コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス / C S R マ ネ ジ メ ン ト 労働安全衛生の推進 抜本的な改善に取り組んでいきます。 お 客 さ ま 、 お 取 引 先 と と も に ● 労働安全衛生の推進体制 P5 CSR取り組み方針 7 ● 労働安全衛生への取り組み 日立化成グループでは、 毎年3月に「全社CSR会議」 (P8 従業員の安全と健康は働きやすい職場の根幹です。日 立化成グループは、従業員はもとより、地域社会の方々 の安全・健康を第一に考え、安全衛生活動を推進してい ます。 参照)を開催し、労働安全衛生に関するグループ全体の 方針を審議・決定しています。 同会議で策定した計画に基づき、各事業所でそれぞれ の特性に合わせた行動計画を定め、安全衛生活動を推進 具体的には、労働安全衛生マネジメントシステムOSH- しています。また、 OSH推進者による「OSH推進者会議」、 MSを2000年に導入し、 リスク評価により定常・非定常 各事業所の行動計画を具体的に推進する「安全衛生委 作業時の危険源や老朽化した機械設備の特定と改善を 員会」、新規導入設備の安全性を審査する「保安監査委 推進しています。しかし、近年こうした活動に不活発な面 員会」などが、部門を横断した安全衛生活動を推進して が見られることから、2006年度より「OSH(安全衛生) います。 従 業 員 と と も に 推進者制度」を設け、各職場での主体的な安全衛生活動 ● 安全防災への投資 を強化しています。 機械設備の設計・完成時には、 国際安全規格(ISO12100 など)に準じた審査を行い、本質的安全化を推進してい 事故災害を防止するためには、安全防災への積極的な 投資が不可欠です。 ます。これにより、機械設備に起因する事故災害の撲滅 2006年度は設備老朽化対策や労働安全衛生対策を を目指しています。また、 危険予知訓練(KYT)、 ヒヤリ・ハッ 中心に、単独19億円、連結32億円を投資しました。この トなどの安全活動を実施しています。 結果、日立化成の1990年度以降の安全防災累積投資 今後も、真に安全・安心な職場づくりに向け、各職場で 額は93億円となりました。 事故・災害につながりかねない問題を徹底的に洗い出し、 社 会 の な か で 「OSH推進者制度」を導入し、安全衛生活動を強化 日立化成は、2006年度より「OSH ため、新たに任命するOSH推進者に (安全衛生)推進者制度」を導入し、各 対しては、安全衛生分野についての知 職 場 で 全 従 業 員 の 約 4 % にあ た る 識や知見を深めるための教育を実施 133名を登録しました。 しています。 OSH推進者は部門長が任命し、現 場レベルでの安全衛生活動を主導し 全体に広げ、職場の安全衛生活動をよ ています。 「安全衛生委員会」とも連 り強化していきます。 携し、 リスク評価の指導やリスク低減 地 球 環 境 の た め に 2007年度は、 この制度をグループ OSH推進者を対象とした研修 の計画を作成するなど、自部門の推進 リーダーとして活動しています。この 日立化成グループ 社会的責任報告書 2007 22 いきいきと、安全で健康的に働ける職場をつくる 従業員とともに ● 安全監査の実施 このほか、管理監督者を対象とした「環境・安全衛生発 日立化成グループでは、労働安全衛生マネジメントシ ステムOSH-MSに基づき、製造事業所およびグループ 表会」を年1回開催し、労働安全衛生の改善事例などに 関する情報共有を図っています。 の製造会社に対して、環境安全監査時に安全に関する書 類審査と現場監査を年1回実施しています。 ● 防災訓練の実施 また、2005年度からは海外製造会社を地域別ブロッ 日立化成グループは、不慮の災害・事故に対する応急 クに分け、ブロック内での相互監査を実施しています。 防護を目的に自衛消防隊を設置し、自主訓練や地方自治 2006年12月には「第 2回東南アジアブロック環境安 体が主催する合同演習への参加を通じて緊急時に迅速 全衛生会議」を Hitachi Chemical Automotive な対応がとれる体制を整備しています。 Products, (Thailand) Co., Ltd.で実施し、監査ととも また、 5月14日を「事業所防災の日」、 11月14日を「全 社防災の日」、 これらを含む各1週間を「防災週間」と定め、 に研修・発表会を行いました。 グループ全社で総合防災訓練などを実施し、防災管理体 ● 労働安全衛生教育の推進 制の見直しや防災安全設備の点検を行うとともに、防災 日立化成グループは、過去の事故の原因と対策を考察 意識の向上を図っています。 し、チェックポイントと解説を掲載した「職場安全監査の 着眼点」を作成し、労働安全衛生に関する研修を行って います。日本語版だけでなく、英語版・中国語版も作成し、 海外グループ会社での教育活動に利用しています。 また、 過去の事故原因を整理して制定した「安全10則」 ● 健康管理とメンタルヘルスケア 日立化成グループは、従業員に年1回以上の健康診断 を実施しています。さらに、体とともに心の健康をケアす るため、各事業所で専門家による講演会や産業医による を記載したカードを従業員に配布・携帯させることで、安 面接指導を行っているほか、 コミュニケーションの活性化 全に対する意識を徹底するよう努めています。 を図っています。 中国で「第1回中国ブロック環境安全相互監査」を実施 2007年2月、中国東莞市において 中国国内のグループ会社による「第1 Hitachi Storage Battery (Dong 回中国ブロック環境安全相互監査」を Guan) Co., Ltd. の監査、Hitachi 実施しました。 Powdered Metals (Dongguan) この監査は、2006 年 6 月に同地 23 計40名が出席し、環境安全発表会、 Co., Ltd.の現場巡視を行いました。 で開催した「中国ブロック環境安全研 環境安全発表会では、各社の改善事 修会」で教育を受けた監査員による 例を基に参加者間で活発な議論が行 初 め て の 相 互 監 査です。H i t a c h i われました。また、監査では、不安全箇 Chemical (Dongguan) Co., Ltd. 所を洗い出し、そのリスク低減対策を など中国国内のグループ会社7社から 討議しました。 日立化成グループ 社会的責任報告書 2007 環境安全発表会 コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス / C S R マ ネ ジ メ ン ト また、従業員が気軽に健康に関して相談できるよう、健 康保険組合の被保険者とその家族の方を対象に24時間 無料の電話相談サービスを提供しています。 山崎事業所(桜川)での死亡事故に関する報告 お 客 さ ま 、 お 取 引 先 と と も に 2007年1月10日、 山崎事業所(桜川)の屋外で死亡事 このほか、健康管理の一環として、 ヨガ教室やウォーキ 故が発生しました。 被災者は、熱処理炉出し作業の準備中に、野外に2段積 ング大会などの活動も行っています。 みされたフレコンバックの下段が何らかの原因で破損して いることに気づき、 こぼれ出たコークスの片付けおよびフ ● 事故災害の発生状況 2006年度における日立化成グループの休業災害件 数は、単独3件(うち死亡災害1件)、連結10件となり、前 年度の単独2件、連結12件から改善できませんでした。 このため、2007年度はCSR取り組み方針においても 「働きやすい職場づくり」を引き続き重点目標とし、行動 レコンバックの補修を行っていましたが、 上段のフレコンバッ クが被災者の上に崩れ落ち、その下敷きとなって、救助活 動の甲斐なく亡くなりました。 日立化成グループでは、 この事故の記憶を風化させない よう、従業員一人ひとりが気を引き締め、安全意識の一層 の徹底を図ります。 従 業 員 と と も に 計画に基づく活動をさらに強化しています。 休業災害発生件数推移 (件) ■ 単独 ■ 連結 15 13 12 12 10 9 6 3 3 1 0 2003 2 2 2004 2005 3 2006(年度) 社 会 の な か で メンタルヘルスケアの一環として「体験カウンセリング」を実施 メンタルヘルスケアへの取り組みの といった感想が聞かれました。 一環として、2007年2月∼3月にか こうした取り組みは直接的なストレ けて、下館事業所では専門機関の産業 スの軽減効果だけでなく、必要な時に カウンセラーによる「体験カウンセリ は気軽にカウンセリングを利用できる ング」を実施しました。 職場の雰囲気の醸成につながると考 対象者は、事前に実施した「心の健 地 球 環 境 の た め に えています。 康度チェック」の結果、ストレスの度合 いが高いと判断された中堅層の従業 体験カウンセリング(手前が従業員) 員で、体験後は「悩みを気軽に話すこ とができた」 「話をしてすっきりした」 日立化成グループ 社会的責任報告書 2007 24
© Copyright 2024 Paperzz