東京農大「食と農」の博物館 見学記

記 録
日 時: 平成 26 年 9 月 25 日(木) 14~16 時
場 所: 世田谷区上用賀 2-4-28
担 当: (財)進化生物学研究所 主任研究員事務局長
主 任 研究員
内 容: 博物館の概要説明
博物館内見学
バイオリウム内見学
参加者:
37 名
今木さん
橋爪さん
八木 純
[博物館への道](左) と [広い中庭](右)
○プロローグ 当日 朝の嵐などで心配された天候は回復して、当大学到着時点では快い青空も見
えました。構内は都心には珍しいヒマラヤスギ等が亭々としており、別世界のようでした。
昼食は学生食堂で自動販売機に並んで食券を購入してとりました。学生中心のメニューはリーズナブ
ルなもので、ひとまず満足しました。
大学学部のさまざまな建物は広い庭園の緑を中心に立ち並び、学生は男女ともはつらつとして行き
交い、久しぶりに若返る思いでした。
当大学の先生方は著名な方が多く、なかでも小泉武夫名誉教授は発酵学の権威であり、親しめる風
貌と巧みな話術で NHK テレビにも時々登場、現在も「ゆうどきネットワーク」でお目にかかります。
更にさかのぼれば、朝日新聞の第一面コラムに日々健筆をふるわれた湯浅浩史先生がおられます。
その「花おりおり」の記事はカラー写真入りで 2001 年 5 月から 5 年間続きました。花にまつわるさまざま
な事柄は心を癒す大きな効果をもたらし、それをまとめた 5 巻の本をいまだに愛用しております。
[学生食堂](左) と [博物館案内板](右)
○博物館の概要説明
当博物館は東京農大と(財)進化生物学研究所の協力のもと 2004 年に開館
いたしました。それ以来 10 年「食と農」に関するさまざまなコンセプトによる展示や講演会、講座、体験
学習など年間を通して企画、展開しているとのことです。
○博物館内見学
主な展示物は次のとおり、
・屋久杉:屋久島の天然スギは標高 800~1,500m の地に、広さ 20,600ha にわたって分布。そのうち
2,900ha が代表的な 原始林で特別天然記念物に指定されており、一般に屋久杉とよばれているのは
樹齢 1,000 年以上のもの。展示されている幹を見ると今更のようにその偉大さ に圧倒されました。
・シャコガイ:貝類中、最大種で殻長2m 近く、重量 200kg 超のものもあるとのこと。実物の殻は光沢の
ある純白色でなかなか美しいものでした。
・ナギナタナマズ、ピラニア、シーラカンス等々。
[巨大なシャコガイ](左) と [ナギタナマズの武器](右)
・ニワトリの剥製標本コレクション。
・ダチョウの卵;重量1kg 以上
・日本酒の酒瓶・酒器のコレクション:280 本の酒瓶コレクションは当大学卒業生の蔵元紹介、鶯徳利、
鶯杯、酒燗器等々もありました。
・古民家のジオラマ展示:踏車(フミグルマ)は昭和 30 年代~40 年代まで使用された。足踏み脱穀機
なども現代ではモーター回転式となったが、今となっては懐かしいものでした。
○バイオリウム内見学
バイオリウムという聞きなれない言葉は、バイオ(BIO)=「生きもの」と リウム(RIUM)=「空間」の2語
からなる合成語。動物園、植物園、水族館といったくくりを取り去った「生きもの」空間を指す、とのこと。
〔バイオリウム内で見られる主な動植物は次の通り〕
・ワオレムールの親子:マダガスカル固有の原猿類レムールは 50 年前の学術調査で日本に導入され
たもので、1 箇所でこれだけの種類と個体数が見られるのはここだけとのこと。突如、檻に鳴り響く大コ
ーラスにはビックリしました。
・グリーンイグアナ:中南米原産で体長 1.5~2m,草食性、樹上型生活をしているとのこと。当バイオリ
ウム内では放し飼いにされており、手でさわってみることが出来ました。
[グリーンイグアナ](左) と [イグアナの後足](右)
・散歩中のケヅメリクガメ:巨大なカメだ。
・バオバブ:アフリカのサバンナ林地帯に分布。幹は徳利のような形で高さ約 20m、径 約 10m に及ぶ。
葉は幹の上部につき、乾期に落葉する。花は白色大型、果実はヘチマのように垂れ下がり、かたい。サ
ン・テグジュペリの「星の王子さま」で は星を破壊する巨木として書かれ、寓意に満ちた物語は昔の記
憶を懐かしく、思い出せました。
・その他:アフリカ、マダガスカル、中南米、熱帯雨林、熱帯果樹、モーリシャス等々の植物が館内 所
狭しと紹介されている。これらは進化生物学研究所が世界各地を調査し、収集した貴重な動植物コレク
ションであり、私達は労せずして現地さながらに見て、 触れて、感じることが出来ました。まことに得難
い経験をした半日となりました。
幹事役の宮原さん夫妻と東京農大の関係者の皆さんに心から御礼申し上げたと思います。有難うござ
いました。
以 上
〔写真提供:林 洋 氏〕