平成27年度 学校法人國學院大學栃木学園事業報告書 1 法人の概要

平成27年度 学校法人國學院大學栃木学園事業報告書
1 法人の概要
(1) 学校法人の沿革
昭和35年 4月
学校法人國學院大學(事務所 東京都渋谷区)は、栃木県知事の認可を得
て國學院大學栃木高等学校(全日制普通科 入学定員160人)を創設
昭和38年 3月
学校法人國學院大學栃木学園を設立し、高等学校の経営を学校法人國學
院大學から継承
昭和39年 3月
高等学校に全日制商業科(入学定員 40人)を設置、普通科の入学定員を
240人に変更
昭和40年 3月
國學院大學栃木二杉幼稚園(総定員 200人)を設置
昭和41年 1月
國學院大學栃木短期大学(入学定員 国文科50人・家政科50人)を設置
昭和43年 2月
短期大学に初等教育科(入学定員 50人)を設置
昭和50年 3月
高等学校の普通科入学定員を500人・商業科入学定員を150人に変更
昭和50年12月
短期大学の国文科入学定員を100人・初等教育科入学定員を100人に
変更
昭和58年 1月
短期大学の国文科入学定員を150人・家政科入学定員を100人・初等教
育科入学定員を150人に変更
昭和60年12月
短期大学に日本史学科(入学定員 100人)を設置し、これを機に既設の
科の名称を国文学科・家政学科・初等教育学科に変更
平成元年 3月
高等学校の普通科入学定員を650人に変更
平成元年12月
短期大学に商学科(入学定員 150人)を設置、また初等教育学科入学
定員を100人に変更
平成 3年 6月
高等学校の商業科を国際情報科に科名変更
平成 7年11月
國學院大學栃木中学校(入学定員 80人)を設置
平成13年 2月
幼稚園の収容定員200人を210人に変更
平成13年 7月
高等学校の収容定員を普通科1,800人、国際情報科480人に変更
平成13年12月
短期大学の収容定員を国文学科200人、商学科を200人に変更
平成20年12月
短期大学の商学科入学定員を60人に変更
平成21年12月
短期大学の国文学科入学定員を80人・家政学科入学定員を70人・初等
教育学科入学定員を80人・日本史学科入学定員を70人に変更
平成23年 6月 短期大学既設の国文学科・家政学科・日本史学科・初等教育学科・商学
科を募集停止し、日本文化学科(定員200人)・人間教育学科(定員160
人)を設置
平成24年8月 高等学校国際情報科を募集停止し、普通科にグローバルコース(80名)を
設置することにより、普通科収容定員を2,040人に変更
平成25年11月 短期大学の日本文化学科の入学定員を160人・人間教育学科の入学
定員を140人に変更
平成27年5月 高等学校の国際情報科を廃止
平成27年11月 短期大学の日本文化学科の入学定員を120人・人間教育学科の入学
定員を130人に変更
(1)
(2) 設置する学校・学科等
國學院大學栃木短期大学
日本文化学科
國學院大學栃木高等学校
普通科
人間教育学科
國學院大學栃木中学校
國學院大學栃木二杉幼稚園
(3) 当該学校・学科等の入学定員、学生数の状況
学 校 名
収容定員 入学定員
学 科 名
國學院大學栃
木短期大学
國學院大學栃
木高等学校
1年
2年
3年
合計
日本文化学科
320
160
110
95
205
人間教育学科
280
140
107
121
228
計
600
300
217
216
433
1年
2年
3年
合計
499
531
533
1,563
1年
2年
3年
合計
収容定員 入学定員
学 科 名
2,040
普 通 科
680
収容定員 入学定員
國學院大學栃
木中学校
240
80
35
35
38
108
國學院大學栃
木二杉幼稚園
総定員
入学定員
3歳児
4歳児
5歳児
合計
210
70
67
37
55
229
合 計
3,090
1,130
888
819
626
2,333
(4) 役員・教職員の概要
① 法人役員等の概要
役員名
定 員
現 員
備 考
理 事
11人~14人
12人
理事長を含む
監 事
2人
2人
評議員
34人~42人
38人
② 教職員の概要
國學院大學栃木短期大学
区分 職 名
学 長
学科長
教
教 授
准教授
専任講師
助 手
員
非常勤講師
計
人 数
1
2
24
8
6
8
66
115
(2)
備 考
職
員
事務長
事務次長
課 長
主 任
書 記
司 書
司書見習
学芸員
技術員
嘱 託
計
学校計
1
1
2
2
8
2
1
1
2
5
25
140
國學院大學栃木高等学校
人 数
区分 職 名
校 長
1
副校長
1
教
教 頭(兼)
(1)
教 諭
89
専任講師
1
常勤講師
2
員
非常勤講師
12
計
106
事務局長
1
部 長
1
課 長
3
職
主 任
1
書 記
11
員
技術員
9
嘱 託
10
計
36
学校計
142
國學院大學栃木中学校
人 数
区分 職 名
校長(兼)
(1)
副校長(兼)
(1)
教
教 頭
1
教 諭
10
員 常勤講師
2
計
13
書 記
2
職
嘱 託
1
員
計
3
学校計
16
(3)
備 考
備 考
國學院大學栃木二杉幼稚園
区分 職 名
教
員
職
員
人 数
園長(兼務)
(1)
主任教諭
2
教 諭
6
専任講師
1
非常勤講師
7
計
16
技術員
2
計
2
学校計
18
備 考
設置する学校全体の教職員数 (非常勤を含む)
教 員 数
250
職 員 数
66
合 計
316
※ 以上 (3)(4)表の人数は平成28年3月31日現在
(4)
2 事業の概要
Ⅰ 教育事業の概要
教育目標
本学園の建学の精神すなわち國學院大学の建学の精神に基づく教育活動を設置する学校にお
いて顕現発揚し、日本国に貢献できる有為の人材を育成する目的を達成すべく、以下の事業を実
施した。
1.短期大学
短期大学は、平成24年度からの新学科体制(2学科5フィールド)での教育も二回りした。
平成27年度は、その成果を検証し、いっそう充実したカリキュラム改革に努力した一方、学
生募集については、目標とした入学者数には到達しなかった。そのため、短期大学におけ
る諸現状を検討して、平成28年度入学定員の改正(日本文化学科120名、人間教育学科
130名、1学年250名)を審議し、文部科学省に改定届を提出した。地域貢献、地域と連携
した人材育成を強化するため、栃木市と包括連携に関する協約書を締結した。
また、平成28年度に、短期大学基準協会の第三者評価を受けるため、自己点検・自己評価
報告書作成に尽力した。
(1)各学科の教育
日本文化学科
3フィールド(日本文学・言語文化・日本史)が設けられている。学生は、志願時にフィー
ルドを選択して受験をし、入学する。学科共通の基礎教育・キャリア教育と各人が選択した
分野の学習とで知識・技能を修得し、建学の精神を基盤とした人格形成教育を通して柔
軟な思考を育て、豊かな感性を育んでいる。資格取得は、教員免許状(中学国語・社会)
取得者16名、図書館司書取得者15名、学芸員取得者20名であった。國學院大學(文学
部・神道文化学部・経済学部)へ45名が推薦編入学した。神道文化学部へ6名の編入者
が認められた。
人間教育学科
子ども教育(幼稚園・保育専攻、小学校・幼稚園専攻)フィールドと生活健康フィールド
が設けられている。志願の状況は幼稚園・保育専攻に集中しているのが現状である。
本学科では、地域社会の要望に応える幼稚園教諭・保育士養成に尽力すると同時に、伝
統の小学校教諭・養護教諭養成と採用試験対策・支援に力を注いでいる。平成27年度卒
業者の資格取得は、小学校教員免許状32名、幼稚園教員免許状85名、保育士資格53
名、養護教員免許状20名、中学校教員免許状(家庭)2名、医療管理秘書士14名、医療
事務士23名であった。大学編入学者は14名、國學院大學人間開発学部初等教育学科へ
7名が編入学した。
(2)教学の指針
① 高等教育では、建学の精神を基にした、私学教育の独自性再確認が求められている。
本学は、建学の精神とその精神の根源に立ち返り掲げた「四つの約束」をもとに、日本人として
の主体性を成長させていく教育に努力している。その実践は、1年次学科必修科目「日本文化
概説」「人間教育概説」(理事長・学長・学科長・フィールド代表・事務局代表によるオムニバス
授業)を軸に、具体的に行っている。
(5)
② 学生の学力向上対策に取り組んでいる。教養教育では中等教育段階での基礎学力習得
状況把握とその学力向上支援、学科の専門教育による知識力増進と技能力の修得である。
本学教育では、後者については、必要な知識力と技能力は十分に学修されていると判断し
ている。しかし、前者については、多様な入試方法による入学者間格差がありその指導には
苦慮している。学長の提示のもと学務推進委員会が中心となり、基礎学力診断を実施して、
実態を把握するとともに、その対策に努力しているが、大学教育における問題点である。
③ 学修評価は、シラバスに示されている評価方法と学則に示された成績の評価基準に則し
て的確に行われ、学生は「秀」の評価を目指して努力している。
④ FD活動・SD活動研修会を2回行った。春セメスターでは授業指導(昨年の研修、ア
クティブラーニングを踏まえた授業)・(専攻の枠を越えたクロスオーバーラーニング授業)
が試みられた。秋セメスターでは、FDのありかたを考えるをテーマに、「FD活動の理念」
・「学生指導のための大学教員課題など」についての研修会を実施した。
⑤ 学生の進路支援の充実に努めている。学科の特色を活かす支援指導。学生委員会を
中心とした支援指導、キャリアサポート室における支援指導を推進している。進路決定率
は85%(昨年比7%向上)であった。企業就職は採用時期の変更などがあり指導のあり方
に変化が生じた。幼稚園・保育園希望者は、業種適性を認めた者については100%の内
定であった。
⑥ 学生募集については、学長直属委員会として「募集促進委員会」を設け、教職員が
一体となって活動している。学校訪問の拡充、高校との連携強化に努め入学率の向上
に努力している。
(3)短期大学の運営について
学科再編成が二回りした。教育の成果は認められているが、入学者充足率は伸びてい
ない。この点を重視した改革・改善を行いながらの運営を行うこととする。
(4)学校評価の実施
平成27年度の自己点検・自己評価報告書を作成し、さらなる改革改善の資料となるも
のとした。平成28年に第三者評価を受けることとし、その準備を行った。
2.高等学校
(1) 教育指針の実践
國學院大學の建学の精神に基づき、我が国の歴史や文化・伝統を重んじ、正しい倫理観・
道徳観を持った日本人の育成を教育目標とした。また、高校における3年間は人生の基礎固
めの時期であるとの考えから、「たくましく 直く 明るく さわやかに」の校訓のもと,頭と心と体
の力をバランスよく養い、調和のとれた人間として成長するように「鍛える教育」を実践した。
そのために様々な学習プログラム、学習しやすい環境の整備などに努めた。生活指導でも躾
教育を徹底し、さらに大学進学実績においても成果を上げることができた。
(2) 教育内容
○普通科
一 類
コース編成は、中高一貫コース・特別選抜Sコース・特別選抜コース・選抜コース・グ
(6)
ローバルコースの5コースとし、中高一貫コースと特別選抜Sコースは同じカリキュ
ラムで授業を行い、東大・京大などの旧帝大・国立大医学部・早稲田・慶応などの最
難関大学を目指した。特別選抜コースと選抜コースは1年次は同じカリキュラムで授業を
行い、2年次からは希望に応じて特別選抜コースは国公立大学対応型のカリキュラムで
、選抜コースは難関私立大学対応のカリキュラムで進路実現を目指した。
また、平成25年度より新たに設置されたグローバルコースは,日本文化理解として
茶道の授業や益子焼きや笠間焼きの見学など、様々な行事を通して、日本の文化に
誇りを持たせ、自分の考えを正しく伝えることができるグローバル人材の育成を目標に
つくられ、外国語学部系の大学進学を目指し、今年度、宇都宮大学国際学部をはじめ、
学習院大学、獨協大学に合格者を出している。外国人講師による英会話指導も充実
しており、3月には2年生対象のハワイ研修を実施した。3学年とも放課後に特別講座
を設け、その中で大手予備校との連携によるサテライト講座を行った。
二 類
全学年が文理コースと、私立大学・國學院大學への進学を目指すカリキュラムで
授業を行った。 なお、2年次より國學院大學進学クラス(2年生2クラス、3年生1クラス)
を設置し、高校2年間と大学4年間の合わせて6年間の一貫教育を行い、大学の教員
による授業もj実施し、大学の単位が認定されるシステムを取り入れている。
(2) 進路状況(平成28年度大学合格実績)
國學院大學 166名 國學院大學短期大学 11名
国立大学 64名
<北海道大・東北大・筑波大・千葉大・宇都宮大学・群馬大・大阪大・
高崎経済大・群馬県立女子大等>
私立大学 395名※國学院大学を除く
<早稲田大・東京理科大・明治大・学習院大・立教大・中央大・法政大・
青山学院大・東京女子大・獨協医科大・立命館大、等>
(3) 部活動の実績(全国大会・関東大会)
主な成績(全国大会)は以下のとおりである。
○ 全国高校総合体育大会(インターハイ)出場 H27年7月~8月 開催地 : 近畿6府県
〔団体競技〕
ハンドボール部男子(17年連続27回目) バレーボール部女子(5年連続29回目) ベスト16
なぎなた部(17年連続17回目)
柔道部女子(6年連続6回目)
〔個人競技〕
◇陸上競技部男子
砲丸投げ
◇陸上競技部女子
400×4R
100mH
100m・20m
七種競技
(7)
◇柔道部男子
73㎏級 飯島 敦也
81㎏級 大中 志津
90㎏級 新井 輝 第3位
◇柔道部女子
78㎏級 山内 真子
78㎏超級 稲葉 瑞希 63㎏級 香取 はるな 57㎏級 前原 幸恵 ベスト8
48㎏級 大竹 亜美
◇なぎなた部
岩井 和 手塚 水晶
○ 全国高校囲碁選手権大会出場 平成27年7月 開催地 :東京都
渋谷 尚巳
○全国高校総合文化祭滋賀大会 H27 7月
渋谷 尚巳 10位
○ 2015紀の国和歌山国体
2014長崎がんばらんば国体出場 平成26年10月 開催地
H27年 9月・10月 :長崎県
◇柔道部男子
団体戦 4位
個人戦 新井 輝
◇陸上競技部女子
100mH 藤掛 友里
走幅跳 滝澤 皐
◇なぎなた部
秋田 夢乃 手塚 水晶
○ 全国高校アームレスリング選手権大会出場
◇レフトハンド60㎏級 上野大輝
平成27年9月 開催地 :東京都
第4位
○ 第95回全国高校ラグビーフットボール大会(花園) 27年12月
16年連続21回目の出場 開催地:大阪府 花園ラグビー場
○ 第6回U18花園女子東西対抗戦出場 小西 想羅 秋山 歩花
平成27年12月
開催地:大阪府 花園ラグビー場
○ 第68回全日本バレーボール高校選手権大会出場 28年1月
29年連続30回目の出場
開催地:東京体育館
○第17回全国高校選抜ラグビーフットボール大会
4年連続5回目
H28年 3月
開催地:埼玉県 熊谷ラグビー場
ベスト8
○第5回全国高等学校選抜女子ラグビーフットボール大会 H28年 4月
開催地:埼玉県 熊谷ラグビー場
初出場 準優勝 県代表 7名
○ 全国高校柔道選手権大会出場
平成28年3月 開催地 :東京都
◇女子団体戦
(8)
◇男子個人戦 60㎏級 稲葉 航希
◇女子個人 48㎏級
大竹 亜実
57㎏級 前原 幸恵
無差別級 稲葉 瑞希
52㎏級 中川原知波(ベスト8)
63㎏級 香取 はるな
○ 全国高等学校なぎなた選抜大会出場
平成28年3月 開催地 :兵庫県
◇団体戦
◇個人戦 前田 千穂 人見 由衣 渡邉 珠希
○第39回全国高等学校ハンドボール選抜大会
H28年 3月 開催地: 兵庫県
学習と部活動の文武両道を目指し、日頃より研鑽に励んだ結果、部活動においても優秀な成
績を残すことができた。
(4) 入学者の確保について
前年度入学生からは、公立高校に係る授業料の不徴収制度と私立高校等に係る就学支援金
制度を所得制限を導入した就学支援金制度へと一本化された。 また、栃木県立高校入試では、
特色選抜入試が実施され、全ての受験生に受験機会が2回与えられた。元来、栃木県は県立高校
志向の強い土地柄であるとともに、本校の重要な募集地域である埼玉県における「埼玉県父母負担
軽減補助金」の存在も募集活動における大きな障壁といえる。平成28年度から、埼玉県の支援金制
度はさらに増額されることになっている。先行き不透明な現実の前では、「将来」より取り敢えず「現
在」が重視され、公立高校志向に変わりのない中で平成28年度生徒募集を行った。
本校の強みとして、國學院大學の傘下校としての優位性・国公立大学をはじめとした合格実績・
特色を持たせたコース設定・優れた教育環境・面倒見の良さ・併願受験者への配慮として入学手続
金不要等々を中心に募集活動を行った。
中学校・塾訪問(5・7月)、下都賀地区校長対象説明会・中学校進路関係教員対象入試説明会
・塾教員対象入試説明会・校外説明会(前期19カ所・後期19カ所)、校内入試説明会(9月~12月)
7回・一日体験学習「come on in 国学院」(8月・2回)、外部主催の進学相談会・説明会への参加、
下野模試への会場提供(8・10・11・12月)、さらに学力診断テスト「国栃チャレンジ」の実施など、
様々な取り組みを通じて平成28年度生徒募集活動を徹底して行った。
〈志願者数・入学者数経年推移〉
志願者数
入学者数
単願
併願
計
一般入学者
中高一貫
計
28年度入試
277名
1,398名
1,675名
452名
38名
490名
27年度入試
290名
1,581名
1,871名
449名
63名
512名
26年度入試
284名
1,624名
1,908名
497名
55名
552名
25年度入試
275名
1,679名
1,954名
509名
57名
566名
24年度入試
283名
1,546名
1,829名
491名
57名
548名
23年度入試
215名
1,456名
1,671名
355名
78名
433名
(9)
〈前年度比〉
志願者数
単願者数
併願者数
〈単願志願者内訳〉
-196 名 -10.5 %
-13
H26年
H27年
前年比
-4.5 %
一般入試
103名
133名
-26名
-183 名 -11.6 %
推薦入試
62名
61名
+1名
名
高校入学者数
+3
名
+0.7 %
体育技能入試
108名
96名
+12名
総入学者数
-22
名
-4.3 %
合計
277名
290名
-13名
○ 学校評価の実施について
学校の教育活動やその他の学校運営状況について評価を実施した。
3.中学校
学力の向上、人間としての調和の取れた力の向上を目指し、きめ細やかに日々の指導に当たり、
生徒一人ひとりの能力を伸ばすため、今までの学習指導に力を入れると同時に、これから求められ
る力である創造力、思考力、コミュニケーション能力を養うことに取り組んできた。
○学力の向上
学力を向上させるため、まずは授業の質の向上に努めてきたが、その他に課題を与えたり、
単元テストや小テストを行い、それができるまで徹底して再テストをしたり、個別指導をするなど、
一人ひとりに対してきめ細やかな指導してきた。また、学校全体の取り組みとしては、平日の
特別講座、長期休暇中の特別講座、学習合宿であるサマースクールを実施した。
そして、それらの取り組みと平行して、「自ら学ぶ力」をつけさせることをテーマとし、探求
型の学習を採り入れ、「受け取る力」「考える力」「判断する力」「表現する力」をつけていこう
と、様々な取り組みを行った。校外学習や自然体験学習に「調べ学習」を採り入れ、ポスター
やスライドを使用させてのプレゼンテーションを行った。さらに全員に「自学自習ノート」を持た
せ、毎日課題以外の自主的な学習をするように指導した。
今後は自学自習をさせるための工夫、アクティブラーニング型の授業の取り組み、機器教
育の充実(タブレット型PCを生徒一人ひとりに利用させる予定)を課題とし、生徒たちのさらな
る学力の向上に努めていきたい。
○学校行事
文化祭や体育祭をはじめ、自然体験学習、校外学習、スポーツフェスティバル等、数多く
の学校行事を通して、何事に対しても意欲的に取り組む姿勢を育ててきた。特に中学校3年
間の中で最大の行事である3年生のオーストラリア語学研修では、英会話の授業やスピーチ
コンテストで培った英語力を発揮、さらにホームステイによって英会話力だけではなく、コミュ
ニケーション能力や自立心を養った。
○入学生の確保
本校が創設以来目指してきた「真のエリート」の育成という目標をもう一度高く掲げ、生徒
の学力・質を上げるために、まずは入試制度を一昨年から変えた。学校長推薦入試や適性
検査入試をやめ、自己推薦入試と学力入試のみの試験を3回ずつ実施することにした。自
己推薦にしても学校の成績が一定レベルでなければならず、学力試験も昨年より難度の高
(10)
い問題にした。また、今年から単願入試の合格ラインの点数を高くした。そのため、入学者
数は31名と昨年の36名と比べてやや減ではあるが、過去3年に比べて、新入生学力試験
の平均点は最も高い。
ちなみに出身地別に生徒数を見ると、栃木県出身者は17名、埼玉県6名、茨城県7名、
群馬県1名であった。
これからも入学者を増やすため募集活動にさらに力を入れていかなければならない。
もちろん、本校教育の良さを伝えるためは、受験生を対象とした入試説明会等の充実、
小学校訪問や催し物(英語・算数教室、サイエンスセミナー)などの広報活動を強化して
いかなければならない。しかし、何よりも一番大切なことは、本校が魅力ある学校でなけ
ればならないことである。これから「入学したい学校」にするため、授業をはじめとして、
一つひとつの教育活動に対し全力で取り組み、質の高い教育を実践していきたい。
○進学実績
中高6か年一貫教育の成果としての大学合格実績は、29名の卒業生のうち北海道大学、
埼玉大学、宇都宮大学など国公立大学で12名合格。また、私立大学も立教、明治、学習院、
法政、東京理科、自治医科大学など延べ51名合格した。(詳細は別表参照)
今後も中学3年間で確実な基礎学力を身につけるよう指導し、6年間一貫した教育を行う
ことによって、積極的に学習に取り組み、難関大学に合格できる力を持った生徒を育成したい。
平成28年3月卒業生<中高一貫生29名> 【 国公立大学・大学校 12名合格 】 合格大学
人数
合格大学
人数
北海道大学
1
名
高崎経済大学
1
名
埼玉大学
1
名
群馬県立女子大学
1
名
宇都宮大学
2
名
2
名
茨城大学
1
名
北見工科大学
防衛大学校
2
名
山形大学
1
名
【 私立大学 51名合格 】
合格大学
人数
國學院大學
8
名
北里大学
2
名
立教大学
2
名
東京農業大学
1
名
明治大学
5
名
フェリス女子大学
1
名
学習院大学
1
名
聖心女子大学
2
名
法政大学
1
名
昭和女子大学
1
名
東京理科大学
3
名
実践女子大学
1
名
立命館大学
2
名
文教大学
1
名
自治医科大学
1
名
昭和大学
1
名
津田塾大学
2
名
杏林大学
1
名
日本女子大学
1
名
その他私立大学
合格大学
(11)
人数
14 名
○安全対策
生徒の通学時の安全確保については本校にとって重要な教育活動の一つとして位置付けている。
登下校の時に行われるIDカードチェックによって、リアルタイムで生徒の登下校の時間が自宅や親の
携帯電話に直接配信されるセキュリティシステムは保護者から大きな信頼を得ている。
災害避難訓練として、まず地震対策では高校と合同で避難訓練を、さらに不審者対策として栃
木警察署の署員の指導のもとで訓練を実施しており、生徒への安全教育については十分な時間を
かけて指導をした。今後も災害避難に対する教員の指導力と生徒の防災意識を向上させていくつ
もりである。
○ 学校評価の実施について
学校の教育活動やその他の学校運営状況について評価を実施した。
4.幼稚園
一人ひとりの子どもが人間として身体的にも精神的にも健全な発達ができるよう 、環境を配慮し、
建学の精神に基づき「明るく 素直で 元気よく 積極的に活動する子ども」を育てる。そのために
適切な援助を心がけ 、「自立心」「忍耐力」「創造性」を養い、「感謝の心」を持つことのできる子供
の育成に努めた。
〇 入園児の確保
子育て支援事業として実施している1歳10ヶ月から2歳児を対象とした未就園児親子ふれあい
教室を登録制(名称 二杉クラブ)にして毎月水曜日に専門の外部講師の指導及び職員により実
施した。また登録していない未就園児のための施設開放日として、土曜日に施設の開放をした。
さらに、8月には平成27年度入園希望保護者を対象に入園説明会を開催し、教育方針や教職員
一体となった保育の実例を紹介するとともに、子育て支援事業としての預かり保育等の内容の充
実や保護者や地域の子育て中の方に希望の多い一時預かり(1歳10ヶ月以上)を実施する等広
報に努めた。
〇 子育て支援事業の実施
a. 未就園児親子ふれあい教室(二杉クラブ) 毎月水曜日 1回~2回 計18回実施(延べ540人参加)
施設開放事業 土曜日 年間 7回実施(延べ105人参加)
b. 預かり保育 月曜日~金曜日 午後2時~6時(延べ2,725人の園児を預かる)
c. 学童保育 月曜日~金曜日 午後3時~6時(延べ288人の児童を預かる) ○ 学校評価の実施
教育の諸活動について学校評価を行った。
(12)
※ 各学校の専任教職員の採用状況について
学校区分
職名
退職(H26年度末) 採用(H27年度)
短期大学
教員
6
人
6
人
高等学校
教員
4
人
5
人
中学校
教員
1
人
1
人
幼稚園
教員
0
人
0
人
学 園
職員
4
人
4
人
15
人
16
人
計
Ⅱ 施設設備等の事業の概要
設置する学校の教育活動の維持・充実向上をはかるために次の施設・設備等を整備した。
建 物
生徒会館耐震改修工事ほか6件
222,522,120 円
構築物
第2グラウンド外周走路全天候改修工事 1件
修繕等関係
50,760、000 円
19,779,634 円
短大西3号館エアコン室外機修理・幼稚園プール防水改修工事等校舎等
施設を良好な教育環境で使用するための経常的保守管理並びに修繕等
工事を実施した。
教育研究用機器備品
短大・幼稚園ピアノ・中学校印刷機ほか88点購入
17,161,044 円
管理用機器備品
短大火災報知受信機入替ほか7点購入
5,834,416 円
図 書
3,262冊購入
17,765,917 円
(13)
3 財務の概要
(経年比較)
(1) 資 金 収 支 計 算 書
(単位:円)
収 入 の 部
科 目
学生生徒等納付金収入
平成25年度
平成26年度
平成27年度
1,571,327,350
1,644,600,200
1,588,351,050
手数料収入
47,096,655
45,585,236
40,467,050
寄付金収入
14,099,710
45,797,198
9,629,277
補助金収入
622,859,158
669,989,964
726,616,931
資産運用収入
71,581,968
97,873,359
93,992,479
資産売却収入
809,638,000
465,802,043
3,805,666,000
16,873,352
17,652,973
17,241,182
雑 収 入
203,035,748
207,483,698
153,531,916
前受金収入
715,872,000
726,097,150
665,943,150
その他の収入
123,917,421
120,764,785
1,192,705,550
△ 773,453,287
△ 908,577,550
△ 862,655,988
4,408,716,942
3,536,788,005
3,591,250,968
7,831,565,017
6,669,857,061
11,022,739,565
事業収入
資金収入調整勘定
前年度繰越支払資金
収 入 の 部 合
計
支 出 の 部
科 目
人件費支出
平成25年度
平成26年度
平成27年度
1,706,205,763
1,809,512,200
1,703,666,123
教育研究経費支出
296,834,757
308,911,095
290,464,450
管理経費支出
134,349,951
128,916,452
130,583,199
借入金等利息支出
13,363,105
11,185,715
9,008,325
借入金等返済支出
104,070,000
104,070,000
104,070,000
施設関係支出
16,575,300
21,297,600
273,282,120
設備関係支出
49,653,606
84,248,814
40,761,377
資産運用支出
1,503,615,000
101,000,000
5,955,666,000
その他の支出
527,567,963
557,598,433
54,340,810
資金支出調整勘定
△ 57,458,433
△ 48,134,216
△ 31,385,057
次年度繰越支払資金
3,536,788,005
3,591,250,968
2,492,282,218
支 出 の 部 合 計
7,831,565,017
6,669,857,061
11,022,739,565
*平成27年度は新会計基準により資金収支計算書を作成しておりますが、本表につきましては過年度
との比較を容易にするため旧基準に修正した上で表示いたしました。
(14)
(2) 消 費 収 支 計 算 書
(平成27年度より事業活動収支計算書)
(単位:円)
消 費 収 入 の 部
科 目
学生生徒等納付金
平成25年度
平成26年度
平成27年度
1,571,327,350
1,644,600,200
1,588,351,050
手 数 料
47,096,655
45,585,236
40,467,050
寄 付 金
18,439,525
54,200,813
12,450,157
補 助 金
622,859,158
669,989,964
726,616,931
資産運用収入
71,581,968
97,873,359
93,992,479
資産売却差額
226,245,904
162,163,587
886,699
16,873,352
17,652,973
17,241,182
203,035,748
207,483,698
153,531,916
2,777,459,660
2,899,549,830
2,633,537,464
基本金組入額合計
△ 131,418,285
△ 150,771,903
△ 399,065,938
消費収入の部合計
2,646,041,375
2,748,777,927
2,234,471,526
事業収入
雑 収 入
帰属収入合計
消 費 支 出 の 部
科 目
人 件 費
平成25年度
平成26年度
平成27年度
1,699,034,060
1,808,404,597
1,702,653,689
教育研究経費
680,834,601
680,551,885
636,470,299
管理経費
149,454,884
144,210,875
146,767,630
借入金等利息
13,363,105
11,185,715
9,008,325
資産処分差額
3,000
26,480
7,154
0
615,080
0
2,542,689,650
2,644,994,632
2,494,907,097
当年度消費支出超過額
0
0
260,435,571
当年度消費収入超過額
103,351,725
103,783,295
0
2,647,102,174
2,542,682,074
2,438,898,779
1,068,375
0
0
2,542,682,074
2,438,898,779
2,699,334,350
徴収不能額
消費支出の部合計
前年度繰越消費支出超過額
基本金取崩額
翌年度繰越消費支出超過額
*平成27年度は新会計基準により事業活動収支計算書を作成しておりますが、本表につきましては
過年度との比較を容易にするため旧基準(消費収支計算書)に修正した上で表示いたしました。
(15)
(3) 貸 借 対 照 表
(単位:円)
資 産 の 部
科 目
平成25年度
有形固定資産
平成26年度
平成27年度
10,398,765,592
10,125,753,928
10,080,420,871
0
0
6,065,666,000
その他の固定資産
5,658,244,681
5,955,746,225
1,041,113,924
流 動 資 産 3,627,151,801
3,785,323,518
2,631,264,546
19,684,162,074
19,866,823,671
19,818,465,341
負 債 の 部
科 目
固 定 負 債
流 動 負 債 負 債 の 部 合 計
平成25年度
939,776,542
1,242,128,441
2,181,904,983
平成26年度
840,080,803
1,269,930,579
2,110,011,382
平成27年度
750,053,921
1,172,968,764
1,923,022,685
基 本 金 の 部
科 目
第1号基本金
第3号基本金
第4号基本金
基 本 金 の 部 合 計
平成25年度
19,613,939,165
210,000,000
221,000,000
20,044,939,165
平成26年度
19,764,711,068
210,000,000
221,000,000
20,195,711,068
平成27年度
20,163,777,006
210,000,000
221,000,000
20,594,777,006
消 費 収 支 差 額 の 部
科 目
翌年度繰越消費支出超過額
消費収支差額の部合計
平成25年度
2,542,682,074
△ 2,542,682,074
平成26年度
2,438,898,779
△ 2,438,898,779
平成27年度
2,699,334,350
△ 2,699,334,350
特定資産
資 産 の 部 合 計
科 目
負債の部,基本金の部及び
消費収支差額の部合計
平成25年度
19,684,162,074
(16)
平成26年度
19,866,823,671
平成27年度
19,818,465,341