3 血液検査と胃内視鏡検査について ④ 受診サイクルのシミュレーション ① 血液検査(ペプシノゲン法、 ピロリ菌検査) ⅰ.ペプシノゲン法・ピロリ菌検査両方とも正常(―)の対象者は、5年間判定区分が変わらないと言われて います。新検査体制の移行期につき、 当面毎年ペプシノゲン法のみ継続実施します。 (5年間程度) 【Aさん:初年度の「5年後内視鏡サイクル」が変わらない場合】 1年目 (初年度) 2∼5年目 6年目 (5年後) 従って、 ピロリ菌除菌成功者には、次回から同検査は行ないません。 リスク分類 ペプシノゲン (−) ピロリ菌 (−) A 内視鏡検査 萎縮なし 判定 ② 血液検査・胃内視鏡検査結果による次回胃内視鏡検査階層化基準 神鋼会神鋼病院健診センターで策定した次の基準で運用します。 (表1) リスク分類 内視鏡検査﹁5年後﹂ ⅱ. ピロリ菌検査については、前年度除菌実施者にはピロリ菌除菌成功確認の検査として実施します。 ペプシノゲン (−) A ※ピロリ菌が1年目に (−) の 場合はピロリ菌検査は 実施しない。 内視鏡検査 費用補助あり この期間に 判定の変化が なければ・・・ 実施 しない ペプシノゲン 実施 内視鏡検査 実施 費用補助あり この基準は、 日本胃がん予知・診断・治療研究機構の「胃がんリスク検診(ABC検診)」基準に加え、同センタ ーで内視鏡検査結果を反映させた基準を策定したものです。 【Bさん:35∼39歳でピロリ菌除菌し、内視鏡サイクルが決定した場合】 毎年の検査の結果によって内視鏡受診サイクルが変わる場合があります。 1年目 (初年度) 2年目・3年目 4年目 (3年後) リスク分類 ペプシノゲン (−) ピロリ菌 ( + ) B 判定 (表1)「定期健診後の次回胃内視鏡階層化基準」 内視鏡検査 萎縮なし 費用補助あり 血液判定 判定 胃がん リスク リスク 軽度 分類 ペプシノゲン 内 視 鏡 検 査 判 定(受診サイクル) ピロリ菌抗体 顕著な萎縮なし 軽度の萎縮 中度以上の萎縮 (血液検査 のみ実施) 5年後 (定期健診) 陽性(+) 2年後 (定期健診) 3年後 (定期健診) B' 陰性(−) ペプシノゲン (−) ピロリ菌 (−) A 内視鏡検査 軽度の 萎縮 費用補助あり (除菌成功) 内視鏡検査 中度の 萎縮 ペプシノゲン 実施 内視鏡検査 実施 費用補助なし 【Dさん:初年度の「1年後内視鏡サイクル」が、 胃の萎縮が軽減されても変わらない場合】 ペプシノゲン ( + ) ピロリ菌 (−) D 内視鏡検査 中度の 萎縮 陽性(+) 判定 (毎年検査を受ける。 陽性(+) D 1年目 (初年度) 2年目 (1年後) 3年目以降 (除菌成功) 1年後 C リスク分類 ペプシノゲン ( + ) 費用補助あり 費用補助あり 内視鏡検査 ﹁1年後﹂ 陽性(+) 実施 費用補助あり 1年目 (初年度) 2年目 3年目 (2年後) リスク分類 C 内視鏡検査 【Cさん:胃の萎縮が進行して内視鏡サイクルが変更した場合】 判定 2年後 (定期健診) 実施 しない 内視鏡検査 内視鏡検査 ﹁1年後﹂ 陰性(−) 陰性(−) ペプシノゲン 実施 B́ 除 菌 内視鏡検査 ﹁2年後﹂ B 陰性(−) ペプシノゲン (−) 除菌 ピロリ菌 成功 内視鏡不検 リスク分類 A リスク分類 内視鏡検査﹁3年後﹂ *この検査ですべての胃がんが発見される訳ではありませんので、 自覚症状等がありましたら早期に医療機 関で受診して下さい。 リスク分類 ペプシノゲン (+) D 内視鏡検査 軽度の 萎縮 ペプシノゲン 実施 判定 費用補助なし 但し、費用補助は2年毎に 内視鏡検査 実施 費用補助あり* * 費用補助は2年毎に1回と する。 1回とする。詳しくは下記 ③参照) D 陽性(+) 陰性(−) 4 ピロリ菌除菌について 重度 ③費用について 1年後の内視鏡検査実施と判定された方は、次年度は専門医による保険証での検査・治療を受けることとし ますので窓口で支払う金額(3割) は個人負担となります。 これは、定期的な胃検診の範囲ではなく胃疾患への対応であるためです。 よって当健康保険組合の胃内視鏡による検査は同検査実施後、判定基準に基づき2年、 3年、 5年の何れか の実施時期とし、費用補助は判定された受診サイクル時が対象となります。 ❸ 対 象 者/定期健康診断の血液検査でピロリ菌(+)陽性者で、医師の勧めと除菌を希望する方。 除菌方法/2種類の抗生物質と胃分泌抑制剤を1週間毎日朝晩2回服用します。 (服薬による副作用等がありますので、医師と相談の上実施します。) 除菌にかかる費用は、健保が補助します。 ※実施機関や申込方法等、詳しくは対象者の方に案内します。 ❹
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