今後のIT人材育成施策について

METI
Ministry of Economy,
Trade and Industry
今後のIT人材育成施策について
平成18年11月20日
経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課
課長補佐 小川 要
目次
P 2
1.情報サービス・ソフトウェア産業の現状
2.情報サービス・ソフトウェア産業の目指すべき P 8
方向性
P13
3.IT人材を取り巻く状況
P19
4.経済産業省のIT人材育成施策
5.IT人材育成施策の今後の方向性
P35
1
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1.情報サービス・ソフトウェア産業の現状
1−1 情報サービス産業の売上高・従業員数の推移
■ 我が国の情報サービス産業は、平成16年で売上高14.5兆円、従業員数53万人。平成6年の産業規模
(6.2兆円、42万人)から着実に成長。我が国基幹産業といわれる他産業と遜色ない規模。
人
情報サービス産業の売上高・従業員数の推移
百万円
【情報サービス産業】
16,000,000
600,000
14,000,000
500,000
12,000,000
400,000
8,000,000
6,000,000
200,000
4,000,000
100,000
売上高
従業員数
2,000,000
0
0
56年 60年 平成元年 5年
【他産業の売上高】
繊維産業(製造分野):
8.1兆円(平成12年)
鉄鋼業:
12.0兆円(平成15年)
9年
出典:「特定サービス産業実態調査」
経済産業省
13年
【他産業の従業員数】
自動車製造産業:
43.2兆円(平成14年)
繊維産業(製造分野):
68.0万人(平成12年)
自動車製造産業:
71.9万人(平成14年)
※アパレル・小売を含めると183万人
※アパレル・小売を含めると47.2兆円
出典:(社)日本自動車工業会
売上高 14.5兆円
従業員数 53万人
10,000,000
300,000
昭和48年 52年
(平成16年)
電気・電子産業(ハード):
45兆円(平成16年)
経済産業省「工業統計」
鉄鋼業:
21.0万人(平成15年)
電気・電子産業(ハード):
196万人(平成16年)
内閣府「国民経済計算年報」、総務省「労働力調査」、経済産業省「平成16年簡易延長産業連関表」
3
1ー2 情報サービス関連企業の世界市場シェア
日本のソリューション企業は、現状でもグローバル競争の主要プレイヤーたり得ていない。
世界市場における企業別シェア
EDS
3.4%
IBM
7.6%
ヒューレット・パッ
カード
2.3%
(単位:百万ドル)
2003年
IBM
EDS
富士通
ヒューレット・パッカード
アクセンチュア
コンピューターサイエンス
その他
世界市場合計
42,635
20,610
16,934
13,105
12,150
13,005
452,173
570,612
2004年
46,423
20,601
16,860
14,193
14,142
14,032
481,565
607,816
富士通
2.8%
アクセンチュア
2.3%
その他
79.2%
コンピューターサ
イエンス
2.3%
出所:ガートナーデータクエスト(平成17年2月)
4
1ー3 情報サービス関連企業利益率の国際比較
我が国主要企業の成長率は低迷し、売上高・営業利益率共に低下傾向。
情報サービス・ソフトウェア産業における主要企業の売上高・同利益率
売上高営業利益率︵%︶
50.0%
欧米A社
45.0%
アジアQ社
40.0%
1995年
35.0%
日本P社
欧米C社
2000年
30.0%
25.0%
2004年
アジアR社
欧米D社
アジアS社
欧米企業
欧米E社
15.0%
・日本J社
・日本K社
・日本L社
・日本M社
・日本N社等
日本企業
欧米B社
20.0%
アジア企業
欧米F社
10.0%
日本G社
5.0%
日本H社
日本O社
0.0%
0.0
-5.0%
10.0
20.0
30.0
40.0
日本I社
50.0
60.0
70.0
80.0
90.0
売上高
100.0 (10億US$)
-10.0%
-15.0%
出所:各企業アニュアルレポート等(単独決算ベース)
5
1−4 ソフトウェアの輸出入状況
■ ソフトウェアの輸出入状況は、圧倒的な輸入超過であり、その比率は輸出1に対して輸入
が約30となる。
出典:「ソフトウェア輸出入統計調査 2003年実績」
(社) 日本電子情報技術産業協会
(社) 日本パーソナルコンピューターソフトウェア協会
(社) 情報サービス産業協会
6
1−5 多重下請構造による不透明な産業構造
情報サービス・ソフトウェア産業は、固定的な多重下請ピラミッド構造となっている。
ユーザ企業(弱い発注コーディネーション能力)
責任範囲が不明確
一括請負
パッケージ
ベンダ
元請け
・・・
1次請け
1次請け
数社
・・・
・・・
2次請け
3次
4次
2次請け
3次
4次
3次
4次
2次請け
3次
4次
2次請け
3次
・・・
・・・
数十社
数百社
数千社
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
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2.情報サービス・ソフトウェア産業の目指すべき方向性
産業構造審議会情報経済分科会情報サービス・ソフトウェア小委員会 中間とりまとめ
2−1 「情報サービス・ソフトウェア産業維新」の概要
【情報サービス・ソフトウェア産業の現状】
○我が国製造業を支える基盤産業 (自動車においてソフトの占める割合は 2002年 20% → 2015年(予測) 40%)
○情報サービス・ソフトウェア産業は、年間売上高 約14.5兆円、就業者数 約60万人の大きな市場
○IT経営の確立による経済成長への寄与度は0.4% (新経済成長戦略(2006年6月)より)
【課題】
【在るべき姿】<産業維新>
○信頼性への懸念増大
(例)東証システムの不具合事例
○取引の不透明性
(例)投下労働力(人数×時間)による価格設定
○欧米系企業による寡占化・圧倒的輸入超過
【変革のきざし】
○「IT投資価値」に基づく取引の
○先導的なCIO※による高度なIT経営の登場 ○グーグルを始めとするインターネット利用
実現
※情報戦略統括役員
の高度化 等
(例)ソフトウェアは輸出に対し30倍の輸入超過
【具体的取組】
Ⅰ.産業構造・市場取引の可視化
∼情報サービス産業を「課題解決サービス提供産業」に∼
○モデル契約の策定による、取引関係・役割分担を可視化
○「情報システムの信頼性」「人材のスキル」「IT投資価値」を測定
する三指標による企業能力の可視化
*保険制度・紛争処理・政府調達のインセンティブを付与
○協調(オープン化)と競争の
調和によるたゆまぬ技術革新
Ⅱ.イノベーションの促進
∼ソフトウェア産業を「サービス基盤提供産業」に∼
○オープンスタンダードを推進するための環境整備
(例)ソフトウェア特許権の濫用制限
○ソフトウェア開発の生産性向上
(例)ソフトウェア工学の実証的研究の推進
○戦略的技術開発の促進及びこれに基づくサービス基盤の提供
(例)次世代検索エンジン、組込み(部品型)ソフト開発技術
Ⅲ.高度人材の育成 (情報サービス・ソフトウェア産業の構造改革を下支え)
○IT人材価値の可視化・・・ITスキル標準と情報処理技術者試験の統合
○産学連携強化・・・IT教材、カリキュラム、教授法の標準化
○天才の育成支援・・・独創的クリエータ発掘事業の強化
○アジアIT人材の流動化・・・アジア統一IT試験の導入
9
2−2 情報サービス産業構造・市場の在るべき姿①
ユーザ・ベンダ間、ベンダ間での機能・役割分担を明確化し、実力のあるプレイヤーが多様な機能
の提供をユーザに対して行えるような産業構造になることが重要。
ソフトウェア
ライフサイクル
プロセス
企画
要件定義
設計
製造
試験
運用
保守
産
ユーザ企業(弱い発注コーディネーション能力)
業
現状
一括請負(機能未分化)
1次請け
2次請け
構
・・・
プライムコントラクタ
・・・
1次請け
2次請け
2次請け
・・・
・・・
パッケージベンダ
・・・
運用
1次請け
2次請け
2次請け
・・・
2次請け
・・・
・・・
ユーザ企業(自身)
ユーザ企業子会社
プライムコントラクタ子会社等
ユーザ企業(強い発注コーディネーション能力)
造
例①
運用
コーディング
在るべき姿
※ユーザ企業自身で対応
契約範囲
パッケージ
ベンダ
・・・
契約主体
パッケージ
ベンダ
※ユーザ企業
自身で対応
ユーザ企業(自身)
運用・保守工程
特化企業等
契約関係
(注)上記の記述の中で、企画段階においては、ベンダからの業務改革提案を含む。
ベンダからの当該提案に基づく業務改革(BPR:Business Process Reengineering)をするに当たっては、ユーザ企業がベンダ企業に業務を含めたアウトソ
ーシング(BPO:Business Process Outsourcing)をすることもあれば、ユーザ企業自社で運用・保守することも考えられる。
10
2−3 情報サービス産業構造・市場の在るべき姿②
ソフトウェア
ライフサイクル
プロセス
企画
要件定義
設計
製造
試験
運用
保守
ユーザ企業(強い発注コーディネーション能力)
産
在るべき姿
プロジェクトマネジメント
運用
プロジェクトマネジメント特化企業等
例②
企画
見積もり等
見積もり等
特化企業
業
コンサルティング
企業等
設計
コーディング
セキュリティ特化企業等
設計工程特化企業等
テスト
試験工程
特化企業等
パッケージベンダ
プログラム開発企業
ユーザ企業(自身)
運用・保守工程
特化企業等
ユーザ企業(強い発注コーディネーション能力)
在るべき姿
構
例③
一括請負(機能分化)
・・・
1次請け
運用
プライムコントラクタ
1次請け
・・・
パッケージベンダ
1次請け
ユーザ企業(自身)
運用・保守工程
特化企業等
ユーザ企業(強い発注コーディネーション能力)
造
在るべき姿
例④
BPO(業務を含むアウトソーシング)
1次請け
・・・
プライムコントラクタ
1次請け
契約範囲
・・・
パッケージベンダ
運用・保守工程
特化企業等
1次請け
契約主体
契約関係
(注)上記の記述の中で、企画段階においては、ベンダからの業務改革提案を含む。
ベンダからの当該提案に基づく業務改革(BPR:Business Process Reengineering)をするに当たっては、ユーザ企業がベンダ企業に業務を含めたアウトソ
ーシング(BPO:Business Process Outsourcing)をすることもあれば、ユーザ企業自社で運用・保守することも考えられる。
11
2−4 情報サービス産業構造・市場の透明化
在るべき姿になるために
【可視化ツールの整備】
【「取引」「産業構造」の可視化】
情報システム取引・産業構造の可視化
○情報サービス取引の可視化・標準化促進(
SLA(Service Level Agreement)、
ISO/IEC20000の活用促進)。
○情報システムのライフサイクルプロセスの
標準化である「ソフトウェアライフサイクルプロセス(
SLCP)の改訂、民間取引のモデルとなる契
約書・契約プロセスを策定
【「価値」の可視化】
特に可視化の遅れている情報システム価値の構
成3要素(信頼性・人材・ユーザにとっての付加
価値)を可視化
○三指標の整備
①信頼性 →「信頼性評価指標」、
②ユーザにとっての付加価値
→「IT投資価値実現ガイドライン」
③人材スキル →「スキル評価ガイドライン」
○上記三指標に基づいた市場の可視化の促進
【可視化ツールの活用策】
【民間における活用】
○履行保証・瑕疵担保保険
制度の創設
①モデル契約書・契約プロ
セス、SLCP・三指標の活
用案件にのみ適用
②トラックレコードができる
までの公的支援
【政府調達における活用】
○政府調達の参入基準への
導入
①重要インフラ構築への参
入条件
②政府調達指針への記載
(総合評価落札方式の技術
点とする等)
【効果】
• 情報システム構築後の
不具合修正リスクへの
対応
• ユーザにとって、企業
体力の有無にとらわれ
ず、技術力のある企業
を選択肢として選択が
可能
ユーザにとって必要な
情報システムを、適切
な品質・価格・納期で提
供可能に。
• 政府のベストプラクティ
スを通じて、民間取引へ
波及し、ユーザ企業の情
報システムの高度化
• 重要インフラの情報シス
テムの高度化
12
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3.IT人材を取り巻く現状
3−1 雇用判断 ∼従業者の充足感∼
■ 近年、従業者数の不足感が高まりつつある。
雇用判断(従業者数の充足感)
100.0
50.0
不足(A)
過剰(B)
DI(A-B)
2006.6
2005.12
2005.6
2004.12
2004.6
2003.12
2003.6
2002.12
2002.6
2001.12
2001.6
2000.12
2000.6
0.0
-50.0
※便宜上、「不足」をプラス値、「過剰」をマイナス値にして作図している。
DI:景気動向指数
資料:経済産業省「特定サービス産業動態統計」
14
3−2 IT産業の魅力の欠如
■ 近年、情報工学系学部の志願倍率は低迷。
■ また、理系学生はIT産業に魅力を感じなくなっている。
■ 理系学生が魅力を感じる業種 (N=2492)
■ 情報工学系学部学科の志願倍率 (N=76)
5.0
倍
20%
国公立情報系学科(N=76)
情報系(旧帝大+東工大)
国公立大学
15%
13.3%
14.0%
12.6%
4.0
14.3%
10%
8.3%
13.3%
12.4%
7.3%
3.0
5%
6.9%
電子・電気機器
情報・調査・コンサルタント
ソフトウェア
0%
2.0
2003年
2004年
2005年
▲ 文部科学省、大手予備校のデータを基に、国公立大学全
体、及び全国の主な国公立大学の情報工学系学部の志願
倍率(前記日程)平均値を算出 (みずほ情報総研作成)
2003年
2004年
2005年
▲ 毎日コミュニケーションズ
(http://navi.mycom.co.jp/saponet/)の
「魅力を感じている業種(理系総合)」の調査結果
より、みずほ情報総研作成
15
3−3 情報サービス産業における就職・退職状況
■ 新卒採用が減少傾向にあるとともに、退職者数は増加している。
情報サービス産業への就職・退職の状況
(人)
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
中途採用,
6,204
新卒採用,
14,393
合計, 8,036
中途採用,
4,474
新卒採用,
12,549
-10,000
新卒採用,
10,254
合計, 4,524
合計, 1,875
0
-5,000
中途採用,
6,418
2001年度
2002年度
退職者数,
12,561
退職者数,
12,499
2003年度
退職者数,
14,797
-15,000
-20,000
資料:(社)情報サービス産業協会「情報産業基本統計調査」より作成 16
3−4 不足している人材の職種
■ プロジェクトマネジメントができる人材が圧倒的に不足。また、セールス・マーケティングやコン
サルタントといった上流工程の人材が不足。
■ 協力企業における主要人材に比べて、ユーザーとの直接取引を行う企業(プライム企業)に
おける主要人材の不足感が高い。
職種別人材の不足観(%)
2.1
カスタマーサービス・オ
ペレーション
ソフトウェアデベロップメ
ント
アプリケーションスペシャ
リスト
ITスペシャリスト
プロジェクトマネージメン
ト
ITアーキテクト
コンサルタント
セールス
・マーケティング
90.8
100
80 60.5
44.1
60
33.3 28.2
40
19
9.2
20
0
上流工程
下流工程
プライム企業の主要人材
協力企業の主要人材
(出所: 情報サービス産業協会、「事業者アンケート調査」、平成16年度)
17
3−5 アジアの状況
■ 中国、インドにおいては、IT産業を目指す者が増加傾向。
【中国コンピュータソフトウェア専門技術水準試験応募者数(千人) 】
200
171
180
178
160
128
140
120
100
119
95
80
60
【インドにおける高等教育機関IT関連学科の卒業者数(千人) 】
40
20
350
0
300
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
出典: 独立行政法人情報処理推進機構
303
280
246
250
200
179
201
150
100
50
0
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
出典: NASSCOM (National Association of Software and Service Companies)
18
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4.これまでのIT人材育成政策
○情報処理技術者試験(1969∼)
○ITスキル標準(2002∼)
○組込みスキル標準 (2005∼)
○情報システムユーザスキル標準(2006∼)
4−1 IT人材育成施策の歴史
量的キャッチアップフェーズ
◆情報処理振興促進法の制定1970年)
→情報処理技術者試験の法制化
◆産構審情報化人材委(1987年)
→2000年にプログラマが97万人
不足すると予測:ソフトウェアクライシス
情報大学校構想の提言(情報系
専門学校の認定)
情報処理技術者試験
(1969年∼)
ソフトウェア・
プログラム開発
◆地域ソフト法の制定(1989年)
→ソフト供給力の地域ギャップ解消
3セク研修機関の設置・支援
◆産構審情報化人材委(1994年)
→17種類の情報化人材像及び
標準カリキュラムの策定
◆地域ソフト法の失効(1999年)
◆産構審情報化人材委(1999年)
→専門学校認定制度の廃止
情報化人材像の見直し
情処試験のカリキュラム準拠を廃止
質的差異化
フェーズ
◆ITコーディネータ制度の立上げ(2001年)
◆ITスキル標準の立ち上げ(2002年)
◆組込スキル標準の立ち上げ (2005年)
◆情報システムユーザスキル標準
の立ち上げ(2006年)
標準カリキュラム・
情報処理技術者試験
(1994年∼)
情報システム
の構築
ITコーディネータ
(2001年∼)
ITスキル標準
(2002年∼)
中堅中小
企業ユーザ
ソリューション
ビジネス
組込みスキル
標準
(2005年∼)
情報システムユーザ
スキル標準
(2006年∼)
製造業
全ての産業
業種・領域・分野の拡がり
20
4−2 情報処理技術者試験の概要
(NW) (DB) (SM) (ES) (SV)
(AN)
(PM)
(AE)
3.0万人
1.2万人
(2.9万人)
5千人
5千人 1.4万人 1.2万人
2.3万人
ソフトウェア開発技術者試験(SW)
基本情報技術者試験(FE)
(SU)
上級システム
アドミニストレータ試験
情 報 セ キ ュリ テ ィ
システム管理
データベース
ネットワーク
m
エンベデッド システム
テクニカルエンジニア試験
情報セキュリティ
アドミニストレータ試験
情報システム
利用側
情報システム開発・運用側
ア プ リ ケ ー シ ョン
エン ジ ニア 試 験
システムアナリスト試験
システム監査技術者試験
(AU)
9千人
プ ロ ジ ェク ト
マネ ー ジ ャ試 験
独立
年1回
実施
(SD)
4.2万人 4千人
12.4万人
20.7万人
15.7万人
初級システム
アドミニストレータ試験
17.6 万人
(AD) 50.7万人
年2回
実施
2006年春試験より新設(2.9万人が申し込み)
2005年度は試験区分全体で66.4万人の申し込み、7.4万人が合格
21
4−3 情報処理技術者試験の現状
4−3 情報処理技術者試験の現状 ■ 現在は、14の試験区分で実施。
■ 合格率は総じて低い。最大28%(AD)、平均17%、PM試験等の高度試験はNWを除き一桁。
■ 5割弱がベンダー企業の応募者で占められる。大学11%、専修学校は6%と少ない。
年齢別では20代・30代が全体の8割を占める。
勤務先別応募者数
(全試験区分・17年度春)
専修学校・ その他
学生
各種学校
5.2%
6%
大学
10.9%
ベンダー
46.0%
ユーザー
30.7%
応募者数の年齢別構成
(全試験区分・16年度春)
その他, 18.7
試験区分
応募者数 受験者数 合格者数 合格率
備 考
システム監査技術者
AU
9,097
4,806
353
7.3 17年度春
システムアナリスト試験
AN
5,025
3,072
301
9.8 17年度秋
プロジェクトマネージャ試験
PM
14,086
7,866
631
8.0
〃
アプリケーションエンジニア試験
AE
12,394
7,223
533
7.4
〃
ネットワーク
NW
29,996
18,295
2,263
12.4
〃
データベース
DB
22,610
12,546
956
7.6 17年度春
テクニカルエンジニアシステム管理
SM
12,472
6,394
443
6.9
〃
エンベデッドシステム ES
5,060
3,245
469
14.5
〃
情報セキュリティ
SV
ソフトウェア開発技術者(春・秋)
SW 124,057 72,713
9,505
13.1 17年度春
基本情報技術者(春・秋)
FE 206,874 141,566 19,109
13.5 17年度春・秋
情報セキュリティアドミニストレータ
SU
42,123
27,744
3,812
13.7 17年度秋
上級システムアドミニストレータ
SD
4,110
2,328
186
8.0
〃
初級システムアドミニストレータ(春・秋) AD 176,110 127,507 35,365
27.7 17年度春・秋
合 計
664,014 435,305 73,926
17.0
20代, 53.2
30代, 28.1
22
4−4 情報処理技術者試験応募者数の推移
■ 応募者減少の主因は、初級システムアドミニストレータ(AD)と基本情報技術者試験(FE)の応募者の大幅減
2001年以降、初級システムアドミニストレータ試験(AD)、基本情報技術者試験(FE)等多くの試験区分で応募者数は減少へ。
万人
応募者数( 高度試験以外)
応募者数( 高度)
万人
30
万人
4.0
8
NW
(目盛り右)
3.5
7
3.0
6
2.5
5
25
20
FE
DB
AD
15
AE
2.0
4
PM
SW年2回実施↓
SW
1.5
10
3
PE
SM
1.0
2
AU
5
SU
0.5
AN
1
ES
SD
0.0
0
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
0
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所: (独)情報処理推進機構調べ)
23
4−5 試験に合格した場合の社内における待遇
■ 情報処理技術者試験のいずれかの区分に合格した場合、「待遇の変化はない」が28.1%である一方で、「合格
一時金の支給」が28.0%、「資格手当の支給」が9.6%など、一定の範囲で待遇に反映されている。
№
件数
回答率
選択肢
(1)
4,600
28.0%
合格一時金の支給
(2)
1,568
9.6%
資格手当ての支給
(3)
1,939
11.8%
(4)
1,589
9.7%
昇進・昇給・賞与(又は、昇進・昇給・賞与算出の条件)
(5)
641
3.9%
社内・学内表彰
(6)
243
1.5%
定期試験等の免除や単位の認定
(7)
215
1.3%
その他の待遇
(8)
4,608
28.1%
(9)
1,003
6.1%
受験料や受験準備費用の負担(合格時のみ)
待遇に変化はない
会社・組織に所属していない
合格した場合の待遇
一時金の支給,
28.00%
所属なし, 6.10%
変化なし, 28.10%
資格手当の支給,
9.60%
その他の待遇,
1.30%
社内試験や単位
の免除, 1.50%
内部表彰, 3.90%
昇進・昇給等,
9.70%
独立行政法人情報処理推進機構 情報処理技術者試験センター
「平成18年度情報処理技術者試験
サービス向上等調査」
受験料等の負担,
11.80%
一時金の支給
資格手当の支給
受験料等の負担
昇進・昇給等
内部表彰
社内試験や単位の免除
その他の待遇
変化なし
所属なし
24
4−6 各種スキル標準の概要
ITスキル標準
¾ 情報サービス産業に従事する人材の職務と責
任を定め職務遂行に必要な能力を明示
¾ 情報サービスの提供に必要な実務能力を明確
化、体系化した指標
¾ 人材の職種とレベルに関する共通の認知
組込みスキル標準
¾ 製造業における組み込みソフトウェア開発力強
化のために「人材」の育成や、「有効活用」のため
の指標
¾ 組み込みソフトウェア開発技術者の産業横断
的に使用できるスキルを調査・抽出して体系化
情報システムユー
ザスキル標準
人材像
ー
タ
レベル
7
ハ
イ
6
5
ミ
ド
ル
4
エ
ン
ト
リ
2
3
フ
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ス
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シ
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ス
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ム
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ク
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グ
ラ
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マ
ネ
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S
ス
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ラ
テ
ジ
ス
ト
ェ
ビ
ジ
ネ
ス
ス
ト
ラ
テ
ジ
ス
ト
タ
¾ ユーザー企業の情報システム機能を洗い出
し、必要となるスキル及び知識を網羅的かつ体
系的に整理・一覧化
¾ 活用部門を含む情報システムに携わる人材
の最適配置及び育成のための指標
1
25
4−7 ITスキル標準の概要
■ 情報サービス産業に従事する人材の職務と責任を定め職務遂行に必要な実務能力を明確化、
体系化した指標。
■ IT投資局面に応じ、現在11職種35の専門分野が定義されている。(2006.4 ITスキル標準V2)
26
4−8 ITスキル標準 スキルディクショナリの整備
2006年4月に発表されたITスキル標準V2では、これまで見づらかった職種毎に必要となる
スキル項目、知識項目をマトリックス形式で整理。
専門分野
スキル項目
○
○
○
○
○
○
・調達監査
・記録マネジメント・シ
ステム
○
○
○
○
−汎用業務最新 ・業務別最新動向の把握
動向
と活用
・業務別システム導入事
例の把握と活用
○
ー
ャ
プロ
ジェクト
マネジ
メント
テクノロ
ジー
−契約終結
ITソ
リュー
ション
設計・
開発管
理
ト
フ
ォー
○
ク
サ
プ
ラ
ッ
○
ャー
プロ
ジェク
トマネ
ジメン
ト
プロ
ジェク
トマネ
ジメン
ト
プロ
ジェクト
マネジ
メント
ー
ビ
ス
−プロジェクト ・プロジェクトマネジメ
実行の指揮・マ ント方法論
ネジメント
・プロジェクトマネジメ
ント情報システム
(PMIS)
−リスク・マネ ・計画会議と分析
ジメント計画
プロ
ジェク
ト統合
マネジ
メント
プロ
ジェク
ト・リ
スク・
マネジ
メント
プロ
ジェク
ト調達
マネジ
メント
ト
ワ
ソ
フ
ト
ウ
シ
ン
グ
ョ
ャー
プロ
ジェクト
マネジ
メント
ネ
ア
製
品
開
発
知識項目(小項目)
ャー
プロ
ジェク
トマネ
ジメン
ト
プロ
ジェク
トマネ
ジメン
ト
I
T
ア
ウ
ト
ソ
IT
ェ
ー
ョ
シ
ス
テ
ム
開
発
ー
ー
ジ
適
用
ー
ー
ケ
イ
アン
フ
キラ
テス
クト
チラ
ク
チ
ン
イ
アン
テ
キグ
テレ
ク
チシ
ー
ア
アプ
リ
キケ
テ
クシ
チ
ン
プロジェクト
マネジメント
ッ
パ
ー
I
T
IT
アーキテクト
ッ
スキル
カテゴ
専門分 専門分
リ
野共通 野固有 知識項目(中項
スキル スキル
目)
項目
項目
コンサル
タント
BT(Business
Transformation)
職種
知識項目
シ
ス
テ
ム
管
理
ム
27
4−9 ITスキル標準の活用状況
(N=196)
52.0%
自社独自の教育体系を保持
46.7%
教育体系の有無
52.6%
9.7%
ITスキル標準等に準拠した教育体系を保持
9.2%
15.3%
38.3%
保持していない
44.1%
32.1%
0.0%
テクニカルスキル
10.0%
20.0%
ビジネススキル
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
パーソナルスキル
(N=198)
0.0%
ITスキル標準に準拠したスキル評価を行っている
スキル評価の方法
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
11.1%
43.9%
現在は行っていないが今後行いたい
30.8%
自社独自のスキル評価を行っている
スキル評価自体を行っていない
50.0%
14.1%
(出所: 情報サービス産業協会、「事業者アンケート調査」、平成16年度)
28
4−10 組込みスキル標準(ETSS)の構成
◆ 近年成長のめざましい携帯電話や家電製品に組込まれているソフトウェア開発力強化のため指標
◆ 2005年5月のスキル基準ver.1.0の公表に続き、これまでドラフトだったキャリア基準及び教育カリ
キュラムの正式版を本年6月に公表
キャリア基準(Version1.0)
キャリアフレームワーク
職種毎のスキル領域
スキル基準(Version1.1)
技術要素
スキルフレームワーク
開発技術
通信
管理技術
組込みソフトウェア開発技術
技術
要素
情報
:
開発
技術
:
システム
要求分析
ITスキル標準のパーソナルスキル等
システム
方式設計
教育カリキュラム(Version1.0)
:
管理
技術
リーダシップ
プロジェクト
管理
プロセス
管理
研修コース体系図
研修コースの関連知識領域
未経験レベル
技術要素
技術
要素
開発技術
開発
技術
管理技術
管理
技術
リーダシップ
体系的に整理
体系的に整理
:
ITスキル標準のパーソナルスキル等
パーソナル
ビジネス
/
インダストリ
29
4−11 組込みスキル基準
スキルカテゴリ
スキル粒度
第1階層
第2階層
有線
無線
通信
放送
説明
インターネット
情報処理
音声
静止画
マルチメディア
動画
統合
ユーザイン
人間系入力
ターフェース 人間系出力
メディア
ストレージ
WAN,LANなど有線通信技術
電気通信事業用無線,一般業務用無線など無
線通信技術
デジタル放送,アナログ放送など放送技術
透過的データ転送,アプリケーションなどイン
ターネット通信技術
インタフェース
データ処理,圧縮・伸張など音声処理技術
データ処理,圧縮・伸張など静止画処理技術
データ処理,圧縮・伸張など動画処理技術
音声・画像などの統合処理技術
ボタン,座標など人間系入力デバイス制御技術
表示,音声など人間系出力デバイス制御技術
リムーバブル,メモリなどストレージメディア技術
リムーバブル,常時接続型などストレージインタ
フェース技術
管理技術
説明
ト設計手法,カバレッジ測定法,シミュレーションなど
開発技術
ファイルシステ ISOやOSネイティブなどファイルシステム技術
理化学系入力 電気,圧力,光など理化学系入力技術
計測・制御
計測・制御処理 座標・運動,信号処理などの計測・制御技術
理化学系出力 アクチュエータ,光,熱などの理化学系出力技術
CPU,GPUなどプロセッサ技術
プロセッサ
プラットフォー
基本ソフトウエア カーネル,ブートなど基本ソフトウェア技術
ム
情報記録,情報収集など支援機能技術
支援機能
スキルカテゴリ
スキル粒度
第2階層
第1階層
インタビュー手法,マーケティング手法など
要求の獲得と調整
システム要求分
モデリング手法,分析手法,要求定義など
システム分析と要求定義
析
レビュー手法,インスペクション手法など
システム分析と要求定義のレビュー
ハードウェアとソフトウェア間の機能および性能分 設計手法,性能見積もり,FMEA/FTA,ソフトウェア見積
システム方式設 担の決定
もり手法,知的財産権など
計
レビュー手法,インスペクション手法など
実現可能性の検証とデザインレビユー
モデリング手法,分析手法,要求定義など
ソフトウェア要求 ソフトウェア要求事項の定義
レビュー手法,インスペクション手法など
分析
ソフトウェア要求事項の評価・レビュー
性能見積もり,信頼性設計,フォールトトレラント技術,ソ
ソフトウェア構造の決定
ソフトウェア方式
フトウェア見積もり手法,知的財産権,再利用など
設計
レビュー手法,インスペクション手法など
ソフトウェア構造のデザインレビユー
設計手法,設計ツール,実時間性設計など
ソフトウェア詳細 ソフトウェアの詳細設計
レビュー手法,インスペクション手法など
設計
ソフトウェアの詳細設計のレビュー
プログラムの作成とブログラムテスト項目の抽出 プログラミング手法,プログラミングツール/環境,テス
データ入力,音声入力など情報入力技術
暗号,著作権保護などセキュリティ技術
圧縮,データベースなどデータ処理技術
マークアップランゲージや文書ビューアなど情
報出力技術
情報入力
セキュリティ
データ処理
情報出力
技術要素
スキルカテゴリ
スキル粒度
第2階層
統合マネジメント
スコープマネジメント
タイムマネジメント
コストマネジメント
プロジェクトマ
品質マネジメント
ネジメント
組織マネジメント
コミュニケーションマネジメン
リスクマネジメント
調達マネジメント
開発プロセス設定
開発プロセス 知財マネジメント
マネジメント 開発環境マネジメント
構成管理・変更管理
ソフトウェアコー
コードレビューとプログラムテスト項目のデザイン レビュー手法,インスペクション手法,静的解析ツール,
ド作成とテスト
動的解析ツールなど
レビュー
ドライバ/スタブ,テストツール,回帰テストなど
プログラムテストの実施
テスト設計手法,カバレッジ測定法,シミュレーション,エ
ソフトウェア結合テスト仕様の設計
ミュレーション,ハードウェア環境など
ソフトウェア結合
ソフトウェア結合テストの実施
テストツール,ICE,モニタ,ロジックアナライザ,オシロス
コープ,回帰テストなど
ソフトウェア適格性確認テストの準備とレビュー
ソフトウェア適格
ソフトウェア適格性確認テストの実施
性確認テスト
レビュー手法,インスペクション手法,受け入れテストな
ど
テストツール,ICE,モニタ,ロジックアナライザ,オシロス
システム結合
テスト項目抽出とテスト手順の決定およびレ
ビ
システム結合テストの実施
システム適格性 システム適格性確認テストの準備とレビュー
確認テスト
システム適格性確認テストの実施
コープ,回帰テストなど
レビュー手法,インスペクション手法など
テストツール,ICE,モニタ,ロジックアナライザ,オシロス
コープ,回帰テストなど
レビュー手法,インスペクション手法,受け入れテストな
ど
テストツール、回帰テストなど
説明
第1階層
WBS,EVM,会議運営メソドロジ,レビュー手法など
WBS,変更管理など
パート図,ガント図,見積もり手法など
ROI,ROE,見積もり手法,EVMなど
監査,故障解析統計的手法,傾向分析など
チームビルディング,OBSなど
情報配布手法など
リスク分析,デシジョンツリー分析,リスク等級など
企画,調達先選定,契約,実績管理など
システム開発プロセス設定,レビュー設定など
関連法規,管理システムなど
開発環境企画,設計,構築,運用管理など
識別,統制,記録,監査など
※スキル基準では第2階層までを定義
30
4−12 組込みキャリアフレームワーク
ブリッ
ジ
SE
開発環境
エンジニ
ア
テスト
エンジ
ニア
組込みシステム開発
QA
スペシ
ャリス
ト
組込みソフトウェア開発
組込みソフトウェア開発
プロセス
改善
スペシャリ
スト
組込みソフトウェア開発
組込みシステム開発
組込みプラットフォーム
ソフトウェア
エンジニア
組込みプラットフォーム
システム
アーキテクト
組込みアプリケーショ
ン
ドメイン
スペシャリ
スト
組込み関連技術
組込みソフトウェア開発
専門分野
組込みシステム
プロジェ
クト
マネージ
ャ
組込みアプリケーショ
ン
職種
プロダ
クト
マネー
ジャ
レベル7
ハイレベル
レベル6
レベル5
ミドルレベル
レベル4
レベル3
エントリレベル
レベル2
レベル1
31
4−13 情報システムユーザースキル標準(UISS)の特徴
‹ 情報システムが、企業活動に直接的な影響を及ぼす重要インフラ
となったことを踏まえ、ユーザー企業における情報システム機能を
経営的観点から体系的に整理したもの
‹ 従来、可視化されていなかった情報システム機能を、業務レベルで
洗い出し、その業務に求められるスキル、知識を一覧化したもの
‹ ユーザー企業固有の業務である①調達、②評価、③利活用、に関
する職務とその能力を定義したもの
【活 用 例】
【活 用 例】
UISSを、各企業の情報化推進体制や推進者の立場に応じてカスタマイズすることで、
UISSを、各企業の情報化推進体制や推進者の立場に応じてカスタマイズすることで、
次に掲げるような目的を実現することができる。
次に掲げるような目的を実現することができる。
1.経営層自身および経営層への報告者の利用 → IS人材のポートフォーリオの把握
1.経営層自身および経営層への報告者の利用 → IS人材のポートフォーリオの把握
2.システム・ベンダーへの発注時の利用
2.システム・ベンダーへの発注時の利用
→ ユーザー主導の発注、役割分担の整合性/効率化
→ ユーザー主導の発注、役割分担の整合性/効率化
3.IS部門メンバの役割・キャリアパス理解
3.IS部門メンバの役割・キャリアパス理解
①
① 組織の観点 → 組織の生産性アップ
組織の観点 → 組織の生産性アップ
②
② 個人の観点 → モチベーションアップ
個人の観点 → モチベーションアップ
32
4−14 UISSタスクフレームワーク
‹ユーザ企業におけるIS機能を経営的観点から、事業戦略も含めて体系的に整理
【IS戦略以外の機能別戦略の策定と実行】
全社
戦略
事業
戦略
策定
(戦略策定)
・
・・
・・・・
・
生産・物流
・
R&D
経営・管理
(計画策定)
・
・・・
生産・物流
・
R&D
経営・管理
(導入)
・
・・・
・
・
・
・
生産・物流
・
R&D
経営・管理
(計画評価)
(活用)
・
・・
・・・・・
・
・・・
生産・物流
・
R&D
経営・管理
(戦略評価)
・
・・・
生産・物流
・
R&D
・
生産・物流
・
R&D
経営・管理
経営・管理
事業
戦略
評価
・・・
個別案件
IS戦略
策定
IS企画
IS導入
IS企画
評価
プロジェクトマネジメント
IS活用
IS戦略
評価
IS保守・運用
IS戦略実行マネジメント
セキュリティ
IT基盤構築・維持・管理
共通業務
システム監査
【IS戦略の策定と実行】
情報システムユーザースキル標準対象範囲
33
4−15 情報システムユーザースキル標準(機能・役割定義)
業務
大項目
事業戦
略策定
中項目
要求(構想
)の確認
新ビジネス
モデルへ
の提言
小項目
スキル
知識項目
経営要求の
確認
経営方針を正確に捉えることができる
企業目標を正確に捉えることができる
中長期構想を正確に捉えることができる
対象領域(事業ドメイン)を正確に捉えるこ
とができる
ビジネスモデル
バランススコアカード/戦略マップ
経営一般
経営要求の重点事項
業務環境調
査・分析(経
営環境)
外部環境を正確に捉えることができる
外部環境の分析結果と企業目標の関係を
文書化(情報戦略指針)することができる
情報を継続的に収集できる
外部環境の調査・分析手法
3C、7S、5Forces、バリューチェーンモデル、
企業競争力の分析手法
マクロ経済
業界動向、競合他社の動向
関連法案
課題の抽出
収集した情報からIS資源における課題を
分析・抽出することができる
構築面や保守・運用面から、課題を評価
することができる
情報技術動
向の調査・分
析
情報技術動向を網羅的かつ総括的に捉
えることができる
経営・情報戦略に適用できるIT利用方法
を適切に分析・抽出し、文書化できる
情報を継続的に収集できる
IT動向
IT動向調査手法
新しいビジネスモデルにより革新的な事業
領域を明確にすることができる
ビジネスモデル策定に対して情報戦略と
情報資源配分の面から適切に助言できる
経営環境の変化およびITがビジネスに及
ぼす影響を明確に説明することができる
仮説構築力
ビジネスモデル
ビジネスモデル策定のためのフレームワーク検討
顧客満足度/ロイヤルティ
顧客の購買行動モデル
製品・サービスのライフサイクル
セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニング/PPM
競争戦略フレームワーク4P
ベストプラクティス/ベンチマーキング
ビジネスモデルの企画
ITビジネスバリュー
企業競争力の分析手法
企業の事業領域
企業のコンピテンシー
34
アライアンス
ビジネスモデ
ル策定への
助言
SWOT分析
ロジックツリー
ギャップ分析
METI
Ministry of Economy,
Trade and Industry
5.IT人材育成施策の今後の方向性
5−1 高度IT人材育成に向けた取組み(政府全体)
個々の教育機関において育成する人材のレベルを向上させていくとともに、拠点を中心として各機関の連携の促進により、全体的な向
上を目指し、社会情勢の変化等に先見性をもって柔軟に対処し、企業等において先導的役割を担う人材を育成する。
研修機関等
・ITスキル標準等に基づいた研修機関の体系化
・ユーザー、ベンダーのスキルアップのための機能の充実
スキル向上のため
の外部研修
スキル向上のため
の外部研修
高度IT人材育成推進基盤の整備
IT技術者の再教育・
派遣(プロジェクト
のヘルプ役)
ベンダー企業
・ITスキル標準や情報処理
技術者試験等に基づいた
技術者の能力評価と処遇
・標準カリキュラ
ム、教材、演習用
ユースケース等の
整備・提供
拠点大学等との積
極的な共同開発、開
発委託等の実施
・企業内研修や研修機関を 将来のプロジェクトマ
活用した研修の提供
ネジャー等、高度IT
人材となる能力をも
つ人材を輩出
拠点大学
実践的高度IT人材を育成する核へと発展。
・講師派遣インタ
ーフェース
拠点大学院
起業機会の提供や
共同研究の実施
・教員能力向上
のための支援 IT技術者再教育
の場の提供
ユーザー企業
IT技術者の再教育
高度IT人材育成のための
知の交流の場の確立
・ITスキル標準や情報処理
技術者試験等に基づいた
技術者の能力評価と処遇
拠点で培われた実践的高度IT人材育成の
ノウハウについては他大学にも展開
将来のCIO等、企
業の情報化を支え
る能力をもつ人材
を輩出
・企業内研修や研修機関を
活用した研修の提供
初等中等教育の生徒に対し
て、ITに興味を持つことがで
きるような機会等(公開講座
など)も提供
一定レベルの能
力を持つ人材を
送り出す。
初等中等教育
・意欲を持った学生への学習機会の提供
高度人材育成 ・拠点大学、大学院の教育にスムーズに移れるITリテ
ラシーの育成 基礎的プログラミング能力等の育成
裾野の拡大
・基礎的なITリテラシーの育成 ・ITを学ぶことの重要性、魅力を醸成
36
5−2 高度IT人材育成に向けた取組み(経済産業省)
ITが社会に大きなイノベーションをもたらすポテンシャルを有しているとことを確認し、学生やエンジニアが魅
力を感じる業界へと変革していくことが重要。そのため、能力ある人材のスキルが適切に評価される客観的な
システムを確立するとともに、産学の連携した人材育成の取組を促進し、また、内外の優れた人材の発掘・育
成を促進することにより、我が国のIT業界の競争力を強固なものとする。
A) スキル可視化のための環境整備
①情報処理技術者試験とITスキル標準の統合
年間60万人超の応募者がある情報処理技術者試験と、人材評価システムとして業界標準
となりつつあるITスキル標準を統合することにより、客観的かつ透明性の高い人材育成・評
価システムを整備。
②スキル標準の改訂・普及
IT人材に求められるスキルを体系化したITスキル標準(2002年策定)、組込みスキル標準
(2005年策定)、情報システムユーザースキル標準(2006年策定)について、環境変化に
応じて更なる精緻化を進めるとともに、政府調達指針やベンダ・ユーザ間のモデル契約にそ
の活用を盛り込むことにより、普及を促進。
B) 先導的IT教育の推進
C) 内外の優れた人材の育成・活用
①標準カリキュラムの策定・普及
米国計算機学会が策定したCC2005を基礎として、産業
界及び教育界が連携して標準カリキュラムを策定。標準カ
リキュラムに基づく講義修了者については、情報処理技術
者試験の一部免除を検討。
①情報処理技術者試験のアジア展開
情報処理技術者試験とアジア各国のIT試験との相互認証
の対象国・対象試験範囲を拡大することにより、客観的なス
キル評価に基づくアジア域内での人材交流を促進。
②実践的組込みソフトウェア開発人材の養成
ソフトウェア産業が求める実践的な組込ソフトウェアの開
発人材に対し、開発プロセス及び開発手法の習得と実践的
な演習を重視した教育を推進。
②天才クリエータの発掘・育成
IT分野において優れた実績と能力を持つプロジェクトマネ
ジャーによる支援対象プロジェクトの選定、進捗管理等によ
り、独創性を有する優れた個人(天才クリエータ)を発掘・育
成。
37
5−3 高度IT人材育成を巡る現状
‹
「情報サービス・ソフトウェア産業維新」における指摘事項
IT関連分野における就業希望者は減少しており、新卒人材の能力も低下。これに対し、以下の取組
が必要。
9 ITスキル標準、情報処理技術者試験等を活用し、企業内人材育成の好循環を形成するとともに、客観
性・透明性の高い人材評価システムを構築(産業界)
9 産業界と連携しつつ、標準カリキュラムの策定や多様な教育コースの提供を行うことにより、産業界が
求める人材類型に応じた人材を養成(教育界)
9 情報処理技術者試験制度について、産業界のニーズ変化に応じた改革及びITスキル標準との整合化
に向けた改革を実施(政府)
‹
高度IT人材育成を巡る現状
(1)情報処理技術者試験制度
−試験区分の新設、試験回数の増加等の新たなニーズ
−構造改革特区制度による民間試験資格の活用等、官民の役割分担の見直し
−ITスキル標準との整合化の要請の高まり
(2)ITスキル標準
−企業ごとに活用策や準拠の程度が異なるなど不整合が顕在化
−他の2つのスキル標準(組込みスキル標準(2005年策定)、ユーザスキル標準 (2006年策定)との整合性確保の要請
(3)高度人材の養成
−標準カリキュラムの策定、実践的IT教育事業の実施、拠点教育機関の設置等産学官の 連携の高まり
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−次世代のIT市場創出を担う独創性と優れた能力を持つスーパークリエータの発掘強化
5−4 産構審情報サービス・ソフトウェア小委人材育成WG
人材育成WGにおける検討事項
(1)検討の視座
・我が国におけるIT人材のポートフォリオを踏まえた人材育成のあり方
・ITスキル標準と情報処理技術者試験制度のベストミックス
・産学官連携による効果的な高度人材養成のあり方
(2)検討事項
・情報処理技術者試験の意義・役割(官民の役割分担)
・産業界のニーズの変化を踏まえた情報処理技術者試験制度改革のあり方
・ITスキル標準と情報処理技術者試験の整合化確保の方策
・ITスキル標準の普及方策
・ITスキル標準、組込みスキル標準、ユーザスキル標準の整合化確保の方策
・産学官連携施策のあり方
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910月27日に第1回を開催し、その後、月1∼2回ずつ数回程度開催。
9検討課題及び検討の方向性について広く国民の意見を聴くため、現在、
パブリックコメントを実施中(12月1日(金)まで)。
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5−5 人材育成WGにおける今後の検討
産業構造審議会 情報経済分科会 情報サービス・ソフトウェア小委員会の下に人材育成WG設置し、
情報サービス・ソフトウェア産業の人材育成のあり方について、政府、産業界、大学等が取り組むべき
課題を整理。
スケジュール
スケジュール
第1回 10月27日(金)15:00∼17:00
・情報IT人材育成に向けた現状と課題
・検討課題の提示
第2回 11月17日(金)10:00∼12:00 ・官民の役割分担(特区制度の評価、資格制度化の是非
を含む)
・試験制度改革の基本方針
第3回 12月8日(金)10:00∼12:00 ・試験制度改革各論
・試験制度改革案骨子
第4回 1月中旬 ・国際動向
・産学連携のあり方
・スキル標準の整合性
第5回 2月上旬
・試験制度改革案
第6回 3月中旬
・報告書案とりまとめ
人材育成WG 委員名簿
人材育成WG 委員名簿
委員 有賀貞一 株式会社CSKホールディングス 代表取締役 池上徹彦 独立行政法人産業技術総合研究所 理事
岩丸良明 金融庁 情報化統括責任者(CIO)補佐官
宇野和彦 株式会社スキルメイト 代表取締役
荢津昌三 日本ユニシス株式会社 経営企画部経営企画室長
大原茂之 東海大学情報理工学部ソフトウェア開発工学科 教授
岡本比呂志
中央情報専門学校 理事長
全国専門学校情報教育協会 副会長
加藤直樹 株式会社パソナテック 取締役
筧捷彦
早稲田大学理工学部 教授 情報処理学会情報処理教育委員会 委員長
神沼靖子 埼玉大学大学院文化科学研究科 非常勤講師 情報システム学会 理事
法月眞澄 伊藤忠商事株式会社 IT企画部IT戦略チーム長
橋爪宗信 株式会社NTTデータ SIコンピテンシー本部PMO・PM
戦略担当部長
松村博史 独立行政法人情報処理推進機構 理事
宮沢修二 株式会社ラーニング・アーキテクチャ研究所 代表取締役
山光由佳 ファイザー株式会社CITオペレーションマネジメント部部長
※五十音順
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5−6 高度IT人材育成プラットフォーム
【課題】
①情報サービス・ソフトウェア産業の厳しい職場環境 ④情報産業の将来性についての不透明性の増大
②実学教育における産業界と教育界の連携不足 ⑤情報産業自体の収益性の低さに起因する報酬・処遇の低さ
③能力に応じた適切な評価・処遇体系の欠如や予見性の高いキャリアパスの未整備
【解決策】 ●収益性の高い産業体質への変革を行うことが急務。
●また同時に、人材育成の観点から、以下のようなメカニズムの構築が必要。
求めるべき人材像を提示し、キャリアステップを示すスキル標準と、評価尺度としての情報処理技術者
試験を対応させることで、個人の客観的なスキル評価及びキャリアパスの構築が可能になる。
政府
インフラの提供及び、
補完的な産業政策実施
企業内・企業間
で人材の最適
配置がなされる
職業人
コミュニティ
コミュニティの確立
により、情報交換・
人材育成が円滑化
連携
適正な処遇とキャリアパ
スが描けることにより、
業界の魅力が向上
IT企業
新生スキル標準
情報処理技術者試験 等
対応試験
IT部門
IT部門
以外
人材の流れ
境界が希薄化
ユーザー企業
海外IT技術者
海外人材の活用
基盤を整備
客観性の高い人材評価メカニ
ズムにより、高度IT人材のダ
イナミックな具体像が可視化
教育界
産業界との連携を深めながら、初等中等の段階から、
情報リテラシーを高め、実践的IT人材の教育を行う
産業界が求める高度IT
人材の供給が可能に
人材需給・育成・発展のための市場システムと好循環のメカニズムが実現
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