技術移転の方法(1) ~コンサルティングと共同研究、 知的財産の

技術移転の方法(1)
~コンサルティングと共同研究、
知的財産のライセンシング~
第3章第1節 (第7講)
2013年2月5日
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
インキュベーションマネージャー/KIEPコンソーシアム事務局長
廣川克也
アントレプレナーシップとインキュベーションシップ
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インキュベーションシップとは
SFCの事例紹介
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交流が生まれる仕掛け
新たな切り口で考えること
ビジネスモデルを構築すること
成果を出すプロセス
R&D&D&D&D&D
1.
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5.
解決したい課題は何か
その課題をどう解決するか
誰がそれを行うのか
どのような商品/サービスなのか
どのような仕組み、あるいは流通経路
で顧客/マーケットに届くのか
6. (最初の)顧客は誰か
7. 競合製品、競合技術はあるか
その課題に関する専門家になっているか。
Pain or Love ?
ビジョン、理想、夢、想いは大事だが、
世の中の課題と事業の目的が明らかになっているか
明示的な課題・・・不満足、不足、不備、不公平、
不完全、不便、不自由
潜在的な課題・・・???
鳥の目、虫の目、魚の目、コウモリの目
サービスモデルや技術、実現する機能の確認
新規性の内容、従来型サービス/既製品との違い、
なぜそれが可能になったかについて、説明に納得で
きるか
実現可能性とその時期、解決しなければならない課
題を把握しているか
誰もやったことのないことを実現できるメンバーになっ
ているか
◦ 研究キャリア、トラックレコード、保有知財、チームメンバー、
支援組織など
仮定の物語を実行できるという、一種の証拠、信頼性
を示すもの
単なるメンバー紹介ではなくスキルやリソースを把握
とは言うものの、数字や文章にならない「情熱」を見る
ことも重要
結局、本質は何なのか
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ハードウェア・・・性能
ソフトウェア・・・実現する機能、コンテンツ、情報
ソリューション・・・個別の問題解決、ノウハウ
サービス・・・専門的知識、インフラ
それぞれのラインナップ
◦ バージョン、大中小、期間など
技術系であれば動作の仕組み
サービスモデルであれば付加価値の内容
知的財産の状況も説明・・・特許、商標など
流通のしくみの説明
AIDMA / AISAS
誰がその商品/サービスにカネを払ってくれるのか。
◦ B to B or B to C
◦ なぜその顧客は、
①取引先を変えてまで買ってくれるのか
②見たことのない商品/サービスを買ってくれるのか
ありがちなミス
◦ 全ユーザーの5%、既存市場の10%を置き換えます、など。
もっと細分化する
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年収○万円以上の独居高齢者/あるいは地域
絶対に買うであろう一人から始める・・・○○さんなら絶対に買う
→ 45歳くらい、市内在住、大学教員、→ 徐々に広げていく
国や公的機関の白書、報告書
◦ 電柱っていくつ有る?
◦ およその推計・・・エリアを絞った実際の調査・・・推計値を修正
なぜ今までその商品は存在していなかったのか。
◦ 代替商品のワナ ・・・ JAL vs ANA
ワナをチャンスに
◦ 真のニーズとは ・・・ ドリル?棚!
不十分な例
誰でも簡単に直感的に
動画の編集ができる
ソフトウェアです。
より具体的な例
CPUではなく、GPUを使用することで、
プロセッサ全体の負荷を95%削減。
これまで動画の編集作業では避けられ
なかった待ち時間(レンダリング)を完全
になくし、リアルタイムでの操作が可能。
また、エフェクト(編集効果)をアイコン化
することで、初心者でも直感的に選択で
きます。さらに、You Tube等へもワン
クリックでアップロードできます。
技術的な素晴らしさよりも、顧客・ユーザーにとってその製品・サービスがど
れほど役立ち、飛びつきそうか、なぜ世の中に大きなインパクトを与えそう
なのかを表現する。専門用語をゼロにはできないので、数分補足説明して、
友人、家族等から、「何だかすごそう!」、「早く欲しい!」と言ってもらえる
かどうかを一つの目安とする。
1.
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4.
5.
解決したい課題は何か
その課題をどう解決するか
誰がそれを行うのか
どのような商品/サービスなのか
どのような仕組み、あるいは流通経路
で顧客/マーケットに届くのか
6. (最初の)顧客は誰か
7. 競合製品、競合技術はあるか
誤解されている「結果を出すプロセス」
NTVP村口氏の資料を
もとに廣川が加工
個の個たる所以を失わせることなく、人そのもの及び
人とのつながりを創造的に活かすこと
異質との接触、対等の関係、尊重の精神、自立・自
律、ゆるやかな相互依存・連鎖、新たな知識や切り
口の吸収
「観察力」+「再定義力」
横軸を通す「ゲートキーパー」
「失敗→生存→学習」を実行サイクルに組み入れること。
参考図書:
企業者ネットワーキングの世界―MITとボストン近辺の企業者コミュニティの探求
1994年、金井壽宏
発想する会社!- 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技
法 2002年、トム・ケリー