筑波大学 第三学群社会工学類 卒業論文 @cosme 上のクチコミが 化粧品購買に与える影響 筑波大学 第三学群 社会工学類 社会経済システム主専攻 200511058 宮脇 指導教員 石井 千香子 健一 2009 年 1 月 目次 第 1 章 研究目的..................................................................................................................... 1 1-1 研究の背景................................................................................................................... 1 1-2 先行研究 ...................................................................................................................... 3 1-3 個人インタビューによる質的調査概要 ....................................................................... 3 1-4 仮説の設定................................................................................................................... 4 第 2 章 方法 ............................................................................................................................ 4 2-1 アンケートによる量的調査 ......................................................................................... 4 第 3 章 結果と考察 ................................................................................................................. 6 3-1 アンケートによる量的調査結果の概要 ....................................................................... 6 3-2 @cosme 利用者の特徴 .................................................................................................. 7 3-2-1 化粧品購入金額からみる利用者の特徴................................................................ 7 3-2-2 年齢とインターネット接触頻度からみる利用者の特徴 ...................................... 7 3-3 @cosme 利用の動機 ...................................................................................................... 8 3-3-1 友人との会話の代替 ............................................................................................. 9 3-3-2 化粧品購入時の動機 ............................................................................................. 9 3-3-3 ランキング志向 .................................................................................................. 10 3-4 @cosme が及ぼす消費行動への影響............................................................................11 3-5 @cosme の情報伝播の流れ......................................................................................... 12 第 4 章 結論 .......................................................................................................................... 12 4-1 本研究の結論 ............................................................................................................. 12 4-2 本研究の問題点 ......................................................................................................... 13 アンケート............................................................................................................................ 14 アンケート結果 .................................................................................................................... 19 参考文献・資料 .................................................................................................................... 26 謝辞....................................................................................................................................... 27 2 第1章 研究目的 1-1 研究の背景 近年テレビや雑誌、新聞などに加え、インターネットが普及したことにより様々な情報 ツールが存在している。テレビや雑誌、新聞といった従来のマスメディアは、特定少数の 送り手が不特定多数の受け手に一方的に情報を向けている。それに対してインターネット 上にはブログや掲示板、クチコミなど誰もが自由に書き込み、自由に閲覧できる場が提供 されている。このため複数の送り手から複数の送り手へ情報が行き交い、双方向的な情報 交換が可能になった。こうしたメディアの進化は広告業界にも影響を与えている。源馬 (2000)が「広告は社会の鏡」或いは「広告は時代の鏡」と表現するように、広告はテレビ CM や雑誌・新聞広告にとどまらずインターネット広告へと広まってきている。そこで桂井 (2002)がインターネット広告の特徴は、二点考えられると述べている。まずターゲティング (対象とするユーザーの絞込み)である。サイトにアクセスするユーザーはサイト上の製 品やサービスに関心の高い人であり、そのユーザーに広告を見せることで広告効果の向上 が期待されるのである。つまりインターネット広告の普及に伴って消費者が能動的に情報 を検索・収集することが必要になってきたと言えるだろう。次にインターネットを利用す ることで、広範囲の人々へ情報発信することができるので、消費者間のコミュニケーショ ンの場として利用される点である。人々の趣味趣向は多様化し、情報量が増え、メディア も進化する中で、消費者は情報を一方的に得るだけでは満足できなくなってきている。そ こでネット広告において、同じ関心分野を持つユーザー同士間で情報交換ができる空間を 提供することで、企業は潜在的な消費者のニーズを得ることができる。ユーザーにとって も、今までは自分の家族・友人など狭いなかでしか情報のやり取りはされなかったのに対 して、インターネットを利用することで同じ関心を持つ人と広く情報交換をすることが出 来るようになった。 情報伝達において「コミュニケーションの二段階の流れ」として従来から研究されてき たオピニオンリーダーとフォロワーという関係は、インターネットの普及に伴ってどのよ うに変化していくのだろうか。またインターネット上の情報は誰が発信したのか、どのよ うな特性を持っているのかが分からないので、信憑性が薄く、影響力はないのではないか。 そこで、本研究ではインターネット広告の特徴の一つである消費者間のコミュニケーショ ンの場が及ぼす消費者への影響や購買行動を調べるため「みんなのクチコミサイト @cosme」(URL:http://www.cosme.net/)を取り上げて研究を進めることとする。このサイト を研究対象とした理由は、@cosme は広告以外にも、化粧品に特化した消費者個人の感想や 使用感などのクチコミも集約されており、消費者同士が情報を共有することができるサイ トだからである。これらのクチコミをもとに、年代別・肌質別・タイプ別など様々な項目 ごとにランキングされており、閲覧者は自分と似た特性(年代・肌質・タイプなど)情報を効 率的に得ることが出来る。化粧品は多くの女性が特に関心を持つ商品であり、また肌に直 接つけるものなのでブランド選択が慎重になり、インターネット上の情報から受ける購買 行動に影響が出やすいと考えたからである。化粧品は高価で、次々と新商品が出るため品 数も多く、一人で全てを試すことはできない。かといって家族や友人の勧める化粧品も肌 質が異なれば効果は期待できない。このように自分の周りだけのネットワークから得られ る情報量は限られているので、インターネットを使ったユーザー間の情報は消費者に大き な影響を与えるのではないだろうか。 ここで「@cosme」サイトの現状を整理する。1999 年 12 月にサイトを開設され、国内外 1 万 7000 ブランド・商品数 15 万点のデータベースと、クチコミ検索機能や新製品情報な どのコンテンツを備えた、国内最大規模の化粧品情報専門サイト。ページビュー数:月間 1 億 9,500 万PV以上、@cosme メンバー数:1,135,000 人、ユニークユーザー数:月間 2,250,000 人、総クチコミ件数:約 6,450,000 件。ユーザーのプロファイル内容として、年 齢構成は 20 才未満 7%、20 代前半 22%、20 代後半 24%、30 代前半 22%、30 代後半 14%、 40 代以上 11%。職業構成は会社員 42%、専業主婦 13%、パート・フリーター11%、大学 院 生 ・ 大 学 生 12 % 、 そ の 他 23 % 。( 2008 年 11 月 度 の @cosme 統 計 に よ る http://www.istyle.co.jp/File/sitedata.pdf) (URL:http://www.istyle.co.jp/File/sitedata.pdf より) 要するに@cosme とは、化粧品関連市場に特化していること及び 20~30 代の働く女性を 主たる対象としていること等の特性を活かしたコスメ専門の情報サイトである。ここで @cosme 上の「クチコミ」とは、サイトに登録したメンバーがコスメや美容グッズなどを実 際に使ってみた上での感想(使用感)を投稿しているものである。そして@cosme 上のコン テンツ「クチコミランキング」とは、クチコミ投稿時にメンバーが商品に対する評価を0 ~7の8段階でつけたものを集計しランキング形式で掲載したものである。 2 1-2 先行研究 研究を進めるにあたり、まず先行研究の文献調査を行った。「ネット・コミュニティのマ ーケティング戦略」~第 9 章コミュニティ拡大戦略~では、@cosme が成功したコミュニテ ィの在り方やクチコミの価値について説明している。 「インタラクティブな情報のやりとり を排除したクチコミ情報の集積をサイトの核とするアットコスメというコミュニティは、 「淡いコミュニティ」である。(淡いコミュニティとは、成員間での双方向的なコミュニケ ーションの量、すなわちコミュニケーション密度が相対的に低いコミュニティのこと)この ような淡いコミュニティでは、 『情報の量』が信頼性を担保していくための重要な手段であ ると考えられる。」と述べられている。論文からも分かるように、インターネット上の情報 は特定できない相手からのものであるにも関わらず、情報量の多さによって閲覧者は世論 としてそれらの情報を受け取り、消費者の購買意欲に影響を与えるのだろう。 「黙って読んでいる人達(ROM)の情報伝播行動とその購買への影響」では、@cosme におけるユーザーの役割分担について分析されている。「ROM に比べ発信者の方がフォー ラムを身近で仲間がいる場所であると強く認識しており、そのことがまた発信者をフォー ラムにつなぎとめる絆として作用している。この点を踏まえ、1 次購買において、個人単位 では RAM のほうが ROM よりインターネットの評価情報の影響を受けるのではないか」と 述べられている。また、 「電子ネットワークの影響を考える上で、ROM/RAM を個人単位で はなく総体で捉えると、構成員の大半を占める ROM の果たす役割は相当大きなものと想定 することが可能である。RAM より ROM の方が多数派と思われることから、1次購買にお いて、ROM/RAM を総体として捉えると、ROM のほうが RAM より購買に貢献しているの ではないか」とも述べられている。つまり「ネットワークに対するコミットメントが高く 情報を生成する RAM に対し、コミットメントは低いがゲートキーパーとして外部との情報 伝播役を果たす ROM が存在することで、インターネット上の評価情報が効率的に購買を誘 発する仕組みが出来ている」と考えられている。この論文より、インターネット上に書き 込むメンバーも、その情報を読んだユーザーも共にオピニオンリーダーとして周囲の人た ちの購買行動に影響を与えているのではないだろうか。 1-3 個人インタビューによる質的調査概要 仮説の設定のために、2008 年 10 月に@cosme の利用状況について個人インタビューを実 施した。被験者は@cosme を実際に利用し、その情報をもとに化粧品を購入したことのある 女性3人で、所要時間は1人約20分程度で@cosme を知った経緯と利用状況を調査した。 @cosme を知った経緯を知るために、知った時期ときっかけを尋ねると1人は高校時代で インターネットの検索から知ったと答えた。あとの2人が大学2年のときで、友人から聞 いた/インターネットの検索からサイトの存在を知ったと答えた。 @cosme の利用状況を知るために、まず TV・雑誌と@cosme の違いについて尋ねると、 TV・雑誌は「良いことしか言わない」「情報が一方的である」「情報量が少ない」という意 見に対して、@cosme は「欲しい情報をすぐに、いつでも、知りたいだけ得ることが出来る」 という意見であった。次に@cosme 上でよく利用するコンテンツを尋ねたところ、4人とも 3 クチコミランキングを見ていることが分かった。むしろ4人中3人がクチコミランキング しか見ていないことが分かった。@cosme はコンテンツが多く情報量が多すぎるため、見る ところが決まっているようである。そこで、なぜクチコミランキングを利用するのか尋ね た。「化粧品は高価なものだから、自分で全ての商品を試すことはできないから」「人によ って合う合わないがあるために、家族・友人との情報交換に意味がないから」「肌質や求め るものが自分と似ている人の意見を聞くことができるから」という意見であった。化粧品 の情報量は他の消費財に比べて、自分の身の回りで得られる情報だけでは充分ではないの だろう。そして、なぜクチコミ情報を信頼するのか尋ねた。 「書き込み数(ユーザー)が多 いから」「良いクチコミだけでなく、悪いクチコミもされていて、実際に使用した人の素直 な感想だから」「特にサイトと書き込み者の間に利害関係がないから」という意見であり、 3人とも実際にランキング上位の商品を購入したことがあるという。 「ランキング上位の商 品=大体の人が良い評価をしている商品、多くの人から支持されている商品」という安心 感が消費行動に影響を与えているのではないか。 1-4 仮説の設定 1-3 節の質的調査の結果から3つの仮説を立て、検証していくことにした。本研究では、 @cosme の重要性とサイトユーザーの特性、サイトのクチコミ情報が及ぼす消費行動への影 響について、以下のような仮説を立てた。 仮説1〉@cosme は友人との会話の代替である インターネット上のクチコミは誰が書き込んだか分からないけれど、サイトへアクセス する人は興味関心が似ており、さらに先行研究より情報量の多さから社会からの情報とし て消費者の意思決定に影響を与えるだろう。したがってユーザー間で得られる情報は友人 との会話間での情報よりも重要視されているのではないだろうか。 仮説2〉@cosme 利用者はランキング志向が高い @cosme メンバーによって評価されたものを集計し作られたクチコミランキングは、サイ ト上で人気の高いコンテンツである。このようなランキングを参考に選択をする人は、大 学や企業、映画、本、CDを選ぶ際にもそれぞれのカテゴリー内で作られたランキングを 気にするのではないだろうか。 仮説3〉@cosme を使用している人ほど、化粧品消費行動に影響がある サイトへのアクセスはユーザーの能動性が必要なので、@cosme 上のクチコミは消費者の 意思決定に大きく影響するだろうと考えた。 第2章 方法 2-1 アンケートによる量的調査 @cosme利用者の特徴、利用動機、消費行動への影響、仮説を検証するためにアンケート による量的調査を2008年12月に行った。調査方法としては1人に約5~10部ずつ渡し、知人 4 にアンケートを配ってもらうというスノーボールサンプリング方式を採用し、回収数は120 部である。スノーボールサンプリングは、対象者の選択としては好ましい方法ではないが、 女性の回答者を多く得るためにやむを得ず採用した。アンケート回答は本人が記入したも のである。 アンケート内容はインターネットへの接触頻度、化粧品に対する関与度、@cosmeの利用 状況、友人間の会話内容、ランキングに対する関心などである。 (詳しくは付録のアンケー ト用紙参照) インターネットへの接触頻度は、パソコンと携帯電話の2つの端末からの「インターネ ットをどのくらいの頻度で使用しますか?」という質問項目に対して5段階で評定した。 化粧品に対する関与度は、 「どのくらいの頻度で化粧品を購入しますか?」と「化粧品を購 入する際、平均的に1回の買い物でいくらぐらい購入しますか?」という質問項目に対し て5段階で評定した。前者の回答を年換算するために「週に1回」を48回、 「月に1回」を1 2回、 「3ヶ月に1回」を4回、 「半年に1回」を2回、 「1年に1回、またはそれ以下」を1回と数 値化し、化粧品購入頻度とした。そして後者の回答は「~1000円」を500円、「1000~300 0円」を2000円、 「3000~5000円」を4000円、 「5000~1万円」を7500円、 「1万円以上」を 10000円と数値化し、化粧品購入金額とした。そしてこの2つから各々の1年間の化粧品購 入金額を算出した。また「一番最近購入したものはなんですか?」という質問項目に対して、 化粧水/ファンデーション/マスカラ/リップケアの4つの化粧品において、具体的な商品名と 購入時期を自由に回答してもらった。この4つの化粧品を調査対象商品にしたのは、@cos meの基礎化粧品、ベースメイク、メイクアップ部門において投稿件数が多く、商品ごとの 平均点や条件によって絞られた際のランキング情報の信頼性が相対的に高くなるだろうと 考えたからである。さらに「化粧品を購入する際に重視することは何ですか?」という質 問項目に対して、TV・雑誌の広告/ブランド/雑誌記事/TV・雑誌で芸能人やモデルが愛用して いるもの/肌質/価格/友人の評判/ネット情報の各項目において、5段階(1:全く当てはまらな い・・・5:かなり当てはまる)で評定してもらった。@cosmeの利用状況は「@comseをどのくら いの頻度で見ますか?」という質問項目に対して、7段階で評定した。回答を月換算する ために「毎日」を30日、 「2~4日に1回」を10日、 「週に1回」を4日、 「2週に1回」を2回、 「月 に1回」を1回、 「月に1回以下」を0.5回、 「一度もない」を0回と数値化し、@cosme利用頻 度を見るときに使った。また「毎日/2~4日に1回/週1回/2週に1回/月に1回/月に1回以下」を @cosme利用者、 「一度もない」を非利用者として、@cosme利用者と非利用者を比較すると きに使った。友人間の会話内容は、親しい友人(女性)一人を思い浮かべて、お菓子/映画/ カフェ/美容院/CD/本/化粧品に対する話題をどの程度話すか3段階(1:あまり話さない・・・ 3:よく話す) で評定してもらった。 ランキングに対する関心は、大学/企業/映画/本/CDそれぞれのランキングに関連する態 度を5段階(1:全く当てはまらない・・・5:かなり当てはまる)で評定してもらった。これらの5 項目で尺度を構成することの妥当性を検証するために、信頼性分析を行った。 5 表1】 ランキング関連の質問項目の信頼性分析 進学における大学ランキング 就職における企業ランキング 映画ランキング 本ランキング CDランキング 項目が削除された場合のCronbachのアルファ 0.713 0.634 0.554 0.531 0.550 5項目のCronbachのアルファ係数を求めたところ、0.713になった。「進学における大学 ランキング」を削除した場合の方がアルファ係数が高いので、この2項目を除いて尺度を 構成することにした。 (Cronbachのアルファ係数=0.799)よって@cosme利用者のランキン グ志向が高いかどうか検証するために、 「映画/本/CDランキング」を元に検定していくこと とする。「進学における大学/就職における企業ランキング」の2項目が削除された原因は、 「映画/本/CDランキング」とは特性が異なるからだろう。「大学ランキング」はアンケー ト回答者全員が既に筑波大学に進学しており、「企業ランキング」は回答者にすでに就職活 動を終えた者も含まれているので、過去の選択に対する項目である。しかし「映画/本/CD ランキング」は、現在あるいはこれからの選択に対する項目である。また始めの2つは自分 のキャリアに関する項目に対して、残りの3つは趣味趣向に関する項目であると考えられる だろう。ここで、これら3つ変数の合計得点で「ランキング志向」得点を定義する。 第3章 結果と考察 3-1 アンケートによる量的調査結果の概要 表2】 アンケート回答者の年齢別内訳 年齢 度数 19 20 21 22 25 不明 合計 25 36 34 21 1 3 120 パーセント @cosme利用者数 20.7 3 29.8 13 28.1 16 17.4 10 0.8 1 3.3 0 100 43 アンケート回答者の年齢別内訳は 19 歳が 25 人、20 歳が 36 人、21 歳が 34 人、22 歳が 21 人、25 歳が 1 人、年齢不明が 3 人の計 120 人の学生にアンケート調査を行った。うち @cosme 利用者が 43 人、非利用者が 77 人であった。したがって@cosme 利用率は 35.8%で ある。@cosme は新聞、雑誌記事として取り上げられたり、新宿に@cosme store が出来た りと注目されてきていると思われたが、予想したほどには認知されていないことが分かっ 6 た。 表3】 アンケート回答者のインターネット利用状況 PCからインターネット利用頻度 度数 毎日 2~3日に1回 週に1回 月に1回 利用しない 64 45 9 2 0 パーセント 52.9 37.2 7.4 1.7 0 携帯からインターネット利用頻度度数 毎日 2~3日に1回 週に1回 月に1回 利用しない 51 27 18 10 14 パーセント 42.1 22.3 14.9 8.3 11.6 アンケートを実施した結果、全員がパソコンからインターネットを利用しており、携帯 電話からインターネットを利用する人も全体の 89.4%であることが分かった。インターネ ットをパソコンから利用する頻度が携帯電話からに比べ高いけれど、インターネット利用 が生活に浸透していることが分かった。 3-2 @cosme 利用者の特徴 @cosme を利用している人とそうでない人ではどうのような違いがあるのだろうか。 3-2-1 化粧品購入金額からみる利用者の特徴 表4】年間の平均化粧品購入金額 平均 分散 全体 利用者 非利用者 28900 30825.58 27824.68 50240.58 35070.32 57320.07 @cosme 利用者と非利用者が年間で平均化粧品購入金額に違いがあるかを比較した。その 結果、@cosme 利用者のほうが、非利用者よりも年間平均化粧品購入金額が 3000.9 円高い ことが分かった。@cosme へのアクセスは能動的であるため、@cosme 利用者は化粧品に関 心の高い人と言えるだろう。よって、化粧品購入金額が高くなると考えられる。 3-2-2 年齢とインターネット接触頻度からみる利用者の特徴 3-1 の表2を用いて、回答者と@cosme 利用者数から年齢別@cosme 利用率を求めたとこ ろ、19 歳は 12%、20 歳は 36%、21 歳は 47%、22 歳は 48%、25 歳は 100%(25 歳回答 者は 1 人しかいないので、利用率数値の信頼性は低い)となった。また表2からも分かる ようにインターネットが普及し、時間的にも空間的にもネットでの情報収集がしやすくな った。そこで「年齢が高いほど@cosme の利用頻度が多い」 、そしてインターネット利用が 普及しているなかで「インターネットへの接触頻度が高いほど@cosme の利用も多い」ので はないかと考え検証した。 7 表5】 @cosme 利用者/非利用者と年齢またはインターネット接触頻度との関係 平均値 利用者 非利用者 年齢 20.88 20.24 インターネット利用頻度(PC) 21.47 19.29 インターネット利用頻度(携帯) 16.81 15.05 F値 9.866 1.121 0.524 有意確率 0.002 0.292 0.471 分散分析の結果、5%水準において「年齢の違いが@cosme の利用に影響がある」ことが 統計的有意であるという結果を得られた。これは、19 歳学生は高校を卒業したばかりでそ こまで化粧品に関心がないが、年齢が上がるにつれて社会人に近づくこともあり、化粧品 への関心が高まっていくのだろうと考えられる。もうひとつ考えられる原因としては、年 齢による肌質の変化に伴い、化粧品に関心が高まるからだろう。そこで、年齢が上がれば @cosme 利用率が高いことから、化粧品購入頻度と化粧品購入金額にも影響が出るのではな いかと考え、相関関係を調べた。 表6】年齢と化粧品購入頻度/化粧品購入金額の関係 化粧品購入頻度 化粧品購入金額 相関係数 有意確率 0.018 0.847n.s. 0.010 0.914n.s. *:5%水準で有意(両側) **:1%水準で有意(両側) n.s.:有意差なし 上の結果から年齢と化粧品購入頻度、化粧品購入金額との間には相関関係が見られなか った。つまり年齢が上がると@cosme 利用者は増えるが、化粧品購入頻度や金額には影響が ないことが分かった。 「インターネットへの接触頻度の違いが@cosme の利用状況に影響している」ということ には、5%水準において統計的有意な結果は得られなかった。これはインターネットの普及 に伴い情報収集がしやすくなったことにより、化粧品のみならず、各々が関心のある様々 な分野でインターネットを利用しているからではないだろうか。 3-3 @cosme 利用の動機 @cosme を何のために利用しているのか調べるために、@cosme 利用者に「商品を知るき っかけ/商品情報を詳しく知るため/商品を買う決め手/友人との話題作りのため/購入した後 に、その化粧品に対するランキングやクチコミ評価の確認」それぞれの項目において5段 階(1:全く当てはまらない・・・5:かなり当てはまる)で評定してもらった。これらの5段階評定 の平均を求めた。 8 @cosme利用方法 3.56 3.72 3.60 1.60 2.02 購 入 し た 後 に 、そ の 化 粧 品 に対 す る ラ ン キ ン グ や ク チ コ ミ評 価 の確 認 友 人 と の話 題 作 り の ため 商 品 を 買 う 決 め手 商 品 情 報 を詳 しく知 るた め 商 品 を 知 る き っか け 5.00 4.50 4.00 3.50 3.00 2.50 2.00 1.50 1.00 0.50 0.00 以上の結果より化粧品を購入する前に、化粧品情報を得る目的で@cosme を利用している 人が多いことが分かった。中でも「商品を買う決め手」として@cosme を利用しているユー ザーが 3.72 と一番高いことから、化粧品を購入する最終的な意思決定において最も影響が 大きいと考えられる。 3-3-1 友人との会話の代替 表7】@cosme利用頻度と話題性の関係 化粧品の話題 美容院の話題 お菓子の話題 映画の話題 カフェの話題 CDの話題 本の話題 相関係数 有意確率 0.134 .146n.s. 0.147 .110n.s. -0.027 .767n.s. -0.010 .912n.s. -0.022 .813n.s. -0.173 .059n.s. -0.092 .318n.s. *:5%水準で有意(両側) **:1%水準で有意(両側) n.s.:有意差なし @cosme利用頻度と各カテゴリーとの間に相関関係があるかどうかを調べた。予想では、 化粧品との間にのみ負の相関が見られると考えたけれど、実際は逆で、化粧品や美容院と いった美容関係の間に弱い正の相関があった。つまり、@cosme利用頻度が高い人ほどそれ らの話を友人とする傾向があるかもしれない。 3-3-2 化粧品購入時の動機 @cosme 利用者と非利用者が化粧品を購入する際に、重視することの違いを見た。 9 表8】 化粧品購入の際に重視すること TV/雑誌の広告 ブランド 雑誌記事 TV/雑誌で芸能人やモデル が愛用しているもの 肌質 価格 友人の評価 ネット情報 平均値 利用者 非利用者 3.30 3.00 3.69 3.32 3.79 2.92 2.51 2.20 4.53 4.23 3.91 3.72 4.25 4.21 3.22 2.06 F値 有意確率 1.895 3.276 13.906 0.171 0.073 0.000 2.320 0.130 4.430 0.025 9.530 80.201 0.037 0.875 0.003 0.000 分散分析の結果、5%水準において「@cosme 利用者は雑誌記事、肌質、友人の評価、ネ ット情報を重視する」ことが統計的有意であるという結果が得られた。@cosme を利用して いる人は雑誌記事を重視するということは、メディアの分類として@cosme は雑誌と同じよ うに位置づけられていると考えられる。さらに@cosme は普通肌/乾燥肌/脂性肌/混合肌/敏感 肌/アトピーと様々な肌質ごとに書き込みがされているので、自分の肌質に合った化粧品を 検索しやすい構成になっている。だから@cosme 利用者は非利用者よりも肌質を重視して化 粧品を購入する傾向があるのだろう。また@cosme 利用者が友人の評価とネット情報を重視 することから、@cosme にアクセスして、サイト上のクチコミ評価を参考にしていると言え るだろう。 3-3-3 ランキング志向 @cosme 利用者と非利用者でランキングに対して関心の違いがあるかどうかを調べた。そ こで、 「ランキング志向」得点と@cosme 利用者/非利用者の関係を調べるために分散分析を した。 表9】ランキング志向得点 平均値 利用者 非利用者 8.90 8.04 F値 1.94 有意確率 0.17 5%水準において、有意な結果は得られなかった。これは3-4-2で化粧品情報を得る目的で、 化粧品購入前に@cosmeを見る人が多かったように、映画や本、CD購入前にランキングを 参考にして選択を行っていると考えられる。だから化粧品に関心の高い人が、映画/本/CD にも同じように興味があるとは限らないからだろう。もう一つ考えられる原因としては、 映画/本/CDのランキングはTVや雑誌でよく取り上げられており、それらの関心はTVや雑誌 を見る人なら自然と高まるからだろう。よって「@cosme利用者はランキング志向が高い」 とは言えない。しかし平均値をみると、若干@cosme利用者のほうがランキングに関心が高 いようである。 10 3-4 @cosme が及ぼす消費行動への影響 @cosme 利用者のみに「この 1 年以内で@cosme のクチコミ情報を参考に、化粧品を購入 したことはありますか?」という質問をしたところ、「1 回」が 9 人、「2~3 回」が 18 人、 「4 回以上」が 4 人、「まだない」が 12 人であった。1 回でも購入したことのある人が 31 人と利用者の約 72%であることが分かった。 そこで質的調査から@cosme のクチコミランキングを主に利用していることが分かった ので、そのランキングと実際に購入した商品にどの程度関連性があるか調べることにした。 @cosme の 20 代前半のメンバー評価の集計によってつくられたランキングを使って、@ cosme 利用者と非利用者の間で実際に購入した各化粧品のランキング順位に違いが見られ か検証した。 表10】@cosme 利用者/非利用者と各化粧品におけるクチコミランキング順位の関係 度数 利用者 化粧水 非利用者 利用者 マスカラ 非利用者 利用者 リップケア 非利用者 ファンデーション 利用者 非利用者 34 43 36 45 31 43 34 42 ランキングの平均順位 35 42 38 42 32 41 29 46 U値 有意確率 595.500 0.090 725.500 0.407 499.000 0.058 398.000 0.000 分析では、回答者が買ったと答えた商品の中から具体的な商品名が分かるものに限って、 @cosme20 代前半クチコミランキングの順位を用いてマンホイットニーの U 検定を適用し た(この分析に用いたクチコミランキングとは、@cosme の 2008 年 12 月の 6 ヶ月集計ラ ンキングにおける回答者が答えた商品のランキングであり、このランキングを化粧品を買 った回答者中の順位に置き換えてマンホイットニーの U 値を計算した) 。 ランキングの平均順位を@cosme 利用者と非利用者間で比較すると、どの化粧品をみても 利用者のほうが非利用者よりも平均順位が高いことが分かる。つまり、@cosme 利用者は、 化粧品購入の際に@cosme のランキングを参考に商品を選ぶ傾向があると言えるだろう。 さらに化粧品のカテゴリーごとに分析結果をみていくことにする。ファンデーションに おいて 5%水準で統計的に有意な差がみられたほか、リップケアと化粧水では 10%水準で統 計的に有意な差が見られた。ファンデーションは他の 3 つの化粧品に比べて高価なもので あるため、@cosme 利用者はサイトのランキングを参考にして慎重に選択し、購入している と考えられる。化粧水やリップケアは化粧品の中で平均価格が安価であるが、使用回数が 多いので@cosme のクチコミを見て購入しているのだろうと考えられる。マスカラで有意な 値が得られなかったのは、マスカラを購入する際に TV/雑誌での宣伝に加え、電車や街頭な どの広告でよく目にする商品を選ぶ傾向があるためであろう。実際、回答をみると、@cosme のランキングには入っていなかったが比較的広告数の多い特定の商品を購入している人が 多かった。またマスカラと他の 3 つでは、直接肌につけるものかどうかという点で違いが ある。前節で化粧品を購入する際に@cosme 利用者が肌質を重視することからも、肌に直接 つける化粧品を選ぶ際には、宣伝よりも実際のクチコミ情報を得ようとするためサイトの 11 情報が消費行動に影響を与えると言える。 3-5 @cosme の情報伝播の流れ @cosme 利用者のみに「この1年以内で@cosme に書き込んだことはありますか?」とい う質問をしたところ、43 人全員が「書き込んだことがない」と答えた。次に「この1年以 内で@cosme で得た化粧品情報を友人に直接伝えたり、ブログや mixi などへ書き込んだり したことはありますか?」と質問した。43 人中「ある」と答えた人が 11 人、「ない」と答 えた人が 32 人であった。@cosme 利用者の 1/4 の人しか、@cosme から得た情報を外部へ 伝えていないことが分かった。そこで「ある」と答えた人にだけ「@cosme で得た化粧品情 報を誰に伝えましたか?」と質問すると、11 人全員が「友人に直接伝えた」と答えた。こ の結果から@cosme で得た化粧品情報を友人に話すというよりも、自分が化粧品を選ぶ際に 個人的に参考にしているだけと言える。また情報伝播段階として従来のマスメディアでは、 オピニオンリーダーがメディアから得た情報をフォロワーに伝えるという2段階の情報の 流れがあるとされていた。しかし@cosme のようなインターネットサイトで得られる情報で はオピニオンリーダーからフォロワーという流れはほとんどなく、広がりも少ないと言え るだろう。あるいは@cosme に書き込む側をオピニオンリーダーとし、読む側をフォロワー とした場合、サイトにアクセスするユーザー間では従来のマスメディアの情報伝播よりも 頻繁に情報伝達がされているとも言えるだろう。 第4章 結論 4-1 本研究の結論 今回の研究結果を受けて、@cosme を利用している人は自分の求める情報を効率的に得る ため、サイトの特性(年代別・肌質別・タイプ別など様々な項目に分けてクチコミ情報を 掲載)を生かして、商品購入の参考にしていることが分かった。つまり@cosme のクチコミ 情報は、能動的に情報検索を行うユーザーの意思決定に影響を与えていると言えるだろう。 特に化粧品を購入する際の、最終的な意思決定において一番影響が大きいことが分かった。 これは化粧品が高価で、品数も多く、消費者の関与の高い商品だからであると考えられる。 こうした商品は、消費行動が慎重になるため、サイトのクチコミ情報の影響が大きいのだ ろう。また先行研究より、@cosme のクチコミはサイトに蓄積された情報量の多さが利用者 にとって社会からの情報として、友人の評価と同じように受け取られているようだ。 @cosme にアクセスする人は、化粧品に関心の高い人であり、そのユーザーを対象に広告 やクチコミ情報を見せることは、TV や雑誌、新聞で商品のメッセージを流すよりも消費者 の意思決定において効果があるだろう。それは小川(2003)が想定するように、商材が化粧品 であること、発言者の肌質や年齢、プロフィールから同質性が判断できるため読み手の共 感を得やすいこと、批判的な評価情報でも感情に走らない書き方が多く、モラルが保たれ ているため読み手に安心感を与える、などが購買の誘発に繋がっていると思われる。 12 このように@cosme 上のクチコミ情報が消費者の購買行動に影響を与えていることは確 認できたが、今回の研究でサイトの利用率の低さが明らかとなったので、認知度向上を図 る必要があるだろう。 4-2 本研究の問題点 本研究には以下のようないくつかの問題が残っている。@cosme 利用者と非利用者で化粧 品に対する関心において、年齢と金銭面では多少差が見られたけれど、それ以外に大きな 差は見られなかった。この原因として考えられるのは、@cosme 以外にも雑誌や他サイトな ど化粧品に関する情報源が多く存在することである。今回の調査では、@cosme 以外の情報 源については調べていなかったので、@cosme 以外の情報源が消費行動に及ぼす影響との関 連性について分析できなかった。 第二の問題点は、量的調査の調査対象者の選択にスノーボールサンプリング方式を用い たため、アンケート配布に協力してもらった人のネットワークや友人間の特性が結果に反 映した可能性があり、また回答者の回答状況を把握することができなかったことである。 第三の問題点は、@cosme の過去のランキングを記録するのを忘れたため、2008 年 12 月 のランキングしか分析に使用することができなったことである。今回の研究では、回答者 が 19 歳から 25 歳までの学生だったことから@cosme 上に掲載されている年代別(20 代前半) の 6 ヶ月ランキングを使用した。これは、サイトで最初に表示されるものであるため最も ユーザーが見ている可能性が高いと考えたからである。しかし、これは調査で回答した商 品を購買したときに、@cosme 利用者が参考にした過去のランキングとはずれがあるものと 思われる。本来は、利用者が購買した時点のランキングを対応させるべきであったが、準 備不足のために執筆直前(2008 年 12 月)のランキングしか使うことができなかったのであ る。 13 アンケート このアンケートは卒業研究のために行うものであり、それ以外の目的では一切使用しま せん。お忙しいところ申し訳ございませんが、ご協力よろしくお願いします。 回答の上での注意 特に指示のない限り、選択肢のなかからどれか一つを○で囲んでください。 その他指示のあるものについては指示に従ってください。 筑波大学 第三学群 社会工学類 社会システム主専攻 4年 宮脇 千香子 Mail:[email protected] 14 学類と年齢をお知らせください。 学類( ) 年齢( 歳) 質問1 1.パソコンからインターネットをどのくらいの頻度で使用しますか? 1) 毎日 2) 2~4日に1回 3) 週に1回 4) 月に1回 5) 使用しない 2.携帯からインターネットをどのくらいの頻度で使用しますか? 1) 毎日 2) 2~4日に1回 3) 週に1回 4) 月に1回 5) 使用しない 3.どれくらいの頻度で化粧品を購入しますか? 1) 週に1回 2) 月に1回 3) 3ヶ月に1回 4) 半年に1回 5) 1年に1回、またはそれ以下 4.化粧品を購入する際、平均的に1回の買い物でいくらぐらい購入しますか? 1) ~1000 円 2) 1000 円~3000 円 3) 3000 円~5000 円 4) 5000 円~1 万円 5) 1万円以上 5.一番最近購入した化粧品は何ですか?具体的にお書きください。 ・化粧水 具体的な商品名( 購入時期 約( ) )ヶ月前 その化粧水について、どの程度満足していますか? 1) 満足 2) やや満足 3) どちらとも言えない 4) やや不満 5) 不満 ・ファンデーション 具体的な商品名( 購入時期 約( ) )ヶ月前 そのファンデーションについて、どの程度満足していますか? 1) 満足 2) やや満足 3) どちらとも言えない 4) やや不満 5) 不満 ・マスカラ 具体的な商品名( 購入時期 約( ) )ヶ月前 そのマスカラについて、どの程度満足していますか? 1) 満足 2) やや満足 3) どちらとも言えない 4) やや不満 5) 不満 ・リップケア 具体的な商品名( 購入時期 約( ) )ヶ月前 15 そのリップケアについて、どの程度満足していますか? 1) 満足 2) やや満足 3) どちらとも言えない 4) やや不満 5) 不満 6.化粧品を購入する際に重視することは何ですか? 各項目において、あてはまる程度を5段階で評定してください。 全 ま く ら 当 な て い は はあ まま らり な当 いて ど 言 ち え ら な と い も や や ま 当 る て は か はな まり る当 て TV/雑誌の広告 1 2 3 4 5 ブランド 1 2 3 4 5 雑誌記事 1 2 3 4 5 TV/雑誌で芸能人やモデルが 愛用しているもの 1 2 3 4 5 肌質 1 2 3 4 5 価格 1 2 3 4 5 友人の評判 1 2 3 4 5 ネット情報 1 2 3 4 5 質問2 1.@cosme をどのくらいの頻度で見ますか? 1) 毎日 2) 2~4日に1回 3) 週に1回 4) 2週に1回 5) 月に1回 6) 月に1回以下 7) 一度もない(7の方は次ページの質問3に移ってください) 2.この1年以内で@cosme の口コミ情報を参考に、化粧品を購入したことはありますか? 1) 1回 2) 2~3回 3) 4回以上 4) まだない 3.@cosme を何のために利用しますか? 各項目において、あてはまる程度を5段階で評定してください。 16 全 ま く ら 当 な て い は はあ まま らり な当 いて ど 言 ち え ら な と い も や や ま 当 る て は か はな まり る当 て 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 友人との話題作りのため 1 2 3 4 5 購入した後に、その化粧品に対する ランキングやクチコミ評価の確認 1 2 3 4 5 商品を知るきっかけ(新しい化粧品情 報を得るため) 商品情報を詳しく知るため(CMや雑 誌で知った商品の詳しい情報を得る ため) 商品を買う決め手(商品情報を知った 上で、購入する前にランキングやク チコミ評価を再度確認するため) 4.この1年以内で@cosme に書き込んだことはありますか? 1) ある 2) ない 5.この1年以内で@cosme で得た化粧品情報を友人に直接伝えたり、ブログや mixi など へ書き込んだりしたことはありますか? 1) ある 2) ない 6.5で「ある」と答えた人にだけ質問します。 @cosme で得た化粧品情報を誰に伝えましたか?(複数回答可) 1) 友人へ直接伝えた 2) 家族へ直接伝えた 3) ネットへの書き込み 質問3 親しい友人(女性)一人を思い浮かべてください。 以下の話題について、その友人とどの程度話しますか? 17 あ ま な り い 話 さ ど 言 ち え ら な と い も よ く 話 す 『どちらとも言えない』『よく話す』 と答えた人は、話し手・聞き手ど ちらが多いか○してください。 お菓子 1 2 3 話し手 ・ 聞き手 映画 1 2 3 話し手 ・ 聞き手 カフェ 1 2 3 話し手 ・ 聞き手 美容院 1 2 3 話し手 ・ 聞き手 CD 1 2 3 話し手 ・ 聞き手 本 1 2 3 話し手 ・ 聞き手 映画 1 2 3 話し手 ・ 聞き手 化粧品 1 2 3 話し手 ・ 聞き手 質問4 あなたは以下のことについて気にしますか? 各項目において、あてはまる程度を5段階で評定してください。 大学を選ぶ際に、有名な大学であ るかどうか気にする。 就職活動において、同業界の企業 ランキングを気にする。 映画を選ぶ際に、TV/雑誌/ネット でのランキングを気にする。 本を選ぶ際に、TV/雑誌/ネットで のランキングを気にする。 CDを選ぶ際に、TV/雑誌/ネット でのランキングを気にする。 全 く な 気 い に し あ しま なり い気 に ど 言 ち え ら な と い も や や る気 に す と て す も る 気 に 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 アンケートは以上です。ご協力ありがとうございました。 18 アンケート結果 年齢 度数 有効 欠損値 合計 19 20 21 22 25 合計 システム欠損値 25 36 34 21 1 117 3 120 パーセント 20.8 30 28.3 17.5 0.8 97.5 2.5 100 パソコンからインターネットをどのくらいの頻度で使用するか 度数 パーセント 有効 1 64 53.33333 2 45 37.5 3 9 7.5 4 2 1.666667 合計 120 100 携帯からインターネットをどのくらいの頻度で使用するか 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 パーセント 51 42.5 27 22.5 18 15 10 8.333333 14 11.66667 120 100 どのくらいの頻度で化粧品を購入するか 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 パーセント 3 2.5 54 45 42 35 17 14.16667 4 3.333333 120 100 化粧品を購入する際に平均1回の買い物でいくらぐらい購入するか 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 8 68 27 14 3 120 パーセント 6.666667 56.66667 22.5 11.66667 2.5 100 19 TV/雑誌の広告 度数 有効 1 2 3 4 5 16 20 25 53 6 120 合計 パーセント 13.33333 16.66667 20.83333 44.16667 5 100 ブランド 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 4 5 8 17 18 65 11 119 1 120 合計 システム欠損値 パーセント 6.666667 14.16667 15 54.16667 9.166667 99.16667 0.833333 100 雑誌記事 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 パーセント 18 15 19 15.83333 15 12.5 53 44.16667 15 12.5 120 100 TV/雑誌で芸能人やモデルが愛用しているもの 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 4 5 合計 システム欠損値 29 49 19 19 3 119 1 120 パーセント 24.16667 40.83333 15.83333 15.83333 2.5 99.16667 0.833333 100 肌質 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 1 1 9 53 56 120 パーセント 0.833333 0.833333 7.5 44.16667 46.66667 100 20 価格 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 パーセント 1 0.833333 5 4.166667 9 7.5 57 47.5 48 40 120 100 友人の評価 度数 有効 1 2 3 4 5 8 23 19 45 25 120 合計 パーセント 6.666667 19.16667 15.83333 37.5 20.83333 100 ネット情報 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 パーセント 24 20 38 31.66667 24 20 23 19.16667 11 9.166667 120 100 @cosme をどのくらいの頻度で見るか 度数 有効 2 3 4 5 6 7 2 7 8 8 18 77 120 合計 パーセント 1.666667 5.833333 6.666667 6.666667 15 64.16667 100 この1年以内で@cosme の口コミ情報を参考に、化粧品を購入したか 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 4 5 合計 システム欠損値 9 17 4 12 1 43 77 120 パーセント 7.5 14.16667 3.333333 10 0.833333 35.83333 64.16667 100 21 商品を知るきっかけ 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 4 5 合計 システム欠損値 3 6 6 20 8 43 77 120 パーセント 2.5 5 5 16.66667 6.666667 35.83333 64.16667 100 3 5 7 19 9 43 77 120 パーセント 2.5 4.166667 5.833333 15.83333 7.5 35.83333 64.16667 100 4 4 6 15 14 43 77 120 パーセント 3.333333 3.333333 5 12.5 11.66667 35.83333 64.16667 100 27 8 6 2 43 77 120 パーセント 22.5 6.666667 5 1.666667 35.83333 64.16667 100 商品情報を詳しく知るため 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 4 5 合計 システム欠損値 商品を買う決め手 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 4 5 合計 システム欠損値 友人との話題づくりのため 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 4 合計 システム欠損値 購入した後に、その化粧品に対する確認 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 4 5 合計 システム欠損値 22 7 6 7 1 43 77 120 パーセント 18.33333 5.833333 5 5.833333 0.833333 35.83333 64.16667 100 22 この1年以内で@cosme に書き込んだことはあるか 度数 有効 欠損値 合計 2 システム欠損値 パーセント 43 35.83333 77 64.16667 120 100 この1年以内で@cosem で得た化粧品情報を伝えたか 度数 パーセント 有効 1 11 9.166667 2 32 26.66667 合計 43 35.83333 欠損値 システム欠損値 77 64.16667 合計 120 100 誰に伝えたか 度数 有効 欠損値 合計 1 システム欠損値 パーセント 11 9.166667 109 90.83333 120 100 お菓子の話題 度数 有効 1 2 3 合計 パーセント 46 38.33333 31 25.83333 43 35.83333 120 100 映画の話題 度数 有効 1 2 3 36 45 39 120 合計 パーセント 30 37.5 32.5 100 カフェの話題 有効 度数 パーセント 39 32.5 43 35.83333 38 31.66667 120 100 度数 パーセント 55 45.83333 47 39.16667 18 15 120 100 1 2 3 合計 美容院の話題 有効 1 2 3 合計 23 CD の話題 度数 有効 1 2 3 合計 63 30 27 120 パーセント 52.5 25 22.5 100 44 38 38 120 パーセント 36.66667 31.66667 31.66667 100 本の話題 度数 有効 1 2 3 合計 化粧品の話題 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 45 46 28 119 1 120 合計 システム欠損値 パーセント 37.5 38.33333 23.33333 99.16667 0.833333 100 進学における大学ランキング 度数 有効 1 2 3 4 5 9 10 20 67 14 120 合計 パーセント 7.5 8.333333 16.66667 55.83333 11.66667 100 就職における企業ランキング 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 5 13 29 56 17 120 パーセント 4.166667 10.83333 24.16667 46.66667 14.16667 100 24 映画ランキング 度数 有効 欠損値 合計 1 2 3 4 5 合計 システム欠損値 18 26 26 36 13 119 1 120 パーセント 15 21.66667 21.66667 30 10.83333 99.16667 0.833333 100 本ランキング 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 25 29 20 36 10 120 パーセント 20.83333 24.16667 16.66667 30 8.333333 100 32 35 21 22 10 120 パーセント 26.66667 29.16667 17.5 18.33333 8.333333 100 CD ランキング 度数 有効 1 2 3 4 5 合計 25 参考文献・資料 ・ 池尾恭一 『ネット・コミュニティのマーケティング戦略』 有斐閣 2003 ・ 小川美香子 『黙って読んでいる人達(ROM)の情報伝播、購買への影響』 2002 ・ 佐々木裕一 『商品購買における評価サイトの有効度』 2005 ・ 宮田加久子 『ネットが変える消費者行動』 NTT出版 2008 ・ 源馬英人 『鏡像のオリエンテーション 広告メッセージの社会的機能』 2000 ・ 桂井達彦 『インターネット広告の特徴と展開』 2002 ・ みんなのクチコミサイト@cosme http://www.cosme.net/ ・ アイスタイル http://www.istyle.co.jp/ 26 謝辞 本研究を進める上で、指導教員として暖かく、ときには厳しくご指導くださった石井健 一先生には心より感謝いたします。研究、執筆の際に貴重な御助言をいただき、この論文 を書き上げることができました。深く御礼申し上げます。 そして個人インタビューやアンケートで丁寧かつ有益なコメントをいただい学生、そし て友人も含め、多くの方々のご協力に感謝して、謝辞といたします。 27
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