4月25日

「サン・ジョルディの日(4 月 23 日)」
(4月25日)
今日は、お話を一つします。
昔々、カタルーニャと呼ばれる国がありました。
その国には、地を駆け、空を飛び、海を泳ぎ、一息で森や作物を焼き尽くすことのできる獰
猛な恐ろしいドラゴンがおり、住民たちは怪物の怒りを鎮める為に、毎日 1 人ずつ生け贄を
捧げておりました。
ある日、王様の娘が生け贄になる順番がまわってきました。大勢の人がお姫様のことを思
い、身代わりになることを申し出たのですが、王様はその申し出を受け入れません。悲しみ
に心を引き裂かれそうになりながらも、可愛い娘に残酷な運命を全うさせる他なかったので
す。
ところが、お姫様が餌食になろうとするその時、真っ白い駿馬に跨がり、黄金に輝く甲冑
をまとった 1 人の若い騎士が姿を現しました。彼こそが、お姫様を救いにやって来た騎士サ
ン・ジョルディだったのです。
サン・ジョルディとドラゴンは激しく戦います。ドラゴンの強さは圧倒的で、厳しい戦況
が続きました。しかし、善は常に勝利を収めるもので、サン・ジョルディの手にした槍がド
ラゴンの心臓を貫き、見事お姫様を救い出すことができたのです。
溢れ出したドラゴンの血からは、見たこともないほど美しい薔薇が咲き、サン・ジョルデ
ィは、その中でも最も美しい薔薇を手折り、永遠の愛のシンボルとしてお姫様に贈ったので
す。 それ以来カタルーニャの人々は、サン・ジョルディが亡くなった、毎年 4 月 23 日を
サン・ジョルディの日とし、愛する人たちに美と教養のしるしとして 1 本の薔薇を贈るよう
になったといわれます。
お話はこれで終わりですが、その後、4 月 23 日はセルバンテス、シェークス
ピアという有名な作家の命日であることから、男性は好きな女性に1本のバラ
を、女性は好きな男性に本を一冊贈るようになりました。
このサン・ジョルディの日は、日本では「子ども読書の日」とされ、この日
から 5 月 12 日までの 3 週間は「こどもの読書週間」になっています。
みなさんは、新しい学年になってから何冊の本を読みましたか?でひ、この「こ
どもの読書週間」でたくさんの本を読んでください。