニュアルを入れておくだけで、簡易なバックアッ
プオフィスとなる。
• 人的資源の不足は、小規模な市町村では、必然的に
発生する。平時において、県や他の市町村との応援協
定、ボランティア・自主防災組織の育成などの備えをし
ておく。
• 電子情報が使えない事態も想定しておく。
76
参考となる資料
内閣府(防災)ホームページ
http://www.bousai.go.jp/taisaku/ch
ihogyoumukeizoku/index.html
• 事例集(災害対応編)
• 事例集(対策準備編)
77
BCPをつくる⑤
• 資源制約があるから、重要業務(災害時優
先業務)を絞り込んでいかないといけない。
• 部局、出先がたくさんあるのに、どう作業を
進めていったらいいんだろう。
Q:BCPで考える重要業務とは
78
• 災害時優先業務のほとんどは、地域防災計画に書か
れている内容。
• それ以外は、ロジ(職員の総務、兵站)、職員・来庁者
の保護・救助、学校など公共施設関係、選挙、窓口業
務などの法定業務。
• 具体例は、内閣府の「震災BCPの手引きと解説」にも
掲載。
• 復旧目標時間は、意味があるようで、実はあまり意味
がない(と個人的には思う)。優先度の順番だけ決めて
おけば、十分。
• 実務的には、まず防災部局や出先の1カ所などで、モ
デル的に調査票を投げて書いてもらい、試行してみる
。
• 自治体の業務は他でも共通しているので、他自治体
の事例を参考にする。(自治体により、災害時優先業
務の考え方はバラバラ)
企業と自治体のBCPの違い
制約条件
民間
企業
資源制約
制約条件
自
治
体
重要
対応
重要業務の絞り込み
対応
数日
資源制約
優先業務の絞り込み
その後
やるべき業務
必要な資源の確保
国、自衛隊、他自治体等からの支援
80
80
BCPをつくる⑥
• サプライチェーンも含めて考えろ、とあるが、
自治体は会社じゃないしなあ。
• 取引先って、どこを考えればいいんだろう。
Q:サプライチェーンとして何を考え
るのか
81
サプライチェーンとして考える対象
• 外部委託先の企業(IT関係)
• 他部局(どのような情報が必要か)
• 防災関係機関
(自衛隊、病院、NTT,電気事業者、等)
• 燃料、発電装置等の協定先企業
(罰則規定がないと、履行されるかどうかは不明)
• 施設の復旧に必要な建設関係企業
• 国、県、市町村
(町・村では、県からの応援は不可欠だし、県は
基礎自治体からの情報が不可欠)
• 市民、被災者、自主防災組織
サプライチェーン
東日本大震災における
業務継続の課題
• “サプライチェーン”の被害により、行政業務の支障が生じた
<事例>
・農協、漁協等の被災により、被害情報の収集、復興支援制度の
伝達等が遅れた。
・公共交通機関がストップ、ガソリン不足等により、職員の通勤・移
動ができなくなり、計画していた対応体制が実行できなかった。
・コピー機の性能、電話回線、トナー等が不足した。
・庁舎の被害検査や、非常用発電機の燃料供給に関する業者と連
絡がとれなかったり、業者の到着が遅れることがあった。
・食料を購入したが、支払い方法については、定まっていなかった。
83
病院の被災
・自治体の庁舎だけでなく、関連する施設が無事であ
ることも大切。(学校、福祉施設、消防署、病院、等)
84
まとめ
85
「住民対応」と「内部体制整備」の両方が必要
被災地の住民・企業など
防災部局の仕事
応急対応
(避難所運営、物資輸送、等)
災害対策本部
自治体内部
・庁舎、電気、電話が使えない(管財課?)
・職員の安否確認、配置転換が必要となる
(人事課?)
・職員用の食料、トイレがない(?課)
・負傷した職員の救護所が必要(?課)
・平常業務はいつ、何から再開する(全部局)
誰も考え
ていない
場合も多
い
【BCP】
86
■防災では、平時からの行政の役割は重大である
• 大災害時の被災者には、皆さんの家族や親せき、ご近所の方
が含まれている。
• 火災や津波避難、避難環境等の行政対応の成否で、犠牲者
数は大きく変動する。
■被災後の状況をイメージする
• 自宅は、家族を安心して残せる環境になっているか(耐震化、
安否連絡)
• 自分、家族、同僚が死傷する可能性がある。その時、参集、連
絡、対応体制をどうするか考えておく。
• 職場の執務室、設備も当然使えない前提で、代案を考える。
■全庁が部局を超えて協力する
• 平時の枠組みに当てはまらない業務が多数発生する。それら
の業務は、トップダウンで速やかに担当部局を決め、他の部局
も協力しながら、対応に当たる。(決定、調整の仕組みが必要)
87
■BCPは、難しいものではない。
• 既存の地域防災計画に抜けている内容を補うものである。
BCPという名称でなくても、マニュアル、地域防災計画付属資
料として作成しても良い。
■BCPは、全庁的に策定するものである
• 施設管理、人事など、関連する部局、幹部、首長の協力が不
可欠である。
• BCPの策定自体を一つの研修、防災教育として考える。
■「災害時、実際はどうなるか」を常に考える
• 災害が発生したら、自分、同僚、職場、庁舎、設備、地域はど
のようになるのか、地に足を付けて考える。
• 災害対応の障害になるものが何かを考える。
■初動対応、応急対応に備えて、平時に備えるべきことを考える
• 初動対応、応急対応をスムーズに進めるため、平時に、準備
すべきことを考え、訓練・備蓄等を進めておく。
88
■重要業務の絞り込みより、資源制約を考える
• 「重要業務が何か」よりも、「資源制約の解決」の方が重要である。
• 特に市町村では、災害時の重要業務のほとんどは、地域防災計画
に定められた業務であり、絞り込みようがない。
• 絞り込むよりも、時系列的に、何から手をつけていくかを決めておく。
■外部の応援を上手く活用する
• 災害には、自力だけでは対応できない、という前提で考える。
• 県や自衛隊への応援要請、企業との協定、他の自治体からの応援、
ボランティア、地域の自主防災組織等との連携など、外部応援の受
け入れ方法(受援計画)を考えておく。
■完全な計画・マニュアルよりも、毎年、少しずつ改善していく
• あまりにも完全なものをつくると、次年度以降、計画を変更するところ
が減ってしまい、次の担当者が読まなくなる。
• 少しずつでも、毎年、改善することで、BCPを読み込み、身につけて
いくことが大切である。
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参考:大阪府内市町村BCP策定の手引書(25年7月)
役立つのは、策定自治体からのアドバイス。
-自治体BCPは、「こうやるべき」という形はない。
-まずは「やれることを、やれる形で」。
90
終わり
ご静聴、ありがとうございました。
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