宮古ボランティアNewsLetter No.9

大震災復興支援
札幌教区宮古ベースの活動をお届けする
宮古ボランティア NEWS LETTER No.9
発行
札幌教区サポ―トセンター
2013 年 3 月 31日号
主のご復活、おめでとうございます
2011年3月11日に起きた東日本大震災から 2 年が過ぎました。札幌教区サポート
センターが岩手県宮古市を中心に行っている支援活動も 1 年と 11 ヶ月が経過しました。こ
の間、札幌教区の皆様に支えていただきながら、現地で必要とされている様々な活動を行
っておりますが、前回報告(12 月中旬)以降の活動内容をご報告致します。
◆ 日本の教会の様子
◇ 全教区と修道会宣教会による復興支援(「オールジャパン」)の調整に当たってきた仙台教区サ
ポートセンターの成井大介神父(神言修道会)は 3 年目に向けて「今後も継続的な支援が必要。
被災地につながり続けたいという人たちを受け入れ続けるためにも継続的な募金もお願いした
いと語った。(カトリック新聞より抜粋)
◇ 「東日本大震災発生から二年目にあたり、被災者を悼み復興を祈念するミサ」で菊地司教は「
復興支援で大切なことは、確かに『絆』ではあるが『絆の回復』ではなく、新たな絆を生み出
すことであります。そこに生きる人々と一緒に、同じ時を生きていく兄弟姉妹としての新たな
絆を生み出していくことだと感じております。人間は孤独のうちに生きるのではなく、神に創
造された尊い賜物である生命を頂き、共に助けるものとして共同体を形作っている。そのこと
をあらためて皆が感じることのできる世界、すなわち神の秩序が充満した世界を生み出すこと
が今の私たちの目指すところであろうと信じます。」 (「菊地司教の日記」より引用)
◆ 宮古ベース活動報告
◇
移動カフェの様子
・ 札幌の編み物の会製作のひざ掛け・マフラー・ソックスカバーなどを持参して喜ばれた。
・ 2か所の訪問先で、お昼にラーメンを提供し好評を得る。手芸用のアイロンと、共用ミシンの
要望があり対応を約束。
・ 田鎖では、
「カリタスさんはいつまで活動を続けてくれるのですか?私たちの話を黙って聞いて
くれるし、住民交流の機会にもなるので是非今後も続けてほしい」との言葉も頂く。アイロン
とミシン(札幌Sさんから寄贈)をお渡しした。手芸の幅が広がると喜ばれた。長期ボランテ
ィアの内容や今後の活動などに関して地元紙の取材がありました。
・ 西ケ丘では、
「さをり織り」グループに札幌から送られた糸一箱を差し上げたところ、大変喜ば
れた。次々と人が集まり、カフェ担当は大忙し。
・ 荷竹では、ミシン・アイロン・アイロン台をプレゼント。また、札幌聖心女子学院からのニッ
ト帽のプレゼントに、目を輝かされ、おばあちゃんたちが大変喜ばれる。
・ 児童相談所では、クラフトバックを作る人、病院帰りに寄った人と様々だが楽しいお話が続く。
持参のパウンドケーキ・六花亭のお菓子も大好評。カリタスのコーヒーは世界一(?)らしい。
・ 2/3日(日)は、教会行事に参加。主日ミサ(子どものためのミサ)の後に、「謝肉祭」があ
り宮古教会の皆さんと”美味しい五島牛”
(長崎教区から派遣されている中尾主任司祭からの提
供)を頂く。
・ 本町は、Nさんたち3人による「紙ひも編みかご作り」と、午後はアロママッサージとのコラ
ボ。カリタスは適時お茶出しを行う。
・ 5日間活動した5名の女子大生はここに来て被災の大変さを具体的にイメージ出来るようにな
ったこと、自室で孤独だと言われたことなどを考え、やはり、談話室でお話を聴くことを長く
続けることは必要だとの感想を語る。
◆ 「東日本大震災犠牲者追悼と復興祈願ミサ」
東日本大震災から2周年となった2013年3月11日(月)、北11条教会に於いて「東
日本大震災犠牲者のために祈るー追悼と復興祈願ミサが行われました。
札幌市内及び近郊から平日にもかかわらず、
およそ150名の皆様が参加され、山本孝師、
上杉昌弘師、今田玄吾師、場崎洋師(写真右か
ら)の共同ミサが行われました。神学生3名も
共に典礼に与りました。
地震のあった時間(2時46分)には、説教中
の上杉師が仙台教区の平賀司教からのメッセ
ージを携帯電話で戴き、参列された皆様にお伝
えする場面もありました(写真左)。ごミサの
後、続けて報告会が行われ、100名ほどの方
が参加され、ボランティアに参加した藤大学の学生や岩手県遠野町出身のシスターの言
葉に共感を持って聞いて下さいました。
◆ 2年間を振り返って
(札幌サポートセンターボランティア担当より)
・2011 年 3 月下旬-仙台教区より、札幌教区の申し入れが許可され宮古でのボランティア
拠点を委託される。司教館に札幌教区サポートセンター設置(センター長:加藤師)。2
度、宮古教会との打ち合わせに赴く。マルコ主任司祭の快諾、およびガダルぺ宣教会管
区長の協力を得る。青年一人を仙台に派遣、彼は石巻ベース立上げとリーダーをし、宮
古でも 3 か月まとめ役として活躍(後に神学生となる S 氏)。 ボランティア団体名を「札
幌カリタス」とする。
「カリタスさん」は、後に教会がオールジャパン体制で構える 10
のベースの通称となり被災地で信頼を受け親しまれている。活動の目的が宗教的なのも
のではなく、人道支援であることによる。
・教区内各教会からの募金先を札幌教区サポートセンター(以降、札幌サポセン)へお願
いする。使途は主に札幌サポセンの活動のためと、他団体(カトリック内外問わず必要
な所)への援助。2012 年末までの報告はすでに各教会に配布されている「カリタス通信」
に詳細掲載。この 2 年間で 2300 万円ほど使い、半分が物資支援に、4分の1がボランテ
ィア活動の支援、他は「むすびば」や YMCA などとの共催活動などへ。
・4月 11 日第一陣が宮古教会を宿舎・センターとして借りて活動に入る。宮古の信者、盛
岡の信者さんとも協働する。7 月までは泥掻き中心に主に山田町で働いた。渋滞のため
移動に時間がかかり、
「県外ナンバーの車が復興の妨げに」との記事もあり肩身が狭かっ
た。加藤登紀子コンサート・炊き出しを手伝うこともあったが、多くは疲労する仕事で
女性にはきつかった。昼食はカップラーメンだけの日も。
・4月下旬、後方支援部設置-ボランティアの呼びかけ、派遣、予備研修、フェリー手配、
宮古ベースの統括、社協との連絡、ニーヅを受けて札幌サポセンへ連絡、各小教区への
人・物・募金の依頼。
・宮古教会と幼稚園に共催し、
「分かち合いマーケット」開催。3 百人を超える被災者が長
蛇の列で、北海道各地から、また現地で調達した物資を求められるもすぐに底を付く。
何時間も食料を求めて歩いてきた方もいて急きょ買い出しに走ったり、ボランティアの
弁当や食料を供出する。2013 年 4 月 21 日には 8 回目が開かれる。今では物よりも「皆
さんのことを忘れていない」しるしとなっている。
・7 月下旬から宮古市社会福祉協議会(以下 社協)より、待ち望んでいた市内でのボランテ
ィア活動許可がおりる。ようやく被災者と向き合える活動に入る。仮設住宅訪問を行い
集会室でのカフェを開き、お話を聞きながらニーヅを拾い上げる。社協が場所指定。カ
リタスが来ると人が集まると言われることもあり、互いに知り合っていなくて孤立しが
ちな仮設地に派遣されているようだ。
・9月-宮古ベースまとめ役として W 氏(月寒教会)が入り現在に至る、1 年 7 か月間の長
期ボランティア。また当初から常駐スタッフであった北 1 条の T 氏は昨年秋より宮古市
社協職員となり、専門職として支援活動に入られた。
・夏、冬の学生休暇期間には、天使、藤、光星また、秋田や大阪からも学生ボランティア
が来て賑やかになるが制限を設けねばならず、宿泊所の狭さ不便さが常に問題としてあ
った。札響のボランティアが来ても車中泊を願ったり。また宮古教会の信徒や主任のマ
ルコ神父さんにも犠牲を強いてきた。
・ボランティアは、2 年目を迎えるころから減少している。市からの要請に応えるために
リピートをお願いしたり、自主的に少ない週に入ってくださる方々に支えられている。
・2 年目から、教会の借用を止めた。これは社協の好意により空仮設の 2 室を借りて宿泊
できるようになったから。主任司祭も長崎教区の応援司祭(中尾師)に代わったが、週
の半分は教会で食事をし、教会の信者さんとの連携を切らさないようにしている。毎週
信者さんにお便りを書いて活動を伝えボランティアの出入りも伝える。人が足りない時
には信者さんも参加してくれる。
・活動はほぼ毎日、仮設訪問に集約されてきた。他のボランティア団体が激減する中、カ
リタスが頼りにされる面もある。 支援の内容も、緊急対応の物資援助から、人に寄り
添いながら自立の方向へ見守る方向へ移ってきた。自治会長が置かれるよう励ましたり、
被災者が始める手仕事を応援したり(教会バザーで売ることも)、仮設が共同体的に運営
されるよう相談に乗ったり、愚痴を聞くことも。また数少ない他支援団体との連携にも
配慮することも心がける。「カリタス(神の恵みと愛)性」は、外からの援助ではなく、
地元に根付いて当事者として苦しみを分け合い、仲間となることを目指す。地元の人達
自らが助け合って地域づくりを担えるよう共に考えること。
「遠くから来てくれているん
だから私達も何かしなくちゃ」の声も聞こえてくる。被災しながらも他のために頑張る
人を支えるように心を配る。
・札幌教区サポートセンターは少人数で動いているので、宮古での活動で手いっぱいであ
るが、2012 年夏以降、福島が、オールジャパンの中で問題となってきている。沿岸部の
復興支援とは性質の異なる複雑さがあり、支援の有り方も単純ではない。昨年できた福
島デスクやオールジャパンからの要請にも応えられるように準備していく必要がある。
3 年目に入ります
・仮設の被災者から「かつてはたくさん来ていたのに、今は全く来てくれなくなった。見
捨てないでほしい」「カリタスさんが来ると安心して話せる」「帰らないで」などの声に
励まされ、後方支援部メンバーやボランティアからも「始めたからにはここでは止めら
れない」の声が起こる。
・宮古市社協からは、「2013 年の 3 月で、他県、市町村からの団体はすべて撤退します。
カリタスさんには続けてほしい」。
・他の 9 のカリタスベースはほぼ共通して、1、2 年ではなく少なくとも 5 年の範囲で考え
ているとのこと。特に大阪管区は、支援は 10 年間の視野で必要なことを体験している。
仙台司教は引き続き札幌が担当するよう願われた。
※ 3 年目の活動に入るための以下のような課題があり、取り組んでいます
・ベース担当者:ボランティアをまとめ、宮古市や被災者、札幌サポセンとの連携の要に
なる人
…札幌教区はまとめ役もボランティアですが、経験者の中から人選しお願いします。
・ボランティアの減少:まだ終わっていないし、必要とされていることを知らせ呼びかけ
続ける。
…教会によっては延べ数 10 人、あるいは 1、2 人など偏りがあるのは、呼びかけの有
無やボランティアに行った方が友人を誘うなどによるかもしれません。3 年目、皆
さんもまずは視察のつもりでのぞいてみませんか。11 歳から 82 歳の方までが来て
くださいました。しかし、カリタスが安心されるのは、
「私がやってあげる」態度で
はなく、教会全体の祈りと献金によってみんなの善意を代表して行かせて頂いてい
るとの思いがあるからでしょう。 これからも祈りが最も大切だと感じます、よろ
しくお願いします。
また、札幌中心になりがちですが、釧路、旭川、帯広、室蘭、函館の各地区からも参
加されています。市民の方の参加もあります。交通費は基本的に1万円の自己負担を
超える分は札幌サポセンから援助します。まずは、Fax かメールで申込まれると、係
りの方が電話し、ゆっくり相談に乗りますので、期間、経路、活動内容など不安なこ
とについてお聞きください。相談の後に、具体的に行くことを決定できます。
・泊る所がなくなる: 3月一杯で借りている仮設住宅を市に返します。
…ここ 2 か月宿泊場所を探していましたが、ようやく昨日よい情報が入り、確保でき
そうです。復興が本格的になり業者や被災者も探しているので難しかったですが、
神の計らいにより社協が斡旋してくれたようです。
・盛岡の教会との連携:札幌教区の活動ではなく仙台教区の取り組み、地域との連携が
大切
…1月に説明会を盛岡四ツ谷教会で行いました。また月に一度、他の 9 つのベースと
情報交換し、仙台教区の方針を伺い活動に反映させます。
・今後の見通し:まず 3 年目に力を注ぎますが、仮設から復興住宅に移る頃にも支援が必
要になってきます。
…現在ある募金額(2500 万円ほど)で後 2 年間ほどの活動は維持できますが、まだ募
金口は閉じませんので、各教会などでご無理のない範囲で継続願います。なお、カ
リタスジャパンへの献金もよろしくお願いします(他のベースの活動にも使われて
います)。
◆ 「宮古市での支援活動の今後を考える」
宮古ベース担当 和田真一
被災から 2 年が経ったこの時期、また、ボランティアの住居である松山仮設住宅から
出なければならないといった背景も加わり、多くの仮設の住民からは行くたびに『何と
か帰らないで続けてほしい、ずっーと来てほしい』と言われています。その背景には、
過去皆様のご協力により物的支援を行ってきたことへの期待もあるでしょうが、途切れ
ず訪問してきたことで人間関係ができ、常駐者ではなくても「カリタス」の名でその関
係が維持され、親しんでもらえているからだと思います。
住民からは、謂わば、細くとも長く活動を続けることが期待されているのだと感じて
います。
今のところ、十数カ所の仮設を回っていますので、日に1カ所訪問とするとおよそ2週
に 1 度行くことになりますが、丁度良い訪問頻度だと思われます。あまり多いと、住民
に、我々への気遣いで疲れが生じると思うからです。1カ所の訪問であれば、ボランテ
ィア.は、日々2 ないし 3 人確保できればよいことになり、細くとも長い支援活動を維
持できるのではないでしょうか。
時期的に学生が多く入って複数個所になることはよいでしょう。次代を担う世代に現地
状況を肌で感じてもらう意義は大きいと思われますので。
最近、ボランティアの数が減少傾向ですので、サポートセンターから特定個人にお願
いして行ってもらうことも検討されています。が、やはりボランティア活動は自発的に
参加することが本旨です。
先を見通せず不安を内に秘めながら日々暮らしている皆さんに寄り添い、連帯をお示
しすることは、イエス様が福音書の中で度々呼びかけられていることです。楽しみたい
人と一緒に楽しい時を過ごし、お話したい人に耳を傾け、悲しみを抱える方とはそれを
分かち合う…そんな活動が今の私たちの「移動カフェ」のやり方です。
どうぞ、宮古へいらしてみてください。
◆ 札幌教区サポートセンター
後方支援グループ紹介
他の教区のベースではボランティア活動を支援する組織が現地にありますが、札幌教区
では北海道に後方支援組織を設けています。
宮古での活動を始めた 2011 年 4 月中旬、常駐スタッフがいない中、ボランティア希望者
への対応はすべて担当司祭が札幌から電話で行っていました。これでは神父さまが倒れて
しまう!と危惧した宮古ボランティア経験者有志が集まり、5 月下旬に「後方支援部」を
立ち上げて現在に至っています。
現在のメンバーは 16 名(内、シスター1 名。10 小教区に所属)、主な仕事は次のとおり
です。お手伝い大歓迎です。あなたもいかがですか?
・ボランティアを申し込まれた方への電話連絡
・ボランティアを申し込まれた方へのオリエンテーション
・分かち合いマーケットの物資調達
(毛布 2000 枚を調達した花川教会の Y さん!ありがとうございます)
・緊急支援物資調達
・報告会の実施
・ニュースレターの作成・印刷・発送
・クリスマス・プレゼントの発送 etc.
しかし、これをお読み下さっている皆さんお一人お一人の献金、分かち合いマーケット
への物資提供、東北の物産や仮設で作られた品々の購入などの活動こそ、後方支援に他な
りません。その意味でいわゆる「後方支援部」とは、本当は皆さんの後方支援を現地とつ
ないで支援する部と言えるでしょう。これからも後方支援をよろしくお願いします。
◆ 「第8回
分かち合いマーケット」が開催されます。ご協力下さい!
・日時/場所: 4月21日(日)にカトリック宮古教会で開催します。
・支援物資:【春物・夏物衣料(新品もしくは新品に近い品)】
【タオル、タオルケット、シーツなど】
・期
日: 4月17日(水)までに宮古教会へ直接送ってください。
カトリック宮古教会 〒027-0052 宮古市宮町 1-2-14 TEL
0193-62-3043
◆ご協力のお願い
現在、ボランティアの登録数が少なくなってきています。初めての方々には、事前にオ
リエンテーションを行い、活動内容をご説明しておりますのでご安心下さい。また、札幌
教区サポートセンターの後方支援グループでは、すでにボランティアに行かれた方々に再
度お声をかけさせていただいております。皆様のご協力をどうぞよろしくお願いします。
《 申込・お問い合わせ先 》
札幌教区サポートセンター(札幌司教館内)
Fax:011-221-3668
Tel:011-241-2785
E-mail:officecsd@csd.or.jp