「クオリティー オブ ミュージックライフ」 -社会の変動と生涯音楽学習

平成 18 年度A級修了研究レポート
「クオリティー オブ ミュージックライフ」
―社会の変動と生涯音楽学習―
活動地域:兵庫県
専門分野:洋 楽
18A-0217
岩崎 久仁子
目次
はじめに
研究の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
第 1 章 変容する社会における生涯音楽学習の必要性
・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
1.審議会答申に見る、日本における生涯学習の変遷
2.生涯学習社会形成のプロセスと音楽教育、音楽学習
第2章
「西宮子ども音楽セミナー」の実践と評価
1.「西宮子ども音楽セミナー」の概要
2.児童アンケートによる分析
(1)学習プログラムの検証
(2)児童の感じ方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
/5
/5
/6
/6
②仲間づくり、居場所づくりが実現できたか
3.保護者のアンケートの分析
(1)回答者の性別・年齢
/7
/8
/8
/8
(3)セミナーの課題と展望
/10
4.「西宮子ども音楽セミナー」の学習評価と分析
(1)学習内容
/3
/6
①受講児童の満足度
(2)学習需要の把握
/2
/12
/12
(2)学習意欲の喚起 /13
第3章
生涯学習社会における生涯音楽学習 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.生涯学習音楽指導の課題
14
/14
(1)使命(ミッション)の共有
/14
(2)ヴィジョンの創造 /14
(3)参画協働の主体としてのネットワーク
(4)ファシリテーターとしての役割
(5)学ぶネットワーク作り
第4章
/14
/14
/14
生涯音楽学習における参画と協働 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.地方行政における生涯学習の施策
(1)兵庫県の施策の現状
/15
/15
①県立芸術文化センター
(2)西宮市の施策の現状
15
/16
/16
①西宮市教育委員会 /17
②西宮市中央公民館 /17
2.行政と参画協働のための事業企画書
/19
(1)「にしのみや創造プロジェクト事業」
/19
(2)「文化芸術による創造のまち支援事業」 /20
おわりに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
21
「クオリティー オブ ミュージックライフ」
―社 会 の変 動 と生 涯 音 楽 学 習 ―
18A-0217 岩 崎 久 仁 子
本 レ ポ ー ト は 、「 西 宮 子 ど も 音 楽 セ ミ ナ ー 」 終 了 時 に 行 っ た ア ン ケ ー ト を
主 軸 に 、変 容 す る 社 会 に お け る 生 涯 学 習 の 必 要 性 を 、審 議 会 答 申 に よ り 導 入
期 か ら 21 世 紀 に 至 る 推 移 と 、 生 涯 学 習 社 会 形 成 の プ ロ セ ス と 音 楽 教 育 、 音
楽 学 習 を 照 合 し 、現 状 の 把 握 及 び 検 証 を 行 う も の で あ る 。そ の 上 で 行 政 の 聞
き 取 り 調 査 に よ り 、地 方 行 政 の 施 策 に よ る 協 働 の 展 望 を 探 り 、生 涯 音 楽 学 習
の企画事業案を提示する。
第 1 章 で は 、副 題 の 「社 会 の 変 動 と 生 涯 学 習 」を 考 察 す る 上 で 、日 本 に お け
る 生 涯 学 習 の 変 遷 を 審 議 会 答 申 に よ り 生 涯 学 習 の 理 念 と 施 策 を た ど り 、生 涯
学 習 社 会 形 成 の プ ロ セ ス と 、音 楽 教 育 、音 楽 学 習 を 照 ら し 合 わ せ る こ と に よ
り、生涯学習社会における生涯音楽学習を問い直した。
第 2 章 で は 、「 西 宮 子 ど も 音 楽 セ ミ ナ ー 」 の 実 践 と 評 価 を 、 児 童 ア ン ケ ー
ト に よ り 、学 習 プ ロ グ ラ ム の 検 証 、満 足 度 を 分 析 し 、保 護 者 の ア ン ケ ー ト で
は 、学 習 需 要 の 把 握 を 調 べ 、生 涯 学 習 ハ ン ド ブ ッ ク の 手 法 を 用 い て 学 習 評 価
を 行 い 、学 習 内 容 、学 習 意 欲 の 喚 起 が 行 わ れ た か を 分 析 し 、生 涯 学 習 音 楽 指
導の内容を考察した。
第 3 章 で は 、生 涯 学 習 音 楽 指 導 員 研 究 会 N W 兵 庫 の 活 動 を 振 り 返 り 、生 涯
学 習 社 会 に お け る 音 楽 学 習 の 、ミ ッ シ ョ ン 、ヴ ィ ジ ョ ン 、フ ァ シ リ テ ー タ ー 、
ネットワークづくりが何であるかを考察した。
第 4 章 で は 、兵 庫 県 、西 宮 市 に お け る 生 涯 学 習 の 施 策 の 現 状 を 、兵 庫 県 生
活 創 造 課 、県 立 芸 術 文 化 セ ン タ ー 、西 宮 市 総 合 企 画 局 ま ち づ く り 政 策 課 生 涯
学 習 推 進 課 、西 宮 市 教 育 委 員 会 、西 宮 市 立 中 央 公 民 館 へ の 聞 き 取 り 調 査 を 行
い 、地 方 の 課 題 を 含 め た 内 容 で 、行 政 と 参 画 協 働 の た め の 事 業 企 画 書 を 提 示
した。
本レポートのタイトルである「クオリティー
オブ
ミュージックライ
フ 」と は 生 涯 音 楽 学 習 を 通 し て 、社 会 の 課 題 と 向 き 合 い 、音 楽 を 単 な る 演 奏
技 術 習 得 と 考 え る の で は な く 、生 活 の 場 で の 自 発 的 な 学 習 意 欲 を 喚 起 し 、共
同 体 験 学 習 に よ り 「 仲 間 作 り 」「 居 場 所 作 り 」 を 確 立 し 、 生 涯 音 楽 学 習 の 継
続により地域コミュニティーを形成することで、音楽を日常のものとして、
音楽文化の創造、心豊かな社会生活を目指すものである。
【はじめに】
1995 年 の 阪 神 淡 路 大 震 災 直 後 、子 育 て も 一 段 落 し 、社 会 と の か か わ り を 探 る
学習をしようと思い立った。
1996(平 成 8 )年 兵 庫 県 の 「 男 女 共 同 参 画 ア ド バ イ ザ ー 養 成 講 座 」 を 2 年 間 受
講 し 、そ の 後 2002(平 成 14)年「 ふ る さ と ひ ょ う ご 創 生 塾 」に 入 塾 、同 時 に「 協
働コーディネーター養成講座」
「 音 楽 療 法 講 座 」も 受 講 し た 。今 か ら 思 う と 兵 庫
県も、新たな生涯学習のプログラムによる人材育成に着手しようとしていた時
期 だ っ た の だ ろ う 。 * 注 (1)
また音楽療法に興味を持ったきっかけで、
「 生 涯 学 習 音 楽 指 導 員 養 成 講 座 」を
東 京 ま で 受 講 し に 行 く こ と も た め ら わ な か っ た 。そ し て 現 在 、
「生涯学習音楽指
導 員 研 究 会 ネ ッ ト ワ ー ク 兵 庫 」を 立 ち 上 げ 、
「 西 宮 子 ど も 音 楽 セ ミ ナ ー 」の 創 設
か ら 運 営 へ と 歩 を 進 め 、『 共 に 学 ぶ 』 実 践 体 験 を 行 っ て い る 。
【研究の目的】
生 涯 学 習 と は 、「 学 校 教 育 、 社 会 教 育 、 文 化 活 動 、 ス ポ ー ツ 活 動 や レ ク リ エ
ーション活動、ボランティア活動、企業内教育、趣味など様々な場や機会にお
い て 行 う 学 習 」の 意 味 で 用 い ら れ る と と も に 「
、生涯学習社会を目指そうという、
考 え 方 ・ 理 念 自 体 を 表 し て い る 」( 平 成 16 年 、 文 部 科 学 省 白 書 ) と い う 考 え 方
も あ る 。そ し て「 生 涯 学 習 社 会 」と は 、
「人々が生涯いつでも自由に学習機会を
選 択 し て 学 ぶ こ と が で き 、そ の 評 価 が 適 切 に 評 価 さ れ る よ う な 社 会 で あ る 」
(平
成 4 年生涯学習審議会答申)という指摘もある。
以上のことをふまえて、変容する社会における生涯音楽学習の必要性を検討
し (第 1 章 )、 生 涯 学 習 に お け る 音 楽 指 導 の 実 践 的 課 題 と し て 、 実 体 験 を 分 析
し (第 2 章 )、生 涯 音 楽 学 習 に お け る 音 楽 文 化 創 造 の 可 能 性 を 考 察 し (第 3 章 )、
生 涯 音 楽 学 習 に お け る 参 画 と 協 働 を 提 示 す る (第 4 章 )、こ と が 、本 研 究 の 目
的である。
* 注 (1)
兵 庫 県 は 、「 こ こ ろ 豊 か な 兵 庫 」 を め ざ す 県 民 運 動 ( 平 成 3 年 ) を 起 こ し 、 新 し
い 公 の 展 開 を 契 機 に し た 参 画 と 協 働 の 施 策 を 推 進 し た 。「 男 女 共 同 参 画 ア ド バ イ ザ ー 養 成
講 座 」 は 、 平 成 5 年 に 始 ま り 、 現 在 ま で の 累 計 修 了 者 382 人 は 、 各 地 域 で 男 女 共 同 参 画 推
進 委 員 と し て 活 躍 し て い る 。「 音 楽 療 法 講 座 」 は 平 成 11 年 に 始 ま り 、 現 在 ま で 累 計 修 了 者
179 人 は 、 福 祉 施 設 医 療 施 設 等 で 活 躍 し て い る 。 ま た 「 ふ る さ と ひ ょ う ご 創 生 塾 」 は 平 成
8 年 に 始 ま り 、累 計 修 了 者 3 9 0 人 は 、様 々 な 分 野 の 地 域 活 動 グ ル ー プ 、NPO 等 の リ ー ダ
ー 、 審 議 会 委 員 等 と し て 活 躍 し て い る 。 (資 料 提 供 、 兵 庫 県 生 活 創 造 課 )
-1-
第 1章
変容する社会における生涯音楽学習の必要性
1. 審議会答申に見る、日本における生涯学習の変遷
教 育 は 、社 会 的 状 況 、経 済 的 状 況 に 対 応 す る 個 人 の 生 涯 全 般 に 関 わ る 問 題 で
あり、今や雇用形態の変化、科学技術の進歩、高齢化社会の到来の中、生涯学
習は今日的課題とされている。
1965 年 ユ ネ ス コ の 成 人 教 育 推 進 国 際 会 議 で 、ポ ー ル・ラ ン グ ラ ン が 提 唱 し た
生涯学習の考え方は、理念の段階から体制整備、計画の段階へ移行し今日に至
っ て い る 。1971 年「 四 六 社 会 教 育 審 議 会 答 申 」に よ り 社 会 教 育 の 役 割 が 強 調 さ
れ 、 1981 年 の 「 五 六 中 央 教 育 審 議 会 答 申 」 を 経 て 、 1985 年 よ り 四 次 に わ た る
臨時教育審議会答申において、生涯学習社会の実現に向けての具体的な方策が
示 さ れ た 。1990 年 に 生 涯 学 習 振 興 法( 略 称 )が 施 行 さ れ る に 至 り 、社 会 の 動 向
を ふ ま え た 学 習 機 能 の 充 実 が 、図 ら れ る こ と に な っ た 。1996 年「 地 域 に お け る
学 習 機 会 の 充 実 方 策 」 が 答 申 さ れ 、 地 域 性 、 公 共 性 が 再 構 築 さ れ た こ と は 、 21
世紀に向けての「社会における学び」から「社会を創る学び」への転換期であ
っ た と 思 わ れ る 。( 表 1− 1)
表 1− 1
審議会答申に見る生涯学習の変遷
[生 涯 教 育 の 導 入 期 ]
1968(昭 和 43)年
「急激な社会構造の変化に対処する社会教育のありかたに
ついて」
1971(昭 和 46)年
「 社 会 教 育 の 立 場 に 立 っ て 、学 校 教 育 を 含 め た 教 育 の 全 体 計
画 を 立 案 す る こ と が 必 要 。社 会 教 育 行 政 の 施 策 の 充 実 展 開 を
図る」四六社会教育審議会答申
1981(昭 和 56)年
「 国 民 一 人 一 人 が 充 実 し た 人 生 を 送 る こ と を 目 指 し 、生 涯 に
わ た っ て 行 う 学 習 を 助 け る た め に 、教 育 制 度 全 体 が そ の 上 に
打ち立てられるべき」五六中央教育審議会答申
[生 涯 教 育 か ら 生 涯 学 習 へ ]
1984(昭 和 59)年
「臨時教育審議会」発足
生涯学習体系への移行
1987(昭 和 62)年
臨 時 教 育 審 議 会 第 四 次 答 申 (1985 年 よ り 第 一 次 答 申 始 ま る )
1988(昭 和 63)年
「 学 校 教 育 、社 会 教 育 及 び 文 化 振 興 に 関 し 、生 涯 学 習 に 資 す
る た め の 施 策 を 企 画 し 調 整 す る こ と 」 生 涯 学 習 局 の 設 置 ,推
進体制の整備が始まる。
1989(平 成 元 )年
「 21 世 紀 を め ざ し 、 社 会 の 変 化 に 自 ら 対 応 出 来 る 、 心 豊 か
な人間育成を図る」小、中、高等学校の学習指導要領改定。
-2-
[生 涯 学 習 施 策 の 普 及 期 ]
1990(平 成 2)年
「生涯学習振興のための施策の推進体制の整備に関する法
律」制定
1992(平 成 4)年
「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策につい
て」生涯学習審議会が設置される
1996(平 成 8)年
「地域における学習機会の充実方策について」
1997(平 成 9)年
「生涯学習の成果を生かす方策について」
1998(平 成 10)年
「社会の変化に対応した今後の社会教育行政のあり方につ
いて」
1999(平 成 11)年
「生涯学習の成果を幅広く生かす」
「青少年の生きる力をはぐくむ地域社会の環境の充実方策
について」
[21 世 紀 の 生 涯 学 習 ]
2000(平 成 12)年
「家庭の教育力の充実等のための社会教育行政の体制整備
に つ い て 」「 新 し い 情 報 通 信 技 術 を 活 用 し た 生 涯 学 習 の 推 進
方策について」
2004(平 成 16)年
「今後の生涯学習の振興方策について」
2005(平 成 17)年
「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について」
2006(平 成 18)年
「新しい時代の義務教育を創造する」
文部科学省と厚生労働省が「放課後子どもプラン」を公表
教育基本法が改正される。
生涯学習は、将来のための準備を目的とした学校教育も含めて、現在の自分
の関心や課題と向き合い、他者との出会いを通じて、自分と社会との関わりを
考え、社会に参画するための自主的・自発的な学習が中心となる。
21 世 紀 に 入 り 、国 の 施 策 が 地 方 へ と 委 譲 さ れ る 中 、生 涯 学 習 に 対 す る 自 治 体
の役割が重要となった。自治体が、個人の学習成果、キャリア開発、ボランテ
ィ ア 活 動 を と お し て 、地 域 再 生 を ど う 生 か し う る か が 問 わ れ て い る 。ま た 個 人 、
団 体 の ネ ッ ト ワ ー ク 作 り を ど う 構 築 す る か を も 問 わ れ て い る 。こ の こ と は 、我 々
民間の組織側においても行政、関係機関とのパートナーシップをいかに構築し
ていくかが、問われているのである。
2. 生涯学習社会形成のプロセスと音楽教育、音楽学習
生涯学習社会形成のプロセスを念頭において、我が国における音楽教育、音
楽 学 習 の 変 遷 を た ど る 。( 表 1− 2 参 照 )
-3-
・ 第 一 ス テ ー ジ (1990 年 以 前 )
個人の活動中心の個別学習
この段階、それ以前の段階では、音楽教育は学校教育が主たるものであり民
間 企 業 に よ る 音 楽 学 習 が こ れ を 支 え て い た と 思 わ れ る 。ピ ア ノ 教 室 全 盛 時 代 。
・ 第 二 ス テ ー ジ (1990 年 ∼ )個 別 学 習 ・ 相 互 学 習 ・ 共 同 学 習
学歴偏重社会の中で、受験知識や注入教育におちいり、マイホーム主義が増
え る 中 、学 校 で は 教 育 課 程 で 主 要 教 科 と み な さ れ な い 音 楽 教 育 も 疎 外 さ れ
て い く 。音 楽 学 習 者 も 塾 を 優 先 す る よ う に な る 。カ ラ オ ケ 教 室 の 全 盛 時 代 。
青少年による自主グループのバンド活動も盛んになる。
・第 三 ス テ ー ジ (2000 年 ∼ )個 別 学 習・相 互 学 習・共 同 学 習 を 軸 と し た 総 合 学 習 。
文部科学省の学習指導要領の改定もあり、音楽学習時間の減少と、音楽文化
の見直しによる伝統音楽の継承が盛り込まれた。学習時間の減少により、音
楽教育の内容は希薄になる一方、芸術家派遣事業のように、教員以外の音楽
指 導 者 が 教 育 の 場 に 姿 を 現 す よ う に な る 。 行 政 に よ る 、 施 設 (音 楽 ス タ ジ オ )
も設置されはじめる。
表 1− 2
生涯学習社会形成のプロセス
第一ステージ
第二ステージ
第三ステージ
学習の目的や学習傾
自己充足型
自立志向型
自己実現型
向の類型
自己満足型
社会関心型
社会参画型
課題学習対象や領域
行政や地域社
生活課題や地
生活課題や地域
会から提供さ
域課題など
課 題 、社 会 全 体 の
学習
段階
れた課題
課題
教育、教養、文化、趣味、娯楽、スポーツなど
学習形態や方法
個人の活動中
個 別 学 習 、相 互
個 別 学 習 、相 互 学
心の個別学習
学 習 、共 同 学 習
習 、共 同 学 習 を 軸
(連 携 と 協 力 )
にした総合学習
(協 働 )
*天理大学教授
今西幸蔵
(兵 庫 県 生 涯 学 習 支 援 者 研 修 会 資 料 よ り )
1994(平 成 6)年 11 月 に 施 行 さ れ た「 音 楽 文 化 振 興 の た め の 学 習 環 境 の 整 備 に
関 す る 法 律 」は 、そ の 目 的 を「 音 楽 文 化 が 明 る く 豊 か な 国 民 生 活 の 形 成 並 び に 、
国際相互理解及び国際文化交流の促進に大きく資することにかんがみ、生涯学
習の一環としての音楽学習に係る環境の整備に関する施策の基本等について定
め る こ と に よ り 我 が 国 の 音 楽 文 化 の 振 興 を 図 る 」 と あ る 。 (抜 粋 )
それにより生涯学習音楽指導員は、それまで個人的ニーズに支えられてきた
音 楽 学 習 を 、学 習 要 求 と し て は 自 覚 し て い な い 人 を も 含 め 、自 由 に 音 楽 に 触 れ 、
表現し、創造する学習機会を提供することを目的とした活動を、推進すること
-4-
が 出 来 る よ う に な っ た 。今 回 2005 年 か ら 実 施 さ れ た 、
「西宮子ども音楽セミナ
ー」は生涯学習指導員の運営により、相互学習、共同学習を軸とした、総合学
習 (協 働 )の 領 域 に 属 す る ケ ー ス で あ る 。 こ う し た 事 業 に み ら れ る 学 習 需 要 の 把
握 、プ ロ グ ラ ム の 研 究 、地 域 の 実 情 に 応 じ た 企 画 に つ い て は 、次 章 で 検 証 す る 。
第 2章
「西宮子ども音楽セミナー」の実践と評価
1. 「西宮子ども音楽セミナー」の概要
「 西 宮 子 ど も 音 楽 セ ミ ナ ー 」は 、文 部 科 学 省 が 平 成 16 年 度 よ り 実 施 し た 地 域
子ども教室推進事業の一環として、音楽による子どもの居場所づくりを目的と
し、
「 お ん が く っ 子 塾 」運 営 協 議 会 に よ っ て 、全 国 的 に 実 施 さ れ た 委 託 事 業 で あ
る。いかなる形で音楽学習が可能であるかを模索していた私には、その事を生
涯 学 習 音 楽 指 導 員 研 究 会 ネ ッ ト ワ ー ク 兵 庫 に 提 起 し 、平 成 17 年 度 、18 年 度 に 、
西 宮 市 の 夙 川 西 市 民 館 に お い て 毎 週 日 曜 日 の 午 前 10 時 か ら 11 時 半 ま で 、 わ い
わ い ア ン サ ン ブ ル の 企 画 で 、 実 施 を 実 現 す る こ と が 出 来 た 。 (表 2− 1 参 照 )
表 2− 1
西宮子ども音楽セミナー概要
文部科学省委託事業「地域子ども教室」推進事業
開催期
17 年 度
年 40 回 (5 月 ∼ 3 月 )
場所
西宮市夙川西市民館
参加児童
延 べ 1861 名
後援
西宮市教育委員会
18 年 度
参加指導員
年 30 回 (4 月 ∼ 12 月 )
延 べ 626 名
兵庫県
主 催 「 お ん が く っ 子 塾 」 運 営 協 議 会 ・ 生 涯 学 習 音 楽 指 導 員 研 究 会 NW 兵 庫
・セミナー開催にあたり、運営はネットワーク指導員全員で当たる、指導者と
受講生の対等の関係をつくる、児童の目線でコミュニケーションを図ること
とした。また企画の特色として、わいわいアンサンブルの中に、毎回邦楽・
洋楽のコラボレーションした曲を盛り込むことにした。
2. 児童アンケートによる分析
「 西 宮 子 ど も 音 楽 セ ミ ナ ー 」は 、1 単 位 を 10 回 と し 、70 回 実 施 し た 。今 回 の
ア ン ケ ー ト は 18 年 度 終 了 に あ た り 、( 1) 学 習 プ ロ グ ラ ム の 検 証 ( 2) 児 童 の 感
じ方を検証するために実施した。参加児童は、低学年が多い。当該地域は私学
へ の 中 学 受 験 の 盛 ん な 地 区 で あ る 。( 市 内 小 学 生 の 15% が 私 学 受 験 )
ア ン ケ ー ト の 回 答 児 童 は 、 全 員 前 回 よ り の 継 続 の 児 童 で 、約 3 割 は 2 年 間 継
-5-
続 し た 児 童 で あ る 。 学 年 は 幼 児 (4 名 )、 小 1(3 名 )、 小 2 (8 名 )、 小 3(10 名 )、 小
4(3 名 )、 小 5 (1 名 )で あ っ た 。
* ア ン ケ ー ト 用 紙 は 資 料 と し て 別 紙 添 付 。 問 )の 番 号 は ア ン ケ ー ト 用 紙 を 参 照 す る 。
(1 )
学習プログラムの検証
問 1)好 き な 曲 は 何 で し た ?
図 2− 1
・好きな曲の中で一番多かった曲は「世界
好きな曲
世界が1つになるまで
ソーラン節
が1つになるまで」で、セミナーのテーマ
ソングとなり、2 年間継続した。手話による
11匹のネコ
ジングルベル
アロハオエ
赤鼻のトナカイ
ひなまつり
表現、継続による達成感などで満足度が増
きよしこの夜
聖者の行進
し た も の と 思 わ れ る 。「 赤 鼻 の ト ナ カ イ 」
小さな世界
0
2
4
6
8
10
12
14
も 手 話 の 曲 で あ る 。( 図 2− 1)
問 2 )楽 し か っ た 楽 器 は ?
図 2− 2
楽しかった楽器
・一番人気の楽器は大正琴であった。大正琴
リコーダー
は「ソーラン節」で箏4台のメロディーの
タンバリン
1
トライアングル
1
太鼓
1
ギロ
1
1
大正琴
11
竹太鼓
7
ベル
6
二胡
補強の為に用いた。大正琴の楽譜は数字譜
2
スティールパン
1
ギター
1
ウクレレ
4
鈴
で書かれている為、五線譜を理解できない
4
バイオリン
7
ボンゴ
1
箏
4
キーボード
児童にも容易に演奏することが出来たので
1
鍵盤ハーモニカ
1
ピアノ
1
0
2
4
6
8
10
12
興味を引き出すきっかけになったものと考えられる。又、楽器演奏の技術も
専 門 の 講 師 が そ の つ ど 指 導 し た 。( 図 2− 2)
問 5 )楽 し か っ た プ ロ グ ラ ム は ?
図 2− 3
・楽しかったプログラムは「市民館祭り」で
あった。セミナー開始直後で、練習過程で
楽しかったプログラム
リコーダー
3
手話
7
市民館祭り
13
講師コンサート
0
世界の楽器
の発表となったが、子ども達は共に創りだ
6
和太鼓
2
スティールパン
4
尺八
す喜び、他者から評価されることで、表
0
フラメンコ
2
雅楽
2
バイオリン
現 の 楽 し さ を 味 わ っ た よ う だ 。( 図 2− 3)
(2 )
8
ジャズ
3
0
2
4
6
8
10
12
児童の感じ方
①受講児童の満足度
ここでは、問6) わいわいアンサンブルに参加してどうでしたか?問7) 音
楽が、だいすきになりましたか?問8) また、きかいがあれば、参加したいで
すか?により受講児童の感じ方を検証する。
・ 参 加 し て 楽 し か っ た (29 名 全 員 )。 音 楽 が だ い す き に な っ た ( 29 名 全 員 )。
ま た き か い が あ れ ば 参 加 し た い ( 28 名 、 参 加 し た く な い 4 歳 児 1 名 )。
-6-
14
図 2− 4
問6)
受講児童の満足度
問7)
問8)
1
したい
なった
楽しかった
したく
ない
29
29
28
・ 約 97% の 児 童 が 満 足 と 答 え た 。
・
「 一 人 で や る よ り 、み ん な で や る と 楽 し い 」1 つ の 音 楽 を 創 り 上 げ る 作 業 の 中
での、児童の実感であり、このことが児童の社会性を促進する最初の一歩だ
と思われる。音楽の持つ多様な教育力により、連帯意識や個人の尊重という
感覚を体験し学習することが、児童の満足感を生み出し『ともに笑顔』を目
標 に し た セ ミ ナ ー の 主 旨 を 実 現 で き た 。( 図 2− 4)
③仲間づくり、居場所づくりが実現できたか
問 3)
お 友 だ ち に な っ た 、 人 の 名 前 を 書 き ま し ょ う (何 人 で も い い よ )
・会話は日を増すごとに多くなり、児童同士の関係
図 2− 5
友達が出来た数
も深まり、異年齢間のコミュニケーションも円滑
1人
3
になった。覚えた友達の名前は、5 人以上が最も
2人
9
多く仲間作りが進展した。
8
5人以
上
6
・ ミ ュ ー ジ カ ル 「 11 ぴ き の ネ コ 」 で は 台 詞 、 歌 、 踊 り
3人
効果音など、その分野で得意な子が指導する場面も
見 ら れ 、 共 同 学 習 の 場 で の そ れ ぞ れ の 個 性 が 発 揮 さ れ た 。( 図 2− 5)
問 4)
先 生 の ニ ッ ク ネ ー ム を 書 き ま し ょ う (何 人 で も い い よ )
・児童の様々な個性に対応できる指導者の数が、確保
図 2− 6
ニックネーム数
出 来 た こ と (1 回 の 参 加 指 導 者 平 均 6 名 か ら 10 名 )
1人
がよい結果を生み出したと思われる。朝の言葉がけ
7
7
2人
3人
の場面でも、児童の方から先に挨拶するようになっ
1
4人
6
た 。( 図 2− 6)
7
5人
以上
・人はどういう学習や文化との出会い、どういった人とのつながりの中で、物
事を見つめる力を養い、豊かな感性を育てることが出来るのだろうか。セミ
ナーでは指導員も『共に学ぶ』という立場で臨んだ。児童には自分で考え、
自分で答えることを約束した。その結果、児童と指導者の連帯感が生まれ、
学習の場がお互いの居場所となり、楽しいセミナーになったとも思われる。
-7-
3. 保護者アンケートの分析
保 護 者 を 対 象 と し た ア ン ケ ー ト 調 査 の 結 果 か ら ( 1) 性 別 ・ 年 齢 ( 2) 学 習 需
要 の 把 握( 3)活 動 の 課 題 を 検 証 す る 。保 護 者 ア ン ケ ー ト は 、1 単 位 (10 回 )修 了
ごとに毎回行ったが、今回は、セミナー全体の状況の把握として分析する。
*アンケート用紙は別紙資料として添付。
(1)回答者の性別・年齢
問1)
保 護 者 の 性 別 (回 答 者 )
図 2− 7
性別
・各単位の修了コンサートでは、父母による参加が
1
多くみられたが、アンケ−トの回答者は、男性が
男性
女性
1 名 で ほ と ん ど 女 性 で あ っ た 。 (図 2− 7)
問2)
18
保護者の年齢
図 2− 8
年齢
・ 30 代 が 約 6 割 、 40 代 が 約 4 割 で あ っ た 。
1970 年 ∼ 1980 年 に 学 校 教 育 を 受 け た 人 達 で あ る 。
7
30代
40代
(図 2− 8)
12
(2)学習需要の把握
問3)
セミナーに参加して子どもに変化はありましたか。
・音楽セミナーの開始当初は、コミュニケーションの苦手な児童が多く見られ
た。指導者から離れない児童、押し黙った児童など。指導者数も多く全員へ
の言葉がけを励行した。セミナーが進行するにつれて、指導者との会話、児
童 同 士 の 会 話 も 増 し た 。児 童 は 各 楽 器 の 選 択 、パ ー ト の 選 択 、諸 雑 務 (受 付 ・
後 か た ず け )に も 積 極 的 に 参 加 す る 姿 が 見 ら れ る よ う に な っ た 。
図 2− 9
セミナーの参加による子どもの変化
変 化 が あ っ た 18 名
あ っ た と 答 え た 人 (18 名 )の 理 由
その他
8
1
自主的になった
3
あった
なかった
共同性が養われた
6
18
活動的になった
4
0
その他の内訳
1
2
3
4
5
6
7
8
9
*音楽が好きになった *姉妹で音楽を楽しんだ
*家でも楽器をさわる *音楽に興味を示す様になった
・何よりも、音楽を通して共同で学習する場が確立したことが重要で、相互に
認め合うことが、自主的、活動的、共同性を養うということにつながり、各
-8-
児 童 の 大 き な 自 信 に つ な が っ た と 思 わ れ る 。 (図 2− 9)
問4) 学校教育とセミナーとの違いを感じましたか。
・異年齢による学習活動への評価が高い。セミナー開始当初は、児童の音楽能
力の差、年齢差による理解力の違いに指導者はためらった。毎回の反省をふ
まえ、新たな企画・編曲の工夫などによって、共に学ぶ学習の場が形成され
最 後 ま で 継 続 す る 児 童 が ほ と ん ど で あ っ た 。 (図 2− 10)
図 2 − 10 学 校 教 育 と セ ミ ナ ー の 違 い
違 い を 感 じ た 18 名 全 員
感じた理由
0
社会での総合学習
4
人との相互学習
4
感じた
5
成果の捕らえ方
18
14
異年齢との学習
無 回 答 ( 1)
0
2
4
6
8
10
12
14
16
問 5) 子 ど も が セ ミ ナ ー を 楽 し ん だ と 思 わ れ ま す か 。
・全幅の信頼をこめ、児童からも信頼される関係を作ることが大切だというこ
とが結論である。当初から指導者と受講者がお互いを、ニックネームで呼び
合い、おしつけの学習ではなく、同じ立場で学ぶ環境を心がけた。
・音楽の専門家とは、連携団体で楽器体験を行った指導者を含める。
・ 児 童 へ の 約 束 事 は 2 つ 、「 楽 器 を 大 切 に す る 」「 人 の 話 を 聞 く 」 こ と と し た 。
そ の 上 で 、指 導 者 は「 児 童 の 人 格 を 認 め る 」
「 児 童 の 個 性 を 尊 重 す る 」こ と と
した。指導者の児童に対する接触の仕方により、児童が楽しめた要素となっ
た と 考 え ら れ る 。 (図 2− 11)
図 2− 11
セミナーを楽しんだ子ども
楽 し ん だ 19 名 全 員
その他
3
講師との関り
9
思う
音楽専門家との関り
16
友だちとの関り
7
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
その他の内容*楽器体験*楽器を演奏する*音楽自体を楽しめた
-9-
問 6) セ ミ ナ ー で 音 楽 へ の 興 味 が 深 ま り ま し た か 。
・個 別 楽 器 へ の 関 心 が 半 数 の 回 答 を 得 て い る 。セ ミ ナ ー で は 、25 種 類 の 楽 器 を
使用した。各単位で学校では学習しないバイオリン、箏、ギター、などを専
門分野とする指導員により、継続して学習するプログラムを組んだ。このこ
とで、児童の楽器の習得度が増し、保護者の評価に結びついたと思われる。
・学校教育で使用しているリコーダーや鍵盤ハーモニカは、楽器を自宅に持ち
帰る期間を利用し、自宅学習が出来るようにアンサンブル曲を選曲した。
・歌 、手 話 は「 世 界 が 1 つ に な る ま で 」
「 ド レ ミ の う た 」を 指 導 し 、楽 し ん だ 。
最終回 の「 赤鼻の トナ カイ」は、手話の 専門 家から、手 話の意 味や 、相手 に
伝 え る 時 の マ ナ ー を 教 わ り 、 一 層 の 関 心 が 深 ま っ た と 思 わ れ る 。 (図 2− 12)
図 2− 12
セミナーでの音楽興味の深まり
深 ま っ た 19 名 全 員
深まったと答えた人の内容
0
その他
0
リズムの楽しさ
深まった
19
6
歌・手話
13
個別楽器への関心
14
音楽全般
7
0
2
4
6
8
10
12
14
16
問 7) 今 回 の セ ミ ナ ー で 音 楽 の よ さ を 感 じ ら れ ま し た か 。
・専 門 家 に よ る 音 楽 体 験 学 習 に つ い て は 、他 団 体 と も 連 携 し て 実 施 し た 。(雅 楽
和 太 鼓 ・ フ ラ メ ン コ ・ バ レ エ ・ 尺 八 ・ ブ ラ ス ・ 手 話 等 )。 専 門 家 と の 関 り は 、
児 童 に 未 知 の 世 界 へ の 興 味 を 持 た せ る も の で あ り ,音 楽 へ の 充 足 感 は 子 ど も
の 豊 か な 心 を 育 む 可 能 性 を 示 す も の と 考 え ら れ る 。 (図 2− 13)
図 2− 13
セミナーでの音楽に対する好感
感 じ た と 答 え た 人 (19 人 全 員 )
感じたと答えた人の理由
その他
0
専門家の楽器体験
感じた
19
16
親との交流
0
皆との共同作業
7
音楽の充足感
10
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
(3 )セ ミ ナ ー の 展 望 と 課 題
問 8) 可 能 で あ れ ば 、 セ ミ ナ ー の 継 続 を 希 望 さ れ ま す か 。
・希望理由としては、子どもの居場所、子どもの自己形成、地域との関りが、
- 10 -
ほぼ同数で分散し、学習の継続が一番となっている。保護者の継続して欲し
い と い う 熱 意 が 伺 え る 。 (図 2− 14)
図 2− 14
セミナー継続への希望
継 続 希 望 19 人 全 員
継続希望と答えた方の理由
0
子どもの居場所
5
子どもの自己形成
8
する
地域社会との関り
19
7
学習の継続性
13
0
問 9)
2
4
6
8
10
12
14
行政への継続希望の要望書に署名されますか。
・文 部 科 学 省 で は 、18 年 度 で 子 ど も の 居 場 所 づ く り プ ラ ン は 終 了 と 決 定 さ れ て
お り 、 19 年 度 は 放 課 後 子 ど も プ ラ ン へ 移 行 さ れ た 。
・ セ ミ ナ ー 終 了 時 、 保 護 者 ・ 児 童 ・ 関 係 団 体 ・ 講 師 に よ り 計 89 名 の 署 名
が 集 ま っ た 。 (図 2− 15)
図 2− 15
セミナー継続を希望する行政への要望書
要 望 書 署 名 19 名 全 員
0
する
19
問 10) 現 在 の 教 育 で 必 要 な も の は 何 だ と 思 わ れ ま す か (1 つ 選 択 )
・保 護 者 を 対 象 と し た 今 回 の ア ン ケ ー ト で は「 地 域 で の 教 育 」
「社会全体のシス
テム」が必要と回答している、学校教育・家庭教育だけでは為し得なかった
期 待 が 社 会 を 作 り 出 す 、 生 涯 学 習 に 課 せ ら れ て い る と 思 わ れ る 。( 図 2− 16)
図 2− 16
現在の教育で必要なもの
社会全体のシステム
7
地域での教育
9
学校教育
1
家庭教育
3
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
・保 護 者 を 対 象 と し た 今 回 の ア ン ケ ー ト で は「 地 域 で の 教 育 」
「社会全体のシス
- 11 -
テ ム 」 が 必 要 と 回 答 し て い る 、 こ れ は 生 涯 学 習 の 課 題 で も あ る 。( 図 2− 16)
問 11) 今 後 、 生 涯 学 習 と し て 、 ど の 分 野 の 音 楽 指 導 が 有 効 だ と 思 わ れ ま す か 。
・生 涯 音 楽 学 習 の 今 後 に 期 待 す る 分 野 は 、
「 子 ど も へ の 指 導 」が 多 数 だ っ た 。次
に「 音 楽 文 化 の 普 及 」が 回 答 さ れ「 成 人 ・ 高 齢 者 へ の 指 導 」
「 子 育 て 支 援 」が
続 い て お り 多 岐 に 渡 っ て い る 。( 図 2− 17)
図 2− 17
生涯音楽学習で必要と思われる分野
成人・高齢者への指導
6
子育て支援
5
子どもへの指導
12
音楽文化の普及
9
0
2
4
6
8
10
12
14
問 12)今 後 の セ ミ ナ ー が 有 料 で あ っ て も 参 加 さ れ ま す か 。
・保 護 者 の 回 答 は 有 料 で も 全 員 が 参 加 す る と 答 え て い る 。1 回 の 受 講 料 は 、500
円 が 9 名 で 最 も 多 く 、 1000 円 、 300 円 が 各 5 名 と な っ て い る 。 (図 2− 18)
図 2− 18
セミナーの費用
参 加 す る 19 名
1回の受講料として払える金額
0
1000円
5
する
500円
9
19
300円
5
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
*保護者感想文は別紙資料として添付。
4. 「西宮子ども音楽セミナー」の学習評価と分析
―山本恒夫
編 [生 涯 学 習 ハ ン ド ブ ッ ク ]の 手 法 を 参 考 に ―
(1)学 習 内 容
毎 回 の 反 省 会 で 、居 場 所 作 り と セ ミ ナ ー の あ り 方 を 確 認 、次 回 へ つ な げ た 。
①学習方法
音楽を創り上げるなかで、集団性、共同性を重視するプログラムとした。
②物理的諸条件
10 回 の セ ミ ナ ー を 1 単 位 と 考 え 、企 画 か ら 最 終 ま で プ ロ グ ラ ム に 統 一 性 を
も た せ た 。音 楽 技 術 の 習 得 よ り も 音 楽 の 楽 し み 方 、学 び 方 に 重 点 を 置 い た 。
- 12 -
③運営上の要素
指導者は、ネットワーク会員の全員参加を原則とし、会員の自主的参加者
図った。また児童と指導者は同じ立場での、学びの共有を図った。
(2)学 習 意 欲 の 喚 起
①学習者の必要とする事項が入れられているか
パート終了時毎回アンケートを取った。
②新しい学習への関心が呼び起こされているか
新しい楽器を次々に体験した。
③他の児童の発想法を知り、新しい学習への関心が生まれたか
パ ー ト ご と に テ ー マ を 決 め 企 画 を 立 て た 。最 終 の ミ ュ ー ジ カ ル「 11 匹 の ネ
コ」では、児童も企画に参加し、役割の大切さ、歌、踊り、せりふの相互
の作業による完成度の充実を図り、お互いが個性の大切さを知り、作品を
達成する喜びに至った。
④生活上の課題の解決に役立ったか
自主性、協調性が養われ、仲間意識を育てることが出来た。
⑤年齢、環境の異なった人の楽しさを味わったか
異年齢の学習の楽しさを理解した。
【考察】
いじめ問題の顕在化は、物質優先社会の所産である。子どもたちの心の歪み
は、大人たちがその歪みを是正する社会を考えなくてはならない。教育問題に
つ い て は 、 行 政 、 市 民 N P O と そ れ ぞ れ が 課 題 と し て 挙 げ て い る 。 平 成 18 年
度 の 教 育 基 本 法 は 、新 た に「 公 共 の 精 神 」の 尊 重「 豊 か な 人 間 性 と 創 造 性 」
「伝
統の継承」などが規定されている。このことは、取りも直さず学校教育・家庭
教育と連携した、生涯学習に教育への期待が寄せられているという事である。
生涯学習の一環として行った「西宮子ども音楽セミナー」は児童・保護者共
満 足 度 97% と 好 評 だ っ た 。 そ し て 、 私 た ち 指 導 員 に も 、 達 成 感 を も た ら し た 。
児童には、異年齢による学習形態により社会性を育み、市民館まつりの参加
により、社会参加の喜びをもたらした。保護者アンケートによる「地域での教
育 」「 社 会 全 体 の 教 育 シ ス テ ム 」 の 回 答 は 、 セ ミ ナ ー へ の 理 解 の 裏 づ け で あ る 。
問 8)や 問 9)の 継 続 の 希 望 は 、地 域 で の 教 育 力 を い か に 組 み 合 わ せ て 、生 涯 音 楽
学 習 の 場 を 確 保 す る か に か か っ て い る の で は な い だ ろ う か 。NPO 活 動 も 視 野 に
入れて、活動を広げる必要を感じた。
私たち指導者にとっては、共に学ぶことにより、生涯学習の真の意味を考え
る場でもあった。形態や方法に臆せず、多様な創造性をもって望めたのも、子
- 13 -
ども達の笑顔の後押しがあったからである。
学 習 の 多 様 な 場 と 方 法 を 、 学 習 者 (児 童 )の レ ベ ル で プ ロ グ ラ ム 化 し 、 関 係 づ
け る こ と を 、「 西 宮 子 ど も 音 楽 セ ミ ナ ー 」 を 実 践 す る 中 か ら 学 ん だ 。
第3章
生涯学習社会における生涯音楽学習
1. 生涯学習音楽指導の課題
第 2 章の「西宮子ども音楽セミナー」は生涯学習音楽指導員研究会NW兵庫
として初めて取り組んだ事業である。初めて顔を合わせた指導員同士が、生涯
学習音楽指導とは何かを認識しないまま、エネルギーを全開して突き進んだ感
じがする。振り返ってみれば、悩みを語り、他者とのトラブルに耳を傾け、知
恵を出し合い、方法を考え出していくことで全員が何かを学び取ることが出来
た。2 年間のセミナーが終了し、生涯学習音楽指導が何であるか、少し先の見
え た 段 階 に 入 っ た 。本 章 は「 生 涯 学 習 音 楽 指 導 員 と は 」、「生 涯 学 習 音 楽 指 導 と
は 」「 ネ ッ ト ワ ー ク と は 」 の 問 い を 、 生 涯 学 習 音 楽 指 導 の 課 題 と す る 。
「西宮子ども音楽セミナー」の分析からみると、社会の価値観は、物から質
へ、画一から多様へ、経済重視から生活文化へと移行していると思われる。
さらに保護者のアンケートからも、参加、連帯、能力の発揮、個性の尊重、と
多 様 な 価 値 観 を 読 み 取 る こ と が 出 来 る 。 (別 紙 添 付 ・ 保 護 者 感 想 文 参 照 ) そ の よ う な
多様な価値観を持つ生涯学習社会の中で、ネットワーク作りのさらなるエンパ
ワーメントに向けて、参画協働型の学習活動としての生涯音楽学習と指導員の
役割を考察する。
(1 )使 命 (ミ ッ シ ョ ン )の 共 有
生 涯 音 楽 学 習 に お け る 使 命 の 共 有 と は 、2001 年 制 定 さ れ た「 芸 術 文 化 振 興 法 」
にのっとった、生涯学習音楽指導、音楽文化の創造であり、音楽による豊か
な心を共有できる社会の実現であると思われる。
(2 )ヴ ィ ジ ョ ン の 創 造
ヴィジョンとは「音楽を学び楽しむ場」をいかに提供出来るかである。何が
必要で、どこへ向かうのかを、頭で分析するのではなく、体験の中から感じ
取る自主性である。生涯音楽学習のヴィジョンは、ネットワークが生み出す
多様な知力により、創造していかなければならない。
(3 )参 画 協 働 の 主 体 と し て の ネ ッ ト ワ ー ク
参画とは、意思決定の過程を共有するプロセスのことであり、一人一人が自
由であり、なおかつ行動に責任を持ち、自己実現するプロセスである。その
- 14 -
為には音楽指導員のファシリテーターとしての役割が欠かせない。
(4 )フ ァ シ リ テ ー タ ー と し て の 役 割
ファシリテーターを直訳すると「援助者・促進者」という意味になる。リー
ダーは統率を大切にするが、ファシリテーターは公正を重んじる。生涯音楽
学習におけるファシリテーターの役割は、専門的知識を伝えるだけのもので
も、自分の音楽性を誇示するものでもない。体験学習や音楽学習において、
参 加 者 が 対 等 な 立 場 で 意 見 を 出 し 合 い 、よ り 民 主 的 に 学 習 が 進 ん で い く よ う 、
様々な工夫を行い、進行していく役割である。
(5 )学 ぶ ネ ッ ト ワ ー ク 作 り
ネットワークは自立と依存の関係である。「小さな主張」「小さな依存」に
よって、支え合う共同体としての「響きあう関係」が成立するのではないだ
ろ う か 。YES の 中 の NO を ど う 汲 み 取 る か 、NO の 中 の YES を ど う す く い 上 げ る
かが、共感と自己主張を内包する水平なネットワークの構築となる。
生 涯 音 楽 学 習 の ネ ッ ト ワ ー ク が 、日 々 、エ ン パ ワ ー す る た め に は 、進 捗 状 況
の 把 握 、的 確 な 援 助 、ピ ン チ を チ ャ ン ス に 変 え る 持 続 的 な 活 動 が 必 要 だ 。「 と
も に 学 ぶ 」こ と を 共 有 す る こ と に よ り 共 感 と 連 帯 感 が 生 ま れ 、そ の こ と に よ
りネットワークがさらにエンパワーすると思われる
第4章
生涯音楽学習における参画と協働
1.地方行政における生涯学習の施策
参画と協働の視点で、兵庫県・西宮市の施策を聞き取り調査し、報告する。
聞き取り調査については、兵庫県県民政策部県民文化局生活創造課生涯学習
研 究 室 は 2007 年 3 月 6 日 、 兵 庫 県 立 芸 術 文 化 セ ン タ ー 広 報 課 は 2007 年 2 月
10 日 、西 宮 市 総 合 企 画 局 ま ち づ く り 部 文 化 課 生 涯 学 習 推 進 課 は 2007 年 3 月 26
日 、 西 宮 市 教 育 委 員 会 は 「 子 ど も 音 楽 セ ミ ナ ー 」 継 続 の 要 望 書 提 出 の 際 2007
年 3 月 5 日 、 西 宮 市 立 中 央 公 民 館 は 2007 年 3 月 5 日 に 実 施 し た 。
(1 )兵 庫 県 の 施 策 の 現 状
兵 庫 県 は い ち 早 く 昭 和 54 年 度 に 、 生 活 課 題 ・ 地 域 課 題 に 関 す る 取 り 組 み と
一体となった県民の学習活動の総合的かつ効果的な支援をめざすため、青少年
教育、芸術文化、高齢者教育、婦人教育等、生涯学習に係る事務を教育委員会
から知事部局に委任された。
兵 庫 県 第 5 期 生 涯 学 習 の 提 言 よ り ( 平 成 15 年 7 月 )
- 15 -
「包括的な生涯学習システムの必要性」
−県民と学習資源をつなぎ個々の団体の取り組みを支援する仕組み−
めざすべき生涯学習システムの特徴
本 県 で は 、 平 成 15 年 4 月 に 「 県 民 の 参 画 と 協 働 の 推 進 に 関 す る 条 例 」 が 施
行され、多様な主体による連携・協働やボランタリー活動の裾野の拡大が推進
されようとしており、これらを支える生涯学習の期待も高まっている。また都
市部を中心に施設や人材など豊富な学習資源が存在しており、こうした兵庫県
の特色を生かした成熟時代にふさわしいシステムづくりをめざしていく。この
システムは、①生涯学習の対象領域の拡大と社会参加の促進
ットワーク化と共同事業の実施
ではの活躍の支援
③大学と他の機関の連携強化
②関係機関のネ
④その人なら
⑤地域課題解決に向けた「学びあう協働」の促進の 5 つの
特色を持つ。
また地域課題解決に向けた「学びあう協働」の促進とは、
学習活動を通じて、成熟社会における市民として、創造的な企画力、実践力を
獲得し、環境、子育て、コミュニティー、高齢者ケアーといった地域のさまざ
ま な 活 動 に 取 り 組 め る よ う 、各 団 体 と の ネ ッ ト ワ ー ク を 深 め な け れ ば な ら な い 。
と あ る 。県 庁 の 生 涯 学 習 研 究 室 へ の 聞 き 取 り 調 査 に よ る と 、18 年 度 か ら「 県 民
交 流 広 場 事 業 」が 本 格 化 し 、
「 参 画 と 協 働 」に よ る コ ミ ュ ニ テ ィ ー づ く り が 、ソ
フ ト 面 の 充 実 と し て 大 き く と り あ げ ら れ て い た 。こ の 場 合 は 地 域 組 織( 自 治 会・
婦 人 会 ・ PTA・ 老 人 会 ) と の 連 携 も 必 要 で 、 生 涯 学 習 音 楽 指 導 員 の 地 域 づ く り
への積極的関りが課題となる。また生涯学習音楽指導は県民局の所管の中で展
開されることになり、西宮市を中心とする私達の活動においては、今後、阪神
南県民局との協働の必要を感じた。
①県立芸術文化センター
2005 年 10 月 、県 立 芸 術 文 化 セ ン タ ー が オ ー プ ン し た 。今 年 1 月 、16 ヶ 月 で
50 万 人 を 集 客 し た 。 (3 月 1 日 朝 日 新 聞 ・ 佐 渡 裕 対 談 )
私も足しげくコンサー
ト に 通 う 一 人 で あ る 。 集 客 の 手 法 は 、 ① 「 ワ ン コ イ ン コ ン サ ー ト 」 500 円 の 低
価格コンサート、②「プロムナードコンサート」は土日を利用して働く人達へ
の コ ン サ ー ト 、③ 芸 術 文 化 セ ン タ ー 交 響 楽 団・PAC オ ー ケ ス ト ラ の 定 期 演 奏 会
で あ る 。1000 円 か ら の 低 料 金 で 予 約 が 困 難 な 状 況 だ 。こ れ ら の 事 業 は 若 手 芸 術
家の育成にもつながる。出演演奏家により、内容にも工夫を凝らしている。手
軽に、利用できる企画の工夫があれば、音楽は市民の身近なものになるという
点で参考になる。
- 16 -
(2 )西 宮 市 の 施 策 の 現 状
西宮市の計画体系
「夢をはぐくむ生涯学習のまちづくり」
①生涯学習の基礎作り
④学習機会の充実
②情報提供体制の整備
⑤成果を生かす方策
③学習の場の整備充実
⑥推進体制
西 宮 市 は 、18 年 度 よ り 市 長 部 局 の 総 合 企 画 局 文 化 ま ち づ く り 部 に 、生 涯 学 習
推進グループが置かれている。自治体全体として、生涯学習、文化にどう取り
組むかという連携が始まったばかりである。生涯学習課推進グループでは、高
齢 者 の 「 宮 水 学 園 」、 子 ど も 対 象 の 「 宮 水 ジ ュ ニ ア ー 」、 大 学 連 携 講 座 「 イ ン タ
ーカレッジ西宮」などが主な事業で、学習機会や場の提供を行っている。
文 化 振 興 グ ル ー プ で は 、18 年 度「 西 宮 文 化 振 興 ビ ジ ョ ン 」が 策 定 さ れ た 。
「音
楽と出会うまち西宮」事業では、市民との連携・協働として懇話会も設立され
た。まちかどコンサート、ギャラリーコンサート、西宮虹舞台(応募企画)な
どの事業がある。西宮虹舞台へは昨年応募を試みたが「西宮子ども音楽セミナ
ー」が開催中という事で、却下された。だが市民が実際に音楽に参加する体験
型の事業が必要と感じている。
①西宮市教育委員会
国 の「 放 課 後 子 ど も プ ラ ン 」へ の 施 策 の 移 行 を ふ ま え て 、
「西宮子ども音楽セ
ミナー」事業継続の要望書を提出したが、来年度の「放課後子どもプラン」に
関 し て も 実 施 未 定 と の 回 答 で あ っ た 。 生 涯 学 習 課 は 18 年 度 よ り 総 合 企 画 局 に
移行したが、家庭教育の支援として、社会教育・文化財グループの中の家庭教
育振興市民会議において、家庭教育が本来果たす役割を見直し、地域、学校、
行政が連携し、子育てを支える環境づくりを行っている。
②西宮市中央公民館
西宮市は公民館活動の盛んな地域である。各公民館に推進委員を設置、自主
講座を企画している。しかし組織自体が、従来の地縁に基づいているため、プ
ログラムのマンネリ化で学習者の数は減少している。
中 央 公 民 館 は 、 新 た に 18 年 度 か ら 「 市 民 企 画 講 座 」 を 開 催 し た 。 本 年 度 も
「にしのみや創造プロジェクト事業」として、①人権
育て
⑤青少年
⑥ボランティア育成
⑦その他
②福祉
③家族
④子
の内容を含むものを公募し
ている。生涯音楽学習として参加するならば、これらの内容に複合する企画が
必要だ。
- 17 -
ところで生涯音楽学習プログラムとして、市民が実際に音楽に参加する体験
型の事業が、ほとんど行われていない。直に音楽に触れる体験が必要とおもわ
れる。生涯学習音楽指導員も、音楽をツールに、地域に向けて様々な企画を投
げかけ、実践し、まちづくりの視点をふくめ他団体と連携することが欠かせな
い時代になってくるように思われる。
[聞 き 取 り 調 査 を 終 え て ]
西宮市、兵庫県の聞き取り調査における各課の対応は、協力的であり好意的
であった。行政は、地域社会における生活の場でのコミュニティー作りを模索
し、協働による豊かな社会を目指していると思われる。地域コミュニティーの
活 性 化 を 図 る S N S (ソ ー シ ャ ル
ネットワーキング
サ ー ビ ス )の メ ン バ ー に
もNW兵庫として登録した。
2007 年 6 月 1 日 、 教 育 再 生 審 議 会 の 第 2 次 報 告 で は 、「 Ⅱ . 心 と 体 − 調 和 の
取 れ た 人 間 形 成 を 目 指 す 」と あ る 。提 言 2 で は 、
「 様 々 な 体 験 活 動 を 通 じ 、子 供
たちの社会性、感性を養い、視野を広げる」とあり、また提言4では「地域ぐ
る み の 教 育 再 生 に 向 け た 拠 点 を つ く る 」と あ り 、(「 放 課 後 子 供 プ ラ ン 」が こ れ
に あ た る )、提 言 5 で は「 社 会 総 が か り で の 教 育 再 生 の た め の ネ ッ ト ワ ー ク を つ
く る 」 と あ る 。 (財 )音 楽 文 化 創 造 に よ る 、 全 国 各 ネ ッ ト ワ ー ク の 「 地 域 子 ど も
教室」業績はこれらの条件を満たしたものと考える。
しかし、行政の施策には期限がある。事業継続の工夫はネットワークの課題
である。また社会の変化は急速であり、既成の制度や施策の枠外においても、
そのニーズを生み出すものだと思われる。だからこそ、行政と協働する新たな
生涯学習音楽指導の発想が必要であり、生涯音楽学習を図る上でも社会におけ
る様々な課題を持つネットワークとの連携が提唱されるのであろう。そして、
生涯学習音楽指導員は、新たな協働の関係をフェイスとフェイスで向き合い、
地域社会の課題をさぐりながら、生涯学習音楽指導の実践により構築していか
なければならないのであろう。
- 18 -
2. 行政と参画協働のための事業企画書
ここでは、西宮市、兵庫県における聞き取り調査にもとづき、子育て支援を
課題としたミュージックセラピーの親子講座の企画と、
「 音 楽 と 出 会 う ま ち 」の
西宮市文化振興ビジョンうけて、生涯音楽学習として、市民、音楽家、音楽団
体 、N P O の 連 携 に よ る 体 験 型 ワ ー ク シ ョ ッ プ 、コ ン サ ー ト の 企 画 を 提 示 す る 。
(1 )「 に し の み や 創 造 プ ロ ジ ェ ク ト 事 業 」 市 民 企 画 講 座
現代的課題をテーマとした中央公民館での企画講座を提案する。
(2 )「 文 化 芸 術 に よ る 創 造 の ま ち 支 援 事 業 」 文 化 庁
参加・体験型の音楽講座の実施を提案する。
そのために西宮子ども音楽セミナーを核として、これと連携する団体
及びまだ行政に関わっていない、他の音楽団体とのネットワーク化を
めざし、西宮市音楽団体協議会を設立する。そのため文化庁の「地域
振興事業」についての企画を提案する。
[企 画 書 ]
(1 )「 に し の み や 創 造 プ ロ ジ ェ ク ト 事 業 」 市 民 企 画 講 座
①背景
西宮市は、震災後も新たに居住人口が増加し、新生児も多く、保育所の数
も不足している。また、サラリーマンの転勤者も多く、核家族により子育
て に 悩 ん で い る 父 母 も 多 い 。そ こ で 子 育 て 支 援 の 親 子 ミ ュ ー ジ ッ ク セ ラ ピ
ーを企画する。
②タイトル
『おやゆび
こゆび
この指とまれ!!』
③企画意図
(a)音 楽 に よ り 親 子 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と ス キ ン シ ッ プ の 充 実 を 図 る 。
(b)音 楽 を と お し て 幼 児 の 身 体 、 心 身 の 成 長 を 促 進 す る 。
(c)音 楽 を と お し て 父 母 が 知 り 合 い 、 子 育 て の 仲 間 づ く り を 推 進 す る 。
④対象
(a)0 歳 ∼ 1 歳 の 乳 幼 児 を 持 つ 親 と 子
(b)2 歳 ∼ 3 歳 の 幼 児 を 持 つ 親 と 子
⑤内容
(a)リ ト ミ ッ ク
*成長段階により 2 グループとする。
(b)昔 あ そ び
(c)ミ ュ ー ジ ッ ク ケ ア ー 体 操
(d)音 で つ づ る 絵 本
⑥時期
9 月 ・ 10 月 ・ 11 月 (月 2 回 ×3 )計 6 回
⑦場所
西宮中央公民館
⑧案内・広報
市 政 ニ ュ ト )誌 掲 載 ・ 公 民 館 設 置
*今後の情報提供等については、インターネット市民塾として継続することを視野に
入れる
- 19 -
(2 )「 文 化 芸 術 に よ る 創 造 の ま ち 支 援 事 業 」 文 化 庁
[企 画 書 ]
①背景
西 宮 市 で は 、 平 成 18 年 度 「 西 宮 文 化 振 興 ビ ジ ョ ン 」 が 策 定 さ れ 、「 音 楽 と
出 会 う ま ち 西 宮 」事 業 を 行 っ て い る 。し か し 現 在 行 わ れ て い る 、
「まちかど
コ ン サ ー ト 」「 ギ ャ ラ リ ー コ ン サ ー ト 」 な ど は 、 従 来 か ら の 音 楽 団 体 (西 宮
合 唱 団・ア ー テ ィ ス ト 教 会 等 )に よ る 事 業 に 過 ぎ な い 。生 涯 音 楽 学 習 の 機 会
や裾野を広げるためには、地域音楽文化振興への取り組みとして。新たな
音楽団体や組織との連携協力が必要と考える。新たな音楽関係者間のネッ
トワークを構築することが重要である。
本 事 業 は (a)シ ン ポ ジ ュ ー ム ∼ (b)ワ ー ク シ ョ ッ プ ∼ (c )コ ン サ ー ト に よ る
3 部構成の連続事業とし、
「 音 楽 の あ る ま ち 」の 文 化 創 造 と 新 た な 音 楽 協 議
会 設 立 の 為 (西 宮 音 楽 ホ ー ム )の 事 業 プ ラ ン を 提 示 す る 。
②タイトル
『クオリティー
オブ
ミュージックライフ』∼連帯から創造へ∼
③企画意図
(a)新 し く 音 楽 を 創 造 す る と い う 想 い を 持 つ 、音 楽 家・音 楽 団 体 と の 連 帯 を
図 る 。 西 宮 音 楽 ホ ー ム [仮 称 ]
(b)市 民 に 向 け て 音 楽 体 験 ワ ー ク シ ョ ッ プ を 開 催 す る
(c)「 音 楽 に で あ う ま ち 」 に ふ さ わ し い 、 心 ふ れ あ う コ ン サ ー ト を 開 く
④対象
(a)シ ン ポ ジ ュ ー ム (兵 庫 県 在 住 ・在 勤 の 音 楽 に 興 味 ・ 関 心 の あ る 市 民 )
(b)ワ ー ク シ ョ ッ プ (各 コ ー ス に よ り 幼 児 ∼ 高 齢 者 ま で の 市 民 全 般 )
(c)音 楽 の あ る ま ち コ ン サ ー ト (シ ン ポ ジ ュ ー ム ・ ワ ー ク シ ョ ッ プ 参 加 者 )
⑤事業形態・内容
(a)シ ン ポ ジ ュ ー ム (プ レ ラ ホ ー ル )
「ふれあい・つどい・みゅーじっく∼西宮音楽ホーム設立にむけて∼」
音楽団体のネットワークづくりを目的とし、西宮セミナーの連携団体や、
新 た に NPO 音 楽 団 体 や 個 人 音 楽 家 へ 呼 び か け 、 音 楽 コ ミ ュ ニ テ ィ ー を つ
くりあげる。
(b)ワ ー ク シ ョ ッ プ (市 民 に よ る 参 加 型 音 楽 体 験 )
シンポジュームの内容を盛り込み、生涯学習の視点に立った体験学習。す
べての年齢に対して、年齢に応じた音楽ワークショップを開催する。
内 容 : 乳 幼 児 (子 育 て セ ラ ピ ー )・ 児 童 (わ い わ い ア ン サ ン ブ ル )・ 中 学 生 (よ
さ こ ソ ー ラ ン )・ 高 校 生 (和 太 鼓 体 験 )・ 大 学 連 携 (ミ ュ ー ジ カ ル )・ 成 人 (ブ ラ
- 20 -
ス ア ン サ ン ブ ル ・ 邦 楽 )・ 高 齢 者 (ミ ュ ー ジ ッ ク ケ ア ー )の コ ー ス 。
*内容は例として提示。
(c)「 音 楽 に で あ う ま ち 」 − 国 際 音 楽 の 日 コ ン サ ー ト − 開 催 ( 兵 庫 県 立 芸 術 文 化 ホ ー ル )
コ ン サ ー ト の 参 加 者 は 、シ ン ポ ジ ュ ー ム の 参 加 者 、ワ ー ク シ ョ ッ プ 受 講 生 、
兵庫県・西宮市在住在勤の音楽家で構成する。
⑥時期
(a)シ ン ポ ジ ュ ー ム
2008 年 5 月 ∼ 7 月 (準 備 ∼ 開 催 )
(b)ミ ュ ー ジ ッ ク ・ワ ー ク シ ョ ッ プ
8 月・9 月
(c)「 音 楽 に で あ う ま ち 」 − 国 際 音 楽 の 日 コ ン サ ー ト − 10 月
⑦場所
(a)プ レ ラ ホ ー ル (b)公 民 館 並 び に 公 的 施 設 (c)兵 庫 県 立 芸 術 文 化 セ ン タ ー
⑧案内・広報
・兵庫県広報紙・西宮市広報誌・新聞各社・インターネット
・公共の施設に配布
【おわりに】
「 私 た ち が 行 っ た こ と は 、こ う い う 事 だ っ た 」本 レ ポ ー ト を 書 く こ と に よ り 、
整 理 し あ ら た め て 認 識 し た 。生 涯 学 習 音 楽 指 導 員 と し て「 気 づ き 」
「種まき」
「根
づき」を実践の中で体験した。本レポートはその実践体験をもとに、生涯学習
との相互性をたどることで、結果、指導員としての自らの学習を方向づけるも
のであった。
2年間実践活動をする中でも、行政との聞き取り調査の中でも、そしてレポ
ー ト 作 成 の た め 情 報 収 集 を す る 中 で も 「 自 発 的 な 学 習 」「 学 習 に よ る 共 通 体 験 」
が生涯学習の必要条件と感じた。個人が分断されていく格差社会の中で、その
歯 止 め と し て の「 居 場 所 づ く り 」
「 仲 間 づ く り 」と し て 、生 涯 音 楽 学 習 は 充 分 条
件である。それは、幼児、青少年、社会人、高齢者どの年代においても、可能
なことである。
今 後 の 課 題 は 、生 涯 音 楽 学 習 が 、各 地 域 の な か で 如 何 に プ ロ フ ィ ッ ト (事 業 性 )
を高められるかである。それには、やりたいこと、求められていること、やれ
ることを、生涯学習音楽指導の中で、社会と照らし合わせて提示し、行政との
協働によって実践することであろうと思われる。
レ ポ ー ト 作 成 中 の 2007 年 2 月 28 日 、 朝 日 新 聞 の 朝 日 広 告 賞 の コ ピ ー が 目 に
止まった。
「心がだんだんまるくなる」
「一瞬も一生も美しく」
「文学の言葉でな
ら 、世 界 と 深 く は な せ る 」。こ れ ら の 言 葉 は す べ て 音 楽 の 世 界 に 置 き 換 え て も 可
- 21 -
能なことだ。音楽は、人を豊かにする。社会の仕組みが複雑になっても、人の
心はいたってシンプルだ。音楽学習を日常生活の次元に手繰り寄せ、音楽を努
力しないと受け入れることが出来ないと考えるのではなく、日常生活の質を向
上 さ せ る 、必 須 条 件 と み な す こ と も 出 来 る の で は な い だ ろ う か 。音 楽 と い う「 魂
の薬」を処方箋に、学びの案内人は必要だと考える。生涯音楽学習が人とのつ
ながりを培い、音楽学習がそれぞれの人の持つ状況を憩わせ、音楽が明日への
エネルギィーを育む、生涯音楽学習が心豊かな生涯学習社会の音楽文化の創造
への一助となることを願ってやまない。
生涯音楽学習も音楽文化の創造も、音と響きあう生活「クオリティー
オブ
ミュージックライフ」の中にあると思われる。
【参考文献】
・ 高 萩 保 治 ・中 嶋 恒 雄 編 『 音 楽 の 生 涯 学 習 − 課 題 と 実 際 』 玉 川 大 学 出 版 、
2000 年 。
・ 浅 井 経 子 編 『 生 涯 学 習 概 論 』 理 想 者 、 2002 年 。
・ 今 西 幸 蔵 『 21 世 紀 の 宝 ・ 生 涯 学 習 − 市 民 社 会 へ の パ ス ポ ー ト − 』 澪 標 、
2001 年 。
・ 吉 川 弘 編 『 生 涯 学 習 論 』 文 教 書 院 、 1997 年 。
・ 辻 功 ・ 新 井 郁 男 編 『 生 涯 学 習 援 助 の 企 画 と 経 営 』 第 一 法 規 、 1989 年 。
・ 山 本 恒 夫 編 『 生 涯 学 習 ハ ン ド ブ ッ ク 』 第 一 法 規 、 1989 年 。
・ 川 野 辺 敏 ・ 山 本 慶 裕 編 『 生 涯 学 習 論 』 福 村 出 版 、 1999 年 。
・ 白石克己編『生涯学習論
自 立 と 共 生 』 実 務 教 育 出 版 、 1997 年 。
・ 上 杉 孝 實 ・ 前 平 泰 志 編 『 生 涯 学 習 と 計 画 』 松 籟 社 、 1999 年 。
・ 小 宮 山 博 仁 ・ 立 田 慶 裕 編 『 人 生 を 変 え る 生 涯 学 習 の 力 』 新 評 論 、 2004 年 。
・ 中 島 明 勲 ・ 星 永 俊 編 著 『 21 世 紀 の 社 会 教 育 』 ミ ネ ル ヴ ァ 書 房 、 1992 年 。
・ 丸 林 美 千 代 著 『 生 涯 音 楽 学 習 入 門 』 音 楽 之 友 社 1999 年 。
・ 佐 藤 一 子 編 『 生 涯 学 習 が つ く る 公 共 空 間 』 柏 書 房 、 2003 年 。
・ 赤 地 学 ・ 金 谷 年 展 ・ 中 雄 政 幸 編 『 心 に 火 を つ け る 人 、 消 す 人 』 TBS ブ リ タ
ニ カ 、 2000 年 。
- 22 -
・ 「 音 楽 文 化 の 創 造 」cmc 40 号 − 音 楽 文 化 創 造 の 理 念 と 事 業 − 、2006 年 4 月 。
・ 「西宮市文化振興ビジョン」−文化
美しい風
西 宮 − 、 2006 年 3 月 。
・ 「 人 権 教 育 の た め の 国 連 10 年 」 西 宮 市 行 動 計 画 中 間 年 報 告 書 、 2005 年 3 月 。
・
「 兵 庫 県 に お け る 包 括 的 な 生 涯 学 習 シ ス テ ム 」− 関 係 機 関 の 協 働 で 実 現 す る
あらゆる県民のための生涯学習基盤整備−第 5 期兵庫県生涯学習審議会提言、
2003 年 7 月 。
・ 「生涯学習支援ハンドブック」−基礎編−兵庫県立神戸生活創造センター、
2006 年 3 月 。
・ 「 県 民 交 流 広 場 ハ ン ド ブ ッ ク 」 兵 庫 県 、 2006 年 4 月
・ 「社会教育」Ⅰ安全安心防犯を考えるⅡ子どもの居場所のコーディネイト
全 日 本 社 会 教 育 連 合 会 、 2006 年 2 月 。
・ 「 社 会 教 育 」 最 近 の 政 策 動 向 を さ ぐ る 全 日 本 社 会 教 育 連 合 会 、 2006 年 9 月
・ 「 社 会 教 育 」 教 育 基 本 法 改 正 、 全 日 本 社 会 教 育 連 合 会 、 2007 年 4 月
・ http:// www.mext.go.jp 文 部 科 学 省 ホ ー ム ペ ー ジ 、 2007 年 1 月 検 索
・ http://www.nishi.or.jp 西 宮 市 役 所 ホ ー ム ペ ー ジ 、 2007 年 2 月 検 索
・ http://www.web.pref.hyogo.jp 兵 庫 県 庁 ホ ー ム ペ ー ジ 、 2007 年 2 月 検 索
・ http://www.ejiten.jarea.or.jp 生 涯 学 習 研 究 e辞 典 、 2006 年 9 月 検 索
・ http://www.kantei.go.jp/singi/kyouiku/houkoku
報 告 、 2007 年 8 月 検 索
- 23 -
教育再生会
議第二次
添付資料
1.児童アンケート用紙
2.保護者アンケート用紙
3.「西宮子ども音楽セミナー」修了にあたっての感想
4.生涯学習音楽指導員研究会ネットワーク兵庫へのアドバイス・ご意見
5.12 月 10 日終了コンサートの感想
18A−0217
岩崎 久仁子
●
添付資料
1
【児童アンケート用紙】
西宮子ども音楽セミナー
児童アンケート
がくねん
問)1
なまえ
えんそうしたきょくで、すきなきょくを2つ○をつけてください
・おおきなふるどけい・ちいさなせかい・オーハピーデイー
・さくら
・せいじゃのこうしん・きよしこのよる
・あんたがたどこさ
・ひなまつり
・あかはなのトナカイ・3だんのしらべ
・アロハオエ
・11 匹のネコ
・ジングルベル
・うみ
・かごめこわしちゃった
問)2
・はるのおがわ
・むらまつり
・ドレミの歌
・せかいが1つになるまで
えんそうしたがっきで、たのしかったがっきを 2 つ○をつけてください
・ピアノ
・鍵盤ハーモニカ
・キーボード
・こと
・シェーカー
・ボンゴ
・カスタネット
・バイオリン
・すず
・ウクレレ
・ギター
・スティールパン
・二胡(にこ)
・ギロ
・クラベス
・たいこ
・トライアングル
・タンバリン
・ベル
・マラカス
・竹だいこ
・たいしょうごと
・リコーダー
・てっきん
・もっきん
問)3 おともだちになったひとのなまえをかきましょう(なんにんでもいいよ)
問)4
せんせいのニックネームをかきましょう(なんにんでもいいよ)
問)5
いちばんたのしかった、プログラムをえらびましょう。
・ジャズたいけん
・バイオリンたいけん
・ががくたいけん
・フラメンコたいけん
・しゃくはちたいけん
・スティールパンたいけん
・わだいこたいけん
・せかいのがっき
・こうしコンサート
・しみんかんまつり
・リコーダーたいけん
・しゅわたいけん
問)6
わいわいアンサンブルにさんかしてどうでしたか?
・たのしかった
問)7
おんがくが、だいすきになりましたか?
・なりました
問)8
・たのしくなかった
・なっていません
また、きかいがあれば、さんかしたいですか
・したい
・したくない
*2006 年 12 月 3 日配布
1
12 月 10 日終了時回収
●
添付資料
2
【保護者アンケート用紙】
西宮子ども音楽セミナー
1)性別
男性
保護者アンケート
女性
2)年齢
20代
30代
40代
3)セミナーに参加して子どもに変化はありましたか。①あった
②なかった
★①と答えた方理由(以下★は複数回答でも結構です)
)
①活動的になった②共同性が養われた③自主的になった④その(
4)学校教育とセミナーとの違いを感じましたか①感じた
②感じない
★①と答えた方違いと思われる理由
①異年齢の学習②学習成果の捕らえ方③人との相互学習④社会での総合学習
5)こどもがセミナーを楽しんだと思われますか。①思う
②思わない
★①と答えた方理由
①友達との関り
④その他( )
②音楽専門化との関り ③講師との関り
6)セミナーで音楽への興味が深まったか。①深まった
②深まっていない
★①と答えた方理由
①音楽全般
②個別楽器の感心
③歌や手話
④リズムの楽しさ
7)今回のセミナーで音楽のよさを感じられましたか
①感じた
5その他
②感じない
①と感じた方の理由
★①音楽の充足感②共同作業③親との交流④専門家の楽器体験⑤その他
8)可能であればセミナーの継続を希望されますか。①希望する②希望しない
★①と答えた方の理由
①学習への継続性②地域社会とのかかわり③自己形成
④子どもの居場所
9) 行政へ継続の要望書を出す場合、署名されますか
①署名する
②署名しない
10)現在の教育で必要なものは何だと思われますか(1 つ選択)
①家庭教育
②学校教育
③地域での教育 ③社会全体のシステム
11)今後、生涯学習として、どの分野の音楽指導が有効だと思われますか。
★①音楽文化の普及②子どもへの指導③子育て支援③成人・高齢者への指導
12)今後のセミナーが有料であっても参加されますか①参加する②参加しない
①と答えた方。1 回の受講料の金額(最大支払える額 1 つ選択)
①300 円
②500 円
③1000 円
[セミナー終了の感想・生涯学習音楽指導員 NW 兵庫へのアドバイス・ご意見]
2006 年 12 月 3 日配布
2
12 月 10 日終了時回収
●添付資料
3
【西宮子ども音楽セミナー修了にあたっての感想】
A-1
L-14.15
・子供達が音楽を楽しむ姿に感動
・色々な楽器に触れ合って、多くの方々との出会いがありました。
M−16
・この
2 年間は、子どもにとって大きな財産になると思いました。
・音楽の専門家の方がこんなに沢山来てくださっていることに驚きました。
・音楽セミナーで学んだ事を、これからも活
なかなか体験出来ないことだと思います。 用していければと思います。
B-2
・昨秋より参加させていただき、個人ではなかなか聴いたり、見たり、さわ
・異年齢のお友達との共同作業目標にむかって練習し達成した時の喜びも体
ったり出来ない楽器を鑑賞し実際に演奏までさせていただけて、本当に有
験できたのではないでしょうか。学校や他の習い事にはない物だと思いま
意義でした。
した。
N―17
・学校やおけいことは又違った雰囲気で、音楽を楽しむことができました。
・親のうらやむ位専門の楽器をさわらせてもらいました。学校では大人数の
・そして何より子どもが毎回楽しみにし、家でもとても楽しく話しをしてく
ためそんなことは出来なかったと思います。(小人数で目が行き届いてい
れたことがよかったです。
たから出来ることかな)
・ 終了されるのがとても残念です。
・音楽の芽が出た様に思われます。とても充実していました、有難う御座い
C-3
・このセミナーが始まって以来
2 年間通わせていただきました。
ました。
O-18-19
・日曜日の午前中は、毎回楽しみに来させて頂いたので、来週からは本人も
・音楽教室のグループレッスンから個人のピアノレッスンに変わった際、ア
寂しいと思います。
ンサンブルの楽しさを継続して知ってほしいと思い参加させました。
D-4
・日曜日にセミナーに行く事が習慣になっていたのでさみしいです。
・いろんな楽器や音楽、
講師の方々との交流は大変楽しい体験となりました。
E-5
有難うございました さんのお友だちとも知り合い、いろんな楽器にも触
・セミナーを通してたく
P-20-21
・毎回子供達が楽しみにして行っておりました。
れ合うことが出来、さらに音楽の楽しさが深まったと思います。
F-5、6
・帰宅後は習った曲をよく歌ったり躍ったり二人で盛り上がっていました。
・終わってしまうのが残念です。雅楽の体験等は、私たち親もとても感動し
・姉妹で参加できたのが親としてもとても嬉しかった。
ました。
S-22-23
・お世話になりました、有難うございました。だんだん興味を持って、楽し
・いろんな楽器に触れ合える楽しいセミナーでした。
G-7.8
くなってきたころに、おわりで残念です。 毎回違った内容で、今日は何
・日曜日はいつも楽しみに参加していました。
・ぜひ継続お願いします。
の楽器をするのか親も子もわくわくしていました。
Q-24
・今回参加する回数が色んな行事と重なり、すくなかったですが子供たちは
・楽しみながら学習でき、とても良い体験をさせてもらいました。
H-9
行けない日もセミナーの事を口にして楽しんでいるんだと実感しました。
・いろいろな年代の子供たちとも知り合え、子供にとって楽しい一時だった
・終わって欲しくないといぅのが今一番の思いです。
と思います。
R-25-26
・日頃さわる機会のないめずらしい楽器にさわれたり本物の演奏を生で聴け
・親子共々とても残念でなりません。出来ることなら月謝制にしていただい
て子供もとても喜んでますます音楽がすきになりました。
てもかまいませんので、ずっと続けて頂きたいです。
I-10
・毎週、日曜日を子供たちはとても楽しみにしていました。t
・色々な楽器に触れることができ、子供にとってとても良い経験になったと
T-27
思います.ぜひまた参加したいと思いは親も子も同じとおもいます。
・終了するのが残念です。回を重ねるごとに子供たちにとってはとても楽し
J-11
みな場所になっていた様で、時に親の都合で休む事になった時などは不満
・セミナー終了にあたり親子共々とても残念です。
そうでした。
・低料金で専門家に指導して頂ありがたいです。
・子供は毎週楽しみにしていました。
K―12-13
・姉まで参加させていただきました。2 人とも以前にもまして、音楽が好き
になった様でセミナーで習った歌を一緒に家でも歌っていました。できれ
ば本年も参加を希望していましたがとても残念です。
3
L-14.15
・子供達が音楽を楽しむ姿に感動
M−16
・音楽の専門家の方がこんなに沢山来てくださっていることに驚きました。
なかなか体験出来ないことだと思います。
・異年齢のお友達との共同作業目標にむかって練習し達成した時の喜びも体
験できたのではないでしょうか。学校や他の習い事にはない物だと思いま
した。
N―17
・親のうらやむ位専門の楽器をさわらせてもらいました。学校では大人数の
ためそんなことは出来なかったと思います。(小人数で目が行き届いてい
たから出来ることかな)
・音楽の芽が出た様に思われます。とても充実していました、有難う御座い
ました。
O-18-19
・音楽教室のグループレッスンから個人のピアノレッスンに変わった際、ア
ンサンブルの楽しさを継続して知ってほしいと思い参加させました。
・いろんな楽器や音楽、講師の方々との交流は大変楽しい体験となりました。
有難うございました
P-20-21
・毎回子供達が楽しみにして行っておりました。
・帰宅後は習った曲をよく歌ったり躍ったり二人で盛り上がっていました。
・姉妹で参加できたのが親としてもとても嬉しかった。
S-22-23
・お世話になりました、有難うございました。だんだん興味を持って、楽し
くなってきたころに、おわりで残念です。
・ぜひ継続お願いします。
Q-24
・今回参加する回数が色んな行事と重なり、すくなかったですが子供たちは
行けない日もセミナーの事を口にして楽しんでいるんだと実感しました。
・終わって欲しくないといぅのが今一番の思いです。
R-25-26
・親子共々とても残念でなりません。出来ることなら月謝制にしていただい
てもかまいませんので、ずっと続けて頂きたいです。
・毎週、日曜日を子供たちはとても楽しみにしていました。t
T-27
・終了するのが残念です。回を重ねるごとに子供たちにとってはとても楽し
みな場所になっていた様で、時に親の都合で休む事になった時などは不満
そうでした。
* 2006 年 12 月 3 日配布 12 月 10 日回答
* 欠席保護者 1 名
* 数字の連番は兄弟、姉妹参加
4
●添付資料
4
【生涯学習尾音楽指導員、ネットワーク兵庫へのアドバイス・ご意見】
A-1
・「今日はセミナーで何してきたの?」と聴くと「楽しいことぉ∼!」とい
う答えが、度々返ってきました。そのときの笑顔が、とても達成感に満ち
溢れて、親の私の方も嬉しく清々しい気持ちになりました。
・楽しい時間をすごさせていただきまして感謝しております。
B-2
・講師の先生方には、大変お世話になり本当にありがとうございました。
・今回のセミナーは,ご兄弟の関係で幼児の方も参加されていましたが、も
し又このような企画をされるとしたら、小学生と幼児の方は分けてご指導
いただけたらと感じました。
C-3
D-4
無回答
・これからも是非、子ども達のためにこのような体験をさせて頂きたいと思
います。
E-5.
・これからも活動を続けてほしいです
F-6.7
・年齢がバラバラの子ども達を温かく引っ張ってくださって感謝しておりま
す。
・子ども達も毎日曜日にセミナーに参加するのを楽しみにしていました。
これからも明るく楽しく活動なさって下さい。
G-8.9
・毎週日曜日の朝から、たくさんの先生に集まって教えていただきありがた
く思います。
・いろいろな年齢の子ども達がいて、レベルも違い指導も大変だったのでは
ないでしょうか?どうもありがあとうございました。
H-10
無回答
I-11
無回答
J-12
・また何か機会を作っていただき参加希望です
・ありがとうございました
K-13.14
・指導力のある方がセミナーを運営してくださり、子ども達も集団でのマナ
ーやルールについて身に付けてくれたと思います。
L-15.16
M-17
N-18.19
・出来るなら続けてください。
無回答
・こんな素敵な場があって子どもは幸せでした。
・楽器、歌、リズム等、いろんなことを、専門知識のある指導員の方々に
教えていただき、これで終了になるのが残念です。
O-.20
・有料で参加するのであれば、楽しいだけでなく、技術的な向上もないと意
味がないと思います。異年齢の子どもたちの交流とはいえ、低学年の子ど
もばかり目立つのは、受験勉強のせいだけではないと思っていました。小
5
学生以下の子どもを受け入れた時点で、レベルはどうしても下がってしま
います。高学年の子どもには、かなりものたりないと写るのではないでし
ょうか?幼児には良い経験ですが、もし私が小学生として参加していると
すれば練習する限りきちんと完成させたいと思うでしょう。セミナー自体
はすばらしい試みと思いますが、今後のあり方として何を主とされるかに
よって、参加するか、悩ましいのが、正直な気持ちです。
P-21.22
・貴重な体験をさせていただき、ありがあとうございました。
・子ども達をうまくまとめていただき、本当にありがとうございました。
Q-23
・どうかまたこんなセミナーをして欲しいとおもいます。
・せっかく芽生えた音楽への愛情をこんな形で、終わらせたくないです。
R-24.25
・生涯学習という観点からもっと期間を長くして子ども達の成長を見ていた
だきたいです。音楽が好きになり、自主性が芽生えたこの段階での終了は
とても残念に思います。
S-26.27
・子どもだけでなく親も参加したいとおもいました。
T-28
・学校の先生とも親とも違った、けれど大人の立場から子どもの目線になっ
て、いろいろと教えていただいたように思います。
*2006 年 12 月 3 日配布
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12 月 10 日回答
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添付資料5
【12 月10 日修了コンサートの終了後の感想】
A-1
・修了するのはとても残念ですが、今までの集大成という感じで、胸がいっ
ぱいになりました。大変お世話になりました。
B-2
・短い限られた時間で、たくさんの歌や楽器を演奏し、よく揃ってとても感
動いたしました。そして私たちも楽しませていただきました。本当にあり
がとうございました。
C-3
・ミュージカル・手話・ベルその他色々な楽器を使って子ども達みんなが楽
しんでいたのが印象的でした。
・ 週 1 回の練習でよく覚えることが出来たなと、感心しました。
・ 先生方、色々ありがとうございました。
D-4
・こんなに色々な体験をさせて頂いて、本当によかったと思います。
・触れたことのない楽器を経験させて頂いて、すばらしい時間を過ごせたと
思います。
E-5
・子ども達の笑顔がとてもよかったです。
F-6.7
・すごく楽しかったです。
・どれも短い時間に、どの子もよく練習したなあと感心しました。
・ありがとうございました。先生方お疲れ様でした。
G-8.9
・とっても可愛いコンサートでした。短期間であんなに色々な楽器が弾ける
ようになり、びっくりしました。
H-10
・子ども達とても頑張っていて上手になっていました。
・とても楽しかったです。ありがとうございました。
I-11
・短い練習時間で、あれだけ美しい音色を奏でられるようになるなんて、驚
きとともに、すばらしい力だと思います。
・触れる機会がなければ、わからなかった力が出せて、すごいことだと思い
ました。
・子ども達の一生懸命な姿を見ることができ、うれしいです。
J-12
・先生のご苦労がよくわかります。指導が大変、準備が大変だと思います。
・楽しいひとときを過ごさせて頂きました。ありがとうございました。
K-13.14
・今までの集大成という感じで、最後の曲の時に、とても感激しました。
・小さいながらも、一生懸命でよかったです。
・いい体験をさせていただきありがとうございました。
L-15.16
・感度です。もっと早く参加するべきだった。
・次回あるなら、妹も絶対参加させます。
M-17
・短い練習時間で、これだけのことが出来るなんて、、、驚きました。
・また機会があれば参加させたいです。
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N-18
・とても楽しかったです。子どもにもあんなパワーがあるのですね。うらや
ましくなりました。
・色々な経験させてもらってありがとうございました。
O-19.20
・非常に楽しく参加させて頂きました。大事な楽器を貸し出してくださった
先生方に感謝いたします。ありがとうございました。
P-21.22
・短期間で、本当によくまとめてくださったなあとおもいました。
・親も毎回終了コンサートは楽しみに参加させていただきました。
Q-23
・とても素敵でした。下の子がまだ未就学児なのにひとりで演奏している姿
を見て成長したなと思いました。
R-.24.25
・とてもいいコンサートをありがとうございました。
・今までの中で一番子ども達がいきいきとしていたと思います。
・ 本当になくなってしまうのが残念です。ありがとうございました
S-26.27
・楽しいコンサートで、先生たちに感謝しております。ありがとうございま
した。
T-28
・音楽を楽しんで欲しい、1 対 1 もいいけど、出来ればみんなで楽しんで欲
しい。そんな思いが通じたのか、とても楽しそうに演奏している、姿を見
ることが出来て良かったです。
・ご指導ありがとうございました。
*2006 年 12 月 10 日
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終了時即回答