2016/11/8 「ブラジル国における活動報告(NPO 法人土砂災害防止広報センター:SPC の資料活用)」 国際航業株式会社 郡 典宏 (はじめに) 2016 年 10 月にブラジル国における学会イベント(COBRAMSEG/SBMR 2016)、及び同国における JICA の自然災害リスク管理プロジェクトの技術移転支援役として参加する機会がありました。この活動 には各関係機関から貴重な資料を提供していただき、また上映や資料配布に関して許可をいただきまし た。 本文はイベント及び研修用に資料提供をいただいた NPO 法人:土砂災害防止広報センター(SPC)様 の資料活用について報告するものです。なお土砂災害防止広報センター様は、所管する CG 映像の映写 許可やポルトガル語版資料の配布等に関して特別にご配慮いただきました。 報告にあたり、記して深謝の意を表します。 1) イベント名:COBRAMSEG/SBMR 2016 http://cobramseg2016.com.br/ 開催期間:2016 年 10 月 19∼22 日 場所:ブラジル国ミナスジェライス州ベロオリゾンテ 本イベントは、学術・民間企業等によるブラジル地盤・地質工学コミュニティの集会であり 18 回目 となります。 本イベントの中で、ブラジル土質・地盤工学会議、岩盤・岩石力学シンポジウム、南米の若手地盤 及び地質技術者シンポジウム、地質工学教育国際会議が開催され、ブラジル国内や周辺国から関係 する技術者、研究者、学生等が一堂に会する学術イベントです。 本イベントのプログラムの中で、現在、JICA 案件の「ブラジル国統合自然災害リスク管理国家戦略 強化プロジェクト(以下 JICA プロジェクト)」の成果・進捗報告が発表されました。 (JICA 長期専門家:山越隆雄氏:国交省出向が発表) なお後日の報告では、同学会の参加者は約 1,300 名、ブース参加者は約 500 名とのことです。 (イベント会場の入り口の状況) 1 このイベント発表に関連して、JICA プロジェクトに参画している八千代エンジニアリング株式会社 様と弊社:国際航業株式会社が JV で、日本の砂防技術の動向等を紹介するブース展示を出展いたし ました。 (基本的には八千代エンジニアリング様がハード系、国際航業がソフト系のコンテンツ紹介 として役割を分担いたしました) (八千代エンジニアリング、国際航業 JV 企業ブースの状況) ブラジル国の公用言語がポルトガル語とのことで、土砂災害防止法や砂防基盤図作成を紹介する翻 訳ポスターのほか、わが国の砂防事業や土砂災害の実態に関する各種映像コンテンツを各関係機関 (全国治水砂防協会様、土砂災害防止広報センター:SPC 様、国交省紀伊山地砂防事務所様等)の ご許可をいただき、40 インチの大型デイスプレーで映写いたしました。 土砂災害防止広報センター様におかれましては、代表的な土砂移動の実写映像や土石流、崩壊、地 すべりに関する CG 映像の上映の許可をいただきました。 (映写している土砂移動現象の CG、土砂災害防止広報センター:SPC 提供) また土砂災害防止広報センター様が既往作成されていた以下のポルトガル語の関係資料について、 複写配布の許可をいただき印刷して持参し、ブースに立ち寄った方に配布いたしました。 ① 土砂災害防止副読本:土砂災害から命を守る(ポルトガル語版) ⇒ 200 部を印刷製本し、現地に持ち込みました。 ② 土砂災害のイラスト集(土砂災害とは、土砂災害をふせぐ砂防、土砂災害のまえぶれ、災害へ の備え) ⇒ ご提供いただいたイラストの解説部分を、ご承諾いただいた上でポルトガル語に翻訳し、 チラシ印刷し 300 部を現地に持ち込みました。 2 ① 土砂災害防止副読本:土砂災害から命を守る (ポルトガル語版) ② 土砂災害のイラスト集(説明ポルトガル語翻訳) 来場者の感想等について 来訪者の専門技術領域や立場により、感想や反応は様々でした。 しかし砂防や防災分野のソフト対策における具体的コンテンツとして、評価は高かったと 思われます。 特に①のポルトガル語版副読本が、日本在住のブラジル人向けに既に作成されて配布され ていると伝えると、感心されることが多かったように思います。 また②のイラストチラシも、特に防災教材としての必要性や有用性を認識されたようでし た。 今回はポルトガル語版のみを用意しましたが、周辺国からの参加者に英語版についても聞 かれたので、記載した URL を示し英語版も入手できる旨を伝えました。 3 2) サンタカタリーナ州ブルメナウ市における技術移転支援 開催期間:2016 年 10 月 24∼26 日 場所:ブラジル国サンタカタリーナ州ブルメナウ市 ブラジル南部のサンタカタリーナ州ブルメナウ市は、2008 年の土砂災害で 28 名が犠牲になりまし た。 このため JICA プロジェクトでは同市を対象としたパイロット事業として、土砂災害に対するマッピ ングや土砂災害対策のマニュアル開発のプロジェクトを展開しています。 今回、JICA 長期専門家の山越隆雄氏、弊社作業担当の西村智博の技術ミーテイングに、技術移転支 援役として同席、参加いたしました。 ミーテイングの内容は、マニュアルの妥当性評価や実践における課題抽出、及び現地における確認 調査等多岐に及びました。 その中で今回特に日本から来たとの事で、若干の時間をいただき先述の学会イベントで使用した土 砂動態の CG や実写映像の上映と説明、また SPC 様から提供されたポルトガル語版の副読本やイラ ストチラシについて説明し提供いたしました。 ブラジル国側の主な参加者は以下の方々です。 ブルメナウ市 市民防災局 地質・自然災害分析部長 マウリシオ氏 同 エロイー氏 鉱山エネルギー省地質サービス局 ジオーゴ氏 (ブルメナウ市庁舎) (ミーテイングの状況) (SPC 資料の説明) (現地調査の状況) 4
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