最上級のリアルコミュニケーション となる、SNS時代のギフト

VOL.
76
進化するギフト・コミュニケーション
2016.11・12
最上級のリアルコミュニケーション
となる、SNS時代のギフト
昨年末に生活者がやり取りした「お歳暮・冬ギフト」の市場規模は
そして、好みを考慮して相手が買う機会がなさそうな贈り物を選んだ
3,562 億円(DNP 調べ、裏面参照)。前年より4.1 ポイント低下した
り、贈り方にもこだわる(図 1)
。日々のコミュニケーションを通じて相
ものの10 代から70 代の25.5% が
「お歳暮・冬ギフト」
を贈っている。
手を理解していることで、
「喜ばれる贈り物」
を選ぶだけでなく、
贈るタ
一方、お菓子のパッケージにメッセージを書いて手渡すなどカジュア
イミングや贈り方なども合わせて工夫している。その結果、
「自分のこ
ルギフトのやりとりも活発になっており、1 年を通じたギフト市場全体
とを分かってくれている」
と喜ばれたり、SNS 上で拡散されたりするこ
の規 模については、9 兆 9,535 億円(法 人 需 要 含む)で前 年比
とは贈り手にとっても楽しみとなる。
102.2%、今後もプラス成長との予測もある(矢野経済研究所調
近年、百貨店や GMS、CVS などのお歳暮カタログでは、
「高リコピン
べ)
。今号では、人と人をつなぐ消費として進化を遂げるギフト・コ
のトマトジュース」やカフェインが入っていない「デカフェコーヒーの
ミュニケーションをひもとく。
詰合せ」
など健康を気遣った
『健康系のギフト』
が定番となるなど、相
手への想いが伝わりやすい商品が充実している。お雑煮やクリスマ
リアルコミュニケーションとして
スチキンなど贈られたタイミングで楽しめる商品も充実してきており、
Facebook で近況を確認したり、LINE で連絡を取り合うなど、生活
る商品が提供されるようになっているのだ(株式会社アットテーブル
改めて評価されるギフト
贈る相手の普段の暮らしや年末年始の過ごし方をイメージして選べ
者は実際に会っていなくても SNS を通じて日々お互いの状況を把
「お歳暮カタログ分析」
より)。
握したり、ことばをかけ合うようになっている。コミュニケーションは
継続的で小刻みになり、人と人との距離が近くなる中で、SNS の利
用状況の分析から抽出された 5 つのグループで、ギフトに関する考え
贈り手ともらい手、双方の共感を得る「贈り物」
SNS での気軽なコミュニケーションが増え、細かな気持ちのやり取
や行動を比較すると、
「贈り物をするのが好き」という割合は様々な
りが当たり前になる中で、
ギフト・コミュニケーションは
「いいね」
やス
SNS を幅広く使いこなす『SNS 積極層 』が最も高い。友人の投稿
タンプのやり取りだけでは伝えきれない気持ちを伝える方法の一つ
に
「いいね」
やコメントをするなど、コミュニケーションを積み重ねてい
となっている。
「お歳暮・冬ギフト」
や
る
『SNS 積極層』
は、
「贈り物」
というリアルコミュニケーションを気持
「お年賀」
などについても、
慣習やしき
*1
たりとしての意識は低下傾向にあり
ちを伝える手段としてより高く評価しているのだ。
図1 ギフトを贈る際の意識や行動
SNS 積極層
30
SNS 受動層
(%)
20
贈り物を選ぶ前に
相手の希望を聞く
ことが多い方だ
贈り物は日常的に
使う実用的なもの
を選ぶ方だ
決めることが多い方だ
贈り物はお店に
行ってからその場で
など、
コトを選ぶ方だ
モノをあげるより、
体験や一緒に過ごす
ラッピングなど
贈り物の見せ方に
こだわる方だ
サプライズなど、
贈り方やシーンに
こだわる方だ
人に贈り物をする
のが好きな方だ
相手が自分では
買う機会がないよう
なものを選ぶ方だ
0
50
[習慣で贈る]
2015 年調査
2016 年調査
(%)
40
(図 2)、
「贈るモノ」
「贈り方」
「贈るタ
30
イミング」など、気持ちを伝えるため
20
の工夫をしながら贈るものとなって
10
いる。贈り手ともらい手、双方の共感
お歳暮・冬ギフト*2
を得て贈られる物はギフト・コミュ
10
図2 ギフトを贈る際の考え
ニケーションの価値を高める。企業
は歳事やイベント起点の贈り物需要
に対応するだけでなく、
ギフト・コミュ
ニケーションをサポートする商品設
0
50
お年賀 バレンタインデーのギフト
[形式的に贈る]
(%)
40
2015 年調査
2016 年調査
30
20
10
0
お歳暮・冬ギフト*2
お年賀 バレンタインデーのギフト
DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」2016 年 6 月
計や仕組み作りに取り組むことが求
DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」
*1 SNS 利用者
(n=1512)
を
「Facebook「
」Twitter「
」LINE「
」Instagram「
」Pinterest」
の利用頻度をもとにクラスター分析し、
多く
の SNS の利用頻度が高い
『SNS 積極層』
(10.6%)
、
『SNS 受動層』
(28.9%)
に注目して分析
Facebook を中心に利用する
められている。
* 2「2015 年調査」
は 2014 年末、
「2016 年調査」
は
「お歳暮・冬ギフト」
が対象
2015 年末の
年末年始ギフト事情
ギフトシーンがめじろ押しの年末年始。3 つのギフトシーンに注目し、
生活者が贈り物をどこで買って、
どのような気持ちで贈っているのか、
ギフトシーンごとに実態を探る。
年末年始ギフトの市場規模
[年末年始ギフトの市場規模]
400,000
年末年始ギフトの市場を生活者の贈り物実施状況をもとに推計すると、
「お歳
(百万円)
暮・冬ギフト」が 3,562 億円、次いで「クリスマスのプレゼント」2,764 億円、
「お
年賀」1,537 億円となった。「お歳暮・冬ギフト」を贈った人の割合を平均する
300,000
と25.5%となるが、60 代、70 代では 47.0%と高くなる。お歳暮を贈ることが習
200,000
慣となっており、贈る相手の数も多いシニア層の存在が「お歳暮・冬ギフト」の市
356,273
場を支えていることがわかる。
276,409
「クリスマスのプレゼント」の実施率は
100,000
0
153,710
20.0% 。若年層からシニアまで幅広く
実施されており、贈る相手の数は少ない
お歳暮・冬ギフト
クリスマスのプレゼント
お年賀
※
「お歳暮・冬ギフト」
「クリスマスのプレゼント」
については 2015 年末、
「お年賀」
については 2016 年のギフトが対象
DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」2016 年 6 月
が、
贈り物の金額が大きい。
市場規模推計:調査結果を元に個人から個人への贈り物市場規模を推計。推計にあたり2010 年国勢調査の人口統計を参照
● 年末年始ギフトを購入するチャネル
いずれも百貨店での購入率が高いが、
「クリスマスのプレゼント」
の購入では 30 代、
40 代はインターネット・ショッピングでの購入率が高い。
[お歳暮・冬ギフト]
50
百貨店
40
30
インターネット・ショッピング*3
20
スーパーマーケット
10
0
20 代
30 代
40 代
50 代
[クリスマスのプレゼント]
50
(%)
60 代
70 代
[お年賀]
50
(%)
(%)
40
40
30
30
20
20
10
10
0
20 代
30 代
40 代
50 代
60 代
70 代
0
20 代
30 代
40 代
50 代
60 代
70 代
DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」2016 年 6 月
* 3 PC、携帯電話、
スマートフォンからの購入の合計
● 年末年始ギフトを贈る際の考え
「相手に喜んでもらう」
が高いが、
「お年賀」
を贈った 20 代、30 代では
「形式的に贈る」
が高い。
[お歳暮・冬ギフト]
80
[クリスマスのプレゼント]
80
(%)
60
[お年賀]
80
(%)
(%)
60
60
40
40
20
20
相手に喜んでもらう
40
形式的に贈る
20
0
よいコミュニケーションの機会だ
20 代
30 代
40 代
50 代
60 代
70 代
0
20 代
30 代
40 代
50 代
60 代
70 代
0
20 代
30 代
40 代
50 代
60 代
70 代
DNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」2016 年 6 月
生活者とのコミュニケーションチャネルを探る
「メディアバリュー研究」
• DNP は 2001 年より、生活者の情報コミュニケーションや購買
行動の変化をとらえる生活者調査研究に取り組んでいます。
• 生活者の購買行動の把握から、商品(ブランド)を通した、企業と
生活者のコミュニケーション戦略まで幅広くサポートしております
ので、
お気軽にご相談ください。
http://www.dnp.co.jp/cio/trend/project/mediavalue/
生活者の変化の兆しをとらえる、
DNP のマーケティング情報サイト
http://www.dnp.co.jp/cio/trend/
「生活者潮流」
では、
次の時代の発想と、
新しい価値づくりのきっかけにつながることを
目指して DNP がとらえる
生活者の変化の兆しを発信しています。
情報イノベーション事業部 C&Iセンター マーケティングインサイト・ラボ
〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町1-1-1 URL http://www.dnp.co.jp/infosol/ いかなる形式でも本紙の一部または全部の複製および無断転載をお断りいたします。本紙に記載されている会社名、
製品名、
サービス名は、
各社の登録商標または商標です。
(全国の15~79歳男女2,600名を対象としたインターネット調査、2013年から半年おきに実施)
の分析結果をもとにしています。
当レポートはDNP「日常生活とギフトの実施状況に関する調査」
16.11・12