2009年度後期 知の市場(シラバス) TT113b 科目No. 連携機関名 科目概要 科目構成 総論 新規 科目名 一般毒性特論 副題 化学物質による毒性発生とその有害性評価 日本毒性病理学会 水曜日 18:30~20:30 レベル 中級 講義日時 講義場所 東京工業大学田町キャンパス 化学生物総合管理学会 安全な環境の構築には、化学物質のライフサイクル全般にわたるリスクの評価と管理が不可欠である。それには化学物質の有害作用について、科学に基づいた客観的評価が要求される。本科目は、動物と人との病理の相関を念頭 に置いた化学物質の生体に対する作用について、有害作用の発現と評価に主眼を置いた講義から構成される。毒性の生物学的意味と解釈の在り方、臓器毒性の評価法、病理カテゴリーによる毒性評価、我々が曝露されている種々 のカテゴリーの化学物質の特性と毒性評価の意味、さらに化学物質のリスクとベネフィットにおける安全性評価の在り方等にも言及する。 № 講義名 講義概要 講義日 教室 講師名 1 毒性学総論 ポイズン(Poison)とトキシン(Toxin)の違いに始まり、古典的毒性学から分子毒性学まで、薬の副作用学から食品・一般化学物質・環境化学 物質の毒性まで、それらの考え方を概説するとともに、毒性学の現状と今後についても言及する。 9月30日 菅野 純 国立医薬品食品衛生 研究所 毒性部 2 化学物質の毒性とリス クアセスメント すべての化学物質は有害な反応(毒性)が引き起こされる可能性がある。暴露量や暴露方法、暴露時間のほか、生体側の反応条件によって 反応は異なる。化学物質によりリスクの起こらないレベルを見つけだすことをリスクアセスメントという。 10月7日 高橋道人 病理ピアレビューセン ター 3 一般毒性の評価 単回及び反復投与毒性試験の目的や意義、検査方法等について解説すると共に、ヒトへの外挿性を含む試験結果の評価について説明す る。また、関連する法規制(GLP)や国際調和の動き(ICH)並びに動物福祉(3Rs)についても紹介する。 10月14日 上田 誠 日本新薬 4 薬理学的評価 化学物質の薬理学的評価は必須試験ではないが、開発・製造段階でのヒトへの暴露や環境汚染等に対するリスク評価の一環として自主的 検討を要する。先行する試験結果から次の薬理学的評価を指向する逐次安全性薬理試験(従来の一般薬理試験評価項目)を複合試験とし て設定することが近未来的な手法として製造企業の製造物責任を担保する。 10月21日 本坊敏保 イナリサーチ 一般の化学物質や農薬と異なり医薬品は今まで環境影響評価の対象外だったが、環境への負荷低減や環境との共生への意識が一層高 まっている中、欧米では医薬品に対する環境リスク評価ガイドラインが策定された。環境生物を用いた影響試験の代表例とリスク評価の概要 10月28日 斎藤穂高 について解説する。 生殖発生毒性は医薬品などで惹起される生殖機能への影響と次世代の発生や発達への影響を意味する。発生毒性を有するいくつかの化学 6 生殖発生毒性の評価 物質を題材として発生毒性とは何かを知り,その成因を理解する。さらに,医薬品開発において行なわれている生殖発生毒性の評価法につ 11月4日 藤原道夫 いて解説する。 遺伝毒性(Genotoxicity)とは、遺伝子に変化をひき起こす作用を有する物質または物理的作用をいう。そして遺伝子への障害性の試験は、 7 遺伝毒性の評価 遺伝毒性試験あるいは変異原性試験と呼ばれる。遺伝毒性を調べることは発がん性の可能性がある物質を見つけ出すのに役立ち、発がん 11月11日 和久井信 性物質のスクリーニング試験としての意味も持つことを解説する。 発がん性の試験法としては、実験動物(主としてマウスやラットなどのげっ歯類)に検体を一生涯投与して各臓器組織のがんの有無を検索す キャンパス・ る試験が信頼性の高い系として行われている。この様な、化学物質の発がん性に関しての具体的な試験評価法とその実務的問題点を解説 8 発がん性の評価 11月18日 イノベーショ 大石裕司 する。 ンセンター 713号室 労働衛生や環境汚染の面から吸入毒性が重要になってきている。最近ではアスベストによる中皮腫、肺がんの発生が話題になり、大きな社 9 呼吸器毒性物質の評価 11月25日 今井田克己 会問題となっている。吸入経路暴露による化学物質の呼吸器の毒性発生とその有害性評価、さらに発がんリスクについて解説する。 5 環境への毒性評価 ダイオキシンは「人類史上、最も強い毒性・発がん性を持つ環境汚染物質化合物」と一時期大々的にマスコミに報道されたが、米国National Toxicology Programで実施されたダイオキシン(TCDD)並びにダイオキシン類(PCB126, PeCDF)のラット発がん性試験の結果とヒトの疫学 12月2日 データを解説する。 食品添加物は厚生労働大臣が定めた指定添加物、長年使用されてきた天然添加物として使用が認められている既存添加物の他、天然香 11 添加物の安全性の評価 料、一般飲食物添加物に分けられる。添加物はいずれも食品に意図的に加えられるため、その安全性評価は極めて重要である。毒性試験 12月9日 データと安全性評価の例を紹介する。 免疫系は健康保持のための基本的な生体調節系であるが、免疫器官および免疫機能は化学物質の影響も受けやすく、その有害影響は免 疫毒性として知られている。環境化学物質による免疫毒性の特徴と健康影響、その評価法、および化学物質の有害性評価における意義につ 12月16日 12 免疫毒性の評価 いて解説する。 10 ダイオキシンの毒性 毒性評価とそ の概要 所属 三菱化学メディエンス (株)横浜研究セン ター アステラス製薬 麻布大学獣医学部 比較毒性学研究室 アステラス製薬 香川大学医学部 義澤克彦 関西医科大学 林 新茂 三栄源エフ・エフ・ア イ 大沢基保 食品薬品安全セン ター秦野研究所 13 農薬の毒性 現在の農業において作物の安定供給に農薬は不可欠である。農薬の安全性は様々な毒性試験や代謝試験、環境運命試験、残留分析など を経て担保されている。農薬の安全性評価と、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、殺鼠剤として使われる様々な化学農薬の特性と毒性を概説する。 1月13日 乾 公正 石原産業 14 化学物質の病理学的所 実験動物を用いる一般毒性試験は無毒性量あるいは無影響量を求めることを目的とする。その判断材料となるのは病理学的所見、血液生 化学的所見などである。無毒性量あるいは無影響量の判断に必要な病理学的所見とその作用様式、感受性などについて講義する。 見と毒性評価 1月20日 福島昭治 日本バイオアッセイ 研究センター 15 天然物質の毒性 1月27日 乾 公正 石原産業 生物由来の天然化学物質にはさまざまな有害作用が知られている。いきものはこれらを利用して身を守り、あるいは捕食に用い、地球上で進 化・繁栄してきた。蛇毒、ハチ毒、食中毒の原因となる魚介類の毒、様々な植物毒、キノコやカビの毒、細菌毒について、分類学と生態学にか らめて解説する。
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