神奈川県立図書館ビジネス関係資料ガイド No.60 〒220-8585 横浜市西区紅葉ケ丘 9-2 2011.4.1 資料のお問い合わせ先 図書については:045(263)5901 雑誌については:045(263)5905 Fax 045-241-0985 http://www.klnet.pref.kanagawa.jp 神奈川県立図書館では、ビジネスの世界で活躍されている方々を支援するため、会社経営に関する法律関連資料、経営ノウハウ 関連資料、商品を企画するための基礎データ・市場調査データなど多様な資料を取り揃えております。どうぞご利用ください。 当館の資料の所蔵情報は、ホームページからも検索できます。 < ◎不合理だからすべてがうまくいく >内は当館の請求記号(背ラベルの記号) 行動経済学で「人を動かす」 ダン・アリエリー(著) 早川書房 2010.11 <331 /698> わたしたちがどんなふうに不合理か、その不合理さが経済にどのように影響するかを追求する新しい学問分野が「行 動経済学」である。行動経済学によって、さまざまに系統的な不合理さが見えてきた。手をかけることが高評価をもた らすIKEA効果、やる気をそいでいる高額ボーナス、自分で思いついた(と思わせられた)意見は好ましい、雑用は 一気に片づけるほうが楽。 本書は二部構成になっており、第一部では職場の世界における、給料、上司、自分の作品やアイデア、不当に扱われ たときの感情など理屈に合わない不合理な行動について扱い、第二部では家庭における周りの環境や自分の身体、新し く出会った人、愛する人、遠くの困っている人に対する理屈に合わない不合理な行動について掘り下げている。行動経 済学研究の第一人者が、わたしたちがなぜ、どのように不合理な行動をしてしまうのかをユニークな実験で紹介。世界 的ベストセラーになった前作『予想どおりに不合理』に続く注目すべき第2弾。 ◎環境ビジネスハンドブック これだけは知っておきたいビジネスルール 46 環境経営学会(編) 中央法規 2010.11 <519.13/76> 本書は、社会経済システムのグリーン化を推進するために、特に企業やビジネスの立場から何をなすべきか、何が できるのか、そして、そもそも世界の状況と流れはどのようになっており、社会的な枠組みやルールとしていかなる ものがあるのかを、できるだけ平易にかつ網羅的に解説したものである。第一部では、もはや待ったなしとなってい る地球環境の現状と、世界的に巻き起こっている社会経済システムのグリーン化に向けた大きなうねりを紹介。第二 部では、 「経済のグリーン化」全体に共通する基本的な政策枠組みや企業等による自主的な取組促進策を整理したうえ で、 「低炭素社会」 「循環型社会」 「自然共生社会」という切り口ごとに、基本的かつ重要な条約、法律、戦略・計画、 ガイドラインその他諸制度の合計 46 項目をピックアップして解説。環境ビジネス戦略構築のための好著。 ◎2020 年のブラジル経済 鈴木孝憲(著) 日本経済新聞出版社 2010.11 <332.62 /7 > ブラジルは今、大きく変わりつつある。ここ数年で新たに誕生した中間所得層Cクラスがいまや一億人近くに達し、 国民の半数を超える一大消費グループとなって、国内の巨大市場を支えている。自動車販売台数で世界第4位の市場で あり、化粧品は米国、日本に次いで世界第3位、パソコン販売台数でも世界第3位の座をうかがいつつある。しかもブ ラジルには鉄鉱石からウランまで天然鉱物資源が豊富にあり、石油も 2006 年自給率 100%を達成した。さらに莫大な埋 蔵量の超深海油田プレ・サルが発見されている。欧米系の外資は早くから今後の成長性を見極めて、ブラジルにグルー プの収益の新しい柱を構築する戦略を展開、韓国勢や中国勢も急速に動き出している。日本企業の海外投資・進出は中 国などアジア向けが多いためか、日本ではブラジルの経済やビジネスに関する情報はかなり少ない。本書は、急速に変 わりつつあるブラジルの最新事情と 2020 年へ向けてのブラジル経済のポテンシャリティを詳細に解説。 ◎合理的市場という神話 リスク、報酬、幻想をめぐるウォール街の歴史 ジャスティン・フォックス(著) 東洋経済新報社 2010.10 <338.25/39> 本書は、ウォール街を長く支配してきた市場の合理性をめぐる理論がたどった 100 年の軌跡をつづる物語である。金 融市場はどのように動いているかという強力だが欠陥のある一連の理論の興隆と、一部の理論の凋落を描いている。そ の中でいちばん有名な理論である効率的市場仮説によれば、市場は情報を完璧に合理的に処理し、資本を合理的に配分 する。また、ブラック=ショールズ・オプション価格評価モデルと資本資産評価モデル(CAPM)を信じているので あれば、市場のリスクは計測できて、管理できる。 しかし、金融危機以後、合理的市場という理論体系の全体が音を立てて崩れた。それは不滅の真理ではなかったので ある。合理的市場理論や株主価値理論は、複雑な世界を劇的なまでに極端に単純化している。そうすることが有益な場 合もある。しかし、これらの理論は現実をありのままに記述したものではない。それを不滅の真理とするのは危険な考 え方である。本書は、今日の危機を検証した書籍として評価が高い。 ◎スウェーデン・パラドックス 高福祉、高競争力経済の真実 湯元健治、佐藤吉宗(著) 日本経済新聞出版社 2010.11 <364.1/138> 高福祉・高負担であるにもかかわらず、高い経済成長と高い国際競争力を常に維持し続けるスウェーデンの謎を徹底 気に解明する。スウェーデンは、世界経済フォーラムの 2 0 1 0年国際競争力ランキングでは2位に躍進した。この高い国 際競争力を支えるのが「スウェーデン・モデル」である。その特徴は7つの要素から構成される。 (1 )オープン・エコノミーと健全なマクロ経済・財政運営 (2 )ITインフラの整備とイノベーションを生み出す戦略的研究開発 (3 )高い女性の労働参加率と子育て支援の仕組み (4 )包括的かつ大胆な環境政策と環境に対する高い国民意識 (5 )連帯賃金制度と呼ばれる労使協調型の賃金決定の仕組み (6 )人間を重視する積極的労働市場政策と実学志向の強い教育制度 (7 )労働インセンティブと企業活力に配慮した税・社会保障制度 今後、少子高齢化に向かう我が国において学ぶべきものが多い書である。 ◎2011 年日本経済ソブリン恐慌の年になる! 高橋乗宣・浜矩子(共著) 東洋経済新報社 2010.12 <332.1 /1258> ギリシヤの財政問題を発端に、世界経済はソブリン(国債)恐慌突入前夜とも言うべき状況に直面している。経済の グローバル化が進み、金融マーケットが絶大な力を持つ今日では、ひとたび破綻の懸念材料が出れば、投資家はただち にその国の国債(ソブリン債)をたたき売る。それが小国にとどまっている間は、世界経済に甚大な影響を与えるまで は行かないかもしれないが、日本を含む世界の主要国のどこかで市場に大量売りされた国債の暴落が起こるような事態 になれば、国家破綻の連鎖は避けられない。リーマン・ショック後に各国政府が実施した政策の総額は約5億ドルにの ぼったが、国家破綻の連鎖という前例のない事態が起きた時、今度はその何倍もの財政出動が必要となるのは間違いな い。そしてそのような悪夢が現実となった時、それは善良な市民の経済活動にも深刻な影響を及ぼすものとなろう。日 本の国債の格付けが格下げされる昨今、的を射た好著。 ◎観光まちづくりのマーケティング 十代田朗(編著) 学芸出版社 2010.11 <689.4 /48> 「観光まちづくり」は地域が主体となって、自然、文化、歴史、産業など、地域のあらゆる資源を活かすことによっ て、交流を振興し、活力あふれるまちを実現するための活動である。つまり観光の視点を取り入れたまちづくりであり、 言い換えれば、まちづくりの新しい“物差し”として「観光」が登場してきたと言える。しかし、ここで注目すべきは 「観光」が単なる物見遊山を意味しているのではなく、もっと広い概念へと拡がりを見せていることである。本書は広 い意味でのマーケティングに関する本であり、各地でまちづくりに取り組んでいる方には参考となる一冊である。 ご紹介しきれなかった新着のビジネス関係図書の中からピックアップしてご案内いたします。 タイトル 著者・編者等 出版社等 請求番号 1 グローバル金融危機と世界経済の新秩序 青木健、馬田啓一 日本評論社 333.6/656 2 世界金融・経済危機の全貌 植田和男 慶應義塾大学出版 338.9/455 3 パチンコの経済学 佐藤仁 東洋経済新報社 673.94/8/2 4 企業審査入門 久保田正純 日本経済新聞社 シ 336 5 自分を守る経済学 徳川家広 筑摩書房 シ 331 6 職場のワーク・ライフバランス 佐藤博樹・武石恵美子 日本経済新聞社 シ 336 7 Q&A同族会社と役員をめぐる税務 衛藤政憲 大蔵財務協会 336.98/169 8 グローバル金融攻防三十年 太田康夫 日本経済新聞社 338.9/457 9 アメーバ経営学 10 アントレプレナーシップの経済学 続 競争、崩壊、再生 理論と実証 アメーバ経営学術研究会 本庄裕司 KCCSマネジメントコン サルティング 同友館 336/406 335/1045 最近の雑誌の特集から 誌名 (発行頻度) 出版社 年月号 <請求番号> 特集名と概要 情報の科学と技術 (月刊) 情報科学技術協会 特集 : ソーシャルサービス活用指南 <Z015.2/63> 2011 年 2 月号 ソーシャルサービスとは、ソーシャルメディア、利用者参加型サービスなどとも呼ばれ、ウェブ上で展開されるサ ービスの典型として、2 0 0 4年以降のいわゆる“W e b 2 . 0ブーム”の中でもそのひとつの特徴とされた。この利用者参加 型のサービスは、フリー百科事典や電子書店などを筆頭に普及が進み、生活の重要な情報源そしてコミュニケーシ ョンツールにもなっている。図書館や情報センターのみならず、ビジネスの世界にも大きな影響力を持つこのサー ビスについて、発達の経緯と現状を紹介する。併せて、これまでの“ジャーナリズム”のかかえてきた役割や問題点 についても“情報発信する私”という視点で考察する。今後のインターネット上のサービスや利用者参加型サービス を構築・展開する上での一助になる。 毎日フォーラム 日本の選択 (月刊) 毎日新聞社 2011 年 2 月号 <Z310/513> 特集 : 日本の森があぶない!? 「日本の森が外国資本に狙われている。ここ数年このような疑念が各地で湧き上がっている」、と特集は始まる。 不動産売買が原則自由な日本だが、外国人や外国資本による土地の取得の増加が懸念され、次いで貴重な地下 水や河川の源流となっている水源林についても、不安が高まっている。政治の場面でも、与野党双方から法整備へ の動きが出始めた。特集では、国土保全や安全保障に関して無頓着な国民性、林業の衰退による森林放棄、土地 所有者を確定する地籍調査の遅れなど、日本の土地を巡る根源的な問題にスポットライトを当てている。 平成 23(2011)年は、国連が定めた国際森林年(the Internationl Year of Forests)。これは、世界中の森林 の持続可能な経営保全の重要性に対する認識を高めることを目的として、2006 年に国連総会で議決された。 この記念年にあたり、森林についての国内外からの視線を与え、また幅広い認識を読者に求める。 文 MON NEXT (半年刊) 公文教育研究会 2011 年 1 月号 <Z370.5/101> 特集:老舗-「お客様第一」「不易流行」「事業継承」に努めて生成してきた- 明治 45(1912)年までに創業した、人間でいえば白寿を迎える日本の老舗・長寿企業の数は 24,570 社である。こ の数字は世界でも類を見ない膨大なもので、世界的な「老舗大国」「企業長寿立国」といえよう。 その中で江戸幕府開府以前に創業した企業は 145、江戸時代に開業した企業となると 2,815、両方合わせると明 治維新以前までに創業した 2,960 社が今も事業を続けている。帝国データバンク史料館の平成 20(2008)年のアン ケート調査を基に、時代を超えて生き残る企業の条件について分析し、紹介している。 読売ADリポートOjo(月刊) 読売新聞東京本社広告局 2011 年 2/3 月号<Z674/502> 特集 : トリプルメディア時代のコミュニケーション ソーシャルメディアの普及で、コミュニケーションの主導権は企業から消費者に移った。マーケティングの在り方 を根本から変えるこうした情勢に、企業はどう対応すべきか。企業のあらゆる活動を消費者との接点(メディア)として とらえ直そうという「トリプルメディア」の考え方を紹介し、新聞社という立場から、理論と実践面から掘り下げる。 マス広告に代表される対価を払って情報発信する「ペイドメディア(paid media)」、企業サイトやキャンペーンサ イトのように自社で所有して情報発信する「オウンドメディア(owned media)そしてソーシャルメディアなどでの消 費者の自発的な発言や推奨を中心とした「アーンドメディア(earned media),これがトリプルメディアで、この 3 つ のメディアを有機的に連携させ、企業活動全体をデザインすることが大事である、と説く。 *資料が見つからない場合は、カウンタ-の職員に おたずねください。電話・FAX・eメールでも 調査方法等に関するご相談をお受けしています。 *開館時間:火~金 土・ 日・ 祝 午前9時~午後7時 午前9時~午後5時 (月曜・第2木曜は休館) *交通:JR・市営地下鉄 桜木町駅より徒歩 1 0分 京浜急行線 日ノ出町駅より徒歩 1 0分 みなとみらい線 みなとみらい駅より徒歩 1 5分 バス 紅葉坂・戸部1丁目バス停より徒歩 5分 *駐車場(有料)がありますが、なるべく電車・バスで ご来館ください。
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