第十六改正日本薬局方 改正点のポイント

第十六改正日本薬局方
改正点のポイント
POINT
同志社女子大学薬学部教授
谷本 剛
はじめに
第十六改正日本薬局方(以下,日局 16 という)は平成 23 年3月 24 日に厚生労働省から告示され,
同年4月1日から施行された.日本薬局方は医薬品の性状および品質の適正を図るために定めた医薬
品の規格基準書であり,その役割は医薬品全般の品質を総合的に保証するための規格及び試験法の標
準を示すとともに,医療上重要な医薬品の品質等に係る判断基準を明確にすることにある.
日本薬局方のこのような性格・役割を踏まえ,次の5本の柱を日局 16 の作成基本方針として改正
作業が進められた.
<第十六改正日本薬局方作成の5本の柱>
① 保健医療上重要な医薬品の全面的収載
② 最新の学問・技術の積極的導入による質的向上
③ 国際化の推進
④ 必要に応じた速やかな部分改正及び行政によるその円滑な運用
⑤ 日本薬局方改正過程における透明性の確保及び日本薬局方の普及
作成基本方針①に関しては,繁用性の高い医薬品,再評価で有効性と安全性が確認された医薬品,
国際的に流通している医薬品,優先審査対象医薬品,希少疾病用医薬品などを収載候補医薬品に選定
し,多数の医薬品が新規に収載された.
②に関しては,新剤形や新製剤特性の導入による製剤総則全面改正,最新の科学技術を反映した試
験法の一般試験法および参考情報への収載などが行われた.
③に関しては,日米欧の薬局方当局で構成される薬局方調和検討会議 Pharmacopoeial Discussion
Group(PDG)で医薬品添加物や一般試験法の国際調和を積極的に行い,国際調和された事項は日局
1
に収載された.日局 15 と同様に,国際調和に基づいて規定した一般試験法や医薬品各条はそれぞれ
の冒頭にその旨を記載し,調和事項と異なる部分は「◆
」で囲って明示されている.また,国際調
◆
和事項の反映状況は「参考情報」に示されている.
④に関しては,医薬品の安全性や国際調和への速やかな対応が5年ごとの全面改正とその間の2回
の追補で困難な場合,厚生労働省告示による日局の部分改正で速やかに対応することとし,異物混入
による安全性の観点からグリセリン及び濃グリセリンの純度試験へのジエチレングリコール及び類縁
物質の規定追加(厚生労働省告示第 32 号,平成 20 年 2 月 21 日)並びにヘパリンナトリウムの純度試
験への過硫酸化コンドロイチン硫酸の規定追加(厚生労働省告示第 417 号,平成 20 年 7 月 31 日)
,国
際調和事項の速やかな対応として一般試験法の微生物限度試験法,無菌試験法,崩壊試験法,溶出
試験法の改正(厚生労働省告示第 190 号,平成 21 年 3 月 31 日)
,リュウコツの規格改正とリュウコツ
末の新規収載(厚生労働省告示第 190 号,平成 21 年 3 月 31 日),厚生労働省告示 322 号(平成 22 年 7
月 30 日)では,国際調和に基づく溶出試験法の改正,ヘパリンナトリウム及びへパリンカルシウム
への類縁物質規定の追加,HPLC による確認試験の追加,過硫酸化コンドロイチン硫酸の規格値改正,
ヘパリンナトリウムへのガラクトサミンの純度試験追加などが行われた.
⑤に関しては,日局原案審議委員会で取りまとめられた日局改正原案は医薬品医療機器総合機構の
「日本薬局方・医療機器基準等情報提供ホームページ」及び「日本薬局方フォーラム」
(日本公定書協
会発行)で意見募集され,新規収載候補品目についても厚生労働省ホームページで意見募集が行われ,
各界からの意見が日局作成に反映されてきている.
以上,日局 16 作成基本方針に沿った改正概要を簡単に述べたが,次節では日局 16 の具体的な改正
点を紹介し,それらの内容を解説する.
16 の構成
日局
1
平成 14 年の薬事法改正で旧薬事法第 41 条第2項が削除されたことから,日局 14 までの第一部と
第二部による2部構成が廃止され,日局 15 から1部構成となった.日局 16 においてもこの1部構成
が踏襲されている.日局 16 では「日本薬局方沿革略記」,「まえがき」の後に「第十六改正日本薬局
方」の部が続いている.「第十六改正日本薬局方」の部は,通則,生薬総則,製剤総則,一般試験法,
医薬品各条,参照紫外可視吸収スペクトル,参照赤外吸収スペクトルの順で構成され,その後に参考
情報,付録,索引が付されている.また,医薬品各条の構成は日局利用者の利便性の観点から,生薬
総則を適用する生薬およびこれらを含有する製剤を「生薬等」としてそれ以外の医薬品(化学薬品
等)と区別し,化学薬品等,生薬等の順にそれぞれ五十音順に収載されている.
収載品目
2
日局 16 の総収載品目数は 1764 品目であり,追補での新収載品目を含めて日局 15 から 281 品目増加
した.日局 16 で新規に収載された 91 品目の内訳を表 1 に示した.新規収載品目名は付表A(文末)
の通りである.また,既収載品目のうち改正されたものは 330 品目あり,改正品目名および各品目に
おける改正項目を付表 B(文末)に示した.一方,15 品目の医薬品が医療上の必要性が無くなったこ
とから削除された(表2).
2
表1 医薬品各条改正品目数
品目数
内 訳
化学薬品 86
抗生物質 2
新規収載品目
106
生物薬品 0
添加物・その他 3
生薬 15
化学薬品 206
抗生物質 28
既収載品目
330
生物薬品 1
添加物・その他 5
生薬 90
化学薬品 3
削除品目
15
抗生物質 5
生物薬品 7
表2 削除品目(日局 15 第二追補以降に削除された品目)
化学薬品:3 品目 (原薬:1 品目,製剤:2 品目)
1
ブフェキサマク
2
ブフェキサマククリーム
3
ブフェキサマク軟膏
抗生物質医薬品:5 品目(原薬:5 品目)
1
アストロマイシン硫酸塩
2
シソマイシン硫酸塩
3
セファピリンナトリウム
4
セフロキシムナトリウム
5
ネチルマイシン
生物薬品:7 品目(原薬:1 品目,製剤:6 品目)
1
インスリン
2
イソフェンインスリン水性懸濁注射液
3
インスリン注射液
4
インスリン亜鉛水性懸濁注射液
5
結晶性インスリン亜鉛水性懸濁注射液
6
無晶性インスリン亜鉛水性懸濁注射液
7
プロタミンインスリン亜鉛水性懸濁注射液
3
通則の改正点
3
日局 16 の通則は 44 項目からなり,その内容は表3に示すように概ね7つに分類される.各項目の
内容は表4に示した.日局 15 第二追補以降,日局 16 で改正された項目は 11 項目あり,その改正点は
次の通りである.
(1)通則1:日本薬局方の名称を「第十六改正日本薬局方」に改正し,略号の記載を変更した.
(2)通則2:第十六改正に合わせ日本薬局方の英名が整備された.
(3)通則3:製剤総則の改正に伴い,散を細粒に読みかえることができる旨が削除された.
(4)通則4:医薬品各条の収載実態に合わせ,例示する剤形名がリニメント剤から流エキス剤に改
められた.
(5)通則8:国際原子量表が 2010 年版に更新された.
(6)通則9:日局で使用頻度の高い2つの単位(μS・cm-1,CFU)が追加された.
(7)通則 16:通則 20 の医薬品の試験に用いる水の定義改正に伴い,器具の校正に用いる水の記載が
「精製水」から「水」に改められた.
(8)通則 20:医薬品各条「精製水」の改正に伴い,医薬品の試験に用いる水の定義が「精製水」か
ら「試験を妨害する物質を含まないなど,試験を行うのに適した水」に改められた.
(9)通則 31:確認試験の定義について,記載が整備された.
(10)通則 33:恒量の規定について,記載が整備された.
(11)通則 44:国際調和に関する記載方針について,記載が整備された.
表3 通則の内容別分類
1.薬局方の名称に関する規定(第 1 ∼ 2 項)
2.医薬品に関する基本的な規定(第 3 ∼ 14 項)
3.試験法及びその操作に関する基本的な規定(第 15 ∼ 26 項)
4.試験法の定義(第 27 ∼ 36 項)
5.容器に関する規定(第 37 ∼ 41 項)
6.表示に関する規定(第 42 ∼ 43 項)
7.国際調和事項に関する規定(第 44 項)
表4 通則の各項の内容
1.薬局方の名称に関する規定
第1項:日本薬局方の正式名と略名の規定.
第2項:日本薬局方の英名の規定.
2.医薬品に関する基本的な規定
第3項:日本薬局方の医薬品及びその名称の定義.
第4項:
「生薬等」の定義.
第5項:医薬品の適否の判定根拠及び判定基準.
第6項:動物由来医薬品に用いる動物の健康状態の規定.
第7項:条文中での日本薬局方医薬品の表記法.
第8項:化学的純物質の表記法,原子量の根拠,分子量の表記桁数の規定.
第9項:計量単位,百分率などの記号の規定.
第 10 項:力価の量としての取り扱いを規定.
第 11 項:
「別に規定する」の定義.
第 12 項:試験の省略に関する規定.
第 13 項:代替試験法への変更に関する規定.
第 14 項:生物学的試験法の一部変更が可能であることの規定.
4
3.試験法及びその操作に関する基本的な規定
第 15 項:温度表記の規定.
第 16 項:滴数を量る器具の規定.
第 17 項:減圧の定義.
第 18 項:液性の試験方法.
第 19 項:切度及び粉末度の定義.
第 20 項:試験に用いる水の規定.
第 21 項:溶液の名称表記法の規定.
第 22 項:溶液の濃度表記法とその定義.
第 23 項:質量の量り方の定義.
第 24 項:数値の桁数の取扱い方.
第 25 項:試験の操作温度の規定.
第 26 項:試験の操作における「直ちに」の定義.
4.試験法の定義
第 27 項:性状の項の色の試験方法.
第 28 項:性状の項のにおいの試験方法.
第 29 項:性状の項の溶解性を示す用語の定義と試験方法.
第 30 項:
「溶解」及び「混和」の定義.
第 31 項:確認試験の定義.
第 32 項:純度試験の定義.
第 33 項:乾燥又は強熱するときの「恒量」の定義.
第 34 項:定量法の定義.
第 35 項:定量法での試料採取量の「約」や試料の「乾燥」の定義.
第 36 項:含量表記における上限値の規定.
5.容器に関する規定
第 37 項:容器の定義.
第 38 項:密閉容器の定義.
第 39 項:気密容器の定義.
第 40 項:密封容器の定義.
第 41 項:遮光の定義.
6.表示に関する規定
第 42 項:含量や有効期限の表示箇所の規定.
第 43 項:医薬品各条での表示規定の表示箇所の規定.
7.国際調和事項に関する規定
第 44 項:国際調和の日局への反映方法.
生薬総則の改正点
4
生薬総則1:生薬の新規収載に伴い生薬総則を適用する品目(カッセキ,コウイ,コウベイ,ゴ
マ)が追加された.
製剤総則の改正点
5
科学技術の進歩に伴い,医薬品の有用性を高める目的で多種多様の剤形が開発されてきている.日
局 15 までの製剤総則に規定されている剤形の種類は実際に臨床応用されている剤形の種類と大きく
かけ離れたものになっており,実態に即した剤形の追加規定の必要性が相当以前から指摘されていた.
局方委員会は5年以上の年月をかけて剤形追加を含めた製剤総則の抜本的な改正作業を行い,昨年成
案を得たので日局 16 に収載することができた.
5
日局 16 の製剤各条には市場で流通しているほぼすべての剤形が追加規定された.各剤形は投与経
路・適用部位に基づいて分類され,各剤形の定義及び製剤特性試験の規定などを整備するなどして,
製剤総則の全面的な改正が行われた.
5.1 製剤通則
製剤各条の全面改正に伴い,製剤通則もそれに即して全面的に改められ,次の 11 項目で構成され
ている.
第1項:製剤通則の位置付けを規定しており,日局 15 と同じである.
第2項:製剤各条における剤形の分類方法を規定している.
第3項:製剤各条及び生薬関連製剤各条は,一般に用いられている剤形を示したものであり,これら
以外の剤形についても,必要に応じて適切な剤形とすることができる旨を規定している.
第4項:製剤各条及び生薬関連製剤各条において剤形に応じた製剤特性を規定し,適切な方法で製剤
特性を試験することが規定されている.
第5項:製剤には有効成分の放出速度を調節する機能を付与することができ,放出速度を調節した製
剤は添付する文書及びその容器又は被包に付与した機能に対応した記載を行う旨が規定され
ている.この項の内容は日局 15 と同じである.
第6項:製剤には,必要に応じて,適切な添加剤を加えることができること,及び添加剤が有すべき
要件が規定されている.この項の内容は日局 15 と同じである.
第7項:製剤の製造などに用いられる精製水,注射用水,植物油,デンプン,vol% を規定したエタ
ノールを定義している.この項の内容は基本的には日局 15 と同じである.
第8項:非無菌製剤への微生物限度試験法の適用を規定している.
第9項:製剤均一性試験法のうちの含量均一性試験及び溶出試験法の生薬成分への適用除外を規定し
ている.
第 10 項:製剤の容器・包装に求められる要件を規定している.また,1回使用量ずつ包装したもの
は「分包品」と称する旨が規定された.
第 11 項:製剤の保存条件が規定されている.
5.2 製剤各条
5.2.
1 剤形分類
製剤の剤形は,投与経路及び適用部位別に大分類し,更に製剤の形状,機能,特性から細分類され
た.例えば,経口投与する製剤や注射により投与する製剤など,投与経路や適用部位等により大分類
し,各々の大分類ごとに錠剤,カプセル剤,注射剤などの主要な剤形に中分類し,各々の中分類で規
定された剤形の中で特徴のある剤形を口腔内崩壊錠,発泡錠などに小分類した.その結果,臨床使用
されているほぼすべての剤形,約 70 剤形が製剤各条として規定された(表5)
.なお,主として生薬
を原料とする製剤は「
[3]生薬関連製剤各条」として別に分類され,エキス剤,丸剤,酒精剤,浸
剤・煎剤,茶剤,チンキ剤,芳香水剤,流エキス剤の8剤が生薬関連製剤の剤形とされた.
6
表5 製剤各条における剤形分類
[1]製剤通則
6. 目に投与する製剤
[2]製剤各条
1. 経口投与する製剤
6.1. 点眼剤
6.2. 眼軟膏剤
1.1. 錠剤
7. 耳に投与する製剤
1.1.1. 口腔内崩壊錠
7.1. 点耳剤
1.1.2. チュアブル錠
1.1.3. 発泡錠
1.1.4. 分散錠
8. 鼻に適用する製剤
8.1. 点鼻剤
8.1.1. 点鼻粉末剤
1.1.5. 溶解錠
1.2. カプセル剤
1.3. 顆粒剤
8.1.2. 点鼻液剤
9. 直腸に適用する製剤
9.1. 坐剤
1.3.1. 発泡顆粒剤
1.4. 散剤
9.2. 直腸用半固形剤
9.3. 注腸剤
1.5. 経口液剤
1.5.1. エリキシル剤
10. 腟に適用する製剤
10.1. 腟錠
1.5.2. 懸濁剤
1.5.3. 乳剤
1.5.4. リモナーデ剤
10.2. 腟用坐剤
11. 皮膚などに適用する製剤
11.1. 外用固形剤
1.6. シロップ剤
11.1.1. 外用散剤
1.6.1. シロップ用剤
1.7. 経口ゼリー剤
2. 口腔内に適用する製剤
11.2. 外用液剤
11.2.1. リニメント剤
11.2.2. ローション剤
2.1. 口腔用錠剤
2.1.1. トローチ剤
2.1.2. 舌下錠
11.3. スプレー剤
11.3.1. 外用エアゾール剤
11.3.2. ポンプスプレー剤
2.1.3. バッカル錠
11.4. 軟膏剤
2.1.4. 付着錠
2.1.5. ガム剤
2.2. 口腔用スプレー剤
11.5. クリーム剤
11.6. ゲル剤
11.7. 貼付剤
2.3. 口腔用半固形剤
2.4. 含嗽剤
11.7.1. テープ剤
11.7.2. パップ剤
3. 注射により投与する製剤
3.1. 注射剤
[3]生薬関連製剤各条
1. エキス剤
3.1.1. 輸液剤
3.1.2. 埋め込み注射剤
2. 丸剤
3. 酒精剤
3.1.3. 持続性注射剤
4. 透析に用いる製剤
4.1. 透析用剤
4. 浸剤・煎剤
5. 茶剤
6. チンキ剤
4.1.1. 腹膜透析用剤
4.1.2. 血液透析用剤
7. 芳香水剤
8. 流エキス剤
5. 気管支・肺に適用する製剤
5.1. 吸入剤
5.1.1. 吸入粉末剤
5.1.2. 吸入液剤
5.1.3. 吸入エアゾール剤
7
5.2.
2 剤形各条の構成
製剤各条での各剤形は,基本的には剤形の定義,製法,要求される製剤特性試験,容器・包装及び
貯法の各項目で規定されている(例1)
.なお,規定されている製剤試験法及び容器・包装に関する
規定は基本的な要求事項であり,製法には一般的な製法が示されている.
<例1>
1. 6 シロップ剤 Syrups
(1)シロップ剤は,経口投与する,糖類又は甘味剤を含む粘性のある液状又は固形の製剤である. 本剤に
は,シロップ用剤が含まれる.
【定義】
(2)本剤を製するには,通例,白糖,そのほかの糖類若しくは甘味剤の溶液又は単シロップに有効成分を
加えて溶解,混和,懸濁又は乳化し,必要に応じて,混液を煮沸した後,熱時ろ過する.【製法】
(3)本剤のうち変質しやすいものは,用時調製する.
【製法】
(4)本剤の分包品は,別に規定するもののほか,製剤均一性試験法 <6.02> に適合する.
(5)本剤のうち懸濁した製剤は,別に規定するもののほか,溶出試験法 <6.10> に適合する.【製剤試験法】
(6)本剤に用いる容器は,通例,気密容器とする.製剤の品質に水分の蒸散が影響を与える場合は,低水
蒸気透過性の容器を用いるか,又は低水蒸気透過性の包装を施す.
【容器・包装】
*【定義】,
【製法】,【製剤試験法】
,
【容器・包装】は著者の追記による.
5.2.
3 各剤形に要求される製剤特性試験
剤形ごとに要求される製剤特性試験については付表 C(文末)にまとめて示した.各剤形で要求さ
れる製剤特性の試験法が日局一般試験法に収載されている場合は例2の腟錠に示すように「製剤均
一性試験法 <6.02> に適合する」と具体的な適合要件が規定されている.しかし,腟錠では有効成分
の「放出性」が製剤特性として要求されているが,腟錠の放出試験法が日局に収載されていないため,
具体的な適合要件を規定せず,
「適切な放出性を有する」と要求すべき製剤特性が記載されるにとど
まっている.なお,製造販売承認を得る場合には,申請企業が独自に適切な試験法を設定する必要が
ある.
<例2>
10. 1 腟錠 Tablets for Vaginal Use
(1)腟錠は,腟に適用する,水に徐々に溶解又は分散することにより有効成分を放出する一定の形状の固
形の製剤である.
(2)本剤を製するには,通例,
「1.1. 錠剤」の製法に準じる.
(3)本剤は,別に規定するもののほか,製剤均一性試験法 <6.02> に適合する.【要求される製剤特性】
(4)本剤は,適切な放出性を有する.
【要求される製剤特性】
(5)本剤に用いる容器は,通例,密閉容器とする.製剤の品質に湿気が影響を与える場合は,防湿性の容
器を用いるか,又は防湿性の包装を施す.
5.2.
4 剤形の定義の変更
今回の改正で多くの新剤形が日局に追加収載されたが,従来からの剤形でその定義が変更されたも
のに散剤があり,この定義の変更には十分注意する必要がある.
散剤及び顆粒剤の新旧対照を表6及び表7に示した.下線部が主な変更点である.散剤は日局 15
までは「粉末又は微粒状に製したもの」であった(表6:【定義】)
.細粒が「微粒状に製したもの」
8
に該当し,「粉末に製したもの」と「微粒状に製したもの」は粒度分布によって区別されていた(表
6:【製剤特性】)
.日局 16 では散剤は「粉末状の製剤」と定義され,微粒状に製したもの,すなわち
細粒は散剤には含まれないこととなった.したがって,製法の規定もこの定義に沿って改められた.
一方,顆粒剤の定義は,本質的には変更はなく,「粒状」に製した製剤である(表7:【定義】)
.し
たがって,細粒は微粒状ではあっても,造粒工程を経て粒状に製したものであるので,顆粒剤の範疇
に含まれるものとなり,細粒剤は顆粒剤の項で定義された.
日局 15 までは,散剤と顆粒剤は粒度によって分類されていたが,日局 16 での両者は造粒されてい
るか否かで分類されたため,両剤の粒度規定は削除された.粒度の試験は細粒剤と称する場合にのみ
適用されることになった(表7:【製剤特性】).
なお,顆粒剤の(6)項で例外規定として,微粒状に造粒したものであっても「製剤の粒度の試験
法 <6.03> を行うとき,18 号(850mm)ふるいを全量通過し,30 号(500mm)ふるいに残留するも
のは全量の5% 以下のもの」を「散剤」と称することができる旨が規定されている.これは,例えば,
日局製剤「アスコルビン酸散」には粉末状に製した製品と微粒状に製した製品の両方が市場で流通し
ており,従来の散剤の定義であれば両製剤とも「アスコルビン酸散」に該当する.しかし,今回の定
義の変更により,微粒状に製した「アスコルビン酸散」は「アスコルビン酸顆粒」に該当することに
なる.本来ならば,「アスコルビン酸顆粒」を日局に新規収載し,微粒状に製したアスコルビン酸製
剤は「アスコルビン酸顆粒」製剤とすべきであるが,多数の後発医薬品が流通している現状において
すべての製剤が粉末状に製したものか微粒状に製したものかの調査が完了していないことに加え,定
義変更による名称変更の影響をうける製剤が多数あることを踏まえ,更には安易な定義変更に従った
名称変更は医療現場での混乱を招く恐れもあることから,これらの課題が解決するまでの当分の間は,
従来の細粒に対して「散剤」と称することを特例として認めることにしたものである.今後製造販売
承認される医薬品で,その製造工程に造粒工程が含まれるものはすべて顆粒剤として扱われる.
表6 散剤の規定の新旧対照
日局 16
日局 15
1. 4. 散剤
13. 散剤
(1)散剤は,経口投与する粉末状の製剤で (1)散剤は,医薬品を粉末又は微粒状に製した
ある.
ものである.
(2)本剤を製するには,通例,有効成分に (2)本剤を製するには,通例,有効成分をその
【製法】
賦形剤又はそのほかの添加剤を加えて
まま,又は有効成分に賦形剤,結合剤,崩
混和して均質とする.
壊剤若しくはそのほかの適切な添加剤を加
え,適切な方法で粉末又は微粒状とする.
【製剤特性】 (3)本剤の分包品は,別に規定するものの (3)本剤は,製剤の粒度の試験法 <6.03> を行う
とき,18 号(850 μm)ふるいを全量通過し,
ほか,製剤均一性試験法 <6.02> に適
30 号(500 μm)ふるいに残留するものは全
合する.
量の 5% 以下である.本剤のうち,200 号(75
μm)ふるいを通過するものが全量の 10%
(4)本剤は,別に規定するもののほか,溶
以下のものを細粒と称することができる.
出試験法 <6.10> に適合する .
(4)本剤の,1 回服用量ずつ包装した形態のもの
(分包)は,別に規定するもののほか,製剤
均一性試験法 <6.02> に適合する.
【容器・包装】(5)本剤に用いる容器は,通例,密閉容器 (5)本剤に用いる容器は,密閉容器又は気密容
器とする.
とする.製剤の品質に湿気が影響を与
える場合は,防湿性の容器を用いるか,
又は防湿性の包装を施す.
【定義】
9
表7 顆粒剤の規定の新旧対照
日局 16
日局 15
1. 3. 顆粒剤 Granules
7. 顆粒剤 Granules
(1)顆粒剤は,経口投与する粒状に造粒し (1)顆粒剤は,医薬品を粒状に製したものである.
【定義】
た製剤である.
本剤には,発泡顆粒剤が含まれる.
(2)本剤を製するには,通例,次の方法に (2)本剤を製するには,通例,有効成分をその
【製法】
よる.必要に応じて,剤皮を施す.また,
まま,又は有効成分に賦形剤,結合剤,崩
適切な方法により,徐放性顆粒剤又は
壊剤若しくはそのほかの適切な添加剤を加
腸溶性顆粒剤とすることができる.
えて混和して均質とした後,適切な方法で
(ⅰ)粉末状の有効成分に賦形剤,結合剤,
粒状とし,粒子のそろったものとする.更に,
崩壊剤又はそのほかの添加剤を加え
適切な方法により,徐放性顆粒剤又は腸溶
て混和して均質にした後,適切な方
性顆粒剤とすることができる.
法により粒状とする.
(ⅱ)あらかじめ粒状に製した有効成分に
賦形剤などの添加剤を加えて混和し,
均質とする.
(ⅲ)あらかじめ粒状に製した有効成分に
賦形剤などの添加剤を加えて混和し,
適切な方法により粒状とする.
【製剤特性】 (3)製剤の粒度の試験法 <6.03> を行うと (3)本剤は,製剤の粒度の試験法 <6.03> を行う
き,18 号(850 μm)ふるいを全量通
とき,10 号(1700 μm)ふるいを全量通過し,
過し,30 号(500 μm)ふるいに残留
12 号(1400 μm)ふるいに残留するものは
するものは全量の 10% 以下のものを顆
全量の 5% 以下であり,また,42 号(355 μ
粒剤と称することができる.
m)ふるいを通過するものは全量の 15% 以下
である.
(4)本剤の分包品は,別に規定するものの (4)本剤は,別に規定するもののほか,溶出試
ほか,製剤均一性試験法 <6.02> に適
験法 <6.10> 又は崩壊試験法 <6.09> に適合
合する .
する.ただし,30 号(500 μm)ふるいを用
(5)本剤は,別に規定するもののほか,溶
いて製剤の粒度の試験法 <6.03> に準じてふ
出 試 験 法 <6.10> 又 は 崩 壊 試 験 法
るい,30 号ふるいに残留するものが 5% 以
<6.09> に適合する.
下のものにはこの試験を適用しない.
ただし,発泡顆粒剤のうち溶解させる (5)本剤の,1 回服用量ずつ包装した形態のもの
製剤には適用しない. また,製剤の粒
(分包)は,別に規定するもののほか,製剤
度の試験法 <6.03> に準じてふるうと
均一性試験法 <6.02> に適合する.
き,30 号(500 μm)ふるいに残留す
るものが 10% 以下のものには崩壊試験
法を適用しない.
微粒状に造粒したもの(製
〈例外規定〉 (6)本剤のうち,
剤の粒度の試験去 <6.03> を行うとき,
18 号(850 μm)ふるいを全量通過し,
30 号(500 μm)ふるいに残留するも
のは全量の 5% 以下のもの)を散剤と
称することができる.
【容器・包装】(7)本剤に用いる容器は,通例,密閉容器
とする.製剤の品質に湿気が影響を与 (6)本剤に用いる容器は,密閉容器又は気密容
える場合は,防湿性の容器を用いるか,
器とする.
又は防湿性の包装を施す .
10
一 一般試験法の改正点
6
日局 15 告示以降,2回の追補で2種の試験法が新規収載され,18 種の試験法及び数種の事項が改
正された.日局 15 第二追補以降,日局 16 では新規収載された一般試験法はないが,15 種の試験法で
改正がなされ,その他として標準品の新規設定及び削除,試薬・試液及び容量分析用標準液の新規設
定などが行われている.
6.1 一般試験法の構成
日局 15 で,利用者の利便性を図る目的で一般試験法を化学的試験法,物理的試験法,生物学的試
験法などの9つのカテゴリーに分類し,各試験法に固有の番号を付して配列した.日局 16 において
もこの配列は踏襲されている.
6.2 改正された一般試験法
日局 16 で改正された試験法は次の 15 種の試験法である.
① 2.01 液体クロマトグラフィー:本法を確認試験に用いる場合,検出器として PDA を利用する場
合を想定して,
「被検成分の化学構造に関する知見が同時に得られる検出器が用いられる場合,
保持時間の一致に加えて,化学構造に関する情報が一致することにより,より特異性の高い確認
を行うことができる」旨を規定した.
② 2.46 残留溶媒試験法:残留溶媒の試験方法について,ガスクロマトグラフィー〈2.02〉などによ
る測定方法に加えて,ヒトに対して低毒性と考えられる溶媒のみが残留する場合には乾燥減量試
験法〈2.41〉でこれに代えることができる旨を規定した.
③ 2.51 導電率測定法:塩化カリウム標準液の調製に用いる水の記載の整備および塩化カリウム標準
液の導電率の補正式の有効温度範囲を 20 ± 5℃から 15 ∼ 30℃に改正した,
④ 2.54 pH 測定法:水各条の改正に伴い,pH 標準液の調製には,蒸留した水又は導電率 2 μS/cm
(25℃)以下及び有機体炭素 0.50 mg/mL 以下の水を 15 分間以上煮沸した後,二酸化炭素吸収管
(ソーダ石灰)を付けて冷却した水を用いるように改めた.
⑤ 2.58 粉末 X 線回折測定法:日米欧3薬局方で国際調和された事項に基づき,全面的に改正した.
⑥ 3.01 かさ密度及びタップ密度測定法:日米欧3薬局方で国際調和された事項に従い,用いる立方
体カップの容積が 16.39 ± 2.00 mL から 16.39 ± 0.20 mL に改められ,圧縮性指数は試料によって
は V0 の代わりに V10 を用いて求めることができるが,V0 の代わりに V10 を用いた場合は,試験
結果にその旨を明記することが定められた.
⑦ 4.01 エンドトキシン試験法:日米欧3薬局方で国際調和された事項に基づき,全面的に改正した.
⑧ 4.05 微生物限度試験法:日米欧3薬局方で国際調和された事項に基づき,試験菌が Aspergillus
niger から Aspergillus brasiliensis に改められた.
⑨ 4.06 無菌試験法:日米欧3薬局方で国際調和された事項に基づき,記載の整備がなされ,試験菌
が Aspergillus niger から Aspergillus brasiliensis に改められた.
⑩ 5.02 生薬の微生物限度試験法:4.05 微生物限度試験法と整合させて,培地をブドウ糖添加 VRB カ
ンテン培地からバイオレット・レッド・胆汁酸・ブドウ糖カンテン培地に変更した.
⑪ 6.03 製剤の粒度の試験法:製剤総則の改正に伴い,顆粒剤及び散剤の規定を削除した.
11
⑫ 6.07 注射剤の不溶性微粒子試験法:日米欧3薬局方で国際調和された事項に伴う改正,及び試験
に用いる水の定義改正に伴う試験用水の名称を改めた.
⑬ 6.08 点眼剤の不溶性微粒子試験法:試験に用いる水の定義改正に伴う試験用水の名称を改めた.
⑭ 7.02 プラスチック製医薬品容器試験法:試験に用いる水の定義改正に伴う「3. 微粒子試験」の改
正,「4. 透明性試験」の試液の改正,ポリ塩化ビニル製水性注射剤容器の「(11)塩化ビニル」の
試験の改正.
⑮ 8.01 滅菌法及び無菌操作法:超ろ過法に関する記載を参考情報に取り込むことに伴い,一般試験
法の記載を削除した.
⑯ 9.01 標準品:医薬品各条の改正に伴い,アトルバスタチンカルシウム標準品をはじめとした日局
標準品 13 品目を新規追加した.
医薬品各条の改正点
7
医薬品各条では,106 品目が新規に収載され(付表A),既収載品目のうち 330 品目において規定
が見直された(付表B)
.付表Bでは改正品目ごとの改正項目を示している.また,日局 16 医薬品各
条の大きな改正点として製薬用水に関する改正があった.更に,製剤総則の大改正に伴う改正点も多
岐にわたった.
7.1 医薬品各条全体に関わる改正点
1)有害な試薬の扱い
人及び環境への影響に配慮し,有害で試験者への暴露が懸念される試薬,有害作用及び残留性など
で環境への負荷が大きい試薬,麻薬や覚醒剤など取扱いに特殊な資格が必要な試薬などについては使
用を避けるか使用量を最小限にすることとした.また,水銀化合物,シアン化合物,ベンゼン,四塩
化炭素,1,2- ジクロロエタン,1,1,1- トリクロロエタンは原則として用いないこととし,1,4- ジオキサ
ンなどは極力用いないこととした.クロロホルム,ジクロロメタン,二硫化炭素などもその使用につ
いては慎重に検討され,特に,クロロホルムは薄層クロマトグラフィー(TLC)の展開溶媒の優れ
た組成として多用されているが,使用しないことを原則とし,他に適切な代替溶媒がない場合に限り
使用量を低減して用いることとした.
2)含量規格
通則 36 項に「成分含量の値について,単にある%以上を示し,その上限を示さない場合は 101.0 %
を上限とする.」と規定されているが,日局 15 より原薬及び製剤とも含量規格は原則として幅で規定
することとされ,見直しされていない品目において日局 16 で引き続き改正を行った.
例:エチオナミド
本品を乾燥したものは定量するとき,エチオナミド(C8H10N2S)98.5 ∼ 101.0 % を含む.
製剤の含量規格値は従来整数で規定されていたが,日局 15 で小数第1位まで規定することとされ
た.しかし,ほとんどの品目が審議未了であったため,日局 16 で引き続き改正作業を行った.
12
例:クロルフェニラミンマレイン酸塩錠
本品は定量するとき,表示量の 93.0 ∼ 107.0 %に対応する dl −クロルフェニラミンマレイン酸塩
(C16H19ClN2・C4H4O4:390.86)を含む.
3)性状
(1)色及び形状,におい及び味の設定:日局 15 の通則で,性状の項は色及び形状を含めて適否の判
定基準から除外されたため,日局 16 では「におい及び味」は特徴的な情報が得られる場合若
しくは品質確保上に意味がある情報が得られる場合を除き,原則として設定しなかった.ただ
し,既収載品目では見直しされていない品目も多く,旧来の考え方に基づいて規定されたまま
になっているものが多い.
(2)溶解性の規定:溶解性を規定する溶媒は,水及びエタノール(99.5)のほか,試料を直接溶液
にする操作に用いるすべての溶媒としたが,混合溶媒及び混合溶媒の構成成分となっている溶
媒は規定しないこととされた.なお,試験にエタノール(95)が溶媒として使用されている場
合は,エタノール(99.5)に代えてエタノール(95)に対する溶解性を規定した.水分の規定
などのように,簡略記載のために溶媒についての具体的な記載のない場合でも,その試験など
において試料を直接溶解するのに用いた溶媒(例えば,水分測定に際して試料を溶解するのに
用いたメタノール)については,その溶解性を規定した.
(3)光による変化の記載:光により変化する内容をより適切に表すため,「本品は光によって徐々に
変化する」の記載を避け,着色するような変化は具体的な色の変化を「○○色となる」と記載
した.
4)確認試験
原薬における確認試験には,日局 15 と同様に原則として紫外可視吸収スペクトル(UV スペクト
ル)及び赤外吸収スペクトル(IR スペクトル)による方法を設定し,適否の判定は参照スペクトル
又は標準品から得たスペクトルとの比較により行うこととした.IR スペクトルによる確認試験は,
原則として臭化カリウム錠剤法によることとしたが,塩酸塩については塩交換が認められる場合は塩
化カリウム錠剤法,その他の塩については臭化カリウム錠剤法とペースト法で測定し,両者に差が認
められないときは臭化カリウム錠剤法によることとした.測定に際しての試料の取扱いについて,乾
燥減量の規格値が 0.5 % 以下である場合には水分のスペクトルへの影響がほとんどないと考えられる
ことから,乾燥前後のスペクトルデータに差異がないことを確認した上で,試験操作から試料の乾燥
操作を削除した.塩形の原薬では定性反応による対イオンの確認試験を従来と同様に設定した.分光
学的特性を示さない医薬品においては,薄層クロマトグラフィー(TLC)などによる方法を採用し,
適否判定は標準品の Rf 値との一致によって行った.
製剤の確認試験は,その主薬成分の原薬規格に設定された確認試験法の中から適切な方法原理を選
択して設定することを原則とした.UV スペクトル法や IR スペクトル法を設定する場合には,賦形剤
のスペクトルへの影響を考慮すると参照スペクトルや標準品のスペクトルとの比較法を設定するこ
とには問題があることから,原則的には極大吸収波長や特徴的波数による確認法を採用した.しかし,
原薬のみを無菌充填した注射用製剤(例:注射用ピペラシリンナトリウム)の場合には参照スペクト
ルとの比較による試験法を設定した.核磁気共鳴スペクトルによる試験法も抗生物質製剤では採用し
た(例:注射用セフォゾプラン塩酸塩,注射用セフォチアム塩酸塩).アミノグリコシド系抗生物質
13
のように特徴的な紫外可視吸収スペクトルを示さない医薬品の製剤では,TLC で Rf 値を標準品のそ
れと比較して確認する方法が採用された(例:アルベカシン硫酸塩注射液).
製剤の場合,原薬が塩形であっても薬効本体部分の確認試験のみを設定し,対イオンの試験は設定し
ていない.
5)純度試験
(1)溶状
原則として,注射剤に使用される原薬で設定した.設定に際しては,試験溶液の濃度は 10 g/100
mL を基準とし,臨床投与濃度がこれより高い場合はその濃度を基準にし,溶解度から 10 g/100 mL
の溶液の調製が難しい場合は溶ける範囲でなるべく高い濃度とした.判定基準は澄明性と色調及び色
の濃さであるが,色の濃さは吸光度や「色の比較液」との比較での設定を原則とした.
<設定例>
本品 1.0 g を水 100 mL に溶かすとき,液は澄明で,液の色は次の比較液より濃くない.
比較液:塩化鉄(Ⅲ)の色の比較原液 2.4 mL 及び塩化コバルト(Ⅱ)の液の比較原液 0.6 mL の混液に水
を加えて 10 mL とした液 5 mL を正確に量り,水を加えて正確に 100 mL とする.
<設定例>
本品 2.0 g を希酢酸 7 mL に溶かし,水を加えて 20 mL とするとき,液は澄明である.この液につき,水
を対照とし,紫外可視吸光度測定法 <2.24> により試験を行うとき,波長 450 nm における吸光度は 0.020
以下である.
(2)ヒ素
原則として,①製造工程から混入の可能性が考えられる場合,②リン酸を含む化合物(リン酸塩,
リン酸エステル等),③無機化合物,のいずれかに該当する場合に設定することとした.したがって,
②及び③に該当しない品目では,過去の製造実績と製造工程を調査し,①に該当しないことが確認で
きた場合にはヒ素の規定を削除した.
(3)重金属
原薬には,原則として設定した.
(4)塩化物,硫酸塩等
過去の製造実績と製造工程を調査し,設定の意義が認められない場合には削除した.
(5)類縁物質
原薬では,原料又は工程由来の類縁物質の限度を原則として個々と総量の両面から規定することと
した.ただし,高純度の品目では個々の類縁物質を 0.1 % 以下に規定して類縁物質総量を設定しない
か,類縁物質総量を 0.1 ∼ 0.2 % に設定して個々の類縁物質の限度値を規定しない例もある.この 0.1
% という数値は ICH で国際調和された不純物ガイドラインでの構造確認や安全性確認の閾値を参考に
したものである.試験方法には原則として液体クロマトグラフィーなどの定量的分離分析法を採用し
た.TLC を採用した場合は,類縁物質総量をスポットの個数や複数濃度の標準溶液を用いるなどし
て可能な限り定量的に試験する方法で設定した.
製剤では,3年間の長期安定性試験で数%以上の含量低下が認められる品目において原則として類
14
縁物質を規定することとした.試験方法は原薬と同様に液体クロマトグラフィーなどの定量的分離分
析法の採用を原則とした.規格値は製造工程や保存で増加する類縁物質を対象として類縁物質総量で
設定することを原則とし,必要に応じて個別の類縁物質の限度も規定した.
6)乾燥減量又は水分
結晶水を有する原薬は原則として,水分を設定し,規格値を範囲で規定した.乾燥減量試験には熱
分析法第2法も適用した(例:ビンブラスチン硫酸塩).製剤においても,水分含量が品質に影響を
及ぼす可能性がある場合は原薬に準じて設定した(例:抗生物質医薬品など).
熱分析法第 2 法の適用例:ビンブラスチン硫酸塩
乾燥減量 本品 10 mg につき,次の操作条件で熱分析法第2法 <2.52> により試験を行うとき,15.0 %
以下である.
操作条件
加熱速度:毎分 5℃
測定温度範囲:室温 ∼ 200℃
雰囲気ガス:乾燥窒素
雰囲気ガスの流量:毎分 40 mL
7)強熱残分
強熱残分試験法が PDG 及び ICH で国際調和され,この改正に伴い,限度値が 0.10 % 以下又は 0.20
%以下と規定されていたものの規格値の有効数字が小数1桁に変更された(例:0.10 % 以下 → 0.1
% 以下).
8)製剤試験
製剤総則の各剤形に規定された製剤特性の試験法は,原則として医薬品各条の各製剤品目の試験項
目として規定することとされた.改正された製剤総則の各剤形で要求される製剤特性試験項目は付
表 C に示しており,要求される製剤特性は原則として医薬品各条の当該品目に設定した.そのほかに,
必要に応じて「pH」,「浸透圧比」などを規定した.
(1)製剤均一性の設定
製剤均一性の試験法には含量均一性試験と質量偏差試験の2法があり,国際調和では主薬含量が
25 mg 以下で主薬含量比率が 25 %以下の製剤は含量均一性試験を適用することとされているが,日
局ではこの調和規定に関わらず原則として含量均一性で設定することとした.ただし,単一成分医薬
品の分包品や凍結乾燥又は原薬の粉末充填で製造した注射用製剤では質量偏差試験を適用した.また,
例えば錠剤などの固形製剤の場合に,市場に主薬含量が 200 mg 以上で主薬含量比率が約 70 %以上の
製品しかない場合は,含量均一性試験と質量偏差試験の試験データに基づいて混合比率に差異がない
などが確認できれば質量偏差試験による製剤均一性を設定した.
(2)溶出性の設定
原則として,品質再評価が終了し,局外規第三部及び第四部に収載されている規定を採用した.し
かし,これら局外規の規定が必ずしも適切ではないと思われた品目では適切な試験法が確立されるま
での間,「別に規定する」と規定した.品質再評価中の品目については,承認書に溶出規格が設定さ
れている場合は「別に規定する」と規定し,承認書に溶出規格が設定されていない品目では溶出性の
15
規格項目自体を設定しなかった.また,従来から日局に収載されていた製剤は品質再評価の対象外で
あったため,局方委員会のワーキンググループで試験法を作成して設定した.
9)定量法
HPLC などによる相対的定量法の設定には本来標準品を必要とするが,諸般の事情で標準品を設
定できない場合は定量用試薬を設定して対応した.また,標準品の使用量は 30 ∼ 50 mg を目安にし,
使用量を低減した試験法を設定した.生薬等においては,成分含量測定法を定量法に改めた.
7.2 製薬用水に関する改正点
日局 15 までの製薬用水各条の規格は現在の科学水準に見合ったものにはなっていない.すなわち,
USP や EP では現在の水質管理技術を踏まえて,水の品質規格は誘電率や有機体炭素を基本とした
シンプルなものになっているが,日局のそれは旧来の化学的試験を中心とした非常に多岐にわたる試
験項目で構成されている.水は医薬品製造において基本的に必須の基盤となる成分であり,世界各国
で共通するものであることから,製薬用水の国際調和が強く期待されていた.しかし,日本の現状
からこの国際調和の成果はほとんど得られていなかった.そこで,早期の改正を目指して審議を重ね,
日局 16 で改正するに至った.
製薬用水として常水,精製水,滅菌精製水,注射用水の4品目が日局 15 に収載されていたが,
「精
製水」と「注射用水」をそれぞれバルク水と容器入りに分類し,表8に示したように6品目に改めて
収載し,それぞれについて現在の科学水準に見合った規格を新たに設定した.
なお,水各条の改正に伴い,通則,製剤総則,一般試験法,医薬品各条における当該部分を改めた.
表8 水関連各条の改正
(15 局)
(16 局)
常水 常水
精製水 精製水
精製水(容器入り)
滅菌精製水 滅菌精製水(容器入り)(別名として「滅菌精製水」)
注射用水 注射用水
注射用水(容器入り)
7.3 製剤総則の改正に伴う改正
1)製剤品目の製法の項を改めた.
(1)散剤
造粒して製した製剤は顆粒剤に分類されたことから,従来散剤であった細粒剤の製法は「顆粒剤の
製法により製する.」とすべきである.しかし,
「5.2.4 剤形の定義の変更」の項でアスコルビン酸散
を例にして述べたように,このような変更は直ちには困難であることから,当面は既収載の散剤品
目 13 品目(アスコルビン酸散,エフェドリン塩酸塩散 10 %,クロルジアゼポキシド散,コデインリ
ン酸塩散1%,ジヒドロコデインリン酸塩散1%,ニセルゴリン散,ヒドララジン塩酸塩散,ファモ
チジン散,フェニトイン散,フェノバルビタール散 10 %,dl −メチルエフェドリン塩酸塩散 10 %,
16
リボフラビン散,クロルフェニラミンマレイン酸塩散)及び新規収載の「モサプリドクエン酸塩散」
の製法を「顆粒剤又は散剤の製法により製する.」とした.
(2)細粒剤
既収載及び新規収載の細粒剤については,製法の項の「散剤の製法により製する.
」を「顆粒剤の
製法により製する.」に改めた.該当品目:セファクロル細粒,セフカペンピボキシル塩酸塩細粒,
セフジトレンピボキシル細粒,セフジニル細粒,セフテラムピボキシル細粒,エチゾラム細粒,イル
ソグラジンマレイン酸塩細粒,乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒,ドロキシドパ細粒,トロキシピド
細粒.
(3)クリーム剤
既収載のクリーム剤について,製法の項の「軟膏の製法により製する.
」を「クリーム剤の製法に
より製する.」に改めた.該当品目:ブフェキサマククリーム,ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲン
タマイシン硫酸塩クリーム,ケトコナゾールクリーム,テルビナフィン塩酸塩クリーム,ブテナフィ
ン塩酸塩クリーム.
(4)シロップ用剤
既収載及び新規収載のシロップ用剤について,製法の項の「シロップ剤」を「シロップ用剤」に
改めた.該当品目:シロップ用ファロペネムナトリウム,シロップ用セファトリジンプロピレングリ
コール,シロップ用セファレキシン,シロップ用セフロキサジン,シロップ用アシクロビル,シロッ
プ用ペミロラストカリウム.
(5)経口液剤
新規収載したプラバスタチンナトリウム液,リスペリドン内服液の 2 品目について,製法の項の
「液剤」を「経口液剤」にした.
(6)外用液剤
既収載のケトコナゾール液について,製法の項の「液剤」を「外用液剤」に改め,新規収載のテル
ビナフィン塩酸塩液,ブテナフィン塩酸塩液の 2 品目についても製法の項の「液剤」を「外用液剤」
にした.
(7)ポンプスプレー剤
新規収載のテルビナフィン塩酸塩スプレー及びブテナフィン塩酸塩スプレーの製法を「ポンプスプ
レー剤の製法により製する.」とした.
2)散剤,顆粒剤(細粒剤を含む)の粒度の項を削除した.
3)クリーム剤の名称
クリーム剤は日局 15 では軟膏剤に分類されていたが,製剤総則の改正で乳化しているものはク
リーム剤となった.このため軟膏剤のうち乳化した製剤が承認されている場合,新たにクリームを医
薬品各条に追加収載する必要があり,乳化したものである「親水軟膏」は「親水クリーム」に,
「吸
水軟膏」は「吸水クリーム」にその名称を改めて収載した.ただし,歴史的に長年用いられてきた
「親水軟膏」,「吸水軟膏」の名称は別名として残すこととした.なお,それぞれの規格には変更はな
い.
17
参照スペクトル
8
8.1 参照紫外可視吸収スペクトル
日局 16 での医薬品の確認試験には紫外可視吸収スペクトルによる方法が多用されている.その確
認方法には,①規定された極大波長の同定による方法,②標準品のスペクトルと比較する方法,③参
照スペクトルと比較する方法の3種の方法が採用されている.①の方法は主に製剤品目で採用されて
いるが,原薬では②又は③の方法が多く採用されている.試験法として②の方法を採用する場合,原
則として③の方法も適用できるようにした.③の方法が規定されている品目についての参照スペクト
ルが作成されている.
8.2 参照赤外吸収スペクトル
日局 15 での医薬品の確認試験には赤外吸収スペクトル測定法が多用されるようになった.その確
認方法には,①規定された特徴的な波数の同定による方法,②標準品のスペクトルと比較する方法,
③参照スペクトルと比較する方法の3種の方法が採用されている.製剤品目に適用する場合は①の方
法を採用する場合が多いが,原薬では②又は③の方法が採用されている.試験法として②の方法を採
用する場合,原則として③の方法も適用できるようにした.③の方法が規定されている品目について
の参照スペクトルが作成されている.
参考情報
9
参考情報は,医薬品の品質確保をはかる上で必要な参考事項や局方に収載された医薬品に関する参
考となる試験法などが収載されている.日局 15 第二追補告示後,新たに収載された項目は 4 項目あり,
10 項目が改正された.また,4 項目の参考情報の名称が変更された.
これらの参考情報はあくまでも参考に供されたもので,局方医薬品の適否の判定に適用されるもの
ではない.
9.1 新規収載された参考情報
① 誘導結合プラズマ発光分光分析法:誘導結合プラズマを用いて個別金属の定性的又は定量的評価
を行う方法のひとつとして原子発光スペクトルを分光分析の手法により検出する方法について記
載した.
② ペプチド及びたん白質の質量分析:ペプチド及びたん白質の質量の測定並びにアミノ酸配列の確
認及び翻訳後修飾の確認などに利用できる質量分析の装置,測定様式,操作法及び試験への応用
例について記載した.
③ 日本薬局方収載生薬の学名表記について:日局の学名表記と分類学上の学名表記の比較について
記載した.
④ 医薬品等の試験に用いる水:通則 20 の改正に伴う留意事項について記載した.
9.2 改正された参考情報
① 医薬品の残留溶媒ガイドライン及び残留溶媒試験法の記載例:一般試験法の改正に伴う改正.
18
② 中心静脈栄養剤中の微量アルミニウム試験法:大容量の定義及び水各条の改正に伴う改正.
③ 粉体の流動性:日米欧3薬局方で国際調和された事項に伴う記載の整備.
④ レーザー回折法による粒子径測定:日米欧3薬局方で国際調和された事項に伴う改正.
⑤ 遺伝子解析による微生物の迅速同定法:学問・技術の発展に伴う改正.
⑥ 培地充てん試験(プロセスシミュレーション):国際規格との整合及び再評価頻度の明確化を図る
ための改正.
⑦ 保存効力試験法:国際調和による菌名変更に伴う改正.
⑧ 遺伝子情報を利用する生薬の純度試験:PCR-restriction fragment length polymorphism(PFLP)
法の追加による改正.
⑨ 製薬用水の品質管理:水各条の改正に伴う改正.
⑩ 第十六改正日本薬局方における国際調和:日米欧3薬局方で国際調和された事項の日局への反映
に伴う改正.
9.3 名称を変更した参考情報
①「医薬品の残留溶媒ガイドライン,残留溶媒試験法及び医薬品各条記載例」を
「医薬品の残留溶媒ガイドライン及び残留溶媒試験法の記載」に変更.
②「第十五改正日本薬局方における国際調和」を
「第十六改正日本薬局方における国際調和」に変更.
③「培地充てん試験法」を
「培地充てん試験(プロセスシミュレーション)」に変更.
④「レーザー回折法による粒体粒度測定」を
「レーザー回折法による粒子径測定」に変更.
おわりに
以上,今春公布された日局 16 を有効に利用するにあたっての一助となることを念頭において,本
薬局方の主たる改正点を列挙し,それぞれに若干の解説を加えた.個々の改正点をすべて示すことは
この小文の目的ではなく,また限られた紙面では不可能である.日常の勉学において遭遇するであろ
う個々の事例・問題点・疑問点については下記の優れた参考図書があるので,それを利用していただ
きたい.
§ 参考図書:第十六改正日本薬局方解説書(2011 年),廣川書店
19
付表 A-1 新規収載品目(日局 15 第二追補告示以降に収載された化学薬品)
原薬:32 品目,製剤:54 品目
20
1
アシクロビルシロップ
44
ナテグリニド錠
2
アシクロビル注射液
45
L- 乳酸
3
シロップ用アシクロビル
46
L- 乳酸ナトリウム液
4
アセチルシステイン
47
ハロペリドール細粒
5
アトルバスタチンカルシウム水和物
48
ピオグリタゾン塩酸塩錠
6
アトルバスタチンカルシウム錠
49
L- ヒスチジン
7
アレンドロン酸ナトリウム水和物
50
L- ヒスチジン塩酸塩水和物
8
アレンドロン酸ナトリウム錠
51
ファモチジン注射液
9
アレンドロン酸ナトリウム注射液
52
フェキソフェナジン塩酸塩
10
イソロイシン・ロイシン・バリン顆粒
53
ブテナフィン塩酸塩
11
エバスチン
54
ブテナフィン塩酸塩液
12
エバスチン錠
55
ブテナフィン塩酸塩クリーム
13
エバスチン口腔内崩壊錠
56
ブテナフィン塩酸塩スプレー
14
カルベジロール
57
プラバスタチンナトリウム液
15
カルベジロール錠
58
プラバスタチンナトリウム細粒
16
カンデサルタン シレキセチル
59
プラバスタチンナトリウム錠
17
カンデサルタン シレキセチル錠
60
フルコナゾール
18
キナプリル塩酸塩
61
フルボキサミンマレイン酸塩
19
キナプリル塩酸塩錠
62
フルボキサミンマレイン酸塩錠
20
グリメピリド
63
フレカイニド酢酸塩
21
グリメピリド錠
64
フレカイニド酢酸塩錠
22
L- グルタミン酸
65
プロピベリン塩酸塩
23
サルポグレラート塩酸塩
66
プロピベリン塩酸塩錠
24
サルポグレラート塩酸塩細粒
67
プロブコール細粒
25
サルポグレラート塩酸塩錠
68
プロブコール錠
26
ジアゼパム錠
69
L- プロリン
27
スピロノラクトン錠
70
ベタミプロン
28
ゾルピデム酒石酸塩錠
71
ぺミロラストカリウム
29
タムスロシン塩酸塩徐放錠
72
ぺミロラストカリウム錠
30
タモキシフェンクエン酸塩
73
シロップ用ペミロラストカリウム
31
沈降炭酸カルシウム細粒
74
ベラプロストナトリウム
32
沈降炭酸カルシウム錠
75
ベラプロストナトリウム錠
33
テモカプリル塩酸塩
76
メトトレキサートカプセル
34
テモカプリル塩酸塩錠
77
モサプリドクエン酸塩散
35
テルビナフィン塩酸塩
78
ラベプラゾールナトリウム
36
テルビナフィン塩酸塩液
79
リスペリドン
37
テルビナフィン塩酸塩クリーム
80
リスペリドン細粒
38
テルビナフィン塩酸塩スプレー
81
リスペリドン錠
39
ドキサゾシンメシル酸塩錠
82
リスペリドン内服液
40
ドネペジル塩酸塩
83
リセドロン酸ナトリウム水和物
41
ドネペジル塩酸塩細粒
84
リセドロン酸ナトリウム錠
42
ドネペジル塩酸塩錠
85
ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩徐放錠
43
ナテグリニド
86
注射用ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩
付表 A-2 新規収載品目(日局 15 第二追補告示以降に収載された抗生物質医薬品)
原薬:1 品目,製剤:1 品目 1
注射用アミカシン硫酸塩
2
ムピロシンカルシウム軟膏
付表 A-3 新規収載品目(日局 15 第二追補告示以降に収載された医薬品添加物等)
原薬:3 品目 1
精製水(容器入り)
2
注射用水(容器入り)
3
トレハロース水和物
付表 A-4 新規収載品目(日局 15 第二追補告示以降に収載された生薬等)
原薬:4 品目,漢方処方製剤:11 品目
生 薬
1
カッセキ
2
コウイ
3
コウベイ
4
ゴマ
漢方処方製剤
1
黄連解毒湯エキス
2
柴胡桂枝湯エキス
3
柴朴湯エキス
4
芍薬甘草湯エキス
5
十全大補湯エキス
6
小柴胡湯エキス
7
小青竜湯エキス
8
無コウイ大建中湯エキス
9
釣藤散エキス
10
麦門冬湯エキス
11
六君子湯エキス
21
付表 B-1 既収載改正品目
(日局 15 第二追補告示以降に改正された化学薬品:206 品目)
1
亜鉛華軟膏(製法)
37
エストリオール水性懸濁注射液(含量)
2
アジマリン錠(含量)
38
エタクリン酸錠(含量)
3
アスコルビン酸散(含量,製法)
39
消毒用エタノール(製法)
4
アスコルビン酸注射液(含量)
40
エチゾラム細粒(製法,粒度)
5
アスピリン錠(含量)
41
エチニルエストラジオール(化学名)
6
注射用アセチルコリン塩化物(含量)
42
エチニルエストラジオール錠(含量,溶出性)
7
アゼラスチン塩酸塩顆粒(粒度)
43
エチレフリン塩酸塩錠(溶出性)
8
アドレナリン(基原,性状,確認試験,純度
試験,乾燥減量,定量法,貯法)
44
エドロホニウム塩化物注射液(含量)
9
アドレナリン液(製法)
45
エフェドリン塩酸塩散 10%(製法)
10
アヘンチンキ(製法)
46
エフェドリン塩酸塩錠(含量)
11
アヘンアルカロイド塩酸塩注射液(製法)
47
エフェドリン塩酸塩注射液(含量)
エルゴメトリンマレイン酸塩錠(含量)
12
アヘンアルカロイド・アトロピン注射液(製
法)
48
49
エルゴメトリンマレイン酸塩注射液(含量)
10%塩化ナトリウム注射液(製法)
13
アヘンアルカロイド・スコポラミン注射液(製
法)
50
51
塩酸リモナーデ(製法)
52
複方オキシコドン注射液(製法)
53
複方オキシコドン・アトロピン注射液(製法)
アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン注射液
15
(含量,製法)
54
果糖注射液(含量)
55
カリ石ケン(製法)
16
アミトリプチリン塩酸塩錠(含量)
56
キシリトール注射液(含量)
17
アミノフィリン注射液(含量)
57
診断用クエン酸ナトリウム液(製法)
18
L- アラニン(純度試験)
58
輸血用クエン酸ナトリウム注射液(製法)
19
L- アルギニン塩酸塩注射液(製法)
59
グリセリンカリ液(製法)
20
アロプリノール(基原,性状,確認試験,純
度試験)
60
吸水クリーム(日本名,別名,製法)
21
イオウ・カンフルローション(製法)
61
親水クリーム(日本名,別名,製法)
22
イオタラム酸ナトリウム注射液(含量,製法)
62
クレゾール水(製法)
23
イオタラム酸メグルミン注射液(含量,製法)
63
クレゾール石ケン液(製法)
24
イソニアジド錠(含量)
64
クロフィブラートカプセル(含量)
25
イソニアジド注射液(含量)
65
クロミフェンクエン酸塩錠(含量,溶出性)
26
イドクスウリジン点眼液(含量)
66
クロルジアゼポキシド散(含量,製法)
27
イミプラミン塩酸塩(含量)
67
クロルジアゼポキシド錠(含量)
28
イルソグラジンマレイン酸塩細粒(製法,粒
度)
68
クロルフェニラミンマレイン酸塩散(製法,
粒度)
29
インジゴカルミン注射液(含量)
69
クロルフェニラミンマレイン酸塩錠(溶出性)
30
インドメタシンカプセル(含量)
70
クロルプロパミド錠(含量)
31
インドメタシン坐剤(含量)
71
クロルプロマジン塩酸塩注射液(含量)
32
ウルソデオキシコール酸顆粒(粒度)
72
ケトコナゾール液(製法)
33
エカベトナトリウム顆粒(粒度)
73
ケトコナゾールクリーム(製法)
74
コデインリン酸塩散 1%(製法)
75
コデインリン酸塩錠(含量)
76
複方サリチル酸精(製法)
77
酸素(基原,性状,確認試験,純度試験,定量法,
貯法)
78
ジアゼパム(確認試験,吸光度)
14
弱アヘンアルカロイド・スコポラミン注射液
(製法)
エストラジオール安息香酸エステル注射液
34
(含量)
35
エストラジオール安息香酸エステル水性懸濁
注射液(含量)
36
エストリオール錠(含量)
22
79
ジギトキシン錠(含量)
118
トルブタミド錠(含量)
80
ジクロフェナミド錠(含量)
119
ドロキシドパ細粒(製法,粒度)
81
ジスチグミン臭化物錠(含量)
120
トロキシピド細粒(製法,粒度)
82
ジドロゲステロン錠(含量,製剤均一性,定
量法)
121
ナタネ油(基原)
83
ジヒドロコデインリン酸塩散 1%(製法)
122
ナファゾリン・クロルフェニラミン液(製法)
84
ジメンヒドリナート錠(含量)
123
ニカルジピン塩酸塩注射液(含量)
85
硝酸銀点眼液(製法)
124
ニコチン酸注射液(含量)
86
常水(基原,純度試験)
125
ニコモール錠(含量)
87
精製水(基原,性状,純度試験,導電率,貯法)
126
二酸化炭素(CAS 番号,性状,確認試験,純
度試験,定量法,貯法)
88
滅菌精製水(容器入り)
(日本名,英名,別名,
基原,性状,純度試験,導電率,無菌,貯法)
127
ニセルゴリン散(製法,粒度)
ニトログリセリン錠(含量)
89
注射用水(基原,性状,純度試験,導電率,
採取容量,不溶性異物,不溶性微粒子,無菌,
貯法)
128
129
ネオスチグミンメチル硫酸塩注射液(含量)
130
ノルアドレナリン注射液(含量)
90
乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒(製法,粒
度)
131
ノルゲストレル・エチニルエストラジオール
錠(含量)
91
スキサメトニウム塩化物注射液(含量)
132
バクロフェン錠(含量)
92
注射用スキサメトニウム塩化物(含量)
133
パパベリン塩酸塩注射液(含量)
93
スピロノラクトン(化学名)
134
94
スルピリン注射液(含量)
パラアミノサリチル酸カルシウム顆粒(溶出
性,粒度)
135
ビサコジル坐剤(含量)
136
ヒドララジン塩酸塩散(含量,製法)
137
ヒドララジン塩酸塩錠(含量)
138
注射用ヒドララジン塩酸塩(含量)
139
ピペラジンリン酸塩錠(含量)
140
ファモチジン散(製法)
141
フェニトイン散(製法,溶出性)
142
フェニトイン錠(溶出性)
143
フェノバルビタール(性状,純度試験)
144
フェノバルビタール散 10%(製法,粒度)
145
液状フェノール(製法)
146
フェノール水(製法)
147
消毒用フェノール水(製法)
148
フェノール・亜鉛華リニメント(製法)
149
フェノールスルホンフタレイン注射液(製法)
150
ブドウ糖注射液(含量)
151
プラゼパム錠(含量)
152
フルラゼパムカプセル(含量)
153
プレドニゾロン錠(含量)
154
注射用プレドニゾロンコハク酸エステルナト
リウム(含量)
155
プロカイン塩酸塩注射液(含量,エンドトキ
シン,不溶性異物,不溶性微粒子,無菌)
156
プロクロルペラジンマレイン酸塩錠(含量)
157
プロピルチオウラシル錠(含量)
158
フロプロピオンカプセル(溶出性)
スルホブロモフタレインナトリウム注射液
95
(含量)
96
生理食塩液(製法)
97
セボフルラン(水分)
98
D- ソルビトール液(含量)
99
タクロリムス水和物(旋光度)
100
炭酸水素ナトリウム注射液(含量)
101
単シロップ(製法)
102
チアマゾール錠(含量)
103
チアミン塩化物塩酸塩散(含量)
104
チアミン塩化物塩酸塩注射液(含量)
105
注射用チオペンタールナトリウム(含量)
106
チオ硫酸ナトリウム注射液(含量)
107
窒素(基原,性状,確認試験,純度試験,定量法,
貯法)
108
チペピジンヒベンズ酸塩錠(含量)
109
L- チロシン(日本名,別名)
テストステロンエナント酸エステル注射液
110
(含量)
111
デスラノシド注射液(含量,製法)
112
デヒドロコール酸注射液(含量)
113
ドパミン塩酸塩注射液(含量)
114
トリクロホスナトリウムシロップ(含量)
115
トリヘキシフェニジル塩酸塩錠(含量)
116
トリメタジオン錠(含量)
117
トルナフタート液(含量)
23
159
プロベネシド(確認試験)
プロベネシド錠(含量,確認試験,溶出性,
160
定量法)
161
ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシ
ン硫酸塩クリーム(製法)
162
ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(確
認試験)
163
ペチジン塩酸塩注射液(含量)
164
ペルフェナジン錠(含量)
165
ペルフェナジンマレイン酸塩錠(含量,溶出
性)
166
ベンザルコニウム塩化物液(含量,製法)
167
ベンゼトニウム塩化物液(含量,製法)
168
ホルマリン水(製法)
169
マーキュロクロム液(製法)
170
D- マンニトール注射液(含量)
171
ミツロウ(基原)
172
ミョウバン水(製法)
173 dl- メチルエフェドリン塩酸塩散 10%(製法)
183
葉酸錠(含量,溶出性)
184
葉酸注射液(含量)
185
ヨーダミドナトリウムメグルミン注射液(製
法)
186
ヨードチンキ(製法)
187
希ヨードチンキ(製法)
188
歯科用ヨード・グリセリン(製法)
189
複方ヨード・グリセリン(製法)
190
ヨード・サリチル酸・フェノール精(製法)
191
ラナトシド C 錠(含量)
192
リオチロニンナトリウム錠(含量)
193
L- リシン塩酸塩(日本名,別名)
194
L- リシン酢酸塩(日本名,別名,純度試験)
195
リドカイン注射液(含量)
196
リボフラビン散(含量,製法)
197
リボフラビンリン酸エステルナトリウム注射
液(含量)
198
硫酸亜鉛点眼液(製法)
199
硫酸マグネシウム水(製法)
200
硫酸マグネシウム注射液(含量)
201
リンゲル液(製法)
174
メチルテストステロン錠(溶出性)
175
メチルドパ錠(含量)
176
メテノロンエナント酸エステル注射液(含量)
177
メトロニダゾール錠(溶出性)
202
178
メピバカイン塩酸塩(含量,性状,純度試験)
リン酸水素ナトリウム水和物(基原,確認試
験,乾燥減量,定量法)
179
メフルシド錠(含量)
203
レセルピン錠(含量)
180
モルヒネ塩酸塩錠(含量)
204
レセルピン注射液(含量)
181
モルヒネ塩酸塩注射液(含量)
205
レバロルファン酒石酸塩注射液(含量)
182
モルヒネ・アトロピン注射液(製法)
206
レボチロキシンナトリウム錠(含量,溶出性)
1
クリンダマイシン塩酸塩(性状,確認試験,
純度試験)
14
セフカペン ピボキシル塩酸塩細粒(製法,
粒度)
2
ジノスタチン スチマラマー(純度試験)
15
セフジトレン ピボキシル細粒(製法,粒度)
3
セファクロル(定量法)
16
セフジニル細粒(製法,粒度)
4
セファクロル複合顆粒(粒度)
17
セフチブテン水和物(性状,
確認試験,吸光度)
5
セファクロル細粒(製法,粒度)
18
セフテラム ピボキシル細粒(製法,粒度)
6
セファゾリンナトリウム水和物(確認試験,
純度試験,定量法)
19
セフポドキシム プロキセチル(化学名)
7
シロップ用セファトリジンプロピレングリ
コール(製法,溶出性)
20
シロップ用セフロキサジン(製法)
21
8
セファレキシン(定量法)
シロップ用ファロペネムナトリウム(製法,
溶出性)
9
シロップ用セファレキシン(製法)
22
フロモキセフナトリウム(純度試験)
10
セファロチンナトリウム(純度試験)
23
ミノサイクリン塩酸塩(定量法)
11
セフィキシム水和物(日本名,別名,英名,
構造式,分子式及び分子量,化学名,CAS 番号)
24
ミノサイクリン塩酸塩錠(定量法)
25
注射用ミノサイクリン塩酸塩(定量法)
26
メロペネム水和物(純度試験,強熱残分,定
量法削除:エンドトキシン)
27
ラタモキセフナトリウム(純度試験)
28
リファンピシンカプセル(溶出性)
付表 B-2 (日局 15 第二追補告示以降に改正された抗生物質医薬品:28 品目)
12
セフェピム塩酸塩水和物(純度試験)
13
セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物(確認
試験,吸光度)
24
付表 B-3 (日局 15 第二追補告示以降に改正された生物薬品:1 品目)
1
ヒトインスリン(遺伝子組換え)(別名)
付表 B-4 (日局 15 第二追補告示以降に改正された医薬品添加物等:5 品目)
1
カルメロース(国際調和前文,別名,基原,性状,確認試験,純度試験,貯法)
2
カルメロースカルシウム(別名)
3
カルメロースナトリウム(別名)
4
タルク(国際調和前文,性状,確認試験,純度試験,貯法)
5
ベンジルアルコール(純度試験,定量法)
付表 B-5 (日局 15 第二追補告示以降に改正された生薬等:90 品目)
1
アマチャ(性状)
36
サフラン(成分含量測定法)
2
アロエ(成分含量測定法)
37
サンシシ(確認試験,成分含量測定法)
3
アロエ末(成分含量測定法)
38
サンシシ末(確認試験,成分含量測定法)
4
アンモニア・ウイキョウ精(製法)
39
サンシュユ(成分含量測定法)
5
インヨウカク(基原)
40
サンソウニン(基原)
6
ウイキョウ油(基原)
41
シゴカ(基原)
7
ウコン(成分含量測定法)
42
苦味重曹水(製法)
8
ウコン末(成分含量測定法)
43
ショウマ(基原)
9
ウワウルシ(成分含量測定法)
44
シンイ(基原)
10
ウワウルシ流エキス(成分含量測定法)
45
真武湯エキス(定量法)
11
エンゴサク(成分含量測定法)
46
セネガシロップ(製法)
12
エンゴサク末(成分含量測定法)
47
センソ(成分含量測定法)
13
オンジ(確認試験)
48
ソウジュツ(基原)
14
オンジ末(確認試験)
49
ソヨウ(成分含量測定法)
15
カッコン(性状)
50
タクシャ(性状)
16
加味逍遙散エキス(定量法)
51
タクシャ末(性状)
17
カンゾウエキス(製法)
52
チョウトウコウ(成分含量測定法)
18
カンゾウ粗エキス(製法)
53
チョレイ末(性状)
19
カンテン(基原)
54
チンピ(基原,定量法)
20
キキョウ流エキス(製法)
55
トウガラシ(成分含量測定法)
21
キササゲ(性状)
56
トウガラシ末(成分含量測定法)
22
キョウニン(基原,成分含量測定法)
57
トウガラシチンキ(成分含量測定法)
23
キョウニン水(製法)
58
トウニン(成分含量測定法)
24
苦味チンキ(製法)
59
トウニン末(確認試験,成分含量測定法)
25
桂枝茯苓丸エキス(定量法)
60
トウヒシロップ(製法)
26
コウカ(基原)
61
トウヒチンキ(製法)
27
コウジン(確認試験)
62
トコン(成分含量測定法)
28
コウボク(基原,成分含量測定法)
63
トコン末(成分含量測定法)
29
コウボク末(成分含量測定法)
64
トコンシロップ(製法,成分含量測定法)
30
牛車腎気丸エキス(定量法)
65
トチュウ(性状)
31
ゴシュユ(英名,ラテン名,基原)
66
ニンジン(確認試験)
32
コンズランゴ(基原)
67
ニンジン末(確認試験)
33
コンズランゴ流エキス(製法)
68
八味地黄丸エキス(定量法)
34
サイコ(成分含量測定法)
69
ハチミツ(基原)
35
柴苓湯エキス(定量法)
70
ハッカ水(製法)
25
71
ハマボウフウ(英名)
81
補中益気湯エキス(定量法)
72
半夏厚朴湯エキス(定量法)
82
ホミカエキス(製法)
73
ビャクシ(基原,確認試験)
83
ホミカエキス散(製法)
74
ビャクジュツ(基原)
84
ホミカチンキ(製法)
75
ブクリョウ(基原)
85
ボレイ(性状)
76
ベラドンナエキス(製法)
86
ボレイ末(性状)
77
ボウイ(英名,基原)
87
苓桂朮甘湯エキス(定量法)
78
ボウフウ(英名)
88
ロートエキス(製法)
79
ボタンピ(成分含量測定法)
89
ロートエキス散(製法)
80
ボタンピ末(成分含量測定法)
90
ローヤルゼリー(成分含量測定法)
付表 C 製剤各条の各剤形に要求される製剤試験および製剤特性
(その1:経口投与する製剤)
製剤・剤形
製剤試験・製剤特性
素錠
フィルムコー
ティング錠
糖衣錠
製剤均一性,溶出性又は崩壊性
多層錠
有核錠
錠剤
口腔内崩壊錠
カプセル剤
製剤均一性,溶出性
発泡錠
製剤均一性,発泡性
分散錠
製剤均一性,崩壊性,粒度
溶解錠
製剤均一性,崩壊性
硬カプセル剤
軟カプセル剤
顆粒剤
顆粒剤
散剤
経口液剤
製剤均一性,崩壊性
チュアブル錠
製剤均一性,溶出性又は崩壊性
製剤均一性(分包品)
,溶出性又は崩壊性,粒度
発泡顆粒剤
製剤均一性(分包品)
,溶出性又は崩壊性,粒度,発泡性
散剤
製剤均一性(分包品)
,溶出性,粒度
エリキシル剤
アルコール数
懸濁剤
製剤均一性(分包品)
,溶出性
乳剤
リモナーデ剤
シロップ剤
経口ゼリー剤
シロップ剤
シロップ用剤
製剤均一性(分包品)
,溶出性又は崩壊性
経口ゼリー剤
製剤均一性,溶出性又は崩壊性
(その2:注射で投与する製剤)
剤形
製剤試験
水性注射剤
不溶性異物,採取容量,無菌,不溶性微粒子,エンドトキシン
非水性注射剤
不溶性異物,採取容量,無菌,不溶性微粒子,エンドトキシン
懸濁性注射剤
採取容量,無菌,放出性,粒子径
乳濁性注射剤
採取容量,無菌,放出性,粒子径,エンドトキシン
凍結乾燥注射剤
不溶性異物,製剤均一性,無菌,不溶性微粒子,エンドトキシン
粉末注射剤
不溶性異物,製剤均一性,無菌,不溶性微粒子,エンドトキシン
26
充てん済み注射剤
不溶性異物,製剤均一性,無菌,不溶性微粒子,エンドトキシン
カートリッジ剤
不溶性異物,製剤均一性,無菌,不溶性微粒子,エンドトキシン
輸液剤
不溶性異物,採取容量,無菌,不溶性微粒子,エンドトキシン
埋め込み注射剤
製剤均一性,無菌,放出性
持続性注射剤
採取容量,無菌,放出性
(その3:投与器官別製剤)
適用部位
透析
製剤・剤形
透析用剤
口腔用錠剤
口腔内
腹膜透析用剤
血液透析用剤
製剤均一性(用時溶解製剤),エンドトキシン
トローチ剤
製剤均一性
舌下錠
製剤均一性,溶出性
バッカル錠
製剤均一性,溶出性
付着錠
製剤均一性,溶出性,付着性
ガム剤
製剤均一性,放出性
口腔用スプレー剤
噴霧量の均一性
口腔用半固形剤
粘性
含嗽剤
気管支・肺
眼
吸入剤
点眼剤
製剤均一性(分包品) 吸入粉末剤
噴射時間と噴射量の均一性,噴霧粒子径
吸入液剤
噴射時間と噴射量の均一性,噴霧粒子径
吸入エアゾール剤
噴射時間と噴射量の均一性,噴霧粒子径
水性点眼剤
無菌,不溶性微粒子,不溶性異物
非水性点眼剤
無菌,不溶性微粒子
懸濁性点眼剤
無菌,不溶性微粒子,放出性,粒子径
眼軟膏剤
耳
点耳剤
鼻
点鼻剤
直腸
腟
金属性異物,無菌,放出性,粒子径,展延性 水性点耳剤
非水性点耳剤
点鼻粉末剤
点鼻液剤
無菌(無菌に製したもの)
噴霧量の均一性(定量噴霧式製剤)
坐剤
製剤均一性,溶融温度,放出性,軟化点
直腸用半固形剤
粘性
注腸剤
腟錠
製剤均一性,放出性
腟用坐剤
外用固形剤
外用液剤
スプレー剤
皮膚
製剤試験
不溶性異物,採取容量,無菌,不溶性微粒子,
製剤均一性(用時溶解製剤),エンドトキシン
製剤均一性,溶融温度,放出性,軟化点
外用散剤
製剤均一性(分包品) リニメント剤
製剤均一性(分包品,乳化または懸濁したもの
を除く) ローション剤
外用スプレー剤
ポンプスプレー剤
噴霧量の均一性(定量噴霧式製剤)
軟膏剤
クリーム剤
粘性 ゲル剤
貼付剤
テープ剤
パップ剤
粘着性,放出性 27
発行:㈱廣川書店
(2011 年 5 月)