世界の本屋さん vol.49 ドイツ・ハンブルグ タリア書店 ノセ事務所 能勢 仁 喫茶室もあり、そのために客層も幅広い。 ない。DVD、カレンダー、玩具、文具、 本と雑貨の売上比率は、本八十%、その 1の 書 店 が、 タ リ ア で あ る。 ヨ ー ロ ッ パ 一 番 の チ ェ ー ン 店 で も あ る。 ドイツ 創 業 は 一 九 〇 五 年 で、 現 在 は ド イ ツ に 他二十%である。 前 通 り の 好 立 地 に あ る。 一、二 階 九 〇 〇 に椅子、ベンチの多いこともお客様の滞 什器が読者に親しみを与えている。店内 というか細長い楕円形である。この変形 この店の販売台は変わっている。舟形 二五〇店、オーストリア二十店、スイス 坪の大型書店で、従業員は五十人で全員 に十店ある。旗艦店はハンブルグ中央駅 社員である。アルバイトはいない。店の 在時間を長くしている。 有名にしたのは、ドイツがアマゾンを凌 地図、ドライブマップが完備されている 充実していた。ヨーロッパ四十五ケ国の 書店の特色であるが、タリア書店は更に 地図の充実しているのはヨーロッパの 中央からエスカレーターが走り、その先 駕したその原因を作ったからである。タ ことに衝撃を受けた。EU圏内は検問な に螺旋の階段がある。タリアチェーンを リアチェーンとアナベル書店組合がトリ クの需要が多いのである。 しで通行できるので、地図、ガイドブッ 四でアマゾン ノ電子書籍を支援して六 タリアは本だけ販売しているわけでは を追い越した。 (表紙題字・陳舜臣) No. 1月 今はまた、ただの石像にもどっていた聖 ジルヴェスターは、大聖堂の塔の高みから うっとりとほほえみながらこの祝祭のはな やぎを見おろしていた。 ﹁新年あけましておめでとう、ヤーコプ。 ﹂ 世界の本屋さん 月 ○ ﹁ 初代笑福亭松鶴の舞台図確認まで﹂ 著書を語る ﹁書標﹂歳時記 1 ! 書標・書評 ﹃哲学と対決する ﹄ほか 荻田 清 2 特集 動物はヒトの夢を見るか? 今月のおすすめ 学 科 書 学 科 学 然 科 学 会 文 学 ・ 文 芸 ※表示価格はすべて本体価格です。 童 地 図 ・ 旅 行 書 児 書 芸 社 術 自 わたしたちが歩んだ道。そしてその先へ。 文 コ ン ピ ュ ー タ 医 人 書 文 庫 ・ 新 書 用 16 モーリッツは感動のこもった声でいった。 ﹁ お め で と う! 成 功 を 祈 る よ。 し っ か りやれよ、マウリツィオ・ディ・マウロ。﹂ とカラスは答えた。 実 コミックフロアより 語 学 ・ 辞 典 18 25 本屋うらばなし ﹁高槻一周年﹂ インフォメーション 21 27 28 ﹃エンデ全集 魔法のカクテル﹄ ミヒャエル・エンデ著︵岩波書店︶より 24 10 17 22 26 −1− 49 1 4 525 6 15 20 25 30 12 著書を語る ○ ︱︱ 年はその方面の依頼が増えてきました。うれしい反面、 大 学 の 落 研 時 代 か ら 強 い 関 心 を も っ て ま し た の で、 近 らのはずです。ただ、その一方で上方の大衆芸能史に、 を 研 究 し て い ま し た。 で す か ら、 今 で も 表 看 板 は そ ち で は、 庇 を 借 り て い る 感 じ の 劇 文 学、 歌 舞 伎 や 浄 瑠 璃 と も と 江 戸 時 代 の 国 文 学 が 専 門 で し た。 国 文 学 の 世 界 分 と し て は 一 般 教 養 書 と 思 っ て 書 い た つ も り で す。 も 本 屋 さ ん が﹃ 上 方 落 語 流行唄の時代﹄を置いてく れ る と し た ら、 ど こ に 並 べ て く れ る の で し ょ う か。 自 ません。たとえば初代笑福亭松鶴の項を読んでも、この より、落語だけに興味のある人にとっては退屈かもしれ 今度の﹃上方落語 流行唄の時代﹄は、逆に歌舞伎・ 文楽に興味をもっている人に読んでもらいたい、という いますが、絶版になりました。 う で す。 あ る い は 現 在 の 方 が 売 れ た の で は な い か と 思 し ろ 落 語 フ ァ ン に 喜 ん で も ら っ て、 そ こ そ こ 売 れ た よ は 置 い て ま せ ん で し た。 予 想 は し て い た の で す が、 む そ 曲 が り な 見 方 で し た。 大 阪 松 竹 座 の 横 の 本 屋 さ ん に 荻田 清 今まで何をしてきたのかと自己嫌悪に陥ることもあり 残ってないのです。ここでは松鶴の名が出てくる大津絵 人の落語は出てきません。咄本︵落し話を集めた本︶が ﹃初代笑福亭松鶴の舞台図確認まで﹄ ま す。 歌 舞 伎・ 浄 瑠 璃 の 研 究 で お 世 話 に な っ た 先 生 方 堂 出 版、 一 九 九 九 年 ︶ は、 大 学 の 紀 要 に 書 い た も の を はじめに出した﹃上方板歌舞伎関係一枚摺考﹄︵清文 しかし、笑いを含まない歌舞伎や役者のことが詠まれて われたと思わせる咄家︵落語家︶らしいものもあります。 なしゃれた文句がたくさん出てきて、いかにも寄席で歌 節などの唄の資料ばかりです。もちろん、その歌詞に粋 当 時 は ま だ 歌 舞 伎 の 中 の 笑 い に 視 点 を 置 く こ と は、 へ や先輩方に申し訳ない気になることもあります。 集 め た も の で す か ら、 い わ ば 純 粋 な 学 術 書 で し た。 次 いるものも多いのです。 は﹃笑いの歌舞伎史﹄︵朝日新聞社、二○○四年︶。﹁何 でもあり﹂の今日では信じられないかもしれませんが、 −2− 525 くなったとされる初代松鶴に写真が残っているとは思わ がありました︵一九五頁︶ 。慶応二年︵一八六六︶に亡 たわけです。振り返りますと、はじめてこの図を見たと しょう。歌舞伎役者の調査が咄家研究におおいに役だっ 二代目松鶴とは考えられず、初代松鶴と断定していいで 者が亡くなるのは文久元年︵一八六一︶です。となれば、 れません。肖像画も見たことがありません。となると、 き、その時はまだ中村友三という役者のことをよく知ら そんな中に松鶴と思われる人物が高座に座っている図 この肖像がほんとうに初代松鶴のものなのか、厳密にい なかったのだろうと思います。 ことが疑問のままで、これまではっきりと言ったことは の図をわたしは三十年ほど前に見ていたのですが、その れた図は初代なのか二代目なのかが問題となります。こ 二代目松鶴も大津絵節を得意としていましたので、描か るのだから松鶴を描いたものと思われます。それでも、 もみつかります。すなおに考えれば、松鶴の名が出てく おおげさに言えば自叙伝であるかもしれません。 たのです。ですから、この本はわたしの交遊録でもあり、 とここまでこぎつけた、その経緯を知ってもらいたかっ 記したつもりです。多くの人に教えてもらいながら、 やっ れは自分でみつけたのか、誰かに教えてもらったのかも をできるだけていねいに書いたつもりです。そして、そ この本ではどの文献を見たのか、なぜそう判断したのか う言っているのかが、いつも気になります。ですから、 辞書・事典の記述も、疑い深いわたしは何を根拠にそ えば誰も断定できないでしょう。ところが、大津絵節の ありませんでした。この本をまとめるに当たって、歌詞 −3− 資料をたくさん見ていますと、咄家自身らしい図が他に をしっかり読み込むことにしました。そうしますと、何 のことはない。この大津絵節の一枚摺は上・下二枚続き のもので、上の一枚に舞台図があり、下の一枚には道頓 堀戎橋詰の図が描かれています。上の一枚の文句には年 代を決定する言葉がありませんでしたが、下の一枚には ︵中村友三の俳名︶の名が出ているではありませ ﹁丸幸﹂ んか。中村友三ならば、わたしがかつて﹃笑いの歌舞伎 史﹄の中で、 ﹁道頓堀の笑いの王者﹂という一章を設け て詳しく述べた道外︵道化︶役者だったのです。この役 『上方落語 流行唄の時代』 和泉書院・3,400 円 デイヴィッド・エドモンズ、 本で行われたらどういう答えが返って であったというのだから。この質問が日 問したところ、断トツの一位はヒューム ﹁お気に入りの哲学者は誰ですか﹂と質 ち が 過 去 数 年 間 出 会 っ た 哲 学 者 た ち に、 あるなと同時に思う。なにしろ、著者た 方として思い切っていて、一つの見識で るようにも思える。だが、哲学史の眺め がワクワクするような場をつくると楽し 応用できる。オフィスにもそこで働く人 インテリアだけではなく様々なシーンで 間づくりをするという考えは、暮らしの 過ごす人の事をきちんと考えて快適な空 している。自分自身はもちろん、そこで 性に合ったスタイルの空間づくりを提案 う考え方を参考にしたうえで日本人の特 うに提案しているわけではなく、そうい 本書はデンマークの人の真似をするよ ﹃哲学と対決する ! ﹄ ナイジェル・ウォーバートン著 きたのだろうか、と想像するのもまた楽 菅靖彦訳 柏書房・二八〇〇円 しい。 されたインタビューの書籍化である。原 詳しい人もうなる間口の広い本になっ て い る こ と も あ り、 入 門 書 で は あ る が、 質問者である著者たちが哲学を修め 全体の士気が上がり、業績アップにつな スのインテリアが快適なものになったら が上がり仕事が捗ったことがある。オフィ を好みのものにしただけで、テンション 確かに、 デスク周りのステーショナリー うことだ。 い気持ちで仕事ができる環境になるとい 本書は世界的に有名なポッドキャスト 書は二〇一五年十二月時点で三冊出版さ ている。 である、フィロソフィー・バイツで配信 れており、この本は二冊目に当たる。シ ︵日︶ リーズを通して、一人の哲学者と一つの トピックについて対談をするのだが、こ の本では歴史上の偉大な哲学者について ない。誰が選ばれ誰が選ばれていないか しているので、どこから読んでも問題は 代順に並んでいるのだが、それぞれ独立 リダまで総勢二十七人の哲学者たち。時 も の に で き る。 彼 ら は 自 身 の、 そ し て 特別な気持ちを思い出す幸せを日常の な 気 持 ち に な る も の を 買 う。 使 う 度 に し い。 働 い て 得 た お 金 で ち ょ っ と 特 別 デ ン マ ー ク で は、 そ う い う 人 が 多 い ら 初 任 給 で イ ス を 買 う。 遠 い 北 欧 の 国 空間をつくり、自身の幸福感をあげてみ に素敵な家具を買ってリラックスできる たので、新年いちばんに頂く給料で部屋 初任給はとうの昔に使い切ってしまっ 践でき効果も期待できる。 となどは本書にあるように割と簡単に実 ものに変更すること、グリーンを置くこ は無理でも時計をおしゃれなデザインの がるかもしれない。大規模なリフォーム を探るのがこの手の本の隠れた楽しみ 家族や友人の幸福のためにお金を使う きずな出版・一三〇〇円 ﹃なぜデンマーク人は 初任給でイスを買うのか?﹄ でもあるのだが、シジウィックやラムゼ ようだ。 小澤良介著 イ が 選 ば れ、 フ ィ ヒ テ や シ ェ リ ン グ が 扱われているのは、ソクラテスからデ というテーマで統一されている。 入っていないところに若干の偏りがあ −4− くれる一冊。 ようかと思う。そういう気持ちにさせて 弾圧、疎外⋮⋮。 両者の移動の原因は共通している。貧困、 境 ﹂ で 交 叉 す る。 方 向 こ そ 正 反 対 だ が、 える﹁イスラム国﹂戦闘員志願者が、﹁国 いだろうかと。 しまう。こんな自分は女々しいのではな しかし、心のなかでストップがかかって 買いもしないのに眺めているだとか⋮⋮。 知 り、 再 び 戦 火 の 中 東 に 思 い を 馳 せ る。 著者は、蕨市のクルド人コミュニティを り、改めて平和の有難さを満喫していた 三年余の海外勤務を終えて日本に帰 自分の心の中にいる﹁女の子ちゃん﹂の けた。こういう行動を取らせているのは してその現象を突き詰めて考えて結論づ 動を取ってしまうことがあるらしい。そ 著者も時々、こういった女子っぽい行 ︵衣︶ 津村一史著 dZERO 一七〇〇円 ア サ ド 政 権 軍、 反 体 制 派、﹁ イ ス ラ ム ﹁ 内 戦 ﹂ は 遠 い 外 国 の 出 来 事 で は な く、 仕業だと。 ﹃中東特派員は シリアで何を見たか﹄ 国﹂が入り乱れ、ロシア、アメリカや周 ぼくたちが生きるこの一つの世界の出来 な る ほ ど、﹁ 女 々 し い ﹂ と い う 表 現 よ 女の子ちゃん。 辺国が介入するシリア内戦。一体誰が誰 事なのだ。 りも優しく、なんともユーモアのある言 著者がクルド人コミュニティで出会っ と何のために戦っているかも、もはやよ た少女の呟きが、心に刻まれる。 くわからない。集団的自衛権の行使を宣 言した日本は、いったい誰と戦おうと言 い方ではないだろうか。 そんな﹁女の子ちゃん﹂の存在に気づ ﹁誰もが自分と違う考えを受け入れた き納得し、受け入れた著者は﹁女の子ちゃ スイーツが好きだとか、可愛いキャラ ない。 ︵S︶ とドキッとさせられてしまうかもしれ 男 性 は﹁ も し か し て 自 分 の 中 に も ⋮⋮﹂ しているのが面白い。 女 性 は﹁ わ か る ! ﹂ と 大 い に 共 感 し、 ちゃん﹂が喜ぶことは何かと考えて行動 ボルネオやインドなどの各国で﹁女の子 タイ、アメリカはニューヨーク、そして 都 と 国 内 は さ る こ と な が ら、 ベ ト ナ ム、 ﹁ 平 和 ボ ケ ﹂ と は、 平 和 の 尊 さ を 忘 れ ︵フ︶ ん﹂を満たす旅に出る。鳥取、島根、京 ﹃男だけど、﹄ ることなのである。 ら、テロも戦争もなくなるのに⋮⋮﹂ うのか。 銃弾が飛び交い、道端のあちこちに死 体が転がる風景の中、文字通り命懸けの 取材を敢行する記者たちの報告は、ぼく たちに﹁内戦﹂の唯一の真実を教えてく れる。本当に苦しんでいるのは、シリア の一般市民だ、と。 ワクサカソウヘイ著 幻冬舎・一四〇〇円 ﹁自分たちとは異なる思想を持った 人々を殺そうとするやつらは、他者に寛 案外、こんな男性は多いのではないだ クターが好きだとか、雑貨などの小物を ろうか。 容な本来のイスラム教徒の姿とはあまり 故郷を捨てて国外に逃れる難民たち にかけはなれている﹂ と、一年に九十ヵ国以上一万六千人を超 −5− ﹃みんなのかお﹄ ︵木 楽 舎・ ラ イ ア ル・ ワ ト ソ ン 著・ 二 五 ﹃思考する豚﹄ 〇〇円︶ ︵福 音 館 書 店・ と だ き ょ う こ 著、 さ と う あきら写真・一五〇〇円︶ はいない、考えてみれば当たり前の話な 敵意にみちた顔⋮⋮一頭たりとも同じ顔 悍 な 顔、 ゆ る み き っ た 顔、 老 成 し た 顔、 リンがいっせいにこちらを見ている。精 の衝撃は忘れられない。二十頭ほどのキ この本の元になった連載頁を開いたとき 科学者としては当然の発言だろうし、そ と認めているのには少し驚いたが、自然 で福岡伸一が﹁それはそのとおりである﹂ しい批判にさらされた。﹁訳者あとがき﹂ 疑似科学、ニューエイジと、彼は生涯激 ワ ト ソ ン 晩 年 の 二 作。 オ カ ル テ ィ ス ト、 ﹃スーパーネイチャー﹄﹃生命潮流﹄の 〇〇円︶ ﹃エ レ フ ァ ン ト ム 象はなぜ遠い記憶を 語るのか﹄ のだが。実物にしろ写真にしろ、今まで れで無価値になるのなら翻訳など引き受 全 国 の 動 物 園 で 撮 影 し た、 二 十 四 種 なぜ、みんな同じ﹁キリン﹂としてしか ける訳もない。遊び好きで、思いやりが ︵木 楽 舎・ ラ イ ア ル・ ワ ト ソ ン 著・ 一 八 見ていなかったのだろう? 彼らに﹁見 あ っ て、 機 略 縦 横 な 豚 の﹁ 文 化 ﹂。 象 が 五 〇 三 頭 の 動 物 た ち の﹁ 顔 ﹂ の 写 真 集。 つめられている﹂ことに戸惑いを覚える 仲間の死を悼む葬儀のような行動。象と −6− 雑 誌﹃ お お き な ポ ケ ッ ト ﹄ の 創 刊 号 で、 索は、たぶんこんなところから始まる。 それゆえに自伝的な要素の強い﹃エレ み取れるだろう。 てに見えるある種の構造﹂への希求が読 たちが世界を知ろうとするとき、その果 ようなもの、福岡伸一の言葉によれば﹁私 たけれど、そこには自然に対する祈りの 交信。いずれも実証されることはなかっ クジラとの、人には聴こえない音による のはなぜ? 動物をめぐる果てのない思 『みんなのかお』 のような作品だ。少年時代を過ごした南 ファントム﹄は、ワトソンのエッセンス る大量のメタンガスに帰されたのだ。そ が後退する︶と、牛が反芻の際に発生す うに認識されるようになる。自然の情報 はさらに整理・分類されて一種の表のよ 世界中の動植物が収集された近世、自然 再現を試みた中世。海外進出が本格化し これは自然にとどまらずヨーロッパ以外 して口蹄疫の流行が人間をとりわけ震え の人間との関係についても当てはまっ 上がらせたのは、肉骨粉すなわち動物を 人工受精、胚移植、クローン技術によっ た。進化論の登場が人間と動物の境界を アフリカで遭遇した白い象や、森の賢者 て、すでに牛は極限まで肉とミルクを作 薄れさせ、おびやかされた境界を再び明 のごとき先住民カンマとの不思議な体 る﹁高性能機械﹂と化した。最新の技術 確にしたいという欲望は、あろうことか が整理されていけばそれだけ効率的な搾 的達成は常に人間自身の思考と行動のモ ﹁人間﹂に向かったのである。その先に、 取 が 可 能 に な る と い う こ と で も あ る が、 デルとなる。牛が機械であるならば、限 十九世紀の動物園における﹁民族展﹂= 餌として牛に与えていたという、多分に ﹃牛の文化史﹄ 定された生活を上手に操作されてなお自 異 民 族 の 展 示 が あ り、 そ し て ナ チ ス が 験。カンマとは﹁夢見るもの﹂を意味す ︵東洋書林・フロリアン・ヴェルナー著・ 分 は 自 由 だ と 思 っ て い る 生 き 物 の 群 れ、 倫理的・宗教的な理由だった。 創世神話から現代の広告にいたるま 三二〇〇円︶ つまりは反ユートピアへの道が、人類に る。ワトソンもまた、ありうべき世界の で、文明は牛のイメージに満ちあふれて あった。 幻視者なのだ。 いる。牛は人間に肉とミルクのみならず、 も開かれているというわけである。 ぶん不穏な、黙示録的な空気が漂い始め 日およそ十三億頭を数える牛には、いく においても人間の同伴者だった。だが今 る﹂がゆえに禁じられたように、精神面 に冒されたように郷愁に駆られて逃亡す 根 本 的 に 異 な る も の と み な し、 神 に 代 とで権力を誇示した古代。自然と文明を 行していた。動物の征服を見せつけるこ 人が自然から切り離されるプロセスと並 飼育する﹁動物コレクション﹂の発展は、 ヨーロッパにおいて、野生動物を捕え ︵勉誠出版・溝井裕一著・二六〇〇円︶ を使って動物の命を集中管理したナチス を熟知していた。しばしば人道的な口実 いう意図が含まれており、ナチスはそれ は、下層民の行動をコントロールすると ロッパ諸国で制定された動物保護法に は 驚 く に あ た ら な い。 十 九 世 紀 に ヨ ー 待を繰り返している。この矛盾する態度 保護に熱心でありながら、動物実験と虐 計画まであったナチスは、動物と自然の 絶滅した動物をよみがえらせようとす 皮膚や骨や排泄物、また労働力まで提供 る﹃ジュラシック・パーク﹄さながらの する﹁歩く資本﹂だった。ニーチェが﹁完 ﹃動 物 園 の 文 化 史 ひ と と 動 物 の5 0 0 成した地上の幸福の具現﹂として牛を讃 ている。深刻さを増す環境破壊の要因が、 わって動物を支配する﹁地上の楽園﹂の 0年﹄ 広大な牧草地と飼料畑の開墾︵ハンバー え、スイス人傭兵が牛追い歌を﹁感染症 ガー一個につき六平方メートルの原生林 −7− しようとしたのである。 は、周知のようにその対象を人間に延長 河を原告として裁判を起こす試みが始 実効性のなさにたまりかねて、森や湖や 間を相手に提起する﹁自然保護﹂訴訟の けれども昨今、人間が人間のために、人 る中世の弁護人を、私たちは笑うだろう。 被告のかわりに﹁虫の居住権﹂を陳述す む装置であったのである。口のきけない 性や文化の条理に自然を無理矢理おしこ ことはできなかった﹂と書いたことをど とがなかった/文化の違いだと見過ごす れほど苦痛に満ちた、長引く死は見たこ C・W・ニコルが、長い沈黙の後に﹁こ 鯨を題材とする小説のため太地を訪れた 為にはうんざりする一方、日本の古式捕 責任で独善的で、事実をねじまげる﹂行 歴史はない。過激な動物保護活動家の﹁無 追い込み漁に伝統や文化と言えるほどの 屠 殺 方 法 は 既 に 変 更 さ れ て い る ︶。 読 み う受け取ればいいのか︵ただし、太地の まっているという。 終えた今でも事は簡単ではないが、詳細 に歴史を調べ関係者へのインタビューを ﹃イルカ漁は残酷か﹄ 重ねたこの本が、議論の新しい土台とな ︵平 凡 社︵ 平 凡 社 新 書 ︶・ 伴 野 準 一 著・ 和歌山県太地町のイルカ追い込み漁が 八四〇円︶ ﹃動物裁判 西欧中世・正義のコスモス﹄ ︵講談社︵講談社現代新書︶ ・池上俊一著・ 中世ヨーロッパでは動物が、正規の裁 七六〇円︶ るわけではなく︵そういう説もあったそ 令が出された。もちろん冗談でやってい ち、ミミズが破門され、ネズミに退去命 な審理を経て裁かれた。ブタが法廷に立 判所で、人間と同じ手続きをふみ、厳正 動物園水族館協会は日本の会員資格停止 凄惨な映像が世界中に衝撃を与え、世界 残る作品だったが、海面が深紅に染まる ︵一九九二年︶は製作倫理面での疑問が た ド キ ュ メ ン タ リ ー 映 画﹃ ザ・ コ ー ヴ ﹄ 国際的な非難を浴びている。契機となっ 八八〇円︶ ︵中央公論新社︵中公新書︶・金森修著・ ﹃動 物 に 魂 は あ る の か 生 命 を 見 つ め る 哲学﹄ ることには疑いがない。 うだが︶当時としての合理的な理由が を通告した。 然の収奪という観点において中世は近代 服である。広大な森林破壊をはじめ、自 どっている。イルカ漁は古くからあるが、 ぎ な い の か。 双 方 の 主 張 は 平 行 線 を た るところはなく、反対運動は感情論に過 本の伝統なのか。牛豚の屠殺と何ら変わ イルカ漁は心ない残虐行為なのか、日 る論争は頂点に達した。うれしそうに近 デカルトの﹁動物機械論﹂で動物をめぐ 始まり、モンテーニュの動物礼賛を経て、 スの霊魂三分類︵植物・動物・人間︶に ることのない機械なのか。アリストテレ 動物に霊魂はあるのか、それとも感じ あった。一つはキリスト教による異教の を凌ぐ革命の時代だった。動物裁判は人 アニミズムの追放、もう一つは自然の征 間の世界を律する法を自然に適用し、理 −8− 『動物園の文化史』 の 運 動 が 加 熱 し て い く。﹁ 動 物 霊 魂 論 ﹂ 遂行される一方、動物の解放・権利保護 らに途方もない規模で生命現象の制御が 論﹂をすでに実現していた。現代ではさ いう作業の中でその意味での﹁動物機械 いう含意もある。実は人間は、家畜化と 人間の意図に従う機能的な存在であると ﹁ 動 物 は 機 械 だ ﹂ と 言 う と き、 そ れ は フェイドアウトする。 に よ る 揺 り 戻 し が あ り、 や が て 論 争 は 等 の﹁ 動 物 霊 魂 論 ﹂ あ る い は﹁ 常 識 派 ﹂ が、その後ライプニッツ、ヴォルテール たままの動物の解剖がその衝撃を物語る ソードや、当時修道院で行なわれた生き てのけたというデカルト派哲学者のエピ ﹁あれは何も感じないんですよ﹂と言っ 寄 っ て き た 犬 を 出 し 抜 け に 蹴 っ 飛 ば し、 論は、常に人間論でもあった。 言う﹁生権力﹂につながっていく。動物 物的生までも管理する社会、フーコーの ぐるアポリアは、生殖や健康といった動 脳死状態の人間である。動物と人間をめ されたのは、ユダヤ人であり、植物状態、 る。人でありながら人であらざるものと なものを排除することによって作動す 近代において、人間のうちから非人間的 装置を﹁人類学機械﹂と呼んだ。それは ばならないと言い、この差異を作り出す らざるもののうちに自らを認識しなけれ 動物が人間的たりうるためには、人間な のだろうか。アガンベンは、人類という の境界線はなぜこうも執拗に求められた い﹂というのもある。それにしても、そ あっても欺瞞はない、嘘をつく能力がな た だ 果 て る の だ ﹂ と か、﹁ 動 物 に 偽 装 は いどんな姿をしているのだろう。 動物たちの夢に出てくるヒトは、いった 違 う 景 色 を 見 て い る か も し れ な い の だ。 世界像をもっている。私たちとはまるで 動物はそれぞれ独自の知覚と行動による 与 え た 生 物 学 者 ユ ク ス キ ュ ル に よ れ ば、 かは疑わしい。現代思想に大きな影響を としても、それが人間に理解可能なもの 容は知りえないし、仮に教えてもらえた イヌやネコは夢を見るらしい。夢の内 係はまたも大きく変わろうとしている。 を遂げている今、動物たちと人間との関 い。そして生命操作技術が桁違いの進歩 とを歴史は語り、その構造は存外に根深 力性がたやすく人間自身へと移行するこ 必要としたかのように。動物に対する暴 人間と動物はどこが違うのか、という ジョ・アガンベン著・一三〇〇円︶ ﹃開かれ 人間と動物﹄ ︵平凡社︵平凡社ライブラリー︶・ジョル るで﹁動物一般﹂という種をどうしても は動物の一種であるにもかかわらず、ま 対立させ、その違いを考え続けた。人間 し、商品として殺す。人は人間と動物を め、神に代わって支配し、友のように愛 に見えるほど振幅が大きい。神として崇 人間の動物に対する行為は、支離滅裂 中です。 て、一月十日∼二月九日までフェア展開 名古屋本店一階と京都本店地下二階に 店一階エレベータ前と福岡店三階、丸善 見るか?﹂でご紹介した書籍は、池袋本 *愛書家の楽園・特集﹁動物はヒトの夢を ︵白水社・渋谷︶ と﹁動物機械論﹂の対立は、今も舞台を 問 題 は 常 に 哲 学 の 重 要 な テ ー マ だ っ た。 変えてせめぎあっている。 魂か、理性か、言語か。﹁動物は死なない、 −9− 二 日 か ら 二 月 十 日 ま で、﹁ わ た し た ち が 歩 ん だ 道。 そ し て そ の 先 へ。﹂ と 題 し、 二〇一六年がスタートしました。新し い年を迎え、気持ちを新たに、再スター です。その﹁過去﹂を生きてきたわたし 二十八年。家族のあり方も、時代ととも 昭 和 か ら 平 成 に 年 号 が 変 わ り、 も う 家族の変容と わたしたちのあり方 えるフェアを開催いたします。 わたしたちのこれまでと、これからを考 二〇一五年までのわたしたち。それは、 トを切ろうという方も多いことでしょう。 たちには、ある一定のバイアスがかかっ に目まぐるしく変化してきています。親 これまでわたしたちが歩んできた道の ているといえます。これを倫理の世界で 子三世代、一つ屋根の下で生活、という り。 当 然 の こ と な が ら、 そ れ は﹁ 過 去 ﹂ は、﹁ 洞 窟 の イ ド ラ ﹂ と い い ま す。 わ た 構図はもはや過去のものとなり、核家族 湯沢雍彦﹃データで読む平成期の家族 したちが培ってきた価値観は、ある意味 問題﹄ ︵朝日選書・一四〇〇円︶では、そ 化が叫ばれるようになってからも、もう て、わたしたちが獲得してきたその物差 うした家族のあり方の変化をたどってい で、これまで歩んできた道のりの中で獲 しは、どこまで有効にはたらくものなの ます。結婚や離婚、出産などの動向をデー 随分年月が経っています。 でしょうか。昨日の﹁常識﹂が﹁時代遅 得した、一定のバイアスがかかった物差 れ の 感 覚 ﹂ に 次 々 と 変 わ っ て い く 現 代。 タから読み解き、平成期の家族が抱える しです。しかし、この二〇一六年におい わたしたちはどのようにこの急激な変化 問題についてあぶり出していきます。 会 の 変 化 や、 科 学 技 術 の 進 歩 な ど か ら、 勿論大きな変化です。しかし一方で、社 家族の形そのものが多様化したことも と向き合い、生きていけるでしょうか。 したちが歩んできた道﹁これまで﹂に今 家族内のつながりや親子関係のあり方そ 新たな年を迎えた今だからこそ、わた 一度目を向け、その先である﹁これから﹂ のものも変化してきているといえそうで す。家族の変化とは、家族それ自体の変 をどのように生きていくのか、再考する MARUZEN名古屋本店では、一月 機会がほしいと考えました。 − 10 − もないともいえます。 うことは決してネガティブなことだけで もちろん、家族のあり方が変わる、とい が り の 変 化 で あ る と も と れ る で し ょ う。 化であると同時に、家族と社会とのつな られることになります。 往々にしてその子どもたちもそれを強い 再婚の場合、それは本人のみだけでなく、 家族になる、ということです。離婚者の ます。結婚とは、他人だった人間同士が 者同士の結婚も珍しくなくなってきてい 所ではなく、自分自身にゆがみを与える 家庭が、もしも安らぎを与えてくれる場 界の、数少ない選択肢の中の一つ。その な子どもにとって、家庭は彼らが持つ世 ていた、親の概念を覆すものです。小さ 撃的な内容で、多くの人がこれまで信じ とする人々に、きっと心からのエールを も、真正面からその問題に立ち向かおう たくなるほど憎む子どももいる。それで トがある家庭もあれば、親を殺してやり だけではありません。モラルハラスメン ます。それは必ずしも恵まれた家族の姿 では、様々な家族の形が描き出されてい 談社文庫・上巻七〇〇円・下巻八〇〇円︶ の姿は、ある意味で、本当の母親の姿な められるでしょうか。もしかすると、そ ている。しかし、それをわたしたちは責 亡くした我が子を日夜思いながら過ごし こ の 母 親 は、 生 き て い る 子 ど も よ り も、 になろうとする一家の、温かい物語です。 めるのではなく、ゆるやかに本当の家族 へいらだちを募らせながらも、彼女を責 の死をいつまでも嘆き、受け容れない母 再び手にした家族の象徴であった長兄 始めていきます。それは仕事のためかも れ育った土地を飛び出し、新たな生活を はありません。多くの人が、自分の生ま ということは、もはや何も珍しいことで 大 人 に な っ て 自 分 の 故 郷 を 飛 び 出 す、 故郷の変容と わたしたちのあり方 不幸なことはないのかもしれません。 ものだとしたら。子どもにとってこんな 宮部みゆき﹃小暮写真館 上・下﹄ ︵講 送りたくなるはずです。家族の問題が顕 原 わ た﹃ ゆ が み ち ゃ ん ﹄︵K AD O K 理由が様々であるため、また、その土 在化しやすい現代だから読みたい、一〇 AWA・一一〇〇円︶は昨今確立されつ 地そのものが目まぐるしく変化するよう しれないし、夢のためかもしれない。留 の家庭がそうであったように、誰かを失 つある﹁毒親﹂というジャンルにおいて、 になってきているため、故郷の持つ意味 学のためかもしれないし、あるいは、何 う、ということは良くも悪くも家族のあ 多くの支持を集めているコミックエッセ というものは、物理的にも精神的にも大 のかもしれません。立ち直り方は人それ り方そのものを変えるといえるでしょう。 イです。毒親とは、虐待や過度の干渉な 〇パーセント幸せというわけではない家 山田詠美﹃明日死ぬかもしれない自分、 どによって、子どもにとって毒になって きく変化してきているようです。 かそこを出なければいけない理由があっ そしてあなたたち﹄︵幻冬舎・一四〇〇円︶ しまう親のことを指します。筆者の実体 ぞれではないでしょうか。 は、一人の家族を亡くすことによって起 験を綴ったこのコミックエッセイは、衝 族の物語です。また、主人公である英一 こる、家族の崩壊と、再スタートを描く 魯 迅﹃ 故 郷 / 阿Q 正 伝 ﹄︵ 光 文 社 古 典 たのかもしれない。 物語です。離婚率が上昇する昨今、離婚 − 11 − 校 の 国 語 教 科 書 に も 収 録 さ れ て い ま す。 物語です。すべてを包み込む、温かい故 冴島に暮らす四人の高校生たちを描いた 一 五 〇 〇 円 ︶ は、 瀬 戸 内 海 の 小 さ な 島、 村 深 月﹃ 島 は ぼ く ら と ﹄︵ 講 談 社・ 感じる﹁学がない﹂という感覚は、単純 です。もしかすると、年代の離れた人に 得されるべき学力が変化してきているの 学校教育に求められる役割や、そこで獲 に起因しています。社会の変化によって、 これは社会が絶えず変化していること ここで描かれる故郷は、故郷を離れた者 郷が優しく描かれています。そんな故郷 冊です。 の目から描かれる、ある意味で一方的な に獲得してきた学力が異なる、というだ 新訳文庫・七六二円︶の﹃故郷﹄は、言 希望を押し付けた姿です。ずっとそこに をまさにこれから巣立とうとしている高 けなのかもしれません。 わずと知れた魯迅の代表作の一つ。中学 住む人たちにとっての緩やかで、当然の 校生たちのまぶしい姿に、きっと思わず 世紀型スキルとは何か﹄ 故郷の変化は、しかし長く離れていた者 目を細めたくなるはずです。 大災害から今年で五年。福島に向けられ るしかないのでしょうか。あの未曾有の ちに﹁弱者﹂と括られ支配的に消費され した、福島を故郷とする人々は、論客た 組みにすぎません。実際のところ、十年 とも多いですが、それはただの大きな枠 育 ﹂﹁ 詰 め 込 み 教 育 ﹂ な ど と 語 ら れ る こ に よ っ て 大 き く 異 な り ま す。﹁ ゆ と り 教 わたしたちが受けてきた教育は、世代 学校教育の変容と わたしたちのあり方 ものではありませんでした。その調査の ISA調査︶では、日本の結果は芳しい の、二〇〇六、二〇〇三年の国際調査︵P 治図書・一七六〇円︶では、PISA型 ISA型読解力が必ず育つ の鉄則﹄︵明 いる学力の意味的ギャップを大きく感じ 力と、現在学校現場で育成しようとして は、これまでわたしたちが考えていた学 改革をもとに考察した一冊です。恐らく キルの特徴と課題について、各国の教育 られている学力である、二十一世紀型ス ︵ 明 石 書 店・ 二 八 〇 〇 円 ︶ は、 現 在 求 め 松 尾 知 明﹃ にとっては、衝撃的で、失望してしまう 悲しい変化なのかもしれません。自分の 故郷は自分の思う通り、美しくあってほ しいと望むことは、やはりその土地を離 開 沼 博﹃ フ ク シ マ の 正 義 ﹄︵ 幻 冬 舎・ れた者のエゴなのでしょうか。 一八〇〇円︶は、原発事故後の、福島と るたくさんの正義は、今現在、刊行当時 に一度、学習指導要領は大きく改訂され 東京との関係性を、ポストコロニアルの と 比 べ、 果 た し て ど の 程 度 変 わ っ た で ていますし、それによって学校教育も絶 有元秀文﹃新学習指導要領に沿ったP ることと思います。 しょうか。あるいは、筆者の論じる通り、 えず変化しています。 立場から論じています。原発事故を経験 何も変わらなかったのでしょうか。現在 際に、測定されたのがPISA型読解力 二十一世紀型スキルが唱えられる前 読解力について記されています。 10 − 12 − 21 の様子と照らし合わせながら読みたい一 『島はぼくらと』 まで日本で考えられていた読解力との比 です。このPISA型の読解力と、それ も大きく変わってきています。 多様化し、また会社と個人との関わり方 このような中、わたしたちの働き方は 被雇用者が企業に求めるものの変化とそ ︵ 東 京 大 学 出 版 会・ 三 八 〇 〇 円 ︶ で は、 ︵ 朝 日 選 書・ 一 二 〇 〇 円 ︶ は、 や は り 先 非なるものだと感じるはずです。 たしたちが考えていた読解力とは、似て 任を負うことになるフリーランス。これ に仕事が出来る半面で、その仕事の全責 いうことなのかを記した一冊です。自由 リーランスとして生きていくことはどう は、会社や企業に縛られない働き方、フ うこと﹄︵ちくまプリマー新書・七八〇円︶ 川井龍介﹃フリーランスで生きるとい に変わっていけばよいでしょうか。 中で、わたしたちは、企業は、どのよう な次元にまで到達してきています。その なく、自己実現、自己承認などの精神的 に求めるものは、金銭的な報酬だけでは て論じられています。わたしたちが会社 れによる、個人、組織、社会の未来つい 較もなされており、分かりやすくまとめ の 二 〇 〇 六、二 〇 〇 三 年 の 国 際 調 査 の 成 からの、自分自身の働き方について考え られています。こちらもやはり、従来わ 績が良かった、フィンランドの教育法に させられる一冊です。 福 田 誠 治﹃ 競 争 や め た ら 学 力 世 界 一 ﹄ ついて記した一冊です。フィンランドに − 13 − おける教師という職業の位置づけや、ど 社会や文化の変容と わたしたちのあり方 津村記久子﹃この世にたやすい仕事は 時代と共に社会や文化も目まぐるしく ない﹄︵日本経済新聞出版社・一六〇〇円︶ ないような仕事も多く、興味深く読むこ 変化しています。それは、昨今の世界情 のように現場で学習指導が行われている とが出来ます。やりがいのある、好きな 勢や経済情勢をみれば一目瞭然です。こ は、一人の女性が一年で五つの仕事を経 仕事に裏切られ、燃え尽きてしまう人も のように、社会が目まぐるしく変化する かが記されています。余談になりますが、 多 い こ の 時 代。 や り た い こ と で は な く、 中で、わたしたちはどのように生きてい 験するお仕事ファンタジーです。彼女が 社会の変化に伴って、わたしたちの働 働くことの意味の変容と わたしたちのあり方 目の前の、出来る仕事をこなすうち、仕 くことが出来るでしょうか。 以降の国際調査では、日本はフィンラン き方や、その意味さえも、急激に変化し 事と自分との適切な距離感を取り戻して ドの順位を抜いています。 てきています。一昔前は花形といわれて いく彼女の姿にきっと心を打たれます。 経験する仕事は、わたしたちが普段知ら いた職業が、その職種ごと消えてしまっ い ﹄︵ 講 談 社・ 一 八 〇 〇 円 ︶ は こ の よ う 瀧本哲史﹃僕は君たちに武器を配りた ていたり、一流とされていた企業の経営 田 高 俊﹃ グ ロ ー バ ル 時 代 の 人 的 資 源 論 ﹄ 渡辺聰子、アンソニー・ギデンズ、今 とも多々あります。 がわずか数年で傾いてしまったりするこ 『この世にたやすい 仕事はない』 発想で生き抜く術を説いています。社会 す。資本主義の構造をとらえ、投資家的 サヴァイブしていくかを記した一冊で な変化の激しい現代社会を、どのように について、考えさせられる一冊です。 と納得させられます。この時代の男と女 し か し、 現 実 は 恐 ら く こ う な の だ ろ う、 す る よ う な 厳 し い 内 容 も 記 さ れ て お り、 す。特に、男性にとっては背筋がぞっと るものです。 今後の生き方について深く考えさせられ らの十年に対する考察は、わたしたちの 代で決まる﹄︵早 人と人がたやすく繋がってしまうこの時 来ない午後﹄ ︵太田出版・一四〇〇円︶は、 した。最後に、わたしたちの﹁これから﹂ 社会の﹁これまで﹂と今現在を見てきま こ れ ま で、 家 族、 故 郷、 教 育、 労 働、 新しい時代の新しい価値を 獲得するために も、今後の生き方を真剣に考えるきっか 迫ります。もちろん二十代を過ぎた方で ジョンは、わたしたちに今後の生き方を セリングをもとに考察される人生のビ うことが書かれています。実際のカウン 川書房・一七〇〇円︶では、タイトルの メグ・ジェイ﹃人生は 生きていけばよいでしょうか。 はどのような想像力を持ち、どのように なくなってしまった現代で、わたしたち います。社会全体が大きな物語を持ちえ わたしたちの想像力について考察されて カワ文庫・八二〇円︶では、これまでの 宇 野 常 寛﹃ ゼ ロ 年 代 の 想 像 力 ﹄︵ ハ ヤ や、会社が自分自身の人生を保障してく れなくなった現代。わたしたちは、どの ように自分自身のリスクを管理し、生き ていくことが出来るでしょうか。 ま た、﹁ 稼 い で、 食 べ て い く ﹂ こ と だ けでなく、社会の変化は、わたしたちの ﹁居場所﹂や人と人との関係性にも大き 代 の﹁ 友 だ ち ﹂ を 考 え た エ ッ セ イ で す。 について考えたいと思います。これから 年後﹂ でMARUZEN名古屋本店、地下一階 このフェアは一月二日から二月十日ま 一三〇〇円︶は、そんな現代の男と女に さまざまな課題について論じられていま こ の 先 十 年 で 日 本 が 直 面 す る で あ ろ う、 を考える﹄ ︵集英社新書・七八〇円︶では、 たら、心より嬉しく思います。 と﹁これから﹂を考える機会になりまし にて開催中です。みなさまの﹁これまで﹂ 一 色 清 ほ か﹃ 日 本 の 大 問 題﹁ うに生きていくことが出来るでしょうか。 通り、人生の大半は二十代で決まるとい 飲み友だちや普段親しくしている友だち けになる事と思います。 な影響を与えています。 について考えさせられます。人と人との 先の未来。それは誰にも分からない世界 小田嶋隆﹃友だちリクエストの返事が つ な が り、 友 だ ち の あ り 方 そ れ 自 体 も、 です。そんな世界をわたしたちはどのよ 水無田気流﹃﹁居場所﹂のない男、﹁時 ついてについて考察しています。タイト す。今話題の八人の論客たちの、これか 間 ﹂ が な い 女 ﹄︵ 日 本 経 済 新 聞 出 版 社・ ルの通り、男には居場所がなく、女には ︵MARUZEN名古屋本店・加藤︶ 時間がない現状が浮き彫りになっていま − 14 − 20 大きく変化してきているようです。 『友だちリクエストの 返事が来ない午後』 10 コンピュータ 実践入門 Amazon Web Services 舘岡 守他著 ︵ AWS ︶ は、 Amazon Web Services ネットで進化する人類 深層学習 関係性など、アフター・インターネット 田 中 浩 也 氏 の3 D プ リ ン タ ー と 人 間 の カ イ コ に 恋 愛 ホ ル モ ン を 組 み 込 む 研 究、 つ い に 発 売 さ れ た。 ス プ ツ ニ 子 ! 氏 の 修した角川インターネット講座最終巻が 線で活躍する執筆陣によって書かれてい 時点での研究成果と今後の課題が、第一 学習は解明されていない点も多いが、現 ﹁ Deep Learning ﹂が加筆・再編されて書 籍化された。まだ始まったばかりの深層 人工知能学会誌﹃人工知能﹄の連載解説 神嶌敏弘編 麻生英樹他著 深層学習の書籍が続いて刊行される中、 人工知能学会監修 の世界において生命がどのように進化 ! 伊藤穰一監修 スプツニ子 他著 MITメディアラボ所長の伊藤氏が監 していくのか、様々なジャンルの執筆陣 三五〇〇円 中にロールプレイングゲームの要素を取 ンの技術を融合したもので、日常生活の ゲームである。心理科学とゲームデザイ スすることで防御方法を導き出すアプ 図や実際の手口を学び、その思考をトレー 贈る、 Python を使った情報セキュリティ における攻撃手法の解説書。攻撃者の意 リー・ジャパン・三二〇〇円︶の著者が ﹃リバースエンジニアリング﹄ ︵オライ 著 Justin Seitz 青木一史他訳 サイバーセキュリティ プログラミング 近代科学社 る。深層学習の専門家には必読の一冊。 二五〇〇円 が語る。 KADOKAWA スーパーベターになろう ジェイン・マクゴニガル著 武藤陽生、藤井清美訳 ス ー パ ー ベ タ ー と は、 ゲ ー ム デ ザ イ り入れている。ゲームのように仲間を作 ローチが学べる。セキュリティに関する ナーである著者が自ら開発した自己啓発 り目標を達成していくことで、困難に立 三〇〇〇円 ち向かうことを楽しむスーパーベターな オライリー・ジャパン 知識と技術スキルの向上を目指す方に。 二〇〇〇円 自分になれる。 早川書房 − 15 − が提供するクラウドコン Amazon.com ピューティングサービスだ。数多くある のサービスの中でも重要な八つを AWS 厳選して、概要からすぐに現場で使える 実践的な利用法まで、実際に AWS を利 用する執筆陣がそれぞれのサービスごと に 解 説。 AWS の 魅 力 を 知 り、 利 用 方 法 への理解を深めることで、スピードと利 二五八〇円 便性を備えたインフラが構築できる。 技術評論社 コンピュータ 自 然 科 学 眠っているとき、 脳では凄いことが起きている サイエンスペディア1000 ポール・パーソンズ著 事典は知識欲を満たしてくれる。 知りたいという、ふつふつと沸き起こ る感情が、読み進めるうちに充実してい く。また、特に調べる目的がなくても索 引を見たり、パラパラとページをめくる 脳の配線はどのように コネクトーム ﹁わたし﹂をつくり出すのか なぜ脳は、ひとりひとり働き方が違う セバスチャン・スン著 のか。 この謎を解く方法として本書で紹介さ ぎっしり並んでいるものなど様々な種類 写真や絵が豊富なもの、文字が細かく ニューロンの全ての接続を解明するの という壮大な試みだ。一〇〇〇億個もの 経細胞のネットワーク地図︶を取得する れているのは、コネクトーム︵脳の全神 楽しいことが多すぎて眠るのがもった は、ゲノムの解読よりはるかに複雑で困 だけでも楽しいものだ。 いない⋮⋮または、やりたいことが多す があるが、本書はその帯で﹁読む科学事 ペネロペ・ルイス著 ぎて眠る時間が惜しい⋮⋮なんて思った 典﹂と謳われている。 二十一世紀の終わりまでに実現する可能 難 だ が、 テ ク ノ ロ ジ ー の 進 歩 に よ っ て ことはないだろうか? だ科学のキーワードは、一〇〇〇語。 性があると著者は言う。 サイエンスライターである著者が選ん 中 の 方 が 集 中 し て 勉 強 で き る、 な ん て ﹁ひと口サイズでまとめた﹂と前書き 特 に 今 の 時 期 受 験 生 の 皆 さ ん は、 夜 睡眠時間を削ってがんばっていること で述べられている通り、各語の解説は簡 本書は、そんなうっかり睡眠をないが い。読みやすさを重視したつくりで、と 潔だ。情報の大要をつかむにはふさわし 興味深い。一般読者向けに書かれた本書 科学がどのように発展していくのか大変 き止めることができるだろう。今後、脳 を解明することや、脳の障害の原因を突 コネクトーム取得によって、記憶の謎 だろう。 しろにしている方々にこそオススメした ころどころに挟まれたイラストを見なが は、専門的な内容を身近な例えに置き換 い。上手に睡眠を取ることで情報は整理 えて解説している部分が多く、読みやす らするすると読めてしまう。 ペ ー ジ に は 何 色 も 色 紙 が 採 用 さ れ、 され、記憶力が高まるばかりか、心の傷 フォントの色も鮮やか。美しいブックデ 二四〇〇円 まだまだ謎の多い睡眠と脳の関係につ まで癒されるってほんと!? 草思社 くて楽しめる一冊だ。 ディスカヴァー・トゥエンティワン 四四〇〇円 ザインで、贈り物にもおすすめできる。 二一〇〇円 いてコンパクトにまとまった、まさに目 の覚める一冊 ! インターシフト − 16 − 自然科学 二代目薬剤師が薬局を滅ぼす いて、ASD者が感じ知覚している世界 ほかは親の後を継いだ小規模店が主に 数は約五七〇〇〇店。大手チェーン店の 日本でも医薬分業が進み、全国の薬局 とにつながっていくはずである。副題﹁星 路を尊重し、理解を深め支援していくこ 様な症例をみれば、各人の固有発達の経 く。想像以上に定型化しきれない多種多 の事象に対して丁寧に説き明かしてい を、数多くの事例を取り上げ、それぞれ なってきた。本書は、日経ドラックイン をつぐ人たちのために﹂とあるが、あた 近藤剛弘著 フォメーションでコラムを連載していた かも異星人であるがごとく、この星に棲 書 〝 カ ッ コ い い 薬 剤 師 〟 こ と、 近 藤 剛 弘 氏 むために苦労を重ねているASD者。共 学 村松紀子・連 利博・阿部 裕著 過去と比較すると日本を訪れる外国人 が遺した未来を担う薬剤師たちへのエー にこの星に棲む者として、より身近な存 医 は激増しており、今や年間二千万人を超 ル。自身二代目薬剤師だった著者が若手 実践医療通訳 える。目的の一つに日本の高度な医療を れない。 三五〇〇円 在として考えるときが来ているのかもし 薬剤師に様々な提言を伝えている。 二代目薬剤師は、環境の変化に対応し 求 め て や っ て く る 人 が 増 加 し て い る 中、 先を見据え、より主体的に動き現状を見 介護関連の本を多数執筆している著者 が編集する、介護の情報交流誌﹃ブリコ 一五〇〇円 − 17 − 専門の知識を持った医療通訳士は少な く、問題が山積しており早急の解決を目 誇 り を 持 ち、 薬 剤 師 愛 に 溢 れ た 著 者 の 認知症老人のコミュニケーション覚え書き 野生の介護 医学書院 本著は二〇〇七年刊行の﹃医療通訳入 メ ッ セ ー ジ は 今 後 の 大 き な 糧 に な る。 直していく必要がある。薬剤師の仕事に 門 ﹄︵ 松 柏 社・ 二 四 〇 〇 円 ︶ の 続 編 で は カッコいい薬剤師の心得十カ条も是非読 指す必要がある。 な く、 最 新 の 情 報 が 盛 り 込 ま れ た﹁ 実 んでほしい。 三好春樹著 践 編 ﹂ で あ る。 脳 神 経 科 や 感 染 症、 生 日経BP社 ラージュ﹄に連載された四年間のエッセ 二三〇〇円 活習慣病など各科の専門医が執筆してい と認知症老人とのコミュニケーションは る。更にコラムも記載されており、医療 自閉症スペクトラムの精神病理 どうあるべきか。介護の現場に関わり続 雲母書房 イをまとめたもの。介護職やその関係者 内海 健著 ここ最近、続々と関連書籍が刊行され 通訳士の重要性や苦労話も描かれてい ている青年期・成人期の﹁自閉症スペク る。医療通訳を目指す学生や、地域で働 ある。 く医療通訳士に読んで頂きたい一冊で けた著者からのメッセージ。 二二〇〇円 他者や自分をとりまく社会との関係にお トラム﹂︵ASD︶を対象とした臨床論。 松柏社 医学書 世界でいちばん幸せな国フィジーの とめ上げている。金融論に重点が置かれ、 それをマクロ経済学のテキストとしてま に し つ つ マ ク ロ 経 済 学 の 知 見 か ら 解 説。 済から概観し、レーガノミクスを引合い を理解するために、八〇年代のバブル経 められたもの。アベノミクスの経済政策 攻する著者の最終講義をもとにしてまと え方によって、知財の未来が見えてくる。 センティブとイノベーションの新たな捉 ために繁栄した産業を取り上げる。イン メフトなどを例に、コピーが合法である 本書ではファッション、レストラン、ア き な い が、 デ ザ イ ン は 模 倣 可 能 で あ る。 ブランドの場合、名称や布のコピーはで 権が認められない。例えばファッション 社 会 科 学 世界でいちばん非常識な幸福論 加えて、企業のコーポレートガバナンス 三六〇〇円 とM&Aや地域経済についても章が割か みすず書房 永崎裕麻著 南の島フィジーは、最新 の国民幸福度調査で世界一位。数年前同 シフト 2035年、米国最高情報機関が 予測する驚愕の未来 に物を分け与える習慣があるので、貧困 急激なテクノロジーの進化。時代の変わ や、人間の脅威になるといわれるほどの ISを含め不安定さを増す世界情勢 マシュー・バロウズ著 で苦しまない。物があふれ一見豊かな日 り目にいることを感じさせる話題が日々 二〇〇〇円 れているのが印象的である。 東洋経済新報社 じテーマで話題になったブータンは、国 策 と し て そ れ を 目 指 し て い る の に 対 し、 フィジーは自然な状態で達成している点 に違いがある。ケレケレという共有の精 本 だ が、 残 念 な が ら 幸 福 度 は 高 く な い。 神が大きな要因だ。何でも気前よく他人 現地在住九年の著者が語る、フィジーの 飛び込んでくる。未来予測本も数多く出 作者の権利は守られている。しかし、ア 本では知的財産法が厳しく定められ、著 創造性においてコピーは悪である。日 わず引き込まれる。世界の変化は遠い世 続くが、小説仕立てになった後半には思 い面両方に目配りした淡々とした論調が 前半は過剰に不安を煽らず、良い面悪 トレンド﹂を元にした注目の書籍。 政権に提出する長期報告書﹁グローバル・ 版されているが、本書は米国情報機関が パクリ経済 メリカでは実用性のある物に対し、著作 K・ラウスティアラ & C・スプリグマン著 不 思 議 事 情 は 驚 愕 の 連 続 だ が、 同 時 に 一四〇〇円 ルーズな国民性であることも付け加えて おくべきかもしれない。 いろは出版 教養としてのマクロ経済学 本書は応用マクロ経済学や金融論を専 藪下史郎著 − 18 − 社会科学 れる。無防備にその時を迎えないために、 界の出来事ではなく、誰しもが巻き込ま で長く活躍しているだけあって、とにか き方をテーマにした一般書だ。予備校界 ねられるため、逆転の発想で、読まない めばいいんですか?﹂と多くの人から尋 インターネットが発達し、情報があふれ 現 在 の 書 籍 の 発 行 点 数 の 多 さ に 加 え、 本の決め方を説くものである。 かえる中で、複雑系や進化論、行動経済 え 子 た ち や 同 級 生︵ 企 業 の 人 事 担 当 者 ︶ く話がわかりやすい。人脈を生かし、教 に意見を聞いたりもしていて、内容がリ 学などの五つ分野を解説し、本の取捨選 二〇〇〇円 読んでおきたい一冊である。 アル。将来の私たちをとりまく雇用環境 択の基準をそこに合わせることで絞り込 ダイヤモンド社 ザ・カジノ・シティ の変化や、ブラック企業に代表される現 一六〇〇円 代の労働問題等、様々な角度から持論を かつてラスベガスといえば、ギャンブ もうというものである。 デヴィッド・G・シュワルツ著 展開している。特に就活中の若者や転職 リベンジポルノ 筑摩書房 ルの街という印象が強かった。だが今や 一三五〇円 を考えている人におすすめ。 毎日新聞出版 高級リゾートホテルがたくさん建てら れ、ファミリー客でも楽しめる総合エン 一三〇〇円 れれば、画像を消すことは不可能である。 弘文堂 − 19 − ターテイメント都市へと進化している。 渡辺真由子著 リ ベ ン ジ ポ ル ノ と は、 相手の性的な画像や動画を本人の許可な 本書は今日のラスベガスの繁栄に重要 な役割を果たしたホテル王、ジェイ・サ 市女子高生殺害事件をきっかけに、この く公開する行為のことで、三年前の三鷹 被害が社会問題化している。被害者の約 ルノの生涯をまとめた一冊。貧しい移民 六割は二十代以下で、交際相手から誘わ の家に生まれ、タイル業から始めて、富 豪 へ と 成 り 上 が っ て い く。 情 熱、 野 心、 れ て 断 り に く い、 あ る い は 強 要 さ れ る 等々の状況下で撮影されるため、自己認 欲望、そして無類の賭博狂。彼の生き様 一九〇〇円 には強烈なものを感じる。 難しい。インターネット上に一度拡散さ 西きょうじ著 識の甘さを悔やんで周囲に訴えることが ﹁読まなくてもいい本﹂の 読書案内 本書は、多くの被害者の声を元に被害増 日経BP社 橘 玲著 経済や社会の評論、小説、投資などの 加の防止策を探る一冊である。 仕事のエッセンス 著者は東進ハイスクールの英語講師 著書が多数ある中で、今回はユニークな その分野では第一人者。今回は仕事、働 発想の読書論がテーマ。著者が﹁何を読 で、 参 考 書 の ベ ス ト セ ラ ー が 多 数 あ る、 社会科学 インディオの気まぐれな魂 エ ド ゥ ア ル ド・ ヴ ィ ヴ ェ イ ロ ス・ デ・ ワードマップ 越智啓太著 犯罪捜査の心理学 著者の邦訳が二冊そろった。本書が注目 北出版・二八〇〇円︶とあわせ、早くも の転回﹂の一冊。﹃食人の形而上学﹄︵洛 真っ赤な表紙が印象的な﹁叢書人類学 乾いた語り口と、例に出される犯罪の多 有用な知識を提供してくれる。学術的で 小説マニア、マスコミの方々などに広く いては言うまでもなく、推理小説・警察 解説書。犯罪心理学を学んでいる人につ 学﹂のキーワードについての、広く深い 犯罪心理学の一分野である﹁捜査心理 するのは、十六世紀のイエズス会宣教師 種多様さ、生々しさが対照的で、不思議 人 文 科 学 が見たアメリカ先住民の﹁気まぐれさ﹂。 カストロ著 カバラーにはユダヤの神秘的な知恵が し か し 本 当 の 主 題 は﹁ 他 者 へ の 開 か れ ﹂ 総説 カバラー 秘められている、と信じられている。し 山本伸一著 かし本書はカバラーをあくまで学術的な 二三〇〇円 な魅力を醸し出している。 新曜社 にこそある。 二五〇〇円 彗星と飛行機と幻の祖国と 変わり、むしろより良い才能の開発や成 ふまえれば、不安定な思春期への対処も 年期だと分かってきた。この研究成果を の成長期とも言えるのが、思春期・青少 児期の後、脳の柔軟性が高まる第二の脳 最新脳科学によると、三歳までの乳幼 歴史は変わるが、著者は政治的な記述を を学校で教わらなかった。政治によって る。著者の娘は社会主義時代に彼のこと なざしが透けて見える秀逸な書名であ の生涯と、詩的で理想に燃える若者のま 文学者・パイロット・政治家であった彼 チェコスロヴァキア建国の父である。天 れていないが、チェコのマサリクと共に シチェファーニクは日本では全く知ら ヤーン・ユリーチェク著 長に活かせる。この分野の権威による本 四〇〇〇円 書は、教育書としても、脳の発達の科学 成文社 越えて、彼の物語を紡いでいる。 一八〇〇円 書としても読みごたえがある。 ローレンス・スタインバーグ著 歳はなぜ言うことを 聞かないのか? 水声社 視点から読み解いている。著者にとって カバラーの面白さは、歴史とともに変化 する思想の多様性とダイナミズムにこそ ある。神秘的な面に魅了されることなく、 四二〇〇円 学者の目でユダヤ思想を正しく理解しよ うとする重要な試み。 原書房 15 日経BP社 − 20 − 人文科学 文学・文芸 読めよ、さらば憂いなし それだけにとどまらず、柴田元幸さん 一七〇〇円 や山崎まどかさんとの対談も収録されて いて、盛り沢山な一冊。 河出書房新社 いという覚悟がないと無理なんだろうな 一九〇〇円 と思い知らされた物語であった。 新潮社 喉の奥なら傷ついてもばれない 婚をした麻貴は、巌夫の息子、さらに孫 二十歳で八十歳の巌夫と打算ずくの結 宮木あや子著 作家として、そして翻訳家として活躍 とも不倫をしている。そんな物語が、本 松田青子著 する松田青子さんの初エッセイ集となる 書には六篇収録されている。 ヒグチユウコさんの美しい装画ととも 本作、松田さんの魅力が、たっぷりと詰 に紡がれる物語は、怪しい雰囲気に満ち 一六〇〇円 − 21 − ま っ て い て〝 ま る ご と 松 田 青 子 〟 と い う感じ。いままでも、新刊がでるたびに 講談社 に恐ろしさも感じてしまった物語。 できそうなのだが、共感できてしまう事 同性として主人公たちの気持ちに共感 満ちている。 ヒトでなし す ぐ 買 っ て 読 む、 追 い か け て い る 作 家 さんの一人だったのだが、この本を読ん 金剛界の章 娘を亡くし、職も失い、妻にも捨てら 京極夏彦著 でなんだかもっと憧れに似たものを感 れた。家も、ない。そんな男に引き寄せ じた。 エッセイは本と映画のことで、そこに よくわからない空気というものを読ん られるように出会っていく、自殺志願者 で、行動したり発言したりせざるをえな 登場する本や映画に対するあたたかな愛 観たくさせてくるものばかり。またその い現代社会の中で、〝ヒトでなし〟になっ などの破綻者たち。 作品に対する感じ方が独特の視点でまた て思った事をそのまま口に出してみた がぽかぽかと感じられる文章は、読んで おもしろいのだ。煌くように綴られてい いて本を読みたくさせるものや、映画を る 文 章 は も う 是 非 読 ん で い た だ き た い。 ら、どんな気持ちがするのだろうか。 それは、本当に自分がどうなってもい きっと憧れてしまう、そんな煌きかたな のだ。 文学 ・ 文芸 文庫・新書 キャパの十字架 七四〇円 十字架﹂がずっしりと心に響く。 文春文庫 えていく。しかしそれでも豊臣家滅亡の 未来は避けがたく、ついに迎えた大阪夏 の陣。その開戦を前にしての言葉が冒頭 の台詞。生き抜いて、最後まで戦い抜く ことを自らの配下に命じる。今まで語ら 上・下 れることの少なかった名将の、凄まじい 獅子は死せず ﹁華々しい最期をとげるために死処を 中路啓太著 各六八〇円 までの生き様。傑作である。 ナリズムの傑作のひとつであるが、多く 落ちる兵士﹂。この写真はフォト・ジャー 徳川と豊臣の間で戦の気運が高まり始め、 い た。 そ し て 関 ヶ 原 の 戦 い よ り 十 四 年、 めに改易され、鬱屈した日々を過ごして 永は、関ヶ原の戦いで西軍に属したがた や出来合いのものを食べることが増えた 賞した著者の哲学がつまった一冊。外食 瀬尾幸子著 副題﹁台所まわりの哲学﹂ のとおり、第二回料理レシピ本大賞を受 これでいいのだ ! 瀬尾ごはん 中公文庫 探 す 者 は、 死 に 切 っ て は お ら ぬ。 ま だ、 こ の 世 の 人 の 耳 目 を 気 に し て お る の だ。 沢木耕太郎著 第十七回司馬遼太郎賞受賞作。 それこそ未練﹂ の謎があった。いつ、どこで、どのよう 昨今、家で作って食べる、ということの かつて豊前小倉の大名であった毛利勝 世 界 的 に 著 名 な 戦 場 カ メ ラ マ ン・ ロ に撮影されたものなのか。キャパ本人も にわかに騒がしくなりはじめる⋮⋮。 バート・キャパの代表作とされる﹁崩れ 生前この写真についてあまり多くを語る 長らくこの写真のことが心に引っか 家康の本陣にまで肉薄。撤退時には藤堂 二万以上の兵を撃ち破り、さらには徳川 王寺の戦いにおいて、四千の兵で徳川方 てみよう。そのためのハードルの下げ方 肩ひじ張らず、がんばらずに作って食べ い し い ! と 思 う こ と に 自 信 を 持 っ て、 家の料理と外の料理は違う。自分がお かっていた著者は、この写真とキャパに 高虎・井伊直孝・細川忠興の三隊を突破 がたくさん紹介されている。 大事さを教えてくれる。 ついて調査を始める。その調査は現地ス し、無事に大阪城まで帰還した、豊臣方 毛利豊前守勝永。戦国最後の戦い・天 ペインだけではなく、キャパの足跡を求 屈指の名将である。その勝永の姿が、中 ことはなかった。 め世界中に広がっていく。そこまでやら ちくま新書 というスタンスもありがたい。 九八〇円 ﹁ 失 敗 し て ナ ン ボ、 恐 れ る こ と な か れ ﹂ ご か け ご は ん だ っ て 立 派 な 料 理 な の だ。 焼いただけでも十分料理、何ならたま なければならないのか ! という多方面 路啓太の手により描かれる。 諸将、そして豊臣秀頼にも強い影響を与 ようとも信念を曲げない姿は、豊臣方の とにかく勝永が格好良く、何を言われ からの徹底した調査により、この写真の 謎が解き明かされていく様は、まるでミ ステリー小説を読むような趣もある。 最後まで読むと、タイトル﹁キャパの − 22 − 文庫・新書 丸善ジュンク堂書店 オリジナル復刊アイテム決定 ち ―くま文庫/ちくま学芸文庫 このたび、書店員とお客様のリクエス トにより、︿ちくま文庫・ちくま学芸文庫﹀ の丸善ジュンク堂書店オリジナル復刊を ②乱歩と東京/松山巌 ︵学芸文庫︶ 一一〇〇円 一九二〇年代、目ざましく変化・成熟 しつつあった東京を舞台に、江戸川乱歩 が作り上げた世界とは⋮⋮。当時の社会 情 勢 抜 き に は 語 れ な い 乱 歩 の 舞 台 設 定、 人物造形の魅力を丹念に掘り起こしてい く著者の筆致は見事の一言。 ます。全国の丸善ジュンク堂書店もしく 困難だったご覧の名著を一挙に刊行致し 二〇一六年一月十五日に、永らく入手 熱をもって語った本は、半世紀経った今 までに美しく、詩的に、哀しく、そして 馬というブラッドスポーツを、これほど 司による、芸術的/文学的競馬談義。競 評論家・虫明亜呂無と劇作家・寺山修 七八〇円 ④競馬論/寺山修司・虫明亜呂無 は、 M A R U Z E N & ジ ュ ン ク 堂 書 店 実現することができました。 ネットストア、hon to ストアでお買 でも他に存在しない。 テロリストたちの実像に迫る、かわぐち 明治から大正、昭和にかけて登場した 浮かびあがらせる。文化史を学ぶ上でも、 い網の目状に広がる人間の営みを見事に の視点は、国家単位での視点では見えな 鶴 見 良 行 が 実 践 し て 見 せ た﹁ ナ マ コ ﹂ 一八〇〇円 ⑤ナマコの眼/鶴見良行︵学芸文庫︶ 文学、美術、映画など多彩なジャンル かいじの原点ともいうべき傑作劇画。無 八八〇円 い求め頂けます。 ③テロルの系譜/かわぐちかいじ で博物学的知識を披露する種村季弘人気 差別テロが蔓延する昨今の世界情勢にお 七八〇円 は 未 だ 衰 え ず。 今 回 各 種 復 刊 希 望 ア ン 中央中心の歴史観を相対化するうえで ①贋物漫遊記/種村季弘 ケートでも常に最上位に。種村本の中で いて、是非読み直したい一冊だ。 も、避けて通れない一冊。 もこの﹁漫遊記﹂シリーズは気軽に読め て、とにかく面白いと評判。 − 23 − 芸 術 ブックデザイナー・名久井直子が訪ねる ヒグチユウコ著 いつまでも永遠に、大好きな人から愛 に、何かがズレたような、不思議な違和 当たり前に過ごしている毎日の時間の中 日常には、﹁妙な瞬間﹂がたくさんある。 ですよねー されていたい。誰もが思うそんな願いを 感が発生することが、実はたくさんある いくしゅん著 抱えて旅に出るのが、本書の主人公であ せかいいちのねこ る﹁ニャンコ﹂。 大きくなったら、自分に飽きてしまうの 動物も、風景も、普通のようで普通じゃ ん 切 り 取 ら れ て い る。 写 っ て い る 人 も、 本書には、そんな﹁妙な瞬間﹂がたくさ 紙ものづくりの現場から ではないかと不安になる。そこで、大人 ない。決して奇抜な光景ではなく、街に ﹁この本どうやってできあがったの?﹂ がった。 現場で働く匠たちから話を聞いて出来上 古 紙 リ サ イ ク ル の 現 場 ま で を 見 て 歩 き、 直子氏が、実際に印刷、製紙、製本から い る。 果 た し て ニ ャ ン コ は、﹁ せ か い い 的なテーマに向き合った絵物語になって よる本書は、そんな人間にとっての普遍 いうこと。人気画家ヒグチユウコの手に り﹁永遠ではない﹂ことかもしれないと つか終わってしまうかもしれない、つま 他者に愛されるということ、それはい う世界の﹁妙な瞬間﹂が映り続けている たりする。いくしゅんの目には、そうい 世界は、実は当たり前のものではなかっ 私たちが﹁当たり前﹂だと思っている んでいる。 い 色 調 が、 サ イ ケ デ リ ッ ク な 感 覚 を 生 だけズレを与えたような構図と、濃く強 和 感 を 与 え る 写 真 ば か り な の だ。 少 し 写真家いくしゅん初の作品集である 名久井直子著 日頃何気なく手にとる本。その本が私 も か わ い が っ て く れ る よ う な 本 物 の 猫、 出れば誰でも出会えるような日常の風 と思う。 たちの手に届くまでにはいかに多くの人 それも﹁せかいいちのねこ﹂になるため 景 な の に、 観 る 者 に な ん だ か 物 凄 い 違 ぬいぐるみの猫であるニャンコは、自 が関わり、想いをのせてきたのかを考え に、友達のぬいぐるみである﹁アノマロ﹂ と い う よ う な ポ ッ プ ア ッ プ 絵 本 な ど は、 ちのねこ﹂となることができるのか。緻 分を大切にしてくれる持ち主の男の子が ると、少し姿勢を正して本に向かい合わ と一緒に旅に出るのだ。 やはりほとんどの工程を手作業で行って 本書はブックデザイナーである名久井 なくてはいけない気がしてくる。 いるという。 一八〇〇円 のではないか。 青幻舎 密に描きこまれた独特の可愛らしい絵柄 一四〇〇円 ﹁人の手に勝る器用なものはない﹂と 白泉社 触れて頂きたい。 で語られるニャンコの成長物語に、是非 二○○○円 いう一節が心に残る。 グラフィック社 − 24 − 芸術 実 用 書 地図・旅行書 トルコのパンと粉ものとスープ ら誰もが一度は夢見る、きらきらとした 一つのプロの世界﹂があることを知って ちを誘引する華やかさとは程遠い﹁もう 華やかな世界。しかし一方では、若者た 中華料理、フランス料理と並んで世界 口尾麻美著 三大料理のひとつであるトルコ料理。あ いただきたい。 い四季の感じ方だ。ではもし、 家の中に 〝小 どの冬を過ごしている﹂ 。それも素晴らし 前に桜並木がある﹂ ﹁雪かきに追われるほ に季節を感じられているだろうか。 ﹁家の 本に住んでいる私たちは果たして日常的 四季は、日本の魅力の一つである。日 のだ。もちろんパンだけでなく、食事の それがなんと自宅の台所で作れてしまう ルコ流。どれもとにかく美味しいのだが、 ピデは、具を載せて、船形にするのがト のほかにも、ピザの源流と言われている は、中が空洞になった薄焼きタイプ。そ かかっている。伝統食であるエキメッキ 中はもちもちの生地に、胡麻がたっぷり るパンであるシミットは、外はカリカリ、 も事実だ。合理性の象徴が﹁労働﹂であ そんな彼らに魅了される人々がいるの り続ける。 ﹁プロ野球選手という肩書き﹂にこだわ ウンドで、彼らは給料が〇円になっても ノマド・リーガー。陽のあたらないグラ 転々と﹁世界中﹂さまよい続ける放浪者、 ロ 野 球 の 最 果 て の 地 で あ る。 そ の 中 を 世界、独立リーグやマイナーリーグはプ あるとするならば、もうひとつのプロの NPBやMLBがプロ野球の中心地で まり知られてはいないのだが、トルコの さな季節〟があったらどうだろう。本書 お供として欠かせないフムス、デザート る と す る な ら ば、﹁ ス ポ ー ツ な ど の 文 化 パンはとても美味しい。トルコを代表す はそんな、シンプルでコンパクトに季節 事象﹂は非合理性の象徴である。その非 おうち歳時記 を感じる暮らし方を提案している。 の定番であるバクラヴァまで ! 寒い日 合理な世界に身を投じ、労働としては割 ﹁茜や﹂の小さく楽しむ 用意するものは①棚の一角など小さな にお薦めの、あつあつのスープも多数掲 一八〇〇円 − 25 − 柳本あかね著 スペース、②手のひらサイズの季節飾り、 載されている。 は美しく映るのかもしれない。 白水社 撃的な一冊。 不器用なアスリート達の、あまりにも もうひとつのプロ野球 非情な﹁現実﹂に生きる姿が記された衝 職 業﹁ プ ロ 野 球 選 手 ﹂。 野 球 が 好 き な 石原豊一著 若者を誘引する ﹁プロスポーツ﹂という装置 若者たちの姿は、この合理主義の社会で に合わないと分かっていながら没頭する これだけ。季節飾りは家で用意できるも 一四〇〇円 一六〇〇円 のが多く、忙しい人でも気軽に楽しめる 誠文堂新光社 河出書房新社 め直すきっかけを作ってくれる一冊。 日本ならではの季節行事を正しく見つ てくれるのが本書だ。 心が満たされる⋮⋮そんなお手伝いをし アイディアが満載。ちょっとした工夫で 実用書/地図・旅行書 日英対訳 日本のギモン 日刊ゲンダイ編 英文法のエッセンス 江藤裕之著 どを取り上げたものをイメージするので と、多くの人が日本の自然や伝統文化な 日本について書かれた対訳ものと聞く 理解や使い方を知らなければ知識は定着 なければ何も始まらないが、根本となる 理解することの両方が求められる。覚え な要点を覚えることと、細かなことまで 知識の定着には、全体を見通して大き はないだろうか。しかし、本書は一味違 しない。 語学・辞典 う。﹁ 婚 姻 届 は な ぜ 二 十 四 時 間 受 け 付 け ジョンソン・スティーヴンリン訳 ているのか?﹂といった﹁社会システム まっていて説明が少ないものや、説明が グローバル時代の ビジネス英語雑談力 藤井正嗣監修 のギモン﹂、﹁おみくじはなぜどこの神社 英 文 法 書 の 中 に は、 要 点 だ け が ま と 日本語でもビジネスの場で必要とされ マルコム・ヘンドリックス、緒方秀夫著 に、基本的な考え方やその細かな知識を 詳しいが何を覚えればいいか分からな 網羅している。そしてその項目での重要 いものが多いが、この本は前書きで〟英 なに高いのか?﹂というような﹁生活の な部分がエッセンスとしてまとめてら でも同じなのか?﹂のような﹁街中のギ 本 書 で は、﹁ お 中 元 や お 歳 暮 ﹂ な ど 日 ギモン﹂の全四パートで、日本人でも知 れており、覚えるべきことが一目瞭然な る雑談力。英語になるとネイティブとど 本文化に特化した雑談例と、外国との比 らないような、蘊蓄めいた日本のギモン 文法を理解し、英語を使えるようにする 較を主なテーマとしたものの二つに分類 を、日英対訳で解き明かす。雑学のよう のである。 モン﹂、﹁終電後の駅員はどうやって帰る し て い る。 テ ー マ ご と に そ の 会 話 例 や、 なトピックスではあるが、それぞれよく んな会話をすればよいか苦戦している方 話を膨らませるポイント、また雑談ネタ 掘り下げられており、日本の歴史や文化 がうまく使えないと感じる方は多いので く理解できていなかったり、覚えたこと ための﹁読む英文法﹂です〟とあるよう の振り方や周辺知識などを解説してい に関わる内容も多く興味深い。楽しみな のか?﹂などの﹁鉄ちゃんのギモン﹂、﹁ざ る。音声ダウンロード付きで実際のダイ がらの学習にはもちろん、スタンダード るそばは、ノリをのせただけでなぜあん アローグを聞けるのも魅力だ。日本文化 はないだろうか。本書で理解のし直しと も多いのではないだろうか。 紹介や日英比較についての会話集として な日本紹介はもう十分という外国の方 知識の整理を図ってはいかがだろう。 大修館書店 一四〇〇円 英文法を一通り勉強した方でも、うま も面白い素材集である。音声を聴きなが に、ディープな日本紹介をするのにも役 一四〇〇円 ら、自分なりに使えるフレーズを身につ IBCパブリッシング 立ちそうである。 一六〇〇円 けてみよう。 秀和システム − 26 − 語学・辞典 児 童 書 ローズ、猫のタイガーを知人に預け、離 れ離れになります。しかし、預けた家の おうさまのくつ ご主人は三匹を邪魔に思い、動物シェル じた三匹は逃げ出して、ロバートたちが ヘレン・ビル文 いるデヴォン州を目指します。戦火の中 ターに連れて行こうとします。危機を感 むかし、ある街のくつやが、まるでお ルイス・スロボドキン絵 うさまがはくような、たいそう立派なく で生き抜いたペットと家族の話です。 こみやゆう訳 つを仕上げました。この金色にかがやく ハリーとうたうおとなりさん ジーン・ジオン文 くつは、自分の居場所はおうさまのお城 ハリーはおとなりさんの高くて大きな ろになって帰ってきます。しかしお話は れやのくつはすっかりくたびれ、ぼろぼ しかしお城では散々な目にあい、うぬぼ のように射落とされた一羽のツル。祖母 菅野雪虫著 チポロ 一六〇〇円 マーガレット・ブロイ・グレアム絵 に 違 い な い と、 く つ や を 抜 け 出 し ま す。 歌声にめいわくしていて、あの手この手 と二人、貧しい家に暮らしていた少年は 徳間書店 小宮 由訳 で歌うのをやめさせようと知恵をしぼり ここで終わらず、くつはおうさまと意外 この日から優れた射手になるべく修練を 重ねていきます。しかし、魔物の襲来で ロンドンに住む十二歳のロバートと九 飛び出していくこととなります。アイヌ は、やがてその行方を追って外の世界に に戻ることに耐えられなかったチポロ − 27 − チポロの放った矢に吸い寄せられるか ます。大きな牛たちや音楽隊など町のみ なかたちで再会します。 一四〇〇円 幼なじみのイレシュが村から連れさらわ れたことによって少年の日常は一変。イ 歳のルーシーのきょうだい二人は、第二 神話をベースにした躍動感ある少年の成 レシュの存在を忘れ、村の平穏な暮らし 次世界大戦が始まるので、おばあちゃん 一四〇〇円 長物語です。 講談社 の住むデヴォン州に疎開することになり セル犬のバスターとボーダーコリー犬の 両親はもとより、ペットのジャックラッ ました。そのため、一緒に暮らしていた 尾高 薫訳 戦火の三匹 ロンドン大脱出 ミーガン・リクス作 瑞雲舎 んなを巻き込みながら、次から次へとあ ら ゆ る 作 戦 が 繰 り 広 げ ら れ て い き ま す。 一四〇〇円 絵 本 で 人 気 の﹃ ど ろ ん こ ハ リ ー﹄︵ 福 音 館書店︶の幼年童話です。 大日本図書 児童書 ﹃猫なんかよんでもこない。﹄ ︵実業之日本社・杉作著︶ 世界チャンピオンを目指す二十六歳のオ レは、漫画家の兄の家に居候中。ある日兄 が二匹の猫を拾ってきた。もらい手がみつ ク ロ、 メ ス の ち ん こ い︵ 新 潟 弁 で 小 さ い ︶ は猫がキライ。オスの大きいほうの黒猫は コミック フロアより 社の様子が少し変わっていた。ニューヨー 方はチン子、自然に名前も決まった。オレ かるまでオレに面倒をみろというが、オレ 昨年二月頃にコミックのメディア化作品 ク支店から超イケメン社員・高台光正が赴 七万と猫二匹だけになってしまった。そん をご紹介しましたが、ドラマ化、アニメ化、 なオレを頼ってくれたのは、ちっぽけな猫 はチャンピオンを目指すもケガで道を絶た とにかく木絵の妄想はバカバカしくて笑 たちだけだった︱︱。 任し、女子社員たちが色めきたっていたの えます。光正の能力は妹弟にもあり、対人関 だ。そんな光正に食事に誘われた木絵だが、 コミックは幅広いので老若男女みんな楽 係で苦労してきたのですが、木絵のバカバカ 猫への愛情が伝わってきます。苦手が愛情 実写映画化はまだまだ続いています。そろ しめるジャンルです。ということで今回も しい妄想が彼らの心を救ってしまうんです。 に変わる瞬間、そして猫たちと出会えてよ そ ろ 新 し い 作 品 も 紹 介 し た い ! と 思 い、 すでにメディア化決定の、大人も子供も楽 バカバカしいって、素直って、とても大切。 かったと思える今、猫を飼う方のみならず れ、さらに兄は出て行き、残ったのは残金 しめる読んで欲しい、見て欲しい作品をい この作品は木絵役を綾瀬はるかさん、光 じつは彼には特殊な能力があった︱︱。 くつか紹介したいと思います。 正役は斉藤工さんで二〇一六年六月に実写 再び参上いたしました。 ﹃高台家の人々﹄ 映画化です。 ︵講談社ITAN・雲田はるこ著︶ ﹃昭和元禄落語心中﹄ 開されます。 さんで、二〇一六年一月実写映画が全国公 この作品はオレ︵ミツオ︶役を風間俊介 くる作品。 いろんな人に読んでもらいたい、ホロリと 著 者 の 実 話 を 元 に 描 か れ た こ の 作 品 は、 ︵集 英 社 マ ー ガ レ ッ ト コ ミ ッ ク ス・ 森 本 梢 子著︶ 主人公の平野木絵はつつましいサラリー マンの家庭に育ったごくごく普通の、いや ちょっと地味目な二十九歳の独身OL。人 と 話 す の が 苦 手 な 分、 小 さ い と き か ら ス ケールの大きいバカバカしい空想癖があ る。風邪で数日休み、久々に出社したら会 − 28 − ―第8回― 『高台家の人々』 時は昭和五十年代頃。刑期を終えて出所 した模範因・与太郎が、一番最初に目指し ﹃だがしかし﹄ 広島市江波で育ったすずは、絵が得意な ﹃この世界の片隅に﹄ 十八歳の少女。昭和十九年、すずは二十キ ︵ 双葉社アクションコミックス・こうの史代著︶ 子屋の息子・鹿田ココノツ十五歳。父には ロ離れた呉に嫁ぎ、主婦になる。 とある半島の海沿いの田舎町にある駄菓 駄菓子屋を継いでほしいと言われるが、コ ︵小学館サンデーコミックス・コトヤマ著︶ 与太郎は出所一年前に刑務所の落語慰問 コノツは漫画家志望。そんな中、あらわれ たのは寄席。 会で見た、昭和最後の大名人・有楽亭八雲の た謎の美少女・枝垂ほたる。彼女はお菓子 て、住み込みで弟子になる。師匠の八雲の元 コノツの父を自分の会社に引き抜こうと メーカー枝垂カンパニーの社長令嬢で、コ そして、あの昭和二十年八月がやってくる。 襲われるが、それでもすずは毎日を生きる。 が激しくなる。毎日眺めた軍艦や町は火に 進んで日本海軍の根拠地である呉では空襲 工夫をして日々をすごすが、戦争はさらに 戦争真っ只中で物や食料は不足するなか た。弟 子 は と ら な い と い う 八 雲 を 拝 み 倒 し ﹁死神﹂が忘れられず、生きる道は噺家と決め には、養女として住む小夏がいた。八雲と小 やってきた。しかし父は、息子が駄菓子屋 戦争を題材にした作品なのでもちろん重 を継ぐまではここを去るわけにいかないと たいこともたくさんありますが、大事なもの 落語に魅せられてどんどん落語にはまる 言う。ほたるはあらゆる手段でココノツに が失われてしまっても、すずが変わらず生 − 29 − 夏の関係にはなにか因縁がありそうで⋮⋮。 与太郎、師匠・八雲が背負うものや小春と 駄菓子屋を継がせようとする、そんな駄菓 き続ける姿がなんとも愛おしいんです。独 の確執、小春の父で八雲のライバルであり なつかしの駄菓子を超ハイテンションで 子コメディ。 特のタッチとやさしい雰囲気で綴られるす 友である助六との過去を通じて、落語のお 紹介するほたる、駄菓子バカ︵天才?︶の ずの日常は、読むと勇気を与えてくれます。 もしろさが伝わってくる作品です。 この作品は二〇一六年一月からのアニメ 父親、それをまとめるのはツッコミ役の主 される予定です。 この作品は二〇一六年秋にアニメ映画化 化が決定。アニメは八雲と小夏の父である 人公・ココノツ。 ネ、ヤングドーナツ、たまごアイス、ねる ねるねるね、キャベツ太郎などなど懐かし こちらも二〇一六年一月からアニメ化で いものばかり。 す。ぜひなつかしの駄菓子を堪能してくだ さい。 『この世界の片隅に』 出てくる駄菓子は、うまい棒、フエラム 助六のことを描いた﹁八雲と助六編﹂が中 心になります。 『昭和元禄落語心中』 A A TT II O ON N 丸善 名古屋セントラルパーク店 丸善 関西国際空港店 ジュンク堂書店 MARUZEN 高 槻 店 広 島 店 ☎(052)971 1231 ☎(072)456 6486 ☎(072)686 5300 ☎(082)504 6210 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 ロフト名古屋店 〔営業時間〕7時∼ 21時半 〔営業時間〕10時∼ 22時 丸善 ジュンク堂書店 八尾アリオ店 〔営業時間〕10時∼ 22時 ジュンク堂書店 三 宮 店 広島駅前店 ☎(052)249 5592 ☎(072)990 0291 ☎(078)392 1001 ☎(082)568 3000 〔営業時間〕10時半∼ 20時 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 名古屋店 丸善 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 高島屋大阪店 西 宮 店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 高 松 店 ☎(052)589 6321 ☎(06)6630 6465 ☎(0798)68 6300 ☎(087)832 0170 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 20時 MARUZEN ジュンク堂書店 岐 阜 店 大阪本店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 神戸住吉店 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 松 山 店 ☎(058)297 7008 ☎(06)4799 1090 ☎(078)854 5551 ☎(089)915 0075 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 MARUZEN ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 MARUZEN 四日市店 難 波 店 芦 屋 店 博 多 店 ☎(059)359 2340 ☎(06)4396 4771 ☎(0797)31 7440 ☎(092)413 5401 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 滋賀草津店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 千日前店 三宮駅前店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 福 岡 店 ☎(077)569 5553 ☎(06)6635 5330 ☎(078)252 0777 ☎(092)738 3322 〔営業時間〕10時∼ 22時 〔営業時間〕10時∼ 21時 MARUZEN ジュンク堂書店 京都本店 天満橋店 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 姫 路 店 大 分 店 ☎(075)253 1599 ☎(06)6920 3730 ☎(079)221 8280 ☎(097)536 8181 〔営業時間〕11時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 京 都 店 上本町店 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 MARUZEN 舞 子 店 天文館店 ☎(075)252 0101 ☎(06)6771 1005 ☎(078)787 1250 ☎(099)239 1221 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 奈 良 店 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 梅田ヒルトンプラザ店 神戸さんちか店 〔営業時間〕10時∼ 20時半 ジュンク堂書店 鹿児島店 ☎(0742)30 1021 ☎(06)6343 8444 ☎(078)335 2877 ☎(099)216 8838 〔営業時間〕10時∼ 21時 MARUZEN &ジュンク堂書店 梅 田 店 〔営業時間〕11時∼ 22時 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時∼ 20時 丸善 近鉄あべのハルカス店 岡山シンフォニービル店 〔営業時間〕10時∼ 20時 ジュンク堂書店 那 覇 店 ☎(06)6292 7383 ☎(06)6626 2151 ☎(086)233 4640 ☎(098)860 7175 〔営業時間〕10時∼ 22時 〔営業時間〕10時∼ 20時 〔営業時間〕10時∼ 20時 − 30 − 〔営業時間〕10時∼ 22時 II N N FF O O RR M M MARUZEN &ジュンク堂書店 札 幌 店 丸善 丸善 水戸京成店 ジュンク堂書店 吉祥寺店 丸の内本店 ☎(011)223 1911 ☎(029)302 5071 ☎(03)5288 8881 ☎(0422)28 5333 〔営業時間〕10時∼ 21時 MARUZEN 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕9時∼ 21時 ジュンク堂書店 丸善 丸善 札幌北一条店 そごう川口店 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 20時 〔営業時間〕10時∼ 21時 大泉学園店 日本橋店 ☎(011)232 0222 ☎(048)259 5258 ☎(03)6214 2001 ☎(03)5947 3955 〔営業時間〕9時半∼ 20時半 〔営業時間〕10時∼ 22時 丸善 丸善 ジュンク堂書店 旭 川 店 ラゾーナ川崎店 お茶の水店 MARUZEN 丸広百貨店飯能店 ☎(03)3295 5581 ☎(044)520 1869 ☎(0166)26 1120 ☎(042)973 1111 〔営業時間〕 〔営業時間〕10時∼ 19時半 〔営業時間〕10時∼ 19時 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 弘前中三店 大宮髙島屋店 ☎(042)355 3220 〔営業時間〕10時半∼ 21時 丸善 ジュンク堂書店 多摩センター店 〔営業時間〕10時∼ 21時 桶 川 店 盛 岡 店 ☎(019)601 6161 〔営業時間〕10時∼ 21時 ☎(03)5530 5701 〔営業時間〕10時∼ 19時半 丸善 丸善 メトロ・エム後楽園店 ☎(022)264 0151 ☎(047)470 8311 ☎(03)5684 5130 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 21時 日・祝10時∼ 20時 〔営業時間〕10時∼ 21時 丸善 ☎(047)305 5808 ☎(03)5321 4685 仙台 TR 店 ☎(022)265 5656 〔営業時間〕11時∼ 21時、 〔営業時間〕10時 ∼ 20時 〔営業時間〕10時∼ 21時 池袋本店 松戸伊勢丹店 秋 田 店 ☎(018)884 1370 ☎(047)308 5111 〔営業時間〕10時∼ 20時 〔営業時間〕10時∼ 21時 新 潟 店 〔営業時間〕10時∼ 21時 ジュンク堂書店 岡島甲府店 ☎(03)5956 6111 MARUZEN 松 本 店 ☎(0263)31 8171 〔営業時間〕10時∼ 20時 MARUZEN &ジュンク堂書店 新静岡店 〔営業時間〕 月∼土10時∼ 23時 ☎ (054)275 2777 日・祝10時∼ 22時 〔営業時間〕10時∼ 21時 MARUZEN &ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 郡 山 店 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 〔営業時間〕10時∼ 19時 新宿京王店 土・日・祝10時∼ 21時 藤 沢 店 ☎(055)231 0606 丸善 舞浜イクスピアリ店 ジュンク堂書店 ジュンク堂書店 ☎(025)374 4411 丸善 津田沼店 仙台アエル店 〔営業時間〕10時∼ 22時 〔営業時間〕10時∼ 21時 有明ワンザ店 〔営業時間〕10時∼ 21時 横浜ポルタ店 ☎(0466)52 1211 丸善 ☎(048)789 0011 丸善 ☎(045)453 6811 MARUZEN ☎(0172)34 3131 ☎(048)640 3111 〔営業時間〕午前10時∼ 午後7時 〔営業時間〕10時∼ 22時 月∼金10時∼ 20時半 土10時∼ 20時 日・祝10時∼ 19時 ジュンク堂書店 渋 谷 店 プレスセンター店 丸善 名古屋本店 ☎(024)927 0440 ☎(03)5456 2111 ☎(03)3502 2600 ☎(052)238 0320 〔営業時間〕10時∼ 19時 〔営業時間〕10時∼ 21時 〔営業時間〕10時∼ 20時 営業時間は変更する場合がございます。ご了承ください。 定休日については、お手数をおかけしますが弊社 HP または直接各店までお問い合わせ下さい。 − 31 − 〔営業時間〕10時∼ 21時 五九五六 六一〇〇 丸善ジュンク堂書店特急便係 東京都豊島区南池袋二 一五 五 〇三 http://www.junkudo.co.jp/ QR コード い つ も﹁ 書 標 ﹂ を ご 愛 読 い た だ き ま し て 以下の通りです。 ありがとうございます。本誌定期購読料は 本にまつわるエッセイ、など本に関するもの。最近読んでおも ☆読者の皆様の投稿を募集しています。最近読まれた本の感想文、 定期購読料 年間一二三〇円︵送料込︶ 現金書留もしくは八十二円切手十五枚で │ お申し込み先 しろかった本、感動した本、考えさせられた本を教えて下さい。 四〇〇字∼六〇〇字程度で、おすすめの本のタイトル、出版社、 │ 五九五六 六一二〇 〇三 │ 掲載分には二千円の図書カードを差し上げます。なお、原稿はお 〒 1710022 住所、氏名、年齢、職業を明記の上、お送り下さい。 六一一一 │ 返しいたしませんのでご了承下さい。 東京都豊島区南池袋二 一五 五 五九五六 FAX TEL ☆尚、本誌掲載と同時に、ホームページにも掲載させていただきます。 〒 〇三 丸善ジュンク堂書店﹁書標﹂編集室係 │ TEL │ │ 編集後記 − 32 − │ │ │ 明けましておめでとうござい ま す。 本 年 も、 丸 善 ジ ュ ン ク 堂 書 店 と﹁ 書 標 ﹂ を ど う ぞ よ ろ し くお願いいたします。 年 始 は 営 業 時 間・ 定 休 日 に 変 更のある店舗がございますので、 お手数をおかけしますが店内の 告知やホームページなどをご確 認 の 上、 ご 来 店 く だ さ い ま す よ うお願い申し上げます。 私 事 で す が、 子 ど も の 観 る ド ラマにドキッとした体験から書 い て も ら っ て い る﹁ コ ミ ッ ク 映 像化作品紹介﹂。安心タイトルの ︵緒︶ 紹介です。 PC ・スマートフォンから ᛩ Ⓜ 㓸 1710022 やすい場所なのだ。それだけ交流の場も 高槻は気質的、言葉的には京都に近い ものがあると言われている。町屋が多く 高槻店が開店してはや一年になる。気 店はいくつかあったそうだが、今はもう えて頂いた。近隣の商店街にもやはり書 中、地元の方々には出店時より温かく迎 高槻も例外では無く書店が数を減らす かあまりコテコテの大阪をイメージする 中間といったが、県境は京都に近いせい 訪れることも出来た。先程京都と大阪の 知識としては知っていたが初めて現地を な古墳も存在する為、歴史の街でもある。 増えるところだ。 温が下がりはじめてようやく冬の気配 無い。 と ち ょ っ と 違 う か も 知 れ な い。 そ ん な、 残されており、阿武山、今城塚等の著名 を感じ、駅前の電飾を見て一年前を思い ﹁河原町や梅田に出なくて良くなった﹂ ﹁高槻一周年﹂ 出 す。 駅 前 も こ の 一 年 で 様 変 わ り し つ ある種独自の文化圏に触れながら、ご当 い る 事 を 実 感 し、 ス タ ッ フ 一 同 嬉 し く そんな訳で、京都から通う私はあえて つある。 ち な み に 高 槻 市 は 京 都 府 と 大 阪 府 の、 思 っ て い る。 だ が、 こ れ は 裏 を 返 せ ば、 各駅停車を選んで三十分程の通勤電車に 地本コーナーの必要性を感じるようにも 中心部のほぼ中間に位置するベッドタウ そちらで本を購入するチャンスはいくら 揺 ら れ て 高 槻 に 到 着 す る。 往 復 一 時 間。 という声を頂く度に、周知して頂いて ンと言ってよく、そのため日中と夕方を でもあるということ。帰りについ寄りた ﹁最寄の駅で買えて助かる﹂ 過ぎた帰宅時間ではご来店されるお客様 くなる店づくりをいつも念頭におかねば この時間を毎日の貴重な読書の時間の一 なった。 がガラリと変わる。驚いたのは、出版社 ならないと気合を入れなおす。 部に充てるようにしている。 ︵S︶ の営業さんや書店員が非常に多く住んで いるということ。アクセスの面で集まり 653- 1600013 0008 二〇一六年一月五日発行 ﹁書 標 第 号 ほんのしるべ﹂ 頒価五十円︵本体四十六円︶ 編集・発行人 工 藤 恭 孝 発 行 所 ㈱丸善ジュンク堂書店 〒 東京都新宿区三栄町二十九 ニューフィールドビルディング 印 刷 所 ㈱七 旺 社 〒 神戸市長田区一番町二丁目一 446
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