学校案内パンフレット(PDF)

東 京 ガ ラ ス 工 芸 研 究 所 学 校 案 内
TOKYO GLASS
ガラスのプロになる。
ART INSTITUTE
G L A S S "
紀元前、地中海を航行していた商人が、
エジプトのミイラ製造の材料だった炭酸ソーダの
塊で作った
戸と、砂浜の砂が炎によって
化学変化を起こし偶然発見された.....という起源伝説を持つガラス。
秘伝の技法として、古代メソポタミアやエジプトなど様々な文明に伝わり、
日本にも、奈良時代にシルクロードより入ってきたガラス器が
正倉院の宝として残っています。
近代に入り、
ヴェネツィアグラスやボヘミアグラスなど、
更に飛躍的な発展を遂げたガラス工芸は、
その後もエミール・ガレ、ルネ・ラリックなど
華麗な花を咲かせてきました。
現代においては、ガラスという素材の面白さが
アートの表現方法の一つとして再考察され、
様々なガラスアート作品が創りだされています。
ガラスのプロになる。
3 0 年 前 、多 岐 に わ た る
ガ ラ スの 技 法 を 全 て 学 べ る
唯 一の 教 育 機 関 と し て 開 校 し た
東 京 ガ ラス 工 芸 研 究 所 。
今 も な お 新 しい 技 術 を
取り入れながら、
進 化 を 続 けてお り ま す。
1 9 8 1 年 4月、新しいガラス芸 術を目指して、ガラス工 芸 、ガラス造 形 技 術の総 合 教 育 機 関として発 足 、2 0 1 0 年には創 立 3 0
周 年を迎えました。この間 約 1 , 0 0 0 名 余りの卒 業 生を輩 出し、各 地で工 房を築き、ガラス作 家として、あるいは教 育 機 関の
教 師として後 輩 の指 導に当り、また外 国 でも作 家 活 動を行うなど広く活 躍しております。当 初 は前 例 のないガラス専 門 教
育 機 関として注 目されましたが 、この3 0 年の間に多くのガラスの美 術 館 、工 房 が 設 立され 、ガラス作 家も増えました。これ
は我々の事 業が日本でのガラス工 芸 、ガラス造 形への発 展と普 及に貢 献できたものと自 負しております。
これ からも濃 密なガラス作 家の養 成と技 術 者の養 成に専 念し、ガラスという素 材を十 分に生かした新しい造 形 美 術へと、
又 、他の素 材と協 調しあうジャンルの開 発をめざして前 進 するつもりでおります。近 年 、ガラス工 芸 、ガラス造 形への関 心は
アジア全 般にも広がり、ガラス作 家を志 す 若い人 達も多く、海 外にも広く門 戸を開け友 好を深める所 存でございます。
東 京 ガラス 工 芸 研 究 所 所 長
松尾敬子
教育理念
PHILOSOPHY OF EDUCATION
修業年限
年間1100時間を超える濃密な授業
修業年限は総合基礎科1年・総合応用科1年。当研究所では、徒弟制度的な教育は捨てて、合理的かつ積
極的な教育方法で、短期集中的に一定水準の技術と創作方法がマスターできるように教育します。そのため、
週5日間、午前9時∼午後4時まで1日6時間(昼休み除く)、年間1100時間を超える授業を行っています。特に
吹きガラスにおいては総合基礎科は週1日間、総合応用科は週2日間と十分な作業時間を設けております。
総合基礎科1年間で一通りの基礎技術をマスターした者は、総合応用科に進級出来ます。更に技術の向上
を目指す方は2年以上の在籍も可能です。また大学美術科・芸術系大学(4年制)の卒業生、及び、大学修了
生、
さらにはこれらと同様と判断される外国での研修者も、選考の上、総合応用科に受け入れます。
卒業後
3 0 年 を 超 え る 実 績 を 活 か し て 就 職 、独 立 を サ ポ ー ト
当研究所は、1981年の設立以来延べ 1,000人余りの卒業生を送り出し、ガラス美術界・工芸界の第
一線で活躍する人材を数多く輩出しており、卒業生主宰の工房は国内外に100カ所を超えます。その卒
業生との強力なネットワークを活かして、学生の就職支援体制を整えております。カリキュラムにおいて
は、卒業生による就職支援セミナーや 卒業生の工房、企業への訪問などを行い、将来の仕事について
理解を深めていきます。
卒業後も進路相談や就職先の紹介を随時行い、ガラス工房の新規立ち上げや設備拡充を希望する
人には、
これまで蓄積してきたノウハウをもとに技術支援も行っています。
04
PHILOSOPHY OF EDUCATION
教育目標
10種類の技法教育から個性を伸ばす造形教育まで
当研究所では学生の頭からガラスに対する先入観、固定観念を除き、土や木や石、金属等と同じように一つの
素材として位置づけ、自由な発想のもとに創作させます。ガラスの本質、ガラスはどんな歴史をたどって来たか、
ガラスはどんな特性を持っているか、を教えるとともに、ガラス工芸、ガラス造形の現状の確認、展開の方向を見
据えながら、必要なガラスの知識と基礎技術を短期間のうちに集中的に総合的に教授することを目的とします。
指導講師陣
教科専任講師と常勤スタッフによる徹底指導
国内外のガラス工芸界、ガラス工業界、ガラス造形美術界の第一線で活躍している先生方を講師にむかえ
ております。実技指導に当たっては、各ガラス工芸技法の技術指導から造形全般にいたるまで当研究所の卒
業生を中心に専門の講師が担当します。又、授業時間外も指導できるよう数名のスタッフが常勤しております。
学外活動
社会とのかかわり方を学ぶカリキュラム
学内での作品展や 卒業制作展のみならず、学生が自ら作品展を企画・運営・販売することを授業の
一環として行っております。
さらにイベントとして、川崎大師風鈴市への出品や学園祭など地域の方とふ
れあい、ガラスの魅力を広める活動を通じて社会との関わり方を学んでいきます。
PH I L OS OPH Y OF E DU CAT I ON
05
総合基礎科
基 礎を学 び 発 想 力を養う
設 備 や 工 具 が 整った 学 習 環 境 のもと、1 年 間 で 1 0 種
類 のガラス 技 法 の 実 技を中 心 に 、ガラスの 化 学 、歴
史なども学 んでいきます。実 技 科 目 で は 課 題 作 品を
制 作 後 、講 師 による講 評 会を行 いそれ ぞれ の 技 法 に
お けるガラスの 可 能 性を探 求していきます。モノを作
るという喜びを通して、ガラス作 家に最 低 限 必 要な基
礎 技 能 、基 礎 知 識を修 得 することを目 指します。
年間スケジュール
4月
入 学 式
●
●
●
8月
●
●
●
●
サンドブラスト
カット、花 切 子
ダイヤ モンドポイント
●
吹きガラス ※
ガラス 工 業 論
パ ート・ド・ヴェール
板ガラス 造 形
●
●
●
グラヴィール
バ ーナーワーク
吹きガラス ※
●
学生作品展
冬期休暇
●
●
3月
●
夏期休暇
●
12月
ガラス 概 論
ガラス 工 芸 史
パ ート・ド・ヴェール
自由製作
吹きガラス
修 了 式
●
●
ステンドグラス
エナメリング
※ 吹きガラスは6月から2月まで毎週1日間
(夏期・冬期休暇を除く)
06
BASIC COURSE
授業内容
実技科目
パ ート・ド・ヴェール
サンドブラスト
講師:岡村 徹
圧搾空気の圧力で金剛砂を吹きつけてガラスの
表面を削る技法です。
カット、花 切 子
板 ガラス 造 形
講師:大本 研一郎
講師:木下 良輔
各種・各様のダイヤモンドグラインダーでガラス表
面をカットして多様な装飾文様を刻む技法です。
各種の板ガラスを素材に切削、接着、熔着、研磨
の技法を複合的に使い造形作品やクラフト作品
を制作します。
ダイヤ モンドポイント
エナメリング
講師:安倍川 亜紀
ガラスの表面に多彩なエナメル顔料。
ラスター彩
等で絵付し、焼成する技法です。
吹きガラス
バ ーナーワーク
講師:房 拓 / 菅原 裕之
講師:ホンマ トモコ /柳 健太郎
熔けたガラスを拭き棹に き取って息を吹き込み
成形する技法。宙吹き・型吹きその他の成形、加
飾方法による作品制作を学びます。
エアーバーナー、酸素バーナーを使用して、ガラ
ス棒を溶かし成形加飾する技法で、
とんぼ 玉な
どの制作を学びます。
グラヴィール
ステンドグラス
講師:相磯 美里
講師:柳 健太郎
ガラス表面に銅盤グラインダーで浮彫り文様を彫
り出す技法です。
リューターを使ったハンドグラヴ
ィールも併用。
カットしたガラスパーツの縁に銅箔テープを巻き、
ハンダ付けをして装飾ガラスを作る技法です。
講義科目
ガラス 概 論
ガラス 工 芸 史
ガラス 工 業 論
講師:松尾 敬子 / 菅原 裕之
講師:松尾 敬子
講師:菅原 裕之
ガラスの種類、
製造方法、ガラス工芸の技法
などから、ガラスの基礎を学びます。
ガラスのルーツに触れながら、古代∼現代ま
でのガラス工芸の歴史を学びます。
ガラスの様々な現象へ化学的にアプローチ
し、調合方法、溶融方法などを学びます。
展覧会
学生作品展
各実技科目ごとに制作された課
題作品を展示します。生徒が初
めて触れる様々なガラス技法を
用いた初々しい作品展です。
在校生の声
中学の頃にガラスの魅力にはまり、ガラスを学びたいと思い続けていました。
就職しても気持ちは募る一方で、夏期集中講座を受講してバーナーワークを始め、更に沢山の技法を知りたいという気持ちで
念願のこの学校へ入学しました。学校が始まると毎日が新しい発見・学びの連続で、日々が飛ぶように過ぎていきます。大好きな
バーナーワークに打ち込む楽しさ、そして新たに学んだ技法の面白さで「時間が足りない!もっと色々試したいのに....」ともどか
しさを感じる事も。それほどガラスと濃密な時間を過ごせていることを嬉しく思います。また、縁があって出会った仲間とガラス
について話す楽しさ、全く違った視点に出会う興味深さは特別なものです。ガラスとじっくり向き合えるこの貴重な時間を大切に
しながら、より多くのことを学んでいきたいと思います。
基礎科 第35期生
後藤 美穂子
BASIC COURSE
07
総合基礎科
講師:桔田 明実
ガラスの表面にダイヤモンドペンシルで点刻・線
刻を施し絵文様を彫刻する技法です。
BA SIC C O URSE
講師:房 拓
鋳型の中にガラスを充填して熔融成形する技法。
原型の制作、型取り、ガラス粉の作り方充填、焼
成、型はずし、及び研磨を学びます。
総合応用科
ADVANCE COURSE
発 想 を カ タ チ に す る
総合 基 礎 科で 学んだことを活かして更に発 展させ技
術を磨きながら創 造 力を養っていきます。造 形 作品
の 制 作 を 通じて「自らがガラスを 通して何をどう表
現するのか」ということを模 索し追 究していきます。
そして卒 業 制 作展では、これまでの集 大 成の 作品と
して、各々が 得意とする技 法を用い 数ヶ月かけ て作
りこんでいきます。
年間スケジュール
4月
入学式
●
●
8月
夏期休暇
●
●
12月
●
08
熔解実習
吹きガラス ※
●
●
卒業制作
学生作品展
冬期休暇
●
3月
造形
吹きガラス ※
電気炉製作
吹きガラス ※
卒業式
●
●
卒業制作
卒業作品展
※ 吹きガラスは6月から2月まで毎週2日間
(夏期・冬期休暇を除く)
ADVANCE COURSE
授業内容
実技科目
講師:馬場 淳一郎
ガラス素材が持つ可能性を、造形表現
の視点から探求していきます。基礎科で
習得した技術をもとに、制作する中で応
用技術を磨いていきます。
電気炉制作
講師: 森下 暁 / 小保内 教裕
講師:大本 研一郎
基 礎 科で学んだ技 術を高めると共に、
更に高度な加飾技法を学び 、吹きガラ
スによるあらゆる造 形 技 術を追 究して
いきます。
小型電気炉を一から制作することによ
り、電気の基礎から電気炉の基本的な
仕組み構造までを学んでいます。
講義科目
熔解実習
特別講義
講師:房 拓
様々な分野で活躍しているガラス作家
を招待し、講義、実習を行い、見聞を広
めていきます。
ガラスの熔解していく様子を、順次観察
しながら実習形式で学びます。
展覧会
卒業作品展
2年間の集大成として、学んでき
たガラス造形技術を駆使して卒
業作品を制作します。展示方法
も含めた総 合 的な制 作 手 法を
学んでいきます。写真は、2014
年度優秀賞作品。
「翠宙庭園」
伊藤 景子
「うまれる」
差波 彩乃
「優しい時間」
宮崎 じゅん子
在校生の声
美術大学で彫刻科を卒業した後、分野の違う職種に就き、日々の生活に追われ流されていたのですが、そんな時ネットの動画
サイトで赤く光り溶けて形を変えるガラスの映像に魅了され、気が付くとガラスの教育機関について調べていました。そして、30
歳を過ぎていたのですが、この研究所に入学することに決め、現在に至ります。研究所の学生達は年齢、出身地、経歴は様々で
す。この学校に来なければ関わりが持てなかった人達の経験や人生が現在、私が作品を制作する上で、とてもいい刺激になって
います。私のガラス人生は2年目、まだ歩き出したばかりです。無限とも思える様々な技法使った作品の表現方法、そのような変
幻自在なガラスという素材と共に自分自身と向き合い、変化を恐れず、挑戦しながら、人を幸せに出来るような作品づくりを続け
ていきたいです。
応用科 第34期生
林 利郎
ADVANCE COURSE
09
総合基礎科
吹きガラス
A DV A N C E C O URSE
造形
研究科
POSTGRADUATE COURSE
P O S T G RA D U A T E C O U RS E
可 能 性 を 実 験 研 究 す る
より深くガラスとの か か わり方 を 追 求して いくため
の 授 業 を行 います 。各人 が さまざまなガラスの 技 法
に特 化 、専 門 化してゆく中 で 、自分とガラスの関 係 性
を見つ め 直し 、作 家としてのスタンスを模 索して いく
時 期にあたります 。 他の 教 育 機 関 でガラスを学んだ
方 でも 、本 科 に編 入できます 。
研究科
4月
年間スケジュール
入学式
●
8月
造形
●
制 作 ※2
吹きガラス ※1
●
造形
●
制 作 ※2
●
造形
●
制 作 ※2
冬期休暇
●
3月
●
夏期休暇
●
12月
吹きガラス ※1
吹きガラス ※1
修了式
※1 吹きガラスは6月から2月まで毎週2日間(夏期・冬期休暇を除く)
※2 制作(各自の追求する技法を専門的に学ぶ)
在校生の声
私は入学当初、
ガラスに関してあまり知識が無かったのですが、基礎科でガラスの各技
法をはじめ工芸論、工芸史などを学び、応用科では、造形学や更に高度なガラス工芸の技
法について学び、現在の研究科では、
これまで積み上げてきたものを生かして作品作りに
励んでいます。技術の向上や新しいものの発見、
また失敗からも学ぶことはたくさんあり、
全て余すことなく良い経験になります。
また学外活動の一つ、学生作品展では、直接お客
様と触れ合うことで沢山のことを学ぶことが出来ました。
この研究所には様々な人達の出会いも魅力の一つです。経験や年代、出身地関係なく、
ガラスを学ぶ、その想いだけで集まって
います。その中で支えあい、時には討論も
しますが、
これらが必ず、後の宝になると
思っています。残り
かな学生生活です
が、楽しく学んでいきたいと思っています。
研究科 第33期生
10
小澤 寛祐
POSTGRADUATE COURSE
「旅立」
夜間コース
EVENING COURSE
E V E N IN G C O U RS E
2 年 か け て じ っ くり 学 ぶ
全 日 制 コースの 基 礎 科 で1年 か けて 学 ぶところを、
2年 かけてじっくり学びます。授 業 時 間 は 、昼 間 お 勤
めのある方 でも学 びやすい 、平日( 月曜日∼ 金 曜日)
18時30分 ∼21時までのコースとなります。また、
土 、日曜日も自由自主 時 間として教 室を開 放しており
たっぷり作 品 制 作に専 念できます。
4月
入学式
●
●
●
8月
●
●
●
●
●
サンドブラスト
カット、花 切 子
ダイヤモンドポイント
●
吹きガラス
●
学 生作 品 展
※
ガラス工 業 論
パート・ド・ヴェール
板 ガラス造 形
●
●
●
グラヴィール
バーナーワーク
吹きガラス ※
冬期休暇
●
●
3月
ガラス概 論
ガラス工 芸 史
パート・ド・ヴェール
夏期休暇
●
12月
夜間コース
年間スケジュール
自由 制 作
吹きガラス
修了式
●
●
ステンドグラス
エナメリング
※ 吹きガラスは6月から2月まで毎週1日間(夏期・冬期休暇を除く)
在校生の声
夜間コースも二年目に入り、一年目の時とは別の世界が広がりまし
私は、会社員として働いています。以前から当研究所の一般向
た。研究所に入る前の僕は吹きガラスを少しかじった程度の知識し
けの講座に通っていましたが、もっとガラスを知って自由な作品を
かなく、一年目は新しい技法に不安と緊張の中、挑戦するという感
作ってみたくなり夜間コースに入学しました。仕事との両立はハー
じでしたが、二年目になると一年目で培った知識を生かすことで、自
ドですが、学校が面白くなるほど会社の仕事も前向きかつ効率的
分の目指す作品が作り出しやすくなりました。
になると感じています。また個性豊かな先生や仲間との交流は研
夜間部は少人数ゆえに講師の方々との距離も近く、作品について
究所ならではだと思います。
のアドバイスも豊富に頂けるので、仕事帰りの短い時間でも充実した
「何かを始めるのに遅すぎるということはない」この言葉を実感
時間を過ごせるのが魅力です。また土、日曜日は夜間コースの学生
しつつ、思いのままにものづくりと向き合える日々は幸せです。い
のために学校が開放されてい
つか自分の作品が誰かの心
るので、自分の好きな技法を
を動かす、そんな日を夢見て
集中的に取り組んだり、課題
日々研鑽を積んでいます。
作品の制作なども出来、仕事
以 外の時間を有意義に活用
できます。
夜間コース 2年生
杉浦 万作
夜間コース 1年生
小貫 祐子
EVENING COURSE
11
相磯 美里
安部川 亜紀
Abekawa Aki
Aiso Misato
基礎科
基礎科
講師紹介
エナメル絵付け担当
グラヴィール担当
エ ナメ ル 絵 付 け と
LECTURER PROFILE
は 、二 千 年 程 前 に
ローマで始められた
技法で色ガラスの微
細粉を溶き油で練っ
たものを絵の具とし、
絵 付 け 後 、焼き付 け
を する技 法 で す。彷
彿させる、思 わ ず 顔
が 緩 む 、見る人 のイ
ガラスの透明感に魅せられて、
この道に進みま
マジネーションを掻
した。グラヴィールという繊細な表現ができる
き立てたくて作 品 に
を作りたいです。
ます。
技法で、優しくあたたかい光が通るような作品
小保内 教裕
大本 研一郎
Oomoto Kenichiro
Obonai Takahiro
基礎科
応用科
カット担当
吹きガラス担当
シナリオを重ねてい
岡村 徹
Okamura Tohru
基礎科
サンドブラスト担当
記憶や想いなど自分
にしか表現できない
ものをカタチにでき
たらと考えています。
ガラスを吹いて、削って、磨いて、頭の中にある
ガラス面に高圧で砂をぶつけ、削る技法サンド
から学んだ技術、
また新しい技術も取り入れな
シックにこだわり、
「 サンドブラストでなければ
ものをガラスにしています。伝統的な江戸切子
がら制作しています。
菅原 裕之
ブラスト。新 たな 可 能 性を模 索しつ つもベー
出来ない表現」、
「 サンドブラストだからこそ出
来る表現」を念頭に日々格闘しています。
木下 良輔
Sugawara Hiroyuki
桔田 明実
Kitsuda Ami
Kinoshita Ryosuke
基礎科
基礎科
吹きガラス
ガラス工業論担当
ガラス造形担当
基礎科
ダイヤモンドポイント担当
キルンワーク専門工
房〈アートグラスクラ
ブ 〉主宰。教室、オー
ダー制 作 、美 術 館ガ
ラス作品修復等を軸
に展開。作家活動とし
て、板 ガラスを主 材
料に作品制作を続け
ています。
ガラスという存在のない素材に、わずかの力を
添えることで、ガラスの輪郭が見えはじめます。
ガラスとその原料である砂で制作しています。
12
LECTURER PROFILES
ガラス彫刻の虜となって20年近くになります
が、今も失敗を繰返しています。
しかし、失敗の
中には新しい発見もあるので、それらも楽しみ
ながら次に向かっています。
内藤 和歌子
馬場 淳一郎
夜間コース
応用科 / 研 究 科
Naito Wakako
房拓
Bo Taku
Baba Junichiro
バーナーワーク担当
基礎科
吹きガラス
パート・ド・ヴェール担当
ガラス造形担当
既にそこにある奇跡
的なモノたちとの出
会いの中に存在する
必 然 性を、日々の 暮
らしの 中で再 確 認し
てみる・・・造形作家
として、そんな『 気 付
き』を、社会に向けて
提 示してゆきたいと
考えています。
自分の記憶の中にある様々な風景、出来事。
ガラスはとても古くからある素材ですが、
まだ
それらを思い起こしながら感じたことを作品
まだ可能性があります。一緒にそれを見つけ
にしています。
ましょう。
森下 暁
ホンマ トモコ
Morishita Akira
Honma Tomoko
応用科
基礎科
吹きガラス担当
バーナーワーク担当
テーブルウェアをはじめ、様々な技法を組み合
自然や自分が美しいと思うものをガラスで表
スの魅力を直に感じられる作品制作を心がけ
々の思いを作品に込められたらと思う。
わせて、色や箔を用いて彩りを加えるなどガラ
ています。
現したい。試行錯誤を繰り返しながら、その時
柳 建太郎
Yanagi kentaro
基礎科
酸素バーナーワーク
ステンドグラス担当
バーナーワークで思いどおりの形を作れるよう
になるには相当時間を必要としますが、
とても
魅力と可能性を秘めた技法です。
特別講義
国内外で活躍する現役作家を招待して、デモンスト
レーション、
レクチャー、実習による講義を行います。
より幅広い知識と専門的な技術の習得を目的とします。
写真は、吹きガラス作家の佐野安正さん(1期生)。
LECTURER PROFILES
13
卒業生の声
ガラスは日常のモノ・コトと
刺 激を受けながら
自分を繋ぐ存 在
ガラスでものを作る
楽しさ
神代 良明 / 第20期生
森下 暁 / 第6期生
ガラス作家
Glass Studio SHI-N-RA主宰
私が、ガラスを始めたきっかけは、休暇で沖縄へ行き、吹きガラス
私は高校を卒業後、東京ガラス工芸研究所の6
工房を見学したときのこと。真っ赤なガラスがあっという間に器の形
期生として入学しました。当時の先生方は、それぞ
に成形されていくスピード感に圧倒されました。
ウニャウニャ動くガラ
れの技法において既に活躍されていた方ばかり
スと、それを扱う職人さんの確かな技との間にある凝縮された時間は
で、そのような方々から大変貴重な技術を学ぶ事
衝 撃 的で 魅 了され 、こんな世 界で モノをつくりたいと思いました。
が出来ました。同級生も日本中から幅広い年代、
元々焚き火好きだった自分の中の何かに点火されたものもあったよう
経歴をもつ人達が集まり、ガラスや美術の知識が
な気もします。
全く無かった自分も様々な刺激を受けながらガラ
在 学 中 は、初めて熔けたガラスを吹き竿で巻いた時 、初めての
スでものを作る楽しさを覚えていきました。工房を
パート・ド・ヴェールで出てきた青・・・忘れられない事柄ばかりでし
持った現在でも、器を中心とした制作活動におい
た。なかでも卒業制作展に来てくれた父が僕のモノを観て言った『わ
て、東京ガラス工芸研究所で学んだことがとても
からん』の一言。モノをつくっていくという世界がとても非情で、でも
役に立っていることを実感しています。
何かを信じられるところだと感じた一瞬でした。私が、ガラスを素材と
現在、私は当研究所で非常勤講師として吹きガ
してモノを立ち上げ 続けてきたことは、実はガラスだけを見てきたの
ラスを教えていますが、他にも卒業生や第一線で
ではなく、ガラスを見続けることで日常のモノ・コトと自分を繋いでき
活躍している作家の方々が講師を勤めています。
たのだと感じます。私にとってガラスはこの世界と自分を映す鏡のよ
豊富な実習時間により生徒一人一人にきめ細や
うな存在で、これらが繋がっていく手応えを喜びとして教えてくれて
かな指 導を行い、技 術の習 得だけではなく、そこ
います。
から 飛 躍 する造 形
ガラスを学ぶ学生に一言。色々な方法や歴史・現在に出会いなが
作品制作の指導体
ら、
『 あなたがどうしようもなく惹かれてしまうこと』、
『そういうふうにで
制も充実している数
きているあなた』を確認していって
少 な い ガラス 工 芸
下さい。そして時には衝動的・発作
の 教 育 機 関 だと思
的に行動できる思い込みと勇気で
います。
どんどんチャレンジを試みながら、
やわらかく強くなっていく自分を拾
い上げていって欲しいと願います。
「銀夜行」 2011年
「返信」 2004年
ガラスが 好きという
新しい 世 界で自分が
気 持ちがずっと
どこまでできるのか
変わらずあったから
試してみたい
中村 祥子 / 第23期生
長谷川 直良 / 第31期生
東洋佐々木ガラス株式会社 勤務
私は東洋佐々木ガラスのハンドメイド部門に所属してい
北海道の中学校理科教師を定年を3年残し早期退職し
ます。主に型吹きで、
ワイングラスやタンブラー、外被せの切
入学。理由は、何かしらやったことのない新しい世界に飛び
子生地などを、流れ 作業で制作しています。最初は初めて
込んで自分がどこまでできるのか試してみたい、
という思い
の工場作業で戸惑いも多く、挫折しそうになった事もありま
がありました。教わる側への転換は全て0からのスタートだ
したが、熔けてるガラスに触っている楽しさと、難しい作業
ということをいつも念頭に置きながら、
さまざまな顔を見せる
がこなせた時の嬉しさで、あっという間に7年が経っていま
ガラスに触れ 合って、自分の気のおもむくまま好きなように
した。
ここまでこの仕事を続けてこれたのは、ガラスが好き。
やってこられたことはとても幸せでした。今後、私が得ること
という気持ちが変わらずずっとあったからだと思います。単
のできたガラスの知識と技術と喜びを少しでも多くの人に
純作業が多い仕事ではありますが、熔けてるガラスに対し
伝える事が出来るよう精進していきたいと思います。
ては、一生飽きる事はないんだろうなと思います。
14
TOKYO GLASS ART INSTITUTE
企業との提携
耐熱ガラスを使ったキッチン・テーブルウェアや、
ビーカーといった理化学ガラス製品を作って
いる老舗メーカーとして有名な㈱HARIO。手加工でしかできないガラス商品を職人がひとつ
ひとつ丹念に作る、
また手加工の技術を次の世代に残したいというコンセプトから誕生した
HARIO Lampwork Factory。
この度、当研究所はHARIO Lampwork Factory様と提携し
HARIO Lampwork Factory川崎として新規事業をスタートすることになりました。酸素バー
ナーによる耐熱ガラスの加工技法の技術向上だけでなく、雇用の確保にも貢献出来るよう取
り組んでいきます。
HARIO Lampwork Factory株式会社
〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町2-10
http://www.hario-lwf.com
HARIO Lampwork Factory川崎
〒212-0033
川崎市幸区東小倉11-25
卒業後の進路
独立
● 北海道
グラス・スタジオお茶の水
グラスカフェ gla gla
ガラス工房 てくてく
グラス・ノチウ
● 東北
HANAKO GLASS STUDIO
グラススタジオ アクア
海馬
GLASS 角の助
ガラス工房 元
スタジオグラス 硝楽舎
アトリエ デコ
ガラス体験工房 森のくに
● 関東
ガラス工房まつぼっくり
ウチムラアート工房
藤田恵美工房
glass studio SHI-N-RA
自由工房
調布グラススタジオ
GLASS STUDIO NUE
岡村クラフト工房
森田加代工房
根本硝子加工所
硝子吉工房
atelier YAMAZOnEss
斎藤 Glass Studio
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安曇野アートヒルズミュージアム
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