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Shared Research Report
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当PDF文書は上に示されている企業に関する詳細レポートのアップデート版として作成されたものです。
詳細レポート全体につきましては弊社ウェブサイト(http://www.sharedresearch.jp)をご覧下さい。
2016年8月24日、メドレックスは、2016年12月期第2四半期決算説明会を開催した。追加臨床試験において有意差
を示すことができなかったETOREATⓇ(下記参照)については、提携先(祐徳薬品工業、カネカ、興和)との協議
の上、今後の方針を決定する予定であると同社経営陣は述べた。また、2016年12月期第2四半期期末に保有する現
預金2,792百万円は、仮にETOREATⓇを断念したケースを想定しても、他の4つのパイプラインを2年半にわたって
開発できる金額に相当すると語った。
2016年8月22日、最重要パイプラインである消炎鎮痛貼付剤ETOREATⓇの米国での追加臨床試験(DOMS試験)の
結果(速報)について公表した(ニュースリリースへのリンクはこちら)。
主要評価項目である累積痛みスコアにおいて、ETOREATⓇ投与群と対照薬(プラセボ)投与群の間で統計学的な有
意差が示されなかった。
2016年8月5日、同社は、2016年12月期第2四半期決算を発表した。(決算短信へのリンクはこちら)
2016年12月期第2四半期累計(上半期)実績は、売上高10百万円(前年同期比31.3%減)、同営業損失742百万円
(前年同期の営業損失446百万円から損失拡大)、同経常損失731百万円(前年同期の経常損失451百万円から損失
拡大)、同親会社株主に帰属する四半期純損失707百万円(前年同期比の純損失336百万円)となった。
四半期業績推移
(百万円)
売上高
前年比
製品売上高
前年比
構成比
研究開発収入等
前年比
構成比
売上総利益
前年比
利益率
販管費
前年比
売上高販管費比率
(内、研究開発費)
(内、給料及び手当)
(内、減価償却費)
(内、その他)
営業利益
前年比
利益率
経常利益
前年比
利益率
親会社株主に帰属する四半期純利益
前年比
利益率
出所:会社データよりSR社作成
www.sharedresearch.jp
FY12/15
1Q
14.1
467.6%
14.1
467.6%
100.0%
nm
0.0%
9.2
620.3%
65.2%
252.7
-17.1%
1795.7%
174.1
13.9
0.9
63.7
-243.5
nm
nm
-245.3
nm
nm
-134.6
nm
nm
2Q
1.1
-94.1%
0.7
-96.2%
65.0%
0.4
nm
35.0%
0.8
-94.7%
67.0%
204.1
-28.3%
17870.9%
126.5
12.2
0.9
64.5
-203.3
nm
nm
-206.2
nm
nm
-202.1
nm
nm
3Q
19.9
464.7%
19.9
464.7%
100.0%
nm
0.0%
14.8
2376.3%
74.5%
226.3
-2.1%
1138.0%
160.4
14.0
0.9
51.0
-211.5
nm
nm
-193.7
nm
nm
-194.8
nm
nm
4Q
2.5
180.9%
2.5
180.9%
100.0%
nm
0.0%
0.7
42.0%
29.5%
342.4
71.4%
13634.8%
255.4
21.5
0.9
64.6
-341.6
nm
nm
-345.7
nm
nm
-346.9
nm
nm
FY12/16
1Q
9.9
-29.9%
9.9
-29.9%
100.0%
nm
0.0%
7.9
-13.8%
80.1%
276.2
9.3%
2800.0%
199.9
16.1
0.9
59.4
-268.3
nm
nm
-256.8
nm
nm
-236.8
nm
nm
2Q
0.6
-49.1%
0.6
-21.7%
100.0%
nm
0.0%
0.2
-75.2%
32.7%
474.7
132.6%
81701.5%
na
na
na
na
-474.5
nm
nm
-474.3
nm
nm
-470.7
nm
nm
3Q
4Q
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2016年12月期第2四半期累計(上半期)実績と、前回(2016年5月12日)発表の同会社予想との差異は、下表の通
り。
2016年12月期第2四半期(累計)連結業績予想と実績値との差異
(単位︓百万円、円)
前回(2016年5月12日)発表予想 (A)
2016年12月期第2四半期(累計)実績値 (B)
増減額 (B-A)
増減率 (%)
2015年12月期第2四半期(累計)実績値
▶
▶
出所:会社資料よりSR社作成
売上高
営業利益
14
10
-4
-30
15
-958
-742
216
-446
経常利益
-947
-731
216
-451
親会社株主に帰
1株当たり 四
属する四半期純利
半期純利益
益
-924
-120.62
-707
-92.10
216
-336
-50.32
売上高が会社予想比未達に終わった理由:一部製品について期初で想定していたより受注が伸びなかったため。
尚、同社は、同社の上市製品である褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「ヨードコート軟膏」等の製品を、提携先の製薬会
社を通じて販売している。
利益が会社予想を上回った理由:①現在実施中の消炎鎮痛貼付剤ETOREATⓇのDOMS試験(後段で詳述)の結果
判明時期が当初予定の2016年12月期上半期から2016年8月後半となったため、DOMS試験費用の発生時期が
2016年12月期下半期に期ズレしたこと(営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益に影響)、
②為替差益(0.9百万円)*と持分法による投資利益(2百万円)**を営業外収益に計上したため(経常利益、親
会社株主に帰属する四半期純利益に影響)
*主に、在外子会社の財務諸表項目の換算によるもの
**持分法適用関連会社の株式会社ケイ・エム トランスダームが収益を計上することができたことによる。ケイ・エム トランスダームは研
究開発を主軸とするベンチャー企業であり、研究開発投資が先行するなかで、2016年12月期第2四半期累計(上半期)には利益を計上する
ことができた。
【2016年12月期第2四半期累計(上半期)のパイプラインの動向】
最重要パイプラインである消炎鎮痛貼付剤ETOREATⓇ(エトドラクテープ剤)を始め5つのパイプライン*について、
製品化に向けた開発を推し進めた。同時に、後続パイプラインの研究開発及び提携候補先との契約交渉を行うな
ど、同社は事業の拡大を図ってきた。
* ETOREATⓇの他に、MRX-1OXT:中枢 性鎮痛貼付剤(オキシコドンテープ剤)、MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテー
プ剤)、MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)、MRX-5DML:アルツハイマー治療薬 (ドネペジル・メマンチン含有貼付剤)。
ETOREATⓇについては、米国の規制当局であるFDA(アメリカ食品医薬品局: Food and Drug Administration)と
の承認申請に必要な追加臨床試験に関する協議により、急性疼痛の一種として合意したDOMS(Delayed Onset
Muscle Soreness、遅発性筋肉痛)に関する病態モデル*での臨床試験を実施した。同社では、追加臨床試験1本
目の結果判明は2016年8月後半、2本目の結果判明は2017年前半を見込んでいる。
*約100名の健常人を対象として、人為的に筋肉に負荷をかけてDOMSを発生させ、その痛みの症状に対してETOREATⓇの有効性を検証
MRX-1OXTについては、米国において臨床試験を実施するための非臨床試験を2015年11月より開始。米国における
治験薬製造について2015年12月に委託契約を締結したThe Tapemark Company(本社:米国ミネソタ州)に対し
て製造技術移転を進めている。
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MRX-5LBTについては、2016年5月に第Ⅰ相臨床試験の結果が判明した。具体的には、米国においてピーク時年商
約120,000百万円であったリドカインパップ剤LidodermⓇと比較して皮下組織により早く(約半分のスピード)よ
り多く(約2.6倍)のリドカインを浸透させることを示唆する結果を得た。同社では、ILTSⓇ技術の優位性を示す
結果を得ることができたと考えており、今後、早期の新薬承認申請(New Drug Application)を目指してさらに開
発に注力していく。
MRX-4TZTについては、現在、非臨床試験を実施中であり、2016年中に臨床試験を開始する計画。
MRX-5DMLについても、2017年中の臨床試験開始を目指して、非臨床試験を実施していく計画である。
【財政状態】
2016年12月期第2四半期末の総資産は、2015年12月期末に比べて683百万円増加し、3,661百万円となった。米国
における臨床試験費用の増加等により、親会社株主に帰属する四半期純損失707百万円を計上することとなったも
の、現金及び預金が729百万円増加したことが主因。2016年12月期第2四半期末の現金及び預金は2,792百万円。現
金及び預金の増加の背景には、第8回新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)の権利行使による
払込み731百万円、第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行による払込み631百万円などがある。
2016年12月期第2四半期末の負債は、2015年12月期末に比べて607百万円増加し、812百万円となった。第1回無
担保転換社債型新株予約権付社債の発行により固定負債として転換社債型新株予約権付社債を631百万円計上し
たことなどによる。
2016年12月期第2四半期末の純資産は、2015年12月期末に比べて76百万円増加し、2,848百万円となった。第8回
新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)の権利行使により資本金、資本剰余金がそれぞれ367百万
円増加した。一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失707百万円により利益剰余金のマイナスが707百万円拡
大した。
【2016年12月期会社予想】
前回予想(2016年5月12日発表)から変更なし。具体的には、売上高29百万円(前期比-20.3%)、営業損失1,608
百万円(前期は営業損失999百万円)、経常損失1,594百万円(前期は経常損失990百万円)、親会社株主に帰属す
る当期純損失1,572百万円(前期は純損失878百万円)。
掲載企業の詳細レポートもご覧ください。
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