公共工事における FAQ <<目 次>>

公共工事における FAQ
<<目
次>>
【技術者関係】
・建設工事においてどのような技術者がいるのか?
・主任技術者とは?
・主任技術者は複数の工事を担当できるのか?
・監理技術者とは?
・専門技術者とは?
・工事の途中で技術者を交替できるのか?
・営業所における専任の技術者が現場の主任技術者になれるのか?
【現場代理人】
・現場代理人とは?
・どのような人が現場代理人になれるのか?
・現場代理人は複数の現場に従事できるのか?
・契約期間中に現場代理人を交替できるのか?
【施工体制関係】
・海老名市の入札参加停止業者を下請負人にすることは可能か?
・当該工事の入札参加者を下請負人にすることは可能か?
・どのような工事業者・工事内容が下請契約(下請負人通知)の対象になるの
か?
・作業員を常用雇用として他建設会社から労働力を調達した場合、建設工事の
請負契約となるのか?
・特定建設工事共同企業体(JV)による工事契約の場合、技術者はどのように
配置すればよいのか?
【現場管理関係】
・建設業退職金共済制度とは?
・安全教育訓練はどのようなものがあるのか?
・作業主任者とは?
◎ ご意見・ご要望または新たな質問等がございましたら、契約検査課検査担当
へお寄せ下さい。
【技術者関係】
Q:建設工事においてどのような技術者がいるのか?
A:建設業法における技術者制度は以下のとおりです。
業種や金額内容で要求が違いますので、ご注意下さい。
指定工事業
土木工事業 建築工事業
電気工事業 管工事業
舗装工事業 造園工事業
鋼構造物工事業
特定
許可を受けている業種
許建
可設
制業
度の
許可の種類
営業所に必
要な技術者
の資格要件
元請工事におけ
る下請金額合計
工
事
現
場
の
技
術
者
制
度
1級国家資格者
国土交通大臣特別認定者
監理技術者
技術者の資格要件
1級国家資格者
国土交通大臣特
別認定者
資格者証の必要性
一般
特定
一般
1級国家資格者
2級国家資格者
実務経験者
1級国家資格者
実務経験者
1級国家資格者
2級国家資格者
実務経験者
3,000万円以上
3,000万円以上
3,000万円未満
は契約できない
(建築一式工事の場 (建築一式工事の場
(建築一式工事の場
合4,500万円以上)
合4,500万円未満)
合4,500万円未満)
工事現場に置
くべき技術者
技術者の専任
その他
(左記以外の21業種)
主任技術者
主任技術者
1級国家資格者
2級国家資格者
実務経験者
3,000万円以上
3,000万円未満
3,000万円以上は
契約できない
監理技術者
主任技術者
主任技術者
1級国家資格者
実務経験者
1級国家資格者
2級国家資格者
実務経験者
公共性のある工作物に関する建設工事で請負金額が2,500万円以上(建築一式工事の場合5,000万円以上)のときに必要
発注者が国、地方公
共団体等のときに必
要
必要なし
発注者が国、地方公
共団体等のときに必
要
必要なし
※その他、主任・監理技術者の役割を補うため「専門技術者」という役職が
あります。
Q:主任技術者とは?
A:工事の施工において、技術上の管理をつかさどる者であり、建設業者は請
負った建設工事を施工するために主任技術者を置かなければなりません。
また、元請のみならず下請業者であっても置く必要があります。
主任技術者は工事を適正に実施するため、施工計画の作成、工程管理、品
質管理その他の技術上の管理と工事に従事する者への技術上の指導監督
を行わなければなりません。
Q:主任技術者は複数の工事を担当できるのか?
A:一般の工事では金額の大小にかかわらず複数の工事を兼務することができ
ますが、公共性のある工事(建設業法第 26 条第 3 項)では請負額が 2,500
万円以上(建築一式工事は 5,000 万円以上)の場合、主任技術者は工事現
場ごとに「専任」でなければなりません。
(※「専任」とは、専らその職務
に従事することをいい、原則他の工事に従事することはできません)
Q:監理技術者とは?
A:主任技術者に求められている職務に加え、下請人を適正に指導、監督する
という総合的な管理機能を要求されます
監理技術者は専任で設置されます。
(※「専任」とは、専らその職務に従事
することをいい、原則他の工事に従事することはできません)
なお、監理技術者設置の資格要件として、公共工事の場合、監理技術者資
格者証と監理技術者講習終了証(H16.3.1 以降の監理技術者資格者証交付者
に限る)を所持していなければなりません。
Q:専門技術者とは?
A:土木一式工事又は建築一式工事を施工する場合において、これらの一式工
事の内容である他の建設工事を自ら施工しようとするときは、当該工事に
関し主任技術者の資格を有するもの(専門技術者)を配置しなければなり
ません。つまり職責は主任技術者に準じています。
例)
下水道工事を施工するにあたり、既存の舗装版切断・撤去、土砂の掘削・
埋戻し、配管布設は「とび・土工工事業」、舗装の復旧は「舗装工事業」、
区画線・道路標示は「塗装工事業」の資格が必要になります。そのような
中、元請の主任技術者がこれら工事の資格を有していれば問題ありません
が、有していない場合は元請業者から当該資格者を「専門技術者」として
配置しなければなりません。また、元請にそのような技術者が確保できな
ければ、当該資格を有する下請業者に施工させなければなりません。
(※そ
れぞれの工事が 500 万円以上と仮定した場合です)
Q:工事の途中で技術者を交替できるのか?
A:工事途中で施工管理をつかさどる責任のある技術者を変更することは、適
正な工事施工の確保の観点から好ましくありません。よって、海老名市で
は原則、工事途中での変更を認めていません。
また、入札制度においても落札候補時の配置技術者調書に記載した技術者
は、以降の変更を認めないこととなっております。
Q:営業所における専任の技術者が現場の主任技術者になれるのか?
A:営業所における専任の技術者は、営業所に常勤して専らその職務に従事す
ることが求められます。しかし、特例として以下の要件を全て満たせば現
場の主任技術者として認めています。
①専任の主任技術者でないこと。
②当該営業所が海老名市内であり、その営業所から出・退社していること。
③当該営業所で契約締結されていること。
④常時、連絡が取れること。
【現場代理人関係】
Q:現場代理人とは?
A:現場代理人は代表者に代わり、契約事項における一定の権限を与えられ、
工事現場に常駐し、その運営・取締りを行う役職をいいます。
Q:どのような人が現場代理人になれるのか?
A:海老名市においては、現場代理人の条件として、直接的かつ恒常的な雇用
関係にある方を選任することとしています。なお、特に技術的能力や資格
は問いませんが、現場の運営・管理を行うのであれば必要最低限の技術分
野の知識と経験は必要と考えます。
「直接的な雇用関係」とは、当該会社が直接給料を支払い、各種社会保障
制度に加入していることです。また、
「恒常的な雇用関係」とは、工事受注
以前から雇用され、又は工事受注時点であっても、当該工事完了後も継続
的に雇用していることです。
Q:現場代理人は複数の現場に従事できるのか?
A:現場代理人は現場常駐義務があり、当該工事のみを担当していることだけ
でなく、さらに作業期間中、特別の理由がある場合を除き常に工事現場に
滞在しなければなりません。よって、原則他の工事を兼務することはでき
ません。
緩和措置について
ただし、品質や安全の確保が図られることを前提に兼任を緩和します。
前提1:現場常駐義務は緩和しない。
(代理人が他現場にいる場合は、代表者又は主任技術者が現場を管
理する。)
前提2:他現場作業等を理由に、発注者協議等について支障を生じさせな
いこと。
①500万円未満の工事のみ兼任する場合の技術者の要件
●兼任配置可能(2件まで)
●主任技術者になることができる資格を有すること(実務経験者は不可)
●6月以上雇用されている者
●同じ開札日の複数案件に配置することは不可
②500万円以上2500万円未満の工事を兼任する場合の要件
●2件まで兼任配置可能とする。ただし、先に実施している工事の出来
形が1%以上の場合に限り承諾する。(履行報告書で確認)
●主任技術者になることができる資格を有すること(実務経験者は不可)
●6箇月以上雇用されている者
●手持ち契約件数の上限が解除されている会社に所属する者
●同じ開札日の複数案件に配置することは不可
(適用範囲)
兼任しようと
する工事
~500
(入札案件)
500~
2500
備考
500 万円以下
(入札案件)
①
②
建設業法の適用を受けない、比較的軽微な工事に
区分される
500 万円超~
2500 万円未満
②
②
※500 万円以上
建設業法が厳格適用される基準
×
※2500 万円以上
建設業法で主任技術者の専任義務付け
営業所の専任技術者配置不可(建築一式 5000 万
円以上)
現在受注工事
2500 万円超~
×
Q:契約期間中に現場代理人を交替できるのか?
A:契約期間中に現場の運営や取締りの責任者である現場代理人を変更するこ
とは、適正な契約履行の確保の観点から好ましくありません。よって、海
老名市では原則、契約期間中での変更を認めていません。
【施工体制関係】
Q:海老名市の入札参加停止業者を下請負人にすることは可能か?
A:下請を禁止しています。
Q:当該工事の入札参加者を下請負人にすることは可能か?
A:下請負人にすることに問題はありません。
Q:どのような工事業者・工事内容が下請契約(下請負人通知)の対象になる
のか?
A:下請契約(下請負人通知)の対象は基本的に建設工事の完成を目的とした
行為であれば、全て対象です。
詳細は以下のとおりです。
・工事目的物の施工に係るもの →対象
・仮設作業(仮設電気・水道の引き込み、仮設事務所建方 等) →対象
・建設機械(クレーン、コンクリートポンプ車等)のオペレーター付リー
ス →対象
・ガードマン →対象外
・測量・調査(土質試験、家屋調査 等) →対象外
・廃材・残土運搬 →対象外
なお、施工体系図には、現場に介在する全ての業者を記載して下さい。
Q:作業員を常用雇用として他建設会社から労働力を調達した場合、建設工
事の請負契約となるのか?
A:工事の完成を目的に報酬を支払うのであれば、建設工事の請負とみなしま
す。よって必ず請負契約書を取り交わして下さい。また、主任技術者の選
任も必要となります。
Q:特定建設工事共同企業体(JV)による工事契約の場合、技術者はどのよ
うに配置すればよいのか?
A:基本的には建設業法を遵守した上で、請負者が配置決定するものですが、
適正な履行の確保の観点、ならびにJV発注設定の意義から、別途、発注
者側から条件明示する場合がありますので、その条件に従って下さい。
なお、資格者証(監理技術者資格者証)運用マニュアルには、
「共同企業体
による公共工事の施工が円滑かつ効率的に実施されるためには、すべての
構成員が、施工しようとする工事にふさわしい技術者を適正に配置し、共
同施工の体制を確保しなければならない。」とされていますので、趣旨を踏
まえ配置決定する必要があります。
【現場管理関係】
Q:建設業退職金共済制度とは?
A:建設業界に従事する労働者はその性質上、他業界と比べ労働の循環や転換
が求められ、終身雇用機会に恵まれない環境にあると言えます。そのよう
な背景により雇用者、労働者ともに社会保障に対する意識が低下し、結果、
労働者の将来生活に支障を来たす状況にありました。
国はこの問題を解決するため、
「いつ、どこの現場で働いても、働いた日
数分の掛金が全部通算されて退職金が支払われる」という仕組みを取り入
れた「建設業退職金共済制度」を作り、また加入を促すことにより建設労
働者に対する社会保障の確保に取り組んでいます。
詳しい内容は、建設業退職金共済事業本部のホームページ(下記)をご覧にな
るか、契約検査課窓口でパンフレットを配布しております。
http://www.kentaikyo.taisyokukin.go.jp/seido/seido01.html
Q:安全教育訓練はどのようなものがあるのか?
A:何かあればすぐ重大事故につながりやすい建設工事においては、労働災害
に対する意識と防止策は必須であり、工事現場の良好な労働環境と公衆の
安全を図るため、請負者は最大限の措置を講じなければなりません。
その中でも作業員に対する教育訓練は最も有効な手段となり、適正に計
画・実施する必要があります。
以下に教育訓練を含む安全関連行事の一覧をまとめましたのでご参照下さ
い。
教育訓練名
内容
実施時期
安全協議会
法定の安全協議会。工事に参画する全ての業者が参加し、 月1回4時間以上
現場の安全管理のルールを決定する。
新規入場者教育
法定の安全教育。新規の入場者に対し「労働安全衛生規則 従事者の新規入場時及
第三十五条」の内容で教育訓練をする。
び作業内容の変更時
危険予知訓練(KYK)
現場の図面をもとに、起こりうる危険を予知し合い、その対
応を参加者で検討する。
毎日(TBMとセット)
ツールボックスミーティング(TBM) 毎日の始業前に、作業指示とそれに伴う作業の危険予知活 毎日(KYKとセット)
動を組み合わせ実施する。
職長ミーティング
現場代理人・主任技術者と各工事の職長が集まり、翌日の 毎日
作業打合せを行う。打合せ内容は職長から従事者に伝達さ
れる。
Q:作業主任者とは?
A:労働安全衛生法では、「労働災害を防止するための管理を必要とする作業
に対し、作業主任者を選任して労働者の指揮その他の事項を行わせなけれ
ばならない」とされています。
作業主任者を選任すべき作業で、建設工事に関係のあるものは以下のとお
りです。
作業主任者
作業内容
高圧室内作業主任者
高圧室内作業(潜函工法その他の圧気工法で行われる高圧室内作業
ガス溶接作業主任者
アセチレンまたはガス集合装置を用いて行う溶接等の作業
資格
免
許
者
地山の掘削作業主任者 掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削作業
土留め支保工作業主任 土留め支保工の切梁または腹起しの取付または取外の作業
者
砕石のための掘削作業
掘削面の高さが2m以上となる岩石の採取のための掘削の作業
型枠支保工の組立等作 型枠支保工の組立または解体の作業
業主任者
足場の組立等作業主任 吊り足場(ゴンドラの吊り足場を除く)張出し足場または高さが5m以上
者
の構造の足場の組立、解体または変更の作業
ずい道等の掘削等作業
主任者
ずい道等の掘削の作業、ずり積み、ずい道支保工の組立、ロックボルト
の取付、コンクリート等の吹付けの作業
ずい道等の覆工作業主
任者
ずい道型枠支保工の組立、移動、解体、コンクリートの打設の作業
鉄骨等の組立等作業主 鉄骨等(その高さが5m以上であるものに限る)の組立、解体または変更
任者
の作業
酸素欠乏危険作業主任 酸素欠乏危険場所の作業
者(第1種・第2種)
木造建築物の組立等作 軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部材の組立、屋根下地、外壁
業主任者
下地の取付作業
コンクリート造の工作物
の解体等作業主任者
その高さが5m以上のコンクリート造の工作物の解体、破壊の作業
コンクリート破砕器作業
主任者
コンクリート破砕器を用いて行う破砕の作業
ボイラー据付工事の作
業主任者
ボイラー据付作業
有機溶剤作業主任者
屋内作業またはタンク、船倉もしくは杭の内部その他の場所において有
機溶剤を製造しまたは取扱う業務に係る作業
技
能
講
習
修
了
者