補足資料pdf

[補足資料]
エルゼビアの新しい研究分析ツール SciVal(サイバル)について
2014 年 1 月 7 日付プレスリリースの日本語訳「エルゼビア、研究分析ツール SciVal を刷新、世界の研究動向のリ
アルタイム分析が可能に」について、背景と製品情報を下記に補足します。
研究環境の変化:
科学政策が持続的な経済発展に役立つという認識が世界的に徐々に高まっています。経済活動が不調であっても、
研究開発予算を維持している国は多数あります。研究活動は拡大を続けており、世界の研究者はおよそ 700 万人
で年 1 パーセントずつ増え1、論文数は年 3 パーセントずつ伸びています2。英国や米国、日本、ドイツなど従来から
の研究先進国に加えて、中国やインド、ブラジルなどの新興国が急成長しています。
このような現状から、研究環境が変化し、競争が激しくなっていることが分かります。研究機関は国際化を目指し、戦
略的な共同研究体制を確立して専門性・研究設備・助成金を共有しようと動いています。これを後押しする団体とし
て国をまたいで助成する European Commission の Framework Projects や Horizon 2020 などがあり、政府には
研究開発費の社会的意義を発信したいという意向があります。
科学政策立案者や助成団体、研究機関にとって、投資を最適化して政策を決める際の伝統的な判断材料は、専門
家や他の研究者の意見でした。しかし、現在の世界の研究資金の流れは多様かつ複雑で、定量的なデータのニー
ズが従来の定性的な判断を補完するものとして求められてきています。
客観的なデータは、政策や目標の決定、進捗管理、予算配分などを行うための確固たる基礎になりますし、投資先
の選択にも効果的です。研究パフォーマンスに関するデータは、今後支援すべき研究領域の戦略的な決定に必要な
情報源となり、他の研究者との相対的な立場を把握したり、国内外の基準と比較したりすることが可能です。分析結
果は学生や他の研究者、さらに助成金団体に対して自機関の強みを紹介するコミュニケーションツールとしても活用
できます。
戦略的に意思決定をするには:
各研究機関は独自性を活かして生き残るべく、効率的かつ効果的な研究拠点を作ることを目指しています。強みは
機関によって、あるいは機関内においても違うものです。世界的な地位がすでに確立された分野に資源を集中する
こともあれば、助成金が増加している新しい研究分野を見出して注力することもあるでしょう。
定性的な判断と信頼できるデータを基に、戦略的な意思決定を行うのが理想的です。しかし判断材料に満足できる
ことはまれです。データは透明で信頼性が高く、最新でなければなりません。情報はいつでも入手可能性・業界標
準・一覧性を確保しつつ、一方では予測不可能な状況でも柔軟かつリアルタイムに比較できる必要があります。これ
を解決するには、データ構造および編集に関する深い知識、大幅な技術投資、研究管理業務の理解、さらに研究機
関との強力なパートナーシップが必要です。
エルゼビアは 130 年以上にわたって科学・技術・医学分野の学術出版に携わってきました。また、10 年以上前から
研究情報のデジタル化に取り組んでもきました。データの分類や構築、保存に関しても大規模な投資を続けていま
す。
エルゼビアのソリューション:
SciVal は、世界のあらゆる研究機関にとって具体的かつ正確な比較検討を可能にする研究分析ツールで、戦略的
な意思決定を支援します。エルゼビアの世界最大級の抄録・引用文献データベース Scopus(スコーパス)を元デー
1
International Comparative Performance of the UK Research Base – 2013: A report prepared by Elsevier for the UK’s Department of Business, Innovation and Skills (BIS)、22ページ。 2
International Comparative Performance of the UK Research Base – 2013: A report prepared by Elsevier for the UK’s Department of Business, Innovation and Skills (BIS)、 33ページ。 タとし、信頼性の高い研究パフォーマンスと研究ネットワークの分析を提供します。SciVal の特長は以下のとおりで
す。
データ: 透明性、信頼性、最新性
 1996 年以降の Scopus の全データが利用可能。毎週 170GB のデータが更新される。
 データは網羅的で構造化されており、ユーザー側での設定は一切不要ですぐに利用可能。
技術: 設定済みの一覧画面、柔軟かつリアルタイムの比較検討
 リード・エルゼビア・グループの高性能コンピュータ(HPCC)システムを活用し、ビッグデータ解析の最新技
術を適用。
 あらかじめ登録された 75 兆件の処理を毎週実行して全世界の研究機関の指標を再計算しており、常に最
新のデータを利用可能。
 ユーザーが作成したデータセットも無制限に実行可能。1 ユーザーがデータセットを 20 件作ると、システム
側で 1 ユーザーにつき一日 1 億件の処理を追加で実行。
指標: 広範囲、明確な定義、ユーザーが選択可能
 スノーボール指標3を含む 19 の指標をあらかじめ搭載。
 生産性、研究分野、引用インパクト、国家間および産業のコラボレーション。
可視化: 応用しやすく、理解しやすく、エクスポートが可能
個別のカスタマイズが可能で、以下のような声に対応可能:
 「自分の所属機関と他の研究者との比較をしたいが、学部内の比較もしたい。重複しているメンバーもいる
し、粒度も違う。」
 「副総長がインドを訪問するので、誰と共同研究をしているか知りたい。」
 「助成金や有望な学生を確保するため、自分たちの研究の独自性を打ち出したい。」
 「COE(中核的研究拠点)の設立にあたり、さまざまなシナリオを検討したい。データからどのような知見を得
られるか知りたい。」
SciVal は Elsevier Research Intelligence(ERI)製品ポートフォリオのひとつで、Pure(ピュア)システムおよび研究
分析サービスと共に、研究機関・政府・助成団体にサービスを提供しています。Pure は機関が保有するデータと
Scopus のデータを統合して財務・人事・研究成果などさまざまな切り口で機関を評価するデータベースです。今後
は研究者データベース SciVal Experts(サイバル・エキスパート)を Pure に統合し、産学連携の促進を支援していき
ます。また、SciVal Analytics チームによる研究分析サービスは、エルゼビアの各種データを駆使して分析レポート
を作成するサービスです。最近では英国のビジネス・イノベーション・技能省(BIS)が 2 年置きに作成している英国の
研究基盤の業績を競合国と比較・評価する調査(International Comparative Performance of the UK Research
Base)を 2011 年版・2013 年版ともに受注し、Scopus をベースとして分析を行いました。SciVal はこれからも進化し
ていきます。
以上 3
www.snowballmetrics.com