シャンパンのお楽しみ解説はこちら。

Champagne
Grongnet Blanc de Blancs
シャンパーニュ グロンニェ ブラン ド ブラン
シャルドネ 100%
フランスの映画女優のような美人醸造家セシル・グロンニェが、愛情を込めて造るシャンパンです。「子
供の頃は木製プレス機が遊び場でした。いつもシャンパンと共にある自分の人生を、誇りに思っていま
す」という彼女。チャーミングな外見からは想像できない、煮えたぎるような情熱と職人根性をもって、畑
仕事とシャンパン造りに打ち込んでいます。この RM が所在するエトージュ村は、「コート・デ・ブラン」の
南、地域区分でいうと「コート・ド・セザンヌ」に属します。コート・デ・ブランと同様の白亜質にやや粘土質
が加わる土壌のため、白亜特有の豊富なミネラルや酸に加え、力強い果実味と深いコクのあるシャンパ
ンが生まれます。1500 人以上のパリジャンたちが毎年彼女の新作を心待ちにしているというのも納得で、
グロンニェはコート・ド・セザンヌ地区随一のレコルタン・マニピュランといわれます。 2011 年生まれの娘
さん(ルイゾンちゃん)の育児と仕事を両立させながら、女性ならではの感性によって、優しく繊細なスタ
イルのシャンパンを造っています。シャルドネ 100%。平均樹齢 30 年。3 分の 2 はステンレスタンクでマロ
ラクティック発酵させ、3 分の 1 は木製の大樽(33hl)でマロラクティック発酵させずに醸造。現在販売中の
ものは、2011 年産が 80%、5 年分のヴァン・ド・レゼルヴが 20%のブレンド。ドザージュは 8g/l。コート・デ・
ブランから続く白亜土壌基盤にコート・デ・セザンヌ特有の粘土質が加わることによる、豊かな果実味とコ
クをお楽しみいただけます。
Champagne
Mathieu-Princet Brut Premier Cru Blanc de Chardonnay
シャンパーニュ マチュープランセ ブリュット プルミエクリュ ブラン ド シャルドネ
シャルドネ 100%
数百軒のシャンパーニュ RM を訪問した上で確信をもって言えることは、「プルミエ・クリュ」(格付け 90
~99%)の 41 の村々には、とりわけ秀逸な造り手たちがひしめいているということです。また、当たり外
れが非常に大きいグラン・クリュと比較して、プルミエ・クリュの造り手たちの作品は総じてレベルが高い
という特徴もあります。 彼らは皆口々に、「グラン・クリュの生産者には負けない、負けていない」と言
いますが、その反骨精神こそが、かように美味しいシャンパンを造る原動力でありましょう。 「マチュ
ー・プランセ」は、「マルイユ・シュル・アイ」の東隣村、格付け 95%の「ビスイユ」出身のミッシェル・マチュ
ーと、「アヴィーズ」の西隣村で同じく格付け 95%の「グローヴ」出身のフランソワーズ・プランセが結婚し
て、1969 年に誕生した RM です。 この 2 つの村の畑はいずれも、ブラン・ド・ブランにとって最高の土
壌たる白亜(石灰)質土壌ですが、それでもアイ周辺の前者の畑と、コート・デ・ブランの後者の畑では
テロワールがかなり異なり、「2 大白亜質産地」として、双方が最上と目されています。ご紹介する作品
「ブラン・ド・シャルドネ」は、この 2 つの産地のシャルドネをグローヴ産 70%、ビスイユ産 30%の比率でブ
レンドしたブラン・ド・ブランで、2 大白亜質のシャルドネの醍醐味を 1 本で深く堪能できる、同 RM の看
板キュヴェです。また、「日曜日の午後 4 時に飲んでほしい」という「ロゼ」は、グローブ産のシャルドネ
と、ビスイユ産のピノ・ノワールのアサンブラージュによる傑作です。造り手のミッシェル・マチューは、
結婚して独立するまでの 3 年間、「ボランジェ」で働いていました。(彼のおじいさんもお父さんも生涯
ボランジェで栽培に従事しました。特にお父さんのオディール・マチューは、当時のボランジェの栽培
長としてつとに知られます)。「ボランジェから学んだ極意は、長期ビン熟成させてから販売することに
尽きます。香り、味わい、泡のきめ細かさ、余韻の長さ等々、まったく別物になります」(ミッシェル・マチ
1
ュー)。 ご紹介する作品はいずれも、瓶詰め後 4~5 年間寝かせてからはじめて、市場にリリースされ
ます。地元グローヴとビスイユ産のシャルドネ 100%。平均樹齢 30 年。現在販売中のものは 2005 年産
50%、2004 年産 50%のブレンド。4~5 年間瓶熟成。ドザージュは 8g/l。熟成したシャルドネ特有の香ば
しい風味と深いコクが心に残ります。2010 年度「AWC ヴィエナ」コンクール金賞受賞。ボトルにエッチ
ングしてある女性の絵はこの RM のロゴでもあり、1979 年に個人のお客さんがプレゼントしてくれた絵
を、ミッシェルさんが大変気に入って採用したものです。
Champagne
J-M Sélèque Cuvée Or Blanc Extra Brut
シャンパーニュ J-M セレック キュヴェ オール ブラン エクストラ ブリュット
シャルドネ 100%
独自の醸造法を極め、衝撃的な個性をもって RM(レコルタン・マニピュラン)の存在感を世に示した、ア
ンセルム・セロスやフランシス・エグリら「第一世代」。柔軟な発想によってテロワール表現の可能性を追
求し、繚乱の「RM ワールド」を花咲かせた、ダヴィッド・レクラパールら「第二世代」。そして最近メディア
への登場が増えてきた「第三世代」の造り手たちは、前世代の求道者たちの偉業に真摯に学びながら、
その視線は、「飲んでいかに美味しいか」という原点に、じっと注がれているように感じられます。 そのク
リエイティビティにおいて第二世代を代表するひとりであるシリル・ジャニソンが、「将来、トップクラスのシ
ャンパンの造り手になるから、絶対行ってみた方がいい」と紹介してくれたジャン・マルク・セレックは、第
三世代の筆頭格。実際に彼を訪れ、試飲して感じたのは、(もう、トップクラスになっている・・・)。 1969
年、エペルネ市の南、ピエリー村に設立されたこの RM は、ピノ・ムニエを白眉とする同村の他、ピノ・ノワ
ールの聖地アイの衛星村ディジー、コート・デ・ブランのグラン・クリュを時に凌駕するとさえいわれる、傑
出したシャルドネの産地ヴェルテュスの各プルミエ・クリュ村を中心に、12.5 ヘクタールの畑を所有して
います。1974 年に当主となった 2 代目のリシャール・セレックの下で順調に発展を遂げ、2008 年、息子
のジャン・マルクが継承したことで、新たなステージを迎えました。ジャン・マルクは、それまでのリュット・
レゾネ栽培からビオロジー栽培への切り替えを行う一方、一部の区画で馬による耕作を開始。また、父と
共に 2004 年に導入した小樽による発酵・熟成の研究を深めたり、最新式の卵型コンクリート製タンク「ウ
フ・ノンブロ」を導入したりすることで、「泡はよりきめ細かくなり、味わいはより複雑に、余韻は何倍も長く
なりました」。「スイスの腕時計は華麗で優雅ですが、中の機械は、精緻を極めた職人技の集合体です。
官能的で美味しいシャンパンを造るためには、栽培・醸造におけるひとつひとつの仕事すべてを、ミクロ
ン単位でトゥールビヨンを作るように、精密に、正確に行わなければなりません」。「シャンパンが合うべき
料理に、完璧に合うシャンパンを造ることを目指しています」(以上、ジャン・マルク・セレック)。「セレック」
のシャンパンは、まずその泡の質感と、みずみずしいアロマに驚かされます。口当たりはやわらかく、甘
みや酸味、樽熟成させたシャルドネの香味、ミネラルの旨味などが絶妙に溶け合わさって、しっとりと口
の中に広がります。ジャン・マルクが言うように余韻の長さも心に残るもので、絶品と呼べる水準に達して
いると思います。すべてプルミエ・クリュのピエリー、ディジー、ヴェルテュス各村の畑より、シャルドネ
100%のブラン・ド・ブラン。平均樹齢 45 年。現在販売中のものは、2009 年産 100%で事実上のミレジメ(ラ
ベルにヴィンテージ表記はありません)。50%を、228 リットルと 300 リットルの樽で発酵・熟成。ドザージュ
は 3~4g/l。キュヴェ名の「オール・ブラン」は「ホワイトゴールド」の意味で、健康に完熟したシャルドネが、
白金色に輝くことから命名されました。
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Champagne
Simon-Selosse Blanc de Blancs Brut Grand Cru
シャンパーニュ シモン セロス ブラン ド ブラン ブリュット グランクリュ
シャルドネ 100%
「シモン・セロス」は、アヴィズ村の RM「レオン・シモン」の当主クリスチャン・シモンと、同村のジャック・セ
ロス氏(同名 RM の現当主アンセルム・セロスの父)の妹、オデット・セロスとの結婚によって、1960 年に誕
生した RM です。同年に生を受けた彼らの息子、フィリップ・シモンが 1990 年にメゾンを継承し、3 代目
当主となりました。(したがってフィリップ・シモンとアンセルム・セロスは従兄弟の関係になります)。フィリ
ップは、シモン家由来のアヴィズ、オジェ、クラマンの畑、および(ジャックと半分ずつに分割された)セロ
ス家のアヴィズの畑に加え、新たにアヴィズ等に畑を取得し、現在は総面積 4.8 ヘクタールの業容となっ
ています。両方のセロスを扱う知り合いのロンドンのワイン商いわく、「ジャック・セロスが赤く燃える太陽
なら、シモン・セロスは碧く光る月である」。フィリップの哲学は、「コート・デ・ブランのシャルドネの美質を、
ストレートに表現する」こと。「それが美味しい料理に本当に合うシャンパンであると信じています」。「従
兄弟は、アヴィズと RM の振興に大きな貢献をしてくれた」と感謝する一方で、「私自身が目指すブラン・
ド・ブランの姿と、樽を使用する醸造は、整合的ではありません」。シャンパーニュ地方随一のリュット・レ
ゾネ実践団体「マジステール」に 1991 年から加盟するなど「完璧なぶどうを育てる」ことに精魂を込める
フィリップは、醸造に関しては極めてシンプルで原理的な手法を貫いています。コート・デ・ブランのシャ
ルドネの、真の姿がここにあります。アヴィズ産シャルドネ 100%。平均樹齢約 40 年。現在販売中のもの
は、2011 年産が 75%、ヴァン・ド・レゼルヴ(2009 年産)が 25%のブレンド。ドザージュは 10g/l。シモン・セ
ロスのスタンダード・ブリュットです。
Champagne Robert Charlemagne Brut Privilège Blanc de Blancs Grand Cru
シャンパーニュ ロベール シャルルマーニュ ブリュット プリヴィレージュ ブラン ド ブラン グランクリュ
シャルドネ 100%
ル・メニル・シュル・オジェ村に所在する RM「ロベール・シャルルマーニュ」が生み出すブラン・ド・ブラン
が、現代シャンパンの頂点のひとつであることに、疑いの余地はありません。名前を聞かないのは、2000
人を超えるヨーロッパ中のシャンパン愛好家からの予約注文で常に完売状態であるため、輸出できる量
がほとんどなく、ましてワインメディアに出品するはずもないためです。ちなみに、他の多くの RM と比べ
て特に生産量が少ないわけでもありません。日本への年間最大輸入可能数は、全作品合計で 39 ケー
スのままです(・・・)。月曜日から土曜日まで畑仕事に没頭する醸造家ディディエ・ドラヴィエは、早 2000
年、他に大きく先んじてリュット・アンテグレ栽培を開始しました。伝統的な垂直式木製プレス機を愛用し、
流行や「便利な技術」に背を向け、「原理」を貫き通す醸造を徹底。「毎年、昨年よりも少しでも品質の高
いものを造りたいのです!」と、目を逸らせられないような真剣な眼差しで話す彼こそ、「求道者」の名に
ふさわしいと思います。「僕の畑はメニルとオジェがちょうど半分ずつ。すべてのキュヴェはこの比率通り
に 50/50 でブレンドしており、これが僕のシャンパンの個性にもなっています。ル・メニル・シュル・オジェ
産のシャンパンは、はっきりとしたグレープフルーツの風味が特徴で、また、ビン熟成によってブリオッシ
ュのような香味が顕著に出てきます。オジェ産は、コート・デ・ブランで最も繊細で、スワロフスキーのよう
に美しくみずみずしい口当たりが特徴です。この 2 つは、隣村同士ですし、ブレンドの相性が良いのか
もしれませんね」。50%ル・メニル・シュル・オジェ、50%オジェのシャルドネ 100%。平均樹齢 30 年。現在販
売中のものは、2004 年産が 65%、1998 年産が 35%のブレンド。ドザージュは 8.9g/l。年間約 3000 本の
限定生産品です。
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Champagne Agrapart & Fils Extra Brut Blanc de Blancs Grand Cru
mineral 2006MG
シャンパーニュ アグラパール エ フィス エクストラ ブリュット ブラン ド ブラン グランクリュ ミネラル 2006 マグナムボトル
シャルドネ 100%
ボランジェ、クリュッグ、ジャクソン、ジャック・セロス、ポールロジェ、エグリ・ウーリエに並ぶ、3ツ星生産者
アグラ・パール。コート・デ・ブランでわずか 10ha の土地から、シャンパーニュ界トップクラスの品質のワ
インを生み出します。
1894 年設立。ドメーヌを率いるパスカル・アグラパールは 1983 年よりシャンパーニュ造りを行うシャルド
ネのスペシャリストです。常に自然と対話しながら畑仕事を何よりも最重視し、醸造には極力手を加えな
ません。『土壌に対する姿勢はブルゴーニュ的だが、ワイン造りにおいては極めてシャンパーニュ的』と
語るほどテロワール至上主義。本拠地アヴィズ村を含むコート・デ・ブランの特級 4 ヶ村『オジェ』、『クラ
マン』、『オワリィ』、『アヴィズ』などを主体 60 区画ほど所有。平均樹齢は約 40 年という恵まれた畑から造
るキュヴェはそれぞれコンセプトが明確で、土地の個性の表現に強いこだわりを持っています。自然のリ
ズムに合わせたこまめな畑仕事により、補糖(ドザージュ)をしなくてよいほど、凝縮した糖度をもつ果実
が得られます。また、微生物が活動しやすいように土壌が手入れされており、根は直接岩盤に到達する
ほどに!! 存分なミネラルを吸収して神秘的なテロワールを味わいとして表現しているのです。出来
上がるシャンパーニュの構造と重さにあわせて非常に細やかに醸造を調整しています。収穫後は伝統
的な 4,000kg のコカールにて圧搾後 10-12 時間のデブルバージュを行い、全て天然酵母による発酵。
特徴はなんといっても、巧妙な樽使い!! 醸造とヴァン・ド・レゼルヴの保存にはオーク樽 600L(ドゥミ・
ミュイ)を使い、適度な酸化状態を促します。澱との長い接触によりブルゴーニュの白ワインを思わせる酸
化熟成のニュアンスと複雑味に富み、とてもピュア! より芳醇なワインを造るためには温度管理された
ステンレスタンクを使用。 シャンパーニュの安定性と複雑さを増すためにマロラクティック発酵を行いま
す。ドザージュはかなり少なめで、蔗糖を使用。翌年 5 月の満月時に清澄、ろ過なしで瓶詰めされ、最
低 3 年間の瓶熟成を行っています。耕作に馬を用いたり、シャンパーニュ古来の土着品種の混植を試
みたりと、脚光を浴びながらも我が道を歩む職人気質のヴィニュロン!
ロバート パーカーより PP95
この新たにリリースされた中では、最も注目の一つ、「ブラン ド ブラン エクストラ ブリュット ミネラル グラン クリュ
2006」は、純粋な密度とフルーツの物凄い芯を誇っている。これは特にパワフルで、威厳に満ちたシャンパーニュ
である。素晴らしく純粋な果実味に、酸とミネラルが溶け込む、濃縮なあじわい層によって支えられ、このシャン
パーニュを優雅なものにしている。ヘーゼルナッツ、乾燥した西洋ナシ、スモーク、砕いた岩、これらのニュアンスが、筋
肉質で、響き渡る余韻につながっていく。読者にはこの貴重なシャンパンを、手から離しておくことに苦労す
るだろうが、一方で私はこの 2006 年の数本を 10 年以上セラーに入れ、どれだけ見事な熟成を遂げるのか、
そんな誘惑にもかられる。この 2006 年は、シャンブートン(アヴィズ)とレ ビオネ(クラマン)の畑から造られている。アグ
ラパールはワインを 600 リットル樽で発酵させ、ドサージュは 4g/リットル。2012 年 6 月にドサージュ。2013 年から 2021
年が飲み頃である。
ブドウ栽培と醸造への細心の注意をはらうアグラパールはシャンパーニュの中でトップの最も素晴らしい職人であ
る。これらはこの地域の中で、これまでずっと最も魅惑的なワインであり続けている。パスカル アグラパールは、
伝統のシャンパーニュ造りの最高の職人であり、そして彼のワインはそれを証明している。
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