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Title
Salmonella typhi rpoS mutant is less cytotoxic than the parent
strain but survives inside resting THP-1 macrophages.( 内容の要
旨(Summary) )
Author(s)
ABDUL QUAYUM KHAN
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第388号
Issue Date
1998-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/handle/123456789/14759
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏名
(本籍)
ABDUL
学位の種類
博
学位授与番号
甲第
QUAYUM
KHAN(バングラデシュ)
士(医学)
号
388
学位授与日付
平成10
学位授与の要件
学位規則第4条第1項該当
学位論文題目
Sa〟none舶typhirpoS
but
審
査
委
員
年
3
25
月
日
mutantisless
cytotoxic
than
the
parent
strain
THP・1macrophages.
resting
survivesinside
(主査)教授
江 崎 孝 行
(副査)教授
論
渡
連
邦
友
教授
文
内
容
の
要
高
見
剛
旨
助′mo服地=瀕血胴体内に侵入後,マクロファージに捕食されてもそのなかで増殖する細胞内寄生性病原体
である。この菌が貧食される際,表面に英膜(Vi)を発現していると食細胞の認識をかわし,マクロファージ
を活性化しない事がこれまでの研究で明らかになってきた。且抱擁氾活性化した食細胞内では増殖できない事
から食細胞を刺激せず食胞で増殖一
分裂をつづけるには独自の細胞内寄生を行なうための方法を保有していると
考えられる。S.typh沌捕食したマクロファージは2時間後からapoptosisが始まり二日後には50%の細胞が死亡
する。申請者アブドゥル
カユム
カーンは且わpんが食細胞内で形態を変化させることに着目し,食細胞内で
新たに発現している遺伝子を解析するためRNApolymeraseの転写因子の⊥っであるsigma38を欠損させた変
異株を作成して食細胞内増殖性を解析した。その結果岬OS欠挽株は低PH,H202,及び低栄養に感受性になった0
また静止状態の食細胞内では増殖性を保持しているがマクロファージに対する細胞毒性が低下することを明かに
した。
使用菌株及び培養細胞
且と脚んⅣi陽性の野生株GIFUlOOO7株から岬OS遺伝子の変異株を作成した。コントロールとして且りpんimαrよ比m
野生株GIFU12142を使用した。食細胞にはヒトの急性単球性白血病由来のTHP-1細胞を使用し,10%胎児血清
入りRPMl-1640培地で培養した。
方法
1)TPOS変異株の作製:S.typhiTPOS遺伝子の一部をBaTnHl認識配列を含んた13kbをPCRプライマー(5'一T
AGGATCCAGCGGCGGAACCAGGCTTTG_3,及び5,-TAGGATCCTGCCGATGCACATATTGAAC-3')で増幅
し,pGEM-TEasyベクターにクローニングした。増幅遺伝子の中央部分を勒II制限酵素で消化後Exonuclease
Ⅲ及びMungnucleaseで消化したのちKlenow断片で再結合させた0このプラスミッドをBaTnHlで消化後欠損し
たTPOS遺伝子を自殺ベクターであるpMRSlOlのBamHl部位にクローニングした0エレクトロポ・L/,ション法に
ょりベクターを5.亡沖んⅣi陽性GIFUlOOO7株に導入し,相同性組み替えを行い,ぶα遁月遺伝子依存高濃度シュク
ロース法により草OS遺伝子の欠担株を得た。
2)低栄養及び低酸性のストレス下での生存率
LBbr。thで培養した株をM9培地で洗浄後,M9培地に接種し37Cで5日の培養を行った。毎日培地の一部を採
取し生菌数を測定した。低pHでの生存は洗浄した株をp=4に調整したクエン酸緩衝液に懸濁し,一定時間ごと
に生菌数を測定した。
3)マクロファージ内での生存率
LBbrothで培養した株を細菌対食細胞比が100:1になるように混合し,1時間の接触後,細胞をりん酸buffer
で洗浄した。その後ゲンタマイシン含有のRPMI-1640培地に細胞を浮遊させ培養を行い,一定時間ごとに界面
活性剤で細胞膜を破壊し,LBagarに接種して発育するコロニー数から細胞内菌数を計測した0
4)マクロファージの生死判定
マクロファージの生死はEukolight viability試薬(MolecularProbe杜)を使用した0
生きた細胞はcalcein
AMで緑色蛍光,死亡した細胞はethidium-homodimerで赤色蛍を発現させるようにした
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のち,レーザー蛍光顕微鏡で画像処理し死亡細胞数を計測した0
5)マクロファージ内の細菌由来m-RNAの解析
食細胞内で増殖する際に使用される細菌のm-RNAのsigmafactorsを同定するためにRpoH(sigma32)・RpoS
(sigms38),及びRpoD(sigma70)のprimersを作成した。TPOHfowardprimer・5,-GGTAACATCGGCCTGATGAA-3・;TPOHreverseprimer,5・-CATCGCGTTCTTTTCCAGCT-3,;TPOSfowardprimer;5'一TGTTGGACGCGACTCAGCTT-3・;TPOSreverseprimer.5,-CATACGGCTGACGTCATCAA3,;rPODfowardprimer・
5,一TGTATATGCGTGAAATGGGC-3・;rpODreverseprimer,5,-ACCAGACGGAACTGTTTGAA-3'感染させ
たマクロファージを一定時間ごとに採取し,細胞を溶解し菌体を分離したのち・m-RNAを抽出しRT-PCRを行
なった。増幅産物はコントロールのRNA量から検量曲線を作成し細胞内の各sigmafactor皇をDensitographで
定量的に計測した。
結果及び考察
蝕血抑矧肋は静止期に到達すると新しい辻伝子を翻訳し・数十種類の新しい蛋白群発現するとされている0
食細胞内に入ったS.typhiCi形態を変化させる事から・申請者はm-RNAの転写調節因子であるsigmafactorに
注目した。食細胞内で代謝系の変化が起きていることを予測し・食細胞内でどの転写因子を発現しているかを調
べた。大腸菌で知られている3種類の転写因子が食細胞内で発現しているかどうかをRT-PCR法で計測した結果t
TPOSの転写が老化していることがわかった。また対数増殖期に発現するsigmafactor7rPODは逆に細胞内では
転写レベルが低下していた○このことから食細胞内では岬OSの転写が促進され・その支配下に有る遺伝子が新
たに発現していることが予測された。
そこで岬OS遺伝子の影響を見るために岬OS遺伝子の欠挽株を作成した。欠振した甲OS遺伝子を持つプラスミッ
ドを野生株に導入し,染色体上の岬OSと置換したかどうかを・当該領域の遺伝子配列を直接シークエンスを行っ
て決定した。その結果.予測された領域の556塩基が欠損していることが証明された0この坪OS変異株はpH4で
は酸に対する抵抗力が低下し.60分で97%の菌が死滅した。炭素源の枯渇に対する生息は・野生株と変異株では
4日後から違いが見られ,変異株は4日後には99%が死滅した。過酎ヒ水素に対する感受性は変異株では特に著し
く15mMの過酸化水素に15分囁すだけで死滅したが・野生株では60分後では98%が生息していた。
ところがこの岬OS遺伝子欠姐株は静止状態のTHP-1細胞に感染させたところ増殖することが出来た。THPl細胞
に対する毒性を調べた結果,野生株は2日後には約50%の細胞を死滅させたが・この変異株は25%と細胞毒性が
低下している事がわかり,この違いは統計学的に有意善が有った。このことからRpoSは食細胞内で発現し・細
胞毒性因子の発現を調節していることが推測された。
且【脚九は活性化した食細胞内では増殖できないことから食細胞内感染盲成立させるためには一食細胞を刺激
せず,静止状態の食細胞なかで増殖する事が必要になる。そのためVi陽性の5・亡脚仙ま侵入の際に内毒素受容体
であるCD14に認識されないまま食細胞に侵入する事が申請者らのこれまでの実践で明らかになっている0さら
に食細胞内で増殖をつづけるために・且亡脚九はマクロファージ内で静止期に使用する転写因子を発現し代謝系
を変化させていることがわかった○またその代謝系の変換に使用するRpoS転写因子の支配下に有る遺伝子群が
細胞毒性を促進するという巧みな細胞内寄生方法を確立していることも明らかになった。
論文辛査結果の要旨
申請者アブドゥル
カユム
カーンは免れow肋亡脚九£が食細胞内寄生を行なう機構を解析し・食細胞内で
転写因子RpoSの発現が増加していることを証明した。またその遺伝子を欠損させた変異株を作成しRpoS転写因
子が食細胞内寄生に重要な役割を担っている事を立証した。
従って本研究は病原微生物学の進歩に重要な貢献をしたものと認めるQ
[主論文公表誌]
salTnOnellatyphirpoSmutantislesscytotoxicthantheparentstrainbutsurvivesinsideresting
THP-1macrophages.
平成10年
FEMSMicrobiol.Lett・印刷中
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