ダイレクト マーケティング 新教の伝道師

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ダイレクト
マーケティング
新教の伝道師
ダイレクトマーケティング・グラフィティ
中澤 功 氏
(株)テレマーケティングジャパン
国際ダイレクトマーケティング研究所 顧問
年のトロントと、続けざまに出席し、
イクロソフト社では、マーケティン
ジャパン)の国際ダイレクトマーケ
ネットマーケティング会議にも、97
グ責任者とのディスカッションで大
ティング研究所所長となってから、
年ニューヨークでの第1回、99年ロサ
いに啓発されると同時に、米松の林
再び海外渡航の機会が増えた。ダイ
ンゼルスでの第3回、2000年ボストン
に囲まれたそのカントリーライクな
レクトマーケティング関連の国際コ
での第4回と参加、01年には再びニュ
社屋の佇まいから、かつて訪れたリ
ンファレンスに出席して最新の知識
ーヨークで行われたeカスタマーサー
ーダーズダイジェスト本社を懐かし
と情報を吸収し、かつビジネス・ネ
ビス会議にも顔を出し、98年にはラ
く思い出したりもした。
ットワークを拡げることが主たる目
スベガスでのCOMDEX(国際コンピ
このような数々の知的刺激を受け
的で、行き先ももっぱら北米大陸に
ューター会議)を視察した後、シア
た筆者は、先に「DRM」で提唱した
限られていたが、例の2001年9月11日
トルのマイクロソフト社を訪問した。
ような考え方を軸に、 新しい視点、
の同時多発テロ事件が発生するまで
中でも印象的だったのは、97年3月
広い視野でのダイレクトマーケティ
ニューヨークでの第1回DMAネット
ング というものの普及に身を捧げ
DMA(米国ダイレクトマーケティ
マーケティング会議と同年11月ラス
たいと思い立つ。いわば、 ダイレ
ング協会)の年次大会は、1996年のニ
ベガスでのCOMDEX、およびマイク
クトマーケティング新教の伝道師
ューオーリンズ、97年のシカゴ、99
ロソフト社訪問だった。97年と言え
となることを心に決め、より積極的
ば、米国でもまだインターネットが
に講演・執筆・教育活動に励むよう
マーケティング目的で利用されるよ
になる。本誌月刊「アイ・エム・プ
うになってから3年しか経っていな
レス」に98年2月号から「ダイレクト
かった頃のこと。ネットマーケティ
マーケティングの新潮流」と題して
ング会議への参加者も1,000名ちょっ
同時代の海外情報紹介を連載し始め
と、出展者も100社程度だったが、そ
たのも、その一環だった。
1996年にTMJ(テレマーケティング
は、毎年、何度も出掛けていた。
の内容はきわめてエキサイティング
99年頃から、米国の各種マーケテ
で、ネットに関してはそれまでよく
ィング・コンファレンスで「CRM」
わかっていなかった筆者に衝撃を与
という略語が使われ出すが、間をお
えるに十分なものだった。
かず日本でも2000年頃から、これが
COMDEXでも、最先端のコンピュ
新しいキーワードとして取り上げら
ーター・テクノロジーにじかに接し
れるようになってくる。この種のト
て目を見張らされ、続いて訪れたマ
レンドは、まず米国で発生し、多少
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が通例だが、CRMに関しては日米ほ
ぼ同時だった。これは、先導役を果
たした外資系SI企業(システム・イ
ンテグレーター)やコンサルティン
グ会社、そしてソフトウエアメーカ
ーなどによる巧みな連係戦略だった
のかもしれない。
ところで、このCRMの基本的な考
え方は、ダイレクトマーケティング
というより大きな概念の中にもとも
と内包されているものであり、筆者
もそのことを「DRM」で、すでに96
年から説いていた。しかし、ダイレ
クトマーケティングに特別な関心を
払っていなかった人々からは、これ
があたかも新理論でもあるかのよう
に受け止められ、なぜかその情報管
理技術面だけが注目されて、企業の
オペレーションや情報システムの担
当者などが中心になるかたちで取り
入れられてゆき、マーケティングと
はやや異なる路線を走り出した。
ダイレクトマーケティング・トリビア<22>
「DRM」
インターネット辞書などで検索すると、Digital Rights Managementすなわち「デジタル
著作権管理」の略称とされているケースが最も多いが、ここで言う「DRM」はもちろ
ん、筆者の提唱する「Direct Relationship Marketing」のこと。 個別直接コミュニケー
ションと無店舗流通 という基本骨格に、その原理である顧客中心の考え方とシステ
ムとしての顧客データベースの運用技法を適用した 店舗流通のサポート という側
面をも併せた、 マクロな視点からのダイレクトマーケティング である。筆者は前者
を「ダイレクトオーダー」
、後者を「ダイレクトプロモーション」と呼んでいるが、そ
の全体呼称の「ダイレクトリレーションシップマーケティング」は、実は筆者のオリ
ジナルではない。最初に使ったのはラップ&コリンズ社の創立者スタン・ラップだが、
彼は筆者の言うダイレクトプロモーションのことをそう呼び、ダイレクトオーダーと
合わせた全体を「マキシマーケティング」と名付けている。なお、ダイレクトメール
をDM、ダイレクトマーケティングをDRMと略称して区別している例もあるし、ダイ
レクトマーケティングの レスポンス という面を重視して、それをあえて「ダイレ
クトレスポンスマーケティング」と呼び、その略称としてDRMを使っている例もある。
だった。そうして2001年の夏に、
『進
ケティング という視点から論じた。
化するデータベースマーケティン
しかし、筆者のそのような意図が
グ』
(日経BP社)を出版することに
十分に伝わったかどうかは、残念な
なる。前著「DRM」では情報不足・
がら定かではない。CRMはいまだに、
勉強不十分もあって詳説できなかっ
必ずしもその真の役割が認識されて
たインターネットおよびテレマーケ
いないレベルのまま、耳に心地良い
ティングにもかなり言及し、それら
経営キーワードとして使われるよう
とCRMを、 顧客 を中軸に据えた
になっていると感じるのは、筆者だ
関係性 と 継続性 重視のマー
けだろうか。
CRM関連の本も多数出版された
が、筆者にとってはどれも、いまひ
とつシックリとこなかった。顧客デ
ータは既に存在する、あるいは顧客
情報は獲得できて当然という前提で
の情報処理・管理・分析理論にはな
っているが、 どうやって顧客情報
を獲得するのか 、 顧客情報の分析
による発見をどうやって収益に結び
付けるのか という、マーケティン
グにおいて最も肝心でしかも簡単で
はない部分の具体的な方法論に触れ
(左)シアトル郊外のマイクロソフト本社16号館館内から
中庭を望む
(上)ニューオーリンズのDMA96年年次大会展示ホールの
TMJブースとスタッフ
(下)ラスベガスの97COMDEX展示ホール
ていなかったからである。
そこで痛感したのは、マーケティ
ング全体の中での CRM という戦
略・技術システムについての位置付
けを明確にし、それを有効化するた
めの方法論を、自分のような立場に
ある者が書く必要があるということ
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の時差をおいて日本に入ってくるの