充放電用コンデンサ使用上の注意事項

充放電用コンデンサ
充放電用コンデンサ使用上の注意
コンデンサ使用上の注意事項
使用上の注意事項
本製品を使用される場合、コンデンサの周辺条件(機器設計での使用材料、環境、回路条件など)により異常が発
生しますと最悪の場合、製品がショート、オープン、発煙、発火などの可能性があります。
以下に本製品の使用上の注意事項を記載しますので内容を確認の上、記載内容の範囲内でご使用下さい。
また、本製品は、高度な信頼性が要求され、その故障や誤動作が直接人命に関わるような機器装置への使用は想
定されておりません。
更に、強電界・強磁界などの通常環境以外で使用されることも想定していませんので、このような環境下で使用
される場合又は、記載のない事項について疑問がありましたら当社販売窓口までご相談下さい。
1.使用温度及び湿度
①コンデンサの内部温度は、周囲温度+自己発熱(20℃以下)が使用温度範囲を超えないようにご使用下さい。
自己発熱は電流波形、接続等の条件で変わりますのでご相談下さい。
②最高使用温度を超えると、誘電体そのものの物性的変化で静電容量、誘電正接及び絶縁抵抗値の著しい変動
や低下を招き寿命を短くします。発火、発煙に至ることもあります。
③急激な温度変化は、樹脂モールドのクラックや油漏れが発生する原因となります。
④結露するような高湿度下で使用しないで下さい。
結露するような環境下では、外装にクラック等がない場合でも吸湿が促進され、絶縁抵抗の低下や誘電正接
の増加を引き起こします。
⑤絶縁抵抗の低下から短絡に至る過程で、コンデンサに電力を供給する電源の状態によって、内容物が噴出し
たり、発煙・発火を引き起こしたりすることがあります。
この発煙・発火は電源が入っている限りコンデンサが燃え尽きるまで継続します。
2.許容電流と内部発熱
(1)個別仕様で規定された最大許容電流を超えて使用しないで下さい。又、印加パルスの波形、周波数によって
も条件が変わりますのでご相談下さい。
最大許容電流は各シリーズの詳細(PDF)内の[仕様]における許容電流または Ip の項目をご確認ください。
記載がない場合はご相談下さい。
(2)交流用コンデンサの電力損失は、内部発熱をもたらします。これは周囲温度、放熱条件、輻射、熱伝導等に
左右される為、正確に把握することは困難です。従って、疑わしい場合は実装試験により確認する必要があり
ます。
①試験は仮設の装置ではなく、設計完了された物、量産の物で行って下さい。
②発熱は、熱平衡状態になってから測定して下さい。
③ブスバーはコンデンサ端子から放熱(冷却)を行える様、設計にご配慮下さい。
(コンデンサへの熱流入がないように十分ご注意下さい)
3.使用電圧
①コンデンサにおける電圧は試験電圧と定格電圧に大別されます。試験電圧とは極めて短時間そのコンデンサ
が耐え得る限界の電圧であり、定格電圧とは定格使用温度範囲内において連続使用に耐え得る電圧です。
②ACで使用される場合、ある一定以上の電圧が印加されると、コロナ放電が発生します。連続的コロナ放電
は絶縁破壊の原因となりますので、AC使用電圧はコロナ放電開始電圧MIN値の80%以下でご使用下さ
い。
③個別仕様の規定の無い限りコンデンサに印加される電圧は、サージ及びリップル電圧のせん頭値(直流電圧
+交流せん頭値)が定格電圧を超えないようにして下さい。
④直流定格のものを交流回路またはパルス回路で使用の場合はご相談下さい。
⑤2個以上を直列に接続して使用しないで下さい。直列使用の場合はご相談下さい。
双信電機株式会社
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4.保管条件
①コンデンサを高温、高湿下で保管しないで下さい。
室内で温度40℃以下、湿度75%RH以下で保管し、1年以内でご使用下さい。
なお、長期間(1年以上)保管された製品は、一般特性とはんだ付け性を確認の上ご使用下さい。
②急激な温度変化、直射日光、腐食性ガス(硫化水素、亜硫酸、塩素、アンモニアなど)のある雰囲気に保管
しないで下さい。
③加重を加えないよう梱包状態のまま保管して下さい。
5.その他
(1)ご使用の際は、貴社装置に実装された状態で必ず評価を実施して下さい。
(2)コンデンサを実装される際は、ネジ端子や板端子面に埃や水が掛からないよう、結露しないよう十分にご配慮下
さい。
(3)実装方向に指定がある場合はそれ以外の方向の実装は避けて下さい。又、直射日光が当たらないように実装して
下さい。
(4)端子及び取付け足をネジ止めされる場合は、以下の締付けトルクでお願いします。過大なトルクがかかりますと、
端子や取付け足にクラックが生じ、破損の原因になります。また、端子の二次加工も絶対に行わないで下さい。
・個別仕様で規定されない場合の締付けトルク
34(M3),78(M4),176(M5),294(M6),735(M8),1421(M10) 単位:N・cm
(5)はんだ付け作業は、高温及び長時間の作業は避けて下さい。コンデンサの特性劣化等の原因となりますので、下
図の範囲内で出来るだけ低温、短時間で行って下さい。またコテ付けの場合、コテ先が本体に触れないよう注意
して下さい。基板の種類、大きさ、部品の実装密度及びプリヒート等の条件により異なることもありますので注
意して下さい。洗浄等で溶剤を使用する際は、出来る限りアルコール系の様な影響の少ない物を使用して下さい。
(6)コンデンサに過度の振動・衝撃・圧力を与えないで下さい。落下させた場合は、特性劣化の可能性もありますの
で使用しないで下さい。
(7)当製品を極めて高い信頼性が要求される用途でご使用される場合は、あらかじめ当社販売窓口までご相談下さい。
【車載機器(自動車、車両)、船舶・航空・宇宙機器、医用機器、交通信号機器、防衛機器 等】
(8)形状見本や評価試験用のサンプルとしてお求めになったコンデンサは市販機器には使用しないで下さい。
(9)コンデンサからのうなり音が問題になるような用途にご使用の場合はご相談下さい。
(10)指定の用途に合わせて設計されているものを指定以外の用途に使用の場合にはご相談下さい。
(11)製品に万が一異常や不具合が生じた場合でも二次災害防止の為に完成品に適切なフェールセーフ機能を付加し
て下さい。
(12)通電中は端子部に直接触れないで下さい。また保守点検をする場合は、セットのスイッチを切りコンデンサを
抵抗器で完全に放電してから実施して下さい。感電の恐れがあります。
(13)機器使用中、発煙、発火及び異臭が生じた時は、機器の電源を切るか又は電源コードのプラグをコンセントか
ら抜くなどの手段で電源を外して下さい。
(14)コンデンサを廃棄する場合は、排出事業者自らが適正に処理する事を定めた法律や条例がありますので、それ
らの法律を遵守して下さい。焼却すると有毒ガスが発生する場合があります。
(15)本製品仕様書の記載内容を逸脱して使用されたことに生じた不具合、異常について当社は責任を負いかねます
のでご了承下さい。
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(16)本仕様(製品サンプルを含む)には弊社の機密情報が含まれています。弊社の書面による承諾なしに第三者へ
の開示及び複写はご遠慮下さい。
(17)カタログ記載の仕様、材質、その他の記載内容について予告なく変更する場合がありますので予めご了承下さ
い。
(18)コンデンサを実装する際に端子部を直接手で触れる場合には、コンデンサに貯まった電荷により感電する危険
性を回避するため、必ずコンデンサを放電させてから触れるようにして下さい。
(19)分解・改造・修理をしないで下さい。感電・火災・けがの原因となります。
(20)水・油等の液体をかけないで下さい。感電・火災の原因となります。
(21)電源波形が歪んでいたり、高周波ノイズを含んでいたり、周波数が商用周波数と異なる場合は、当社販売窓口
までご相談下さい。
(22)上記にて記載がない事項につきましては、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)発行の電子機器用固定プラス
チックフィルムコンデンサ使用上の注意事項ガイドライン(RCR-2350)をご参照下さい。
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