RENAULT MEGANE 2.0 CITROËN C4 SEDAN 2.0

理由その1:明るい気分になる
RENAULT MEGANE 2.0
CITROËN C4 SEDAN 2.0
PEUGEOT 307 FELINE 2.0
【対談】竹岡 圭(モータージャーナリスト)× 野田義彦(小誌編集長)
VWゴルフⅤ GTIとミニ・クーパーを並行所有するほど、
欧州のハッチバックにめっぽう弱いモータージャーナリストの竹岡 圭。
フランスの小粋な代表選手たちには、常にリーチがかかっている状態と話す。
ばかり3台持っていても勿体ないし。
強いクルマのほうがいいじゃない。フランス車
するお馴染のクルマ、ルノー・メガーヌ/シトロエ
野田
本当にハッチバックが好きなんですね。
の生命線は個性でしょう。その点で、メガーヌの
ンC4/プジョー307のすべて2R版です。あらた
竹岡
好きというか、荷室へ気軽に荷物を放り
スタイリングは合格。特にリアのデザインは個
めて乗ってみてどんな印象を抱きましたか。
込めるし、都市生活者にはボディサイズも適して
性的ですごくカッコいいと思う。エンジンも活発
竹岡
いるからやっぱり便利なんだよね。
に回るから退屈することはないし、このクラスに
野田
編集部が用意したのはフランス車を代表
ありきたりだけど、共通しているのは癒し
系タイプということかな。ドイツ車って、カッチリし
すぎていて、疲れている時に乗るのが辛いじゃな
い。1台はこのクラスのフランス車を手元に置い
フランス車度数の高いメガーヌ
野田 ところでメガーヌのどのあたりに惹かれて
ておくと便利に使えると思う。お世辞じゃなくて、 いるのですか?
しては乗り味に高級感もあるから。
野田 フランス車らしさを感じるわけですね。
竹岡
疲れている時に乗ってもホッとできて明
るい気分になれるよ。で、2.0(AT)の新車価格
個人的にもルノー・メガーヌはずっと気になってい
竹岡
て、次の有力候補として考えているんだよね。
がどこにあるのか、ということだよ。
次に買うならメガーヌかなと。
野田 もしかして、増車ですか?
野田
野田 ちなみに2.0の認定中古車は170万円前
竹岡 まさか。どちらかと入れ替えだよ
(VWゴル
現だと思います。
後から探せますから、こちらも買い得感は高い
フⅤGTIとミニ・クーパー)
。欧州のハッチバック
竹岡
です。
まずは、わざわざフランス車を選ぶ理由
その「わざわざ」って言葉はすごくいい表
せっかく輸入車に乗るわけだから個性の
が270万円というのはかなり買い得だと思って。
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ツ車みたいな硬さでは
ンションはもう猫足とは言えないけれど、それで
と2200km。価格は220万円です。
もっと流通量があれば売れ
ないですから。
もVWゴルフやBMW 1シリーズの足に比べれば
竹岡 こういうクルマを知ってしまうと、もう新車
るんじゃないかな。
竹岡
かなりマイルドです。高速安定性もすばらしい。
は買えない
(笑)
。
野田
ドイツ車は道路の段差
都市部で日常使いするならこんな性格のクルマ
が売れないと……。ただし、
などでドスンとくるか
が い いで すよ。1 4 0 p sという最 高 出 力 は
前期型(06年秋に行なわ
ら、それに比べれば全
1300kgの車重を考えると非力に思えるかもしれ
野田 さて、シトロエンC4にいきましょう。スタイ
れたマイナーチェンジ前の
然マイルドなんだけれ
ませんが、走らせてみるとまったくそんな印象は
リングはかなり個性的ですね。好き嫌いがはっ
モデル)
の流通量は増加傾
どね。でも、メガーヌ
抱かないはずです。それどころか、3500回転くら
きり分かれるでしょう。
向にあるようです。希少ではありますが、稀にル
はもう少ししなやかなほうがキャラに合ってい
いからグイグイ前へ出ていく感じはなかなか力強
竹岡
ノースポールも出てくるみたいですよ。僕は、こ
ると思うな。
いし、賛否両論ある独特の4段ATも僕はまった
ランドかもしれない。特にインテリアのデザイ
く気になりません。
ンがいいよね。BXやクサラのチープ感が懐か
竹岡
しいよ。
竹岡
ルノーの中古車は、
それにはもっと新車
ちらに触手が動かされます。フルブーストがかか
036
たしかに最近の
我が道を行くシトロエン
シトロエンって、いま最も個性の強いブ
った時のあの強烈なトルクステアは病みつきに
フランス車きっての優等生、307
なる
(笑)
。いまどき珍しいじゃじゃ馬です。休日
野田
僕はプジョー307が好きですね。加速し
もおもしろくないしね。私も307の完成度はすご
野田 「シトロエンの世界観がわかる人だけが
出勤の際のストレス解消に貢献しますよ。
ていく時のエンジンのフィーリングに、プジョー
く高いと思うよ。もしかするとフランス車で一番
乗ってくれればいい」みたいなきっぱりとした割り
竹岡 ところで最近のルノーって、フランス車に
だけの世界観があって好感が持てます。一気に
の優等生かもしれない。でも、スタイリングには
切りがあります。どう考えても一般受けを狙って
しては足とシートがちょっと硬い気がするんだけ
ドカーンと速度を上げるのではなく、じわじわス
もっと個性がほしい気がする。
いるとは思えない
(笑)
。何と言ってもハイドロ系
れど、どう思う?
ピードに乗っていく感じがマルです。フランス車
野田
の足という飛び道具を持っているから強いです。
野田
特有の加速感なのではないでしょうか。サスペ
きた06年式の認定中古車で、走行距離はなん
許容範囲じゃないですか。少なくともドイ
世界中のクルマがアイシン製を採用して
試乗車はPEUGEOT大田から拝借して
それを考えるとC4の走行感覚ってシトロエンの
【上段】
フランス車らしいセンスを感じさせるルノー・メガーヌの明るい室内。触れた途端にそのスイッチの機能
を連想させる“タッチデザイン”のコンセプトが貫かれている。
【中段】
こちらも個性的で明るい雰囲気のシトロ
エンC4。ドイツ車とは異なる方向性でデザインされていることがひと目でわかる。デジタル式スピードメーター
はダッシュボード中央に配され、ステアリングコラム上にはバーグラフ式タコメーターが装着される。HDDナビ
が標準となるのがトピック。
【下段】3車の中では最もスタンダードなデザインを採用するプジョー307。
“光モノ”
を効果的に使用してシックで高級感のある空間を演出している。
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オーソドックスなリア・デザインを採用するプ
ジョー307を個性派のシトロエンC4(左)
とル
ノー・メガーヌ(右)が取り囲む。特にメガー
ヌのリア・スタイルはその後に登場するハッ
チバックに大きな影響を与えている。プジョ
ー307フェリーヌ2.0は認定中古車。まだマイ
ナーチェンジ前のモデルが主流だが、05年に
登場した後期型も徐々に勢力を拡大してい
る。後期型2.0の平均価格帯は100万円台後
半∼200万円前後。人気は高く活況を呈して
いるもよう。
車両協力=PEUGEOT大田(06年式・走行
2200km・価格220万円)Tel.03-5744-7871
中ではけっこう普通なのかもしれません。
竹岡
【上段:ルノー・メガーヌ 2.0】04年に上陸を開始したメガーヌ。4240×1775×
1460mm。車重1330kg。2R直4エンジンは133ps/19.5mkgを発揮。新車価格:270万円【中段:シトロエ
ンC4セダン2.0】
クサラの後継を担うミドルクラス・ハッチバック。4260×1775×1480mmのボディを2R直4
ユニット
(143ps/20.8mkg)
が軽快に引っ張る。新車価格:269万円【下段:プジョー307フェリーヌ2.0】05
年秋に登場した後期型には“フェリーヌ”のサブネームがつけられる307。4210×1760×1530mm。搭載さ
れる2R直4エンジンは140ps/20.4mkgのパワーとトルクを発揮する。新車価格:269万円。
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「どうすれば万人に受けるか」は日本車に追求し
モデルに対する注目度がそれほどでもなくなっ
てもらって、我が道を走ってもらいたいよね。
てきていると思いませんか。
久しぶりに「うわー、フランス車だなぁ」と思っ
野田
竹岡 「今度の新型もどうせあんまり変ってい
た。スタイリングもインテリアも、そしてあのフ
ていて、いま狙い目のモデルになっています。
ないのでしょ」
と質問する人が増えているのはた
ワーと曲がっていく感じもいいじゃない。やっ
200万円くらいから探せるようです。
しかだよ。
ぱりフランス車は、あれくらい振り切ったところ
竹岡 シトロエンの中古車がディーラーの保証
野田 あのカッチリ感と最新の電子デバイスに
がないとね。
付きで買えるなんてすごいことだよね。90年代
飽きている人が増えているのかもしれません。
野田
までは考えられなかった。
竹岡
は家庭菜園が楽しめそうなくらい広いです。さら
野田
やはりCの付くモデルになって信頼性も
ルで、ユル∼くて、明るい雰囲気みたいなも
に、フロント/サイドのウィンドーがでっかくて温
向上しているという証拠です。売ったクルマが
のが時代に合ってきているような気がしてき
室の中にいるみたいな感じで、意味不明なとこ
次々と故障していては商売になりませんから。
でも、この前C4ピカソに試乗してみて、
Aピラーの傾斜が強くて、ダッシュボード
ろがありますけれど、癒されて明るい気分になる
C4は中古車の流通量が徐々に増えてき
ことだけはたしかです。
ドイツ車の次は?
竹岡 きっとシトロエンってそれでいいんだよ。
野田
話は変りますが、最近ドイツ製のニュー
竹岡 圭の評価
メガーヌ
C4
307
スタイリングの洗練度
◎
○
△
インテリアのクオリティ
△
◎
○
動力性能
○
△
◎
乗り心地
○
△
◎
キャビンの広さ
△
◎
○
操る楽しさ
◎
△
○
高級感
◎
○
△
たよ。これから流行るかもしれない。でも確
明るい気分になる
◎
○
△
証はない(笑)。
中古車の流通量
△
△
◎
中古車の買い得度
○
○
◎
話をしていると、フランス車のカジュア
Text:野田義彦/Photo:丸山博人
◎=優 ○=良 △=可
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