平成28年度 飾区教育委員会の教育目標 教育は、個人の資質や能力を伸ばし、自立した人間を育てて、人格の完成を目指 すという役割と、国家や社会の一員としての規範意識や公共の精神をもち、社会に 貢献する人間を育成するといった役割がある。 平和な国際社会を形成し、豊かな社会を築いていくためには、人類が長年にわ たって蓄積してきた知識、技術、文化、道徳などの価値を次代に確実に継承してい くことが大切である。 飾区教育委員会は、子どもたちが、知性、感性、品性や体力を育み、豊かな人 間性と人格を兼ね備えた次代を担う人間となれるよう、次に掲げる5つを目標にし て、「知・徳・体」の総合的な力である「人間力」の育成に向けた教育を推進する。 ○ 自ら学び、進んで行動する自立した人間 ○ 豊かな心と健康な体を備えた健全な人間 ○ 互いの人格を尊重し、思いやりと規範意識をもった人間 ○ 勤労と奉仕の精神に富み、社会に貢献する人間 ○ 我が国と郷土 飾に誇りと愛着をもち、国際社会に生きられる人間 また、すべての区民が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、 生涯を通して行われる区民の主体的な学習・文化・スポーツ活動などを支援すると ともに、社会参加の機会や環境を整備・充実するなど、学びの成果を広く地域や社 会に生かすことのできる「生涯学習社会」を実現する。 これらの実施にあたっては、区はもちろん、学校、家庭、地域団体、事業所等が、 それぞれの教育機能を十分に発揮するとともに、お互いに連携、協力して取り組む ことが大切であり、地域ぐるみ、社会総がかりで 飾区の教育を推進する。 (平成28年2月22日 飾区教育委員会決定) 平成28年度 飾区教育委員会の基本方針 飾区教育委員会は、「教育目標」を達成するため、「かつしか教育プラン2014∼ 飾区教育振興基本計画∼」に掲げた「かつしかっ子宣言」による人づくりを学校・家庭・ 地域・行政が総ぐるみで展開するとともに、4つの「基本方針」に基づき、主要施策を 総合的に推進し、区の教育振興の一層の発展を図っていく。 【基本方針1 「生きる力を育む、質の高い学校教育を推進します」】 学校は、子どもが、豊かな人間性と人格を兼ね備えた次代を担う人間になれるよ う、「知・徳・体」の調和のとれた「生きる力」を育成します。教員一人ひとりが 高い専門性を発揮するとともに、校長がマネジメント能力を活かして、組織的な学 校運営を進めることにより、より質の高い学校教育を推進します。とりわけ、保護 者、地域の期待が大きい子どもの学力向上、体力向上に向けて、教員総ぐるみで教 育にあたる体制を整備するとともに、幼稚園や保育所から小学校、さらに、小学校 から中学校までのつながりのある教育活動を進めます。 <主要施策> (1)校長が自校の学力に関する課題を分析し、その課題解決のために策定した学力向 上プランに対して、児童・生徒の基礎学力の定着と各学校の学力向上に向けた主体 的な取組みを教育委員会が支援する「 飾学力伸び伸びプラン」を推進する。 (2)学校が、全国や都の学力調査結果の分析を行い、学校及び一人ひとりの児童・生 徒の学習状況を把握し、作成した「授業改善推進プラン」に基づいて、学校全体の 授業改善を推進する。 (3)児童・生徒の授業への取組みを示した「かつしかっ子学習スタイル」、教師の授 業方法を示した「 飾教師の授業スタンダード」、小学校国語・算数、中学校国語・ 数学・英語の「かつしかっ子チャレンジ」に基づいた授業を実施する。 (4)「かつしかっ子チャレンジ」の定着状況を把握するとともに、児童・生徒に寄り 添った指導をしていくことで自信をもたせ、学習意欲を高めるために「チャレンジ 検定」を実施する。 (5)「一校一取組」運動など各校の創意工夫に富んだ体力向上に向けた取組みを充実 させ、運動する機会を増やすとともに、体育の授業を充実する。 (6)全校で「かつしかっ子チャレンジ(体力)検定」に取り組み、運動に取り組む機 会を作ることで運動の日常化を図る。 (7)各小学校では、校長が自校の児童の体力向上のために計画した「 飾体力伸び伸 びプラン」に基づき、各校の児童の実態に応じた取組みを推進する。 (8)各中学校では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会の開催に向 け、オリンピアンやパラリンピアン等のトップアスリートを招くことで、意識の高 揚を図る。 (9)「 飾教師の授業スタンダード」に基づき、児童・生徒がじっくりと考え、主体 的に活動する場を効果的に取り入れることで、思考力・判断力・表現力等を育成す る。 1 (10)児童・生徒の読書活動及び調べ学習等による多様な学習活動を支援するため、文 部科学省の学校図書館図書標準の達成と学校図書の内容の充実に努める。また、各 校に学校司書を配置し、司書教諭や図書ボランティアとの連携のもと円滑な学校図 書館運営と、子どもたちが図書に親しむ環境の充実に努める。 (11)図書館と学校図書館の連携・強化を図り、読書支援用の団体パックや調べ学習用 パックの内容を充実させ、各学年に応じたきめ細かな読書活動を支援する。また、 図書館が勧める推薦図書リストを学校を通して児童・生徒に配布し、子どもたちの 読書への動機づけを支援する。 (12)人権教育の推進について、各学校・幼稚園に人権教育担当者をおき、組織的な人 権教育に取り組むとともに、人権教育担当者を対象とした研修会を年3回実施し、 資質の向上を図る。また、区として人権教育推進委員会を組織し、東京都の人権尊 重教育推進校による研究実践の成果や研修内容等について区内各学校・幼稚園へ還 元する。 (13)社会性や道徳性の育成のために、年間35時間の道徳の時間を中心に、学校全体 で道徳教育の充実を図る。また、各校の道徳教育推進教師の研修会を年3回実施す る。平成30年度(小学校)、平成31年度(中学校)から導入する「特別の教科 道徳」について一部先行実施を行い、円滑な導入を図る。 (14)いじめ、不登校など問題行動を未然に防ぐとともに、改善・早期解決を図るため、 都費スクールカウンセラー(小・中学校)に加え、区費スクールカウンセラー(中 学校・保田しおさい学校)を派遣し、児童・生徒へのカウンセリングや保護者・教 職員に対する助言・支援を実施する。 (15)芸術文化と直接触れ合う、かつしかシンフォニーヒルズにおける音楽鑑賞教室や 狂言教室などの体験活動を通して、豊かな感性と創造性を育む取組みを実施する。 (16)小学校における岩井臨海学校や日光林間学校、中学校における宿泊ふれあい学習、 菅平移動教室等、自然体験活動を行うとともに、集団生活により学級・学校への所 属感を高め、社会性や協調性を養う取組みを実施する。 (17)「かつしか郷土かるた」や社会科の副読本として小学校3年生に配付する「のび ゆく 飾」、中学校1年生に配付する「かつしか」等を郷土学習の一環として活用 することで、郷土 飾への郷土愛の醸成を図る。 (18)顧問教員のほか、外部指導員を積極的に導入して部活動の充実を図るとともに、 集団活動を通して児童・生徒に達成感をもたせ、自尊感情や自己肯定感を育成する。 (19)かつしか地域スポーツクラブとの連携を図るなど、児童・生徒がスポーツに参加 できる環境を整備する。 (20)「かつしかっ子賞」や「かつしかっ子文学賞」、「 飾みらい科学研究コンクー ル」など、児童・生徒の努力した成果を積極的に表彰することで、自己肯定感を高 める。 (21)各学校で、校内研究、校内研修を組織的・計画的に位置付け、特に、「 飾学力 伸び伸びプラン」により校内研修の講師招聘などの充実を図り、授業研究を中心と した学び合う教員の育成を図る。 (22) 飾区の教育研究指定校制度等における校内研究を積極的に奨励し、教員が主体 的に学び合う機会を拡充するとともに、その成果を他校に還元する。 2 (23)小・中学校の全教員で「 飾教師の授業スタンダード」に取り組む。各校では、 スタンダードを日々の授業計画に位置付け、校長による授業観察・指導を継続して 行い、教員の資質・能力の向上を図る。 (24)学校公開日や学校公開週間の設定、年間11回の「 飾教育の日」により、日常 の授業や研究授業を積極的に公開し、確かな学力の定着や豊かな心の育成などを推 進するとともに、家庭・地域との連携をより一層深め、 飾区の教育の充実を図る。 (25)地域全体で子どもを見守るために、地域の方を外部講師として招聘したり、PT Aやおやじの会、自治町会等と連携したりするなど、積極的に地域の方々と交流を 深め、信頼される学校づくりを推進する。 (26)学校評価として、自己評価及び学校関係者評価の結果を保護者、地域住民へ公表 するなどして、学校運営に対する理解と参画を得て、信頼される開かれた学校づく りを推進する。 (27)学校運営に関する外部の専門家を中心とした評価者が、自己評価や学校関係者評 価の実施状況を踏まえつつ、教育活動その他の学校運営の状況を専門的視点から評 価を行う「第三者評価」を4校程度実施する。 3 【基本方針2「子どもの健全育成に向けて、家庭・地域・学校が協働して取り組みます」】 子どもの健全な育ちを進めていくために、家庭・地域・学校が連携を図りなが ら、責任をもってそれぞれの役割を果たすことができる環境づくりを推進しま す。 すべての教育の出発点である家庭教育について、各家庭における自主性を尊重 しつつ、家庭の教育力向上のための基盤づくりを進めていきます。 <主要施策> (1)児童・生徒の基本的生活習慣の確立や生活リズムの向上に向けて、学校、家庭、 地域社会が連携した取組みを推進していく。 (2)薬物乱用防止教室や喫煙防止教室など、各校の保健主任を中心に学校保健委員会 を活用し、組織的な健康教育を推進する。 (3)各学校が設置している学校保健委員会の活動をさらに充実し、家庭や地域との連携 を図りながら、インフルエンザやノロウイルスなどへの感染症対策をはじめ、小児生 活習慣病や心の健康問題などの児童・生徒の健康上の課題の解決に取り組む。 (4)各校において、食育リーダーを中心とした食育推進チームを編成し、学校ホーム ページによる食育の実践事例の紹介や「食育だより」等の発行による家庭・地域へ の啓発等、食育を推進する。 (5)食育の全体計画に基づき、「給食」を活用した食育授業を中心に、栄養教諭や栄 養士と担任の協働により実践する。特に、給食においては、区内産農産物等の利用 を促進して「地産地消」を進め、郷土を大切にした食育に取り組む。 (6)幼稚園、保育所、学童保育クラブ、学校の代表者などからなる「子どもの生活習 慣向上・家庭教育支援関係者会議」を開催し、生活習慣にかかわる問題の解消及び 家庭の教育力の向上を図る。 (7)幼児期・学童期・思春期における家庭教育のポイント等を掲載した「かつしか家 庭教育のすすめ」の配布や、就学前に身に付けておくことを学ぶ「家庭教育講座」 の開催、家庭教育関連の学習会を実施する団体への補助を行うことにより、幼児、 小・中学生の保護者に対し、乳幼児期からの家庭教育の重要性を伝えていく。また、 子どもの基本的生活習慣の確立を図るため、「早寝・早起き、朝ごはん」の大切さ を啓発する取組みを推進する。 (8)「 飾区子ども読書活動推進計画(第二次)」に基づき、ブックスタート以降の年齢 の子ども達に読書の習慣を身に付けさせることを目標とする。乳児からの読み聞かせ の習慣を継続させるため、セカンドブック事業を推進し、絵本の楽しさや大切さを説 明するとともに、実施対象年齢に応じた絵本を手渡し、子ども読書環境の充実を図る。 さらに、年齢に相応しい読書活動へステップアップしていくための取組みを一層充 実させ、生涯にわたって読書に親しむための基盤づくりを進める。 (9)放課後子ども事業(わくわくチャレンジ広場)については、対象学年の拡大を行 うとともに、学習、文化、スポーツプログラムの導入による学びや体験の場として の事業も積極的に展開し、わくわくチャレンジ広場の特長である子ども同士のかか 4 わりや地域との交流を通して、児童の健全育成を推進する。また、子育て支援部と 連携し、放課後子ども総合プランを推進する。 (10)地域が学校を応援する「学校地域応援団」を学校ごとに設置し、「地域コーディ ネーター」を中心に、地域の諸団体やPTA、ボランティア等による学校支援活動 の輪を広げ、豊かな教育環境を整えるとともに、このような活動に携わる、豊富な 知識や経験をもつ様々な世代の人たちとのふれあいを通して、児童・生徒が豊かな 心を育めるように取組みを進める。 (11)青少年育成地区委員会やPTAへの支援、青少年委員活動の充実などにより、家 庭、学校及び地域住民等の相互の連携・協力を推進する。 (12)各校が策定する学校安全計画に基づき、「安全教育プログラム」や全児童・生徒に 配付する「地震と安全」「3.11を忘れない」「つなみ」など様々な資料を活用し た災害安全、警察署等の関係機関と連携した「セーフティ教室」等による生活安全、 自転車の乗り方や交通ルールを学ぶ交通安全等、安全教育を計画的に実施する。 (13)学校地域応援団や自治町会、PTA等、地域と連携した防災訓練や防災ノート「東 京防災」を活用した実践的な指導等を推進し、学校と家庭・地域が連携した防災教育 の充実を図る。 (14)児童・生徒がインターネットや携帯電話などの正しい使い方や情報モラルを身に 付けるために、保護者会やPTA研修会などを通して家庭との連携を強化し、すべ ての教育活動において児童・生徒の適切な情報活用能力の向上を図る。 (15)区内各事業所の協力を得て、中学校2年生を対象として年間5日間の職場体験を 実施し、望ましい勤労観・職業観を育成する。 (16)キャリア教育の観点から生徒一人ひとりが自分で職場探しから実施するなど、今 求められている「思考力、判断力、表現力等」の能力育成の観点から、より実践的 な職場体験の在り方について検討する。 (17)各教科や道徳、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動を通して、学ぶこ とや働くこと、生きることの尊さを実感させ、学ぶ意欲の向上を図る。 (18)「子どもを犯罪から守るまちづくり活動支援事業」を実施するとともに、地域、 PTAなどによるパトロールや見守り活動との連携等により、子どもへの指導と地 域全体での子どもを守り育てる運動を進める。 5 【基本方針3 「子どもがいきいき学ぶ、教育環境づくりを推進します」】 すべての子どもが等しく質の高い教育環境で学ぶことができるよう、学校施設、 設備及び学校間連携・教員研修等を充実させます。豊かな教育環境の実現は、学 校教育の支えとなり、子どもは夢と誇りをもっていきいきと「生きる力」を育む ことができます。 飾区で学ぶことができて良かったと思える教育環境づくりを 進めます。 <主要施策> (1)4年次以上主任教諭1年目までの教員を対象とした「若手教師塾」を実施する。 「若手教師塾」では、授業研究を中心とし、宿泊研修を併せて年10回実施すると ともに、2月に発表会を開催し、その成果を区内学校へ還元することで教員の資質・ 能力の向上を図る。 (2)外部に委託した授業診断等によって小学校教員10名と、中学校2校及び中学校 教員5名の授業力向上を図る「授業力向上プロジェクト」を実施し、その成果を校 内や区内に還元することで教員の資質・能力の向上を図る。 (3)平成17年度より実施している教員の表彰制度の充実を図り、教員の意欲を向上 させ、資質・能力の向上を図る。 (4)「幼児期の学びと小学校教育の連携のための取組表」や「幼児教育と小学校教育 をつなぐ連携プラン」を基に、公立・私立の幼稚園や保育所と小学校の幼保小連携 教育を推進する。連携に当たっては、各学校・幼稚園の担当者を対象とした連絡協 議会や連携教育の成果と課題等を検討する検討委員会を各2回開催するとともに、 「幼保小連携教育実践集」を作成し、2月に実践交流発表会を実施する。 (5)公立・私立の幼稚園や保育所と小学校の幼保小連携教育の充実の他、年間2回実 施する幼小中連絡協議会や中高連絡協議会の充実を図り、幼保・小・中・高の円滑 な接続や連携を推進する。 (6)小中一貫教育校の指導実践の成果を全小中学校に広めるとともに、夏季休業中に 実施する教務主任、副校長、校長、園長を対象とした宿泊研修において、中学校ブ ロックの具体的な連携に関する協議を実施するなど、幼小中連携教育を推進する。 (7)「寺子屋かつしか」、「進学重点教室」、水元地区での生徒間交流などを通して、 中学校と区内都立高校の連携を推進する。 (8)東京理科大学と連携し、小・中学生を対象にした「夏休み自由研究教室」、日曜 日・祝日に区民を対象とした東京理科大学関連団体による実験教室を実施する。ま た、「 飾みらい科学研究コンクール」を開催し、子どもの科学を探究する力を育 てる。 (9)算数・数学や理科の教育研究指定校による研究成果を区立学校全体に普及させ、 基礎基本の定着とともに、筋道を立てて考える力や自力で解決を図る力を身に付け、 自らの考えを伝えるなど、学び合う子どもを育てる授業の充実を図る。 (10)発達障害のある児童・生徒一人ひとりの生活上や学習上の困難さの改善を図るた めに、4月からすべての区立小学校に「特別支援教室」を設置し、教員による巡回 6 指導を開始する。さらに、中学校における「特別支援教室」の設置について研究す る。 (11)総合教育センターは、各学校へのよりきめ細やかな巡回相談・指導を実施する。 (12)都立特別支援学校との連携を推進するため、連絡協議会を年2回開催する。 (13)児童・生徒ごとに、不登校になった原因や不登校の継続理由を把握し、その児童・ 生徒に合った支援策を保護者・学校とともに協議し、早期の学校適応をめざした教 育支援センターの整備に向けて検討を進める。併せて現在試行している南綾瀬地区 センターにおける「小学部の適応指導教室の試行」や訪問型の学校復帰支援につい て成果と課題を検証する。 (14)いじめや不登校など教育に関わる様々な悩みや、心身に障害のある子どもの就学 について、より相談しやすい教育相談や就学相談の体制をめざし、総合教育センタ ーの建物を改修し、教育相談及び就学相談の受付機能を強化する。 (15)「 飾区いじめ防止基本方針」及び「学校いじめ防止基本方針」に則り、いじめ 問題に対して、適切に対応する。 (16)平成27年度から実施した小学校6年生を対象とした日光移動教室にALTを1 日同行させ英会話を体験する活動や中学1・2年生の希望者を対象とした英会話だ けで1泊2日の生活をする「イングリッシュ・キャンプ」に加え、中学校2年生を 対象とした中学生海外派遣を実施する。 (17)英語の教科化を見据え、小学校教員を対象とした英語指導研修を夏季休業中に 11回実施し、教員の資質・能力の向上を図る。 (18)日本語指導が必要な児童・生徒の増加や来日直後の初期指導、保護者への通訳派 遣、さらには現在の通訳派遣制度における派遣人数や派遣時間が不十分であること など様々な課題へ対応していくため、平成28年度から有識者を中心とした検討会 を設け、「(仮称)多文化共生センター」の設置に向けて検討する。 (19)豊かな教育環境の実現に向け、学校施設の改築・改修を推進する。「早期に改築 する学校」及び「早期に一部改築・改修する学校」とした5校のうち、小松中学校 の改築に向けた基本・実施設計に取り組むほか、東金町小学校及び高砂けやき学園 高砂小学校の改築、本田中学校及び西小菅小学校の一部改築・改修に向けた取組み を進める。また、上千葉小学校体育館・プールの改築工事を引き続き実施する。 (20)子どもたちの学校環境の整備やヒートアイランド対策、砂塵対策のため、校庭の 芝生化を進める。また、教育環境の向上や天候に影響されにくい校庭の効率的な活 用を検証するため、モデル事業として校庭の人工芝生化を実施する。 (21)学校の部活動や地域住民によるスポーツ活動の環境整備を進めるとともに、災害発 生時の避難所の照明として活用するため、学校に夜間照明設備を設置する。 (22)校舎の長寿命化・環境向上に向けて、外壁改修、給排水設備改修、トイレ改修、校 庭改修などの維持管理改修工事を適切に行う。 (23)ICT活用に向けた段階的な学校の環境整備として、校内LAN、大型教材提示 装置、指導者用タブレットPCなど、指導者用デジタル教科書の活用できる環境構 築を進め、ICTを活用したわかりやすい授業の実現や児童・生徒の情報活用能力 を育成する。 (24)小学校1年生から中学校3年生までを学年の発達段階ごとに4段階に分け、児童・ 7 生徒の授業の受け方を示した「かつしかっ子学習スタイル」と小・中学校共通の教 師の授業方法を示した「 飾教師の授業スタンダード」に引き続き取り組む。 (25)全ての学習の土台となる国語、算数・数学、英語、体力の基準として作成した「か つしかっ子チャレンジ」を活用し、学習内容の定着に向けて、「チャレンジ検定」 を実施する。教員は、一人ひとりの児童・生徒に対して粘り強く寄り添う学習支援 を行い、合格した児童・生徒には、合格証を渡すことで自信と誇りをもたせるよう 取り組む。 (26)通学区域内の児童・生徒数の増加や国の学級編制基準の見直しに伴う学級増に適切 に対応するため、余裕教室の活用、通学区域の見直し、増築など、必要な対応を行う。 8 【基本方針4 「生涯にわたる豊かな学びを支援します」】 区民が生涯にわたり、身近な所で学習・文化・スポーツ活動に親しみ、区民同士 が交流し絆を深めるための場と機会を充実します。 また、学んだことを地域社会に活かすしくみを区民との協働でつくり、学び合い、 助け合い、高め合うコミュニティづくりを進めます。 <主要施策> (1)「かつしか区民大学」では、ふるさと 飾への理解と関心を深める「 飾学」や 地域の各種活動を担う人材を育成する分野など、各種講座を充実させるとともに、区 民との協働を進めるため、区民運営委員会が企画する講座や、区民や団体との協働事 業、また、区内教育機関との連携など、その充実・拡大を図り、多様な学習機会を提 供する。 (2)地域住民による地域課題の学び合いと解決を進めるために、「わがまち楽習会」等 の事業を推進するとともにPRの強化に努める。 (3)児童・生徒をはじめ、区民の郷土愛の醸成を図るために、小学校の郷土学習の副教 材として区立小学校3年生全児童に「かつしか郷土かるた」を配付するとともに、学 校からの求めに応じ、 飾区の歴史や自然を伝える出前授業を実施する。また、青少 年育成地区委員会や小学校との連携を図りながら、子どもの地区競技大会やその代表 者からなる全区競技大会を開催するなど「かつしか郷土かるた」の普及・活用の取組 みを進める。 (4)埋蔵文化財の調査、並びに有形・無形文化財の保護に努めるとともに、その公開・ 活用を進める。 (5)郷土と天文の博物館は、博物館ボランティアや区民との協働を進めながら、区民 ニーズを考慮した新たな「テーマ」や「切り口」で、特別展・企画展など様々な展 示を実施する。また、中期実施計画の初年度に当たり、体験学習室は教育資料館収 蔵資料が展示できるように改修し、講堂は講座受講環境向上に向け、映像・音響等 の設備を更新する。 (6)高齢者が自主的・積極的に安心してスポーツを行うことができる環境整備とし て、地域で定期的に体力測定会を行うとともに、健康体操プログラムの提供を行 う。また、手軽に取り組めるスポーツプログラムを普及推進していくほか、 飾 区スポーツ指導員のさらなる活用を図る。平成28年度は、新たに体組成測定器 を導入し、測定項目を充実させて体力測定会を開催するとともに、スポーツボラ ンティア制度を設立する。 (7)障害者が自主的に安心してスポーツ活動に取り組めるよう、(仮称)障害者スポ ーツ普及協会の設立に向けて準備を進めるとともに、協会を支える人材として障害 者スポーツ指導員の育成を図る。また、パラリンピック公式種目であるボッチャ競 技の普及推進を行う。平成28年度は、ボッチャ教室を新規に開催する。 (8)かつしか地域スポーツクラブが地域スポーツの担い手として重要な役割を果たす よう、さらなる育成と活動の充実を図り、スポーツ環境を整備する。また、地域の 課題解決も視野に入れて、地域住民が主体的に取り組むスポーツを通じたコミュニ ティ拠点として充実、発展していくことを促進する。 9 (9) 飾区体育協会と協働して、40の加盟団体スポーツ種目を中心に、高齢者・障 害者・ジュニア層・子育て中の親子など、あらゆる世代を対象として、運動経験の 少ない方や初心者向けのスポーツ教室、体験会などの事業を実施する。 (10) 飾区の体育施設を会場として、青少年の健全育成と地域活性化を目的に少年サ ッカー大会「キャプテン翼CUPかつしか」を開催する。また、大会の開催を通じ て“キャプテン翼ゆかりのまち” 飾“サッカーのまち” 飾をPRするとともに、 キャプテン翼ゆかりの自治体と連携することで、 飾区の魅力、地方の魅力を全国 に発信し、地域活性化と自治体間の交流を広げていく。 (11)東金町運動場多目的広場の人工芝生化、ウォーキング・ランニングコースの新設 に向けた準備、計画的なスポーツ施設の改修等、安全で快適にスポーツができる環 境を整備する。また、フィットネスパーク構想に基づき、水元中央公園内に新たな テニスやサッカー・少年野球等ができるスポーツ施設を整備する。 (12)子どもから高齢者まで幅広い層の区民が、個人や家族、仲間同士でランナーやス タッフ、応援者など、様々な形でイベントに参加できる機会を確保し、スポーツ実 施率の向上や健康増進をはじめ、多世代の交流や地域の交流などが促進されるスポ ーツイベント「かつしかふれあいRUNフェスタ」を開催する。 (13)区民生活に役立つ情報の収集とわかりやすい情報の提供に努め、区民の身近な課 題解決を支援する。そのため、医療・健康・法律・福祉等情報提供セミナーの実施、 テーマ別コーナーの設置や、ビジネス支援・ハンディキャップサービス・児童サー ビスなど目的や年代に応じた各サービスの充実を図る。 (14)地域の貴重資料を区民の共有財産として後世に残すため、資料のデジタル化に取 り組み、デジタル化が完了した資料は、随時ホームページ等で公開する。また、区 民誰もが気軽に地域情報を閲覧し、地域に関心を持てるよう、地域資料の発信を充 実させる。 (15)「ブックスタート事業」や「セカンドブック事業」を継続して行い、幼児期からの 読書習慣の定着を図る。さらに、平成27年度に引き続き、小学校1年生及び中学校 1年生に、教育長からのメッセージを添え、教育委員会が薦める図書リストから児 童・生徒が希望する本を手渡す「かつしかっ子ブック事業」を実施することにより、 児童・生徒が読書に親しむ機会を積極的に支援する。 (16) 利用者の利便性向上を図るため、図書館以外で借りた図書を返却できる「図書返 却ポスト」を新たに3か所設置する。また、図書館サービスの一部(予約本等の貸 出・返却等)を実施する図書サービスカウンターを堀切地区に1か所整備して、よ り便利で使いやすい図書館機能の充実を図る。 (17) 今後需要が高まることが予想される電子書籍などの導入に向けて、調査・検討を行 う。 10
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