東日本大震災における東北電力(株)の被害概要および対応状況 ■地震発生日時 : 平成 23 年 3 月 11 日(金) 14 時 46 分頃 <主な発電設備の状況> ■震源および規模(推定) ・三陸沖(北緯 38 度,東経 142 度) ・震源の深さ 約 24km ・マグニチュード 9.0 (日本国内観測史上最大) ■最大震度 東通原子力発電所(青森県下北郡東通村) 能代火力発電所(秋田県能代市) : 震度7(宮城県北部) 運転状況 ■主な停電地域 : 青森県,岩手県,秋田県,宮城県:全域 山形県:ほぼ全域,福島県,新潟県:一部地域 号機 出力 燃料 運転中 1号機 60万kW 石炭 運転中 2号機 60万kW 石炭 7,405 千口) ■当社設備の被害および復旧状況<6 月 20 日現在> 1.原子力発電所 東通1号機:停止中(定期検査中) 女川1号機:自動停止 2号機:自動停止(定期検査中,原子炉起動直後) 3号機:自動停止 2.火力発電所 八戸,能代,秋田 :停止 → 順次再起動し,運転中 仙台,新仙台,原町:停止 東新潟,新潟 :影響なし 3.地熱発電所 葛根田 1,2 号機:自動停止後,3/13 再起動 澄川 1 号機:自動停止後,3/12 再起動 4,水力発電所(4/7 他余震除く) 設備被害 12 発電所(うち仮復旧または本復旧完了 6 発電所) 5.送配電設備(4/7 他余震除く) 変電設備:57 電気所(うち仮復旧または本復旧完了 46 電気所) 変圧器損傷 70 台,遮断器損傷 197 台,断路器損傷 179 台 他 送電設備:105 線路(うち仮復旧または本復旧完了 80 線路) 他軽微な被害 178 線路 号機 出力 1号機 110万kW 八戸火力発電所(青森県八戸市) 秋田火力発電所(秋田県秋田市) ■最大停電戸数 : 4,659,265 戸(参考:平成 23 年 3 月末契約口数 運転状況 停止中(定期検査中) 運転状況 号機 出力 燃料 運転中 3号機 25万kW 石油 運転状況 号機 出力 燃料 運転中 2号機 35万kW 石油 運転状況 号機 出力 運転中 3号機 35万kW 石油 停止中(自動停止) 1号機 52.4万kW 運転中 4号機 60万kW 石油 停止中(自動停止・定期検査中) 2号機 82.5万kW 停止中(自動停止) 3号機 82.5万kW 酒田共同火力発電㈱ 女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町,石巻市) 酒田共同火力発電所(山形県酒田市) 運転状況 号機 出力 燃料 運転中 1号機 35万kW(全量当社受電) 石炭 運転中 2号機 35万kW(全量当社受電) 石炭 仙台火力発電所(宮城県宮城郡七ヶ浜町) 運転状況 号機 出力 燃料 停止中 4号機 44.6万kW LNG 新仙台火力発電所(宮城県仙台市) 東新潟火力発電所(新潟県北蒲原郡聖籠町) 運転状況 号機 出力 燃料 停止中 1号機 35万kW 石油 停止中 2号機 60万kW LNG 運転状況 号機 出力 燃料 運転中 1号機 60万kW LNG 運転中 2号機 60万kW LNG 3号系列 運転状況 号機 出力 運転中 121万kW LNG 停止中 1号機 100万kW(半量当社受電) 石炭 運転中 4号系列 170万kW LNG 停止中 2号機 100万kW(半量当社受電) 石炭 運転中 港1号機 ※2 35万kW LNG 運転中 港2号機 35万kW LNG ※1 ※2 ※1 ※1 相馬共同火力発電㈱ 新地発電所(福島県相馬郡新地町) 燃料 原町火力発電所(福島県南相馬市) 3月17日より,3号系列(+12万kW),4号系列(+9万kW)で増出力運用中 H22.4より長期計画停止中 運転状況 号機 出力 停止中 1号機 100万kW 燃料 石炭 停止中 2号機 100万kW 石炭 常磐共同火力㈱ 勿来発電所(福島県いわき市) 運転状況 新潟火力発電所(新潟県新潟市) 運転状況 号機 出力 燃料 停止中 運転中 4号機 25万kW LNG 停止中 5号系列 10.9万kW LNG 建設中 (H23.7運開予定) ※3 ※4 H22.1~長期計画停止中 今夏までの運転再開に向け,点検中 号機 出力 6号機※3 17.5万kW(半量当社受電) 7号機 燃料 石油 25万kW(半量当社受電) 石炭 停止中 8号機※4 60万kW(半量当社受電) 石炭 停止中 9号機※4 60万kW(半量当社受電) 石炭 鉄塔損壊・折損・傾斜 42 基,電線断線・がいし折損 22 箇所, 地中ケーブル損傷 14 個所,地すべり 14 個所 他 配電設備:支持物折損・傾斜等 23,702 基 電線混断線 23,597 条間 変圧器・開閉器損傷等 7,110 個所 他 【送電設備(岩手県上閉伊郡大槌町)】 【多賀城変電所(宮城県仙台市)】 【配電設備(宮城県石巻市)】 【新仙台火力発電所(宮城県仙台市)】 【仙台火力発電所(宮城県宮城郡七ヶ浜町)】 【原町火力発電所(福島県南相馬市)】 ■原子力発電所の主な被害とその対応 ・東日本大震災に伴い,女川原子力発電所は1~3号機とも設計どおり原子炉が自動停止 ・「止める,冷やす,閉じ込める」の機能が健全に働き,現在,原子炉の温度は100℃未満の冷温停止状態 にあり,安全に停止中 ・排気筒モニタ・各区域の放射線モニタの指示値に異常なし 地震発生時 地震発生後の状況 女川(宮城県石巻市・女川町): 震度6弱(保安確認用地震計で567.5ガルを観測) ○全基とも,原子炉が自動停止後,安全に冷温停止中 1号機 運転中 ○津波は,敷地高さを超えていないことを確認 (524MW) ・1号機屋外重油タンクが津波により倒壊(空調,廃棄物処理設備用ボイラー燃料) 2号機 ・2号機補機冷却水系が浸水したが,他の補機冷却水系により,原子炉の冷却に 定期検査中 (825MW) 影響なし 3号機 ○外部電源は確保 運転中 (825MW) ・1号機高圧電源盤の1系が焼損したが,他の高圧電源盤から電源を供給 東通(青森県下北郡東通村) : 震度4(17ガル) ○定期検査停止中,全ての燃料は,使用済燃料プールで冷却中 1号機 ○津波は,敷地高さを超えていないことを確認 定期検査中 (1100MW) ○外部電源が一時的に喪失したものの,確保 ・喪失時は,非常用ディーゼル発電機により,電源を供給 ■原子力発電所の津波の調査結果概要 ・女川・東通ともに,津波が敷地高さを越えておらず主要建屋に到達していないことを確認 敷地高さ (原子炉設置許可記載津波高さ) 実際の津波高さ 女川 O.P.+13.8m(※) (O.P,+9.1m) O.P.+約13m(※) 東通 T.P.+13.0m (T.P.+6.5m) T.P.+2.6m (※) 今回の地震発生後に公表された国土地理院による女川原子力発電所周辺の地殻変動 ▲1.0mを考慮し た値 T.P.→ 東京湾平均海面 O.P.→ 女川の基準面 ( T.P. ▲0.74m) <女川原子力のイメージ> 高さ 2.5m まで浸水 (O.P.女川の基準面 : 東京湾平均海面 ▲0.74m) (※) 地震発生後の地殻変動 ▲1.0mを考慮した値 【女川1号機:重油貯蔵タンクの倒壊】 【女川1号機:高圧電源盤の焼損】 【女川2号機:補機冷却水系への浸水】 ■女川原子力発電所での津波の痕跡調査結果 ■その他女川原子力発電所における被害状況 構内:舗装道路陥没 固体廃棄物貯蔵所:ドラム缶の落下・転倒 1号機中央制御室:天井化粧板の脱落 :1号機 :2号機 :3号機 3号機ボイラー建屋入口:地盤沈下 3号機使用済燃料貯蔵プール:照明カバー落下 ○主要設備の軽微な被害件数は55件,主要設備以外での軽微な被害件数は565件確認されている 女川原子力発電所敷地写真
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