富士フイルムホールディングス、大正製薬および 富山化学工業による戦略的資本・業務提携について 2008年 2008年2月13日 13日 富士フイルムホールディングス株式会社 大正製薬株式会社 富山化学工業株式会社 戦略的提携の意義 世界基準の有力創薬企業 創薬のメカニズムを追求 独創的で優れた研究開発力 新規な作用 新規な作用機序による 機序による有力なパイプライン インフルエンザ治療薬/アルツハイマー病治療薬 等 異業種連携による 画期的な新薬開発 3社連携による 新たな価値の創出 創薬に応用できるイメージング技術 再生医療やDDSに応用できる ナノ化技術やユニークな材料技術 グローバルネットワークと「信頼」のブランド セルフメディケーション 関連の協業検討 大正富山医薬品を通じた 販売面での連携 健康増進・予防から治療まで トータルでカバーできる セルフメディケーション事業 医療用医薬品事業 資本提携のスキーム 1.富山化学が第三者割当増資を実施 〔引受先・額〕 • 富士フイルム: 198億円 • 大正製薬 : 102億円 2.富士フイルムによるTOBの実施 TOB応募 一般株主 〔使途〕 • 海外臨床開発費用・新薬創薬研究 • 新製品原薬製造設備費用 株式譲渡 3.富士フイルムから 大正製薬へ株式譲渡 • 全部取得条項付株式の発行を 活用したスキーム 66.0% 34.0% 3社の提携が目指す成果の一例 社会的な使命として、インフルエンザ治療薬「T-705」の商品化と 安定供給体制の早期確立を実現 製造: 製造:富士フイルム ファインケミカルズ 従来と異なる作用機序の画期的な インフルエンザ治療薬 販売:大正富山医薬品 「T-705」を現在開発中 富士フイルムと大正製薬が、 資金面 , 生産面 , 販売面での全面的なバックアップ ●パンデミック発生時に想定される人的被害 (国連及び厚生労働省予測) 世界 : 全人口の25%罹患 , 死亡 1億5,000万人 日本 : 2,500万人強が罹患 , 死亡 64万人 ●国家備蓄をWHOが勧告 人口の25%分の抗ウイルス薬の備蓄を勧告 ⇒ 現状は73%の国が20%未満 富士フイルムホールディングスの経営戦略における 今回の提携の位置付け、狙い 富士フイルムホールディングス株式会社 代表取締役社長・CEO 古森重隆 2008年 2008年2月13日 13日 ■ 中期経営計画 「VISION75」 2009年度【目標】 2009年度【目標】 売上高: 売上高:3兆1,500億円 3兆1,500億円 営業利益: 営業利益: 2,500億円 2,500億円 以上 以上 8% 営業利益率: 8% 以上 以上 営業利益率: (億 2004 円 中期経営計画 ) 「VISION75」策定 2006 2007 「VISION75(2006)」 「VISION75(2007)」 ●イメージング分野の構造改革の集中実施 ●成長戦略の推進 ●連結経営の強化 ●成長戦略のさらなる推進 ●強靱な企業体質の実現 28,500 27,825 26,675 25,667 「第二の創業」へ 2,100 売上高 新たな 成長軌道の 確立 31,500 2,500 1,849 営業利益 1,130 704 構造改革 2004年度 2005年度 V字回復 2006年度 2007年度 (予想) 2009年度 (計画) 1 ■ 中長期戦略 富士フイルムの成長を加速させる将来の事業ポートフォリオ ヘルスケア メディカル システム ライフ サイエンス 富士フイルムグループの幅広い技術・ノウハウ 化合物 ライブラリー 画像処理技術 イメージング& コミュニケーション イメージング ドキュメント グラフィックシステム 高度製造技術 機能性材料・デバイス フラットパネルディスプレイ材料 電子材料 光学デバイス インクジェット用材料 2 ■ 事業のドメインを拡大 ヘルスケア メディカル システム ライフ サイエンス 治療 診断 予防 X線画像診断 (FCR・フィルム) 内視鏡 放射性医薬品 機能性食品 機能性化粧品 事業 拡大 事業 拡大 血液診断システム 医療用医薬品 放射性診断薬 医薬品原薬・中間体 3 ■戦略的パートナーとしての富山化学工業 ■ 技術的なシナジーの大きさ ・創薬力に優れた「研究開発型」の新薬開発メーカー。 ・異業種の技術を取り込む積極性。 ■ 高い成長性 ・新規の作用機序で、競争力ある大型の新薬パイプラインを多数保有。 感染症領域 :T-3811(抗菌薬)、T-705(インフルエンザ治療薬) 抗炎症領域 :T-5224(リウマチ治療薬) 中枢神経領域 :T-817(アルツハイマー治療薬) ・新規性の高い医薬品開発力に優れ、新薬上市確率が高い。 ■ 富士フイルムとの相乗効果を生む企業風土 ・研究者の独創性を重んじる経営のフィロソフィーと創薬の メカニズムを真摯に追求する姿勢。 4 ■ 創薬に活かせる富士フイルムの技術 富士フイルムのコア技術 FTD技術の活用 画像診断技術の活用 ●成分を細かくし、浸透力を高める ●薬物の生体内の動態を検出、薬 ●成分を保護し、壊れにくくする 効を予測 ●最適なタイミングでの分解・吸収 ●副作用を予測 を促す ●個別化医療へ展開(遺伝子診断) 合成技術の活用 コラーゲン/ゼラチンの活用 ●写真フィルムの主成分で使用に 熟達 ●安全性の高い遺伝子工学による 作製技術を保有 解析技術/創薬支援の活用 ●写真フィルム開発の中で培った合成技術 ●従来の医薬品とは異なる20万種類の化合物 ライブラリー ●写真フィルムの分析評価で磨いた解析技術 ●創薬支援システムの活用 提携により生み出す成果 独自のプロセスで生み出すユニークな医薬品事業 ●診断と治療の融合 ●ドラッグデリバリーシステムを適用した医薬品 ●再生医療への貢献 5 ■戦略的パートナーとしての大正製薬 ■ No.1 OTC企業としての優れた医薬品開発力 ・生活者のニーズに応えるセルフメディケーション関連製品の 開発力 ・新たな医療用医薬品を生み出す独自の研究開発。 ■ 富士フイルムとのセルフメディケーション事業での協業 ・異業種技術の導入による健康関連商品の付加価値向上 ■ 富山化学工業の医療用医薬品事業の強化における連携 ・大正富山医薬品を通じた販売面での連携 ・研究開発における連携 6 ■メディカル・ライフサイエンス事業の目指す姿 富山化学工業の 技術 (創薬企業) 診断 治療 ユニークな新薬 セルフメディケーション 関連の協業検討 予防 大正製薬の開 発・販売力 「予防~診断~治療」の全領域で 「総合ヘルスケアカンパニー」に 7 ■企業理念 わたしたちは、 先進・独自の技術をもって、 最高品質の商品やサービスを提供する事により、 社会の文化・科学・技術・産業の発展、 健康増進、環境保持に貢献し、 人々のクォリティ オブ ライフのさらなる向上に寄与します。 8 大正製薬の経営戦略における今回の提携の 位置付け、狙いについて 大正製薬株式会社 代表取締役社長 上原 明 2008年2月13日 当社の事業領域 TAISHO PHARMACEUTICAL CO.,LTD. 「セルフメディケーション事業」と「医薬事業」 の二つの事業が両輪となって成長を牽引 医薬事業 医薬事業 セルフメディケーション事業 セルフメディケーション事業 滋養強壮保健薬 「リポビタンD」 マクロライド系抗菌剤 「クラリス」 治療薬「パブロン」「大正漢方胃腸薬」 キノロン系抗菌剤「ジェニナック」 生活改善薬「リアップ」 末梢循環改善薬 「パルクス」 特定保健用食品「リビタ」 非ステロイド性消炎鎮痛剤 「ロルカム」 健康増進・予防 治療 健康増進・予防から治療までをトータルにカバーできる製薬企業 医薬事業の強化 TAISHO PHARMACEUTICAL CO.,LTD. 2002年:富山化学との資本・業務提携 21.8%出資 富山化学 大正製薬 研究開発体制の協力体制を構築 研究開発体制の協力体制を構築 ⇒新薬パイプラインを充実 ⇒新薬パイプラインを充実 55%出資 45%出資 大正富山医薬品を設立 大正富山医薬品を設立 ⇒両社の販売機能を集約 ⇒両社の販売機能を集約 大正富山医薬品 感染症・炎症・免疫分野におけるリーディングカンパニーへ 富山化学との提携成果 TAISHO PHARMACEUTICAL CO.,LTD. 営業 臨床開発 創薬研究 販売機能を大正富山医薬品 販売機能を大正富山医薬品 に統合 に統合 感染症領域での共同開発の 感染症領域での共同開発の 推進によるスピードアップ 推進によるスピードアップ 新薬の共同創出 新薬の共同創出 キノロン系合成抗菌剤 T-3811(ジェニナック)の 早期上市 有望な 開発候補物質の創出 全国営業体制の 確立 感染症・炎症・免疫分野におけるリーディングカンパニーへ 飛躍するための基盤構築 3社による戦略的提携 TAISHO PHARMACEUTICAL CO.,LTD. 富士フイルムを加えた新しい戦略的提携の枠組みを構築 大正製薬 セルフメディケーション セルフメディケーション 事業 事業 富士フイルム 医薬事業 医薬事業 34%出資 資本・業務提携強化 55%出資 富山化学 45%出資 大正富山医薬品 大正富山医薬品 医療機関 66%出資 資本・業務提携締結 3社による提携 TAISHO PHARMACEUTICAL CO.,LTD. 医薬事業提携強化の狙い ■新薬上市に向けての研究開発スピードの加速 -感染症領域において、リーディングカンパニーへの飛躍 -新薬上市による大正富山医薬品の販売品目増加 セルフメディケーション事業提携の狙い ■富士フイルムとのセルフメディケーション事業での協業 -富士フイルムのもつ独自技術の導入による健康関連商品 への応用 3社による戦略的提携 TAISHO PHARMACEUTICAL CO.,LTD. 大正製薬 富士フイルム 共同研究開発の加速 新技術/海外インフラの活用 富山化学 大正富山医薬品 医療機関 3社の提携による企業価値の更なる向上 富山化学における 今回の戦略的提携の位置づけ、狙い 2008年2月13日 代表執行役社長 菅田益司 製薬メーカーを取り巻く環境 新薬の創出数の減少 f開発コスト及び時間の拡大 f創薬技術の高度化 f開発のグローバル化による 規制の強化 国内市場の低迷 f医療費抑制策による医薬品 市場の停滞 薬価引き下げ ジェネリック医薬品の拡大 DPC等の医療包括化への 移行 富山化学の強み ①高い研究開発力 ・開発パイプラインに数多くの有望な新薬候補を保有 開発番号 薬効 T-705 抗ウイルス剤 アルツハイマー型 T-817MA 認知症治療剤 特徴 抗インフルエンザウイルス剤。ウイルスのRNAポリ メラーゼに作用し、ウイルスの複製を阻害する。鳥 インフルエンザA(H5N1)型に有用性が期待できる。 強い神経細胞死抑制作用を持つ。また、神経突起 進展促進作用も有しており、病態モデルで優れた有 効性を示している。 ・その背景にある自由闊達な風土とプロフェッショナル集団 ②世界的な企業に対する多数の開発品導出実績 これまでの大正製薬との提携 資本参加 富山化学 大正製薬 21.8% 45% 55% 大正富山医薬品株式会社 医療用医薬品における国内販売およびマーケティング 3社による提携の背景 富山化学がパートナー企業との連携によって目指すもの f f新技術の活用による革新的新薬 の継続的創出 f f海外同時開発のための資金調達 海外同時開発のための資金調達 f f国内販売の更なる強化 f f共同生産、共同購入等による製 造原価低減、共同生産体制によ る効率化とリスク回避 f fブランド、インフラ及び資金力を活 用した海外自社開発・自社販売 の実現 技術力、資金力、コスト・シナジー及び海外展開が 見込める企業との提携 製薬メーカーとして新たな成長ステージへ 提携のメリット1 ①富士フイルムグループ保有技術の活用による新薬開発力強化 富士フイルムグループが保有する技術・マンパワーを活用した新薬 開発のスピードアップと付加価値の高い医薬品の提供が可能 富士フイルムグループ保有技術 各種診断技術、解析技術、FTD(Formulation, Targeting, Delivery)ナノ乳化 分散技術、薄膜形成技術、精密合成技術、RI標識抗体技術、コラーゲン技 術など ②大正富山医薬品における国内販売の拡大 継続的な革新的新薬の創出による売上拡大、ナノ技術による吸収 効率向上や既存薬のDDS製剤化の実現などによる既存薬のライ フサイクル延長・売上拡大が可能 提携のメリット2 ③第三者割当増資による資本の充実 新薬開発費用・創製研究などに約200億円、新製品原薬製造設 備費用などに約100億円の充当が可能 ④協働による生産体制の強化と効率化 外注品の内製化の実現による生産体制の効率化、両社の合成 技術の融合による収率向上やコストダウンの実現、資材等の共 同購入によるコストダウンの実現、災害リスク分散体制の構築な どが可能 ⑤海外自社開発・自社販売による利益の最大化の実現 富士フイルムグループの海外インフラを活用した海外販路の構築 により、T-817MA等の海外での自社開発・自社販売が可能 3社の提携のまとめ 技術の融合 リスク回避 資金の調達 利益構造の転換 ・・・の4つが同時に実現できる
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