第5章 基本的施策及び具体的な取組

富士宮市食育推進計画(平成 24 年度∼平成 28 年度)
第5章 基本的施策及び具体的な取組
1 ライフステージの設定
食育は、健康づくりと同様に生涯にわたって行うべきことですが、ライフステージ(年代)により
その課題や取り組みは異なってきます。ここでは、次のようなライフステージを設定します。
区 分
妊娠・授乳期
年齢の目安
乳幼児期
学童・思春期
青・壮年期
中年期
高齢期
0∼5歳
6∼19歳
20∼39歳
40∼64歳
65歳∼
2 ライフステージに沿った取組の内容
(1)妊娠・授乳期
妊娠・授乳期は、生活習慣と共に食習慣を見直す好機となります。妊婦とその家族は、今までの
食習慣を見直し、子育てにおける食習慣の基盤づくりを始めることが必要です。
また、お腹の赤ちゃんの発育のため、そして低出生体重児の出産を予防するために、適正な体重
増加と適切な食事バランスを周知し、お腹の中からの食育を推進していきます。
食育の視点
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やせの妊婦や低出生体重児の出産等を予防するために、妊娠期における適正な体重増
加を目指しましょう。
妊娠高血圧症候群、貧血等を予防するために、薄味を心がけ、「妊産婦のための食事バ
ランスガイド」等を活用してバランスの良い食生活にしましょう。
家族等で食卓を囲み、食事を楽しみましょう。
母子ともに心安らぐ授乳をしましょう。
取組の内容
1 食習慣
・ 妊婦とその家族を対象に母子健康手帳交付時等に健全な食生活の重要性を周知
・ 妊婦とその家族を対象にした栄養、歯科、育児に関する相談や教室の実施
・ 「妊産婦のための食事バランスガイド」等の普及啓発
・ 適正体重増加量の周知
・ 乳児全戸訪問や育児相談等で産婦の食生活と授乳の支援
2 食文化
・ 「食卓の日」の普及と共食の推進
3 食環境
・ 安心安全な食生活を実践するための情報提供
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―やせの妊婦とは―
妊娠前の体格が「低体重(やせ)
」に属する妊婦。または、妊娠前の体格が「低体重(やせ)
」
や「ふつう」であった女性で、妊娠中の体重増加量が 7kg 未満の妊婦。やせの妊婦は、低出生体
重児を出産するリスクが有意に高い。
―低出生体重児とは―
出生体重が 2,500g 未満の新生児。低出生体重児は将来、2 型糖尿病やメタボリックシンドロー
ムなどの生活習慣病の発症リスクが高いといわれている。
(2)乳幼児期(0∼5歳)
乳幼児期は、心身ともに発達が著しい時期であり、この時期に育まれるよい食習慣は、将来、心
と体の健康を支える大きな財産となります。
乳幼児期に培われた味覚や食事の嗜好はその後の食習慣にも大きく影響するため、健康的な食習
慣や生活習慣の基礎をつくり、肥満などの生活習慣病の予防という長期的な視野も考え、取り組ん
でいきます。そして、健やかな親子関係の形成のために、この時期が家族の食生活を見直す機会と
なるように支援していきます。また、いろいろな食べ物を見て、触れて、味わう体験を通して、家
族で心地よく食卓を囲むことで「楽しく食べる子ども」を目指していきます。
乳児期は、安心と安らぎの中での授乳の支援と、離乳期は、乳児の成長や発達、離乳食の進め方
や内容など、個々の子どもに合わせた楽しい離乳食の支援をしていきます。
幼児期は、食の自立を確立するために、離乳食から幼児食への移行の支援と「早寝・早起き・朝
ごはん」の推進をしていきます。また、食べ物を身近で感じ、子ども自身が食に対して意欲的に関
わる体験を家庭や保育園、幼稚園や地域で推進していきます。
食育の視点
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早寝早起きして、しっかり朝ごはんを食べましょう。
規則正しく食事がとれるよう、十分に遊び、おなかがすくリズムをつくりましょう。
よく噛んで食べる習慣を身に付け、味覚を広げましょう。
家族と一緒に楽しく食事をしましょう。
「いただきます」「ごちそうさま」などのあいさつの習慣を身につけましょう。
簡単な調理や片付けなどの手伝いをしましょう。
いろいろな食べ物に触れ、興味や関心をもちましょう。
食育に関する行事に積極的に参加しましょう。
肥満などを予防するために、母子健康手帳の身体発育曲線を活用しましょう。
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取組の内容
1 食習慣
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早寝早起き朝ごはんの推進
離乳食についての講話、調理実習、相談の実施
食事やおやつに関する正しい知識の周知
よく噛んで食べることの大切さの普及啓発
母子健康手帳の身体発育曲線の活用の推進
食育まつり、食育講演会の開催
食習慣、生活習慣、育児などの相談や健康教育の実施
2 食文化
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「食卓の日」の普及と共食の推進
あいさつなど、正しい食事マナーの定着に向けた情報提供
地産地消を中心とした「日本型食生活」の推進
伝統料理や行事食などを体験する機会の提供
3 食環境
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食べ物への関心を深める機会の提供
米や野菜の栽培など食農体験の実施
乳幼児への食育推進に向けた関係機関の連携
(3)学童・思春期(6∼19歳)
学童期は、食べることの意味と重要性を体の仕組みとして理解し、健全な食生活を形成する大切
な時期です。また、食べることの基盤となる歯については、永久歯列※が完成する時期であるため、
歯の健康意識の向上と維持が必要です。そのためには、食に関する知識の習得、規則正しい食習慣・
生活習慣・運動習慣を身につける取り組みをしていくとともに、学校では友達と、家庭では家族と
一緒に楽しく食べるよう共食の推進をしていきます。そして、食の文化や環境に対する子どもの関
心と感謝の気持ちを深めるため、体験学習や調理体験の実施と、学校給食では、食育につながる献
立の作成と地場産品の活用を推進し、地域や学校と連携しながら、家庭での食育の推進を図ります。
思春期は、心身ともに大きく変化する時期です。また、部活や塾などにより食習慣・生活習慣が
乱れやすく、家族一緒に食べる機会も少なくなりがちです。望ましい食生活の実践、家族や仲間と
の共食の推進をしていきます。女子においては、痩身志向が強い時期です。自分の身体の成長や体
調の変化を知ることで、食の重要さを認識してもらうことに努めます。
親元を離れ自立した生活を送る準備期として、正しい食の知識の獲得と自ら食を選び食べる力を
付ける支援をしていきます。
*永久歯列(えいきゅうしれつ)
すべての乳歯が脱落し、永久歯のみとなった歯列(歯並び)のこと。6 歳頃から永久歯に生え変
わり始め、12 歳頃までに永久歯が生えそろう。この時期は歯並びが複雑になり、歯磨きが難しく、
口腔状況の変化により、むし歯・歯周炎も起こしやすくなるため丁寧なケアが必要とされる。
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食育の視点
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「早寝早起き朝ごはん」を実践しましょう。
食事や間食の正しい摂り方を知り、食べる力を付けましょう。
よく噛んで食べ、味覚を鍛えましょう。
食と健康に関する知識を持ちましょう。
いろいろな食材に興味を持ち、その食材の働きを知りましょう。
家族と仲間と一緒に食事作りや食べることを楽しみましょう。
食体験・農業体験に積極的に参加しましょう。
伝統料理や行事食などを知り、作ったり食べたりしましょう。
取組の内容
1 食習慣
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バランスの良い食事の重要性の知識の普及
早寝早起き朝ごはんの推進
食習慣、生活習慣、口腔健康管理(ケア)などの健康に関する相談・健康教育の実施
適正体重についての正しい理解の普及と将来に向けての体づくりの推進
食育推進に関する研修会等の開催
栄養教諭を中心とした食育指導の実施
2 食文化
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「食卓の日」の普及と共食の推進
正しい食事作法の定着に向けた情報提供
地場産品を使った学校給食の実施
地域の農産物や伝統料理、行事食などを学ぶ機会の提供
3 食環境
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親子で一緒に調理するなどの料理をする機会の提供
給食だよりや保健だよりを通じた食や健康に関する情報提供
農業を体験する機会の提供
食育を支援する関係機関同士の連携
(4)青・壮年期(20∼39歳)
青・壮年期は、進学や就職、結婚などにより生活環境が大きく変わる時期です。仕事や生活の忙
しさから生活が不規則になりがちであり、特に男性の欠食率は依然として高い状態です。また、子
育てにおいては、親の生活習慣は子どもにつながるため、まず親が自分の健康や食育に関心を持ち、
規則正しい食習慣・生活習慣を子どもへ伝えていくことが必要です。
生活習慣病を予防するため、また元気に子どもを生み育てていくために、正しい知識を持ち、規
則正しい食習慣・運動習慣を身に付け実践できるよう支援します。
家庭では、家族で食卓を囲んで共に食事をとりながらコミュニケーションを図り、子どもたちに
食の楽しさを実感させるとともに、食べ方、食事のマナーやあいさつ習慣などを伝えるため、家庭
での共食の推進を図っていきます。
この時期は自分だけでなく、子ども、家族すべてに関わる幅広い食育を展開していきます。
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食育の視点
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メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防のために食に関心を持ちましょう。
3食規則正しく食べ、運動習慣を身に付けましょう。
よく噛んで味わって食べましょう。
子どものお手本になる食生活を送りましょう。
家族や仲間と一緒に食卓を囲み、食事を楽しみましょう。
家族等で農体験や食体験を楽しみましょう。
地元の食材を活用した食卓を実現しましょう。
取組の内容
1 食習慣
・ 「食事バランスガイド」等の普及啓発と活用の推進
・ 適正体重の維持管理の周知
・ 食習慣、生活習慣、運動、口腔健康管理(ケア)など健康に関する相談、健康教育を開催
・ 噛ミング30(カミングサンマル)※の普及と口腔健康管理(ケア)の推進
・ 栄養成分表示の活用の推進
2 食文化
・ 「食卓の日」の普及と共食の推進
・ 富士山まちづくり出前講座の食育の推進
・ 伝統料理、行事食などの食文化を伝承するための世代間交流の機会の推進
・ 地域の農産物や伝統料理行事食などを学ぶ機会の提供
3 食環境
・ 食育ボランティア養成講座の開催による健康づくり食生活推進員の養成・育成
・ 地域の食育活動を充実・強化するために健康づくり食生活推進員の活動を支援
・ 農産物認定制度による良質な農産物の推進
・ レシピ集や地元農産物等の直売所マップ等で地場産品を PR
・ 安全・安心な食材を提供するエコファーマーを支援
・ 市民農園の開設を支援し、農業を理解してもらう場を提供
・ 栄養成分を表示する飲食店等の普及と充実
・ 食品安全や衛生管理に関する講習会を開催
※噛ミング 30(カミングサンマル)・・・ひとくち30回以上噛むことを目標とした運動
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(5)中年期(40∼64歳)
中年期は、仕事や生活の忙しさから生活が不規則になりがちです。特に食事時間が不規則で、夕
食が遅い就寝前の飲食が多いなどの傾向があります。これまでの食習慣・生活習慣の乱れが要因の
一つとなり、特に男性の肥満が顕著に増加し、生活習慣病を発症する人も多くなります。生活習慣
病の予防と改善は大きな課題であり、食習慣の改善や運動の習慣化、適正体重の管理が継続して実
践できるように支援します。また、家族や地域の食育の担い手としての活動が期待されます。
食育の視点
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生活習慣病を予防・改善するために、体重の管理をしましょう。
食生活改善し、運動を習慣化しましょう。
よく噛んで味わって食べましょう。
家族や仲間と一緒に食卓を囲み、食事を楽しみましょう。
家族等で農体験や食体験を楽しみましょう。
地元の食材を活用した食卓を実現しましょう。
取組の内容
1 食習慣
・ 「食事バランスガイド」等の普及啓発と活用の推進
・ 適正体重の維持管理の周知
・ 食習慣、生活習慣、運動、口腔健康管理(ケア)など健康に関する相談、健康教育を開催
・ 噛ミング30(カミングサンマル)の実践と8020(ハチマル・ニイマル)※運動の推
進
・ 男性への食の知識の普及と料理教室の開催
・ 健康診断の実施と受診の推進、健康診断事後指導の充実
・ 栄養成分表示の活用を推進
・ 事業所が行う従業員向けの食育を支援
2 食文化
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「食卓の日」の普及と共食の推進
・富士山まちづくり出前講座の食育の推進
・伝統料理などの食文化を伝承するための世代間交流の機会の推進
・地域の農産物や伝統料理、行事食などを学ぶ機会の提供
3 食環境
・ 食育ボランティア養成講座の開催による健康づくり食生活推進員の養成・育成
・ 地域の食育活動を充実・強化するために健康づくり食生活推進員の活動を支援
・ レシピ集や地元農産物等の直売所マップ等で地場産品を PR
・ 安全・安心な食材を提供するエコファーマーを支援
・ 市民農園の開設を支援し、農業を理解してもらう場を提供
・ 栄養成分を表示する飲食店等の普及と充実
・ 食品安全や衛生管理に関する講習会を開催
※8020(ハチマルニイマル)・・・80 歳になっても自分の歯を 20 本以上保つことを目的とした運動
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(6)高齢期(65歳∼)
高齢期は、加齢に伴う身体の変化・体力の低下がみられ、健康状態の個人差が大きい時期です。
健康の維持、生活習慣病の発症・重症化の予防、介護予防の観点から、自分にあった食生活を実践
していけるように支援します。
食をおいしく、楽しく、安全に食べるために、家族や仲間との共食の機会をできるだけ増やし、
口腔健康管理(ケア)や食の事故防止についても周知していきます。
食育の視点
・ 自分の健康状態にあわせ、食事の量と質を考えた食生活を実践しましょう。
・ 口腔ケアを実践して、いつまでも自分の歯で食べる楽しみをもちましょう。
・ 家族や仲間と一緒に食卓を囲み、食事作りや食べることを楽しみましょう。
・ 家族や仲間と一緒に地域の食材を使った伝統料理、行事食を楽しみ、継承していきましょ
う。
取組の内容
1 食習慣
・ 「食事バランスガイド」等の普及啓発と活用の推進
・ 食中毒や誤嚥(ごえん)※などの食の事故を防止する安全な食生活の周知
・ 体重の維持管理の周知と低栄養予防の推進
・ 食習慣、生活習慣、運動、口腔健康管理(ケア)などの健康に関する相談、健康教育を
開催
・ 口腔機能の維持向上と8020(ハチマル・ニイマル)の推進
2 食文化
・ 「食卓の日」の普及と共食の推進
・ 富士山まちづくり出前講座の食育の推進
・ 食文化の継承のための活動の支援
・ 伝統料理、行事食などの食文化を伝承するための世代間交流の機会の提供
3 食環境
・ 食育ボランティア養成講座の開催による健康づくり食生活推進員の養成・育成
・ 地域の食育活動を充実・強化するために健康づくり食生活推進員の活動を支援
・ 栄養成分を表示する飲食店等の普及と充実
・ 食品安全や衛生管理に関する講習会を開催
※誤嚥(ごえん)・・・飲食物や唾液が誤って気管に入ってしまうこと
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