がんの治療成績

相澤病院におけるがん治療症例に関する統計調査
2010 年版
1.臓器がん登録の生存率解析 (対象症例:各診療科における手術症例)
1)胃がん
外科手術………………………………………………………………………………p.3
2)大腸がん
外科手術………………………………………………………………………………p.5
3)肝がん…………………………………………………………………………………p.7
4)乳がん…………………………………………………………………………………p.9
5)膀胱がん………………………………………………………………………………p.11
6)肺がん…………………………………………………………………………………p.13
7)腎がん…………………………………………………………………………………p.15
8)腎盂尿管がん…………………………………………………………………………p.17
2.院内がん登録の生存率解析 (対象症例:当院で治療した症例)
注:手術症例だけではなく、抗がん剤や放射線による治療を含むため、同じ臓器でも臓
器がん登録の生存率と異なる値となります。
1)胃がん…………………………………………………………………………………p.20
2)大腸がん………………………………………………………………………………p.22
3)肺がん…………………………………………………………………………………p.24
4)乳がん…………………………………………………………………………………p.26
5)肝がん…………………………………………………………………………………p.28
6)膵臓がん………………………………………………………………………………p.29
7)前立腺がん……………………………………………………………………………p.31
8)膀胱がん………………………………………………………………………………p.33
9)甲状腺がん……………………………………………………………………………p.35
1
臓器がん登録編
2
胃がんの5年生存率
データ:2001/4~2009/12、観察終了日:2010/1/10、計620症例
調査対象:当院で初回手術(開腹手術或は腹腔鏡手術)を受けた胃がん患者。
調査対象に対する消息判明率:99.7%
(単位:%)
ステージ
(規約第13版)
症例数
1年
2年
3年
4年
5年
学会平均
(365日)
(730日)
(1095日)
(1460日)
(1825日)
5年生存率*
ⅠA
279
98.1
96.7
94.7
92.8
92.0
93.4
ⅠB
95
96.5
96.5
88.5
88.5
80.5
87.0
Ⅱ
60
96.5
92.3
87.4
78.6
74.9
68.3
ⅢA
67
95.0
80.1
69.5
55.9
55.9
50.1
ⅢB
30
78.3
62.7
44.3
29.5
24.6
30.8
Ⅳ
89
71.1
41.2
26.5
18.9
13.5
16.6
全体
620
92.4
84.4
77.5
72.4
69.5
73.7
*:日本胃癌学会全国登録1991年症例より
注:開腹手術とは
一般的な手術方法でお腹を切って行う手術となります。
腹腔鏡手術とは
炭酸ガスで腹部を膨らませて、腹腔鏡を腹部の中に入れその画像を見ながら小さな孔から器具
出処:国立がんセンターがん対策情報センター
を入れて手術を行います。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
胃がんの生存曲線
(データ:2001/4~2009/12、観察終了日:2010/1/10、計620症例)
100%
ⅠA(279例)
92.0%
90%
ⅠB(95例)
80.5%
80%
Ⅱ(60例)
74.9%
70%
60%
生
存
率 50%
(%)
ⅢA(67例)
55.9%
40%
ⅢB(30例)
24.6%
30%
20%
Ⅳ(89例)
13.5%
10%
0%
0
365
730
生存日数(日)
stage-ⅠA stage-ⅠB stage-Ⅱ
3
1095
(3年)
1460
stage-ⅢA stage-ⅢB stage-Ⅳ
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
胃がんの病期分類
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英
語をそのまま用いてステージともいいます。説明な
どでは、「ステージ」という言葉が使われることが多
いかもしれません。1~4の病期に分けますが、ロ
ーマ数字が使われています。I 期(IA、IB)、II 期、III
期(IIIA、IIIB)、IV 期に分類されています。病期は、
がんが胃の壁の中にどのくらい深くもぐっているの
か(深達度)、リンパ節や他の臓器への転移がある
かどうかによって決まります。病期によって治療方
法が決まっています。
がんの深さが粘膜下層までのものを「早期胃が
ん」、深さが粘膜下層を越えて固有筋層より深くに
及ぶものを「進行胃がん」といいます。がんが胃の
壁の内側から外側に向かって深く進むに従い、転
移することが多くなります。病期は治療前の検査に
よって決まりますが、手術のときに転移などが見つ
かれば、変更されることもあります。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
リンパ節
深さ・転移
胃を養う血管に
さらに遠くのリ
沿ったリンパ節
ンパ節に転移
に転移がある
がある
ⅠB
Ⅱ
Ⅳ
ⅠB
Ⅱ
ⅢA
Ⅳ
Ⅱ
ⅢA
ⅢB
Ⅳ
ⅢA
ⅢB
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
リンパ節への転
胃に接したリンパ
移がない
節に転移がある
ⅠA
がんの浸潤が粘膜(M)また
は粘膜下組織(SM)にとどま
るもの
がんの浸潤が粘膜下組織を
超えているが、固有筋層
(MP)または漿膜下組織(SS)
にとどまるもの
がんの浸潤が漿膜下組織を
超えて漿膜に接しているか、
またはこれを破って遊離腹腔
に露出しているもの(SE)
がんの浸潤が直接多臓器ま
で及ぶもの(SI)
肝、肺、腹膜など遠くに転移
している
日本胃癌学会編「胃がん治療ガイドラインの解説(一般用)」(金原出版)より一部改変
4
大腸がんの5年生存率
データ:2001/4~2009/12、観察終了日:2010/1/10、計1007症例
調査対象:当院で初回手術(開腹手術或は腹腔鏡手術)を受けた大腸がん患者。
(単位:%)
調査対象に対する消息判明率:100%
ステージ
(規約第13版)
症例数
1年
2年
3年
4年
5年
学会平均
(365日)
(730日)
(1095日)
(1460日)
(1825日)
5年生存率*
0
54
100
97.6
97.6
97.6
97.6
94.3
Ⅰ
222
99.0
97.4
96.1
93.5
90.3
90.6
Ⅱ
314
98.2
94.4
88.9
84.5
81.8
81.2
ⅢA
195
97.8
94.1
87.6
80.0
74.4
71.4
ⅢB
80
98.9
82.8
62.90
56.3
50.6
56.0
Ⅳ
127
77.5
52.0
33.1
28.4
25.5
13.2
全体
1007
95.1
89.0
82.1
77.6
74.2
69.9
*:大腸癌研究会・大腸癌全国登録 1991~1994年度症例より
注:開腹手術とは
一般的な手術方法でお腹を切って行う手術となります。
腹腔鏡手術とは
炭酸ガスで腹部を膨らませて、腹腔鏡を腹部の中に入れその画像を見ながら小さな孔から器具
を入れて手術を行います。
出処:国立がんセンターがん対策情報センター
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
大腸がんの生存曲線
(データ:2001/4~2009/12、観察終了日:2010/1/10、計1007例)
0(54例)
97.6%
100%
90%
Ⅰ(222例)
90.3%
Ⅱ(314例)
81.8%
80%
ⅢA(195例)
74.4%
70%
60%
生
存 50%
率
ⅢB(80例)
50.6%
40%
30%
Ⅳ(127例)
25.5%
20%
10%
0%
0
365
730
日数
stage-0
stage-I
1095
(3年)
stage-Ⅱ stage-ⅢA stage-ⅢB stage-Ⅳ
5
1460
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
大腸がんの病期分類
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いて“ステージ”ともいいま
す。説明などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多いかもしれません。大腸がんで
は、0 期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に分類されています。
病期はがんの大きさではなく、大腸の壁の内にがんがどの程度深く入り込んでいるか(深達
度)、周囲組織への拡がり(浸潤)の程度、およそリンパ節への転移や肝臓・肺などの遠隔臓
器への転移の有無によって決まります。病期によって治療方法が決まっています。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
6
肝がんの5年生存率
データ:2001/6~2007/1、観察終了日:2010/1/10、計137症例。
調査対象:当院で初回治療(肝動脈塞栓術(TAE)或はラジオ波凝固治療(RFA))
を受けた肝がん患者。調査対象に対する消息判明率:99.3%
(単位:%)
ステージ(規約第4版)
症例数
1年
2年
3年
4年
5年
Ⅰ
13
92.9
78.6
50.0
28.6
28.6
Ⅱ
49
83.7
73.5
55.1
40.8
31.9
Ⅲ
52
73.1
40.4
17.3
15.4
12.8
ⅣA
19
31.6
31.6
26.3
17.5
8.8
全体
137
67.3
49.3
32.0
23.2
18.1
注:肝動脈塞栓術(TAE)とは
がんに酸素を供給している血管を人工的にふさぎ、がんを兵糧攻めにする治療法です。
ラジオ波凝固治療(RFA)とは
特殊な針を体外から肝がんへ挿し込み、通電することにてその針の先端部分から熱が発生し、
がんを焼灼する治療法です。
国立がんセンターがん対策情報センターより引
用
肝がんの生存曲線
(データ:2001/6/5~2007/1/9、観察終了日:2010/1/10、計138症例)
100%
90%
80%
70%
60%
生
存
50%
率
(%)
Ⅱ(49例)
36.4%
40%
30%
Ⅰ(14例)
28.6%
Ⅲ(52例)
15.4%
20%
10%
ⅣA(19例)
8.8%
0%
0
365
730
1095
1460
1825
生存日数(日)
stage-Ⅰ
stage-Ⅱ
7
stage-Ⅲ
stage-ⅣA
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
肝がんの病期分類
肝がんの病期は一般に、がんの大きさ、個数、がん細胞が肝臓内にとどまっているか、体のほ
かの部分まで広がっているかによって分類されます。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
8
乳がんの5年生存率
データ:2001/1~2007/1、観察終了日:2010/1/10、計269症例
調査対象:当院で初回手術(乳房切除術或は乳房部分切除手術)を受けた乳がん患者
調査対象に対する消息判明率:99.6%
(単位:%)
症例数
1年
(365日)
2年
(730日)
3年
(1095日)
4年
(1460日)
5年
(1825日)
0
22
95.5
95.5
95.5
95.5
95.5
Ⅰ
86
100
96.5
94.2
94.2
94.2
ⅡA
72
100
100
97.2
95.6
91.4
ⅡB
39
97.4
92.3
89.7
86.8
86.8
ⅢA
13
92.3
92.3
84.6
84.6
84.6
ⅢB
27
100
85.2
81.5
77.6
77.6
ⅢC
5
100
100
100
100
100
Ⅳ
5
80
60
60
60
30
全体
269
98.5
94.8
92.2
90.9
89.2
ステージ
(規約第16版)
注:乳房切除術(全乳房切除術、胸筋温存乳房切除術)と乳房部分切除手術との説明について
・乳房切除術
全乳房切除術:がんのできた側の乳房を全部切除し、わきの下のリンパ節の切除は行わない場合をいいます。
胸筋温存乳房切除術:乳房とわきの下のリンパ節を切除します。(この術式が最も一般的な乳がんの手術方法です )
・乳房部分切除手術はしこりを含めた乳房の一部分を切除する方法で、「乳房温存手術」と呼ばれます。
出処:国立がんセンターがん対策情報センター
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
乳がんの生存曲線
(データ:2000/12/27~2007/01/09、観察終了日:2010/1/10、計269症例)
100%
90%
80%
70%
60%
生
存
率 50%
(%)
40%
30%
20%
10%
0%
0
365
730
生存日数(日)
1095(3年)
1460
0期(22例) Ⅰ期(86例) ⅡA期(72例)ⅡB期(39例) ⅢA期(13例) ⅢB期(27例) ⅢC期(5例) Ⅳ期(5例)
95.5%
94.2%
91.4%
86.8%
84.6%
77.6%
100%
30%
stage-0
stage-I
stage-ⅡA
stage-ⅡB
stage-ⅢA
stage-ⅢB
stage-ⅢC
stage-Ⅳ
9
1825(5年)
生存率の解析方法は
カプラン・マイヤー法
乳がんの病期分類
乳がんという診断がついた場合、がんが乳腺の中でどの程度拡がっているか、遠隔臓器に転移
しているかについての検査が行われます。乳がんの拡がり、すなわち乳房のしこりの大きさ、乳腺
の領域にあるリンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって大きく5段階の臨床病期(ステージ)
に分類され、この臨床病期に応じて治療法がかわってきます。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
リンパ節
所属リンパ
節転移なし
固定した同側腋窩リンパ節
わきの下のリンパ節と胸骨
可動性の同
移転、または臨床的に腋窩
の内側のリンパ節の両方
側腋窩リンパ
リンパ節移転を認めない場
に転移のある場合。あるい
節移転
合で、臨床的に明らかな同
は鎖骨の上下にあるリンパ
側胸骨傍リンパ節転移
節に転移がある場合。
深さ・転移
乳管内癌
(非浸潤がん)
しこりの大きさが
2cm 以下の腫瘍
0
該当なし
該当なし
該当なし
Ⅰ
ⅡA
ⅢA
ⅢC
ⅡA
ⅡB
ⅢA
ⅢC
ⅡB
ⅢA
ⅢA
ⅢC
ⅢB
ⅢB
ⅢB
ⅢC
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
しこりの大きさが
2cm を超えるが
5cm 以下の腫瘍
しこりの大きさが
5cm を超える腫瘍
腫瘍の大きさに関
係なく、胸壁または
皮膚への直接進展
を示す腫瘍
遠隔転移している
10
膀胱がんの3年生存率
データ:2000/10~2007/1、観察終了日:2010/1/10、計124症例。
調査対象:当院で初回治療(経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)或は膀胱全摘
除術)を受けた膀胱がん患者。調査対象に対する消息判明率:100%
(単位:%)
症例数
1年
(365日)
2年
(730日)
3年
(1095日)
0is
5
100
80
80
0a
84
98.8
96.4
92.9
Ⅰ
25
88.0
84.0
72.0
Ⅱ
5
80
40
40
Ⅳ
4
50
25
25
全体
124
94.4
88.7
83.9
ステージ
(規約第3版)
注:経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)とは
膀胱内に特殊な膀胱鏡を入れて内視鏡で確認しながら、電気メスでがん組織を切除する方法です。
膀胱全摘除術とは
がんの浸潤度が高く、TUR-BTで不十分な時にはこの手術が必要です。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
膀胱がんの生存曲線
(データ:2000/01/31~2010/01/08、観察終了日:2010/1/10、計124症例)
Ⅲ(1例)
100%
0a(84例)
92.9%
100%
90%
0is(5例)
80%
80%
70%
Ⅰ(25例)
72.0%
60%
生
存
率 50%
(%)
Ⅱ(5例)
40%
40%
Ⅳ(4例)
25%
30%
20%
10%
0%
0
365
730
1095
生存日数(日)
stage-0is
stage-0a
stage-Ⅰ
11
stage-Ⅱ
stage-Ⅲ
stage-Ⅳ
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
膀胱がんの病期分類
リンパ節
深さ・転移
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉
リンパ節また
の臓器に転移
は他の臓器
を認めない
に転移がある
0
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
膀胱の内側の粘膜に
で、英語をそのまま用いて“ステージ”ともいい
とどまる(上皮内が
ます。説明などでは。「ステージ」という言葉が
ん、表在性がん)
使われることが多いかもしれません。0~4 の
膀胱の粘膜下層に達
病期に分けますが、ローマ数字が使われま
している
す。病期は、がんがどのぐらい深く入り込んで
リンパ節や他
筋層の半分にとどまる
筋層の半分を超えて
いるか(深達度:Tis~T4)、リンパ節や他の臓
いる
器への転移があるかどうかで決まります。画
筋層を超えて膀胱壁
像診断と膀胱粘膜生検による組織検査の結
の外側に出ている(顕
微鏡上)
果に基づいて診断した病期と異型度によって
筋膜を超えて膀胱壁
治療方法が決まっていきます。
の外側に出ている(肉
眼で)
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
前立腺、子宮、膣に及
んでいる
骨盤壁または腹壁ま
で浸潤している
膀胱癌のタイプ
12
2005 年 7 月~2007 年 1 月当院で手術した患者の追跡調査
(2010 年ファローアップ調査)
当院における肺癌の生存率解析
(2010年FU調査後。臓器がん登録、調査基準日:2010/1/10)
ステージ
(UICC)
経過年数:3年超え
経過年数:5年超え
3年まで
の生存状態
5年まで
の生存状態
患者
数
生
存
死
亡
脱
落
患者
数
生
存
死
亡
脱
落
3年
生存率
(%)
ⅠA
8
8
0
0
0
0
0
0
100
ⅠB
1
1
0
0
0
0
0
0
100
ⅡA
4
4
0
0
0
0
0
0
100
ⅡB
1
0
1
0
0
0
0
0
0
ⅢA
3
2
1
0
0
0
0
0
66.7
合計
17
16
1
0
13
5年
生存率
(%)
備考
原病死:1人
肺がんの病期分類
胸部の解剖図
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、
英語をそのまま用いてステージともいいます。説
明などでは、「ステージ」という言葉が使われるこ
とが多いかもしれません。病期には、ローマ数字
が使われ、肺がんでは、Ⅰ期(ⅠA、ⅠB)、Ⅱ期
(ⅡA、ⅡB)、Ⅲ期(ⅢA、ⅢB)、Ⅳ期に分類され
ています。肺がんでは、がんの大きさ、がんがど
こまで広がっているか、リンパ節または肺の中の
他の場所や脳や肝臓、副腎、骨などへの転移が
あるかどうかによって病期が決められています。
病期によって治療方法の選択肢が決まってい
ます。病期は治療前の検査によって決まります
が、手術のときに転移などが見つかれば、変更さ
れることもあります。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
リンパ節への転移、
他の臓器への
大きさ・広がり
転移
原発巣*にとどまってお
り、3cm 以下
リンパ節
肺門リン
縦隔のリン
反対側の肺のリンパ
肺の中の他の場所、
への転移
パ節に転
パ節に転移
節や首の付け根のリン 脳、肝臓、副腎、骨な
がない
移がある
がある
パ節に転移がある
どへ転移がある
ⅠA
ⅡA
ⅢA
ⅢB
Ⅳ
ⅠB
ⅡB
ⅢA
ⅢB
Ⅳ
ⅡB
ⅢA
ⅢA
ⅢB
Ⅳ
ⅢB
ⅢB
ⅢB
ⅢB
Ⅳ
原発巣にとどまってい
るが、3cm を超える、
または主気管支へ広
がるが気管分岐部か
ら 2cm 以上離れている
胸壁・胸膜・横隔膜・心
膜などに広がってい
る、または主気管支へ
の広がりが気管分岐
部から 2cm 未満
縦隔・心臓などへの広
がり、胸膜への播種
**
、悪性胸水***が見ら
れる
*原発巣:最初にがんになった病変部のこと
**播種:がんが直接広がるのではなく、ばらまかれたように広がること
***悪性胸水:胸水のなかにがん細胞がみられること
日本肺癌学会 編.「臨床・病理 肺癌取り扱い規約 2003年10月(改訂第6版)」(金原出版)より一部改変
14
2003 年 7 月~2007 年 1 月当院で手術した患者の追跡調査
(2009 年ファローアップ調査)
当院における腎癌の生存率解析
(2010年FU調査後。臓器がん登録、調査基準日:2010/1/10)
経過年数:3年超え
ステージ
(UICC)
患者
数
3年まで
の生存状態
生
存
死
亡
脱
落
経過年数:5年超え
患者
数
5年まで
の生存状態
生
存
死
亡
脱
落
3年
生存率
(%)
5年
生存率
(%)
Ⅰ
17
15
2
0
10
8
2
0
88.2
80
Ⅱ
1
1
0
0
1
1
0
0
100
100
Ⅲ
2
2
0
0
2
2
0
0
100
100
Ⅳ
2
1
1
0
1
0
1
0
50
0
合計
22
19
3
0
14
11
3
0
15
備考
他病死:2人
原病死:1人
腎がん(腎細胞がん)の病期分類
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいいます。説明
などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多いかもしれません。1~4の病期に分けますが、
ローマ数字が使われ、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に分類されています。病期は、がんの大きさや周辺
の組織のどこまで広がっているか、リンパ節や他の臓器への転移があるかどうかで決まります。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
転移
広がり
直径 4cm 以下で腎臓内
にとどまる
直径 4~7cm で腎臓内に
とどまる
直径 7cm 以上で腎臓内
にとどまる
副腎または周囲の脂肪
組織まで及んでいる
リンパ節や他の
他の臓器に転移はないが、 他の臓器に転移がある
臓器に転移を認
所属リンパ節に 1 ヵ所転移
が、所属リンパ節に 2 ヵ所
めない
がある
以上転移がある
Ⅰ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
腎静脈または横隔膜下
の下大静脈内に広がって
いる
横隔膜を越える下大静脈
内に広がっている
ゲロタ筋膜を越えて広が
っている
日本泌尿器科学会/日本病理学会/日本医学放射線学会 編.「腎癌取扱い規約(第3版)」(金原出版)より一部改変
16
2003 年 3 月~2007 年 1 月当院で手術した患者の追跡調査
(2009 年ファローアップ調査)
当院における腎盂・尿管癌の生存率解析
(2010年FU調査後。臓器がん登録、調査基準日:2010/1/10)
経過年数:3年超え
ステージ
(UICC)
患者
数
3年まで
の生存状態
生
存
死
亡
脱
落
経過年数:5年超え
患者
数
5年まで
の生存状態
生
存
死
亡
脱
落
3年
生存率
(%)
5年
生存率
(%)
備考
0a
4
3
1
0
2
1
1
0
75
50
Ⅰ
1
1
0
0
1
1
0
0
100
100
Ⅱ
1
0
1
0
1
0
1
0
0
0
原病死:1人
Ⅲ
3
1
2
0
2
0
2
0
33.3
0
原病死:1人
Ⅳ
3
2
1
0
3
2
1
0
66.7
66.7
原病死:1人
合計
12
7
5
0
9
4
5
0
17
腎盂・尿管がんの病期分類
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいいます。説明
などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多いかもしれません。1~4の病期に分けますが、
ローマ数字が使われ、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に分類されています。病期は、がんの大きさや周辺
の組織のどこまで広がっているか、リンパ節や他の臓器への転移があるかどうかで決まります。病
期によって治療方法を選択しますが、必ずしも治療前のステージが正しいとは限りません。手術を行
って摘出した組織を顕微鏡で調べる組織検査の結果が、術前の画像診断と必ずしも一致しないこと
もあるからです。その場合は、組織検査の結果に従ってその後の治療を選択します。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
転移
広がり
リンパ節や他の臓器に転移
リンパ節または他の臓器に転
を認めない
移がある
がんが腎盂・尿管の内側の粘膜にとどま
る(表在がん)
がんが腎盂・尿管の粘膜から下の層に達
している
がんが腎盂・尿管の粘膜を越えて広が
り、筋肉の層に及んでいる
がんが腎盂・尿管の筋肉を越えて外側の
層、または腎臓に及んでいる
がんが腎臓のまわりの脂肪の層に広が
っている
0
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
日本泌尿器科学会/日本理学会 編.「泌尿器科・病理 腎盂・尿管癌取扱い規約(第2版)」(金原出版)より一部改変
18
院内がん登録編
19
胃がんの5年生存曲線(院内がん登録)
調査対象:2005/01/01~2007/01/10、合計216例
0期(6例)
100%
100%
90%
Ⅰ期(125例)
90.7%
80%
Ⅱ期(13例)
76.9%
70%
60%
Ⅲ期(25例)
48.0%
生
存
50%
率
(%)
40%
30%
20%
10%
Ⅳ期(47例)
4.0%
0%
0
365
730
生存日数(日)
stage-0
stage-Ⅰ
stage-Ⅱ
20
1095
(3年)
stage-Ⅲ
1460
stage-Ⅳ
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
胃がんの病期分類
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英
語をそのまま用いてステージともいいます。説明
などでは、「ステージ」という言葉が使われることが
多いかもしれません。1~4の病期に分けますが、
ローマ数字が使われています。I 期(IA、IB)、II 期、
III 期(IIIA、IIIB)、IV 期に分類されています。病期
は、がんが胃の壁の中にどのくらい深くもぐってい
るのか(深達度)、リンパ節や他の臓器への転移
があるかどうかによって決まります。病期によって
治療方法が決まっています。
がんの深さが粘膜下層までのものを「早期胃が
ん」、深さが粘膜下層を越えて固有筋層より深くに
及ぶものを「進行胃がん」といいます。がんが胃の
壁の内側から外側に向かって深く進むに従い、転
移することが多くなります。病期は治療前の検査
によって決まりますが、手術のときに転移などが
見つかれば、変更されることもあります。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
リンパ節
所属リンパ節への
1-6 個の所属リ
7-15 個の所属リン
16 個以上の所属
転移がない
ンパ節転移
パ節転移
リンパ節転移
ⅠA
ⅠB
Ⅱ
Ⅳ
固有筋層に浸潤する腫瘍
ⅠB
Ⅱ
ⅢA
Ⅳ
漿膜下層に浸潤する腫瘍
ⅠB
Ⅱ
ⅢA
Ⅳ
Ⅱ
ⅢA
ⅢB
Ⅳ
ⅢA
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
深さ・転移
粘膜固有層(粘膜層)に浸潤
していない上皮内癌
粘膜固有層(粘膜層)または
粘膜下層に浸潤する腫瘍
0
漿膜(臟側腹膜)に浸潤して
いるが、隣接臓器にまで浸潤
していない腫瘍
隣接臓器にまで浸潤している
腫瘍
肝、肺、腹膜など遠くに転移
している
UICC 第 6 版
21
大腸がんの5年曲線(院内がん登録)
調査対象:2005/01/01~2007/01/10、合計319例
0期(57例)
96.5%
100%
Ⅰ期(89例)
93.6%
90%
80%
Ⅱ期(72例)
78.0%
70%
Ⅲ期(66例)
65.1%
60%
生
存
率 50%
(%)
40%
Ⅳ期(35例)
22.3%
30%
20%
10%
0%
0
365
730
1095
(3年)
生存日数(日)
stage-0 stage-Ⅰ stage-Ⅱ stage-Ⅲ stage-Ⅳ
22
1460
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
大腸がんの病期分類
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いて“ステージ”ともいいます。説明な
どでは、「ステージ」という言葉が使われることが多いかもしれません。大腸がんでは、0 期、Ⅰ期、Ⅱ期、
Ⅲ期、Ⅳ期に分類されています。
病期はがんの大きさではなく、大腸の壁の内にがんがどの程度深く入り込んでいるか(深達度)、周囲
組織への拡がり(浸潤)の程度、およそリンパ節への転移や肝臓・肺などの遠隔臓器への転移の有無
によって決まります。病期によって治療方法が決まっています。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
リンパ節
深さ・転移
上皮内腫瘍または粘膜固有層に浸
潤
所属リンパ節への転移
1-3 個の所属リン
4 個以上の所属リン
がない
パ節転移
パ節転移
0
粘膜下層に浸潤する腫瘍
Ⅰ
ⅢA
ⅢC
固有筋層に浸潤する腫瘍
Ⅰ
ⅢA
ⅢC
ⅡA
ⅢB
ⅢC
ⅡB
ⅢB
ⅢC
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
固有筋層をこえ、漿膜下層または腹
膜被覆のない傍結腸あるいは傍直
腸組織に浸潤する腫瘍
直接他臓器または他組織に浸潤す
る腫瘍、および/または臓側腹膜を
貫通する腫瘍
肝、肺、腹膜など遠くに転移している
UICC 第 6 版
23
肺がんの5年生存曲線(院内がん登録)
調査対象:2004/12/22~2007/01/10、合計70例
100%
Ⅱ期(2例)
100%
90%
Ⅰ期(16例)
75%
80%
70%
60%
生
存
50%
率
(%)
40%
30%
20%
Ⅲ期(13例)
15.4%
10%
Ⅳ期(39例)
5.1%
0%
0
365
730
生存日数(日)
stage-Ⅰ
stage-Ⅱ
24
1095
(3年)
stage-Ⅲ
stage-Ⅳ
1460
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
肺がんの病期分類
胸部の解剖図
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、
英語をそのまま用いてステージともいいます。説
明などでは、「ステージ」という言葉が使われるこ
とが多いかもしれません。病期には、ローマ数字
が使われ、肺がんでは、Ⅰ期(ⅠA、ⅠB)、Ⅱ期
(ⅡA、ⅡB)、Ⅲ期(ⅢA、ⅢB)、Ⅳ期に分類され
ています。肺がんでは、がんの大きさ、がんがど
こまで広がっているか、リンパ節または肺の中の
他の場所や脳や肝臓、副腎、骨などへの転移が
あるかどうかによって病期が決められています。
病期によって治療方法の選択肢が決まってい
ます。病期は治療前の検査によって決まります
が、手術のときに転移などが見つかれば、変更さ
れることもあります。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
リンパ節への転移、
他の臓器への
大きさ・広がり
転移
原発巣*にとどまっており、
3cm 以下
リンパ節
への転移
がない
肺門リン
パ節に
転移が
ある
縦隔のリン
パ節に転
移がある
反対側の肺のリ
肺の中の他の場
ンパ節や首の付
所、脳、肝臓、副
け根のリンパ節
腎、骨などへ転移
に転移がある
がある
ⅠA
ⅡA
ⅢA
ⅢB
Ⅳ
ⅠB
ⅡB
ⅢA
ⅢB
Ⅳ
ⅡB
ⅢA
ⅢA
ⅢB
Ⅳ
ⅢB
ⅢB
ⅢB
ⅢB
Ⅳ
原発巣にとどまっている
が、3cm を超える、または
主気管支へ広がるが気管
分岐部から 2cm 以上離れ
ている
胸壁・胸膜・横隔膜・心膜な
どに広がっている、または
主気管支への広がりが気
管分岐部から 2cm 未満
縦隔・心臓などへの広が
り、胸膜への播種**、悪性
***
胸水 が見られる
*原発巣:最初にがんになった病変部のこと
**播種:がんが直接広がるのではなく、ばらまかれたように広がること
***悪性胸水:胸水のなかにがん細胞がみられること
UICC第6版
25
乳がんの5年生存曲線(院内がん登録)
調査対象:2000/12/27~2007/01/10、合計287例
0期(20例) Ⅰ期(96例)
95%
91.7%
100%
90%
Ⅱ期(116例)
91.5%
80%
Ⅲ期(44例)
74%
70%
60%
生
存
率 50%
(%)
40%
30%
Ⅳ期(11例)
31.8%
20%
10%
0%
0
365
730
stage-0
1095
生存日数(日) (3年)
stage-Ⅰ
stage-Ⅱ
26
stage-Ⅲ
1460
stage-Ⅳ
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
乳がんの病期分類
乳がんという診断がついた場合、がんが乳腺の中でどの程度拡がっているか、遠隔臓器に転
移しているかについての検査が行われます。乳がんの拡がり、すなわち乳房のしこりの大きさ、
乳腺の領域にあるリンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって大きく5段階の臨床病期(ス
テージ)に分類され、この臨床病期に応じて治療法がかわってきます。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
固定した同側腋窩リンパ節
リンパ節
深さ・転移
乳管内癌
(非浸潤がん)
しこりの大きさが
2cm 以下の腫瘍
所属リン
可動性の同
移転、または臨床的に腋窩
パ節転
側腋窩リン
リンパ節移転を認めない場
移なし
パ節移転
合で、臨床的に明らかな同
側胸骨傍リンパ節転移
わきの下のリンパ節と胸
骨の内側のリンパ節の
両方に転移のある場合。
あるいは鎖骨の上下に
あるリンパ節に転移があ
る場合。
0
該当なし
該当なし
該当なし
Ⅰ
ⅡA
ⅢA
ⅢC
ⅡA
ⅡB
ⅢA
ⅢC
ⅡB
ⅢA
ⅢA
ⅢC
ⅢB
ⅢB
ⅢB
ⅢC
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
しこりの大きさが
2cm を超えるが
5cm 以下の腫瘍
しこりの大きさが
5cm を超える腫瘍
腫瘍の大きさに関
係なく、胸壁または
皮膚への直接進展
を示す腫瘍
遠隔転移している
UICC第6版
27
肝がんの5年生存曲線(院内がん登録)
調査対象:2004/12/02~2007/01/10、合計38例
100%
90%
80%
70%
60%
生
存
50%
率
(%)
Ⅰ期(9例)
41.7%
40%
30%
20%
Ⅱ期(11例)
13.6%
Ⅳ期(5例)
0%
10%
Ⅲ期(13例)
7.7%
0%
0
365
730
生存日数(日)
stage-Ⅰ
stage-Ⅱ
1095
(3年)
stage-Ⅲ
1460
stage-Ⅳ
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
肝がんの病期分類
肝がんの病期は一般に、がんの大きさ、個数、がん細胞が肝臓内にとどまっているか、体の
ほかの部分まで広がっているかによって分類されます。
単発で脈管侵襲のない腫瘍
・単発で脈管侵襲を伴う腫瘍
・多発性で最大径が 5cm 以下の腫瘍
・最大径が 5cm をこえる多発腫瘍
・門脈または肝静脈の大分枝に浸潤した腫瘍
・胆嚢以外の隣接臓器に直接浸潤する腫瘍
・肝がん破裂を起こした腫瘍
遠隔転移あり
UICC 第 6 版
28
所属リンパ節への転
所属リンパ節への
移がない
転移あり
Ⅰ
ⅢC
Ⅱ
ⅢC
ⅢA
ⅢC
ⅢB
ⅢC
Ⅳ
Ⅳ
膵がんの5年生存曲線(院内がん登録)
調査対象:2005/01/12~2007/01/10、合計50例
100%
90%
80%
70%
60%
生
存
率 50%
(%)
Ⅰ期(4例)
50%
40%
30%
Ⅱ期(5例)
20%
20%
10%
Ⅳ期(30例)
0%
Ⅲ期(11例)
0%
0%
0
365
730
生存日数(日)
stage-Ⅰ stage-Ⅱ
29
1095
(3年)
stage-Ⅲ
stage-Ⅳ
1460
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
膵臓がんの病期分類
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいいます。説明
などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多いかもしれません。病期には、ローマ数字が
使われ、膵臓がんでは、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に分類されています。病期はがんの大きさや広が
り、リンパ節や他の臓器への転移があるかどうかによって決まります。
基本的に病期によって治療方法を選択しますが、必ずしも治療前のステージが正しいとは限りま
せん。手術を行って摘出した組織の検査結果が、術前の病期診断と必ずしも一致しないこともある
からです。その場合は、組織検査の結果に従ってその後の治療を選択します。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
リンパ節
所属リンパ節への転移
がない
深さ・転移
膵臓内に限局、
最大径 2cm 以下
膵臓内に限局、
最大径 2cm を越える
膵臓を越えて進展
上腸管膜動脈にも腹腔動脈にも進展なし
膵臓を越えて進展
上腸管膜動脈または腹腔動脈にも進展
遠隔転移あり
UICC第6版
30
所属リンパ節への転移あり
ⅠA
ⅡB
ⅠB
ⅡB
ⅡA
ⅡB
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
前立腺癌の5年生存曲線(院内がん登録)
調査対象:2004/08/24~2007/01/10、合計144例
100%
Ⅰ期(2例)
100%
Ⅱ期(117例)
90.7%
90%
Ⅲ期(8例)
85.7%
80%
70%
60%
生
存
率 50%
(%)
Ⅳ期(17例)
44.1%
40%
30%
20%
10%
0%
0
365
730
生存日数(日)
stage-Ⅰ stage-Ⅱ
31
1095
(3年)
stage-Ⅲ
stage-Ⅳ
1460
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
前立腺がんの病期分類
病期とは、がんの進
行の程度を示す言葉
で、英語をそのまま用
いてステージともいいま
す。説明などでは、「ス
テージ」という言葉が使
われることが多いかもし
れません。
ローマ数字が使わ
れ、前立腺がんでは、
Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ
期に分類されていま
す。病期はがんの広が
り、リンパ節や他の臓
器への転移があるかど
うかによって決まりま
す。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
転移
広がり
組織学的に切除組織の 5%以下の偶
リンパ節への転移が
リンパ節への転移が
ない
ある
他の臓器に転移している
Ⅰ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅳ
Ⅳ
前立腺に限局する腫瘍
Ⅱ
Ⅳ
Ⅳ
前立腺被膜をこえて進展する腫瘍
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
発的に発見される高分化型腫瘍
組織学的に切除組織の 5%以下の偶
発的に発見される腫瘍(中分化型、低
分化型)
組織学的に切除組織の 5%を超える偶
発的に発見される腫瘍
針生検により確認される腫瘍(例え
ば、PSA の上昇による)
精嚢以外の隣接組織(膀胱頚部、外
括約筋、直腸、拳筋、または骨盤壁)
に固定、または浸潤する腫瘍
UICC 第 6 版
32
膀胱癌の5年生存曲線(院内がん登録)
調査対象:2004/12/02~2007/01/10、合計38例
100%
0期(30例)
90%
90%
80%
70%
Ⅰ期(7例)
57.1%
60%
生
存
率 50%
(%)
Ⅱ期(2例)
50%
40%
Ⅲ期(3例)
33.3%
30%
20%
10%
Ⅳ期(4例)
0%
0%
0
365
730
stage-0
1095
(3年)
生存日数(日)
stage-Ⅰ
stage-Ⅱ
33
stage-Ⅲ stage-Ⅳ
1460
1825
(5年)
生存率の解析方法はカプラン・マイヤー法
リンパ節や他
リンパ節また
の臓器に転
は他の臓器に
移を認めない
転移がある
0
Ⅳ
Ⅰ
Ⅳ
筋層の半分にとどまる
Ⅱ
Ⅳ
筋層の半分を超えている
Ⅱ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
膀胱がんの病期分類
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉
で、英語をそのまま用いて“ステージ”ともい
リンパ節
深さ・転移
膀胱の内側の粘膜にとど
まる(上皮内がん、表在性
います。説明などでは。「ステージ」という言
がん)
葉が使われることが多いかもしれません。0
膀胱の粘膜下層に達して
~4 の病期に分けますが、ローマ数字が使
いる
われます。病期は、がんがどのぐらい深く入
り込んでいるか(深達度:Tis~T4)、リンパ
筋層を超えて膀胱壁の外
節や他の臓器への転移があるかどうかで決
側に出ている(顕微鏡上)
まります。画像診断と膀胱粘膜生検による
筋膜を超えて膀胱壁の外
組織検査の結果に基づいて診断した病期と
側に出ている(肉眼で)
異型度によって治療方法が決まっていきま
前立腺、子宮、膣に及んで
いる
す。
国立がんセンターがん対策情報センターより引用
膀胱癌のタイプ
骨盤壁または腹壁まで浸
潤している
34
2001 年 8 月~2007 年 1 月当院で治療した患者の追跡調査
当院における甲状腺癌の生存率解析
(2010年FU調査後。院内がん登録、調査基準日:2010/1/10)
経過年数:3年超え
ステー
ジ
(UICC)
患者
数
経過年数:5年超え
3年まで
の生存状態
生
存
死
亡
脱
落
患者
数
5年まで
の生存状態
生
存
死
亡
脱
落
3年
生存
率
(%)
5年
生存
率
(%)
Ⅰ
16
16
0
0
8
8
0
0
100
100
Ⅱ
4
4
0
0
1
1
0
0
100
100
Ⅲ
2
2
0
0
1
1
0
0
100
100
Ⅳ
3
2
1
0
0
0
0
0
66.7
合計
25
24
1
0
10
10
0
0
備考
(院内がん登録の症例)
35