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News Release
2016 年 3 月 16 日
報道各位
ラサール不動産投資顧問株式会社
「2016
2016 年グローバル不動産投資戦略」調査レポートを発表
世界有数の不動産投資顧問会社であるラサール インベストメント マネージメント インク(本社:米国イリノ
イ州シカゴ、最高経営責任者:ジェフ・ジェイコブソン、以下ラサール)は、主要 30 カ国における不動産
投資の展望「2016 年グローバル不動産投資戦略」を発表し、本日記者説明会を開きました。以下、
「2016 年グローバル不動産投資戦略」の概要をお知らせいたします。
Ⅰ.投資展望
2016
2016 年の投資展望
ここ数年、低成長、低インフレ、低金利の「3 つの低」に代表されるマクロ環境が原動力となって、コア
不動産に「3 つの高」(高水準の資金フロー、高価格、高リターン)がもたらされてきました。今後は資
本市場の変動性(ボラティリティ)が上昇し、2016 年は、「安定的なリターン」と「リスク」が混在する年に
なるでしょう。「安定的なリターン」は、賃料収入の増加や大半の主要市場で進行するファンダメンタル
ズの改善によって生み出される一方、「リスク」は資本市場の変動に大きく起因します。ラサールは、今
後 12 ヶ月間に「3 つの低」が急激に反転する可能性は低いと考えます。ただし、多くの市場が資本市
場サイクルの成熟期に入る中で、今後はサイクルの次の段階、市場後退期へ向けて準備する局面に
入っていることを認識する必要があるでしょう。
推奨投資戦略
推奨投資戦略
不動産価格は、多くの国で 6 年連続して上昇しました。今後は不動産価格が横ばいもしくは下落局
面へと移行し、さらに資本市場の変動性(ボラティリティ)も高まるでしょう。そのような環境の下で、
2016 年にラサールが推奨する戦略は「守り」(=長期的に目指す戦略的アロケーション)と「攻め」(=
短期的な市場変化に乗じる戦略的アロケーション)のバランスをとることです。資本市場サイクルの成
熟期におけるポートフォリオ戦略は、以下の通りです。
1. 長期的な戦略的アロケーションに適さ
長期的な戦略的アロケーションに適さない資産の売却
市場サイクルの成熟期は不動産を売却するには良い時期です。物件のリスク特性が変化したり、
戦略的アロケーション自体が変更して、長期的な戦略に合わなくなった物件は売却を検討すべき
でしょう。
2. レバレッジの引き下げ
市場サイクルの成熟期には、目標リターンを維持しようとしたり、ベンチマーク以上のリターンを狙
ったりして追加的リスクをとりがちです。過剰レバレッジの危険性は、世界金融危機で証明されて
います。市場下落が始まる前にレバレッジを引き下げることによって、その後のエクイティの毀損を
軽減することができます。
3. リスク・シナリオである手元流動性の不足に対する備え
市場サイクルの成熟期には、ポートフォリオマネジメントにおいて、クオリティの高い不動産への投
資・継続保有と、可能な限り手元流動性を確保しておくことが不可欠です。手元流動性を確保して
おけば、市場の下降局面での物件売却を避けることができます。
4. リターンのアップサイドがない代わりに優先株
リターンのアップサイドがない代わりに優先株的ポジションでリターンを
的ポジションでリターンを確保できる仕組み案件
ボラティリティ上昇を伴いながら売買が活況を呈する環境下では、優先株的ポジションでリターンを
確保できる仕組み案件や、リターンのアップサイド(価格上昇)はないものの高い利回りを確保でき
るメザニンローンへの投資が有望です。これらの投資は市場変動リスクを抑制できます。
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5. 「要求リターン」の堅持
新たな投資や保有の継続の是非を判断する際、ハードルレート(要求リターン)を超える場合にの
み投資実行、継続保有を決断することが肝心です。優良インカム不動産にはないリスクが存在す
る場合には、ハードルレート超のリターンを求める必要があります。取得競争がすでに活発化して
いる市場で新規投資する場合、これらの基礎要件の遵守が一段と求められます。
6. 「拡張的コア」戦略
ラサールは一貫して、安定インカムが見込めるコア不動産への大きな資金配分を推奨しています
が、主要市場のコア不動産価格が引き続き上昇する今、Close-to-Core(準コア)戦略※1、Buildto-Core(開発後に長期保有)戦略※2、Future-Core(将来のコア)戦略※3 を含む「拡張的コア」戦
略への配分を増やすことを推奨します。標準的なコア不動産よりも高いリスクを負いますが、最終
的に高クオリティのコア不動産のポートフォリオを形成することができます。
※1 Close-to-Core(準コア)戦略:既にコアと認識されている不動産より相対的に割安な物件を取得
※2 Build-to-Core(開発後に長期保有)戦略:自らコア不動産を開発し長期で保有
※3 Future-Core(将来のコア)戦略:将来において価格が再評価されるコア不動産を先んじて取得
Ⅱ. 地域別投資戦略
2016年以降の不動産市場は、マクロ経済的要因やDTU※4のトレンドが地域、都市、不動産セクター、不
動産の特性に及ぼす影響によって異なります。各国の経済成長率は、引き続き過去平均を下回るもの
の、先進国市場では成長率の急激な失速や景気後退は予想されておらず、不安定要因は新興市場、
中でもブラジルやロシアのようなコモディティに依存する国へ再びシフトしています。
※4 DTU: Demographic/人口動態 Technology/技術革新 Urbanization/都市化
【北米】
米国、カナダ、メキシコの経済、ならびに不動産市場は過去数年間、同じような回復軌道を描いてきまし
たが、今後の回復ペースは異なるでしょう。米国は先進国の中では強い経済成長を遂げており、2016 年
の不動産市場はテナント需要の増加や賃料上昇が継続するでしょう。一方、カナダとメキシコは原油価格
の下落にさらされ、通貨安による貿易収支改善と景気再浮上が待たれる状況です。現在は、カナダとメキ
シコの不動産市場は米国に比べ回復が遅れていますが、2016 年には改善の兆候が出てくるでしょう。ラ
サールが推奨する 2016 年の投資機会は以下の通りです。
米国:
・ 高所得地区で優良学区内にある郊外型賃貸住宅
・ 空室または賃貸借契約の満了が近いオフィスビルのリースアップ
・ 都市部近郊の物流施設
・ ニッチな不動産セクター等
カナダ:
・ 食料品店を核テナントとし、サービス業(医療、政府)のテナントが入居するロードサイド型モールやシ
ョッピングセンター
・ 旧式の物流施設物件を軽工業、地域内配送業者、テクノロジー(フレックス)ユーザーが嗜好する仕
様に改修(リポジショニング)したもの
・ テクノロジー企業が集中し交通利便性の良いエリアにある郊外型オフィスのリポジショニング等
【アジア太平洋地域】
域内やグローバルレベルでの経済リスク増大にもかかわらず、2016 年も不動産投資への豊富な資金流
入と熾烈な取得競争は継続するでしょう。一方、投資家のリスク許容度が低下し、安定インカムを重視し
たコア不動産投資を志向する投資家が増加する可能性があります。長期的には、経済成長、都市化、所
得・消費支出の増加、輸出入や観光産業の成長を背景として、優良不動産の開発機会が現れ続けるで
しょう。ラサールが推奨する 2016 年の投資機会は以下の通りです。
・ 中国、日本、韓国、シンガポールにおける優良な物流施設
・ テナント需要が回復基調にある、オーストラリアと日本の一部都市のオフィス
・ ディフェンシブ・コア戦略として、オーストラリアや日本における、良好な商圏を有し、生活必需品を扱
うテナントを核テナントとする商業施設
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若年層の労働者が流入する東京と大阪の賃貸住宅
オフィス市況が回復中の都市におけるリースアップやリポジショニング
オーストラリアを中心に、コア投資家が向かう市場に先んじて投資してキャピタルゲインを狙う戦略
オーストラリアと日本のホテル等
【欧州】
欧州主要都市(ロンドン、パリ、ミュンヘン、ストックホルム、ベルリン)では安定インカムが見込めるコア不
動産の利回りは 2007 年の過去最低水準まで低下していますが、インカムリターンを重視する投資家にと
っては、国債利回りや株式のバリュエーションとの比較から、コア不動産は依然として魅力的な投資対象
となっています。物件の取得競争は激化する中で、クロスボーダー取引やポートフォリオ売買の案件数が
増加しており、これは 2016 年も継続するでしょう。ラサールが推奨する投資機会は以下の通りです。
• 学生向け住宅
• ロンドンの新興オフィス地区
• パリ、ベルリン、ミュンヘン、ハンブルグ、アムステルダム、マドリード、バルセロナ、コペンハーゲンとい
った「DTU リッチ」な都市の、各商圏内の一番店、供給制限の強いエリアの優良都市型ショッピングセ
ンター、成長性の高い都市における目抜き通りの商業施設
• ドイツとオランダの賃貸住宅
• 都市再生や用途変更に関連したエリア
• パリ、ベルリン、ミュンヘン、ハンブルグのオフィス改修
• ホテルやサービスアパートメントへの長期投資
• ポーランドとチェコにおける物流施設の開発、陳腐化したショッピングセンターの改修等
Ⅲ.総括
不動産投資市場が活況を呈し、市場サイクルの成熟期を迎える中で、世界経済が直面するリスクや不確
実性に伴ってボラティリティが高まっています。投資家が次の市場後退期に備える必要性が生じているこ
とから、ラサールは「守り」と「攻め」のバランスがとれたポートフォリオの構築を推奨します。さらに、ラサー
ルが過去数年間繰り返し強調している DTU という世の中のトレンドは、不動産のテナント需要に長期的
な影響を及ぼす強力な要因であり、市場サイクルを超えてリターンを高めるでしょう。また、リスク・マネジメ
ントの重要性を再度確認することも必要です。ポートフォリオ・レベルにおける投資市場・物件の集中リス
ク、空室リスク、テナントのクレジットリスク、ボラティリティの高い不動産セクターへの配分比率など、不動
産特有のリスク要因を定期的に確認し、各種リスクを許容可能な水準に抑制するか、場合によっては物
件売却によってリスクを排除することも必要となるでしょう。
ラサール インベストメント マネージメントについて
ラサール インベストメント マネージメントは、世界有数の不動産投資顧問会社です。世界規模で、私募、公募の不動産投
資活動、負債性投資をしており、総運用資産残高は約 572 億米ドル(2015 年 6 月末現在)。主要顧客は、世界の公的年
金基金、企業年金基金、保険会社、政府関連、企業、その他基金(大学基金他)などで、世界中の機関や個人投資家の
資金管理を行い、セパレートアカウント型投資、オープンエンド型ファンド、クローズドエンド型ファンド、公募証券、エンティ
ティレベル投資等の手法で投資を行っています。また、世界最大級の総合不動産サービス企業であるジョーンズ ラング ラ
サール グループ(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)傘下にあります。なお、ラサール不動産投資顧問株式会社は、ラサ
ール インベストメント マネージメントの日本法人です。詳しい情報は、www.lasalle.com をご覧ください。
本件に関するお問い合わせ先
広報担当(エイレックス) 村瀬亜以
電話 03-3560-1289 メール [email protected]