電子回路シミュレーション事例集(1) (回路シミュレーターSIMetrix/SIMPLIS による) 2012-8 CDTLab iwasawa CDTLab (Circuit Design Technology Laboratory) http://www.cdtlab.jp 1 シミュレーション回路事例集(1) 目次 1.はじめに 2.回路シミュレータについて 3.MyDBMS-Simu1 について 4.シミュレーション回路事例集(1) 1-1 CR 回路(コンデンサの電荷の放電) 1-2 RC 回路のステップ応答 1-3 LR 回路のステップ応答 1-4 交流(正弦波)の波形 1-5 コンデンサに流れる電流の位相 1-6 コイルに流れる電流の位相 1-7 RC 回路の伝達特性 1-8 一次伝達関数の特性 1-9 LRC 回路のステップ応答 1-10 LRC 直列共振回路 1-11 LRC 直列共振回路のインピーダンス特性 1-12 LRC 並列共振回路のインピーダンス特性 1-13 LRC 回路の伝達特性 1-14 二次伝達関数の周波数特性 2-1 シリコン・ダイオードの温度特性 2-2 ツェナー・ダイオードの特性 3-1 npn トランジスタのコレクタ電圧-電流特性 3-2 npn トランジスタの直流増幅率 3-3 npn トランジスタのベース電圧-ベース電流特性 3-4 npn トランジスタのベース電流-コレクタ電流特性 3-5 npn トランジスタのベース電圧-コレクタ電流特性 3-6 npn トランジスタのエミッタ接地直流動作 3-7 npn トランジスタのエミッタ接地交流増幅動作 3-8 npn トランジスタのコレクタ電圧-電流特性 3-9 npn トランジスタのエミッタ接地交流増幅動作と動作点 3-10 npn トランジスタのベース接地交流増幅動作 3-11 npn トランジスタのコレクタ接地交流増幅動作 3-12 npn トランジスタのエミッタ接地の固定バイアス 3-13 npn トランジスタのエミッタ接地の自己バイアス 3-14 npn トランジスタのエミッタ接地の電流帰還バイアス Ⓒ2012 Cdtlab 2012-8 2 シミュレーション回路事例集(1) 3-15 2012-8 npn トランジスタのエミッタ接地(電流帰還バイアス)の交流増幅特性 3-16 npn トランジスタのエミッタ接地の入力カップリング・コンデンサによる低域周波 数特性 3-17 npn トランジスタのエミッタ接地のエミッタ・デカップリング・コンデンサによる低 域周波数特性 3-18 npn トランジスタのエミッタ接地のカップリング・コンデンサによる低域周波数特 性 3-19 npn トランジスタのエミッタ接地の周波数特性 3-20 npn トランジスタのエミッタ接地の入力インピーダンス特性 3-21 npn トランジスタのエミッタ接地の出力インピーダンス特性 3-22 npn トランジスタのエミッタ接地の電流帰還による利得の変化 3-23 npn トランジスタのエミッタ接地の電流帰還による入力ンピーダンスの変化 3-24 npn トランジスタのコレクタ接地交流増幅動作 3-25 npn トランジスタのコレクタ接地の周波数特性 3-26 npn トランジスタのコレクタ接地の入力インピーダンス特性 3-27 npn トランジスタのコレクタ接地の出力インピーダンス特性 3-28 ミラー効果 4-1 n形JFETのドレイン電圧-ドレイン電流特性 4-2 n形JFETのゲート電圧-ドレイン電流特性 4-3 n形 MOS-FETのドレイン電圧-ドレイン電流特性 4-4 n形 MOS-FETのゲート電圧-ドレイン電流特性 4-5 4-6 4-7 4-8 JFET(2SK30A-Y)のゲート電圧-ドレイン電流特性 JFETT(2SK30A-Y)ソース接地交流増幅回路 JFETT(4-7 2SK30A-Y)ソース接地増幅回路の周波数特性 JFETT(2SK30A-Y)のソース接地増幅回路の入力インピーダンス特性 4-9 JFETT(2SK30A-Y)のソース接地増幅回路の出力インピーダンス特性 4-10 JFETT(2SK30A-Y)のドレイン接地交流増幅回路 4-11 JFETT(2SK30A-Y)のドレイン接地増幅回路の入力インピーダンス特性 4-12 JFETT(2SK30A-Y)のドレイン接地増幅回路の出力インピーダンス特性 4-13 JFETT(2SK30A-Y)のドレイン接地増幅回路の周波数特性 5-1 トランジスタ(2SC1815GR)のカスコード接続 5-2 トランジスタ(2SC1815GR)差動増幅回路 5-3 JFET(2SK30A-Y)の差動増幅回路 1 5-4 JFET(2SK30A-Y)の差動増幅回路 2 5-5 カレント・ミラー回路 1 Ⓒ2012 Cdtlab 3 シミュレーション回路事例集(1) 5-6 カレント・ミラー回路 2(ウイルソン型) 5-7 カレント・ミラー回路の応用 1(JFET 差動増幅回路の定電流) 5-8 カレント・ミラー回路の応用 2(JFET 差動増幅回路のアクティブ負荷) 6-1 オペアンプによる非反転増幅回路 6-2 オペアンプによる反転増幅回路 6-3 オペアンプによる加算増幅回路 6-4 オペアンプによる減算増幅回路 6-5 オペアンプによる積分回路 1(方形波応答) 6-6 オペアンプによる積分回路 2(ボーデ線図) 6-7 オペアンプによる微分回路 1(方形波応答) 6-8 オペアンプによる微分回路 2(ボーデ線図) 6-9 オペアンプ TL072 の出力オフセット電圧 6-10 オペアンプ RC4558 の出力オフセット電圧 6-11 オペアンプ RC4558 の出力オフセット電圧の改善 6-12 オペアンプのオープン・ループ・ゲインの周波数特性 6-13 オペアンプ TL072 の負帰還周波数特性 6-14 オペアンプによるボルテージ・フォロワの周波数特性 6-15 オペアンプによる AC 反転増幅回路 6-16 オペアンプによる AC 非反転増幅回路 6-17 オペアンプとダイオードによる理想ダイオード回路 1 6-18 オペアンプとダイオードによる理想ダイオード回路 2 6-19 オペアンプとダイオードによる理想ダイオード回路 3 6-20 オペアンプによる理想ダイオード回路の半整流動作 6-21 オペアンプによる理想ダイオード回路の全波整流動作 6-22 オペアンプとダイオードによる片側リミット回路 6-23 オペアンプとダイオードによる両側リミット回路 6-24 オペアンプによる可変リミット回路 6-25 オペアンプによる正入力対数回路 6-26 オペアンプによる一次 LPF 回路 6-27 オペアンプによる一次 LPF 回路の位相特性 6-28 オペアンプによる一次 HPF 回路 6-29 オペアンプによる一次 HPF 回路の位相特性 6-30 オペアンプによる一次 LPF 回路の縦続接続 6-31 オペアンプによる一次 LPF の 2 段縦続接続と二次 LPF 6-32 オペアンプによる一次 LPF の 3 段縦続接続と三次 LPF Ⓒ2012 Cdtlab 2012-8 4 シミュレーション回路事例集(1) 6-33 オペアンプによる 1 次~5 次バターワース型 LPF の特性 6-34 オペアンプによる 1 次~5 次バターワース型 HPF の特性 6-35 オペアンプによる方形波発振回路 6-36 オペアンプによるウイーンブリッジ正弦波発振 6-39 ウイーンブリッジ正弦波発振回路用 BPF の特性 7-1 トランジスタの Ib-Ic 特性 7-2 トランジスタのスイッチング動作 7-3 トランジスタのスイッチング動作の高速化 7-4 MOS-FET の Vg-Id 特性 7-5 MOS-FET のスイッチング動作 1 7-6 MOS-FET の高速スイッチング動作 7-7 リレー駆動回路 7-8 MOS-FET による H ブリッジ回路 8-1 トランジスタによる B 級 SEPP 回路 8-2 トランジスタによる AB 級 SEPP 回路 8-3 トランジスタによる A 級 SEPP 回路 8-4 C 級増幅回路と C 級バイアスの確認 8-5 D 級電力増幅回路の動作 9-1 オペアンプの負帰還回路 9-2 負帰還の効果(入力インピーダンス) 9-3 負帰還の効果(出力インピーダンス) 9-4 3 次時定数を持つ負帰還回路 9-5 負帰還回路のナイキスト線図 9-6 負帰還回路のボーデ線図 9-7 トランジスタのエミッタ接地回路における電流帰還の効果 1 9-8 トランジスタのエミッタ接地回路における電流帰還の効果 2 9-9 トランジスタのエミッタ接地回路における電流帰還の効果 3 9-10 トランジスタ 2 段 AC 負帰還回路 1 9-11 トランジスタ 2 段 AC 負帰還回路 2 9-12 オペアンプ非反転増幅回路 9-13 オペアンプ反転増幅回路 9-14 負帰還回路(位相進み補償)のボーデ線図 6-15 負帰還回路の方形波応答 1 6-16 負帰還回路の方形波応答 2 Ⓒ2012 Cdtlab 2012-8 5 シミュレーション回路事例集(1) 9-17 オペアンプを使用したシリーズ型定電圧回路 10-1 ノイズ除去フィルタとは 10-2 ノイズ除去フィルタの周波数特性 10-3 RC によるノイズ除去フィルタ 10-4 RC フィルタのボーデ線図 10-5 RC3 次フィルタ特性 10-6 RC フィルタ回路の矩形波応答 10-7 一次ローパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 10-8 一次ハイパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 10-9 二次ローパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 10-10 二次ハイパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 10-11 二次バンドパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 10-12 二次バンド・エリミネート・フィルタの伝達関数の周波数特性 10-13 RC による LPF 回路の周波数特性 10-14 RC による HPF 回路の周波数特性 10-15 RC による二次 HPF 回路の周波数特性 10-16 RLC による二次 LPF 回路 10-17 RLC による二次 HPF 回路 10-18 RLC による BPF 回路(1) 10-19 RLC による BPF 回路(2) 10-20 LC による BEF 路(1) 10-21 RLC による BEF 回路(2) 10-22 一次アクティブ・フィルタ LPF 回路 10-23 一次アクティブ・フィルタ HPF 回路 10-24 二次アクティブ・フィルタ LPF 10-25 二次アクティブ・フィルタ HPF 10-26 二次アクティブ・フィルタ LPF(2) 10-27 二次アクティブ・フィルタ HPF(2) 10-28 5次バタワース LPF 10-29 5次チェビシュエフ LPF(リプル 0.1dB) 10-30 LC による3次バタワースLPF 10-31 LC による 3 次ベッセル LPF 10-32 LC による3次チェビシェフLPF 10-33 LC による3次バタワースHPF 11-1 RC 位相発振回路 Ⓒ2012 Cdtlab 2012-8 6 シミュレーション回路事例集(1) 11-2 位相発振回路の位相シフト 11-3 ウィーンブリッジ発振回路(1) 11-4 ウィーンブリッジ発振回路(2) 11-5 トランジスタによるマルチバイブレータ(1) 11-6 インバーターIC によるマルチバイブレータ(2) 11-7 オペアンプによるマルチバイブレータ(3) 11-8 LC コルピッツ発振回路 11-9 LC クラップ発振回路 11-10 LC クラップ発振回路 C3 可変 11-11 3.5MHz 水晶等価回路 11-12 3.5MHz 水晶クラップ発振回路 11-13 10MHz 水晶ピアス CB 発振回路 1 11-14 10MHz 水晶ピアス CB 発振回路 2 11-15 水晶オーバートーン等価回路 11-16 3.5MHz 基本波コルピッツ水晶発振回路 11-17 3 倍オーバートーン水晶発振回路 11-18 5 倍オーバートーン水晶発振回路 11-19 EXOR による位相比較器 1 11-20 PLL 用 ICHC4046 の位相比較器 2 11-21 PLL 用ループ・フィルタ 1 11-22 アクティブ PLL 用ループ・フィルタ 2 11-23 分周器 11-24 PLL のフェイズ・ループ解析 11-26 PLL IC 4046 のシミュレーション 12-1 ダイオードによる半波整流 1 12-2 ブリッジダイオードによる全波整流 1 12-3 トランスとダイオードによる半波整流 2 12-4 トランスとダイオードによる両波整流 12-5 トランスとダイオードによるブリッジ整流 12-6 4.7V ツエナー電圧-電流特性 12-7 ツェナー・ダイオードの温度特性 12-8 ツエナー電圧特性(負荷の影響) 12-9 ノイズの抑圧効果 12-10 簡易安定化電源(負帰還無) 12-11 簡易安定化電源(負帰還無)のノイズ・フィルタ効果 Ⓒ2012 Cdtlab 2012-8 7 シミュレーション回路事例集(1) 12-12 直列制御安定化回路(負帰還型) 12-13 直列制御安定化回路ボーデ線図 12-14 オペアンプによる直列制御安定化回路 12-15 定電圧回路のボード線図による位相余裕判定 2-16 低飽和型直列制御安定化路 2-17 JFET による定電流特性 2-18 トランジスタの電流特性 2-19 トランジスタによる定電流特性 1 2-20 トランジスタの電流特性 2 2-21 カレント・ミラー電流特性 2-22 負帰還型定電流回路 12-23 2-24 降圧型 DC-DC コンバータの動作 1 降圧型 DC-DC コンバータの動作 2 12-25 降圧型 DC-DC コンバータの動作 3 12-26 降圧型 DC-DC コンバータのボーデ線図 12-27 昇圧型 DC-DC コンバータの動作原理(1) 12-28 昇圧型 DC-DC コンバータの動作原理(2) 12-29 昇圧型 DC-DC コンバータ 12-30 昇圧型 DC-DC コンバータのボーデ線図 12-31 同期整流降圧型 DC-DC コンバータの原理 12-32 フォワード型 DC-DC コンバータの動作 12-33 フライバック型 DC-DC コンバータの動作 13-1 CMOS インバータ回路 13-2 CMOS NAND回路 13-3 CMOS NOR 回路 13-4 CMOS アナログ・スイッチ回路 13-5 NOR型RSフリップフロップ回路 13-6 D型フリップフロップ回路 13-7 JK型フリップフロップ回路 13-8 D 型 FF による 4 進カウンタ 13-9 JK 型 FF による4進カウンタ 13-10 JK 型 FF による 10 進カウンタ 13-11 JK 型 FF による同期式 10 進カウンタ 13-12 シフトレジスタ 13-13 8 ビット A-D 変換回路 Ⓒ2012 Cdtlab 2012-8 8 シミュレーション回路事例集(1) 13-14 1ビットΔΣ型 A-D 変換回路 13-15 1ビットΔΣ型 A-D 変調器 13-16 4 ビット電圧加算モード型 DAC 13-17 PWM 信号変換の原理 13-18 PWM 信号変換回路 13-19 自励型 PWM 回路 Ⓒ2012 Cdtlab 2012-8 9 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 1. はじめに 電子回路設計習得の秘訣とは ① 正確な基礎知識を習得する 一言で電子回路設計といっても、非常に範囲が広く簡単に習得できるものではありま せん。 ジグソー・パズルのように、技術知識・ノウハウのピースを 一つずつ習得し、埋めてゆかなくてはなりません。そして、あ る程度ピースが埋まってくると、ある日突然全体が理解できる ようになります。いままで個別に集めてきた個々のピースの有 機的な繋がりが見え、個々のピースの意味がわかるようになっ てくるのです。 しかし、どこから手を付けたらいいのか、お悩みの方も多いことと思います。 過去に電子回路を学んだことがあるが、完全に理解できなかった、もっと確実にした いなど、電子回路設計基礎の復習をお考えの方、CDTLab ホームページの「電子回路設 計の基礎講座の概要」をご覧ください。 ② 知識を身に付いた技術力に高めるには、まずは知識を活用してみる ・具体的な回路を設計し応用してみる テキストで学んだ知識も、実際に具体的な回路の上で活用できなければ意味がありま せん。そして、実際に回路を設計してみて初めて理解でき、理解できていないところが わかってきます。 ・実際に設計した回路を基板で組み立て、実験する そして設計した回路を実際の部品を組み立て動作させて、初めて設計が正しかったか どうかがわかります。 このようにして、回路設計技術・ノウハウのピースを増やし埋めてゆくのです。 ③ 効率的なツールを活用する ・回路シミュレータの活用 現在では実際に、基板を製作する前にコンピュータ上で確認する便利なツールがあり ます。それが回路シミュレータというものです。 回路シミュレータにもいろいろありますが、当書籍で使用しているのは SIMetrix-SIMPLIS というアナログ回路からスイッチング回路まで両方シミュレーシ ョン可能なもので、無料で使用できる評価版を使用しています。 SIMetrix-SIMPLIS については、次項「2.回路シミュレータについて」を参照くださ い。 Ⓒ2012 Cdtlab 10 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 ④ 先人の設計事例・技術ノウハウを真似てみる(簡単シミュレーション) 回路シミュレータの操作方法などに習熟していなくても、先人のシミュレーション・ ファイルを読み込み、開き、そしてシミュレーションを実行するだけで、シミュレーシ ョン結果を得ることができます。 図(a)はシミュレーション・ファイルを開き、図のように[Run]するだけで図(b)のシミ ュレーション結果がすぐ得られます。まずは、回路の動作のイメージで掴むことが重要 です。 図(b) 図(a) 次にそれを手本として、回路定数やシミュレーション条件を変えてシミュレーション してみることで、回路の動作を深く理解することができます。 回路シミュレータを十分使いこなすには、その操作に慣れる必要もあり、シミュレ ーション設定を間違えると正しいシミュレーション結果が得られません。そして回路シ ミュレータを使い始めて最初にぶつかる問題がこの設定の問題です。また、シミュレー タを使いこなすには十分な回路知識を持っていないと、何をシミュレーションしている のか分からなくなってしまいます。 そこで、CDTLab では当書籍で使用しているシミュレーション・ファイルや「回路 設計ノウハウ・ノート」で紹介しているシミュレーション・ファイルをホームページ からダウンロードでき、初心者でも簡単にシミュレーションを体感できるようにして います。これらを活用して「先ずは真似てみる」 、そして効率よく回路設計のノウハウ を習得してください。 ⑤ 失敗を糧にする 失敗を恐れず、経験を積み重ねることが技術力を向上させるカギです。また回路シミ ュレーションでは、間違っていても部品を壊したり、危険なことはありません。いくら でも、繰り返し回路を試験できます。 Ⓒ2012 Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 11 2012-8 一発で回路が期待通りに動作するより、失敗を克服した経験からの方が学ぶことが多 いものです。 また、実際に回路基板を設計し、組み立てるとシミュレーションでは起きなかったよ うな問題が生じることが有ります。そして悩み、原因を突き止め、問題を解決すること で、確かな回路設計ノウハウが身に付きます。 当書で紹介している回路設計ノウハウも、これらの失敗の経験から生まれているも のです。同じような問題に直面したら、これらを参考にして回路設計ノウハウを向上し ていってください。これにより、回路設計ノウハウのピースを短期間に最短で集めてゆ くことができると信じています。 Ⓒ2012 Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 12 2012-8 2.回路シミュレータについて この「電子回路設計技術習得の 105 の秘訣」の中で使用しているシミュレーション事例 は、回路シミュレータ SIMetrix/SIMPLIS によるシミュレーション回路の事例を収録し ています。 また、このシミュレーション・ソフトは、アナログ回路(線形回路)に適した Spice 系の シミュレーション(SIMetrix)とスイッチング回路(非線形回路)に適したシミュレーション (SIMPLIS)の両方を含むものです。 このシミュレーション・ソフトの評価版は、誰でも無償でメーカーサイトからダウンロ ードして使用できます。基礎講座で使用しているシミュレーション・ファイルは、この無 償の評価版でシミュレーション可能な範囲です。 ◆SIMetrix-SIMPLIS の特徴 ・SIMetrix は spice 系シミュレータで、回路図入力、出力波形ビュワーなどの基本インタ フェースをもちろん、プロービング機能、AC/DC 解析、ノイズ解析、モンテカルロ解析、 伝達関数解析が可能な使いやすいソフトウエアです。 ・SIMPLIS は、スイッチング電源回路などの非線形のシミュレーションのために開発され たもので、Spice 系シミュレーション(SIMetrix や他の Spice 系シミュレーション・ソフト) と比較して収束時間が速いという特徴があります。 ・ また SIMPLIS は、スイッチング素子を含む負帰還回路の安定度を判断するボーデ線図 をシミュレーションすることができます。(Spice 系シミュレーション・ソフトではできな い。) ・SIMetrix と SIMPLIS の回路図入力の部分は同じ操作で可能であり、線形回路のデバイ スモデルと非線形のスイッチング回路用のデバイスモデルの多くは共通に使用できます。 また、SIMetrix と SIMPLIS の切り替えも、メニューで選択するだけで切り替わります。 詳しくは、「SIMetrix-SIMPLIS の導入」を参照ください。 Ⓒ2012 Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 13 2012-8 3.MyDBMS-Simu1 について MyDBMS とは、次のような特徴を有する「技術情報管理システム」です。 1.使い慣れた MS EXCEL で, 簡単に情報データベースを 構築 2.データの保存とデータ・フォルダの構築が簡単 3.目的のファイルを簡単に探し出し、開くことが出来る。 4.多量・種類も異なるファイルを一括管理できる。 5.無料のプログラム開発ツール(VBA)できている この MyDBMS に、 「電子回路設計基礎講座」で使用しているシミュレーション・ファイ ルを予め登録・保存したものが MyDBMS-Simu で、次のような特徴があります。 (1)MyDBMS-Simu1 では、シミュレーション・ファイルのオープンが簡単 ◆「電子回路設計基礎講座」では、テキストで解説しているシミュレーション事例のファ イルは、MyDBMS-Simu1 という[ファイル管理ツール]と共に提供されます。 ◆MyDBMS-Simu1 に登録されたファイルは、Windows に関連付けられた、アプリケーシ ョンを自動で起動し、ファイルを開くことができます。 ①文字列/キーワード/ファイル名で検索 簡単に「文字列」や「ファイル名」による検索で、 目的のファイルを抽出できます。 ②ワンクリックでシミュレーシ ョン・ファイルを開く Windows に関連付けられた アプリケーションであれば、ア プリケーションを起動し、ファ イルを開くことができます。 (2)MyDBMS-Simu1 によるシミュレーション・データベースの充実 ◆MyDBMS-Simu1 から開いたシミュレーション・ファイルを回路変更、シミュレーショ ン・パラメートの変更したファイルは、ファイル名を変更して保存することができます。 ◆変更箇所、変更理由、関連資料、キーワードなどのコメントや技術情報も一緒に登録す ることにより、ノウハウ情報を保存・蓄積することができます。 Ⓒ2012 Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 14 2012-8 (3) MyDBMS-Simu1 によるシミュレーション・ファイルと技術情報の一括管理 回路設計の中では、シミュレーションの他に、参考文献・回路図(CADファイル) ・部品デ ータシート・関連技術資料などいろいろな資料を参照しながら設計を行います。 MyDBMS-Simu1 では、関連資料を一括で管理し、簡単に目的のファイルを開くことがで きます。 詳しくは、[MyDBMS-Simu の使い方]等を参照ください。 Ⓒ2012 Cdtlab 15 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 4.シミュレーション回路事例集(1) 電子回路(1)-1 1-1 CR 回路(コンデンサの電荷の放電) 下図(a)は、コンデンサ C1(初期電荷 1 クーロン)の放電電圧をシミュレーションしたも ので、図(b)のように電荷の減少に基づいてコンデンサ C1 の電圧が減少している。 Probe1-NODE C1 1 IC=1 1 R1 図(a) file: CR_Volts.sxsch 1-2 図(b) RC 回路のステップ応答 下図(a)は直流電圧 V1(1V)を RC 回路に加えた時の(初期値 0V から 1V のステップ電圧を 加えた時)、コンデンサ C1 の電圧をシミュレーションしたものである。図(b)のようにコン デンサ C1 の充電に従い電圧が上昇している。 1 1 V1 Probe1-NODE R1 C1 1 IC=0 図(a) file:RC_Step.sxsch 図(b) 1-3 LR 回路のステップ応答 図(a)は、電圧 V1(1V)を LR 回路に加えた時の(初期値 0V から 1V のステップ電圧を加え た時)、抵抗 R1 の電圧をシミュレーションしたものです。 抵抗 R1=1Ωであり、図(b)の グラフはコイルに流れる電流でもあります。 1 IC=0 1 V1 L1 Probe1-NODE 1 R1 図(a) file: LR_Step.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 16 シミュレーション回路事例集(1) 1-4 2012-8 交流(正弦波)の波形 図(a)は最大値 1 で周期 1mSec、位相遅れ 45°の正弦波信号を交流信号源で発生したシ ミュレーションです。 V1-pos 5 Sine(0 1 1k -125u 0) V1 1K R1 図(a) file: AC_Sine.sxsch 1-5 図(b) コンデンサに流れる電流の位相 図(a)は交流信号源 V1 にコンデンサ C1 が接続されている時に、V1 の電圧波形と流れる 電流波形をシミュレーションしたものです。 𝜋 図(b)のように電流は電圧より 位相が進んでいることがわかる。 2 図(a) file: AC_C.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 17 シミュレーション回路事例集(1) 1-6 2012-8 コイルに流れる電流の位相 図(a)は、交流信号源 V1 にコイル L1 が接続されている時に、V1 の電圧波形と流れる電 流波形をシミュレーションしたものです。 図(b)のように電流は電圧よりπ/2 位相が遅れていることがわかる。 V1-pos IPROBE1 1u IC=0 L1 V1 図(a) file: AC_L.sxsch 1-7 図(b) RC 回路の伝達特性 図(a)は RC 回路の伝達特性をシミュレーションしたもので、利得と位相の変化を表して いる。このように、利得と位相の周波数特性を一緒に表したものをボーデ線図とよび、交 流回路の解析では頻繁に使われる。 図(a) file: RC_LPF(3).sxsch 図(b) 図(a)では、ボーデ・プローブを使用し、入力と出力の間の利得と位相をシミュレーショ ンしている。 Ⓒ2012 Cdtlab 18 シミュレーション回路事例集(1) 1-8 2012-8 一次伝達関数の特性 図(a)は、前項 1-7 のような一次伝達関数 1 1+s∗1𝑢∗1𝐾 をラプラス・モデルを使用してシミ ュレーションしたものです。 1/(1+s*1u*1k) LAP1 5 AC 1 0 Sine(0 1 1k 0 0) V1 IN OUT =OUT/IN 図(a) file: Primary transfer function.sxsch 1-9 図(b) LRC 回路のステップ応答 図(a)は LRC 回路のステップ応答のシミュレーションで、コイル L1=1[H],コンデンサ C1=1[F]のとき、抵抗 R1 が 1Ω、2Ω、3Ωの時のシミュレーション回路です。 1 V1 2 1 IC=0 R1 L1 Probe1-NODE C1 1 IC=0 図(a) file: LRC_Step.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 19 シミュレーション回路事例集(1) 1-10 2012-8 LRC 直列共振回路 図(a)は、LRC 直列共振回路の電流をシミュレーションしたものです。図(b)のように共振 特性をしめしている。 IPROBE1 V1 1 5m IC=0 R1 L1 C1 5u 図(a) file: LRC_Series Resonance(1).sxsch 図(b) 1-11 LRC 直列共振回路のインピーダンス特性 図(a)は、直列共振回路のインピーダンス特性とシミュレーションしたもので、当然では あるが電流特性の逆のカーブを描いている。 また共振周波数では、インピーダンスは直 列の抵抗値となることがわかる。 V1 100 5m IC=0 R1 L1 C1 5u 図(a) file: LRC_Series Resonance(2).sxsch 図(b) 1-12 LRC 並列共振回路のインピーダンス特性 図(a)は LRC の並列共振回路の特性をシミュレーションしたもので、抵抗 R1=50Ω、100 Ω、1KΩの場合の特性です。図(b)のように、並列共振の場合は抵抗 R1 が大きいほど選択 特性がよくなることがわかる。 I1-neg I1 100 R1 5m IC=0 L1 C1 5u 図(a) file: LRC_Parallel Resonance.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 20 シミュレーション回路事例集(1) 1-13 2012-8 LRC 回路の伝達特性 図(a)は RLC 回路の伝達特性を、抵抗 R1 が 1Ω、100Ω、1KΩの場合でシミュレーシ ョンしたものです。 図(b)のように、抵抗 R1 が 1Ωの場合、1KHz でピークが表れている。 これは共振特性が強く表れていると考えると理解しやすい。 また周波数特性がなだらかに変化しているほど、位相の変化もなだらかであることがわ かる。 IN OUT =OUT/IN V1 100 5m R1 L1 C1 5u 図(a) file: LRC_Transfer.sxsch 図(b) 1-14 二次伝達関数の周波数特性 図(a)は二次伝達関数の伝達特性のシミュレーションで、伝達関数は R=1Ω、L=5mH,C=5 μF の伝達特性です。 1/(1+s*1*1u+s^2*5m*5u) LAP1 5 AC 1 0 Sine(0 1 1k 0 0) V1 IN OUT =OUT/IN 図(b) 図(a) file: Secondary transfer function.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 21 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(1)-2 2-1 シリコン・ダイオードの温度特性 図(a)は、シリコンダイオードの温度を 0℃~50℃で電圧-電流特性をシミュレーションし たグラフです。 図(a) file: Temp_diode.sxsch 2-2 図(b) ツェナー・ダイオードの特性 図(a)は、図(a)の V1 を 0~15V 変化させたときの、ツェナー・ダイオード D1 の電圧と電 流特性です。4.7V 以上では一定電圧になっていることがわかる。 1K D1-N R1 5 V1 図(a) D1-N BZX79-4V7 D1 file:Zener diode-1.sxsch 図( b) 2-3 ツェナー・ダイオードの負荷電流 図(d)は、抵抗 R2 を 1KΩ~10KΩに変化させた場合である。図のように、負荷を小さく すると、定電圧の領域が少なくなってしまうことがわかる。 1K D1-N R1 5 V1 BZX79-4V7 D1 1K R2 図(a)) file: Zener diode-3.sxsch 図( b) Ⓒ2012 Cdtlab 22 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(1)-3 3-1 npn トランジスタのコレクタ電圧-電流特性 図(a)は、直流電圧 E1 を 0~10V まで変えた場合に、ベース電流を 1μA~100μA まで 5 段階で変化させたときのコレクタ電流-コレクタ電圧の特性例である。 図(a) 3-2 file: npnTr-DC-1.sxsch 図( b) npn トランジスタの直流増幅率 図(a)は、直流電圧 E1 を 5V に固定し、ベース電流を 0~100μA 変化させたときの、ベ ース電流-コレクタ電流特性です。 図(a) file: npnTr-DC-2.sxsch 図( b) 3-3 npn トランジスタのベース電圧-ベース電流特性 図(a)は、トランジスタのベース電圧とベース電流の関係であり、基本的には np 接合のダ イオードの特性と同じです。 IPROBE1 1 V2 Q1 Q2N2222 5 V1 図(a) file:npnTr-DC-3.sxsch Ⓒ2012 図( b) Cdtlab 23 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(2)-1 3-4 npn トランジスタのベース電流-コレクタ電流特性 図 (a)は、トランジスタのベース電流とコレクタ電流の関係をシミュレーションして いるもので、直流増幅率を表している。 Q1-collector Q1 Q2N2222 1m I1 図(a) 20 V1 file:B2-1-1(TR-Ib-Ic).sxsch 図( b) 3-5 npn トランジスタのベース電圧-コレクタ電流特性 図(a)は、エミッタ接地の場合で、トランジスタのベース電圧 Vbe とベース電流𝐼𝐵 及び コレクタ電流流 Ic のシミュレーションです。 IPROBE2 100 R1 IPROBE1 (1)IB 20 V1 Q1 Q2N2222 0.75 V2 (2)IC file:B2-1-2(TR-Vbe-Ic).sxsch 図(a) 3-6 図(b) npn トランジスタのエミッタ接地直流動作 図(a)は、エミッタ接地の場合のベース電圧(ベース・バイアス電圧)とベース電流及び 100 R1 Q1-collector IPROBE1 (3)VCE 20 V1 Q1 Q2N2222 0.75 V2 (1)IB 図(a) file:B2-1-2(TR-Vbe-Vce).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 24 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 コレクタ電圧をシミュレーションしたものです。 3-7 npn トランジスタのエミッタ接地交流増幅動作 図(a)は、トランジスタのエミッタ接地増幅回路において、ベース・バイアス電圧の動作 を理解するシミュレーションです。図(b)のように、ベース・バイアスにより動作点が変わ り、最適動作点のためのベース電圧がわかります。 図(a) 3-8 file:B2-1-3(TR-(AC+Vbe).sxsch 図(b) npn トランジスタのコレクタ電圧-電流特性 図(a)は、トランジスタの基本特性であるコレクタ電圧 Vce とコレクタ電流 Ic の特性を、 ベース電流を変えてシミュレーションする回路図です。 1m I1 Q1-collector Q1 Q2N2222 図(a) 20 V1 file:B2-1-4(TR-Vce-Ic).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 25 シミュレーション回路事例集(1) 3-9 2012-8 npn トランジスタのエミッタ接地交流増幅動作と動作点 図(e)は、ベース・バイアス電流を 120μA、240μA、480μA の場合のシミュレーショ ンです。図(b)のように、最適なベース・バイアス電流からずれると、出力信号が歪むこと がわかります。 240u I1 200 R1 Q1-collector Q1 Q2N2222 10u V2 C1 20 V1 図(a) file:B2-1-5(TR-ACInput) 図(b) 3-10 npn トランジスタのベース接地交流増幅動作 図(a)は、トランジスタのベース接地増幅回路のシミュレーションです。図(b)のよう に、最適なベース・バイアス電圧からずれると、出力信号が歪むことがわかります。 図(a) 3-11 file:B2-1-6(TR-(ACInput)).sxsch 図(b) npn トランジスタのコレクタ接地交流増幅動作 図(a)は、コレクタ接地の増幅回路のシミュレーションです。図(b)のように、出力信号は、 ベース電位に追従し、増幅度は 1 であることがわかります。 V2 Q1 Q2N2222 20 V1 Q1-emitter 10 V3 100 R1 図(a) file:B2-1-7(TR-ACInput).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 26 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(2)-2 3-12 npn トランジスタのエミッタ接地の固定バイアス 図(a)は、トランジスタのエミッタ接地の固定バイアアス方式の増幅回路のコレクタ出力 波形のシミュレーション回路図です。図(a)には、シミュレーション時のベース電流及びコ レクタ電流の値が表示されています。 8.06567m 1k R1 37.5914u 380k R2 Q1-collector Q1 Q2N2222 10u V2 C1 15 V1 file:B2-1-8(TR-Fixed bias).sxsch 図(a) 図(b) 3-13 npn トランジスタのエミッタ接地の自己バイアス 図(a)は、トランジスタのエミッタ接地自己バイアス方式のコレクタ出力波形のシミュレ ーション回路図です。図(a)では、シミュレーショしたときの、ベース電流値が表示されて いる。 1k R1 180k R2 10u V2 C1 36.0903u Q1-collector Q1 Q2N2222 15 V1 図(a)トランジスタの自己バイアス file:B2-1-9(TR-Self bias).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(c) 27 シミュレーション回路事例集(1) 3-14 2012-8 npn トランジスタのエミッタ接地の電流帰還バイアス 図(a)は、トランジスタのエミッタ接地電流帰還方式バイアスのシミュレーションです。 図では、シミュレーション実行したときの、ベース電位、エミッタ電位、コレクタ電流の 1k R1 18.1k R3 -7.62133m 1.69865 10u C1 Q1-collector Q1 Q2N2222 15 V1 1.07201 V2 2.43k R2 140 R4 C2 100u 図(a) file:B2-1-10(TR- Current feedback bias).sxsch 図(b) 値が表示されている。 また図(a)のエミッタのコンデンサ C2 は、抵抗 Re による電流帰還により交流信号の増幅 度の低下を防ぐためのバイパス・コンデンサであり、C2=1pF のときは、図(b)のように出 力が小さくなっているのが分かる。 3-15 npn トランジスタのエミッタ接地(電流帰還バイアス)の交流増幅特性 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるエミッタ接地回路(電流帰還バイア ス)のシミュレーションです。 15 V1 190k R1 7k R3 10u C2 10u V2-pos C1 20m 1k 0 0) AC 1 0 Sine(0 V2 24.8k R2 図(a) Q1 QC1815GR 1K R4 10k R5 C3 100u file: Tr1815GR-Emitter_ g.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 28 シミュレーション回路事例集(1) 3-16 2012-8 npn トランジスタのエミッタ接地の入力カップリング・コンデンサによる低域周波 数特性 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるエミッタ接地回路(電流帰還バイアス) で、入力のカップリングコンデンサ C1 の周波数特性をシミュレーションする回路で、エミ ッタのバイパスコンデンサは 1(F)と非常に大きくしている。 15 V1 190k R1 7k R3 dB 1k R6 10u Q1 QC1815GR C1 V2 24.8k R2 1K R4 C2 1 図(a)file: Tr1815GR-Emitter_g(A) 図(b) 3-17 npn トランジスタのエミッタ接地のエミッタ・デカップリング・コンデンサによる低 域周波数特性 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるエミッタ接地回路(電流帰還バイアス) で、エミッタのバイパス・コンデンサ C2 の周波数特性をシミュレーションする回路で、入 力のカップリング・コンデンサ C1 は 1(F)と非常に大きくしている。 図(a) file: Tr1815GR-Emitter_g(B) 3-18 図(b) npn トランジスタのエミッタ接地のカップリング・コンデンサによる低域周波数特 性 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるエミッタ接地回路(電流帰還バイアス) で、コレクタ側のカップリング・コンデンサ C3 の周波数特性をシミュレーションする回路 で、コンデンサ C1 及びコンデンサ C2 は 1(F)と非常に大きくしている。 Ⓒ2012 Cdtlab 29 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 15 V1 190k R1 7k R3 10u dB 1 1K R6 C3 Q1 QC1815GR C1 10k R5 V2 24.8k R2 図(a) 1K R4 C2 1 file: Tr1815GR-Emitter_g(C) 図(b) 3-19 npn トランジスタのエミッタ接地の周波数特性 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるエミッタ接地回路(電流帰還バイア ス)で、コンデンサ C1、C2 及び C3 の低域周波数帯への総合的な周波数特性をシミュレー ションしている。 15 V1 190k R1 7k R3 10u dB C2 10u 1K R6 Q1 QC1815GR C1 10k R5 V2 1K R4 24.8k R2 図(a) 3-20 C3 100u file: Tr1815GR-Emitter_g(D) 図(b) npn トランジスタのエミッタ接地の入力インピーダンス特性 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるエミッタ接地回路(電流帰還バイアス) で、入力インピーダンスをシミュレーションしたもので、通常の AC 解析を行った後、イン ピーダンス・プローブにより、入力インピーダンス(信号源 V2 から回路を見た)をシミュ レーションしている。 15 V1 190k R1 7k R3 10u C2 10u Q1 QC1815GR C1 10k R5 V2 24.8k R2 1K R4 C3 100u 図(a)file: Tr15GR-Emitter_Zin(1).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 30 シミュレーション回路事例集(1) 3-21 2012-8 npn トランジスタのエミッタ接地の出力インピーダンス特性 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるエミッタ接地回路(電流帰還バイアス) で、出力インピーダンスをシミュレーションしたもので、通常の AC 解析を行った後、イン ピーダンス・プローブにより、出力インピーダンス(信号源 V2 から回路を見た)をシミュ レーションしている。 15 V1 190k R1 7k R3 10u C2 10u Q1 QC1815GR C1 10k R5 24.8k R2 1K R4 V2 C3 100u 図(a)file: Tr15GR-Emitter_Zout(1).sxsch 3-22 図(b) npn トランジスタのエミッタ接地の電流帰還による利得の変化 図(a) npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるエミッタ接地回路(電流帰還バイアス)で、 電流帰還がある場合(C3=1pF)と電流帰還が無い場合(C3=100uF)の利得の変化をシミュ レーションしたものです。図(b)のように、電流帰還は約 32dB 帰還がかかっており、その 分、周波数特性が改善されていることがわかる。 15 V1 190k R1 7k R3 10u dB C2 10u Q1 QC1815GR C1 10k R5 V2 24.8k R2 1K R4 C3 1p 図(a)file: Tr1815GR-Emitter_Gain.sxsch 3-23 図(b) npn トランジスタのエミッタ接地の電流帰還による入力ンピーダンスの変化 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるエミッタ接地回路(電流帰還バイアス) で、電流帰還がある場合(C3=1pF)と電流帰還が無い場合(C3=100uF)で入力インピーダ ンスがどう変わるかをシミュレーションしたものです。 図(b)のように、電流帰還がある場合、入力インピーダンスが上昇していることがわかる。 Ⓒ2012 Cdtlab 31 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 15 V1 190k R1 7k R3 10u C2 10u Q1 QC1815GR C1 10k R5 V2 24.8k R2 C3 1p file: Tr1815GR-Emitter_Zin(2).sxsch 図(a) 3-24 1K R4 図(b) npn トランジスタのコレクタ接地交流増幅動作 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるコレクタ接地増幅回路のシミュレー ションです。図(b)のように、出力は、入力信号と同位相で、利得は 1 なのがわかります。 15 V1 180k R1 1u V2-pos Q1 QC1815GR 1u C1 V2 245k R2 P r o2-N b eO D E 7.5k R3 C2 100k R4 file : Tr1815GR-Collector_g.sxsch 図(a) 図(b) 3-25 npn トランジスタのコレクタ接地の周波数特性 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるコレクタ接地増幅回路で、図(a)の A 点と B 点の周波数特性をシミュレーションするものです。 A 15 V1 180k R1 1K R5 V2 1u dB C1 A Q1 QC1815GR 1u 245k R2 dB 7.5k R3 C2 B 100k R4 B 図(a) file: Tr1815GR-Collector_g(A).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 32 シミュレーション回路事例集(1) 3-26 2012-8 npn トランジスタのコレクタ接地の入力インピーダンス特性 図(a)npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるコレクタ接地回路(エミッタフォロワー) で、入力インピーダンスをシミュレーションしたもので、通常の AC 解析を行った後、イン ピーダンス・プローブにより、入力インピーダンス(信号源 V2 から回路を見た)をシミュ レーションしている。 file: Tr1815GR-Collector_g(B).sxsch 図(a) 3-27 図(b) npn トランジスタのコレクタ接地の出力インピーダンス特性 図(a)は、npn 形トランジスタ(2SC1815GR)によるコレクタ接地回路(エミッタフォロワ ー)で、出力インピーダンスをシミュレーションしたもので、通常の AC 解析を行った後、 インピーダンス・プローブにより、出力インピーダンス(信号源 V2 から回路を見た)をシ ミュレーションしている。 15 V1 180k R1 1u Q1 QC1815GR 1u C1 245k R2 7.5k R3 図(a) C2 100k R4 V2 file: Tr1815GR-Collector_g(C).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 33 シミュレーション回路事例集(1) 3-28 2012-8 ミラー効果 図(a)は、増幅器(LAP1)の増幅度 AV により、帰還回路にあるコンデンサ C1 のミラー 効果により周波数特性がどうなるかシミュレーションしたものです。 -100 LAP1 1K V1 Av = −1000 dB Av = −100 R1 100p Av = −10 図(a) C1 file: Mirror effect.sxsch 図(b) 図(b)のように、増幅度が大きいほど、カットオフ周波数が下がることがわかります。 Ⓒ2012 Cdtlab 34 シミュレーション回路事例集(1) 4-1 2012-8 n形JFETのドレイン電圧-ドレイン電流特性 図(a)は、n形 JFET でゲード電圧を 0~3V 変化させた場合のドレイン電圧とドレイン電 流の関係をシミュレーションする回路です。図(b)のように、電源電圧 V2 が 2V 以上では、 定電流特性を示し、ゲート電圧 V1 の大きさにより、ドレイン電流が大きく変化しているこ とがわかる。 file: JFET-1.sxsch 図(a) 4-2 図(b) n形JFETのゲート電圧-ドレイン電流特性 図(a)は、n形 JFET でゲード電圧とドレイン電流の関係をシミュレーションする回路で す。図(b)からは、ゲート電圧の微小変化とドレイン電流の微小変化から相互コンダクタン スがわかります。 J2N3819 Q1 5 V1 Q1-drain 10 V2 図(a) file: JFET-2.sxsch Ⓒ2012 図( b) Cdtlab 35 シミュレーション回路事例集(1) 4-3 2012-8 n形 MOS-FETのドレイン電圧-ドレイン電流特性 図(a)は、nチャネル MOSFET で、ゲード電圧を 4~8V 変化させた場合のドレイン電圧-電流 特性をシミュレーションする回路です。 図( b) 図(a) file:MOSFET-1.sxsch 4-4 n形 MOS-FETのゲート電圧-ドレイン電流特性 図(a)は、nチャネル MOSFET で、ゲート電圧とドレイン電流の特性をシミュレーションす る回路です。 図(b)は、ゲート電圧 V2 を変化させたときのドレイン電流の変化であり、ある電圧以上 で、ドレイン電流が流れるようになる。 図(a) file:MOSFET-2.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図( b) 36 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(2)-4 4-5 JFET(2SK30A-Y)のゲート電圧-ドレイン電流特性 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)で、 ゲード電圧とドレイン電流の関係をシミュレーションす る回路です。相互コンダクタンス𝑔𝑚 は図(b)から、𝑔𝑚 = ∆𝐼𝐷 ∆𝑉𝑔 = 0.8×10−3 0.4 =2.0× 10−3 [S] ID ∆𝐼𝐷 ∆𝑉𝑔 図(b) file: 2SK30A-Source_g.sxsch VGS 図( b) と読み取れる。 4-6 JFETT(2SK30A-Y)ソース接地交流増幅回路 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)によるソース接地増幅回路の動作をシミュレーションするも のです 。 7.72k R3 1u Probe2-NODE J2SK30ATM-Y 1u 1K R5 Q1 C1 V1 500k R1 図(a) 4-7 C2 Q1-gate 440 R2 15 V2 100k R4 C3 100u file: 2SK30A-Source_g(B).sxsch JFETT(4-7 図(b) 2SK30A-Y)ソース接地増幅回路の周波数特性 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)によるソース接地増幅回路で増幅利得の周波数特性をシミュ レーションするものです。 7.72k R3 1u dB J2SK30ATM-Y 1K R5 V1 1u C2 Q1 C1 500k R1 440 R2 100k R4 15 V2 C3 100u 図(a) file: 2SK30A-Source_g(C).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図( b) 37 シミュレーション回路事例集(1) 4-8 2012-8 JFETT(2SK30A-Y)のソース接地増幅回路の入力インピーダンス特性 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)によるソース接地増幅回路で入力インピーダンスの周波数特 性をシミュレーションするものです。 7.72k R3 1u J2SK30ATM-Y 1u 1K R5 C2 Q1 C1 V1 500k R1 15 V2 100k R4 440 R2 C3 100u 図(a) file: 2SK30A-Source_g(D).sxsch 図( b) 4-9 JFETT(2SK30A-Y)のソース接地増幅回路の出力インピーダンス特性 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)によるソース接地増幅回路で出力インピーダンスの周波数特 性をシミュレーションするものです。 7.72k R3 1u J2SK30ATM-Y 1K R5 1u C2 V1 Q1 C1 500k R1 15 V2 100k R4 440 R2 C3 100u 図(b) file: 2SK30A-Source_g(E).sxsch 4-10 図(b) JFETT(2SK30A-Y)のドレイン接地交流増幅回路 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)によるドレイン接地増幅回路の動作をシミュレーションする ものです。 1Meg R1 15 V2 J2SK30ATM-Y 1K R5 V1-pos V1 図(a) 1u 1u C1 1Meg R2 Probe2-NODE Q1 7.5k R3 C2 100k R4 file: 2SK30A-Drain_g(B).sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 38 シミュレーション回路事例集(1) 4-11 2012-8 JFETT(2SK30A-Y)のドレイン接地増幅回路の入力インピーダンス特性 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)によるドレイン接地増幅回路で入力インピーダンスの周波数 特性をシミュレーションするものです。 1Meg R1 15 V2 J2SK30ATM-Y 1u 1u C1 1Meg R2 V1 図(a) 4-12 Q1 7.5k R3 C2 100k R4 file: 2SK30A-Drain_g(C).sxsch 図(b) JFETT(2SK30A-Y)のドレイン接地増幅回路の出力インピーダンス特性 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)によるソース接地増幅回路で出力インピーダンスの周波数特 性をシミュレーションするものです。 1Meg R1 15 V2 J2SK30ATM-Y 1u 1u C1 Q1 7.5k R3 C2 100k R4 V1 file: 2SK30A-Drain_g(D).sxsch 図(d) 4-13 1Meg R2 図(b) JFETT(2SK30A-Y)のドレイン接地増幅回路の周波数特性 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)によるドレイン接地増幅回路で増幅利得の周波数特性をシミ ュレーションするものです。 1Meg R1 15 V2 J2SK30ATM-Y 1K R5 V1 図(a) 1u 1u C1 1Meg R2 dB Q1 7.5k R3 C2 100k R4 file: 2SK30A-Drain_g(E).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 39 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(2)-5 5-1 トランジスタ(2SC1815GR)のカスコード接続 図(a)は、トランジスタ(2SC1815GR)をカスコード接続した回路。図(b)は、トランジス タ(2SC1815GR)のエミッタ接地増幅回路で、両方とも利得は同じにしてある。 図(c)は、シミュレーション結果で、カスコード接続(プローブ dB1)の周波数特性が良 いことがわかる。 15 V1 5k R5 16.5k R3 dB1 15 V3 190k R1 Q2 QC1815GR C2 1u 5k R9 10k R4 190k R11 dB2 1K R7 V2 1u Q1 QC1815GR C1 10k R2 100 R6 R8 V4 Q4 QC1815GR C4 10k R12 100 R14 図(b)エミッタ接地回路 図(a) カスコード接続 file:TR1815GR-Cascode.sxsch 図(c)シミュレーション結果 Ⓒ2012 1K 1u Cdtlab 40 シミュレーション回路事例集(1) 5-2 2012-8 トランジスタ(2SC1815GR)差動増幅回路 図(a)は、トランジスタ(2SC1815GR)による差動増幅回路のシミュレーション回路です。 図(b)のように各コレクタの出力信号は位相が 180°異なることがわかる。 5k R1 5k R2 Q1-collector Q1 QC1815GR 15 V1 Q2-collector Q2 QC1815GR V3 7.5k R3 図(a ) 5-3 15 V2 file: Tr1815GR-Differential(1).sxsch JFET(2SK30A-Y)の差動増幅回路 1 図(b) (a) 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)による差動増幅回路のシミュレーション回路です。図(b)は、 Q1 及び Q2 のドレインの出力波形ですが、少しアンバランスなのがわかります。 図(a) file: 2SK30A-Differential.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 41 シミュレーション回路事例集(1) 5-4 2012-8 JFET(2SK30A-Y)の差動増幅回路 2 図(a)は、JFET(2SK30A-Y)による差動増幅回路で、ソースの抵抗の代わりに定電流源 I1 を使用した場合のシミュレーション回路です。図(b)は、Q1 及び Q2 のドレインの出力波形 ですが、バランスが取れているのがわかります。 5k R1 15 V1 5k R2 Q2-drain Q1-drain J2SK30ATM-Y J2SK30ATM-Y Q1 Q2 AC 1 0 Sine(0 100m 1k 0 0) V3 15 V2 2m I1 図(a) file: 2SK30A-Differential(2) .sxsch 5-5 図(b) カレント・ミラー回路 1 図(a)は、トランジスタによるカレント・ミラー回路のシミュレーション回路です。図(b) のように、 電流源 I1 とトランジスタ Q1 のコレクタ電流は 1:1 になっていることがわかる。 図(a) file: Current_mirror.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 42 シミュレーション回路事例集(1) 5-6 2012-8 カレント・ミラー回路 2(ウイルソン型) 図(a)は、ウイルソン型カレント・ミラー回路と呼ばれるもので、カレント・ミラー回路 を 2 段に重ね、温度特性やミラー特性が改善している。 1m I1 図(a) 5-7 15 V1 Q2 Q2N2222 Q1-collector Q1 Q2N2222 Q3 Q2N2222 Q4 Q2N2222 file: Wilson_Current_mirror.sxsch 図(b) カレント・ミラー回路の応用 1(JFET 差動増幅回路の定電流) 図(a)は、JFET の差動増幅回路のソース電流の供給にカレント・ミラー回路を使用した もので、電流値を抵抗 R5 によって設定できる。 5k R1 15 V1 5k R2 Q2-drain Q1-drain J2SK30ATM-Y J2SK30ATM-Y Q1 Q2 AC 1 0 Sine(0 100m 1k 0 0) V3 6.97k R5 15 V2 2.00228m Q3 QC1815GR Q4 QC1815GR 200 R3 200 R4 図(b) 図(a) file: 2SK30A-Differential(3) .sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 43 シミュレーション回路事例集(1) 5-8 2012-8 カレント・ミラー回路の応用 2(JFET 差動増幅回路のアクティブ負荷) 図(a)は、JFET の差動増幅回路の負荷としてカレント・ミラー回路を利用したもの、図(b) は抵抗負荷(5KΩ)の場合の利得-周波数特性のシミュレーション回路です。 図(c)のように、抵抗負荷に比べて非常に利得が多く取れることがわかります。ただし、 周波数特性は、抵抗負荷に比べてカットオフ周波数が低くなるのが分かります。 200 R1 200 R2 Q6 QA1015GR 15 V1 5k R8 5k R9 15 V5 Q5 QA1015GR dB1 dB2 J2SK30ATM-Y J2SK30ATM-Y Q1 AC 1 0 Sine(0 2m 1k 0 0) Q3 V3 QC1815GR Q2 6.97k R5 15 V2 J2SK30ATM-Y J2SK30ATM-Y Q9 Q10 6.97k R6 2.00229m Q4 QC1815GR 200 R3 200 R4 2.00228m Q8 QC1815GR 200 R7 図(a) file: 2SK30A-Differential(4) .sxsch 図(c) Ⓒ2012 AC 1 0 Sine(0 2m 1k 0 0) Q11 V4 QC1815GR Cdtlab 図(b) 200 R10 15 V6 44 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(2)-6 6-1 オペアンプによる非反転増幅回路 図(a)は、オペアンプの基本的な非反転増幅のシミュレーション回路です。 15 V1 X1 AC 1 0 Sine(0 1 1k 0 0) V3 X1-out TL072 10k 15 V2 R2 1K R1 図(b) file: TL072_Non-Invert.sxsch 図(a) 6-2 オペアンプによる反転増幅回路 図(a)は、オペアンプの基本的な反転増幅のシミュレーション回路です。 15 V1 X1 V3-pos V3 X1-out 1K R1 TL072 10k 15 V2 R2 file: TL072_Invert.sxsch 図(a) 6-3 図(b) オペアンプによる加算増幅回路 図(a)は、オペアンプの加算回路のシミュレーションで、周波数の異なる正弦波の信号と -1V の DC 電圧を反転増幅回路で加算した場合のシミュレーションです。 15 V1 X1 1K V3-pos 5 Sine(0 1 1k 0 0) V3 出力波形 R1 TL072 1k R2 15 V2 1K V4-pos 5 Sine(0 1 10k 0 0) V4 R3 入力波形 1K -1 V5 図(a) R4 図(b) file: TL072_Adder.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 45 シミュレーション回路事例集(1) 6-4 2012-8 オペアンプによる減算増幅回路 図(a)は、オペアンプの減算回路のシミュレーションで、正弦波信号と 1V の DC 電圧で 減算した場合のシミュレーションです。 1K V3-pos 5 Sine(0 1 1k 0 0) V3 R1 15 V1 1K R2 X1 出力波形 TL072 V4-pos 1 V4 1K R3 R4 15 V2 入力波形 図(a) 6-5 1K file: TL072_Subtraction.sxsch 図(b) オペアンプによる積分回路 1(方形波応答) 図(a)は、積分回路に方形波の入力を入れ、出力を見るシミュレーションです。 図(a) file: TL072_Integration.sxsch 図(b) 6-6 オペアンプによる積分回路 2(ボーデ線図) 図(a)は、オペアンプによる積分回路の利得と位相の周波数特性をシミュレーションする 回路で、ボーデ・プーブを使用している。 図(b) 図(a) file: TL072_Integration(2).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 46 シミュレーション回路事例集(1) 6-7 2012-8 オペアンプによる微分回路 1(方形波応答) 図(a)は、微分回路に方形波の入力を入れ、出力を見るシミュレーションです。 1k 15 V1 10k R3 R1 TL072 1K Probe3-neg 500n TL072 100 R4 C1 X1-out R2 X2 X1 AC 1 0 Pulse(-50m 50m 0 50n 50n 500.45u 1m) V3 15 V2 図(a) 6-8 file: TL072_Differentiation.sxsch 図(b) オペアンプによる微分回路 2(ボーデ線図) 図(a)は、オペアンプによる微分回路の利得と位相の周波数特性をシミュレーションする 回路で、ボーデ・プーブを使用している。 図(a) 6-9 図(b) file: TL072_Differentiation(2).sxsch オペアンプ TL072 の出力オフセット電圧 15 V1 X1 図(a)は、入力オフセット電圧をシミュレ ーションする回路事例です。 図(a)のように出力を 0V にするには、- -273.219n 1.0971e-005 V3 1.0971μV を図(a)のように入力してやる必 TL072 15 V2 要があり、この電圧が入力オフセット電圧と なる。 図(a) file: TL072_Input-VoffSet.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 47 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 6-10 オペアンプ RC4558 の出力オフセット電圧 6-11 オペアンプ RC4558 の出力オフセット電圧の改善 図(a) 図(b) file: RC4558_OutputOffset(1).sxsch file: RC4558_OutputOffset(2).sxsch 図(a)のような、入力を短絡した回路において、入力は 0V であるので、出力も 0 ボルト であって欲しいが、-1.416mV のオフセット電圧が出ている。そこで、抵抗 R3=R1//R2 を 図(b)のように挿入することで、オフセット電圧は 20.72μV に改善される。 6-12 オペアンプのオープン・ループ・ゲインの周波数特性 図(a)は、負帰還無の利得特性で、オープン・ループ・ゲインのシミュレーション。 15 V1 X1 AC 1 0 Sine(0 1 1k 0 0) V3 dB TL072 15 V2 図(a) 6-13 file: TL072_Gain.sxsch 図(b) オペアンプ TL072 の負帰還周波数特性 図(a)は、オペアンプを非反転増幅として使用したとき、帰還抵抗 R2 の値を変えてシミ (a)R2=∞ (b)R2=100KΩ (c)R2=10KΩ 図(a) file: TL072_Gain(2).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 48 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 ュレーションしたものです。 6-14 オペアンプによるボルテージ・フォロワの周波数特性 図(a)は、オペアンプを利得 1 のボルテージ・フォロワーとした時の周波数特性。 15 V1 X1 AC 1 0 Sine(0 1 1k 0 0) V3 dB TL072 15 V2 6-15 図(b) file: TL072_Gain(3).sxsch 図(a) オペアンプによる AC 反転増幅回路 図(a)は、オペアンプを AC 反転増幅器として使用する場合の周波数特性のシミュレーシ ョンです。 C1=10uF 15 V1 C3=10pF X1 1u dB C2 TL072 10u V3 C1 1K 10k R1 R2 C3=100pF 100k R4 15 V2 10p C1=1uF C3 図(a) file: TL072_AC_Gain(1).sxsch 6-16 図(b) オペアンプによる AC 非反転増幅回路 図(a)は、オペアンプを非反転増幅器として使用する場合の、周波数特性のシミュレーシ ョンです。 C3=10pF C1=10uF 15 V1 X1 10u 1u dB V3 C1 10k R3 C2 TL072 10k R2 C3=100pF 100k R4 15 V2 10p 1K R1 C3 C3=1uF 図(a) file: TL072_AC_Gain(2).sxsch Ⓒ2012 図(b) Cdtlab 49 シミュレーション回路事例集(1) 6-17 2012-8 オペアンプとダイオードによる理想ダイオード回路 1 図(a)は理想ダイオード回路のシミュレーションであり、図のように B 点(ダイオードを 含めた 100%負帰還)は、0V から電流が流れ始めているのがわかる 15 V1 B 点から負帰還 X1 A B D1 Sine(0 1 1k 0 0) V3 R1-P 100 R1 D1N4148 TL072 15 V2 A 点から負帰還 図(a) 図(b) file: TL072_Ideal_diode.sxsch 6-18 オペアンプとダイオードによる理想ダイオード回路 2 図(a)は、6-17 項と逆向きの理想ダイオード回路のシミュレーション。 15 V1 X1 D1 Sine(0 1 1k 0 0) V3 R1-P 100 R1 D1N4148 TL072 15 V2 file: TL072_Ideal_diode(2).sxsch 図(a) 6-19 図(b) オペアンプとダイオードによる理想ダイオード回路 3 図(a)は、反転入力による理想ダイオード回路で、入力の負電圧が出力に正電圧として出 力される。 15 V1 X1 500 D1N4148 R1-P 100 R1 R4 D1 TL072 D2 D1N4148 1k 1k R2 Sine(0 1 1k 0 0) V3 15 V2 R3 図(a) file: TL072_Ideal_diode(3).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 50 シミュレーション回路事例集(1) 6-20 2012-8 オペアンプによる理想ダイオード回路の半整流動作 図(a)は、理想ダイオード回路で交流信号を半波整流する場合のシミュレーションです。 15 V1 X1 X1-inp D1 AC 1 0 Sine(0 1 100 0 0) V3 TL072 R1-P 100 R1 D1N4148 15 V2 file: TL072_Ideal_diode(4).sxsch 図(a) 図(b) 6-21 オペアンプによる理想ダイオード回路の全波整流動作 図(a)は、交流信号を理想ダイオード回路で全波整流する場合のシミュレーションです。 15 V1 X1 6.8k X2 D1N4148 R4 R1-P 100 R1 10k D1 R8 TL072 D1N4148 TL072 3.3k R7 D2 V3-pos Sine(0 1 100 0 0) V3 図(a) 6-22 10k 20k R2 R3 15 V2 10k 10k R5 R6 file: TL072_Ideal_diode(5).sxsch 図(b) オペアンプとダイオードによる片側リミット回路 図(a)は、オペアンプの出力電圧をツエナー・ダイオード D1(4.7V)を帰還回路に入れ制 限したもので、マイナス入力側はダイオードの 0.6V 程度の電圧に制限される。 0.6V 5k 15 V1 R3 X1 X1-out 10k 0 V3 R1 TL072 4.7V D1 BZX79-4V7 15 V2 10k R2 図(a) file:TL072_Limit(1).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 51 シミュレーション回路事例集(1) 6-23 2012-8 オペアンプとダイオードによる両側リミット回路 図(a)は、オペアンプの出力電圧をツエナー・ダイオード D1,D2(4.7V)を帰還回路に入 れ制限したものである。 ±入力で、図(b)のように出力の電圧は±4.7V に制限される。 5k 15 V1 R3 4.7V X1 X1-out 10k R1 0 V3 TL072 D2 D1 BZX79-4V7 BZX79-4V7 15 V2 4.7V 10k R2 file:TL072_Limit(2).sxsch 図(a) 6-24 図(b) オペアンプによる可変リミット回路 図(a)は、ダイオード回路を利用した、制限電圧が設定できる回路のシミュレーションで、 V3,V5 の電圧を変えることで正電圧側と負電圧側の制限値を変えることができる。 X3 3.3k 15 V1 D1N4148 R10 D3 TL072 D1N4148 10k 5 V5 R11 10k D4 10k 10k R1 R9 R13 10k 12 V4 3.3k X2 R5 X1 D1N4148 X2-out 10k R4 D1 TL072 5k R7 TL072 D1N4148 10k R12 3 V3 R8 D2 10k 10k R2 R3 15 V2 図(b) 10k R6 図(c) 6-25 file:TL072_Limit(3).sxsch オペアンプによる正入力対数回路 図(a)は、帰還回路にダイオードを入れた対数回路のシミュレーションです。 15 V1 D1 D1N4148 TL072 100k 5 V3 X1-out R1 15 V2 X1 図(a) file: TL072_LogAmp.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 52 シミュレーション回路事例集(1) 6-26 2012-8 オペアンプによる一次 LPF 回路 図(a)と図(b)は一次 LPF のシミュレーション例ですが、LPF を負帰還で構成する場合、 カットオフ周波数付近の特性は同じであるが、高域周波数では図(b)の場合一様に減衰して いないことがわかる。 10n 15 V1 10k AC 1 0 V3 C2 (a) 10k dB R1 15 V5 10k R3 TL072 X1 AC 1 0 V6 C1 10n dB R2 TL072 15 V4 X2 15 V2 (b) 図 (b) 図(a) file: TL072_LPF(1).sxsch 6-27 図 (c) オペアンプによる一次 LPF 回路の位相特性 𝜋 図(a)は、一次 LPF の位相特性をシミュレーションしたものですが、Ⓐ点の位相は− で 2 一定になるのに、Ⓑ点の位相特性は更に回転している。これは、オペアンプの位相特性が 加算されていることによる。 15 V1 10k AC 1 0 V3 Ⓐ R1 Ⓐ X1 Phase Ⓑ Phase C1 10n Ⓑ TL072 15 V2 6-28 図 (b) file: TL072_LPF(2).sxsch 図(a) オペアンプによる一次 HPF 回路 図(a)及び図(c)は、一次 HPF のシミュレーション例で、一般の直流阻止のコンデンサ・ カップリングと同じで、抵抗 R1 とコンデンサ C1 及び抵抗 R2 とコンデンサ C2 の時定数 でカットオフ周波数が決まる。 15 V1 AC 1 0 V3 R3 TL072 10n dB AC 1 0 V6 C1 10k R1 10k dB R2 C2 TL072 X2 15 V2 図(a) (a) 15 V5 10k X1 10n (b) 15 V4 図(b) file: TL072_HPF(1).sxsch 図 (c) Ⓒ2012 Cdtlab 53 シミュレーション回路事例集(1) 6-29 2012-8 オペアンプによる一次 HPF 回路の位相特性 図(a)は、一次 HPF の位相特性をシミュレーションしたものですが、Ⓐ点の位相は 0°で 一定になるのに、Ⓑ点の位相特性は更に回転している。これは、オペアンプの位相特性が 加算されていることによる。 15 V1 10n AC 1 0 V3 Ⓐ X1 Ⓑ Phase Ⓐ Phase C1 10k R1 TL072 Ⓑ 15 V2 図(a) 6-30 file: TL072_HPF(2).sxsch 図(b) オペアンプによる一次 LPF 回路の縦続接続 図(a)は、RC による一次 LPF を三段従属接続した場合の特性をシミュレーションしている。 Ⓐ Ⓑ Ⓐ Ⓒ Ⓑ 図(a) Ⓒ file: TL072_3-LPF.sxsch 6-31 図(b) オペアンプによる一次 LPF の 2 段縦続接続と二次 LPF 15 V1 X1 10k AC 1 0 V3 X2 10k R1 15 V7 C1 10n R2 TL072 10k Ⓐ AC 1 0 V9 dB C2 10n R6 C7 14.142n X3 10k R7 Ⓑ dB C6 7.071n TL072 TL072 15 V2 図(a)一次 LPF の 2 段縦続接続 15 V8 図(b)二次バターワース LPF file: TL072_LPF-2B.sxsch 図(a)は、RC 一次 LPF の従属接続と、図 (b)の二次バタワース LPF の特性比較のシ Ⓑ Ⓐ 図 (c) Ⓒ2012 Cdtlab ミュレーションです。 54 シミュレーション回路事例集(1) 6-32 2012-8 オペアンプによる一次 LPF の 3 段縦続接続と三次 LPF 15 V1 AC 1 0 V3 15 V4 X1 10k X2 10k R1 R2 C2 10n TL072 Ⓐ X5 10k C1 10n AC 1 0 V6 dB R8 10k 10k R5 R3 C5 13.926n C8 10n TL072 C3 35.468n X4 10k R4 Ⓑ dB C4 2.025n TL072 15 V2 TL072 15 V5 図(a)一次 LPF の 3 段縦続接続 図(b)三次バターワース LPF file: TL072_LPF-3B.sxsch 図(a)の一次 LPF 三段接続と 3 次バター ワース LPF のシミュレーション比較であ り、Ⓑのグラフのように三次 LPF では、減 衰特性-18dB/oct となっている。また高域 特性も 2 次 LPF のように減衰特性の悪化が Ⓑ なく良好である。 Ⓐ 図(c) 6-33 オペアンプによる 1 次~5 次バターワース型 LPF の特性 オペアンプによる 1 次から 5 次のバタワース LPF のシミュレーション比較です。 15 V1 10k V3 R1 15 V4 C2 14.142n X1 dB V6 C1 10n 10k 10k R2 R3 dB TL072 C8 17.529n 10k R7 C9 13.541n R8 10k R5 C4 13.926n R6 15 V10 X5 10k 10k R11 R10 15 V9 (c)3 次 LPF C11 32.361n X4 C7 4.213n dB C5 2.025n TL072 (b)2 次 LPF 10k 10k R4 X3 15 V5 (a)1次 LPF 10k 10k TL072 15 V2 V12 R9 V7 C3 7.071n 15 V8 C6 35.468n X2 dB C10 3.091n TL072 TL072 15 V11 (d)5 次 LPF 1次 2次 1 次~5 次バターワース型 LPF の特性 file:TL072_LPF-1B-5B.sxsch 3次 5次 Ⓒ2012 Cdtlab 55 シミュレーション回路事例集(1) 6-34 2012-8 オペアンプによる 1 次~5 次バターワース型 HPF の特性 オペアンプによる 1 次から 5 次のバタワース HPF のシミュレーション比較です。 15 V1 7.07k R2 10n X1 10n V3 10n V7 V4 TL072 C314.1k R3 C6 C549.3k R6 TL072 15 V2 (a)1次 HPF dB C4 7.2k R4 dB C2 5.7k R9 10n X3 10n X2 10n dB C1 10k R1 10n 15 V9 2.82k R5 10n 15 V6 15 V8 TL072 15 V5 (b)2 次 HPF (c)3 次 HPF 15 V11 X4 10n 3.1k R10 10n 10n X5 V10 C77.38k R7 C8 C923.7k R8 dB C11 TL072 C1032.4k R11 15 V12 TL072 (d)5 次 HPF 1次 2次 1 次~5 次バターワース型 HPF の特性 3次 file:TL072_HPF-1B-5B.sxsch 5次 6-35 オペアンプによる方形波発振回路 図(a)はオペアンプを使用した方形波発振回事例です。 10k 𝑉𝑂𝐻 15 V1 R2 X1 X1-inp 𝑉𝑂𝐿 𝑉𝑆𝐻 3k R4 2k R3 TL072 X1-inn C1 200n 𝑉𝑆𝐿 図(a) 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 100k D2-N BZX79-4V7 D2 BZX79-4V7 D1 15 V2 R1 file:TL072_Rectangular_OSC.sxsch 56 シミュレーション回路事例集(1) 6-36 2012-8 オペアンプによるウイーンブリッジ正弦波発振 図(a)はウイーンブリッジ型のオペアンプを使用した正弦波発振回路のシミュレーション です。 10n C1 15 V1 10k R1 X1 X1-out 10k R2 C2 10n 3k R5 TL072 15 V2 5k R3 D1N4148 D2 D1N4148 D1 1K R4 図(a) 6-39 file:TL072_Sin_OSC.sxsch 図(b) ウイーンブリッジ正弦波発振回路用 BPF の特性 図(a)はウイーンブリッジ正弦波発振回路の周波数を決定するバンドパス・フィルタの周 波数特性のシミュレーションです。 グラフのように位相が 0°でゲインが最大になり、この時の減衰量が-dB です。したが ってオペアンプのゲインは 9dB 以上必要であることがわかる。このようにオペアンプの入 力と出力が同相になり、更に利得が減衰量を上回ることで発信が継続される。 IN OUT =OUT/IN 10k R7 10n C4 AC 1 0 Sine(0 1 1k 0 0) V3 10k R6 C3 10n 図(a) file:Sin_OSC_BPF.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 57 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(3)-1 7-1 トランジスタの Ib-Ic 特性 図(a)はトランジスタのベース電流とコレクタ電流の関係をシミュレーションする回路で す。ON 時は、飽和領域で使用する。 比例領域 1K 飽和領域 R1 Q1-collector Q1 Q2N2222 1m I1 図(a) 7-2 5 V1 file: Tr_Ib_Ic.sxsch 図(b) トランジスタのスイッチング動作 図(a)は、矩形波信号をトランジスタのベースに加えた状態をシミュレーションする回路 です。 1K R1 Q1-collector V2-pos V2 10k R2 Q1 Q2N2222 5 V1 図(a)file:Tr_ON_OFF.sxsch 7-3 図(b) トランジスタのスイッチング動作の高速化 図(a)は、V2 の周波数が 1MHz の場合の、シミュレーションです。スピードアップ・コン デンサ C1 でスイッチング応答の改善が得られる。 1K 10p C1=0pF R1 Q1-collector V2-pos V2 C1 10k R2 Q1 Q2N2222 5 V1 C1=10pF 50k R3 Input V2 図(a) file: Tr_ON_OFF(2).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 58 シミュレーション回路事例集(1) 7-4 2012-8 MOS-FET の Vg-Id 特性 100 飽和領域 R1 IRF530 Q1-D 12 V1 Q1 5 V2 図(a) file: FET_Vg_Id.sxsch 図(b) 図(a)は MOS-FET のゲート電圧とドレイン電流の関係をシミュレーションした回路です。 ON 時は、図(b)の飽和領域で使用する。 7-5 MOS-FET のスイッチング動作 1 図(a)は、MOS-FET をスイッチング回路として、入力にパルス信号を加えた時のシミュ レーションです。 100 R1 IRF530 Q1-D 12 V1 Q1-G Q1 5 Pulse(0 10 0 5u 5u 500u 1m) V2 図(a) 7-6 file:FET_ON_OFF.sxsch 図(b) MOS-FET の高速スイッチング動作 図(a)は、信号源に直列に抵抗を入れた場合のシミュレーションで、図(b)グラフの下側は、 抵抗 R2=0Ωの場合、上側が抵抗 R2=500Ωの場合です。 100 R1 IRF530 Q1-D 12 V1 500 V2 図(a) R2 Q1 file:FET_ON_OFF(2).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 59 シミュレーション回路事例集(1) 7-7 2012-8 リレー駆動回路 図(a)は、逆起電力保護用ダイオードの効果をシミュレーションしたもので、図(b)上側の 波形はダイオード無、下側の波形はダイオーソ有の場合で、ダイオードがある場合はスパ イク状の逆起電力が抑えられていることがわかる。 100 R1 D1N4148 D2 5 V2 10m L1 V1 Q1-collector 10k Q1 Q2N2222 R2 5 V3 10m L2 Q1-collector 10k 100 R3 V4 R4 Q2 Q2N2222 file: Relay_SW_D.sxsch 図(a) 図(b) 7-8 MOS-FET による H ブリッジ回路 図(e)は、MOS-FET の H ブリッジ回路の動作をシミュレーションしたもので、図(b)の波 10k R14 V3-pos V3 V4-pos V4 V1-pos V1 図(a) 10k R2 Q6 R6 Q7 Q9 20k R11 10k RFD15P05 RFD15P05 Q3 Q4 IRF530 IRF530 Q1 Q2 20k R5 100 R1 Q8 (D) (C) (B) 20k R9 10k R12 12 V2 10k R17 Q5 10k R8 20k R7 10k R10 10k R15 R3 20k R4 10k 10k R16 (A) Q10 20k R13 file:MOS-FET_Hbridge.sxsch 図(b) 形(A),(B)は正転/逆転の信号、波形(C)は PWM 信号です。波形(D)は、負荷抵抗 R1 の電圧 であり、正転/逆転において負荷抵抗 R1 に供給される電圧の向きが反転していることがわ かる。 Ⓒ2012 Cdtlab 60 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(3)-2 8-1 トランジスタによる B 級 SEPP 回路 図(a)は B 級 SEPP 回路のシミュレーションです。図(b)のように、クロスバー歪が見える。 クロスバー歪 図(a) 図(b) file: Tr_SEPP_B.sxsch 8-2 トランジスタによる AB 級 SEPP 回路 図(a)は AB 級 SEPP 回路のシミュレーションです。図(b)のように、クロスバー歪は改善 されている IPROBE2 12 V1 0.7 V4 Q1 QC1815GR B-emitter V3 0.7 V5 100 R1 Q2 QA1015GR 12 V2 IPROBE1 図(a) 8-3 file: Tr_SEPP_AB.sxsch 図(b) トランジスタによる A 級 SEPP 回路 図(a)は、A 級 SEPP 回路のシミュレーションです。Q1 及び Q2 ともに歪は少ない。 図(a) file: Tr_SEPP_A.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 61 シミュレーション回路事例集(1) 8-4 2012-8 C 級増幅回路と C 級バイアスの確認 図(a)は C 級増幅回路の例であるが、図のようにトランジスタ Q1 のベースバイアスはマ イナス電位で、また出力の負荷はタンク回路(LC 共振回路)となっている。図(b)は、C 級 バイアス時の動作を確認したもので、波形 Q2-collector のように C 級では入力の正弦波の 先頭部分が増幅されていることがわかる。しかし、波形 Q1-collector では、タンク回路の 共振周波数成分のみが出力されるため正弦波の出力となる。 図(b)C 級バイアスの確認 図(a)C 級増幅回路 file: Tr_C_class.sxsch 図(c) 8-5 D 級電力増幅回路の動作 図(a)は、D 級電力増幅回路の原理をシミュレーションしたもので、比較器 X1 の+入力に 加えられた正弦波は、 -入力に加えられた三角波と比較され PWM 波形を生成している。こ の PWM 波形で駆動された MOS-FET で ON/OFF された波形は、L1 及び C1 のローパス・ フィルタにより高調波成分を除去し正弦波を取り出している。 RFD15P05 X1 12 V1 Q2 X1-inp V4 Q2-D X1-inn V3 5m OUT R3 L1 TL072 IRF530 100 C1 5u 12 V2 Q1 図(a)D 級電力増幅回路の動作 file: PWM_Dclass_MOSFET.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 62 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(3)-3 9-1 オペアンプの負帰還回路 図(a)はオペアンプの利得-周波数特性を、負帰還ありと無しの場合をシミュレーションし たものです。 オープン・ループ・ゲイン 15 V1 X1 V3 負帰還後特性 dB RC4558 10k 15 V2 R2 1K R1 図(a) file: RC4558_Gain.sxsch 9-2 図(b) 負帰還の効果(入力インピーダンス) 図(a)は、バイポーラ入力のオペアンプ RC4558 の入力インピーダンスノシミュレーショ ンで、負帰還があるとき(R1=1KΩ)と負帰還無(R1=0Ω)の場合帰還量に比例して大き くなっている。 15 V1 X1 V3 RC4558 10k 1K R1 R2 15 V2 図(a) file: RC4558_Zin.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 63 シミュレーション回路事例集(1) 9-3 2012-8 負帰還の効果(出力インピーダンス) 図(a)はオペアンプ TL072 の出力インピーダンスを負帰還があるとき(R1=1KΩ)と負帰 還無(R1=0Ω)の場合のシミュレーションです。負帰還無の場合入力インピーダンスは約 150Ωであるが、負帰還がある場合小さくなっているのがわかる。 図(a) 負帰還の効果(出力インピーダンス) file: TL072_Zout.sxsch 9-4 3 次時定数を持つ負帰還回路 図(a)は、内部に RC3 段の時定数を有する負帰還回路の周波数特性をシミュレーションし ている。 図(b)の周波数特性のように、1MHz付近で、周波数特性にピークがあるが、この周波数 で不安定となっており、オープン・ループ・ゲイン以上の利得を持った部分は正帰還がか かっていることを示している。 正帰還がかかっている オープン・ループ・ゲイン 図(a) file:NFB-3RC_dB.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 64 シミュレーション回路事例集(1) 9-5 2012-8 負帰還回路のナイキスト線図 図(a)のシミュレーション回路は、 図(b)の負帰還状態のナイキスト線 図を描くために、ループを開放して シミュレーションする回路です。 信号源 V1 で帰還回路に信号を加 え、増幅回路の出力のゲインと位相 及び図(b)のナイキスト線図を描い ている。 図(a) file:NFB-3RC_Nyquist.sxsch 図(c)は、 (-1+j0)点付近を拡大 したもの。 図(c)(-1、0)点を拡大 図(b)ナイキスト線図 9-6 負帰還回路のボーデ線図 図(a)は、図(b)の Aβのボード線図を描く回路であり、利得が 0dB における位相は-200° 1000 LAP2 1 LAP1 10k R1 10k C1 1n R2 10k C2 100p R3 C3 10p -1 LAP3 1k R4 IN AC -1 0 V2 OUT =OUT/IN 1k R5 図(a) file:NFB-3RC_Bode4.sxsch 図(b) になっており、フェイズマージンが無く、1MHz 付近では正帰還がかかることがわかる。 また図(a)では交流信号源を帰還回路に直列に入れることによって、帰還ループを開かなく てもよく、直流帰還状態を維持したまま解析できる。 Ⓒ2012 Cdtlab 65 シミュレーション回路事例集(1) 9-7 2012-8 トランジスタのエミッタ接地回路における電流帰還の効果 1 図(a)は、トランジスタのエミッタ接地回路の抵抗 R1 の電流帰還の効果を見たものですが、 回路の温度変化により特性が変化した場合の比較です。ここで、温度が-20℃、+20℃、 +60℃の場合、図のように R1=0Ωでの出力の変化に比べて、R1=1KΩの場合は変化が少 ないことがわかる。 10k R2 2u I1 12 V1 R1=0Ω Q1-collector 5u Q1 QC1815GR C1 5 AC 1 0 Sine(0 10m 1k 0 0) V2 R1=1KΩ 1k R1 図(a) file:Tr1815GR-Emitter grounding(3).sxsch 9-8 図(b) トランジスタのエミッタ接地回路における電流帰還の効果 2 図(a)は、抵抗 R1=1KΩの場合と R1=0Ωで、周波数特性をシミュレーションしたもので す。図(b)のように利得は減少するが、周波数特性が改善していることがわかる。 R1=0Ω 2u I1 10k R2 12 V1 dB 5u C1 10k R3 5 AC 1 0 Sine(0 10m 1k 0 0) V2 Q1 QC1815GR R1=1KΩ 1k R1 図(a) file: Tr1815GR-Emitter grounding(4).sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 66 シミュレーション回路事例集(1) 9-9 2012-8 トランジスタのエミッタ接地回路における電流帰還の効果 3 図(a)は、抵抗 R1=1 KΩの場合と R1=0Ωの場合の 1KHz の正弦波の歪特性をシミュレー ションしたものです。図(b)のように抵抗 R1=1 KΩの場合、負帰還により歪が大幅に改善さ れていることがわかる。 2u I1 R1=1KΩ 10k R2 12 V1 5u Q1 QC1815GR C1 R1=0Ω V2 1k R1 図(a) file: Tr1815GR-Emitter grounding(5).sxsch 9-10 図(b) トランジスタ 2 段 AC 負帰還回路 1 図(a)は、トランジスタ 2 段の交流増幅回路において、抵抗 R4 及び抵抗 R9 で帰還回路を 構成した負帰還回路です。無帰還時の利得は 55dB であり、負帰還時の利得は 33dB となっ ている。 100k R1 10k R3 100k R5 12 V1 10k R8 dB 10u 10u Q1 Q2N2222 C1 Q2 Q2N2222 C2 V2 10k R2 10k R6 1K R7 10u 50k 1K R4 図(a) C4 100u R9 C3 file: 2Tr_NFB.sxsch Ⓒ2012 図(b) Cdtlab 67 シミュレーション回路事例集(1) 9-11 2012-8 トランジスタ 2 段 AC 負帰還回路 2 図(a)-1 は、Q2 のコレクタ出力を Q1 のエミッタに帰還させたもので、電圧帰還である。 図(a)-2 は、トランジスタ Q1 のベース・バイアス電流を、Q2 のエミッタ電圧から供給する (a)-2:電圧帰還と電流帰還の併用 (a)-1:電圧帰還のみ 200k R9 12 V1 2k R8 5k R3 12 V3 2k R6 5k R10 50k dB dB R5 10u 10u Q1 Q2N2222 C1 Q2 Q2N2222 C3 50k V2 R1 50k R2 Q3 Q2N2222 V4 2k R7 200k C2 100u 1K R4 図(a) Q4 Q2N2222 1K R11 R13 2k R12 C4 100u file: 2Tr_NFB(4).sxsch もので、Q2 のコレクタ電流に比例する電流帰還がかかる。 図(b)は、(a)-1 と(a)-2 の利得-周波数特性でほとんど変わりがない。図(c)動作温度のパラ メータを-20~+60℃まで変化させた場合の出力特性で(a)-1 は直流変動が大きいことがわ る。 (a)-2 (a)-1 図(b)利得-周波数特性 図(c)温度-直流ドリフト特性 Ⓒ2012 Cdtlab 68 シミュレーション回路事例集(1) 9-12 2012-8 オペアンプ非反転増幅回路 図(a)は、オペアンプの非反転増幅回路で帰還抵抗 R1 を 0,100,10KΩ,1MΩと変えた時の シミュレーションです。図(b)のように利得が変化することがわかる。 15 V1 X1 AC 1 0 Sine(0 1 1k 0 0) V3 dB TL072 10k 1K R1 15 V2 R2 図(a) file : TL072_Gain(4).sxsch 9-13 図(b) 図(b) オペアンプ反転増幅回路 図(a)は、オペアンプの反転増幅回路で帰還抵抗 R1 を 0,100,10KΩ,1MΩと変えた時のシ ミュレーションです。図(b)のように利得が変化することがわかる。 15 V1 X1 dB TL072 1K 10k R1 R2 15 V2 V3 図(a) 図(b) file : TL072_Gain(5).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 9-14 69 2012-8 負帰還回路(位相進み補償)のボーデ線図 図(a)は、RC の時定数が三段ある増幅回路に負帰還をかけてある負帰還回路のボーデ線図 を描いたものです。 ここで、帰還回路の抵抗 R4 に並列にコンデンサ C4 が入っている。図(b)のボーデ線図の ように、C4=1pF の場合、ループ・ゲインが 0 の時、位相は 190°であり 180°を超えて発 振することがわかる。C4=50pF の場合、ループ・ゲインが 0 の時の周波数の位相は 151° と位相余裕が 30°程度あることがわかる。これは進み位相補償といわれるもので、負帰還 回路では、一般的に使用されている 500 LAP2 1 LAP1 1k R1 1k C1 1n 1K R2 C2 1n R3 C3 1n -1 LAP3 10k IN R4 1k R5 C4=50pF OUT =OUT/IN 1p AC 1 C4 V1 図(a) C4=1pF file : NFB-3RC_Bode3.sxsch 図(b) 9-15 負帰還回路の方形波応答 1 図(a)は RC の時定数が三段ある増幅回路に負帰還をかけてある負帰還回路で、入力信号 V1 で方形波 50KHz を入力したときのシミュレーションです。 C4=1pF の場合は増幅回路としては動作せず、発振回路となっていることがわかる。 C4=50pF の場合は、方形波の出力にリンギング(波形が波打つ状態)が生じている 500 LAP2 1 LAP1 1k R1 V1 1k C1 1n R2 1K C2 1n R3 Probe1-NODE C4=1pF C3 1n 10k R4 1k R5 1p C4=50p C4 図(a) file : NFB-3RC_dB2.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 70 シミュレーション回路事例集(1) 9-16 2012-8 負帰還回路の方形波応答 2 図(a)は、6-15 項で LAP2 の利得を 100 倍として、C4=1pF,50pF,100pF での周波数特性 と方形波応答波形を見たものです。図(b)は負帰還時の周波数特性で、図(c)は方形波応答で す。 100 LAP2 1 LAP1 1k 1k R1 C1 1n V1 1K R2 C2 1n R3 Probe1-NODE C3 1n 図(a) file : NFB-3RC_dB3.sxsch 10k R4 1k R5 50p C4 C4=1pF C4=50pF C4=100pF 図(b)負帰還回路の周波数特性 9-17 図(c)負帰還回路の方形波応答 オペアンプを使用したシリーズ型定電圧回路 図(a)はオペアンプを使用したシリーズ定電圧回路のシミュレーションで、入力電圧 V1 を 0~12V まで変化させた場合の出力特性です。OP アンプの電源は 0~12V で正常に動作 させるため、V2,V3 で-5V~15V の電圧を供給している。 𝑉𝑜 Q2N2222 Q1 15 V2 10k R1 X1-v sp 1K R3 X1 12 V1 TL072 5 V3 2 V4 5k R2 図(c) file : REG1.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 71 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(3)-4 10-1 ノイズ除去フィルタとは 図(a)は、入力信号(正弦波 100Hz)V2 にノイズ V1 が加わっている場合、フィルタ回路 LAP1(伝達関数 1 )を通過した信号がどうなるかをシミュレーションしたものです。 𝑠+1 1/(s+1) LAP1 Freq scale=1k V1-pos 出力波形 Probe2-NODE 5 AC 1 0 Noise(1u 100m 0) V1 100k R2 5 Sine(0 1 100 0 0) V2 入力波形 file: Noise-filter(1).sxsch 図(a) 図(b) 図(b)の出力波形のように、ノイズが除去されていることがわかる。 10-2 ノイズ除去フィルタの周波数特性 図(a)は、前記フィルタの振幅と位相の周波数特性をシミュレーションしたものです。 1/(s+1) LAP1 Freq scale=1k dB 振幅特性 Phase 5 AC 1 0 Noise(1u 100m 0) V1 100k R2 5 Sine(0 1 100 0 0) V2 位相特性 file: Noise-filter(2).sxsch 図(a) 図(b) 10-3 RC によるノイズ除去フィルタ 図(d)は、10-1 項のローパス・フィルタを抵抗とコンデンサで構成した場合のシミュレー ションです。 出力波形 入力波形 図(a) file: Noise-filter(3).sxsch Ⓒ2012 図(b) Cdtlab 72 シミュレーション回路事例集(1) 10-4 2012-8 RC フィルタのボーデ線図 図(a)は抵抗 R1 とコンデンサ C1 による LPF の周波数特性をボーデ線図で表したもので、 ボーデ・プローブを使用した場合です。 1K R1 V1 −6dB/oct C1 100n (−20db/dec) IN OUT =OUT/IN −45° 図(a) −90° file: RC_LPF.sxsch 10-5 𝑓𝐶 図(b) RC3 次フィルタ特性 図(a)は RC フィルタを縦続接続したもので、利得 1 倍のバッファを間に入れ干渉を防い でいる。 1 LAP1 1K 1 LAP2 1K R1 R2 dB Phase −6dB/oct 1K R3 dB Phase dB −12dB Phase V1 C1 100n C2 100n /oct −18dB C3 100n /oct −90° 図(a) −180° file: RC3_LPF.sxsch −270° 図(b) 10-6 RC フィルタ回路の矩形波応答 図(a)のように入力信号が方形波の場合、図(b)のように出力波形が歪んでいる。これは高 V1-pos V1 1K Probe1-NODE 出力波形 R1 C1 100n 入力波形 図(a) file: RC_LPF(2).sxsch 図(b) 域周波数成分が減衰していることを表している。 Ⓒ2012 Cdtlab 73 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 10-7 一次ローパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 図(a)は、G(s)= 𝑎 𝑠+𝑎 の伝達関数のシミュレーションで、ここで遮断周波数はω = aであり、 a を 0.1,1,10 と変えて周波数特性をシミュレーションすると図(b)のようになる。 1/(s+1) LAP1 Freq scale=1k a=10 a=1 a=0.1 AC 1 V1 100k R2 IN OUT a=0.1 a=1 =OUT/IN a=10 図(a) file: F(s)_LPF.sxsch 図(b) 10-8 一次ハイパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 図(a)は、G(s)= 𝑠 𝑠+𝑎 の伝達関数のシミュレーションで、ここで遮断周波数はω = aであり、 a を 0.1,1,10 と変えて周波数特性をシミュレーションすると図(b)のようになる。 a=0.1 s/(s+1) LAP1 Freq scale=1k a=10 a=1 AC 1 V1 100k R2 IN a=0.1 a=1 OUT =OUT/IN 図(a) file: F(s)_HPF.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab a=10 74 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 10-9 二次ローパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 図(a)は、G(s)= 𝑎2 1 𝑠 2 +𝑄𝑠𝑎+𝑎2 の 2 次の伝達関数のシミュレーションで、周波数に依存するパラ メータ a=1 として、Q=025,Q=0.7,Q=10 の場合の周波数特性のシミュレーションです。 Q=10 1/(s^2+s/0.7+1) LAP1 Freq scale=1k Q=0.7 Q=0.25 AC 1 V1 100k R2 IN Q=10 Q=0.7 OUT =OUT/IN Q=0.25 図(a) file: F(s)_LPF-2.sxsch 図(b) 10-10 二次ハイパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 図(a)は、G(s)= 𝑠2 1 𝑠 2 +𝑄𝑠𝑎+𝑎2 の 2 次の伝達関数で、周波数に依存するパラメータ a=1 として、 Q=0.25,Q=0.7,Q=10 の場合の周波数特性のシミュレーションです。 Q=10 s^2/(s^2+s/0.75+1) LAP1 Freq scale=1k Q=0.7 Q=0.25 AC 1 V1 100k R2 IN Q=10 Q=0.7 Q=0.25 OUT =OUT/IN 図(a) file: F(s)_HPF-2.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 75 シミュレーション回路事例集(1) 10-11 2012-8 二次バンドパス・フィルタの伝達関数の周波数特性 図(a)は、G(s)= 1 𝑎𝑠 𝑄 1 2 𝑠 +𝑄𝑎𝑠+𝑎2 の 2 次の伝達関数で、周波数に依存するパラメータ a=1 として、 Q=0.7,Q=2,Q=10 の場合の周波数特性のシミュレーションです。 (s/2)/(s^2+s/2+1) LAP1 Freq scale=1k Q=10 AC 1 V1 100k R2 IN Q=2 Q=0.7 OUT =OUT/IN 図(a) file: F(s)_BPF-2.sxsch 10-12 図(b) 二次バンド・エリミネート・フィルタの伝達関数の周波数特性 図(a)は、G(s)= 𝑠 2 +𝑎2 1 𝑠 2 +𝑄𝑎𝑠+𝑎2 の 2 次の伝達関数で、周波数に依存するパラメータ a=1 として、 Q=0.7,Q=5,Q=10 の場合の周波数特性のシミュレーションです。 Q=5 (s^2+1)/(s^2+s/2+1) LAP1 Freq scale=1k Q=2 AC 1 V1 Q=0.7 100k R2 IN Q=0.7 OUT Q=2 =OUT/IN Q=5 図(a) file: F(s)_BEF-2.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 76 シミュレーション回路事例集(1) 10-13 2012-8 RC による LPF 回路の周波数特性 図(a)は、RC 回路による一次 LPF 回路のボーデ・プローブによるシミュレーションです。 図(a) file: RC_LPF(3).sxsch 10-14 図(b) RC による HPF 回路の周波数特性 図(a)は RC 回路による一次 HPF 回路のボーデ・プローブによるシミュレーションです。 図(d)RC による HPF 回路 file: RC_HPF.sxsch 10-15 図(b) RC による二次 HPF 回路の周波数特性 図(a)は、RC による二次の HPF 回路で、一次の dB プローブとボーデ・プローブによる 図(a) file: RC1+RC2_HPF.sxsch 図(b) シミュレーションです。 Ⓒ2012 Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 10-16 77 2012-8 RLC による二次 LPF 回路 図(a)は、RLC による二次 LPF 回路で、抵抗 R1 が 1、10、100Ωの場合のボーデ・プロ ーブによるシミュレーションです。 V1 100 1m R1 L1 R1=1 C1 1u R1=10 R1=100 R1=1 IN OUT R1=10 =OUT/IN R1=100 図(a) file: RLC_LPF.sxsch 図(b) 10-17 RLC による二次 HPF 回路 図(a)は、RLC の二次 HPF 回路で、抵抗 R1 が 1、10、100Ωの場合のボーデ・プローブ によるシミュレーションです。 R1=1 1u 100 V1 R1 C1 R1=10 1m L1 R1=100 R1=1 IN OUT R1=10 =OUT/IN R1=100 図(a) file: RLC_HPF.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 78 シミュレーション回路事例集(1) 10-18 2012-8 RLC による BPF 回路(1) 図(a)は、LC の直列共振を利用したバンド・パス・フィルタで、抵抗 R1 が 1、10、100 Ωの場合のボーデ・プローブによるシミュレーションです。 V1 1u 1m C1 L1 R1=100 100 R1 R1=10 R1=1 R1=1 IN R1=10 OUT R1=100 =OUT/IN 図(a) file: RLC_BPF.sxsch 10-19 図(b) RLC による BPF 回路(2) 図(a)は、LC の並列共振を利用したバンド・パス・フィルタで、抵抗 R1 が 1、10、100Ω の場合のボーデ・プローブによるシミュレーションです。 1k V1 1m L1 R2 R1=100 C1 1u R1=10 100 R1 IN R1=1 R1=1 OUT R1=10 =OUT/IN 図(a) R1=100 file: RLC_BPF(2).sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 79 2012-8 10-20 LC による BEF 路(1) 図(a)は、LC の直列共振を利用した、バンド・エリミネート・フィルタで、抵抗 R1 が 1、 10、100Ωの場合のボーデ・プローブによるシミュレーションです。 R1=1 100 1m L1 R1 V1 R1=10 R1=100 C1 1u IN OUT R1=100 =OUT/IN R1=10 図(a) R1=1 file: RLC_BEF.sxsch 図(b) 10-21 RLC による BEF 回路(2) 図(a)は、LC の並列共振を利用したバンド・エリミネート・フィルタで、抵抗 R1 が 1、 10、100Ωの場合のボーデ・プローブによるシミュレーションです。 L1 100 V1 R1 C1 1m 1K R2 R1=10 R1=100 1u IN R1=1 OUT =OUT/IN R1=1 R1=100 図(a) R1=10 file: RLC_BEF(2).sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 80 シミュレーション回路事例集(1) 10-22 2012-8 一次アクティブ・フィルタ LPF 回路 図(a)は、一次アクティブ・フィルタ LPF 回路のシミュレーションです。 100n -3dB C1 1K R2 1K AC 1 V1 R1 LAP1 10000 IN 135 OUT =OUT/IN 図(a) File:ActiveLPF(1).sxsch 10-23 図(b) 𝑓𝑐 = 1 2𝜋𝐶1𝑅2 = 1.59𝐾𝐻𝑧 一次アクティブ・フィルタ HPF 回路 図(a)は、一次アクティブ・フィルタ HPF 回路のシミュレーションです。 1K R2 1K AC 1 V1 R1 100n -3dB C1 LAP1 10000 IN OUT =OUT/IN -135° 図(a) file:ActiveHPF(1).sxsch 図(b) 10-24 𝑓𝑐 = 1 2𝜋𝐶1𝑅1 二次アクティブ・フィルタ LPF 図(a)は、二次アクティブ・フィルタ(VCVS 型)LPF 回路のシミュレーションです。 C1 100n AC 1 V1 1k R1 R2 C2 100n R4=10M 1k 1k R4 IN R4=500 10000 LAP1 1K R4=1K R3 R4=500 R4=1K OUT R4=10M =OUT/IN 図(a) file:ActiveLPF(2).sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 81 シミュレーション回路事例集(1) 10-25 2012-8 二次アクティブ・フィルタ HPF 図(a)は、二次アクティブ・フィルタ(VCVS 型)HPF で、R4=500,1K,10Meg の場合のシ ミュレーションです。 C1 AC 1 V1 1K R1 100n R4=500 10000 LAP1 C2 100n 1k R2 1k 1k R4 R4=1K R4=10M R3 R4=500 R4=1K IN R4=10M OUT =OUT/IN 図(a) file:ActiveHPF(2).sxsch 図(b) 10-26 二次アクティブ・フィルタ LPF(2) 図(a)は、二次アクティブ・フィルタ(多重帰還型)LPF のシミュレーションです。 C2 1k R3 100n 1k AC 1 V1 C1=0.1uF 1k R1 R2 C1 100n C1=1uF LAP1 10000 C1=10uF C1=0.1uF IN C1=1uF OUT =OUT/IN 図(a) C1=10uF file:ActiveLPF(3).sxsch 10-27 図(b) 二次アクティブ・フィルタ HPF(2) 図(a)は、二次アクティブ・フィルタ(多重帰還型)HPF のシミュレーションです. R1=10 R1=100 R1=1K R1=10 R1=100 R1=1K 図(a) file:ActiveHPF(3).sxsch Ⓒ2012 図(b) Cdtlab 82 シミュレーション回路事例集(1) 10-28 2012-8 5次バタワース LPF 図(a) file: ActiveLPF_Butterworth_5th.sxsch 図(a)は 5 次バタワース LPF の例ですが、1 次 LPF と 2 次 LPF が 2 段の縦続接続となっている。 図(b)で、dB1 は一次フィルタ出力、dB2 は 1 段目の 二次 LPF の出力,dB3 は 2 段目の二次 LPF の出力とな っている。 図(b) 10-29 5次チェビシュエフ LPF(リプル 0.1dB) 1K AC 1 V1 dB1 R1 C1 295n 図(a) C2 365n 10000 LAP1 C4 960n 1k 1k R2 R3 C3 110n 10000 LAP2 dB2 1k 1k R4 R5 C5 22n 10000 LAP3 dB3 file:ActiveLPF_Chebyshev_5th.sxsch 図(a)は 5 次チビシェフ LPF の例ですが、1 次 LPF と 2 次 LPF が 2 段の縦続接続となっている。 図(b)で、dB1 は一次フィルタ出力、dB2 は 1 段 目の二次 LPF の出力,dB3 は 2 段目の二次 LPF の 出力となっている。 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 83 シミュレーション回路事例集(1) 10-30 2012-8 LC による3次バタワースLPF 図(a)は、LC による 3 次バタワース LPF のシミュレーションです。 100 AC 1 V1 R1 31.8u L1 C1 1.59n dB C2 1.59n 100 R2 図(a) file: LC_Butterworth_3LPF.sxsch 図(b) 10-31 LC による 3 次ベッセル LPF 図(a)は、LC による 3 次ベッセル LPF のシミュレーションです。 図(a) file:LC_Bessel_3LPF.sxsch 図(b) 10-32 LC による3次チェビシェフLPF 図(a)は、LC による 3 次チェビシェフ LPF のシミュレーションです。 AC 1 V1 100 17.45u R1 L1 C1 2.54n dB C2 2.54n 100 R2 図(a) file:LC_Chebyshev0.5dB_3LPF.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 84 シミュレーション回路事例集(1) 10-33 2012-8 LC による3次バタワースHPF 図(a)は、LC による 3 次バタワース HPF のシミュレーションです。 100 AC 1 V1 R1 796p dB 15.9u C1 L1 15.9u L2 100 R2 図(a) file: LC_Butterworth_3HPF.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 85 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(3)-5 11-1 RC 位相発振回路 図(a)は、RC 位相発振回路のシユレーションです。 100k 12 V1 R2 TL072 100k R1 30k R3 1K 1K 1K R5 R6 R7 Probe1-NODE X1 12 V2 C1 1n C2 1n C3 1n IC=1 1K R4 file: OSC-3RC.sxsch 図(a) 11-2 図(b) 位相発振回路の位相シフト 図(a)は、11-1 項の位相推移をシミュレーションする回路です。 100k 12 V1 R2 TL072 100k R1 30k R3 1K 1K R5 R6 1K R7 X1 12 V2 C1 1n C2 1n C3 1n IC=1 1K R4 IN OUT =OUT/IN AC 1 V3 -180° file: OSC-3RC_Phaseshift.sxsch 図(a) 11-3 𝑓𝑜 =390KHz 図(b) ウィーンブリッジ発振回路(1) 図(a は、ウィーンブリッジ発振回路のシミュレーションです。 1K R1 3k R3 15 V1 C1 1n IC=1 X1 X1-out 1K R2 C2 1n TL072 1K R4 図(a) 15 V2 file: OSC-Wienbridge(1).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 86 シミュレーション回路事例集(1) 11-4 2012-8 ウィーンブリッジ発振回路(2) 図(a)は、11-3 項のウィーンブリッジ発振回路に振幅制限回路を加えた正弦波の発振回路 のシミュレーションです。 1K R1 3k R3 15 V1 C1 1n IC=1 X1 X1-out 1K R2 C2 1n 5k R5 TL072 15 V2 D1N4148 D2 D1N4148 D1 1K R4 図(b) 図(a) file: OSC-Wienbridge(2).sxsch 11-5 トランジスタによるマルチバイブレータ(1) 図(a)は、トランジスタによるマルチバイブレータと言われる発振回路のシミュレーショ ンです。 5 V1 5k R1 200k R2 200k R3 1n 1n IC=5 C1 C2 5k R4 Q2-collector Q1-collector Q2-base Q1 Q2N2222 図(a) Q1-base Q2 Q2N2222 file: OSC_Multi-vibrator(1).sxsch 図(b) 11-6 インバーターIC によるマルチバイブレータ(2) 図(a)は、CMOS インバータ IC によるマルチバイブレータ発振回路ノシミュレーション 図(a)マルチバイブレータ(2) file: OSC_Multi-vibrator(2).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 87 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 です。 11-7 オペアンプによるマルチバイブレータ(3) file: OSC_Multi-vibrator(3).sxsch 図(a) 図(b) 図(a は、オペアンプを使用したマルチバイブレータ発振回路のシミュレーションです。 11-8 LC コルピッツ発振回路 図(a)は、LC コルピッツ発振回路のシミュレーションです。図(2)は発振波形、図(3)は FFT プローブによるスペクトラム波形です。 30k R1 12 V1 C3 1u 200u L2 C2 200p IC=1 Q1 Q2N2222 C1 200p Q1-emitter 1m L1 10k R2 1K R3 図(1)シミュレーション回路 図(2)発振波形 図(3)スペクトラム file: OSC_LC(2).sxsch.sxsch 11-9 LC クラップ発振回路 図(a)は、LC クラップ発振回路のシミュレーションです。図(2)は発振波形、図(3)は FFT プローブによるスペクトラム波形です。 Ⓒ2012 Cdtlab 88 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 12 V1 30k R1 Q1 Q2N2222 C1 1n 200u L2 Q1-emitter 10k R2 1m L1 C2 1n C3 100p IC=100m 1K R3 file: OSC_LC(4).sxsch 図(a)LC クラップ発振回路 11-10 LC クラップ発振回路 C3 可変 図(a)は、LC クラップ発振回路で、コンデンサ C3 により周波数を変化させた場合のシミ ュレーションです。 12 V1 30k R1 Q1 Q2N2222 C1 1n 200u L2 Q1-emitter C2 1n IC=1 10k R2 1K R3 C3 200p 図(a)file: OSC_LC(5).sxsch 11-11 図(b) 3.5MHz水晶等価回路 図(a)は、水晶振動子の基本波の等価回路を示したもので、図(b)のような共振特性を持っ ている。 C2 インピーダンス 3p V1 R1 200m C1 30 L1 10f OUT 50 R2 位相 IN =OUT/IN (a) 11-12 file: XTAL-3.5MHz.sxsch 図(b) 3.5MHz 水晶クラップ発振回路 図(a)は、基本波 3.5MHz の水晶振動子を賜与したクラップ発振回路のシミュレーション です。 Ⓒ2012 Cdtlab 89 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 3.548MHz 12 V1 水晶振動子 30k R1 Q1 Q2N2222 30 R4 C1 500p 200m L3 C5 3p Q1-emitter 10k R2 C4 10f IC=100m 1K R3 C6 20p 1Meg R5 (a) 11-13 C2 100p file: OSC-XTAL3.5MHz.sxsch 10MHz 水晶ピアス CB 発振回路 1 図(a)は、 コレクタに同調回路を使用した水晶ピアス CB 発振回路のシミュレーションです。 水晶振動子 (a) 11-14 file: OSC-XTAL10M_CB.sxsch 図(b) 10MHz 水晶ピアス CB 発振回路 2 図(a)は、コレクタに同調回路にトランスをを使用して二次側から発振出力を取り出す、 水晶ピアス CB 発振回路のシミュレーションです。 5 R5 水晶振動子 C2 100p TX1 P1 20 R4 50m L3 TX1-21 C5 3p Q1 Q2N2222 C4 5f IC=100m 11-15 1K R6 C1 100p 10k R2 (a) 12 V1 S1 30k R1 C6 1n 1K R3 file: OSC-XTAL10M_CB(2).sxsch 水晶オーバートーン等価回路 Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 90 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 図(a)は、水晶振動子の等価回路で、基本波共振回路に 3 倍、5 倍の共振回路が並列にな っている。図(b)は、そのインピーダンす特性です。 基本波 3倍 5倍 C2 水晶振動子 3p V1 (a) 11-16 R1 200m C1 20 L1 10f R3 25m C3 50 L2 10f R4 18m C4 100 L3 4.5f dB 50 R2 file: XTAL_Overtorn.sxsch 図(b) 3.5MHz 基本波コルピッツ水晶発振回路 図(a)は、11-15 項の等価回路を使用した基本波の発振回路のシミュレーションです。 30k R1 5 R5 C2 300p TX1 P1 20 R7 50 R4 12 V1 S1 100 R8 200m L1 25m L3 18m L2 C3 10f C4 10f C7 4.5f TX1-21 C5 3p 1K R6 Q1 Q2N2222 C1 200p IC=100m 10k R2 1K R3 C6 500n (a) file: OSC-XTAL3.5MHz_Fst_CB(1).sxsch 11-17 図(b) 3 倍オーバートーン水晶発振回路 図(a)は、11-15 項の等価回路を使用した 3 倍の発振回路のシミュレーションです。 30k R1 5 R5 C2 100p TX1 P1 20 R7 50 R4 200m L1 25m L3 18m L2 C3 10f C4 10f C7 4.5f TX1-21 C5 3p Q1 Q2N2222 11-18 1K R6 C1 100p IC=100m 10k R2 (a) 12 V1 S1 100 R8 C6 500n 1K R3 file: OSC-XTAL3.5MHz_3rd_CB(1).sxsch 5 倍オーバートーン水晶発振回路 Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 91 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 図(a)は、11-15 項の等価回路を使用した 5 倍の発振回路のシミュレーションです。 30k R1 5 R5 C2 50p TX1 P1 20 R7 50 R4 200m L1 25m L3 18m L2 C3 10f C4 10f C7 4.5f TX1-21 C5 3p Q1 Q2N2222 1K R6 C1 100p IC=100m 10k R2 (a) 12 V1 S1 100 R8 C6 500n 1K R3 file: OSC-XTAL3.5MHz_5th_CB(1).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 92 シミュレーション回路事例集(1) 11-19 2012-8 EXOR による位相比較器 1 図(a)は、エクルシーブ OR(EXOR)を使用した HC86D U2-IN1 V2 U2-PC1out 位相比較器のシミュレ U2-IN2 U2 V1 ーションです。 図(a) file: Phase comparator(1).sxsch 図(b) 11-20 PLL 用 ICHC4046 の位相比較器 2 図(b)は、 PLL 用 IC 5 V3 U2-IN1 V2 U2-IN2 VCC COMPin SIGin V1 HC4046 のポジティ U1 HC4046 PC1out PC2out PC3out PCPout ブ・エッジ・タイプ U1-PC2out 50k R1 位相比較器のシミュ VCOin VCOout INH DEMODout レーションです。 R1 R2 CAP1 CAP2 GND 図(a) 図(b) file: Phase comparator(2).sxsch 11-21 PLL 用ループ・フィルタ 1 図(c)は PLL 回路で使われるローパス・フィルタで、ラグ・リード・フィルタといわれ る。 50k dB R2 Phase 図(b)のように位相 C3 1u 回転に戻る周波数 AC 1 V1 図(a) C1 100n 5k R1 がある。 file: Loop_Filter(1).sxsch Ⓒ2012 図(b) Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 11-22 93 2012-8 アクティブ PLL 用ループ・フィルタ 2 C3 10k R2 500n 図(a)はアクティブ・フ R1 ィルターで構成したルー 10k C1 プ・フィルターのシミュ 50n AC 1 V1 レーションです。 dB Phase LAP1 100 図(a) file: Loop_Filter(2).sxsch 図(b) 11-23 分周器 図(a)は、分周期として使用されるカウンタのシミュレーションで、U1 はバイナリー・カ ウンタの動作、U2 は 10 進カウンタの動作のシミュレーションです。 Counter_4 U1 U1-Clock V1 D0 D1 D2 D3 U1-D0 U1-D1 U1-D2 U1-D3 U2 f div Freq. Div U2-Out 図(a) file: Divider.sxsch 図(b) 11-24 PLL のフェイズ・ループ解析 図(a)は、PLL 回路の位相解析を行うため、位相比較器の利得𝑃𝐷 =0.39、vco の利得 𝑘𝑐 𝑆 = 1.3×105 𝑆+1×10−7 1 、分周器の利得 = 0.02とアナログに変換して、負帰還ループをシミュレー 𝑁 ションしたものです。 図(b)のように、ラグ・リード・フィルタの抵抗 R3 により位相の改善効果が分かります。 Ⓒ2012 Cdtlab 94 シミュレーション回路事例集(1) 0.39 LAP2 2012-8 130000/(s+0.0000000001) LAP1 100k R2 C1 2u 𝑷𝒅 10k R3 𝑲𝑪 𝑺 C2 400n 0.02 LAP3 AC 1 R3=0 V1 𝟏 𝟏 = 𝑵 𝟓𝟎 OUT =OUT/IN 図(b) file: PLL_Bode-50N.sxsch 図(a) 11-26 IN -1 LAP4 PLL IC 4046 のシミュレーション U2-PC2out VCC COMPin SIGin V1 100k U2-VCOin R2 VCOin INH C3 2u C1 400n 10k R1 U2 HC4046 V2 5V PC1out PC2out PC3out PCPout U1 f div U2-VCOout VCOout DEMODout Freq. Div U2-Out R1 R2 CAP1 R4 10k C2 22n CAP2 GND 図(a) file: PLL_4046-50N.sxsch 図(b) 図(a)は PLL 用 IC HC4046 のシミュレーション事例です。 図(b)の U2-VCOin の波形のように、フェーズ・ ロックがかかるまでの VCO 制御信号が 175mS か かっている様子がわかる。 また図(c)のように、発振周波数は基準周波数 1KHzの 50 倍の 50KHz となっている。 図(C)VCO 発信出力の FFT 解析結 果 Ⓒ2012 Cdtlab 95 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(3)-6 12-1 ダイオードによる半波整流 1 図(a)は、ダイオードに D1 D1-anode D1-cathode よう半波整流回路で、入 d1n4007 AC 1 0 Sine(0 14.1421 50 0 0) V1 1k R1 力の交流電圧を脈流に変 換する回路のシミュレー ションです。 図(a) file: Rectification_Half-wave.sxsch 12-2 図(b) ブリッジダイオードによる全波整流 1 図(a)は、ブリッジ・ダイ オードによる全波整流回路 で、入力の交流電圧を脈流に 変換する回路のシミュレー ションです。 図(a) file: Rectification_Both-waves.sxsch 図(b) 12-3 トランスとダイオードによる半波整流 2 10:1 2 1 R2-N R3 R2 V1 D1 D1-anode D1-cathode り、1/10 の電圧に分圧した後整流 d1n4007 TX1 P1 C1 100u S1 図(a)は、交流入力をトランスによ 1k R1 する回路のシミュレーションで す。 AC100V 図(b)はコンデンサ C1=1nF の 場 合 、 図 (c) は コ ン デ ン サ 図(a) C1=100uF の場合の出力です。 file: Rectification_Half-wave(1).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 96 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 図(c)C1=100uF の場合 図(b)C1=1nF の場合 12-4 トランスとダイオードによる両波整流 図(a)は、交流入力をトランスにより、 1/10 の電圧に分圧した後、全波整流する回 路のシミュレーションです。 図(b)はコンデンサ C1=1nF の場合、図(c) はコンデンサ C1=100uF の場合の出力で 図(a) す。 file: Both waves rectification(1).sxsch (e) 図(c)C1=100uF の場合 図(b)C1=1nF の場合 Ⓒ2012 Cdtlab 97 シミュレーション回路事例集(1) 12-5 2012-8 トランスとダイオードによるブリッジ整流 図(a)は、交流入力をトランスにより、1/10 の電圧に分圧した後、ブリッジ・ダイオード で全波整流する回路のシミュレーションです。 D1 2 D1-cathode R3 5 V1-pos d1n4007 R2 C1 100u D3 V1 1K R1 TX1 d1n4007 P1 d1n4007 S1 D4 d1n4007 D2 図(a)file: Rectification_Both waves (1).sxsch 12-6 図(b) 4.7V ツエナー電圧-電流特性 図(a)は、ツェナー・ダイオードを使用して簡易的な定電圧を得る回路のシミュレーシ ョンです。 1K D1-N R1 5 V1 D1-N BZX79-4V7 D1 図(a) file: Zener diode-1.sxsch 図(b) 12-7 ツェナー・ダイオードの温度特性 図(a)は、ツェナー・ダイオードの温度特性の変化をシミュレーションするものです。 1K D1-N R1 5 V1 BZX79-4V7 D1 図(a) file: Zener diode-2.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 98 シミュレーション回路事例集(1) 12-8 2012-8 ツエナー電圧特性(負荷の影響) 回路図(a)は、定電圧回路の負荷(出力電流)を抵抗 R2 で考えたもので、図(b)は、抵抗 1K R2 を 1KΩ~10KΩに変 D1-N R1 5 V1 化させた場合である。図 BZX79-4V7 D1 のように、負荷を小さく 1K R2 すると、定電圧の領域が 少なくなってしまうこと がわかる。 図(a) file: Zener diode-3.sxsch 図(b) 12-9 ノイズの抑圧効果 図(f)は電源にノイズが乗っている場合のシミュレーションです。 図(b)のように、電源側 5.3Vp-p のノイズは、出力側では 7.6mVp-p と小さくなっている。 V1-pos 1K D1-N 出力ノイズ R1 5 AC 1 0 Noise(1m 1 0) V1 7.6mVp-p BZX79-4V7 D1 15 V2 5k R2 電源ノイズ 5.3Vp-p 図(a) file:Zener diode-4.sxsch 図(b) 12-10 簡易安定化電源(負帰還無) 図(a)は、ツエナー・ダイオード回路での負荷電流の問題を改善するために、Q1 のエミ ッタフォロワー回路と追加したもので、無帰還型の簡易定電圧回路のシミュレーションで す。 Q2N2222 Q1 Q1-emitter 1K R1 5 V1 BZX79-4V7 D1 C1 100n 1K R2 図(a) file: Zener & Tr-1.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 99 シミュレーション回路事例集(1) 12-11 2012-8 簡易安定化電源(負帰還無)のノイズ・フィルタ効果 図(a)は、13-10 項の簡易定電圧回路において R1C1 のノイズ・フィルタとして動作した 場合とツエナー・ダイオードがある場合のシミュレーションです。 R1C1 フィルタとし て機能(R3=1MΩ) -48dB D1 がツエナー領域で 動作(R3=1Ω) 図(a) file: Zener & Tr-2.sxsch 12-12 図(b) 直列制御安定化回路(負帰還型) 図(a)は、直列制御安定化回路の電源 V1 に対する、抵抗 R3 を変えて入力-出力電圧 特性をシミュレーションしたものです。 Q2N2222 Q1 Q1-emitter 5k R5 10k C2 1u 5k R3 R1 Q2 Q2N2222 15 V1 BZX79-4V7 D1 5k R4 C1 1u 1k R2 図(a) file: Series_Reg-1.sxsch 図(b) 12-13 直列制御安定化回路ボーデ線図 図(a)は、出力コンデンサ C2 を変えてボーデ線図を作画するシミュレーションです。 Q2N2222 Q1 5k R5 10k R1 1 LAP1 C2 100u 1k R3 AC 1 15 V1 Q2 Q2N2222 1k R2 V2 BZX79-4V7 D1 C1 1u IN -1 LAP2 OUT 5k R4 =OUT/IN 図(a) 位相余裕 file: Series_Reg-2.sxsch 64° 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 100 シミュレーション回路事例集(1) 12-14 2012-8 オペアンプによる直列制御安定化回路 図(a)は、制御アンプに汎用オペアンプ(TL072)を使用した回路のシミュレーションで す。 Q2N2222 Q1 X1-v sp 15 V2 5k R4 1k R1 1K R3 X1 15 V1 TL072 5 V3 BZX79-4V7 D1 5k R2 図(a) file: Series_Reg-3.sxsch 図(b) 12-15 定電圧回路のボード線図による位相余裕判定 図(c)は、12-14 項のオペアンプ(TL072)を使用した定電圧回路で出力にコンデンサ C1(100μF)を追加した場合のボード線図のシミュレーションです。 Q2N2222 Q1 1 LAP1 定電圧回路の出力 AC 1 5k R4 X1 15 V2 1k R1 V4 IN -1 LAP2 5 V3 図(a) は大きなコンデンサ が付く場合がある。 この場合、不安定な =OUT/IN TL072 C2 C1 100u OUT 15 V1 1n 1K R3 BZX79-4V7 D1 回路となるので、位相 5k R2 補正が必要と成る。 図(a)は、コンデン 50k サ C1 及び抵抗 R5 を R5 file: Series_Reg-4.sxsch 追加し、位相補正を行 っている。 図(b)のボード線図のように、抵 R5=50KΩ 抗 R5=50KΩの場合は、位相余裕 位相余裕 60° は 60°あるが、抵抗 R5=10MΩ (位相補正回路無し)の場合は位 R5=10MΩ 位相余裕 0° 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 相余裕が 0°と、不安定であるこ とがわかる。 101 シミュレーション回路事例集(1) 2-16 2012-8 低飽和型直列制御安定化路 図(a)は、制御アンプに汎用オペアンプ(TL072)を使用した低飽和型直列制御定電圧 回路のシミュレーションです。 Q2N2904 Q1 Q1-collector 18 V2 1k R5 5k R6 2k R3 X1 15 V1 1k R2 TL072 5 V3 BZX79-4V7 D1 5k R4 図(a) file: Series_Reg-7.sxsch 図(b) 2-17 JFET による定電流特性 図 (a)は、JFET のゲートバイアス電圧を抵抗 R1 の電圧降下を使用したときの、ドレイ ン電流の定電流特性です。 図(a) file: Constant current_FET.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 102 シミュレーション回路事例集(1) 2-18 2012-8 トランジスタの電流特性 図(a)は、トランジスタのベース・バイアス電流を一定にした時のコレクタ電流の特性で す。図(b)のように、コレクタ-エミッタ間電圧の変動に対して、定電流とは言えない。 IPROBE1 100u I1 50 V1 Q1 Q2N2222 図(a)ile: Constant current_Tr(1).sxsch 図(b) 2-19 トランジスタによる定電流特性 1 図(a)は、Q1 のエミッタに抵抗 R1 を入れ電流帰還をかけ、ベースにダイオード D1 と抵 抗 R3 の直列回路を入れ定電流特性を改善したものです。 IPROBE1 1m I1 50 V1 Q1 Q2N2222 500 R1 D1N4148 D1 500 R3 図(a) 図(b) file: Constant current_Tr(2).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 103 シミュレーション回路事例集(1) 2-20 2012-8 トランジスタの電流特性 2 図(a)は、Q1 のエミッタに抵抗 R1 を入れ電流帰還をかけ、ベース・バイアス電圧にツエナ ー・ダイオードを使用した定電流回路のシミュレーションです。 1m I1 IPROBE1 50 Q1 V1 Q2N2222 1k BZX79-4V7 D1 R1 図(a) 2-21 図(b) file: Constant current_Tr(3).sxsch カレント・ミラー電流特性 図(a)は、2-19 項の回路で、ダイオードを Q1 と同じトランジスタ Q2 に変更することで、 素子のバランスをとり、定電流特性温度特性が改善している。 この回路は Q1 に流れる電流は Q2 に流れる電流と同じになることからカレント・ミラー 回路と呼ばれている。 1m I1 IPROBE1 50 Q1 V1 Q2N2222 Q2 Q2N2222 1k R1 1k R3 図(a) file: Constant current_Tr(4).sxsch Ⓒ2012 図(b) Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 2-22 104 2012-8 負帰還型定電流回路 図(a)はオペアンプとトランジスタによる定電流回路であり、抵抗 R6 により電流を検出 し、その検出電圧と入力電圧 V3 と比較している。 したがって、トランジスタ Q1 にコレクタに流れ込む電流𝐼𝐶 は次のようになる。 𝐼𝐶 = 𝑉3 𝑅6 図(a) file: Constant_Current_OP(1).sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 105 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(3)-6 12-23 降圧型 DC-DC コンバータの動作 1 図(a)は、降圧型コンバータの原理のシミュレーション事例であり、10V の DC 入力で、 デューティー比 50%の信号でスイッチ S1 を ON/OFF した場合の電流と出力電圧の波形を シミュレーションしている。 𝑉𝑜 𝐼𝐿1 𝐼S1 S1 S1-N 100u IC=0 20m IPROBE1 R1 Probe2-NODE 10 V1 V2 𝐼𝐷1 Probe1-NODE 𝑉𝑜 L1 𝐼𝐷1 100u R2 𝐼S1 10 R3 BAR42 D1 IPROBE2 𝐼𝐿1 1m IC=0 C1 ON OFF V2 図(a) file: Down_DC-DC(1).sxsch 2-24 図(b) 降圧型 DC-DC コンバータの動作 2 S1 S1-N IPROBE1 20m R1 100u IC=0 Probe2-NODE 10 V1 V2 100u R2 D1-anode BAR42 D1 𝑉𝑜 Probe1-NODE L1 𝐼𝐷1 100 R3 𝐼S1 1m IC=0 C1 𝐼𝐿1 図(a) V2 file: Down_DC-DC(2).sxsch 図(b) 図(a)は、負荷抵抗 R3 を大きくした場合で 𝑉𝑜 𝐼𝐷1 あるが、図(b)のように、出力電圧𝑉𝑜 は、 6.2V 以上の電圧になっている。このとき図(c) 𝐼S1 のように、コイルに流れる電流𝐼𝐿1 は非連続にな 𝐼𝐿1 っている。 V2 図(C) R3=100Ω時の動作(2) Ⓒ2012 Cdtlab 106 シミュレーション回路事例集(1) 12-25 2012-8 降圧型 DC-DC コンバータの動作 3 図(a)は、負帰還回路のより電圧を制御する降圧型スイッチング・レギュレータのシミュ レーションです。 S1 100u IC=0 20m 10 V1 R1 D1 BAR42 Probe1-NODE 100u R2 L1 10 R3 470 R4 1m IC=0 C1 470 R5 S1-CP 20k R6 X2 1 U1 X2-out 2.5 V3 U1-INN V2 5 V4 1 220k R7 12-26 図(b) file: Down_DC-DC(3).sxsch 図(a) 降圧型 DC-DC コンバータのボーデ線図 図(a)のように、SIMPLIS では POP 解析を行うことによりボーデ線図を描き負帰還ル ープの位相余裕度を確認できる。 S1 20m 10 V1 100u IC=0 R1 L1 D1 BAR42 100u R2 470 R4 1m IC=0 C1 U1 20k R6 10 R3 470 R5 X2 1 AC 1 2.5 V3 V5 IN OUT =OUT/IN X1 1 5 V4 220k R7 V2 図(a) file: Down_DC-DC(4).sxsch Ⓒ2012 図(b) Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 12-27 107 2012-8 昇圧型 DC-DC コンバータの動作原理(1) 図(a)は、インダクタの流れる電流が連続の場合の、昇圧型コンバータのシミュレーショ ンです。 Vo 𝐼𝑆1 𝐼𝐷1 𝐼𝐿1 図(a) file: Up_DC-DC(1).sxsch V2 図(b) 12-28 昇圧型 DC-DC コンバータの動作原理(2) 図(a)は、負荷が小さくインダクタの流れる電流が非連続の場合の、昇圧型コンバータの シミュレーションです。 図(a) file: Up_DC-DC(2).sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 108 シミュレーション回路事例集(1) 12-29 2012-8 昇圧型 DC-DC コンバータ 図(a)は、昇圧型スイッチング・レギュレータのシミュレーションです。 BAR42 100u IC=0 20m IPROBE1 5 V1 R1 L1 S1 Probe1-NODE 100u R2 D1 100 R3 1k R4 1m IC=0 C1 330 R5 S1-CP 20k R6 X2 1 U1 X2-out 10k 2.5 V3 R8 U1-INN V2 5 V4 1 220k R7 10k R9 図(a) file: Up_DC-DC(3).sxsch 図(b) 12-30 昇圧型 DC-DC コンバータのボーデ線図 図(a)は、昇圧型スイッチング・レギュレータの負帰還回路のボーデ線図のシミュレーシ ョンです。 20m 5 V1 R1 BAR42 100u IC=0 L1 S1 100u R2 D1 100 R3 1k R4 1m IC=0 C1 330 R5 20k R6 X2 1 U1 AC 1 10k 2.5 V3 R8 V5 V2 IN 5 V4 OUT 1 220k =OUT/IN R7 X1 10k R9 図(a) 図(b) file: Up_DC-DC(4).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab シミュレーション回路事例集(1) 12-31 109 2012-8 同期整流降圧型 DC-DC コンバータの原理 図(a)は降圧型 DC-DC コンバータで同期整流方式とダイオード整流方式を比較したもの で、電圧が一定の状態の波形で Probe1-NODE は同期整流方式の出力電圧、Probe4-NODE はダイオード整流方式の出力電圧の波形を見たものである。 図(b)のように、同期整流方式の方が電圧のロス及びリプルも小さいことがわかります。 図(a) file:Down_DC-DC(7).sxsch 図(b) 12-32 フォワード型 DC-DC コンバータの動作 図(a)は、フォワード型 DC-DC コンバータのシミュレーション回路です。図(b)は、トラ ンスの巻き数比を変化させた場合のシミュレーション結果です。 n1:n2=1:3 n1:n2=1:2 n1:n2=1:1 図(b) 図(a) file: Forward_DC-DC(1).sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 110 シミュレーション回路事例集(1) 12-33 2012-8 フライバック型 DC-DC コンバータの動作 図(a)は、フライバック型 DC-DC コンバータのシミュレーション回路です。図(b)は、ト ランスの巻き数比を変化させた場合のシミュレーション結果です。 20m 20m R1 R4 10 V1 TX1 1m R2 P1 100 R3 n1:n2=1:3 S1 1m IC=0 C1 S1 D2 V2 n1:n2=1:2 D1-cathode BYW80-200 n1:n2=1:1 図(a) file:Flyback_DC-DC(1).sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 111 シミュレーション回路事例集(1) 2012-8 電子回路(4)-1 13-1 CMOS インバータ回路 図(a)は CMOS インバータ回路の内部回路を示したものですが、図(b)のようにインバー タ回路が 3 段にしたものは、入出力特性が急峻になることがわかります。 5 V1 P_1u-Q2 P_1u-Q3 P_1u-Q5 P_1u-Q7 Q3 Q5 Q7 Q2 5 V3 (a-2)Buffer Q7-drain Q1-drain N_1u-Q1 N_1u-Q4 N_1u-Q6 N_1u-Q8 Q1 Q4 Q6 Q8 5 V2 (a-1)Unbuffer (a-1)Unbuffer file: C-MOS_INV.sxsch 図(a) 13-2 (a-2)Buffer 図(b) CMOS NAND回路 図(a)は、NAND 回路の構成で、PMOS と NMOS トランジスタの組み合わせで構成され ており、二つのゲート入力の信号に対する出力信号をシミュレーションしたものです。 P_1u-Q4 P_1u-Q2 Q4 Q2 5 V1 N_1u-Q1 P_1u-Q5 P_1u-Q7 Q5 Q7 Q1-gate Q7-drain Q1 V2 N_1u-Q3 Q4-gate V3 N_1u-Q8 Q6 Q8 図(b) file: C-MOS_NAND.sxsch 図(a) 13-3 N_1u-Q6 Q3 CMOS NOR 回路 図(a)は、NOR 回路の構成で、PMOS と NMOS トランジスタの組み合わせで構成されて おり、二つのゲート入力の信号に対する出力信号をシミュレーションしたものです。 5 V1 P_1u-Q2 Q2 P_1u-Q4 P_1u-Q5 P_1u-Q7 Q5 Q7 Q4 Q1-gate V2 Q7-drain Q4-gate V3 N_1u-Q3 N_1u-Q1 Q3 Q1 図(a) N_1u-Q6 N_1u-Q8 Q6 Q8 file: C-MOS_NOR.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 112 シミュレーション回路事例集(1) 13-4 2012-8 CMOS アナログ・スイッチ回路 図(a)は、アナログ・スイッチの回路構成で、V2 のアナログ信号を V1 のディジタル信号 で ON/OFF するシミュレーションです。 P_1u-Q2 P_1u-Q5 P_1u-Q7 Q2 Q5 Q7 N_1u-Q1 N_1u-Q6 N_1u-Q8 Q1 Q6 Q8 5 V3 Q5-gate V1 Q3 P_1u-Q3 Probe1-NODE Q3-drain 100k R1 Q4 N_1u-Q4 5 AC 1 0 Sine(0 500m 1k 0 0) V2 図(b) 図(a) 13-5 file: C-MOS_AnalogSW.sxsch NOR型RSフリップフロップ回路 図(a)は、 NOR 回路を使用した RS フリップ・フロップ回路の動作シミュレーションです。 R Q HC02D U1-IN1 V1 U1-OUT Q Q U1 S HC02D U2-OUT S U2-IN2 V2 Q U2 R 図(a) file: NOR_RS flip-flop.sxsch 13-6 図(b) D型フリップフロップ回路 図(a)は、D 型フリップ・フロップ回路の動作シミュレーションです。 VCC U2 U1-D U3 図(a) D SET Q U1-CLK HC74D U1 QN RST U1-Q U1-QN file: D_FF.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 113 シミュレーション回路事例集(1) 13-7 2012-8 JK型フリップフロップ回路 図(a)は、JK 型フリップ・フロップ回路の動作シミュレーションです。 U3 U1-J U2 U1 JK_FlipFlop SET J U1-Q Q U1-CLK U1-QN QN K U1-K RST U4 file: JK_FF.sxsch 図(a) 13-8 図(b) D 型 FF による 4 進カウンタ 図(a)は、D 型フリップ・フロップ回路を使用した 4 進カウンタの動作シミュレーショ ンです。 VCC D SET Q U3 HC74D U1 QN RST QN RST U1-QN 図(a) 13-9 HC74D U2 D SET Q U1-CLK U1-Q U2-QN U2-Q file: D-FF_4Counter.sxsch 図(b) JK 型 FF による4進カウンタ 図(a)は、JK フリップ・フロップ回路を使用した 4 進カウンタの動作シミュレーショ ンです。 VCC J U2 SET U1 JK_FlipFlop Q J QN K SET U3 JK_FlipFlop Q U1-CLK K RST U3-CLK 図(a) QN RST U3-Q file: JK_FF_4Counter.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab 図(b) 114 シミュレーション回路事例集(1) 13-10 2012-8 JK 型 FF による 10 進カウンタ 図(a)は、JK フリップ・フロップ回路を使用した非同期式 10 進カウンタの動作シミュレ ーションです。 VCC U2 J Q K QN U1-CLK U1 HC73 RST J Q K QN U3 HC73 RST J Q K QN U4 HC73 J Q K QN RST U5 HC73 RST U3-K U3-CLK U4-CLK U4-Q U5-Q NAND_4 U6 file: JK_FF_10Counter.sxsch 図(a) 13-11 図(b) JK 型 FF による同期式 10 進カウンタ 図(a)は、JK フリップ・フロップ回路を使用した同期式 10 進カウンタの動作シミュレー ションです。 HC11D U9-OUT HC08D HC08D HC11D U6 U7 U8 U9 VCC U2 J Q K QN U1-CLK U1 HC73 J Q K QN RST U3 HC73 RST U1-Q Q K QN U4 HC73 RST U3-Q 図(a) file: JK_FF_Sync10Counter.sxsch Ⓒ2012 J Cdtlab J Q K QN U5 HC73 RST U4-Q U5-Q 115 シミュレーション回路事例集(1) 13-12 2012-8 シフトレジスタ 図(a)は、D型フリップ・フロップを使用した、シフトレジスタのシミュレーションです。 VCC U1-D V1 D SET Q LS74 U1 D SET Q QN RST LS74 U3 D SET Q QN RST LS74 U4 D SET Q QN RST LS74 U5 D SET Q QN RST LS74 U2 QN RST D SET Q LS74 U6 QN RST D SET Q LS74 U7 QN RST D SET Q LS74 U8 QN RST U4-CLK 5 Pulse(0 5 0 250n 250n 25u 50u) V2 U1-QN U3-QN U4-QN 図(a)シフトレジスタ file: D-FF_Shift register.sxsch Ⓒ2012 Cdtlab U5-QN U2-QN U6-QN U7-QN U8-QN 116 シミュレーション回路事例集(1) 13-13 2012-8 8 ビット A-D 変換回路 図(a)は、サンプリング・ホールド回路を持った A-D 変換回路動作のシミュレーションです。 図(b)のように、スイッチ S1 でサンプリングされた電圧は、コンデンサ C1 に蓄積され A-D の変換時間維持される。 ADC_8 U1 S1 S1-N V1 100 U1-In R1 U1-Clock C1 10n U2 In D0 D1 D2 D3 D4 D5 D6 D7 Data_Valid U1-D0 U1-D1 U1-D2 U1-D3 U1-D4 U1-D5 U1-D6 U1-D7 U1-Data_Valid S1-CP V2 (a) file: S-H&ADC.sxsch サンルプリング A-D 開始 A-D 出力 A-D 変換クロック A-D パラレル出力 サンプル&ホールド電圧 V1 アナログ入力 V2 サンプリング・パルス (b)A-D 変換回路の動作 Ⓒ2012 Cdtlab 117 シミュレーション回路事例集(1) 13-14 2012-8 1ビットΔΣ型 A-D 変換回路 図(a)は、1ビットΔΣ型 A-D VCC 20p IC=0 V1-pos V1 5 V2 変換回路の動作をシミュレーシ C1 50k X1 R2 U1-In U1-D D 50k LAP1 1E6 R1 SET HC74D U1 ョンする回路です。 Q QN 2 V3 LT1720 RST U3 U1-CLK BesselLP(5, 20k) LAP2 2 V4 S1 図(b)は、図(a)で直流電圧を入 U2-OUT S2 2 V5 力したときの1ビット DAC、積 図(a) 分出力、AD 出力の波形です。 file: 1bitΔΣ_ADC(1).sxsch (A)入力電圧=-1.8V (B)入力電圧=0V (C)入力電圧=+1.8V A-D out 積分波形 1BitD-A out 入力信号 図(b) 13-15 1ビットΔΣ型 A-D 変調器 図(e)は、交流信号(正弦波)を 1 ビットΔΣA-D 変調器のシミュレーションをしたもの VCC 20p IC=0 V1-pos V1 50k LPF 出力 5 V2 C1 X1 R2 U1-In D 50k R1 LAP1 1E6 2 V3 LT1720 U3 SET HC74D U1 U1-Q Q QN U1-CLK A/D 出力 RST BesselLP(5, 20k) LAP2 2 V4 Probe2-NODE S1 積分波形 S2 2 V5 入力信号 図(a) file: 1bitΔΣ_ADC(2).sxsch 図(b) で、出力にはデジテタル・フィルタの代わりにアナログ・ローパス・フィルタ(LPF)を 通してアナログ信号に戻し確認している。図の LPF 出力ように1ビット A-D 変換器を使用 しても、高い分解能があることがわかる。 Ⓒ2012 Cdtlab 118 シミュレーション回路事例集(1) 13-16 2012-8 4 ビット電圧加算モード型 DAC 図(a)は、4 ビット電圧加算モード型 DAC の動作をシミュレーションしたものですが、ア ナログ・スイッチは使わずバイナリ・カウンタ出力の電圧をそのまま基準電圧としてシミ ュレーションを行っている。 2k R1 R3 2k R2 1K R5 1K 2k R4 1 LAP1 R7 1K 2k R6 Probe1-NODE 2k R8 U1-D2 U1-D3 U1-D1 D0 D1 D2 D3 U1-D0 U1 Counter_4 U1-Clock 5 Pulse(0 4 0 500n 500n 50u 100u) V1 図(a) 4 ビット電圧加算モード型 DAC file: 4bits_DA.sxsch 図(b) 13-17 PWM 信号変換の原理 図(a)は、三角波による PWM 回路の基本回路であり、三角波の基準信号と入力電圧をコ ンパレータで比較することで PWM 信号が得ている。この三角波の周波数がスイッチング 周波数となる。 5 V3 X1-inp 5 AC 1 0 Sine(0 1 1k 0 0) V1 X1 X1-out X1-inn LT1720 V2 5 V4 図(a) file: PWM_Generator.sxsch 図(b) Ⓒ2012 Cdtlab 119 シミュレーション回路事例集(1) 13-18 2012-8 PWM 信号変換回路 (D) 5 V3 X1-inp V1 1 LAP1 X1 X1-out 40u 28u L1 X1-inn V2 (C) Probe4-NODE L2 C1 620n LT1720 C2 150n 10 R1 5 V4 (B) 図(a)PWM 信号変換回路 (A) file: PWM_Generator(2).sxsch 図(b) 図(a)は、PWM 出力の後に、4次バターワース LPF を通した構成をシミュレーションし たものです。 出力波形(D)は、PWM 出力をロー・パス・フィルタ(LPF)を通した波形であり、PWM 出力の平均化したものは入力信号(A)と同じであることがわかる。 (D) (C) (B) (A) 図(d) LPF 前(下図)、LPF 後(上図) 図(c) 図(b)シミュレーション波形の拡大 図(c)は、図(a)のシミュレーション波形の時間軸を拡大したものである。また図(d)は LPF の入力前と後のスペクトラムであり、スイッチング周波数及び高調波成分が 40dB 以上減衰 していることがわかる。 Ⓒ2012 Cdtlab 120 シミュレーション回路事例集(1) 13-19 2012-8 自励型 PWM 回路 図(a)は、積分回路とヒステリシス・コンパレータによる帰還回路による発振回路を入力 電圧で変調するもので、自励発振型 PWM 回路と呼ばれている。 10k 1n R3 10k +Vcc LT1122 V3-pos +Vcc R4 C1 -Vcc 3.3k X1-out R2 5 AC 1 0 Sine(0 2 1k 0 0) V3 3.3k 12 V1 X2 X2-out R1 X1 12 V2 LT1122 +Vcc -Vcc -Vcc 図(a) file: PWM_Self.sxsch 図(b) 図(c)は、シミュレーション波形の時間軸を拡大して入力電圧による PWM 波形を見たもの です。 (A)入力電圧=-2V (B)入力電圧=0V 図(c) 図(b)シミュレーション波形の拡大 Ⓒ2012 Cdtlab (C)入力電圧=+2V 121 シミュレーション回路事例集(1) CDTLab (Circuit Design Technology Laboratory) http://www.cdtlab.jp Ⓒ2012 Cdtlab 2012-8
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