*フランスのシンボル* 〜マリアンヌ〜 フランスには、共和国の化⾝である「マリアンヌ」という⼥性がいます。 通常切⼿にも使われ、新聞の政治⾵刺マンガにも登場しますので、 よく⾒かけます。マリアンヌは正式に国が認めていて、 「⾃由、平等、博愛」を象徴しています。 マリアンヌは、⾊々な姿で表現されます。ギリシャの知恵の⼥神アテーネーにも似ていま す。また、フランス⾰命時代の帽⼦をかぶっている ように⾒えます。でもマリアンヌが被っている帽⼦は、 もともとは、ローマ帝国時代に、⾃由の⾝となった 奴隷のフリギア⼈がかぶっていた帽⼦だそうです。 *フリジア帽は⾚い三⾓帽である。この帽⼦は、元来フリギア(フリジア)に起源すると されているが、古代ローマにおいては、⾃由⾝分の解放された奴隷が被るものとして考案 された。 マリアンヌは、フランス⾰命期に、⾃由のシンボルとして、フランス共和国を象徴するマ スコットとして認められました。ポピュラーなファーストネームである「マリー・アンヌ」 からつくられた名前だそうです。 その後、マリアンヌは⽪⾁を込めて使われることもありましたが、19世紀末からフラン スの象徴として広く普及するようになりました。20世紀になると、役場や学校が次々に、 マリアンヌ像を飾るようになりました。 現在では、マリアンヌ像はフリギア帽を被るのが正式とされてい ますが、顔には制限がないようです。 ちなみに、役場が注⽂したマリアンヌ像のモデルで、最もよく売 れたのは、映画俳優のカトリーヌ・ドヌーブとブリジット・バル ドーだそうです。 〜三⾊旗〜 フランスの国旗が誕⽣したのもフランス⾰命期。 フランスの国旗は通称トリコロールと呼ばれる旗。⻘は⾃由、⽩は平等、⾚は博愛(友愛) を表すというがそれは俗説である。正式には⽩がフランス王家の⾊、⻘と⾚はパリ市の紋 章の⾊であり、三⾊が合わさり、パリと王家との和解の意味を表している。⾚と⻘はフラ ンス⾰命軍が帽⼦に付けた帽章の⾊に由来し、⽩はブルボン朝の象徴である⽩百合に由来 する。「⻘」は正式には「藍⾊」である。⻘、⽩、⾚の三⾊旗には意味があります。 ⽩は王様の⾊、そして、それをパリの⾊である⻘と⾚が取り囲んでいるのです。 フランス⼈たちは、野原や⻨畑などに咲く⽮⾞草(⻘)、マーガレット(⽩)、ヒナゲシ (⾚)で三⾊旗を表現します。 歴代フランス国旗 → 12世紀〜17世紀 → → 17世紀〜1790年 1790年〜1792年 1792年 〜現在 〜国歌〜 フランス国歌はかなり戦闘的な曲です。フランス国歌の歌詞をよく聴いてみると、驚くよ うな内容です。 ⼀般的に知られている歌は7番までありますが、最も知られている1番の歌詞は次のよう なものです。 祖国の⼦どもたちよ、栄光の⽇がやってきた! 我らに向かって、暴君の⾎塗られた軍旗がかかげられた ⾎塗られた軍旗がかかげられた どう猛な兵⼠たちが、野原でうごめいているのが聞こえるか? ⼦どもや妻たちの⾸をかっ切るために、 やつらは我々の元へやってきているのだ! 武器をとれ、市⺠たちよ ⾃らの軍を組織せよ 前進しよう、前進しよう! 我らの⽥畑に、汚れた⾎を飲み込ませてやるために! さすが歌詞を変えようという運動もあるようです。平 和的な歌詞が作られたりしたそうですが、今⽇もなお、 上の歌詞で歌われています。この「ラ・マルセイエーズ」 はフランス⾰命期に国歌とされた、という経緯を聞くと、 歌詞の内容が理解できます。 マルセイユからパリに駆けつけた義勇軍が、その道中で ⼝ずさんだ⾏進曲で、彼らを迎えたパリの⼈々が、この 曲に「ラ・マルセイエーズ」と命名されたのです。現在 歌われているフランス国歌の歌詞は残酷です。意思を同じくして戦った⾰命の同⼠なのに 殺し合った恐怖政治、今⽇でも現地では傷痕が消えていないヴァンデ戦争へと続く⾎なま ぐさいフランス⾰命を彷彿させてしまう内容。 ところが、この曲はフランス⾰命のために作曲・作詞された曲ではありませんでした。 オーストリアへの宣戦布告に際して、ルジェ・ド・リールが作詞作曲(1972 年)した曲 で、ドイツと国境を接するアルザス地⽅の「ライン軍のための戦争歌」でした。この曲を 歌ったマルセイユの義勇軍がパリへの⾏進で歌ったために⼀躍有名になったのです。 4課資料 5419 ⼩林
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