第3号 2011 秋 △ NETISトピックス 平成23年度 推奨技術・準推奨技術の選定 土壌汚染の措置方法および浄化技術の概要 △ △ 新技術レポート 東日本大震災の復旧・復興に資する技術(土壌汚染対策技術) △ △ 着目新技術 東松島市にて撮影 新技術活用システムの簡単解説 △ △ △ NETIS資料室 ∼ACTECが募集した技術情報からの紹介∼ 広告 東日本大震災で被災された皆様、関係の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈り申し上げます。 CONTENTS 第3号 2011 秋 巻 頭 言 継続的な技術の歩みが、より良い明日をつくる ������� 3 国土交通省 技監 佐藤 直良 NETIS トピックス 公共工事等のおける新技術活用システムについて ������ 4 国土交通省 大臣官房 技術調査課 課長補佐 増 竜郎 財団法人 先端建設技術センター 平成 23 年度 推奨技術・準推奨技術の選定��������� 8 ~優れた新技術の活用促進に向けて~ 新技術レポート 土壌汚染の措置方法および浄化技術の概要 �������� 18 (財) 先端建設技術センター企画部 参事 須藤 泰幸 着 目 新 技 術 東日本大震災の復旧・復興に資する技術 (土壌汚染対策技術) � 26 ~ ACTEC が募集した技術情報からの紹介~ 自治体の取組み 「Made in 新潟 新技術普及・活用制度」 ���������� 31 県外への販路拡大支援の取組み~ゴールド技術・プラチナ技術~ 新潟県 土木部 技術管理課 現 場 探 訪 「さがみ縦貫道路」の早期完成を目指して ��������� NETIS 資 料 室 ACTEC事業紹介 表紙写真 東日本大震災にて津波に襲 われた、とある田畑の風景。 路肩にたくましく咲いてい た数輪のひまわりが印象的で あり、頼もしく見える。 被災地の早期復旧、力強い 復興の一助となるよう、我々 先端建設技術センターも努力 したい。 (平成 23 年 8 月 11 日撮影) 34 ~三井住友建設㈱の挑戦~ 新技術活用システムの簡単解説 ������������� 35 ~第3回「掲載期限」について~ NETIS に登録して活用した場合の利点は?�������� 37 NETIS に最近登録された新技術の紹介���������� 42 ~ NETIS 新技術情報提供システム登録申請支援事業~ 先端建設技術センター 建設技術審査証明取得技術の紹介 � 46 ACTEC 先端建設技術センターホームページより 技術情報誌「NETIS プラス」がダウンロードできます。� 52 発行図書・編集後記 1 広告 2 巻頭言 ◉ 継続的な技術の歩みが、より良い明日をつくる 国土交通省 技監 佐藤 直良 この国において私たちは、2000 年以上も、 避難場所で生活物資を分け合うこと、等々、 自然の恩恵を受けつつ、その脅威である災害 基本的なこと、社会システムの大事さを忘れ と闘いながら、災害リスクの克服に努めてき てはならない。つまり、基礎・基本的な知識・ ている。 明治以降の地震災害を例にとっても、 技術と高度な技術、そして、地域内外におけ 明治三陸地震、関東大震災、チリ地震津波、 る相互扶助や支援制度等の社会システムとを 阪神・淡路大震災等、大きな痛手を受けなが 上手く組み合わせ、各地域における安全・安 ら、その時代における技術、社会システムを 心なくらしを守っていく必要がある。 最大限に活用して、地域そして国の復興を進 めてきた。 震災からの復興にあたっては、過去の教訓、 今回の東日本大震災は、未曾有の災害であ る。多くの方々の英知を集め、技術と社会シ ステムを組合せ、今後の国土管理の規範とな そして今回の教訓も含め、これまでの歴史の るような復旧・復興を行っていかなければな 積み重ねの中で、 有用な技術を見つけ出して、 らない。ただし、復旧・復興の時点のみを視 役立てることが必要である。技術は、高度な 点とするだけでは不十分であり、その後の被 技術や新しい技術ばかりでなく、基礎・基盤 災地の情勢が変化していっても、その変化に 的な在来の技術が組み合わさり、その適切な 柔軟に対応し得る技術・システムが必要であ 使い方や制度と相まって効果を最大限に発揮 ることは言うまでもない。 するものである。 この場合に、新しい技術の動向を知るこ 例えば、深夜に突然大きな地震が起こり、電 とは必要不可欠であり、その手段としての 気が止まり、通信手段が途切れるような状況 NETIS は有意義なシステムである。重ねて申 に遭遇した場合、 最優先すべき‘いのち’を守 し上げるが、技術は、技術だけで独り歩きは るためには、何が必要か考えてみる。緊急地 できない。各現場に合った技術を NETIS の 震速報や耐震建築物などの高度な技術により 中から見つけ出し、それを有効に現場に適用 相応の被害抑制効果が見込めるが、それだけ することが大事である。 ではなく、まずは自らの身を守るために、安 我々が今住んでいる社会は、先人達が血の 全な場所を察知し素早く避難できること、或 滲む思いで、 新しい技術を開発し、 その時代の いは、近所の人達と協力し合って、怪我をし 社会システムの中に植え付けてくることによ た人や自力で避難することが困難な子供や高 り、着々と発展を続け、そして、今日に到っ 齢者を安全な場所に誘導できること、 または、 ている。より良い明日をつくるためには、今 孤立した地域への道を迅速に切り啓くこと、 回もその努力を怠ってはならない。 NETIS プラス 第3号 3 ◉ NETIS トピックス 公共工事等における新技術活用システムについて 国土交通省 大臣官房 技術調査課 課長補佐 増 竜郎 1 はじめに ための仕組みです。 (図 -1) 「公共工事等における新技術活用システム」 (以 による技術開発の促進、 優れた技術の創出により、 下「新技術活用システム」 )は、 公共工事に役立つ 公共工事等の品質の確保、良質な社会資本の整備 新技術に関する情報をインターネット上で一元化 に寄与することを目的としています。 新技術の積極的な活用を通じた民間事業者など 新技術活用システムは、平成 10 年度より行政内 する「新技術情報提供システム」(NETIS:New Technology Information System 以下 「NETIS」 ) 部での新技術の情報共有から始まり、平成 13 年度 を中核とし、公共工事を巡る技術開発者、設計 よりインターネット上での一般公開を開始し、平成 者、施工者及び発注者が、技術の紹介、現場での 18 年度には評価を重視したシステムへと見直し、 そ 利用、利用状況を踏まえた評価等の一連の取組を の後の運用状況を受け、平成 22 年度より更なる評 通じて、有用な新技術の積極的な活用を推進する 価の充実を図る等の改善を進めてきています。 申請・登録 活用 事前審査 事後評価 新技術活用方式の分類 新技術 システム 検討会議 (本省) 新技術活用評価会議(各地整) 推薦 推奨技術・準推奨技術 選定 事後評価 ︵5件以上︶ 活用効果調査 直轄工事等での活用 提案 施工者 事務所等 提案技術の妥当性確認 設計比較対象技術・少実績優良技術・活用促進技術 事後評価 ︵1件︶ 試行調査 活用効果調査 ︵発注者の指定によらない場合︶ 施工者の提案による採用 落札者決定・契約 整備局 ・事務所等 書類審査 落札者決定・契約 ︵事前審査未実施技術において、発注者が 技術の妥当性を確認する必要があると判 断した場合に実施︶ 特記仕様書で 技術を指定 落札者決定・契約 特記仕様書で 技術を指定 落札者決定・契約 試行計画 試行現場照会 特記仕様書で 技術を指定 事前審査 整備局・事務所等 技術公募 提案 応札者 (請負契約締結後提案) 自社の請負工事等において、 請 負 者 の 申 請により活 用し、 事後評価を行うタイプ 事前審査 事務所等 NETIS技術 採用検討 発注者 施工者希望型 (総合評価方式における提案) 総合評価方式における技術提 案に基づき活用し、事後評価 を行うタイプ 整備局・事務所等 技術公募 書類審査 応募 事後評価未実施技術 ・ 事後評価済み技術 NETIS登録 申請者︵開発者︶ 発注者指定型 発注者が特記仕様書において NETIS 技術を指定することに より活用し、事後評価を行う タイプ 申請者 フィールド提供型 現場ニーズ等により民間から 新技術の募集を行って、フィー ルドを提供し、事後評価を行 うタイプ 技術公募 事後評価未実施技術 試行申請型 成立性を確認する必要がある 新技術を対象に、民間からの 申請に応じて活用及び事後評 価を行うタイプ 有用な新技術 NETIS(評価情報) 事後評価の結果 ・技術の成立性 ・技術の活用効果 (経済性、工程、品質・出来形、安全性、施工性、環境) ・技術の全体評価 ・追跡調査結果の評価 評価情報登録 事前審査の結果 ・試行の可否 NETIS(申請情報) 図 -1 新技術活用システムの概要 4 NETIS プラス 第3号 NETIS トピックス ◉ 2 新技術活用システムの活用状況 10,000 件を突破しております。 (図 - 2) (3)施工者による活用の増加 (1)新技術の登録件数 新技術の活用の方法としては、発注者が新技術 新技術の登録を開始した平成 10 年度は約 900 件 の活用を指定する方法(発注者指定型) 、 施工者が であった登録件数は、 平成 18 年度の見直しを除い 新技術の活用を申請し採用する方法(施工者希望 ては、毎年増加傾向にあり、平成 23 年9月現在の 型) 、 新技術の開発者(登録者)からの申請に応じ 登録件数は約 4,100 件となっています。 て適した現場で試行する方法(試行申請型)、現場 (2)平成 22 年度の新技術活用状況 ニーズよりフィールドを提供し新技術の募集を行 新技術を活用した国土交通省直轄工事の件数割 う方法(フィールド提供型)の4つあります。 合は毎年増え続けており、昨年度の平成 22 年度 この4つの型のうち、 「施工者希望型」による 発注工事総数(12,227 件)に占める新技術が活用 活用の割合が、平成 22 年度は 78.2%となり、平成 された工事の割合は 34.4%(4,202 件)となり、平 21 年度の 67.4%より増加し、また、平成 19 年度 成 21 年度の 33%から 1.4 ポイント増加していま 以降 4 年連続で増加傾向にあります。これは、地 す。また新技術活用件数(すべての工事で活用さ 方整備局毎に実施している総合評価方式において れた新技術の総数)も毎年増加傾向にあり、平成 施工者が新技術に関する有用な技術提案を行った 22 年度は、前年度と比較してやや減少したものの 場合の加点、また、全整備局共通の取組として工 新技術活用工事件数 12,000 40 実績活用率 31.6% 33.0% 34.4% 35 30 25 8,000 20 6,000 15 新 技 術 活 用 率︵%︶ 活 用 延 べ 新 技 術 数︵件︶ 設定目標活用率 10,000 32.5% 10 4,000 5 2,000 H16 H17 H18 H19 年 度 H20 H21 H22 0 新技術活用状況(年度別) 新技術活用状況 ①総工事件数 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 14,764 13,748 12,648 13,453 14,435 15,051 12,227 ②新技術活用工事件数 2,120 2,677 2,720 4,255 4,687 ③活用延べ新技術数 2,827 3,763 4,063 6,501 8,879 10,381 10,124 ② / ① 新技術活用率 14.4% 19.5% 21.5% 31.6% 32.5% 33.0% 34.4% 0.19 0.27 0.32 0.48 0.62 0.69 0.83 1 工事あたりの活用新技術数(③ / ①) 4,972 4,202 ※ 1 新技術活用工事件数とは、新技術を 1 件以上活用した工事の件数 図 -2 新技術の活用状況 NETIS プラス 第3号 5 ◉ NETIS トピックス 発 注 者 指定型 施 工 者 希望型 65.3% 27.7% H19 55.2% 40.6% H20 67.4% 26.2% H21 78.2% 18.2% H22 0% 10% その 他 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 図 -3 新技術の活用型別内訳 事成績評定における新技術活用への加点の2つの (表 - 1)これにより、各技術の合計数は、推奨技 取組による効果とあいまって、施工者からの新技 術6件、準推奨技術 18 件、設計比較対象技術 90 術に関わる提案が増えたことが要因と考えられま 件、少実績優良技術 62 件、活用促進技術 33 件と す。(図 - 3) なりました。 (図 - 4) (4)有用な新技術 新技術の中でも、現場での活用を踏まえた事後評 価の結果が優れた技術については、有用な新技術と 3 新技術活用システムの主な改善点 それまでの運用状況を踏まえた改善の取組とし して位置づけ、上記の総合評価方式や工事成績評定 上の加点措置を行うなど活用促進を図っています。 まして、有用な新技術のさらなる活用促進及びシ 平成 22 年度は、有用な新技術として、設計比較 ステム効率化等を目的として、 「公共工事等にお 対象技術を 39 件、少実績優良技術を 21 件、活用 ける新技術活用システム」実施要領について平成 促進技術を 10 件選定しました。更に、 公共工事等 22 年2月5日に改正を行い、3月 31 日から施行 に関する技術水準を一層高めるために選定された しています。 画期的な新技術について、各地方整備局及び北海 (1)事後評価される技術数の増加 道開発局等から推薦された有用な新技術から、推 奨技術を4件、準推奨技術を4件選定しました。 事後評価実施の要件である活用件数を 10 件か ら5件に緩和 表 -1 平成 23 年度推奨技術等選定について 技術名称 推奨技術 準推奨技術 6 申請者 オートゲート(門柱レス樋門) 旭イノベックス(株) リテラ(BZ210,BZ200,BZ120) コマツ( (株)小松製作所) 排水性舗装用溝切り工法 (株)スカイ・アーク パワーブレンダー工法(スラリー噴射方式) 株式会社加藤建設 エポコラム工法(地盤改良工法) エコポラム協会 ユニラップ工法 ライト工業株式会社 KK シート工法 川田建設株式会社 ダイプラハウエル管による道路下カルバート工の 設計・施工方法(高耐圧ポリエチレン管) 大日本プラスチックス(株) NETIS プラス 第3号 NETIS トピックス ◉ 推奨技術 準推奨技術 6技術 公共工事等に関する技術の水準を一層高める ために選定された、画期的な新技術。 <選考要件> 従来に比べ 飛躍的な改善 効果を発揮 先駆的な技術、 幅広い活用の 期待 画期的な技術。 将来飛躍的な 活用効果の 改善の期待 独創的技術、 国際的先端技術、 先進諸国へ 技術展開の期待 国内、国際的な 諸問題の 課題解決に貢献 18技術 公共工事等に関する技術の 水準を一層高めるために選定 された、画期的な新技術 (推奨技術には至らないもの) 新技術活用 システム検討 会 議( 本 省 ) が選定 ■工事発注時の総合評価 方式での加点 活用等実績および課題の改善等の フォローアップ後、再評価 24技術 下記の「有用な新技術」のうち、画期的な新技術を「推奨技術」 ・ 「準推奨技術」 として選定(24技術。H23.7時点) 設計比較対象技術 活用促進技術 多 選定:33技術 選定:90技術 特定の性能又は機能が著しく 優れている技術、など。 実績件数 少 低 ■工事成績評定での加点 (発注者指定型を除く) ■設計業務の比較検討に おいて対象技術とするこ とを設計図書に明記等 技術の優位性が高く、安定性 が確認されている技術。 (活用実績10件以上) 少実績優良技術 新技術活用評価 会議(整備局等) が選定 選定:62技術 技術の優位性は高いが、直轄 工事等における実績が少ない 技術。 (活用実績10件未満) 評価結果が良い技術を「有用な新技術」として選定(185技術。H23.7時点) 優位性(総合評価点) 活用結果を評価した技術 新技術(NETIS登録技術) 有用な新技術の インセンティブ 高 約590技術 活用 約4,000技術 図 -4 有用な新技術について (2)試行申請型の運用改正 い技術を選定しているところもあり、今後も、こ 試行申請型の現場照会期間を2年間から5年間 のような取組も含め、より良い評価方法へと改善 を図って参りたいと考えております。 への延長。発注者だけでなく施工者にも照会 (3)システムの効率化 新技術を活用した場合に作成する活用効果調査 表の充実。分かりやすい用語の使用 (4)評価結果の見える化 5 おわりに 今般の東日本大震災からの復旧・復興に対する 取組の一環として、新技術活用システム(NETIS) 数値やグラフ等を用いた事後評価の見える化 等 4 更なる改善に向けて に登録された技術を対象として、震災復旧・復興に 資する技術を募り、国土交通省ホームページで公 表し、広く情報提供することで、震災復旧・復興の 新技術の活用促進に向けた更なる改善として 現場における活用の支援を行っているところです。 は、技術特性に応じた評価が挙げられます。現在 今後とも、震災からの復旧・復興を始め、災害 の評価としては、「経済性、施工性、品質、耐久 に強い国土づくり、より良い国土づくりに資する 性、安全、環境」の6項目について、どのような 技術研究開発の促進及び現場への適用に尽力して 技術も同様に評価しており、個々の技術的特性が 参ります。 反映されにくいとの指摘があります。一部の地方 整備局においては、地方整備局独自に決める「活 NETIS 検索 用促進技術」として、ある特定の項目の評価が高 NETIS プラス 第3号 7 ◉ NETIS トピックス 平成 23 年度 推奨技術・準推奨技術の選定 ~優れた新技術の活用促進に向けて~ 18 名の委員から構成される「新技術活用システム検討会議」 (国土交通省 本省)が、6月 10 日に 開催され、本年度は「推奨技術」として 4 技術、 「準推奨技術」の 4 技術が選定されました。 本特集では、 「推奨技術」等の NETIS 新技術活用促進における位置づけ・選定方法について解説を 行い、さらに本年度の「推奨技術」の 4 技術について、選定された新技術の‘重み’ 、新技術を育ん だ技術者の‘思い’を申請者への取材を通じて伝えたいと思います。 議に基づき年 1 回選定されます(該当なしの場合もあ ります)。 1 推奨技術とは ? 「推奨技術」 公共工事等に関する技術の水準を一層高めるため に選定された画期的な新技術です。 2.1 選考対象技術 「準推奨技術」 選 考 対 象 技 術 は、 活 用 効 果 評 価 が 実 施 さ れ た NETIS 登録技術のうち、次節 2.2 に示す「選考要件」 のいずれかに合致する画期的な技術として、以下の者 の推薦のある技術です。 イ 各地方整備局等が主催する「評価会議」が、「設 計比較対象技術」「少実績優良技術」「活用促進技 術」のうち、主として現場における改善効果、将来 性等の観点から推薦する技術。 ロ 関係研究機関または第三者機関等が、主として技 推奨技術と位置づけるためには更なる発展を期待 する部分がある新技術です。 2 選定の方法 推奨技術等は、選考要件(後述 2.2)に照らして推 薦された選考対象技術(次節 2.1)について、新技術 活用システム検討会議(国土交通省の本省)による審 委員 ●推奨技術 ●準推奨技術 推薦 前年度「推奨技術」 「準推奨技術」 選定 審議 審議 新技術活用システム 検討会議 推薦 建設技術 審査証明機関 等 推薦 推薦 第三者機関 (独)土木研究所 等 関係研究機関 新技術活用評価会議 前年度、前々年度の 準推奨技術の再評価 ●設計比較対象技術 ●少実績優良技術 ●活用促進技術 8 NETIS プラス 第3号 NETIS トピックス ◉ 術の画期性等の観点から推薦する技術。 ハ その他、新技術活用システム検討会議の委員が推 薦する技術。 さらに、前年度に選定された「推奨技術」、 「準推奨 技術」についても、推奨技術の選考対象としてシステ ム検討会議において審議されます。 2.2 選考要件 推奨技術等の選定候補となる新技術は、以下のいず れかの条件を満たすことが必要です。 イ 当該技術の活用により、従来に比べ飛躍的な改善 効果が発揮される。 ロ 従来にはない先駆的な取り組みであり、将来、公 共工事等における幅広い活用が期待される。 ハ 技術内容が画期的であり、将来的に飛躍的な活用 効果の改善が期待できる。 (現状では、当該技術の適用範囲において活用の効 果が従来技術と同程度以上であることを最低要件 とする。 ) ニ 技術内容が独創的である等、国際的に先端を行く 技術または先進諸国への技術展開が期待される技 術である。 ホ 技術内容の応用性、適用性、普遍性等が高く、国 内の諸課題の解決への貢献に加えて、国際的な課題 の解決など国際貢献に大きく資する。 3 過去に選定された推奨技術 推奨技術等の選考は、平成 18 年度から運用が開始 されています。 過去2年間に選定された新技術は、NETIS 登録数約 4,100 技術に対して推奨技術が 6 件、準推奨技術が 22 件(現有効数 18 件)となっており、いずれに選ばれる にしても、大変栄誉のあるものと言えます(グラフ) 。 NETIS ホームページより推奨技術に選定された 6 8 7 推奨技術 6 準推奨技術 4 本年度「推奨技術」の紹介にあたって 平成 23 年度の推奨技術について申請者・開発者に 取材を行い、新技術の生まれた背景や開発の経緯・経 過、今後の意気込み等を直接うかがうことができまし た。次ページから各技術の記事を掲載します。 ここでは、 本年度の推奨技術の被選定者の声から、 い くつか重要と思われる点についてまとめてみました。 (1)推奨技術へのプロセス 申請者や施工現場等への取材を通じて、 ・工事規模の大小に拘わらず、いずれも優れた発想か ら生まれた技術が評価され選定されていること。 ・実際の工事において改良改善を加えながら、より 完成度の高い技術を目指して不断の努力を重ねて いること。 ・具体的に推奨技術の選定を目標に設定して、新し い技術の開発を進めていること。 等を知ることができました。 (2)開発のきっかけ 開発のきっかけは、従来の仕事の仕方に疑問を持っ たことであったり、発注者からのヒントや要求に誠実 に応えたことなど、どれも技術者として参考とすべき 点が多いと感じました。 (3)選定されたことによって変わること 推奨技術等に選定されることによって申請者の得る メリットは、本号 P.37 に解説を行っています。 表彰等の直接的な褒章があるものではありません が、公共工事への活用が促進される複数の特典があ り、選定される前と比べてより多くの活用機会を得る ことができる営業的なメリットは非常に大きいと思 われます。 申請者からの話から、選定されたことにより次のよ うな具体的な変化があったことも聞くことができま した。 ・「設計比較対象技術」に選定されたが、コンサル タントからの問い合わせが増えた。 ・「準推奨技術」に選定されたことによって、施工 5 件数 技術の評価結果をみると、いずれも従来の技術に比べ て優位であるだけでなく、活用結果を通して、技術的 の成立性、技術の安定性においても優れた点が評価さ れている共通点が見えてきます。 4 3 会社からの引合いが増えた。 ・雑誌などに取り上げてもらえる機会が増えた。 2 1 0 平成19年度 平成20年度 平成21年度 NETIS プラス 第3号 平成22年度 平成23年度 9 ◉ NETIS トピックス リテラ(BZ210,BZ200,BZ120)(KK-980067-V) 技術の背景 道路土工や大規模造成現場等の土工事においては、 発生する掘削土砂を可能な限りリサイクルし、施工箇 所からの搬出量を抑え、現場内利用による有効利用を 行うことが求められています。 特に、軟弱な発生土を盛土材料として再利用する場 合や支持力を確保する等の目的で安定処理が必要な 場合、発生土の性状やその扱い方によっては、作業性 の悪化による工程遅延や工事費が増大する恐れがあ り、効率的に土質性状を改良し、工事品質を向上する 技術が求められます。 技術の概要 本技術は、専用の改良機(自走式土質改良機リテ ラ)を用いて、建設発生土等の原料土と固化材を連続 して均質に混合し改良土とする混合技術です。 自走式であり、現場内の工事箇所の移動に対応で き、無駄な土運搬を省くことが可能です。 道路(路体盛土、路床盛土等)、基礎地盤改良、工 作物埋戻し、下水道、河川改修、河川築堤、砂防(砂 防 CSG) 、港湾、ストックヤードでの土質改良等の安 定処理工用技術として広く適用し、現場内や現場近 くで発生土を効率良く再利用することができます。ま た、震災、斜面災害、水害、液状化などの災害復旧工 事にも多くの実績を有しています。 ◦―― 適用範囲 ――◦ 高粘性土から砂質土、礫混じり土までの広範囲の建 設発生土を改良できます。 固化材添加量をモニタ操作により広範囲に調整で き、任意の強度の安定処理が可能です。 ◦―― 新規性 ――◦ 従来、浅層地盤を安定処理工によって改良する場 合、バックホウと作業員で固化材を対象土に散布して 敷き均した後、バックホウを用いて混合処理を行う方 法が標準的施工方法として用いられてきました。本技 術は、自走式の混合処理機械を用いるため、主に以下 の点で従来技術よりも優れています。 ・混合処理量が大きい。 ・作業効率が高い。 ・混合品質の変動が小さい。 ・固化材散布が不要で混合時の粉塵の飛散が少ない。 ◦―― 効 果 ――◦ リテラを採用することにより、以下の効果を期待できます。 10 《品質の向上》 ・原料土と固化材の安定供給により、安定した品質 の改良土が得られます。 ・3段階の混合方式により混合性能が高く、ばらつ きの少ない改良強度が得られます。 ・強度のばらつきが少ないため、固化剤添加量を削 減できます。 《工程短縮》 ・自走式でありながら固定式プラント並みの処理能 力(最大作業量150m3/h)を有しています。 ・掘削土を直接原料土ホッパへ投入するだけで、本機 が連続して原料土と固化材の供給及び混合処理を行 うので、固化材散布等の作業工程を削減できます。 《周辺環境への配慮》 ・フルカバーされた機内で混合するため、粉塵の飛 散を最小限に抑制できます。 主な仕様表(BZ210) 項 目 運転質量(kg) 定格出力(kW/rpm) 全長(mm) 全高 / 全高(輸送時) (mm) 全幅 / 全幅(輸送時) (mm) 原料土ホッパ容量(m3) 最大異物塊寸法(mm) 固化材ホッパ容量(m3) 走行速度(前・後進共) (km/h) 登坂能力(° ) 接地圧(kPa) クレーン吊上能力(ton/m) クレーンブーム長(m) 仕 様 20,500 107〔145PS〕/1,950 13,210 4,600/3,140 3,510/2,850 1.4 200 3.0 3.2 25 74 2.63/1.6 1.05/3.5 2.79 ~ 6.60 自走式土質改良機リテラ(BZ210) 原料土�ッパ ��材�ッパ ��材���ダ ア�タ�カッタ ���カッタ 大���タ������� 軸) ��土 描き����タ 排�土ベ����ベア リテラの構造と各部の名称 NETIS プラス 第3号 NETIS トピックス ◉ ◦―― 適用における留意点 ――◦ リテラの適用にあたっては、事前に土質調査等を行 い、 粘性土や 200mm 以上の礫を混入する場合などは、 改良効率を高めるため、オプション(機器の装着)を 検討することが重要です。 現場訪問 道路土工において切土区間の軟弱なローム層等を 盛土区間の盛土材として利用する工事を取材しまし た。本工事では当初から施工条件に基づき「移動式土 質改良機」が設計に組み込まれており、「リテラ」を 用いた施工計画で工事を進めています。 下の写真に示すように、機械はリテラとバックホウ 2 台で編成されています。掘削箇所に近い位置にリテ ラを設置し、掘削土砂を 0.7m3 のバックホウを用いて リテラの原料土ホッパに投入します。改良土の排出口 に合わせて積み込み箇所を設置し、バックホウにより 積み込まれた改良土は 10t ダンプを用いて盛土区間 へ運搬され、敷均し、締固めされていました。 また、旋回の多い掘削積込のバックホウは旋回減速 時のエネルギーを回収して活用するハイブリッド式 を採用しており、CO2 削減に寄与する良い組み合わせ であると思われました。 ②固化材混合 リテラ(BZ210) ①掘削土投入 ハイブリッド 式バックホウ (0.7m3) 開発者の声 - 今回、「推奨技術」に選定された事に関して、感 想等をお聞かせください。 メーカーとしての役割はありますが、リテラをお使 い下さった施工者の皆様の工事が高く評価された結 果として、今回の評価をいただけたと思います。 - 開発の経緯を教えてください。 最初は管工事の掘削土をその場で埋め戻す工事を 対象とし、今よりも小型の機械でスタートしました。その 後、大容量化 BZ120(10t 級)、BZ210(20t 級)を開 発しています。 「ガラパゴス」 (自然石・コンガラ破砕機) と「リフォレ」 (木材破砕機)、2軸せん断機等と併せ、 「ガラパゴスシリーズ」としてラインアップしています。 - リテラは平成 20 年度に「設計比較対象技術」、平 成 22 年度には「準推奨技術」に選定されていますが、 この間、採用数の増加等の変化はありましたか? 経済状況の影響もあって販売台数が増えたとは言 えませんが、総合評価や工事成績への加点もあり、発 注者やコンサルタント、ゼネコン等からの問い合わせ や発注者指定での採用はかなり増えています。 - NETIS 登録後に改良を加えた点があれば教えてください。 粘性土への対応を強化するために、原料土をほぐし て粘性の高い土の滞留や圧密を防止する「ほぐし装置」 をオプションとして開発しました。その他にもお客様 のご要望を伺いながら改良した点が多々あります。 - 新技術活用システムに関してご意見等をお願いします。 より活用を図るため、暫定歩掛りの見直しをさせて いただければありがたく思います。また、推奨技術な どに選定された技術に対するインセンティブが分か りにくいと思います。 ハイブリッド型バックホウ(形式 0.7m3:右) により掘削土砂を原料土ホッパに投入 ③場外搬出積込み バックホウ(0.7m3) ④場外搬出 ダンプトラック(10t) ①掘削土投入 ハイブリッド式 バックホウ(0.7m3) ②固化材混合 リテラ(BZ210) 固化材トン袋吊込み 原料土ホッパへの土砂投入から改良土の搬出までの流れ 盛土区間(良好な路体盛土が施工されている) NETIS プラス 第3号 コマツ建機販売㈱ 山本 義実氏(左) コマツ 菱山 徹氏(中央) ,大橋 庸九氏(右) 問 担 住 電 合 せ 先:コマツ建機販売株式会社 マーケティング部商品サポート課 当 者:山本 義実 所:〒 160-0004 東京都新宿区四谷 4-34-1 アネックスビル 話 番 号:03-5312-6594 11 ◉ NETIS トピックス パワーブレンダー工法(スラリー噴射式)(CB-980012-V) 技術の背景 低地部に分布する都市の多くは、沖積層と呼ばれる 軟弱な地盤の上に構築されており、さらに同様な地盤 環境は、河川・旧河道に沿って台地・丘陵部にも広 がっています。 こうした地盤条件に立地した建築構造物、水路・河川 堤防等のインフラ整備にあたっては、構造的安定性か ら地盤の改良が必要となることが多く、これに伴い地 盤改良工事における周辺家屋等への騒音 ・ 振動、地盤 変位等の抑制が求められる場合が少なくありません。 技術の概要 パワーブレンダー工法は、0.8m3 ~ 1.9m3 クラス の改造型バックホウをベースマシンとしたトレン チャー式撹拌混合機を用いて強固な地盤を造成し、土 木構造物、建築物、盛土等の沈下及び安定対策を行な う技術です。 プラントでスラリー状とした改良材を攪拌混合機の 先端部からエアとともに噴射し、撹拌翼を鉛直方向に 正転・逆転させて原位置土を切削しながら撹拌混合し、 同時に攪拌翼を水平方向に移動させることにより、均 質かつ連続した改良体を造成することができます。 ◦―― 適用範囲 ――◦ 最大改良深度約 13m(施工実績 13.9m)までの地盤 改良工事に適用できます。 適用対象土質は、概ね次のとおりです。 ・砂質土:N値≒20(施工実績N値=32) ・粘性土:N値≒10(施工実績N値=17) セメント、セメント系固化材、高分子系等のあらゆ る改良材が適用でき、土質性状に応じた添加量と水セ メント比を設定することにより、低強度から高強度ま での広範囲にわたる固化処理が可能です。 ◦―― 新規性 ――◦ 鉛直攪拌混合機を水 平方向に移動すること で、連続した改良体の造 成が可能であるため、全 面改良や格子状の改良 体が容易にできます。 ◦―― 効 果 ――◦ パワーブレンダー工 法を採用することによ り、以下の効果を期待で 攪拌翼の動き きます。 12 《品質の向上》 ・スラリー状の改良材をエア加速型装置で攪拌翼全 域に均等拡散するため攪拌効率が高く改良強度の バラツキが小さいので改良材添加量も経済的な設 定が可能です。 ・連続鉛直撹拌混合により、深度方向の土質のバラ ツキに拘らず均質な改良体を造成できます。 《工程短縮》 ・日当りの施工量が多いので、大幅な工期短縮が可 能となります。 《コスト低減》 ・大幅な工期短縮により施工費が安価となります。 ・産業廃棄物処理をしてきた盛り上がり土を、盛土 底盤や改良体本体として活用できます。 《施工性および安全性》 ・施工中にトレンチャーの鉛直性、チェーン速度、 チェーン累積移動距離、改良深度を運転席でモニ タリングできるほか、改良材スラリー供給量の自 動記録と併せて信頼度の高い施工管理を行うこと ができます。 ・ベースマシンにバックホウを使用しているため、 三点式杭打ち機では作業できない狭隘な現場や傾 斜地における施工が可能であり、安全性に優れて います。 《周辺環境への配慮》 先端のスラリー吐出位置より上部が絶えず垂直方 向に撹拌されているため、注入圧による周辺変位を小 さく抑えることができます。 ◦―― 適用における留意点 ――◦ 改良対象地盤内に礫及び玉石混じりの中間層が存 在する場合は、施工速度を遅くしたり事前に除去する などの対策を行います。 施工システム図 NETIS プラス 第3号 NETIS トピックス ◉ 現場訪問 変圧器増設工事における基礎地盤の剛性の向上を 目的として施工中のスラリー噴射攪拌方式による改 良工事の現場を取材させていただきました。 本工事の改良深度は 5.5 ~ 6.5m ですが、出来形は 7.5m と盛り上り土を有効利用しました。 使用機械はベースマシン 1.4m3 クラスと PBT-700 の組合せです。 施工管理には強度とともに弾性波速度を管理指標 として用いています。 混合攪拌状況 攪拌翼の形状 実施工状況 ㈱加藤建設 佐藤 利行氏(左) 山口 努氏(右) - パワーブレンダーは平成 19 年度に「設計比較対象技 術」、に選定されていますが、採用数の変化はありましたか? 施工数量の履歴から見ても、国土交通省の直轄工事 等の工事量が増加した時期と符合しています。 「設計比較対象技術」に選ばれたことで、発注段階 でパワーブレンダーが組み込まれている工事もあり、 その影響は大きかったと思います。 - NETIS 登録後に改良を加えた点があれば教えてください。 2010 年、ベースマシンにツーピースブームを採用 したことで改良深度 13m 対応機種を開発して最大改 良深度 13.9m の実績があります。 - 今後の活用方法についてお考えはありますか。 今後の開発の方向性として、深度に関しては 15m 程度までを対象と考えており、現在の最大深度よりや や大きくする程度です。むしろ本工法に付随する項目 として、低改良率でコスト低減を図る方法や高強度、 靭性のある改良体の造成方法、或いは用途に応じた改 良体の品質管理方法や設計方法についても提案して いきたいと考えています。 また、今回の震災においても地盤の変状が生じた箇 所は多く、本技術が復旧において寄与するところも少 なくないのでは、と考えています。 - 新技術活用システムに関してご意見等をお願いします。 推奨技術に選ばれた技術の登録・掲載期間が分かり にくいと思います。登録から改良を重ねて、せっかく 推奨技術に選ばれてもすぐに登録終了となってしま わないか心配です。 開発者の声 - 今回、 「推奨技術」に選定された事に関して、感 想等をお聞かせください。 推奨技術に選ばれたことは非常に大きいと思いま す。協会としても喜んでいます。推奨技術としての栄 誉は指定席ではないので、今後も研鑽を重ねていきた いと思います。 - 開発の経緯を教えてください。 本技術は昭和 53 年にバックホウの先端にタイン式 の攪拌翼を取り付けた装置からスタートしました。パ ワーブレンダーが大きく進化したのは、平成 14 年に 1 リンク型を開発したことと固化材(セメントミルク) を先端からエア吐出する現在のトレンチャー式攪拌 タイプにしたことです。攪拌混合器を土中に入れたま ま 1 列施工で連続して混合改良が可能となり、施工効 率が向上したためニーズがぐっと増えていきました。 攪拌翼の抜き差しをしない施工手順とすることで、攪 拌混合機の空転時間(ロスタイム)を無くし品質の向 上とコストの低減を可能としました。 NETIS プラス 第3号 ㈱加藤建設 牧野 昌己氏 パワーブレンダー工法協会 平江 勝也氏(左) ㈱加藤建設 伊藤 浩邦氏(中央) 問 合 せ 担 当 住 電 話 番 先:パワーブレンダー工法協会 者:平江 勝也 所:〒 136-0072 東京都江東区大島 3-19-2 号:03-3681-8533 13 ◉ NETIS トピックス オートゲート(門柱レス樋門)(TH-990145-V) 技術の背景 排水樋門(主に河川において堤体を貫通して設置さ れる暗渠)では、本川流量が増加した際に、ゲートを 一時的に閉塞し、支川(堤内)への逆流を防止する必 要があります。 樋門に設置されるゲートの種類は、多くの場合、 ローラーゲート及びスライドゲート等の引上げ式 ゲートが用いられています。これらのゲート開閉の動 力は電気(モーター)あるいは人力であり、経験を有 する選任者によって操作されています。支川への逆流 を防止し被害を最小限にくい止めるため、選任者によ る開閉時期の判断が重要であり、かつ臨機に開閉操作 を行うことが求められます。 スを無くすことができます。 ・門柱・管理橋が不要となり、コスト低減及び工期 の短縮が可能です。 ・自動開閉機構がシンプルで維持管理が容易なた め、メンテナンス費用が軽減されます。 ・無動力式のため、電気等の動力源を確保できない 場所にも設置できます。 ・門柱レス構造なので、景観への影響を低減できます。 ・強制開閉装置の操作盤は、堤防上等のコンパクト な操作室内に設置されています。 《オートゲート設置状況のイメージ》 技術の概要 今回、推奨技術に選定された「オートゲート」は、 フラップ形式のゲートをベースとし、これにバランス ウェイトを取り付けた構造となっており、 やや小型(12 。 ~ 15m2 まで)の排水樋門を対象としています(右図) 【通常時】では、回転軸に対して約 10°の傾きでつ り合い状態となり、扉体と水路敷の隙間より基底流量 が流下します。内水量(支川流量)が増加し内水側の 水位が高い状態【内水排除時】では、扉の開閉力を水 流で賄える無動力式の開閉ゲートとして機能します。 さらに、本川の水位が上昇し、一定流量以上が支川へ 逆流する状態【逆流防止時】では、扉体本体及び背面 に取り付けたフロートの浮力によりゲートが閉塞さ れ、本川から堤内への流入が防止されます。このよう に、水位の変動に合った的確なタイミングで自動的に 全閉及び開門することを可能としています。 また、本技術ではバランスウエイトとフロートの機 能により開閉時の必要なモーメントを低減すること で、内水の排水阻害や洪水時の不完全閉塞等の従来の フラップゲートの問題点が低減されています。 ◦―― 新規性 ――◦ オートゲートでは、水位の変動に合わせた的確なタ イミングで、動力源を必要とせずゲートの自動開閉を 行うことができます。 ◦―― 効 果 ――◦ オートゲートを採用することにより、次に示す効果 を期待できます。 ・水位に応じた自動開閉式のため、突発的な出水で も開閉のタイミングを逸することがありません。 ・操作員の労力を軽減し、操作遅れ等の人為的なミ 14 《オートゲートの作動原理》 【通常時】オートゲートは回転軸を介してバランスウェイトと扉体がつ りあった状態で止まっています。回転軸を扉体に対し前側に配置して、 初期開度を 10°程度に設定しています。これによって水圧の生じないわ ずかな水深での排水を妨げることがありません。 【内水排除時】バランスウェイトが扉体を開く方向のモーメントを助け、 内外水位差のわずかな水圧荷重によりゲートを開きます。 【逆流防止時】外水位の上昇に伴い、内外水とも徐々に水位上昇すると扉 体とフロートの浮力により、逆流が生じる前にゲートは全閉します。 NETIS プラス 第3号 NETIS トピックス ◉ ← 操作室(強制開閉装置) 2 樋門:幅 1.6m、高さ 1.4m)に設置されたゲートで、 平成 19 年から稼動しています。 柳田第 1 排水樋門 柳田第 2 排水樋門 本川増水時の逆流防止(ゲート自動閉塞)の様子 愛国樋門(北海道開発局) ◦―― 適用における留意点 ――◦ オートゲートは、設置条件に応じて以下の点に留意 して計画する必要があります。 ・流木等による不完全閉塞、土砂堆積等への対応と して、管理上、通常は強制開閉装置を設置し、任 意にゲートの開閉操作を行うことで、フラッシン グ清掃等の対応を行います。 ・排水機施設を伴わない経験的なゲート操作を必要 とする樋門については、洪水による被害想定に基 づき採用の可否を判断する必要があります。 現場訪問 オートゲートは全国で採用されていますが、ここで は、秋田県を流れる雄物川の築堤工事(東北地方整備 局)に設置された排水樋門を紹介します。 【沼館川排水樋門】 (大仙市協和小種) 平成 17 年に、幅 3.0m、高さ 2.75m の2連暗渠に設 置されたオートゲートです。 沼館川排水樋門 【小種排水樋門】(大仙市協和小種) 現在施工中の幅 2.2m、高さ 2.3m の樋門で、ゲート の扉体は設置済みですが、管理施設と強制開閉装置は 築堤工事完了後に設置する予定です。 ゲート設置状況 背面のフロートと下部の空隙 【柳田第 1・第 2 排水樋門】 (湯沢市柳田) 小規模な管渠(第 1 樋門:幅 1.2m、高さ 1.2m、第 NETIS プラス 第3号 開発者の声 - 平成 21 年度の「設計比較対象技術」に選定され て以来、採用例は増えていますか? コンサルタントからの引合いだけでなく、実工事で も採用数が増えていることは確かです。 - 開発の動機・きっかけを教えてください。 最初に樋門を自動開閉で管理できないかとの相談を 受けたのは北海道開発局の担当の方でした。フラップ ゲート形式のため不安感を持たれましたが、常に排水 状態とすること、強制開閉装置を設置したことで信頼 を得ることができ、多くのご採用をいただいています。 - どのように機能を立証しましたか。 水理実験での実証も行っていますが、それにも増し て実績を積んで機能面を立証してきました。設置した ことではなく、正しく稼動したことが実績と考えてい ます。 - 新技術への取り組みについてお聞かせください。 当社では現在、門柱レスで引き上げ式ゲートの開閉 動作を再現した「オーバーリングゲート」 (NETIS 登 録 No.TH-010004-V)を扱っています。遠隔操作によ り、堤内側への逆流を早期に防ぎたい場合等への利用 を考えています。 - NETIS に関してご意見がありましたらお聞かせください。 NETIS の 登 録 記 載内容については、 もう少し機能面な どの細かい説明が あった方が類似技 術との比較ができ、 使う側にとって親 旭イノベックス㈱ 立崎 裕康氏 切かと思います。 問 合 せ 担 当 住 電 話 番 先:旭イノベックス株式会社 者:本社 営業部 近藤 喜博 所:〒004-0879 札幌市清田区平岡1条1丁目1-6 号:011-883-8401 15 ◉ NETIS トピックス 排水性舗装用溝切り工法 (SK-020015-V) 技術の背景 排水性舗装は、「道路技術 5 箇年計画」 (平成 5 年 度)発効以降、主に道路の排水機能を高めることによ る通行車両の安全性の向上及び車両走行に伴う道路 交通騒音の低減を図る目的で、普及・技術開発が進め られてきました。現在、都市間道路及び都市内幹線道 路等の多くで排水性舗装が採用されています。 排水性舗装では、透過した雨水等が道路勾配により 路肩に流れ、溝部に施工された導水管(又は導水溝) を経て雨水桝に排水する構造となっていますが、閉塞 により舗装表面に浸潤・滞留することがあり、流末ま での適切な処理が重要です。 技術の概要 当技術はコンパクトでパワフルな専用切削機(ヴィ ルトゲン‘Wirtgen’社製)を使用した溝切削工法で、 主たる適用目的として、排水性舗装の排水管設置のた めの溝形成を目的としたものです。その他、融雪管敷 設工事の融雪管、空港の誘導灯の電線埋設管等の管入 溝形成にも適用できます。 ◦―― 適用範囲 ――◦ 本技術は、排水性舗装の側溝のみならず、舗装表面 に用途に応じた溝を形成することができます。 また、アスファルト層だけでなく、専用コンクリー トビットを装着することによりコンクリートの切削 も可能です。施工可能な切削寸法は、ドラムの寸法等 により選択でき、溝幅は 3 ~ 35cm、深さは 5 ~ 16cm としています。 ◦―― 新規性 ――◦ 排水性舗装に新たに排水管を設置する場合、従来は 舗装をカッター切断後、はつり工での溝加工を行い、 底部はチッピング仕上げとしていましたが、これらを まとめて機械で施工できます。 ◦―― 効 果 ――◦ 本技術により得られる効果は次のとおりです。 ・従来工法の「舗装版カッター切断+はつり工での 溝加工+ハツリ殻の撤去」のうち「舗装版カッ ター切断+はつり工での溝加工」を1工程で済ませ られ、更に機械化することで大幅な工期短縮と工 事原価の削減が可能です。 ・作業日数の縮減により施工費(特に人件費)を削 減できます。 ・溝形成に合わせた専用サイズのドラムを用いた機 械化施工により、溝形成の精度が手はつりに比べ 16 飛躍的に向上し、排水機能の安定的な確保にもつ ながります。 ・アスファルトを全て剥がす大型切削機よりも必要 量のみを切削するため、産廃処理の低減による安 価で資源の有効利用に寄与します。 切削状況 切削状況 溝切削加工後清掃施工後 開発者の声 - 今回、「推奨技術」に選定された事に関して、感 想等をお聞かせください。 わが社は地方の小企業で拡販すべき方法がありま せんでしたが、NETIS を知り四国技術事務所に相談 に行ったことから全てが始まりました。説明を何回か 繰り返し適時アドバイスをいただき、NETIS 登録を NETIS プラス 第3号 NETIS トピックス ◉ 果たせました。その後、NETIS 制度の変遷を経て現 在に至り、今回、当工法を推奨技術に選定していただ き、大変感謝しています。こつこつとやって来た 10 年間が報われる感がします。 - 開発の経緯を教えてください。 「排水性舗装用溝切り工法」は、10 年ほど前に元請 (道路業者)から透水性舗装の側溝に導水管を入れる ためのカッター切断を依頼され、逆にその役割や構造 を教えていただきながら、今ある工法を思いつきまし た。何度かメーカーとともに試作を重ね溝形成の目途 が立ち、特許申請を行い、道路会社数社に売り込みを 行いました。香川県内で最も交通量の多い国道 11 号 の夜間工事で採用していただき、夜間大渋滞の予想を 覆すスムースな切り替えとともに想像以上の出来栄 えに元請から大変喜ばれました。 - 開発や実工事に展開するにあたり苦労した点が あれば教えてください。 溝形状が地域ごとに異なり統一性が無いため、結果 的に多種類のドラムサイズを取り揃えることになり ました。元請から短期間の対応が求められる際には、 機械メーカーのヴィルトゲン社とのやり取りに時間 を要し苦労しました。 - NETIS 登録後、本技術の知名度・営業実績は拡 大しましたか? 工事に直接関与することがなくても、本技術が設計 に上がることで全国から資料請求があり、それに対応 してきました。切削ドラムを貸し出したこともありま す。引き合い件数は年々少なくなり、需要が無くなっ てきたと感じていましたが、今回の推奨技術への選定 を機に多くの問合せが来るようになりました。今後は 営業的にも力を入れていきたいと考えています。 - 他にも新技術に積極的に取り組んでいるようですね。 当社はカッター屋ですが、バリアフリー化を目的 とした側溝のリニューアル工法として「W2R工法」 (SK-050002-V)、「ワイヤーソーSGフォーム工法」 (SK-040005-A)があります。 - 新技術活用システムに関してご意見等をお願いします。 苦労して NETIS 登録しても活用されないで消えて いく技術も多いと思いますので、もう少し活用の場を 与えていただけるような仕組みがあればありがたく 思います。 ㈱スカイ・アーク 大西 潔氏 新技術への想いを熱く語っていただきました。 問 合 せ 担 当 住 電 話 番 先:株式会社スカイ・アーク 関東営業所 者:大西 潔 所:〒 104-0043 東京都中央区湊 2-15-1 110 号 号:03-6280-5744 取材後記 平成 23 年度 推奨技術選定おめでとうございます。新技術検討システム検討会議にて選定されるこの“推奨技術”は、 昨年度までに 2 技術しか選ばれておらず、大変ハードルの高い位置付けとなっています。これをきっかけに、選定された 技術の更なる活用、改善につながれば、取材させていただいた編集部としても喜ばしい限りです。 取材の中で、開発者の方が総じておっしゃっていたのは、 “推奨技術”に選定されたことによるメリット明確化の要望で した。現在 NETIS 制度上において付与されているインセンティブは、 “有用な新技術”という括りで、設計比較対象技術 等と同じ扱いになっているものがほとんどです。 推奨技術等に選定された技術の NETIS 登録年度を確認しますと 1998 年度~ 2003 年度が大半を占めており、ここに至る までの大変な苦労が感じられました。パワーブレンダー工法の開発者もおっしゃっていましたが、例えば推奨技術や準推 奨技術に対しては NETIS 最大掲載期限 10 年(新技術活用システム簡単解説 P.35 参照)の見直しをするなど、他の“有用 な新技術”とインセンティブの差別化を図るような柔軟な対応があってもいいのかもしれません。 余談ですが、当センターで建設技術審査証明を取得した NETIS 登録技術を、第三者機関として今回初めて新技術活用シ ステム検討会議に推薦し、準推奨技術に選定されました。 (エポコラム工法(地盤改良工法)P.50 参照)今後も引き続き建 設技術審査証明取得技術も含め、“有用な新技術”の普及促進に努めたいと考えております。 NETIS プラス 第3号 17 ◉ 新技術レポート 土壌汚染の措置方法および浄化技術の概要 (財)先端建設技術センター 企画部 参事 須藤 泰幸 管中の漏洩、有害物質を含んだ廃棄物の不適切処 理等です。さらに、土対法では人為的原因の汚染 ではなく、自然由来(自然地盤の土壌に鉛、砒素 等の物質が高濃度で含有している状態)により有 害物質で汚染された土壌も対象としています。 1 はじめに 土壌汚染対策法(以下:土対法)の一部が改正 され平成 22 年 4 月に施行されました。法改正によ り旧土対法(平成 15 年 2 月施行)の有害物質使用 特定施設である工場等の廃止時の調査義務に加え て、3,000m2 以上の土地において形質変更時に届 出が義務化されました。従って、有害物質を扱っ ていない土地でも届出を行う必要があり、調査の 機会を広く捉えることになりました。 本テーマでは土壌汚染の基本事項、措置方法の 種類と内容、および浄化技術の概要について説明 します。 (1)特定有害物質 土対法の対象となる特定有害物質は、土壌に含 まれることに起因して人の健康に係る被害を生ず るおそれがあるものとして鉛、トリクロロエチレ ン等の 25 物質を指定しています。特定有害物質 は、その特性により 3 つに分類されています。 ① 第一種特定有害物質:揮発性有機化合物 ② 第二種特定有害物質:重金属等 ③ 第三種特定有害物質:農薬等 特定有害物質の分類と種類を図 -1 に示します。 なお、土対法の 25 物質以外に石油・ダイオキシ ン類に関しては、別途ガイドライン・法令が示さ れています。 2 土壌汚染とは 土壌汚染とは、人の活動によって排出された有 害物質が土中に蓄積されて、土壌を汚染している 状態をいいます。 主な原因は有害物質の使用・保 11 物質 9 物質 5 物質 第一種特定 有害物質 ( 揮発性有機化合物 ) 第二種特定 有害物質 ( 重金属等) 第三種特定 有害物質 ( 農薬等 ) 四塩化炭素 カドミウム及びその化合物 ポリ塩化ビフェニル (PCB) 1,2- ジクロロエタン 六価クロム化合物 チウラム 1,1- ジクロロエチレン シアン化合物 シマジン シス -1,2- ジクロロエチレン 水銀及びその化合物 チオベンカルブ 1,3- ジクロロプロペン セレン及びその化合物 有機りん化合物 ジクロロメタン 鉛及びその化合物 テトラクロロエチレン 砒素及びその化合物 1,1,1- トリクロロエタン ふっ素及びその化合物 1,1,2- トリクロロエタン ほう素及びその化合物 トリクロロエチレン ※石油・ダイオキシン類は、別途ガイ ドライン・法令が示されている ベンゼン 図 -1 特定有害物質の分類と種類 18 NETIS プラス 第3号 新技術レポート ◉ (2)土壌汚染による健康影響を受けるリスク 土壌に含まれる特定有害物質が人に摂取される 経路として、2 つの経路によるリスクについて基 準が設定されています。1 つは特定有害物質が含 まれる土壌を直接摂取することによる健康リスク (含有量基準)、もう 1 つは土壌中の特定有害物質 が地下水に溶出し、その地下水を飲用すること等 による健康リスク(溶出量基準)です(図 -2 参 照)。これら基準について土対法では次のような考 え方により設定されています。 ① 直接摂取によるリスク(含有量基準) :摂取 期間は 70 年とし、1 日あたり子供(6 歳以下) 200mg、大人 100mg を摂取することを想定。 ② 地下水経由の摂取によるリスク(溶出量基 準) :摂取期間は 70 年とし、1 日あたり 2L の 地下水を飲用することを想定。 汚染された土壌 地下水へ 溶出 地 下 水 3 土対法の流れ 土対法では、汚染の可能性のある土地に、一定 の機会をとらえて特定有害物質による汚染状況の 調査を行います(図 -3 参照) 。その調査で基準に 不適合(いわゆる汚染)となる場合は、都道府県 知事により要措置区域等に指定されます。 要措置区域等とは、要措置区域および形質変更 時要届出区域があり、都道府県知事が健康被害の おそれがあると判断した場合は要措置区域に、お それがないと判断した場合は形質変更時要届出区 域に指定します(図 -4 参照) 。 要措置区域に指定されると土地所有者等は、汚染 の除去等の措置を実施するよう指示を受けます。 直接摂取 (汚染土壌が口に入る) 地下水経由の摂取 (汚染した地下水を飲用する) 図 -2 汚染物質の摂取経路 NETIS プラス 第3号 19 ◉ 新技術レポート 【第3条】 【第4条】 【第5条】 有害物質使用特定施設の 廃止届出 3,000m2以上の形質変更の届出 命令発出基準への該当性判断 汚染のおそれ基準の該当性判断 義務発生 調査命令の発出(調査対象地、試料採取等対象物質、調査期限を明示) 義務発生 情報収集 情報収集 土壌汚染のおそれのある物質の 種類について通知 ︵地歴調査︶ 【試料採取等対象物質の 種類の特定】 汚染のおそれの把握、区画の 選定、試料採取等調査は省 略可能。この場合、試料採取 等対象物質については、土壌 含有量基準、第二溶出基準 超過とみなす。 汚染のおそれの把握 通知の申請 おそれの区分 試料採取区画の選定 【凡例】 試料採取等 都道府県知事の手続 土地所有者等の手続 土壌汚染状況調査結果の報告 調査実施者の手続 図 -3 土壌汚染状況調査の流れ 土壌汚染状況調査結果の報告 基準適合 土壌溶出量・含有量 規制対象外 基準への適合性判断 基準不適合 おそれあり 健康被害のおそれの おそれなし 有無の判断 要措置区域に指定 形質変更時要届出区域に指定 【第6条】 【第11条】 ・汚染の除去等の措置を 知事が指示【第7条】 ・土地の形質変更時に知事に 計画の届出が必要【第12条】 図 -4 要措置区域等の指定の流れ 20 NETIS プラス 第3号 新技術レポート ◉ 4 土対法に基づく汚染除去等の措置 土対法に従い措置を実施する場合、摂取経路の 遮断が基本です。土壌汚染の摂取経路により指示 措置の内容が異なるので注意が必要です。 (1)直接摂取によるリスクに対する措置 直接摂取によるリスクに対する措置は、土壌含 有量基準に適合しない汚染土壌に対して行うもの です。直接摂取によるリスクの観点からの指示措 置には、次のようなものがあります。 ①舗装(図 -5) 耐久性及び遮断の効力がある舗装、モルタル等 により汚染土壌を覆います。 ③土壌入換え(ア:区域外土壌入換え(図 -7)、 イ:区域内土壌入換え) ア:汚染土壌を掘削し砂利等を入れ、次に厚さ が 50 cm 以上の非汚染土壌により覆います。 イ:汚染土壌と汚染土壌の底面より 50 cm 以上 深い深さまでの非汚染土壌を掘削します。掘 削を行った場所に、掘削された汚染土壌を埋 め戻し砂利等を入れ、次に厚さが 50 cm 以上 の非汚染土壌により覆います。 指定区域外土壌入換え措置 汚染土壌掘削→場外搬出→清浄土壌埋め戻し 舗装措置 図 -7 区域外土壌入換え措置2) 図 -5 舗装措置 2) ②立入禁止(図 -6) 汚染土壌のある範囲の周囲に、人が立ち入るこ とを防止するための囲いを設けます。土地の区域 外への汚染土壌又は特定有害物質の飛散等を防止 するためシートにより覆います。 ④盛土(図 -8) 汚染土壌のある範囲に砂利等で覆い、次に厚さ が 50 cm 以上の非汚染土壌により覆います。 盛土(覆土)措置 立入禁止措置 図 -8 盛土措置2) 図 -6 立入禁止措置2) NETIS プラス 第3号 ⑤土壌汚染の除去(ア:汚染土壌の掘削による除 去(図 -9) 、イ:原位置での浄化による除去) ア:汚染土壌を掘削・除去し非汚染土壌で埋め 戻します(埋め戻しは必須ではない) 。 イ:原位置で抽出・分解等により汚染土壌中か ら対象となる特定有害物質を除去します。 21 ◉ 新技術レポート 掘削除去措置 遮水工封じ込め措置 図 -11 遮水工封じ込め措置2) 図 -9 土壌汚染の除去 (汚染土壌の掘削による除去)措置2) (2)地下水の摂取等によるリスクに対する措置 地下水の摂取等によるリスクに対する措置は、 土壌溶出量基準に適合しない汚染土壌に対して行 う措置です。地下水の摂取等によるリスクの観点 からの措置には、次のようなものがあります。 ①地下水の水質の測定 地下水の水質を測定します。 (地下水汚染が生じ ていない場合)。 ②原位置封じ込め(図 -10) 汚染土壌の外周に遮水壁等を設置します(不透水 層がある場合) 。さらに埋め戻し上部を被覆します。 原位置封じ込め措置 ④地下水汚染の拡大の防止(図 -12) 地下水汚染の拡大を的確に防止できる地点に揚 水施設を設置し地下水を揚水、または透過性地下 水浄化壁※を設置します。 ※5(4)地下水汚染①マルチバリア工法 参照 地下水汚染の拡大の防止措置 水処理設備 排水 揚水井戸 図 -12 地下水汚染の拡大の防止措置2) ⑤土壌汚染の除去(ア:汚染土壌の掘削による除 去、イ:原位置での浄化による除去) 4(1)⑤と同じ。 ⑥遮断工封じ込め(図 -13) 汚染土壌を投入するための設備を設置し、内部 に掘削された汚染土壌を埋め戻します。さらに埋 め戻し上部を被覆します。 遮断工封じ込め措置 図 -10 原位置封じ込め措置2) ③遮水工封じ込め(図 -11) 遮水シートを敷設した遮水層または同等以上の 遮水工を設置し、その内部に掘削された汚染土壌を 埋め戻します。さらに埋め戻し上部を被覆します。 22 図 -13 遮断工封じ込め措置2) NETIS プラス 第3号 新技術レポート ◉ ⑦不溶化(ア:原位置不溶化、イ:不溶化埋め戻 し(図 -14)) ア:原位置において汚染土壌に薬剤の注入・撹 拌等により、特定有害物質を水に溶出しない ような形態にします。 イ:汚染土壌を掘削し、掘削された汚染土壌につ いて薬剤の注入 ・撹拌等により、特定有害物質が 水に溶出しないよう形態に改質し埋め戻します。 (1)第一種特定有害物質 ①化学分解法(図 -16) : 基準不適合土壌中に薬剤を添加し、化学的に特 定有害物質の分解を行う方法です。特定有害物質 を含む汚染土壌に対して、過硫酸塩、次亜塩素酸 塩、過マンガン塩による酸化分解、過酸化水素と 鉄を使用するフェントン法等による酸化分解、鉄 粉を添加して分解を行う還元分解等があります。 不溶化埋め戻し 図 -14 不溶化(不溶化埋め戻し)措置2) なお、直接摂取および地下水の摂取等によるリス クが同時に発生する可能性があり、その場合は両者 を満足する措置を実施しなければなりません。 図 -16 化学分解法 5 土壌汚染の浄化技術例 土壌汚染の措置において、 どの経路に対するリスクか (直接摂取、地下水経由の摂 取)、土地の状況、汚染物質の 種類や濃度により措置方法を 選択することになります。さ らに 1 つの措置にも様々な浄 化技術があり対象物質、土質、 汚染深度、浄化目標(基準以 下等)、浄化期間(工事期間と 浄化目標達成期間) 、措置後の 土地の利用方法、経済性等を 考慮しながら最適な技術を選 択することになります。 ここでは、措置の種類のう ち主に土壌汚染の除去に着目 した浄化技術を特定有害物 質、油および地下水汚染に分 類(図 -15)し、それぞれにつ いて浄化技術の1例を紹介し ます。 NETIS プラス 第3号 化学分解法 揮発性有機化合物 (第一種特定有害物質) 土壌ガス吸引法 石灰混合抽出法 揚水処理など 重金属等・農薬等 (第二種・第三種特定有害物質) 固化・不溶化 土壌洗浄法 掘削・搬出など 加熱分離法 バイオレメディエーション 油 掘削・搬出など 地下水汚染 マルチバリア工法 揚水処理など 図 -15 浄化技術の分類と技術例 23 ◉ 新技術レポート ②土壌ガス吸引法: 土壌中に吸引井戸を設置し、ガス化した特定有 害物質を真空ポンプ等により回収し、土壌から除 去する方法です。回収したガスは活性炭吸着等で 適正に処理します。 ③石灰混合抽出法: 土壌ガス吸引法の適用が困難な粘性土層に石灰 を混合して、土壌中に滞留したガスの通気性を良 くし、また、水和反応で生じる反応熱で汚染物質 をガス化させ回収する工法です。 (3)油 ①加熱分離法: 汚染土壌を加熱プラントで加熱し油分を気化・ 分離、固着化させる工法です。 ②バイオレメディエーション(図 -18) : 微生物の油分解能力を利用して、浄化を図る技 術です。栄養塩等を添加し、土着微生物を活性化 させるバイオステミュレーションと外部より油分 分解に優れた微生物を導入し、油分分解を促進す るバイオオーグメンテーションに大別されます。 ④揚水処理: 地下水中の特定有害物質を回収することにより 土壌から除去する方法です。揚水した地下水は処 理設備で分解、吸着、沈殿等を行い適正に処理し ます。 (2)第二種・第三種特定有害物質 ①固化・不溶化: 特定有害物質の種類に応じた固化剤を混合し化 学的または物理的に安定化させる工法です。 ②土壌洗浄法(図 -17) : 掘削した汚染土壌を機械的に洗浄して特定有害 物質を除去する方法です。土壌を粒度毎に分級し て、特定有害物質が吸着・濃縮している部分の土 壌を抽出(分離)し、同時に特定有害物質を洗浄 液中に溶出させることにより浄化します。洗浄処 理は、専用の土壌洗浄施設が用いられます。 ③掘削・搬出: 汚染土壌を掘削・除去し非汚染土壌で埋め戻し ます。搬出した汚染土壌は、 特定有害物質の種類、 濃度により焼成処理、溶融処理、管理型処分場で の埋立処理等を行います。 図 -18 バイオレメディエーション (バイオパイル工法) (4)地下水汚染 ①マルチバリア工法 (透過性地下水浄化壁 (図 -19)) : 地盤の透水性を周囲の帯水層と同等以上に維持 し流れを阻害することなく、特定有害物質を分解 (吸着)させる構造物を地中に作りだす方法です。 特定有害物質の分解(吸着)に必要な化学物質を 帯水層中に攪拌や置換工法によって挿入し、そこ へ流入してくる地下水中の特定有害物質を定常的 に分解(吸着)します。透過性地下水浄化壁を通 過した地下水は浄化され敷地外等へ流下します。 図 -19 マルチバリア工法 図 -17 土壌洗浄法 24 NETIS プラス 第3号 新技術レポート ◉ 6 NETIS登録技術 7 おわりに 新技術情報提供システム(NETIS)にも汚 染土壌に関連する技術が登録されています。 NETISホームページから、新技術の検索項 目にて“汚染土壌”のキーワードで検索すると、 2011 年 8 月現在では 14 技術が掲載されています。 技術内容は、前述の浄化技術のうち不溶化、バ イオ、土壌洗浄や加熱処理、揚水処理等となって います(表 -1 参照) 。 (図 -15 「浄化技術の分類と技術例」に該当し ない技術は除いています。 ) 汚染土壌の基本的事項、土対法の概要を理解し、 遭遇した折には、速やかに専門部局の助言を求め ることが必要です。 先送りにされやすい土壌汚染問題ですが、土壌 汚染の早期把握・早期対応を図ることが望まれま す。 それにより十分な対応期間をとることができ、 汚染土壌を掘削することなく浄化できる技術等の 選択肢が広がり費用負荷を軽減する可能性が増え ます。 表 -1 NETIS登録技術一覧 技術名称 登録番号 副題 カートリッジ式ろ過膜モジュールシステム CB-090016-A ダイオキシン類が付着した懸濁物質や微細なコロイド 分等を含む汚染排水を浄化する小型、簡便な可搬式自 動運転システム 重金属等汚染土壌の固化・不溶化処理技術 ( ピュアソイル、ピュアソイル EX) CB-110005-A 重金属等汚染土壌の固化・不溶化処理技術 ( ピュアソイル、ピュアソイル EX) 油吸着分解材「スノム」 CG-060014-A マメ殻粉体とバクテリアを複合することにより吸着した 油分を生分解することが出来る油吸着分解材 ヒ素汚染土壌の不溶化剤 HK-060003-V 石膏粉とホタテ貝殻を利用したヒ素汚染土壌に対する 不溶化技術 重金属吸着資材「アドロック」 HK-100015-A 金属等含有土壌対策に用いる希土類元素及び鉄化合物 を主成分とする土木資材及び工法 マグネシウム系固化材を用いた 重金属等汚染土壌の固化・不溶化処理技術 KK-040059-A 汚染土壌の不溶化措置方法 TPS 工法 KK-050005-A 間接加熱式熱脱着法による汚染土壌浄化技術 スーパーウェルポイント工法 KT-000120-A 大深度真空排水工法 重金属汚染土壌処理システム KT-040037-A 重金属汚染土壌処理の効果的な不溶化処理技術 ダイオラップ工法 KT-060049-V ダイオキシン類汚染底泥の処理工法 複合微生物製剤による油類の浄化技術 KT-060059-A 複合微生物製剤を適用した土壌・地下水汚染対策 中性域対応型土質安定材 グリーンアースシリーズ KT-100029-A 建設発生土や浚渫土の中性域での土質改良及び重金属汚 染土の不溶化及び廃棄物混入土砂の分別処理 油吸着分解剤「オイルゲーター」 KT-100036-A 漏油による路面の油吸着剤、油汚染土壌の吸着分解剤 アムス RC40 と アムスエコプラントシステム工法 TH-060003-V 汚染土壌に用いた酸化マグネシウム系改良剤及び移動 式プラントによる現場改良 ( 溶出抑制 ) 技術とリサイ クル資源化 ( アムス RC40) のシステム工法 (参考文献) 1)土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン暫定版 ,2010.7(環境省) 2)土壌汚染に関するリスクコミュニケーションガイドライン~事業者が行うリスクコミュニケーションのために~ ,2008.6(環境省) NETIS プラス 第3号 25 ◉ 着目新技術 東日本大震災の復旧・復興に資する技術 (土壌汚染対策技術) ~ ACTEC が募集した技術情報からの紹介~ 国土交通省では東日本大震災の復旧・復興に資する NETIS 登録技術を募集し、約 1800 の技術を NETIS ホームページ上に公開しています。先端建設技術センターでは、NETIS 未登録技術を対象に 募集したところ、52 社から 109 技術の応募いただきました。 応募技術はデータベース化し、被災地での復旧・復興工事の参考として頂くため、当センターのホー ムページに公開しています。本稿では、被災地へ情報提供した応募技術の中から、土壌汚染対策技術 を取上げて紹介します。 ▼ 応募のあった技術情報の種別 (複数分野にまたがる技術もある) がれき・土砂・ヘドロ処理技術 収集 分別 リサイクル 処分 解体 補修・修復・復旧技術 コンクリート構造物 土壌改良(塩分・放射線等) 路面 河川護岸 海岸 液状化対策 ライフライン復旧 その他技術 水中作業 無人化施工 応急処置 計測・測量 情報通信・情報共有 41 技術 12 技術 11 技術 24 技術 21 技術 10 技術 87 技術 46 技術 15 技術 23 技術 48 技術 45 技術 14 技術 34 技術 41 技術 8 技術 5 技術 28 技術 10 技術 9 技術 ▲ 公開中の震災復旧・復興に資する技術情報 (http://www.actec.or.jp/fukkou/index.html) 東日本大震災の後、国土交通省では NETIS 掲載技術を対象に東日本大震災の復旧・復興に資する技術 募集し、応募技術を NETIS に公開しました。これに伴い先端建設技術センターでは、NETIS 登録されて いない有用な技術について公募し、応募いただいた技術を当センターのホームページ上に公開しました。 26 NETIS プラス 第3号 着目新技術 ◉ 応募頂いた技術の公開にあたっては、 被災地への情報提供を効果的に行うた め、当センター独自に被災地調査を行い ニーズの把握に努めるとともに、応募頂 いた技術の内容を確認した上で、「がれ き・土砂・ヘドロ処理技術」 「補修・修 復・復旧技術」「その他技術」に分類し、 津波被害の著しかった宮城県東松島市等 の震災復興の担当者を 8 月中旬に訪問し 情報提供して参りました(写真1) 。 自治体担当者の方々に、瓦礫・津波堆 積物の処理の流れ(図1)や、各プロセ スにおける応募技術の位置付け(図2) を例示しながら情報提供を行いました。 ▲ 写真1 津波被害の爪あとが今も残る東松島市東名地区 津波堆積物処理フロー 瓦礫・津波堆積物(混合廃棄物) 被災地では、人々の献身的な活動によ り、大量に発生した瓦礫や自動車等の金 一次処理:分別・洗浄等 木材・木くず コンクリートガラ 金属くず ヘドロ・土砂類 木屑・紙くず・ 混合可燃物 その他不燃物等 属スクラップ、ヘドロ等を仮置き場所に 分別集積しているものの、これらの有効 (状況に応じて)油・重金属等 土壌調査・分析 利用策やヘドロの具体的な処分方法など 検討すべき課題が、まだ多く残されてい 二次処理:圧縮・破砕・仮置・固化処理等 圧縮・破砕 搬出 破砕・仮置 搬出 仮置搬出 砕石 専門業者に よる処理 る印象を受けました。仮置きヤード周辺 は、悪臭もひどく炎天下の中、作業に従 事されている方々のご苦労は、察して余 仮置搬出 土壌浄化処理 仮置搬出 固化・仮置 搬出 良質土 改良土 仮置搬出 中間処理 建設チップ (チップ等) バイオマス 発電他 専門業者に よる処理 処理不可能及び残渣等は最終処分場へ りあるものがあります。 (再利用)バイオマス燃料、盛土材、再生資源材など 今回、応募頂いた企業の皆様には、有 益な技術情報を提供頂いたことに感謝す ▲ 図1 瓦礫、津波堆積物の処理フロー るとともに、引き続き、津波被災地等の 復旧・復興を支援するため、当センター も情報提供を継続して参ります。 次頁以降には、応募技術の中から、油 や重金属に汚染された被災地での対策 ヘドロ・土砂 ★高粘度油専用 油捕獲材 凡例 土壌汚染 調査・分析 油膜処理 油分による汚染あり 油臭あり 有害物質による汚染あり 塩分による汚染あり 高濃度汚染 を想定し、土壌洗浄法およびバイオレメ ディエーションに分類(P24 参照)され る3技術について紹介します。新技術レ ポートにも掲載しておりますが、国土交 通省 NETIS に掲載中の震災復興向け技 術情報と併せて、これらの技術が被災地 の早期復興の一助になることを願って おります。 NETIS プラス 第3号 先端建設技術センター 震災対応への応募技術 ★油分対策 ★有害物質対策 ★塩分対策 処理方法 洗浄処理 ★ ★ SKオンサイ ト 土壌浄化システム 加熱処理 吸着処理 固化・不溶化 ★ NLDHを利用した ★ 汚染土壌無害化と 有害陰イオン処理 生物分解 化学分解 液体バイオによる ★ アムスエコシステム工法 油 臭 及び魚 臭 等 の 分解消臭対策 ★ ★ 塩分除去及び 移動式汚泥改良 ★ 重金属類、有害廃棄 YEM工法 物吸収分解機能を 持つ土壌改良剤 ★ バイオオーグメンテ ーションを用いた油含 有土壌の浄化技術 処理後 要求品質に応じた条件付再利用(改良土) 原位置処理による再利用 外部搬出処理 (管理型処分場) ▲ 図2 ヘドロ、土砂の処理フローと応募技術の例示 27 ◉ 着目新技術 対象汚染物質:重金属(鉛、砒素等) 、油 SK オンサイト土壌浄化システム ~重金属、油・油臭に適した土壌洗浄技術~ 浄化技術分類:土壌洗浄法 土壌汚染の対策工事として、当該敷地内で土壌洗浄を行う工事はこれまでも行われていましたが、広大 な作業スペースが必要である、オペレータの技量により効果にムラがある、などの問題がありました。 「SK オンサイト土壌浄化システム」は、高圧ポンプが発生した洗浄水と汚染土壌との高圧混合乱流に より、土壌汚染物が多く付着する細粒分を磨砕除去する洗浄装置です。汚染土壌を高圧水でジェット水 流洗浄機に注入すると、機内で汚染土壌の粒子同士が激しくこすれ合い、固着した土粒子が分離します。 その後、分級・ふるい分けを行い、 汚染土壌の掘削 粗粒分は分析後清浄土として埋 戻します。細粒分を含む洗浄水は 水処理システムで凝集沈殿処理 します。細粒分は汚染物質を多く 汚染土壌 大径礫等の処理 《土壌浄化システム・コア部》 ジェット水流洗浄 分級・ふるい分け 場内埋戻し 粗粒分 《水処理システム部》 汚染物質 細粒分 部で適正処理します。清浄になっ た洗浄水は繰り返し使用します。 脱水ケーキ 水処置装置・水槽 含む脱水ケーキとして回収し外 特 徴 洗浄土 場外搬出 ▲ SK オンサイト土壌洗浄システムのフロー図 「SK オンサイト土壌浄化システム」には以下のような優れた特徴があります。 ・ 処理作業期間の短縮。→連続投入可能なジェット水流洗浄機による「磨砕洗浄効果」 により、従来の「漬け置き洗浄方式」よりも時間当たりの処理量が増加し、さらに 安定した洗浄効果を得ることが出来ました。 ・ 処理水量の低減。→土質や汚染状況に応じ、洗浄水量や水圧を 調整することで効率的な洗浄が可能です。さらに洗浄水を循環 利用することで排水量を最小限に抑制します。水処理薬剤の使 用量低減にもつながります。 ・ 省スペース。→設備の積層化及び処理水貯留設備の小型化により 設置スペースを約半分に縮小し、小規模敷地での工事に導入を容 易にしました。同時に設置・撤去工事の手間も大幅に低減するこ とができました。その他、土壌運搬車両の台数低減や作業騒音の 抑制など、特に市街地での作業にメリットがある工法です。 実 績 ▲ SK オンサイト土壌洗浄 平成 20 年度の中~低濃度の砒素・鉛汚染土壌の浄化工事他、これまでに数件の実績 があり各々効果をあげています。 「SK オンサイト土壌浄化システム」は汚染土壌の外 部搬出による汚染の拡散を抑制する優れた対策工事方法ですので、今後も積極的に導 入を働きかけてまいります。 問合せ先 28 佐藤工業株式会社 tel: 03-3661-2650 fax: 03-3661-1604 担当:多角化事業統括部 鈴木茂生 e-mail:[email protected] NETIS プラス 第3号 着目新技術 ◉ 対象汚染物質:油(炭素数 C10 ~ C35 のガソリン、灯油、経由、A 重油等) バイオオーグメンテーションを用いた 油含有土壌の浄化技術 ~安全且つ油分分解能力に優れた 3種類の微生物導入による油含有土壌浄化~ 浄化技術分類:バイオレメディエーション 油分解能力に優れた微生物(3菌株)を導入し て、油含有土壌を浄 化する技 術です。掘削した 土壌を地上に盛土し、重機で撹拌混合するランド ファーミング工法と、垂直、水平井戸を介して直接 Novosphingobium sp. No.2株 地中に注入する注入工法とがあり、ランドファーミ Pseudomonas sp. No.5株 Rhodococcus sp. No.10株 ▲ 3菌株の顕微鏡写真 安全性が確認された 3 種類の微生物であり、 それぞれが優れた油分分解能力を有している。 ング工法では2~4ヶ月程度で浄化が可能です。 導入する微生物については、文献、動物実験等 で安全性を確認しており、導入後についてもその菌数の変化を容易に把握できる手法を確立しています。 ▲ ▲ ランドファーミング工法 原位置にて比較的簡易な方法で浄化が可能である。 特 徴 土着菌の処理能力に依存するバイオステミュ レーション工法より、早く、確実に浄化ができる 微細気泡発生装置 ようになりました。また、当該微生物を用いた浄 栄養塩 送液ポンプ 化計画は、国が定めている 「微生物によるバイオ レメディエーション利用指針」 への適合の確認を 水槽室 制御室 コンプレッサー インバータ 空気 P 既設建屋 油水 分離槽 受けており、生態系への影響や人への健康影響 に配慮した適正な安全性の評価・管理手法が採 空気 注水 実 績 と地下水汚染の事例に対し、注入工法の一種であ 栄養 塩 添加 槽 バ ッフ ァ 槽 P 凡 例 揚水 循環井戸(揚水) 帯水層 循環井戸(注水) エアレーション井戸 られていることを国から確認されております。 地下式燃料タンクからの漏洩による油汚染土壌 3菌株 空気 建屋下部 一般部 不透水層 ▲地下水循環工法の概要 る地下水循環工法にて浄化を実施しています。 ・対象土質:透水性が良好な砂層が主体 ・対象土量:約 3,000 m3 ・対象深度:地表面~ GL-5.0 m(21 深度) ・地下水位:GL-2.0 m ・浄化対象:A重油、平均濃度 10,700(最大 39,000)mg/kg 油臭・油膜については不快、違和感有のレベル 問合せ先 8ヶ月後、油臭・油膜については、 違和感、不快感なし、平均油分濃 度については 3,700mg/kg まで 低減されました 株式会社 奥村組 tel: 03-5427-2323 fax: 03-5427-8114 担当:環境技術部 竹原博登 e-mail:[email protected] NETIS プラス 第3号 29 ◉ 着目新技術 対象汚染物質:重金属等(シアン、鉛等) 、油 シアン汚染土壌に対応した 土壌浄化技術 ~シアン化合物を難溶性塩として回収する方法を 組み込んだ土壌洗浄技術~ 土壌洗浄法のプラント 一般に鉛等の重金属等(第二種特定有害物質)による土壌汚染物質は、吸着、錯体形成等により土表面 に多く存在しており、比表面積が大きな土壌細粒分は粗粒分に比べ重金属含有が高い傾向があります。土 壌洗浄法は、土壌表面に存在する有害物質を湿式で洗浄・剥離し、浄化された土壌粗粒分と汚染が濃縮さ れた土壌細粒分とに分級をす る浄化法です。 一方、重金属等であるシアン 化合物は、水溶性が高くまたマ イナスに帯電した土壌細粒分 への吸着性も小さいため、単純 ▲土壌洗浄法の処理フロー な分級主体による土壌洗浄で は浄化が困難でした。 そこで、大成建設は水溶性の高いシア ●従来の土壌洗浄法でシアンを対象とした場合の 課題【概念図】 ン化合物が金属化合物と反応して難溶性 洗浄 分級・脱水 土壌粗粒分 塩を形成することに着目し、その難溶性 土壌粗粒分 再洗浄必要 (2~3回繰り返し) 塩(沈殿物)を回収する方法を組み込ん だ新しい土壌洗浄技術を開発しました。 特 徴 分級 粗粒分にも散在す るシアン汚染土壌 に対して、金属塩を 添加し洗浄することで、シアン化合物を シアン 洗浄水 土壌細粒分 水溶性の高いシアンは、 粗粒分の土壌間隙水中に残存する 汚泥産廃処理 シアン 土壌細粒分 水溶性の高いシアンは、分級後の土壌(粗粒分)の間隙水中にも残存している。 ⇒浄化性が悪く繰り返し再洗浄を行う必要がある。 難溶解性の塩沈殿物に変換して細粒分に ●シアン汚染土壌に対応した土壌洗浄法【概念図】 移行させ回収します。 実 績 平 成 22 年 度 に お いて、東邦ガス株式 洗浄(難溶解性塩(沈殿物)の形成) 金属化合物添加 土壌粗粒分 分級(+すすぎ洗浄)・脱水 土壌粗粒分 会社と共同開発し、 浄化土 同敷地にて試験施工を実施しています。 問合せ先 分級 大成建設株式会社 tel:03-5381-5185 fax:03-3344-9476 担当:環境本部 土壌・環境事業部 松尾 寿峰 [email protected] 土壌粗粒分に付着した難溶解性 塩はすすぎ洗浄で除去 洗浄水 汚泥産廃処 土壌細粒分 シアン+金属化合物で、 「難溶解性の塩」を形成し沈殿する。 土壌細粒分と シアンの金属塩沈殿物 洗浄水に添加した金属化合物がシアンと難溶解性の塩を生成し、沈殿・分離する。 土壌粗粒分に残存するシアンの金属塩は、シャワー等すすぎ洗浄で除去する。 ▲シアン土壌洗浄法と従来法の比較 30 NETIS プラス 第3号 自治体の取組み ◉ 「Made in 新潟 新技術普及・活用制度」 県外への販路拡大支援の取組み ~ゴールド技術・プラチナ技術~ 新潟県 土木部 技術管理課 1 新潟県発の優れた技術 新潟県では、県内建設産業の技術力向上と経営 健全化を促進することを目的として、 「Made in 新 潟 新技術普及・活用制度」を平成 18 年度に創設 しています。 本制度は、県内企業が開発した新技術の概要を 広く一般に情報提供をする「普及制度」と、県発 注工事で活用して得た効果の評価を情報提供する 「活用制度」の2つの制度で構成されています。9 月1日現在 138 技術を「普及制度」に登録してお り、様々な現場ですぐに役立つ多くの技術につい ての情報提供を行っています。 ここでは、今年度から新たに新技術の県外への販 路開拓支援として取り組んでいるゴールド技術、プ ラチナ技術の認定制度についてご紹介します。 2 ゴールド技術・プラチナ技術 ①ゴールド技術 新潟県が発注した工事で活用効果が高いと評価 され、かつ実績の多い技術を「Made in 新潟 ゴー ルド技術」に認定します。これにより技術の信頼 性が高まり、更なる活用・普及が進むことを期待 しています。 が期待される。 プラチナ技術に認定された技術は「Made in 新 潟 プラチナ技術」の名称を永久使用できる他、販 路開拓支援事業として県外への販路開拓のための 補助金を申請することができます。 ●プラチナ技術の理念● プラチナ技術の認定は、 「新潟県内の企業が 開発した新技術の活用・普及を図る」という 「Made in 新潟 新技術普及・活用制度」の趣旨 に沿い、その最終行程として全国での活用の定 着を目指し、新技術を『広く普及した技術』へ と昇華させることを目的としている。したがっ て、プラチナ技術に認定される技術は、自らの 努力により全国的な活用・普及を目指している 技術であり、新潟県が全国的な活用の定着を後 押しするに値すると認めたものに限る。 3 プラチナ技術に認定された技術 (1)側溝上部改修工法(高橋土建株式会社)〔登 録番号:18D1002〕 ●ゴールド技術の理念● ゴールド技術の認定は、活用効果の評価が 高く実績の多い新技術であることを示すもの で、新技術の活用・普及をさらに促進するこ とを目的としたものである。 ②プラチナ技術 ゴールド技術に認定された技術から公募し、選 考委員会を経て、特に優れた技術を「プラチナ技 術」に認定します。活用・普及から一歩進んで、 全国での活用の定着を目指します。 プラチナ技術に認定する技術は次の2つの視点 で選考しています。 ・性能又は機能が特に優れており、従来に比べ飛 躍的な効果が発揮される。 ・国内全体の問題解決に貢献でき、全国的な需要 NETIS プラス 第3号 ▲サイドカッティングマシン 31 ◉ 自治体の取組み 傷んだ側溝上部のみを専用の側溝横面切断機に より切断撤去し、専用の改修用製品を設置するこ とで側溝の機能を蘇らせる工法です。 従来は側溝の布施替で対応していた事案を効率 的に解決できます。さらに、民家に近接するなど 作業スペースに制約のある場合でも容易に施工が 可能です。平成 22 年度の「国土技術開発賞 地域 貢献技術賞」を受賞しています。 (NETIS 登録番号:HR-060021-A) (2)グレーチングストッパーSP(丸運建設株式 会社)〔登録番号:18D1045〕 グレーチング(既設・新設、細目・並目を問わず 設置が可)の跳ね上がり防止を目的に種々の道路側 溝や街渠桝に対応した後付け固定の専用金具です。 一般通行車両によるグレーチングの跳ね上がり や集中豪雨などによる浮き上がりを原因とする事 故の防止や施設の管理瑕疵対策としても効果的な 安全・安心のオールステンレス製品(SP、SPM、 SSP の3タイプ)です。既存施設の再使用がで き、グレーチングのガタツキ騒音や盗難防止対 策にも有効な手段です。 (NETIS 登録番号:HR050026-V) (3)RCネット工法(株式会社シビル) 〔登録番 号:18D2021〕 8,000kJ の落石エネルギーまで対応可能な高エ ネルギー吸収型落石防護網工です。ワイヤーロー プに緩衝金具を備えることで落石エネルギーを吸 収し、 落石の跳躍を抑えエネルギーを減衰させ安 全な場所 ( 法尻の余地 ) まで誘導あるいは斜面の 途中で停止させることが出来ます。(NETIS 登録 番号:HR-990117-A) ▲改良型ダブル ▲小型側溝用 ロープが金具内を滑ることにより 摩擦力でエネルギーを吸収する ▲設置状況 32 NETIS プラス 第3号 自治体の取組み ◉ 4 ゴールド技術に認定された技術 (1)建設発生土の合理的改良技術(新潟県土質改 良事業組合) 〔登録番号:18D1019〕 建設発生土の土質改良において、混合能力等に 優れた自走式土質改良機を用いて、事前調査から 品質管理までを一貫して行うことで、高品質な改 良土を供給する技術です。特に、配合設計時と改 良時の土の密度や含水比の違いを踏まえた改良材 添加量で改良するため、強度ムラの少ない改良土 を経済的に供給できます。 (NETIS 登録番号:HR060002-V) なっています。支柱は鋼管内部に三角形の補強板 等を配置したモルタル充填鋼管柱であり、曲げ耐 力に優れた構造になっています。落石防護との兼 用も可能な防護柵です。 (NETIS 登録番号:HR010010-A) 5 プラチナ技術の販路開拓支援 注!このグラフは一例です。 土質条件によって変化します。 プラチナ技術に認定された技術の開発企業を対 象として、県外で配布される出版物やチラシ等へ の広告掲載費や、県外でのデモ施工費に補助金を 交付する制度を創設しました。 交付額は、 申請され た技術の件数により予算の範囲内で決定します。 これにより、開発企業の県外での戦略的な販路拡 大を後押しします。 その他、新潟県の標準歩掛や単価の設定、図集 の作成を考えています。 6 今後の展望 (2)ハイパワースノーフェンス工法(和光物産株 式会社)〔登録番号:18D1036〕 雪崩予防・積雪のせり出し防止等、防雪対策と して開発された技術です。基礎は杭式基礎であ り、支持地盤が比較的脆弱な場合にも対応可能と 今後、 「ゴールド技術」は年2回、 「プラチナ技 術」は年1回認定していく予定です。今年度から の取組みであり、今後の認定技術の活用拡大状 況や販路拡大支援事業での効果を検証しながら、 「Made in 新潟 新技術」の全国での定着にむけて、 更なる県外への展開の取組みを検討していきたい と考えています。 詳しくは「Made in 新潟 新技術普及・活用制 度」のホームページをご覧ください。 http://www.shingijutu-niigata.jp/ NETIS プラス 第3号 33 「さがみ縦貫道路」の早期完成を目指して 現場探訪 ~三井住友建設㈱の挑戦~ 工事名:首都圏中央連絡自動車道 宮山高架橋他2橋(PC上部工)工事 施工者:三井住友建設株式会社 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部とし て、また、神奈川県の新たな大動脈として早期完成 が望まれる「さがみ縦貫道路」 。 その「さがみ縦貫道路」のうち、神奈川県高座郡 寒川町倉見から海老名市門沢橋に至る高架橋区間 において三井住友建設株式会社の精鋭が現在全力 で工事に取り組んでいる。 現場は民家に近接しており騒音等に対する配慮 が必要とされる中、平成 24 年 11 月の引き渡しへ向 けた工期の厳守が重要な使命である。 その工夫として当該現場では「プレキャストウェ ブ工法」を採用した。 「プレキャストウェブ工法」 とは、従来現場打ちコンクリートにて施工される連 続箱桁橋のウェブ部分をあらかじめプレキャスト 製品として作成しておくことで、足場上での鉄筋型 枠組立作業を極力減らす工法である。 この工法はコンクリートの締固めが難しい斜め のウェブ部を平地で打設するため品質向上にもつ ながる。 プレキャストウェブ工法 230 230 標準案 2400 250 250 1000 250 220 220 250 1000 橋梁現場経験の 長い、所長の安永和 正氏は言う。 「この現場は、工 期短縮や品質の向 上だけでなく、周辺 環境対策としても 様々な努力をして いる。技術者として チャレンジしつづ けることが技術力 の向上につながる。 ▲ 所長の安永和正氏 若い頃から高欄の 通りや高さの 1mm の誤差にもこだわった。 」 「工事現場の面白さは同じ仕事がないというこ と。見本のない新しい仕事はいろいろと試行錯誤で き、技術者冥利に尽きる。 」熱く語る安永所長の目 は輝いていた。 三井住友建設株式会社 圏央道宮山作業所はま さにこれからが本番である。 2000 1200 1200 プレキャストウェブ 2000 1000 1000 ▲ プレキャストウェブ工法 Step1:生コンクリート打設 Step2:上型枠撤去 撤去 上型枠 投入口付 Step3:コテ仕上げ 上型枠撤去部コテ仕上げ ▲ 職員、作業員が一体となって試行錯誤する現場 ▲ プレキャストウェブの施工手順 ▲ 仮設ハウス内でプレキャストウェブを製作する 34 ▲ 現場事務所前に設け ▲ 周辺環境対策として設置され られたプレキャスト た防音シートや防音パネル ウェブ工法のモデル NETIS プラス 第3号 NETIS 資料室 S I T E N 新技術活用システムの簡単解説 ▲ ■■ 第3回 「掲載期限」について 『新技術活用システム』は、国土交通省の新技術情報提供システム (NETIS)に登録された新技術を対象に、公共工事等において 良い技術の活用を推進するための仕組みです。 活用された技術を積極的に評価し、更なる技術の開発・改良に繋 げていくことを目的としています。 新技術活用システム 新技術活用システム 「有用な新技術」として 「有用な新技術」 として 普及促進 普及進促 評価がよければ「有 評価がよければ 用な新技術」に指定 「有用な新技術」 されます。 評価結果を蓄積 評価結果を蓄積 に指定されます。 活用現場の調 活用現場の調査表 査表が蓄積され が蓄積された時点 で実施されます。 た時点で実施さ れます。 推奨技術 ・推奨技術 準推奨技術 ・準推奨技術 設計比較対象技術 ・設計比較対象技術 少実績優良技術 ・少実績優良技術 活用促進技術 ・活用促進技術 評価された技術は 評価された技術は NETIS番号○○-○○○○○○NETIS番号 ○○-○○○○○○-v v となります となります 産学官からなる 産学官からなる 有識者会議が 有識者会議が その技術を評価 その技術を 評価 NETIS(評価情報) NETIS (評価情報) (新技術情報提供システム) (新技術情報提供システム) 新技術が採用 新技術が採用され されれば、その れば、その技術の効 技術の効果に 果について活用時 ついて活用時に に調査されます。 調査されます。 公共工事等で 公共工事等で 活用効果調査 活用効果調査 新技術を積極的に活用 新技術を積極的に活用 し、技術のスパイラル 技術のスパイラル し、 アップに繋げます。 アップ に繋げます。 新技術を評価する 新技術を評価するため ため活用を促進 活用を促進 NETIS NETIS(申請情報) (申請情報) (新技術情報提供システム) (新技術情報提供システム) 登録 登録 登録 登録 登録 登録 登録 登録 民間等にて開発された新技術 民間等にて開発された新技術 NETIS プラス 第3号 登録された技術は国の公共工事等 登録された技術は国の公共工事等 で活用される候補となります。 で活用される候補となります。 NETIS番号○○-○○○○○○-A ○○-○○○○○○-A NETIS番号 今回は「掲載期間」に 今回は「登録」につ ついて説明します。 いて説明します。 35 ◉ NETIS 資料室 第3回 「掲載期限」について NETIS 新技術情報提供システムの新技術情報掲載期間について 新技術情報には掲載期限があります。 ・NETIS新技術情報提供システムへの新技術情報登録後の掲載期間は以下の とおりです。(※H18年度本格運用開始前に登録された新技術を除く。) NETIS 申請情報技術(NETIS 番号の末尾が“- A”の技術)の掲載期間 当初に NETIS 登録した日の翌年度の 4 月 1 日から起算して 5 年を経過した日まで。 NETIS 評価情報技術(NETIS 番号の末尾が“- V”の技術)の掲載期間 有識者会議による評価結果が NETIS 評価情報として掲載された日(NETIS 番号の末尾が“- V”に 変更された日)の翌年度の 4 月 1 日から起算して 5 年を経過した日まで。 但し、評価情報掲載期間中に当該技術について再度有識者会議で評価された場合は、5 年延長。 (この後有識者会議による評価が繰り返されればその都度掲載期間は延長されるが、当初に NETIS に登録してから最大 10 年が限度。) 最大10年まで 掲載期限満了 NETIS (評価情報) 有識者会議の 評価 (2 回目) NETIS (評価情報) 掲載期間スタート 5年 有識者会議の 評価 (1 回目) NETIS (申請情報) 36 5年 5年 提供期間を リセット NETIS (申請情報) 掲載終了 NETIS (評価情報) 掲載終了 有識者会議の 評価を受けな ければ5年で 提供終了 NETIS プラス 第3号 NETIS 資料室 ◉ NETIS に登録して活用した場合の利点は? NETISに登録、または登録された新技術を活用することにより、建設 工事における設計・入札契約・施工・完成時・完成後に下記のような様々 な+プラス面(利点)があります。 評価が優秀な場合「有用な 新技術」に選定され、これ により普及促進の対象にな ります。 (39頁「利点③」 をご覧ください) 新技術を活用することに より課題が見つかり改良 ・改善につながります。 まずはNETISに登録し て下さい。発注者や施工 者はNETISを検索して 新技術の情報を収集して います。 完 成 時 ・ 完 成 後 施 工 時 入 札 ・ 契 約 時 NETISの新技術を活用 すれば工事成績評定にお いて加点されます。 (38頁「利点②」 をご覧ください) NETISの新技術を活用す ればコストの縮減、工期の 短縮等が期待できます。 総合評価方式での提案で加 点の対象になります。 (38頁「利点①」をご覧ください) 設 計 時 NETIS登録申請者 NETIS プラス 第3号 施 工 者 37 ◉ NETIS 資料室 利点① 総合評価落札方式における新技術活用に対する加点について 総合評価方式において NETIS に登録された新技術の活用を提案した場合、加点の 対象になります。注)加点の方法は提案を行った地方整備局等によって異なります。 東北地方整備局の場合 (ホームページより抜粋) 近畿地方整備局の場合 ◎適用工事:標準型・簡易型 ◎加点措置の概要: 技術提案の中で、新技術情報提供 システム(NETIS)登録技術 において、 「有用な技術」とされた 新技術の提案 +2点。 利点② 工事成績評定における新技術活用に対する加点について 新技術の活用を提案(契約後提案、施工計画書、工事打合せ簿による活用提案) すれば下記のように工事成績評定に加点されます。 (必ず活用効果調査表は出してください。) 事後評価が実施された技術活用の場合 最大 1.6 点 ■「有用な新技術」の活用で活用効果調査表を提出 +1.6 点 ■「有用な新技術」以外の技術の活用で活用効果調査表の総合評価が 120 点以上 事後評価が実施されていない技術活用の場合 ■ 活用効果調査表を提出 +1.6 点 最大 1.6 点 +0.8 点 更に ■ 発注者による活用効果調査表の総合評価が 120 点以上であれば 38 +0.8 点 NETIS プラス 第3号 NETIS 資料室 ◉ 利点③ 「有用な新技術」として普及促進の対象となります。 推 奨 技 術 準推奨技術 公共工事等に関する技術の水準を一層高めるために新技術活用シス テム検討会議(有識者会議)において選定された、画期的な新技術。 選定された技術は『○○年度 推奨技術(新技術活用システム検討 会議(国土交通省))』又は『○○年度 準推奨技術(新技術活用シ ステム検討会議(国土交通省) ) 』という名称を使用できます。 平成23年度『推奨技術』の紹介 技術名:パワーブレンダー工法(スラリー噴射方式) NETIS登録番号:CB-980012-V 申請者名:パワーブレンダー工法協会 技術名:リテラ(BZ210・BZ200・BZ120) NETIS登録番号:KK-980067-V 申請者名:株式会社小松製作所 技術名:オートゲート(門柱レス樋門) NETIS登録番号:TH-990145-V 申請者名:旭イノベックス株式会社 技術名:排水性舗装用溝切り工法 NETIS登録番号:SK-020015-V 申請者名:株式会社 スカイ・アーク 平成23年度『準推奨技術』の紹介 技術名:ダイプラハウエル管による道路下カルバート工の設計・施工方法(高耐圧ポリエチレン管) NETIS登録番号:CB-980025-V 申請者名:大日本プラスチックス株式会社 技術名:エポコラム工法(地盤改良工法) NETIS登録番号:KT-980205-V 申請者名:エポコラム協会 技術名:ユニラップ工法 NETIS登録番号:KT-980565-V 申請者名:ライト工業株式会社 技術名:KKシート工法 NETIS登録番号:KT-030007-V 申請者名:川田建設株式会社、協立エンジ株式会社 設計比較対象技術 技術の優位性が高く、安定性が確認されている技術。設計業務に おいて、設計比較の対象となります。 少実績優良技術 技術の優位性が高いが直轄工事等における実績が少ない技術。 技術の安定性が確認されるまでの間、活用に努めます。 活用促進技術 特定の性能又は機能が著しく優れている技術など。指定された技術は 『○○年度 活用促進技術』という名称を使用できます。 NETIS プラス 第3号 39 広告 情報事業推進室 40 広告 41 ◉ ACTEC 事業紹介 NETIS に最近登録された新技術の紹介 (NETIS 新技術情報提供システム登録申請支援事業) ※ここに記載された内容は NETIS 申請情報に基づいております。 技術名:光触媒を塗布した大気浄化機能をもつ環境に優しい広報用 表示シート「エコメディア」 NETIS 登録番号 : KT-100109-A 申請者:ビイアンドビイ株式会社 技術概要: 本技術は屋外構築物に設置する光触媒を塗布した 非塩化ビニール製広報用シートで、従来は塩化ビ ニール製広報用シートで対応していた。本技術の 活用により、大気汚染浄化機能を有し、焼却時に おいてもダイオキシンが発生しないため、周辺環 境への影響抑制の向上が図れる。 新 規 性: ・広報用表示シートの素材を塩化ビニール製素材 から非塩化ビニール製素材に変えた。 ・広報用表示シートの表面処理を光触媒未塗布か ら光触媒塗布に変えた。 技術名:省人化測量システム「Y's Auto Surveyor」 NETIS 登録番号 : QS-100038-A 申請者:株式会社 YKSC 技術概要: 本システムはモーター駆動型ノンプリズムトータ ルステーションと計測情報の入出力用ソフトウェ アを組み合わせた測量システムであり、従来は機 械側と計測点側に人員を配置する必要があった。 本システムの活用により省人化および経済性の向 上が期待できる。 新 規 性: ・ノンプリズムトータルステーションをシステム に組み込んだ。 ・複数点を自動的に測量できるプログラムにした。 42 NETIS プラス 第3号 ACTEC 事業紹介 ◉ 技術名:スマートジョイント NETIS 登録番号 : TH-100030-A 申請者:ショーボンド建設株式会社 技術概要: 本製品は橋梁の新設・補修に用いる除雪車対応型 鋼製伸縮装置であり、従来は鋼フィンガージョイ ントにて対応していた。本製品の活用により経済 性及び施工性が向上する。また補修時には、既設 コンクリートのはつり量が減少し、周辺環境への 影響緩和が期待できる。 新 規 性: ・従来よりも製品高さを低くし、スマートな構造とした。 (当社従来品:103mm、新技術:75mm(共に伸縮 量50mmタイプ)) 技術名:スピードコン NETIS 登録番号 : KT-060141-A 申請者:BiC 株式会社 技術概要: 本技術は、内部にツメ状突起を付けた P コン穴処 理栓であり、従来は手作業でモルタルを練り、P コン穴に丸コテで押し込み仕上げていた。本技術 の活用により、左官工でなくても施工が可能で、 コスト削減・工期短縮などが期待できる。 新 規 性: ・従来は練りモルタルをコテで押し込み仕上げてい たのを、プラスチック及びモルタル成型品とした。 技術名:コンクリート片のはく落に対する予防保全・補強工法(PVM 工法) NETIS 登録番号 : SK-110004-A 申請者:ショーボンド建設株式会社 技術概要: 本工法は、コンクリート片のはく落を防止する工 法であり、従来は「はつり工 + モルタル復旧工」 にて対応していた。本工法の採用により、目視に てひび割れが確認でき、維持管理が容易となる。 また、有機溶剤を用いないため周辺環境への影響 低減効果が期待できる。 新 規 性: ・従来は「はつり工+モルタル復旧工」を行いコ ンクリート全体を補修していたが、炭素繊維を 格子状に配置したシートをコンクリート全面 に、透明な材料にて接着することとした。 NETIS プラス 第3号 43 ◉ ACTEC 事業紹介 技術名:正逆回転式ハンドガイド式草刈機 ZHM1520RR NETIS 登録番号 : KT-110038-A 申請者:ハスクバーナ・ゼノア株式会社 技術概要: 本技術は刈刃軸の回転方向を切換えできるハンド ガイド式草刈機であり、従来は防護板等の養生が 必要なハンドガイド式草刈機を使用していた。本 技術の活用により、飛石などの飛散物が極めて少 なくなるため、安全性の向上が期待できる。 新 規 性: ・刈刃軸の回転方向が1方向のみであったのを、 刈刃軸の回転方向を逆回転可能とした。 技術名:KFC ジョイント NETIS 登録番号 : QS-110015-A 申請者:株式会社川金コアテック 技術概要: 本製品は、道路橋の新設・補修に用いる鋼製伸縮 装置であり、従来は鋼フィンガージョイントで対 応していた。鋳鉄製一体型構造とすることにより、 製品の小型化・軽量化が図れ、経済性・施工性の 向上が期待できる。また、ジャバラ式止水ゴムの 採用により品質が向上する。 新 規 性: ・従来は荷重支持部とコンクリート定着部を別製 作し溶接等で接合していたのを、一体型の構造 とした。 ・従来は現場ごとに材料を手配し製作していた が、規格品とした。 ・従来は弾性シール材を用いたが、ジャバラ式止 水ゴムを用いることとした。 技術名:仮締切 LPF 工法 NETIS NO.:CB-110010 -A 申請者:株式会社IHIインフラ建設 (旧社名:株式会社 イスミック) 株式会社日本海洋サービス 日鐵住金建材株式会社 技術概要: 本技術は、既設橋脚における仮締切の設置工法で あり、従来は潜水工による水中施工であったが、 工程が長くコストが嵩み安全等の問題があった。 しかし、本技術では水上で組立て水中に送り出す 事が可能なため水中施工を軽減でき、工程・コス トの低減・安全性確保が出来た。 新 規 性: ・従来は水中にてライナープレートを組立ててい たのを、作業用に設置したブラケット式プラッ トフォーム上(水上)で組立てることとした。 44 NETIS プラス 第3号 広告 14 環境保全 維持 45 先端建設技術センター 設 技術 審査証明 事 建設技術審査証明取得技術の紹介 業 先 ( 建 技術 ) 日 平成23年3月1 証明 28年2月2 日 審査 期 限 平成 9日 効 有 設 端建 TB (タッチボンド)工法 概要 第 22 04 号 ( 財 ) 先端 ー 建設技術センタ 審査証明依頼者:旭コンクリート工業株式会社 TB工法とは・ ・ ・ TB (タッチボンド)工法は, 連続性と水密性を確保しつつ, レベル2地震動に対応できる水路や通路等の管路を構築 するボックスカルバート用の耐震継手工法です。ボックスカルバートの端面に埋設したソケットに, ジョイントバーを差し 込み, 断面一周に高弾性接着剤を充填することによって, ボックスカルバートどうしを柔軟に接合することができます。 高弾性接着剤の充填部 高弾性接着剤の注入口 シール材 上面から下方を見る ソケット (ガイド機能) 端面全景 ジョイントバー TB工法の接合端面の詳細 TB工法の特長 (1)継手構造の連続性 直線部と曲線部および断面変化部がまったく同じ接合構造であることから, ボックスカルバート全線に同等の連続性, 耐震性, 水密性を有する管路を構築できます。標準仕様および特殊仕様の2つのタイプがあり, 要求性能によって使い分けます。 ① 標準仕様:レベル2地震動による地盤変位によって発生する継手部の変位に対応 (高弾性接着剤の厚さ:10mm) ② 特殊仕様:永久ひずみによる大きな地盤変位などによって発生する継手部の変位に対応 (高弾性接着剤の厚さ:30mm) 頂版部の接合詳細図(標準仕様) ボックスカルバート平面配置図 A ジョイントバー A 5 ソケット ジョイントバー ソケット 地震時 15 A 曲線部 A 接合後 高弾性接着剤 (注入作業) ソケット ジョイント パッキン 落差部 ボックスカルバート (落差用) ボックスカルバート 落差板 (標準用) A A 高弾性接着剤 10 頂版天端 シール材 ジョイントバー ジョイントバー ソケット ソケット 直線部 高弾性接着剤 (注入作業) シール材 頂版天端 頂版天端 直線部 常 時 ボックスカルバート側面配置図 A−A 接合前 ( 青 ):ジョイントバー「TB工法」( 柔結合 ) ( 赤 ):高力ボルト ( 剛結合 ) 5 (2)耐震性 ボックスカルバートの継手部の変位を抑制するジョイントバーと伸び能力に優れた高弾性接着剤がすべての継手部を柔軟 に接合するため, 地震時の地盤の変位に自在に追随することができます。 供試体2体を接着接合し, 『軸方向繰返し変位試験』を行い, 地震動による変位に対する継手部の追随性を確認しました。 5mm 15mm 伸び 縮み 供試体の断面 46 240 回 繰返し! (レベル2地震動を想定) 軸方向変位試験の状況 追随性を確認! NETIS プラス 第3号 ACTEC 事業紹介 ◉ (3)水密性 高弾性接着剤による接着接合は, 地震時および地震後においても従来の樹脂目地と同等以上の優れた水密性を有する管 路を構築できます。供試体を使用し, 『軸方向繰返し変位試験』後の『軸方向変位, 曲げ変位およびせん断変位状態における 水密性試験』 によって継手部の水密性を確認しました。 ① 標準仕様 許容軸方向変位量:10mm 許容曲げ変位量差:10mm 許容せん断変位量:10mm 離間量 15mm(変位量 10mm) 内水圧 0.1MPa (3分間保持) ② 特殊仕様 許容軸方向変位量:30mm 漏水なし! 離間量 35mm(変位量 30mm) 水密性試験の状況 地震動により離間した状態 (4)施工性 ワンタッチジョイントによる接続と高弾性接着剤による接着接合によってボックスカルバートどうしを素早く接合することが できます。また, すべての作業をボックスカルバートの外で行うことができることから, 施工効率および安全性に優れています。 油圧ジャッキ 反力治具 アンカー (反力治具の取付け状況) ワンタッチジョイント(ジョイントバーとソケット)の接続 施工完了 高弾性接着剤の注入 (曲線部も直線部と同じ施工) 用途および適用条件 TB工法は, プレキャストボックスカルバートを使用した水路, 地下道, 共同溝等に用いることができます。 適用条件は以下のとおりです。 (1) 施工対象となる最大内空断面寸法は, 内幅4000mm×内高3000mmとする。。 (2) 施工現場の地下水による外水圧は0.1MPa以下とする。 開水路 (フリューム) への適用 TB工法は当初ボックスカルバート製品の耐震継手として開発しましたが, 開水路への適用として下図に示すU型製品 (1800×1500) を3本(長尺標準製品1本、斜型製品2本) 施工し、 耐震性 (地震時の追随性および水密性) を確認しました。 断 面 図 140 1720 180 1500 1800 135 1635 140 180 2080 製品内の水張り状況 耐震性の確認試験の状況 耐震性の確認試験 継手部が地震動による変位に追随し, かつ地震後においても水密性を有することを下記の試験によって確認しました。 ① 軸方向変位試験 ② 曲げ変位試験 ③ せん断変位試験 TB (タッチボンド)工法の審査証明依頼者 旭コンクリート工業株式会社 本社・東部支社 〒104-0045 東京都中央区築地1-8-2 TEL.03-3542-1201 西部支社 〒615-0072 京都府京都市右京区山ノ内池尻町6 TEL.075-314-3611 NETIS プラス 第3号 47 先端建設技術センター 設 技 事 建設技術審査証明取得技術の紹介 業 設 端建 平 成2 3年 3月 明日 成28年3 31日 月3 平 査証 0日 審 効期限 有 先 ( 建 術審査証明 22 05 号 技術 ) 第 ( 財 ) 先端 ダブルミキシング工法 概要書 正逆回転翼による高機動性・軽量型の深層地盤改良工法 ー 建設技術センタ 審査証明依頼者 株式会社 SC、株式会社コクエイ、株式会社ゴトー、新日本グラウト工業株式会社、 株式会社親和テクノ、株式会社ナカサン、日特建設株式会社、本間技建株式会社、 株式会社本間組、松尾建設株式会社、龍南建設株式会社、株式会社協和製作所 ダブルミキシング工法とは… 施工システム ダブルミキシング工法は、バックホーに攪拌装置 改良機 (0.40∼1.20m3) を装備したスラリー系深層混合処理工法である。ベ セメントサイロ ースマシンをバックホーにしたことにより軽量で機 動性に優れ、また攪拌機構には独自の正逆回転機 スラリープラント セメント運搬車 500∼1,400 構を有することにより、高い品質のコラム造成を可 グラウトポンプ 発電機 グラウトホース 能とした工法である。 水中ポンプ サニーホース 水槽 技術(工法)の特徴 高 品 質 上下2段の攪拌翼が、正逆方向に同数回転する事により、共 周りを防止し、改良コラムの連続性が良好で、品質の安定した 改良コラムを造成する事が出来る。 高機動性 バックホーに攪拌装置を装備したことにより平場での直列施工 または段差施工が可能である。また、狭隘地や既設構造物に近 接した施工が可能である。 安 全 バックホーに装備された攪拌装置は自力にて起立・転倒させる ことができ、組立作業等安全作業が行える。また、軽量なため 軟弱地盤での施工に適した施工機である。 低コスト 1日当たりのコラム造成可能数が多く、施工性に優れている。 施工機が軽量なため仮設費用が低減される。 施工管理 施工中のデータは改良機オペレータにより機内に設置された 装置にてリアルタイムでの集中管理が可能である。 環 境 攪拌装置はバックホーを動力源とし、他に発電機等を必要とし ないため、騒音振動が小さく抑えられる。また、 ダブルミキシン グの攪拌機構を用いた施工では周辺地盤の変形が小さい。 ダブルミキシング工法の施工手順 ① 位置決め 48 ② 貫 入 ③ 貫入完了 (スラリー吐出) ④ 杭底処理 ⑤ 引 抜 ⑥ 引抜完了 (スラリー吐出停止) NETIS プラス 第3号 ACTEC 事業紹介 ◉ 攪拌機構の違いによる品質比較 攪拌翼形状(回転方向) コア比較写真 画像輝度測定 *注 による均質性の確認 固化材70kg/m3 回転数 60rpm 試料採取深度(1.5・2.1・3.5・4.5m) ダブルミキシング翼 1.5 2.1 3.5 4.5m セメントスラリー 粘土 下敷きマット 試料採取率:70∼90% 均質度が高い シングルミキシング翼 1.5 2.1 3.5 4.5m セメントスラリー 粘土 下敷きマット ばらつきが大きい 試料採取率:30∼70% 正逆転機構のダブルミキシング翼とシングルミキシング翼(単一方向回転翼)を備えた地盤改良機と現場比較実 験を行い、試料採取率・画像輝度処理結果においてダブルミキシング工法で施工した結果、均質で高品質な改良 コラムが造成されることが証明された。(*注 画像輝度測定とは、採取したコアの写真撮影を行い、固化材の混合度合いを 視覚的に分かりやすくするためにデジタル画像データ化したものである。 ) 現場施工における強度変動係数の確認 ダブルミキシング工法の 用途および適用例 粘性土 quck=450∼550kN/m2の結果 0.003 9 N=53 μ=878 σ=218 V=24.8% 6 0.002 3 0.001 確率密度関数 P(x) データ数 n 粘性土 quck=450∼550kN/m2 盛土等の基礎 土木・建築 掘削工事における 構造物の基礎 山留め・止水 0.000 0 0 250 500 750 1000 1250 1500 1750 橋台背面等の 段差緩和 2000 設計基準強度 quck 盛土・水路等の すべり破壊防止 施工実績から得られた現場強度の変動係数は、25%である。この値 は現場強度の統計事例V=10∼50%*のほぼ中央である。また、設 計基準強度を満足しない不良率は10%以下である。 * 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針−セメント系固化材を用いた深 層・浅層混合処理工法− (日本建築センター pp.38.39 2002.11) 砂地盤の 液状化防止 引き込み沈下防止 横方向地盤 振動伝達抑制 抵抗値の増加 ダブルミキシング工法研究会事務局 佐賀県佐賀市久保田町大字徳万1856-1 TEL.0952-68-3535 FAX.0952-68-3535 http://www.dm-k.jp/ NETIS プラス 第3号 49 先端建設技術センター 設 技術 審査証明 事 建設技術審査証明取得技術の紹介 業 設 端建 23年3月 3 日 平成 証明 平成28年3月 0日 29 審査 期 限 日 効 有 先 ( 建 技術)第220 エポコラム工法 概要 6号 ( 財 ) 先端 エポコラム -Loto 工法・エポコラム -Taf 工法 ー 建設技術センタ 審査証明依頼者:エポコラム機工株式会社 エポコラム工法 エポコラム工法は、篭状の外翼、中翼、および芯翼が各々異なる方向に交差して回転する複合相対攪拌により、スラ リーと土壌とを三次元的に練り混ぜ、良好な品質の柱状コラムを築造する地盤改良工法です。各翼の両端部が回転軸に 固定された剛性の高い撹拌翼形状と高トルク性能により、従来では困難とされる硬質地盤および礫や転石が混在する地 盤において補助工法を必要とせずに地盤改良の施工が可能です。 外翼(A) 【適用地盤】 ●N≦50(砂・砂礫) ●N≦20(粘性土) ●φ300mm程度の転石が点在す る場合でも施工可能 ●風化岩に対して0.5m~1.0mの 根入れ施工が可能 芯翼(C) 中翼(B) 掘削ヘッド(D) エポコラム撹拌翼模擬図 転石混在地盤の撹拌状況 エポコラム-Loto工法 エポコラム-Loto工法は、大口径(φ2,500)コラム築造施工により、標準歩掛(φ1,000×2軸, φ1,600) と比較して 大幅なコスト縮減(32%) と工期の短縮(52%)が可能です。(軟弱地盤を対象、施工長 L=12.0m、 材料費含まず) 4 100% 32 縮減 縮減 80% 70% 60% 100 96 50% 40% 68 52 短縮 短縮 80% 70% 60% 100 50% 87 40% 30% 30% 20% 20% 10% 10% 0% 13 90% 工期短縮率(%) 90% 工期の短縮効果(%) コストの縮減効果(%) 施工費縮減率(%) 100% 48 0% φ1,000×2 軸 φ1,600 φ2,500 施工費;32%縮減 φ1,000×2 軸 φ1,600 φ2,500 工期;52%短縮 エポコラム-Taf工法 エポコラム-Taf工法は、従来では補助工法を必要としていた既製コンクリート杭やコンクリートガラ等の地中残存物の破 砕撹拌と地盤改良とを同時に同一工程で行うことで、 施工の効率化と省エネルギー化を図り、 廃棄物の発生抑制が可能です。 二工程 同一工程 地盤改良 破砕攪拌・地盤改良 【地中残存物】 ●既製コンクリート杭 ●コンクリートガラ ●セメント改良地盤 ケーシング 除去処理 従来工法概要図 50 エポコラム-Taf 工法概要図 NETIS プラス 第3号 ACTEC 事業紹介 ◉ ACTEC 事業紹介 ◉ 工法の位置付け 低変位 硬質地盤対応 エポコラムは、数ある深層混合処理工法の中で、 低速回転・高トルク型練り込み撹拌工法として位置付 けられ、硬質地盤への対応や低変位施工と大口径施 工が可能です。 練り込み撹拌式 エポコラム-Loto工法 大口径化(φ1,800∼) スラリー系 深層混合処理工法 エポコラム工法 (低速回転・高トルク) エポコラム-Taf工法 機械撹拌式 地中残存物処理化 【大きな特徴】 ●硬質地盤、礫・転石混在地盤での施工 ●低変位施工 ●大口径施工 ●地中残存物がある地盤での施工 羽根切り撹拌式 紛 体 系 (高速回転・低トルク) CDM工法 テノコラム工法 ラスコラム工法 攪拌性能 エポコラムは、三次元的複合相対撹拌を行うことにより、良好な撹拌性能を有します。 コア強度の変動係数;水平版状翼攪拌工法;30 ∼ 40%⇔エポコラム;20%程度 水平板状撹拌翼 100 100 色砂撹拌性能試験結果 100 50 50 100 100 300 100 100 100 100 色砂撹拌性能試験結果 300 エポコラム撹拌翼 30 0 300 撹拌による撒き出し 色砂の攪拌が良好である 色砂の移動が少ない 施工方法 Lo Lo Lo Lo Lo Lo Lo:空堀長 Lc:改良長 Lc Lc Lc Lc Lc 技術内容・報告書に関するお問い合わせ先 報告書 (技術審査の詳細) の入手を希望される方は、 下記までお問い合わせください。 ■関連技術資料 : 審査証明報告書、 技術資料、 カタログ、 施工実績表 エポコラム協会 本部 TEL ; 092-412-0263 FAX ; 092-412-4889 e-mail ; [email protected] http://homepage3.nifty.com/epocolumn/ NETIS プラス 第3号 51 ◉ ACTEC 事業紹介 ACTEC 先端建設技術センターホームページより 技術情報誌「NETIS プラス」がダウンロードできます。 「ACTEC」で検索し、先端建設技術センターのホームページへアクセスしてください。 先端建設技術センターホームページ NETISプラスのホームページにて ダウンロードができます。 「NETISプラス」をクリック あなたの会社の技術 を技術情報誌「NETIS プラス」に載せてみま せんか? 52 NETIS プラス 第3号 ■■■ 先端建設技術センター 発行図書 ■■■ お申し込みはホームページ(http://www.actec.or.jp/)または FAX(03-3942-0424)で受付けています。 名 称 概 要 価 格(円) 現位置撹拌混合固化工法(ISM 工法)設計・施工マニュアル 現位置の砂礫等を骨材として利用し、 コスト縮減と建設副産物の発生抑制 を実現した現位置攪拌混合固化工法(ISM 工法)の設計方法を解説した もの。 2,400 ※ (税込) 内水圧が作用するトンネル覆工構造設計の手引き 内水圧が作用する一次覆工だけの「地下河川シールドトンネル」の覆工構 造計画・設計のための技術手引き書。 5,000 (税・送料込) CE マニュアル 建設工事の新しい施工改善手法として、製造業で実績のある(IE : インダ ストリアル・エンジニアリング)を建設工事の改善手法(CE : コンスト ラクティブ・エンジニアリング)としてまとめたもの。 8,000 (税・送料込) 大深度土留め設計・施工指針(案) 4,800 深さ 30m を超える大深度の土留め工を対象とし、合理的・経済的な大深 度土留め工の設計・施工の実現を目的にまとめたもの。 (税込・送料別) 緊急時の無人化施工ガイドブック 緊急時に行われる無人化施工について、計画、発注から工事の実施、検査 4,935 までを解説したもの。無人化施工を紹介するビデオ(VHS)、パソコン用 (税込・送料別) CD-ROM 付き。 プロジェクトにおける決定分析 - 確信のもてる迅速な決定のために - PMI が 出 版 し て い る「Decision Analysis In Projects」 の 翻 訳 本。PMI 3,000 Network に記載された 12 編からなる論文集。PMI 東京 ( 日本 ) 支部が監修。 (税・送料込) 八重洲ブックセンター 3 階にて販売中。 都市道路トンネルの技術 - 首都高速中央環状新宿線の開通にあたって - 関西初の先端建設技術セミナーで、今田徹氏(東京都立大学名誉教授)に よる特別講演を記念し発刊。『何がトンネル技術を発展させたか』に続く、 第二弾の著書。首都高速中央環状新宿線の開通にあたり、都市道路トンネ ルが抱える問題と、建設に必要な技術を整理し、紹介したもの。 リスクマネジメントの本質を知る 第一部 これからの時代を生き抜くためのマネジメント技術 第二部 道路における災害リスクマネジメント 第 5 回先端建設技術発表会の特別講演として㈱三菱総合研究所野口和彦研 1,000 究理事がこれからの時代を生き抜くためのマネジメント技術、当センター 岡原美知夫専務理事が道路における災害リスクマネジメントについてご講 (税込・送料別) 演された内容をまとめたもの。 公共事業における ISO9001 活用工事ハンドブック 1,000 (税込) 国土交通省では、 「ISO9001 活用工事」を平成 16 年 10 月から進めているが、 500 本書は直轄工事に携わる受発注者の方々を対象に、その実施方法等につい てわかりやすく解説し、入門書としてまとめたもの。 (税込・送料別) (監修 : 国土交通省大臣官房技術調査課) 何がトンネル技術を発展させたか - トンネル技術の発展をたどり、将来を展望する - 第 3 回先端建設技術研究発表会の特別講演として今田徹東京都立大学名誉 1,000 教授がトンネル技術の発展の歴史をふまえ現在の技術の到達点とこれから (税込・送料別) の技術課題についてご講演された内容をまとめたもの。 よくわかる建設リサイクル 平成 22 年度版 500 ※ 建設副産物のリサイクルに関する情報を、わかりやすく、使いやすい資料 として現場技術者向けにまとめたもので、毎年発行し、最新の情報を提供。(税込・送料別) 建設リサイクル 建設副産物リサイクル広報推進会議機関誌(年 4 回発行) 。 (株)大成出版社 TEL:03-3321-4131 で直接ご購入下さい。 建設汚泥再生利用マニュアル 建設汚泥再生利用指針検討委員会報告書を踏まえ、「建設汚泥の再生利用 に関するガイドライン」、「建設汚泥の再生利用に関する実施要領」、「建設 汚泥処理土利用技術基準」および「公共工事における原則化ルール」が策 定 ・ 通知された。これらを受けて「建設汚泥リサイクル指針」について関 係者を集めたワーキングで意見を頂き見直しを行なったものである。 (株)大成出版社 TEL:03-3321-4131 で直接ご購入下さい。 1,260/冊 ※ (税込・送料別) 5,250 ※ (税込) 注 1)上記の刊行物のうち送料別と表記のあるものは、購入価格(消費税込)に送料(実費)が加算されます。 注 2)※印の付いている刊行物は、他業者に発送・請求業務を委託しておりますのでご了承下さい。 と 編 集 後 記 東北地方を中心に発生した地震から約半年が過ぎました。取 材のために訪れた栃木県宇都宮市周辺でも、いまだ数多くのブルー シートがかかった屋根や、倒れた塀があり、今回の地震の被害の巨 大さを改めて思い知らされた光景でした。 震度6強を観測し、2ヶ月近く工 事が止まってしまった現場でお借りし たヘルメットには、 「がんばれ東北! がんばれ日本!」のステッカーが貼っ てあり、被災地の一日でも早い復興へ の思いが一段と強くなりました。 ち 近くの大谷石の採掘現場跡を特別に見せていただくことができ ました。内部の気温は7℃ちょっと。ひんやりとしていて、まるで 天然の冷蔵庫です。大谷石には多くのマイナスイオンによる癒し効 果や強い遠赤外線の放出による熟成効果が実証されているそうです。 昔は数多くあった大谷町の石材店も今はわずか 10 店ほどとなり、 活気を失いつつあります。採掘場跡をコ ンサート会場や撮影場所として再利用さ れているそうですが、大谷石独自の特徴 を有効に活かせれば、さらなる地域活性 化につながるのではないでしょうか。 案内していただいた採掘場跡では、 NETIS プラス 第3号 大学の研究室と共同で野菜等の品質や栄養 価の長期保持についての実験をしていまし た。実用化されれば、 究極の節電・エコに…?! ぎ餃子の街として全国的に有名な宇都宮ですが、焼きそばの街、 カクテルの街でもあります。街中には餃子屋以外にも、焼きそば屋 が多くあり、そのうちの1店にお邪魔しました。メニューはやきそ ばのみ。少し太めのもちもち麺に具も豚肉・ハム・野菜・玉子とシ ンプルです。後からソースをかけて食べるのが宇都宮流とのこと。 素朴ですが、不思議とまた食べたくなる味です。お店をおすすめし てくれた上司は、やきそばを食べるために他県からわざわざ宇都宮 へ出かけるほど。持ち帰り用で売られ ているソースも、お店の方の長年の工 夫や努力、愛情が詰まっています。 今回は1軒だけでしたが、 他の宇都宮やきそばの店との 食べ比べも、楽しそうです。 編集・発行 財団法人 先端建設技術センター 印 刷 株式会社 サンワ 53 NETIS 用語の説明 新技術活用評価会議 … 各地方整備局及び北海道開発局は、新技術活用システムにおけ る適切な審査、評価等を通じて、現場における新技術の活用検 討事務の効率化や活用リスクの軽減等を図るため、新技術活用 評価会議の体制を整備し主催する。 評価会議の審議事項等は以下のとおりとする。 ①新技術の事前審査、②整備局等の技術ニーズ等に基づく新技 術の募集・選定、③新技術の活用の事後評価、④活用促進技術 の指定、⑤新技術の試行調査計画の確認、⑥その他新技術活用 システムの運用に関すること NETIS … NETIS(申請情報)には、登録申請書類に記載されている技術 的事項及び経済性等の事項に関する情報等を掲載するものとす る。NETIS(申請情報)における申請書類の取り扱いについては、 NETIS(評価情報)に掲載されている技術の情報と NETIS(評 価情報)に掲載されていない技術の情報を、明確に区分するも のとする。 NETIS … NETIS(評価情報)には、評価会議等による事前審査、事後評価 結果に関する情報等を掲載する。 新技術の活用 … 新技術活用システムにおいて新技術の活用を行う技術は、NETIS 登録技術とする。 新技術の活用に当たっては、必要に応じて事前審査を行うものと する。また、活用の実施とあわせて事後評価の基礎となる資料等 の収集のため必要な調査を行う。 新技術の活用は、 「試行申請型」 、 「発注者指定型」 、 「施工者希望型」 、 「フィールド提供型」の 4 つの型を基本として実施する。 (申請情報) (評価情報) 財団法人 先端建設技術センター 〒112-0012 東京都文京区大塚2丁目15番6号 ニッセイ音羽ビル4F 総 務 部 03-3942-3990 050-3085-6112 技術評価室 03-3942-3990 050-3085-6112 研究第一部 03-3942-3993 050-3085-6115 企 画 部 03-3942-3991 050-3085-6113 PM 推進室 03-3942-3991 050-3085-6113 研究第二部 03-3942-3994 050-3085-6116 普及振興部 03-3942-3992 050-3085-6114 情報事業推進室 03-3942-3992 050-3085-6114 関東センター 近畿センター 中部センター 北陸センター 東北センター 〒112-0012 東京都文京区大塚2-15-6 ニッセイ音羽ビル4F 03-3942-3990 FAX 03-3942-0424 050-3085-6112 〒540-0012 大阪市中央区谷町2-7-4 谷町スリースリーズビル7F 06-6966-0222 FAX 06-6966-0223 〒460-0002 名古屋市中区丸の内3-5-10 住友商事丸の内ビル3F 052-955-1755 FAX 052-955-1758 〒950-0965 新潟市中央区新光町10-3 技術士センタービルⅡ7F 025-282-3620 FAX 025-282-3621 〒980-0802 仙台市青葉区二日町3-10 グラン・シャリオビルA-2 022-713-6144 FAX 022-713-6145 http://www.actec.or.jp/ 技術情報誌「NETIS プラス」は情報事業推進室 にて作成しております。 「NETIS プラス」に関するお問合せは以下へお願いします。 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