日本のレンタル収納マーケット - トランクルーム・キュラーズ

日本のレンタル収納マーケット
株式会社キュラーズ ステファン・ジョセフ・スポーン
キュラーズの概要
キュラーズは240億円規模の日本におけるレンタル収納マーケットの
最大手の保有者兼オペレーター
会社概要
(2012年9月末現在)
成長の軌跡
設立
2001年
Revenue
¥ billion
事業内容
レンタル収納の所有・
運営
4
スポンサー
The Baupost Group
運用資産残高
約470億円
# properties
50
40
3
30
2
レンタル収納店舗数
45店舗
総運営床面積
約135,000
総運営ユニット数
約28,000ユニット
総ユニット利用者数
約21,000名
本社
東京都品川区大崎3-5-2
総従業員数
185名
20
(うち43店舗は所有)
1
10
m2
0
0
Revenue (left)
1
# of shops (right)
目 次
I. レンタル収納マーケットの現状
p 商品性
p マーケットの概要
II. マーケットの潜在力
III. アセットクラスとしての特徴
IV. 収益性 – ケーススタディー
2
I. レンタル収納マーケットの現状
3
定義と分類
レンタル収納スペース
(いわゆる「トランクルーム」)
• 有効活用されていないオフィスビ
ル等を再利用し、各利用者のた
めに仕切られた空間(「ユニット」)
を提供
• ユニットごとに利用者が決まって
おり、各自が自由に出入り可能
• 空調施設やセキュリティが完備
• 24時間アクセスが可能
• 顧客の利便性を勘案し、主に人
口密度の高い住宅地に立地
屋外コンテナ
トランクルーム
(「倉庫業法」上の)
• 屋外に設置したコンテナの一部
或いはコンテナ自体を利用者に
提供
• 天候(気温、湿度)やセキュリティ
の問題等により、利用者の収納
物やコンテナ自体にダメージ等
が発生しやすい
• 一般的に利用料金が安い
• 倉庫の空きスペースを再利用し、
倉庫として空間を提供
• オペレーターは、利用者の収納物
を預かり受け、保管管理責任を負
う(寄託契約)
• 「倉庫業法」に準拠
• 利用者はオペレーターの営業時
間内のみ利用可能
出所: 矢野経済研究所、レンタル収納スペース推進協会、キュラーズのウェブサイトより
4
定義と分類
‐アセットのイメージ
レンタル収納スペース
(いわゆる「トランクルーム」)
屋外コンテナ
5
トランクルーム
(「倉庫業法」上の)
レンタル収納スペース
‐キュラーズの例
利便性
駐車(荷捌き)スペース
即日対応の契約室
24時間アクセス
快適性
既存施設の再活用
明るく清潔な内装
6
温度・湿度管理
レンタル収納のマーケット(日本)
毎年2桁の成長を続けるレンタル収納のマーケット
レンタル収納産業全体の潜在収益の推移
Gross potential
revenue (GPR)
25
( JP¥ bb )
20
15
10
5
0
2007
2008
2009
2010
出所:キュラーズが毎年第3四半期に実施するストレージ産業全体にかかる”Annual Supply Survey”の試算に基づく
7
2011
レンタル収納のマーケット(日本)
マーケットの成長ペースを凌ぐキュラーズの成長スピード
成長比較 – 産業全体 vs キュラーズ (潜在収益)
Industry GPR
¥bb
Quraz Revenue
¥bb 4
25
3
20
15
2
10
1
5
0
0
2007
2008
2009
2010
Indoor trunkroom
2011
Quraz
出所:キュラーズが毎年第3四半期に実施するストレージ産業全体にかかる”Annual Supply Survey”の試算に基づく
8
2012
レンタル収納のマーケット(日本)
- 成長のドライバー
国内での認知度は依然低く、高い潜在成長性を秘める未開発市場
レンタル収納の認知度 (キュラーズによる委託調査)
レンタル収納の認知度(矢野経済研究所)
Recognized Group
Recognized Group
6%6%
16%16%
Recognized
Recognized
Unrecognized
Unrecognized
出所:TNS-Infoplan. Local Penetration and Awareness Research,
(2008年)より作成
出所:矢野経済研究所の2011年市場調査より作成
9
レンタル収納のマーケット(日本)
‐主要プレーヤー・マーケットシェア
トップ3社が収益レベルでマーケット全体の約50%のシェアを占める
Gross Potential Revenue (Ybb)
2008
2009
2010
2011
3.4
3.8
4.7
5.1
3.2
3.3
3.6
3.9
2.3
2.5
2.8
3.0
0.8
1.1
1.9
2.0
1.0
1.0
1.1
1.2
10.7
11.7
14.1
15.2
6.8
6.7
7.8
8.9
17.5
18.4
21.9
24.1
Quraz
#2 player
#3 player
#4 player
#5 player
Top five comps
Others
Total indoor
2008
2011
Quraz
19%
Quraz
21%
Others
37%
Others
39%
#2 player
18%
6%
#2 player
16%
5%
#3 player
13%
5%
8%
#3 player
13%
出所:キュラーズが毎年第3四半期に実施するストレージ産業全体にかかる”Annual supply survey”の試算に基づく
10
II. マーケットの潜在力
11
レンタル収納のマーケット(日本)
- 成長潜在力
仮に国内主要15都市の普及率が東京レベルに達すると想定した場合、
日本市場でも現状比7倍強の市場拡張が可能
普及率とマーケットサイズ
キュラーズ試算
1,036,840 ユニット
普及率 2.0%
518,420 ユニット
普及率 1.0%
国内主要15都市の普及率
を5%と仮定した場合
の市場規模推計
136,300 ユニット
普及率 0.3%
¥1,710億円
240億円
Current
Future potential
前提条件
• 主要15都市の普及率が東京における最大普及率5%に達することを前提とする(2009年にキュラーズが委託した第三者研究機関
の調査によれば東京での最大普及率は5%)
12
セルフストレージマーケット(米国)
米国ではこの25年間で施設数が7倍以上も拡大
Facilities in USA
(Facilities)
60,000
50,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
7,000
0
1984
2009
出所:Self Storage Association, 矢野経済研究所
13
セルフストレージマーケット(グローバル)
1970年代より継続的な成長を遂げている米国のセルフストレージ市場
各国セルフストレージの世帯数当たり普及率
各国セルフストレージの普及率と市場規模
普及率 (%)
(総世帯数:118百万戸)
10%
USA
(総世帯数:8百万戸)
(総世帯数:26百万戸)
4%
Australia
(総世帯数:52百万戸)
U.K
1%
年
Japan
10
20
30
40
• セルフストレージ産業は1970年代にアメリカで誕生
• それ以降、年平均10%の伸び率で成長した結果、アメリカでは10世帯に1世帯がセルフストレージを利用するまでに拡大
• 日本における普及率0.3%は、先進国の中では最低水準にあるものの、近年においては年率約10%で成長中
Source: Company data, Self-Storage Almanac 2012
14
III. アセットクラスの特徴
15
商品性の特徴
回復力が強く、且つ、安定的な稼働
レンタル収納スペースは景気の影響を受けにくく、予測可能・安定的な収益を
生み出す特徴がある
稼働率(店舗ベース比較)
歴史的にもセルフストレージは他の
アセットクラスと較べ、景気後退の悪
影響を緩和・吸収する特徴がある。
その理由は…
100%
80%
Public
Storage
• そもそもアセットクラスとして「反循環的
(coutercyclical )」である
60%
40%
• 一度契約した利用者は、あまりの便利
さに解約することができなくなってしまう
Quraz
• 1テナント当たりの収益が店舗全体の1
%にも満たないため、テナント解約によ
る収益への影響が小さい
20%
0%
出所: Public Storage data from FactSet.
2006年に安定稼働となったキュラーズ5店舗の実績
16
商品性の特徴
価格形成力 – 新規顧客
キュラーズは景気後退期においても年平均2.3%の
募集レートの上昇を達成している
キュラーズ募集ユニット賃料(インデックス)
2005年 = 100
120
100
80
60
40
20
0
2005
2006
2007
2008
注記: 同一店舗における募集レートの推移を表示
出所: キュラーズ自社データ
17
2009
2010
2011
2012
商品性の特徴
価格形成力 – 既存顧客
セルフストレージは既存利用者の賃料も上げることができている(米国の例)
米国のセルフストレージ既存賃料(インデックス)
• 米国のセルフストレージ業者は既存
顧客の賃料を継続的に上げることが
できている
2006 年= 100
120
100
• 米国のストレージ利用者はさらに10
%の賃料上昇を許容する状況にあ
る(キュラーズ調査)
80
60
• 賃料上昇には、そのための特別なコ
ストを要しないため、ほぼそのまま
純利益の増加に反映される
40
20
0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
出所: US industry data from Bloomberg, including and averaging Public Storage, Extra Space and Cube Smart
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商品性の特徴
米国資本市場における評価
米国REITの中でもストレージREITがもっとも高いパフォーマンスをあげている
ストレージREITのインプライドキャップレート推移
インプライドキャップレート(2010年)
8%
8%
7%
7%
6%
6%
5%
5%
4%
4%
3%
3%
2%
2%
1%
1%
0%
0%
2007
注記: データはFTSE NAREIT sub sector Indexによる
出所: Bloomberg
19
2008
2009
2010
2011
ベンチマーク(指標比較)
キュラーズ vs 米国ストレージ業界
キュラーズは主要収益指標において米国ストレージ業者の数値を上回っている
顧客の平均利用期間 (月)
年間収益/稼働ユニット数
27
$1,246
18
Quraz
U.S. Self-storage
Quraz
年間収益/稼働面積(㎡)
$150
$149
$131
$97
Extra
PSA
Cube
Sovran
1利用者当たりの創出価値(Life-time Value)(1)
$2,711
$6,101
$1,495
$1,339
$1,323
$1,038
Quraz
Extra
Cube
PSA
$1,948
Sovran
Quraz
出所: 各社アニュアルレポートより
注記: Exchange Rate: 1 USD = 80 JPY
(1) 1利用者当たりの創出価値=[(利益/稼働中のユニット数)/12]×平均利用期間
20
U.S. Self-storage
IV. エコノミクス
21
利回りの目線
ケーススタディ(取得物件)
新規取得した東京の物件のエコノミクス
レンタル収納
事務所
土地面積 (坪)
-------------------- 136 --------------------
建物面積 (坪)
-------------------- 499 --------------------
賃貸可能面積 (坪)
272
349
坪当たり賃料月額
¥40,000
¥13,500
取得価格(含税金、手数料等)
649
649
用途変更・追加工事
195
45
総投資額
844
694
収益
128
58
費用
26
17
102
41
12%
6%
安定稼働時(5年目)の収支
NOI(営業収益)
単純利回り(レバ前)
出所:
キュラーズ内部資料。2011年に取得した物件Aの投資・収益データに基づく
22
単位:百万円