2007年 ノーベル物理学賞 ペーター・グリュンベルク (ドイツ・ユーリヒ固体物理研究所) アルベール・フェール (フランス・パリ南大学) 巨大磁気抵抗効果の発見 2氏は1988年、別々に独立して、強磁性薄膜と非強磁性薄膜を重ねた多層膜で、金属の 電気抵抗が大きくなる「巨大磁気抵抗効果(GMR)」を発見した。 この現象は、コンピューターで使われるハードディスク(HD)の小型化、大容量化に応用さ れ、家電並に普及するパソコンをはじめ、インターネットやIT技術の進化に、大きく貢献して いる。(CNN.co.jp) ハードディスクの構造 関西外国語大学 短期大学部 上山清二氏のHPより 磁気ディスク 磁気ヘッド アニメ http://www.sugilab.net/jk/joho-kiki/ (情報機器と情報社会のしくみ素材集) 磁気抵抗効果,巨大磁気抵抗効果 磁気抵抗効果 磁場をかけると電気抵抗が変化する現象 v v v ローレンツ力 F = e ( E + v × B ) 量子力学的効果(ゼーマン効果) 等によって誘起される 電気抵抗の変化は数%程度 巨大磁気抵抗効果 電気抵抗の変化が数10%程度 ~1nm 強磁性体(例えばCo)と非磁性体(例えばCu)の薄膜を積層 小さな磁場変化で大きな電気抵抗変化が生じる 磁気記憶装置の高密度化,小型化が可能 Co Cu 巨大磁気抵抗効果の定性的な説明 磁場が無い場合 磁化方向 強磁性体層 (Co,Fe) 抵抗小 非磁性体層 (Cu,Cr) 磁場がある場合 電子 スピン 界面散乱 抵抗大 抵抗小 抵抗小 強磁性層の磁化の向きは反平行. 強磁性層の磁化の向きが平行. この場合右向きスピンを持った電子が下の 強磁性層境界面に来た場合,大きな抵抗 を受ける. この場合右向きスピンを持った電子が 下の強磁性層境界面に来た場合,抵 抗が小さい. 素過程は未解明の点が多い 巨大磁気抵抗効果の意義 工学的,産業的意義 HDDの大容量化,小型化 記録密度 10倍~20倍 物理学的意義 電子のスピンが電気抵抗に大きく関 与してくる現象を発見した.
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