DPP-4 阻害作用に基づく経口2型糖尿病治療薬テネリグリプチン の創製

DPP-4 阻 害 作 用 に 基 づ く 経 口 2 型 糖 尿 病 治 療 薬 テ ネ リ グ リ プ チ ン
の創製
D i s c o v e r y o f O r a l l y A c t i v e D P P - 4 I n h i b i t o r Te n e l i g l i p t i n f o r Tr e a t m e n t
o f Ty p e 2 D i a b e t e s
平 成 25 年 度
論文博士申請者
吉田
知 弘 ( Yo s h i d a To m o h i r o )
指導教員
川﨑
知己
本文中以下の用語及び試薬は以下のように略記した。
GLP-1
glucagon-like peptide-1
DPP-4
dipeptidyl peptidase-4(IV)
Boc
tert-butyloxycarbonyl
HOBt
3-hydroxybenztriazole hydrate
EDC
1-[3-(dimethylamino)propyl]-3-ethylcarbodiimide
NaBH(OAc)3
sodium triacetoxyborohydride
T FA
trifluoroacetic acid
MCA
4-methylcoumarin 7-amide
Cbz
benzyloxycarbonyl
TBDMS
tert-butyldimethylsilyl
tmax
time to reach maximum concentration
Cmax
maximum plasma concentration
t1/2
elimination half-life
AUC0-inf.
area under plasma concentration-time curve from zero
to infinity
BA
bioavailability
i
目次
第一章
1
序論と概要
第1節
糖尿病およびその治療薬の現状
1
第2節
DPP-4 と GLP-1 の 作 用 機 序
2
第3節
他 社 DPP-4 阻 害 薬 の 現 状
3
第4節
1 日 1 回 投 与 の DPP-4 阻 害 薬 を 目 指 し た 創 薬 研 究 と
4
その概要、および研究背景
第二章
(S)--(4-ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル チ ア ゾ
8
リジン類の探索、及びその構造活性相関
第1節
(S)--ア ミ ノ 置 換 -L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 類 の 合 成
9
法
10
第2節
環状アミン類の導入とその構造活性相関
第3節
(S)--(4-置 換 フ ェ ニ ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル
チアゾリジン類の構造活性相関
第4節
11
(S)--(4-置 換 ピ リ ジ ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル
チアゾリジン類の構造活性相関
13
第5節
Ex vivo DPP-4 阻 害 評 価 (15k, 18e)
14
第6節
小括
15
第三章
(S)--(4-縮 合 ヘ テ ロ ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-Lプロリルチアゾリジン類における構造活性相関
第1節
(S)--(4-縮 合 ヘ テ ロ ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-Lプロリルチアゾリジン類の合成法
第2節
17
17
キノリンおよびイソキノリン誘導体における構造
19
活性相関
ii
第3節
ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾールおよび
ベンゾチアゾール誘導体における構造活性相関
20
第4節
化 合 物 20d と DPP-4 と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 21
第5節
DPP-4 と 類 似 酵 素 DPP-8 お よ び 9 に お け る 阻 害 活 性
の選択性
23
第6節
キ ノ リ ン 体 20d の ex vivo DPP-4 阻 害 評 価
24
第7節
小括
25
第四章
(S)--(4-ビ ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル
チアゾリジン類の構造活性相関とテネリグリプチン
27
の創製
第1節
ビ ア リ ー ル 型 置 換 基 を 有 す る 化 合 物 と DPP-4 の
ドッキングスタディー
第2節
(S)--(4-ビ ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル
チアゾリジン類およびその類縁体の合成法
第3節
33
3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 27g の ベ ン
ゼン環上置換基の検討
第5節
29
5 員 環 -6 員 環 連 結 型 ビ ア リ ー ル 誘 導 体 の 構 造 活 性
相 関 お よ び ex vivo 評 価
第4節
28
35
DPP-4 と 類 似 酵 素 DPP-8 お よ び 9 に お け る 阻 害 活 性
37
の選択性
第6節
化 合 物 27g と DPP-4 と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 38
第7節
3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 27g の ラ ッ ト
およびサルにおける薬物動態研究
第8節
42
3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 27g の 薬 理
43
評価
iii
第9節
第五章
46
小括
49
総括
謝辞
51
実験の部
52
引用文献
108
iv
第一章
第1節
序論と概要
糖尿病およびその治療薬の現状
代 表 的 な 生 活 習 慣 病 の ひ と つ で あ る 糖 尿 病 の 患 者 数 は 、日 本 に お
い て も 増 加 の 一 途 を た ど っ て い る 。 厚 生 労 働 省 の 「 2007 年 国 民 健
康 ・ 栄 養 調 査 」 に よ れ ば 、「 糖 尿 病 が 強 く 疑 わ れ る 人 」 は 約 8 9 0 万
人 、「 糖 尿 病 の 可 能 性 を 否 定 で き な い 人 」 は 約 1 3 2 0 万 人 で あ り 、
予 備 軍 を 含 め る と 実 に 約 2210 万 人 に の ぼ る こ と が 報 告 さ れ て お り 、
1)
約 6 人に 1 人の割合で罹患していることになる。
こ の 急 激 な 糖 尿 病 患 者 数 の 増 加 は 、食 生 活 の 欧 米 化 や 交 通 手 段 の
変 革 に よ る 運 動 量 の 低 下 等 、ラ イ フ ス タ イ ル の 変 化 に 依 存 し て お り 、
糖 尿 病 患 者 数 は 今 後 益 々 増 加 す る こ と が 予 測 さ れ て い る 。一 般 に 2
型糖尿病患者あるいは 2 型糖尿病予備軍においては食事に応じた
イ ン ス リ ン 分 泌 が 遅 延 又 は 消 失 し て お り 、食 後 に 過 度 の 高 血 糖 状 態
に 陥 る 。こ の 慢 性 化 が 糖 尿 病 の 発 症 又 は 悪 化 を 招 き 、さ ら に 糖 尿 病
性 神 経 障 害 、 網 膜 症 、 腎 症 等 の 重 大 な 合 併 症 を 引 き 起 こ す 。2) 特 に
空 腹 時 よ り も 食 後 高 血 糖 が 死 亡 リ ス ク を 上 昇 さ せ る こ と が 、欧 州 で
の 疫 学 調 査 [DECODE (Diabetes Epidemiology: Collaborative
analysis of Diagnostic criteria in Europe) study]3)に て 証 明 さ れ
て お り 、食 後 高 血 糖 の 是 正 が 治 療 上 の 重 要 な 位 置 づ け と な っ て い る 。
現 在 イ ン ス リ ン 分 泌 を 促 進 す る 主 な 治 療 薬 と し て 、ス ル ホ ニ ル ウ
レ ア (SU)剤 、 及 び 速 効 型 イ ン ス リ ン 分 泌 促 進 薬 が 使 用 さ れ て い る 。
し か し S U 剤 は 、① 食 後 高 血 糖 に 対 応 し た 瞬 時 の イ ン ス リ ン 分 泌 不
足 、 ② 長 期 服 用 に よ る 薬 効 の 低 下 ( 二 次 無 効 )、 ③ 過 度 の イ ン ス リ
ン分泌による低血糖の発現、などの問題点をかかえている。一方、
1
速 効 型 イ ン ス リ ン 分 泌 促 進 薬 は 、排 泄 が 速 く 、速 効 的 に イ ン ス リ ン
を 分 泌 す る た め 、低 血 糖 、二 次 無 効 な ど の 副 作 用 が 少 な い と さ れ て
い る 。 し か し 本 薬 は 食 前 10 分 前 の 厳 格 な 服 薬 管 理 が 前 提 と な っ て
お り 、 服 薬 コ ン プ ラ イ ア ン ス の 面 で 課 題 が 残 る 。4)
第2節
DPP-4 と GLP-1 の 作 用 機 序
グ ル カ ゴ ン 様 ペ プ チ ド -1 (Glucagon-Like Peptide-1, GLP-1) は 、
食事刺激により小腸より分泌されるインクレチンホルモンであり、
その最も重要な生理作用は膵臓ランゲルハンス島β細胞からのイ
ン ス リ ン 分 泌 促 進 で あ る 。 5) 活 性 型 GLP-1 (7-36) amide お よ び
G L P - 1 ( 7 - 3 7 ) は 、生 体 内 で 速 や か に ジ ペ プ チ ジ ル ペ プ チ ダ ー ゼ - I V
(DPP-4)6) に よ り 不 活 性 型 GLP-1 (9-36) amide お よ び
GLP-1
(9-37) に 分 解 さ れ る ( 血 中 半 減 期 : 約 2 分 ) 。7) こ の た め GLP-1
増 強 に よ る イ ン ス リ ン 分 泌 促 進 薬 の 開 発 に は 、① D P P - 4 に 加 水 分 解
さ れ 難 い 活 性 型 G L P - 1 ア ナ ロ グ 、② 活 性 型 G L P - 1 の 分 解 を 抑 制 す
る DPP-4 阻 害 薬 、 を 用 い る 方 法 が 想 定 さ れ る 。 方 法 ① は ペ プ チ ド
製 剤 と な る こ と か ら 、そ の 投 与 経 路 は 静 脈 内 又 は 皮 下 に 限 定 さ れ る 。
一 方 、 方 法 ② で は 、 経 口 投 与 可 能 な 低 分 子 DPP-4 阻 害 薬 の 開 発 が
可 能 で あ る と 考 え ら れ る 。ま た 既 存 の イ ン ス リ ン 分 泌 促 進 薬 と 異 な
り 、D P P - 4 阻 害 薬 は 、そ れ 自 身 は イ ン ス リ ン 分 泌 を 促 進 せ ず 、食 事
刺 激 に よ り 分 泌 さ れ た GLP-1 増 強 を 介 し て イ ン ス リ ン 分 泌 を 促 進
し 血 糖 低 下 作 用 を も た ら す (Fig.1)。 こ の と き GLP-1 単 独 で は な く
グ ル コ ー ス 刺 激 に よ る 細 胞 内 Ca2+流 入 が イ ン ス リ ン 分 泌 に 必 要 で
あ る こ と か ら 、既 存 の イ ン ス リ ン 分 泌 薬 で 問 題 と な る 空 腹 時 低 血 糖
や β 細 胞 疲 弊 を 生 じ な い 。 8 ) 従 っ て 、D P P - 4 阻 害 薬 は 食 後 の 高 血 糖
2
管 理 の 上 で 安 全 性 の 高 い 、理
理想的な糖尿病治療薬に なり得ると期待
さ れ る 。9)
Figure 1 D PP-4 阻 害 薬 の 作 用 機 序
第3節
他 社 DPP-4 阻 害 薬 の 現 状
こ の よ う な 観 点 か ら 、 最 近 、 多 く の 製 薬 メ ー カ ー が DPP-4 阻 害
薬に注目し、その開発に参 入している。すでに 6 種 類の薬剤 1 ~ 6
が 創 製 さ れ 、実 際 の 臨 床 の 場 に 提 供 さ れ て い る ( F i g . 2 ) 。 9 ) , 1 0 ) こ れ ら
の 薬 剤 に お い て 共 通 す る 構 造 上 の 特 長 は 、 GLP-1 ペ プ チ ド 鎖 の N
末 端 を 認 識 す る た め に 、そ の 部 位 を 模 倣 し た 塩 基 性 ア ミ ノ 基 を 有 し
て い る こ と で あ る 。な
。 お い く つ か の シ ア ノ 基 を 有 す る 薬 剤 は 、こ れ
が セ リ ン プ ロ テ ア ー ゼ で あ る DPP-4 の 活 性 中 心 Ser 630 と 共 有 結 合
を 形 成 し 、 強 力 な 阻 害 活 性 を 示 す も の と 考 え ら れ る 。10)
3
F
F
OH
NH2 O
N
F
O
N
N
N
H
N
H3C
N
O
CN
O
N
CN
N
NH2
N
CF3
sitagliptin, 1
('09/12, Merck)
vildagliptin, 2
('10/04, Novartis)
CH3
O
N
CH3
O
N
N
N
N
O
NH2
N
N
CH3
linagliptin, 4
('11/09, BI)
O
N
HH C CH
3
3
N
N
N
H
N
alogliptin, 3
('10/06, Takeda)
HO
N
NC
N
H2N
O
CN
H 3C
anagliptin, 5
('12/12, Sanwa)
saxagliptin, 6
('13/03, BMS)
Figure 2 DPP-4 阻 害 薬 ( 上 市 品 ; 国 内 承 認 取 得 年 月 、 社 名 )
第4節
1 日 1 回 投 与 の DPP-4 阻 害 薬 を 目 指 し た 創 薬 研 究 と そ の 概
要、および研究背景
著 者 ら が DPP-4 阻 害 薬 の 創 薬 研 究 を 開 始 し た 当 時 、 DPP-4 阻 害
作 用 に よ る 糖 尿 病 治 療 薬 と し て ノ バ ル テ ィ ス 社 は NVP-DPP728 を
用 い て 第 2 相 臨 床 試 験 を 展 開 し て い た 。 11 ) 前 述 し た よ う な 糖 尿 病
治 療 薬 と し て の D P P - 4 阻 害 薬 の 特 徴 を 十 分 に 発 揮 す る た め に は 、1
日 1 回 服 用 が 望 ま れ る 。 し か し 、 NVP-DPP728 は 阻 害 活 性 と 作 用
持 続 の 点 で 十 分 な プ ロ フ ァ イ ル を 示 さ な か っ た 。そ こ で 著 者 ら は 新
規 骨 格 を 有 し 、 さ ら に 高 活 性 か つ 持 続 的 な DPP-4 阻 害 薬 の 開 発 を
目的として創薬研究を開始した。
ま ず 、GLP-1 の 1 次 構 造 を 手 掛 か り と し て NVP-DPP728 の 構 造
変 換 を 行 っ た 。D P P - 4 は 基 質 で あ る G L P - 1 の N 末 端 の ヒ ス チ ジ ン
と ア ラ ニ ン を S1、 S2 subsite で 認 識 す る (Fig.3)。12) こ の こ と か ら
NVP-DPP728 の 活 性 発 現 コ ン ホ メ ー シ ョ ン は 折 畳 み 構 造 で あ る と
想 定 し て 、 柔 軟 な 化 学 構 造 で あ る NVP-DPP728 の 環 状 構 造 へ の 変
4
換を行うことより、活性コ ンホメーションの固定化 を試みた。
Figure 3 リ ー ド 化 合 物 の 創 出
す な わ ち 、N V P - D P P 7 2 8 の エ チ レ ン ジ ア ミ ン 構 造 を  - 置 換 プ ロ リ
ン 構 造 と し 、-ヒ ド ロ キ シ プ ロ リ ン か ら 環 状 化 合 物 7 を 合 成 し 、そ
の 阻 害 活 性 を 評 価 し た 。そ の 結 果 、( S ) -  - ア ミ ノ 置 換 プ ロ リ ル - ( S ) - 2 シ ア ノ ピ ロ リ ジ ン 化 合 物 7 は 、 N V P - D P P 72 8 よ り も 強 力 な D P P - 4
阻 害 活 性 を 示 す こ と を 明 ら か に し た 。13a) し か し な が ら 、 化 合 物 7
は 、 溶 液 中 で 容 易 に ジ ケ ト ピ ペ ラ ジ ン 体 8 へ と 環 化 し ( 半 減 期 1.3
h )、 不 活 性 化 す る こ と か ら 1 日 1 回 服 薬 と い う 著 者 ら の 標 的 プ ロ
フ ァ イ ル を 満 た さ な い こ と が 明 ら か と な っ た 。 1 3 b ) 一 方 、α - シ ア ノ
ピロリジンをチアゾリジ ン環に変換したジペプ チドアナログ
P 3 2 / 9 8 ( 9 ) は 、 中 程 度 の D P P - 4 阻 害 活 性 ( IC 5 0 = 7 5 n M ) で あ る も の
の 、臨 床 試 験 に お い て 糖 尿 病 患 者 の 血 糖 値 を 改 善 す る こ と が 報 告 さ
れ て い た 。 1 4 ) そ こ で 、シ ア ノ ピ ロ リ ジ ン を チ ア ゾ リ ジ ン 環 に 変 換 し
5
た 化 合 物 1 0 を 合 成 し た 。化
化 合 物 1 0 の i n vi t r o で の 阻 害 活 性 は 1 0 0
分 の 1 に 低 下 し た も の の 、分 子 の 化 学 的 安 定 性 を 改 善 す る こ と が で
き た 。 13b) こ れ ら の 結 果 か ら (S)--ア ミ ノ 置 換 プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ
ン 化 合 物 1 0 を リ ー ド 化 合 物 と し 、( S ) -  - ア ミ ノ 置 換 基 部 分 の さ ら な
る 最 適 化 の 検 討 を 行 っ た (F ig.4)。
Figure 4 リ ー ド 最 適 化 と テ ネ リ グ リ プ チ ン の 創 製
著 者 は 、 種 々 の -ア ミ ノ 置 換 基 探 索 研 究
13c)の
中 で 、 N-ア リ ー ル
ピ ペ ラ ジ ン 環 を 有 す る プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 化 合 物 14e、 15、 18
に お い て 阻 害 活 性 が 向 上 す る こ と を 見 出 し た ( 第 二 章 )。 さ ら に 、
ア リ ー ル 部 分 を 単 環 N-ヘ テ ロ ア リ ー ル か ら 含 窒 素 縮 合 環 に 変 換 し
た 化 合 物 1 9 ~ 2 3 に お い て 阻 害 作 用 の 増 強 を 見 出 し た 。ま た D P P - 4
と 化 合 物 2 0 d と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 か ら 、“ S 2 e x t e n s i v e
subsite” と 定 義 し た 新 た な DPP-4 側 ポ ケ ッ ト の 存 在 と 、 こ の 部 位
と薬剤との相互作用が活性 増強に重要であること を明らかにした
( 第 三 章 )。 次 に 分 子 モ デ リ ン グ に よ り 、 こ の 部 位 と 効 果 的 に 相 互
6
作 用 し 得 る 5 員 環 ‐ 6 員 環 ビ ア リ ー ル 化 合 物 27 を 選 定 し 、 そ れ ら
は 期 待 通 り 高 い 阻 害 活 性 を 示 す こ と を 明 ら か と す る と と も に 、こ の
S 2 e x t e n s i v e s u b s i t e と の 相 互 作 用 が 、最 終 的 に 類 似 酵 素 D P P - 8 も
し く は DPP-9
15)と
の選択性の発現にも重要であることを見出した
( 第 四 章 )。
こ れ ら の 創 薬 研 究 か ら 、 高 活 性 で DPP-4 選 択 的 、 か つ 持 続 的 な
薬物動態プロファイルを有するテネリグリプチンの創製に成功し
た。
7
第二章
(S)--(4-ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル チ ア ゾ
リジン類の探索、及びその構造活性相関
16)
本 章 で は 、2 - シ ア ノ ピ ロ リ ジ ン 体 7 の 化 学 的 不 安 定 性 が 改 善 さ れ
た L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 体 10 を 新 た な リ ー ド と し て 、 L-プ ロ リ
ル の  - ア ミ ノ 置 換 基 を 中 心 と す る 構 造 展 開 を 行 っ た ( F i g . 5 ) 。初 期 の
研 究 に お い て 、 2-シ ア ノ ピ ロ リ ジ ン 体 7 の 活 性 に は 及 ば な い が 、 イ ン ド リ ン 置 換 体 11 に D P P - 4 阻 害 活 性 の 向 上 が 認 め ら れ た 。 1 3 c )
そ こ で 著 者 は 化 合 物 10 の -ア ミ ノ 置 換 基 を 環 状 ア ミ ン へ と 構 造 展
開 し た と こ ろ 、 N-ア リ ー ル ピ ペ ラ ジ ン 部 位 を 有 す る 化 合 物 18e が
強 い 活 性 を 有 す る こ と を 見 出 し た (Fig.5)。 ま た こ れ ら が ラ ッ ト ex
vivo に お い て 持 続 的 な DPP-4 阻 害 活 性 を 有 す る こ と も 明 ら か に し
た。
Figure 5 リ ー ド 化 合 物 の 最 適 化
8
第1節
(S)--ア ミ ノ 置 換 -L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 類 の 合 成 法
ア ミ ノ 酸 は 、安 価 な 天 然 の キ ラ ル な ビ ル デ ィ ン グ ブ ロ ッ ク と し て 、
種 々 の 化 成 品 に 用 い ら れ 、医 薬 品 原 料 と し て も 活 用 さ れ て い る 。著
者 は 、 N-Boc-trans-4-ヒ ド ロ キ シ -L-プ ロ リ ン 12 を 出 発 原 料 と し て 、
1-ヒ ド ロ キ シ ベ ン ゾ ト リ ア ゾ ー ル (HOBt)存 在 下 、 1-エ チ ル -3-(3-ジ
メ チ ル ア ミ ノ プ ロ ピ ル )カ ル ボ ジ イ ミ ド (EDC)を 用 い て チ ア ゾ リ ジ
ン を 縮 合 さ せ 、続 い て 4 位 の 第 二 級 水 酸 基 を P a r i k h - D o e r i n g 酸 化
17)
す る こ と で 、 鍵 合 成 中 間 体 N-Boc-4-オ キ ソ -L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ
ン 13 を 得 た 。 次 に ケ ト ン 体 13 と ピ ロ リ ジ ン と の 水 素 化 ト リ ア セ
ト キ シ ホ ウ 素 ナ ト リ ウ ム ( N a B H ( O A c ) 3 ) に よ る 還 元 的 ア ミ ノ 化 、塩 酸
に よ る 脱 保 護 で 、 目 的 と す る ピ ロ リ ジ ン 体 14a を 得 た (Scheme 1)。
こ の と き 還 元 的 ア ミ ノ 化 は 、re 面 か ら ジ ア ス テ レ オ 選 択 的 に 進 行 し
て cis 体 だ け が 得 ら れ た 。
Scheme 1 フ ェ ニ ル ピ ペ ラ ジ ン 誘 導 体 14a の 合 成 ( 代 表 例 )
同 様 に (S)--ア ミ ノ 置 換 -L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 類 14~ 18 は 対 応
す る 環 状 ア ミ ン を 用 い て 合 成 し た (Fig.6)。
9
N
Y
X
O
14b,
51%*
n
14c,
60%*
N
S
N
H
R1 N
N
N
1
R = CH3, 14d, 52%*
Ph, 14e, 74%*
PhCH2, 14f, 61%*
Ph2CH, 14g, 61%*
N
O
X
N
X = H, 16a, 12%*
= NO2, 16b, 25%*
N
R2
Compound
15a
15b
15c
15d
15e
15f
15g
15h
15i
15j
15k
R2
17, 12%*
O2N
N
yield (%)*
4-OCH3
4-F
4-Cl
3-Cl
2-Cl
4-Br
4-NO2
4-CN
4-CF3
3,4-Cl2
3,4-(CN)2
66
58
71
55
76
59
80
12
88
53
54
N
N
R3
Compound
18a
18b
18c
18d
18e
18f
18g
18h
N
N
N-pyridyl
N
R3
2-pyridyl
H
4-pyridyl
H
2-pyridyl 5-Cl
2-pyridyl 5-CF3
2-pyridyl 5-NO2
2-pyridyl 5-CN
2-pyridyl 4-CN
2-pyridyl 3-CN
yield (%)*
56
13
49
26
49
22
25
69
* 2 steps yield from 13
Figure 6 (S)--ア ミ ノ 置 換 -L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 類 14~ 18
第2節
環状アミン類の導入とその構造活性相関
合 成 し た 環 状 ア ミ ン 類 の DPP-4 阻 害 活 性 を 蛍 光 ア ッ セ イ 法 に よ
り 、ヒ ト 及 び ラ ッ ト の 血 漿 を 用 い て 測 定 し た 。D P P - 4 特 異 的 な 蛍 光
基 質 と し て G l y - P r o - M C A を 用 い 、種 々 の 濃 度 の 被 験 物 質 1 4 ~ 1 8 を
含 む 反 応 液 を 室 温 で 60 分 間 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン し 、 計 測 さ れ る 蛍
光 強 度 を DPP-4 阻 害 活 性 と し た 。 溶 媒 添 加 群 に 対 す る 阻 害 率 か ら
IC50 値 を 算 出 し た 。
(S)--環 状 ア ミ ノ 置 換 -L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 類 14a-g の DPP-4
阻 害 活 性 を Ta b l e 1 に 示 す 。
10
Ta b l e 1 ( S ) -  - 環 状 ア ミ ノ 置 換 - L - プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 類 に お け る
構造活性相関
環 状 ア ミ ン 構 造 と し て 、モ ル ホ リ ン や ピ ペ ラ ジ ン を 導 入 す る こ と
に よ り 、リ ー ド 化 合 物 1 0 と 比 較 し て 同 等 以 上 の 阻 害 活 性 を 示 し た 。
特 に 4-フ ェ ニ ル ピ ペ ラ ジ ン 誘 導 体 14e (IC50 = 10.9 nM)は 約 2 倍 ま
で阻害活性が向上した。
第3節
(S)--(4-置 換 フ ェ ニ ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル チ ア
ゾリジン類の構造活性相関
次 に 4-フ ェ ニ ル ピ ペ ラ ジ ン 誘 導 体 14e の ベ ン ゼ ン 環 上 の 置 換 基
効 果 に つ い て 検 討 を 行 っ た ( Ta b l e 2 ) 。
11
Ta b l e 2 ( S ) -  - 置 換 フ ェ ニ ル ピ ペ ラ ジ ニ ル - L - プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン
類における構造活性相関
O
Y
X
N
n
Compound
X
14e
15a
15b
15c
15d
15e
15f
15g
15h
15i
15j
15k
16a
16b
17
H
4-OCH3
4-F
4-Cl
3-Cl
2-Cl
4-Br
4-NO2
4-CN
4-CF3
3,4-Cl2
3,4-(CN)2
H
4-NO2
4-NO2
NH
Y
n
N
N
N
N
N
N
N
N
N
N
N
N
CH
CH
N
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
N
S
DPP-4 inhibition, IC50 (nM)
human
rat
10.9
13.5
12.2
8.7
4.1
10.8
8.2
1.6
4.3
6.8
3.0
1.3
5.6
2.3
2.4
17.6
16.9
17.5
10.3
7.2
10.9
9.0
2.2
4.7
7.2
4.2
1.8
9.6
3.3
2.9
4-メ ト キ シ 体 15a お よ び 4-フ ル オ ロ 体 15b の 阻 害 活 性 は 、 14e
と ほ ぼ 同 じ で あ っ た が 、4 - ク ロ ロ 体 1 5 c お よ び 4 - ブ ロ モ 体 1 5 f は わ
ず か な が ら 阻 害 活 性 が 向 上 し た 。ま た ク ロ ロ 体 に お け る 置 換 位 置 の
比 較 で は 、2 位 よ り も 4 位 も し く は 3 位 の 方 が 、活 性 が 向 上 す る 傾
向 が 見 ら れ た (15e vs 15c, 15d)。 一 方 、 電 子 求 引 基 の 導 入 に よ り 4ニ ト ロ 体 1 5 g や 4 - シ ア ノ 体 1 5 h で は 阻 害 活 性 が 向 上 し た 。さ ら に 、
2 つの電子求引基を導入した二置換体は一置換体に比べ阻害活性が
増 強 し た (15c vs 15j、 15h vs 15k)。
な お 、 ピ ペ リ ジ ン 化 合 物 (Y = CH)も 4 位 に フ ェ ニ ル 基 を 導 入 す れ
ば 阻 害 活 性 の 向 上 が 期 待 さ れ る と 考 え 検 討 し た と こ ろ 、4 - フ ェ ニ ル
ピ ペ リ ジ ン 誘 導 体 16 は ピ ペ ラ ジ ン 誘 導 体 14e、 15g と 同 様 に 強 い
阻 害 活 性 を 示 し た 。ま た 、4-ニ ト ロ フ ェ ニ ル -1,4-ジ ア ゼ パ ム 誘 導 体
17 で も 有 意 に 阻 害 活 性 を 示 し た 。 こ の 結 果 は 、 ピ ペ ラ ジ ン 、 ピ ペ
リ ジ ン お よ び ジ ア ゼ パ ム 環 は 、 い ず れ も 空 間 的 に 芳 香 環 が DPP-4
12
との相互作用を調整するリンカー的役割を担っているものと考察
した。
第4節
(S)--(4-置 換 ピ リ ジ ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル チ ア
ゾリジン類の構造活性相関
電子求引基を有するフェニル基において阻害活性が増強したの
で 、次 に フ ェ ニ ル 基 以 外 の 電 子 求 引 性 構 造 と し て ピ リ ジ ン 環 に つ い
て 検 討 し た 。 そ の 結 果 を Ta b l e 3 に ま と め た 。
Ta b l e 3 ( S ) -  - 置 換 ピ リ ジ ル ピ ペ ラ ジ ニ ル - L - プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 類
における構造活性相関
期 待 通 り 、 ピ リ ジ ン 環 誘 導 体 18 は い ず れ も 阻 害 活 性 の 増 強 が 認
め ら れ た 。 2-ピ リ ジ ル 体 18a と 4-ピ リ ジ ル 体 18b は 同 等 の 阻 害 活
性 を 示 し 、シ ア ノ 基 や ニ ト ロ 基 、ト リ フ ル オ ロ メ チ ル 基 等 の 電 子 求
引 基 の 導 入 に よ り さ ら に 阻 害 活 性 が 向 上 し た 。な お シ ア ノ 基 の 置 換
位 置 に つ い て は 、 5 位 や 3 位 に 比 べ て 4 位 が 若 干 優 れ て い た (18f、
18h vs 18g)。 こ れ ら 誘 導 体 で は 、 5-ニ ト ロ -2-ピ リ ジ ル 誘 導 体 18e
13
が 最 も 優 れ た 阻 害 活 性 (IC50 = 0.92 nM)を 示 す こ と を 見 出 し た 。
以 上 、一 連 の 構 造 活 性 相 関 研 究 か ら 4 - ア リ ー ル ピ ペ ラ ジ ン は 、実
際 の 基 質 で あ る GLP-1 の N 末 端 ヒ ス チ ジ ン 側 鎖 よ り も 大 き い 置 換
基 を 収 容 で き る DPP-4 の S2 subsite に は ま り 込 む こ と に よ り 、 阻
害 活 性 が リ ー ド 化 合 物 10 と 比 べ 、 最 大 27 倍 に ま で 増 強 し た も の
と考察した。
第5節
Ex vivo DPP-4 阻 害 評 価 (15k, 18e)
こ れ ま で の in vitro の 構 造 活 性 相 関 研 究 に お い て 、 高 い DPP-4
阻 害 活 性 を 示 し た 化 合 物 15k、 18e な ら び に リ ー ド 化 合 物 10 に つ
い て 、 ラ ッ ト 経 口 投 与 後 の DPP-4 阻 害 活 性 を 評 価 し た 。 す な わ ち
雄 性 ラ ッ ト に 各 化 合 物 を 10 mol/kg 単 回 経 口 投 与 し 、 各 時 点 で の
血 中 DPP-4 阻 害 活 性 を in vitro と 同 様 の 方 法 で 評 価 し た (Fig.7)。
こ の ex vivo に お け る 評 価 法 か ら 血 糖 降 下 作 用 の み な ら ず 、 代 謝 安
定 性 を 含 む 薬 物 動 態 /薬 力 学 作 用 の 関 係 も 得 る こ と が で き 、 持 続 的
な作用を有する化合物を選択する上で有用な情報が提供される。
14
Figure 7
Wi s t a r ラ ッ ト に お け る 化 合 物 1 5 k , 18 e お よ び 1 0 投 与 後 の
血 中 D PP - 4 活 性 ( % c h a n g e o f b a s e li n e )
E a c h c om p o u n d w a s o r a l l y a d m i n i st e r e d a t a s i n g l e d o s e
o f 1 0  m o l / k g a t 0 h . D a t a a r e e x pr e s s e d a s m e a n s ± S . E . M .
(n=3).
リ ー ド 化 合 物 1 0 は 投 与 後 3 0 分 で 約 7 0% の D P P - 4 阻 害 活 性 を 示
し た が 、そ の 作 用 は 5 時 間 以 内 に ほ ぼ 消 滅 し た 。一 方 、化 合 物 15k
お よ び 1 8 e は 3 0 分 以 内 に 約 9 5 % の D P P -4 阻 害 活 性 を 示 す と と も
に 、そ の 作 用 は 投 与 後 9 時 間 に お い て も 6 0 % 以 上 持 続 し て い た 。こ
の よ う に 両 化 合 物 の 速 効 的 で 、 か つ 持 続 的 な DPP- 4 阻 害 活 性 の 発
現 は 、 L - プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン の  位 に 4 -ア リ ー ル ピ ペ ラ ジ ン 導 入
に よ る 阻 害 活 性 向 上 の み な ら ず 、お
おそらく優れた薬 物動態プロファ
イルによりもたらされたも のと推定される。
第6節
小括
本 章 に お い て 、L - プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 骨 格 に お け る L - プ ロ リ ル
の -ア ミ ノ 置 換 基 に 注 目 し て 構 造 活 性 相 関 研 究 を 展 開 し た と こ ろ 、
15
以下の知見が得られた。
1.  位 環 状 ア ミ ノ 置 換 基 と し て モ ル ホ リ ン や ピ ペ ラ ジ ン を 導 入 す
る と 阻 害 活 性 が 向 上 し 、 4-フ ェ ニ ル ピ ペ ラ ジ ン 体 14e は リ ー ド
化 合 物 10 と 比 較 し 、 約 2 倍 の 増 強 が 認 め ら れ た 。
2. 化 合 物 14e の ベ ン ゼ ン 環 上 の 置 換 基 は 電 子 求 引 基 が 好 ま し く 、
4 - ニ ト ロ フ ェ ニ ル 体 1 5 g 、3 , 4 - ジ シ ア ノ フ ェ ニ ル 体 1 5 k で は 1 4 e
よ り も さ ら に 約 1 0 倍 活 性 が 向 上 し た 。な お ピ ペ ラ ジ ン 環 部 位 は
空 間 的 に 芳 香 環 が 酵 素 ポ ケ ッ ト S2 部 位 と 相 互 作 用 で き る よ う に
リンカーとしての役割を担っているものと考察した。
3. 化 合 物 14e の フ ェ ニ ル 基 を 電 子 欠 乏 性 の ピ リ ジ ル 基 へ 変 換 し た
化合物も同様に強い阻害活性を示した。
4. ラ ッ ト 経 口 投 与 に お い て 、 速 効 的 で 、 か つ 持 続 的 な 血 中 DPP-4
阻 害 活 性 を 示 す 15k お よ び 18e を 見 出 し た 。
16
第三章
(S)--(4-縮 合 ヘ テ ロ ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ
リルチアゾリジン類における構造活性相関
18)
第二章にて電子求引基置換フェニル基もしくはピリジル基を有
す る ピ ペ ラ ジ ニ ル - L - プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 体 1 5 、1 8 が i n v i t r o と
e x v i v o で 、強 力 か つ 持 続 的 な D P P - 4 阻 害 活 性 を 示 す こ と を 明 ら か
に し た 。そ こ で 置 換 フ ェ ニ ル も し く は ピ リ ジ ル な ど の 単 環 系 か ら 縮
合 複 素 環 系 に 替 え て 、 さ ら に 構 造 活 性 相 関 研 究 を 展 開 し た (Fig.8)。
ま た DPP-4 と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 か ら 、 結 合 様 式 を 明 ら か
に す る と と も に 、類 似 酵 素 で あ る D P P - 8 お よ び D P P - 9 に 対 す る 影
響について検討した。
Figure 8 縮 合 複 素 環 を 有 す る L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 誘 導 体
第1節
(S)--(4-縮 合 ヘ テ ロ ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ
ルチアゾリジン類の合成法
縮合複素環として、キノリン、イソキノリン誘導体(6 員環-6
員 環 縮 合 環 )、 お よ び ベ ン ゾ イ ミ ダ ゾ ー ル 、 ベ ン ゾ オ キ サ ゾ ー ル 、
17
ベンゾチアゾール誘導体(5 員環-6 員環縮合環)を選び、鍵合成
中 間 体 13 と 対 応 す る ア リ ー ル ピ ペ ラ ジ ン 体 と の 還 元 的 ア ミ ノ 化 で
そ れ ぞ れ 合 成 し た (Scheme 2)。 な お 、 ベ ン ゾ イ ミ ダ ゾ ー ル 誘 導 体
2 1 b 、2 1 c は 次 の よ う に 別 途 合 成 し た 。す な わ ち N - C b z ケ ト ン 体 2 4
に ピ ペ ラ ジ ン を 還 元 的 ア ミ ノ 化 反 応 に て 導 入 後 、脱 B o c 化 し て ア ミ
ン 体 2 5 を 得 た 。次 に 2 - ク ロ ロ ベ ン ゾ イ ミ ダ ゾ ー ル 誘 導 体 2 6 a 、2 6 b
に 対 す る 25 の 求 核 置 換 反 応 、 次 い で 脱 Cbz 化 に よ り 21b,c を そ れ
ぞれ得た。
Scheme 2 (S)--(4-縮 合 ヘ テ ロ ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル チ ア ゾ
リジン類の合成
18
第2節
キノリンおよびイソキノリン誘導体における構造活性
相関
ま ず キ ノ リ ン お よ び イ ソ キ ノ リ ン 誘 導 体 19、 20 の in vitro に お
け る ヒ ト な ら び に ラ ッ ト の DPP-4 阻 害 活 性 を 評 価 し た 。 そ の 結 果
を Ta b l e 4 に 示 し た 。
Ta b l e 4 キ ノ リ ン お よ び イ ソ キ ノ リ ン 誘 導 体 に お け る 構 造 活 性 相 関
単 環 系 で 最 も 強 い 阻 害 活 性 を 示 し た 5-ニ ト ロ -2-ピ リ ジ ル 体 18e
を 比 較 対 照 と す る と 、1 - イ ソ キ ノ リ ル 体 1 9 a - c は い ず れ も 阻 害 活 性
が 向 上 し た 。 次 に キ ノ リ ン 誘 導 体 で は 2-キ ノ リ ル 体 20a よ り も 4キ ノ リ ル 体 2 0 b の 方 が 高 い 阻 害 活 性 を 示 し た 。4 - キ ノ リ ル の 2 位 へ
の 置 換 基 導 入 は 7 位 に 比 べ 、さ ら に 阻 害 活 性 が 向 上 し た 。最 終 的 に
19
L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 骨 格 を 有 す る 化 合 物 の 中 で 最 も 阻 害 活 性
が 強 い 2-ト リ フ ル オ ロ メ チ ル -4-キ ノ リ ル 体 20d (IC50 = 0.37 nM)
を見出した。
第3節
ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾールおよびベンゾチ
アゾール誘導体における構造活性相関
ベ ン ゾ イ ミ ダ ゾ ー ル 、ベ ン ゾ オ キ サ ゾ ー ル お よ び ベ ン ゾ チ ア ゾ ー
ル 誘 導 体 21~ 23 の in vitro に お け る ヒ ト な ら び に ラ ッ ト の DPP-4
阻 害 活 性 を 評 価 し た 。 そ の 結 果 を Ta b l e 5 に 示 す 。
Ta b l e 5 ベ ン ゾ イ ミ ダ ゾ ー ル 、 ベ ン ゾ オ キ サ ゾ ー ル お よ び ベ ン ゾ チ ア ゾ ー
ル誘導体における構造活性相関
Ar
N
N
O
N
H
Compound
DPP-4 inhibition, IC50 (nM)
Ar
human
rat
0.80
1.1
N
S
Compound
human
22a
NC
N
0.59
21b
N
22b
1.03
1.5
0.50
0.72
0.55
0.77
0.42
0.69
O
N
H
N
N
21c
1.2
O
N
H
NC
rat
N
N
21a
Cl
DPP-4 inhibition, IC50 (nM)
Ar
0.39
0.61
23a
N
H
S
NC
N
23b
S
無 置 換 ベ ン ゾ イ ミ ダ ゾ ー ル 体 2 1 a 、ベ ン ゾ オ キ サ ゾ ー ル 体 2 2 a お
よ び ベ ン ゾ チ ア ゾ ー ル 体 23a の DPP-4 阻 害 活 性 は 、 無 置 換 1-イ ソ
キ ノ リ ル 体 19a お よ び 4-キ ノ リ ル 体 20b と ほ ぼ 同 等 で あ っ た 。 な
20
お 21a と 22a い ず れ の 場 合 も 電 子 求 引 性 の シ ア ノ 基 を 5 位 に 導 入
す る と 、無 置 換 体 と 比 べ 阻 害 活 性 が 2 倍 程 度 増 強 し た ( 2 1 a v s 2 1 c 、
22a vs 22b)。
第4節
化 合 物 20d と DPP- 4 と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析
著 者 は 、シ ア ノ ピ ロ リ ジ ン か ら チ ア ゾ リ ジ ン 構 造 へ の 変 換 に よ り
生 じ る 活 性 低 下 (Fig.3 化 合 物 7 vs 10)を 改 善 す る た め の 相 互 作 用
を 検 証 す べ く 、 高 い 阻 害 活 性 を 示 し た 2-ト リ フ ル オ ロ メ チ ル -4-キ
ノ リ ル 体 20d と DPP-4 と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 を 行 っ た 。 そ
の 結 果 、F i g u r e 9 に 示 す よ う に 様 々 な 相 互 作 用 を 確 認 す る こ と が で
きた。
Figure 9
化 合 物 20d と huma n DPP-4 活 性 部 位 の 複 合 体 X 線 構 造 解 析
The surface in pin k represents S2 extensive subsite.
す な わ ち 、 チ ア ゾ リ ジ ン 部 位 は 疎 水 性 環 境 に あ る 酵 素 S1 ポ ケ ッ
ト に は ま り 込 み 、 プ ロ リ ン の 第 二 級 ア ミ ン は Glu20 5 と Glu206 と
の塩形成によるイオン結合 を、またプロリンのア ミド酸素原子は
21
Asn710 と 水 素 結 合 を そ れ ぞ れ 形 成 し て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。
さ ら に キ ノ リ ン 環 部 位 と S 2 ポ ケ ッ ト に あ る Phe357 側 鎖 と の -ス
タ ッ キ ン グ 、A r g 3 5 8 側 鎖 と の C H -  相 互 作 用 、ト リ フ ル オ ロ メ チ ル
基 と Ty r 5 8 5 側 鎖 と の 水 素 結 合 が 確 認 で き た 。 こ の 結 果 を 用 い る と
2-キ ノ リ ル 体 20a で は Arg358 側 鎖 と 相 互 作 用 で き な い こ と や 、2メ チ ル - 4 - キ ノ リ ル 体 2 0 c で は Tr y 5 8 5 と の 水 素 結 合 が 存 在 し な い な
どの要因から、阻害活性が 低下したことが説明でき る。
上 述 の D P P - 4 と キ ノ リ ン 部 位 と の 相 互 作 用 は 、D P P - 4 の 基 質 で あ
る GLP-1 と 相 互 作 用 す る S2 subsite と 異 な る 部 位 で 発 現 す る の で 、
著 者 は Arg358 と そ の 周 辺 の ア ミ ノ 酸 で 構 成 さ れ る ポ ケ ッ ト
(Figure 9 の ピ ン ク 色 で 示 し た 部 位 )を “ S2 extensiv e subsite” と
命名した。
続 い て D P P - 4 の X 線 構 造 に 着 目 し て 、 5- シ ア ノ - 2 - ベ ン ゾ オ キ サ
ゾ ー ル 22b と の ド ッ キ ン グ ス タ デ ィ ー を 行 っ た (Fig .10)。
Figure 10
化 合 物 22b と DPP-4 と の ド ッ キ ン グ ス タ デ ィ ー
22
そ の 結 果 、 ベ ン ゾ オ キ サ ゾ - ル 体 22b は キ ノ リ ン 体 20d で 認 め
ら れ た Phe357 側 鎖 と の 相 互 作 用 は な い が 、 替 わ り に シ ア ノ 基 と
Arg356 側 鎖 と の 水 素 結 合 が 予 測 さ れ 、 こ れ が 活 性 保 持 に 寄 与 し た
ものと考えられた。
第5節
DPP-4 と 類 似 酵 素 DPP-8 お よ び 9 に お け る 阻 害 活 性 の
選択性
臨 床 に お け る 副 作 用 の 観 点 か ら 、標 的 分 子 と 類 似 分 子 に 対 す る 選
択 性 の 向 上 は 創 薬 上 重 要 な 因 子 の 一 つ で あ る 。D P P - 4 と 同 じ ジ ペ プ
チ ジ ル ペ プ チ ダ ー ゼ に 属 す る 酵 素 と し て 、こ れ ま で に 線 維 芽 細 胞 活
性 化 タ ン パ ク 質 ( F i b r o b l a s t A c t i v a t i o n P r o t e i n , FA P ) 、 D P P - 2 、 D P P - 8
お よ び D P P - 9 が 知 ら れ て い る が 、こ れ ら 酵 素 の 生 体 内 に お け る 正 確
な 生 理 的 機 能 は 未 解 明 で あ る 。こ の 中 で 、D P P - 8 お よ び D P P - 9 は 生
体 内 に 広 く 分 布 し て い る 細 胞 内 可 溶 質 酵 素 で あ り 、こ れ ま で の 動 物
実 験 に お け る 毒 性 所 見 か ら 、こ れ ら 酵 素 を 阻 害 す る と 、脱 毛 症 、血
小 板 減 少 症 、貧 血 症 、脾 臓 肥 大 等 、多 く の 組 織 学 的 病 理 や 動 物 死 亡
を 引 き 起 こ す 可 能 性 が 示 唆 さ れ て い る 。19) そ こ で 標 的 薬 剤 の 臨 床
応 用 に お い て 、 DPP-4 に 選 択 性 の 高 い 阻 害 剤 の 創 製 が 必 須 で あ る 。
そ こ で 単 環 系 化 合 物 4-ニ ト ロ フ ェ ニ ル 誘 導 体 15g お よ び 縮 合 複 素
環 化 合 物 2 - ト リ フ ル オ ロ メ チ ル - 4 - キ ノ リ ル 体 2 0 d を 用 い て 、D P P - 8
お よ び D P P - 9 に 対 す る 酵 素 阻 害 活 性 を 評 価 し た ( Ta b l e 6 ) 。
23
Ta b l e 6 D P P - 8 お よ び D P P - 9 に 対 す る D P P - 4 阻 害 活 性 の 選 択 性
そ の 結 果 、 15g で は 、 DPP-4 に 対 す る 阻 害 活 性 値 に 比 べ て DPP-8
お よ び DPP-9 に 対 す る 阻 害 活 性 値 は そ れ ぞ れ 約 8 倍 お よ び 19 倍 大
き く 、 有 意 な 選 択 性 を 示 し た 。 さ ら に 20d で は DP P-4 に 比 べ て そ
れ ぞ れ 約 200 倍 お よ び 28 0 倍 大 き い 阻 害 活 性 値 を 示 す こ と か ら 、
優 れ た 選 択 性 を 有 し て い る こ と が 判 明 し た 。 両 化 合 物 と も Phe357
と の 相 互 作 用 を 含 め 、 S 1 お よ び S 2 s u b s i te と の 相 互 作 用 を 形 成 し
て い る と 考 え ら れ る が 、キ ノ リ ル 体 2 0 d の S 2 e x t e n s i v e s u b s i t e に
おける新たな相互作用が選 択性の向上に影響を与 えたと考えるこ
と が で き る 。 事 実 、 DPP-4 の S1 ポ ケ ッ ト を 形 成 す る ア ミ ノ 酸 配 列
( Y 5 4 7 , S 6 3 0 , Y 6 3 1 , V 6 5 6 , Y 6 6 2 , Y 6 6 6 , N 7 1 0 , V 7 11 , H 7 4 0 ) は
DPP-4、 DPP-8 お よ び DPP-9 い ず れ の 場 合 も 保 存 さ れ て い る の に
対 し 、S 2 e x t e n s i v e s u b s i t e を 形 成 す る 配 列 に 共 通 性 は 低 い ( D P P - 4 :
Arg358,
T r585;
Ty
DPP-8 :
Asp435,
H i s6 9 3 ;
D PP-9:
Asp425,
G l n 6 8 4 ) 。 2 0 ) 従 っ て 、こ の 部 位 と の 相 互 作 用 は D P P - 4 阻 害 活 性 の 増
強 の み な ら ず 、 DPP-8 や D PP-9 に 対 す る 選 択 性 向 上 に も 大 き く 寄
与しているものと考えられた。
第6節
キ ノ リ ン 体 20d の ex vivo DPP-4 阻 害 評 価
縮 合 複 素 環 化 合 物 に お い て 、 最 も 高 い DP P - 4 阻 害 活 性 を 示 し た
24
化 合 物 2 0 d の ラ ッ ト 単 回 経 口 投 与 後 ( 0 . 3 , 1, 3  m o l / k g ) に お け る 血
中 D P P - 4 阻 害 活 性 を 評 価 し た ( F i g . 11 ) 。
Wis tar ラ ッ ト に お け る 化 合 物 2 0 d 投 与 後 の 血 中 D P P - 4
F i g u r e 11
活 性 (% chan ge of baseline)
20d was oral ly administrated at a dos e of 0.3, 1 or
3 μm o l / k g a t 0 h . D a t a a r e e xp r e s s e d a s m e a n s ± S . E . M .
(n = 3).
キ ノ リ ン 体 20d は 、 用 量 依 存 的 に 血 中 DPP-4 阻 害 活 性 を 示 し 、
そ の 作 用 は 速 効 的 で か つ 持 続 的 で あ っ た 。本
本 剤 は 用 量 3 mol/kg の
単 回 経 口 投 与 に お い て 2 4 時 間 後 で も D P P -4 活 性 を 4 0 % 以 上 阻 害 す
る こ と が で き 、1 日 1 回 投 与 の 糖 尿 病 治 療 薬 と し て 開 発 で き る 可 能
性が高まった。
第7節
小括
本 章 で は 、( S ) -  - ( 4 - ア リ ー ル - 1 - ピ ペ ラ ジ ニ ル ) - L - プ ロ リ ル チ ア
ゾ リ ジ ン に お い て 、単
、 環系ア リール環から縮合複素 環への変換につ
い て 検 討 し 、そ の 構 造 活 性 相 関 研 究 を 展 開 し た 。結 果 を 以 下 に ま と
めた。
25
1. 2-ト リ フ ル オ ロ メ チ ル -4-キ ノ リ ル 体 20d (IC50 = 0.37 nM)、 5シ ア ノ -2-ベ ン ゾ イ ミ ダ ゾ ー ル 体 21c (IC50 = 0.39 nM)を は じ め
と し て 、単 環 系 化 合 物 と 比 較 し 、阻 害 活 性 の 向 上 が 認 め ら れ た 。
2. キ ノ リ ン 体 20d と DPP-4 の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 か ら 様 々 な
相 互 作 用 の 存 在 を 確 認 し た 。 特 に DPP-4 の 新 た な ポ ケ ッ ト (S2
extensive subsite と 命 名 )の 存 在 と そ の キ ノ リ ン 環 と の 相 互 作
用が、阻害活性の向上に寄与した。
3 . キ ノ リ ン 体 2 0 d と S 2 e x t e n s i v e s u b s i t e と の 相 互 作 用 は 、D P P - 4
阻 害 活 性 の み な ら ず 、 類 似 酵 素 DPP-8 お よ び DPP-9 に 比 べ て
DPP-4 選 択 的 と な る 重 要 な 因 子 で あ る こ と を 見 出 し た 。
4. キ ノ リ ン 体 20d は 、 ラ ッ ト 単 回 経 口 投 与 に お い て 持 続 的 な 阻 害
活性を示すことから、1 日 1 回投与の治療薬の開発を可能にす
る興味ある知見を提供した。
26
第四章
(S)--(4-ビ ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L- プ ロ リ ル チ ア
ゾリジン類の構造 活性相関とテネリグリプ チンの創製
21)
こ れ ま で 述 べ た よ う に 、 20d の キ ノ リ ン 環 と DPP-4 の S2
extensive subsite と の 相 互 作 用 が 阻 害 活 性 の 向 上 や DPP-4 特 異 的
な 阻 害 活 性 の 発 現 に 重 要 で あ る 。次
次にピペラジン環 とキノリン環が
直 線 状 で あ る I 型 構 造 の 2 0a よ り も 、 折 れ 曲 っ た L 型 構 造 の 20b
の 方 が 好 ま し い 結 果 を 与 え る こ と が 明 ら か と な っ た 。そ こ で 、著 者
は S2 extensive subsite と さ ら に 効 果 的 に 相 互 作 用 で き る 置 換 基 に
焦 点 を 当 て 、縮 合 複 素 環 に 替 わ る 新 た な L 型 構 造 と し て 、ビ
ビアリー
ル 型 置 換 基 に 着 目 し 、こ れ ら 誘 導 体 の 合 成 、構 造 活 性 相 関 、DPP-4
に 対 す る 選 択 性 な ら び に ラ ッ ト ex vivo に お け る DP P-4 阻 害 作 用 に
つ い て 検 討 し た (Fig.12)。 最 後 に 、 一 連 の ビ ア リ ー ル 誘 導 体 の 中 か
ら 、 阻 害 活 性 、 酵 素 選 択 性 お よ び 持 続 性 の 優 れ た 3 -メ チ ル -1-フ ェ
ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 体 2 7 g ( テ ネ リ グ リ プ チ ン )の 創 製 に 成 功 し た 。
Figure 12 縮 合 複 素 環 か ら ビ ア リ ー ル 環 へ の 変 換
27
第1節
ビ ア リ ー ル 型 置 換 基 を 有 す る 化 合 物 と DPP- 4 の ド ッ キ ン グ
スタディー
先 ず ビ ア リ ー ル 型 置 換 基 と し て 、 o-ビ フ ェ ニ ル 体 27a(6 員 環 -6
員 環 )お よ び 1-フ ェ ニ ル -2- イ ミ ダ ゾ ー ル 体 27b(5 員 環 -6 員 環 )を in
silico に 発 生 さ せ 、 20d と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 で 得 ら れ た
DPP-4 活 性 部 位 と の ド ッ キ ン グ モ デ ル を 検 討 し た (F ig.13)。
Figure 13 ビ ア リ ー ル 化 合 物 27a お よ び 27b と DP P-4 活 性 部 位 と の
重 ね 合 わ せ( 2 0 d と D P P - 4 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 で 得
られたデータを使用)
C om p o u n d 2 0 d i s sh o w n a s or a n g e s t i c k . C o mp o u n d s
2 7 a a n d 2 7 b a r e s h o w n a s gr e e n a n d p i n k s t ic k s ,
respectivel y
化 合 物 27b( ピ ン ク 色 ) で は フ ェ ニ ル 基 が S2 ext ensive subsite
の Arg358 と 対 面 し て い る の に 対 し 、 化 合 物 27a ( 緑 色 ) で は S2
extensive subsite に 収 ま り き れ ず 、 立 体 的 な 反 発 に よ り 末 端 フ ェ
ニ ル 基 は A r g 3 5 8 と は 反 対 方 向 に 位 置 す る こ と が 推 測 さ れ た 。そ こ
で S2 extensive subsite と の 相 互 作 用 を 獲 得 し 、 キ ノ リ ン 20d( 橙
28
色 ) と 同 じ よ う な 活 性 が 期 待 で き る ビ ア リ ー ル 化 合 物 と し て 、 1ア リ ー ル -2-イ ミ ダ ゾ リ ル 、 1-ア リ ー ル -5-テ ト ラ ゾ リ ル 、 1-ア リ ー
ル - 5 - ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 2 7 、2 8 を 選 定 し 、合 成 お よ び 構 造 活 性 相 関
を検討した。
第2節
(S)--(4-ビ ア リ ー ル -1-ピ ペ ラ ジ ニ ル )-L-プ ロ リ ル チ ア ゾ
リジン類およびその類縁体の合成法
化 合 物 27 の 合 成 に 必 要 な 各 種 ピ ペ ラ ジ ン 中 間 体 30 は 、 N-保 護
ピ ペ ラ ジ ン か ら 合 成 し た 。 ま ず N-Cbz ピ ペ ラ ジ ン と フ ェ ニ ル イ ソ
チ オ シ ア ナ ー ト か ら チ オ ウ レ ア を 経 て 、ヨ ウ 化 メ チ ル で ア ル キ ル 化
し て メ チ ル チ オ イ ミ ダ ー ト 29a を 得 た 。 次 に 29a を ピ リ ジ ン 中 、
アミノアセトアルデヒド ジメチルアセタールと加熱後、加水素分
解条件で脱保護してフェニルイミダゾール
30a を 合 成 し た
(Scheme 3)。
Scheme 3 イ ミ ダ ゾ ー ル 、 テ ト ラ ゾ ー ル 中 間 体 30a、 30b の 合 成
29
同 様 に N-Cbz ピ ペ ラ ジ ン と イ ソ シ ア ナ ー ト か ら 得 た ウ レ ア 体
29b は 、 オ キ シ 塩 化 リ ン に て イ ミ ド イ ル ク ロ リ ド と し た 後 、 1,2,4ト リ ア ゾ ー ル で 処 理 し 、ア ジ 化 ナ ト リ ウ ム を 用 い て 環 化 、 2 2 ) 脱 保 護
を 行 う こ と に よ り シ ク ロ ヘ キ シ ル テ ト ラ ゾ ー ル 30b を 合 成 し た 。
EtO
1. 50% TFA/H2O
CHCl3, 70 oC
2. PhNHNH2, MsOH
EtOH
3. POCl3, pyridine
CO2H
OEt
O
EDC, HOBt, DMF
Cbz N
NH
Cbz N
N
Cbz N
OEt
98%
N
11% (3 steps)
10% Pd/C, H2
MeOH
N N
HN
N
quant.
N N
OEt
30c
1. PhNHNH2, MsOH
EtOH
2. POCl3, pyridine
3. 10% Pd/C, H2
MeOH
Ac2O,
pyridine
quant.
O
Cbz N
N
LHMDS, THF, -78 oC
CF3CO2Et, -78 oC - r.t. Cbz N
CH3
76%
O
O
, DMF
Boc N
O
Boc N
NH
86%
29d
N
O
O
N
O
29c
1. Ar'NHNH2, MsOH
EtOH
2. POCl3, pyridine
3. TFA, CH2Cl2
HN
CH3
CF3
CF3
HN
N
N N
13% (3 steps)
30e
CH3
N
N N
Ar'
Ar' = C6H5, 30d, 11% (3 steps) Ar' = 4-CNC6H4, 30j, 40%
4-FC6H4, 30f, 38%
4-Pyr, 30k, 54%
3-Pyr, 30l, 19%
3-FC6H4, 30g, 23%
2-FC6H4, 30h, 23%
2-Pyr, 30m, 43%
4-ClC6H4, 30i, 32%
5-CN-2-Pyr, 30n, 19%
Scheme 4 ピ ラ ゾ ー ル 中 間 体 30c-n の 合 成
次 に 30c を 合 成 し た 。 す な わ ち N-Cbz ピ ペ ラ ジ ン と 3,3-ジ エ ト
キ シ プ ロ ピ オ ン 酸 と の 縮 合 に よ り 得 た ア ミ ド を 、含 水 ト リ フ ル オ ロ
酢 酸 ( T FA ) に よ り 脱 ア セ タ ー ル 化 で ア ル デ ヒ ド と し 、 こ れ を メ タ ン
ス ル ホ ン 酸 存 在 下 、フ ェ ニ ル ヒ ド ラ ゾ ン の 形 成 、オ キ シ 塩 化 リ ン 処
理 に よ り ピ ラ ゾ ー ル 環 へ と 変 換 、23) 最 後 に 脱 Cbz 化 に よ り 30c を
得 た 。一 方 、 N - C b z ピ ペ ラ ジ ン を 無 水 酢 酸 に て ア セ チ ル 化 し 、ト リ
フ ル オ ロ 酢 酸 エ チ ル と の Claisen 縮 合 で -ケ ト ア ミ ド 体 29c を 得 た 。
29c か ら 30e へ の 変 換 は 前 述 と 同 様 に 行 い 30e を 合 成 し た 。 ま た
30
30d は 、 N-Boc ピ ペ ラ ジ ン と ジ ケ テ ン か ら 得 た -ケ ト ア ミ ド 体 29d
を 経 て 、 同 様 の 方 法 に て ピ ラ ゾ ー ル へ と 環 化 、 T FA で の 脱 B o c 化
に よ り 合 成 し た 。さ ら に 3 0 f - n は 、 - ケ ト ア ミ ド 体 2 9 d と そ れ ぞ れ
対応する置換フェニルヒドラジン誘導体を用いて合成することが
できた。
ビ ア リ ー ル ピ ペ ラ ジ ン で 置 換 さ れ た プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン 体 27
は 、S c h e m e 1 と 同 様 、鍵 中 間 体 1 3 と S c h e m e 3 ~ 4 で 合 成 し た 種 々
の ア ミ ン 類 (30a-n) や 市 販 の ア ミ ン と の 還 元 的 ア ミ ノ 化 に よ り 立
体 選 択 的 に 導 入 後 、 脱 Boc 化 に よ り 合 成 し た (Scheme 5)。
Scheme 5 ビ ア リ ー ル ピ ペ ラ ジ ン 誘 導 体 の 合 成
次 に ピ ペ ラ ジ ン 誘 導 体 27 の C-H ア ナ ロ グ で あ る ピ ペ リ ジ ン 誘 導
体 28 を 合 成 し た (Scheme 6)。 ま ず 、 N-Cbz イ ソ ニ ペ コ チ ン 酸 と ア
ニ リ ン を 縮 合 し 、光 延 反 応 条 件 下 、ア ジ 化 ト リ メ チ ル シ リ ル に て 環
化 、24) 脱 保 護 す る こ と に よ り テ ト ラ ゾ ー ル 体 31a を 合 成 し た 。 ま
た 4-ア セ チ ル ピ リ ジ ン と ト リ フ ル オ ロ 酢 酸 エ チ ル を Claisen 縮 合
31
さ せ 、 32 を 経 て フ ェ ニ ル ヒ ド ラ ジ ン を 用 い て 縮 合 環 化 さ せ 、 ピ リ
ジ ル ピ ラ ゾ ー ル 体 3 3 を 得 た 。次 に N - ベ ン ジ ル 化 後 、水 素 化 ホ ウ 素
ナ ト リ ウ ム に て 還 元 し て N-ベ ン ジ ル テ ト ラ ヒ ド ロ ピ リ ジ ン 体 34 と
し 、ギ 酸 ア ン モ ニ ウ ム 存 在 下 、パ ラ ジ ウ ム 触 媒 に て 脱 ベ ン ジ ル 化 と
二 重 結 合 の 還 元 を 一 挙 に 行 い 、ピ ラ ゾ ー ル 体 3 1 b を 合 成 し た 。こ の
よ う に し て 得 た ビ ア リ ー ル ピ ペ リ ジ ン 中 間 体 31a,b を そ れ ぞ れ 鍵
中 間 体 13 に 還 元 的 ア ミ ノ 化 に て 導 入 し 28a,b を 合 成 し た 。
Scheme 6 ビ ア リ ー ル ピ ペ リ ジ ン 中 間 体 と そ の L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン
誘導体の合成
一 方 、化 合 物 2 7 g に お け る   位 立 体 配 置 の 相 違 に よ る 阻 害 活 性 の
影 響 を 評 価 す る た め に 、2 7 g ( 2 S , 4 S ) の ジ ア ス テ レ オ マ ー で あ る 2 7 r
( 2 S , 4 R ) を 3 5 か ら 、2 7 g の エ ナ ン チ オ マ ー で あ る 2 7 s ( 2 R , 4 R ) を 3 7
か ら そ れ ぞ れ 合 成 し た (Scheme 7)。 す な わ ち 27r は 、 35 の 水 酸 基
を TBDMS 保 護 し て か ら 、 チ ア ゾ リ ジ ン と 縮 合 の 後 、 TBDMS 基 の
脱 保 護 に よ り 36 と し た 。 続 い て 36 の 水 酸 基 を メ シ ル 化 の 後 、 高
温 条 件 下 、 ピ ペ ラ ジ ン 30d を SN2 型 求 核 置 換 反 応 に て 立 体 反 転 さ
32
せ な が ら 導 入 、 脱 Boc 化 に よ り 合 成 し た 。 さ ら に 27g の エ ナ ン チ
オ マ ー で あ る 27s は 、 37 か ら 27g と 同 じ 経 路 に て 合 成 し た 。
S c h e m e 7 化 合 物 2 7 g の 立 体 異 性 体 2 7 r, s の 合 成
第3節
5 員 環 -6 員 環 連 結 型 ビ ア リ ー ル 誘 導 体 の 構 造 活 性 相 関 お よ
び ex vivo 評 価
5 員 環 - 6 員 環 連 結 型 ビ ア リ ー ル 誘 導 体 に つ い て 、ヒ ト な ら び に ラ
ッ ト に お け る in vitro の DPP-4 阻 害 活 性 を 評 価 す る と と も に 、 ラ
ッ ト 単 回 経 口 投 与 (3 mol/kg)に お け る 0.5 時 間 お よ び 9 時 間 後 の
e x v i v o 血 中 D P P - 4 阻 害 活 性 を 評 価 し た ( Ta b l e 7 ) 。
33
Ta b l e 7 ビ ア リ ー ル 誘 導 体 に お け る 構 造 活 性 相 関
Ar
X
N
S
N
H
Compound
Ar
X
27c
S
N
O
In vitro DPP-4
inhibition
IC50 (nM)
Ex vivo DPP-4
inhibition
at 3 mol/kg p.o.
Wistar rats (%)*
human
rat
0.5 h
9h
N
4.5
5.4
N.T.
N.T.
N
0.26
0.19
59.3 ± 3.1
58.0 ± 2.2
N
0.20
0.18
85.1 ± 1.5
70.7 ± 1.5
CH
4.0
2.9
N.T.
N.T.
N
4.3
3.1
25.6 ± 2.9
10.5 ± 3.3
N
0.94
0.69
90.6 ± 1.3
50.8 ± 8.2
N
0.37
0.29
94.8 ± 0.1
78.3 ± 1.6
N
0.32
0.31
87.4 ± 3.2
81.8 ±3.6
CH
5.6
2.5
N.T.
N.T.
N
N
27b
27d
N
N
N
N
N
28a
27e
27f
N
N
N
N
N
N
CH3
27g
N
N
CF3
27h
28b
N
N
* expressed as mean _
+ S.E.M. (n = 3), N.T. : not test
前 章 の キ ノ リ ン 誘 導 体 (20a vs 20b)で も 認 め ら れ た よ う に 、 直 線
状 の I 型 構 造 で あ る 4-フ ェ ニ ル -2-チ ア ゾ ー ル 体 27c は DPP-4 阻 害
活 性 が 低 下 す る の に 対 し 、ド ッ キ ン グ モ デ ル よ り 支 持 さ れ た L 型 構
造 を 有 す る 1-フ ェ ニ ル -2-イ ミ ダ ゾ ー ル 体 27b お よ び 1-フ ェ ニ ル -5テ ト ラ ゾ ー ル 体 2 7 d は 期 待 し た よ う に 阻 害 活 性 が 強 ま っ た 。こ の 結
34
果 は 、 末 端 の フ ェ ニ ル 基 が S2 extensive subsite と の 相 互 作 用 に 寄
与 し た た め と 考 察 し た 。一 方 、末 端 の フ ェ ニ ル 基 を シ ク ロ ヘ キ シ ル
基 に 変 換 し た テ ト ラ ゾ ー ル 体 27e で は 阻 害 活 性 の 大 幅 な 低 下 が 認
め ら れ 、 薬 剤 と S2 extensive subsite と の 相 互 作 用 の 欠 如 が 阻 害 活
性 低 下 の 要 因 で あ る と 推 察 さ れ た 。 な お in vitro 活 性 に お い て 1フ ェ ニ ル -5-ピ ラ ゾ ー ル 体 27f は 、 イ ミ ダ ゾ ー ル 体 27b や テ ト ラ ゾ
ー ル 体 2 7 d に 劣 る も の の 、e x v i v o 活 性 は 投 与 前 に 比 べ 9 0 % 以 上( 投
与 後 0 . 5 時 間 )と 強 力 で あ っ た 。イ ミ ダ ゾ ー ル 体 2 7 b の 場 合 、i n v i t r o
阻 害 活 性 が 強 力 に も か か わ ら ず ex vivo 活 性 が 低 い の は イ ミ ダ ゾ ー
ル 環 の 代 謝 安 定 性 が 低 い も の と 推 察 さ れ る 。さ ら に ピ ラ ゾ ー ル 環 3
位 に メ チ ル 基 27g を 導 入 、 も し く は ト リ フ ル オ ロ メ チ ル 基 27h を
導 入 す る こ と に よ り 、無 置 換 体 2 7 f と 比 べ i n v i t r o 阻 害 活 性 が 3 倍
程 度 向 上 し 、 ま た ex vivo 評 価 に お い て 、 投 与 後 9 時 間 で も 強 力 な
DPP-4 阻 害 活 性 (70~80%以 上 の DPP-4 阻 害 )を 有 す る こ と が 判 明 し
た。一方、リンカーとしてのピペラジンのピペリジンへの変換は、
1/20 か ら 1/30 ま で DPP-4 阻 害 活 性 の 低 下 を 招 い た (27d vs 28a、
27h vs 28b)。
第4節
3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 27g の ベ ン ゼ ン 環
上置換基の検討
化 合 物 27a-h の 中 か ら 、 in vitro と ex vivo い ず れ の 評 価 系 に お
い て も D P P - 4 阻 害 活 性 が 強 力 で 、か つ 持 続 的 な 3 - メ チ ル - 1 - フ ェ ニ
ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 2 7 g を 選 定 し 、さ ら に ベ ン ゼ ン 環 上 の 置 換 基 効
果 に つ い て 検 討 し た ( Ta b l e 8 ) 。
35
Ta b l e 8 化 合 物 2 7 g の ベ ン ゼ ン 環 上 置 換 基 効 果
CH3
N
N
Ar'
N
N
S
4
2
N
H
Compound
N
O
Ex vivo DPP-4
In vitro DPP-4
inhibition inhibition at 3 mol/kg p.o.
Wistar rats (%)*
IC50 (nM)
Ar'
human
rat
0.5 h
9h
27g
C6H5
0.37
0.29
27i
4-FC6H4
2.9
2.3
27j
3-FC6H4
0.37
0.29
96.1 ± 0.1
75.1 ± 3.9
27k
2-FC6H4
0.85
0.53
75.9 ± 3.1
34.7 ± 2.5
27l
4-ClC6H4
3.4
2.9
N.T.
N.T.
27m
4-CNC6H4
12
13
N.T.
N.T.
N.T.
N.T.
94.8 ± 0.1
N.T.
78.3 ± 1.6
N.T.
27n
4-Pyr
5.0
4.7
27o
3-Pyr
0.62
0.77
66.9 ± 8.4
40.8 ± 4.6
27p
2-Pyr
0.63
0.72
83.0 ± 5.5
53.7 ± 3.1
27q
5-CN-2-Pyr
15
14
N.T.
N.T.
27r
C6H5 (2S,4R)
6.3
5.7
N.T.
N.T.
27s
C6H5 (2R,4R)
>1000
>1000
N.T.
N.T.
* expressed as mean
S.E.M. (n = 3), N.T. : not test
27g の ベ ン ゼ ン 環 に 対 す る フ ッ 素 置 換 の 導 入 は 、 3 位 置 換 体 27j
は 阻 害 活 性 を 維 持 し た が 、 2 位 も し く は 4 位 置 換 体 (27k, 27i)で は
阻 害 活 性 が 低 下 し た 。し か し な が ら ベ ン ゼ ン 環 4 位 に 電 子 求 引 性 置
換 基 を 導 入 し た 化 合 物 27l, 27m で は 阻 害 活 性 の 低 下 が 認 め ら れ た
こ と か ら 、 S2 extensive subsite に は 空 間 的 な 制 限 が あ る こ と が 明
ら か と な っ た 。一 方 、ベ ン ゼ ン 環 か ら ピ リ ジ ン 環 へ の 変 換 で は 、2ピ リ ジ ル 体 27p も し く は 3-ピ リ ジ ル 体 27o で は 阻 害 活 性 は 保 持 さ
れ た が 、 4-ピ リ ジ ル 体 27n で は 阻 害 活 性 が 低 下 し 、 さ ら に 5-シ ア
ノ -2-ピ リ ジ ル 体 27q で も 阻 害 活 性 が 低 下 し た 。 一 方 、 3-メ チ ル -136
フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 体 27g の ジ ア ス テ レ オ マ ー (2S,4R)で あ る 化 合
物 27r で は 、 約 1/20 に 阻 害 活 性 が 低 下 し 、 27g の エ ナ ン チ オ マ ー
(2R,4R)で あ る 化 合 物 27s で は 阻 害 活 性 が 完 全 に 消 失 し た 。 こ の よ
う に 薬 剤 に 対 す る D P P - 4 の 立 体 認 識 は 厳 密 で あ り 、そ の 立 体 化 学 は
阻害活性の発現に重要であることが判った。
第5節
DPP-4 と 類 似 酵 素 DPP-8 お よ び 9 に お け る 阻 害 活 性 の
選択性
これまでの研究から開発候補として選定したアリールピラゾー
ル 誘 導 体 27g, 27j, 27p に つ い て DPP-4 の 類 似 酵 素 で あ る DPP-8
お よ び D P P - 9 に 対 す る 阻 害 活 性 を 評 価 し た 。 そ の 結 果 を Ta b l e 9
にまとめた。
Ta b l e 9 D P P - 8 お よ び D P P - 9 に 対 す る D P P - 4 阻 害 活 性 の 選 択 性
Ar
N
N
S
N
H
O
Inhibitory activity IC50 (nM)
on human enzymes
Ar
Compound
N
DPP-4
DPP-8
Inhibitory activity IC50 (nM)
on human enzymes
Ar
Compound
DPP-9
DPP-4
DPP-8
DPP-9
0.37
260
540
0.30
86
330
0.63
220
610
CH3
15g
18f
O2N
1.6
12
30
1.6
40
110
27g
CH3
NC
F
CF3
N
N
N
27j
N
20d
N
N
0.37
72.4
CH3
105
27p
N
N
N
ア リ ー ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 27g, 27j, 27p は 、 単 環 系 15g、 18f
37
な ら び に 縮 合 複 素 環 系 20d と 比 べ て 、 い ず れ も DP P-4 選 択 的 に 阻
害 活 性 を 示 す こ と が 判 明 し た 。 特 に 3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー
ル 体 27g の DPP-4 に 対 す る 活 性 は 、 DPP-8 な ら び に DPP-9 阻 害 活
性 に 比 較 し て 約 700 倍 お よ び 1500 倍 と 有 意 な 選 択 性 を 示 し た 。
第6節
化 合 物 27g と DPP- 4 と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析
3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 体 27g と DPP-4 と の 複 合 体 X 線
結 晶 構 造 解 析 を Figure 14 に 示 す 。
Figure 14
化 合 物 27g と hum an DPP-4 活 性 部 位 の 複 合 体 X 線 構 造 解 析
The surface in pi nk represents S2 extensiv e subsite
Assn710
Glu205
Glu206
H-b
bond
salt
O
H bridge
N
Ser209
N
S1
subsite
S
S2
subsite
H-bon
nd
Val207
N
N
N
N
CH

CH 3
Phe357
Figure 15
Arg358
S2 exttensive
subsite
化 合 物 2 7 g と h u m a n D P P -4 の 相 互 作 用 模 式 図
38
化 合 物 27g の チ ア ゾ リ ジ ン 環 は S1 ポ ケ ッ ト に 収 ま っ て 脂 溶 性 の
相 互 作 用 を 、 プ ロ リ ン の 第 二 級 ア ミ ン は Glu205 と Glu206 側 鎖 と
イ オ ン 結 合 を 、ま た プ ロ リ ン の ア ミ ド 基 酸 素 原 子 は A s n 7 1 0 と 水 素
結 合 を そ れ ぞ れ 形 成 し て い る 。さ ら に Phe357 は 、ピ ペ ラ ジ ン 環 と
CH-相 互 作 用 、 ピ ラ ゾ ー ル 環 と -相 互 作 用 が 認 め ら れ 、 末 端 の フ
ェ ニ ル 基 は S2 extensive subsite に 配 置 さ れ 、 Arg358 お よ び
Ser209 側 鎖 で 形 成 さ れ る 脂 溶 性 ポ ケ ッ ト と 相 互 作 用 が 確 認 さ れ た 。
ま た 、 Va l 2 0 7 の 主 鎖 カ ル ボ ニ ル と ベ ン ゼ ン 環 4 位 と の 結 合 距 離
(C-O 間 = 3.3 Å)か ら 水 素 結 合 の 形 成 が 可 能 で あ っ た 。 ベ ン ゼ ン 環
が 収 納 さ れ る S2 extensive subsite は 比 較 的 狭 い 空 間 で あ る こ と か
ら 、嵩 高 い シ ク ロ ヘ キ シ ル 基 で 置 換 さ れ た 2 7 e や 4 位 置 換 フ ェ ニ ル
誘 導 体 2 7 l 、2 7 m お よ び ピ リ ジ ン 誘 導 体 2 7 q で は 阻 害 活 性 が 低 下 し
た と 説 明 で き る ( Ta b l e s 7 , 8 ) 。 ま た 4 - フ ッ 素 フ ェ ニ ル 体 2 7 i や 4 ピ リ ジ ル 体 2 7 n の 活 性 低 下 は 、 隣 接 す る Va l 2 0 7 カ ル ボ ニ ル と 4 フ ッ 素 原 子 ま た は 4-ピ リ ジ ル 環 窒 素 原 子 と の 静 電 的 反 発 作 用 に よ
るものと考えられた。
ま た 前 節 に お い て 、 ア リ ー ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 27g, 27j, 27p は
これまでの一連の化合物群(単環系、縮合環系、ビアリール環系)
の 中 で 、い ず れ も D P P - 4 に 対 す る 選 択 性 が 高 い こ と を 見 出 し た が 、
こ れ は 末 端 ア リ ー ル と DPP-4 の S2 extensive subsite と の 効 果 的
な 相 互 作 用 に 起 因 す る も の と 考 え ら れ る 。す な わ ち 、D P P - 8 お よ び
D P P - 9 の S 2 e x t e n s i v e s u b s i t e に あ た る ア ミ ノ 酸 残 基 の 違 い が 、ア
リ ー ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 と 類 似 酵 素 DPP-8 お よ び DPP-9 と の 親 和
性 低 下 に 関 与 し 、D P P - 4 に 対 す る 選 択 性 が 著 し く 向 上 し た も の と 推
定 し た 。 DPP-8 お よ び DPP-9 の 構 造 は 未 決 定 で あ る が 、 ホ モ ロ ジ
39
ー モ デ ル か ら 、 DPP-4 と は 異 な る 3 次 元 ル ー プ 構 造 の 可 能 性 が 指
摘 さ れ て い る 。20) Figure 15 に 示 す 通 り 、 ① DPP-4 で は そ の ル ー プ
構 造 中 に 化 合 物 27g の ピ ペ ラ ジ ン 環 お よ び ピ ラ ゾ ー ル 環 と 相 互 作
用 を 形 成 す る Phe357 が 含 ま れ て い る が 、 DPP-8 も し く は DPP-9
に は そ の 相 互 作 用 が な い こ と 、 ② S2 extensive subsite を 形 成 す る
Ser209 に 関 し 、 DPP-8 お よ び DPP-9 に は Ser209 に 相 当 す る ア ミ
ノ 酸 残 基 が な い こ と 、 ③ S2 extensive subsite を 形 成 す る Arg358
に 相 当 す る ア ミ ノ 酸 残 基 は 、 DPP-8 で は Asp435 、 DPP-9 で は
A s p 4 2 5 で あ り 酵 素 分 子 内 に て 異 な る こ と 、こ れ ら よ り D P P - 8 お よ
び DPP-9 は S2 extensive subsite を 形 成 す る 部 位 が 存 在 し な い も
の と 想 定 さ れ る 。20) 従 っ て フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 環 を 有 す る 化 合 物
27g は 、 こ の DPP-4 特 異 的 な ポ ケ ッ ト S2 extensive subsite と 効
果 的 な 相 互 作 用 す る こ と に よ り 、D P P - 4 に 対 し 強 い 親 和 性( 阻 害 活
性 ) を 保 有 す る も の の 、 DPP-8 お よ び DPP-9 と の 親 和 性 ( 阻 害 活
性 )は 低 下 し 、そ の 結 果 、D P P - 4 に 特 異 的 な 阻 害 活 性 を 示 し た も の
と説明できる。
第 二 章 に お い て 、単 環 系 の 構 造 活 性 相 関 研 究 か ら ピ ペ ラ ジ ン と ピ
ペリジンのリンカー間では阻害活性に大きな差がないことを明ら
か に し た 。し か し な が ら 、ビ ア リ ー ル 誘 導 体 の 構 造 活 性 相 関 研 究 で
は 、 ピ ペ ラ ジ ン 環 と 比 較 し て ピ ペ リ ジ ン 環 で は 阻 害 活 性 が 約 1/20
ま で 低 下 す る こ と が 判 明 し た (27d vs 28a、 27h vs 28b)。 こ の 原 因
を 明 ら か に す る た め に 、 3-ト リ フ ル オ ロ メ チ ル -1-フ ェ ニ ル -5-ピ ラ
ゾ ー ル ピ ペ リ ジ ン 体 28b と DPP-4 と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 を
行 い 、 27g と の 重 ね 合 わ せ を 比 較 検 討 し た (Fig.16)。
40
Figure 16
化 合 物 28b と DPP-4 と の 複 合 体 X 線 構 造 解 析 と 化 合 物
27g の DPP -4 結 合 様 式 と の 重 ね 合 わ せ 比 較
Ar g 3 5 8 a n d k e y r e s i d u e s ar e s h o w n a s c y a n a n d
g r a y c a r b o n a t o m s , r e s p e c t i v e l y. S u p e r i m p o s e d i s
the bound conformation of compound 27g and
Ar g 3 5 8 o f D P P - 4 ( p u r p l e c ar b o n a t o m s ) .
そ の 結 果 、2 7 g と 2 8 b は S 1 s u b s i t e な ら び に 第 二 級 ア ミ ン と の 相
互 作 用 等 は 同 じ で あ る が 、興
興 味 深 い こ と に ピ ペ リ ジ ン 体 2 8 b( 青 色 )
の フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 部 位 は 、 S 2 e x t e n s iv e s u b s i t e と 相 互 作 用 し
て い な い こ と が 明 ら か と な っ た 。 化 合 物 2 7 g( 紫 色 ) の 場 合 、 ピ ペ
ラジン窒素原子の孤立電子 対がピラゾール環と共役 することによ
り、ピペラジン環とピラゾ ール環が概ね平面のコ ンホメーション
(A)と な り 、 そ の 結 果 、 末 端 フ ェ ニ ル 基 が S2 exten sive subsite と
相 互 作 用 で き る 立 体 配 置 が 可 能 で あ る 。 こ れ に 対 し 、 化 合 物 28b
の 場 合 、ピ ペ リ ジ ン 環 と フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 環 の 立 体 的 反 発 に よ り
ね じ れ 構 造 (B)と な り 、 末 端 フ ェ ニ ル 基 が S2 exten sive subsite と
相互作用ができないために 阻害活性が低下したもの と推察される
(Fig.17)。
41
S2 extensive
subsite
S 2 extensive
s ubsite
H
N
N
H
R N
H
C
N
R
CH3
H
B
A
N
H
N
H
N
H
CF3
Figure 17 化 合 物 27g と 28b の コ ン ホ メ ー シ ョ ン
第7節
3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 27g の ラ ッ ト お よ
びサルにおける薬物動態研究
こ れ ま で の 構 造 活 性 相 関 研 究 か ら 、 ex vivo 評 価 に お い て 投 与 9
時 間 後 に お い て も 血 中 DPP-4 阻 害 活 性 が 優 れ て い た 3-メ チ ル -1-フ
ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 体 2 7 g を 用 い て 、ラ ッ ト な ら び に サ ル に お け る 薬
物 動 態 プ ロ フ ァ イ ル を 検 討 し た 。そ
その未変化体の血 中濃度推移なら
び に 薬 物 動 態 パ ラ メ ー タ ー を Figure 18 な ら び に T
Ta b l e 1 0 に 示 し
た。
Figure 18
ラ ッ ト お よ び サ ル に お け る 化 合 物 27g ( HBr 塩 )
の 薬 物 動 態 プ ロ フ ァ イ ル (M e a n ± S . D . , n = 4 )
42
Ta b l e 1 0
化 合 物 27g( HBr 塩 ) の 薬 物 動 態 パ ラ メ ー タ ー
化 合 物 2 7 g ( H Br 塩 ) を 0 . 1 , 0 . 3 , 1 . 0 m g/ k g 経 口 投 与 後 、 速 や か
に 最 高 血 中 濃 度 (tmax
=
ラ ッ ト : 0 . 7 5 ~ 0 . 8 8 h, サ ル : 0 . 5 0 ~ 1 .4 h ) に 達
し 、 長 い 消 失 半 減 期 が 認 め ら れ た (t1/2
=
ラ ッ ト : 8~16 h, サ ル :
15~19 h)。 こ の プ ロ フ ァ イ ル は 、当 初 著 者 が 目 標 と し て い た 1 日 1
回 投 与 が 可 能 な 治 療 薬 の コ ン セ プ ト に 適 合 す る も の で あ っ た 。ま た
ラ ッ ト に お い て 0.1~1.0 mg /kg の 範 囲 に お い て 用 量 に 比 例 し た 血 中
暴 露 量 ( A U C 0 - i n f . ) の 増 加 が 認 め ら れ た 。生 物 学 的 利 用 能 ( B A ) も ラ ッ
ト で 63~86%、 サ ル で 44~ 83%と 優 れ て お り 、 排 泄 は 両 種 に て 主 に
胆 汁 を 介 し た 糞 中 排 泄 で あ っ た 。こ の プ ロ フ ァ イ ル か ら 2 7 g は 腎 機
能障害を有する糖尿病患者 にとって薬物暴露上昇 というリスクが
少なく、用量調節が不要と なり得ると期待できた。
第8節
3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 27g の 薬 理 評 価
優 れ た i n v i t r o 活 性 、か つ 高 い 酵 素 選 択 性 な ら び に 持 続 的 な 薬 物
動 態 プ ロ フ ァ イ ル を 有 す る 3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 体 27g
を 選 択 し 、 さ ら に 以 下 に 示 す 種 々 の 薬 理 評 価 を 実 施 し た 。 Wi s t a r
ラ ッ ト を 用 い 、 化 合 物 2 7 g の H B r 塩 を 0 .0 3 , 0 . 1 , 0 . 3 , 1 m g / k g の
43
用 量 で 経 口 投 与 し 、 血 中 D PP-4 活 性 を ex vivo 評 価 し た (Fig.19)。
Figure 19
g H B r 塩 )投 与 後 の 血 中 D P P - 4
Wis t ar ラ ッ ト に お け る 化 合 物 2 7(
活 性 (% change of baseline)
27g was orally a dm inistrated at a dose of 0.03, 0.1, 0.3
o r 1 m g/ k g a t 0 h . D a t a a r e e x p r es s e d a s m e a n s ± S . E . M .
(n = 3).
そ の 結 果 、化 合 物 2 7 g は 用 量 依 存 的 で 、か
か つ 速 効 的 、さ ら に 持 続
的 な DPP-4 阻 害 活 性 を 示 し た 。 27g は 1 mg/kg と い う 低 用 量 の 単
回 経 口 投 与 に お い て 50%以 上 の DPP-4 阻 害 活 性 を 2 4 時 間 持 続 さ せ
ることが可能であった。
44
Figure 20
Zucker lean and f atty ラ ッ ト に お け る 化 合 物 27g ( HBr 塩 )
の 糖 負 荷 試 験 お よ び 血 中 DPP-4 阻 害 活 性
( a ) C o m p o u n d 2 7 g (H B r s a l t ) o r 0 . 5 % H P M C so l u t i o n ( v e h i c l e ) w a s
a d m i n i s t e r e d 3 0 m i n p r i o r t o a n o r a l g l u c o s e c h a l l e n g e ( 1 g / k g ) . Va l u e s
a r e m e a n ± S . E . M . ( n = 1 0 ) a s t h e d e l t a g l u c o se l e v e l s a d j u s t e d f r o m t h e
p r e - g l u c o s e l e v e l s at 0 m i n . ( b ) T h e i n c r e m e n ta l a r e a s u n d e r t he c u r v e s
o f g l u c o s e l e v e l s f r o m 0 m i n t o 6 0 m i n a f t e r gl u c o s e l o a d d u r i ng a n o r a l
glu cose tolerance test in Zuc ker rats treated with veh icle or 27g (HBr
s a l t ) . ( c ) T h e p l a s m a D P P - 4 a c t i v i t i e s b e f o r e gl u c o s e l o a d i n Z u c k e r r a t s
t r e a t e d w i t h v e h i c l e o r c o m p o u n d 2 7 g ( H B r s a l t ) . Va l u e s a r e m e a n s ±
S . E . M . ( n = 1 0 ) . # # P < 0 . 0 1 v s . “ Z u c k e r l e a n + Ve h i c l e ” b y S t u d e n t ’ s t - t e s t .
* * P < 0 . 0 1 v s . “ Z u c k e r f a t t y + Ve h i c l e ” b y D u n n e t t ' s m u l t i p l e c o m p a r i s o n
test.
45
ま た 、 病 態 モ デ ル 動 物 (Zucker fatty rats)を 用 い て 耐 糖 能 改 善 作
用 を 評 価 し た と こ ろ ( F i g . 2 0 ) 、化 合 物 2 7 g は 糖 負 荷 ( 1 g / k g ) の 3 0 分
前 投 与 に て 、 血 糖 値 の 上 昇 を 最 低 用 量 0.03 mg/kg か ら 1 mg/kg の
用 量 に て 有 意 に 抑 制 し 、そ の 作 用 は 耐 糖 能 が 正 常 で あ る 陰 性 対 照 動
物 Zucker lean rats と ほ ぼ 同 レ ベ ル で あ っ た (Fig.20(a),(b))。 こ の
と き Zucker fatty rats の 血 中 DPP-4 阻 害 活 性 は 用 量 依 存 的 に 阻 害
さ れ て お り (Fig.20(c))、 投 与 前 と 比 較 し 35%以 上 の DPP-4 阻 害 に
よ り 、有 意 な 血 糖 値 上 昇 抑 制 が 認 め ら れ た (Fig.20(c))。ま た そ の 一
方 で 1 mg/kg の 用 量 で は 50%以 上 の DPP-4 阻 害 活 性 が 24 時 間 持
続 す る に も 拘 ら ず 、 血 糖 値 は 前 値 (糖 負 荷 前 レ ベ ル )か ら さ ら に 低 下
す る こ と は な か っ た (Fig.20(a): 投 与 後 120~240 min に お け る 血 糖
値 )。
以 上 、 こ れ ら の ex vivo な ら び に in vivo 結 果 か ら 、 化 合 物 27g
は 臨 床 に お い て 、1 日 1 回 投 与 で 、か つ 低 血 糖 を 誘 発 す る こ と な く
血糖値をコントロールできる糖尿病治療薬となり得ると期待され
た。
第9節
小括
本 章 で は こ れ ま で に 得 ら れ た 知 見 に 基 づ い て 、著 者 が 新 た に 見 出
し た S2 extensive subsite と の 相 互 作 用 に 焦 点 を 当 て た 創 薬 研 究 を
行 っ た 。 そ の 手 法 と し て 、 DPP-4 の X 線 構 造 解 析 を 利 用 し た ド ッ
キ ン グ ス タ デ ィ ー に よ る モ デ リ ン グ を 行 い 、 S2 extensive subsite
と 相 互 作 用 が 期 待 で き る 5 員 環 -6 員 環 ビ ア リ ー ル 型 置 換 基 を 有 す
る 誘 導 体 を 合 成 し 、 そ の 構 造 活 性 相 関 な ら び に ex vivo に お け る 血
中 DPP-4 活 性 を 評 価 し た 。 結 果 を 以 下 に ま と め た 。
46
1. ド ッ キ ン グ モ デ ル よ り 予 測 し た L 型 構 造 を 有 す る 1-フ ェ ニ ル -2イ ミ ダ ゾ ー ル 体 27b、 1-フ ェ ニ ル -5-テ ト ラ ゾ ー ル 体 27d お よ び
3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 体 27g 等 は 期 待 し た 通 り 強 い 阻
害 活 性 を 示 し 、 ex vivo 評 価 に お い て 持 続 的 な DPP-4 阻 害 活 性
が認められた。
2. 27g の 末 端 フ ェ ニ ル 基 の 置 換 基 導 入 や 、 シ ク ロ ヘ キ サ ン 環 も し
くはピリジン環への変換による阻害活性の向上は認められなか
った。
3 . ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 は 、単 環 系 誘 導 体 1 5 g 、1 8 f も し く は 縮 合 環 系
誘 導 体 2 0 d と 比 較 し て 、D P P - 4 に 対 す る 高 い 酵 素 選 択 性 を 有 し 、
特 に 3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 体 27g で は そ の 酵 素 選 択 性
が 約 700 倍 (DPP-4 vs DPP-8) お よ び 約 1500 倍 (DPP-4 vs
DPP-9)で あ っ た 。
4 . D P P - 4 と 化 合 物 2 7 g と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造 解 析 か ら 、末 端 フ
ェ ニ ル 基 は S2 extensive subsite に 収 ま り 、 そ の 狭 い ス ペ ー ス
は上述2の構造活性相関研究の結果を支持するものであった。
ま た DPP-8 お よ び DPP-9 の 構 造 情 報 か ら S2 extensive subsite
の相互作用が阻害活性のみならず、酵素選択性向上にも寄与し
ているものと推察された。
5. 3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル ピ ラ ゾ ー ル 誘 導 体 27g HBr 塩 は 、 ラ ッ ト お
よびサルにて持続的な薬物動態と優れた生物学的利用能を示し
た。
6. 一 連 の 創 薬 研 究 か ら 、 DPP-4 に 特 異 的 な 強 い 阻 害 活 性 を 示 し 、
持 続 的 な 薬 物 動 態 プ ロ フ ァ イ ル を 有 す る 3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル
ピ ラ ゾ ー ル 体 27g (テ ネ リ グ リ プ チ ン )HBr 塩 を 開 発 化 合 物 と し
47
て選定することに成功した。
7 . テ ネ リ グ リ プ チ ン H B r 塩 は 病 態 モ デ ル に お い て 、低 血 糖 を 示 す
ことなく糖負荷における血糖値上昇を有意に抑制した。
48
第五章
総括
著者は 1 日 1 回投与可能な優れた糖尿病治療薬の創製を目指し、
DPP-4 阻 害 活 性 を 指 標 と し て L-プ ロ リ ル チ ア ゾ リ ジ ン の 位 ア ミ ノ
置換基に焦点を当てたリード最適化研究を展開した。その結果、
位にアリールピペラジンを有する化合物において阻害活性が飛躍
的 向 上 す る こ と を 見 出 し た 。単 環 ア リ ー ル か ら の 縮 合 環 ヘ テ ロ ア リ
ー ル 、 さ ら に は 5 員 環 -6 員 環 ビ ア リ ー ル 環 構 造 に 変 換 す る こ と に
よ り 、阻 害 活 性 の 向 上 と と も に 、D P P - 4 に 対 す る 酵 素 選 択 性 の 向 上
を 実 現 す る こ と に 成 功 し た 。 ま た DPP-4 と の 複 合 体 X 線 結 晶 構 造
解 析 よ り 、S 2 e x t e n s i v e s u b s i t e と 命 名 し た D P P - 4 側 ポ ケ ッ ト の 存
在 と そ の 重 要 性 を 明 ら か と し 、そ の 部 位 と の 相 互 作 用 が 阻 害 活 性 の
み な ら ず 類 似 酵 素 DPP-8 お よ び DPP-9 と DPP-4 と の 識 別 に 寄 与
することを明らかにした。
こ の 一 連 の 化 合 物 の 中 か ら 、 DPP-4 特 異 的 に 強 力 な 阻 害 活 性 を 、
持 続 的 に 発 現 で き る 薬 物 動 態 プ ロ フ ァ イ ル を 有 す る
3-[(2S,4S)-4-[4-(3-メ チ ル -1-フ ェ ニ ル -1H-ピ ラ ゾ ー ル -5-イ ル )ピ ペ
ラ ジ ン -1-イ ル ]ピ ロ リ ジ ン -2-イ ル カ ル ボ ニ ル ]チ ア ゾ リ ジ ン 27g (テ
ネ リ グ リ プ チ ン )を 創 製 し た 。 本 剤 は 病 態 モ デ ル に お け る 糖 負 荷 試
験 に お い て 、低 血 糖 を 誘 発 す る こ と な く 血 糖 値 の 上 昇 を 抑 制 す る こ
と か ら 、こ れ ま で の イ ン ス リ ン 分 泌 促 進 薬 で は 困 難 で あ っ た 安 全 で 、
かつ 1日 1回投与可能な経口糖尿病薬の開発に繋がるものと期待さ
れる。
なお、本剤は臨床試験においてその安全性と有効性が確認され、
1 日 1 回 投 与 の 2 型 糖 尿 病 治 療 薬 と し て 、 2012 年 6 月 に 製 造 販 売
49
承 認 を 取 得 し 、治 療 薬 の 新 た な 選 択 肢 と し て 現 在 、臨 床 現 場 に 供 さ
れている。
50
謝辞
本 研 究 に 際 し 、終 始 御 懇 切 な る 御 指 導 、御 鞭 撻 を 賜 り ま し た 明 治
薬科大学
川﨑知己教授に深甚なる謝意を表します。
本論文作成に際し、御指導御助言を賜りました明治薬科大学
齋藤直樹教授、古源寛教授に深謝いたします。
ま た 、本 研 究 を 遂 行 し 且 つ 纏 め る に 際 し 、御 懇 篤 な る 御 助 言 を 頂
きました明治薬科大学
樋口和宏講師に感謝申し上げます。
著 者 に 本 論 文 を 纏 め る 機 会 を 与 え て 頂 き 、そ の 間 御 理 解 と 御 鞭 撻
を賜りました田辺三菱製薬株式会社研究本部創薬化学第二研究所
長
上 野 裕 明 博 士 、開 発 本 部 開 発 企 画 部 長
保証本部安全性データ部長
川 島 一 剛 博 士 、信 頼 性
高野郁己氏に深く感謝いたします。
ま た 、投 稿 論 文 作 成 に 際 し 有 益 な 御 助 言 お よ び 多 大 な 御 便 宜 を 賜
りました主席研究員
赤星文彦博士に感謝の意を表します。
本研究遂行にあたり直接懇切なる御指導と御助言を賜りました
田辺三菱製薬株式会社
林義治博士、北嶋浩博士、坂下弘博士、
石 井 伸 一 博 士 、な ら び に 本 研 究 に 多 大 な る 御 協 力 と 御 助 言 頂 き ま し
た研究所諸氏に厚く御礼申し上げます。
末 筆 な が ら 、本 研 究 実 施 に あ た り 有 機 合 成 化 学 者 と し て の 礎 を 築
いてくださった恩師の京都工芸繊維大学
奥彬名誉教授ならびに
創 薬 化 学 者 と し て の 基 礎 を 築 い て 頂 い た 深 谷 力 博 士 、森 文 男 博 士 に
謹んで感謝申し上げます。
最後に、本論文作成にあたり陰ながら応援し支えてくれた、妻
睦子、および二人の娘達
ゆり、えりに感謝いたします。
51
実験の部
Chemistry
1
H NMR spectra were measured on a Bruker DPX-300 instrument with
tetramethylsilane as the internal standard; chemical shifts are reported in
parts per million (ppm,  units). Splitting patterns are designated as s,
singlet; d, doublet; t, triplet; q, quartet; m, multiplet; dd, doublet of
doublets; brs, broad singlet. Elemental analysis for carbon, hydrogen and
n i t r o g e n w a s p e r f o r m e d w i t h a Ya n a g i m o t o C H N C O R D E R M T- 6 . L C – M S
spectra were obtained on a PE-Sciex API 165 spectrometer with electrospray
ionization (ESI) mode. HRMS spectrum was obtained on a Waters Synapt G2
HRMS apparatus. Melting points were determined with a Yanaco micro
melting point apparatus.
IR spectra
were obtained on
a
PerkinElmer
spectrum one apparatus. Column chromatography refers to flash column
chromatography
conducted
on
silica
gel
B W- 3 0 0
(Fuji
Silysia).
All
chemicals and solvents were reagent grade unless otherwise specified. For
drying
organic
solutions
in
extraction,
anhydrous
sodium
sulfate
anhydrous magnesium sulfate was used unless otherwise indicated.
52
or
第二章に関する実験
3-((S)-1-tert-Butoxycarbonyl-4-oxopyrrolidin-2-ylcarbonyl)-thiazolidine
(13)
(1)
A
mixture
N-tert-butoxycarbonyl-L-trans-hydroxyproline
of
(12,
commercially available) (69.4 g, 0.30 mol), thiazolidine (29.4 g, 0.33 mol),
HOBt (50.5 g, 0.33 mol) and EDC hydrochloride (63.3 g, 0.33 mol) in DMF
(300 mL) was stirred at room temperature for 18 h. The reaction mixture was
concentrated under reduced pressure. The residue was diluted with a
saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution, and the mixture was
extracted twice with ethyl acetate. The combined extracts were dried and
concentrated
under
reduced
pressure
to
3-[(2S,4R)-1-tert-
give
butoxycarbonyl-4-hydroxypyrrolidin-2-ylcarbonyl]thiazolidine
(56.3
g,
62%) as a colorless oil.
1
H NMR (CDCl3):  1.41–1.45 (9H, m), 1.95–2.34 (2H, m), 2.62–3.25 (2H,
m), 3.40–3.98 (4H, m), 4.40–4.90 (4H, m).
(2)
To
a
solution
of
the
above
compound
(55.4
g,
183
mmol)
and
triethylamine (46 mL, 330 mmol) in dichloromethane (350 mL) was added
sulfur trioxide-pyridine complex (52.4 g, 329 mmol) in DMSO (150 mL)
under ice cooling and the mixture was stirred for 2 h. The reaction mixture
was poured into a saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution and
extracted twice with ethyl acetate. The combined extracts were washed with
brine, dried and concentrated under reduced pressure. The residue was
purified by silica gel chromatography with n-hexane/ethyl acetate (1:1, v/v)
to give the title compound 13 (30.3 g, 55%) as a colorless powder.
53
1
H NMR (DMSO-d6):  1.36, 1.40 (9H, s), 2.36–2.45 (1H, m), 2.97–3.12 (3H,
m), 3.62–3.71 (2H, m), 3.74–3.94 (2H, m), 4.33–4.80 (2H, m), 4.91–5.04 (1H,
m).
3-[(2S,4S)-4-(1-Pyrrolidinyl)-2-pyrrolidinylcarbonyl]thiazolidine
dihydrochloride (14a)
(1) Sodium triacetoxyborohydride (1.60 g, 7.55 mmol) was added to a
solution of 13 (1.00 g, 3.33 mmol), pyrrolidine (274 mg, 3.66 mmol) and
acetic acid (0.20 mL,3.50 mmol) in 1,2-dichloroethane (30 mL) and the
mixture was stirred at room temperature for 13 h. The reaction mixture was
poured into a saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution and
extracted twice with chloroform. The combined extracts were washed with
brine, dried and concentrated under reduced pressure. The residue purified
by silica gel chromatography with chloroform/methanol (95:5, v/v) to give
3-[(2S,4S)-1-tert-butoxycarbonyl-4-(1-pyrrolidinyl)-2-pyrrolidinylcarbonyl]thiazolidine (793 mg, 67%) as a colorless amorphous.
(2) The above-mentioned compound (791 mg) was dissolved in methanol (4
mL) and 4 mol/L hydrochloric acid-ethyl acetate (4 mL) was added thereto.
The mixture was stirred at room temperature for 15 h. The reaction mixture
was concentrated under reduced pressure and then ethyl acetate was added to
the residue. Resulting precipitated solid was collected by filtration to give
the title compound 14a (626 mg, 74%) as a colorless powder.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.80–2.15 (6H, m), 2.16–2.28 (2H, m), 2.95–3.25 (3H,
m), 3.50–3.95 (3H, m), 4.02–4.15 (2H, m), 4.45–4.75 (4H, m); Anal. Calcd
for C12H21N3OS·2HCl·2/5C4H8O2·H2O: C, 42.81; H, 7.45; N, 11.01. Found:
54
C, 42.68; H, 7.53; N, 10.96; m.p.: 82-85 °C.
3-((2S,4S)-4-Piperidino-2-pyrrolidinylcarbonyl)thiazolidine
dihydrochloride (14b)
The title compound was prepared in 51% yield (705 mg) using 13 (1.00 g,
3.33 mmol) and piperidine (318 mg, 3.73 mmol) in the procedures outlined
for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.65–1.90 (6H, m), 2.18–2.34 (2H, m), 2.85–3.20 (4H,
m), 3.30–3.50 (2H, m), 3.55–4.05 (2H, m), 4.50–4.82 (6H, m); Anal. Calcd
for C13H23N3OS·2HCl·H2O: C, 43.33; H, 7.55; N, 11.66. Found: C, 43.73; H,
7.36; N, 11.56; m.p.: 195-200 °C.
3-((2S,4S)-4-Morpholino-2-pyrrolidinylcarbonyl)thiazolidine
dihydrochloride (14c)
The title compound was prepared in 60% yield (746 mg) using 13 (1.00 g,
3.33 mmol) and morpholine (319 mg, 3.66 mmol) in the procedures outlined
for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.22–2.35 (2H, m), 2.90–3.50 (7H, m), 3.70–4.20 (5H,
m),
4.46–4.83
(6H,
m),
9.30
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C12H21N3O2S·2HCl·9/5H2O: C, 38.26; H, 7.12; N, 11.15. Found: C, 38.36; H,
6.87; N, 10.76; m.p.: 160-165 °C.
3-[(2S,4S)-4-(4-Methyl-1-piperazinyl)-2-pyrrolidinylcarbonyl]thiazolidine trihydrochloride (14d)
The title compound was prepared in 52% yield (355 mg) using 13 (450 mg,
55
1.50 mmol) and 1-methylpiperazine (181 mg, 1.80 mmol) in the procedures
outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6):1.88–2.03 (1H, m), 2.79 (3H, s), 2.80–2.94 (1H, m),
2.98–3.93 (15H, m), 4.43–4.77 (3H, m), 9.10 (1H, brs), 10.78 (1H, brs), 11.5
(1H, brs); Anal. Calcd for C13H24N4OS·3HCl·1/5C4H8O2·3/2H2O: C, 37.80;
H, 7.26; N, 12.69. Found: C, 37.62; H, 7.57; N, 12.69; m.p.: 207-221 °C.
3-[(2S,4S)-4-(4-Phenyl-1-piperazinyl)-2-pyrrolidinylcarbonyl]thiazolidine trihydrochloride (14e)
The title compound was prepared in 74% yield (418 mg) using 13 (450 mg,
1.50 mmol) and 1-phenylpiperazine (287 mg, 1.77 mmol) in the procedures
outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6):2.35 (1H, q, J = 11.2 Hz), 2.94–3.95 (15H, m), 4.03–
4.18 (1H, m), 4.44–4.77 (3H, m), 6.89 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.03 (2H, d, J =
8.0 Hz), 7.28 (2H, dd, J = 8.0, 7.3 Hz), 9.23 (1H, brs), 10.94 (1H, brs); Anal.
Calcd for C18H26N4OS·3HCl·1/2H2O: C, 46.50; H, 6.50; N, 12.05. Found: C,
46.55; H, 6.49; N, 11.94; m.p.: 245 °C; FTIR (KBr): 3437, 2997, 2538, 2385,
2077, 1657, 1491, 1423, 1376 cm-1.
3-[(2S,4S)-4-(4-Benzyl-1-piperazinyl)-2-pyrrolidinylcarbonyl]thiazolidine trihydrochloride (14f)
The title compound was prepared in 61% yield (412 mg) using 13 (437 mg,
1.45 mmol) and 1-benzylpiperazine (303 mg, 1.72 mmol) in the procedures
outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6):1.79–1.89 (1H, m), 2.76–2.84 (1H, m), 2.90–3.90
56
(15H, m), 4.35 (2H, s), 4.45–4.73 (3H, m), 7.45–7.47 (3H, m), 7.62–7.65 (2H,
m),
8.99
(1H,
brs),
10.45
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C19H28N4OS·3HCl·5/2H2O: C, 44.32; H, 7.05; N, 10.88. Found: C, 44.46; H,
6.79; N, 10.84; m.p.: 218 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(Diphenylmethyl)-1-piperazinyl)-2-pyrrolidinylcarbonyl]thiazolidine trihydrochloride (14g)
The title compound was prepared in 61% yield (449 mg) using 13 (402 mg,
1.34 mmol) and 1-diphenylmethylpiperazine (405 mg, 1.60 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6):1.94–2.01 (1H, m), 2.79–2.85 (1H, m), 3.03–3.92
(15H, m), 4.43–4.73 (3H, m), 4.48 (1H, brs), 7.30–7.44 (6H, m), 7.88 (4H,
brs),
9.09
(1H,
brs),
10.50
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C25H32N4OS·3HCl·2H2O: C, 51.59; H, 6.75; N, 9.63. Found: C, 51.79; H,
6.80; N, 9.47; m.p.: 200 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Methoxyphenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15a)
The title compound was prepared in 66% yield (567 mg) using 13 (513 mg,
1.71 mmol) and 1-(4-methoxyphenyl)piperazine (394 mg, 2.05 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6):2.28–2.39 (1H, m), 3.00–3.17 (3H, m), 3.68–4.12
(13H, m), 3.71 (3H, s), 4.47–4.77 (3H, m), 6.89 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.05 (2H,
d,
J
=
9.0
Hz),
9.22
(1H,
brs),
11.00
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C19H28N4OS·3HCl·1/2H2O: C, 46.11; H, 6.52; N, 11.32. Found: C, 46.28; H,
57
6.40; N, 11.26; m.p.: 239 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Fluorophenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15b)
The title compound was prepared in 58% yield (371 mg) using 13 (409 mg,
1.36 mmol) and 1-(4-fluorophenyl)piperazine (300 mg, 1.66 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.28–2.39 (1H, m), 3.00–4.10 (16H, m), 4.47–4.76
(3H, m), 7.02–7.14 (4H, m), 9.20 (1H, brs), 10.79 (1H, brs); Anal. Calcd for
C18H25FN4OS·5/2HCl·3/20C4H8O2·1/2H2O: C, 46.75; H, 6.26; N, 11.72.
Found: C, 46.50; H, 6.63; N, 11.59; m.p.: 194 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Chlorophenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15c)
The title compound was prepared in 71% yield (533 mg) using 13 (473 mg,
1.57 mmol) and 1-(4-chlorophenyl)piperazine (372 mg, 1.89 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.25–2.35 (1H, m), 2.98–3.94 (15H, m), 4.04–4.10
(1H, m), 4.45–4.75 (3H, m), 7.05 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.30 (2H, d, J = 9.0
Hz),
9.19
(1H,
brs),
10.63
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C18H25ClN4OS·5/2HCl·H2O: C, 44.11; H, 6.07; N, 11.43. Found: C, 44.15; H,
6.31; N, 11.28; m.p.: 183 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(3-Chlorophenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15d)
58
The title compound was prepared in 55% yield (426 mg) using 13 (476 mg,
1.58 mmol) and 1-(3-chlorophenyl)piperazine (374 mg, 1.90 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.22–2.32 (1H, m), 2.97–4.06 (16H, m), 4.47–4.76
(3H, m), 6.88 (1H, dd, J = 8.1, 1.8 Hz), 6.98 (1H, dd, J = 8.1, 1.8 Hz), 7.07
(1H, d, J = 1.8 Hz), 7.27 (1H, t, J = 8.1 Hz), 9.24 (2H, brs); Anal. Calcd for
C18H25ClN4OS·5/2HCl: C, 45.80; H, 5.87; N, 11.87. Found: C, 45.99; H,
6.25; N, 11.75; m.p.: 210 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(2-Chlorophenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (15e)
The title compound was prepared in 76% yield (531 mg) using 13 (430 mg,
1.43 mmol) and 1-(2-chlorophenyl)piperazine (338 mg, 1.72 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.28–2.38 (1H, m), 2.97–4.15 (16H, m), 4.47–4.77
(3H, m), 7.12 (1H, td, J = 4.8, 1.5 Hz), 7.21 (1H, dd, J = 4.8, 1.5 Hz), 7.35
(1H, td, J = 8.1, 1.5 Hz), 7.46 (1H, dd, J = 8.1, 1.5 Hz), 9.30 (1H, brs), 10.15
(1H, brs); Anal. Calcd for C18H25ClN4OS·2HCl·3/2CH4O: C, 46.66; H, 6.63;
N, 11.16. Found: C, 46.38; H, 6.43; N, 11.17; m.p.: 190 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Bromophenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15f)
The title compound was prepared in 59% yield (341 mg) using 13 (332 mg,
1.11 mmol) and 1-(4-bromophenyl)piperazine (300 mg, 1.24 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
59
1
H NMR (DMSO-d6): 2.18–2.27 (1H, m), 2.95–4.06 (16H, m), 4.47–4.74
(3H, m), 6.98 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.40 (2H, d, J = 8.8 Hz), 9.15 (1H, brs),
10.50 (1H, brs); Anal. Calcd for C18H25BrN4OS·5/2HCl·1/2H2O: C, 41.14; H,
5.47; N, 10.66. Found: C, 41.06; H, 5.69; N, 10.63; m.p.: 206 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Nitrophenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15g)
The title compound was prepared in 80% yield (511 mg) using 13 (465 mg,
1.55 mmol) and 1-(4-nitrophenyl)piperazine (385 mg, 1.86 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.23–2.32 (1H, m), 2.95–3.17 (3H, m), 3.57–4.04
(13H, m), 4.47–4.76 (3H, m), 7.15 (2H, d, J = 9.3 Hz), 8.12 (2H, d, J = 9.3
Hz),
9.19
(1H,
brs),
10.68
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C18H25N5O3S·5/2HCl·CH4O: C, 44.34; H, 6.17; N, 13.61. Found: C, 44.60; H,
6.53; N, 13.78; m.p.: 196 °C; FTIR (KBr): 3402, 2935, 2559–2433, 1651,
1 5 9 6 , 1 3 3 3 , 1 2 5 3 , 111 2 c m - 1 .
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Cyanophenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15h)
The title compound was prepared in 12% yield (78 mg) using 13 (485 mg,
1.61 mmol) and 1-(4-cyanophenyl)piperazine (335 mg, 1.79 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.20–2.27 (1H, m), 2.95–3.16 (3H, m), 3.10–4.05
(13H, m), 4.47–4.74 (3H, m), 7.13 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.65 (2H, d, J = 8.8
Hz),
9.13
(1H,
brs),
10.61
(1H,
60
brs);
Anal.
Calcd
for
C19H25N5OS·5/2HCl·1/10C4H8O2·3/4H2O:
C,
48.05;
H,
6.19;
N,
14.44.
Found: C, 48.25; H, 6.48; N, 14.33; m.p.: 216 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Trifluoromethylphenyl)-1-piperazinyl]-2pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15i)
The title compound was prepared in 88% yield (680 mg) using 13 (450 mg,
1.50 mmol) and 1-(4-trifluoromethylphenyl)piperazine (414 mg, 1.80 mmol)
in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.27–2.40 (1H, m), 2.96–4.16 (16H, m), 4.46–4.77
(3H, m), 7.18 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.58 (2H, d, J = 8.8 Hz), 9.22 (1H, brs),
10.73 (1H, brs); Anal. Calcd for C19H25F3N4OS·2.8HCl: C, 44.18; H, 5.42; N,
10.85. Found: C, 43.95; H, 5.82; N, 10.58; m.p.: >141 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(3,4-Dichlorophenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15j)
The title compound was prepared in 53% yield (563 mg) using 13 (540 mg,
1.80 mmol) and 1-(3,4-dichlorophenyl)piperazine (500 mg, 2.16 mmol) in
the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.22–2.32 (1H, m), 2.97–4.06 (16H, m), 4.47–4.76
(3H, m), 7.03 (1H, dd, J = 9.0, 2.7 Hz), 7.27 (1H, d, J = 2.7 Hz), 7.46 (1H, d,
J
=
9.0
Hz),
9.20
(1H,
brs),
10.70
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C18H24Cl2N4OS·5/2HCl·1/10C4H8O2: C, 42.88; H, 5.34; N, 10.87. Found: C,
42.88; H, 5.69; N, 10.82; m.p.: 204 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(3,4-Dicyanophenyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinyl61
carbonyl}thiazolidine trihydrochloride (15k)
The title compound was prepared in 54% yield (508 mg) using 13 (561 mg,
1.87 mmol) and 1-(3,4-dicyanophenyl)piperazine (475 mg, 2.24 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.18–2.28 (1H, m), 2.93–3.90 (16H, m), 4.46–4.75
(3H, m), 7.41 (1H, dd, J = 9.0, 2.7 Hz), 7.72 (1H, d, J = 2.7 Hz), 7.90 (1H, d,
J
=
9.0
Hz),
9.19
(1H,
brs),
10.63
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C20H24N6OS·5/2HCl·4/5H2O: C, 47.84; H, 5.64; N, 16.74. Found: C, 48.10;
H, 6.04; N, 16.65; m.p.: 219 °C; FTIR (KBr): 3414, 2940, 2557, 2222, 1650,
1598, 1439, 1400, 1265 cm-1.
3-[(2S,4S)-4-(4-Phenylpiperidino)-2-pyrrolidinylcarbonyl]thiazolidine
dihydrochloride (16a)
The title compound was prepared in 12% yield (78 mg) using 13 (461 mg,
1.53 mmol) and 4-phenylpiperidine (300 mg, 1.86 mmol) in the procedures
outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.98–2.06 (4H, m), 2.22–2.33 (1H, m), 2.84–2.90 (1H,
m), 3.00–3.20 (5H, m), 3.53–4.04 (7H, m), 4.47–4.74 (3H, m), 7.23–7.38 (5H,
m); Anal. Calcd for C19H27N3OS·2HCl: C, 54.54; H, 6.99; N, 10.04. Found:
C, 54.29; H, 6.97; N, 9.95; m.p.: 285 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Nitrophenyl)piperidino]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (16b)
The title compound was prepared in 25% yield (240 mg) using 13 (606 mg,
2.02 mmol) and 4-(4-nitrophenyl)piperidine (625 mg, 3.03 mmol) in the
62
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.95–2.38 (5H, m), 2.90–3.28 (6H, m), 3.51–4.08 (7H,
m), 4.48–4.75 (3H, m), 7.54 (2H, d, J = 8.1 Hz), 8.22 (2H, d, J = 8.1 Hz),
9.20
(1H,
brs),
10.60
(1H,
brs),
12.07
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C19H26N4O3S·2HCl·3/4H2O: C, 47.85; H, 6.23; N, 11.75. Found: C, 47.84; H,
6.24; N, 11.56; m.p.: 215 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Nitrophenyl)-1,4-diazepam-1-yl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (17)
(1) 4-Fluoronitrobenzene (7.06 g, 50.0 mmol) was added to a stirred solution
of homopiperazine (15.0 g, 150 mmol) in N-methyl-2-pyrrolidine (50 mL),
and the mixture was stirred at room temperature for 30 min. The reaction
mixture was added to iced water, and the precipitate was collected by
filtration to give N-(4-nitrophenyl)-1,4-diazepam (10.9 g, 99%) as a yellow
powder.
(2) The title compound was prepared in 12% yield (118 mg) using 13 (603
mg, 2.01 mmol) and N-(4-nitrophenyl)-1,4-diazepam (443 mg, 2.00 mmol) in
the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.80–2.60 (3H, m), 2.70–4.20 (16H, m), 4.38–4.78
(3H, m), 6.89 (2H, d, J = 9.3 Hz), 8.09 (2H, d, J = 9.3 Hz); Anal. Calcd for
C19H27N5O3S·2HCl·11/10H2O: C, 45.80; H, 6.31; N, 14.06. Found: C, 45.81;
H, 6.51; N, 13.79; m.p.: 176-188 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(2-Pyridyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (18a)
63
The title compound was prepared in 56% yield (466 mg) using 13 (426 mg,
1.42
mmol)
and
1-(2-pyridyl)piperazine
(279
mg,
1.71
mmol)
in
the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.26–2.37 (1H, m), 3.00–3.16 (3H, m), 3.43–4.06
(13H, m), 4.47–4.78 (3H, m), 6.98 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.35 (1H, d, J = 9.0
Hz), 7.96 (1H, td, J = 9.0, 1.5 Hz), 8.13 (1H, dd, J = 6.0, 1.5 Hz), 9.23 (1H,
brs),
10.98
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C17H25N5OS·3HCl·
1/2CHCl3·17/10CH4O·H2O: C, 39.15; H, 6.38; N, 11.89. Found: C, 39.21; H,
5.99; N, 11.54; m.p.: 205 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Pyridyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonylthiazolidine trihydrochloride (18b)
The title compound was prepared in 13% yield (133 mg) using 13 (601 mg,
2.00
mmol)
and
1-(4-pyridyl)piperazine
(326
mg,
2.00
mmol)
in
the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.03–2.30 (1H, m), 2.79–4.30 (16H, m), 4.40–4.80
(3H, m), 7.32 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.34 (2H, d, J = 7.2 Hz), 9.15 (1H, brs),
10.80
(1H,
brs),
14.00
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C17H25N5OS·3HCl·1/4C2H6O·13/4H2O: C, 39.89; H, 6.89; N, 13.29. Found:
C, 39.88; H, 6.78; N, 13.52; m.p.: 199-204 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(5-Chloro-2-pyridyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (18c)
The title compound was prepared in 49% yield (262 mg) using 13 (340 mg,
1.13 mmol) and 1-(5-chloro-2-pyridyl)piperazine (268 mg, 1.36 mmol) in the
64
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.26–2.31 (1H, m), 2.97–4.40 (16H, m), 4.47–4.73
(3H, m), 7.03 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.71 (1H, dd, J = 9.1, 2.5 Hz), 8.18 (1H, d,
J
=
2.5
Hz),
9.18
(1H,
brs),
10.57
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C17H24ClN5OS·5/2HCl·1/2H2O: C, 42.35; H, 5.75; N, 14.53. Found: C,
42.29; H, 5.92; N, 14.34; m.p.: 211 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(5-Trifluoromethyl-2-pyridyl)-1-piperazinyl]-2pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (18d)
The title compound was prepared in 26% yield (276 mg) using 13 (601 mg,
2.00 mmol) and 1-(5-trifluoromethyl-2-pyridyl)piperazine (462 mg, 2.00
mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.20–2.48 (1H, m), 2.87–5.00 (19H, m), 7.14 (1H, d,
J = 9.0 Hz), 7.92 (1H, dd, J = 9.3, 2.4 Hz), 8.49 (1H, d, J = 0.6 Hz); Anal.
Calcd for C18H24F3N5OS·2HCl·1/10C4H8O2·7/5H2O: C, 42.30; H, 5.71; N,
13.41. Found: C, 42.36; H, 5.77; N, 13.08; m.p.: 177-182 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(5-Nitro-2-pyridyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (18e)
The title compound was prepared in 49% yield (475 mg) using 13 (601 mg,
2.00 mmol) and 1-(5-nitro-2-pyridyl)piperazine (416 mg, 2.00 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.00–2.34 (1H, m), 2.75–4.10 (16H, m), 4.40–4.80
(3H, m), 7.09 (1H, d, J = 9.6 Hz), 8.32 (1H, dd, J = 9.6, 3.0 Hz), 9.01 (1H, d,
J
=
3.0
Hz),
9.18
(1H,
brs),
10.50
65
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C17H24N6O3S·2HCl·6/5H2O: C, 42.01; H, 5.68; N, 17.29. Found: C, 42.01; H,
5.87; N, 17.10; m.p.: 180-192 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(5-Cyano-2-pyridyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (18f)
The title compound was prepared in 22% yield (202 mg) using 13 (740 mg,
2.46 mmol) and 1-(5-cyano-2-pyridyl)piperazine (516 mg, 2.74 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.28–2.39 (1H, m), 2.97–3.16 (3H, m), 3.35–4.10
(13H, m), 4.47–4.76 (3H, m), 7.11 (1H, d, J = 9.3 Hz), 7.98 (1H, dd, J = 9.3,
2.1 Hz), 8.57 (1H, d, J = 2.1 Hz), 9.25 (1H, brs), 10.91 (1H, brs); Anal.
Calcd for C18H24N6OS·3HCl·1/6C4H8O2·1/2H2O: C, 44.35; H, 5.85; N, 16.62.
Found: C, 44.54; H, 6.23; N, 16.43; m.p.: 202 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Cyano-2-pyridyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (18g)
The title compound was prepared in 25% yield (194 mg) using 13 (494 mg,
1.64 mmol) and 1-(4-cyano-2-pyridyl)piperazine (371 mg, 1.97 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.32–2.39 (1H, m), 3.00–3.16 (3H, m), 3.25–4.07
(13H, m), 4.48–4.75 (3H, m), 7.10 (1H, dd, J = 5.1, 0.8 Hz), 7.50 (1H, d, J =
0.8 Hz), 8.36 (1H, d, J = 5.1 Hz), 9.22 (1H, brs), 10.91 (1H, brs); Anal.
Calcd for C18H24N6OS·5/2HCl·1/10C4H8O2·5/4H2O: C, 44.65; H, 6.07; N,
16.98. Found: C, 44.70; H, 6.31; N, 16.90; m.p.: 183 °C.
66
3-{(2S,4S)-4-[4-(3-Cyano-2-pyridyl)-1-piperazinyl]-2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (18h)
The title compound was prepared in 69% yield (991 mg) using 13 (901 mg,
3.00 mmol) and 1-(3-cyano-2-pyridyl)piperazine (621 mg, 3.30 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.26–2.40 (1H, m), 2.93–3.18 (3H, m), 3.20–4.80
(16H, m), 7.09 (1H, dd, J = 7.7, 4.8 Hz), 8.19 (1H, dd, J = 7.7, 1.9Hz), 8.49
(1H, dd, J = 4.8, 1.9Hz), 9.16(1H, brs), 11.02 (1H, brs), 12.7 (1H, brs);
H R M S ( E S I ) c a l c d . f o r C 1 8 H 2 5 N 6 O S [ M + H ] + 3 7 3 . 1 8 11 , f o u n d 3 7 3 . 1 8 0 0 ; m . p . :
>131 °C.
第三章に関する実験
3-{(2S,4S)-4-[4-(Isoquinolin-1-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (19a)
The title compound was prepared in 8.8% yield (99 mg) using 13 (606 mg,
2.02 mmol) and 1-(isoquinolin-1-yl)piperazine (692 mg, 2.42 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6):  2.25–2.30 (1H, m), 3.00–3.17 (3H, m), 3.59–3.95
(12H, m), 4.13–4.18 (1H, m), 4.49–4.77 (3H, m), 7.59 (1H, d, J = 6.1 Hz),
7.71–7.74 (1H, m), 7.86–7.89 (1H, m), 8.02 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.08 (1H, d,
J = 6.1 Hz), 8,21 (1H, d, J = 8.5 Hz), 9.25 (1H, brs), 10.89 (1H, brs); Anal.
Calcd for C21H27N5OS·3HCl·3/10C2H6O·3/2H2O: C, 47.36; H, 6.40; N, 12.79.
Found: C, 47.26; H, 6.42; N, 12.60; LC–MS (ESI) m/z 398.2 [M+H]+; m.p.:
220 °C.
67
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Chloroisoquinolin-1-yl)piperazin-1-yl]-pyrrolidin-2ylcarbonyl}thiazolidine hemipentahydrochloride (19b)
The title compound was prepared in 39% yield (318 mg) using 13 (450 mg,
1.50 mmol) and 1-(4-chloroisoquinolin-1-yl)piperazine (446 mg, 1.80 mmol)
in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.32–2.46 (1H, m), 2.95–4.20 (16H, m), 4.43–4.78
(3H, m), 7.74–7.82 (1H, m), 7.90–7.97 (1H, m), 8.14 (1H, d, J = 8.0 Hz),
8.23 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.30 (1H, s), 9.17 (1H, br s), 10.83 (1H, brs), 12.53
(1H, brs); Anal. Calcd for C21H26ClN5OS·5/2HCl· 3/2H2O: C, 45.85; H,
5.77; N, 12.73. Found: C, 45.59; H, 6.05; N, 12.82; LC–MS (ESI) m/z 432.2
[M+H]+; m.p.: >186 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Cyanoisoquinolin-1-yl)piperazin-1-yl]-pyrrolidin-2ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (19c)
1-Chloro-4-cyanoisoquinoline (500 mg, 2.65 mmol) was added to piperazine
(4.61 g, 53.5 mmol) at 140 °C, and the mixture was stirred at the same
temperature for 2 h. The reaction mixture was cooled, and water was added.
The mixture was extracted twice with chloroform and the combined extracts
were washed with brine, dried and concentrated under reduced pressure to
give 1-(4-cyanoisoquinolin-1-yl)piperazine (491 mg, 78%) as a dark brown
solid.
1
H NMR (CDCl3): 3.08–3.17 (4H, m), 3.62–3.68 (4H, m), 7.59 (1H, t, J =
7.1 Hz), 7.77 (1H, t, J = 7.1 Hz), 8.02–8.09 (2H, m), 8.47 (1H, s).
The title compound was prepared in 36% yield (202 mg) using 13 (300 mg,
1.00 mmol) and 1-(4-cyanoisoquinolin-1-yl)piperazine (252 mg, 1.06 mmol)
68
in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.26–2.43 (1H, m), 2.93–4.20 (16H, m), 4.44–4.78
(3H, m), 7.74–7.82 (1H, m), 7.75–8.05 (2H, m), 8.22 (1H, d, J = 8.4 Hz),
8.69 (1H, s), 9.16 (1H, br s), 10.85 (1H, br s), 12.65 (1H, brs); Anal. Calcd
for C22H26N6OS·3HCl·2/5C2H6O·H2O: C, 48.18; H, 5.92; N, 14.79. Found: C,
48.02; H, 6.16; N, 15.13; LC–MS (ESI) m/z 423.2 [M+H]+; m.p.: >183 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(Quinolin-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (20a)
The title compound was prepared in 61% yield (202 mg) using 13 (488 mg,
1.60 mmol) and 1-(2-quinolyl)piperazine (416 mg, 1.95 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.20–2.30 (1H, m), 2.96–3.17 (3H, m), 3.64–4.40
(13H, m), 4.47–4.76 (3H, m), 7.50 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.60 (1H, d, J = 9.6
Hz), 7.77 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.93 (1H, d, J = 7.5 Hz), 8.15–8.20 (1H, m),
8.44 (1H, d, J = 9.6 Hz), 9.21 (1H, brs), 10.68 (1H, br s); Anal. Calcd for
C21H27N5OS·3HCl·7/2H2O: C, 44.25; H, 6.54; N, 12.29. Found: C, 44.23; H,
6.34; N, 12.18; LC–MS (ESI) m/z 398.2 [M+H]+; m.p.: 55 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(Quinolin-4-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (20b)
The title compound was prepared in 34% yield (392 mg) using 13 (601 mg,
2.00 mmol) and 1-(4-quinolyl)piperazine (469 mg, 2.20 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.16–2.40 (1H, m), 2.70–4.30 (16H, m), 4.40–4.80
69
(3H, m), 7.37 (1H, d, J = 6.9 Hz), 7.77 (1H, t, J = 8.1 Hz), 8.04 (1H, t, J =
8.4 Hz), 8.21 (2H, d, J = 8.7 Hz), 8.85 (1H, d, J = 6.9 Hz); Anal. Calcd for
C21H27N5OS·3HCl·1/2C2H6O·11/10H2O: C, 46.39; H, 6.62; N, 12.30. Found:
C, 46.34; H, 6.54; N, 12.47; LC–MS (ESI) m/z 398.2 [M+H]+; m.p.:
216-229 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(2-Methylquinolin-4-yl)piperazin-1-yl]-pyrrolidin-2ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (20c)
The title compound was prepared in 75% yield (863 mg) using 13 (601 mg,
2.00 mmol) and 1-(2-methylquinolin-4-yl)piperazine (500 mg, 2.20 mmol) in
the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6):  2.20–2.42 (1H, m), 2.81 (3H, s), 2.91–3.20 (3H, m),
3.30–4.26(13H, m), 4.44–4.87 (3H, m), 7.35 (1H, s), 7.73 (1H, t, J = 7.6 Hz),
8.00 (1H, t, J = 7.6 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.24 (1H, d, J = 8.4 Hz);
Anal. Calcd for C22H29N5OS·3HCl·3/5C2H6O·7/5H2O: C, 48.56; H, 6.75; N,
12.21. Found: C, 48.64; H, 6.72; N, 12.11; LC–MS (ESI) m/z 412.4 [M+H]+;
m.p.: 204 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(2-Trifluoromethylquinolin-4-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (20d)
The title compound was prepared in 47% yield (1.06 g) using 13 (655 mg,
2.18 mmol) and 1-(2-trifluoromethylquinolin-4-yl)piperazine (735 mg, 2.61
mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.41–2.43 (1H, m), 3.08–3.18 (3H, m), 3.57–3.98
(12H, m), 4.20–4.24 (1H, m), 4.50–4.81 (3H, m), 7.39 (1H, s), 7.76 (1H, t, J
70
= 7.6 Hz), 7.88–7.91 (1H, m), 8.12–8.17 (2H, m), 9.26 (1H, brs), 11.10 (1H,
brs); Anal. Calcd for C22H26F3N5OS·2HCl·3H2O: C, 44.60; H, 5.78; N, 11.82.
Found: C, 44.85; H, 5.73; N, 11.87; LC–MS (ESI) m/z 466.4 [M+H]+; m.p.:
1 9 0 ° C ; F T I R ( K B r ) : 3 3 6 9 , 2 9 5 3 , 2 6 3 5 , 2 5 6 3 , 2 4 4 7 , 1 6 5 3 , 1 5 8 5 , 11 3 3 c m - 1 .
3-{(2S,4S)-4-[4-(7-Chloroquinolin-4-yl)piperazin-1-yl]-pyrrolidin-2ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (20e)
The title compound was prepared in 55% yield (1.04 g) using 13 (1.00 g,
3.33 mmol) and 1-(7-chloroquinolin-4-yl)piperazine (870 mg, 3.51 mmol) in
the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.10–2.37 (1H, m), 2.84–4.00 (16H, m), 4.41–4.82
(3H, m), 7.36 (1H, d, J = 6.9 Hz), 7.77 (1H, dd, J = 1.8, 9.0 Hz), 8.22 (1H, d,
J = 9.0 Hz), 8.27 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.85 (1H, d, J = 6.9 Hz), 9.18 (1H, brs),
10.82 (1H, brs); Anal. Calcd for C21H26ClN5OS·3HCl·3/2H2O: C, 44.38; H,
5.67; N, 12.32. Found: C, 44.24; H, 5.71; N, 12.23; LC–MS (ESI) m/z 432.2
[M+H]+; m.p.: 201-206 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(7-Trifluoromethylquinolin-4-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (20f)
The title compound was prepared in 23% yield (282 mg) using 13 (601 mg,
2.00 mmol) and 1-(7-trifluoromethylquinolin-4-yl)piperazine (619 mg, 2.20
mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.20–2.47 (1H, m), 2.90–3.20 (3H, m), 3.30–4.30
(13H, m), 4.45–4.85 (3H, m), 7.46 (1H, d, J = 6.7 Hz), 7.98 (1H, dd, J = 1.5,
9.0 Hz), 8.43 (1H, d, J = 8.9 Hz), 8.62 (1H, s), 8.96 (1H, d, J = 6.7 Hz); Anal.
71
Calcd for C22H26F3N5OS·3HCl·1/2C2H6O·H2O: C, 44.85; H, 5.56; N, 11.37.
Found: C, 44.94; H, 5.51; N, 11.38; LC–MS (ESI) m/z 466.4 [M+H]+; m.p.:
209 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(Benzimidazol-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (21a)
The title compound was prepared in 43% yield (94 mg) using 13 (128 mg,
0.426 mmol) and 1-(benzimidazol-2-yl)piperazine (86 mg, 0.425 mmol) in
the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.72–2.16 (1H, m), 2.65–4.30 (16H, m), 4.40–4.80
(3H, m), 7.18–7.33 (2H, m), 7.36–7.51 (2H, m), 8.95 (1H, brs), 9.70 (1H,
brs),
10.50
(1H,
brs),
13.71
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C19H26N6OS·2HCl·3H2O: C, 44.44; H, 6.67; N, 16.37. Found: C, 44.67; H,
6.52; N, 16.73; LC–MS (ESI) m/z 387.2 [M+H]+; m.p.: 225 °C.
3-[(2S,4S)-1-Benzyloxycarbonyl-4-(piperazin-1-yl)pyrrolidin-2-ylcarbonyl]thiazolidine (25)
Sodium triacetoxyborohydride (1.72 g, 8.11 mmol) was added to a stirred
solution
of
3-((S)-1-benzyloxycarbonyl-4-oxopyrrolidin-2-ylcarbonyl)-
thiazolidine (24) (1.36 g, 4.07 mmol), 1-(tert-butoxycarbonyl)piperazine
(910
mg,
4.89
mmol)
and
acetic
acid
(0.24
mL,
4.2
mmol)
in
1,2-dichloroethane (40 mL), and the mixture was stirred at room temperature
overnight. The reaction mixture was poured into a saturated aqueous sodium
hydrogen carbonate solution and extracted twice with chloroform. The
combined extracts were washed with brine, dried and concentrated under
72
reduced pressure. The residue was purified by silica gel chromatography
with
ethyl
acetate
to
give
3-[(2S,4S)-1-benzyloxycarbonyl-4-(4-tert-
butoxycarbonylpiperazin-1-yl)pyrrolidin-2-ylcarbonyl]thiazolidine (1.80 g,
88%) as a colorless powder.
A mixture of the above compound (1.79 g, 3.55 mmol) and trifluoroacetic
acid (10 mL) in dichloromethane (100 mL) was stirred at room temperature
overnight. The reaction mixture was concentrated under reduced pressure,
and the residue was poured into a saturated aqueous sodium hydrogen
carbonate solution and extracted twice with chloroform. The combined
extracts were washed with brine, dried and concentrated under reduced
pressure to give the title compound 25 (1.38 g, 96%) as a colorless powder.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.46–1.55 (1H, m), 1.90–3.14 (13H, m), 3.52–3.88
(3H, m), 4.33–4.72 (3H, m), 4.87–5.08 (2H, m), 7.27–7.43 (5H, m); LC–MS
(ESI) m/z 405.4 [M+H]+.
3-{(2S,4S)-4-[4-(5-Chlorobenzimidazol-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2ylcarbonyl}thiazolidine trihydrobromide (21b)
A mixture of 25 (345 mg, 0.853 mmol), 2,5-dichlorobenzimidazole (26a)
(191 mg, 1.02 mmol) and N,N-diisopropylethylamine (0.18 mL, 1.0 mmol) in
N-methyl-2-pyrrolidone (6 mL) was stirred at 100
o
C for overnight. The
reaction mixture was poured into water and extracted twice with ethyl
acetate.
The
combined
extracts
were
washed
with
brine,
dried
and
concentrated under reduced pressure. The residue was purified by high
performance
liquid
chromatography
to
give
3-{(2S,4S)-1-
benzyloxycarbonyl-4-[4-(5-chlorobenzimidazol-2-yl)piperazin-1-yl]73
pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine
(122
mg,
26%)
as
a
pale-yellow
powder.
A mixture of the above compound (110 mg, 0.198 mmol) and 30% hydrogen
bromide-acetic acid solution (10 mL) was stirred at room temperature for 6 h.
Diethyl ether was added to the reaction mixture, and the precipitate was
collected by filtration and recrystallized with ethanol to give the title
compound 21b (56 mg, 40%) as a colorless powder.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.76–1.96 (1H, m), 2.70–4.87 (16H, m), 4.46–4.74
(3H, m), 7.32 (1H, dd, J = 1.7, 8.5 Hz), 7.44 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.48 (1H, d,
J = 1.7 Hz), 8.96 (1H, brs), 9.59 (1H, brs), 13.15 (1H, brs); Anal. Calcd for
C19H25ClN6OS·3HBr·2H2O: C, 32.61; H, 4.61; N, 12.01. Found: C, 32.65; H,
4.38; N, 11.82; LC–MS (ESI) m/z 421.2 [M+H]+.
2-Chlorobenzimidazole-5-carbonitrile (26b)
A
solution
of
bis(trichloromethyl)carbonate
(2.12
g,
7.14
mmol)
in
tetrahydrofuran (20 mL) was added dropwise to a stirred solution of
3,4-diaminobenzonitrile (2.60 g, 18.2 mmol) and pyridine (2 mL, 25 mmol)
in DMF (20 mL) under ice-cooling. The mixture was stirred at room
temperature for 18 h. Dilute hydrochloric acid was added to the reaction
mixture, and the mixture was extracted twice with ethyl acetate. The
combined extracts were washed with brine, dried and concentrated under
reduced pressure. To the residue was added ethyl acetate, and then the
precipitate
was
collected
by
filtration
to
give
2-hydroxybenzimidazole-5-carbonitrile (896 mg, 29%) as a purple solid.
1
H NMR (DMSO-d6): 7.07 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.31 (1H, s), 7.39 (1H, d, J
74
= 8.2 Hz), 11.03 (1H, brs), 11.16 (1H, brs); LC–MS (ESI) m/z 160.0 [M+H]+.
A mixture of the above compound (894 mg, 5.62 mmol) and phosphorus
oxychloride (12 mL) was refluxed for 3 h. The reaction mixture was added to
ice, and extracted twice with ethyl acetate. The combined extracts were
washed with brine, dried and concentrated under reduced pressure. The
residue was purified by silica gel chromatography with n-hexane/ethyl
acetate (2:3, v/v) to give the title compound 26b (322 mg, 32%) as a
colorless powder.
LC–MS (ESI) m/z 178.0 [M+H]+.
3-{(2S,4S)-4-[4-(5-Cyanobenzimidazol-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (21c)
3-{(2S,4S)-1-Benzyloxycarbonyl-4-[4-(5-cyanobenzimidazol-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine was prepared in 54%
yield using 26b in the procedures outlined for 21b.
A mixture of the above compound (200 mg, 0.367 mmol) and thioanisole
(0.43 mL, 3.7 mmol) in trifluoroacetic acid (10 mL) was stirred at room
temperature overnight. Diethyl ether was added to the reaction mixture, and
the precipitate was collected by filtration and purified by high performance
liquid chromatography and converted to hydrochloride salt with 4 mol/L
hydrogen chloride in ethyl acetate to give the title compound 21c (50 mg,
26%) as a colorless powder.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.89–2.09 (1H, m), 2.78–4.20 (16H, m), 4.47–4.82
(3H, m), 7.51 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.61 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.81 (1H, s), 8.97
(1H,
brs),
10.28
(1H,
brs);
75
Anal.
Calcd
for
C20H25N7OS·3HCl·2/5C4H8O2·27/10H2O:
C,
42.90;
H,
6.10;
N,
16.21.
Found: C, 42.92; H, 5.82; N, 16.12; LC–MS (ESI) m/z 412.4 [M+H]+; FTIR
(KBr): 3369, 2929, 2226, 1652, 1459, 1371, 1280 cm-1.
3-{(2S,4S)-4-[4-(Benzoxazol-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (22a)
The title compound was prepared in 34% yield (286 mg) using 13 (601 mg,
2.00 mmol) and 1-(benzoxazol-2-yl)piperazine (610 mg, 3.00 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.20–2.42 (1H, m), 2.89–3.20 (3H, m), 3.25–4.35
(13H, m), 4.40–4.80 (3H, m), 7.10 (1H, dt, J = 1.2, 7.5 Hz), 7.22 (1H, dt, J =
1.2, 7.8 Hz), 7.37 (1H, dd, J = 0.6, 7.8 Hz), 7.47 (1H, d, J = 7.8 Hz), 9.25
(1H,
brs),
11.00
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C19H25N5O2S·3HCl·3/10C2H6O·3/2H2O: C, 43.78; H, 6.15; N, 13.02. Found:
C, 43.74; H, 6.23; N, 13.18; LC–MS (ESI) m/z 388.4 [M+H]+; m.p.:
202-217 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(5-Cyanobenzoxazol-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin2-ylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (22b)
The title compound was prepared in 28% yield (302 mg) using 13 (601 mg,
2.00 mmol) and 1-(5-cyanobenzoxazol-2-yl)piperazine (502 mg, 2.20 mmol)
in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.94–2.26 (1H, m), 2.80–3.00 (1H, m), 3.00–4.30
(15H, m), 4.45–4.78 (3H, m), 7.56 (1H, dd, J = 1.8, 8.4 Hz), 7.66 (1H, d, J =
8.4 Hz), 7.83 (1H, d, J = 1.5 Hz), 9.05 (1H, brs), 10.43 (1H, brs); Anal.
76
Calcd for C20H24N6O2S·2HCl·1/2H2O: C, 48.58; H, 5.50; N, 17.00. Found: C,
48.33; H, 5.58; N, 16.71; LC–MS (ESI) m/z 413.4 [M+H]+; m.p.: 258 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(Benzothiazol-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (23a)
The title compound was prepared in 64% yield (591 mg) using 13 (601 mg,
2.00 mmol) and 1-(benzothiazol-2-yl)piperazine (482 mg, 2.20 mmol) in the
procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.20–2.44 (1H, m), 2.90–3.20 (3H, m), 3.35–4.30
(13H, m), 4.42–4.82 (3H, m), 7.16 (1H, t, J = 7.2 Hz), 7.35 (1H, t, J = 7.2
Hz), 7.55 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.86 (1H, d, J = 7.5 Hz), 9.25 (1H, brs), 10.90
(1H, brs); Anal. Calcd for C19H25N5OS2·3HCl·1/5C2H6O· H2O: C, 43.14; H,
5.82; N, 12.96. Found: C, 43.07; H, 5.70; N, 12.99; LC–MS (ESI) m/z 404.4
[M+H]+; m.p.: 216-225 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(5-Cyanobenzothiazol-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2ylcarbonyl}thiazolidine Dihydrochloride (23b)
The title compound was prepared in 48% yield (500 mg) using 13 (601 mg,
2.00 mmol) and 1-(5-cyanobenzothiazol-2-yl)piperazine (601 mg, 2.46
mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.04–2.28 (1H, m), 2.82–3.00 (1H, m), 3.00–4.30
(15H, m), 4.43–4.80 (3H, m), 7.53 (1H, dd, J = 1.5, 8.2 Hz), 7.93 (1H, d, J =
1.5 Hz), 8.07 (1H, d, J = 8.2 Hz), 9.08 (1H, brs), 10.51 (1H, brs); Anal.
Calcd for C20H24N6OS2·2HCl·H2O: C, 46.24; H, 5.43; N, 16.18. Found: C,
46.05; H, 5.41; N, 16.04; LC–MS (ESI) m/z 429.2 [M+H]+; m.p.: 213 °C.
77
第四章に関する実験
1-Benzyloxycarbonyl-4-[(methylthio)phenyliminomethyl]piperazine
(29a)
Phenyl isothiocyanate (2.9 mL, 24 mmol) was added to a stirred solution of
1-benzyloxycarbonylpiperazine (5.00 g, 22.7 mmol) in acetone (50 mL), and
the mixture was stirred for 1 h at room temperature. The precipitate was
collected
by
filtration
and
washed
with
acetone
to
give
1-(anilinocarbothioyl)-4-(benzyloxycarbonyl)piperazine (5.08 g, 63%) as a
c o l o r l e s s p o w d e r.
1
H N M R ( D M S O - d 6 ) : δ 3 . 5 2 ( 4 H , b r s ) , 3 . 9 3 ( 4 H , b r s ) , 5 . 1 2 ( 2 H , s ) , 7 . 11 ( 1 H ,
t, J = 8.5 Hz), 7.27–7.45 (9H, m), 9.37 (1H, brs).
Methyl iodide (1.1 mL, 18 mmol) was added to a solution of the above
compound (5.07 g, 14.3 mmol) in methanol (100 mL) under ice-cooling, and
the mixture stirred at room temperature for 17 h. The reaction mixture was
concentrated
under
reduced
pressure.
The
residue
was
poured
into
a
saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution and extracted twice
with dichloromethane. The combined extracts were washed with brine, dried
and concentrated under reduced pressure to give the title compound 29a
(5.71 g, quant.) as a pale yellow oil.
1
H NMR (CDCl3): δ 2.03 (3H, s), 3.59 (8H, brs), 5.17 (2H, s), 6.87 (2H, d, J
= 7.3 Hz), 7.00 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.26 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.32–7.43 (5H,
m).
1-(1-Phenyl-1H-imidazol-2-yl)piperazine (30a)
78
A mixture of 29a (3.00 g, 8.12 mmol) and aminoacetaldehyde dimethyl acetal
(1.8 mL, 17 mmol) in pyridine (15 mL) was stirred at 100 oC for 2 days. The
reaction mixture was concentrated under reduced pressure. The residue was
poured into a saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution and
extracted twice with chloroform. The combined extracts were washed with
brine, dried and concentrated under reduced pressure. A solution of the
residue in 2 mol/L hydrochloric acid (30 mL) was stirred for 2 h at 100 °C.
After cooling to room temperature, the reaction mixture was poured into a
saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution and extracted twice
with chloroform. The combined extracts were washed with brine, dried and
concentrated under reduced pressure. The residue was purified by silica gel
chromatography
with
chloroform/methanol
(30:1,
v/v)
1-benzyloxycarbonyl-4-(1-phenyl-1H-imidazol-2-yl)piperazine
to
(1.16
give
g,
39%) as a brown oil.
1
H NMR (CDCl3): δ 2.96–3.03 (4H, m), 3.44–3.52 (4H, m), 5.12 (2H, s), 6.86
(1H, d, J = 1.6 Hz), 6.88 (1H, d, J = 1.6 Hz), 7.27-7.54 (10H, m).
To t h e a b o v e c o m p o u n d ( 1 . 1 6 g , 3 . 2 0 m m o l ) i n m e t h a n o l ( 3 0 m L ) w a s a d d e d
10% palladium on carbon (232 mg). The mixture was stirred at room
temperature for 20 h under a hydrogen atmosphere (1 atm). Palladium on
carbon was removed by filtration. The filtrate was concentrated under
reduced pressure to give the title compound 30a (742 mg, quant.) as a
colorless amorphous.
1
H NMR (CDCl3): δ 3.04–3.28 (8H, m), 3.49 (1H, s), 6.85 (1H, d, J = 1.6 Hz),
6.88 (1H, d, J = 1.6 Hz), 7.34–7.52 (5H, m).
79
3-{(2S,4S)-4-[4-(1-Phenyl-1H-imidazol-1-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (27b)
The title compound was prepared in 58% yield (1.15 g) using 13 (901 mg,
3.00 mmol) and 30a (740 mg, 3.24 mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.10–2.26 (1H, m), 2.83–4.05 (16H, m), 4.43–4.77
(3H, m), 7.48 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.53 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.54-7.72 (5H, m),
9.07
(1H,
brs),
10.98
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C21H28N6OS·3HCl·3/5C4H8O2·5/2H2O: C, 45.34; H, 6.63; N, 13.56. Found: C,
45.16; H, 6.86; N, 13.66; LC–MS (ESI) m/z 413.4 [M+H]+; m.p.: >182 °C.
3-{(2S,4S)-4-[4-(4-Phenylthiazol-2-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (27c)
The title compound was prepared in 83% yield (1.41 g) using 13 (901 mg,
3.00 mmol) and 4-phenyl-2-(piperazin-1-yl)thiazole (810 mg, 3.30 mmol) in
the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.27–2.42 (1H, m), 2.95–3.18 (3H, m), 3.37–4.18
(16H, m), 4.47–4.78 (3H, m), 7.30 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.37-7.45 (3H, m),
7.87 (2H, d, J = 7.1 Hz), 9.17 (1H, brs), 10.93 (1H, brs); Anal. Calcd for
C21H27N5OS2·33/10HCl·2/5C2H6O: C, 46.07; H, 5.80; N, 12.32. Found: C,
4 5 . 8 4 ; H , 6 . 1 4 ; N , 11 . 9 3 ; L C – M S ( E S I ) m / z 4 3 0 . 4 [ M + H ] + ; m . p . : > 1 3 5 ° C .
3-{(2S,4S)-4-[4-(1-Phenyl-1H-tetrazol-5-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (27d)
The title compound was prepared in 68% yield (863 mg) using 13 (696 mg,
2.31 mmol) and 1-(1-phenyl-1H-tetrazol-5-yl)piperazine (590 mg, 2.56
80
mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.02–2.22 (1H, m), 2.80–3.95 (16H, m), 4.45–4.73
(3H, m), 7.57–7.73 (5H, m), 9.04 (1H, brs), 10.61 (1H, brs); Anal. Calcd for
C19H26N8OS·5/2HCl·1/4C4H8O2·1/2H2O: C, 44.76; H, 5.92; N, 20.88. Found:
C, 44.82; H, 6.31; N, 20.94; LC–MS (ESI) m/z 415.4 [M+H]+; m.p.: 184 °C.
1-(1-Cyclohexyl-1H-tetrazol-5-yl)piperazine (30b)
Cyclohexyl isocyanate (1.2 mL, 9.4 mmol) was added to a solution of
1-benzyloxycarbonylpiperazine (2.07 g, 9.40 mmol) in dichloromethane (50
mL), and the mixture was stirred for 1 h at room temperature, and then
concentrated under reduced pressure. Phosphorus oxychloride (8.8 mL, 94
mmol) was added to a stirred solution of the residue in tetrahydrofuran (100
mL), and the mixture was refluxed for 18 h. The reaction mixture was
concentrated under reduced pressure, and a 0.5 mol/L triazole in acetonitrile
(100 mL, 50 mmol) was added to the residue. The mixture was stirred at
room temperature for 3 h, and then concentrated under reduced pressure. The
residue was poured into a saturated aqueous sodium hydrogen carbonate
solution and extracted twice with ethyl acetate. The combined extracts were
washed with brine, dried and concentrated under reduced pressure. An
aqueous solution (20 mL) of sodium azide (6.50 g, 100 mmol) was added to
the residue in methanol (100 mL), and the mixture was stirred at 70 oC for 3
h , a n d t h e n c o n c e n t r a t e d u n d e r r e d u c e d p r e s s u r e . Wa t e r w a s a d d e d t o t h e
residue, and the mixture was extracted twice with ethyl acetate. The
combined extracts were washed with brine, dried and concentrated under
reduced pressure. The residue was purified by silica gel chromatography
81
with n-hexane/ethyl acetate (7:3, v/v) to give 1-benzyloxycarbonyl-4( 1 - c y c l o h e x y l - 1 H - t e t r a z o l - 5 - y l ) p i p e r a z i n e ( 3 9 0 m g , 11 % ) a s a c o l o r l e s s
p o w d e r.
The title compound was prepared quantitatively using the above compound
in the procedures outlined for 30a.
1
H NMR (CDCl3): δ 1.28-1.47 (3H, m), 1.68–2.07 (7H, m), 3.04–3.08 (4H,
m), 3.18–3.23 (4H, m), 3.37-3.57 (1H, m), 3.95–4.08 (1H, m).
3-{(2S,4S)-4-[4-(1-Cyclohexyl-1H-tetrazol-5-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (27e)
The title compound was prepared in 56% yield (302 mg) using 13 (290 mg,
0.965 mmol) and 30b (248 mg, 1.05 mmol) in the procedures outlined for
14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.20–1.34 (1H, m), 1.40–1.50 (2H, m), 1.64–1.88 (5H,
m), 1.97–2.03 (2H, m), 2.12–2.32 (1H, m), 2.90–4.05 (16H, m), 4.25 (1H, m),
4.48–4.75 (3H, m), 9.10 (1H, brs), 10.67 (1H, brs); Anal. Calcd for
C19H32N8OS·5/2HCl·1/10C4H8O2·1/2H2O:
C,
44.00;
H,
6.91;
N,
21.16.
Found: C, 44.02; H, 7.29; N, 20.90; LC–MS (ESI) m/z 421.2 [M+H]+; m.p.:
178 °C.
1-(1-Phenyl-5-pyrazolyl)piperazine (30c)
A 1 mol/L aqueous sodium hydroxide solution (29 mL, 29.0 mmol) was added
to a stirred solution of ethyl 3,3-diethoxypropionate (5.34 g, 28.1 mmol) in
tetrahydrofuran (60 mL), and the mixture was stirred for 12 h at room
t e m p e r a t u r e , a n d t h e n c o n c e n t r a t e d u n d e r r e d u c e d p r e s s u r e . To a s o l u t i o n o f
82
the residue in DMF (60 mL) were added HOBt (5.16 g, 33.7 mmol), EDC
hydrochloride (6.46 g, 33.7 mmol) and 1-benzyloxycarbonylpiperazine (6.20
g, 28.1 mmol) at room temperature. The mixture was stirred at room
temperature for 6 h, and then concentrated under reduced pressure. The
residue was poured into water and extracted twice with ethyl acetate. The
combined extracts were washed with a saturated aqueous sodium hydrogen
carbonate solution and brine, dried and concentrated under reduced pressure.
The residue was purified by silica gel with n-hexane/ethyl acetate (3:7, v/v)
to give 1-benzyloxycarbonyl-4-(3,3-diethoxypropionyl)piperazine (10.1 g,
98%) as an oil.
A 50% aqueous trifluoroacetic acid solution (20 mL) was added to a stirred
solution of the above compound (3.28 g, 9.00 mol) in chloroform (30 mL)
under ice-cooling, and the reaction mixture was stirred at room temperature
for 24 h. The reaction solution was extracted twice with chloroform. The
combined extracts were washed with water and brine, dried and concentrated
u n d e r r e d u c e d p r e s s u r e . To a s o l u t i o n o f t h e r e s i d u e i n e t h a n o l ( 6 0 m L ) w a s
added phenylhydrazine (0.89 mL, 9.0 mmol) and methanesulfonic acid
(0.060 mL, 0.90 mmol), and the solution was stirred at room temperature for
3 h. Pyridine (1.0 mL) was added, and then the mixture was concentrated
u n d e r r e d u c e d p r e s s u r e . To a s o l u t i o n o f t h e r e s i d u e i n p y r i d i n e ( 5 0 m L ) , w a s
added phosphorus oxychloride (1.68 mL, 18.0 mmol). The mixture was
stirred at room temperature for 18 h, and then concentrated under reduced
pressure. The residue was poured into water and extracted twice with ethyl
acetate.
The
combined
extracts
were
washed
with
brine,
dried
and
concentrated under reduced pressure. The residue was purified by silica gel
83
chromatography
with
n-hexane/ethyl
acetate
(7:3,
v/v)
to
give
1 - b e n z y l o x y c a r b o n y l - 4 - ( 1 - p h e n y l p y r a z o l - 5 - y l ) p i p e r a z i n e ( 0 . 2 2 g , 11 % ) a s
an oil.
1
H NMR (CDCl3): δ 2.83 (4H, brs), 3.49–3.48 (4H, m), 5.12 (2H, s), 5.85
(1H, d, J = 1.9 Hz), 7.24–7.45 (8H, m), 7.51 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.78 (2H, d,
J = 8.2 Hz).
The title compound 30c was prepared quantitatively using the above
compound in the procedures outlined for 30a.
1
H NMR (CDCl3): δ 3.06–3.18 (8H, m), 5.93 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.32 (1H, t,
J = 7.5 Hz), 7.45 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.54 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.72 (2H, d, J
= 7.5 Hz).
3-{(2S,4S)-4-[4-(1-Phenyl-1H-pyrazol-5-yl)piperazin-1-yl]pyrrolizin-2ylcarbonyl}thiazolidine trihydrochloride (27f)
The title compound was prepared in 50% yield (168 mg) using 13 (180 mg,
0.600 mmol) and 30c (137 mg, 0.601 mmol) in the procedures outlined for
14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.10–2.30 (1H, m), 2.80–4.10 (16H, m), 4.46–4.74
(3H, m), 6.10 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.34–7.37 (1H, m), 7.49–7.52 (2H, m) ,
7.56 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.79–7.81 (2H, m), 9.07 (1H, brs), 10.65 (1H, brs);
Anal. Calcd for C21H28N6OS·5/2HCl·1/2C4H8O2· 3/4H2O: C, 49.22; H, 6.46;
N, 14.97. Found: C, 49.25; H, 6.59; N, 15.20; LC–MS (ESI) m/z 413.4
[M+H]+; m.p.: 187 °C.
1-Acetoacetyl-4-tert-butoxycarbonylpiperazine (29d)
84
A solution of 1-tert-butyloxycarbonylpiperazine (5.02 g, 27.0 mmol) and
diketene (2.50 mL 32.6 mmol) in DMF (90 mL) was stirred for 1.5 h at room
temperature, and then concentrated under reduced pressure. The residue was
poured into water and extracted twice with ethyl acetate. The combined
extracts were washed with brine, dried and concentrated under reduced
p r e s s u r e t o g i v e t h e t i t l e c o m p o u n d ( 6 . 2 6 g , 8 6 % ) a s a p a l e - b r o w n p o w d e r.
1
H NMR (DMSO-d6): δ 1.41 (9H, s), 2.15 (3H, s), 3.27–3.35 (6H, m), 3.43
(2H, m), 3.66 (2H, s).
1-(3-Methyl-1-phenyl-5-pyrazolyl)piperazine (30d)
To a s o l u t i o n o f 2 9 d ( 6 . 2 4 g , 2 3 . 1 m m o l ) i n e t h a n o l ( 5 0 0 m L ) w a s a d d e d
phenylhydrazine (2.27 mL, 23.1mmol) and methanesulfonic acid (0.35 mL,
5.4 mmol) at room temperature. The mixture was stirred for 14 h, and then
pyridine (6 mL) was added. The mixture was concentrated under reduced
pressure. A solution of the residue and phosphorus oxychloride (5.0 mL, 54
mmol) in pyridine (250 mL) was stirred for 20 h at room temperature, and
then concentrated under reduced pressure. The residue was acidified with
dilute hydrochloric acid to pH 3. The mixture was extracted twice with ethyl
acetate. The combined extracts were washed with a saturated aqueous
sodium hydrogen carbonate solution and brine, dried and concentrated under
reduced pressure. The residue was purified by silica gel chromatography
with
n-hexane/ethyl
acetate
(7:3,
v/v)
to
give
1-tert-butoxycarbonyl-
4-(3-methyl-1-phenyl-1H-pyrazol-5-yl)piperazine (935 mg, 12%) as an oil.
1
H NMR (DMSO-d6): δ 1.39 (9H, s), 2.15 (3H, s), 2.73 (4H, m), 3.37 (4H, m),
5.83 (1H, s), 7.28 (1H, t, J = 7.4 Hz), 7.46 (2H, t, J = 7.4 Hz), 7.76 (2H, d, J
85
= 7.4 Hz).
Tr i f l u o r o a c e t i c a c i d ( 5 m L ) w a s a d d e d t o a s o l u t i o n o f t h e a b o v e c o m p o u n d
(935 mg, 2.72 mmol) in dichloromethane (10 mL) at room temperature. The
mixture was stirred for 1.5 h, and then concentrated under reduced pressure.
T h e r e s i d u e w a s p o u r e d i n t o w a t e r ( 5 0 m L ) a n d w a s h e d w i t h d i e t h y l e t h e r.
The aqueous layer was basified with an aqueous sodium hydrogen carbonate
solution,
and
the
mixture
was
extracted
twice
with
chloroform.
The
combined extracts were dried and concentrated under reduced pressure to
g i v e t h e t i t l e c o m p o u n d 3 0 d ( 5 8 4 m g , 8 8 % ) a s a b r o w n p o w d e r.
1
H NMR (DMSO-d6): δ 2.14 (3H, s), 2.66–2.76 (8H, m), 5.77 (1H, s), 7.26
(1H, t, J = 7.5 Hz), 7.45 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.76 (2H, d, J = 7.5 Hz).
3-{(2S,4S)-4-[4-(3-Methyl-1-phenyl-1H-pyrazol-5-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-yl-carbonyl}thiazolidine hemipentahydrobromide (27g)
3-{(2S,4S)-1-tert-Butoxycarbonyl-4-[4-(3-methyl-1-phenyl-1H-pyrazol-5yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-yl-carbonyl}thiazolidine
was
prepared
in
50 % yield using 30d in the procedures outlined for 14a.
To a s o l u t i o n o f t h e a b o v e c o m p o u n d ( 2 5 . 5 g ) i n d i c h l o r o m e t h a n e ( 2 0 0 m L )
was added trifluoroacetic acid (50 mL) at room temperature. The mixture
was stirred for 19 h, and then concentrated under reduced pressure. The
residue was poured into a saturated aqueous sodium hydrogen carbonate
solution and extracted twice with chloroform. The combined extracts were
washed with brine, dried and concentrated under reduced pressure. The
residue
was
purified
by
silica
gel
column
chromatography
with
chloroform/methanol (9:1, v/v) to give free base of the title compound (19.3
86
g, 93%) as a solid.
To a s o l u t i o n o f t h e a b o v e c o m p o u n d ( 5 . 0 9 g , 11 . 9 m m o l ) i n e t h a n o l ( 5 1 m L )
was added 48% hydrobromic acid (5.03 g) at the refluxing temperature, The
mixture was cooled to room temperature over 1 h with stirring, and further
stirred at room temperature for 1 h. The precipitate was collected by
filtration, washed with ethanol (5 mL) to give the title compound as
colorless crystals (6.76 g, 90%).
1
H NMR (DMSO-d6): δ 2.28-2.08 (1H, m), 2.17 (3H, s), 2.95–4.22 (16H, m),
4.43–4.80 (3H, m), 5.95 (1H, s), 7.32 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.48 (2H, t, J = 7.5
Hz), 7.78 (2H, d, J = 7.5 Hz), 9.18 (1H, brs),9.90 (1H, brs); Anal. Calcd. for
C22H30N6OS·5/2HBr·3/2H2O: C, 40.29; H, 5.46; N, 12.81. Found: C, 40.23;
H, 5.34; N, 12.81; LC–MS (ESI) m/z 427.4 [M+H]+; m.p.: 201 °C; FTIR
( K B r ) : 3 3 0 0 , 3 11 6 , 2 8 5 0 , 2 5 5 0 , 1 6 4 7 , 1 5 9 2 , 1 5 7 2 , 1 4 9 6 , 1 4 5 0 , 1 3 8 5 , 1 3 6 1 ,
768, 692 cm-1.
( 3 - Tr i f l u o r o m e t h y l - 1 - p h e n y l - 1 H - p y r a z o l - 5 - y l ) p i p e r a z i n e ( 3 0 e )
Acetic
anhydride
(9.0
mL,
95
mmol)
was
added
to
a
solution
of
1-benzyloxycarbonylpiperazine (19.0 g, 86.3 mmol) in pyridine (150 mL) at
room
temperature,
and
the
mixture
was
stirred
for
18
h,
and
then
concentrated under reduced pressure. The residue was poured into a 10%
aqueous citric acid solution and extracted twice with ethyl acetate. The
combined extracts were washed with brine, dried and concentrated under
reduced pressure to give 4-acetyl-1-benzyloxycarbonylpiperazine (22.6 g,
quant.) as an oil.
1
H NMR (DMSO-d6): δ 2.78 (3H, s), 3.35–3.68 (8H, m), 5.10 (2H, s), 7.28–
87
7.42 (5H, m).
A 1 mol/L lithium bis(trimethylsilyl)amide in tetrahydrofuran (41 mL, 41
mmol) was added dropwise to a stirred solution of the above compound (7.12
g, 27.1 mmol) in tetrahydrofuran (150 mL) at -78
o
C over 40 min, and the
mixture was stirred at constant temperature for 1 h. A solution of ethyl
trifluoroacetate (4.85 mL, 40.1 mmol) in tetrahydrofuran (20 mL) was added
to the reaction solution and warming to room temperature over 18 h. The
mixture was poured into a saturated aqueous ammonium chloride solution
and extracted twice with ethyl acetate. The combined extracts were washed
with brine, dried and concentrated under reduced pressure. The residue was
purified by silica gel chromatography with n-hexane/ethyl acetate (7:3, v/v)
to give 1-benzyloxycarbonyl-4- (trifluoroacetoacetyl)piperazine 29c (7.35 g,
76%) as a pale-yellow solid.
The title compound 30e was prepared in 13% yield using the above
compound 29c in the procedures outlined for 30c.
1
H NMR (CDCl3): δ 3.22 (8H, brs), 6.21 (1H, s), 7.42 (1H, t, J = 7.5 Hz),
7.49 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.66 (2H, d, J = 7.5 Hz), 9.96 (1H, brs).
3 - { ( 2 S , 4 S ) - 4 - [ 4 - ( 3 - Tr i f l u o r o m e t h y l - 1 - p h e n y l - 1 H - p y r a z o l - 5 - y l ) piperazin-1-yl]pyrrolizin-2-ylcarbonyl}thiazolidine
trihydrochloride
(27h)
The title compound was prepared in 52% yield (294 mg) using 13 (280 mg,
0.932 mmol) and 30e (286 mg, 0.965 mmol) in the procedures outlined for
14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.00–2.28 (1H, m), 2.80–4.00 (16H, m), 4.44–4.74
88
(3H, m), 6.64 (1H, s), 7.44–7.49 (1H, m), 7.54–7.59 (2H, m), 7.77–7.79 (2H,
m),
9.03
(1H,
brs),
10.55
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C22H27F3N6OS·5/2HCl·1/4H2O: C, 45.86; H, 5.25; N, 14.59. Found: C,
45.89; H, 5.63; N, 14.23; LC–MS (ESI) m/z 481.4 [M+H]+.
1-[1-(4-Fluorophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazine (30f)
The
title
compound
was
prepared
in
38%
yield
from
29d
using
4-fluorophenylhydrazine hydrochloride in the procedures outlined for 30d.
1
H NMR (CDCl3): δ 2.26 (3H, s), 2.75–2.92 (8H, m), 5.68 (1H, s), 7.10 (2H,
ddd, J = 2.3, 4.8, 8.4 Hz), 7.72–7.79 (2H, m).
3-((2S,4S)-4-{4-[1-(4-Fluorophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazin-1-yl}pyrrolizin-2-ylcarbonyl)thiazolidine
trihydrochloride
(27i)
The title compound was prepared in 41% yield (1.37 g) using 13 (1.36 g,
4.54 mmol) and 30f (1.42 g, 5.45 mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.17 (3H, s), 2.20–2.40 (1H, m), 2.90-4.35(16H, m),
4.43–4.82 (3H, m), 5.95 (1H, s), 7.21-7.37 (2H, m), 7.74–7.89 (2H, m), 9.13
(1H,
brs),
11 . 1 0
(1H,
brs);
Anal.
Calcd
for
C22H29FN6OS·
3 H C l · 1 / 2 C 4 H 8 O 2 · 11 / 1 0 H 2 O : C , 4 4 . 8 0 ; H , 6 . 4 4 ; N , 1 3 . 6 3 . F o u n d : C , 4 4 . 6 7 ; H ,
6.38; N, 13.64; LC–MS (ESI) m/z 445.2 [M+H]+; m.p.: >145 °C.
1-[1-(3-Fluorophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazine (30g)
The
title
compound
was
prepared
in
23%
yield
from
29d
using
3-fluorophenylhydrazine hydrochloride in the procedures outlined for 30d.
89
1
H NMR (CDCl3): δ 2.27 (3H, s), 2.82–2.97 (8H, m), 5.69 (1H, s), 6.91–6.98
(1H, m), 7.31–7.40 (1H, m), 7.60–7.67 (2H, m).
3-((2S,4S)-4-{4-[1-(3-Fluorophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazin-1-yl}pyrrolizin-2-ylcarbonyl)thiazolidine
trihydrochloride
(27j)
The title compound was prepared in 72% yield (1.58 g) using 13 (1.17 g,
3.91 mmol) and 30g (1.12 g, 4.30 mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.10–2.35 (1H, m), 2.17 (3H, s), 2.90–4.15 (16H, m),
4 . 4 6 – 4 . 7 6 ( 3 H , m ) , 5 . 9 8 ( 1 H , s ) , 7 . 11 – 7 . 1 9 ( 1 H , m ) , 7 . 4 7 – 7 . 5 5 ( 1 H , m ) ,
7.59–7.64 (1H, m), 7.70–7.73 (1H, m), 9.09 (1H, brs), 10.79 (1H, brs); Anal.
Calcd for C22H29FN6OS·3HCl·3/4H2O: C, 46.56; H, 5.95; N, 14.81. Found: C,
46.63; H, 6.29; N, 14.45; LC–MS (ESI) m/z 445.4 [M+H]+; m.p.: 172 °C.
1-[1-(2-Fluorophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazine (30h)
The
title
compound
was
prepared
in
23%
yield
from
29d
using
2-fluorophenylhydrazine hydrochloride in the procedures outlined for 30d.
1
H NMR (CDCl3): δ 2.28 (3H, s), 2.79 (8H, brs), 5.67 (1H, s), 7.16–7.55 (4H,
m).
3-((2S,4S)-4-{4-[1-(2-Fluorophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazin-1-yl}pyrrolizin-2-ylcarbonyl)thiazolidine
trihydrochloride
(27k)
The title compound was prepared in 67% yield (594 mg) using 13 (472 mg,
1.57 mmol) and 30h (430 mg, 1.65 mmol) in the procedures outlined for 14a.
90
1
H NMR (DMSO-d6): 2.03–2.25 (1H, m), 2.16 (3H, s), 2.72–4.00 (16H, m),
4.45–4.71 (3H, m), 5.91 (1H, s), 7.32–7.35 (1H, m), 7.40–7.44 (1H, m),
7.51–7.57 (2H, m), 9.02 (1H, brs), 10.41 (1H, brs); Anal. Calcd for
C22H29FN6OS·3HCl·3/2H2O: C, 45.48; H, 6.07; N, 14.43. Found: C, 45.61; H,
5.96; N, 14.14; LC–MS (ESI) m/z 445.4 [M+H]+; m.p.: 162 °C.
1-[1-(4-Chlorophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazine (30i)
The
title
compound
was
prepared
in
32%
yield
from
29d
using
4-chlorophenylhydrazine hydrochloride in the procedures outlined for 30d.
LC–MS (ESI) m/z 277.4 [M+H]+.
3-((2S,4S)-4-{4-[1-(4-Chlorophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazin-1-yl}pyrrolizin-2-ylcarbonyl)thiazolidine
trihydrochloride
(27l)
The title compound was prepared in 73% yield (2.10 g) using 13 (1.50 g,
4.99 mmol) and 30i (1.70 g, 5.84 mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.17 (3H, s), 2.25–2.40 (1H, m), 2.95–4.15 (17H, m),
4 . 4 6 – 4 . 7 7 ( 3 H , m ) , 5 . 9 7 ( 1 H , s ) , 7 . 4 8 – 7 . 5 3 ( 2 H , m ) , 9 . 1 3 ( 1 H , b r s ) , 11 . 0 1
(1H, brs); Anal. Calcd for C22H29ClN6OS·5/2HCl·3/2H2O: C, 45.62; H, 6.00;
N, 14.51. Found: C, 45.27; H, 6.29; N, 14.19; LC–MS (ESI) m/z 461.4
[M+H]+; m.p.: 210 °C.
1-[1-(4-Cyanophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazine (30j)
The
title
compound
was
prepared
in
40%
yield
from
29d
using
4-cyanophenylhydrazine hydrochloride in the procedures outlined for 30d.
91
LC–MS (ESI) m/z 269.4 [M+H]+.
3-((2S,4S)-4-{4-[1-(4-Cyanophenyl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazin-1-yl}pyrrolizin-2-ylcarbonyl)thiazolidine
trihydrochloride
(27m)
The title compound was prepared in 67% yield (2.30 g) using 13 (1.80 g,
5.99 mmol) and 30j (2.10 g, 7.35 mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.19 (3H, s), 2.20–2.40 (1H, m), 2.95–4.15 (17H, m),
4.46–4.77 (3H, m), 6.05 (1H, s), 7.91 (2H, d, J = 9.0 Hz), 8.08 (2H, d, J =
9.0Hz),
9.13
(1H,
brs),
10.09
(1H,
brs);
C,
48.53;
C23H29N7OS·5/2HCl·1/20C4H8O2·3/2H2O:
Anal.
H,
Calcd
6.13;
N,
for
17.08.
Found: C, 48.35; H, 6.42; N, 16.71; LC–MS (ESI) m/z 452.4 [M+H]+; m.p.:
220 °C.
1-[3-Methyl-1-(pyridin-4-yl)-1H-pyrazol-5-yl]piperazine (30k)
The
title
compound
was
prepared
in
54%
yield
from
29d
using
4-hydrazinopyridine dihydrochloride in the procedures outlined for 30d.
1
H NMR (CDCl3): δ 2.27 (3H, s), 2.86–2.99 (8H, m), 5.77 (1H, s), 7.92 (2H,
dd, J = 1.6, 4.8 Hz), 8.60 (2H, dd, J = 1.6, 4.8 Hz).
3-((2S,4S)-4-{4-[3-Methyl-1-(pyridin-4-yl)-1H-pyrazol-5-yl]piperazin-1yl}pyrrolizin-2-ylcarbonyl)thiazolidine trimaleate (27n)
The free base of title compound was prepared in 90% yield (4.30 g) using 13
(2.50 g, 8.32 mmol) and 30k (2.40 g, 9.66 mmol) in the procedures outlined
f o r 1 4 a . To t h i s f r e e b a s e ( 3 . 2 0 g , 7 . 4 9 m m o l ) i n e t h a n o l ( 2 0 0 m L ) w a s a d d e d
92
a solution of maleic acid (3.00 g, 25.8 mmol) in ethanol (20 mL) under
ice-cooling. The precipitate was collected by filtration to give the title
c o m p o u n d ( 4 . 3 0 g , 7 4 % ) a s a c o l o r l e s s p o w d e r.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.60–1.80 (1H, m), 2.18 (3H, s), 2.55–3.90 (20H, m),
4.43–4.72 (4H, m), 5.98 (1H, s), 6.18 (6H, s), 7.92–7.94 (2H, m), 8.61–8.63
(2H, m); Anal. Calcd for C21H29N7OS·3C4H4O4: C, 51.09; H, 5.32; N, 12.63.
Found: C, 50.87; H, 5.27; N, 12.58; LC–MS (ESI) m/z 428.4 [M+H]+; m.p.:
168-171 °C.
1-[3-Methyl-1-(pyridin-3-yl)-1H-pyrazol-5-yl]piperazine (30l)
The
title
compound
was
prepared
in
19%
yield
from
29d
using
3-hydrazinopyridine dihydrochloride in the procedures outlined for 30d.
1
H NMR (CDCl3): δ 2.28 (3H, s), 2.83–2.96 (8H, m), 5.76 (1H, s), 7.36 (1H,
dd, J = 4.7, 8.3 Hz), 8.13 (1H, ddd, J = 1.4, 2.4, 8.3 Hz), 8.49 (1H, dd, J =
1.4, 4.7 Hz), 9.15 (1H, d, J = 2.4 Hz).
3-((2S,4S)-4-{4-[3-Methyl-1-(pyridin-3-yl)-1H-pyrazol-5-yl]piperazin-1yl}pyrrolizin-2-ylcarbonyl)thiazolidine trimaleate (27o)
The title compound was prepared in 43% yield (1.00 g) using 13 (900 mg,
3.00 mmol) and 30l (876 mg, 3.60 mmol) in the procedures outlined for 27n.
1
H NMR (DMSO-d6): 1.60–1.78 (1H, s), 2.17 (3H, s), 2.50–3.90 (20H, m),
4.42–4.71 (4H, m), 5.91 (1H, s), 6.19 (6H, s), 7.49–7.53 (1H, m), 8.12–8.16
(1H,
m),
8.18-8.50
(1H,
m),
8.98–8.99
(1H,
m);
Anal.
Calcd
for
C21H29N7OS·3C4H4O4: C, 51.09; H, 5.32; N, 12.63. Found: C, 50.90; H, 5.37;
N, 12.78; LC–MS (ESI) m/z 428.4 [M+H]+; m.p.: 165-167 °C.
93
1-[3-Methyl-1-(pyridin-2-yl)-1H-pyrazol-5-yl]piperazine (30m)
The
title
compound
was
prepared
in
43%
yield
from
29d
using
2-hydrazinopyridine dihydrochloride in the procedures outlined for 30d.
1
H NMR (CDCl3): δ 2.29 (3H, s), 3.14 (8H, brs), 5.75 (1H, s), 7.19 (1H, m),
7.74–7.86 (2H, m), 8.50 (1H, m).
3-((2S,4S)-4-{4-[3-Methyl-1-(pyridin-2-yl)-1H-pyrazol-5-yl]piperazin-1yl}pyrrolizin-2-ylcarbonyl)thiazolidine dimaleate (27p)
The title compound was prepared in 33% yield (176 mg) using 13 (222 mg,
0.740 mmol) and 30m (180 mg, 0.740 mmol) in the procedures outlined for
27n.
1
H NMR (DMSO-d6): 2.19 (3H, s), 2.24–2.44 (1H, m), 2.88-4.20 (16H, m),
4.42–4.80 (3H, m), 5.99 (1H, s), 7.30–7.40 (1H, m), 7.77 (1H, d, J = 8.3 Hz),
7 . 9 2 – 8 . 0 1 ( 1 H , m ) , 8 . 4 6 – 8 . 5 4 ( 1 H , m ) , 9 . 1 4 ( 1 H , b r s ) , 11 . 0 5 ( 1 H , b r s ) ; A n a l .
Calcd for C21H29N7OS·2C4H4O4·H2O: C, 51.39; H, 5.80; N, 14.47. Found: C,
51.54; H, 5.52; N, 14.47; LC–MS (ESI) m/z 428.4 [M+H]+; m.p.: 120-122 °C.
1-[1-(5-Cyanopyridin-2-yl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazine (30n)
The
title
compound
was
prepared
in
19%
yield
from
29d
using
2-cyano-5-hydrazinopyridine in the procedures outlined for 30d. LC–MS
(ESI) m/z 269.4 [M+H]+.
3-((2S,4S)-4-{4-[1-(5-Cyanopyridin-2-yl)-3-methyl-1H-pyrazol-5-yl]piperazin-1-yl}pyrrolizin-2-ylcarbonyl)thiazolidine
(27q)
94
trihydrochloride
The title compound was prepared in 72% yield (1.30 g) using 13 (900 mg,
3.00 mmol) and 30n (1.10 g, 3.53 mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6):  2.21 (3H, s), 2.25–2.45 (1H, m), 2.95–4.19 (17H, m),
4.47–4.77 (3H, m), 6.05 (1H, s), 7.97 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.37 (1H, dd, J =
2.3, 8.7 Hz), 8.93 (1H, d, J = 2.3 Hz), 9.15 (1H, brs), 10.80 (1H, brs); Anal.
Calcd for C22H28N8OS·3HCl·1/5C2H4O2·3/2H2O: C, 44.77; H, 5.84; N, 18.64.
Found: C, 44.54; H, 6.12; N, 18.50; LC–MS (ESI) m/z 430.4 [M+H]+; m.p.:
210 °C.
3-[(2S,4S)-1-(tert-Butoxycarbonyl)-4-hydroxypyrrolidinylcarbonyl]thiazolidine (36)
Tert-butyldimethylsilyl chloride (7.16 g, 47.5 mmol) was adde to a stirred
solution of N-(tert-Butoxycarbonyl)-cis-4-hydroxy-L-proline (35) (5.00 g,
21.6 mmol) and imidazole (6.48 g, 95.2 mmol) in DMF (60 mL) at room
temperature, and the reaction mixture was stirred at room temperature for 19
h. To the mixture were added water (60 mL) and a 10% citric acid aqueous
solution (200 mL) under ice-cooling. The mixture was extracted twice with
ethyl acetate. The combined extracts were washed with brine, dried and
concentrated
under
reduced
pressure
to
give
(2S,4S)-1-(tert-butoxycarbonyl)-4-(tert-butyldimethylsilyloxy)pyrrolidine2-carboxylic acid (10.9 g) as a light tan solid.
EDC hydrochloride (4.97 g, 25.9 mmol) was added to a stirred solution of
the above compound (10.9 g), thiazolidine (1.9 mL, 24 mmol) and HOBt
(3.67 g, 24.6 mmol) in DMF (70 mL) under ice-cooling. The reaction mixture
was stirred at room temperature for 6 h. The mixture was poured into a
95
saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution and extracted twice
with ethyl acetate. The combined extracts were washed with brine, dried and
concentrated under reduced pressure. The residue was purified by silica gel
column chromatography with n-hexane/ethyl acetate (7:3, v/v) to give
3-[(2S,4S)-1-(tert-butoxycarbonyl)-4-(tert-butyldimethylsilyloxy)pyrrolidinylcarbonyl]thiazolidine (7.28 g, 81%) as a colorless solid.
One mol/L tetra-n-butylammonium fluoride in tetrahydrofuran (19.2 mL)
was added to a stirred solution of the above compound (7.27 g, 17.4 mmol)
i n t e t r a h y d r o f u r a n ( 11 0 m L ) u n d e r i c e - c o o l i n g , a n d t h e r e a c t i o n m i x t u r e w a s
stirred at room temperature for 1.5 h, and then the mixture was concentrated
under reduced pressure. The residue was poured into brine and extracted
twice with chloroform. The combined extracts were dried and concentrated
under reduced pressure. The residue was purified was purified by silica gel
column chromatography with chloroform/methanol (20:1, v/v) to give the
title compound 36 (5.25 g, quant.) as a colorless solid.
1
H NMR (CDCl3): δ 1.45, 1.43 (9H, s), 1.95–2.35 (2H, m), 2.95–3.23 (2H, m),
3.45–3.98 (3H, m), 4.30–5.77 (6H, m).
3-{(2S,4R)-4-[4-(3-Methyl-1-phenyl-1H-pyrazol-5-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-yl-carbonyl}thiazolidine dimaleate (27r)
A solution of trifluoromethanesulfonic anhydride (2.95 g, 10.5 mmol) in
dichloromethane (5 mL) was added dropwise to a stirred solution of 36 (2.88
g, 9.52 mmol) and 2,6-lutidine (1.22 mL, 10.5 mmol) in dichloromethane (50
mL) under ice-cooling over 10 min, and the mixture was stirred for 30 min
and 30d (2.10 g, 8.67 mmol) and diisopropylethylamine (3.6 mL, 21 mmol)
96
were added to the solution. After stirring at room temperature at 21 h, the
reaction mixture was poured into a saturated aqueous sodium hydrogen
carbonate solution and extracted twice with chloroform. The combined
extracts were washed with brine, dried and concentrated under reduced
pressure. The residue was purified by silica gel column chromatography with
chloroform/methanol
(30:1,
v/v)
to
3-{(2S,4R)-1-(tert-
give
butoxycarbonyl)-4-[4-(3-methyl-1-phenyl-1H-pyrazol-5-yl)piperazin-1-yl]2-pyrrolidinylcarbonyl}thiazolidine (2.70 g, 54%) as an amorphous.
1
H NMR (CDCl3): δ 1.40, 1.44 (9H, s), 1.94–2.10 (2H, m), 2.27 (3H, s),
2 . 1 8 – 2 . 5 7 ( 4 H , m ) , 2 . 8 2 – 4 . 1 2 ( 11 H , m ) , 4 . 4 1 – 4 . 7 6 ( 3 H , m ) , 5 . 6 7 ( 1 H , s ) ,
7.24 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.40 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.75 (2H, d, J = 7.7 Hz).
Trifluoroacetic acid (30 mL) was added to a solution of the above compound
(2.67 g, 5.07 mmol) in dichloromethane (15 mL) under ice-cooling, and the
mixture was stirred for 1 h, and then concentrated under reduced pressure.
The residue was poured into a saturated aqueous sodium hydrogen carbonate
solution and extracted twice with chloroform. The combined extracts were
washed with brine, dried and concentrated under reduced pressure. The
residue
was
purified
by
silica
gel
column
chromatography
with
chloroform/methanol (10:1, v/v) to give the free base of title compound
(1.58 g, 73%) as an amorphous.
To a s o l u t i o n o f t h e a b o v e c o m p o u n d ( 1 . 5 7 g , 3 . 6 8 m m o l ) i n e t h a n o l ( 2 0 m L )
was added a solution of maleic acid (0.854 g, 7.36 mmol) in ethanol (20 mL)
under ice-cooling. The precipitate was collected by filtration to give the
t i t l e c o m p o u n d 2 7 r ( 1 . 7 7 g , 7 2 % ) a s a c o l o r l e s s p o w d e r.
1
H NMR (DMSO-d6): δ 2.04-2.15 (1H, m), 2.15 (3H, s), 2.27 (1H, m), 2.43–
97
2.60 (4H, m) , 2.73–2.84 (4H, m), 2.95–3.13 (4H, m), 3.42–3.88 (3H, m),
4.40–4.72 (3H, m), 5.81 (1H, s), 6.15 (4H, s), 7.28 (1H, t, J =7.5 Hz), 7.45
(2H,
t,
J
=
7.5
Hz),
7.73
(2H,
d,
J
=
7.5
Hz);
Anal.
Calcd
for
C22H30N6OS·2C4H4O4·4/5H2O: C, 53.53; H, 5.92; N, 12.48. Found: C, 53.56;
H, 5.74; N, 12.10; LC–MS (ESI) m/z 427.2 [M+H]+; m.p.: 136 °C.
3-{(2R,4R)-4-[4-(3-Methyl-1-phenyl-1H-pyrazol-5-yl)piperazin-1-yl]pyrrolidin-2-yl-carbonyl}thiazolidine dimaleate (27s)
The title compound was prepared in 49% yield (473 mg) from 30d and
3-((R)-1-tert-butoxycarbonyl-4-oxopyrrolidin-2-ylcarbonyl)thiazolidine
(37) in the procedures outlined for 27n.
1
H NMR (DMSO-d6): δ 1.66 (1H, m), 2.15 (3H, s), 2.51–2.54 (5H, m), 2.64–
2.79 (5H, m), 3.02–3.14 (4H, m), 3.41 (1H, m), 3.60–3.90 (2H, m), 4.42–
4.71 (3H, m), 5.80 (1H, s), 6.16 (4H, s), 7.28 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.45 (2H, t,
J = 7.3 Hz), 7.73 (2H, d, J = 7.3 Hz); Anal. Calcd for C22H30N6OS·2C4H4O4:
C, 54.70; H, 5.81; N, 12.76. Found: C, 54.61; H, 5.78; N, 12.68; m.p.:
166-167 °C.
4-(1-Phenyl-1H-tetrazol-5-yl)piperidine (31a)
E D C h y d r o c h l o r i d e ( 11 . 4 g , 5 9 . 5 m m o l ) w a s a d d e d t o a s t i r r e d s o l u t i o n o f
1-benzyloxycarbonylisonipecotic acid (13.1 g, 49.8 mmol), aniline (5.15 g,
5 4 . 7 m m o l ) a n d H O B t ( 11 . 4 g , 7 4 . 4 m m o l ) i n t e t r a h y d r o f u r a n ( 2 0 0 m L ) , a n d
the reaction mixture was stirred at room temperature for 17 h, and then
concentrated under reduced pressure. The residue wad poured into a
saturated aqueous sodium hydrogen carbonate solution and extracted twice
98
with ethyl acetate. The combined extracts were washed with brine, dried and
concentrated under reduced pressure to give the amide (8.43 g, 50%) as a
pale-yellow oil.
1
H NMR (CDCl3): δ 1.61–2.06 (4H, m), 2.44–2. 56 (1H, m), 2.77–3.02 (2H,
m ) , 4 . 0 3 – 4 . 3 6 ( 2 H , m ) , 5 . 1 4 ( 2 H , s ) , 7 . 11 ( 1 H , t , J = 7 . 4 H z ) , 7 . 2 0 – 7 . 4 4 ( 7 H ,
m), 7.50 (2H, d, J = 7.9 Hz).
To a solution of the above amide (2.00 g, 5.91 mmol), triphenylphosphine
(3.10
g, 11.8
mmol)
and
a
40% diisopropyl azodicarboxylate-toluene
solution (6.00 g, 11.9 mmol) in tetrahydrofuran (50 mL) was added
trimethylsilylazide (1.57 mL, 11.8 mmol) under ice-cooling. The mixture
was stirred at room temperature for 5 days, and then concentrated under
reduced pressure. The residue was purified by silica gel chromatography
with n-hexane/ethyl acetate (1:1, v/v) to give 1-benzyloxycarbonyl-4(1-phenyl-1H-tetrazol-5-yl)piperidine (4.09 g) as a brown oil.
A solution of the above compound (4.09 g) in methanol (50 mL) was stirred
at the presence of 10% palladium/carbon (420 mg) at room temperature
under a hydrogen atmosphere (1 atm) for 5 days. Catalyst was removed by
filtration. The filtrate was concentrated under reduced pressure to give the
title compound 31a (1.42 g, 55%) as a gray solid.
1
H NMR (CDCl3): δ 1.55–2.02 (4H, m), 2.63 (2H, m), 3.00 (1H, m), 3.16 (2H,
m), 7.41-7.68 (5H, m).
3-{(2S,4S)-4-[4-(1-Phenyl-1H-tetrazol-5-yl)piperidino]pyrrolizin-2ylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (28a)
The title compound was prepared in 43% yield (688 mg) using 13 (901 mg,
99
3.00 mmol) and 31a (757 mg, 3.30 mmol) in the procedures outlined for 14a.
1
H NMR (DMSO-d6): δ 1.93–2.34 (5H, m), 2.85–3.95 (13H, m), 4.43–4.77
(3H, m), 7.69 (5H, s), 9.12 (1H, brs), 10.74 (1H, brs), 12.04 (1H, br s); Anal.
Calcd for C20H27N7OS·2HCl·2/5C2H6O·2H2O: C, 46.18; H, 6.60; N, 18.13.
Found: C, 46.39; H, 6.48; N, 18.26; LC–MS (ESI) m/z 414.4 [M+H]+; m.p.:
>186 °C.
4 - Tr i f l u o r o a c e t o a c e t y l p y r i d i n e ( 3 2 )
A solution of 4-acetylpyridine (4.90 g, 40.4 mmol) in tert-butyl methyl ether
(20 mL) was added to a stirred solution of ethyl trifluoroacetate (6.32 g,
44.5 mmol) and a 28% sodium methoxide-methanol solution (9.4 g, 49 mmol)
in tert-butyl methyl ether (10 mL) at room temperature, and the mixture was
stirred for 22 h. A 10% citric acid aqueous solution was added until the
reaction solution became about pH 4. The precipitate was collected by
filtration, washed with water and dried to give the title compound 32 (5.46 g,
62%) as a yellow solid. 1H NMR (DMSO-d6): δ 6.60 (1H, brs), 7.96 (2H, d, J
= 5.5 Hz), 8.82 (2H, d, J = 5.5 Hz).
4 - ( 3 - Tr i f l u o r o m e t h y l - 1 - p h e n y l - 1 H - p y r a z o l - 5 - y l ) p y r i d i n e ( 3 3 )
Phenylhydrazine (0.38 mL, 3.9 mmol) was added to a suspension of 32 (760
mg, 3.50 mmol) of ethanol (20 mL) at room temperature, and the reaction
mixture was stirred for 23 h. The reaction mixture was concentrated under
reduced pressure. The residue was poured into water and extracted twice
with ethyl acetate. The combined extracts were washed with brine, dried and
concentrated under reduced pressure. The residue was purified by silica gel
100
chromatography with chloroform/methanol (7:3, v/v) to give the title
compound 33 (470 mg, 47%) as an oil.
1
H NMR (CDCl3): δ 6.89 (1H, s), 7.22 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.30–7.47 (5H, m),
8.59 (2H, d, J = 5.9 Hz).
1-Benzyl-4-(3-trifluoromethyl-1-phenyl-5-pyrazolyl)-1,2,3,6tetrahydropyridine (34)
Benzyl chloride (0.38 mL, 3.3 mmol) was added to a stirred solution of 33
(470 mg, 1.62 mmol) in acetonitrile (50 mL), and the reaction mixture was
stirred under reflux for 24 h. The reaction mixture was concentrated under
reduced pressure, and diethyl ether was added to the residue. The precipitate
was collected by filtration. Sodium borohydride (130 mg, 3.44mmol) was
added to a stirred solution of this solid in ethanol under ice-cooling, and the
mixture was stirred at room temperature for 22 h. The reaction mixture was
poured into water and extracted twice with ethyl acetate. The combined
extracts were washed with brine, dried and concentrated under reduced
pressure. The residue was purified by silica gel chromatography with
n-hexane/ethyl acetate (4:1, v/v) to give the title compound 34 (142 mg,
23%) as an oil.
1
H NMR (CDCl3): δ 2.15 (2H, m), 2.53 (2H, d, J = 5.6 Hz), 3.03 (2H, m),
3.56 (2H, s), 5.78 (1H, m), 6.53 (1H, s), 7.23–7.51 (10H, m).
1 - ( 3 - Tr i f l u o r o m e t h y l - 1 - p h e n y l - 1 H - p y r a z o l - 5 - y l ) p i p e r i d i n e ( 3 1 b )
A solution of 34 (142 mg, 0.37 mmol) and ammonium formate (240 mg, 3.81
mmol) in methanol (20 mL) was heated with 10% palladium/carbon (150 mg)
101
under reflux under a nitrogen atmosphere for 2 h. After removing the
insoluble materials by filtration, the filtrate was concentrated under reduced
pressure. The residue was poured into a saturated aqueous sodium hydrogen
carbonate solution and extracted twice with chloroform. The combined
extracts were dried and concentrated under reduced pressure to give the title
compound 31b (90 mg, 82%) as an oil.
1
H NMR (CDCl3): δ 1.47–1.93 (4H, m), 2.54 (2H, dt, J = 2.4, 12.3 Hz), 2.76
(1H, m), 3.07 (2H, m), 6.48 (1H, s), 7.36–7.55 (5H, m).
3 - { ( 2 S , 4 S ) - 4 - [ 4 - ( 3 - Tr i f l u o r o m e t h y l - 1 - p h e n y l - 1 H - p y r a z o l - 5 - y l ) piperidino]pyrrolizin-2-ylcarbonyl}thiazolidine dihydrochloride (28b)
The title compound was prepared in 56% yield (96 mg) using 13 (90 mg,
0.299 mmol) and 31b (90 mg, 0.305 mmol) in the procedures outlined for
14a.
1
H NMR (DMSO-d6): δ 1.90–2.30 (5H, m), 2.83–4.00 (13H, m), 4.46–4.71
(3H, m), 6.78 (1H, s), 7.57–7.62 (5H, m), 9.07 (1H, brs), 10.45 (1H, brs),
11 . 8 2 ( 1 H , b r s ) ; A n a l . C a l c d f o r C 2 3 H 2 8 F 3 N 5 O S · 2 H C l · H 2 O : C , 4 8 . 4 3 ; H ,
5.65; N, 12.28. Found: C, 48.34; H, 5.78; N, 12.03; LC–MS (ESI) m/z 480.4
[M+H]+; m.p.: 280 °C.
X-Ray crystallographic studies
The protein of human DPP-4 (33–766) secreted from insect cells was
purified and crystallized according to the method reported by Hiramatsu et
al.25) The protein-inhibitor complex was obtained by soaking a preformed
102
DPP-4 crystal in the presence of compound 20d, 27g, 28b and preserved in
liquid nitrogen for data collection at 100 K. X-ray diffraction data were
collected at the high energy accelerator research organization (KEK) beam
line BL5 and processed using the program HKL2000.26) The structure of
DPP-4 inhibitor complex was solved by molecular replacement with the
program PHASER,27) utilizing the previously determined coordinates of
DPP-4 with Protein Data Bank accession code 1J2E. Data collection and
model refinement statistics are summarized in Table 11.
Docking studies in DPP-4
The X-ray crystal structure of DPP-4 (PDB code: 3VJM) was utilized in the
docking calculations. The compounds were docked into DPP-4 using Glide
5.7.28)
103
Table 11 Data collection and refinement statistics
20d
27g
28b
3VJM
3VJK
3VJL
Space group
P212121
P212121
P212121
Unit cell parameters: a (Å)
117.95
117.96
117.81
b (Å)
125.94
126.41
125.83
c (Å)
137.21
138.01
137.13
Resolution (Å)
50.00–2.10 (2.18–2.10)
50.00–2.49 (2.58–2.49)
50.00–2.39 (2.48–2.39)
Unique reflections
119422 (10763)
72839 (6849)
80861 (7811)
Redundancy
4.8 (4.5)
3.8 (3.1)
5.0 (4.7)
Completeness (%)
91.0 (91.2)
90.2 (94.7)
99.0 (97.9)
Rmerge*
0.067 (0.399)
0.092 (0.491)
0.051 (0.173)
I/σ (I)
11.7
15.6
20.9
Resolution (Å)
30.00–2.10 (2.15–2.10)
30.00–2.49 (2.55–2.49)
30.00–2.39 (2.46–2.39)
Unique reflections
109644 (7466)
61379 (4707)
76090 (5399)
Completeness (%)
91.8 (90.6)
88.9 (93.6)
99.1 (96.4)
Data in the test set
5446 (411)
3211 (243)
4025 (264)
R-work
0.187 (0.225)
0.225 (0.281)
0.184 (0.210)
R-free
0.224 (0.277)
0.279 (0.333)
0.230 (0.291)
Protein non-H atoms/B (Å2)
12180/28.4
12180/37.7
12166/25.7
Ligand atoms/B (Å2)
64/27.6
60/32.5
66/35.4
987/31.3
456/32.1
894/27.2
Bond lengths (Å)
0.011
0.011
0.010
Bond angles (°)
1.306
1.435
1.343
Most favored regions (%)
89.2
87.3
88.5
Additionally allowed regions (%)
10.2
12.0
11.0
Generously allowed regions (%)
0.6
0.7
0.5
PDB entry code
Crystal
Data
Refinement
Structure
2
Water oxygen atoms/B (Å )
Rmsd
Ramachandran plot
Values in parentheses are for highest-resolution shell.
* Rmerge = Σ|(I − <I>)|/Σ(I), where I is the observed intensity.
104
Pharmacokinetic studies on rats and monkeys
Measurement of compound 27g concentration in plasma
Concentrations of compound 27g in plasma were determined by liquid
chromatography
with
tandem
mass
spectrometry
(LC–MS/MS).
Plasma
samples (50 μL) were placed in polypropylene test tubes and the internal
standard was added. The solution was loaded into a solid-phase extraction
cartridge (OASIS HLB), pre-conditioned with acetonitrile (1 mL) and water
(1 mL). The cartridge was washed twice with water (1 mL), and the analyte
and internal standard were eluted with acetonitrile (1 mL). The eluate was
evaporated to dryness under a nitrogen stream (40°C) and the residue was
reconstituted with 200 µL of the mixed solvent (water/acetonitrile/formic
acid, 95:5:1, v/v).
A f t e r t h e m i x t u r e w a s m i x e d b y t h e v o r t e x - m i x e r, i t w a s
centrifuged and a portion of the supernatant was injected into the LC–
MS/MS system. Analyte concentrations were evaluated using the internal
standard method. Standard curves were calculated from the peak area ratio
(par)
of
analyte/internal
standard.
The
nominal
compound
27g
concentrations were obtained using linear regression y = a + bx. The
measured peak area ratios of samples were converted into concentrations
using the equation: concentration = par (analyte/internal standard) minus
intercept of the corresponding standard curve divided by slope of the
standard curve.
Pharmacokinetic analysis
The compound 27g plasma concentration-time profiles were analyzed and its
105
pharmacokinetic
parameters
were
calculated
using
non-compartment
a n a l y s i s i n t h e p h a r m a c o k i n e t i c a n a l y s i s p r o g r a m Wi n N o n l i n ( P h a r s i g h t
C o r p o r a t i o n , Ve r. 4 . 0 . 1 ) .
Biological experiments
DPP-4 inhibitory activity
The DPP-4 inhibitory activity of human and rat plasma was measured by
fluorescence
assay
using
Gly-Pro-MCA
(Peptide
Institute
Inc.)
as
a
DPP-4-specific fluorescent substrate. Reaction solutions containing 20 μL of
human or rat plasma (20-fold diluted solution for human plasma and 10-fold
diluted solution for rat plasma), 20 μL of fluorescent substrate (100 μmol/L),
140 μL of buffer (0.003% Brij-35 containing PBS), and 20 μL of test
substrate (of various concentrations) were incubated at room temperature for
60 min using a 96-well flat-bottomed microtiter plate. The measured
fluorescent
intensity
(excitation
360
nm/emission
465
nm,
SPECTRA
F L U O R , T E C A N ) w a s t a k e n a s t h e D P P - 4 a c t i v i t y. T h e i n h i b i t o r y r a t e
relative to the solvent addition group was calculated and IC50 values were
determined by logistic analysis.
DPP-8 and 9 inhibitory activity
The DPP-8 and DPP-9 activity were evaluated using the cytoplasmic
fractions of cells expressing human DPP-8 or DPP-9 as enzyme sources.
Reaction
solutions
containing
20
μL
of
test
compounds
of
various
concentrations, 20 μL of enzyme preparations, 140 μL of buffer (0.003%
106
Brij-35 containing PBS), and 20 μL of Gly-Pro-MCA (50 μmol/L, Peptide
Institute Inc.) were incubated at 37 °C for 30 min using a 96-well
flat-bottomed microtiter plate. The measured fluorescence intensity of
7-amino-4-methylcoumarin was taken as the enzyme.
Plasma DPP-4 activity after oral administration of 27g to Wistar rats
M a l e Wi s t a r r a t s ( 7 – 9 w e e k s o f a g e ) f a s t e d o v e r n i g h t w e r e u s e d . C o m p o u n d
27g (HBr salt) was dissolved in 0.5% hydroxypropyl methylcellulose
(HPMC) and administered orally at a dose of 0.03, 0.1, 0.3 and 1 mg/kg. At
pre-administration and at 0.5, 1, 2, 3, 6, 9, 12, 24 and 48 h after
administration, 0.1 mL of blood was collected from tail vein. After
centrifugation, 10 μL of plasma was diluted 10-fold using buffer (0.003%
Brij-35 containing PBS). 20 μL of the diluted plasma was used instead of 20
μL of test substrate for the determination of DPP-4 inhibitory activity by
fluorescence as described above. Almost the same procedure was employed
on the ex vivo evaluation of DPP-4 inhibitors.
Oral glucose tolerance test (OGTT) in Zucker fatty rats
An OGTT in Zucker fatty rats was carried out based on the method of Balkan
et al.29) Male Zucker fatty and lean rats (13 weeks of age; n = 10) were
fasted overnight. Compound 27g (HBr salt) was dissolved in 0.5% HPMC
s o l u t i o n a n d a d m i n i s t e r e d o r a l l y. A f t e r 3 0 m i n , g l u c o s e s o l u t i o n w a s o r a l l y
administered at 1 g/kg body weight. Blood samples were collected from the
tail veins at the indicated times and plasma samples were prepared. Plasma
glucose concentrations as well as plasma DPP-4 activity were measured.
107
引用文献
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2 ) ( a ) K a n n e l , W. B . ; M c G e e , D . L . C i rc u l a t i o n 5 9 , 8 - 1 3 ( 1 9 7 9 ) ; ( b )
K r o l e w s k i , A . S . , K o s i n s k i , E . J . ; Wa r r a m , J . H . ; L e l a n d , O . S . ; B u s i c k , E .
J . ; A s m a l , A . C . ; R a n d , L . I . ; C h r i s t l i e b , A . R . ; B r a d l e y, R . F. ; K a h n , C .
R . A m . J . C a rd i o l . 5 9 , 7 5 0 - 7 5 5 ( 1 9 8 7 ) .
3 ) D E C O D E S t u d y G r o u p . G l u c o s e t o l e r a n c e a n d c a r d i o v a s c u l a r m o r t a l i t y.
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4 ) B o l e n , S . ; F e l d m a n , L . ; Va s s y, J . ; Wi l s o n , L . ; Ye h , H . C . ; M a r i n o p o u l o s ,
S . ; Wi l e y, C . ; S e l v i n , E . ; Wi l s o n , R . ; B a s s , E . B . ; B r a n c a t i , F. L . A n n .
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3 5 8 5 - 3 5 9 6 ( 1 9 9 5 ) ; ( b ) D e a c o n , C . F. ; N a u c k , M . A . ; To f t - N i e l s e n , M . ;
P r i d a l , L . ; Wi l l m s , B . ; H o l s t , J . J . D i a b e t e s 4 4 , 11 2 6 - 11 3 1 ( 1 9 9 5 ) .
8 ) P o s p i s i l i k , J . A . ; S t a f f o r d , S . G . ; D e m u t h , H - U . ; B r o w n s e y, R . ;
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T. W. ; Tr e v i l l y a n , J . M . D r u g D e v. R e s . 6 7 , 6 2 7 - 6 4 2 ( 2 0 0 6 ) ; ( c ) We b e r, A .
E. J. Med. Chem. 47, 4135-4141 (2004).
1 0 ) G a l l w i t z , B . E x p e r t O p i n . I n v e s t i g . D r u g s 2 0 , 7 2 3 - 7 3 2 ( 2 0 11 ) .
1 1 ) ( a ) H u g h e s , T. E . ; M o n e , M . D . ; R u s s e l l , M . E . ; We l d o n , S . C . ; Vi l l h a u e r, E .
B . B i o c h e m i s t r y 3 8 , 1 1 5 9 7 - 1 1 6 0 3 ( 1 9 9 9 ) ; ( b ) Vi l l h a u e r, E . B . ; B r i n k m a n , J .
A.; Naderi, G. B.; Dunning, B. E.; Mangold, B. L.; Mone, M. D.; Russell, M.
E . ; We l d o n , S . C . ; H u g h e s , T. E . J . M e d . C h e m . 4 5 , 2 3 6 2 - 2 3 6 5 ( 2 0 0 2 ) ; ( c )
Vi l l h a u e r, E . B . ; B r i n k m a n , J . A . ; N a d e r i , G . B . ; B u r k e y, B . F. ; D u n n i n g , B .
E . ; P r a s a d , K . ; M a n g o l d , B . L . ; R u s s e l l , M . E . ; H u g h e s , T. E . J . M e d . C h e m .
46, 2774-2789 (2003).
1 2 ) L a m b e i r, A . M . ; D u r i n x , C . ; S c h a r p e , S . ; D e M e e s t e r, I . C r i t . R e v. C l i n .
Lab. Sci. 40, 209-294 (2003).
1 3 ) ( a ) S a k a s h i t a , H . ; K i t a j i m a , H . ; N a k a m u r a , M . ; A k a h o s h i , F. ; H a y a s h i , Y.
B i o o rg . M e d . C h e m . L e t t . 1 5 , 2 4 4 1 - 2 4 4 5 ( 2 0 0 5 ) ; ( b ) S a k a s h i t a , H . ;
A k a h o s h i , F. ; K i t a j i m a , H . ; Ts u t s u m i u c h i , R . ; H a y a s h i , Y. B i o o rg . M e d .
C h e m . 1 4 , 3 6 6 2 - 3 6 7 1 ( 2 0 0 6 ) ; ( c ) S a k a s h i t a , H . ; A k a h o s h i , F. ; Yo s h i d a ,
T. ; K i t a j i m a , H . ; H a y a s h i , Y. ; I s h i i , S . ; Ta k a s h i n a , Y. ; Ts u t s u m i u c h i , R . ;
O n o , S . B i o o rg . M e d . C h e m . 1 5 , 6 4 1 - 6 5 5 ( 2 0 0 7 ) .
1 4 ) ( a ) S o r b e r a , L . , A . ; R e v e l , L . ; C a s t a n e r, J . D r u g s F u t u r e 2 6 , 8 5 9 - 8 6 4
( 2 0 0 1 ) ; ( b ) P o s p i s i l i k , J . A . ; S t a f f o r d , S . G . ; D e m u t h , H . - U . ; B r o w n s e y, R . ;
P a r k h o u s e , W. ; F i n e g o o d , D . T. ; M c I n t o s h , C . H . S . ; P e d e r s o n , R . A .
Diabetes 51, 943-950 (2002).
1 5 ) ( a ) P a r k , J . E . ; L e n t e r, M . C . ; Z i m m e r m a n n , R . N . ; G a r i n - C h e s a , P. , O l d ,
L . J . ; R e t t i g , W. J . J . B i o l . C h e m . 2 7 4 , 3 6 5 0 5 - 3 6 5 1 2 ( 1 9 9 9 ) ; ( b ) A b b o t t , C .
A . ; Yu , D . M . ; Wo o l l a t t , E . ; S u t h e r l a n d , G . R . ; M c C a u g h a n , G . W, ;
109
G o r r e l l , M . D . E u r. J . B i o c h e m . 2 6 7 , 6 1 4 0 - 6 1 5 0 ( 2 0 0 0 ) ; ( c ) A j a m i , K . ;
A b b o t t , C . A . ; M c C a u g h a n , G . W. ; G o r r e l l , M . D . B i o c h i m . B i o p h y s . A c t a
1679, 18-28 (2004).
1 6 ) Yo s h i d a T . , S a k a s h i t a H . , A k a h o s h i F. , H a y a s h i Y. B i o o rg . M e d . C h e m .
Lett., 17, 2618-2621 (2007).
1 7 ) P a r i k h , R . ; D o e r i n g , W. v o n E . J . A m . C h e m . S o c . 8 9 , 5 5 0 5 - 5 5 0 7 ( 1 9 6 7 ) .
1 8 ) Yo s h i d a T . , A k a h o s h i F. , S a k a s h i t a H . , S o n d a S . , Ta k e u c h i M . , Ta n a k a Y. ,
N a b e n o M . , K i s h i d a H . , M i y a g u c h i I . , H a y a s h i Y. B i o o rg . M e d . C h e m . , 2 0 ,
5033-5041 (2012).
1 9 ) L a n k a s , G . R . ; L e i t i n g , B . ; R o y, R . S . ; E i e r m a n n , G . J . ; B e c o n i , M . G . ;
B i f t u , T, ; C h a n , C . C . ; E d m o n d s o n , S . ; F e e n e y, W. P. ; H e , H . ; I p p o l i t o , D .
E . ; K i m , D . ; Ly o n s , K . A . ; O k , H . O . ; P a t e l , R . A . ; P e t r o v, A . N . ; P r y o r,
K . A . ; Q i a n , X . ; R e i g l e , L . ; Wo o d s , A . ; Wu , J . K . ; Z a l l e r, D . ; Z h a n g , X . ;
Z h u , L . ; We b e r, A . E . ; T h o r n b e r r y, N . A . D i a b e t e s 5 4 , 2 9 8 8 - 2 9 9 4 ( 2 0 0 5 ) .
2 0 ) R u m m e y, C . ; M e t z , G . P ro t e i n s 6 6 , 1 6 0 - 1 7 1 ( 2 0 0 7 ) .
2 1 ) Yo s h i d a T. , A k a h o s h i F. , S a k a s h i t a H . , K i t a j i m a H . , N a k a m u r a M . , S o n d a
S . , Ta k e u c h i M . , Ta n a k a Y. , U e d a N . , S e k i g u c h i S . , I s h i g e T. , S h i m a K . ,
N a b e n o M . , A b e Y. , A n a b u k i J . , S o e j i m a A . , Yo s h i d a K . , Ta k a s h i n a Y. ,
I s h i i S . , K i u c h i S . , F u k u d a S . , Ts u t s u m i u c h i R . , K o s a k a K . , M u r o z o n o T. ,
N a k a m a r u Y. , U t s u m i H . , M a s u t o m i N . , K i s h i d a H . , M i y a g u c h i I . ,
H a y a s h i Y. B i o o rg . M e d . C h e m . , 2 0 , 5 7 0 5 - 5 7 1 9 ( 2 0 1 2 ) .
2 2 ) K o n s t a n t i n c h e n k o , A . A . ; Ly a s h e n k o , P. I . ; P o z h a r s k i i , A . F. C h e m .
H e t e ro c y c l . C o m p d . 1 7 , 8 3 2 - 8 3 5 ( 1 9 8 1 ) .
2 3 ) B o u i l l o n , J . - P. ; A t e s , C . ; J a n o u s e k , Z . ; Vi e h e , H . G . Te t r a h e d ro n L e t t . 3 4 ,
5075-5078 (1993).
110
2 4 ) D u n c i a , J . V. ; P i e r c e , M . E . ; S a n t e l l a , J . B . J . O rg . C h e m . 5 6 , 2 3 9 5 - 2 4 0 0
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I n a k a , K . ; Ya m a m o t o , A . ; S h i m i z u , R . A c t a C r y s t a l l o g r. D 5 9 , 5 9 5 - 5 9 6
(2003).
2 6 ) O t w i n o w s k i , Z . ; M i n o r, W. M e t h o d s E n z y m o l . 2 7 6 , 3 0 7 - 3 2 6 ( 1 9 9 7 ) .
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