シリアの紛争終結と和平に向けた「シリア和平ネットワーク」

2016年7月28日
シリアの紛争終結と和平に向けた「シリア和平ネットワーク」の政策提言活動報告
第二次大戦後の最悪の人道危機と言われ、混迷を極め収束の兆しが見えないシリア紛争について、昨年
12月に下記の4団体でシリア和平ネットワーク(正式名:シリアの和平実現のために活動するネットワーク)
を立ち上げ、シリアの紛争終結と和平実現に向けた政策提言(アドボカシー)活動を行ってきました。

シリア支援団体 サダーカ(Sadaqa for Syria)

特定非営利活動法人 日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)

特定非営利活動法人 ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)
「シリア和平ネットワーク」を設立した背景は次のとおりです。
 シリアの紛争激化によりこれまで以上の人道支援は必要。
 一方、根本的な和平を実現しない限り、難民や犠牲者は増加。
 中東では日本は信頼厚く、シリア紛争に利害を持たない数少ない国
 日本が議長国となるG7伊勢志摩サミットはシリア和平実現の好機。
G7伊勢志摩サミットの議長国である日本政府への提言として、今年3月に紛争終結への道筋を求める下
記内容の提言書を取りまとめ、G7内閣総理大臣特別代表(シェルパ)や外務省関係部局、与党政治家へ
提言活動を展開しました。
1. 議長国としてシリア和平プロセスでリーダーシップを発揮すること。
2. G7 各国リーダーへ利害を超えて非軍事的解決を働き掛けること。
3. 紛争終結と和平に必要な環境醸成に向けた会合を開催すること。
① シリア人自身がシリアの未来を語るワークショップ(難民が生活するヨルダン等の周辺国開催)
② シリア人と共にシリア和平の実現を目指した議論を行う有識者フォーラム(日本開催)
G7伊勢志摩サミット首脳会合で、G7 各国によるシリア紛争終結に向けた強い決意が首脳宣言で謳われる
ことを目指し、国内外の62の NGO が参加する『2016 G7 サミット市民社会プラットフォーム』が主催・共催
する下記の3つのイベントに参加してシリアの紛争終結と和平実現に向けたアドボカシー活動を行ってきま
した。
1. 【Civil G7 対話】:2016 年 3 月 22 日~23 日(京都市)
第2回シェルパ会合の日程に合わせて開催された「Civil G7 対話」会合には、海外24ヶ国からの40
名を含めた約100名の NGO が参加しました。参加者は、8つの分科会に分かれて議論し G7 首脳に
宛てた提言書をとりまとめました。その後、各分科会の代表者が G7 各国シェルパに会って直接提言
内容を伝えました。
「シリア和平ネットワーク」からは、4名が「シリア・紛争」分科会に参加し、当ネットワークが招聘した在
日シリア人を交え、他に日本やアフリカから参加した5名と共に、主にシリアの和平実現について討議
し下記の提言をとりまとめました。
① G7 諸国は、シリアの永続的な停戦実現のために、武装勢力の撤退や武器供給の停止、国土一
体性の保全を図り、国連安全保障理事会決議(2254・2258)を完全に履行するべきである。
② G7 諸国は、シリア人が母国で持続的な生活が出来るように、シリアの人々、特に紛争被害者が
人種や民族、宗派、信条による対立を乗り越えて対話ができるよう支援すべきである。
2. 【市民の伊勢志摩サミット】:2016 年 5 月 22 日~23 日(三重県四日市市)
G7 伊勢志摩サミットの直前に、国内外から約 250 名もの NPO/NGO が四日市に参集し、地域や国際
的な15の課題について分科会で討議し「力強い市民社会」からのメッセージとして提言をとりまとめま
した。
「シリア和平ネットワーク」からは7名が参加して難民支援協会と共催で「シリア難民分科会」を開催し、
①昨年度 UNHCR 難民映画祭上映作品である、家族や帰る場所を失ったシリア人の故郷への想いを
綴ったドキュメンタリー映画(要約版)の上映、②青年海外協力隊経験者による紛争前のシリアでの体
験に基づく素顔のシリアの人々の紹介、③パネルトーク「シリア紛争の悲惨な現状に、私たちは何がで
きるか考えよう」の3部構成で実施し、メディア関係者も含め約60名の方々が来場されました。
パネルトークでは、シリア紛争の現状、ヨルダンにおけるシリア難民の生活実態、諸外国の難民受け
入れ事例と日本の対応に関するパネラーからの報告に続いて、来場者からの質問に答える形でシリ
ア和平に向けて何を成すべきかについて討議し、下記の提言を取りまとめました。
① 周辺国で難民となっているシリア人自身がシリアの未来を語るワークショップの開催
② シリア人と共にシリア紛争終結と復興に向けた有識者フォーラムの開催
③ 若者の留学生も含めた、シリア難民を日本が受け入れるための制度構築
提言内容は最終日の全体会合で報告し、他の分科会の提言と共に 5 月 30 日に市民サミット主催団体
の共同代表である JOICFP 理事長の石井澄江さんから外務省地球規模課題担当審議官である竹若
敬三 NGO 担当大使へ手渡されました。
3.
【伊勢志摩サミット国際メディアセンター】:5 月 25 日~27 日
G7 伊勢志摩サミットのために設置された国際メディアセンターに隣接
する NGO スペースにて、「シリア和平ネットワーク」の 2 名が、G7 首脳
会議前日の 25 日夜(19:00)と 26 日昼(12:00)の 2 回、当ネットワーク
の単独記者会見を行いました。
記者会見は、①シリアの子どもたちによる平和を求める声のビデオ上
映、②紛争被害者であるシリアの人々の声の紹介、③シリア和平ネッ
トワークと提言内容の紹介、④「紛争5年目にこそ平和を」のビデオ上
映、⑤質疑応答の構成で行いました。会見には、朝日新聞、Japan
Times、News OpEd、中日新聞、中東系通信社数社、トロント大学の研
究者など国内外のメディア関係者 9 名が出席しました。
記者会見では、提言の趣旨や G7 だけで停戦が実現出来るのか、日
露会談で安倍首相に何を語ってほしいか、また日本政府によるシリア
人留学生 150 名受け入れ表明をどう評価するか等の幅広い質問が出
されました。
【G7サミット首脳宣言*のシリア関連部分に関する「シリア和平ネットワーク」としての評価】
*http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000160267.pdf

全ての当事者及びその支援者に対して全国的な「敵対行為の停止」の完全履行と全ての当時者
による市民に対する無差別攻撃の停止が表明されているが、私たち「シリア和平ネットワーク」が
G7 首脳へ求めて来た停戦実現と和平プロセスに向けた具体的な言及がなかったのが残念であ
る。

基本的には国連等で既に打ち出されている目標をしっかり履行せよとの呼びかけに終始しており、
各国の利害を超えて首脳間で紛争を終結させる真剣な議論がなされたか疑問である。

日本政府が G7 に対する貢献策として、SDGs 推進本部の設立を表明し、また、その主要な施策の
一つとして中東の安定化に対し3年間で60億ドルという資金的コミットメントを表明したことは評価
できるが、他の G7 諸国が議長国である日本のリーダーシップに対して呼応することなく、G7 として
具体的な施策が示せなかったことは非常に残念である。

いまだ800万人以上の子どもたちが難民としての生活を余儀なくされている現状下で、G7 としての具
体的で明確な対策を打ち出せなかったことを踏まえて5段階評価の『3』と評価する。
現在までに政策提言の働きかけを行った外務省官僚並びに政府与党国会議員リスト
1月19日
七澤淳 外務省中東アフリカ局中東第一課長・・シリア担当部局
長嶺安政 内閣総理大臣特別個人代表(G7伊勢志摩サミット・シェルパ)
1月27日
遠山清彦 衆議院議員(衆議院総務委員長、平和学博士)
長谷部康治 石川博崇参議院議員政策秘書・・石川議員は元在シリア日本大使館書記官
2月 9日
岡本三成 衆議院議員(衆議院外務委員)
3月29日
遠山清彦衆議院議員
5月24日
濱地雅一 外務政務官(衆議院議員)
陪席者: 七澤淳 外務省中東アフリカ局中東第一課長
北川裕久 外務省国際協力局民間援助連携室首席事務官
5月30日
「G7後の外務省・NGO意見交換会」会合:
竹若敬三 外務省国際協力局審議官(地球規模課題担当)兼NGO担当大使
7月26日
濱崎健聖 外務省中東アフリカ局中東第一課外務事務官
貝野綾子 外務省国際協力局国別開発協力第三課事務官・・シリア等を担当
7月28日
「ODA 政策協議会」会合・・NGO側はシリア和平ネットワーク3名を含め36名参加
山田滝雄 外務省国際協力局長
竹若敬三 外務省審議官兼NGO担当大使
七澤淳
外務省中東第一課長
今福孝男 外務省国際協力局国別開発協力第三課長
関 泉
外務省国際協力局民間援助連携室長
北川裕久 外務省国際協力局民間援助連携室主席事務官、他
宮原千恵 JICA中東・欧州部次長、他
シリア和平実現に向けた今までのアドボカシー活動に関するメディア報道について
【Civil G7 対話関連】:3月23日
① 「シリア和平に尽力を」支援団体、外務審議官に提言書/三重
毎日新聞(朝刊)三重県地方版
伊勢志摩サミットの議長国・日本が中東シリアの紛争終結を主要7カ国(G7)に働き掛けてほしいと、支
援団体「シリア和平ネットワーク」が22日、和平の提言書をまとめ、京都市で長嶺安政・外務審議官に
提出した。
同ネットは、日本国際ボランティアセンター(東京都)や「サダーカ」(横浜市)など26団体で昨年12月に
結成。さらに同ネットは、国内の非政府組織(NGO)が連携してサミットに向けて政策提言する「G7サミ
ット市民社会プラットフォーム」(58団体)にも加盟し、今回の提言書もプラットフォームを通じて提出し
た。
この日、京都市であったプラットフォームの会議でシリアについて議論し、 4点から成る提言書をまとめ
た。
それによると(1)議長国として各国首脳に利害を超えて和平を呼び掛ける(2)内戦負傷者をはじめ、政
府・反政府の垣根を越えた国民間の信頼構築(3)自由に発言できないシリア人と日本人の有識者同士
の対話の場の設置(4)シリア人支援
の団体と日本政府の対話の促進。
会議に参加した日本在住でシリア国
籍のファーディーさん(36)は「米国、
ロシアと異なり日本は中立的な立場
のため、シリア人は信頼している」と期
待。シリアの隣国ヨルダンで支援する
「サダーカ」の田村雅文代表(36)は
「シリア人の願いは紛争の停止と、故
郷に帰り、再び家族と共に住むこと」と
訴える。サダーカを通じてシリアを支
援し、同国を訪れた女子サッカー「伊
賀FCくノ一」コーチ、林一章さん( 39)
=津市=は「内戦終結と、シリアで拘
束されたとの情報があるジャーナリス
トの安田純平さんの早期解放も願って
いる」と語った。【鶴見泰寿】
① 4月30日:毎日新聞(朝刊)
【市民の伊勢志摩サミット関連】
5月24日(火曜)
① 産経フォト(5 月 24 日)世界問題で政策提言進める 市民サミット、宣言採択
http://www.sankei.com/photo/daily/news/160524/dly1605240024-n1.html
閉幕後、記念写真に納まる市民サミット
参加者=24日午後、三重県四日市市
伊勢志摩サミット開催に合わせ集
まった国内外のNPOや非政府組織
(NGO)メンバーらが、三重県四日市
市で開いた「市民の伊勢志摩サミット」
は24日、世界が直面している問題の
話し合いを生かし「自治体、国、国際
機関に対して政策提言活動を継続し、
市民協働による政策作りを進める」と
いった宣言を採択、閉幕した。
市民サミットは23日から開かれ、環境や平和、移民・難民、子どもの貧困などをテーマとした分科会で議
論し、24日の全体会で成果を報告した。
報告では、シリア難民分科会を主催した支援団体「サダーカ」の森野謙さんが「日本はシリア紛争につい
て利害がないので、中立的な立場で和平を主導できる」と指摘。分科会として、シリア人難民らが自国の未
来を話し合うフォーラムを日本政府が主催し、成果を発信するよう求める提言をした。
② 市民の伊勢志摩サミット開幕
毎日新聞 2016 年 5 月 24 日 中部朝刊
http://mainichi.jp/articles/20160524/ddq/041/040/009000c
食料安全保障の分科会で、貧困層の生活改善にG
7が果たすべき役割について議論する参加者ら=
三重県四日市市で23日、町田結子撮影
伊勢志摩サミットに先駆け、国内外の市民団体が
地球規模の課題について議論する「市民の伊勢志
摩サミット(市民サミット)」が23日、三重県四日市
市のじばさん三重で始まった。異なる現場を経験し
ている団体が連携し、シリア難民問題や気候変動
など、サミットの主要テーマを議論、問題解決への
道筋を探る。
NPOなど国内約60団体でつくる「市民社会プラットフォーム」と、東海3県の約30団体からなる「東海『市
民サミット』ネットワーク」の共催で、初日は国内外から約400人が参加。15分科会に分かれて24日まで
意見を交わし、それぞれの政策提言をまとめる。
このうち、シリア難民の分科会では、紛争終結に向けて議長国・日本が果たすべき役割を議論。「現在敵
対しているシリア人同士の信頼構築に向け、国民間の対話を主導する」などとする提言をまとめた。
同国への支援を続ける「サダーカ」(横浜市)の森野謙さん(67)は「紛争に関わっていない中立的な立場
から、和平構築に官民一体で取り組みたい」と訴えた。
食料安全保障の分科会では「貧困国における栄養不良の改善に、日本の給食などの知見をいかすべき
だ」とする提言をまとめた。進行役の米NGO「グローバル・ポベティー・プロジェクト」のジュディス・ローラン
ドさん(27)は取材に「G7をはじめ先進国は、世界の栄養改善に向けた資金を増額すべきだ」と話した。
24日は各分科会が提言書を発表、「市民宣言」を採択する。【町田結子、鶴見泰寿】
③ 市民サミット四日市で開幕 「紛争を止めよう」 難民問題で分科会/三重
http://mainichi.jp/articles/20160524/ddl/k24/040/012000c
毎日新聞 2016 年 5 月 24 日 地方版
市民サミットであったシリア難民問題を考える分科
会
=四日市市で
23日に四日市市で開幕した「市民サミット」。シリ
アの難民問題を議論した分科会では、桑名市出身
の田村雅文さん(36)が代表を務めるシリア支援団
体「サダーカ」(横浜市)のメンバーらが議論を主導
し、「紛争を止めよう」と訴えた。
サダーカは、同国に青年海外協力隊として赴任した経験を持つ田村さんが2012年に設立した団体で、
約60人が活動。田村さんは同年から隣国ヨルダンに移り住み、現地の研究機関に籍を置きながら難民支
援を続ける。
約60人が参加した分科会では、サダーカのメンバーが積極的に発言し、「自国で自由に発言できないシ
リア人の有識者と日本の有識者による和平会議を、日本で開催したい」などと提案した。
参加した伊賀市の女子サッカー「伊賀FCくノ一」のコーチ、林一章さん(39)は、サダーカを通して同国へ
の資金援助を続ける。林さんは「関心を持つ人を一人でも増やしたい」と述べた。
田村代表は今回は帰国しなかったが、毎日新聞の電話取材に「シリア人の多くは国を離れたくないのが
本音。問題の終結には紛争を止めることが必要」と話した。【町田結子、鶴見泰寿】
④ Japan Times (2016年5月24日)
5月25日(水曜)
⑤ YOMIURI ONLINE
シリア和平などで提言 市民サミット閉幕
閉幕後、記念写真を撮影する「市民の伊
勢志摩サミット」の参加者ら
伊勢志摩サミットに先駆けて、四日市市で開
幕した「市民の伊勢志摩サミット(市民サミット)」
は最終日の24日、「環境」「平和」など16テー
マについて先進国首脳らに訴える政策提言を
まとめ、発表した。主催者側は25日に伊勢志
摩サミットの国際メディアセンター(伊勢市)で
記者会見し、国際社会に向けて成果を発信する。
市民サミットには2日間で海外のNGOスタッフを含め延べ約500人が参加。「シリア難民」の分科会では、
シリア和平に向けた対話プロセスを促進するため、日本政府がリーダーシップを発揮するよう求めることな
どを決めた。
参加者らは最後に「自治体や国などに対し、市民からの政策提言活動を継続する」などとする市民宣言を
採択し、閉幕した。
【G7 サミット国際メディアセンター関連】
5月26日(木曜)
①
http://vpoint.jp/photonews/65820.html
シリア和平、支援団体がG7各国に行動呼び掛け
国際メディアセンターの隣接施設でNGOがアピール合戦
伊勢志摩サミットの報道関係者の拠点、国際メディア
センター(IMC)の隣接施設では、さまざまな非政府組
織(NGO)が会見などを行い、世界から集まったメディア
にアピールしている。
支援団体「シリア和平ネットワーク」は 26 日、先進7カ
国(G7)各国に対し、シリア和平実現に向けた「具体的
アクション」を取ることを求めた。
シリア和平実現へ支援を訴えるサダーカの小泉尊聖氏(左)
シリア内戦開始から5年、多くのシリア人が、家、家族を奪われ、難民となっている中、ネットワークは動
画を通じてシリア難民の子供たちの状況を伝えた。「シリアに帰って友達と遊びたい」「世界のリーダーの皆
さん、紛争を終わらせてください」と訴える声は悲痛だ。
ネットワークに加盟する 25 団体の一つ「サダーカ」の小泉尊聖氏は、日本は「シリアからの信頼が厚く、特
別な利害がない」「日本が議長国の(伊勢志摩)サミットは、シリア和平実現のための重要な機会」と日本
政府へシリア和平への関与強化に期待を表明した。
政府はサミットに先立ち、「中東地域安定化のための包括的支援」として、約2万人の人材育成を含む
約 60 億㌦の支援、5年間で最大150人のシリア人留学生の受け入れを表明している。小泉氏は留学
生の受け入れについて「大きくない」と不満を表明、60 億㌦の支援については「高く評価」し、「新たな和
平醸成につながる」ことに期待を表明した。
② Japan Times:
http://www.japantimes.co.jp/news/2016/05/26/national/politics-diplomacy/ngos-pressure-g-7-take
-action-paris-climate-deal/#.V2OwgruLSUm
Figures
resembling the
Group of Seven
leaders are
displayed at a
venue for
nongovernmental
organization
meetings in Ise,
Mie Prefecture,
on Thursday. |
TOMOHIRO OSAKI
NGOs pressure G-7 to take action on
Paris climate deal BY TOMOHIRO OSAKI MAY 26, 2016
ISE, MIE PREF. – Nongovernmental organizations fighting climate change on Thursday urged
leaders of the Group of Seven countries to swiftly implement the ambitious pledges they made in
Paris in December and criticized Japan for thwarting efforts to reduce fossil fuels.
On the sidelines of the G-7 summit in Mie Prefecture, Climate Action Network Japan (CANJ), a
conglomerate of 14 private organizations combating climate change, stressed the leaders must scale
up climate actions and phase out fossil fuels in accordance with the Paris Agreement unanimously
agreed on by all participating nations last year.
Under the framework, governments agreed to limit the rise in global average temperature to well
below 2 degrees Celsius.
“It is imperative that leaders attending this summit hammer out an ambitious, concrete message in
line with the Paris Agreement” to combat climate change, Masayoshi Iyoda, a researcher at Kiko
Network, which is part of CANJ, said.
To this end, CANJ urged the G-7 leadership to ratify the agreement as soon as possible to achieve
its swift entry into force and show commitment to phasing out fossil fuels. They called coal the “most
carbon-intensive dirtiest” energy source.
The group singled out Japan for criticism, saying it keeps blindly investing in coal-related projects.
A recent report co-written by several organizations, including the New York-based Natural
Resources Defense Council, shows Japan is “by far the worst offender” in terms of public financing
for coal projects worldwide, spending $22 billion from 2007 to 2015, said Kate De Angelis, an
international policy analyst for Friends of the Earth U.S., at a news conference Thursday.
“In order to have at least a 50 percent chance of avoiding the worst impact of climate change, we
must stop all new fossil fuel-fired power plants by 2017. That’s next year,” Angelis said, quoting a
recent Oxford University study.
Meanwhile, citizens’ groups fighting the global refugee crisis revolving around Syria urged Japan to
facilitate discussions among G-7 leaders to solve the problem.
Takakiyo Koizumi, policy advocacy chief for a group called Sadaqa, slammed a plan recently
announced by the Japanese government to accept young Syrians as students, rather than refugees,
as part of a broader effort to help stabilize the Middle East.
The plan, which aims to accept 150 Syrian students over the course of five years, falls far short of
being a fundamental solution, Koizumi told reporters at a separate news conference.
Japan is using this type of “humanitarian” support as an “alibi” for not addressing the real cause of
the conflict, Koizumi said, adding that even though this is a step forward by Japanese standards, “it is
lukewarm” nonetheless.
以上