芦屋町高齢者福祉計画(素案)

芦屋町高齢者福祉計画(素案)
平成24年○月
芦屋町
目
第1章
1
2
3
4
1
2
3
1
2
10
12
15
基本理念・目標と施策の体系
計画の基本理念・目標
施策の体系
第6章
7
7
7
7
8
8
9
9
アンケート調査、事業者・各種団体等
ヒアリング調査結果
アンケート調査結果
事業者ヒアリング調査結果
関係団体等ヒアリング調査結果
第5章
3
4
5
芦屋町の保健医療福祉施設
芦屋町社会福祉協議会
医療機関
老人保健施設
特別養護老人ホーム
養護老人ホーム
介護保険サービス事業所
居宅介護支援事業所
老人憩の家
第4章
1
1
1
2
芦屋町の高齢化の状況
芦屋町の人口構造
人口の見通し
認定者数及び介護保険給付状況
第3章
1
2
3
4
5
6
7
8
計画策定の概要
計画策定の趣旨
計画の位置づけ
計画の期間
計画の策定体制
第2章
1
2
3
次
17
19
施策の展開
1 いつでも健康
(1)健康の保持・増進
①健康診査
②健康相談
20
20
20
22
③健康教育
④訪問指導
⑤高齢者インフルエンザ予防接種
(2)介護予防の推進
①介護予防普及啓発事業
②地域介護予防活動支援事業
③介護予防一般高齢者施策評価事業
④二次予防高齢者把握事業
⑤通所型介護予防事業
⑥訪問型介護予防事業
⑦介護予防マネジメント
23
24
25
26
26
27
27
28
28
29
30
2 いきいき生活
(1)在宅生活の支援
①配食サービス
31
31
31
②緊急通報装置貸与
③救急医療情報キット
④介護用品給付サービス
⑤軽度生活援助サービス
⑥寝具洗濯サービス
⑦住宅改造助成事業
⑧家族介護教室
⑨家庭介護者の会事業
⑩日常生活用具貸与
⑪巡回バス事業
⑫建物・道路などのバリアフリー化
⑬在日外国人高齢者福祉手当
3 安全安心
(1)地域コミュニティの推進
①地域活動への参加促進
②地域ふれあいスポーツの普及
③「愛のネットワーク」推進事業
(2)包括的支援
①総合相談・支援
②権利擁護事業
③包括的・継続的マネジメント
④認知症高齢者への支援
32
33
34
35
36
37
37
38
38
39
39
39
41
41
41
41
42
42
42
43
43
44
⑤はいかい高齢者SOSネットワーク
(3)防災対策の充実
①高齢者のための防災体制の充実
(4)介護基盤の整備
①特別養護老人ホームなどの施設サービスの充実
②在宅サービスの充実
44
44
44
45
45
45
4 気力充実
(1)生きがいづくりの支援
①敬老祝金
②敬老会
③高齢者能力活用事業の充実
④高齢者集いの場の整備
(2)ボランティア活動などの支援
①ボランティア・サークルの支援
47
47
47
47
48
48
49
49
②老人クラブ活動の支援
(3)生涯学習の充実
①公民館活動の活性化
②スポーツ・レクリエーション活動の充実
③文化活動の促進
④世代間交流の推進
49
50
50
50
50
51
第 1 章 計画策定の概要
1
計画策定の趣旨
芦屋町では、平成 12 年 3 月に、高齢者保健福祉計画を策定し、その後、3 年毎に
見直しを行っています。平成 21 年 3 月には、芦屋町は、平成 23 年度を目標とする
第 4 期高齢者保健福祉計画を作成して、福岡県介護保険広域連合の策定する第 4 期
介護保険事業計画と相互に補完しあいながら、高齢者の福祉施策の取り組みを進め
てきました。
今回、計画の見直しにあたっては、第 4 期計画に掲げている目標値を検証し、問
題点の分析や評価を行い、さらに、今後の高齢者のニーズや地域の実情、国・県の
基本方針に照らし合わせ、平成 26 年度までの計画を策定します。
今回の計画では、現行の高齢者保健福祉計画に基づき、高齢者を取り巻く環境の
変化等に適切に対応し、高齢者が地域で暮らし続けられる地域包括ケアを実現して
いくため、現行計画で位置づけられているこれらの施策を踏まえて、見直しを行っ
ていきます。
2
計画の位置づけ
本計画は、芦屋町における高齢者や高齢者福祉事業について、課題を明確にし、
高齢者が住みなれた地域や家庭でいきいきと健康に暮らせる環境づくりや支援事業
に関する基本的な方向と施策を示したものであり、芦屋町総合振興計画をはじめ関
連する個別計画との整合を図ります。
3
計画の期間
本計画の期間は、国の指針に基づき策定される「第 5 期介護保険事業計画」と同
じく、平成 24 年度から 26 年度までの 3 年間です。
平成
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
27 年度
第 3 期介護保険事業計画
見直
し
第 4 期介護保険事業計画
第4期
高齢者保健福祉計画
見直
し
1
第 5 期介護保険事業計画
第5期
高齢者福祉計画
団塊世代が高齢期に到達
第3期
高齢者保健福祉計画
4
計画の策定体制
(1)策定委員会の設置
本計画の策定にあたっては、高齢者団体の代表をはじめ、医療・福祉・教育など
に従事する専門家、学識経験者などで構成する「芦屋町高齢者福祉計画策定委員会」
において関係資料やアンケート調査の結果などを踏まえ、計画内容などについて検
討を行いました。
(2)アンケート調査
本計画の策定にあたり、高齢者の生活実態とニーズを把握し、計画策定の基礎資
料とする目的で、アンケート調査を実施しました。
■調査の目的
芦屋町高齢者福祉計画策定にあたり、高齢者福祉に関する住民の意向、問題、課題を吸
い 上げ計画に反映させていく際の基礎資料とする。
■調査方法
・調査対象
芦屋町に居住する 65 歳以上の一般高齢者の男女個人
・対象数
1,500 人
・調査方法
郵送による調査票の送付・回収
・調査期間
平成 23 年 7 月 4 日~同 7 月 19 日
■有効回収率
・調査票配布数
1,500
・有効回収数
870
・有効回収率
58.0%(有効回収数/調査票配布数)
(3)施設・事業所及び各種団体ヒアリング調査
本計画の策定にあたり、高齢者福祉に関係する施設・事業所や各種団体へのヒア
リング調査を実施しました。
■調査対象
・施設・事業所
居宅介護支援事業所 5 事業所
・団体
3 団体
※「市町村老人福祉計画」は、老人保健法に基づく「市町村老人保健計画」と一体
的に策定してきましたが、平成 20 年施行の老人保健法全面改正に伴い、老人保健計
画は市町村の策定義務がなくなりました。そのため、
「高齢者保健福祉計画」から「高
齢者福祉計画」と名称変更しています。
2
第2章 芦屋町の高齢化の状況
1
芦屋町の人口構造
総人口の減少の中、芦屋町の人口に占める高齢化率は平成 23 年には約 24%、4
人に 1 人は 65 歳以上と増加しており、中でも 75 歳以上の後期高齢者の増加が目立
っています。
■総人口・高齢者人口の推移■
【高齢者人口】
【総人口】
(人)
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
(人)
18,000
16,413
17,000
16,085
16,004
15,842
15,610
15,432
16,000
15,000
3,748
3,720
3,713
3,634
3,552
14,000
3,428
13,000
1,890
1,866
1,741
1,657
1,809
1,572
12,000
11,000
10,000
平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年
65歳以上
(内)75歳以上
総人口
(資料)住民基本台帳人口(3月末)
■高齢者世帯の状況■
区分
総世帯数
65 歳未満
65 歳以上
の世帯数
の世帯数
高齢者夫婦
高齢者単身
高齢者同居
世帯数
世帯数
世帯数
619 世帯
1,011 世帯
1,110 世帯
40.2 %
9.1 %
14.8 %
16.3 %
100 %
22.6 %
36.9 %
40.5 %
6,818 世帯 4,078 世帯 2,740 世帯
平成 22 年
(2010 年)
100 %
59.8 %
(資料)住民基本台帳・外国人登録(平成 22 年 10 月 1 日)
3
2
人口の見通し
芦屋町の第 5 期の終了年度である平成 26 年までの見通しをみると、平成 26 年で
は総人口は、1 万 5 千人を割ることが予想されます。
このような中、高齢人口は着実に増加し、平成 26 年の高齢化率は 27%と予想され
ます。
■総人口の見通し■
(人)
20,000
18,000
16,413
15,432
16,000
15,217
15,002
14,787
平成 25 年
平成 26 年
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
平成 18 年
平成 23 年
平成 24 年
(資料)実績値は住民基本台帳人口(3 月末)
■高齢人口の見通し■
(%)
35.0
(人)
10,000
8,000
24.1
20.9
25.1
26.1
27.2
25.0
6,000
4,000
2,000
30.0
20.0
3,428
1,572
3,915
3,816
3,713
1,942
1,890
4,022
1,994
15.0
2,046
10.0
5.0
0
0.0
平成18年
平成23年
実績値
65歳以上
平成24年
(内)75歳以上
(資料)実績値は住民基本台帳人口(3月末)
4
平成25年
推計値
平成26年
高齢化率
3
認定者数及び介護保険給付状況
(1)認定者数及び認定率の推移
芦屋町の平成 23 年 8 月の認定者数は 721 人であり、認定率(65 歳以上の人口に
占める割合)は 19.2%となっています。
平成 12 年の第 1 期からの推移をみると、認定者数は第 2 期から第 3 期にかけて一
旦は減少しますが、第 4 期介護保険事業計画からまた、増加傾向となっています。
■65 歳以上の人口に占める認定者数及び認定率の推移■
(人)
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
25.0%
2,919
400
3,609
3,762
3,749
20.0%
18.5%
13.7%
3,521
3,371
3,283
3,209
3,127
3,035
3,766
3,677
19.5%
19.3%
18.5%
17.6%
17.3%
16.0%
487
578
627
633
622
620
624
18.3%
16.8% 17.2%
616
19.2%
15.0%
647
690
721
10.0%
平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年
第1期
第2期
第3期
65歳以上の人口
認定者数
第4期
認定率
(資料)住民基本台帳人口(各年8月末)
(2)介護保険給付費の推移
第 4 期の平成 21 年度と平成 22 年度の介護保険給付費をみると、平成 22 年度総給
付費は約 9 億 4 千 5 百万円であり、平成 21 年度の約 9 億 7 百万円と比べると約 3
千 7 百万円、約 4%、増加しています。
そのうち、介護給付では、居宅サービスが約 3 億 7 千万円で、約 7%、施設サー
ビスが約 4 億 5 千 4 百万円で、2%、それぞれ増加していますが、地域密着型は約 5
千万円で若干の減少となっています。
介護予防給付は、全体で約 6 千 9 百万円で、7%増加しています。
5
■費目別介護保険給付費の推移■
(単位:千円、%)
介
護
給
付
介
護
予
防
給
付
平成 22 年度
/平成 21 年度
増減率
平成 21 年度
平成 22 年度
居宅
346,557
370,861
107.0
地域密着型
50,540
50,374
99.7
施設
445,389
454,246
102.0
計
842,486
875,481
103.9
居宅
64,239
69,139
107.6
385
0
64,624
69,139
107.0
907,110
944,620
104.1
地域密着型
計
総給付費
6
-
第3章 芦屋町の保健医療福祉施設
1
芦屋町社会福祉協議会
社会福祉を目的とした事業の企画、運営を行うため、昭和 55 年 4 月に法人化され
ました。民間と公共性を兼ね備えた特殊性を活かし、住民参加型の福祉活動を推進
しています。
高齢者向けの事業としては、
「愛のネットワーク推進事業」や「日常生活用具貸し
出し事業」「ボランティア活動支援事業」などを行っています。また、平成 12 年か
ら始まった介護保険事業で、居宅介護支援事業と訪問介護事業の指定を受け、18 年
4月からは「デイサービスセンター松露」も加わるなど、介護サービス事業を展開
しています。町からの受託事業として、昭和 58 年から「高齢者能力活用事業」の運
営を行っており、さらには、介護保険対象外の福祉サービスの「配食事業」、「軽度
生活援助事業」、「通所型介護予防事業」も受託して行うなど、高齢者や障がい者に
対して、多岐にわたる支援を行っています。
2
医療機関
平成 23 年 10 月現在、町立芦屋中央病院のほか、診療所 5 施設、歯科医院 5 施設
の医療機関があります。町立芦屋中央病院では、現在、介護保険事業で、居宅介護
サービスとして「訪問看護」と「訪問リハビリテーション」を、施設サービスとし
て「介護療養施設サービス」を行っています。
3
老人保健施設
入院治療の必要がない寝たきり状態または認知症状態の高齢者を対象とし、看護
や医学的管理下における介護及び機能訓練、その他必要な医療を行うとともに、日
常生活の世話を目的とした施設です。
芦屋町には、平成 8 年 11 月に開設した「リカバリーセンターひびき」があり、介
護老人保健施設として、施設介護サービスを行っています。また、居宅介護サービ
スとして、
「ショートステイ(療養介護)サービス」と「デイケアサービス」を行っ
ています。
4
特別養護老人ホーム
在宅での生活及び介護が困難な高齢者を対象に、平成 2 年 6 月、入所定員 50 人の
「まつかぜ荘」が設立され、その後 20 床増床して 70 床になり、入所者の食事や入
浴などの日常生活の世話や生活向上の指導を行っています。
介護老人福祉施設として、施設介護サービスを行い、居宅介護サービスとして、
「ショートステイ(生活介護)サービス」と「デイサービス」を行っています。
7
5
養護老人ホーム
経済的、または日常生活上、あるいは住宅の事情など家庭の事情によって、在宅
で生活することが困難な高齢者が入所する施設です。
町内には施設はありませんが、遠賀中間広域行政事務組合が、遠賀静光園を管理
運営しています。
6
介護保険サービス事業所
〇施設サービス
芦屋町の介護保険施設サービス事業所は、介護老人福祉施設の特別養護老人ホー
ムまつかぜ荘(定員 70 人)、介護老人保健施設のリカバリーセンターひびき(定員
100 人)、介護療養医療施設の町立芦屋中央病院(40 床)があります。
〇居宅介護サービス
平成 23 年 10 月現在、芦屋町の介護保険の居宅サービス事業所は、次のとおりで
す。
福祉用具貸与
〇
認知症対応型共同生活介護
〇
短期入所療養介護
芦屋町社会福祉協議会
〇
短期入所生活介護
町立芦屋中央病院
通所リハ・デイケア
サービス事業者
通所介護・デイサービス
訪問リハビリ
訪問看護
訪問介護
居宅サービス
〇
〇
まつかぜ荘
〇
リカバリーセンターひびき
○
〇
〇
グループホームくもじ
〇
〇
きぬがわ電器
〇
ヘルパーステーション愛
〇
ひまわり
〇
〇
グループホーム芦屋はまゆう
〇
介護 24 あじさい
〇
ヘルパーステーション誕生の会
〇
8
7
居宅介護支援事業所
介護保険の利用者やその家族からの相談や、ケアプランの作成、サービス事業者
への連絡・手配などを行います。芦屋町には、5 カ所の居宅介護支援事業所があり
ます。
事 業 所 の 名 称
8
所 在 地
ひびきケアプランサービス
大字芦屋 1145-3
芦屋町社協居宅介護支援事業所
緑ケ丘 4-22
特別養護老人ホーム「まつかぜ荘」
緑ケ丘 2-2
町立芦屋中央病院指定居宅介護支援事業所
幸
ケアプランセンタ-ひまわり
中ノ浜 8-8
町 8-30
老人憩の家
高齢者のふれあい、趣味・教養活動、レクリエーションなどの場として、高齢者
の心身の健康増進を図るために設置された施設です。
芦屋町には、老人憩の家「寿楽会館」、「山鹿荘」、「鶴松荘」の 3 施設があり、そ
れぞれの施設は、浴場や集会場、研修室などを備えています。
9
第4章 アンケート調査、事業者・各種団体等
ヒアリング調査結果
1
アンケート調査結果
(1)近所や地域とのつながりについて
地域のつながりを感じる高齢者は全体の 7 割弱、また、地域のつながりの必要性
を感じる高齢者は 9 割と、大半の高齢者は地域との連携の大切さを実感しているも
のの、つながりの実態は、半数は挨拶や立ち話をするか、回覧板・掲示版の活用と
なっています。
また、困ったときの近隣同志での助け合いや町内会・自治会・子ども会など地縁
団体の活動などについては 3 割弱と低く、地域での連帯感は相対的に弱い状況です。
(2)安全・安心な暮らしについて
災害時(台風や地震など)に、一人で避難できる高齢者が 7 割強、一人で避難で
きなくても、支援者がいる高齢者が、そのうちの 7 割を占めており、大半の高齢者
は、自身の判断としては大丈夫と認識しているものの、3 月に発生した東日本大震
災を教訓に、一人で避難できない高齢者や支援者もいない高齢者の実態把握が重要
です。
また、住んでいる地域のひとり暮らし高齢者や認知症の高齢者など、援護が必要
な世帯への安否確認や見守り活動の状況については、
「行われている」と認識してい
る高齢者が 4 割強を占めているものの、一方で、安否確認や見守り活動について「わ
からない」と回答した高齢者も 3 割を占めています。
(3)生きがいや地域活動の状況について
高齢者の 7 割以上が生きがいを感じています。内訳としては「家族との団欒」
「テ
レビ・ラジオの視聴」「趣味やスポーツ・レクリエーションに熱中」「友人や知人と
の食事、雑談」「旅行」がいずれも 3 割以上を占めており、「ボランティアや地域の
活動時」は、1 割強程度です。
また、地域活動への参加状況では、現在参加している高齢者は 6 割強であり、
「町
内会・自治会」「趣味などのサークル・団体」
「老人クラブ」がその大半を占めてお
り、住民活動やボランティア活動については 5%程度と低調です。
参加できない理由として、
「事情があって参加できない」
「申込窓口がわからない」
などの条件つきを含め、今後、地域活動を希望する高齢者は半分近くいるため、こ
のような地域活動等の参加促進のための条件として「参加しやすい体制づくり」、
「活
動に関する情報の提供」などがあげられています。
10
(4)就労について
高齢者の 2 割弱が就労しており、現在、就労していない高齢者の 4 割近くは、働
く意欲はあるものの、
「働く場所・機会」
「健康上の問題」
「家庭の事情」などで就労
していない状況です。
(5)介護予防・認知症について
「介護予防」という言葉への認知度は 4 割であり、介護予防に関する町や地域包
括支援センターが実施する催しへの参加経験は 4 割強となっています。
また、高齢者の 5 割以上が、
「自分や家族の認知症への移行」
「自分の物忘れ」
「認
知症高齢者等への対応や介護の仕方」等で認知症についての不安や心配事を抱えて
います。
併せて、認知症高齢者への接し方としては、
「接し方がわからない(何もしない)」
が 3 割近くで、認知症の相談窓口を知っている高齢者は 2 割も満たない状況です。
(6)高齢化社会対策について
「在宅生活を続けられる多様な福祉サービスや介護サービスの整備」
「健康づくり、
介護予防や認知症予防のための取り組み」
「特別養護老人ホームなどの施設サービス
の整備」などが、今後の高齢化社会対策としてあげられています。
11
2
事業者ヒアリング調査結果
居宅支援事業者に対するヒアリング調査結果は、以下の通りです。
(1)ケアプラン作成時の問題等について
サービスに対するニーズが本人と家族間、子ども間で異なる、家族の要求が高い、
必要なサービスなのに支給限度額が足りず利用できない、また、サービスが必要と
思われる高齢者本人がサービスを拒否するなど、ニーズの多様化に対応したプラン
の作成が厳しくなっています。
(2)高齢者を取り巻く「安全安心」について
■悪徳商法の被害など、危険や不安を感じたり、危険な事例を聞いた経験
認知症高齢者における通販による高額商品の購入のケースや印鑑・通帳を持ち出
されたケースなどがあげられています。
■身体への虐待や人権侵害が行われていると感じたり、事例を聞いた経験
認知症と認めない家族やストレスを溜めている介護者からの身体への虐待の報告
があげられています。
■交通事故の危険や不安を感じたり、事例を聞いた経験
高齢者自身の運転による危険性、無謀な道路の横断、認知症による交通事故に対
する認識のなさ、危険な自転車走行など地域や行政が一体となって高齢者の交通事
故の危険性について、周知する必要性があげられています。
■台風や地震などの災害発生時での高齢者の安全避難について
身体の不自由さ、判断能力の低下などに伴い、突然の対応が高齢者には難しく、
特に一人暮らし高齢者は避難場所への移動そのものが難しく、また、高齢者夫婦世
帯も、結果として両方が危険な状況になることも想定できるなどがあげられていま
す。
■認知症高齢者への具体的な支援について
認知症高齢者に対する専門医、必要に応じた入院や施設、認知症外来、症状に合
ったデイサービスや施設等への紹介等が行われています。
そのほか、ケアプランでの安否確認のプラン挿入などがあげられています。
12
(3)高齢者を取り巻く「生活環境」について
■住まいの中での危険や不便、改修の必要性
階段などの段差解消、トイレ・風呂場などでの手すりの設置などが多く、介護保
険も含め住宅改修事業、福祉用具貸与・購入事業などの利用促進の必要性があげら
れています。
■バスや自動車など外出手段で不便と思われること
バスの本数、路線の少なさ、乗降時での転倒リスク、通院・買い物等の移動手段
の少なさなどがあげられています。
■町内の公共施設や道路を利用するにあたっての事故の危険や不便さ
道路の段差、自転車も走る歩道の危険性などバリアフリー化も含めた道路環境の
改善があげられています。
(4)高齢者を取り巻く「地域での交流・助け合い」について
■町内の助け合いやボランティア活動の充実度
民生委員の活動の重要さのほか、近所の知り合いや親戚・知人との交流が大きな
ウェイトを占めている一方、ボランティア活動については団体自体を知らない、活
動内容も知らない、ボランティア自体が少ないなど、地域力の要となるボランティ
ア活動への認識度は低く、活動に関する情報の提供など、十分な周知の必要性があ
げられています。
■異世代の住民同士の交流やつながり
小学校での祖父母教室や幼児の施設訪問、町や学校の行事での交流、高齢者の小
学生の登下校時の安全確保などで交流が見られる一方、子どもとのふれあいはある
ものの、地域での交流はない、あるいは不十分という声も聞かれることから、元気
高齢者を中心に学校や地域の催し、行事等に積極的に関われる環境づくりがあげら
れています。
■地域活動やボランティア活動への参加
特定団体の活動や地域清掃等への参加、公民館行事への参加などがあげられてい
ますが、一部の高齢者に限られていることも想定されることから、地域への関わり
がしやすいような環境づくりがあげられています。
(5)高齢者を対象とする介護・福祉サービスについて
■必要な介護保険サービスが適切に提供されていることについて
介護保険サービスについては十分とはいえないものの、家族や利用者の意向に沿
ったサービスが提供できていると、おおむね評価されていますが、要望として各種
13
施設サービスのほか、ショートステイ、小規模多機能型居宅介護施設などへのサー
ビスの充実があげられています。
■必要な高齢者福祉サービスが適切に提供されていることについて
配食サービスの利用度は高いものの、毎日利用できない、デイサービス利用時に
は利用できないなどがあげられています。
また、要介護・要支援になる前の支援、いわゆる介護予防の充実も必要となって
います。
14
3
関係団体等ヒアリング調査結果
「民生委員・児童委員協議会」「老人クラブ連合会」「八朔の会」の 3 団体に対す
るヒアリング調査結果は、以下の通りです。
(1)現在、抱えている主な問題点や課題について
各団体共通して、会員等の高齢化、運営の要となる人材の不足などがあげられて
います。
(2)高齢者を取り巻く「安全安心」について
■悪徳商法の被害など、危険や不安を感じたり、危険な事例を聞いた経験及び身体へ
の虐待や人権侵害が行われていると感じたり、事例を聞いた経験
高額商品の勧誘や金銭詐欺などの報告のほか、認知症高齢者への虐待の報告があ
げられています。
■交通事故の危険や不安を感じたり、事例を聞いた経験
高齢者自身の運転による危険性、信号のない交差点の横断、危険な自転車走行な
どの報告があげられています。
■台風や地震などの災害発生時での高齢者の安全避難について
東日本大震災の教訓を活かし、予想を超えた事態を想定し、高齢者の身上、連絡
先、症状等を確認できる災害時要援護者の登録体制の構築の必要性があげられてい
ます。とくに、一人暮らし高齢者への対応は重要となっています。
■認知症高齢者への具体的な支援について
行政、社会福祉協議会、地域包括支援センター、民生委員・児童委員との連絡、
調整を一層密にした見守り態勢の必要性があげられています。
(3)高齢者を取り巻く「生活環境」について
■住まいの中での危険や不便さ、改修の必要性
基本的には、住宅内での段差解消などバリアフリー化への対応があげられていま
す。
■バスや自動車など外出手段で不便と思われること
バスの本数、路線の少なさ、乗降時での階段の高さなどがあげられています。
■町内の公共施設や道路を利用するにあたっての事故の危険や不便さ
道路の狭さがあげられています。
15
(4)高齢者を取り巻く「地域での交流・助け合い」について
■町内の助け合いやボランティア活動の充実度
白浜地区での「愛のネットワーク」制度は、推進員と見守り活動者による訪問接
触などにより区民一体となった活動として、一定の成果をあげています。
ただ、この「愛のネットワーク」制度をはじめ、老人クラブの声かけ運動など交
流、助け合いの組織はあるものの、地域による差があり、町内のどの地区において
も、日常的な交流、助け合いの必要性があげられています。
■異世代の住民同士の交流やつながり
夏、冬に地区公民館を利用した行事において高齢者、子供会の交流が行なわれて
います。
■地域活動やボランティア活動への参加
いずれの地域活動にも参加していない高齢者への個人的な声かけなど、気軽に参
加できる環境づくりなどがあげられています。
(5)高齢者を対象とする介護・福祉サービスについて
■必要な介護保険サービスが適切に提供されていることについて
介護保険サービスは、利用するかしないかは本人次第であるものの、とくに不自
由さは指摘されていません。
■必要な高齢者福祉サービスが適切に提供されていることについて
サービスを拒否する高齢者もいることが指摘されています。
16
第5章 基本理念・目標と施策の体系
1 計画の基本理念・目標
アンケート調査結果では高齢者の多くが、長年生活してきた地域で暮らし続ける
ことを望んでいます。
そのためには、高齢者が介護や支援が必要な状態になっても、安心して生活を送
ることができるよう、高齢者を地域全体で支える体制を構築する必要があります。
本計画は、高齢者の居住環境を重視するとともに、保健・医療・福祉・生涯学習
など多様な分野における地域資源を幅広く活用して、高齢者が必要なサービスを円
滑に利用できる地域包括ケアシステムの構築を目的とするものです。
町の最上位計画となっている第5次芦屋町総合振興計画の将来像である「魅力を
活かし みんなでつくる 元気なあしや」を基本理念に掲げ、その実現のために、4
つの基本目標に基づいて計画の推進を図ります。
1
2
3
4
いつでも健康
いきいき生活
安全安心
気力充実
1
いつでも健康
高齢者がいつまでも健康でいきいきとした生活を送るために、早い時期からの
健康づくりに対する意識づけや生活習慣病予防のための健診・健康教育・相談事
業の推進に努めます。
また、できる限り介護を必要とせず、いきいきと暮らせるよう、介護予防のた
めの啓発や教育、生活機能低下の早期発見・予防のための相談・指導の強化に努
めます。
基本方針
(1)健康の保持・増進
(2)介護予防の推進
2
いきいき生活
高齢者が住み慣れた地域で快適に在宅生活を送るための環境づくりとして、介
護や支援が必要となっても、快適に過ごすことができるための福祉サービスの充
実、在宅医療の充実、介護者に対する支援を行います。
また、家族が過度な介護負担を強いられることがないよう、地域における介護
体制の確立に努めます。
基本方針
(1)在宅生活の支援
17
3
安全安心
高齢者や家族が安心して生活できるように、介護に関する相談、成年後見制度
の紹介や虐待防止のための支援などを行うとともに、独居高齢者や認知症高齢者
などの見守りの体制の強化や介護基盤の整備に取り組みます。
平成 24 年度より、芦屋町役場に設置される地域包括支援センターを中心とし
て、地域で暮らす高齢者等を支える仕組みづくりを行います。
基本方針
(1)地域コミュニティの推進
(2)包括的支援
(3)防災対策の充実
(4)介護基盤の整備
4
気力充実
高齢者がいつまでも生きがいを持って暮らすことができるよう、学び、集い、
交流できる活動を支援し、趣味活動、生涯学習、世代間の交流などの展開に取り
組みます。
基本方針
(1)生きがいづくりの支援
(2)ボランティア活動などの支援
(3)生涯学習の充実
18
2 施策の体系
理念
基本目標
事 業
基本方針
(1)健康の保持・増進
①健康診査
②健康相談
③健康教育
④訪問指導
⑤高齢者インフルエンザ予防接種
(2)介護予防の推進
①介護予防普及啓発事業
②地域介護予防活動支援事業
③介護予防一般高齢者施策評価事業
④二次予防高齢者把握事業
⑤通所型介護予防事業
⑥訪問型介護予防事業
⑦介護予防マネジメント
(1)在宅生活の支援
①配食サービス
②緊急通報装置貸与
③救急医療情報キット
④介護用品給付サービス
⑤軽度生活援助サービス
⑥寝具洗濯サービス
⑦住宅改造助成事業
⑧家族介護教室
⑨家庭介護者の会事業(社協)
⑩日常生活用具貸与(社協)
⑪巡回バス事業
⑫建物、道路などのバリアフリー化
⑬在日外国人高齢者福祉手当
(1)地域コミュニティの推進
①地域活動への参加促進
②地域ふれあいスポーツの普及
③「愛のネットワーク」推進事業(社協)
(2)包括的支援
①総合相談・支援
②権利擁護事業
③包括的・継続的マネジメント
(3)防災対策の充実
①高齢者のための防災体制の充実
(4)介護基盤の整備
①特別養護老人ホームなどの施設サービスの充実
②在宅サービスの充実
(1)生きがいづくりの支援
①敬老祝金
②敬老会
(2)ボランティア活動などの支援
①ボランティア・サークルの支援
②老人クラブ活動の支援
(3)生涯学習の充実
①公民館活動の活性化
②スポーツ・レクリエーション活動の充実
1 いつでも健康
魅
力
を
活
か
し
み
ん
な
で
つ
く
る
元
気
な
あ
し
や
2 いきいき生活
④認知症高齢者への支援
⑤はいかい高齢者SOSネットワーク
3 安全安心
4 気力充実
19
③高齢者能力活用事業の充実
④高齢者の集いの場の整備
③文化活動の促進
④世代間交流の推進
第6章 施策の展開
1
いつでも健康
(1)健康の保持・増進
①健康診査
内 容
がん・心臓病・脳卒中などの生活習慣病の予防や早期発見、健康増進のため、集
団健診・個別健診を行っています。
また、平成 20 年度からは、メタボリックシンドロ-ム(内臓脂肪)に着目した健
診を実施しています。
対
象
特定健診は、40 歳以上 75 歳未満の国保加入者が対象で、集団・個別(開業医)
健診を実施しています。
75 歳以上の方は、後期高齢者広域連合が実施する健診を受診することができます。
また、がん健診は 40 歳以上(子宮がんは 20 歳以上・乳がんは 30 歳以上)の住民が
対象で、婦人がん(乳・子宮)検診は 2 年に 1 回の受診です。
骨密度測定は、40 歳から 5 歳きざみで 70 歳までが対象となっています。
現状と課題
特定健診は、広報「あしや」、自治区への回覧板、区総会や役員会での説明等を通
して随時受診を呼びかけているほか、健診を勧める個別通知、問診票の事前送付な
どを行うことによって、年々、受診率は上昇しています。
しかし、2 年連続受診者が、平成 21 年度、22 年度は 77%にとどまっており、こ
れを上げていく必要があります。
また、病院を定期的に受診している人も対象で周知する必要があります。
さらに、今後の個別健診の受診率向上のため、町内開業医に協力を依頼しており、
継続した協力依頼などを進める必要があります。
25 年度から、医療保険制度改革に伴い、健診制度も変わる可能性があります。
20
■健康診査(実績)■
特定健診
胃がん検診
肺がん検診
大腸がん
乳がん
子宮がん検診
前立腺がん検診
骨密度測定
平成 20 年度
受診者数
受診率
(人)
(%)
523
17.5
443
9.8
503
11.1
433
9.6
213
18.4
167
10.6
121
9.1
21
2.9
平成 21 年度
受診者数
受診率
(人)
(%)
618
20.1
453
10.0
542
12.0
468
10.4
366
19.6
303
12.4
175
13.2
43
5.9
平成 22 年度
受診者数
受診率
(人)
(%)
939
31.0
477
10.6
582
12.9
520
11.5
349
23.8
305
15.9
193
14.5
70
9.5
今後の展開
広報「あしや」でのPR、個人通知、家庭訪問などを通して、特定健診の意義や
内容についての理解を深めるための情報提供に努め、受診率の更なる上昇や継続的
な受診率の上昇を図ります。また、健診未受診者の分析を行い、受けやすい健診体
制の整備を図ります。
■健康診査(目標)■
特定健診
胃がん検診
肺がん検診
大腸がん
乳がん
子宮がん検診
前立腺がん検診
骨密度測定
平成 24 年度
受診者数
受診率
(人)
(%)
1,050
35.0
690
15.0
690
15.0
690
15.0
380
22.7
320
16.3
200
15.0
100
13.7
平成 25 年度
受診者数
受診率
(人)
(%)
1,200
40.0
900
20.0
900
20.0
900
20.0
400
27.3
340
18.4
220
16.5
100
13.7
21
平成 26 年度
受診者数
受診率
(人)
(%)
1,350
45.0
900
20.0
900
20.0
900
20.0
420
27.3
360
20.0
240
18.0
100
13.7
②健康相談
内 容
健診結果の説明日を設けて、保健師が個人ごとに健診後のフォローや健康に関す
る相談や支援を行っています。
また各種健康教室や家庭訪問などで、健康相談を行っています。
対
象
主に健診の受診者及び各事業の参加者。
現状と課題
健康相談は、受診者への健診結果説明時に併せて行っているほか、随時、相談に
応じています。また、相談体制の整備のため、役場庁舎内ロビーに健康相談コーナ
ーを設置しました。
今後は、介護予防の観点からも、健康相談事業はますます重要となることから、
対象者本人だけでなく、その家族も気軽に相談できるよう工夫する必要があります。
■健康相談(実績)■
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
実施回数(回)
43
44
59
参加人員(人)
777
736
921
今後の展開
健診結果を利用して、受診者が自分の健康状態に気づき、健康づくりができるよ
う、相談体制の充実やPRに努めます。
■健康相談(目標)■
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
実施回数(回)
80
90
100
参加人員(人)
1,300
1,500
1,700
22
③健康教育
内 容
疾病予防や健康増進、健康づくりへの意識啓発のため、テーマを設けて各種教室を
開催しています。
対
象
40 歳以上の住民(教室によって年齢制限有り)。
現状と課題
健康教育では、対象者が生活習慣の必要性に自ら気づき、実行できるように運動
教室や健康教室を実施しています。そのために、必要な知識や情報を提供したり、
実技を交えるなど魅力ある教室づくりを目指していますが、教室への参加者の固定
化が見られ、多くの方に参加を呼びかけていくことが必要です。
■健康教育(実績)■
健康教育の主な内容(平成 22 年度実績)
内
容
健康教室
疾病予防の講話、食事に関する講話、グル-プワ-ク
運動教室
ストレッチ体操、リズム体操、筋力アップ、試食
出前講座
保健師・管理栄養士による健康づくり講話
医師講演会
医師による特定健診・がん検診に関する講話
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
実施回数(回)
18
31
48
参加人員(人)
240
504
899
今後の展開
参加者が、楽しみながら学べるように、教室の内容を工夫するとともに、健康運
動指導士、管理栄養士、保健師など専門職の講演や実技を取り入れるなど、地域や
個人のニーズに沿った質の高い教室を実施していきます。
また、地域ごとにグループなどの会合に積極的に出向き、出前講座を実施します。
■健康教育(目標)■
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
実施回数(回)
50
50
50
参加人員(人)
1,100
1,200
1,300
23
④訪問指導
内 容
保健師が家庭を訪問して、健診未受診者への受診勧奨を行っています。
また、生活習慣病や寝たきり予防のための生活指導及び健康相談、保健・医療・
福祉サービスの調整を行っています。
対
象
一人暮らし及び高齢者夫婦世帯、健診未受診者や健診などで指導が必要な人
現状と課題
高齢者の安否確認や閉じこもり予防に努め、福祉サービスにつなげることができ
るよう、民生委員や他機関との連携をとりながら、訪問を行っています。
また、生活習慣病予防のために健診の受診勧奨、要指導者への訪問指導を行って
います。しかし、勤務などで、日中在宅していない住民が多く、訪問指導を行うこ
とが年々困難な状況となっています。
■訪問指導(実績)■
平成 20 年度
総
数(件)
閉じこもり予防(再掲)
(件)
要指導(再掲)
(件)
平成 21 年度
平成 22 年度
911
1,239
2,972
6
1
21
500
496
858
今後の展開
高齢者については、民生委員や他機関と連携をとりながら、閉じこもりやうつの
予防を目的とした訪問に努めます。
若年期については、健康管理を行う上で健診を受けることが大切であることを踏
まえ、健診未受診者に引き続き受診を促進するとともに、受診者については、生活
習慣病予防が、将来の介護予防にもつながるという観点から、訪問指導を充実させ
ていきます。
■訪問指導(目標)■
平成 24 年度
総
数(件)
平成 25 年度
平成 26 年度
3,000
3,100
3,200
30
30
30
900
900
900
閉じこもり予防(再掲)
(件)
要指導者(再掲)(件)
24
⑤高齢者インフルエンザ予防接種
内 容
予防接種を行うことにより、インフルエンザに感染して、死亡または重症化する
ことを予防します。
対
象
65 歳以上の人及び 60 歳以上 65 歳未満の人で、心臓、腎臓、呼吸器に障がいのあ
る人、またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に障がいがある人。
現状と課題
予防接種率は、例年、65 歳以上の人口の 50%台に留まっているため、引き続き、
接種率の向上が必要です。
■高齢者インフルエンザ予防接種(実績)■
平成 20 年度
接種者(人)
平成 21 年度
2,146
平成 22 年度
1,938
2,149
今後の展開
多くの高齢者が接種できるように、広報、ホームページ、回覧板などの機会を通
じて周知を図るほか、医療機関などの関係機関を通じ、PRを行い、接種率の向上
を図ります。
■高齢者インフルエンザ予防接種(目標)■
平成 24 年度
接種者(人)
平成 25 年度
2,200
2,200
25
平成 26 年度
2,200
(2)介護予防の推進
町内のすべての 65 歳以上の人が対象となります。介護予防の意義や知識の普及啓
発、介護予防にかかわる人材養成、地域活動組織の育成・支援を行います。
地域において介護予防活動が自主的に実施されることで、介護予防に向けた地域
づくりを促進していきます。
①介護予防普及啓発事業
内 容
介護予防の基本的な知識を普及啓発するためのパンフレットの作成、配付及び各
種教室を実施します。
●筋力アップ教室
・椅子に座ってできる体操、ストレッチなどを実施することにより、筋力アップ
とバランス感覚の向上をはかり、転倒予防を行ないます。
●いきいき健康クッキング
・高齢者が注意しなければならない疾患や栄養に関する講話と日常生活で活用で
きる献立の紹介を行います。
●歯つらつ健口講座
・誤嚥性肺炎の予防や口腔機能の重要性を学び、口腔ケアの習慣を身につけます。
現状と課題
教室卒業者が継続して、介護予防が実践できる体制づくりが必要です。
■介護予防教室(実績)■
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
参加延人員(人)
1,333
1,326
1,327
参加実人数(人)
452
412
413
今後の展開
教室卒業者が継続して介護予防に取り組める体制づくりを進めるとともに、基本
チェックリストによる対象者の把握を通して新規の参加者増への取り組みを強化し
ていきます。
また、地区の人も参加しやすいように、最寄の公民館などを利用した教室などを
展開します。
26
■介護予防教室(目標)■
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
参加延人員(人)
1,350
1,360
1,370
参加実人数(人)
452
412
413
②地域介護予防活動支援事業
内 容
地域の老人クラブ役員と協力して昼食会などを実施します。
●いきいき昼食会を自治区公民館で開催
●愛のネットワークモデル地区事業の実施の中で、栄養士、歯科衛生士による講
話などを行う。
現状と課題
町の食進会の協力のもと、1 年間に 10 地区程度の公民館で昼食会を開催し、健康
や栄養についての講話を行っています。
今後の展開
参加地区の固定化を避けるため、町内全地区での「いきいき昼食会」の開催を、
地域と連携し、広く実施していきます。
③介護予防一般高齢者施策評価事業
内 容
事業が適切かつ効果的に実施されたかどうか、原則として、プロセス評価を中心
として、年度ごとに事業評価を行います。
現状と課題
筋力アップ教室と、口腔の教室に参加している人に対しては、教室の前後の体力
測定や口腔内の健診といった評価を行っています。
今後の展開
目標値の達成状況等の検証を通して、事業評価の充実を図るとともに、栄養につ
いての評価の検討に努めます。
27
④二次予防高齢者把握事業
内 容
加齢、疾病、環境の変化、精神的要因などによる生活機能低下が見られる町内の
高齢者についての把握は、次の情報に基づいて行います。
●生活機能評価(65 歳以上が対象)
●次の機関等と連携を図り情報を得る。
・広域連合の認定担当部局や訪問活動を行っている保健師など
・関係機関、主治医、民生委員など
・本人、家族、地域住民など
現状と課題
平成 22 年度までは、健診が受診できる比較的元気な方からの二次予防高齢者の把
握しかできなかったため、二次予防高齢者は 50 人未満でした。
平成 23 年度より、要介護認定者を除く 65 歳以上の人全員を対象に基本チェック
リストを配布・回収し、できるだけ状況の把握に努めています。
■二次予防高齢者把握事業(実績)■
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
基本チェックリスト(人)
273
370
518
二次予防高齢者(人)
43
24
49
今後の展開
地域における保健・医療・福祉などの関係部門と連携を図り、要介護認定者を除
く 65 歳以上の人全員を対象にした基本チェックリストを通した状況把握に努めま
す。
■二次予防高齢者把握事業(目標)■
平成 24 年度
基本チェックリスト(人)
二次予防高齢者(人)
平成 25 年度
平成 26 年度
1,800
2,000
2,000
400
500
500
⑤通所型介護予防事業
内 容
二次予防高齢者については、町で介護予防ケアマネジメントを実施し、介護予防
ケアプランを作成します。
通所型介護予防事業は介護保険の通所事業所に委託して「運動器の機能向上」に
効果があると認められるプログラムを実施しています。
28
現状と課題
本事業は、現在、介護保険のサービスと同様の内容で、介護保険の通所事業者の
3 ヵ所に委託を行っています。
平成 21 年度、22 年度は生活機能評価の結果から、対象者に個別訪問、勧奨の通
知等郵送しましたが、参加希望者が少ない状況です。
しかし、参加者については、運動器の機能の維持や閉じこもり防止などの効果が
見られることから、今後も、通所サービスの内容の充実や事業のPRを図る必要が
あります。
■通所型介護予防事業(実績)■
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
実人員(人)
6
7
6
延人員(人)
236
213
254
今後の展開
「運動器の機能向上」
「栄養改善」「口腔機能の向上」など効果があると認められ
るサービスの内容の充実に努めます。
■通所型介護予防事業(目標)■
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
実人員(人)
8
9
10
延人員(人)
260
270
280
⑥訪問型介護予防事業
内 容
閉じこもり、認知症やうつ等のおそれがある人、またはその状態にあり、通所サ
ービスの利用が困難である人が対象になります。保健師などが訪問し、生活機能に
関する問題を総合的に把握したうえで、必要とされる福祉サービスの利用相談・指
導、介護保険申請の説明(必要時)を行います。
現状と課題
本事業は、民生委員や医療機関など関係機関からの連絡を通して、介護保険の申
請や高齢者の福祉サービスにつなげる訪問が中心であり、介護認定が出て、そのま
ま介護サービスの利用となることが多い状況です。
今後は、民生委員やケアマネージャーなどとの連携を図り、認知症やうつ・閉じ
こもり等のおそれのある人の早期発見を図る必要があります。
今後の展開
認知症やうつ・閉じこもり予防を目的として、保健師などによる訪問を実施し、
29
利用者の状況に応じてより個別的な対応ができるように、民生委員をはじめ関係機
関と継続的な連絡調整を行います。
⑦介護予防マネジメント
内 容
要支援 1、要支援 2 と認定された方や要介護状態になるおそれのある方で介護予
防のためのサ-ビスを利用する方に対して、利用者本人や家族の希望を聞きながら、
利用者の状態に応じた介護予防ケアプランを通じて、要介護状態になることへの予
防を行なっています。
現状と課題
要支援1及び要支援 2 の認定件数は、平成 21 年度が 301 件、平成 22 年度が 373
件と増加し、それに合わせて、サービス利用も増えています。
■介護予防マネジメント(実績)■
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
要支援 1・2
28
35
34
介護予防
8
12
11
今後の展開
評価内容の充実を図り、事業が効果的かつ効率的に供給されるよう、適切なケア
マネジメントを実施し、高齢者の自立した生活の支援に努めます。
■介護予防マネジメント(目標)■
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
要支援 1・2
40
45
50
介護予防
12
13
14
30
2
いきいき生活
(1)在宅生活の支援
①配食サービス
内 容
在宅の一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯などに対し、ボランティアなどの
協力を得て、配食サービスを提供することで、高齢者の自立と生活の質の確保を図
るとともに、介護者の身体的・精神的な負担軽減を図ります。
また、安否確認を行う意味で、本人に手渡しで届けています。
対
象
65 歳以上の一人暮らし高齢者世帯、高齢者のみの世帯、障がい者世帯で、調理が
困難、または健康管理上、配食が必要な人。
現状と課題
配食サービスは、現在、1 食当り 50~60 食の利用がありますが、配食数が伸びて
いないため、利用しやすい配食方法などの検討が必要であるとともに、安否確認の
手段としての充実を図る必要があります。
■配食サービス(実績)■
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
利用者数(人)
103
102
112
延配食数(食)
8,856
8,280
7,959
3
3
3
実施回数/週
今後の展開
サービスが安定して提供できるようにするとともに、利用者が利用しやすい配食
の方法を検討するなど、事業の継続に努めます。
■配食サービス(目標)■
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
利用者数(人)
115
115
115
延配食数(食)
8,000
8,000
8,000
3
3
3
実施回数/週
31
②緊急通報装置貸与
内 容
一人暮らしの高齢者及び重度身体障がい者などに対し、緊急通報装置を貸与する
ことにより、急病や災害などの緊急時に迅速かつ適切な対応を図ります。
対
象
緊急時における連絡手段の確保が困難な人であって、おおむね 65 歳以上の虚弱な
一人暮らし高齢者及び寝たきり高齢者、またはこれに準ずるものを抱える高齢者の
みの世帯。
現状と課題
緊急通報装置は、心臓疾患や脳血管疾患のある独居高齢者、高齢者世帯に設置し
ており、年間 20 件程度の通報があります。
■緊急通報装置貸与(実績)■
平成 20 年度
設置台数(台)
延設置台数(台)
平成 21 年度
平成 22 年度
7
7
11
85
77
78
今後の展開
民生委員と連携のもと、一人暮らし高齢者や高齢者夫婦の実態把握を行い、サー
ビスが必要な人に提供できるよう努めます。
■緊急通報装置貸与(目標)■
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
設置台数(台)
10
10
10
延設置台数(台)
80
85
90
32
③救急医療情報キット
内 容
救急医療情報キットを給付することにより、急病などの緊急時にかけつけた人が
医療情報や緊急連絡先を把握することができ、迅速かつ適切な対応を図ります。
対
象
おおむね 65 歳以上の一人暮らし高齢者及び高齢者世帯、一人暮らし身体障がい者
またはこれに準ずる人。
現状と課題
救急医療情報キットは、急病などの緊急時での、対象者に対する迅速かつ適切な
対応を図る際に大きな役割を担っています。今後は救急連絡カードの更新、新規対
象者増加のためにPRが必要です。
■救急医療情報キット(実績)■
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
設置個数(個)
667
延設置人数(人)
838
今後の展開
新規の一人暮らし高齢者や高齢者夫婦に周知を行うとともに、救急連絡カードの
更新についても検討に努めます。
■救急医療情報キット(目標)■
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
設置個数(個)
730
760
790
延設置人数(人)
860
880
900
33
④介護用品給付サービス
内 容
在宅の寝たきり高齢者等に対して、在宅介護を支援する介護用品として、非課税
世帯は 5,000 円、本人のみ非課税者は 3,000 円相当の紙おむつを給付することによ
り、寝たきり高齢者などの、生活の質の向上を図り、その家族の身体的、精神的及
び経済的な負担の軽減を図ります。
対
象
おおむね 65 歳以上の要援護高齢者であって紙おむつを必要とする人。
現状と課題
本事業では、平成 22 年度より、組み合わせや数量を選択できるようにしましたが、
利用者数は、平成 22 年度は平成 20 年度に比べて、減少しています。
■介護用品給付サービス(実績)■
平成 20 年度
利用者数(人)
平成 21 年度
71
57
平成 22 年度
61
今後の展開
サービスの周知を図るとともに、選択できる紙おむつの種類を増やすなど利用者
が安心して快適なサービスが受けられるようサービスの維持に努めます。
■介護用品給付サービス(目標)■
平成 24 年度
利用者数(人)
平成 25 年度
65
68
34
平成 26 年度
70
⑤軽度生活援助サービス
内 容
在宅の一人暮らしの高齢者などが自立した日常生活を送れるよう、家庭内の軽易
な作業の援助を行います。
主な作業内容は、ホームヘルパーによる家事援助、家周りの手入れ、家屋内の軽
微な修繕や整理整頓などです。事業は町社会福祉協議会に委託しています。
対
象
日常生活の援助が必要なおおむね 65 歳以上の一人暮らし高齢者、高齢者のみの世
帯及びこれに準ずる世帯の高齢者。
また、ホームヘルパーによる家事援助の利用者は、介護認定で自立と認定された
高齢者で日常生活の援助が必要な人。
現状と課題
ホームヘルパーによる家事援助の利用者が現在少ないため、延利用時間数は減少
していますが、草とり等の軽作業サービスの需要は潜在的で、増加することが予想
されるため、今後も、より事業の周知を図る必要があります。
■軽度生活援助サービス(実績)■
平成 20 年度
利用者数(人)
延利用時間数(時間)
平成 21 年度
平成 22 年度
25
16
22
449
328
264
今後の展開
介護保険未申請の高齢者も含め広報等による事業の周知とともに、ケアマネージ
ャーへの周知も行います。
■軽度生活援助サービス(目標)■
平成 24 年度
利用者数(人)
延利用時間数(時間)
平成 25 年度
平成 26 年度
25
25
25
300
300
300
35
⑥寝具洗濯サービス
内 容
在宅の高齢者などに対し、寝具の衛生管理のための洗濯、乾燥、消毒のサービス
を行うことにより、清潔で快適な生活の確保を図るとともに、介護者の負担を軽減
するものです。
対
象
要介護 2 以上と認定された、おおむね 65 歳以上の高齢者及び身体障がい者で、老
衰、心身の障がい及び傷病などの理由により、寝具類の衛生管理が困難な人。
現状と課題
寝具洗濯サービスは、利用者数は減少しているものの、事業の継続は必要であり、
今後も事業の周知などを図る必要があります。
■寝具洗濯サービス(実績)■
平成 20 年度
利用者数(人)
平成 21 年度
5
平成 22 年度
6
3
今後の展開
広報「あしや」やケアマネージャーによる事業の周知に努めます。
■寝具洗濯サービス(目標)■
平成 24 年度
利用者数(人)
平成 25 年度
5
36
平成 26 年度
5
5
⑦住宅改造助成事業
内 容
高齢者が在宅で日常生活を送るための利便性を向上させるため、住宅改造にかか
る費用の一部(上限額 30 万円)を助成することにより、自立を促進するものです。
対
象
町民税非課税の世帯で、介護保険の要介護認定で要支援以上の認定を受けた人及
び身体障がい者 1、2 級などの人。
現状と課題
住宅改造助成件数は年間 1~2 件と横ばい傾向であり、今後はケアマネージャー等
に対して周知を行う必要があります。
住宅改造助成事業(実績)■
平成 20 年度
利用者数(人)
2
平成 21 年度
平成 22 年度
3
1
今後の展開
ケアマネージャーなどを通した事業の周知や利用者への積極的なアドバイス等を
行います。
住宅改造助成事業(目標)■
平成 24 年度
利用者数(人)
平成 25 年度
2
平成 26 年度
2
2
⑧家族介護教室
内 容
介護をしている家族や介護に興味がある人を対象に、食事や排泄の世話や移動の
介護についての講話や実習を行う教室です。
現状と課題
家族介護教室は、平成 23 年度より実施し、10 数名の参加がありました。
今後は、介護者の介護負担の軽減を図るために、介護保険サービスの紹介を実施
するとともに、介護をする家族が精神的な負担を軽減できるような場の提供が必要
です。
今後の展開
家族介護教室を通して、介護技術や知識を習得するとともに、介護者の心身の軽
減の場づくりに努めます。
37
⑨家庭介護者の会事業(芦屋町社会福祉協議会)
内 容
在宅で、寝たきり高齢者や認知症高齢者を介護している人を対象に、介護者の会
を平成 13 年度に設置し、介護者のニーズ把握、介護者交流事業、家族介護経験者に
よる相談、学習事業などを行います。
対
象
自宅で高齢者を介護している人。
現状と課題
家族介護教室との役割分担を踏まえ、事業実施に向けた検討が必要です。
今後の展開
家族介護者が気軽に参加できるよう、事業継続の検討を行います。
⑩日常生活用具貸与(芦屋町社会福祉協議会)
内
容
在宅の高齢者に対し、特殊寝台、腰掛便器、車椅子を貸与することにより、高齢
者の福祉向上と日常生活の自立支援を図り、同時に介護家族の介護負担軽減を図り
ます。
対
象
在宅の虚弱及び寝たきり高齢者。
現状と課題
年間の貸出件数は平成 20・21 年度 27 件、平成 22 年度は 41 件と年々増加傾向に
あります。今後は、車いすの台数を増やすとともに、ポータブルトイレの貸出につ
いては、衛生面での問題を踏まえた対応が必要です。
今後の展開
介護保険事業との連携を踏まえつつ、車いすを中心に事業の継続を図ります。
38
⑪巡回バス事業
内 容
高齢者、障がい者の生活交通を確保するため、また社会活動における移動手段と
して、町内を巡回するバスを運行しています。
現状と課題
巡回バスの利用者の延べ人数は、1 日約 120 人で、ほぼ横ばい状態で推移してい
ます。
バス停の設置場所やコース等についての住民からの要望があり、利用増を踏まえ
た増便やコース等の見直しが必要となっています。
今後の展開
芦屋町の幹線道路には、路線バスが運行していますが、歩行が困難な高齢者や障
がい者の生活交通の手段として、きめ細かい路線を運行する巡回バス事業の継続が
必要です。
⑫建物・道路などのバリアフリー化
現状と課題
道路については、段差や勾配についての基準に満たない歩道が見受けられ、バリ
アフリー化を推進していく必要があります。
また、公共施設については、町役場や各校区の公民館、町民会館は、平成 21~22
年度に改装し、車椅子等で移乗できるように、バリアフリー化しています。
今後は、高齢者が利用する建物を中心に、利用しやすい施設にするための検討が
必要です。
今後の展開
安全で身体的な負担のない、高齢者に配慮したまちづくりを整備するため、移動
しやすい生活空間の確保など道路や建物などのバリアフリー化の推進に努めます。
⑬在日外国人高齢者福祉手当
内 容
日本国籍を有しない高齢者に対し、月額 7,000 円の手当てを支給し、在日外国人
高齢者の福祉の増進を図ります。
対
象
大正 15 年以前に生まれた日本国籍を有しない人で、町内に1年以上登録され、か
つ公的年金や生活保護を受給していない人。
39
現状と課題
現在、受給者はいませんが、当分の間現在の制度を継続する必要があります。
今後の展開
今後も事業を継続していきます。
40
3.安全安心
(1)地域コミュニティの推進
①地域活動への参加促進
現状と課題
青少年の育成や子どもたちの見守りなどの地域活動の中心は高齢者です。
現在、各小学校区青少年健全育成会議の事業のあいさつ運動、子どもたちの見守
り活動は、各校区とも高齢者が中心に活動しています。
今後の展開
各小学校区の区青少年健全育成会議の事業への高齢者の参加をはじめ、地域で行
なわれる公民館活動や子どもたちの見守り活動などに、高齢者の豊富な知識や技術
を活用していきながら、社会参加の場の促進と地域ふれあいの場の拡充を図ります。
②地域ふれあいスポーツの普及
内
容
高齢者の健康増進、体力づくりを推進するため、町内の 2 つの総合型地域スポー
ツクラブへの支援を行っているとともに、高齢者も含め広く住民への参加を呼びか
けています。
現状と課題
平成 23 年 3 月に、
「芦屋町スポーツ振興計画」を策定し、生涯スポーツの振興を
図っています。
今後は総合型地域スポーツクラブの活動の活発化に向けての更なる支援が必要で
す。
今後の展開
地域住民による自主運営組織である総合型地域スポーツクラブ活動の活発化に向
けた取り組みを推進します。
41
③「愛のネットワーク」推進事業(芦屋町社会福祉協議会)
内 容
地域の住民が主体となり、地域の問題の発見や問題の解決に向けて取り組みを行
う中で、住民や関係機関・団体とのネットワークを作っていくとともに、その一連
の取り組み(プロセス)を通じて住民の「福祉力」や「自治能力」を高めていく活
動を行なうものです。
現状と課題
モデル地区方式により地区を増やす方向で事業を取り組んできました。
現在、5 地区(モデル地区実施 4 地区、自主的に取り組んだ地区 1 地区)で事業
を実施し、さらに、平成 23 年度より「地域支え合いマップ」を導入し、事業を実
施しています。
今後はさらに取り組む地区を増やしていく必要があります。
今後の展開
モデル地区指定事業を継続して実施するとともに、
「地域支え合いマップ」の有効
活用、外部講師による研修会などの実施を通して、継続した事業の推進を図ります。
(2)包括的支援
福岡県介護保険広域連合遠賀支部に設置されていた地域包括支援センターが、遠
賀郡では平成 24 年度から各町に設置され、高齢者の包括的支援を行います。
①総合相談・支援
内 容
介護保険サ-ビスだけでなく福祉や保健、医療についてなど、各種相談を広く受
け付け、制度の垣根にとらわれない横断的・多面的支援を行います。
現状と課題
高齢者に適切な総合相談や支援を行うために、専門性の高い相談員の配置や保健、
医療、福祉などの関係機関との連携などを図る必要があります。
今後の展開
個々の高齢者の心身の状況や家庭環境などの実態を把握し、介護サービスや関係
機関、制度に関する情報提供などの継続的・専門的な相談支援を行います。
また、個人情報の保護に配慮しながら、ケース会議などを通して、個別対応では
困難な事例の検討・調整を図ります。
42
②権利擁護事業
内 容
高齢者の人権や財産を守るため、成年後見制度の紹介、高齢者に対する虐待の防
止や早期発見のための地域との連携などを行います。
現状と課題
虐待対応マニュアルを作成し、高齢者虐待の研修会などで、虐待の周知・啓発を
行いました。
また、高齢者虐待防止ネットワークの構築など、虐待予防の体制整備のため、地
域包括支援センターの組織などについて検討する必要があります。
今後の展開
高齢者が人権や様々な権利を阻害されることがないよう、高齢者虐待防止ネット
ワークの構築など高齢者虐待の防止体制の整備や各種の福祉サービスの適切な利用
の支援など、権利擁護の取り組みを推進します。
③包括的・継続的マネジメント
内
容
高齢者を直接支えるだけでなく、地域ケアマネージャーの指導・支援や福祉事業
者などの関係機関とのネットワ-クづくりを行うことにより、間接的に高齢者を支
援するものです。
現状と課題
「主治医と面接しやすい時間帯の一覧表」を作成し、配布しました。
ケアマネージャーからの相談に対し、町の関係機関、介護サービス事業所などと
連携をとり、不安の軽減を図っています。
今後の展開
地域におけるケアマネージャーのネットワーク体制の構築などに取り組みます。
また、困難事例への支援も実施していきます。
43
④認知症高齢者への支援
現状と課題
認知症高齢者に対しては、医療や福祉との連携による対策に取り組むとともに、
地域においては、民生委員の協力のもと、訪問などの見守りを実施しています。
また、認知症サポーター研修を配食ボランティアの方たちに実施し、もの忘れ外
来一覧の相談者への配布等を行っています。
今後の展開
地域住民の認知症に関する知識や理解を深めるため、広報「あしや」などによる
情報提供、認知症サポーター研修などの学習機会を通して、認知症高齢者を地域全
体で受容できるような環境づくりに努めます。
また、早期発見で適切な対応を取ることが大切であり、専門医の配置のほか、人
権には十分に配慮しながら、家族や地域を含めた関係者との情報交換、また早期発
見につながるような訪問指導や相談などにも対応できる体制の整備を図ります。
⑤はいかい高齢者SOSネットワーク
内
容
認知症高齢者及び要援護者が徘徊行動などにより行方不明になった場合に、折尾
警察署を中心に、関係機関・団体に相互に連携し、早期発見・早期保護及び適切な
事後処置を行います。
現状と課題
対象者の登録内容は、警察等の捜索に有効に利用されていますが、新規の登録数
が減少しています。
今後の展開
事業には事前登録が必要となるため、事業の周知などを通して、登録数の増加を
図るなど事業の継続、充実に努めます。
(3)防災対策の充実
①高齢者のための防災体制の充実
現状と課題
高齢者にとって災害時の対応は、身体機能の低下などにより、迅速で、的確な行
動ができないのが実情です。
芦屋町では、災害などが発生した場合、高齢者や障がい者などが円滑迅速に避難
することが出来るよう、災害時要援護者避難支援プランを作成しました。
今後は、要援護者支援システムを導入し、災害時要援護者支援プランがうまく機
能していくためにも、自治区内に居住する要支援者を、災害から救出できる体制づ
44
くりを構築していく必要があります。
今後の展開
高齢者を災害から守るため、
「災害時要援護者支援プラン」に基づく要援護高齢者
の把握と救出するための体制づくりの構築を図るとともに、地域での連携の重要性
と近隣における要援護高齢者の情報を、個人情報保護の視点を踏まえて、極力共有
化できる仕組みを検討します。
また、避難場所や経路等の見直しや一人暮らし高齢者など高齢者等要援護者を対
象とした昼間での防災訓練の検討を行います。
(4)介護基盤の整備
①特別養護老人ホームなどの施設サービスの充実
内 容
介護が必要で、自宅での介護が難しい人が入所し、食事・入浴・排せつなどの介
助、機能訓練、健康管理などを行う施設サービスです。
現状と課題
現在、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設が各1施設、グ
ループホームが 2 施設あります。
平成 22 年度 10 月現在の芦屋町の施設入所者は 177 人です。入所申込者は約 100
人で、その 4 割強が自宅待機者です。アンケートでも約 30%の高齢者が施設サービ
スの整備を希望しています。
今後の展開
在宅での生活が難しい要介護者や介護者の介護負担の軽減のため、施設で介護が
できるよう、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などの増設について、福岡
県や福岡県介護保険広域連合に働きかけます。また、緊急性の高いケースの場合、
ショートステイで対応するなど施設に呼びかけます。
②在宅サービスの充実
内 容
要介護・要支援認定者が安全に在宅生活を送る目的で、ケアマネージャーの計画
のもと、事業者がホームヘルプやデイサービス、ショートステイ、訪問看護、訪問
リハビリなど介護保険サービスを提供します。
現状と課題
現在、ケアマネージャーが毎月約 550 件の在宅支援サービスの介護計画を立てて
います。町内だけでなく、近隣の市町のサービス事業者も利用されています。
45
今後の展開
高齢化の進展や要介護者の増加により、サービス利用の増加が予想されます。
また、夜間・休日など対応できるサービスが求められており、利用者の希望に沿っ
たサービスができるよう、今後も広域連合と連携をとりながら在宅サービスの質の
充実に努めます。
46
4.気力充実
(1)生きがいづくりの支援
①敬老祝金
内 容
長寿を祝福し、70 歳、77 歳、88 歳及び 100 歳の人に、それぞれの年齢に応じ
た敬老祝金を支給しています。
現状と課題
高齢者の増加に伴う財政負担の増加も懸念されますが、長年取り組んできており、
住民にも定着した事業でもあることから、事業の継続が求められています。
今後の展開
継続して事業を実施していきます。
②敬老会
内
容
多年にわたり社会に貢献してきた高齢者(70 歳以上)の長寿を祝うため、式典及
びアトラクションを実施し、記念品を贈呈しています。
現状と課題
敬老会へは対象者の 3 割程度が参加し、9 割の方が記念品を受け取っています。
今後は、アトラクションの内容充実などを検討し、参加者増への対応を図ってい
く必要があります。
今後の展開
敬老会は、町内の高齢者同士の交流を促進するものであり、また、参加者にはア
トラクション等により楽しんでいただいているため、式の進め方等の見直しを含め
今後も引き続き実施していきます。
47
③高齢者能力活用事業の充実
内 容
高齢者に対し、長年にわたって培われた豊富な経験や能力を生かして、植木の手
入れ、大工仕事、清掃など幅広い分野で、技術が発揮できる場を提供するものです。
現状と課題
現在、90 名程度の登録があり、高齢者の就業の場の提供となっているとともに、
年々登録者数も増加しています。
今後は、登録者の技術向上などに向けた教育の充実が必要です。
今後の展開
今後も働きたいという意欲のある高齢者に対し働く機会が確保できるように人材
バンクとしての事業の充実を図るとともに、高齢者の技術向上に向けての登録者の
教育の充実を図ります。併せて、情報の収集、提供の充実に努めます。
④高齢者集いの場の整備
現状と課題
憩の家は 3 施設とも、ほぼ毎日同好会活動や入浴が行われていますが、利用者の
固定化と施設の老朽化が進んでいます。
多くの公園には、子ども向けの遊具が設置されていますが、近年、健康志向の高
まりから、ウォーキングを楽しむ高齢者が増えてきています。そのようなニーズに
対応した公園の整備が課題となっています。
今後の展開
老人憩の家は、老朽化が進んでいるため、建て替えを含め検討を行っていきます。
また、高齢者の健康増進を目的として、地域の公園に健康遊具などの設置を検討
します。
48
(2)ボランティア活動などの支援
①ボランティア・サークルの支援
現状と課題
芦屋町では、ボランティア活動センターが平成 21 年度に設立され、現在、32 の
ボランティア団体が登録されています。
芦屋町社会福祉協議会では、リボンの会を中心とした福祉のボランティア支援を
行っています。
しかし、メンバーの高齢化、後継者の不足などがあり、今後は、新規のメンバー
の育成が必要であるとともに、高齢者に知られていないボランティアについての周
知を図る必要があります。
今後の展開
多種多様なボランティア活動が求められている中、ボランティア活動センターや
社会福祉協議会が中心となって学級・講座などを通してサークルの育成を図るとと
もに、新規メンバーの育成やボランティア活動の周知を図るための場や機会の創出
に努め、高齢者が参加しやすい情報の提供などに努めます。
②老人クラブ活動の支援
現状と課題
老人クラブを通して、高齢者が身近な地域で社会奉仕やいきがい活動を行うこと
により、コミュニケーションの活性化、閉じこもりの防止、健康の維持が図られて
いますが、老人クラブへの加入者は年々減少しています。
現在、活動の維持は、会員の減少や高齢化により困難な状況となりつつあります。
今後は、会員の固定化、高齢化への対応のため、新規会員加入などへの取り組み
が必要です。
今後の展開
災害時での地域からの支援が受けやすい等のメリットを踏まえ、会員の減少化傾
向にある老人クラブへの加入促進を図ります。
また、補助金事業を継続することにより、老人クラブの財政面での支援を行い、
活動の継続及び活性化を支援します。
49
(3)生涯学習の充実
①公民館活動の活性化
現状と課題
公民館は、住民の生涯学習の拠点であるとともに、様々な地域課題を解決する場
でもあります。
高齢者を対象とした公民館活動として、祖父母学級を各校区単独で運営していま
す。祖父母学級生であればどこの校区の祖父母学級の講座に参加できるようにし、
祖父母学級間の交流を促進しています。
今後の展開
生涯学習の視点から、高齢者のニーズにあった講座の開設を検討します。
祖父母学級については、会員の確保を図り、PRを実施するとともに、高齢者自
身の企画のもとで運営し、生きがい対策の核となるよう内容の充実を図ります。
②スポーツ・レクリエーション活動の充実
現状と課題
高齢者の心身の健康管理や住民同志のふれあい、交流を目的とするスポーツ・レ
クリエーション活動は、地域スポーツや団体での活動を通して活発に行われていま
すが、高齢者においては、体育協会主催のグランドゴルフ大会への参加が多く、日
常化しています。
今後は、住民同志のふれあい、交流を目的としたスポーツ・レクリエーションへ
の取り組みが必要です。
今後の展開
関係機関・団体と連携のもと、グランドゴルフなど日常的スポーツを通して、高
齢者の健康づくりや地域コミュニティの形成などを図ります。
また、だれでもが参加できるスポーツ・レクリエーションの導入、普及を図りま
す。
③文化活動の促進
現状と課題
高齢者の生活のゆとりづくりや生きがいづくりにおいて、文化に接する機会は大
切です。
現在、芦屋町においては郷土史会の自主的研究活動に対して援助及び指導を行っ
ています。
また、俳句愛好者の会などにも情報提供を積極的に行っています。
今後は、学校・文化協会・伝統芸能継承団体とのより緊密な連携が必要です。
50
今後の展開
学校・文化協会・伝統芸能継承団体との緊密な連携のもと、高齢者と地域の人た
ちが一緒に参加できる教室の開催や大会、同好会などの文化活動の機会を拡充し、
活動内容の充実や情報提供に努めます。
④世代間交流の推進
現状と課題
核家族化、少子化が進行するなか、子どもたちが成長していく上で、高齢者との
交流は貴重な体験となります。
芦屋町では、各小学校区青少年健全育成会議の事業の一つとして、校区コミュニ
ティ育成活動があり、その中で学校と地域の交流、家族・異年齢の交流事業が毎年
行われており、これら事業への支援を行っています。
今後、各小学校区青少年健全育成会議、青少年健全育成町民会議の活動内容の住
民へのさらなる周知が必要です。
今後の展開
各小学校区青少年健全育成会議、青少年健全育成町民会議の取り組みを中心に、
校区単位で地域の教育力の向上や子どもたちの交流の機会を拡充し、世代間交流を
促進するとともに、両会議の活動内容について、地域への周知を図ります。
また、高齢者自身がこれらの交流活動に参加できるよう、地域での声かけなど身
近な取り組みを支援します。
51