平成 22 年度 「インドにおける工作機械需要見通し等調査研究」 報 告 書 平 成 23 年 3 月 社団法人 日本工作機械工業会 この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。 http://ringring-keirin.jp/ 目 次 は じ め に ..........................................................1 調 査 研 究 の 概 要 ....................................................2 要 約 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .. 5 1. イ ン ド の 工 作 機 械 の 需 要 動 向 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22 ( 1) 生 産 ・ 輸 出 ・ 輸 入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22 ( 2) 輸 入 . . . . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23 ( 3) 業 界 動 向 . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 29 2. イ ン ド の ユ ー ザ ー 産 業 の 需 要 動 向 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 31 ( 1) 輸 送 機 器 . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 31 ( 2) 農 業 機 械 . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 59 ( 3) 建 設 機 械 . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 65 ( 4) 金 型 . . . . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 72 ( 5) 需 要 産 業 の 地 域 別 マ ッ プ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 85 ( 6) 主 要 外 資 系 ・ 地 場 自 動 車 部 品 メ ー カ ー の 立 地 状 況 . . . . . . . . . . . . . . . . 101 3. 日 本 の 工 作 機 械 の 輸 出 動 向 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 105 ( 1) 輸 出 の 推 移 . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 105 ( 2) 日 本 製 工 作 機 械 の イ ン ド 向 け 輸 出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 106 4. イ ン ド 市 場 開 拓 の 課 題 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 107 ( 1) イ ン ド に お け る ユ ー ザ ー 産 業 の 展 望 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 107 ( 2) イ ン フ ラ の 整 備 計 画 と 主 要 道 路 輸 送 網 の 現 状 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 112 ( 3) イ ン ド 市 場 の 特 性 か ら み た 市 場 開 拓 に 際 し て の 問 題 点 . . . . . . . . . . . . 121 5. 工 作 機 械 の 使 用 状 況 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 128 ( 1) 企 業 規 模 に よ っ て 異 な る 工 作 機 械 ニ ー ズ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 128 ( 2) 地 域 に よ っ て 異 な る 工 作 機 械 の ニ ー ズ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 130 ( 3) 競 合 状 況 と 評 価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 131 ( 4) 日 本 製 工 作 機 械 に 対 す る 評 価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 132 6. イ ン ド 市 場 の 開 拓 に 向 け 取 り 組 む べ き 課 題 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 133 ( 1) タ ー ゲ ッ ト 分 野 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 133 ( 2) 販 売 戦 略 . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 134 ( 3) 個 別 企 業 の み な ら ず 企 業 協 力 や 業 界 と し て の 対 応 が 必 要 な 分 野 . . . . 135 ( 4) 現 地 生 産 ・ 供 給 戦 略 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 136 7. 日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー へ の 提 言 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 136 ( 1) タ ー ゲ ッ ト 分 野 の 選 択 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 137 ( 2) 販 売 戦 略 . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 140 ( 3) 個 別 企 業 の み な ら ず 企 業 協 力 や 業 界 と し て の 対 応 が 必 要 な 分 野 . . . . 142 ( 4) 現 地 生 産 ・ 供 給 戦 略 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 144 はじめに 2010年 、日 本 の 切 削 型 工 作 機 械 の 受 注 総 額 は 9,786億 円 と な り 、リ ー マ ン シ ョ ッ ク の 影 響 を 受 け た 09年 に 比 べ 137.6%増 へ と 回 復 を 見 せ 始 め た 。 そ の う ち 外 需 は 6,711億 円 と な り 、 受 注 全 体 の 約 69% を 占 め た 。 ま た 、 外 需 に 占 め る ア ジ ア 地 域 か ら の 受 注 割 合 も 50% を 超 え 、 ア ジ ア 地 域 の 動向については引き続き注視していきたいところである。 こうした中 で、最 近 の需 要 産 業 の動 向 を見 るとインドへのビジネス展 開 が拡 大 している よ うに思 われる 。特 に積 極 的 にインドでの生 産 を進 める自 動 車 関 連 及 びそ の裾 野 産 業 に おいては設 備 投 資 が活 発 化 している。 一 方 、外 交 では 2011 年 2 月 に 日 本 ・ イ ン ド 両 政 府 間 で EPA( 経 済 連 携 協 定 ) の合意がなされ、現在両国内での批准を待つ状況にまで至っている。これが発 効 さ れ れ ば 、イ ン ド 側 に お い て は 殆 ど の 品 目 が 10 年 以 内 に 無 税 化 さ れ る こ と と な り 、 日 本 企 業 のビジネス展 開 がますます図 られるものと思 われる。 さて、今日の日本の工作機械業界においては、インドで積極的に事業活動を している企業は決して多いとは言い難い。工作機械業界におけるインドからの 受 注 額 を み れ ば 、 201 0 年 に お い て 220 億 円 に 留 ま り 、 外 需 に 占 め る 割 合 も 僅 か 3%に す ぎ な い 。工 作 機 械 の需 要 産 業 が今 後 も数 多 く進 出 すると目 される中 で、インドに おける日 本 の工 作 機 械 業 界 のプレゼンスは高 くはないというのが実 情 と思 われる。 以 上 の背 景 から、本 調 査 ではインドにおける工 作 機 械 産 業 の需 要 産 業 の所 在 、状 況 、 成 長 性 につい て調 査 を行 った 。また 、実 際 に日 本 製 の工 作 機 械 を 使 用 して いるロ ー カル 企 業 に尋 ねた日 本 製 の評 価 と欧 州 製 、台 湾 製 、韓 国 製 などについての評 判 を調 査 した 上 で、日 本 の工 作 機 械 メーカーがインドにおいて取 るべき方 策 について提 言 を行 った。 今 報 告 書 がインドにおける事 業 活 動 の一 助 となれば幸 いである。 平 成 23 年 3 月 国際委員会 委員長 山崎 智久 1 調査研究の概要 1.調査研究の目的 2008 年 後 半 以 降 の 世 界 的 な 景 気 低 迷 に よ り 、 我 が 国 工 作 機 械 業 界 に お け る 2009 年 の 受 注 額 も 前 年 比 68.4% 減 の 4,118 億 円 と い う 厳 し い も の と な っ た が 、 そ の う ち の 外 需 額 2,522 億 円 の 半 数 以 上 は ア ジ ア か ら の 受 注 で あ っ た 。 アジアの工作機械市場が持つ潜在性については会員間において以前から指摘 が あ り 、 一 昨 年 度 の 当 国 際 委 員 会 に お い て も 「 ASEAN 地 域 に お け る 工 作 機 械 需要見通し等調査研究」を実施したところである。 今 年 度 実 施 す る イ ン ド の 場 合 、 ASEAN 地 域 と は 事 情 が 異 な る 。 会 員 企 業 に おいてインドで生産を行っている企業が僅か 1 社に留まっていることからもわ かるように、インドに進出している企業は多くはないため、業界内におけるイ ンドに関する情報は非常に少ない。 このような事情から、まず、インドにおける工作機械市場の規模と各国から の輸入状況を調査する。次に工作機械のユーザー産業の規模や、個別ユーザー の動向、今後の成長予測について調査する。最後に日本の工作機械メーカーに 対するユーザーからの評価から、取り組むべき課題を洗い出し提言を行う。ま た商習慣や税制、インフラなどインド固有の事情等を紹介し会員企業における インド進出のための基礎資料とすることを目的とする。 2.調査研究期間 平 成 22 年 度 3 .国 際 委 員 会 及 び ワ ー キ ン グ グ ル ー プ( WG)構 成 ( 平 成 22 年 8 月 時 点 ) (1)委員会 委 員 長 副委員長 委 員 山崎 早野 紙野 尾崎 森中 服部 智久 容司 清一 好紀 晴夫 哲也 ヤマザキマザック㈱ ㈱ジェイテクト 中村留精密工業㈱ オークマ㈱ ヤマザキマザック㈱ ㈱アマダマシンツール 中島 俊雅 ブラザー工業㈱ 熊田 君家 高田 鈴木 宣夫 孝一 昭ニ 敦士 シチズンマシナリー㈱ 大日金属工業㈱ 大昭和精機㈱ エンシュウ㈱ 2 代表取締役社長 海外営業部長 取締役 営業本部長 取締役 海外本部長 専務取締役 海外事業部 販売業務グループリーダー M&S カンパニー 産機営業部 海外営業グループ マネージャー 営業副本部長 大阪営業グループ 部長 取締役 海外営業本部長 営業部 主幹 島 野村 淳 一夫 ファナック㈱ ㈱不二越 常勤顧問 主席技師長 国際営業二部 機械営業部長 加藤 陽治 富士機械製造㈱ 清川 竹村 敬久 仁志 浜井産業㈱ 日立ビアメカニクス㈱ 長谷川英夫 沖田 浩 服部 晃 村上 秀司 井崎 直城 高橋 明雄 寺井 友昭 大村 武志 簔口 健一 辻 均 青柳 滋 田村 泰幸 神戸 久信 通木 靖幸 澤田 隆裕 梅田 隆幸 ホンマ・マシナリー㈱ ホーコス㈱ 豊和工業㈱ ㈱神崎高級工機 ㈱カシフジ ㈱キリウテクノ キタムラ機械㈱ コマツ工機㈱ コ マ ツ NTC㈱ 光洋機械工業㈱ 倉敷機械㈱ ㈱牧野フライス製作所 ㈱松浦機械製作所 三菱電機㈱ 三菱重工業㈱ ㈱三井ハイテック 川上 長沢 大石 三井精機工業㈱ ㈱ミヤノ ㈱森精機製作所 執行役員 工作機械事業 副本部長 取締役 海外営業部長 日立ビアエンジニアリング㈱ 営業副部長 営業部 課長代理 工機営業部 課長 工作機械営業グループ 課長 営業部長 営業部 次長 購買部 主担 東京営業所 所長 執行役員 工機営業部長 理事 海外営業部長 常務取締役 営業本部長 海外営業部長 取締役 営業副本部長 取締役 生産本部長 NC 事 業 推 進 部 次 長 営業部 輸出推進グループ長 金型事業本部 営業統括部 第 8 営業グループ長 参与 営業副本部長 執行役員 海外営業部長 上席理事 ゼネラルマネージャー 海外販売部 I 課長 取締役 工機営業部長 業務部長 営業推進部長 課長代理 取締役 営業部長 海外営業部長 執行役員 海外営業部長 代表取締役社長 取締役 営業部長 取締役 工機部長 精密機械営業部長 営業部長 取締役 営業部長 取締役 販売副本部長 営業副本部長 営業部長 取締役 機械事業部長 取締役 精密機械統括部長 博之 俊幸 賢司 山田多佳博 田村 義則 鈴木 眞吉 天野 泰行 但木 能康 渡邊 哲行 川上 洋二 羽儀 俊之 大石 真澄 藤原 弘正 河合誠一郎 高原 秀雄 今川 芳樹 山田 俊生 高垣 敏一 堀場 正 飯島 利夫 田中 博 堀金 進 村田機械㈱ ㈱ニイガタマシンテクノ ㈱野村製作所 野 村 VTC㈱ 大鳥機工㈱ ㈱岡本工作機械製作所 ㈱オーエム製作所 大阪機工㈱ レニショー㈱ 碌々産業㈱ ㈱桜井製作所 西部電機㈱ ㈱シギヤ精機製作所 シーメンス・ジャパン㈱ 新日本工機㈱ ㈱静岡鉄工所 ㈱ソディック スター精密㈱ 住友重機械ファインテック㈱ 3 中西 与平 山口 清尚 山下 文雄 谷 康太郎 吉留伸一郎 小川 健 冨田 直樹 江原 好治 久保 朝義 西村 一男 高松機械工業㈱ ㈱武田機械 ㈱滝澤鉄工所 東芝機械マシナリー㈱ トーヨーエイテック㈱ 東洋精機工業㈱ ㈱ツガミ 津根精機㈱ ㈱和井田製作所 ヤマザキマザック㈱ 稲美 安田工業㈱ 謙一 常務取締役 営業本部長 管理部 執行役員 海外営業部長 営業部 輸出担当課長 海外営業グループ 部長 専務取締役 営業統括部長 執行役員 海外営業部長 国際部長 常務取締役 ヤマザキマザックトレーディング㈱ 専務取締役 営業部 部長 ( 2 ) ワ ー キ ン グ グ ル ー プ ( WG) 主 委 査 員 事 務 局 森中 早野 紙野 尾崎 田村 大石 晴夫 容司 清一 好紀 泰幸 賢司 ヤマザキマザック㈱ ㈱ジェイテクト 中村留精密工業㈱ オークマ㈱ ㈱牧野フライス製作所 ㈱森精機製作所 羽儀 西村 俊之 一男 大阪機工㈱ ヤマザキマザック㈱ 津上 市村 廣井 邦夫 修 孝行 (社)日本工作機械工業会 (社)日本工作機械工業会 (社)日本工作機械工業会 専務取締役 海外営業部長 取締役 営業副本部長 取締役 海外本部長 取締役 営業副本部長 上席理事 ゼネラルマネージャー 執行役員 海外営業部長 ヤマザキマザックトレーディング㈱ 専務取締役 業務国際部長 業務国際部 次長 業務国際部 4 . 国 際 委 員 会 及 び ワ ー キ ン グ グ ル ー プ ( WG) 開 催 状 況 (1)委員会 第3回 平 成 22 年 8 月 25 日 ( 水 ) 機 械 振 興 会 館 出 席 45 名 第4回 平 成 23 年 3 月 10 日 ( 木 ) 芝 パ ー ク ホ テ ル 出 席 48 名 ( 2 ) ワ ー キ ン グ グ ル ー プ ( WG) 第4回 平 成 22 年 7 月 8 日(木) ホテルサンルートプラザ名古屋 出席 9 名 第5回 平 成 22 年 11 月 30 日 ( 火 ) ホテルサンルートプラザ名古屋 出席 9 名 第6回 平 成 23 年 2 月 22 日 ( 火 ) ホテルサンルートプラザ名古屋 出 席 12 名 4 要 約 1. イ ン ド の 工 作 機 械 の 需 要 動 向 2009 年 の イ ン ド に お け る 工 作 機 械 の 生 産 は 、 台 数 で 5,776 台 、 金 額 で 130.5 億 ル ピ ー ( 約 260 億 円 ) と な っ た 。 イ ン ド で は 近 年 NC 工 作 機 械 の 普及が進んでいる。 2010 年 度( 2010 年 4 月 ~ 2011 年 3 月 )の 工 作 機 械 の 国 内 市 場 規 模 は 約 900 億 ル ピ ー で あ り 、 こ の う ち 約 3 分 の 1 の 300 億 ル ピ ー を 国 産 機 械 が 、 残 り の 600 億 ル ピ ー を 輸 入 機 械 が 占 め た と 推 測 し て い る 。 一 方 、 2009 年 の 輸 入 は 、 16,505 台 ( 前 年 比 31.5% 減 )、 441.1 億 ル ピ ー ( 同 36.0% 減 ) で あ っ た 。 輸 入 機 械 の 中 心 は 、 マ シ ニ ン グ セ ン タ 、 旋 盤 、 研 削 盤 な ど の 切 削 型 工 作 機 械 で 、台 数 で 輸 入 工 作 機 の 7 割 強 の 11,850 台 を 占めた。 2. イ ン ド の ユ ー ザ ー 産 業 の 需 要 動 向 ( 1) 輸 送 機 器 ①自動車 乗 用 車 、 商 用 車 、 多 目 的 車 を 含 む 四 輪 車 生 産 は 2003 年 度 に 100 万 台 、 2006 年 度 に 200 万 台 を 超 え た 。 2009 年 度 は 前 年 度 比 29.4% の 大 幅 増 を 記 録 し 、 292 万 台 と な っ た 。 内 訳 は 、 台 数 で 乗 用 車 が 約 8 割 、 商 用 車 が 約 2 割 で あ る 。 特 に 乗 用 車 の 伸 び は 著 し く 、 235 万 台 と 初 め て 200 万 台 を 超 え た。 ま た 、 イ ン ド 自 動 車 工 業 会 ( SIAM) に よ れ ば 、 2010 年 の イ ン ド の 新 車 販 売 台 数 は 前 年 比 34.1% 増 の 303 万 8,962 台 と 、初 め て 300 万 台 に 達 し た 。 内 訳 は 、乗 用 車 が 238 万 6,270 台( 同 31.3% 増 )、商 用 車 65 万 2,692 台( 同 45.2% 増 ) と な っ て い る 。 ②オートバイ イ ン ド の 2009 年 度 の 二 輪 車 生 産 台 数 ( オ ー ト バ イ 、 ス ク ー タ ー 、 モ ペ ッ ト ) は 24.9% 増 の 1,051 万 台 と な っ た 。 1996 年 度 に 約 300 万 台 で あ っ た の が 、2002 年 度 に 500 万 台 へ と 急 激 に 市 場 が 拡 大 し 、2009 年 度 に は 1,000 万台に達した。 ③自動車部品 インドでは、自動車生産の拡大に伴って、自動車部品産業も発展してき た 。 2002 年 度 に 2,554 億 ル ピ ー で あ っ た 生 産 額 は 、 2008 年 度 に は 7,632 億 ル ピ ー に 達 し た 。 ま た 、 2010 年 度 は 、 ド ル 建 て で 260 億 ド ル と な っ た 。 生産品目も、エンジン、トランスミッション、ステアリング、サスペンシ ョン、ブレーキ、電装品と、多岐にわたる。また、部品産業を底辺で支え る鍛造、金型、溶接、工作機械、鉄鋼などの要素技術関連産業や資本財産 5 業も成長している。 ( 2) 農 業 機 械 イ ン ド に お け る ト ラ ク タ ー の 生 産 は 順 調 に 拡 大 し 、 1997 年 度 か ら 2000 年 度 に か け て 毎 年 25 万 台 を 超 え た 。そ の 後 、生 産 は 低 迷 し た も の の 、2003 年 度 の 17.9 万 台 を 底 に 生 産 台 数 は 拡 大 基 調 を 持 続 し て い る 。 2009 年 度 の 生 産 台 数 は 44 万 台 で あ っ た 。ト ラ ク タ ー の 普 及 に 伴 っ て 、牽 引 作 業 機 で あ るカルチベーター、ディスクハロー、ディスクプラウなどの生産も増えて いる。 ( 3) 建 設 機 械 2008 年 度 の 建 設 機 械 の 市 場 規 模 は 、ブ ル ド ー ザ ー が 1,135 億 ル ピ ー( 約 2,200 億 円 )、 そ の 他 建 設 機 械 が 144.6 億 ル ピ ー ( 約 280 億 円 ) で あ る 。 主 要 な 需 要 分 野 は 、 建 築 、 鉱 業 ( 採 鉱 )、 イ ン フ ラ 建 設 で あ り 、 世 界 経 済 の 低 迷による一時的な落ち込みはあったものの、近年の経済発展に伴って、い ずれの分野も高い成長が続いている。 ( 4) 金 型 イ ン ド 金 型 工 業 会 ( TAGMA) に よ れ ば 、 2007 年 度 の イ ン ド の 金 型 市 場 の 規 模 は 約 25 億 ド ル で あ る 。産 業 別 の 割 合 を 見 る と 、上 位 5 分 野 は ① 自 動 車 産 業 ( シ ェ ア は 52% )、 ② 自 動 車 部 品 ( 同 17% )、 ③ 電 機 ( 同 7% )、 ④ 包 装 ( 同 5% )、 ⑤ プ ラ ス チ ッ ク 部 品 ( 同 4% )、 ⑤ 消 費 財 ( 同 3% ) で 、 合 計 し て 市 場 の 88% を 占 め る 。 こ の 内 68% の 17 億 ド ル が 国 内 生 産 で 、 32% の 8 億 ド ル が 輸 入 で あ る 。 近 年 、輸 送 機 産 業 の 発 展 な ど を 背 景 に 、国 内 市 場 は 年 率 20% 前 後 で 急 成 長 している。 ( 5) 需 要 産 業 の 地 域 別 マ ッ プ 自動車関連産業のインドにおける集積状況をみると、自動車メーカーを 中心にして各地に集積が進んでいる。マルチスズキが立地するハリヤナ州 グルガオン、マネサール、ホンダの立地するウッタルプラデシュ州グレー タ ー ノ イ ダ ( デ リ ー を 中 心 と す る 北 部 )、 タ タ 、 VW、 GM な ど が 立 地 す る マ ハ ラ シ ュ ト ラ 州 プ ネ 及 び ム ン バ イ( 西 部 )、ト ヨ タ が 立 地 す る カ ル ナ タ カ 州バンガロールと、現代、日産、アショクレイランド、ダイムラーの商業 車などが立地するタミールナドゥ州チェンナイ(南部)の 3 地域で集積が 進んでいる。 自 動 車 メ ー カ ー の 進 出 を 核 に 、周 辺 に 供 給 を 行 う 部 品 メ ー カ ー が 進 出 し 、 集積を形成している。 ま た 、こ れ ら の 地 域 に は 、自 動 車 メ ー カ ー の み な ら ず 、二 輪 、農 業 機 械 、 建設機械の大手メーカーの多くが立地している。 6 3. 日 本 の 工 作 機 械 の 輸 出 動 向 2010 年 は 前 年 比 で ほ ぼ 倍 増 の 6,085 億 円( 内 、NC 工 作 機 械 は 同 95.0% 増 の 5,738 億 円 ) と な っ た 。 地 域 別 に は 、 中 国 向 け を 中 心 に 、 ア ジ ア ( 東 ア ジ ア 、 東 南 ア ジ ア 、 そ の 他 ア ジ ア の 合 計 ) 向 け が 同 113.6% 増 の 4,310 億 円 と 急速な回復を示した。 2010 年 に 日 本 か ら イ ン ド へ 輸 出 さ れ た 工 作 機 械 は 合 計 で 1,734 台 ( 内 、 NC 工 作 機 は 12,83 台 )、 247.2 億 円 ( 同 238.4 億 円 ) で あ っ た 。 2009 年 に 比 べ て 台 数 で 2.2 倍 、 金 額 で 1.7 倍 と 、 顕 著 な 増 加 を 記 録 し た 。 工 作 機 械 輸 出 の 全 体 に 占 め る イ ン ド 向 け の 割 合 は 台 数 で 1.9 % と 非 常 に 小 さ い が 、 金 額 で は 4.1 % を 占 め て お り 、 輸 送 機 器 産 業 な ど へ 比 較 的 上 級 の 機 種が輸出されていると考えられる。 4. イ ン ド 市 場 開 拓 の 課 題 ( 1) イ ン ド に お け る ユ ー ザ ー 産 業 の 展 望 ①自動車 イ ン ド 自 動 車 部 品 工 業 会 ( ACMA ) の 「 VISION2020 」 に よ れ ば 、 乗 用 車 は 、 2015 年 ま で に 500 万 台 生 産 さ れ る と 推 測 さ れ て い る 。 そ し て 、 2020 年 ま で に は 、 国 内 需 要 と 輸 出 向 け を 合 計 し て 900 万 台 程 度 が 生 産 さ れ る と 推 測 されている。 多 目 的 車 は 、 2015 年 ま で に 140 万 台 を 生 産 し 、 2020 年 ま で に 220 万 台 を 生産すると予測されている。 ま た 、ACMA の 報 告 書 に よ る と 、2016 年 ま で に イ ン ド の 自 動 車 需 要 は 世 界 で 7 番 目 、そ し て 、2030 年 に は 、中 国 、米 国 に 次 ぐ 世 界 で 3 番 目 に 大 き な マ ーケットとなると見込まれている。 ②オートバイ ACMA の 「 VISION2020 」 に よ れ ば 、 二 輪 車 、 三 輪 車 は 、 2015 年 ま で に 2,200 万 台 以 上 を 生 産 し 、 2020 年 ま で に は 市 場 に 徐 々 に 浸 透 し 、 地 方 で の 販 売 拡 大 や 海 外 輸 出 の 拡 大 に よ り 、 3,000 万 台 に 到 達 す る と 推 測 さ れ て い る 。 ③自動車部品 ACMA は 長 期 計 画 「 VISION2020」 を 策 定 し 、 IT サ ー ビ ス 産 業 に 続 い て 、 自 動 車 部 品 産 業 を 同 国 の 主 要 輸 出 製 品 と し て 育 成 し よ う と し て い る 。 ACM A の 予 測 に よ れ ば 、2020 年 に は 自 動 車 部 品 生 産 額 は 1,000 億 ド ル に 達 し 、そ の 内 、 輸 出 が 260~ 290 億 ド ル に 達 す る 。 ④農業機械 ACMA の 「 VISION2020」 に よ れ ば 、 ト ラ ク タ ー の 生 産 規 模 は 、 2015 年 ま で に 70 万 台 に 達 す る と 推 測 さ れ て い る 。そ し て 、国 内 、国 外 市 場 の 拡 大 に よ 7 り 、 2020 年 ま で に 100 万 台 の 生 産 に 到 達 す る と 予 測 さ れ て い る 。 ⑤建設機械 ACMA の「 VISION2020」に よ れ ば 、建 設 機 械 は 、2015 年 ま で に 10 万 台 、 2020 年 ま で に 17~ 19 万 台 の 生 産 量 に 到 達 す る と 推 測 さ れ て い る 。 ⑥エネルギー関連産業 イ ン ド 計 画 委 員 会 に よ れ ば 、 第 11 次 5 カ 年 計 画 ( 2007~ 2011 年 度 ) に お け る 商 業 用 エ ネ ル ギ ー 需 要 の 伸 び は 、年 平 均 12.7% と 予 測 さ れ て い る 。2011 年 度 終 了 時 点 で 、 商 業 用 エ ネ ル ギ ー 需 要 は 5 億 4,600 万 石 油 換 算 ト ン に 達 す る見込みである。 化石燃料が今後も規模が大きいが、原子力、風力、太陽熱などの再生可能 エネルギーも大きく伸びることが予想されている。 インドは現在、急速な経済の拡大に伴い電力需要が急増する一方で、供給 が追いつかず、電力不足が深刻化している。 こうした状況の下、インドは原子力発電所の建設に力を入れようとしてい る 。今 後 、本 格 化 し 、「 2030 年 に は 6000 万 kW を 原 子 力 発 電 で 賄 う 」と い う 目標を掲げている。近年では、エネルギー関連の民間投資の多くが、再生可 能 エ ネ ル ギ ー に 集 中 し て い る 。2013 年 ま で の 中 期 的 な 見 通 し で は 、再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー に よ る 発 電 量 は 約 8 万 8,081MW に 達 す る と 予 測 さ れ て い る 。 さ ら に 、長 期 ビ ジ ョ ン で は 、2022 年 に 、太 陽 光 を 除 い た 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー で 5,400 万 kW、太 陽 光 で 2020 年 ま で に 2,000 万 kW の 設 備 能 力 を 達 成 す ることを目標としている。 ⑦金型 TAGMA の 報 告 書 (「 The Indian Tool Rooms Industry Report 2008」) に よれば、この 5 年間で、金型産業の市場規模は 2 倍以上に成長している。ま た 、金 型 産 業 は 、今 後 も 年 平 均 20% 程 度 で の 成 長 が 続 く こ と が 見 込 ま れ て い る。 ( 2) イ ン フ ラ の 整 備 計 画 と 主 要 道 路 輸 送 網 の 現 状 ①インフラの整備計画 現在、インド国内の電力や物流(道路、港湾、鉄道など)の主要インフラ における開発の遅れは、産業部門にとってビジネス遂行上の課題として認識 されており、インド政府は大々的な投資を行う計画である。 第 11 次 5 カ 年 計 画 に お け る 、 分 野 別 の 主 要 な イ ン フ ラ 整 備 計 画 は 以 下 の ようになっている。 8 (道路・高速道路) ・ 幹 線 道 路 ( 黄 金 の 四 角 形 ) に つ い て は 、 6 車 線 道 路 6,500km 整 備 ・ 幹 線 道 路 ( 南 北 ・ 東 西 道 路 ) に つ い て は 、 4 車 線 道 路 6,736km 整 備 ・ 一 般 道 に つ い て は 、 4 車 線 道 路 20,000km、 4 車 線 道 路 20,000km、 高 速 道 路 1,000km を 整 備 (鉄道) ・ 新 線 68,132km を 建 設 ・ 軌 道 交 換 7,148km ・ 主 要 22 駅 の リ ニ ュ ー ア ル の 推 進 (港湾) ・ 重 要 港 湾 に お け る キ ャ パ シ テ ィ の 増 加 : 4 億 8,500 万 ト ン ・ 一 般 港 湾 に お け る キ ャ パ シ テ ィ の 増 加 : 3 億 4,500 万 ト ン (空港) ・ 大都市重要空港のリニューアル:4 空港 ・ 一 般 空 港 の リ ニ ュ ー ア ル : 35 空 港 (電力) ・ 78,577MW の 新 規 電 力 供 給 ・ 農村部における電力アクセスの向上 (通信) ・ 総電話契約者数 6 億人 ・ 農 村 部 2 億 人 、 ブ ロ ー ド バ ン ド 2 億 人 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 4,000 万 人 の 達 成 イ ン ド 政 府 は 、第 12 次 5 カ 年 計 画( 2012 年 ~ 2017 年 )に お い て 、イ ン フ ラ設備をさらに進めていくことを目指している。また、道路、港湾、発電所 な ど へ の 投 資 費 用 を 、 第 11 次 計 画 の 当 初 目 標 の 約 5,000 億 ド ル か ら 、 約 1 兆ドルまで倍増させる計画である。 ②主要道路・輸送網の状況 北 部 の デ リ ー 周 辺( デ リ ー 、グ ル ガ オ ン 、ノ イ ダ な ど )、南 部 の カ ル ナ タ カ 州バンガロールおよびタミールナドゥ州チェンナイ、そして、西部のマハラ シュトラ州(ムンバイ、プネなど)の 3 地域間を結ぶ陸上道路輸送路の状況 について、主要道路・輸送網マップとして取りまとめた。 ( 3) イ ン ド 市 場 の 特 性 か ら み た 市 場 開 拓 に 際 し て の 問 題 点 ①インドにおける商慣習 a.代 金 回 収 の 難 し さ インドにおける難しさの第 1 に、代金回収の難しいことが挙げられる。 9 交渉は粘り強く行い、少しでも自社側に有利な支払い条件を相手から引き 出すよう粘り強く交渉していくことが必要である。 b.流 通 の 未 発 達 インフラの整備が遅れていることに加え、物流の発達も遅れている。こ のため、需要産業の集積が進む地域に立地するユーザーへの販売を拡大す ること、日系物流業者の利用、日印共同プロジェクトの将来的な活用が必 要である。 c.パ ー ト ナ ー 選 定 の 難 し さ パートナーの必要性については、そのメリット、デメリット双方を判断 した上で、最終的な決定を行うことが重要である。インドにおけるビジネ スにおいては、単独で行うよりも、パートナーを活かしながらビジネスを 進めていくことが望ましいケースも多い。 ②輸入税制と国内流通にかかわる税制 インドにおいてビジネスを進めるに当たって、難しいことの一つに複雑な 税制がある。インドでビジネスを進めていく場合に、これらの問題は日本企 業にとって大きな阻害要因であるが、制度の中身を十分に理解することが何 よりも重要である。 ③インド国内のインフラ整備の遅れ インフラ整備の遅れは、長年に渡って、最も大きな投資阻害要因となって いる。 電力については、インド全体において需要が供給を上回る状態であり、停 電が各地で頻発している。また、発電容量の増強計画も進んでおらず、需給 ギャップが更に拡大することが懸念されている。また、既存送電施設・送電 網における送電ロスの改善も大きな課題となっている。 一方、輸出入において、港湾整備の遅れが問題となってきている。コンテ ナヤードなどの基礎的設備の整備遅れのため、貨物量の増加に港湾施設の数 と処理能力が追いつかない状況が続いている。 インドのインフラは十分に整備されておらず、また、政府の整備計画にも 遅 れ が で て い る 。し か し 、時 間 は 多 少 か か っ て も 、必 要 と さ れ る イ ン フ ラ は 、 早晩整備されていくことは間違いない。 ④その他インド市場に固有の要因 上記以外にも、インドに固有のさまざまな問題がある。 10 5. 工 作 機 械 の 使 用 状 況 ( 1) 企 業 規 模 に よ っ て 異 な る 工 作 機 械 ニ ー ズ ①大手企業における工作機械 大手企業を中心とした産業は自動車製造業、家電製造業、トラクター等の 農機具製造業である。この分類に区分けされる企業においては、例えば家電 製造業の一大手企業といえども家電のみならず家具や一般日用雑貨品から宇 宙ロケットまで幅広い品目を製造販売している。大企業群の工場では、 CAD/CAM 等 の 技 術 も 発 展 し て い る 関 係 か ら 、 同 時 5 軸 制 御 マ シ ニ ン グ セ ン タ 等 の 新 鋭 工 作 機 械 や NC 旋 盤 が 設 備 の 中 心 で あ る 。 ②金型製造企業に見る中小零細企業における工作機械 中小零細企業の中心は大手企業に納入する部品製造企業や金型製造企業 であるが、大手企業の系列に属さない独立した企業として存在している。 中小零細企業では、古くからの旋盤やフライス盤・汎用研削盤に加え、既 に日本では使われなくなっているシェーパーやプレーナー・ラジアルボール 盤・ガンドリルマシン等数十年以上前に製造されたと思われる工作機械が中 心 で あ る 。そ れ ら 企 業 に お け る NC 工 作 機 械 で は ATC を 持 ち な が ら 、使 っ て いる工具は一種類か二種類といった使い方も少なくない。また、工作機械を 扱 う 作 業 者 は 技 術 者 で は な く 、 単 に 「 機 械 の テ ー ブ ル に 加 工 物 を セ ッ ト →ス タ ー ト ボ タ ン を 押 す →加 工 終 了 後 セ ッ ト か ら 加 工 物 を 外 す 」 だ け の 作 業 に 専 念する安価な賃金ですむ従業員が行っている例が少なくない。 ( 2) 地 域 に よ っ て 異 な る 工 作 機 械 の ニ ー ズ イ ン ド は デ リ ー を 中 心 と す る 北 部 、ム ン バ イ・ プ ネ の 古 く か ら 製 造 業 が 発 展している西部、チェンナイやバンガロールに代表される、最近になって製 造業が出来始めた南部が主たる製造業の発展地域であるが、地域により工作 機械の使用状況も多少異なっている。 ①インド北部(デリー周辺)における工作機械 北 部 で は 古 い 汎 用 工 作 機 械 が 多 く 存 在 し 、職 人 の 数 も あ る 程 度 は 存 在 す る 。 その為、価格も中国製や台湾製の比較的安価な汎用機に、工作機械全体の市 場価格が影響され「安くなければ買わない」風潮も一部に存在する。 ②インド西部(ムンバイ・プネ)における工作機械 ムンバイはインドにおける近代工業地域として古くから発展しており、中 小製造業を含めた企業数から言えばインドで最大の企業数を持つ地域である。 しかし、最近では、拡張場所確保の困難や土地・建物の賃貸料高騰の問題が 生じている。このため、ムンバイ南東部のプネに工場を移したり、新設した りするなどの動きが活発で、インドで最も成長率が高い地域と位置づけられ ている。この地域には大手企業も存在するが、大部分は中小企業である。企 11 業の工作機械などの設備投資は、企業オーナーもしくは社長が選択権と決定 権を握っている。 ③インド南部(バンガロール・チェンナイ)における工作機械 チ ェ ン ナ イ の よ う な IT 企 業 や 携 帯 電 話 に 代 表 さ れ る 電 子 機 器 製 造 企 業 が 集結している地域では、最新鋭工作機械導入への意識が高く「価格よりも機 能 」が 優 先 す る と 同 時 に 、「 Made in Ge rmany」、「 Made in Japan」と 言 っ た ブランドを好む傾向がある。この傾向は、それら製造業の納入先が欧米系・ 日 系 企 業 の た め に 、「 自 社 の ユ ー ザ ー に 対 す る 信 頼 度 を 増 す た め 」の 意 思 が 働 いていることもある。 ④各地域に共通する金型産業 イ ン ド の 金 型 産 業 の 特 徴 は 、 2009 年 度 時 点 で 30% 程 度 と 金 型 内 製 化 率 が 高いことである。インドにおいては国土も広く、多種類の金型を必要とする 点 を 考 慮 す る と 、こ の 内 製 化 率 が 急 激 に 下 が る こ と は 考 え ら れ な い 。従 っ て 、 大 手 セ ッ ト メ ー カ ー や 大 手 部 品 メ ー カ ー に つ い て も 、「 金 型 の 内 製 」 が 続 き 、 本来なら金型業者向けである放電加工機やワイヤー放電加工機などの金型製 造用の工作機械の販売先として位置づけることが可能である。 ( 3) 競 合 状 況 と 評 価 イ ン ド で は 、イ ン ド 資 本 に よ る 現 地 工 作 機 械 企 業 が 立 ち あ が っ て は い る が 、 全体から見るとその比率は低く、インド全体としては輸入工作機械に頼って いると言える。輸入工作機械は、高精度工作機械や多軸同時制御工作機械に ついてはドイツやスイスを始めとする欧州製工作機械が中心で、安価の汎用 工作機械は台湾・韓国製がその大半を占めている。日本からの工作機械輸入 は、競合国に比べて多いとは言えない状況にある。 日 本 製 工 作 機 械 の 価 格 が 高 い の は 、「 韓 国 ・ 中 国 ・ 台 湾 製 に 比 べ て 」 と い う一般論であり、欧州製工作機械と比較すると、価格は「高くなくむしろ安 価である」という評価もある。ただし、最近の円高により「日本製が割高に なった、手が届きにくくなった」という印象もある。 ま た 、大 手 企 業 の 場 合 、イ ン ド 独 立 以 来 あ る い は 創 業 後 の 欧 州 と の 結 び 付 きが強い。現在販売が好調な欧州工作機械メーカーは早い段階でインド市場 に進出したところが多く、アフターサービス体制の整備も含め市場に浸透し ている。 ア フ タ ー サ ー ビ ス の 充 実 の 指 摘 以 外 、競 合 状 態 と そ の 評 価 に 関 し て 、以 下 の指摘があった。 ① 単 に 機 械 を 売 る だ け で は 不 十 分 で 、効 率 的 な 使 い 方 の 指 導 、配 置 、ラ イ ン をどうするかなどのアドバイスができることが重要である。 ② 生 産 管 理 や TPM に 関 連 し た 助 言 が で き る の は 日 本 の 強 み で あ る 。 12 ③ 日 本 企 業 の 位 置 づ け や 評 価 は 東 南 ア ジ ア と は 異 な る 。イ ン ド で は 独 立 後 に 輸入代替工業化が進んだため、一通りの製造業は揃っている等である。 ④ 自 動 車 産 業 に お い て は 小 型 車 生 産 が 中 心 で あ り 、部 品 の コ ス ト ダ ウ ン 要 求 が 熾 烈 で あ る 。こ の た め 、日 本 企 業 で あ っ て も 、一 定 以 上 の 精 度 が 確 保 で きれば、台湾製を使うケースもある。 ⑤ 台 湾 製 は 、価 格 は 安 い が あ る 程 度 ま で の 精 度 に は 対 応 で き る 。た だ し 、耐 久性には劣る。 ⑥ イ ン ド の 工 作 機 械 メ ー カ ー で 、世 界 の 先 端 の 技 術 力 を 持 っ て い る と こ ろ は 少ない。インド製工作機械は、価格は安いが品質面で劣る。 ⑦ 工作機械を制御するソフトウェア分野ではインドが強みを持っているが、 その基になる規格は欧州規格である。 ( 4) 日 本 製 工 作 機 械 に 対 す る 評 価 イ ン ド の 工 作 機 械 市 場 で は 、各 国 の 工 作 機 械 が 必 ず し も 同 じ 市 場 で 競 合 し て いるわけではない。ユーザーが要求する技術水準や価格などから、市場はい くつかのセグメントに分かれている。技術的に最上位にあるのが欧米製と日 本製であり、台湾製、韓国製が続く。インド製工作機械はこの序列以下の廉 価品として位置づけられる。 総 じ て 、日 本 製 は 、性 能 は 優 れ て い る が 価 格 が 高 い 。し か し な が ら 、価 格 面 で言えば欧米製も同様に高く、同一セグメントの中で日本製が特に価格競争 力に劣ることはない。 大 手 ユ ー ザ ー か ら 、「 日 本 製 は 耐 久 性 が あ る の で 、 イ ニ シ ャ ル コ ス ト の 比 較 で 劣 位 に あ っ て も 、ラ イ フ タ イ ム で 考 え る と 優 位 に あ る 」と の 指 摘 も あ っ た 。 例えば、台湾製を使用していたものの耐久性に問題があり、日本製に切り替 えたというところもあった。このようなことから、日本製は、高い品質が要 求されるセグメントでは比較的広く使用されている。しかし、インド地場メ ーカーには、イニシャルコストだけで判断するところも多い。 工 作 機 械 の 最 大 需 要 産 業 で あ る 自 動 車 産 業 や 金 型 産 業 に お い て は 、技 術 的 に 高度な日本製を必要とする工程はそれほど多くない。インド地場企業にとっ て、工作機械購入を決定する最大要因として、コストパフォーマンスの高さ が挙げられる。日本より技術水準が低いといわれる韓国製や台湾製は、コス トパフォーマンスの高さから多用されている。また、日系自動車部品メーカ ーの中にも、自動車メーカーからのコストダウン要求に応えるために、コス トパフォーマンスの面から日本製ではなく台湾製などを採用する動きも出て いる。このような現地進出企業からは、日本の工作機械メーカーが進める高 機能、高性能、コンパクト化の動きに対して疑問を呈する声もあった。 工 作 機 械 の パ フ ォ ー マ ン ス に は 、本 来 、工 作 機 械 本 体 だ け で な く 、ソ フ ト ウ ェ ア の 使 い や す さ 、 治 工 具 の 性 能 、 メ ン テ ナ ン ス ・サ ー ビ ス の 質 な ど も 含 ま れ る。日本製工作機械は、これらを含めたトータルパフォーマンスで競合する こ と が 望 ま し い 。 特 に 、 サ ー ビ ス は 重 要 で あ る 。 金 型 製 造 な ど で は 24 時 間 操 業が要求されることも多く、機械の高い稼働率を維持するために、トラブル 時の速やかな対応が必須である。また、サービスは英語で行われるため、英 13 語を主言語とする国で作られた工作機械に優位性がある。 インドのユーザー企業は、一般的に欧米製品を過大評価している。 5. イ ン ド 市 場 の 開 拓 に 向 け 取 り 組 む べ き 課 題 ( 1) タ ー ゲ ッ ト 分 野 ①産業分野 インドには、自動車産業だけでなく、農業機械産業、建設機械産業、防衛 機器産業、鉄道機器産業、医療機器産業、金型産業などが存在し、アジア諸 国の中にでも最も多様な市場を構成している。これらの産業は、どれをとっ ても市場が大きく、成長を続けている。自動車以外のユーザー企業の規模か ら み て 、大 企 業 や 外 資 系 企 業 だ け で な く 、中 堅 ・中 小 企 業 に も 大 き な チ ャ ン ス を与えうる潜在需要が存在している。 ②日系以外のローカル系企業 インド地場企業の多くは、日本製工作機械に対して漠然としたイメージし か持っていない。自動車や電気機械に代表される日本製工業製品の品質の高 さなどを反映して、日本製工作機械も高い性能を持っているとのイメージは あ る が 、 そ の “良 い イ メ ー ジ ”が 必 ず し も 購 買 意 欲 に 繋 が っ て い な い 。 そ れ は 、日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー の イ ン ド 市 場 に お け る プ レ ゼ ン ス が 希 薄 な ことが原因である。日本の工作機械メーカーのなかには、商社に委託してい るところが多いが、商社への教育が不十分であることや、十分な広告宣伝が 行われていない例が多く、市場での認識度は甚だ低い。インドのローカル企 業 に 対 す る 販 売 は 、「 い か に 宣 伝 す る か 」 に か か っ て い る 。 ( 2) 販 売 戦 略 ①各種サービス 日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー に と っ て 、サ ー ビ ス 網 の 拡 充 が 喫 緊 の 課 題 で あ る 。 特に、インドでは様々な要因から工作機械のトラブルが起こりやすい状況 に あ る 。 工 作 機 械 の 能 力 を 100% 引 き 出 す た め の サ ポ ー ト 等 迅 速 な 対 応 が 極 めて重要になっている。また、ユーザーとの信頼関係やユーザー満足度の向 上という点からも、商社や代理店任せではなく、直接ユーザーと接すること が必要である。 インド市場においては、工作機械の購入決定要因として、メンテナンス・ アフターサービス体制が充実していることが高く評価されており、このよう な体制のどのように構築していくかが大きな課題となっている。 ②コストダウン 日本製工作機械は、国内競合に基づいて作られたオーバースペック仕様の ものが多い。インドでは、この仕様分がコストに含まれているため高価にな っていると捉えられる可能性が高い。インド市場で求められている機能への 14 絞込みや、付加価値をつける方向を変えることを検討していく必要がある。 ③インド仕様への対応 インドでは単機能の工作機械に対する根強い支持があるが、日本の工作機 械メーカーの対応は十分ではない。 インドと日本では、製造工程やオペレーターの役割などが異なることもあ り、必要とされる工作機械の仕様も異なっている。日本市場で要求される仕 様をそのままインドに持ち込むと、オーバースペックになる可能性がある。 また、インドのユーザー企業が求める仕様はできる限り取り込みつつ、不 要とされる機能については切り捨てていくことが必要である。 ( 3) 個 別 企 業 の み な ら ず 企 業 協 力 や 業 界 と し て の 対 応 が 必 要 な 分 野 ①ブランド認知 一般に、インドに早くから進出している企業は現地での認知度が高く、サ ービス体制も整備されており、評判も良い。ブランドイメージが確立されて いないと、市場への浸透に時間がかかる。 日本の工作機械メーカーは、広告不足のため認知度が低い。漠然とした高 級ブランド認識はあっても、プレゼンスの低さや価格の高さがブランド認識 度を相殺している。 日本製工作機械を、インドのユーザーに具体的な存在として認知してもら うことが必要である。各企業が市場においてプレゼンスを高めていくことに 加 え 、展 示 会 や 種 々 の 広 告 宣 伝 に お い て 、「 日 本 と し て ま と ま っ た 行 動 」を 取 り、プレゼンスを高めていくことも必要となる。 ②日本標準 インドでにおける工業標準について見ると、欧州基準、米国基準、日本基 準 、企 業 基 準 が 混 在 し て い る が 、地 域 や 業 種 に よ っ て 使 用 頻 度 が 違 っ て い る 。 本 来 、“ モ ノ づ く り ” 業 界 に お い て は 、 日 本 基 準 で 進 め る こ と が 望 ま し い 。 し か し 、 イ ン ド で は ISO 規 格 を 中 心 と し た DIN 規 格 等 の 欧 州 規 格 を 使 わ ざ るを得ない状況下にある。 日 本 と し て は 、「 日 本 の 得 意 と し て い る 点 」を 基 盤 に し た 展 開 を 図 る こ と が 重要である。業界としての活動を通じて、日本が強みを持つ分野での日本標 準 ・基 準 を い か に イ ン ド で 広 め て い く か が 大 き な 課 題 と な っ て い る 。 ( 4) 現 地 生 産 ・ 供 給 戦 略 インド市場での販売がある程度の規模に達した場合には、現地生産や周辺 国からの供給の検討も必要となる。 一方、日本と異なる商慣習、雇用制度、インフラ、法制度、部材調達など の下で想定できない様々な困難が生じる可能性も大きい。また、日本の製造 拠点が空洞化する恐れもある。 さ ら に 、 工 作 機 械 の 調 達 ・ 生 産 ・販 売 を 行 う に イ ン ド で の 実 施 が 最 適 で あ 15 るを検討するに当たっては周辺諸国との比較の視点も重要である。 7. 日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー へ の 提 言 ( 1) タ ー ゲ ッ ト 分 野 の 選 択 ①インド市場の特性を理解し、適切な対応を図る 市場の開拓に当たっては、特性をよく理解したうえで、自社の持つリソー スを最大限に生かすことを検討することが重要である。 インド市場の特性として、①まったく異なる 2 種類のユーザー産業が存在 すること、②地域により性格の異なるユーザー産業の集積がみられること、 ③ユーザー産業の金型内製率が高いことの 3 点が挙げられる。 全く異なる 2 種類のユーザー産業が存在することについては、大企業、中 小零細企業のそれぞれについて、異なるアプローチを取る必要がある。 大企業についてみると、自動車や二輪メーカー、農業機械、建設機械、エ ネルギー関連施設、防衛機器、鉄道機器の場合、国営企業や財閥系企業が多 く、また、外国企業と提携関係にある企業も多い。このような大企業に対し ては、同時 5 軸制御マシニングセンタ等の新鋭工作機械が有望である。 これに対して、中小零細企業の場合には、簡易型マシニングセンタなど機 能を限定した汎用性の高い機械や単能機が必要となる。 地域により異なるユーザー産業が集積していることについては、北部や西 部の場合には、古くから製造業が発展しており、部品メーカーや金型メーカ ーなどの中小零細企業を中心に、比較的安価な汎用工作機械が求められてい る。これに対して、南部の特にチェンナイの場合、最近になって製造業が進 出・発展したという経緯があり、最新鋭の工作機械が求められ、価格よりも 機能が重視される。この地域には、建設機械の集積が多い。また、バンガロ ールには、国営や民間の重機械工業が集積している。 また、ターゲットとすべき地域は、三大集積地域に絞ることが効率的であ る。三地域では、工作機械のユーザー産業の集積が進んでいることに加え、 インフラなどの整備も他の地域と比べ進んでいる。 更に、今後の地域発展と集積に与える影響も注視すべきである。デリー・ ム ン バ イ 産 業 大 動 脈 構 想 ( DMIC ) で は 、 両 地 域 間 と 沿 線 地 域 の 物 流 環 境 が 大 幅 に 改 善 さ れ る 見 込 み で あ る 。 ま た 、 DMIC の デ リ ー 寄 り の 地 域 で 計 画 さ れている大規模な工業団地の開発が進めば、日本企業のみならず現地企業に とっても大きなメリットとなる。ラジャスタン州あたりまで集積範囲が拡大 すれば、集積が集積を呼ぶ相乗効果で、北部地域への集積が一気に拡大する 可 能 性 も あ る 。ま た 、同 地 域 は 、将 来 的 に イ ン ド へ の 投 資 を 検 討 す る 場 合 に 、 有望な投資候補先の一つとなる。 南 部 の タ ミ ー ル ナ ド ゥ 州 で も 、 DMIC と 同 様 の 開 発 計 画 の 構 想 が あ り 、 今 後の動向が注目される。一方で、ムンバイ周辺は大規模な工業用地の開発が 困難な状況にある。近隣のプネでは開発の余地があるものの、他の 2 地域に 比べると拡大の余地は相対的に小さい。 16 このように、現状の集積状況に加え、今後の地域の発展と拡大の可能性を 考慮すると、北部、南部、西部の順にポテンシャルが大きいといえる。 物流面においては、インド最大のコンテナ港を要するムンバイは、輸入貨 物 の 受 取 で は 優 位 な で あ る 。ム ン バ イ か ら 指 呼 の 間 に あ る プ ネ も 同 様 で あ る 。 一方、コンテナの処理能力では及ばないものの、東方にある東アジアから の玄関口としては、西部にあるムンバイよりもチェンナイが優位な位置にあ る 。ま た 、バ ン ガ ロ ー ル は 南 部 に 位 置 し 、チ ェ ン ナ イ と の 距 離 が 比 較 的 近 く 、 チェンナイからバンガロールへの輸送にはあまり問題はない。 これに対して、北部の場合は内陸に位置し、輸入貨物の受取はムンバイ、 或いはチェンナイからということにある。将来的に物流インフラの整備が進 むことが期待されているものの、現状においては長距離の輸送には問題が少 なくない。 ユーザーにおいて金型内製率が高いは、特に大手セットメーカーや大手部 品メーカーで顕著であり、例えば、放電加工機やワイヤー放電加工機などの 金型製造用の工作機械の有力なターゲットとしても期待される。 大 手 セ ッ ト メ ー カ ー の 殆 ど が 、三 大 集 積 地 か そ の 至 近 に 工 場 を 有 し て お り 、 特に改めて集積地以外の地域を攻略しなければならないケースは少ないとい える。 ②自動車産業分野以外の産業分野へも目を向ける インドの工作機械市場は、自動車産業だけではなく、農機・建機・防衛機 器・鉄道機器・医療機器・金型等の産業が存在し、全ての分野で成長を続け ている。自動車産業のみにターゲットを絞るのではなく、様々な産業を見据 え、販売拡大を図っていくことが必要である。 インドでは、日本のような「特定ユーザー向けの製造業者」は少なく、多 くが多岐にわたる分野の市場をユーザーにしている。今後、インド進出に向 けて市場調査を進める場合には、自動車市場だけで進出調査を行うのではな く、広い視野に立って調査を行うことが必要である。 ③日系企業以外のローカル系企業への拡販 インドには既進出日系製造企業は存在するが、中国への進出企業数などと 比べると、極めて少ない。進出日系企業のみをターゲットにした販売では量 は期待できない。また、欧州系企業も期待できず、日本の工作機械の市場タ ーゲットは現地企業ということになる。 日本の工作機械メーカーのインド市場におけるプレゼンスが希薄なことが、 認知度の低い大きな原因となっている。本来は自前で拠点を展開することが 望ましいが、広大な面積を持つインドを考えると、インド企業との提携や業 界全体での取り組みなども考慮する必要がある。 一 方 で 、日 本 製 工 作 機 械 は 、「 工 作 機 械 操 作 経 験 が 無 い 従 業 員 で も 使 え る 機 能 」が 多 く 搭 載 さ れ て い る こ と か ら 、「 イ ン ド の 地 場 企 業 の 作 業 者 の 置 か れ た 17 状 況 に 極 め て 適 合 し て い る 機 械 」、「 誰 で も 使 い や す い 機 械 」で あ り 、「 イ ン ド に適合している工作機械」である可能性が高いといえる。インドの現地企業 にこの良さを認識してもらい、日本製を採用してもらうための「宣伝活動」 を活発化させることが必要である。 イ ン ド 企 業 を タ ー ゲ ッ ト と す る 場 合 、大 手 企 業 へ の 宣 伝・販 売 は 工 作 機 械 展示会などで行えるが、中小零細企業へは不十分である。そのため、特に TAGMA へ の 浸 透 を 図 る こ と 、 ま た 、 AOTS の 研 修 修 了 生 と 交 流 を 図 る こ と が早道である。 日 本 工 作 機 械 工 業 会 と イ ン ド 工 作 機 械 工 業 会 と の 交 流 も 重 要 で あ る が 、イ ンド工作機械工業会はあくまでも競合する工業会である。今後は、ユーザー 市場の工業会との交流をより活発化させることが重要となる。 ( 2) 販 売 戦 略 ①メンテナンスサービス網の拡充 日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー に と っ て 、イ ン ド 市 場 に お け る メ ン テ ナ ン ス ・サ ー ビス網の拡充が喫緊の課題である。 工作機械の需要が大きいチェンナイ、バンガロール、プネ、ムンバイなど にサービス事務所を設置し、サービスパーツの在庫を持つとともに、エンジ ニ ア 或 い は セ ー ル ス ・エ ン ジ ニ ア な ど を 配 置 す る こ と で 、ユ ー ザ ー の 信 頼 を 勝 ち取ることが必要である。 日本の工作機械メーカーの殆どはインドでの多拠点の展開を行うことは困 難であるため、数社もしくは工業会全体で「サービスセンター」の設置をす るなどの対応を模索することも必要である。 日本の工作機械メーカーが連携し、工作機械の常設展示を含めたサービス センターを設置することも早急に検討すべきである。また、実際に日本製工 作機械を使った教育訓練施設があれば、さらに望ましい。 ②仕様のムダの削減、品質を落とさないコストダウンの実施で販売価格の改 善を図る 日本製工作機械は国内競合に基づいて作られたオーバースペック仕様のも の が 多 く 、余 分 な 仕 様 が 含 ま れ て い る た め 高 価 に な っ て い る と 見 ら れ て い る 。 品質を落とさずに「無駄な仕様」を省くとともに、インド市場に合致した 付加価値を付け、一方で販売価格の見直しを行っていくことが必要である。 「日本製工作機械は高品質である」というブランドを保つためには、価格を 下げるために品質までも下げることは避けるべきである。 インド市場への浸透を考えた場合、まずは機能の絞り込みが考えられる。 次に、付加価値を付ける方向を変えることである。個々の機械の機能を増や すことだけが付加価値を高めることではなく、広範囲に及ぶ市場特性を踏ま えた上で、工作機械の周辺治工具やソフトウェアなどを含めた、システムと しての付加価値を高めることが必要である。 18 日本には工作機械産業を取り巻く、特殊金属や超硬材料等の材料産業、冶 工具産業、測定器産業の他、工具把持具産業、ロボット産業などインドでは 未発達であり、世界的にも優れた様々な産業群がある。これらの産業群は、 工作機械産業に比べると企業数や全体の販売量も少ないため、単独でインド 進出はできない状況にある。これらの産業と連携を取ってインド戦略を考え ることは、単に「低価格工作機械製造のためのコストダウン」を考えるより も有効であるとみられる。 工作機械のパフォーマンスには、本来、工作機械本体だけでなく、ソフト ウェアの使いやすさ、治工具の性能、サービスの質なども含まれてくる。日 本製機械は、これらを含めたトータルパフォーマンスで競合することが望ま しい。特にサービスは重要である。 また、価格が相対的に高い中で工作機械の販売を図っていく場合、日本の 復興時代に活用した「割賦販売」などの様々な方策を行ってきた経験を生か すことも重要である。過去に経験したことのある施策をインド流にモディフ ァイし、インドの経済状況に即した流通政策を考えていく必要がある。日本 企業はこのような意味で、欧州の工作機械産業には無いノウハウを持ってい ると言える。 ③インド仕様の工作機械作りの模索 イ ン ド で は 、 多 軸 の NC 工 作 機 械 よ り も 、 汎 用 性 の 高 い 単 純 な NC 工 作 機 械 に 対 す る ニ ー ズ が 高 い 。ま た 、大 手 で は な い 現 地 中 小 企 業 向 け 工 作 機 械 は 、 脆弱な電気供給事情や高温多湿な工場環境、測定器不足及び測定能力不足な どを考慮したインド向けの特定仕様を考える必要がある。 インドの中小零細企業においては、従業員体系の違いもあり、単純作業従 業員向けの「単機能工作機械」への要望は多い。汎用性を保ちながらも、治 具、フィクスチャー、ツールホルダーなどインドでのニーズを踏まえた標準 装備をセットで提供すれば、それが付加価値となる。 加えて、脆弱な電気供給事情などのインフラ整備の遅れを勘案したインド 市場向けの「新製品開発」も必要である。 ④日本の強みを生かした総合的な支援策の提供 日本の工作機械メーカーは、機械を売るだけではなく、工作機械の効率的 な使い方、配置の指導、ラインをどうするかなどのアドバイスを行うことが 可能である。特に、ローカル系の中小零細企業には、エンジニア、現場のオ ペレーターともに必ずしも十分や技術や知識を持っているとは限らない。イ ニシャルコストが高くても、機械の効率的な利用でランニングコストを下げ ることができれば、ユーザー企業にとっても大きなメリットとなる。 また、日本製工作機械は耐久性に優れており、ライフサイクルが長い。長 期的な視点でみれば、台湾製や韓国製に比べてコストパフォーマンスは高い ともいえる。このことをよく説明し、日本製の利点を十分に説明することが 19 必要である。 さ ら に 、 生 産 管 理 や TPM に 関 連 し た ア ド バ イ ス が で き る の も 日 本 製 の 強 みであり、代理店に任せることが多い台湾製ではこのようなことは難しい。 インド市場において、このような日本の強みを生かしていくためにも、代 理店やエージェント任せではなく、自社による直接販売の体制確立が重要で ある。インド人エンジニアは頭でっかちなところがあるが、メーカーの技術 スタッフとの直接のコミュニケーションを取ることが好きである。設備投資 の ベ ー ス と な る の も 彼 ら の 提 案 で あ り 、イ ン ド 人 エ ン ジ ニ ア と の 関 係 を 深 め 、 日本製工作機械について正しく理解してもらう上でも、自社スタッフによる コミュニケーションが必要である。 ( 3) 個 別 企 業 の み な ら ず 企 業 協 力 や 業 界 と し て の 対 応 が 必 要 な 分 野 ①ブランド認知 日本製工作機械の場合、インドにおけるプレゼンスの低さや価格の高さが 高級ブランドとしての認識度の高さを相殺している。 忘 れ て は な ら な い こ と は 、ユ ー ザ ー に よ っ て は 、必 ず し も「 Made in Japan」 で は な く 、「 Made by Japan」で も 構 わ な い こ と で あ る 。イ ン ド で は 、日 本 で 製造した機械は日本のコスト高を反映して価格が高く、多くのインド企業に とっては手が出ない存在である。しかし、日本企業が他のアジア諸国で生産 し た 「 Made by Japan」 で 、 価 格 も あ る 程 度 安 け れ ば 、 導 入 し た い と 考 え て いるインド企業は少なくない。 今 後 、「 Made in Japan」 あ る い は 「 Made by Japan」 の ブ ラ ン ド を 浸 透 さ せ、日本製工作機械の販売を促進していくためには、展示会や種々の広告宣 伝 に お い て 、「 日 本 と し て ま と ま っ た 行 動 」を 取 り 、プ レ ゼ ン ス を 高 め て い く ことも必要となる。 日本の工作機械産業がインド市場においてシェアを拡大するためには、今 後 、他 の 関 連 す る 産 業 と 連 携 し て 行 動 し 、「 ジ ャ パ ン ブ ラ ン ド の 構 築 」を 図 る ことが必要であり、その役目を担うのは日本工作機械工業会である。 各工業会の業界誌などへの定期的な広告の掲載、特に単なる製品の紹介に とどまらない、日本製の強みの紹介、導入した場合の事例の紹介など、日本 ブランドステータスが高まるような内容を検討していく必要がある。 ②産官学連携した日本標準の浸透 イ ン ド に お け る 基 準 や 標 準 は 、 今 の と こ ろ 製 造 業 で は 欧 州 基 準 で あ り 、 IT 産業では米国基準で進められている。残念ながら、日本標準や日本基準はそ の浸透度が甚だ低いのが現状である。 し か し 、日 本 と し て は 、「 日 本 の 得 意 と し て い る 点 」を 基 盤 に し た 展 開 を 図 ることが可能である。日本が強くインドが弱い産業としては、金型などに使 わ れ る 特 殊 金 属 材 料 産 業 、 金 型 部 品 を 構 成 す る 標 準 部 品 産 業 、「 カ イ ゼ ン 活 動 」、「 5S」 な ど の 品 質 向 上 技 術 ノ ウ ハ ウ 供 給 産 業 ( コ ン サ ル タ ン ト 産 業 ) な 20 どが存在する。 これらの日本基準をインド金型工業会やインド工作機械工業会を通じて、 積 極 的 に イ ン ド に 宣 伝 し 、広 め る こ と か ら 始 め る 必 要 が あ る 。そ の た め に は 、 日本工作機械工業会とインドの各種工業会との親密な関係を築くことが必要 で あ る 。欧 米 企 業 に 対 抗 し 、日 本 標 準 を デ フ ァ ク ト ・ス タ ン ダ ー ド に す る の は 、 日本の工作機械メーカーが単独でなしえることではなく、システムとしての 標準作りが重要である。日本工作機械工業会が中核になりながらも、治具、 工具、超硬工具、測定機器、試験機、研削砥石などの関連工業会が協働し、 さらには官を巻き込んで、標準つくりを進めることが、インドにおいても求 められている。 現在のところ、日本が欧米諸国の競合国に比べ優れている点としては、以 下が挙げられる。 ①全ての種類の高精度工作機械産業を持っていること ②世界一の金型産業を持っていること ③きめ細かいあらゆる種類の特殊金属材料を持っていること これら三つの優位性の結集が、欧米標準に勝ち日本標準を浸透させる鍵で あると言える。 また、地道な努力ながら着実に日本製工作機械の底辺を広げる活動として は 、 AOTS の よ う な 人 材 育 成 の 継 続 的 な 実 施 が 挙 げ ら れ る 。 日 本 に お け る 研 修は、参加者のステータスを向上させ、本人の満足度を高める意味でも非常 に有意義である。しかし、コストがかかることから、参加させることのでき る人数には限界がある。そこで、インドでもトレーニングセンターを設け、 そこに日本製工作機械を置いて様々な技術研修、スキル研修を定期的にかつ 頻繁に行うことができれば、使用者の裾野を広げるとともに、理解者を数多 く輩出していくことが可能となる。 また、大学レベルでの人材育成への関与も極めて重要である。将来のエン ジニア予備軍に対して、日本製工作機械に対して正しく理解してもらう場を 提供することは極めて重要である。 ( 4) 現 地 生 産 ・ 供 給 戦 略 の 検 討 インドにおける現地生産や、他国からの供給を検討する場合には、既進出 企業へのヒアリングを含め、念を入れた調査を行うことが大切である。 ま た 、イ ン ド に お い て も FTA へ の 取 り 組 み が 進 み 、近 隣 諸 国 と の 間 で の 経 済 統 合 が 進 み つ つ あ る 。調 達・生 産 ・販 売 を 最 大 化 す る の に イ ン ド で の 現 地 生 産が最適であるかどうかを検討するに当たって、周辺諸国における生産との 比較の視点も重要である。インド市場は広大かつ膨大である。従って、全て のものを日本から輸出することは出来ない。 販 売 を 有 効 か つ 利 益 あ る も の に す る に は 、近 隣 諸 国 を 含 め た 海 外 生 産 も 視 21 野に入れ、インド市場へのアプローチを図っていくことが必要である。この 場合、全ての生産をインドで行うという意味では無い。インドでの生産は、 現地の方が適しているものに限るべきである。既に海外生産が主体になって い る 企 業 も あ る 。「 最 適 生 産 」 は ど う あ る べ き か を 考 え る 必 要 が あ る 。 1. イ ン ド の 工 作 機 械 の 需 要 動 向 ( 1) 生 産 ・ 輸 出 ・ 輸 入 イ ン ド 工 作 機 械 工 業 会 ( IMTMA) に よ れ ば 、 2009 年 ( 1~ 12 月 ) の イ ン ド における工作機械の生産は、世界的な景気低迷を背景に、台数で前年比 19.5% 減 の 5,776 台 、金 額 で 同 26.2% 減 の 130.5 億 ル ピ ー( 約 260 億 円 )と なった。インドにおける耐久消費財産業における工作機械の需要は、輸送用 機 器 を 中 心 に 堅 調 に 推 移 し て い る 。し か し 、リ ー マ ン ・シ ョ ッ ク 以 降 の 世 界 的 な経済危機は工作機械の国内生産、輸出、輸入も減少させた。 イ ン ド で は 近 年 NC 工 作 機 械 の 普 及 が 進 ん で い る 。 2009 年 に は 、 国 内 生 産 全 体 の 55.4% の 3,200 台 を NC 工 作 機 械 が 占 め た 。 さ ら に 、 NC 工 作 機 械 の 80% 強 を NC 旋 盤 ( NC Lathes)、 マ シ ニ ン グ セ ン タ ( Machining centers) の 2 品目が占めた。もっとも、在来型工作機械も価格が安いために根強い需 要 が あ り 、工 作 機 械 全 体 の 44.6% を 占 め て い る 。全 体 に 占 め る 比 率 は 小 さ い が 、 輸 出 も 行 わ れ 、 2009 年 は 108 台 ( 前 年 比 62.2% 減 )、 5.6 億 ル ピ ー ( 同 42.7% 減 ) で あ っ た 。 輸 出 の 内 訳 を 見 る と 、 NC 工 作 機 械 が 62 台 ( 輸 出 全 体 の 57.4% )、 2.4 億 ル ピ ー ( 同 44.0% ) を 占 め た 。 <インドの工作機械市場(暦年)> 生 産 ( NC) ( 非 NC) 輸 出 ( NC) ( 非 NC) 輸 入 (切削型工作機 械) (成形機械) 台 7,177 4,745 2,432 286 211 75 24,103 1,8386 5,717 2008 100 万 ル ピー 17,685 11,588 6,097 972 479 493 68,927 45,282 23,645 台 5,776 3,200 2,576 108 62 46 16,505 11,850 4,655 2009 100 万 ル ピー 13,051 7,711 5,340 557 245 312 44,112 26,288 17,824 ( 資 料 ) IMTMA HP 2010 年 は 内 需 が 堅 調 に 推 移 し 、 自 動 車 生 産 が 前 年 比 で 30% を 超 え る 増 加 と な っ た こ と な ど か ら 、 工 作 機 械 の 需 要 も 急 回 復 し て い る 。 IMTMA に よ れ ば 、2010 年 度( 2010 年 4 月 ~ 2011 年 3 月 )の 工 作 機 械 の 国 内 市 場 規 模 は 約 22 900 億 ル ピ ー で あ り 、 こ の う ち 約 3 分 の 1 の 300 億 ル ピ ー を 国 産 機 械 が 、 残 り の 600 億 ル ピ ー を 輸 入 機 械 が 占 め た と 推 測 し て い る 。 工 作 機 械 の 最 大 の ユ ー ザ ー 産 業 で あ る 自 動 車 産 業 が 急 成 長 し て お り 、そ れ に 伴 っ て 、 工 作 機 械 に 対 す る 需 要 も 急 速 に 拡 大 し て い る 。 IMTMA は 、 今 後 10 年 間 の 需 要 の 伸 び を 年 平 均 25% 程 度 と 見 込 み 、 2020 年 に は 市 場 が 2,30 0 億 ル ピ ー 前 後 に 達 す る と 推 測 し て い る 。ま た 、2020 年 に は 国 内 の 約 3 分 の 2 を国産機械が占めると予測している。 IMTMA に よ れ ば 、 現 在 の 主 要 ユ ー ザ ー 産 業 で あ る 自 動 車 、 建 設 機 械 、 農 業機械、家電製品などの他に、今後は鉄道、航空宇宙、エネルギー、ヘルス ケア、防衛で需要が拡大すると予想されている。これら分野では高級機の需 要が見込まれることから、ビジネスチャンスとなることが期待される。 ( 2) 輸 入 ①輸入動向 イ ン ド 工 作 機 械 工 業 会 の 統 計 に よ れ ば 、 2009 年 の 輸 入 は 、 16,505 台 ( 前 年 比 31.5% 減 )、441.1 億 ル ピ ー( 同 36.0% 減 )で あ っ た 。輸 入 機 の 中 心 は 、 マ シ ニ ン グ セ ン タ 、旋 盤 、研 削 盤 な ど で 、台 数 で 輸 入 工 作 機 の 7 割 強 の 11,850 台を占めた。 < 工 作 機 械 の 輸 入 ( 2009 年 ) > 数 量 (台) 種 類 Metal-Cutting Machine Tools( 切削機械) EDMs Machining Centres Lathes & Automats Boring & Boring-Milling Machines Milling M/cs Drilling Machines Threading / Tapping Machines Grinding Machines Honing, Polishing & Other Super-Finishing Machines Planing, Shaping, Slotting & Broaching Machines Sawing / Cutting-off Machines Gear-cutting Machines Other Metal-Cutting Machines Total Metal-Cutting Machine Tools( 小計) Metal-Forming Machine Tools( 成形機械) Bending, Folding, Straightening Machines Power Presses Punching and/or Shearing Machines Other Metal-forming Machines Total Metal-Forming Machines Tools( 小計) Total Metalworking Machine Tools( 工作機械合計) ( 資 料 ) IMTMA HP 23 (Total) (CNC) - Hor. - Ver. - Oth. (Total) (CNC) (Total) (Total) (CNC) (Total) (CNC) (Total) (Total) (Total) (Total) (Total) (Total) 金 額 (100万ルピー) 151 126 182 803 28 2,190 864 518 2,289 242 830 46 446 1,564 359 180 642 674 994 11,850 277 265 2,293 1,348 271 4,941 3,951 2,937 2,487 1,836 571 176 115 3,856 744 266 529 2,045 3,608 26,288 716 1,174 596 2,169 4,655 16,505 2,331 7,815 1,214 6,464 17,824 44,112 ②国別動向 2006/07 ~ 2009/10 年 度 に か け て イ ン ド が 輸 入 し た 工 作 機 械 の 国 別 動 向 を 下の図表に取りまとめた。 4 年間を通じて第 1 位の日本と第 2 位のドイツの順位は変わらないが、い ず れ も シ ェ ア を 若 干 下 げ て い る 。 日 本 は 2006/07 年 度 か ら 2008/09 年 度 に か け て 輸 入 全 体 の 20% を 上 回 る シ ェ ア を 維 持 し て き た が 、 2009/10 年 度 に は 18.2% に 低 下 し た 。 ド イ ツ の シ ェ ア も 低 下 傾 向 に あ る 。 一方、この 4 年間に輸入全体に占めるシェアを大きく拡大したのは、スイ スと中国である。 < イ ン ド の 工 作 機 械 輸 入 動 向 ( 2006/07~ 2009/10 年 度 ) > 順位 国 1 日本 2 ドイツ 3 イタリア 4 韓国 5 台湾 6 米国 7 中国 8 英国 9 スイス 10 シンガポール - その他 - 合 計 (資料)IMTMA 2006/07 輸入額 9,595 シェア 国 20.6% 日本 9,362 20.1% 4,506 9.7% 3,400 7.3% 3,184 6.8% 3,143 6.8% 2,115 4.5% 1,539 3.3% 1,508 3.2% 1,381 3.0% 6,824 14.7% 46,558 100.0% ドイツ 韓国 イタリア 台湾 米国 中国 スイス スペイン 英国 その他 合 計 2007/08 輸入額 15,814 シェア 国 26.4% 日本 13,154 22.0% 4,634 7.7% 4,406 7.4% 3,586 6.0% 3,354 5.6% 2,999 5.0% 1,924 3.2% 1,777 3.0% 1,747 2.9% 6,524 10.9% 59,920 100.0% ドイツ イタリア 中国 米国 韓国 台湾 スイス スペイン シンガポール その他 合 計 2008/09 輸入額 17,106 シェア 国 27.3% 日本 10,512 16.8% 5,362 8.6% 4,686 7.5% 4,097 6.5% 3,871 6.2% 3,635 5.8% 2,190 3.5% 1,450 2.3% 1,254 2.0% 8,545 13.6% 62,707 100.0% ドイツ イタリア スペイン 米国 中国 スイス 韓国 台湾 ベルギー その他 合 計 (100万ルピー) 2009/10 輸入額 シェア 8,794 インドの工作機械輸入の国別内訳をより詳しく見るために、インド通関統 計 1を 基 に 統 計 品 目 ご と の 推 移 を 取 り ま と め た 。ま ず 、2007 年 か ら 2010 年 8 月にかけてインドが世界から輸入した工作機械の推移(輸入額)を統計品目 番号 4 桁の大分類と 6 桁の中分類で見たのが下図表である。 1 統 計 数 値 は JETRO Trade Atlas により入 手 した。2011 年 3 月 2 日 時 点 での最 新 データは 2010 年 8 月 である。 24 18.2% 7,322 15.1% 4,828 10.0% 4,098 8.5% 3,488 7.2% 3,282 6.8% 3,190 6.6% 3,076 6.4% 2,672 5.5% 998 2.1% 6,673 13.8% 48,422 100.0% < イ ン ド の 工 作 機 械 輸 入 動 向 ( 2007~ 2010 年 8 月 ) > 統計品目 品 目 2007 レーザーその他の光子ビーム、超音波、放電、電気化学的方法、電子ビー ム、イオンビーム又はプラズマアークを使用して材料を取り除くことにより加工 する機械 レーザーその他の光子ビームによる加工機械 超音波による加工機械 NCワイヤカット放電加工機 その他の放電加工機 金属加工用のマシニングセンター、ユニットコンストラクションマシン(シングル ステーションのものに限る。)及びマルチステーショントランスファーマシン マシニングセンター(金属加工用のもの) ユニットコンストラクションマシン マルチステーショントランスファーマシン 旋盤(ターニングセンターを含むものとし、金属切削用のものに限る。) 横形NC旋盤 (ターニングセンターを含む) 横旋盤(数値制御式以外のもの)(金属切削用のもの) その他のNC旋盤(立形)(ターニングセンターを含む) その他の旋盤(立形) 金属用のボール盤、中ぐり盤、フライス盤、ねじ切り盤及びねじ立て盤(ウェイ タイプユニットヘッド機を含むものとし、第84.58項の旋盤(ターニングセンター を含む。)を除く。) ウェイタイプユニットヘッド機(穴あけ、中ぐり、フライス、ネジ切用) NCボール盤 その他のボール盤 NC中ぐりフライス盤 その他の中ぐりフライス盤 その他の中ぐり盤 ひざ形NCフライス盤 ひざ形フライス盤(数値制御式以外のもの) その他のNCフライス盤 フライス盤(ひざ形以外のもの)(数値制御式以外のもの)(ウェイタイプユニット ヘッド機以外のもの) その他のねじ切り盤及びねじ立て盤 研削盤、ホーニング盤、ラップ盤、研磨盤その他の仕上げ用加工機械(研磨 砥石その他の研磨材料を使用して金属又はサーメットを加工するものに限る ものとし、第84.61項の歯切り盤、歯車研削盤及び歯車仕上盤を除く。) NC平面研削盤(1軸上位置決め精度0.01mm以内) その他の平面研削盤(1軸上位置決め精度0.01mm以内) その他のNC研削盤(1軸上位置決め精度0.01mm以内) 2008 2009 2009 2010 (1~8月) (1~8月) (1000ドル) 伸び (%) 51,565 28,625 5,071 10,177 7,692 55,792 26,089 5,019 10,273 14,411 26,704 14,695 2,006 2,286 7,717 16,267 7,388 1,951 1,832 5,096 27,751 19,123 223 3,100 5,305 70.6 158.8 ▲ 88.6 69.2 4.1 333,726 239,381 23,403 70,942 144,151 22,523 26,343 32,493 62,792 322,502 272,927 14,792 34,783 178,052 34,392 32,991 31,785 78,884 103,019 78,969 7,723 16,327 124,118 16,325 26,375 25,796 55,622 73,794 55,033 6,716 12,045 76,545 11,130 18,093 20,310 27,012 148,613 123,059 6,799 18,755 92,179 18,400 17,591 7,472 48,716 101.4 123.6 1.2 55.7 20.4 65.3 ▲ 2.8 ▲ 63.2 80.3 208,542 2,641 9,881 27,463 12,368 20,805 33,778 23,217 14,010 33,098 296,447 6,525 13,809 31,386 12,262 52,823 59,441 37,725 21,296 25,123 166,401 868 9,668 13,835 20,054 27,617 21,272 12,627 5,563 28,965 94,124 292 6,355 9,294 1,596 19,381 15,030 7,215 4,538 13,689 192,952 886 12,181 25,580 25,614 15,463 33,590 42,924 5,416 18,106 105.0 203.4 91.7 175.2 1,504.9 ▲ 20.2 123.5 494.9 19.3 32.3 21,710 9,571 23,831 12,226 17,330 8,602 8,846 7,888 6,965 6,227 ▲ 21.3 ▲ 21.1 155,258 2,640 10,787 12,089 172,881 5,582 11,824 32,041 121,561 3,698 12,339 8,175 80,577 1,062 8,000 5,125 73,975 441 7,913 7,632 ▲ 8.2 ▲ 58.5 ▲ 1.1 48.9 85,784 4,053 9,875 14,950 15,080 75,222 3,216 10,323 12,086 22,587 57,732 3,883 15,408 6,051 14,275 41,909 3,628 11,190 3,405 6,258 21,084 4 6,902 2,700 27,299 ▲ 49.7 ▲ 99.9 ▲ 38.3 ▲ 20.7 336.2 163,312 221,327 19,579 15,349 846120 10,827 10,143 846130 94,210 118,209 846140 17,950 31,273 846150 20,746 46,353 846190 合 計 1,056,554 1,247,001 (資料)JETRO World Atlas (注)品目呼称は「実行関税率表」及び「日本工作機械輸入協会統計」を参考にした。 136,605 26,094 8,313 48,643 26,745 26,810 678,408 85,728 17,908 3,744 29,275 20,211 14,590 427,035 73,482 7,059 2,471 32,950 13,505 17,497 608,952 ▲ 14.3 ▲ 60.6 ▲ 34.0 12.6 ▲ 33.2 19.9 42.6 8456 845610 845620 845630 845690 8457 845710 845720 845730 8458 845811 845819 845891 845899 8459 845910 845921 845929 845931 845939 845940 845951 845959 845961 845969 845970 8460 846011 846019 846021 846029 846031 846039 846040 846090 8461 研削盤(軸の位置決めが0.01mm以内の精度でできるもの)(数値制御式以外 のもの)(平面研削盤以外のもの)(金属又はサーメットの加工用のもの) NC工具研削盤 その他の工具研削盤 ホーニング盤及びラップ盤 その他のもの 平削り盤、形削り盤、立削り盤、ブローチ盤、歯切り盤、歯車研削盤、歯車仕 上盤、金切り盤、切断機その他の加工機械(金属又はサーメットを取り除くこ とにより加工するものに限るものとし、他の項に該当するものを除く。) 形削り盤及び立削り盤 ブローチ盤 歯切り盤、歯車研削盤及び歯車仕上盤 金切り盤及び切断機 その他の金属加工機械(切削型) 大 分 類 で み る と 、2009 年 の 輸 入 は 、世 界 的 な 景 気 停 滞 な ど を 背 景 に 、前 年 比 で 大 き く 減 少 し た 。 し か し 、 2010 年 に 入 り 総 じ て 回 復 基 調 に あ る 。 特 に 、 統 計 品 目 8456( レ ー ザ ー 加 工 機 、 放 電 加 工 機 等 )、 8457( マ シ ニ ン グ セ ン タ 等 )、 8459( ボ ー ル 盤 、 中 ぐ り 盤 、 フ ラ イ ス 盤 、 ね じ 切 り 盤 、 ね じ 立 て 盤 等 ) は 、 前 年 同 期 比 で 顕 著 な 回 復 を 示 し 、 い ず れ も 2010 年 1~ 8 月 の 輸 入 額 が 既 に 2009 年 通 年 の 輸 入 総 額 を 上 回 っ た 。 以 下 で は 、 統 計 品 目 番 号 4 桁 の 大 分 類 で 、 2007 年 か ら 2010 年 8 月 に か け て の 、イ ン ド の 工 作 機 械 輸 入 の 推 移 を 国 別 に 見 た 。ま た 、各 分 類 に お け る 2010 25 年 1~ 8 月 の 国 別 シ ェ ア を 取 り ま と め た 。 a.統 計 品 目 8456: レ ー ザ ー そ の 他 の 光 子 ビ ー ム 、 超 音 波 、 放 電 、 電 気 化 学 的 方 法 、電 子 ビ ー ム 、イ オ ン ビ ー ム 又 は プ ラ ズ マ ア ー ク を 使 用して材料を取り除くことにより加工する機械 < 工 作 機 械( HS8456)の 輸 入 > < 国 別 シ ェ ア( 2010 年 1~ 8 月 )> (100万ドル) 18 16 14 1 2 3 4 5 6 12 10 8 6 4 米国 日本 ドイツ 中国 スイス 台湾 イスラエル 9.1% シンガポール 2.1% 0 2007 08 09 日本 15.0% イタリア 4.5% (年) 10 (1-8月) (資料)JETRO World Atlas「HS8456」 (注)国の順番は2009年の金額順。 米国 12.8% 韓国 2.3% 台湾 7.9% 2 その他 7.2% スイス 10.7% ドイツ 16.4% 中国 11.9% (資料)JETRO World Atlas b.統 計 品 目 8457: 金 属 加 工 用 の マ シ ニ ン グ セ ン タ 、 ユ ニ ッ ト コ ン ス ト ラ ク シ ョ ン マ シ ン ( シ ン グ ル ス テ ー シ ョ ン の も の に 限 る 。) 及 び マルチステーショントランスファーマシン < 工 作 機 械 ( HS8457) の 輸 入 > < 国 別 シ ェ ア ( 2010 年 1~ 8 月 ) > (100万ドル) 180 160 140 1 2 3 4 5 6 120 100 80 60 40 日本 ドイツ 米国 台湾 韓国 シンガポール イタリア 2.5% スイス 2.7% スペイン 1.1% 中国 1.8% シンガポール 2.8% 日本 43.4% 韓国 5.3% 台湾 10.4% 20 0 2007 08 09 10 (1-8月) 米国 10.0% (年) 26 その他 3.3% ドイツ 16.8% c.統 計 品 目 8458: 旋 盤 ( タ ー ニ ン グ セ ン タ ー を 含 む も の と し 、 金 属 切 削 用 の も の に 限 る 。) < 工 作 機 械 ( HS8458) の 輸 入 > < 国 別 シ ェ ア ( 2010 年 1~ 8 月 ) > (100万ドル) 60 50 1 2 3 4 5 6 40 30 20 日本 ドイツ スペイン イタリア 台湾 韓国 日本 15.4% その他 11.6% タイ 2.0% フランス 1.6% ドイツ 13.4% 米国 5.8% スペイン 3.8% 10 中国 9.0% 0 2007 08 09 10 (1-8月) 韓国 17.3% (年) (資料)JETRO World Atlas「HS8458」 (注)国の順番は2009年の金額順。 (資料)JETRO World Atlas イタリア 8.2% 台湾 11.9% d.統 計 品 目 8459: 金 属 用 の ボ ー ル 盤 、 中 ぐ り 盤 、 フ ラ イ ス 盤 、 ね じ 切 り 盤 及 び ね じ 立 て 盤( ウ ェ イ タ イ プ ユ ニ ッ ト ヘ ッ ド 機 を 含 む も の と し 、 第 84.58 項 の 旋 盤 ( タ ー ニ ン グ セ ン タ ー を 含 む 。) を 除 く 。) < 工 作 機 械 ( HS8459) の 輸 入 > < 国 別 シ ェ ア ( 2010 年 1~ 8 月 ) > (100万ドル) 80 オランダ 0.1% 70 60 1 2 3 4 5 6 50 40 30 20 中国 日本 スペイン スイス ドイツ イタリア その他 16.4% 中国 11.3% 日本 9.6% 米国 4.1% スペイン 4.7% フランス 0.9% スイス 9.4% 台湾 4.9% 10 0 2007 08 09 10 (1-8月) イタリア 22.8% (年) (資料)JETRO World Atlas「HS8459」 (注)国の順番は2009年の金額順。 (資料)JETRO World Atlas 27 ドイツ 15.6% e.統 計 品 目 8460: 研 削 盤 、 ホ ー ニ ン グ 盤 、 ラ ッ プ 盤 、 研 磨 盤 そ の 他 の 仕 上 げ 用 加 工 機 械( 研 磨 砥 石 そ の 他 の 研 磨 材 料 を 使 用 し て 金 属 又 は サ ー メ ッ ト を 加 工 す る も の に 限 る も の と し 、第 84.61 項 の 歯 切 り 盤 、 歯 車 研 削 盤 及 び 歯 車 仕 上 盤 を 除 く 。) < 工 作 機 械 ( HS8460) の 輸 入 > < 国 別 シ ェ ア ( 2010 年 1~ 8 月 ) > (100万ドル) 60 韓国 3.7% 50 1 2 3 4 5 6 40 30 20 ドイツ イタリア 日本 米国 英国 中国 10 台湾 4.0% スイス 2.3% ドイツ 43.2% フランス 1.6% 中国 8.5% 英国 4.2% 0 2007 08 09 10 (1-8月) その他 8.4% (年) 米国 5.8% 日本 (資料)JETRO World Atlas 9.4% (資料)JETRO World Atlas「HS8460」 (注)国の順番は2009年の金額順。 イタリア 9.1% f.統 計 品 目 8461: 平 削 り 盤 、 形 削 り 盤 、 立 削 り 盤 、 ブ ロ ー チ 盤 、 歯 切 り 盤 、 歯 車 研 削 盤 、歯 車 仕 上 盤 、金 切 り 盤 、切 断 機 そ の 他 の 加 工 機 械( 金 属 又 は サ ー メ ッ ト を 取 り 除 く こ と に よ り 加 工 す る も の に 限 る も の と し 、 他 の 項 に 該 当 す る も の を 除 く 。) < 工 作 機 械 ( HS8461) の 輸 入 > < 国 別 シ ェ ア ( 2010 年 1~ 8 月 ) > (100万ドル) 70 英国 2.7% フランス 1.4% その他 8.7% 60 1 2 3 4 5 6 50 40 30 20 10 ドイツ 日本 米国 台湾 中国 スイス ドイツ 29.2% 韓国 2.7% イタリア 8.0% スイス 2.1% 中国 8.7% 0 2007 08 09 10 (1-8月) 台湾 8.6% (年) (資料)JETRO World Atlas「HS8461」 (注)国の順番は2009年の金額順。 (資料)JETRO World Atlas 米国 11.3% なお、上記輸入統計には中古機が含まれていることに注意が必要である。 28 日本 16.7% ( 3) 業 界 動 向 CMIE( Center fo r Mo nito ring Indian Economy) に よ る と 、 切 削 工 具 な ど を 含 め た 工 作 機 械 全 体 の 2008 年 度 ( 4 月 ~ 3 月 ) の 国 内 需 要 は 1,164 億 ル ピ ー ( 約 2,300 億 円 ) で あ る 。 好 調 な イ ン ド 経 済 を 背 景 に 、 2003 年 度 ( 457 億 ル ピ ー ( 約 900 億 円 )) と 比 べ 、 5 年 間 で 2 倍 以 上 に 拡 大 し た 。 イ ン ド の 工 作 機 械 市 場 は 、450 社 を 超 え る 国 内 ・ 海 外 メ ー カ ー か ら 成 る 。国 内メーカーの多くは中小零細企業である。切削工具も含めた工作機械全体の 2008 年 度 の 国 内 生 産 は 272 億 ル ピ ー ( 約 500 億 円 ) で あ る 。 こ の 内 、 55% が 輸 出 さ れ て お り 、輸 出 産 業 と し て も 発 達 し て い る 。国 内 市 場 の 9 割 弱 が 輸 入 品 によって占められている。 2008 年 度 の イ ン ド 工 作 機 械 市 場( 切 削 工 具 を 含 む )に お け る 企 業 別 市 場 シ ェ ア を 見 る と 、 大 手 10 社 の 合 計 の 市 場 シ ェ ア は 15% 前 後 に す ぎ な い 。 2008 年 度 の 市 場 シ ェ ア 第 1 位 は ス ウ ェ ー デ ン に 本 部 を 置 く Sandvik Asia で 市 場 の 4.1% ( 54.3 億 ル ピ ー ( 約 100 億 円 )) を 占 め た 。 第 2 位 は 米 国 を 本 拠 と す る Kennametal、第 3 位 は ド イ ツ を 本 拠 と す る Bo sch で あ る 。工 作 機 械 だ け を 見 る と 、 HMT Machine Too ls、 ACE グ ル ー プ 、 Bharat Fritz Werner( BFW) などが上位を占める。 < 工 作 機 械 産 業 の 主 要 メ ー カ ー ( 2008 年 度 ) > 順 位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 その他 合 計 企 業 Sandvik Asia Kennametal India Bosch ACE Designers Premier HMT Machine Tools IFB Industries Forbes & Co. Akar Tools Lakshmi Machine Works - - 市場シェア(%) 4.07 2.85 2.24 1.80 0.99 0.95 0.60 0.57 0.56 0.55 84.82 100.00 ( 資 料 ) CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) 29 < 市 場 規 模 ( 国 内 生 産 +輸 入 -輸 出 ) と 主 要 メ ー カ ー ( 金 額 、 2008 年 度 ) > (1000万ルピー) 15000 4.1% 2.9% 2.2% Sandvik Asia 1.8% 1.0% 10000 輸 入 生 産 Kennametal India Bosch ACE Designers 5000 88.1% 0 Premier その他 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年度) ( 資 料 ) CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) また、現地調査でのインド工作機械工業会へのヒアリング結果は以下のとお りである。 ・ 会 員 企 業 数 は 450 社 。う ち 、完 成 品 メ ー カ ー は 250 社 、部 品 メ ー カ ー が 200 社。 ・ 2009 年 の 生 産 額 は 130 億 5,100 万 ル ピ ー 、 生 産 台 数 は 5,776 台 で あ る 。 ・ イ ン ド の 工 作 機 械 市 場 は 、現 状 で は 金 額 ベ ー ス で 約 4 分 の 1 が イ ン ド 製 、約 4 分 の 3 が 輸 入 品 で あ る( 2009 年 の 輸 入 額 は 441 億 1,200 万 ル ピ ー )。金 額 ベ ー ス で は 、 輸 入 品 の 約 60% が マ シ ニ ン グ セ ン タ 、 旋 盤 、 研 削 盤 な ど の 切 削 型 工 作 機 械 で 、台 数 ベ ー ス で は 7 割 強 に 達 す る 。輸 入 品 は 、ド イ ツ 製 、日 本 製 、イ タ リ ア 製 、台 湾 製 、中 国 製 な ど が 多 い 。イ ン ド の 工 作 機 械 メ ー カ ー は、大型のもの、精度の高いものは生産していない。 ・ ま た 、 お よ そ 15% の 企 業 が 海 外 メ ー カ ー と 提 携 し 、 何 ら か の 支 援 を 受 け て いる。 ・ 今 後 5 年 間 で 、工 作 機 械 の 需 要 は 年 平 均 20% で 成 長 す る と 予 測 さ れ て お り 、 日 用 品 の 15% の 伸 び を 上 回 る と み ら れ て い る 。 ・ 工 作 機 械 の 主 要 ユ ー ザ ー は 、 自 動 車 産 業 で お よ そ 50~ 60% を 占 め る 。 こ れ 以 外 に は 、政 府 系 軍 事 産 業 や 電 気 設 備 、建 設 機 械 産 業 、農 業 機 械 産 業 が あ る 。 建設機械産業は輸入が多く、海外企業と提携しているところが殆どである。 これに対して、農業機械産業はほとんどが国内メーカーである。 ・ 自 動 車 の Tier1 の 工 作 機 械 の 利 用 に つ い て み る と 、70% が 輸 入 品 、30% が 国 産 品 で あ る 。こ れ に 対 し 、二 輪 車 部 品 メ ー カ ー は 、95% は 国 産 品 を 使 用 し て い る 。自 動 車 メ ー カ ー の 中 に は 、エ ン ジ ン や ボ デ ィ を 内 製 し 、高 精 度 の 工 作 機械を利用しているところもある。 ・ ユ ー ザ ー の 多 く は 、日 本 製 に 対 す る 信 頼 度 が 高 い 。し か し 、同 じ 性 能 の 場 合 に 他 国 製 よ り も 価 格 が 高 い の が 問 題 で あ る 。こ と に 、最 近 の 円 高 は 日 本 製 品 の価格を引き上げている。 ・ インドにおいて留意すべきことは、気温が高いこと、停電が頻発すること、 部 品 の 供 給 体 制 の 整 備 な ど で あ る 。ま た 、製 造 や 電 気 な ど に 関 し て 、連 邦 政 府レベル、地方政府レベルで様々な規制があり、多くの許可が必要である。 さらに、南部では代金回収の問題もある。 30 2. イ ン ド の ユ ー ザ ー 産 業 の 需 要 動 向 インドにおける工作機械の主要ユーザー産業は輸送用機器産業、農業機械産 業 、 建 設 ・土 木 機 械 産 業 な ど で あ る 。 以 下 で は 、( 1) 輸 送 機 器 ( 自 動 車 、 オ ー ト バ イ 、 自 動 車 部 品 )、( 2) 農 業 機 械 ( 一 般 農 業 機 械 、ト ラ ク タ ー な ど )、( 3)建 設 機 械( ブ ル ド ー ザ ー 、 そ の 他 建 設 機 械 な ど )、( 4) 金 型 、 の 市 場 動 向 に つ い て 取 り ま と め た 。 ま た ( 5) と し て 、 需要産業の地域別マップを示した。 < 工 作 機 械 の ユ ー ザ ー 産 業 の 需 要 動 向 ( 2003、 2008 年 度 ) > 主要顧客分野 乗用車 規模(100万ドル) 03/04 オートバイ 08/09 農業機械 トラクター ブルドーザー 建設機械 03/04 08/09 03/04 08/09 03/04 08/09 03/04 08/09 03/04 08/09 輸 出 131.6 268.9 2.9 12.2 17.9 42.9 84.4 361.4 11.3 69.7 0.9 10.1 輸 入 0.3 2.6 0.0 0.5 6.4 54.8 1.6 5.0 75.4 425.3 0.3 13.1 国内生産 5,329.5 10,844.0 2,845.6 4,929.3 91.2 127.6 1,092.7 2,355.3 698.9 1,872.9 73.6 280.8 国内需要 5,198.2 10,577.7 2,842.7 4,917.6 79.7 139.4 1,009.9 1,998.9 763.1 2,228.4 73.1 283.8 ( 資 料 ) CMIE, Industry Market Size & Shares (February 2005, April 2010) ( 1) 輸 送 機 器 ①自動車 a.自 動 車 の 生 産 ・市 場 動 向 イ ン ド の 自 動 車 産 業 の 歴 史 は 、1942 年 の ヒ ン ダ ス タ ン ・ モ ー タ ー ズ に よ る 乗 用 車 生 産 ま で さ か の ぼ る こ と が で き る 。そ の 後 、同 社 に よ る ア ン バ サ ダ ー ・ ブランド車を中心に小規模な生産が続いた。 自 動 車 産 業 が 本 格 的 に 発 展 す る の は 、1991 年 に 自 動 車 部 門( 乗 用 車 を 除 く ) へ の 外 国 直 接 投 資 (外 資 比 率 上 限 51%)が 認 め ら れ る こ と に な っ て か ら で あ る 。 1990 年 代 に 入 っ て か ら 世 界 の 主 要 自 動 車 メ ー カ ー が 進 出 し 、高 度 成 長 を 背 景 にした個人所得の増加などに伴って、自動車の国内需要が急増した。 乗 用 車 、商 用 車 、多 目 的 車 を 含 む 四 輪 車 生 産 は 2003 年 度 に 100 万 台 、2006 年 度 に 200 万 台 を 超 え た 。 2009 年 度 は 前 年 度 比 23.3% の 大 幅 増 を 記 録 し 、 292 万 台 と な っ た 。内 訳 は 、台 数 で 乗 用 車 が 約 8 割 、商 用 車 が 約 2 割 で あ る 。 特 に 乗 用 車 の 伸 び は 著 し く 、 235 万 台 と 初 め て 200 万 台 を 超 え た 。 31 <インドの自動車生産(台数)> (年度、万台、%) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 (前年度比) 商用車 27.5 35.4 39.1 52.0 54.9 41.7 56.7 35.9 乗用車 99.0 121.0 130.9 154.5 177.8 183.9 235.1 27.9 四輪車計 126.5 156.4 170.0 206.5 232.7 225.5 291.8 29.4 二輪車計 562.3 653.0 760.9 846.7 802.7 842.0 1,051.3 24.9 35.6 37.4 43.4 55.6 三輪車 合 計 724.4 846.8 974.4 1,108.8 (資料)SIAM, Perofrmance of the Automobile Industry 各年度版 (注)4月~3月。 50.1 49.7 61.9 24.6 1,085.4 1,117.2 1,405.0 25.8 <インドの乗用車の市場規模> (1000万ルピー、年度) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 生 産 24,825.0 31,100.0 33,800.0 41,300.0 49,000.0 55,250.0 輸 出 613.1 433.1 222.9 666.7 646.9 1,370.0 輸 入 国内市場 1.3 24,213.2 1.7 30,668.6 1.8 33,578.9 23.3 40,656.6 21.9 48,375.0 13.3 53,893.3 (資料)CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) < 市 場 規 模 ( 国 内 生 産 +輸 入 -輸 出 ) と 主 要 メ ー カ ー ( 金 額 、 2008 年 度 ) > (1000万ルピー) Maruti Suzuki India 60000 50000 7.6% 3.4% 8.3% Hyundai Motor India 38.3% 40000 Tata Motors 30000 12.9% Honda Siel Cars India 20000 10000 29.6% 0 Ford India その他 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年度) ( 資 料 ) CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) ま た 、 イ ン ド 自 動 車 工 業 会 ( SIAM) に よ れ ば 、 2010 年 の イ ン ド の 新 車 販 売 台 数 は 前 年 比 34.1% 増 の 303 万 8,962 台 と 、初 め て 300 万 台 に 達 し た 。内 訳 は 、 乗 用 車 が 238 万 6,270 台 ( 同 31.3% 増 )、 商 用 車 65 万 2,692 台 ( 同 45.2% 増 ) と な っ て い る 。 b.自 動 車 メ ー カ ー の 動 向 - マ ル チ ス ズ キ を 例 に スズキでは、マネサール工場を上級車及び世界戦略車の専用工場として位 置づけ、既存のグルガオン工場との棲み分けを計っている。 32 同工場の建屋面積は 8 万㎡で、溶接、塗装、組立の各ラインに、複数の車 種を同時に生産できる混流ラインを採用するとともに、ラインレイアウトを 一直線に配置している。 溶 接 工 程 の 2,700 ス ポ ッ ト の う ち 1,900 ヵ 所 に 溶 接 ロ ボ ッ ト を 導 入 し 、 ま た 、 塗 装 工 程 に つ い て も 80% を 自 動 化 し て い る 。 日本の主力工場である湖西工場と同じ最新鋭の機械設備を導入しており、 年 間 10 万 台 の 生 産 能 力 を 確 保 し た 。 従 業 員 も 約 800 名 を 新 た に 採 用 し た 。 グ ル ガ オ ン の 本 社 工 場 か ら 、 ス イ フ ト ( 排 気 量 1300cc、 2005 年 5 月 に イ ン ド で の 生 産 開 始 ) の 生 産 を 移 管 し 、 2006 年 10 月 か ら 生 産 を 開 始 し た 。 ス イ フ ト に つ い て は 、ス ズ キ が 2004~ 2005 年 に 世 界 4 極( 日 本 、北 米 、中 国 、 インド)でほぼ同時に生産を立ち上げた世界戦略車であるこの結果、インド 拠点の位置づけは、旧型車の後追い生産拠点から最先端車も製造する重要拠 点へと変容したといえる。 一 方 、 マ ネ サ ー ル 工 場 の 完 成 に 伴 い 、 本 社 グ ル ガ オ ン 工 場 は 排 気 量 1100cc 以下の車種を生産する専門工場として位置づけられた。 今 後 、 ス ズ キ と し て は 、 SX4 ベ ー ス の 新 型 車 ( 排 気 量 1500cc、 2000cc) に 加 え 、 排 気 量 1000cc 及 び 排 気 量 660cc の 新 型 車 の 導 入 を 計 画 中 で あ る 。 マネサール工場の完成に伴い、スズキのインドにおける生産体制は、以下 のようになっている。 <スズキのインドにおける自動車生産体制> グルガオン本社工場 【生産工程・主要設備】 プレス、溶接、塗装、機械加工、組立 【生産品目】 マ ル チ 800、 ア ル ト 、 オ ム ニ 、 ジ プ シ ー キ ン グ 、 ゼ ン ・ エ ス テ ィ ー ロ 、 ワ ゴ ン R、 バ ー サ 、 エ ス テ ィ ー ム 、( 排 気 量 660cc の 新 型 車 ) ガ ソ リ ン エ ン ジ ン( 2010 年 ま で に Suzuki Po wertrain India に 集 約 の 予 定 ) マネサール工場 【生産工程・主要設備】 プレス、溶接、塗装、機械加工、組立 【生産品目】 スイフト SX4 ベ ー ス の 新 型 車 、 排 気 量 1500cc、 2000cc 排 気 量 1000cc の 新 型 車 (資料)各種資料をもとに日本総合研究所作成 また、スズキの各工場の生産能力は、以下のようになっている。 マ ネ サ ー ル で は 、 2007 年 か ら 稼 働 中 の 工 場 に 続 き 、 2012 年 春 の 稼 働 を 目 指 し て 第 2 工 場 の 建 設 を 進 め て い る 。第 2 工 場 が 完 成 し た 時 点 で イ ン ド の 年 間 生 産 能 力 は 125 万 台 と な り 、 日 本 の 生 産 能 力 を 超 え る 見 通 し で あ る 。 今 後 の 増 産 計 画 と し て 、 2013 年 の 稼 動 を 目 指 す 年 間 生 産 能 力 25 万 台 の 四輪車の新工場を建設計画中である。新工場の建設予定地は、首都ニュー 33 デリー近郊ハリヤナ州にあるマネサール工場の隣接地を予定している。 <スズキのインドにおける自動車生産能力> グルガオン本社 工場 n.a. 2006 年 ( 実 績 ) 2007 年( 生 産 能 力 ) 65 万 台 2010 年( 生 産 能 力 ) 65 万 台 役 割 低価格の小型量 販車専用に位置 づけ マネサール工場 n.a. 18 万 台 30 万 台 上級車及び世界 戦略車の専用工 場 に 位 置 づ け 。将 来 的 に は 、欧 州 向 け輸出車も生産 (資料)各種資料をもとに日本総合研究所作成 ( 注 ) マ ネ サ ー ル 工 場 は 、 2006 年 10 月 に 稼 動 開 始 。 合計 62 万 8,355 台 83 万 台 95 万 台 これに加えて、スズキのインドでの特徴的な取り組みとして、ディーゼ ルエンジンに力を入れていることが挙げられる。インドでも、クリーンエ ネルギーとしてディーゼルエンジンに対する需要が高まっており、スズキ はディーゼルエンジン搭載車のラインアップを増強することにより、これ に対応している。 具 体 的 に は 、ジ ム ニ ー 、ゼ ン な ど に 加 え 、2003 年 1 月 か ら エ ス テ ィ ー ム にもディーゼルエンジン(フランス、プジョー社製)の搭載を開始した。 また、ワゴン R には、ディーゼルエンジンだけでなく、ガソリン・液化石 油 ガ ス ( LPG) の ど ち ら で も 走 行 可 能 な バ イ フ ュ ー エ ル 車 も ラ イ ン ア ッ プ している。 さらに、ディーゼルエンジン車への需要の高まりに対応するため、それ までフランスのプジョーからの供給に依存していたディーゼルエンジンの 自 社 生 産 に も 乗 り 出 し た 。自 社 に は な い 技 術 ・製 造 ノ ウ ハ ウ の 供 給 を 、当 時 GM グ ル ー プ で あ っ た イ タ リ ア の フ ィ ア ッ ト か ら 受 け 、 2004 年 5 月 に は 、 スズキとしてディーゼルエンジンの自社生産を開始した。さらに、インド に お い て 、2005 年 12 月 に は 、デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン の 生 産 会 社 で あ る Suzuki Powertrain India Ltd.( SPI) 社 を 設 立 、 効 率 的 な 部 品 供 給 体 制 構 築 の た め 、主 力 工 場 で あ る マ ネ サ ー ル 工 場 の 近 隣 地 に 、年 間 10 万 基 の 生 産 能 力 を 持 つ 新 工 場 を 建 設 し た 。 2006 年 11 月 か ら 、 排 気 量 1300cc・ 4 気 筒 デ ィ ー ゼルエンジンの生産を開始し、マネサール工場で生産するスイフトに全量 を供給している。また、欧州主要拠点のハンガリーにも将来的に輸出する こ と を 計 画 し て お り 、 既 に 欧 州 排 ガ ス 規 制 の EuroIV に 対 応 済 み で 、 多 少 の 改 良 に よ り EuroV へ の 対 応 も 可 能 と な っ て い る 。 このように、インドで製造するディーゼルエンジンを、自社がインドで 生産する車種に搭載するとともに、将来的には、インドをディーゼルエン ジンの世界的供給基地として育成し、他社に拡販することも視野に入れて 34 いる。 さ ら に 、2005 年 6 月 に は 、イ ン ド 市 場 で 主 力 で あ る 5 速 マ ニ ュ ア ル ト ラ ン ス ミ ッ シ ョ ン( MT)に つ い て 、社 内 で 組 み 立 て る こ と を 発 表 し た 。既 に 工 場 敷 地 内 に MT 生 産 工 場 を 併 設 し 、 5 速 MT の 組 立 に 加 え 、 ミ ッ シ ョ ン ケ ー ス 、 ギ ア 、 シ ャ フ ト 類 な ど MT 部 品 の 生 産 を 開 始 し て い る 。 組 み 立 て た MT は 、 イ ン ド で 生 産 す る 車 種 に 搭 載 さ れ て い る 。 < Suzuki Powertrain India の 概 要 > 【 設 立 ・ 操 業 開 始 】 2005 年 12 月 設 立 、 2006 年 11 月 操 業 開 始 。 【生産工程・主要設備】 アルミ鋳造、加工、組立 【生産品目】 デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン ( 4 気 筒 、 排 気 量 1300cc) 新 型 デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン ( 排 気 量 2000cc) ガ ソ リ ン エ ン ジ ン ( 2010 年 ま で に 、 グ ル ガ オ ン 本 社 工 場 か ら 移 管 ) 5 速 MT 【生産能力】 デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン 当 初 生 産 能 力 : 年 間 10 万 基 、 2007 年 : 30 万 基 エ ン ジ ン 合 計( 2010 年 計 画 ): 年 間 95 万 基( デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン 30 万 基 、 ガ ソ リ ン エ ン ジ ン 65 万 基 ) 5 速 MT( 2007 年 ): 年 間 10 万 基 ( 将 来 的 に は 、 エ ン ジ ン 同 様 、 素 材 か ら の一貫生産体制の 構築を図ることを検討) (資料)各種資料をもとに日本総合研究所作成 インドでの長年にわたる事業展開の結果、スズキの部品の現地調達率は 極 め て 高 く な っ て お り 、 全 体 で 90% 以 上 、 量 販 車 の ア ル ト の 場 合 に は 、 生 産 開 始 時 点 か ら 95% を 超 え る 高 い 調 達 率 と な っ て い る 。 部 品 の 調 達 率 は 、 そ れ 以 前 も さ る こ と な が ら 、 2002 年 に マ ル チ ウ ド ヨ グ 社 へ の 出 資 比 率 を 54.2% に 引 き 上 げ 、 経 営 の 主 導 権 を 握 っ て 以 降 、 加 速 度 的に上昇している。それまでは、インド政府が主導権を握るなかで、政府 とのしがらみからだけで取引していた業者もあったが、経営体質の抜本的 な 見 直 し が 実 施 さ れ 、そ の 一 環 と し て 、部 品 調 達 先 の 絞 り 込 み も 行 わ れ た 。 こ れ に 伴 い 、取 引 先 数 は 、そ れ ま で の 386 社 か ら 、2003 年 末 に は 200 社 に 減 り 、 最 終 的 に は 180 社 ま で 減 少 し た 。 重 複 購 買 の 部 品 ・部 材 が な く な り 、 部品の最適調達が可能となった。 また、上級車専用の生産工場であるマネサール工場敷地内に、サプライ ヤーパークを建設し、会社規模が大きくないために単独進出が困難であっ た日本のスズキ系協力部品メーカーの進出を促進した。 こ の よ う な 努 力 の 結 果 、高 品 質 部 品 の 安 定 調 達 が 可 能 と な っ た 。例 え ば 、 2005 年 5 月 生 産 開 始 の ス イ フ ト の 場 合 に つ い て み る と 、 生 産 開 始 当 初 か ら 88% の 高 い 現 地 調 達 率 を 実 現 し て い る 。 さらに、外部からの調達が難しい分野については内製にも力を入れてい る。グルガオン本社工場では、既にガソリンエンジンの組立を開始してお り 、 既 存 モ デ ル へ の 搭 載 が 行 わ れ て い る 。 2005 年 12 月 に は 、 マ ネ サ ー ル 35 工 場 に 隣 接 し て Suzuki Po wertrain India の 工 場 を 建 設 し 、 イ タ リ ア の フ ィアットからの技術援助をもとにディーゼルエンジンの生産、供給を開始 し て い る 。 2007 年 1 月 に は 、 ス イ フ ト 搭 載 用 の 排 気 量 1300cc の デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン の 生 産 が 始 ま っ た 。 さ ら に 、 同 工 場 で は MT 工 場 も 併 設 し て お り 、 2007 年 か ら 、 5 速 MT の 組 立 、 ミ ッ シ ョ ン ケ ー ス 、 ギ ア 、 シ ャ フ ト 類 など関連部品の内製を開始している。 スズキのインドにおける日系部品メーカーからの調達状況は、以下の通 りとなっている。 <スズキのインドにおける日系部品メーカーからの調達状況> 日系部品メーカー 旭硝子 (Asahi India Glass Ltd.) ASTI (ASTI Electronics India Pvt. Ltd.) 荒井製作所 (Hi-Tech Arai Ltd.) エクゼティ (CeeKay Daikin Ltd.) エフテック (Progressive Tools & Components Pvt. Ltd.) 小糸製作所 (India Japan Lighting Private Ltd.) 三櫻工業 (STI Sanoh India Ltd.) サンデン (Sanden Vikas (India) Ltd.) サンライズ工業、 ニチリン (Sunchirin Autoparts India Pvt.Ltd.) ジェイテクト (Sona Koyo Steering Systems Ltd.) (Sona Cold Forgines Ltd.) ショーワ 調達部品 自動車用安全ガラス(ウインドシールドガラス) ワイヤハーネス、スイッチ オイルシール、O リング、ガスケット、パッキンなどゴ ム成型品 < マ ル チ 800、 ア ル ト 、 ゼ ン 、 ワ ゴ ン R、 エ ス テ ィ ー ム 、 バ レ ー ノ 、 ジ プ シ ー 、 オ ム ニ > ク ラ ッ チ デ ィ ス ク A’ssy、 ク ラ ッ チ カ バ ー A’ssy ペ ダ ル A’ssy、ド ア ヒ ン ジ A’ssy、MT 部 品 、ブ レ ー キ 部 品 、 各 種 冶 具 ・工 具 < マ ル チ 800、ゼ ン 、ワ ゴ ン R、バ ー サ 、SX4 ベ ー ス の 新 型車>ヘッドランプ、リヤコンビネーションランプ ブレーキチューブ、フューエルチューブ、ブレーキパイ プ、フューエルパイプ < マ ル チ 800、ア ル ト 、バ ー サ 、オ ム ニ > コ ン プ レ ッ サ ー 、 エバポレーター、コンデンサー、カーエアコンユニット など 【 Denso Kirlo skar Industrie s 経 由 】カ ー エ ア コ ン 用 ホ ー ス口金具、リキッドパイプ、チャージバルブアダプタ リヤアクスル、プロペラシャフト、デファレンシャル A’ssy、 マ ニ ュ ア ル ス テ ア リ ン グ 、 油 圧 パ ワ ー ス テ ア リ ン グ、ステアリングコラム、ラック&ピニオン 【 Sona Koyo Steering Systems 経 由 】 ボ ー ル ジ ョ イ ン ト 部品、ステアリング用プラグ、ドライブシャフト、ベベ ルギアなどパワートレイン/ステアリング用冷間鍛造品 < マ ル チ 800、ア ル ト 、ワ ゴ ン R、エ ス テ ィ ー ム 、ス イ フ 36 (Munjal Showa Ltd.) スタンレー電気 (Lumax Industries Ltd.) 住友電装 (Motherson Sumi Systems Ltd.) (Sumi Motherson Innovative Engineering, Ltd.) ソミックエンジニ アリング (Sona Somic Lemforder Co., Ltd.) 大同メタル工業 (BBL Daido Private Ltd.) TBK (TBK India Pvt. Ltd.) デンソー (Denso India Ltd.) (Subros Ltd.) (Denso Kirlo skar Industries Ltd.) (Pricol Ltd.) 東海ゴム工業 (Tokai Impe rial India Private, Ltd.) 東陽工業 (Krishna Toyo Ltd.) 豊田合成 (Metzeler Automotive Profiles India Pvt. Ltd.) 西川ゴム工業 (Anand Nishikawa Co., Ltd.) 日清紡 (Rane Brake Linings Ltd.) 日本サーモスタッ ト 、 SX4 ベ ー ス の 新 型 車 > シ ョ ッ ク ア ブ ソ ー バ ー 、 フ ロ ント/リヤストラット、ガススプリング <アルト、ゼン、オムニ>ヘッドランプ、リヤランプ < マ ル チ 800、ジ プ シ ー > ヘ ッ ド ラ ン プ 、リ ヤ ラ ン プ 、フ ラッシャーランプ <エスティーム>ヘッドランプ、リヤランプ、リヤパネ ルガーニッシュ、車幅灯 <スイフト>ヘッドランプ、リヤランプ、ルームランプ、 インテリアランプ < ワ ゴ ン R> リ ヤ ラ ン プ 、 車 幅 灯 <バーサ>リヤランプ ワ イ ヤ ハ ー ネ ス ( ケ ー ブ ル & ハ ー ネ ス A’ssy、 リ ー ド ワ イ ヤー、バッテリーケーブル、フラットケーブルハーネス、 ハイテンションコード、ターミナル、コネクター、キャ ップ&スリーブ、ヒューズボックス) 【 Motherso n Sumi Systems で 組 立 】ワ イ ヤ ハ ー ネ ス 構 成 部 品 ( MSS で A’ssy)、 各 種 樹 脂 成 形 品 < マ ル チ 800、ア ル ト 、ワ ゴ ン R、エ ス テ ィ ー ム > ス テ ア リングボールジョイント、サスペンションボールジョイ ント ポリマーベアリング、ラバーブッシュ < ワ ゴ ン R> ウ ォ ー タ ー ポ ン プ 、 オ イ ル ポ ン プ オルタネーター、スターター、ワイパーモーター、マグ ネ ト ー 、 CDI 部 品 、 電 動 フ ァ ン 、 イ グ ニ シ ョ ン コ イ ル な ど 【 Subros 】 カ ー エ ア コ ン シ ス テ ム 、 コ ン プ レ ッ サ ー 、 コ ンデンサ 【 Denso Kirlo skar Industrie s】ラ ジ エ ー タ ー 、カ ー エ ア コンシステム 【 Prico l】コ ン ビ ネ ー シ ョ ン メ ー タ ー 、ケ ー ブ ル 、各 種 セ ンサ、各種スイッチ 燃料ホース、エアホース、ウォーターホース、オイルホ ース、エアコンホースなど自動車用ホース アウトサイドミラー、ルームミラー ウェザーストリップなど車体シール部品 ウェザーストリップ、ボンネットシール、グラスランチ ャンネルなど自動車用ゴム製品 ブレーキライニング、ディスクブレーキパッド、クラッ チフェーシング <全車種>サーモスタット、水温センサ 37 ト (Nippon Thermostat (India)Ltd.) 日本精工 (Rane NSK Steering Systems Ltd.) 日本特殊陶業 (NGK Spark Plugs (India) Pvt. Ltd.) 日本発条 (NHK Spring India Ltd.) 日本ピストンリン グ (IP Rings Ltd.) 日本ブレーキ工業 (Allied Nippon Ltd.) ハイレックスコー ポレーション (Hi-Lex India Private Ltd.) ステアリングコラム、シャフト&ユニバーサルジョイン ト A’ssy スパークプラグ コイルスプリング、スタビライザー ピストンリング、オイルリング、ベベルギア、シンクロ ナイザリング ディスクブレーキパッド、ブレーキライニング、ブレー キシュー < ア ル ト 、 ワ ゴ ン R、 ス イ フ ト 、 バ ー サ 、 ジ プ シ ー 、 SX4 ベ ー ス の 新 型 車 > MT ケ ー ブ ル 、ボ ン ネ ッ ト オ ー プ ン ケ ー ブル、リヤトランクオープンケーブル、パーキングブレ ーキケーブル、燃料蓋オープンケーブル、アクセルケー ブル、クラッチケーブル <スイフトなど>ピラー、サイドメンバーなど高張力鋼 板ボディプレス部品 ベルソニカ (Bellsonica Auto Component India Pvt. Ltd.) ミクニ キャブレター、スロットボディ、デリバリパイプ、フュ (Ucal Fuel ー エ ル フ ィ ル タ ー 、 フ ュ ー エ ル ポ ン プ 、 オ イ ル ポ ン プ 、 Systems Ltd.) インテークマニホールド ミツバ < マ ル チ 800、 ア ル ト 、 ゼ ン > フ ァ ン モ ー タ ー (Mitsuba Sical < マ ル チ 800、ゼ ン 、ワ ゴ ン R、オ ム ニ > ワ イ パ ー モ ー タ India Ltd.) ー 電 子 制 御 燃 料 噴 射 装 置 用 ECU、 デ ィ ス ト リ ビ ュ ー タ ー 三菱電機 (Mitsubishi Electric India Pvt. Ltd.) ユーシン キーセット、コンビネーションスイッチ、インストルメ (Jay Ushin Ltd.) ントパネルスウィッチ、ヒーターコントロール リケン ピストンリングセット Shriram Pistons & Rings Ltd. (資料)各種資料をもとに日本総合研究所作成 ( 注 )調 達 部 品 欄 の < > 内 は 、部 品 使 用 車 種 、【 】内 は 直 接 の 納 入 先( 自 動 車 メ ーカへの直接の納入でない場合)を示す。 ま た 、 日 系 部 品 メ ー カ ー 以 外 に も 、 現 地 資 本 93 社 か ら 、 様 々 な 部 品 を 調 達している。 ②オートバイ イ ン ド の 2009 年 度 の 二 輪 車 生 産 台 数 ( オ ー ト バ イ 、 ス ク ー タ ー 、 モ ペ ッ 38 ト ) は 24.9% 増 の 1,051 万 台 と な っ た 。 1996 年 度 に 約 300 万 台 で あ っ た の が 、 2002 年 度 に 500 万 台 へ と 急 激 に 市 場 が 拡 大 し 、 2009 年 度 に は 1,000 万 台に達した。インドでは、①経済成長に伴って中・高所得者層が育っている こ と 、② 複 数 保 有 す る 家 計 が 増 え て い る こ と 、③ ロ ー ン が 普 及 し て い る こ と 、 ④新製品が次々と市場に導入されていることなどを背景に、当面、二輪車需 要は順調に増加するものと予想される。 <インドのオートバイの市場規模> (1000万ルピー、年度) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 生 産 13,254.6 16,022.6 19,241.3 22,897.1 21,750.4 25,114.8 輸 出 13.4 33.2 47.2 93.5 41.7 62.1 輸 入 国内市場 0.1 13,241.3 0.1 15,989.5 0.2 19,194.3 0.5 22,804.1 4.3 21,713.0 2.5 25,055.2 (資料)CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) < 市 場 規 模 ( 国 内 生 産 +輸 入 -輸 出 ) と 主 要 メ ー カ ー ( 金 額 、 2008 年 度 ) > (1000万ルピー) Hero Honda Motors 30000 7.6% 4.7% 3.3% 10.1% 20000 Bajaj Auto 49.1% 10000 25.3% Honda Motorcycle & Scooter India TVS Motor India Yamaha Motor その他 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年度) ( 資 料 ) CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) ③自動車部品 a.輸 送 機 器 部 品 の 生 産 ・市 場 動 向 イ ン ド で は 、自 動 車 生 産 の 拡 大 に 伴 っ て 、自 動 車 部 品 産 業 も 発 展 し て き た 。 2002 年 度 に 2,554 億 ル ピ ー で あ っ た 生 産 額 は 、 2008 年 度 に は 7,632 億 ル ピ ー ( 約 1.5 兆 円 ) に 達 し た 。 生 産 品 目 も 、 エ ン ジ ン 、 ト ラ ン ス ミ ッ シ ョ ン 、 ス テ ア リ ン グ 、サ ス ペ ン シ ョ ン 、ブ レ ー キ 、電 装 品 と 、多 岐 に わ た る 。ま た 、 部品産業を底辺で支える鍛造、金型、溶接、工作機械、鉄鋼などの要素技術 関連産業や資本財産業も成長している。 企 業 数 は 、 登 記 済 み 企 業 が 約 1,500 社 、 未 登 記 企 業 を 含 め る と 6,000 社 程 度 と 推 測 さ れ る 。 こ れ ら の 内 、 主 要 600 社 余 り が イ ン ド 自 動 車 部 品 工 業 会 ( ACMA) に 加 盟 し て お り 、 合 計 し て 同 国 自 動 車 部 品 の 約 85% を 生 産 し て い る。 39 <インドの自動車部品の市場規模> (1000万ルピー、年度) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 生 産 30,640 38,500 53,400 64,500 72,000 76,320 輸 出 5,795 7,937 11,198 13,184 14,132 16,750 輸 入 国内市場 6,499 31,344 9,504 40,067 12,115 54,317 15,974 67,290 20,998 78,866 28,160 87,730 (資料)ACMA HP < 市 場 規 模 ( 国 内 生 産 +輸 入 -輸 出 ) と 主 要 メ ー カ ー ( 金 額 、 2008 年 度 ) > (1000万ルピー) 120000 Engine Parts 100000 9.0% 80000 輸 入 生 産 60000 40000 7.0% 31.0% 10.0% Suspension & Braking Parts Equipments 12.0% 12.0% 20000 Drive Transmission & Steering Parts Body & Chassis 0 19.0% Electrical Parts その他 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年度) ( 資 料 ) ACMA HP b.主 な 日 系 輸 送 機 器 部 品 メ ー カ ー の イ ン ド 進 出 状 況 現 在 、 イ ン ド に 生 産 拠 点 を 構 え る 日 系 部 品 メ ー カ ー は 、 100 社 弱 と 極 め て 少ない。しかし、日系自動車メーカー各社は、インド事業の一層の拡大を計 画しており、系列・協力部品メーカーのさらなるインドへの進出や、既進出 企業の現地拠点の能力増強、新工場の建設など、部品供給体制の拡充と安定 的な供給体制の確立が求められている。 主要取引先である自動車メーカーの要望に応えるべく、エンジン関係部品 をはじめ、パワートレイン、ステアリング、サスペンション、ブレーキなど 重要部品を手がける部品メーカーのインドへの進出の増加が見込まれている。 現 時 点 に お け る 、主 要 部 品 別 の 日 系 部 品 メ ー カ ー の イ ン ド へ の 進 出 ・集 積 状 況は以下のようになっている。 ◆エンジン関係部品 ピ ス ト ン 、フ ラ イ ホ イ ー ル 、バ ル ブ タ ペ ッ ト 、電 子 制 御 燃 料 噴 射 シ ス テ ム 、 触媒及び触媒コンバーター、ラジエーター、スパークプラグ、バッテリーな ど 、 エ ン ジ ン 本 体 部 品 か ら 動 弁 、 燃 料 、 吸 気 ・排 気 、 潤 滑 、 冷 却 系 部 品 、 電 装 品が生産されている。 40 ここ数年で動きのあった、主な部品メーカーの状況は以下の通りである。 【三井金属】 ・ タ イ 拠 点 か ら 半 完 成 品 を 輸 入 、 2006 年 10 月 か ら 、 二 輪 車 ・四 輪 車 用 触 媒 の 加 工 ・仕 上 げ を 開 始 ・ ホ ン ダ 及 び 現 地 二 輪 車 ・四 輪 車 メ ー カ ー に 供 給 ・ 2007 年 に 生 産 規 模 を 年 間 約 300 万 個 に 引 き 上 げ ・ 2008 年 、 貴 金 属 の コ ー テ ィ ン グ 、 焼 成 、 網 目 加 工 、 A’ssy ま で の 一 貫 整 備 体 制整備 ・ 2010 年 、 生 産 能 力 400 万 個 へ の 引 き 上 げ を 目 指 す 【ティラド】 ・ 1998 年 10 月 、タ タ グ ル ー プ の 自 動 車 部 品 製 造 企 業 Tata AutoComp Systems と 合 弁 会 社 Tata Toyo Radiato r Ltd.を 設 立 ・ Tata Motors 向 け な ど に ア ル ミ 製 ラ ジ エ ー タ ー を 生 産 ・ ディーゼル関連部品の生産体制を整備 ・ 2006 年 半 ば に 、 排 出 ガ ス 再 循 環 装 置 ( EGR) ク ー ラ ー の 生 産 を 立 ち 上 げ 、 タ タ グ ル ー プ 傘 下 の 商 用 車 メ ー カ ー Tata Truck & Bus に 全 量 を 供 給 ・ その他の自動車メーカー、自動車以外への拡販も検討中 【日本特殊陶業】 ・ 2006 年 8 月 、 NGK Spark Plug (India) Pvt. Ltd. 設 立 ・ 2007 年 12 月 、ハ リ ア ナ 州 バ ワ ー ル 工 業 団 地 の 工 場 稼 動 、ス パ ー ク プ ラ グ の 生産立ち上げ ・ 日本のプラグメーカーで初のインド進出 ・ 日 系 二 輪 車 ・四 輪 車 メ ー カ ー へ の OEM 供 給 ・ 2010 年 に 、 年 間 約 1,500 万 個 の 生 産 予 定 ( 補 修 用 を 含 む ) 【東海ゴム工業】 ・ 2005 年 11 月 、Imperial Auto Industries と の 合 弁 で 、Tokai Imperial India Private, Ltd. を 設 立 。 合 弁 相 手 は 現 地 の 大 手 ホ ー ス メ ー カ ー で 、 同 社 と 2003 年 か ら 提 携 関 係 ・ 2007 年 7 月 か ら 、 ハ リ ア ナ 州 フ ァ リ ダ バ ー ド 市 に お い て 、 自 動 車 用 ゴ ム ホ ースの一貫生産を開始 ・ トヨタ、スズキ、三菱など日系メーカー向けに、燃料ホース、エアホース、 ウォーターホース、オイルホースなど各種ホースを供給 ・ 2009 年 12 月 、バ ン ガ ロ ー ル 市 近 郊 ド ダ パ ラ プ ル 工 業 団 地 内 に 自 動 車 用 防 振 ゴ ム の 生 産 拠 点 を 設 け 海 外 7 ヶ 国 に 10 拠 点 を 展 開 す る 計 画 41 【 ジ ー エ ス ・ユ ア サ イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル 】 ・ 2005 年 12 月 、 Tata AutoComp Systems 社 と 合 弁 で 、 マ ハ ラ シ ュ ト ラ 州 プ ネ 市 に GY Batterie s Pvt. Ltd.社 を 設 立 ・ 生 産 能 力 年 間 50 万 個 ・ 現 地 バ ッ テ リ ー メ ー カ ー AMCO Batteries へ の 15% の 資 本 参 加 は 解 消 【アーレスティ】 ・ 2007 年 1 月 、 Ahresty India Private Limited 社 を 設 立 ・ マルチウドヨグの工場近くのデリー近郊の工業団地内にアルミダイカスト 工場を新設 ・ 2008 年 秋 よ り 、 エ ン ジ ン ブ ロ ッ ク 、 シ リ ン ダ ー ヘ ッ ド 、 ス テ イ / ケ ー ス 類 などの生産開始 ・ ホンダ、スズキ向けダイカスト部品を供給 ・ 2010 年 春 か ら 、 日 産 自 動 車 が チ ェ ン ナ イ で 生 産 す る 「 マ イ ク ラ ( 日 本 名 : マ ー チ )」 向 け に 3 気 筒 ス ー パ ー チ ャ ー ジ ャ ー エ ン ジ ン 部 品 の フ ロ ン ト カ バ ーとオイルパンの量産を開始 主なエンジン関係部品メーカーの、現地生産品目と所在地、操業開始時期 は、以下の通りである。 <エンジン関係部品メーカーのインドにおける生産状況> 【エンジン本体部品】 部品メーカー 現地生産品目 アーレスティ カバー及びケー (Ahresty India ス な ど ア ル ミ ダ Private Limite d) イ カ ス ト 部 品 エクセディ フライホイール (CeeKay Daikin な ど Ltd.) 帝国ピストンリ スチールコンプ ング レッションピス (Goetez TP ト ン リ ン グ 、ス リ (India) Ltd.) ーピースピスト ンリング 日 本 ピ ス ト ン リ ピストンリング、 ング オイルリングな (IP Rings Ltd.) ど 日本リークレス シリンダーヘッ 工業 ド ガ ス ケ ッ ト 、ク (Nippon ランクケースガ Leakless Talbros ス ケ ッ ト 、吸 排 気 Pvt. Ltd.) 系ガスケット リケン ピ ス ト ン 、ピ ス ト (Shriram ン リ ン グ 、ピ ス ト Pistons & Rings ン ピ ン 、エ ン ジ ン Ltd.) バルブ 所在地 ニューデリー近 郊 操業時期 2008 年 秋 ムンバイ 1985 年 10 月 資 本 参加 バンガロール 1998 年 6 月 チェンナイ 1996 年 7 月 資 本 参加 ハリアナ州バワ ール 2005 年 6 月 設 立 ニューデリー 1985 年 資 本 参 加 42 【エンジン動弁系部品】 部品メーカー 現地生産品目 荒井製作所 バルブステムシ (Hi-Tech Arai ー ル な ど Ltd.) 【エンジン燃料系部品】 部品メーカー 現地生産品目 愛三工業 フューエルポン (IHD Industries プ A’ssy、 フ ュ ー Pvt. Ltd.) エ ル ポ ン プ 、レ ベ ル セ ン サ 、フ ュ ー エルフィルター、 プレッシャーレ ギ ュ レ ー タ ー 、フ ューエルセンダ ー 三櫻工業 フューエルチュ (STI Sanoh ー ブ 、フ ュ ー エ ル India Ltd.) パイプなど デンソー フューエルポン (Denso Haryana プ 、イ ン ジ ェ ク タ Pvt. Ltd.) ー、エンジン用 ECU、 ISCV な ど 電子制御燃料噴 射部品 デンソー ISCV 、 速 度 セ ン (Pricol Ltd.) サ ー 、圧 力 セ ン サ ー、温度センサ ー 、燃 料 レ ベ ル セ ンサーなど各種 センサー 東海ゴム工業 燃 料 ホ ー ス 、エ ア (Tokai Imperial ホ ー ス 、ウ ォ ー タ India Private, ー ホ ー ス 、オ イ ル Ltd.) ホースなど自動 車用ホース ミクニ キ ャ ブ レ タ ー 、フ (Ucal Fuel ュ ー エ ル ポ ン プ 、 Systems Ltd.) スロットルボデ ィ( ETV を 含 む )、 フューエルフィ ル タ ー 、デ リ バ リ パ イ プ 、オ イ ル ポ ン プ 、イ ン テ ー ク マ ニ ホ ー ル ド 、プ レッシャーレギ ュレーター 三菱電機 電子制御燃料噴 (Mitsubishi 射 装 置 用 ECU 、 Electric India デ ィ ス ト リ ビ ュ Pvt. Ltd.) ーター 所在地 マドゥーライ 操業時期 1994 年 3 月 資 本 参加 所在地 チェンナイ 操業時期 2002 年 12 月 デワス 1997 年 2 月 ハリアナ州グル ガオン 1999 年 11 月 タミールナドゥ 州コインバトー ル 1997 年 4 月 資 本 参加 ハリアナ州ファ リダバード 2007 年 7 月 チェンナイ 1985 年 11 月 設 立 ハリアナ州グル ガオン 1999 年 12 月 43 【エンジン吸排気系部品】 部品メーカー 現地生産品目 NOK EGR ダ イ ヤ フ ラ (Sigma ム 、ポ ン プ / ロ ー Freudenberg リング/ターボ NOK Pvt. Ltd.) チャージャーダ イヤフラムなど 三井金属 触媒など (Mitsui Kinzoku Components India Pvt. Ltd.) ユタカ技研 触媒コンバータ (Yutaka ー 、エ キ ゾ ー ス ト Autoparts Pune マ ニ ホ ー ル ド な Ltd.) ど 【 エ ン ジ ン 潤 滑 ・冷 却 系 部 品 】 部品メーカー 現地生産品目 TBK ウォーターポン (TBK India Pvt. プ 、オ イ ル ポ ン プ Ltd.) ティラド アルミ製ラジエ (Tata Toyo ー タ ー 、オ イ ル ク Radiator Ltd.) ー ラ ー 、イ ン タ ー ク ー ラ ー 、 EGR クーラー デンソー ラジエーター (Denso Kirloskar Industries Pvt. Ltd.) 日本サーモスタット サ ー モ ス タ ッ ト 、 (Nippon 水温センサー Thermostat (India)Ltd.) 【エンジン電装品】 部品メーカー 現地生産品目 ジ ー エ ス・ユ ア サ 自 動 車 用 バ ッ テ イ ン タ ー ナ シ ョ リー ナル (Tate AutoComp GY Batteries Pvt. Ltd.) デンソー オルタネーター、 (Denso India ス タ ー タ ー 、電 動 Ltd.) フ ァ ン 、ラ ジ エ ー タ ー フ ァ ン 、イ グ ニッションコイ ルなど 日本特殊陶業 スパークプラグ (NGK Spark 所在地 ニューデリー 操業時期 2001 年 10 月 ハリアナ州 2006 年 10 月 プネ 2006 年 9 月 完 全 子会社化 プネ 所在地 操業時期 2000 年 9 月 プネ 1998 年 10 月 バンガロール 1999 年 11 月 チェンナイ 1995 年 10 月 所在地 プネ 操業時期 2006 年 12 月 ウッタルプラデ シュ州 1985 年 1 月 ハリヤナ州グル ガオン 2007 年 12 月 44 Plugs (India) Pvt. Ltd.) ◆シャシー関連部品 パワートレイン、ステアリング、サスペンション、ブレーキ部品、クラッ チ A’ssy、デ フ ァ レ ン シ ャ ル 、プ ロ ペ ラ シ ャ フ ト 、マ ニ ュ ア ル ト ラ ン ス ミ ッ シ ョ ン ( MT) 部 品 、 パ ワ ー ス テ ア リ ン グ シ ス テ ム 、 シ ョ ッ ク ア ブ ソ ー バ ー 、 コ イ ル ス プ リ ン グ 、 デ ィ ス ク ブ レ ー キ パ ッ ド 、 ブ レ ー キ シ ュ ー A’ssy、 ラ ジ ア ル タイヤなど多様なシャシー関連部品が生産されている。 ここ数年で動きのあった、主な部品メーカーの状況は以下の通りである。 【 NTN】 ・ 2005 年 11 月 、 現 地 Birla グ ル ー プ 傘 下 の ベ ア リ ン グ メ ー カ ー National Engineering Industries と の 合 弁 で 、 NTN Manufacturing India Private Limited を 設 立 ・ 2007 年 3 月 か ら 、 ハ リ ア ナ 州 バ ワ ー ル 工 業 団 地 に お い て 、 等 速 ジ ョ イ ン ト ( CVJ) の 生 産 を 開 始 ・ スズキなど日系自動車メーカーに供給 ・ 2010 年 に フ ル 稼 働 を 予 定 【日本精工】 ・ 2007 年 3 月 、 技 術 援 助 先 で あ る 現 地 の 中 堅 ベ ア リ ン グ メ ー カ ー ABC Bearings と 合 弁 会 社 NSK-ABC Be aring Ltd. を 設 立 ・ 2008 年 1 月 、 タ ミ ー ル ナ ド ゥ 州 シ ッ プ コ ッ ト 工 業 団 地 に 新 工 場 を 建 設 ・ HUB ユ ニ ッ ト ベ ア リ ン グ 、 ト ラ ン ス ミ ッ シ ョ ン 用 ベ ア リ ン グ 、 電 磁 ク ラ ッ チ用ベアリングを生産 ・ 日系、欧米系、現地自動車メーカーに供給 ・ 2010 年 ま で に 総 額 8 億 ル ピ ー を 投 資 し て 生 産 体 制 整 備 ・ 2010 年 4 月 に イ ン ド に 地 域 本 社 を 設 立 。 生 産 、 販 売 、 技 術 の 連 携 を 取 り 、 事業基盤を強化し、事業の拡大に取り組む 【ソミック石川】 ・ 受注拡大により生産能力が限界に達したため、現地出資企業の承諾を得て、 2006 年 末 に 合 弁 会 社 を 2 社 設 立 ・ 2007 年 、 新 工 場 建 設 ・ タ イ ロ ッ ド エ ン ド 、ラ ッ ク エ ン ド 、ス テ ア リ ン グ リ ン ケ ー ジ 、サ ス ペ ン シ ョ ン ボ ー ル ジ ョ イ ン ト 、リ ヤ サ ス ペ ン シ ョ ン ア ー ム 、ス タ ビ ラ イ ザ ー リ ン グ ボ ールなど生産 ・ ト ヨ タ 、 ス ズ キ 、 ホ ン ダ 、 フ ォ ー ド 、 GM へ 供 給 45 【ショーワ】 ・ 中 堅 財 閥 ム ン ジ ャ ル グ ル ー プ と 合 弁 会 社 Munjal Showa Ltd.を 設 立 ・ 二 輪 車 ・四 輪 車 用 シ ョ ッ ク ア ブ ソ ー バ ー な ど 生 産 ・ 2005 年 、 ニ ュ ー デ リ ー 郊 外 に 第 2 工 場 建 設 、 年 産 能 力 を 200 万 台 分 へ ・ 2007 年 4 月 、 新 会 社 Showa India Pvt., Ltd. 設 立 ・ ハリアナ州ファリダバードに電動パワーステアリング工場建設 ・ 主 要 取 引 先 の ホ ン ダ が イ ン ド で の 生 産 を 拡 大 、今 後 、同 規 模 ま た は そ れ 以 上 の需要を見込めるため、現地化を決定 ・ ホンダ向け電動パワーステアリングの生産開始 ・ 当 初 、年 間 10 万 台 で ス タ ー ト 、2010 年 に は ギ ア や 鍛 造 部 品 な ど の 内 製 化 を 進 め 、 38 万 6,000 台 ま で 拡 大 す る 方 針 【日本発条】 ・ 現 地 ス プ リ ン グ メ ー カ ー 2 社 ( Jamna Auto Industrie s Pvt., Ltd. 、 Jai Parabolic Springs Ltd.) に 資 本 参 加 ・ リーフスプリング製造技術の供与 ・ 自 社 拠 点 NHK Spring India Ltd. と と も に 2 工 場 体 制 で 、ス ズ キ 、ト ヨ タ 、 ホ ン ダ 、 マ ヒ ン ド ラ マ ヒ ン ド ラ 、 GM、 現 代 向 け に 、 コ イ ル ス プ リ ン グ 、 ス タビライザーを生産 ・ 受注増によりフル稼働が続き、マネサール既存工場敷地内に新工場棟建設 ・ 2007 年 10 月 か ら 、 ス タ ビ ラ イ ザ ー の 生 産 能 力 を 従 来 の 86 万 4,000 本 か ら 120 万 本 に 引 き 上 げ 【富士機工】 ・ 現 地 Sona グ ル ー プ と 合 弁 会 社 設 立 ・ ニューデリー近郊に新工場建設 ・ 2008 年 に ス テ ア リ ン グ コ ラ ム の 生 産 立 ち 上 げ ・ 日系自動車メーカーを中心に拡販を図る ・ 2010 年 、 年 間 50 万 セ ッ ト 生 産 を 目 標 【ヨロズ】 ・ 主 要 取 引 先 の 日 産 自 動 車 、ル ノ ー 、マ ヒ ン ド ラ マ ヒ ン ド ラ が 3 社 合 弁 で 新 会 社を設立し、小型車の生産を開始することに対応、インド進出を検討 ・ MarutiUdyog が 出 資 す る プ レ ス 部 品 メ ー カ ー の JayBharatMarutiLimited(JBML)と 技 術 援 助 契 約 締 結 ・ 2009 年 度 ま で の 進 出 を 計 画 ・ パ ネ ル セ ッ ト フ ェ ン ダ ー 、フ ェ ン ダ ー エ プ ロ ン な ど の サ ス ペ ン シ ョ ン 用 プ レ ス部品を生産予定 ・ 2010 年 11 月 、 自 サ ス ペ ン シ ョ ン 部 品 を 生 産 す る 合 弁 工 場 の 新 設 を 発 表 46 【日信工業】 ・ 2008 年 に 、ホ ン ダ 、ス ズ キ の 二 輪 車 ・四 輪 車 工 場 近 郊 へ 組 立 工 場 建 設 を 計 画 ・ 油圧式ブレーキシステムの需要増加に対応 ・ 当初は収益性を考え、四輪車用油圧ブレーキシステム生産予定 ・ 徐 々 に 規 模 を 拡 大 、将 来 的 に は 二 輪 車 用 を 加 え 、ア ル ミ 鋳 物 部 品 な ど の 現 地 化により一貫生産体制を整備 主なシャシー関連部品メーカーの、現地生産品目と所在地、操業開始時期 は、以下の通りである。 <シャシー関連部品メーカーのインドにおける生産状況> 【パワートレイン部品】 部品メーカー 現地生産品目 アーレスティ カバー及びケース (Ahresty India な ど ア ル ミ ダ イ カ Private Limite d) ス ト 部 品 エクセディ ク ラ ッ チ A’ssy( ク (CeeKay Daikin ラ ッ チ デ ィ ス ク 、 Ltd.) ク ラ ッ チ カ バ ー )、 ク ラ ッ チ 構 成 部 品、フリクション ワッシャー NOK ラジアルシャフト (Sigma シールなど Freudenberg NOK Pvt. Ltd.) NTN 等速ジョイント (NTN Manfucturing India Private Limited) エ フ ・シ ー ・シ ー MT ク ラ ッ チ (FCC Rico Ltd.) A’ssy 、 ク ラ ッ チ フ ェーシングなど エフテック MT 部 品 な ど (Progressive Tools & Components Pvt. Ltd.) 尾張精機 シンクロナイザリ (Owari Precision ン グ Products (India) Pvt. Ltd.) ジェイテクト リヤアクスル、プ (Sona Koyo ロ ペ ラ シ ャ フ ト 、 Steering デファレンシャル Systems Ltd.) A’ssy ジェイテクト ボールジョイント (Sona Cold 部 品 、 ド ラ イ ブ シ Forgines Ltd.) ャフト、ベベルギ 所在地 ニューデリー近 郊 操業時期 2008 年 秋 計 画 ムンバイ 1985 年 10 月 ニューデリー 2001 年 10 月 ニューデリー 2007 年 3 月 ハリアナ州 1997 年 11 月 ウッタルプラデ シュ州 1997 年 資 本 参 加 バンガロール 2004 年 5 月 ニューデリー 1992 年 7 月 資 本 参加 ハリアナ州グル ガオン 1996 年 7 月 47 豊田自動織機 (Kirloskar Toyoda Texile Machinery Private Limite d) 豊田鉄工 (Stanzen Toyotetsu India Pvt. Ltd.) 日清紡 (Rane Brake Linings Ltd.) 日本精工 (NSK-ABC Bearing Ltd.) 日本ピストンリング (IP Rings Ltd.) 三菱マテリアル (SONA-Okegawa Precision Forgines Ltd.) アなど冷間鍛造品 MT 部 品 バンガロール 1997 年 7 月 リヤアクスルハウ ジング、ロアアー ムなど バンガロール 1999 年 11 月 クラッチフェーシ ング(アスベスト / ノ ン ア ス フ リ ー)など HUB ユ ニ ッ ト ベ ア リング、トランス ミッション用ベア リング、電磁クラ ッチ用ベアリング ベ ベ ル ギ ア 、 シンクロナイザリング 鍛造ベベルギア、 デファレンシャル A’ssy 、 ピ ニ オ ン 、 デフケース、シン クロナイザリング チェンナイ 1999 年 6 月 タミールナドゥ 州 2008 年 1 月 チェンナイ 1996 年 7 月 資 本 参加 1998 年 10 月 【ステアリング部品】 部品メーカー 現地生産品目 三櫻工業 パワーステアリ (STI Sanoh ン グ 用 パ イ プ 、 India Ltd.) その他配管部品など ジェイテクト ステアリングコ (Sona Koyo ラ ム 、ラ ッ ク & ピ Steering ニ オ ン 、マ ニ ュ ア Systems Ltd.) ルステアリング、 油圧パワーステ アリング ジェイテクト ステアリング用 (Sona Cold プ ラ グ な ど 冷 間 Forgines Ltd.) 鍛造品 ショーワ 電動パワーステ (Munjal Showa ア リ ン グ シ ス テ Ltd.) ム ( EPS) ソミックエンジ タイロッドエン ニアリング ド、ラックエン (Sona So mic ド 、ス テ ア リ ン グ Lemforder Co., リ ン ケ ー ジ 、サ ス Ltd.) ペンションボー ル ジ ョ イ ン ト 、リ ヤサスペンショ ン ア ー ム 、ス タ ビ ライザーリンク ボール 日本精工 エネルギー吸収 ニューデリー 所在地 デワス 操業時期 1997 年 2 月 ニューデリー 1992 年 7 月 資 本 参加 ハリアナ州グル ガオン 1996 年 7 月 ハリアナ州ファ リダバード 2007 年 4 月 ニューデリー 1996 年 1 月 Guduvancherry 1997 年 6 月 48 (Rane NSK Steering Systems Ltd.) &コラブシブル ステアリングコ ラ ム 、チ ル ト & テ レスコビックス テアリングコラ ム 、中 間 シ ャ フ ト &ユニバーサル ジ ョ イ ン ト A’ssy 【サスペンション部品】 部品メーカー 現地生産品目 ショーワ ショックアブソ (Munjal Showa ー バ ー 、フ ロ ン ト Ltd.) /リヤストラッ ト ・ガ ス ス プ リ ン グなど 中央発條 フロント/リヤ (TC Springs Pvt. コ イ ル ス プ リ ン Ltd.) グ 、ト ー シ ョ ン バ ー 、フ ロ ン ト / リ ヤスタビライザ ー 、テ ン シ ョ ン ロ ッド 豊田鉄工 ロアアームなど (Stanzen Toyotetsu India Pvt. Ltd.) 日本発条 コイルスプリン (NHK Spring グ 、80~ 200 ミ リ India Ltd.) スタビラーザー 【ブレーキ部品】 部品メーカー エクセディ (CeeKay Daikin Ltd.) エフテック (Progressive Tools & Components Pvt. Ltd.) 三櫻工業 (STI Sanoh India Ltd.) 豊田鉄工 (Stanzen Toyotetsu Pvt. Ltd.) India 日清紡 (Rane Brake Linings Ltd.) 所在地 ハリアナ州グル ガオン 操業時期 1987 年 4 月 プネ 1999 年 11 月 バンガロール 1999 年 11 月 マネサール 1999 年 1 月 現地生産品目 フリクションワ ッシャーなど 所在地 ムンバイ 操業時期 1985 年 10 月 資 本 参加 ブレーキ部品な ど ウッタルプラデ シュ州 1997 年 資 本 参 加 ブレーキチュー ブ 、ブ レ ー キ パ イ プ 、そ の 他 配 管 部 品など パーキングブレ ーキイコライザ ー 、パ ー キ ン グ ブ レーキレバーな ど ブレーキライニ ン グ 、( ア ス ベ ス ト/ノンアスフ リ ー )、 デ ィ ス ク デワス 1997 年 2 月 バンガロール 1999 年 11 月 チェンナイ 1996 年 6 月 資 本 参加 49 日本ブレーキ工 業 (Allied Nippon Ltd.) ブレーキパッド (アスベスト/ ノンアスフリー) など ディスクブレー キ パ ッ ド 、ブ レ ー キ ラ イ ニ ン グ 、ブ レーキシュー 【 ホ イ ー ル ・タ イ ヤ 】 部品メーカー 現地生産品目 乗用車用ラジア ブリヂストン ル タ イ ヤ 、軽 商 用 (Bridgestone India Private 車 用 ラ ジ ア ル タ イヤ、チューブ Ltd.) ウッタルプラデ シュ州 1989 年 12 月 設 立 所在地 マディヤプラデ シュ州 操業時期 2003 年 3 月 完 全 子会社化 ◆ 車 体 ・装 備 品 車 体 ・装 備 品 メ ー カ ー の 数 は 、 36 社 40 拠 点 と 、 最 も 多 い 。 車体骨格プレス部品をはじめ、ウインドシールドガラス、ドアヒンジ、ド ア ロ ッ ク 、 シ ー ト A’ssy、 エ ア バ ッ ク モ ジ ュ ー ル 、 イ ン ス ト ル メ ン ト パ ネ ル 、 ドアトリムなど内装品、ヘッドランプ、リヤコンビネーションランプなど各 種ランプ、カーエアコンシステムなどが生産されている。 ここ数年で動きのあった、主な部品メーカーの状況は以下の通りである。 【ベルソニカ】 ・ 1995 年 か ら 、 マ ル チ ウ ド ヨ グ が 出 資 す る JBML 社 に プ レ ス 部 品 に 関 す る 製 造技術を供与 ・ 2006 年 6 月 、 マ ル チ ウ ド ヨ グ の 第 2 工 場 ( マ ネ サ ー ル 工 場 ) 隣 接 の サ プ ラ イ ヤ ー ズ パ ー ク 内 Bellsonica Auto Component India Pvt., Ltd.を 設 立 ・ 2007 年 11 月 か ら 、ピ ラ ー 、サ イ ド メ ン バ ー な ど 高 張 力 鋼 板 を 用 い た ボ デ ィ プレス部品を本格生産 ・ 2011 年 春 の 稼 働 を め ど に 、イ ン ド 工 場( ハ リ ア ナ 州 )の 生 産 能 力 を 現 在 の 2 倍 以 上 と な る 年 間 36 万 台 体 制 に 引 き 上 げ る 計 画 。 また、これ以外に、ホンダ系部品企業のインド進出の動きが、以下のよう に活発化している。 【べステックキョーエイ、丸順、増田製作所】 ・ BESTEX MM India Pvt., Ltd.を 設 立 ・ 3 社による共同出資は、米国、中国に続き 5 拠点目 ・ ホンダの工場近隣に新工場建設 ・ プ レ ス 機 、溶 接 機 、め っ き 処 理 設 備 な ど を 納 入 し 、2008 年 10 月 か ら 、フ ュ 50 ー エ ル フ ィ ラ ー キ ャ ッ プ 、ク ロ ス メ ン バ ー 、ビ ー ム 、ピ ラ ー 、ヒ ン ジ 、ブ ラ ケットなど車体骨格プレス部品の生産開始 【菊池プレス工業、高尾金属工業】 ・ 2007 年 2 月 、合 弁 会 社 Glo bal Auto -Parts alliance India Private Ltd.設 立 ・ ホンダの第 2 工場のあるラジャスタン州近郊に新工場を設立 ・ ボディプレス部品の生産を開始 また、新規進出に加え、既存メーカーの動きも以下のように活発化してい る。 【旭硝子】 ・ 1986 年 6 月 、 現 地 大 手 ガ ラ ス メ ー カ ー Indian Auto Safe ty Glass Private Ltd. と 資 本 提 携 、 24% 出 資 し て Asahi India Glass Ltd.を 設 立 。 イ ン ド で の自動車用安全ガラス事業を開始 ・ ス ズ キ 、 現 代 、 ト ヨ タ 、 ホ ン ダ 、 タ タ 、 マ ヒ ン ド ラ マ ヒ ン ド ラ 、 GM な ど 主 要 自 動 車 メ ー カ ー と の 取 引 を 拡 大 、 イ ン ド の 自 動 車 用 ガ ラ ス 市 場 で 80 % 以 上のシェアを持つトップメーカーとなる ・ 2005 年 7 月 、 ウ ッ タ ラ ン チ ャ ル 州 ル ー キ ー 市 に 日 産 700 ト ン の 生 産 能 力 を 持つ板ガラス工場を建設 ・ 2007 年 1 月 、 板 ガ ラ ス の 生 産 開 始 。 新 工 場 稼 動 で 、 年 産 1200 ト ン に 拡 大 ・ 2010 年 9 月 に 14 億 ル ピ ー を 投 じ て 生 産 拡 大 す る 計 画 を 発 表 【三井金属】 ・ そ れ ま で の 二 輪 車 ・四 輪 車 用 触 媒 の 加 工 、 仕 上 げ に 加 え 、 ホ ン ダ か ら 新 型 シ ビックのドアロックを全量受注 ・ Mitsui Kinzoku components India Pvt., Ltd. に 関 連 設 備 を 導 入 ・ 年 間 10 万 個 規 模 で 生 産 立 ち 上 げ ・ 現 在 は タ イ 拠 点 か ら 半 完 成 品 を 輸 入 し 、最 終 製 品 に 仕 上 げ て い る が 、将 来 的 には一貫生産体制構築を目指す 【ハイレックスコーポレーション】 ・ ス ズ キ 、 ホ ン ダ か ら の 受 注 増 に 合 わ せ 、 二 輪 車 ・四 輪 車 向 け ウ イ ン ド レ ギ ュ レ ー タ ー な ど 各 種 コ ン ト ロ ー ル ケ ー ブ ル の 生 産 拠 点 で あ る Hi-Lex India Private Ltd. の 能 力 増 強 ・ そ れ ま で の 既 存 工 場 の 増 床 で は 対 応 し き れ な く な っ た た め 、 2006 年 6 月 、 ハ リ ア ナ 州 に 第 2 工 場 建 設 、 2008 年 稼 動 で コ ン ト ロ ー ル ケ ー ブ ル の 生 産 能 力を大幅に増強 51 【小糸製作所】 ・ ヘ ッ ド ラ ン プ 、リ ヤ コ ン ビ ネ ー シ ョ ン ラ ン プ な ど 自 動 車 用 ラ ン プ 製 造 の 現 地 大 手 メ ー カ ー の ル ー カ ス TVS と の 折 半 出 資 の India Japan Lighting Private Ltd. が ハ リ ア ナ 州 バ ワ ー ル に 第 2 工 場 建 設 ・ 射出成型機、加工設備、組立ラインなどを導入した一貫生産体制を構築 ・ 生 産 能 力 は 、 ヘ ッ ド ラ ン プ 年 間 50 万 台 、 標 識 灯 年 間 25 万 台 ・ トヨタ、スズキに加え、フォード、フィアット、タタへの拡販を目指す 【カルソニックカンセイ】 ・ 日 本 か ら ス ズ キ へ カ ー エ ア コ ン 用 コ ン プ レ ッ サ ー 、 電 子 部 品 を 輸 出 、 HVA C を新規受注 ・ 輸 出 増 に 加 え 、主 要 取 引 先 の 日 産 の 進 出 に 伴 い 、現 地 で の 部 品 供 給 体 制 を 構 築する必要があると判断 ・ 2010 年 、 カ ー エ ア コ ン シ ス テ ム の 現 地 生 産 開 始 【古河電気工業】 ・ ワイヤハーネスで現地参入を計画 ・ 現地自動車部品メーカーとの合弁会社設立または単独進出 ・ 需要動向やニーズを見極め、エアバック用電装品なども生産 さらに、以下のように現地での設計開発能力の強化を目指す企業も出てき ている。 【森六】 ・ インストルメントパネル、コンソール、グローブボックス、ロアスカート、 トリムホイールカバー、パネルメーターなどの樹脂成型品を生産する Moriroku UT India Pvt., Ltd.は 、 2006 年 12 月 に 、 設 計 業 務 を 行 う サ テ ラ イトセンターを開設 ・ 初 期 投 資 を 極 力 抑 え る た め 、技 術 系 派 遣 会 社 の イ ン ド 支 店( チ ェ ン ナ イ )内 に同センターを設け、派遣会社が抱える現地の優秀な技術者を活用 ・ 現 時 点 で は 、モ デ リ ン グ 、数 値 入 力 な ど の 業 務 を 開 始 。将 来 的 に は 、現 地 法 人への格上げを目指す 主 な 車 体 ・装 備 品 メ ー カ ー の 、現 地 生 産 品 目 と 所 在 地 、操 業 開 始 時 期 は 、以 下の通りである。 52 < 車 体 ・装 備 品 メ ー カ ー の イ ン ド に お け る 生 産 状 況 > 【 ボ デ ィ ・外 装 品 】 部品メーカー 現地生産品目 アイシン精機 ド ア フ レ ー ム 、ド (AISIN NTTF ア ロ ッ ク 、ド ア ヒ Pvt. Ltd.) ン ジ 、ウ イ ン ド レ ギ ュ レ ー タ ー 、シ ートロックなど 旭硝子 自動車用安全ガ (Asahi India ラ ス( ウ イ ン ド シ Glass Ltd.) ールドガラス) エイチワン フロントバルク (H-one India ヘ ッ ド 、リ ヤ フ レ Pvt. Ltd.) ー ム 、フ ロ ン ト サ イ ド フ レ ー ム 、イ ンサイドフレー ム 、リ ヤ ホ イ ー ル ハ ウ ス 、フ ロ ン ト ホイールハウス、 フロアトンネル、 フロントフロア、 インサイドシー ルなど NOK ワ イ パ ー &ロ ッ ド (Sigma シ ー ル 、イ ン テ リ Freudenberg ジェント防振ゴ NOK Pvt. Ltd.) ムなど エフテック ド ア ヒ ン ジ A’ssy (Progressive など Tools & Components Pvt. Ltd.) 菊池プレス工業 ダッシュボード、 高尾金属工業 ピラー類などボ (Global ディプレス部品 Auto -Parts Alliance Private Limited) デンソー ワイパーモータ (Denso India ー ギ ア 、ウ ォ ッ シ Ltd.) ャーポンプなど 東陽工業 アウトサイドミ (Krishna To yo ラ ー A’ssy な ど Ltd.) 豊田合成 ウェザーストリ (Metzeler ップなど車体シ Automotive ール部品 Profiles India Pvt. Ltd.) 豊田合成 ラジエーターサ (Stanzen ポ ー ト 、ク ロ ス メ Toyotetsu India ン バ ー な ど Pvt. Ltd.) 西川ゴム工業 ウェザーストリ (Anand ッ プ 、ボ ン ネ ッ ト 所在地 バンガロール 操業時期 1999 年 11 月 ニューデリー 1986 年 6 月 資 本 参加 ウッタルプラデ シュ州 1999 年 6 月 ニューデリー 2001 年 10 月 ウッタルプラデ シュ州 1997 年 資 本 参 加 ラジャスタン近 郊 2009 年 計 画 ウッタルプラデ シュ州ノイダ 1985 年 1 月 ハリアナ州グル ガオン 1996 年 11 月 ウッタルプラデ シュ州 2001 年 7 月 資 本 参加 バンガロール 1999 年 11 月 ハリアナ州グル ガオン 1996 年 7 月 資 本 参加 53 Nishikawa Ltd.) Co., ベステックスキ ョーエイ (BESTEX MM India Pvt. Ltd.) ベルソニカ (Bellsonica Auto Component India Pvt. Ltd.) 三井金属 (Mitsui Kinzoku Components India Pvt. Ltd.) 【内装品】 部品メーカー エフテック (Progressive Tools & Components Pvt. Ltd.) ジェイテクト (Sona Cold Forgines Ltd.) テ イ ・エ ス ・テ ッ ク (TS Tech Sun (India) Ltd.) デンソー (Denso India Ltd.) 東陽工業 (Krishna To yo Ltd.) 豊田合成 (TG Kirloskar Automotive Pvt. Ltd.) 豊田鉄工 (Stanzen Toyotetsu India Pvt. Ltd.) トヨタ紡織 (Toyota Boshoku Automotive India Private Ltd.) シ ー ル 、グ ラ ス ラ ンチャンネルな ど自動車用ゴム 製品 フューエルオイ ラ ー パ ー ク 、ク ロ ス メ ン バ ー 、ビ ー ム 、ピ ラ ー 、ヒ ン ジ 、ブ ラ ケ ッ ト な ど車体骨格プレ ス部品 ピ ラ ー 、サ イ ド メ ンバーなど高張 力鋼板ボディプ レス部品 ドアロック デリー 2008 年 10 月 ハリアナ州グル ガオン 2007 年 11 月 ハリアナ州 2006 年 10 月 現地生産品目 ペ ダ ル A'ssy な ど 所在地 ハリアナ州 操業時期 1997 年 資 本 参 加 シートベルト用 冷間鍛造品など ハリアナ州グル ガオン 1996 年 7 月 シ ー ト A'ssy、 ド ア ト リ ム 、シ ー ト フ レ ー ム 、ド ア ト リムカバーなど の内装品 ベンチレーター など ウッタルプラデ シュ州ノイダ 1997 年 2 月 ウッタルプラデ シュ州 1985 年 1 月 ル ー ム ミ ラ ー A'ssy な ど ハリアナ州グル ガオン 1996 年 11 月 ステアリングホ イ ー ル 、エ ア バ ッ ク モ ジ ュ ー ル 、内 外装品 ブレーキ/アク セル/クラッチ ペ ダ ル 、ペ ダ ル サ ポート シ ー ト A'ssy、 ド ア ト リ ム 、ル ー フ ラ イ ニ ン グ 、サ ン バ イ ザ ー 、フ ロ ア カ ー ペ ッ ト 、サ イ レンサーなど バンガロール 1999 年 12 月 バンガロール 1999 年 11 月 バンガロール 1999 年 11 月 54 森六 (Moriroku UT India Pvt. Ltd.) インストルメン ト パ ネ ル 、コ ン ソ ー ル 、グ ロ ー ブ ボ ッ ク ス 、ロ ア ス カ ー ト 、ト リ ム ホ イ ー ル カ バ ー 、パ ネ ルメーターなど 自動車用樹脂部 品 ウッタルプラデ シュ州ノイダ 1997 年 12 月 年 現地生産品目 ワイヤハーネス、 スイッチ 所在地 ハリアナ州マネ サール 操業時期 2005 年 12 月 ヘ ッ ド ラ ン プ 、リ ヤコンビネーシ ョ ン ラ ン プ 、フ ォ グ ラ ン プ 、サ イ ド ターンシグナル ラ ン プ 、ハ イ マ ウ ントストップラ ン プ 、ル ー ム ラ ン プ 、リ ヤ ガ ー ニ ッ シ ュ ラ ン プ 、ラ イ センスプレート ランプ ヘ ッ ド ラ ン プ 、リ ヤ ラ ン プ 、リ ヤ パ ネルガーニッシ ュ 、フ ラ ッ シ ャ ー ランプ、車幅灯、 ル ー ム ラ ン プ 、イ ンテリアランプ など ワイヤーハーネ ス ( ケ ー ブ ル &ハ ー ネ ス A’ssy、 リ ー ド ワ イ ヤ ー 、バ ッテリーケーブ ル 、フ ラ ッ ト ケ ー ブ ル ハ ー ネ ス 、ハ イテンションコ ード、ターミナ ル、コネクター、 キ ャ ッ プ &ス リ ー プ 、ヒ ュ ー ズ ボ ッ クス) アウトサイド/ インサイドドア ハ ン ド ル 、ウ イ ン ドレギュレータ ー ハ ン ド ル 、ガ ー ニッシュ、トリ ニューデリー 1994 年 10 月 資 本 参加 ニューデリー 1994 年 10 月 資 本 参加 ウッタルプラデ シュ州 1986 年 12 月 資 本 参加 ウッタルプラデ シュ州ノイダ 1997 年 4 月 【車体電装品】 部品メーカー ASTI (ASTI Electronics India Pvt. Ltd.) 小糸製作所 (India Japan Lighting Private Ltd.) スタンレー電気 (Lumax Industries Ltd.) 住友電装 (Motheson Sumi Systems Ltd.) 住友電装 (Sumi Motheson Innovative Engineering, Ltd.) 55 デンソー (Pricol Ltd.) 東海理化 (Mindarika Pvt. Ltd.) 日本精機 (JNS Instruments Ltd.) ハイレックスコ ーポレーション (Hi-Lex India Private Ltd.) フェニックス電 機 (Phenix Lamps India Ltd.) ミツバ (Mitsuba Sical India Ltd.) ム、クラスター、 センター/サイ ド ル ー バ ー 、ア ッ シ ュ ト レ イ 、ア シ ス ト グ リ ッ プ 、グ ラ ブ レ ー ル 、リ ザ ーバー、タンク A'ssy 、 グ ロ ー ブ ボックスリッド、 カーエアコン部 品 、ギ ア シ フ ト ノ ブ 、イ ン パ ネ カ バ ー 、ヒ ュ ー ズ ボ ッ ク ス A'ssy、 ワ イ ヤハーネスコネ ク タ ー &カ プ ラ ー、ターミナル、 キ ャ ッ プ &カ バ ー など メ ー タ ー 、ク ラ ス タ ー 、イ ン ジ ケ ー タ ー ケ ー ブ ル 、ウ インドウォッシ ャーモーターユ ニ ッ ト 、シ ガ ー ラ イター、スイッ チ 、警 告 ラ ン プ な ど レバーコンビネ ーションスイッ チ 、ウ イ ン ド レ ギ ュレータースイ ッ チ 、油 圧 ス イ ッ チ 、各 種 小 物 ス イ ッチ コンビネーショ ンメーター タミールナドゥ 州コインバトル 1997 年 4 月 資 本 参加 ハリアナ州グル ガオン 1996 年 1 月 ハリアナ州グル ガオン 2001 年 12 月 資 本 参加 コントロールケ ー ブ ル 、ウ イ ン ド レギュレーター ハリアナ州グル ガオン 2000 年 8 月 自動車用ハロゲ ンランプ ウッタルプラデ シュ州ノイダ 1992 年 5 月 ワイパーモータ ー 、リ ン ク 、フ ァ ン モ ー タ ー 、ウ ォ ッシャーポンプ など チェンナイ 2001 年 3 月 56 【用品】 部品メーカー ケーヒン (Kehin Panalfa Ltd.) サンデン (Sanden Vilas (India) Ltd.) サンライズ工業 ニチリン (Sunchirin Autoparts India Pvt. Ltd.) ティラド (Tata Toyo Radiator Ltd.) デンソー (Denso India Ltd.) (Subros Ltd.) (Denso Kirloskar Industries Ltd.) (Denso Faridabad Pvt. Ltd.) 東海ゴム工業 (Tokai Imperial India Private, Ltd.) 矢崎総業 (Tata Yazaki AutoComp Co., Ltd.) ユーシン (Jay Yuhsin Ltd.) 現地生産品目 カーエアコンシ ステム 所在地 ウッタルプラデ シュ州ノイダ 操業時期 1998 年 7 月 カーエアコン用 コンプレッサー、 エバポレーター、 コンデンサー、 HVAC ユ ニ ッ ト など カーエアコン用 ホ ー ス 口 金 、リ キ ッ ド パ イ プ 、チ ャ ージバルブアダ プタ ヒーターコア ハリアナ州ファ リダバード 1982 年 9 月 バンガロール 2006 年 4 月 マハラシュトラ 州プネ 1998 年 10 月 コンデンサーな ど カーエアコンシ ステム、ヒータ ー 、エ バ ポ レ ー タ ー 、コ ン プ レ ッ サ ー、コンデンサ ー、ブロワー カーエアコンシ ステム HVAC ユ ニ ッ ト 、 カーヒーター エアコンホース など自動車用ホ ース ウッタルプラデ シュ州 ニューデリー 1985 年 1 月 Tumkur 1999 年 11 月 ハリアナ州ファ リダバード ハリアナ州ファ リダバード 2001 年 3 月 資 本 参加 2007 年 7 月 ワイヤハーネス マハラシュトラ 州プネ 1999 年 6 月 キ ー セ ッ ト 、コ ン ビネーションス イ ッ チ 、ド ア ラ ッ チ 、イ ン ス ト ル メ ントパネルスイ ッ チ 、ヒ ー タ ー コ ントロール ハリアナ州グル ガオン 1989 年 8 月 1986 年 6 月 ◆その他部品 ここ数年で動きのあった、主な部品メーカーの状況は以下の通りである。 【エイチワン】 ・ 現 地 SIEL グ ル ー プ と 合 弁 会 社 H-one India Pvt., Ltd.を 設 立 ・ フ ロ ン ト バ ル ク ヘ ッ ド 、リ ヤ フ レ ー ム 、フ ロ ン ト サ イ ド フ レ ー ム 、イ ン サ イ 57 ドフレームなどの車体プレス部品を製造 ・ 2005 年 2 月 か ら 、 コ ス ト 削 減 の 一 環 と し て 、 イ ン ド 拠 点 で 製 作 し た 金 型 を 日本や中国の自社工場に輸出 ・ 2006 年 、 関 連 設 備 を 増 強 し 、 金 型 の 生 産 能 力 を 年 間 24 型 か ら 50 型 に 増 強 【三恵技研工業】 ・ 当 初 は 、現 地 排 気 系 部 品 メ ー カ ー Mark Exhaust systems Ltd. に 技 術 供 与 し 、 ホ ン ダ の 二 輪 車 ・四 輪 車 向 け に 納 入 す る マ フ ラ ー を 生 産 ・ 2003 年 8 月 、 自 社 拠 点 Sankei giken Pvt., Ltd.を 設 立 。 ホ ン ダ の 二 輪 車 向 けにマフラーのクロムめっき処理 ・ 2007 年 末 か ら 、ク ロ ム め っ き 処 理 を 四 輪 車 向 け ボ デ ィ 部 品 に 拡 大 す る た め 、 関連設備の導入を実施 主なその他部品メーカーの、現地生産品目と所在地、操業開始時期は、以 下の通りである。 <その他部品メーカーのインドにおける生産状況> 【その他部品メーカー】 部品メーカー 現地生産品目 荒井製作所 リードバルブ、O (Hi-Tech Arai リ ン グ 、オ イ ル シ Ltd.) ール、ガスケッ ト 、パ ッ キ ン 、ゴ ム成型品 五 十 嵐 電 機 製 作 シ ー ト・パ ワ ー ウ 所 イ ン ド・ハ ッ チ バ (IGARASHI ッ ク ド ア ・ス ラ イ Motors India ド ド ア な ど 向 け Pvt. Ltd.) 小 型 ブ ラ シ・ギ ア ー ド・ DC モ ー タ ー 、ギ ア 、ス テ ッ ピングなどモー ター部品 エイチワン 金型など (H-one India Pvt. Ltd.) NOK オイルシール、O (Sigma リ ン グ 、カ セ ッ ト Freudenberg シ ー ル 、シ リ ム シ NOK Pvt.Ltd.) ーリング製品な ど 三恵技研工業 四輪車用ボディ (Sankei Giken 部 品 の ク ロ ム め India Pvt. Ltd.)) っ き 処 理 スタンレー電気 ランプ金型 (Lumax Industries Ltd.) 所在地 タミールナドゥ 州マドゥーライ 操業時期 1994 年 3 月 資 本 参加 チェンナイ 2003 年 7 月 完 全 子会社化 ウッタルプラデ シュ州 1999 年 6 月 ニューデリー 2001 年 10 月 ハリアナ州 2003 年 8 月 設 立 ハリアナ州マネ サール 2002 年 9 月 58 大同メタル工業 (BBL Daido Private Ltd.) ポリマーベアリ ン グ 、ラ バ ー ブ ッ シュ タミールナドゥ 州 2002 年 10 月 ( 2) 農 業 機 械 ①一般農業機械 インドでは農業機械、作業機、農具は、村の職人、小規模農機工場及び組 織化された大規模農業機械工場などで製造されている。政府は農業機械の品 質改善のために外国企業との合弁を奨励しており、組織化された農業機械工 場には、海外から最新の生産設備や製造技術を導入しているところもある。 国内で製造されている農業機械は、トラクター、ディーゼルエンジン、電 動モーター、潅漑ポンプ、スプレーヤー、ダスター、パワーティラー、収穫 後の処理機械、畜産機械、ブルドーザーなど多岐にわたる。 政府は農業の機械化を推進しており、各種機械の試験や新製品の展示・試 乗会などを支援している。 <インドの一般農業機械の市場規模> (1000万ルピー、年度) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 生 産 424.9 450.1 475.1 485.0 500.0 650.0 輸 出 83.4 87.9 127.1 161.3 136.3 218.8 輸 入 国内市場 29.7 371.2 65.7 427.9 100.9 448.9 137.5 461.2 145.7 509.4 279.0 710.2 (資料)CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) < 市 場 規 模 ( 国 内 生 産 +輸 入 -輸 出 ) と 主 要 メ ー カ ー ( 金 額 、 2008 年 度 ) > (1000万ルピー) 1000 VST Tillers & Tractors 800 20.6% 600 Tractors & Farm Equipment Kerala Agro Machinery 44.3% 400 Aspee Agro Equipment 17.7% 200 3.6% 4.3% 9.6% Navyug Krishi Sadhan その他 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年度) ( 資 料 ) CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) ②トラクター イ ン ド に お け る ト ラ ク タ ー の 生 産 は 順 調 に 拡 大 し 、 1997 年 度 か ら 2000 年 度 に か け て 毎 年 25 万 台 を 超 え た 。そ の 後 、ト ラ ク タ ー 在 庫 の 積 み 上 げ 、天 候 不順による農業生産の低迷、農家所得の伸び悩み、などを背景に生産は低迷 59 し た 。 し か し 、 2003 年 度 の 17.9 万 台 を 底 に 、 在 庫 調 整 の 進 展 、 農 業 生 産 の 回復、農家向け融資の拡大、灌漑施設の整備などを背景に、生産台数は拡大 基 調 を 持 続 し て い る 。 2008 年 度 の 生 産 台 数 は 34.0 万 台 で あ っ た 。 ト ラ ク タ ーの普及に伴って、牽引作業機であるカルチベーター、ディスクハロー、デ ィスクプラウなどの生産も増えている。 <インドのトラクターの市場規模> (1000万ルピー、年度) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 生 産 5,090.0 6,700.0 8,000.0 10,000.0 11,000.0 12,000.0 輸 出 393.3 591.5 991.2 1,293.6 1,513.4 1,841.1 輸 入 国内市場 7.4 4,704.1 7.2 6,115.7 24.3 7,033.1 25.0 8,731.4 17.3 9,503.9 25.5 10,184.4 (資料)CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) < 市 場 規 模 ( 国 内 生 産 +輸 入 -輸 出 ) と 主 要 メ ー カ ー ( 金 額 、 2008 年 度 ) > Mahindra & Mahindra (1000万ルピー) 12000 17.4% 10000 36.3% 8.3% 8000 Tractors & Farm Equipment Escorts International Tractors 6000 8.7% 4000 13.5% 2000 15.9% New Holland Fiat (India) その他 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年度) ( 資 料 ) CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) 近年、従来のような人力や家畜を使った農作業は少なくなりつつあり、各 種の農業機械の利用が急速に進みつつある。 農業機械市場の特徴は、トラクターが圧倒的なシェアを持っていることで あり、また、トラクター単体での利用に加えて、トラクターが牽引して利用 する機械が多いことである。 インドでは農産品の単収が少なく、労働力の不足、機械化の遅れ、灌漑整 備の遅れなどから、ほとんどが一期作である。また、国土面積に比較して耕 地面積が少なく、農地の開拓が急がれている。 このような状況の下で、インドの農業機械市場は急拡大している。インド 経済が低迷していた時でも、農業機械市場は拡大してきた。①農業に従事す る労働力の不足、②農業への政策的支援の増大、③農業機械購入のためのロ ーンの拡大などを背景に、農業の機械化が急速に進んでいる。農業政策の中 心は機械化の推進であり、低利の政策融資が行われている。 60 輸出に関しては、世界中で最も安価にトラクターを製造できる国がインド であり、インド製トラクターが世界中の発展途上国や米国などへ輸出されて い る 。 ヨ ー ロ ッ パ で 使 用 さ れ る ト ラ ク タ ー の 最 小 サ イ ズ は 75HP で あ る 。 耕 作 面 積 が 大 き い の で 75HP 以 下 の ト ラ ク タ ー は 使 用 さ れ て い な い 。 一 方 、 イ ン ド で は 耕 作 面 積 が 小 さ い の で 、 40HP 前 後 の ト ラ ク タ ー が 主 流 で あ る 。 そ の 結 果 、 75HP 以 下 の 国 際 市 場 に お け る イ ン ド 製 ト ラ ク タ ー の 競 争 力 は 非 常 に高い。 ト ラ ク タ ー は 耕 作 用 に だ け 使 用 さ れ て い る 訳 で は な い 。空 港 で の 貨 物 運 搬 、 土 木 工 事 現 場 で の 運 搬 、 人 の 運 搬 な ど 、 多 目 的 で 使 用 さ れ て い る 。 40HP ト ラ ク タ ー の 市 販 価 格 は 400,000Rs 前 後 で あ る 。 1960 年 ま で ト ラ ク タ ー の 需 要 は 全 て 輸 入 に 頼 っ て い た 。 し か し 、 1961 年 に な る と 、 Eicher Tractor と Tractors & Farm Equipment が 海 外 メ ー カ ー の 協 力 を 受 け て 国 内 生 産 を 開 始 し た 。 そ の 後 も 、 ト ラ ク タ ー の 輸 入 は 1977 年まで続いたものの、上記の 2 社以外にも多くのメーカーが海外メーカーと 提携を行い国内生産を開始、また、一部のメーカーは独自に技術開発を行っ て生産を始めた。この時期に、海外企業からノウハウを導入して国内生産を 開 始 し た 代 表 的 な メ ー カ ー と し て は 、Gujarat Tractors( 生 産 開 始 1963 年 )、 Escorts ( 同 1966 年 )、 International Tractors (India) ( 同 1966 年 )、 Hindustan Machine To ols( 同 1977 年 )な ど が 挙 げ ら れ る 。ま た 、独 自 に 技 術 開 発 を 行 っ た メ ー カ ー と し て は 、 Punjab Tracto rs( 同 1974 年 ) が あ る 。 また、その後も多くの国内メーカーが、海外企業との提携や独自技術の開発 に よ り 市 場 に 参 入 し た 2。 現地調査におけるインドトラクター工業会へのヒアリング結果は以下のと おりである。 ・ メ ン バ ー の う ち 大 手 は 12 社 。 第 1 位 は 、 Mahindra & Mahindra( 2009 年 度 の 生 産 台 数 17.7 万 台 で 世 界 第 1 位 )、 以 下 、 TAFE、 Escorts な ど 。 ・ 2009 年 度 の 生 産 台 数 は 44 万 台 、 前 年 度 比 26% 増 。 こ の う ち 国 内 40 万 3000 台 ( 同 30% 増 )、 輸 出 3 万 7000 台 ( 同 9% 増 )。 主 な 輸 出 先 は 、 米 国、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、トルコなどの中東(中国 市 場 は 中 国 産 が 主 流 )。 2010 年 も 30% 前 後 の 伸 び が 期 待 さ れ る 。 ・ イ ン ド 製 ト ラ ク タ ー は 、 小 型 の 農 業 用 以 外 ( 30 馬 力 以 上 40 馬 力 未 満 、 20 馬 力 以 上 30 馬 力 未 満 ) の 販 売 が 多 く 、 輸 送 や 建 設 な ど の 用 途 に も 使 われている。 ・ 平 均 価 格 は 40 万 ル ピ ー 。 ・ トラクターの製造はデザインとアッセンブル、エンジンの内製などは自 社で行っているが、部品は地場の部品メーカーから調達している。これ らの部品メーカーは、自動車やトラックの部品も生産している。 ・ イ ン ド の 農 業 機 械 の 市 場 規 模 は 、 2008 年 で 73 億 ド ル と な っ て い る 。 ・ 農業機械メーカーの場合、エンジン、ブレーキ、トランスミッションな 2 インド農務省農業協力部 61 どの基幹部品は輸入または一部内製しているが、その他の部品は部品産 業から調達している。多くの部品メーカーが自動車部品メーカーと共通 である。特に、トラクターの場合はそうである。 インドにおける農業機械の主要メーカーは、以下の通りとなっている。 Mahindra & Mahindra Limited マ ヒ ン ド ラ &マ ヒ ン ド ラ ( Mahindra & Mahindra Limite d ) は 、 イ ン ド のコングロマリットの一つであるマヒンドラ・グループの中核企業である。 1945 年 10 月 に マ ヒ ン ド ラ &モ ハ メ ッ ド ( Mahindra & Mo hammed ) と し て 設 立 さ れ 、 1948 年 に マ ヒ ン ド ラ &マ ヒ ン ド ラ へ 社 名 を 変 更 し た 。 1947 年には、ジープの生産を開始している。 現 在 、 17 分 野 に お い て 多 角 的 な 事 業 展 開 を 行 っ て お り 、 主 要 分 野 は 航 空 宇宙から自動車、二輪車、農業機械、自動車部品まで極めて多岐にわたる。 トラクター分野においては、インド市場ではトップメーカーで、4 割強の シ ェ ア を 持 っ て い る 。 ま た 、 過 去 25 年 間 に 渡 り 、 イ ン ド 市 場 に お い て マ ー ケ ッ ト リ ー ダ ー を 維 持 し て い る 。ま た 、世 界 的 に も 、第 4 位 の 生 産 金 額 を 誇 っ て お り 、世 界 一 の 農 業 機 械 生 産 企 業 と な る こ と を 目 標 に 掲 げ て い る 。な お 、 生産台数では、同社は既に世界一となっている。 最 近 5 年 間 の 同 社 の イ ン ド 国 内 に お け る ト ラ ク タ ー の 販 売 動 向 は 、以 下 の 通りとなっている。 < マ ヒ ン ド ラ &マ ヒ ン ド ラ の 国 内 ト ラ ク タ ー 販 売 の 推 移 > (台) 年度 販売台数 2006 78,048 2007 95,006 2008 90,509 2009 113,269 2010 166,358 (資料)同社ホームページ ま た 、同 社 の 資 料 に よ れ ば 、最 近 3 年 間 の イ ン ド の ト ラ ク タ ー 市 場 に お け る上位メーカーのシェアは以下の通りとなっている。 <インドのトラクター市場におけるシェアの推移> (%) TAFE Escorts Sonalika Ford John Mahindra Eicher Ne Deere & Holland M hindra 2008 38.9 23.5 14.7 9.8 5.3 3.6 2009 40.8 22.3 13.5 8.9 5.3 3.1 2010 41.4 22.0 13.3 8.7 4.8 2.8 (資料)同社ホームページ ( 注 ) 統 計 ベ ー ス が 異 な る た め 、 前 掲 の CMIE に よ る 市 場 シ ェ ア と は 異 なる。 年度 現 在 、 品 質 管 理 、 生 産 管 理 に 力 を 入 れ て お り 、 日 本 式 の 品 質 管 理 ・生 産 管 理 手 法 に つ い て 、 日 本 の 大 学 教 授 か ら 指 導 を 受 け て い る 。 ま た 、( 財 ) 日 本 62 科 学 技 術 連 盟 か ら TQM を 学 ん だ 。 工 場 内 で は 、 多 く の 日 本 語 の 標 語 や 生 産 管理表などが使われている。 こ れ ま で 、 2003 年 に デ ミ ン グ 賞 を 受 賞 し 、 2007 年 に は 、 Japan Quality Medal を 受 賞 し た 。 農 業 機 械 の 組 み 立 て 工 場 の ラ イ ン は 自 動 化 さ れ て お り 、イ タ リ ア 製 や 米 国 製 な ど の 製 造 設 備 ・機 械 を 多 く 導 入 し て い る 。 一 方 、 エ ン ジ ン 工 場 は 自 動 化 さ れ て い な い 。エ ン ジ ニ ア に は 、デ ィ プ ロ マ エ ン ジ ニ ア を 採 用 し て お り 、ワ ーカークラスは高卒レベルを採用している。 部 品 は 80% が 外 部 か ら の 調 達 で 、 20% を 内 製 し て い る 。 外 部 の サ プ ラ イ ヤ ー は 約 200 社 あ る 。サ プ ラ イ ヤ ー に 対 し て は 、技 術 指 導 や 資 金 援 助 な ど の 様々な支援を行っている。 工 作 機 械 の 選 定 基 準 は 、① 評 判 の よ さ 、② 経 歴 、③ サ ー ビ ス 体 制 、④ コ ス ト ( ラ ン ニ ン グ コ ス ト も 含 む )、 ⑤ 納 期 の 5 点 を 総 合 的 に 判 断 し て 決 め る と のことであった。選定基準の優先順位はこの順番のとおりである。 TAFE 【 TAFE 社 概 要 】 TAFE( Tractors & Farm Equipme nt Limite d) 社 は 、 農 業 関 連 製 品 な ど の 製 造 を 中 心 と す る Amalgamatios Group( グ ル ー プ 全 体 で 43 社 、 15,000 人超の従業員を擁す)に属する。 同 社 は 、 イ ン ド 国 内 に ト ラ ク タ ー 製 造 3 工 場 ( Che nnai 、 Madurai 、 Bangalore)を 保 有 し て い た 。5 年 前 に Eicher を 買 収 し 、新 た に Mandideep ( Bhopal)、 Alwar、 Parwanoo の 3 工 場 ・ 研 究 施 設 が 加 わ っ た 。 こ れ ら の う ち 、Mandideep は R&D 施 設 で あ る 。同 グ ル ー プ は Mahindra & Mahindra に 次 ぐ イ ン ド 第 2 位 の ト ラ ク タ ー メ ー カ ー で あ る 。ま た 、世 界 の ト ッ プ 5 社 の 一 つ で あ る 。 輸 出 で は イ ン ド 第 1 位 で あ る ( 2010 年 )。 同 社 が 製 造 し て い る ト ラ ク タ ー の ブ ラ ン ド は 、 ① Massey Ferguson 、 ② TAFE、③ Eicher の 3 つ で あ る 。こ の う ち 、Massey Fe rguso n は 、も と も と カ ナ ダ を ベ ー ス に し た 農 業 機 械 メ ー カ ー で あ る 。 1995 年 に AGCO に 買 収 さ れ 、 現 在 、 世 界 的 な ブ ラ ン ド ネ ー ム と し て 残 っ て い る 。 Eicher は Massey Ferguson が 1973 年 に 買 収 し た ド イ ツ の 農 業 機 械 メ ー カ ー で あ る 。 TAFE の チ ェ ン ナ イ 工 場 は マ シ ニ ン グ を 中 心 と し 、一 部 で サ ブ ア ッ セ ン ブ リ ー も 行 っ て い る 。ギ ア ボ ッ ク ス の サ ブ ア ッ セ ン ブ リ ー は 、全 量 ブ ラ ジ ル へ 輸 出 さ れ て い る 。 英 国 へ の 輸 出 用 ト ラ ク タ ー は 全 量 が Madurai 工 場 で 生 産 さ れ て い る 。Bangalore 工 場 の 生 産 は 全 量 が 国 内 向 け ト ラ ク タ ー で あ る 。現 在 同 社 が 生 産 し て い る ト ラ ク タ ー は 、小 型 は 30HP 以 下 の も の が あ り 、大 型 は 75HP ま で で あ る 。 Amalgamations グ ル ー プ の 会 社 が 、 TAFE 社 ト ラ ク タ ー 用 の 部 品 の 多 く を 生 産 し て い る 。例 え ば 、エ ン ジ ン 、ク ラ ッ チ 、バ ッ テ リ ー 、ワ イ ヤ ハ ー ネ ス な ど は グ ル ー プ 企 業 が 製 造 し て い る 。小 型 鋳 造 ・ 鍛 造 部 品 は 地 場 企 業 か ら 調 達 し て い る が 、大 型 ハ ウ ジ ン グ な ど は グ ル ー プ 内 で 製 造 し て い る 。合 計 し て 、 ト ラ ク タ ー 部 材 の 約 50~ 60% を グ ル ー プ 内 で 製 造 し て い る 。 Massey Ferguson ブ ラ ン ド の 小 型 機 は TAFE で 製 造 さ れ 、 世 界 各 国 で 販 売されている。 【 TAFE 工 場 に お け る 日 本 製 工 作 機 械 の 使 用 状 況 】 同 社 は 、 5 年 前 ま で SPM( Special Purpose Machine) に よ る セ ル 生 産 方 式 を 採 用 し て い た た め 、マ シ ニ ン グ セ ン タ な ど を 中 心 と す る 日 本 製 工 作 機 械 をほとんど保有していなかった。4 年前以降、生産ラインに柔軟性を持たせ 63 る た め 、マ シ ニ ン グ セ ン タ を 配 置 す る よ う に し た 。こ れ に よ り 、同 一 ラ イ ン に お い て 、同 型 の キ ャ ス テ ィ ン グ か ら 、異 な る 機 種 の た め の ギ ア ボ ッ ク ス に 対 す る 異 な る 機 械 加 工 を 行 う こ と が 可 能 と な っ た 。こ の フ レ キ シ ブ ル 生 産 ラ イ ン の 中 核 設 備 は 日 本 製 横 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ で あ る 。ま た 、ド イ ツ や 英 国 の工作機械も使用している。 工 作 機 械 の 選 択 は 非 常 に 慎 重 に 行 っ て い る 。ま ず 、工 作 機 械 の 図 面 を 検 討 し、仕様をチェックし、自社の要求水準に最適かどうかを確認する。次に、 複 数 の 候 補 製 品 を 比 較 検 討 し 、カ タ ロ グ 以 外 の 詳 細( 例 え ば 、ボ ー ル ス ク リ ュ ー の サ イ ズ 、1 ボ ー ル ス ク リ ュ ー か 2 ボ ー ル ス ク リ ュ ー か の 違 い 、ボ ー ル ス ク リ ュ ー の 冷 却 方 法 、ス ピ ン ド ル の 製 造 方 法 、マ ガ ジ ン の 詳 細 、大 型 部 品 の 加 工 が 必 要 な 場 合 の リ ー ド タ イ ム 等 )な ど に つ い て 、工 作 機 械 メ ー カ ー か ら直接聴取したうえで決定を行っている。日本と欧州の工作機械について、 こ の よ う な 検 討 を 行 っ た 結 果 、TAFE は 日 本 製 の マ シ ニ ン グ セ ン タ を 選 ん だ 。 日 本 製 工 作 機 械 は 韓 国 製 工 作 機 械 よ り 明 ら か に 価 格 が 高 い 、ま た 一 部 の ヨ ー ロ ッ パ 製 よ り も 高 い 。マ キ ノ 、森 精 機 、マ ザ ッ ク な ど は 性 能 的 に ほ ぼ 同 水 準 で あ る が 、い ず れ も 高 価 格 で あ る 。し か し 、最 初 の 購 買 価 格 だ け で 安 価 な 製品を選ぶと、故障などが頻発した場合、結果的にコスト高となる。 こ の 4 年 間 、 毎 年 4~ 5 台 の 日 本 製 マ シ ニ ン グ セ ン タ を 購 入 し て い る 。 い ず れ も 高 価 格 だ が 、性 能 が 優 秀 で 、メ ン テ ナ ン ス サ ポ ー ト 体 制 が し っ か り し て い る 。 結 果 的 に 生 産 性 を 引 上 げ 、 材 料 を 節 約 で き 、 TAFE は 非 常 に 満 足 し て い る 。総 合 的 に 判 断 す れ ば 、日 本 製 工 作 機 械 は 、当 初 の 販 売 価 格 は 高 い も ののランニングコストは低い。今後も精密な機械加工を要する生産工程で は 、こ れ ら 日 本 製 工 作 機 械 の 購 入 を 考 え て い る 。一 方 、精 度 が そ れ ほ ど 重 要 でない加工においては、韓国製機械も検討する。 【日本製工作機械の問題】 日 本 製 の 第 1 の 問 題 は 、メ ー カ ー に よ っ て は 直 接 販 売 を 行 わ ず 、デ ィ ー ラ ー 経 由 で 販 売 し て い る こ と で あ る 。機 械 の 信 頼 度 は デ ィ ー ラ ー と ユ ー ザ ー と の 関 係 に 影 響 を 受 け 、メ ー カ ー に と っ て 大 き な リ ス ク と な る 。デ ィ ー ラ ー の 多 く は 、自 分 の も う け を 増 や す こ と に 最 大 の 興 味 を 持 ち 、ユ ー ザ ー 満 足 度 を 引上げようとは考えていない。 こ の 点 に お い て は 、マ キ ノ( バ ン ガ ロ ー ル )、マ ザ ッ ク( プ ネ )、森 精 機( イ ン ド で は DMG 社 が 販 売 支 援 )は い ず れ も イ ン ド 国 内 に お い て 直 接 ユ ー ザ ー に対するサービス支援を行っている。 第 2 の 問 題 は 、柔 軟 性 が 少 な く 、仕 様 の 変 更 な ど に 対 応 し て く れ な い こ と で あ る 。こ の 点 に つ い て 、日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー は TAFE 生 産 ラ イ ン に 合 わ せ て 、価 格 の 上 乗 せ な し に 、機 械 の 仕 様 を 変 更 し て く れ た 。非 常 に ユ ー ザ ー志向の態度であり、満足している。 第 3 の問題は円高である。その他の問題として、最近は改善しているが、 日 本 メ ー カ ー の エ ン ジ ニ ア と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に は 困 難 さ が あ る 。通 訳 な ど を 介 す る と 技 術 面 で の 会 話 が 十 分 に 行 え な い の で 、TAFE エ ン ジ ニ ア は 工 作 機 械 メ ー カ ー の エ ン ジ ニ ア と 直 接 コ ミ ュ ニ を 行 い た い 。ま た 、一 部 の 日 本メーカーのレスポンスが最近悪化している。コスト削減圧力などのため に、十分なユーザーサービスが行えないのではないかと懸念している。 【韓国製工作機械、ドイツ製工作機械の評価】 TAFE が 保 有 し て い る 韓 国 製 工 作 機 械 は 少 な く 、特 に マ シ ニ ン グ セ ン タ は ゼ ロ で あ る 。現 代 製 は 日 本 製 と 比 べ て 価 格 は 半 額 程 度 で あ る 。し か し 、機 械 性 能 に は 大 き な 差 が あ る 。大 型 部 品 を 加 工 す る た め の 付 属 装 置 や FANUC の 制 御 装 置 な ど を 追 加 す る と 、韓 国 製 の 価 格 は 非 常 に 高 く な る 。ま た 、耐 久 性 64 に お い て 、韓 国 製 は 日 本 製 よ り か な り 劣 る 。以 上 の 理 由 か ら 、正 確 さ が 求 め られる加工には日本製を使用し、韓国製は単純な荒削りに使用している。 ドイツ製は非常に頑丈でかつ精緻に作られている。しかし、価格も高い。 ド イ ツ 製 は ソ フ ト ウ ェ ア と し て SIEMENS シ ス テ ム を 採 用 し て い る も の が 多 い 。SIEMENS は 性 能 が い い か も し れ な い が 、イ ン ド に お け る サ ポ ー ト 体 制 は 十 分 で な い 。 TAFE は FANUC シ ス テ ム を 採 用 し て い る が 、 非 常 に 使 い や す く 、こ れ ま で に 大 き な 問 題 を 生 じ た こ と が な い 。ま た サ ポ ー ト シ ス テ ム も 非 常 に よ い 。TAFE の オ ペ レ ー タ ー の 多 く が FANUC の 操 作 方 法 を 熟 知 し て い る 。 従 っ て 、 TAFE が 仮 に 韓 国 製 を 購 入 す る 場 合 で も FANUC を 装 置 す ることを要求するだろう。 ( 3) 建 設 機 械 ①ブルドーザー 2008 年 度 の 市 場 規 模 は 、ブ ル ド ー ザ ー( Earth moving machinery)が 1,135 億 ル ピ ー ( 約 2,200 億 円 )、 そ の 他 建 設 機 械 ( Co nstruction machine ry) が 144.6 億 ル ピ ー ( 約 280 億 円 ) で あ る 。 主 要 な 需 要 分 野 は 、 建 築 、 鉱 業 ( 採 鉱 )、イ ン フ ラ 建 設 で あ り 、世 界 経 済 の 低 迷 に よ る 一 時 的 な 落 ち 込 み は あ っ た ものの、近年の経済発展に伴って、いずれの分野も高い成長が続いている。 大型建機を製造している外資企業へのヒアリングによれば、組み立てに使 用する部品・原材料の内、エンジン、ポンプ、ギア関係部品などは輸入して いる。これら重要部品については、主として技術の外部流出を防ぐために本 国の本社工場で生産し、コンポーネントの形で輸入している。但し、シリン ダーについては、インド工場で製造している。同社はインド国内に部品、原 材 料 な ど を 供 給 す る ベ ン ダ ー を 約 200 社 持 つ が 、 全 て 地 場 企 業 で あ る 。 金 型 はインド国内で調達しており、鋳造型については特に技術面の問題はない。 <インドのブルドーザーの市場規模> (1000万ルピー、年度) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 生 産 3,255.6 4,298.5 5,592.7 7,928.3 10,911.8 9,542.2 輸 出 52.5 81.5 79.4 120.4 225.1 355.3 輸 入 国内市場 351.3 3,554.4 487.9 4,704.9 825.1 6,338.4 1,281.6 9,089.5 1,545.5 12,232.2 2,166.7 11,353.6 (資料)CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) 65 < 市 場 規 模 ( 国 内 生 産 +輸 入 -輸 出 ) と 主 要 メ ー カ ー ( 金 額 、 2008 年 度 ) > (1000万ルピー) Telco Construction Equipment Co. JCB India 14000 12000 17.8% 28.2% 10000 BEML 8000 17.0% 6000 8.0% 4000 12.5% 2000 L&T Komatsu Caterpillar India 16.5% その他 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年度) ( 資 料 ) CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) イ ン ド の 大 手 ブ ル ド ー ザ ー メ ー カ ー で 政 府 系 企 業 で あ る Bharat Earth Movers Limited( BEML)と 、1958 年 か ら コ マ ツ と の 間 で 結 ば れ て い た 技 術 援 助 契 約 は 1997 年 に 終 了 し た 。 そ の 後 、 BEML は 自 社 ブ ラ ン ド で ブ ル ド ー ザーの生産を続けている。 ②その他建設機械 IECIAL の 報 告 書 に よ れ ば 、 ク レ ー ン 、 フ ォ ー ク リ フ ト 、 パ イ プ な ど の が 年 平 均 15% 程 度 の 成 長 が 続 く と 予 測 さ れ て い る 。 また、コンクリートポンプ、バッチ混合プラント、混合機械等も、年平均 で 15% 程 度 の 成 長 が 続 く と 予 想 さ れ て い る 。 <インドのその他建設機械の市場規模> (1000万ルピー、年度) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 生 産 342.9 327.8 588.4 854.3 1,380.4 1,430.7 輸 出 4.0 7.2 7.9 16.7 21.7 51.5 輸 入 国内市場 1.4 340.3 5.4 326.0 11.7 592.2 15.4 853.0 16.7 1,375.4 66.6 1,445.8 (資料)CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) 66 < 市 場 規 模 ( 国 内 生 産 +輸 入 -輸 出 ) と 主 要 メ ー カ ー ( 金 額 、 2008 年 度 ) > (1000万ルピー) 1500 23.3% 29.0% Escorts Construction Equipment Creaves Cotton RDC Concrete (India) 1000 Gujart Apollo Industries 4.2% 10.5% 500 11.9% 21.2% Apollo Earth movers その他 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年度) ( 資 料 ) CMIE, Industry Market Size & Shares (April 2010) 外 資 系 の 建 機 メ ー カ ー と し て は 、Caterpillar、日 立 建 機 、Vo lvo、コ マ ツ 、 Case、 Ingersoll Rand、 JCB、 Sandvik、 Atlas Copco な ど の 大 手 企 業 が 、 既 にインドでの事業を始めている。これらのメーカーは、インドでの現地生産 や製品輸入により、インド市場での拡大を図っている。 イ ン ド に お け る 建 設 機 械 の 需 要 は 、現 状 に お い て は 、「 一 般 土 木 建 設 」と「 鉱 山分野」の 2 分野が大きい。以下、これら 2 分野について取りまとめた。 (一般土木建設) これまで、インドの一般土木分野は、機械化・最新技術の導入が遅れてい た。機械化が進んでいたのは、資本投資が可能な大規模インフラプロジェク トに限られており、これ以外の大半を占める中小規模の建設プロジェクトに おいては、労働集約型の人手に頼った施工が中心であった。 し か し 、こ の よ う な 状 況 は 徐 々 に 変 化 し て き て い る 。ま ず 、1990 年 代 の 規 制緩和の進展により、それまで公営セクターが独占していたインフラ整備の 分野が民間に開放されたことがある。これに加えて、ここ数年のインド経済 の拡大に伴い、インフラ整備や住宅建設に関する需要も大きく拡大したこと がある。このような動きを受けて、建設機械に対する需要も大きく伸びてい る。 特に利便性と経済性の両面で優れる油圧ショベルとバックホーローダの拡 大が顕著となっている。なお、一般土木向けの中小型建設機械は、国産機械 が中心となっている。 (鉱山分野) インドは、石炭と鉄鉱石の生産量がそれぞれ世界第 3 位、第 4 位となって おり、世界有数の鉱山資源産出国である。特に、石炭はインドの主要電力源 と な っ て お り 、豊 富 な 埋 蔵 量( 2009 年 末 の 可 採 埋 蔵 量 586 億 ト ン )と 生 産 量 ( 2009 年 2 億 1,150 万 ト ン ) を 誇 る 。 67 インフラ部門と同様に、それまで全て政府の管轄化にあった鉱山運営は、 1991 年 の 規 制 緩 和 に よ り 民 営 化 が 可 能 と な っ た 。し か し 、外 資 の 出 資 比 率 が 51% ま で に 制 限 さ れ て い る こ と に 加 え 、 根 幹 と な る 分 野 で は 、 例 え ば イ ン ド 政 府 系 企 業 の Co al India 社 に よ る 独 占 と な っ て い る 石 炭 産 業 を は じ め 、 依 然政府あるいは公営企業による管理が続いている。このように、インドの鉱 山運営には労働力過剰や採算性の軽視などの効率面での問題は残されている も の の 、近 年 の 資 源 価 格 の 上 昇 や イ ン ド 経 済 の 発 展 に 伴 う 需 要 の 拡 大 に よ り 、 活況を呈している。この結果、鉱山採掘用の大型機械に対する需要が拡大し ており、特に、リジッド式ダンプの需要の伸びが著しい状況である。また、 ホ イ ー ル ロ ー ダ も 、 2004 年 以 降 前 年 比 約 40%超 の 伸 び が 続 い て い る 。 インドの建設機械市場において、需要自体の大きさと伸び率が大きい製品 を み る と 、ク ロ ー ラ 式 油 圧 シ ョ ベ ル 、バ ッ ク ホ ー ロ ー ダ 、リ ジ ッ ド 式 ダ ン プ 、 ホイールローダの 4 品目が挙げられる。以下に、これら 4 品目のインド市場 における概要について示す。 (クローラ式油圧ショベル) インド市場で最も重要な品目の一つとなっている。インド市場への油圧シ ョ ベ ル の 導 入 は 、 1970 年 代 後 半 に 、 イ ン ド の 5 大 財 閥 の 一 つ で 民 間 企 業 で あ る ラ ー セ ン ・ ア ン ド ・ ト ゥ ブ ロ 社 (L&T) が 、 フ ラ ン ス の ポ ク ラ ン 社 の 技 術 提携を受けて生産を立ち上げたのが始まりである。 1980 年 代 に 入 る と 、 日 立 建 機 と Telco Constructio n Equipment Co ( Telcon) が 技 術 提 携 契 約 を 締 結 し 、 Tata-Hitachi ブ ラ ン ド と し て 1983 年 より油圧ショベルの生産を開始した。 ま た 、 同 時 期 に コ マ ツ も 当 時 の 提 携 先 で あ っ た BEML と の 技 術 提 携 を も とに油圧ショベルの生産を開始した。 現 在 で は 、 L&T と コ マ ツ が 合 弁 に よ り 油 圧 シ ョ ベ ル 生 産 を 行 っ て い る 。 イ ン ド の 油 圧 シ ョ ベ ル 市 場 は 、2008 年 の 販 売 数 が 約 8,500 台 と 、中 国 市 場 の 約 7 分 の 1 の 規 模 に と ど ま る 。 し か し 、 2004 年 か ら 2007 年 ま で の 4 年 間 で 2.6 倍 、 年 平 均 37% 増 の ペ ー ス で 急 速 に 成 長 し て い る 。 規 制 緩 和 に 伴 う 建 設 ・工 事 へ の 民 間 企 業 の 参 加 が 増 加 し 、大 規 模 の イ ン フ ラ 整備や外資参加型の工事が増え、工事の専門化、効率化、採算重視に対する ニ ー ズ が 高 ま っ て お り 、油 圧 シ ョ ベ ル の 使 用 が 進 む 大 き な 要 因 と な っ て い る 。 イ ン ド で は 、 ク ロ ー ラ 式 の 需 要 が ほ ぼ 100% で 、 ホ イ ー ル 式 は 年 間 数 台 程 度にとどまる。この背景には、インドでの工事では現場間の長距離の移動が 比較的少ないことと、移動で用いる機械には、価格的メリットからバックホ ーローダが好まれることがある。 ク ロ ー ラ 式 油 圧 シ ョ ベ ル を ク ラ ス 別 に み る と 、 20 ト ン ク ラ ス と 、 20 ト ン ク ラ ス 未 満 の 合 計 で 全 体 の 80%超 と な っ て い る 。 そ の 中 で も 、 特 に 20 ト ン クラスがインド市場では主流となっており、全体の約 5 割を占める。 68 20 ト ン ク ラ ス の 油 圧 シ ョ ベ ル は 、道 路 や ダ ム な ど の イ ン フ ラ 建 設 、都 市 部 でのビル建設などの一般工事、さらに農村部での農道開発やかんがい設備の 工事など幅広い用途で使われており、様々な分野で開発の進むインドで需要 が急拡大している。また、インドではこのクラスでも鉱山向けに使われるこ ともあるため、鉱山需要も見込まれる。 今後についても、石炭・鉄鉱系鉱山及び砕石向けをはじめ、政府が力点を 置いて推し進めるインフラ開発・整備向けを中心に、今後もインドにおける 油圧ショベルに対する需要の拡大が続くことが予測される。 (バックホーローダ) 台数規模でみると最も販売量が多く、有望な品目の一つであるといえる。 イ ン ド 市 場 へ の バ ッ ク ホ ー ロ ー ダ の 導 入 は 、 JCB に よ り 1980 年 代 初 頭 か ら始まった。それ以来、同社は、インドのバックホーローダ市場で常に圧倒 的なトップシェアを占めている。 特 に 、 規 制 緩 和 が 進 ん だ 1990 年 代 半 ば 以 降 、 需 要 が 急 拡 大 し 、 2006 年 に は 1 万 台 の 大 台 に 達 し た 。 そ れ ま で の 10 年 足 ら ず の 期 間 で 、 販 売 が 3 倍 以 上に拡大した。 台数が伸びた一番の理由は、価格の割に機能性に優れている点が挙げられ る。規制緩和に伴う民間企業を中心とする一般土木分野において、企業の求 める上述のニーズにマッチし、特に好んで使用されるようになった。 イ ン ド の バ ッ ク ホ ー ロ ー ダ 市 場 を ク ラ ス 別 に み る と 、0~ 79HP ク ラ ス が 中 心 で 、常 に 全 体 の 95%以 上 を 占 め て 推 移 し て い る 。2003 年 前 後 か ら は 、90HP 以 上 の 大 型 タ イ プ も 増 え つ つ あ る が 、 3~ 4%程 度 の 割 合 に 留 ま っ て い る 。 ま た 、 従 来 、 79HP ク ラ ス を 上 回 る 機 械 を 必 要 と す る ユ ー ザ ー は 、 油 圧 シ ョベルも購入する傾向にあった。しかし、近年、バックホーローダの機能性 と市場優位性とが十分認知され、また、大型タイプに対するニーズの高まり を受け、各メーカーでも大型機械の開発・生産の動きが進む傾向にある。 ト ッ プ メ ー カ ー の JCB が 長 年 に 渡 り 80%近 い 圧 倒 的 な シ ェ ア を 維 持 し 、 マ ー ケ ッ ト リ ー ダ ー と な っ て い る が 、現 在 は 75% 程 度 に 低 下 し た 模 様 で あ る 。 今後の動向については、インドでは今後も高い経済成長が予測され、バッ クホーローダがインフラ関連や一般土木など、経済成長に直接リンクする分 野を需要分野としていることを考えると、今後もバックホーローダの市場は 経済成長と共に拡大を続けるとみられる。さらに、製品の大型化やレンジ拡 大 の 動 き と と も に 、今 後 は 鉱 山 開 発 向 け に も 市 場 が 広 が る こ と も 予 想 さ れ る 。 (リジッド式ダンプ) インドのダンプ市場は、鉱山向けにほぼ限定されていることが大きな特徴 となっている。 既に述べたとおり、インドは石炭の生産で世界第 3 位、鉄鉱石で第 4 位で あるなど世界有数の鉱物資源生産国である。また、石炭、鉄鉱石、金ついて 69 は手付かずの埋蔵量が豊富にあり、将来的な市場としての有望性、潜在力の 高さから、世界でも重要なダンプ市場と位置づけられている。 インドでは、アーティキュレート式ダンプの需要は年間数台程度とほとん ど 無 く 、 ほ ぼ 100% が リ ジ ッ ド 式 ダ ン プ と な っ て い る 。 こ の 背 景 に は 、 イ ン ドの場合、大規模鉱山ではリジッド式ダンプが主に使用される一方で、中小 規模鉱山では低価格なコマーシャルダンプの使用が圧倒的に多いということ がある。鉱山開発時に必要となるアーティキュレート式ダンプは、現在イン ドで国産化されていないため、非効率ながらも、国産のコマーシャルダンプ やリジッド式ダンプの使用を余儀なくされているのが現状である。 イ ン ド 市 場 の 特 徴 を ク ラ ス 別 に み る と 、イ ン ド で は 、31~ 50 ト ン ク ラ ス が 最 大 の 市 場 と な っ て い る 。 ダ ン プ 市 場 全 体 で ト ッ プ 2 を 占 め て い る CAT と BEML は 、 リ ジ ッ ド 式 ダ ン プ の 31~ 50 ト ン ク ラ ス で も 高 い シ ェ ア を 持 っ て お り 、 特 に 、 31~ 40 ト ン ク ラ ス で は 全 体 の 50%近 く を 占 め て い る 。 最 も 需 要 の 大 き い 32 ト ン ク ラ ス は 、CAT-ヒ ン ダ ス タ ン と BEML で 二 分 し ており、石炭鉱山や石灰岩の砕石などの分野で広く利用されている。 こ の 上 の 45 ト ン ク ラ ス で は 、 規 模 が や や 大 き い 石 炭 ・ 鉄 鉱 山 、 電 力 プ ラ ン ト 向 け が 中 心 と な っ て い る 。 31~ 50 ト ン ク ラ ス の 次 に 大 き い の は 21~ 30 ト ン ク ラ ス で 、 こ の 二 つ の ク ラ ス を 合 わ せ る と 、 全 体 の 90%以 上 を 占 め る 。 さ ら に そ の 上 の ク ラ ス で は 75~ 85 ト ン が 中 心 と な っ て お り 、 大 規 模 石 炭 鉱山や金属資源(鉄鉱・銅・亜鉛)鉱山向けに利用されている。 最 大 ク ラ ス の 100 ト ン 以 上 は 、イ ン ド 政 府 系 の 石 炭 会 社 で あ る Coal India 向けが中心で、外資系企業が請け負う鉱山開発向けの需要も出始めている。 イ ン ド の リ ジ ッ ド 式 ダ ン プ 市 場 は 、 BEML、 CAT の 2 社 で 約 8 割 の シ ェ アを占めている。 イ ン ド 最 大 の ダ ン プ メ ー カ ー で あ る BEML は 、 鉱 山 向 け で は CAT と の 競 合が激しいものの、政府系に浸透している。従来、大型クラスには対応して い な か っ た が 、 米 国 の Terex と の 技 術 提 携 に よ り 120~ 360 ト ン の 超 大 型 ク ラスダンプを生産できるようになり、製品レンジの拡大に成功した。これに より、今後、鉱山向けのシェアを一層高めることが期待されている。 シ ェ ア 第 2 位 の CAT は 、自 社 と ヒ ン ダ ス タ ン 社 の 両 ブ ラ ン ド で 25~ 230 ト ンまでの製品を販売しており、幅の広い製品レンジを誇っている。 ダンプ市場の特性として、通常の耐用年数を超えて使用する傾向が強いこ と が あ る 。し か し 一 方 で 、最 近 で は ユ ー ザ ー の 新 規 購 買 意 欲 が 高 ま っ て お り 、 鉱山分野中心に新車購入・切替えサイクルが短縮化する傾向にある。 インドのダンプ需要は、鉱山向けが中心である傾向に今後も変化はないと 見られるが、鉱山開発の活発化に伴い、大きく伸張することが期待される。 (ホイールローダ) 近 年 は 前 年 比 で 20~ 30%超 の 伸 び で 拡 大 し て き て い る も の の 、 市 場 規 模 は 数千台規模に留まる。ホイールローダ市場が小さい理由は、需要自体がそれ 70 ほど大きくないことに加え、油圧ショベルとバックホーローダがホイールロ ーダの代替製品となっていることが大きい。 最 近 2~ 3 年 の 急 激 な 伸 び の 背 景 に は 、 鉱 山 ・ 砕 石 セ ク タ ー や イ ン フ ラ 整 備 関 連 に お い て 、民 間 企 業 向 け を 中 心 と し た 需 要 が 拡 大 し て い る こ と が あ る 。 ク ラ ス 別 の 需 要 に つ い て み る と 、 101~ 150HP の 中 型 ク ラ ス ( 1.7~ 2.0 立 方 m バ ケ ッ ト )が 全 体 の 80%以 上 を 占 め て い る 。価 格 に 対 す る コ ス ト パ フ ォ ー マ ン ス が 高 い こ と と 、 サ ー ビ ス が 整 っ て い る こ と が 評 価 さ れ て い る 。 CATヒ ン ダ ス タ ン の 112HP タ イ プ の み で 、こ の ク ラ ス の 半 分 以 上 の シ ェ ア を 占 め ている。 一 方 、100HP 以 下 の 小 型 ク ラ ス の 需 要 は き わ め て 小 さ い 。こ れ は ユ ー ザ ー がコストメリットを考え、バックホーローダを使用するケースが多いことに よる。 こ れ に 対 し 、 近 年 で は 、 一 段 階 上 の 中 型 ク ラ ス ( 150 ~ 250HP ) の 需 要 が 徐 々 に 増 え る 傾 向 に あ る 。 こ れ は 、 特 に 2004 年 以 降 、 民 間 系 の 鉄 鉱 や 砕 石 (石灰・大理石など)向けに中国製が多く出始めたことによる。 ま た 、 300HP 以 上 の 大 型 ク ラ ス も 、 全 体 の 1~ 2%程 度 と 、 100HP 以 下 と 同様に需要は少ない。 ホ イ ー ル ロ ー ダ 市 場 で は 、2001 年 に イ ン ド・ヒ ン ダ ス タ ン を 買 収 し た CAT が 5 割 強 を 占 め 、 Te lco n (Tata) と JCB が こ れ に 続 い て い る 。 ま た 柳 工 ( Liugong)等 の 中 国 メ ー カ ー が 、低 価 格 を 武 器 に 近 年 台 数 を 伸 ば し て い る 。 近年のインド経済の成長に伴い、ホイールローダに対する需要も他の建機 向けと同様に拡大してきている。今後についても、石炭、鉄鉱石などの鉱山 向けを中心に、需要の拡大が期待されている。 現 地 調 査 に お け る イ ン ド 建 設 機 械 工 業 会( IECIAL)へ の ヒ ア リ ン グ 調 査 の 結果概要は、以下のとおりである。 ・ 現 在 31 社 が 加 入 。こ の う ち 4 社 は フ ァ イ ナ ン シ ン グ 企 業 で 、メ ー カ ー は 27 社 。 ・ 建 機 の 販 売 額 は 、 こ こ 数 年 は 年 30% 程 度 伸 び て い る 。 2007 年 の 販 売 高 23 億 ド ル 、 2015 年 に は 120~ 130 億 ド ル に 達 す る 見 通 し 。 ま た 、 第 11 次 5 カ 年 計 画 で は 、2011 年 度 の イ ン フ ラ 投 資 額 は GDP の 9% に 達 す る 見 通し。 ・ 需 要 産 業 は 55% が 道 路 建 設 、都 市 イ ン フ ラ 整 備 で 、残 り が 、鉱 山 、灌 漑 、 電力、石油・ガス、鉄道など。 ・ 会員には外資系企業も含まれるが、インド地場企業も外国企業と提携し ているケースが多い。 ・ 建 設 機 械 産 業 ( Indian earth moving and co nstruction equipment (ECE) industry) の 市 場 規 模 は 、 2015 年 に は 120~ 130 億 ド ル に 達 し 、 2006 年 の 約 5 倍 と な る 。 ・ 建機部品の調達先は自動車部品メーカーと共通であるケースが多い。 ・ 外国企業の子会社や地場企業の場合でも外国企業と何らかの提携を行っ ているケースがほとんどである。 71 インドにおける建設機械の主要メーカーは、以下の通りとなっている。 JCB India JCB は 、世 界 有 数 の 建 機 メ ー カ ー で あ る 。ジ ョ セ フ ・ シ リ ル ・ バ ム フ ォ ー ド 氏 に よ っ て 1945 年 に 英 国 で 家 族 経 営 会 社 と し て 設 立 さ れ た 。 現 在 、 四 大 陸 で 300 以 上 の 建 機 及 び 農 機 を 製 造 し て い る 。 世 界 3 大 建 機 メ ー カ ー の 一 つ で あ る JCB UK の 100% 子 会 社 で あ る JCB India は 、1980 年 に イ ン ド で の 事 業 を 開 始 し た 。現 在 、同 国 で 最 大 の 建 機 メ ー カ ー で あ り 、イ ン ド で 売 ら れ る 建 機 の 二 台 に 一 台 は JCB 製 で あ る 。ま た 、 インドでは、世界全体の約 3 割を生産している。 工 場 は 、ハ リ ア ナ 州 バ ラ ブ ガ ー ル に 一 つ 、マ ハ ラ シ ュ ト ラ 州 プ ネ に 二 つ の 合計三カ所にある。ハリアナ州の工場はデリー近郊にあり、プネ工場は Talegaon に あ り 、 ム ン バ イ か ら も 車 で 2 時 間 の と こ ろ に 立 地 し て い る 。 生 産 品 目 は 、バ ッ ク ホ ー ロ ー ダ ー 、ホ イ ー ル ロ ー ダ ー 、掘 削 機 、ス キ ッ ド ス テ ア ロ ー ダ ー な ど で あ る 。同 社 は 現 在 イ ン ド の バ ッ ク ホ ー ロ ー ダ ー 市 場 を リ ー ド し て お り 、 そ の マ ー ケ ッ ト シ ェ ア は 75% で あ る 。 ま た 、 そ の 他 の 建 設 機 械 の シ ェ ア は 20% と な っ て い る 。 従 業 員 数 は 、 イ ン ド 全 体 で 約 1,900 名 で あ る 。 年 間 売 上 高 は 、 300 億 ル ピ ー で あ る 。 ハ リ ア ナ 州 バ ラ ブ ガ ー ル に あ る 工 場 で は 、同 社 の 国 際 的 ベ ス ト セ ラ ー で あ る 2 種 類 の 機 械 を 製 造 し て い る 。 40 人 で 行 う こ と が 必 要 な 作 業 を 3 分 で 行 う こ と の で き る 巨 大 な 複 合 加 工 機 、3DX と 4DX バ ッ ク ホ ー ロ ー ダ ー で あ る 。 工 場 長 は 英 国 人 が 務 め て い る が 、日 本 式 品 質 管 理 、生 産 管 理 を 導 入 し て い る 。ま た 、コ ス ト 削 減 に も 注 力 し て い る 。部 品 の 調 達 は 、イ ン ド 国 内 か ら が 約 7 割 、英 国 製 が 約 3 割 で あ る 。部 品 の サ プ ラ イ ヤ ー は 、自 動 車 関 連 の 部 品 メーカーが多い。工作機械の選定基準は、コストとサービス体制である。 ハ リ ア ナ 州 バ ラ ブ ガ ー ル 工 場 で は 、 横 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ を 12 台 所 有 し て い る 。こ の う ち 4 台 は 新 規 プ ロ ジ ェ ク ト 用 に 使 っ て お り 、残 り は 主 力 の 掘 削機用高品質ギアボックスの鋳造ケーシングなどの内製加工用などに使用 している。一方、本体部分とパネルの製造は外注することがある。 イ ン ド 市 場 は 、 少 な く と も 今 後 10 年 間 は 高 成 長 が 続 く と み て い る 。 イ ン ド 市 場 で は 、ブ ラ ン ド 力 が 極 め て 重 要 で あ る と 考 え て い る 。競 合 相 手 は 、キ ャタピラー、コマツ、日立などである。 ( 4) 金 型 イ ン ド 金 型 工 業 会 ( TAGMA ) は 、 1990 年 に 設 立 さ れ た 歴 史 の 新 し い 工 業 団 体 で あ る 。 会 員 数 は 2010 年 末 時 点 で 460 社 で あ る 。ム ン バ イ に 本 部 、バ ン ガ ロ ー ル に 支 部 を 置 き 、チ ェ ン ナ イ 、プ ネ に 支 所 を 持 つ 。主 要 金 型 メ ー カ ー の ほ と ん ど が 加 盟 し て い る 。 全 て の 企 業 が 品 質 管 理 の 国 際 標 準 で あ る ISO9001 (ソフトウェアの品質システム審査登録が準拠)を取得している。 TAGMA に よ れ ば 、2007 年 度 の イ ン ド の 金 型 市 場 の 規 模( Too ling)は 約 25 億 ド ル で あ る 。産 業 別 の 割 合 を 見 る と 、上 位 5 分 野 は ① 自 動 車 産 業( シ ェ ア は 52% )、 ② 自 動 車 部 品 ( 同 17% )、 ③ 電 機 ( 同 7% )、 ④ 包 装 ( 同 5% )、 ⑤ プ ラ ス チ ッ ク 部 品 ( 同 4% ) で 、 合 計 し て 市 場 の 85% を 占 め る 。 以 下 、 ⑥ 消 費 財 ( 同 3% )、⑦ 通 信( 2% )、⑧ 一 般 エ ン ジ ニ ア リ ン グ( 2% )、⑨ 電 子 消 費 財( 1% )、 72 ⑩ コ ン ピ ュ ー タ ( 1% )、 ⑪ そ の 他 ( 1% ) と な っ て い る 。 こ の 内 68% の 17 億 ド ル が 国 内 生 産 で 、32% の 8 億 ド ル が 輸 入 で あ る 。近 年 、 輸 送 用 機 器 産 業 の 発 展 な ど を 背 景 に 、国 内 市 場 は 年 率 20% 前 後 で 急 成 長 し て い る 。 ま た 、 輸 出 は 8.5 億 ド ル と な っ て お り 、 年 平 均 15% 前 後 で 増 加 し て い る 。 TAGMA の 報 告 書 (「 The Indian Tool Rooms Industry Report 2008」) に よ れば、この 5 年間で、金型産業の市場規模は 2 倍以上に成長している。 一 方 、金 型 の 種 類 別 需 要 は 、プ ラ ス チ ッ ク モ ー ル デ ィ ン グ( 37% )、シ ー ト メ タ ル 金 型 ( 26 % )、 ダ イ キ ャ ス ト 金 型 ( 14 % )、 鋳 造 金 型 な ど ( 14 % )、 治 具 ・ 工 具 ・ 計 器 ( 9% ) と な っ て い る 。 <インドの金型の市場規模> (1000万ルピー、年度) 国内市場 2003 2004 2005 2006 2007 2008 4,674 5,300 6,100 7,000 8,000 9,190 (資料)TAGMA HP (注)2008年度は予測。 <市場規模と金型の種類> (1000万ルピー) 10000 Plastic Moulds 9.0% 8000 14.0% 36.0% 6000 Sheet Metal Dies Die-casting Dies 4000 14.0% Forging Dies, others 2000 27.0% 0 Jigs, Fixtures & Gauges 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年度) ( 資 料 ) TAGMA HP ( 注 ) 2008 年 度 は 予 測 。 なお、現地調査におけるインド金型工業会へのヒアリング結果の概要は、以 下のとおりである。 ・ 最新の産業動向調査は展示会に間に合うように準備中である(現時点では 2008 年 の 調 査 が 最 新 )。 ・ 1990 年 代 の 規 制 緩 和 に よ り 、 そ れ ま で の 高 率 の 輸 入 関 税 が 引 き 下 げ ら れ 、 輸入工作機械の市場が拡がった。 ・ 現在主に輸入されているのは、欧州ではドイツ製、イタリア製で、その他、 台湾製、米国製がある。 ・ 日 本 製 は 、性 能 は 良 い が 価 格 が 非 常 に 高 い 。ま た 、日 本 企 業 は イ ン ド で は あ まり積極的にマーケティングを行っているようには見えない。数量もはけ、 73 ・ ・ ・ ・ ・ 価 格 も 高 い 中 国 市 場 に 集 中 し て い る よ う に 見 え る 。日 本 製 を 欲 し い と 思 っ て も、誰も売りに来ないので、ドイツ製を使ってしまうということもある。 日 系 の 場 合 は 、故 障 の 際 の 対 応 や ス ペ ア パ ー ツ な ど の 取 り 寄 せ に 時 間 が か か ることも問題である。 現地での支払いは 3 年払いで行われることが多い。 工 作 機 械 の 需 要 産 業 は 、自 動 車 を 除 け ば 、建 設 機 械 、電 力 設 備 、新 エ ネ ル ギ ー分野、鉱業セクターなどである。 ム ン バ イ は も と も と 金 型 産 業 が 古 く か ら 盛 ん な と こ ろ で あ る が 、土 地 代 な ど のコスト高により、移転するところも少なくない。 最 近 で は 、 プ ネ に タ タ 、 GM、 Fo rd、 バ ジ ャ イ な ど 、 チ ェ ン ナ イ に 日 産 、 現 代 な ど の 自 動 車 産 業 の 集 積 が 進 み つ つ あ り 、周 辺 に 金 型 産 業 の 立 地 も 進 み つ つ あ る 。一 方 で 、デ リ ー 周 辺 に は ス ズ キ と ホ ン ダ が あ り 、こ ち ら に も 集 積 が 多い。 以下では、現地金型メーカーの概要について取りまとめた。 Godrej & Bo yce Mfg Co Ltd プレス・アルミダイカスト金型・内製、外販 【沿革および企業概要】 1897 年 に 南 京 錠 を 製 作 す る 企 業 と し て 創 業 。現 在 で は 自 動 車 部 品 か ら 航 空 ・ 宇 宙 製 品 ま で 幅 広 い 製 品 を 製 造 。 総 従 業 員 数 約 8,500 名 の グ ル ー プ 企 業 。 グ ル ープ企業がインド各地にあり、消費地に近いところで生産を行っている。イン ド 全 土 に 20 の 事 業 所 と 51 の シ ョ ー ル ー ム を 有 す る 。 ま た 、 シ ン ガ ポ ー ル 、 マ レ ー シ ア 、ベ ト ナ ム 、オ マ ー ン に も 海 外 生 産 拠 点 を 有 し 、ド バ イ 、ス リ ラ ン カ 、 バングラディッシュ、ケニア、リアドなどに駐在事務所を有している。グルー プ 売 上 は 約 300 億 ル ピ ー 。 金 型 部 門 は 60 年 の 歴 史 を 持 ち 、 イ ン ド 独 立 時 よ り 金 型 を 製 作 。 ム ン バ イ の 一 事 業 所 の み 。 金 型 部 門 の 従 業 員 は 約 500 名 で 、 150 名 が 設 計 ・ エ ン ジ ニ ア リ ン グ 、 350 名 が 機 械 加 工 や 組 立 な ど を 行 っ て い る 。 【製作する金型】 製作している金型は、アルミダイカスト金型と金属プレス金型。アルミダイ カ ス ト 金 型 が 月 平 均 18~ 20 型 、金 属 プ レ ス 金 型 が 月 平 均 15~ 18 型 。金 属 プ レ ス金型では大物のタンデム金型と順送金型を製作。 製作するタンデム金型の用途は自動車のバンパー、ドア外装、フロントパネ ル 、自 動 二 輪 の タ ン ク な ど 。自 動 二 輪 の タ ン ク は 、1997 年 以 降 ホ ン ダ 向 け な ど 日系メーカーにも納入。納入開始時は、ホンダの技術者が来て指導。 順送金型も多く製作している。モーターコア用の金型も含め、大小様々な種類 の金型を製作する。得意としているのはサイズの大きなものである。日系自動 車部品メーカーにもサイズの大きな順送金型を製作している。順送金型で用い る 工 程 は 曲 げ 加 工 、抜 き 加 工 等 で あ る 。冷 間 鍛 造 工 程 な ど は 盛 り 込 ん で い な い 。 アルミダイカスト金型では自動車のキャブレターやエンジンブロック向けな ど、精度が必要とされる部品向けの金型を製作している。部品は金型で成形さ れた後、後加工で寸法精度を高めるとのことである。 【製作技術・調達】 製作された金型は、サブミクロン単位の 3 次元測定器で全品計測され、精度 確認と共にデータ蓄積が行われている。この技術の応用で、リバースエンジニ 74 アリングで持ち込まれた金型の形状を測定しての 2 番型製作も行っている。 金 型 の 加 工 精 度 は ±2/1000mm で 、 成 形 さ れ る 製 品 の 精 度 は ±0.02mm ~ 0.5mm が 多 い 。 あ ら ゆ る サ イ ズ の 金 型 を 製 作 し て い る が 、 プ レ ス 金 型 で 長 辺 1m を 超 え る よ う な 大 き な サ イ ズ の 金 型 製 作 を 得 意 と し て い る 。 金 型 の 耐 久 性 に も 自 信 を 持 っ て お り 、 大 掛 か り な メ ン テ ナ ン ス な し で も 10 万 ショットを保障している。 設 計 で は 3 次 元 CAD を 用 い て い る 。 CAM デ ー タ に よ り 、 NC 工 作 機 械 で 加 工 を 行 っ て い る 。 主 な 設 備 は マ シ ニ ン グ セ ン タ 、 形 彫 り お よ び ワ イ ヤ ー EDM、 ミリング機である。日本製や、スイスのアジェ、イタリアのマイクロン、北米 の ハ ー ス な ど 欧 米 製 の 工 作 機 械 が 並 ぶ 。EDM 加 工 セ ク シ ョ ン で は 温 度 管 理 を 行 っ て い る 。形 彫 り EDM で 円 形 加 工 を 行 っ た り 、ワ イ ヤ ー EDM で 複 雑 曲 面 加 工 を 行 っ て い る 。 EDM 電 極 は 銅 と グ ラ フ ァ イ ト を 使 い 分 け て い る 。 工 場 内 は 5S の 徹 底 が 見 ら れ る 。 作 業 ス ペ ー ス は 線 で 区 切 ら れ て い る 。 スケジュール管理はコンピュータプログラムにより、工程を細かく分割し、所 要時間を入力し、マネージャーが進行状態を詳細に日常的に管理している。 順 送 金 型 の 場 合 、 加 工 ス テ ッ プ は 2~ 20 ま で の 範 囲 が 多 い 。 受 注 か ら 納 品 ま で お よ そ 12~ 24 週 間 で あ る 。こ の 内 訳 は 25%が 設 計・エ ン ジ ニ ア リ ン グ 、40 % が 製 作 、 35%が 組 立 ・ ト ラ イ で あ る 。 熱 処 理 は 外 注 し て お り 、要 求 品 質 に よ り 国 内・国 外 を 分 け て い る 。外 注 先 は 85% が 国 内 、 15%が 国 外 で 中 国 、 マ レ ー シ ア 、 日 本 な ど で あ る 。 【販売・市場への対応】 Godrej 社 の 金 型 は 内 製 で あ る が 、 1970 年 代 末 ~ 80 年 代 以 降 プ ロ フ ィ ッ ト セ ンター方式を採用しており、グループ企業内外に販売する形態をとっている。 金 型 売 上 全 体 の う ち 、 90% が 国 内 向 け で あ り 、 10% が 輸 出 で あ る 。 国 内 向 け の う ち 、 グ ル ー プ 企 業 内 向 け が 20%、 外 部 販 売 が 80%で あ る 。 同社はインドの金型製造業でもリーダー的存在でライバル企業はあまりいな い と の こ と 。ユ ー ザ ー 業 種 と し て 70%が 自 動 車・二 輪 向 け で 、残 り が そ の 他 様 々 である。ユーザーとしての納入先はバジャージ、ホンダ、ヒーローホンダ、タ タ自動車、マルチスズキ、マヒンドラ&マヒンドラ、トヨタなどである。また Tier1 に も 、 デ ル フ ァ イ 、 ビ ス テ ィ オ ン 、 タ タ ト ー ヨ ー な ど 欧 米 系 、 日 系 を 問 わず多くの外資系自動車部品メーカーに納入している。 主 な 輸 出 品 は 順 送 金 型 や タ ン デ ム 金 型 な ど の 金 属 プ レ ス 金 型 で あ る 。長 辺 1 m 超 の 大 き な 順 送 金 型 の ケ ー ス で は イ ギ リ ス に 輸 出 さ れ 、 販 売 価 格 は 500 万 R s と の こ と で あ る 。こ の 金 型 は 板 圧 4mm、800ton の プ レ ス で 30rpm の 成 形 条 件 のものであり、その設計・製作期間は 6 ヶ月である。 取 引 条 件 は 様 々 で あ る が お お む ね 2~ 3 分 割 で あ り 、 日 系 企 業 向 け で も 同 様 で あ る と の こ と 。 前 金 で 15%、 残 り は 完 成 時 、 検 収 時 に 分 割 し て 支 払 わ れ る 。 KALYANI 金 型 部 品 製 作 ・販 売 【沿革および企業概要】 同社はムンバイに位置する金型のモールドベースや部品を製作する企業であ る 。 1986 年 に 8 人 で 創 業 し た 。 現 在 110 名 の 従 業 員 が い る 。 創 業 前 に 、 創 業 者 は 企 業 の 金 属 プ レ ス の 内 製 金 型 部 門 に 所 属 し 、技 術 を 習 得 し た 。1984 年 に 金 属プレス金型用部品の製作販売会社を設立し、インド地場金型産業の発展段階 に つ い て 操 業 開 始 し た 。1986 年 に プ ラ ス チ ッ ク 金 型 や ア ル ミ ニ ウ ム ダ イ カ ス ト 金型のモールドベースを販売をする同社を設立した。これは金属プレス部品の 75 競争が激しくなり、利益が少なかったのに比べ、モールドベースの販売は競争 相手がおらず高値で売れたし、業界が拡大していたからである。 【製作する金型】 プラスチック金型やアルミニウムダイカスト金型のモールドベースや金型部 品 を 製 作 販 売 し て い る 。別 会 社 で は 金 属 プ レ ス 用 金 型 部 品 な ど を 製 作 し て い る 。 【製作技術・調達】 モ ー ル ド ベ ー ス の 製 作 は 一 日 7~ 8 ユ ニ ッ ト で あ る 。 金 型 鋼 材 は ド イ ツ 製 が 多 い 。そ の 他 、日 本 や 韓 国 か ら も 輸 入 し て い る 。半 鋼 は 中 国 か ら 輸 入 し て い る 。 設備はマシニングセンタ、フライス盤、平面研削盤、ジグボーラーなどであ る 。こ れ ら は 日 本 製 、ス ペ イ ン 製 、イ タ リ ア 製 、ス イ ス 製 、台 湾 製 な ど で あ る 。 【販売・市場への対応】 同 社 の ユ ー ザ ー は 大 小 あ わ せ て 700 社 程 あ る 。 国 内 競 合 と し て ム ン バ イ で 2 ~4 社、インドでハイドラバード、デリー、バンガロール、プネ、チェンナイ な ど で 20 社 ほ ど で あ る 。 ま た 、 輸 入 品 で の 競 争 相 手 は 中 国 の LKM( ラ ン キ ー メ タ ル ) で あ る 。 60cm 角 ほ ど の 小 さ な 金 型 は 輸 入 コ ス ト な ど の 関 係 で イ ン ド 製 が 1~ 2 割 ほ ど 安 い が 、 1m 超 の 大 き な 金 型 は イ ン ド 製 の 7 割 ほ ど の 安 い 。 同 社 の 販 売 価 格 は 60cm 角 の 基 本 的 な モ ー ル ド ベ ー ス が 15 万 ル ピ ー ほ ど で あ り 、 穴 あ け や ポ ケ ッ ト 加 工 な ど 済 み の 場 合 は 約 1.5 倍 の 22.5 万 ル ピ ー と な る 。 Sridevi Tool Engineers Pvt.Ltd プラスチック金型専業 【沿革および企業概要】 Sridevi 社 は 社 長 の Kalyanpur 氏 が 1972 年 に 創 業 し た 。 同 氏 は 創 業 ま で に 米 国 系 の モ ー タ ー 製 造 企 業 で 10 年 ほ ど 働 い て 金 型 の 技 術 を 学 ん だ 。 そ の 企 業 では、プレス金型、ジグ、ダイカスト金型などを内製していた。 当 時 イ ン ド で は プ ラ ス チ ッ ク 金 型 製 造 企 業 は わ ず か 2~ 3 社 し か な く 、 そ れ もマグカップなどの日用品向けであった。精密なプラスチック金型は全て輸入 している状況であった。そうした需要を見極め、学んだダイカスト金型の技術 を応用する形でプラスチック金型専業として創業した。ただし、インドの金型 輸 入 依 存 状 況 は 1985 年 ご ろ ま で 続 い た 。 設立当初は一般機械や繊維機械向けの部品が多かったが、近年のインドの自 動 車 産 業 の 発 展 を 背 景 と し 、 現 在 は 売 上 げ の 95%が 自 動 車 向 け で あ る 。 現 在 の 従 業 員 は 120 名 で あ る が 、イ ン ド の 金 型 企 業 で は 非 常 に 多 い ほ う で あ る 。 【製作する金型】 プ ラ ス チ ッ ク 射 出 成 形 用 の 金 型 を 製 作 し て お り 、 一 年 で 120 型 ほ ど 製 作 し て いる。金型は全て外販され、社内では成形を行っていない。ユーザーの要望に 応 じ あ ら ゆ る サ イ ズ の 金 型 を 製 作 し て い る 。 例 え ば 60cm 角 程 度 の 中 型 の も の か ら 長 辺 2m 程 度 の 大 物 な ど で あ る 。 複 数 取 り や ガ ス イ ン ジ ェ ク シ ョ ン 金 型 な ど も 製 作 し て い る 。耐 久 性 に つ い て は 、通 常 50 万 シ ョ ッ ト ~ 100 万 シ ョ ッ ト に 耐 え ら れ る 金 型 を 製 作 し て い る が 、 ユ ー ザ ー の 要 望 に 応 じ 熱 処 理 を 施 し 1~ 2 千万ショット耐用の金型も製作している。 【製作技術・調達】 金 型 の 加 工 精 度 は ±2/1000mm で あ る 。こ の 金 型 を 用 い て 成 形 さ れ る 製 品 の 精 度 は お よ そ ±1/100mm で あ る 。 同 社 は 現 在 で も プ ラ ス チ ッ ク 金 型 の イ ン ド の リ 76 ー ダ ー 的 存 在 で あ り 、 ラ イ バ ル 企 業 は 10 社 ほ ど し か な い 。 精 度 が 必 要 な 場 所 で は 22~ 25℃ の 温 度 管 理 を 行 っ て お り 、 機 械 は 24 時 間 稼 動 で あ る 。 同 社 は イ ン ド の 金 型 専 業 メ ー カ ー と し て は 最 も 早 い 部 類 の 1986~ 87 年 か ら NC 工 作 機 械 や CAD/CAM を 導 入 し て 金 型 製 作 を 行 っ て き た 。 現 在 、 10 台 の NC 工 作 機 械 、 4 台 の EDM、 2 台 の ト ラ イ 用 プ ラ ス チ ッ ク 射 出 成 形 機 が あ る 。 社 内 で 300ton ま で ト ラ イ 可 能 で 、 2700ton ま で 外 注 で ト ラ イ を 行 っ て い る 。 NC 工 作 機 械 で は リ ニ ア モ ー タ ー を 使 っ た 5 軸 制 御 の 機 械 も 導 入 し て い る 。 CAD ル ー ム と CAM ル ー ム は 分 か れ て い る 。 CAM は 製 造 に 近 い ほ う が よ い と の 判 断 で あ る 。 設 計 は 20 歳 代 の 若 者 が 多 い 。 彼 ら は 工 学 カ レ ッ ジ を 卒 業 後 、 NTTF や GTTC な ど の 金 型 デ ザ イ ン コ ー ス を 取 得 し た も の を 採 用 し て い る 。 金 型 製 作 は 6〜 12 週 で 初 め の サ ン プ ル 提 出 が 可 能 と な る 。設 計 に は 全 体 の 7% ほどの時間を要する。金型材料はほとんどドイツから輸入している。 これは価格・品質からみてドイツ製が最もよいためである。 【販売・市場への対応】 営業は行わなくとも先方から受注が舞い込む。何年も連続で「ベストサプラ イヤー賞」を受賞するなど、ユーザーから高く評価されている。 ユーザー企業としては、ヤマハ、ホンダ、ヒーローホンダ、スズキマルチ、 タ タ 自 動 車 、 ト ヨ タ 、 フ ォ ー ド 、 GM 、 マ ヒ ン ド ラ & マ ヒ ン ド ラ な ど 多 く の 自 動車メーカーや関連の一次サプライヤーに金型を納入している。 売 り 上 げ の 9 割 超 が イ ン ド 国 内 向 け で あ り 、7%ほ ど を 輸 出 し て い る 。金 型 輸 出先はフランス、イタリア、イギリス、中東などである。輸出についても自動 車 バ ン パ ー 成 形 用 な ど 、 自 動 車 向 け の 金 型 が 多 い 。 輸 出 す る 金 型 は 長 辺 が 1~ 2m ほ ど の 大 き さ の 金 型 が 多 い 。 最 近 、 ユ ー ザ ー 企 業 か ら の 値 下 げ 要 求 が 厳 し く な っ て お り 、 こ の 5~ 6 年 で 金 型 価 格 が 30~ 35%ほ ど 低 下 し た 。現 在 販 売 す る 金 型 価 格 は 平 均 し て 200 万 ル ピ ー で あ る 。技 術 的 に 難 し い 金 型 で は 450 万 ル ピ ー や 700 万 ル ピ ー の も の も あ る。 取 引 条 件 は さ ま ざ ま で あ る が 、4 分 割 が 多 い 。す な わ ち 、受 注 時 に 全 体 の 40%、 ト ラ イ 開 始 時 に 30%、 納 品 時 に 20%、 納 品 30 日 後 に 10%で あ る 。 金 型 は 材 料 購 入 費 が 高 い の で 、受 注 時 50%、ト ラ イ 開 始 時 に 40%、納 品 時 に 10%の 条 件 が 最もよいと考えている。 ABHIJEET Die & Tools Pvt Ltd プラスチック金型 内製・外販 【沿革および企業概要】 Abhijeet 社 は 1984 年 の 創 業 で あ る 。 当 初 は 金 型 専 業 メ ー カ ー で あ っ た が 、 1995 年 か ら ブ ロ ー 成 形 事 業 を 開 始 し 、 1999 年 か ら プ ラ ス チ ッ ク 射 出 成 形 事 業 も 開 始 し た 。 近 年 の 業 績 好 調 を 背 景 に 2003 年 に は 第 二 の 金 型 事 業 部 も 設 立 し ている。現在、ムンバイやプネなどマハラシュトラ州に 4 事業所、グジャラー ト 州 に 1 事 業 所 が あ る 。 従 業 員 は グ ル ー プ 全 体 で 125 人 で あ る 。 そ の う ち 金 型 製 作 部 門 は 70 人 ほ ど 、 残 り が 成 形 事 業 で あ る 。 売 り 上 げ は 、 金 型 が 300 万 ド ル 、 成 形 部 品 が 130 万 ド ル で あ る 。 イ ン ド 自 動 車 産 業 の 拡 大 を 背 景 に 、同 社 も 売 上 げ 好 調 で こ の 5 年 で 金 型 の 売 上 げ が 2.4 倍 、 成 形 品 は 5.7 倍 に 急 拡 大 し て い る 。 【製作する金型】 同社が製作する金型はプラスチックの射出成形用金型とブロー成形金型であ る 。 年 間 約 150 型 を 製 作 。 成 形 品 の 材 料 は エ ン ジ ニ ア リ ン グ プ ラ ス チ ッ ク の ポ 77 リ プ ロ ピ レ ン が 多 く 全 体 の 75%を 占 め る 。 そ の 他 、 ナ イ ロ ン 、 グ ラ ス フ ァ イ バ ー、エラストマなどさまざまな材料を成形している。 射出成形用の金型で成形する製品は、エンジンカバー、ハンドルピアー、ス テアリングカラムカバー、二輪用ホイールフェンダー、ホイールカバー、フロ ントグリル、シートベース、ドアトリムなどである。またブロー成形用の金型 で成形する製品は、リザーバータンク、ダクト、洗浄液タンク、エアコンダク トなどである。 【製作技術・調達】 同 社 で は 設 立 直 後 の 1986 年 ご ろ に は CAD/CAM を 導 入 し 、NC 工 作 機 械 に よ り金型製作を行っていた。工作機械メーカーは三菱、ハース、デッカーなど欧 米 、日 本 か ら の 輸 入 が 多 い 。2007 年 に は 市 場 拡 大 に よ り 大 型 の 金 型 製 作 用 に ス ペイン製の大型マシニングセンタも導入した。金型にはホットランナーを使用 し、バリを少なくする工夫がほどこされている。 金型材料はドイツ、スウェーデン、ポーランド、中国、日本などから輸入し ている。品質と価格を考えるとドイツ製がリーズナブルなため、現在はドイツ 製 が 多 い 。 日 本 製 は ド イ ツ 製 と 比 較 し て 10~ 20%ほ ど 高 い 。 【販売・市場への対応】 金型や成形部品のユーザーは自動車向けが多く、売上げ全体の約 8 割を占め る 。直 接 自 動 車 メ ー カ ー に 納 入 し て い る 先 は 、タ タ 、ホ ン ダ 、ヒ ー ロ ー ホ ン ダ 、 マ ヒ ン ド ラ & マ ヒ ン ド ラ な ど で あ る 。 ま た こ れ ら の 自 動 車 メ ー カ ー の Tier1 の 他 、 ト ヨ タ 、 ヒ ュ ン ダ イ 、 GM な ど へ も 一 次 サ プ ラ イ ヤ ー を 通 じ て 納 入 し て い る。 インドでは金型技術の進歩が著しい。例えばある日系大手家電メーカーは 1989 年 ご ろ ま で 全 て の 金 型 を 日 本 な ど か ら 輸 入 し て い た が 現 在 は イ ン ド で の 現 地 調 達 で 賄 え て い る 。 た だ し 、 こ の 4~ 5 年 で 大 手 ユ ー ザ ー に よ り 金 型 の オ ークション購入が導入され、金型価格の低下が起こっている。 競争相手として中国の金型企業を脅威に思っている。なぜ中国企業はあれほ ど設備投資ができるのか不明で、国が大幅に支援しているのではないかと考え ている。中国製品は安いが、鋼材に軟鋼を用いるなど品質に疑念がある。 取 引 条 件 で は 、1975~ 80 年 ご ろ ま で は 100%前 金 が 普 通 だ っ た 。現 在 は 3 分 割 が 多 く 、 前 金 で 全 体 の 25~ 30%、 そ の 後 ト ラ イ 開 始 時 、 納 品 時 に そ れ ぞ れ 分 割支払がなされることが多い。 Mutual Industrie s Limite d プラスチック金型 内製 【沿革および企業概要】 1979 年 創 業 の プ ラ ス チ ッ ク 部 品 成 形 企 業 で 、イ ン ド で 自 動 車 バ ン パ ー 用 の 金 型 を 製 作 し た 初 の 企 業 で あ る 。 設 立 当 初 は 従 業 員 25 名 、 家 電 部 品 の 成 形 を 行 っ て い た が 現 在 の 従 業 員 は 約 400 名 、 う ち 金 型 部 門 は 90 名 で あ る 。 現在、金型部門はムンバイの 1 カ所に集中し、成形部門はムンバイ、プネな どマハラシュトラ州とインド北部のウッタランチャル州の 3 カ所である。 設 立 か ら 1984 年 ま で 金 型 は 全 て 輸 入 し て い た 。社 内 に 金 型 部 門 は あ っ た が 、 メンテナンス専門であった。当時の金型輸入先は台湾、韓国、日本などからで あった。また、成形部品は主にテレビ用のパネル枠や部品などであった。 1985 年 に 自 動 車 用 小 型 プ ラ ス チ ッ ク 部 品 の 成 形 を 開 始 し た 。同 時 に イ ン ド 製 のマシニングセンタを 1 台購入し、金型の内製を開始した。 1991 年 に 金 型 部 門 を 拡 大 し 、 5 ト ン ク ラ ス 、 長 辺 1m ほ ど の 金 型 も 製 作 で き 78 るようになった。 【製作する金型】 自社で使用する金型のみを製作している。主にプラスチック射出成形用の金 型 で あ り 、 年 間 200 型 ほ ど 製 作 し て い る 。 バ ン パ ー 、 ダ ッ シ ュ ボ ー ド 用 な ど 大 きなものが多い。 【製作技術・調達】 金 型 内 製 を 開 始 後 、 よ り 高 品 位 な 金 型 を 製 作 す る た め 、 1995 年 に ド イ ツ の Zimmermn( ヨ ー ロ ッ パ で ベ ス ト と の こ と ) な ど に 4 人 を 3 カ 月 派 遣 し た 。 内 訳 は 組 立 、 CAD/CAM、 管 理 、 加 工 で あ る 。 そ の 成 果 も あ り 、 1996 年 に は バ ン パー用金型など非常に大きな金型も製作できるようになった。また同時に大き な 金 型 製 作 の た め 、 ド イ ツ Droop& Re in 社 の マ シ ニ ン グ セ ン タ ( 2000Rpm、 6m/minutes) を 購 入 し た 。 そ の 後 、 イ タ リ ア Rambaudi 製 マ シ ニ ン グ セ ン タ ( 4.5Axis、 15000Rpm、 25m/minutes) を 購 入 し 、 加 工 精 度 、 可 能 加 工 曲 面 向 上 、 生 産 性 向 上 を 行 っ た 。 2001 年 に は 日 本 製 の NC 形 彫 り 放 電 加 工 機 を 購 入 、 同 時 に イ ン ド 製 EDM を 5 台 購 入 し た 。 さ ら に 、 再 び Droop & Rein 社 の マ シ ニングセンタを購入。最近では日本製マシニングセンタを 2 台購入した。 金 型 製 作 で は CAD/CAM/CAE に よ り 設 計 と 検 証 を 行 い 、NC 工 作 機 械 で 製 作 を 行 っ て い る 。 CAD、 CAE は 二 階 に 配 置 し 、 CAM は 一 階 の 製 造 現 場 の 近 く に 配している。 金型材はインドで購入するが全て輸入鋼材である。たとえばトヨタ、ホンダ 向 け に は ダ イ ド ー を 、 そ れ 以 外 は ド イ ツ の Bude res、 Thyssen な ど で あ る 。 品 質と価格の兼ね合いからユーザー指定がある場合を除きほとんどドイツ製鋼材 を用いている。 金 型 製 作 で は バ ン パ ー 用 の 金 型 で サ ン プ ル 製 作 ( ト ラ イ ゼ ロ ) ま で 24 週 間 を要する。そのうち設計に 6 週間必要である。 【販売・市場への対応】 同社はインドのリーダー企業でありライバルは数えるほどしかいない。ライ バ ル 社 は Sridevi 社( ム ン バ イ )、Abhiji 社( ム ン バ イ )の 他 、Sumi Mo therscm 社 ( チ ェ ン ナ イ )、 Sermo 社 ( プ ネ 、 日 本 の ア ー ク 社 の 関 連 会 社 )、 Ve rro ck 社 ( オ ラ ン ガ バ ー ド )、 TAFE 社 ( バ ン ガ ロ ー ル ) な ど 。 同社では金型は自社内での使用分を製作するのみで基本的には外販は行って いない。ただし、輸出では例外的に金型単独販売も行ったことがある。輸出の 受注は特に営業しているわけではなく、先方から持ち込まれるケースのみであ る 。例 え ば 、2006 年 に は オ ラ ン ダ の ア ム ス テ ル ダ ム の 会 社 に 事 務 機 器 用 金 型 を 21 台 販 売 、 2007 年 に は イ ラ ン に 皿 洗 機 用 の 金 型 を 輸 出 、 2008 年 に モ ス ク ワ に 自動車用の金型を輸出、などである。さらに、イタリアにも自動車エアコン用 の金型を輸出した。海外向けは要求が非常に高いのでたいへんである。 金型は内製であってもプロフィットセンターであるので、自社部門向けに販 売 の 形 を と っ て お り 、 価 格 は 35 万 ド ル ほ ど で あ る 。 代 金 支 払 い は 3 分 割 で あ り、受注時に 3 割、トライゼロで 4 割、生産開始で 3 割である。 現 在 の ユ ー ザ ー は 60% が 自 動 車 ・二 輪 向 け で あ る 。20% が 家 電 、15% が オ ー デ ィ オ ・ 電 子 向 け 、5% が 事 務 機 器 や そ の 他 で あ る 。自 動 車 向 け で は 、マ ル チ ス ズ キ 、 タ タ 、 バ ジ ャ ー ジ 、 ア シ ョ カ 、 GM 、 ホ ン ダ 、 ト ヨ タ 、 フ ォ ー ド 、 フ ィ アットなどにバンパーやコンソールパネルなど大型のプラスチック部品などを 納入している。 79 Renata Precision 精密プラスチック・金属プレス金型 内製 【沿革および企業概要】 1992 年 設 立 の 精 密 プ ラ ス チ ッ ク 成 形 を 行 う 企 業 で あ る 。小 型 精 密 部 品 に 特 化 する戦略をとっており、大型部品成形は全く考えていない。プラスチック成形 品 単 体 の 重 量 は 0.04~ 200g ほ ど ま で で あ り 、 一 日 50 万 個 成 形 し て い る 。 従 業 員 は 100 名 で あ り 、 う ち 金 型 部 門 は 20 名 で あ る 。 金 型 部 門 の 内 訳 は 、 CAD2 名 、 CAM3 名 、 製 作 お よ び 仕 上 げ 15 名 で あ る 。 金 型 部 門 は 有 し て い る が 、 ほ ぼ全て内製向けであり、外販することはほとんどない。外販する場合は、相手 が大手企業で次からは部品納入がほぼ約束されている場合である。 売 り 上 げ は 近 年 急 成 長 し て い る 。 利 益 率 は お よ そ 10~ 15%。 内 製 金 型 部 門 は コストセンターであり、プロフィットセンターは部品販売と割り切っている。 金 型 内 製 は 1997 年 よ り 開 始 し た 。 そ れ ま で も 金 型 部 門 は 持 っ て い た が 、 メ ンテナンス中心であった。それまで近隣およびムンバイの金型企業から金型購 入していたが、品質や納期管理で問題があり内製することにした。 2005 年 に は 金 属 プ レ ス も 自 社 内 で 行 う よ う に な っ た 。同 時 に 成 形 用 の 順 送 金 型 も 内 製 を 始 め た 。 さ ら に 、 2007 年 か ら は 社 内 で 組 立 工 程 も 行 う よ う に な っ た 。 【製作する金型】 プラスチック精密金型から金属プレス順送金型まで内製している。プラスチ ッ ク 金 型 は イ ン サ ー ト 成 形 金 型 、 2 色 成 形 金 型 、 32 個 取 り や 64 個 取 り な ど 多 数個取りの金型製作もこなす。以前はインサート成形は作業員 2 名がかりでピ ンを金型にセットして成形していたが、自動インサートラインを導入した。 金 型 を 用 い て 成 形 す る 部 品 精 度 は お よ そ ±1/100mm 前 後 で あ る 。 金 型 の 加 工 精 度 は 電 子 部 品 向 け で ±5/1000mm 程 度 で あ る 。 成 形 の 際 の 圧 力 は 30~ 60ton、 サイクルタイムは電子部品向けで 9 秒ほどである。自動車向けの成形では 150ton ま で 対 応 が 可 能 で あ る 最 も 大 き な 部 品 は エ ア コ ン の カ バ ー で 部 品 サ イ ズ が 20~ 30cm ほ ど で あ る 。順 送 金 型 は ア イ ド ル 工 程 込 み で 20 工 程 程 度 が 多 い 。 年 間 約 10 型 製 作 す る 。 寿 命 は 400~ 500 万 シ ョ ッ ト で あ る 。 【製作技術・調達】 製 品 の 成 形 用 に 25~ 180ton ま で の プ ラ ス チ ッ ク 成 形 機 を 有 し て い る 。ま た 2 色 成 形 向 け の 180ton の 射 出 成 形 機 も 有 し て い る 。電 子 部 品 で は 一 日 に 50 万 個 の部品を製作している。 金 属 プ レ ス 機 は 0.5~ 25ton の 低 圧 力 も の が 6 台 で あ る 。ワ ー ク の 金 属 の 板 厚 は 0.07~ 0.3mm な ど 薄 板 が 多 い 。 こ れ ら は 1.5ton ま で の 小 型 精 密 プ レ ス で 成 型 す る 。 回 転 数 は 170spm な ど で あ る 。 材 質 は 銅 、 青 銅 、 真 鍮 な ど で あ る 。 板 厚 の 精 度 を 保 つ た め 、 自 社 内 で ±0.002mm の 精 度 に 削 っ て 調 整 し て い る 。 金 型 設 計 で は 、 ユ ー ザ ー か ら 製 品 の CAD デ ー タ を も ら い 、 同 社 で 金 型 図 面 を 作 成 し 、 金 型 を 製 作 し て い る 。 金 型 製 作 設 備 は ス イ ス の シ ャ ル ミ ー 製 の EDM、 ワ イ ヤ EDM、 沖 本 製 の 平 面 研 削 機 な ど が あ る 。 EDM 室 は 20 度 で 温 度 管 理 が な さ れ て い る 。 通 常 2 シ フ ト だ が 、 ワ イ ヤ EDM は 3 シ フ ト で あ る 。 夜間無人運転も行っている。在籍地は工業団地のため停電がおきることはな い。欧州製の機械を多く使っているわけは、欧州の発注者が多いためである。 発注に際し、先方が工場、特に設備の視察の際に欧州製の高性能工作機械を用 いていると先方が安心し、発注につながるためである。 Thawani 氏 は 日 本 の AOTS 主 宰 の 金 型 研 修 で 学 ん だ 経 験 が あ り 、そ の 時 の 講 師の「ゲージで常に計測して精度を出すことが大切である」との教えを今も忠 実に守っている。 80 CAD/CAM 担 当 は 20 代 で あ り 、 金 型 過 程 で 専 門 教 育 を 受 け た 者 ば か り で あ る。彼らは卒業後、同社に入社し数年ほど。貴重な戦力である。 金 型 材 は ス ウ ェ ー デ ン の ASSAB の 代 理 店 か ら 購 入 し た 。 当 時 ド イ ツ の 代 理 店 が プ ネ に な く 、 ASSAB し か 選 択 肢 が な か っ た こ と が そ の 理 由 で あ る 。 現 在 は ド イ ツ 製 も 購 入 で き る が ASSAB の 鋼 材 で 満 足 し て お り 、 変 更 す る 必 要はない。また熱処理は近隣のインド企業に外注しているが特に問題はない。 金 型 の 設 計 ・ 製 作 期 間 は 小 さ な も の で 2 週 間 、 大 き な も の で 12 週 間 で あ る 。 年 間 約 30 型 製 作 す る 。 寿 命 は 300 万 シ ョ ッ ト ほ ど で あ る 。 モ ー ル ド ベ ー ス は Master Tools と い う 近 隣 の 企 業 か ら 購 入 し て い る 。 【販売・市場への対応】 同社は精密部品成形で急成長している企業である。同社で認識しているライ バ ル 企 業 は プ ネ で 2 社 、 ム ン バ イ で も 2~ 3 社 程 度 で あ る と い う 。 ユ ー ザ ー 企 業 は 近 隣 が 自 動 車 関 連 企 業 の 集 積 地 で あ る こ と も あ り 、 80%が 自 動 車 向 け で あ る 。 残 り 20%は 電 子 ・ 電 気 企 業 向 け で あ る 。 自 動 車 向 け で は タ タ 自動車やバジャージなど自動車企業に直接納入することもあるし、ヴィスティ オ ン 、 ボ ッ シ ュ 、 ヤ ザ キ な ど Tier1 に 納 入 す る こ と も あ る 。 電 子 ・ 電 気 企 業 向 けにはドイツ系やアメリカ系の企業にキャパシターやレジスターなど電子部品 の プ ラ ス チ ッ ク ケ ー ス を 販 売 し て い る 。 電 子 部 品 向 け は 月 1500 万 個 ほ ど 販 売 する。 創業当初は、当時取引のあった日系自動車部品メーカーの言い値で取引を行 ったため利益はほとんどなかった。しかし、技術力の向上により、仕事を選択 で き る よ う に な り 、 利 益 率 も 上 が っ た 。 タ タ 自 動 車 の 28 万 円 自 動 車 の 部 品 も 引 き 合 い が あ っ た が 、 発 注 価 格 が 通 常 の 1/5 ほ ど だ っ た の で 断 っ た と の こ と で ある。 Classic Mo ulds & Dies( CMD) 治工具及び種々金型の製造 【沿革および事業概要】 1993 年 操 業 。 現 在 、 従 業 員 は 85 名 、 敷 地 面 積 は 40,000 平 方 フ ィ ー ト ( 約 3,000 ㎡ )。 グ ル ー プ 企 業 6 社 か ら 成 る 。 グ ル ー プ の 中 核 に あ る の が CMD 社 で 、 治 工 具 や 種 々 金 型 ( Plastic molds, Press tools, Jigs & fixtures, Pave r brick molds, Machined & sheet metal components) を 製 造 し て い る 。 売 上 は 約 300 万 ド ル で あ る 。 主要ユーザー産業は、①航空機、②自動車、③家電、④耐久消費財などであ る 。製 品 の 約 80% を イ ン ド 国 内 で 販 売 し 、20% を 輸 出( 米 国 、英 国 、フ ラ ン ス 、 スペイン、クウェート)している。 海外企業との取引は、全てユーザー側からの依頼による。取引先からの紹介 や 、 金 型 工 業 会 ( TAGMA) か ら の 紹 介 な ど が 多 い 。 主 要 海 外 ユ ー ザ ー と し て 、 Wellman、Doga、Valeo、KEC、Cirtec、TK Molds & Engineering な ど が 挙 げ られる。日本企業(金型製造の K 社)からも引き合いがあり、契約が近い。 アジアの金型市場は中国・台湾メーカーの競争力が強いため、欧米市場での 拡販を進めている。欧米企業との取引で言葉の問題が少ないインド企業は、中 国・台湾メーカーよりも有利である。また、欧米企業は、知財権保護の観点か ら、中国企業との取引を警戒している。欧州企業との取引を拡大するために、 ドイツで開かれる見本市への出展を検討している。 【 CMD 社 が 保 有 す る 工 作 機 械 】 主 要 工 作 機 械 は 以 下 の 通 り で あ る( 同 社 ホ ー ム ペ ー ジ )。ま た 、使 用 し て い る 81 CAD/CAM ソ フ ト は 、 Cimatron、 Unigraphics な ど で あ る 。 マ キ ノ 、 ソ デ ィ ッ ク 、 オ ー ク マ 、 Hauser な ど は 中 古 機 を 使 用 し て い る 。 ① Makino S56 (VMC) ② YCM TV146A (VMC)( 台 湾 ) ③ YCM MV66A (VMC)( 台 湾 ) ④ Ecowin MIC542 (NC EDM)( 台 湾 ) ⑤ Ecowin MIC452 (PNC EDM)( 台 湾 ) ⑥ Colchester Lathe (CNC)( 英 国 ) ⑦ Makino Milling (CNC) ⑧ Electronica Eurocut734 (Wirecut)( イ ン ド ) ⑨ Hauser Jig Grinding Machine( ス イ ス ) ⑩ Hauser Jig Boring Machine( ス イ ス ) ⑪ Okamoto Surface Grinding Machine ⑫ Proth Surface Grinding Machine( 台 湾 ) ⑬ GMT Surface Grinding Machine( イ ン ド ) ⑭ HMT Milling Machine( イ ン ド ) 【 グ ル ー プ 会 社 ( Claste k 社 ) が 保 有 す る 工 作 機 械 】 プラスチック金型やプラスチック成形品の米国市場への販売を狙って、 Synergetic Engineering Solutio ns 社( 米 系 イ ン ド 企 業 )及 び TK Mo lds 社( 米 国 企 業 ) と の 合 弁 で 、 タ ミ ー ル ナ ド 州 に Clastek Engineering 社 を 設 立 し た 。 同社が保有する主要工作機械は以下の通りである。 ① Awea (Double co lumn high spee d milling machine) ② Makino (High speed vertical milling machine) ③ Makino (Graphite milling machine) ④ Makino (EDM sparking machine) ⑤ Ecowin (EDM sparking machine) ⑥ Electro Pne umatic (Die spotting machine) ⑦ Active Press (Die spotting machine) ⑧ Lucas (Horizontal boring machine ) ⑨ Takida (Huron head milling machine) ⑩ Cincinatti (Radial drilling) ⑪ Okamoto (Surface grinding) ⑫ First (Vertical milling machine ) ⑬ Seedtec (Surface grinding machine) ⑭ Faro (Portable CMM) ⑮ Cimatron (CAD/CAM software) 【日本製工作機械に対する評価】 台湾製や韓国製より性能がよいが、価格が高い。台湾製ターニングセンタは 日 本 製 よ り 30 ~ 40 % 低 価 格 で あ る 。 台 湾 は 価 格 的 に イ ン ド 製 と も 競 合 し て い る。 CMD 社 の よ う な 中 堅 企 業 に と っ て 、機 械 代 金 の 回 収 年 数 を 少 な く す る こ と が 課題であり、価格は購買決定における非常に重要な要因である。 高いレベルの加工が必要な場合、日本製も検討するが、中~低水準の精度で よい場合は台湾で十分である。多くの自動車部品用金型の要求水準は台湾製で 対応可能である。 台湾製の問題点の一つは、販売をエージェント経由で行っているところが多 いことである。そのために、技術面でのサポート体制が十分でない。実際、価 格面でインド製に比べサービス面や納期などで劣る。また、台湾製は、日本製 82 が標準的に整備している付属装置などがオプションであることが多く、価格が 高くなりがちである。 Haas な ど の 米 国 製 も イ ン ド 市 場 で 低 価 格 で 販 売 さ れ て い る 。 加 工 速 度 が 速 く 、今 後 、イ ン ド で の 販 売 が 増 加 す る も の と 推 測 さ れ る 。CMD 社 も Haas 社 製 機械を 4 台保有している。 イ ン ド で 成 功 す る た め に は 、① 機 械 の 品 質 ② サ ー ビ ス 体 制 ③ 総 合 的 な 支 援 策 、 の 3 つがポイントである。③の総合的支援策とは、サービスサポート体制に加 え た 応 用 技 術 に 対 す る 支 援 ( Applicatio n suppo rt) で あ る 。 インド企業は、一般的に日本製とドイツ製に対して、非常に高い信頼度を持 っている。フランス製やイタリア製に対する信頼度は中程度である。インド企 業の信頼度は「日本ブランド」に対するもので、その機械が日本以外で製造さ れ た メ ー ド ・バ イ ・ジ ャ パ ン で あ っ て も 問 題 な い 。 日本の工作機械メーカーには不要な機能の削減と価格の低減、サービス体制 の 整 備 を 求 め た い 。現 在 、日 本 製 立 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ の 購 入 を 検 討 し て い る 。 現在使用している台湾製を取り替えて生産性を高め、余った工員を有効に利用 し た い 。 高 い 信 頼 性 で 24 時 間 操 業 を 効 率 よ く 行 う に は 日 本 製 が 相 応 し い 。 【今後の展望】 需 要 は 、約 90% が 部 品 製 造 で 、10% が 金 型 製 造 で あ る 。今 後 、イ ン フ ラ 関 連 産業(例えば、大型ボイラーなど)が大きな市場となるだろう。 インドでは、これまで自動車関連メーカーや家電メーカーが金型を内製する ことが多く、金型専業メーカーは比較的少ない。小規模な事業者が多く、イン ド 最 大 の 金 型 メ ー カ ー で も 、 使 用 し て い る 工 作 機 械 は 15 台 程 度 で あ る 。 中 国 製 金 型 な ど と の 競 合 が 激 し さ を 増 し て お り 、5 年 前 に 25 万 ル ピ ー 程 度 で 販 売 し た 金 型 と 同 じ も の が 現 在 は 15 万 ル ピ ー 程 度 ま で 低 下 し て い る 。 金 型 メ ーカーは、マージンを削られながら、生産性の引き上げを強いられている。 金型産業で需要が大きいマシニングセンタは、①立形ターニングセンタ、② 横形マシニングセンタ、③門形マシニングセンタである。5 軸マシニングセン タは日本製及び欧州製の品質が特によい。 Karthige ya Mo ulds & Die s( KMD) プラスチック射出成形金型の製造 【沿革および事業概要】 Karthige ya Group は 1985 年 に 設 立 さ れ 、以 下 の 3 部 門( グ ル ー プ 企 業 )か ら 成 る 。KMD 社 は Molds & Dies 部 門 で 、グ ル ー プ の 中 心 企 業 で あ る 。Molding 部門では、プラスチック成形部品を製造している。 ① Karthigeya Moulds & Dies Pvt. Ltd. (KMD)( プ ラ ス チ ッ ク 射 出 成 形 型 の 製造) ② Karthige ya Plastics & Technologies Pvt. Ltd.( プ ラ ス チ ッ ク 射 出 成 形 品 の製造) ③ K2 Cranes & Componensta Pvt. Ltd.( Overhead ク レ ー ン の 製 造 ) KMD 社 の 売 上 は 500 万 ド ル 弱 、 従 業 員 は 130 名 で あ る 。 会 社 設 立 時 は 金 型 用 の 小 型 治 工 具 な ど( Tube, Expanders, Jigs, Fixture s, e tc.)を 製 造 し て い た 。 1997 年 に 家 電 製 品 ( Whirlpool) 用 に 小 型 金 型 ( Too l & Mo lds) の 生 産 を 開 始 し た 。 2004 年 に は 、 自 動 車 部 品 用 成 形 金 型 の 製 造 を 始 め た 。 現 在 、 450 ト ン 成 形 機 を 保 有 し 、1.8m×1.5m の 大 き さ ま で の 金 型 を 製 造 し て い る 。小 型 自 動 車 用 のバンパー(プラスチック成形品)まで対応している。 金型設計から始まり、金型製造、射出成形、部品のサブアセンブリー、塗装 83 ま で 行 っ て い る 。 グ ル ー プ の 売 上 は 10 億 ル ピ ー 強 ( 20 億 円 弱 ) で あ る 。 中核事業であるプラスチック射出成形金型は、自動車、電気・電子、家電製 品産業などがユーザーであり、金型のデザインから機械加工まで行っている。 主 要 ユ ー ザ ー と し て は 、自 動 車 メ ー カ ー 各 社( Nissan, Ford, Hyundai, Toyota, Suzuki, Mahindra,TATA, GM, Renault 等 )、 オ ー ト バ イ ( TVS)、 自 動 車 部 品 メ ー カ ー( SL Lumax, IJL, Visteon, TGKL, Stanadyne, KPT, Mann+Hummel, Mahle, MecaPlast, Mate 等 )、家 電 メ ー カ ー( Samsung, Panaso nic, Whirlpool, Philips, Wilden, Shneider, Seco Ko mos, Parryware 等 ) な ど が あ る 。 自 動 車 メ ー カ ー は 、 デ リ ー に ス ズ キ が 、 プ ネ に タ タ 、 GM が 、 ム ン バ イ に マ ヒンドラ、バンガロールにトヨタ、チェンナイにフォード、ヒュンダイ、ニッ サン・ルノーがある。製品をトラックで運ぶと、チェンナイからデリーまで 4 日 間 、 プ ネ ま で 2 日 間 、 バ ン ガ ロ ー ル ま で 10 時 間 ほ ど か か る 。 【 KMD 社 が 保 有 す る 工 作 機 械 】 使 用 し て い る CAD/CAM ソ フ ト は 、 機 械 加 工 用 に Master Cam( Ver. 10)、 金 型 設 計 用 に Cimatron( Ver. 9.0)で あ る 。こ れ ら の 他 に は 、Pro-E, Wild Fire、 Quick NC、 Autocad な ど も ユ ー ザ ー 要 望 に 合 わ せ て 使 用 し て い る 。 <主要工作機械> ① Drilling & Boring - Horizo ntal Bo ring (Varsdorf) 2 台 - Gun Drilling (Takahashi) 1 台 - Jig Boring (SIP Hydrapotic 6A) 1 台 ② VMC( 各 1 台 ) - DCM 2213 (Dahlih) - MCV 1700 (Dahlih) - MCV 1450 (Dahlih) - MCV 1200 (Dahlih) - MCV 1020 (Dahlih) - MCV 850 (Hartford) - MCV 720 (Dahlih) - MCV 660 (Hurco) ③ Sparking Machines (EDM)( 各 1 台 ) - EDM SI-1000 (Fine Tech) - EDM ZNC 5535 (Electronica) - EDM V5030 (Grace) - EDM CL9060 (Electronica) - EMS 5030 (Electronica) - EDM V7550 (Grace) ④ Conventional Machines( 各 1 台 ) - Milling (Pao Fang) - Milling (First) - Milling (First) - Milling (Manfo rd) - HY Surface Grinding (Avro) - Surface Grinding (Ramana) - Surface Grinding (Praga) - HY Surface Grinding (Praga) - HY Surface Grinding (Falcon) 【インドの商習慣】 自動車向け金型は代金を回収するまで 1 年以上かかり、その間の資金負担が 84 大変である。ちなみに、自動車メーカーからの入金スケジュールは概ね以下の 通りである。 - 30~ 40% : 前 金 ( 会 社 に よ っ て は 50% ) - 30% : T1 ト ラ イ - 30% : 生 産 開 始 後 イ ン ド に お け る 銀 行 金 利 は 大 変 高 い ( 12~ 13% ) の で 、 で き る だ け 早 く 資 金 回 収 を し な け れ ば な ら な い 。 日 本 か ら 工 作 機 械 を 購 入 す る 場 合 、 L/C を オ ー プ ンするか、あるいは、銀行から融資を受けて、全額を現金で支払う。同社が部 材 を 購 入 す る 場 合 、通 常 の 支 払 い 条 件 は 、30 日 後 の 全 額 支 払 い で あ る 。ホ ッ ト ラ ン ナ ー な ど を 外 国 か ら 購 入 す る 場 合 、 100% の 前 金 を 支 払 っ て い る 。 【今後の展望】 売 上 の 60~ 70% が 自 動 車 産 業 向 け で 、残 り が 白 物 家 電 産 業 向 け で た め 将 来 は 自 動 車 向 け を 50% ま で 引 き 下 げ 、 医 療 分 野 な ど へ の 販 売 を 増 や し て い き た い 。 金 型 産 業 は 急 成 長 し て い る 。同 社 の 売 上 を 例 に 挙 げ れ ば 、年 平 均 25~ 30% の 拡 大 が 続 い て い る 。 今 後 の 問 題 と し て 、 デ ザ イ ナ ー 、 CAD/CAM エ ン ジ ニ ア な ど の 確 保 で あ る 。特 に 中 小 企 業 の 場 合 、従 業 員 が 大 企 業 へ 転 職 す る こ と が 多 い 。 ( 5) 需 要 産 業 の 地 域 別 マ ッ プ ①インドにおける産業集積の概要 自動車関連産業のインドにおける集積状況をみると自動車メーカーを中心 にして各地に集積が進んでいる。すなわち、マルチスズキが立地するハリヤ ナ州グルガオン、マネサール、ホンダの立地するウッタルプラデシュ州グレ ー タ ー ノ イ ダ ( デ リ ー を 中 心 と す る 北 部 )、 タ タ 、 VW、 GM な ど が 立 地 す る マハラシュトラ州プネ(マヒンドラ&マヒンドラも近隣のナシックに立地) 及 び ム ン バ イ( 西 部 )、ト ヨ タ が 立 地 す る カ ル ナ タ カ 州 バ ン ガ ロ ー ル と 、現 代 、 日産、アショクレイランド、ダイムラーの商業車などが立地するタミールナ ドゥ州チェンナイ(南部)である。 また、これらの地域には、自動車メーカーのみならず、二輪、農業機械、 建 設 機 械 の 大 手 メ ー カ ー の 多 く が 立 地 し て い る 。以 下 に 、自 動 車 ・二 輪 車 、農 業機械、建設機械に分けて、主要企業の立地状況を地図上に示す。 85 <工作機械需要産業の立地状況①(自動車メーカー)> 北部 【自動車】マルチスズキ、ホンダ Swaraj Mazda 【 二 輪 】 Hero、 ホ ン ダ 、 ヤ マ ハ 、 ス ズ キ 、 LML 西部 グルガオン デリー ノイダ 【 自 動 車 】 GM、 FIAT DAIMLER 、 TATA 、 VW 、 RENAULT、MAN、Mahindra ムンバイ 南部 & Mahindra、 Eicher 【 二 輪 】 BAJAJ プネ 【自動車】トヨタ 【 自 動 車 】 日 産 、 現 代 、 Ford、 VOLVO バンガロール BMW、 Ashok Leyland チェンナイ 【 二 輪 】 TVS、 Royal Enfield (資料)各種資料を基に日本総合研究所作成 86 <工作機械需要産業の立地状況②(農業機械)> 北部 【 農 機 】 New Holland、 Escorts Group EICHER Motor、 SAS Motors International Tractors グルガオン デリー ノイダ 西部 【 農 機 】 John Deere ムンバイ 南部 Mahindra & Mahindra プネ 【 農 機 】 TAFE バンガロール チェンナイ 【 農 機 】 TAFE (資料)各種資料を基に日本総合研究所作成 87 <工作機械需要産業の立地状況③(建設機械)> 北部 【 建 機 】 JCB、 EIMCO ELECON Kobelco Construction Equipment India グルガオン デリー ノイダ 西部 【 建 機 】 Atlas Copco ムンバイ 南部 プネ 【 建 機 】 BEML、 L&T-Komatsu 【 建 機 】 Ashok Leyland 、 Caterpillar バンガロール チェンナイ India (資料)各種資料を基に日本総合研究所作成 以下に挙げる通り、集積が進む 3 地域の発展には、全ての地域に共通する 発展要因と各地域に固有の要因とがある。 集積が進む 3 地域に共通する発展要因として、以下の点が挙げられる。 第 1 は 、3 地 域 と も 、も と も と 経 済 面 で 発 展 し た 地 域 で あ っ た こ と で あ る 。 デリーはインドの首都であり、当然インド経済の中心である。また、西部 のマハラシュトラ州はインド一の人口を誇る州都ムンバイを中心に商業がも っとも盛んな地域であり、デリーと並ぶ経済の中心地域である。また、南部 のチェンナイはインド 4 大都市の一つであり、やはり商業の中心地となって いる。また、バンガロールはカルナタカ州の州都で、新興の工業都市(最近 で は IT 産 業 の 中 心 地 ) で あ っ た 。 第 2 は、もともと工業基盤があったことである。デリー近郊、マハラシュ トラ州のプネに加え、繊維産業が発達していたタミールナドゥ州のマデュラ イ 、コ イ ン バ ト ー ル 、イ ン ド の 宇 宙 産 業 関 連 企 業 が 立 地 し た バ ン ガ ロ ー ル と 、 どの地域も工業基盤を有していた。そして、その工業基盤を基に、後の自動 車 部 品 製 造 が 可 能 な 潜 在 能 力 や 技 術 ・技 能 を 有 し た 企 業 が 数 多 く 生 ま れ た 。 88 第 3 は、労働力の供給能力である。インドはもともと労働力が豊富で、供 給の量の面では問題はないといえる。しかし、これらの地域においては、大 都市またはその周辺に位置し、ワーカークラスのみならず、エンジニアや管 理者の供給面においても優れているといえる。インドの場合、インド工科大 学( Indian Institutes of Technology / IITs)と 呼 ば れ る ト ッ プ ク ラ ス の 理 工 系大学は全国に 7 カ所しかない。そのうちの 3 カ所はデリー、ムンバイ、チ ェンナイであり、優秀な技術者を採用するうえで、これらの地域は立地的に 極めて優位といえる。また、バンガロールもチェンナイとは地理的に近く、 技術者の採用が行いやすいといえる。 一方で、固有の発展要因も見逃せない。各地域とも、核となる自動車メー カーが立地しているという点では共通しているが、進出自動車メーカー、生 産台数、進出時期などは大きく異なる。 デリー周辺は、スズキ(マルチスズキ)が早くから立地したことから、地 場の部品メーカーや日系メーカーの進出も多く、集積をよんだと言える。 また、スズキは、インド市場で事実上自動車市場を独占していたことに加 え、現在でも乗用車市場の 5 割近くのシェアを占めるトップ企業であり、そ の周辺に多くの部品メーカーが立地することは極めて当然のことといえる。 さ ら に 、1995 年 に は ホ ン ダ が 進 出 し 、こ れ に 供 給 す る 部 品 メ ー カ ー に よ る 近隣への立地も増加している。 カ ル ナ タ カ 州 バ ン ガ ロ ー ル に は 、ト ヨ タ 自 動 車 が 進 出 し て い る 。周 辺 に は 、 ト ヨ タ 生 産 シ ス テ ム を 担 う 系 列 ・協 力 部 品 メ ー カ ー が 立 地 し 、現 地 の 部 品 メ ー カーも合わせて集積を形成している。 マハラシュトラ州では、プネにインド最大の自動車メーカーであるタタが 立地している。また、同じくプネには、メルセデスベンツ、フィアットの両 欧州メーカーも進出している。さらには、同州ナシックに、地場メーカーの マヒンドラマヒンドラと、ルノーが進出している。 一 方 、チ ェ ン ナ イ に は 比 較 的 新 し い 進 出 が 多 く フ ォ ー ド 、BMW、同 州 カ ー ンチプーラムに販売台数第 2 位の現代が立地している。こうした自動車メー カーの進出を核に、部品メーカーが進出し、集積を形成している。 一方で、これらの 3 地域は、以下に述べるように、産業のもともとの集積 において大きく異なっている。 バ ン ガ ロ ー ル に お い て は 、国 有 企 業 を 中 心 に 様 々 な 製 造 業 が 集 積 し て お り 、 特に精密加工メーカーが多く見られた。このため技術力のある企業が多く、 シーメンスなどの欧州企業の進出も早くからみられた。 一方、ムンバイからプネにかけての一帯には、町の工作屋的な中小企業が 多かった。 デリー周辺については、マルチスズキの生産開始後に関連メーカーの集積 が進んだ。また、数多くの地場部品メーカーが発展した。それらでは簡単な 加工はインド製工作機械を使っているところが多く、台湾製の使用も多い。 また、一部メーカーでは日本製を使っている。 89 また、チェンナイについては、もともとは建設機械以外にはあまり製造業 がなかったが、自動車メーカーなどの立地を受けて、急速に部品産業の集積 が進みつつある。また、立地が東南アジアに近いという地の利に加えて、港 か ら 近 い と い う 強 み を 持 っ て お り 、新 た な 進 出 企 業 も 多 い 。部 品 メ ー カ ー で 、 プネのメーカーがチェンナイに工場を設立したケースもある。 <自動車 3 大集積地の特徴と産業基盤> 北部 デリー:首都、政治・経済の中心 周辺地域:マルチスズキの発展に伴い、 自動車の中心的な生産拠点へ 西部 ムンバイ:人口がイ ンド最大 商業がもっとも盛ん デリーと並ぶ経済の 南部 中心 ム ン バ イ ・プ ネ : も と も と 繊 維 産 業 が 発 達、町の工作機械屋 的中小企業が多い 自動車、電機が集積 バ ン ガ ロ ー ル :カ ル ナ タ カ 州 の 州 都 も と も と 国 有 企 業 中 心 、宇 宙 関 連 産 業 も 立 地 精密加工メーカーが多い 技術力のある企業や欧米企業も立地 新 興 工 業 都 市 か ら IT 産 業 の 中 心 へ チェンナイ:インド 4 大都市の一つ 商業の中心地 ( 資 料 ) 各 種 資 料 を 基 に 日 本 総 合 研 究 所 タ ミ ー ル ナ ド ゥ 州:も と も と 繊 維 産 業 が 発 達 作成 携帯電話、自動車が急速に集積 マハラシュトラ州では、プネにインド最大の自動車メーカーであるタタが 立地している。また、同じくプネには、メルセデスベンツ、フィアットの両 欧州メーカーも進出している。さらには、同州ナシックに、地場メーカーの マヒンドラマヒンドラと、ルノーが進出している。 一 方 、 チ ェ ン ナ イ に は 、 比 較 的 新 し い 進 出 が 多 い が 、 フ ォ ー ド 、 BMW、 同 州カーンチプーラムに販売台数第 2 位の現代が立地している。また、チェン ナイに日産自動車が進出した。 このように、自動車メーカーの進出を核に、周辺に供給を行う部品メーカ 90 ーが進出し、集積を形成している。 日系自動車部品メーカーのインドにおける地域別の事業所(工場)数につ いてみると、以下のようになっている。 <日系自動車部品メーカーのインドにおける地域別事業所数> 進出先 デリー 進出企業 事業所数 3 拠点 ハリアナ州 39 拠 点 ウッタルプラデシュ 州 タミールナドゥ州 17 拠 点 進出先 マディヤプラデシュ 州 ラジャスタン州 進出企業 事業所数 3 拠点 1 拠点 1 拠点 22 拠 点 アンドラプラデシュ 州 ウッタラカンド州 マハラシュトラ州 15 拠 点 パンジャブ州 2 拠点 カルナタカ州 10 拠 点 1 拠点 (資料)各種資料をもとに日本総合研究所作成 (注)企業数ではなく、事業所(工場)数。 進 出 企 業 数 が 最 も 多 い の は ハ リ ア ナ 州 で 、 39 拠 点 と な っ て い る 。 ま た 、 チ ェ ン ナ イ を 中 心 と す る タ ミ ー ル ナ ド ゥ 州 が 22 拠 点 、ノ イ ダ を 中 心 と す る ウ ッ タ ル プ ラ デ シ ュ 州 17 拠 点 、マ ハ ラ シ ュ ト ラ 州( プ ネ 、タ ロ ジ ャ 、オ ー ラ ン ガ バ ー ド な ど ) 15 拠 点 、 バ ン ガ ロ ー ル を 中 心 と す る カ ル ナ タ カ 州 10 拠 点 な ど への立地が多くなっている。一方、パンジャブ州、マディヤプラデシュ州へ は 2 拠点、グジャラート州、アンドラプラデシュ州へは各 1 拠点と、進出企 業数は少ない。 日系部品企業の進出地域と日系を含む主な自動車メーカーの立地地域との 関係をみると以下のようになっている。 <日系自動車部品メーカーのインドにおける地域別事業所数> 日系自動車部品メーカーの 進出状況 進出先 事業所 数 デリー 3 拠点 主な自動車メーカーの進出状況 ハリアナ州 39 拠 点 ウッタルプラデシュ 州 カルナタカ州 17 拠 点 (ハリアナ州グルガオン、マネサール)スズ キ (ウッタルプラデシュ州グレーターノイダ) ホンダ 10 拠 点 (カルナタカ州バンガロール)トヨタ自動車 タミールナドゥ州 22 拠 点 (タミールナドゥ州チェンナイ)フォード、 BMW 、 マ ヒ ン ド ラ ・ マ ヒ ン ド ラ 、 ヒ ン ド ゥ ス タンモーターズ (タミールナドゥ州カーンチプーラム)現代 91 マハラシュトラ州 15 拠 点 (マハラシュトラ州プネ)フィアット、メル セデスベンツ、タタ (マハラシュトラ州ナシック)ルノー、マヒ ン ド ラ ・マ ヒ ン ド ラ (資料)各種資料をもとに日本総合研究所作成 現在、地理的な区分でみると、既に述べたように、インドにおける自動車 産業の集積は三つの地域に分散している。すなわち、デリーを中心とする北 部インド、西部のマハラシュトラ州、南部のカルナタカ州及びタミールナド ゥ州である。 デリー自体は規制があり、部品メーカーの進出は少ないが、デリー近郊の グルガオンを中心とするハリアナ州、ノイダ、グレーターノイダを中心とす る ウ ッ タ ル プ ラ デ シ ュ 州 を 合 わ せ た 地 域 に は 、日 系 企 業 の 59 拠 点 が 集 中 し て いる。この地域には、スズキがもともと進出していたことに加え、ホンダも グレーターノイダに進出しており、部品産業の一大集積が進んでいる。 一 方 、カ ル ナ タ カ 州 の バ ン ガ ロ ー ル に は 10 拠 点 が 集 中 し て い る が 、こ れ ら の企業は、同じバンガロールに立地するトヨタ自動車への供給に加え、同じ 南部で距離的にも近いチェンナイを中心とするタミールナドゥ州への供給が 中心となっている。 これに対して、同じ南部でも、チェンナイを中心とするタミールナドゥ州 は、今後日産自動車が進出を予定しているものの、従来は日本の自動車メー カーの進出のない地域である。しかし、それにもかかわらず日系自動車部品 メ ー カ ー は 22 の 拠 点 を 持 っ て い る 。 また、プネなど西部インドのマハラシュトラ州にも、日系自動車部品メー カ ー の 15 拠 点 が 設 け ら れ て い る 。 各地域に拠点を持つ日系自動車部品メーカーの概要は以下の通りとなって いる。 <3 大集積地域①デリー周辺地域(デリー、ハリアナ州、ウッタルプラデシュ州)> 【デリー】 デリー 92 部品メーカー アーレスティ (Ahresty India Private Limite d) ソミックエンジニア リング (Sona Somic Lemforder Co., Ltd.) ベステックスキョー エイ (BESTEX MM India Pvt. Ltd.) 現地生産品目 カバー、ケースなどアルミダイカスト部品 タイロッドエンド、ラックエンド、ステアリングリ ンケージ、サスペンション、ボールジョイント、リ ヤサスペンションアーム、スタビライザーリングボ ール フューエルフィラーパイプ、クロスメンバー、ビー ム、ピラー、ヒンジ、ブラケットなど車体骨格プレ ス部品 【ハリアナ州】 部品メーカー 旭硝子 (Asahi India Glass Ltd.) ASTI (ASTI Electronics India Pvt. Ltd.) NTN (NTN Manfucturing India Private Limited) エ フ ・シ ー ・シ ー (FCC Rico Ltd.) 小糸製作所 (India Japan Lighting Private Ltd.) 三櫻工業 (STI Sanoh India Ltd.) 三恵技研工業 (Sankei Gike n India Pvt. Ltd.) サンデン 現地生産品目 自動車用安全ガラス(ウインドシールドガラス) ワイヤハーネス、スイッチ 等速ジョイント 四 輪 車 用 MT ク ラ ッ チ A’ssy な ど ヘッドランプ、標識灯 ブ レ ー キ チ ュ ー ブ 、フ ュ ー エ ル チ ュ ー ブ 、そ の 他 配 管 部 品 四輪車用ボディ部品のクロムめっき処理 カ ー エ ア コ ン 用 コ ン プ レ ッ サ ー 、エ バ ポ レ ー タ ー 、コ ン 93 (Sanden Vikas (India) Ltd.) ジェイテクト (Sona Koyo Steering Systems Ltd.) ジェイテクト (Sona Koyo Steering Systems Ltd.) ショーワ (Munjal Showa Ltd.) ショーワ (Showa India Pvt. Ltd.) スタンレー電気 (Lumax Industries Ltd.) スタンレー電気 (Stanley Electric Engineering India Pvt. Ltd.) テイ・エス テック (TS Tech Sun (India) Ltd.) デンソー (Subros Ltd.) デンソー (Denso Haryana Pvt. Ltd.) デンソー (Pricol Ltd.) デンソー (Denso Faridabad Pvt. Ltd.) 東海ゴム工業 (Tokai Imperial India Private Ltd.) 東海理化 (Mindarika Pvt. Ltd.) 東陽工業 (Krishna To yo Ltd.) 西川ゴム工業 (Anand Nishikawa Co., Ltd.) 日本精機 (JNS Instruments Ltd.) 日本特殊陶業 (NGK Spark Plugs (India) Pvt. Ltd.) 日本発条 (NHK Spring India Ltd.) デンサー、 HVAC ユ ニ ッ ト な ど ス テ ア リ ン グ コ ラ ム 、ラ ッ ク & ピ ニ オ ン 、マ ニ ュ ア ル ス テアリング、油圧パワーステアリング リヤアクスル、プロペラシャフト、デファレンシャル A’ssy ボ ー ル ジ ョ イ ン ト 部 品 、ス テ ア リ ン グ 用 プ ラ グ 、ド ラ イ ブ シ ャ フ ト 、ベ ベ ル ギ ア な ど パ ワ ー ト レ イ ン 、ス テ ア リ ング、シートベルト用冷間鍛造品など シ ョ ッ ク ア ブ ソ ー バ ー 、フ ロ ン ト / リ ヤ ス ト ラ ッ ト ・ オ ープンステイ、二輪車用ショックアブソーバー等 電 動 パ ワ ー ス テ ア リ ン グ シ ス テ ム ( EPS) ヘッドランプ、リヤランプ、リヤパネルガーニッシュ、 フ ラ ッ シ ャ ー ラ ン プ 、車 幅 灯 、ル ー ム ラ ン プ 、イ ン テ リ アランプなど ランプ用金型 二 輪 車 用 シ ー ト A’ssy コンプレッサー、コンデンサなど フ ュ ー エ ル ポ ン プ 、 イ ン ジ ェ ク タ ー 、 エ ン ジ ン 用 ECU、 ISCV な ど 電 子 制 御 燃 料 噴 射 部 品 四輪車用メーター、各種部品 HVAC ユ ニ ッ ト 、 カ ー ヒ ー タ ー 燃 料 ホ ー ス 、エ ア ホ ー ス 、ウ ォ ー タ ー ホ ー ス 、オ イ ル ホ ース、エアコンホースなど自動車用ホース レ バ ー コ ン ビ ネ ー シ ョ ン ス イ ッ チ 、ウ イ ン ド レ ギ ュ レ ー タースイッチ、油圧スイッチ、各種小物スイッチ ア ウ ト サ イ ド ミ ラ ー A’ssy、 ル ー ム ミ ラ ー A’ssy ウ エ ザ ー ス ト リ ッ プ 、ボ ン ネ ッ ト シ ー ル 、グ ラ ス ラ ン チ ャンネルなど自動車用ゴム製品 コンビネーションメーター ス パ ー ク プ ラ グ ( OEM、 補 修 向 け ) コイルスプリング、スタビライザー 94 日本リークレス工業 (Nippon Spring India Ltd.) ハイレックスコーポ レーション (Hi-Lex India Private Ltd.) ベルソニカ (Bellsonica Auto Component India Pvt. Ltd.) ミクニ (Ucal Fuel Systems Ltd.) 三井金属 (Mitsui Kinzoku Components India Pvt. Ltd.) 三菱電機 (Mitsubishi Ele ctric India Pvt. Ltd.) 三菱マテリアル (SONA-Okegawa Precision Forgings Ltd.) ユーシン (Jay Ushin Ltd.) ガスケット コントロールケーブル、ウインドレギュレーター ピ ラ ー 、サ イ ド メ ン バ ー な ど 高 張 力 鋼 板 ボ デ ィ プ レ ス 部 品 キ ャ ブ レ タ ー 、フ ュ ー エ ル ポ ン プ 、ス ロ ッ ト ボ デ ィ な ど 触媒、ドアロック 電 子 制 御 燃 料 噴 射 装 置 用 ECU、 デ ィ ス ト リ ビ ュ ー タ ー 鍛 造 ベ ベ ル ギ ア 、 デ フ ァ レ ン シ ャ ル A’ssy、 ピ ニ オ ン 、 デフケース、シンクロナイザリング キーセット、コンビネーションスイッチ、ドアラッチ、 イ ン ス ト ル メ ン ト パ ネ ル ス イ ッ チ 、ヒ ー タ ー コ ン ト ロ ー ル 【ウッタルプラデシュ州】 部品メーカー 旭硝子 (Asahi India Glass Ltd.) エイチワン (H-one Daikin Ltd.) 現地生産品目 板ガラス フロントバルクヘッド、リヤフレーム、フロントサ イドフレーム、リヤホイールハウス、フロントホイ ールハウス、フロアトンネル、フロントフロア、イ ンサイドシールなど 95 エクセディ (CeeKay Daikin Ltd.) エフテック (Progressive Tools & Components Pvt. Ltd.) ケーヒン (Kehin Panalfa Ltd.) 住友電装 (Motherson Sumi Systems Ltd.) 住友電装 (Sumi Motherson Innovative Engineering, Ltd.) テイ・エス テック (TS Tech Sun (India) Ltd.) デンソー (Denso India Ltd.) デンソー (Subros Ltd.) 豊田合成 (Metzeler Automotive Profile s India Pvt. Ltd.) 西川ゴム工業 (Anand Nishikawa Co., Ltd.) 日本ブレーキ工業 (Allied Nippo n Ltd.) フェニックス電機 (Phoenix Lamps India Ltd.) 森六 (Moriroku UT India Pvt. Ltd.) リケン (Shriam Pistons & Rings Ltd.) ク ラ ッ チ A’ssy ( ク ラ ッ チ デ ィ ス ク 、 ク ラ ッ チ カ バ ー )、 ク ラ ッ チ 構 成 部 品 、 フ ラ イ ホ イ ー ル 、 フ リ ク シ ョンワッシャー ペ ダ ル A’ssy、ド ア ヒ ン ジ A’ssy、MT 部 品 、ブ レ ー キ 部 品 、 各 種 治 具 ・工 具 カーエアコンシステム ワイヤハーネス 自動車用樹脂成形品、ワイヤハーネス構成部品 金型、治具、ソフトウェア シ ー ト A’ssy、 ド ア ト リ ム 、 シ ー ト フ レ ー ム 、 ト リ ム カバーなど オルタネーター、スターター、電動ファン、ラジエ ー タ フ ァ ン 、 ベ ン チ レ ー タ ー 、 マ グ ネ ト ー 、 CDI 部 品 、ワイパ ーモータ ーギア、イグニッ ションコ イル 、 ウォッシャーポンプ、フライホイール、コンデンサ ーなど カ ーエアコ ンシステ ム、ヒー ター、エ バポレー ター 、 コンプレッサー、コンデンサ、ブロワー、ホース、 チューブ ウェザーストリップなど車体シール品 ウェザーストリップ、ボンネットシール、グラスラ ンチャンネルなど自動車用ゴム製品 ディスクブレーキパッド、ブレーキライニング、ブ レーキシュー 輸出専用ランプユニット インストルメントパネル、コンソール、グローブボ ックス、ロアスカート、トリムホイールカバー、パ ネルメーターなど自動車用樹脂部品 ピストン、ピストンリング、ピストンピンエンジン バルブ 96 <3 大集積地域②カルナタカ州> 【バンガロール】 バ ン ガ ロール 部品メーカー アイシン精機 (AISIN NTTF Pvt. Ltd.) 尾張精機 (Owari Precision Products (India) Pvt. Ltd.) サンライズ工業 ニチリン (Sunchirin Autoparts India Pvt. Ltd) 住友電装 (Motherson Sumi Systems Ltd.) 帝国ピストンリング (Goetze TP (India) Ltd.) デンソー (Denso Kirloskar Industries Ltd.) 豊田合成 (Metzeler Automotive Profile s India Pvt. Ltd.) 豊田自動織機 (Kirloskar Yoyoda Textile Machine ry Private Ltd.) 豊田鉄鋼 (Stanze n Toyotetsu India Pvt. Ltd.) トヨタ紡織 (Yoyota Bo shoku Automotive India Private Ltd.) 現地生産品目 ドアフレーム、ドアロック、ドアヒンジ、ウインド レギュレーター、シートロックなど シンクロナイザリング カーエアコン用ホース口金具、リキッドパイプ、チ ャージバルアダプタ ワイヤハーネス スチールコンプレッションピストンリング、スリー ピースオイルリング ラジエーター、カーエアコンシステム ステアリングホイール、エアバッグモジュール、内 外装品 MT 部 品 な ど ブレーキ/アクセル/クラッチペダル、ペダルサポ ート、パーキングブレーキイコライザー、リヤアク スルハウジング、ラジエーターサポート、クロスメ ンバー、ロアアーム、パーキングブレーキレバー シ ー ト A’ssy、 ド ア ト リ ム 、 ル ー フ ラ イ ニ ン グ 、 サ ン バイザー、フロアカーペットなど 97 <3 大集積地域②タミールナドゥ州> 【チェンナイ】 チェンナイ 部品メーカー 愛三工業 (IHD Industries Pvt. Ltd.) 旭硝子 (Asahi India Glass Ltd.) 荒井製作所 (Hi-Tech Arai Ltd.) 五十嵐電機製作所 (IGARASHI Motors India Ltd.) 小糸製作所 (India Japan Lighting Private Ltd.) 三櫻工業 (STI Sanoh India Ltd.) 大同メタル工業 (BBL Daido Private Ltd.) デンソー (Pricol Ltd.) デンソー (Pricol Ltd.) 日清紡 (Rane Brake Linings Ltd.) 日本サーモスタット (Nippon Thermostat (India)Ltd.) 現地生産品目 フ ュ ー エ ル ポ ン プ A’ssy、 フ ュ ー エ ル ポ ン プ 、 レ ベ ル セ ン サ 、 フューエルフィルター、プレッシャーレギュレーター、フュ ーエルセンター 自動車用安全ガラス(ウインドシールドガラス) リードバルブ、O リング、オイルシール、ガスケット、パッ キン、バルブステムシール、ゴム成形品 各 種 小 型 DC ブ ラ シ ・ ギ ア ー ドモ ー タ ー 、 モ ー タ ー 部 品 ヘ ッ ド ラ ン プ 、リ ヤ コ ン ビ ネ ー シ ョ ン ラ ン プ 、フ ォ グ ラ ン プ 、 サ イ ド タ ー ン シ グ ナ ル ラ ン プ 、ハ イ マ ウ ン ト ス ト ッ プ ラ ン プ 、 ルームランプ、リヤガーニッシュランプ、ライセンスプレー トランプ ブレーキパイプ、フューエルパイプ、パワーステアリング用 パイプ ポリマーベアリング、ラバーブッシュ メーターなど 二輪車向けオイルポンプ、ディスクブレーキなど ブレーキライニング、ディスクブレーキパッド、クラッチフ ェーシング(全アスベスト/ノンアスフリー) サーモスタット、水温センサ 98 日本精工 (Rane NSK Steering Systems Ltd.) 日本ピストンリング (IP Rings Ltd.) ミクニ (Ucal Fuel Systems Ltd.) ミツバ (Mitsuba Sical India Ltd.) ユーシン (Jay Ushin Ltd.) エネルギー吸収&コラブシブルステアリングコラム、チルト &スコピックステアリングコラム、中間シャフト&ユニバー サ ル ジ ョ イ ン ト A’ssy、 HUB ユ ニ ッ ト ベ ア リ ン グ 、 ト ラ ン ス ミッション用ベアリング、電磁クラッチ用ベアリング ピストンリング、オイルリング、ベベルギア、シンクロナイ ザリング キャブレター、フューエルポンプ、スロットルボディなど ワイパーモーター、リンク、ファンモーター、ウォッシャー ポンプ、二輪車用部品 キーセット、コンビネーションスイッチ、ドアラッチ、イン ストルメントパネルスイッチ、ヒーターコントロール <3 大集積地域④マハラシュトラ州> 【ムンバイ・プネ】 ムンバイ 部品メーカー 旭硝子 (Asahi India Glass Ltd.) エクセディ (CeeKay Daikin Ltd.) ジ ー エ ス・ユ ア サ イ ン ターナショナル (Tate AutoComp GY Batteries Pvt. Ltd.) スタンレー電気 (Lumax Industries Ltd.) 中央発條 (TC Springs Pvt. Ltd.) TBK (TBK India Pvt. Ltd.) ティラド (Tata Toyo Radiator 現地生産品目 自 動 車 用 安 全 ガ ラ ス ( ウ イ ン ド シ ー ル ド ガ ラ ス )、 板 ガラス ク ラ ッ チ A’ssy ( ク ラ ッ チ デ ィ ス ク 、 ク ラ ッ チ カ バ ー )、 ク ラ ッ チ 構 成 部 品 、 フ ラ イ ホ イ ー ル 、 フ リ ク シ ョンワッシャー 自動車用バッテリー ヘッドランプ、リヤランプ、リヤパネルガーニッシ ュ、フラッシャーランプ、車幅灯、ルームランプ、 インテリアランプなど フ ロ ン ト / リ ヤ コ イ ル ス プ リ ン グ 、ト ー シ ョ ン バ ー 、 フロント/リヤスタビライザー、テンションロッド ウォーターポンプ、オイルポンプ アルミ製ラジエーター、ヒーターコア、オイルクー ラ ー 、 イ ン タ ー ク ー ラ ー 、 EGR ク ー ラ ー 99 Ltd.) デンソー (Subros Ltd.) デンソー (Pricol Ltd.) 東海理化 (Mindarika Pvt. Ltd.) 矢崎総業 (Tata Yazaki AutoComp Co., Ltd.) ユタカ技研 (Yutaka Autoparts Pune Ltd.) カーエアコンシステム、コンデンサ、コンプレッサ ー用クラッチなど 四輪車用メーター、各種部品 レバーコンビネーションスイッチ、ウインドレギュ レータースイッチ、油圧スイッチ、各種小物スイッ チ ワイヤハーネス 触媒コンバーター、エキゾーストマニホールドなど 二輪車・四輪車用部品 また、3 大集積地以外に立地する日系自動車部品メーカーの概要は以下の 通りとなっている。 <3 大集積地域以外へ進出している日系企業> 【アンドラプラデシュ州】 部品メーカー 現地生産品目 日清紡 ブ レ ー キ ラ イ ニ ン グ 、デ ィ ス ク ブ レ ー キ パ ッ ド 、ク (Rane Brake Linings ラ ッ チ フ ェ ー シ ン グ( 全 ア ス ベ ス ト / ノ ン ア ス フ リ Ltd.) ー) 【マディヤプラデシュ州】 部品メーカー 現地生産品目 三櫻工業 ダ ブ ル チ ュ ー ブ 、シ ン グ ル チ ュ ー ブ 、そ の 他 の 配 管 (STI Sanoh India 部 品 な ど Ltd.) 日本発条 スタビライザー (NHK Spring India Ltd.) ブリヂストン 乗用車用ラジアルタイヤ (Bridgestone India Private Ltd.) 【ラジャスタン州】 部品メーカー 菊池プレス工業 高尾金属工業 (Global Auto -Parts Alliance Private Limited) 【パンジャブ州】 部品メーカー NOK (Sigma Freudenberg 現地生産品目 ダッシュボード、ピラー類などボディプレス部品 現地生産品目 各種シール、ダイヤフラム、防振ゴム 100 NOK Pvt. Ltd.) 西川ゴム工業 (Anand Nishikawa Co., Ltd.) ウ ェ ザ ー ス ト リ ッ プ 、ボ ン ネ ッ ト シ ー ル 、グ ラ ス ラ ンチャンネルなど自動車用ゴム製品 【ウッタラカンド州】 部品メーカー 現地生産品目 フェニックス電機 自動車用ハロゲンランプなど (Phe nix Lamps India Ltd.) (資料)各種資料をもとに日本総合研究所作成 ( 6) 主 要 外 資 系 ・ 地 場 自 動 車 部 品 メ ー カ ー の 立 地 状 況 各地域に拠点を持つ主な外資系及び地場自動車部品メーカーの概要は、以 下の通りとなっている。 <3 大集積地域①デリー周辺地域(デリー、ハリアナ州、ウッタルプラデシュ州)> 【デリー】 デリー 部品メーカー Gabriel India Ltd. Clutch Auto Ltd. Kiran Udyog Pvt. Ltd. 現地生産品目 米 Fe de ral-Mo gul( 提 携 )、米 Arvin Meritor( OEM)、 KYB( 技 術 提 携 ) シ ョ ッ ク ア ブ ソ ー バ ー 地場 インド最大の自動車用クラッチメーカー 地場 クランクケースカバー、エンジンブロック、 アームシフトケースなど各種ダイカスト部品 101 【ウッタルプラデシュ州】 部品メーカー Tre lle borg Automotive India Pvt. Ltd. 現地生産品目 ス ウ ェ ー デ ン Tre lle bo rg エ ン ジ ン マ ウ ン ト 、 サ ス ペンションマウントなどゴム製品 【ハリアナ州】 部品メーカー Delphi Automotive Systems Ltd. Jo hnso n Matthey India Pvt. Ltd. Purolator India Ltd. Talbros Auto mo tibe Coponents Ltd. Imperial Auto Industries Ltd. Omax Autos Ltd. Delphi 現地生産品目 カーエアコンシステム Johnson Matthe y ガソリン、ディーゼル車用触媒 独 MAHLE Filtersysteme( 合 弁 ) エ ア フ ィ ル タ ー 、 オイルフィルター、フューエルフィルター 日 リ ー ク レ ス 工 業( 合 弁 )、米 Federal Mo gul、米 Affinia Group( 提 携 ) シ リ ン ダ ー ヘ ッ ド ガ ス ケ ッ ト 地 場 ブ レ ー キ チ ュ ー ブ 、フ ュ ー エ ル チ ュ ー ブ 、ク ロ ス メンバー、ラジエーターホースなど 地 場 ボ デ ィ パ ネ ル 、シ ャ シ ー 部 品 、 ス プ ロ ケ ッ ト 、 ギ 102 Polyplastics Rico Auto Industries Ltd. アシャフトなどプレス・鋼管部品 地 場 ・ サ カ エ 理 研 工 業( 技 術 提 携 ) ウ イ ン ド レ ギ ュ レ ー タ ー 、 AC コ ン ト ロ ー ル ブ ラ ン ケ ッ ト 、 バ ン パ ー 地場 アルミダイカスト(クラッチ、オイルポンプな ど )・ 鋳 鉄 鋳 造 ( ブ レ ー キ ド ラ ム 、 エ キ ゾ ー ス ト マ ニ ホ ールドなど)部品 <3 大集積地域②タミールナドゥ州> 【チェンナイ】 チェンナイ 部品メーカー Brakes India Ltd. Amalgametations Repco Ltd. Arvin Exhaust India Pvt. Ltd. Axles India Ltd. Delphi-TVS Diesel Systems Ltd. Indrad Auto Components Lucas-TVS Ltd. L.G. Balakrishnan Rane Engine Valves Ltd. Rane (Madras) Ltd. Sundram Fasteners Ltd. 外資/地場、生産品目 米 TRW Auto mo tive( 合 弁 ) ブレーキシステム及び部品 豪 Repco( 合 弁 ) クラッチ及び部品 米 Arvin Meritor( 合 弁 ) ドアビーム、インストルメントパネル、エグゾーストパイプ、 マフラー 米 Dana( 合 弁 ) リヤアクスルハウジング、リヤアクスルギア タ ミ ー ル ナ ド ゥ 州 、 De lphi フ ュ ー エ ル イ ン ジ ェ ク シ ョ ン 伊 GATE( 技 術 提 携 ) ラジエータークーリングファンモジュール、ワイパーモーター など 英 Lucus Industrie s( 合 弁 ) ス タ ー タ ー 、オ ー ル タ ネ ー タ ー 、 ワイパーモーター、ファンモーター、ヘッドランプ、イグニッ ションコイルなど 地 場 、タ ミ ー ル ナ ド ゥ 州 、ド ラ イ ブ チ ェ ー ン( 国 内 シ ェ ア 7 割 ) 地場 エンジンバルブ、バルブガイド、タペット 地場、リンケージ、ステアリングギア 地場 ドライブシャフト、クランクシャフトタイミングプーリ ー、カムシャフトタイミングプーリーなど 103 <3 大集積地域②カルナタカ州> 【バンガロール】 バ ン ガ ロール 部品メーカー Autoliv IFB India Ltd. JKM Dae Rim Automo tive Ltd. Kar Mobile Ltd. Motor Industries Co. Ltd. Sansera Engineering (P) Ltd. 現地生産品目 米 Autoliv( 合 弁 ) シートベルトシステム、エアバッグシステム 韓 Dae Rim Enterprise( 合 弁 ) ロ ッ カ ー ア ー ム 、 インテークマニホールド、オイルポンプ、ウォータ ーポンプ 米 TRW( 技 術 提 携 ) エ ン ジ ン バ ル ブ Bosch スパークプラグ、バッテリー 地場 コネクティングロッド、クランクシャフト、 ロッカーアーム、ギアシャフトフォークなど <3 大集積地域③マハラシュトラ州> 【ムンバイ・プネ】 ムンバイ 部品メーカー Bharat Firge Ltd. Minda Stoneridge Instruments Ltd. Polybond India Pvt. Ltd. 現地生産品目 プネ、地場 クランクシャフト、コネクティングロ ッド、ロッカーアームなど プ ネ 、 米 Stoneridge Structure( 合 弁 ) 独 Vo rwerk Autotecis( 合 弁 ) 自動車用ゴム部品 104 Rinder India Pvt. Ltd. Tata Ficosa Auto mo tive Systems Ltd. Tata Johnson Controls Auto mo tive Ltd. プ ネ 、 西 Rinder Group ラ ン プ 類 プ ネ 、 西 Ficosa( 合 弁 ) ル ー ム ミ ラ ー 、 ド ア ミ ラ ー、ウインドウォッシャーシステム プ ネ 、米 Jo hnso n Contro ls Automotive( 合 弁 ) フ ロアセンターコントロールパネル、シート、ドアパ ネル 3. 日 本 の 工 作 機 械 の 輸 出 動 向 ( 1) 輸 出 の 推 移 日 本 の 工 作 機 械 の 輸 出 は 1960 年 代 以 降 、 NC 工 作 機 械 の 強 い 競 争 力 な ど を 背 景 に 増 加 傾 向 を 辿 り 、 2006 年 に は 9,215 億 円 ( 貿 易 統 計 ) の ピ ー ク に 達 し た 。 そ の 後 、 横 ば い で 推 移 し た が 、 2009 年 は 、 世 界 経 済 低 迷 を 受 け 、 前 年 比 63.3% 減 の 3,214 億 円 に 急 減 し た 。2009 年 の 輸 出 は 全 て の 地 域 で 減 少 し た が 、 特 に 北 米 が 72.4% 減 、 欧 州 が 78.6% 減 と 顕 著 で あ っ た 。 も っ と も 、 2009 年 1~ 6 月 期 を 底 に 輸 出 は 回 復 へ と 向 か い 、 2010 年 は 前 年 比 で ほ ぼ 倍 増 の 6,085 億 円( 内 、NC 工 作 機 械 は 同 95.0% 増 の 5,738 億 円 )と な っ た 。地 域 別 に は 、中 国 向 け を 中 心 に 、ア ジ ア( 東 ア ジ ア 、東 南 ア ジ ア 、そ の 他 ア ジ ア の 合 計 ) 向 け が 同 11 3 . 6 % 増 の 4 , 3 1 0 億 円 と 急 速 な 回 復 を 示 し た 。 < 日 本 の 工 作 機 械 の 地 域 別 輸 出 推 移 ( 2003~ 10 年 ) > (10億円) 1000 東アジア 800 377.9 0 北米 292.4 220.6 137.8 200 259.0 301.9 600 400 274.0 209.3 242.2 130.7 127.4 155.8 90.4 106.6 98.8 113.4 153.5 156.7 2003 2004 2005 2006 226.7 223.5 130.5 139.5 欧州 140.4 96.1 235.7 219.0 61.6 61.4 46.8 114.2 68.5 2007 2008 2009 2010 (資料)日本工作機械工業会 105 東南アジア他 316.8 その他 (年) <日本の工作機械輸出の内訳> (台、百万円、%) 2008 特殊加工機 マシニングセンタ 専用機 旋盤 ユニット ボール盤 中ぐりフライス盤 中ぐり盤 フライス盤 ねじ切り盤及びねじ立て盤 研削盤及び仕上げ機械 その他の金属工作機械 合 計 台数 7,133 (5,926) 11,451 95 (80) 20,601 (16,949) 1,235 17,254 (9,773) 260 (179) 403 (138) 2,430 (511) 5,002 (1,009) 9,755 (2,628) 30,022 (645) 105,641 (49,289) 2009 金額 104,072 (97,980) 298,122 7,649 (7,432) 249,527 (245,481) 315 59,937 (57,494) 9,537 (9,295) 4,830 (3,903) 14,058 (12,342) 5,759 (4,796) 83,169 (61,386) 37,748 (15,244) 874,723 (813,475) 台数 3,268 (2,809) 6,637 81 (73) 9,413 (5,747) 515 7,216 (1,413) 187 (96) 247 (94) 2,137 (313) 1,691 (324) 6,356 (1,317) 14,858 (352) 52,606 (19,175) 金額 36,089 (33,604) 116,600 4,607 (4,391) 75,703 (73,964) 221 10,991 (9,630) 4,761 (4,666) 2,715 (2,235) 7,682 (6,729) 2,187 (1,733) 40,227 (30,801) 19,617 (9,900) 321,400 (294,253) 2010 台数 7,239 (6,473) 24,462 115 (108) 16,730 (12,412) 692 12,553 (6,500) 220 (102) 309 (149) 3,374 (506) 2,520 (574) 9,400 (2,743) 15,439 (466) 93,053 (54,495) 金額 69,616 (67,672) 247,596 5,774 (5,674) 134,343 (131,250) 384 37,316 (35,981) 3,607 (3,479) 4,930 (4,475) 10,070 (8,823) 4,356 (3,572) 68,398 (55,588) 22,129 (9,709) 608,519 (573,819) 前年比 92.9 101.4 112.3 25.3 29.2 77.5 77.5 73.8 239.5 273.6 ▲ 24.2 ▲ 25.4 81.6 100.2 31.1 31.1 99.2 106.1 70.0 80.5 12.8 ▲ 1.9 89.3 95.0 構成比 11.4 (11.8) 40.7 0.9 (1.0) 22.1 (22.9) 0.1 6.1 (6.3) 0.6 (0.6) 0.8 (0.8) 1.7 (1.5) 0.7 (0.6) 11.2 (9.7) 3.6 (1.7) 100.0 (100.0) (資料)日本工作機械工業会 (注)括弧内はNC工作機械。 ( 2) 日 本 製 工 作 機 械 の イ ン ド 向 け 輸 出 2010 年 に 日 本 か ら イ ン ド へ 輸 出 さ れ た 工 作 機 械 は 合 計 で 1,734 台( 内 、NC 工 作 機 械 は 12,83 台 )、 247.2 億 円 ( 同 238.4 億 円 ) で あ っ た 。 2009 年 に 比 べ て 台 数 で 2.2 倍 、 金 額 で 1.7 倍 と 、 顕 著 な 増 加 を 記 録 し た 。 工 作 機 械 輸 出 の 全 体 に 占 め る イ ン ド 向 け の 割 合 は 台 数 で 1.9% と 非 常 に 小 さ い が 、 金 額 で は 4.1% を 占 め て お り 、 輸 送 機 器 産 業 な ど へ 比 較 的 上 級 の 機 種 が 輸出されていると考えられる。 106 <日本の工作機械のインド向け輸出> 2009 台数 特殊加工機 マシニングセンタ 専用機 旋盤 ボール盤 中ぐりフライス盤 中ぐり盤 フライス盤 研削盤及び仕上げ機械 その他の金属工作機械 合 計 41 (35) 243 26 (25) 153 (149) 77 (53) 7 (6) 7 (4) 5 (3) 98 (82) 52 (26) 777 (627) 2010 金額 622 (585) 5,579 1,690 (1,577) 2,611 (2,597) 612 (607) 431 (430) 99 (95) 45 (43) 1,699 (1,615) 1,127 (774) 14,530 (13,907) 台数 102 (100) 628 1 (1) 259 (247) 165 (55) 6 (5) 10 (8) 28 (8) 280 (169) 110 (47) 1,734 (1,283) 金額 1,350 (1,345) 13,211 89 (89) 2,943 (2,916) 486 (475) 403 (397) 378 (310) 558 (538) 3,618 (3,260) 1,517 (1,195) 24,721 (23,841) (台、百万円、%) 伸び 台数 金額 148.8 117.0 185.7 129.9 158.4 136.8 ▲ 96.2 ▲ 94.7 ▲ 96.0 ▲ 94.4 69.3 12.7 65.8 12.3 114.3 ▲ 20.6 3.8 ▲ 21.7 ▲ 14.3 ▲ 6.5 ▲ 16.7 ▲ 7.7 42.9 281.8 100.0 226.3 460.0 1,140.0 166.7 1,151.2 185.7 112.9 106.1 101.9 111.5 34.6 80.8 54.4 123.2 70.1 104.6 71.4 (資料)日本工作機械工業会 (注)括弧内はNC工作機械。 4. イ ン ド 市 場 開 拓 の 課 題 ( 1) イ ン ド に お け る ユ ー ザ ー 産 業 の 展 望 ①自動車 イ ン ド 自 動 車 部 品 工 業 会 ( ACMA ) の 「 VISION2020 」 に よ れ ば 、 乗 用 車 は 、 2015 年 ま で に 500 万 台 生 産 さ れ る と 推 測 さ れ て い る 。 そ し て 、 2020 年 ま で に は 、 国 内 需 要 と 輸 出 向 け を 合 計 し て 900 万 台 程 度 が 生 産 さ れ る と 推 測 されている。 商 用 車 は 、 2015 年 ま で に 140 万 台 を 生 産 し 、 2020 年 ま で に 220 万 台 を 生 産すると予測されている。特に、小型商用車という新しいタイプの商用車に つ い て は 、数 年 の 間 年 平 均 で 30% 程 度 の 成 長 率 を 維 持 す る と 推 測 さ れ て い る ま た 、ACMA の 報 告 書 に よ る と 、2016 年 ま で に 、イ ン ド の 自 動 車 需 要 は 世 界 で 7 番 目 に 大 き な 市 場 と な る と 推 測 さ れ て い る 。そ し て 、2030 年 に は 、世 界で中国、米国に次ぐ世界で 3 番目に大きなマーケットとなると見込まれて いる。 107 <自動車生産の将来予測> ( 1,000 台 ) 2009 年 2,670 2,200 470 自動車 乗用車 多目的車 2015 年 (予測) 6,520 5,100 1,420 2020 年 (予測) 10,810~ 12,050 8,700~ 9,700 2,110~ 2,350 ( 資 料 ) ACMA「 Status of Indian Automotive and Auto -Compo ne nts Industry」 ②オートバイ ACMA の 「 VISION2020 」 に よ れ ば 、 二 輪 車 、 三 輪 車 は 、 2015 年 ま で に 2,200 万 台 以 上 を 生 産 し 、 2020 年 ま で に は 市 場 に 徐 々 に 浸 透 し 、 地 方 で の 販 売 拡 大 や 海 外 輸 出 の 拡 大 に よ り 、 3,000 万 台 に 到 達 す る と 推 測 さ れ て い る 。 <二輪車・三輪車生産の将来予測> ( 1,000 台 ) 2009 年 二 輪 車・三 輪 車 10,230 2015 年 (予測) 22,100 2020 年 (予測) 30,000~ 33,500 ( 資 料 ) ACMA「 Status of Indian Automotive and Auto -Compo ne nts Industry」 ③自動車部品 ACMA は 長 期 計 画 「 VISION2020」 を 策 定 し 、 自 動 車 部 品 産 業 を 同 国 の 主 要 輸 出 製 品 と し て 育 成 し よ う と し て い る 。予 測 に よ れ ば 、2020 年 に は 、イ ン ド の 自 動 車 部 品 生 産 額 は 760~ 840 億 ド ル に 達 し 、そ の 内 、輸 出 が 260~ 290 億ドルに達する。今後、世界の大手自動車メーカーの部品調達先として発展 する可能性が高まっている。 <自動車部品生産の将来予測> (億ドル) 2009 年 自動車部品 OEM アフタ ーマーケット 30.0 25.7 4.3 2015 年 (予測) 69.0 60.6 8.4 2020 年 (予測) 108~ 119 100.2 12.8 ( 資 料 ) ACMA「 Status of Indian Automotive and Auto -Compo ne nts Industry」 108 2020 年 時 点 の 、 自 動 車 部 品 の 部 品 ・ 用 途 別 の 構 成 は 以 下 に 予 測 さ れ る 。 < 自 動 車 部 品 生 産 の 部 品 別 構 成 比 予 測 ( 2020 年 ) > (%) 部品 ボディ 電機電子 エンジン関係 内装 サスペンション・ブレーキ トランスミッション・ステアリ ング 合 計 構成比 23.5 17.1 25.6 6.4 10.7 17.1 100.0 ( 資 料 ) ACMA「 Status of Indian Automotive and Auto -Compo ne nts Industry」 < 自 動 車 部 品 生 産 の 用 途 別 構 成 比 予 測 ( 2020 年 ) > (%) 部品 乗用車 SCV LCV HCV 二輪・三輪 農機 建機 合 計 構成比 46.9 4.3 4.3 12.8 21.3 6.6 4.3 100.0 ( 資 料 ) ACMA「 Status of Indian Automotive and Auto -Compo ne nts Industry」 さ ら に 、2016 年 ま で に イ ン ド の 自 動 車 産 業 は 完 成 車 ・ 部 品 の 設 計 ・ 製 造 拠 点として位置づけられることを目標としている。また、自動車部品産業だけ で 、2020 年 ま で に 2,500 万 人 の 新 規 雇 用 を 生 み 出 す こ と が 可 能 で あ る と 予 測 している。 ④農業機械 ACMA の 「 VISION2020」 に よ れ ば 、 ト ラ ク タ ー の 生 産 規 模 は 、 2015 年 ま で に 70 万 台 に 達 す る と 推 測 さ れ て い る 。そ し て 、国 内 、国 外 市 場 の 拡 大 に よ り 、 2020 年 ま で に 100 万 台 の 生 産 に 到 達 す る と 予 測 さ れ て い る 。 109 <トラクター生産の将来予測> ( 1,000 台 ) 2009 年 トラクター 420 2015 年 (予測) 710 2020 年 (予測) 940~ 1,050 ( 資 料 ) ACMA「 Status of Indian Automotive and Auto -Compo ne nts Industry」 ⑤建設機械 ACMA の「 VISION2020」に よ れ ば 、建 設 機 械 は 、2015 年 ま で に 10 万 台 、 2020 年 ま で に 17~ 19 万 台 の 生 産 量 に 到 達 す る と 推 測 さ れ て い る 。 <建設機械生産の将来予測> ( 1,000 台 ) 2009 年 建設機械 40 2015 年 (予測) 100 2020 年 (予測) 170~ 190 ( 資 料 ) ACMA「 Status of Indian Automotive and Auto -Compo ne nts Industry」 IECIAL の 報 告 書 に よ れ ば 、道 路 建 設 工 事 は 、2015 年 ま で に 480 億 ド ル 規 模 の 計 画 が あ る 。 ま た 、 電 力 部 門 で は 、 2012 年 ま で に 追 加 で 90,000 メ ガ ワ ッ ト の 供 給 拡 大 を 計 画 、 鉄 鋼 部 門 は 、 2015 年 ま で に 3,800 万 ト ン ( 注 ) か ら 8,600 万 ト ン に ま で 供 給 量 を 拡 大 し 、 490 億 ド ル の 投 資 が 見 込 ま れ て い る 。 ( 注 )世 界 鉄 鋼 協 会 に よ れ ば 、2009 年 の イ ン ド の 粗 鋼 生 産 能 力 は 約 5,600 万 トン。 ま た 、 BAI( Builders Association of India) の 報 告 書 に よ れ ば 、 2012 年 か ら 2030 年 に か け て は 、 少 な く と も GDP の 8~ 10%は イ ン フ ラ 設 備 に 消 費 すると推測されており、特に、建設業界はインドの産業を牽引する重要な役 割 を 今 後 も 担 う と 見 込 ま れ る 。さ ら に 、新 し い 需 要 を 生 み 出 し 、道 路 や 港 湾 、 空 港 や 工 場 プ ラ ン ト 、マ ン シ ョ ン 建 設 や 小 売 な ど に も 波 及 す る と 考 え ら れ る 。 2012 年 か ら 2017 年 に か け て 、 イ ン フ ラ へ の 投 資 額 は 2 倍 程 度 に ま で 成 長 す る と 推 測 さ れ て い る 。 2017 年 か ら 2027 年 に か け て は 、 さ ら に 2017 年 の 市場規模の 4 倍程度にまで成長すると推測されている。 ⑥エネルギー関連産業 イ ン ド 計 画 委 員 会 に よ れ ば 、 第 11 次 5 カ 年 計 画 ( 2007~ 2011 年 度 ) で の 商 業 用 エ ネ ル ギ ー 需 要 の 伸 び は 、年 平 均 12.7% 2011 年 度 終 了 時 点 で 、商 業 用 エ ネ ル ギ ー 需 要 は 5 億 4,600 万 石 油 換 算 ト ン に 達 す る 見 込 み で あ る 。 国 際 エ ネ ル ギ ー 機 関 ( IEA ) に よ れ ば 、 イ ン ド の 一 次 エ ネ ル ギ ー 需 要 の 将 来予測は、以下の通りとなっている。 110 <一次エネルギー需要の将来予測> ( 石 油 換 算 100 万 ト ン 、% ) 石炭 石油 ガス 原子力 水力 バイオマス ・廃 棄 物 そ の 他 再 生 可 能エネルギー 合 計 2007 年 実績 2015 年 予測 2020 年 予測 2025 年 予測 2030 年 予測 242 141 33 4 11 305 186 67 14 15 378 223 80 19 16 468 274 97 24 19 586 341 113 28 22 2007~ 2030 年 年平均伸び 率 3.9 3.9 5.4 8.3 3.1 162 173 178 183 189 0.7 1 5 6 7 10 9.7 595 764 901 1,073 1,287 3.4 ( 資 料 ) IEA「 Wo rld Ene rgy Outloo k」 化 石 燃 料 が 今 後 も 重 要 な 役 割 を 果 た す こ と は 間 違 い な い が 、原 子 力 、風 力 、 太陽熱などの再生可能エネルギーも伸長することが予想されている。 2006 年 発 表 の 総 合 エ ネ ル ギ ー 政 策( Inte grate d Energy Po licy: IEP)で は 、 年 間 12,000~ 15,000MW の 発 電 能 力 の 追 加 的 増 強 に よ り 、 2012 年 ま で に 全 家庭への電力供給を実現するという目標を掲げている。 インドは現在、急速な経済拡大に伴い電力需要が急増する一方で、供給が 追いつかず、電力不足が深刻化している。エネルギー源構成を見ると、石油 の輸入依存が高い。ムンバイの沖合で原油生産を続けてきたが、既にピーク アウトしており、中東などからの輸入に頼らざるを得ない状況である。輸入 依 存 度 は 、 現 在 の 70% か ら 、 2030 年 に は 90% 近 く に な る と み ら れ て い る 。 さ ら に 、発 電 の 68% を 石 炭 に 頼 っ て お り 、輸 入 依 存 度 が 高 く な る 見 込 み で 、 2030 年 に は 、消 費 量 の 3 分 の 2 か ら 4 分 の 3 は 輸 入 と な る 。ま た 、液 化 天 然 ガ ス ( LNG) の 輸 入 も 始 ま っ て い る 。 二 酸 化 炭 素( CO2)の 排 出 量 も 増 大 が 避 け ら れ な い 見 通 し で あ る 。一 方 で 、 温 暖 化 対 策 と し て 、 2020 年 に 基 準 シ ナ リ オ 比 で 温 室 効 果 ガ ス ( GHG) を 20 ~ 25% 減 ら す こ と を 国 際 的 に 表 明 し て い る 。 現 時 点 の 排 出 量 を 削 減 す る こ と はできないが、今後の増加率を低く抑えるという内容である。 こ う し た 状 況 下 、イ ン ド は 原 子 力 発 電 所 の 建 設 に 力 を 入 れ よ う と し て い る 。 今 後 、原 子 力 発 電 を 本 格 化 し 、「 2030 年 に は 6000 万 kW を 原 子 力 発 電 で 賄 う 」 と い う 目 標 を 掲 げ て い る 。現 在 、稼 働 中 の 原 子 力 発 電 所 が 19 基 あ り 、そ の 総 発 電 容 量 は 434 万 kW で あ る 。建 設 中 の 5 基( 発 電 容 量 294 万 kW)、計 画 中 の 20 基 ( 発 電 容 量 1,200 万 kW) を 合 計 す る と 約 2,000 万 kW と な る 。 また、再生可能エネルギー源、特に風力発電がインドで拡大している。近 年では、エネルギー関連の民間投資の多くが再生可能エネルギー源に集中し 111 て い る が 、そ の 主 な 理 由 は 、国 庫 補 助 が 得 ら れ る こ と で あ る 。2013 年 ま で の 中期的な見通しでは、インドの再生可能エネルギーによる発電量は、約 8 万 8,081MW に 達 す る と 予 測 さ れ て い る 。 さ ら に 、長 期 ビ ジ ョ ン で は 、2022 年 に 、太 陽 光 を 除 い た 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー で 5,400 万 kW、太 陽 光 で 2020 年 ま で に 2,000 万 kW の 設 備 能 力 を 達 成 す ることを目標としている。 ⑦金型 TAGMA の 報 告 書 (「 The Indian Tool Rooms Industry Report 2008」) に よれば、ここ 5 年で金型産業の市場規模は 2 倍以上に成長している。また、 IMTMA は 、 今 後 10 年 間 の 工 作 機 械 の 需 要 の 伸 び を 年 平 均 25% 程 度 と 見 込 み 、2020 年 に は 市 場 が 2,300 億 ル ピ ー 前 後 に な る と 推 測 し て い る 。ま た 、202 0 年には国内の工作機械市場の約 3 分の 2 を国産機械が占めると予測している。 <金型産業の市場規模の推移> ( 1,000 万 ル ピ ー ) ( 資 料 ) TAGMA ( 2) イ ン フ ラ の 整 備 計 画 と 主 要 道 路 輸 送 網 の 現 状 ①インフラの整備計画 現在、インド国内の電力や物流(道路、港湾、鉄道など)の主要インフラ 整備の遅れは、ビジネス上の課題であることから政府が大々的な投資を行う 計画である。 イ ン ド 計 画 委 員 会 に よ れ ば 、 第 11 次 5 カ 年 計 画 ( 2007~ 2011 年 度 ) に お け る 、 イ ン フ ラ 関 連 の 投 資 額 は 以 下 の よ う に 見 込 ま れ て い る 3。 < 第 11 次 5 カ 年 計 画 に お け る イ ン フ ラ 関 連 投 資 額 > 3 Planning Commission, Government of India「 Eleventh Five Year Plan (2007– 2012)」 112 GDP インフラ関連総投資額 政府投資額 民間投資額 270 20 14 6 第 11 次 5 カ 年 計 画 目 標 投資額 GDP 比( % ) 兆 4,451 億 ル ピー 7.6 兆 5,615 億 ルピー 5.3 兆 3,656 億 ルピー 2.6 兆 1,959 億 ルピー ( 資 料 )Planning Commission, Go vernment of India「 Eleventh Five Year Plan (2007–2012)」 ま た 、イ ン フ ラ 関 連 投 資 の 分 野 別 投 資 額 は 、以 下 の よ う に 見 込 ま れ て い る 。 < 第 11 次 5 カ 年 計 画 に お け る イ ン フ ラ 関 連 の 分 野 別 投 資 額 > 電気 道路・橋梁 鉄道 通信 灌漑 上下水道 港湾 空港 貯蔵施設 ガス 合 計 6 3 2 2 2 1 20 第 11 次 5 カ 年 計 画 目 標 投資額 構成比(%) 32.4 兆 6,653 億 ルピー 15.3 兆 1,415 億 ルピー 12.7 兆 6,181 億 ルピー 12.6 兆 5,844 億 ルピー 12.3 兆 5,330 億 ルピー 7.0 兆 4,373 億 ルピー 4.3 8,800 億 ルピー 1.5 3,097 億 ルピー 1.1 2,238 億 ルピー 0.8 1,686 億 ルピー 100.0 兆 5,615 億 ルピー ( 資 料 ) Planning Commission, Government of India「 Eleventh Five Year Plan (2007–2012)」 第 11 次 5 カ 年 計 画 に お け る 、分 野 別 の 主 要 な イ ン フ ラ 整 備 計 画 は 以 下 の よ うになっている。 (道路・高速道路) ・ 幹 線 道 路 ( 黄 金 の 四 角 形 ) に つ い て は 、 6 車 線 道 路 6,500km 整 備 ・ 幹 線 道 路 ( 南 北 ・ 東 西 道 路 ) に つ い て は 、 4 車 線 道 路 6,736km 整 備 ・ 一 般 道 に つ い て は 、 4 車 線 道 路 20,000km、 4 車 線 道 路 20,000km、 高 速 道 路 1,000km を 整 備 (鉄道) ・ 新 線 68,132km を 建 設 ・ 軌 道 交 換 7,148km ・ 主 要 22 駅 の リ ニ ュ ー ア ル の 推 進 113 (港湾) ・ 重 要 港 湾 に お け る キ ャ パ シ テ ィ の 増 加 : 4 億 8,500 万 ト ン ・ 一 般 港 湾 に お け る キ ャ パ シ テ ィ の 増 加 : 3 億 4,500 万 ト ン (空港) ・ 大都市重要空港のリニューアル:4 空港 ・ 一 般 空 港 の リ ニ ュ ー ア ル : 35 空 港 (電力) ・ 78,577MW の 新 規 電 力 供 給 ・ 農村部における電力アクセスの向上 (通信) ・ 総電話契約者数 6 億人 ・ 農 村 部 2 億 人 、 ブ ロ ー ド バ ン ド 2 億 人 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 4,000 万 人 の 達 成 インドでは、インフラ整備投資の拡大に加え、インフラが整備されること によって雇用がさらに進むことが期待されている。その結果、経済成長率に お い て も 、2015 年 頃 に 中 国 を 追 い 抜 く 可 能 性 が あ る 。ま た 、人 口 の 増 加 に よ り貯蓄の拡大も見込まれることから、インフラ整備に向けた資金調達がしや すくなるとの見方もある。 マンモハン・シン首相は、経済成長における課題として「インフラ整備」 を挙げており、インフラ整備に重点を置くことを言明するとともに、整備促 進のために、民間資本の積極的な参加を要請している。 イ ン ド 政 府 は 、第 12 次 5 カ 年 計 画( 2012 年 ~ 2017 年 )に お い て 、イ ン フ ラ設備をさらに進めていくことを目指している。また、道路、港湾、発電所 な ど へ の 投 資 費 用 を 、 第 11 次 計 画 の 当 初 目 標 の 約 5,000 億 ド ル か ら 、 約 1 兆ドルまで倍増させる計画とみられている。 さ ら に 、 政 府 は 、 2012 年 か ら 2016 年 の 5 ヵ 年 計 画 に お い て 、 40 兆 9,924 ル ピ ー ( 約 1 兆 250 億 ド ル ) の 投 資 が 必 要 で あ る と 推 計 し て い る 。 2012 年 か ら 2016 年 の 5 ヵ 年 計 画 に お け る 、 総 イ ン フ ラ 投 資 額 の う ち 約 50% を PPP( 官 民 連 携 ) ス キ ー ム を 活 用 し た 民 間 資 金 の 導 入 に よ っ て 推 進 す る方針である。 以上みてきたとおり、インドでは、工作機械の需要産業分野が今後大きく 拡大していくことが予想されている。予想数字自体は、インド政府あるいは 業界団体の「希望」的な要素も多く盛り込まれている部分もある。しかし、 将来的なインドのポテンシャリティというのは、否定することはできない。 また、潜在市場が顕在化するときのスピードの速さは、中国の場合に既にみ 114 られており、それに対する準備を早めに進めることが、インドでのビジネス チャンスを生かすために必要であろう。 ②主要道路・輸送網の現状 既に述べたとおり、インドでは、陸上輸送インフラの整備が急速に進みつ つあるものの、未だに整備が遅れている地域や区間も多く、円滑にビジネス を進めるうえでのネックとなっていることが少なくない。 以下では、既に述べた北部インドのデリー周辺(デリー、グルガオン、ノ イ ダ な ど )、南 部 イ ン ド の カ ル ナ タ カ 州 バ ン ガ ロ ー ル お よ び タ ミ ー ル ナ ド ゥ 州 チ ェ ン ナ イ 、そ し て 、西 部 イ ン ド の マ ハ ラ シ ュ ト ラ 州( ム ン バ イ 、プ ネ な ど ) の 3 地域間を結ぶ陸上道路輸送路の状況について、主要道路・輸送網マップ と し て 取 り ま と め た 。 主 と し て 、 JETRO の 「 イ ン ド 物 流 ネ ッ ト ワ ー ク ・マ ップ」の調査結果を参考とした。 具体的には、地域間というよりも、以下の主要拠点間について、道路・輸 送網マップを作成した。 【マッピングする主要拠点】 デリー、ムンバイ、プネ、バンガロール、チェンナイ 【マッピングする主要経路】 ① ムンバイ~デリー ② デリー~バンガロール ③ チェンナイ~バンガロール ④ ムンバイ~プネ~バンガロール 上 記 に 加 え 、日 本 や 東 ア ジ ア 方 面 か ら の 輸 入 の 玄 関 口 と な る コ ル カ タ と 主 要 拠 点 と を 結 ぶ 経 路 に つ い て 、以 下 の 2 ル ー ト を 作 成 し た 。な お 、ム ン バ イ と コ ル カ タ を 結 ぶ ル ー ト は あ ま り 現 実 的 で は な い の で 、検 討 し な か っ た。 ⑤デリー~コルカタ ⑥チェンナイ~コルカタ (ムンバイ~デリー) ASEAN 諸 国 か ら イ ン ド へ の 海 上 輸 送 ル ー ト は 、 ほ と ん ど が 主 要 中 継 地 で あるシンガポールからのフィーダー船舶によって行われている。貨物は、シ ンガポールで、幹線航路を航行する母船または幹線船舶からフィーダー船舶 に積みかえられ、インドに輸送される。 ムンバイに寄る幹線航路は、シンガポールからのものと、インドネシアの ジャカルタからのものがある。 ムンバイ~デリー間のルートは、インドにおけるコンテナ輸送のおよそ 6 割を占めると推定されている。 ム ン バ イ か ら デ リ ー へ の 経 路 は 、 ス ー ラ ト ( Surat )、 バ ド ー ダ ラ ー ( Vado dara )、 ア フ マ ダ バ ー ド ( Ahmadabad )、 メ ハ サ ナ ( Mehasana )、 シ 115 ロ ヒ( Sirohi)、パ ー リ( Pali)、ア ジ メ ー ル( Ajimer)、ジ ャ イ プ ー ル( Jaipur) を経由する。 【 距 離 ( 道 路 )】 1,540 km 【 料 金 所 数 】 11 カ 所 【道路輸送時間】 80~ 100 時 間 【道路輸送コスト】 デリー ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 73,254 ル ピ ー (港湾ターミナル取扱手数料、税 関代理店手数料、道路貨物料、道 路通行料、入域税を含む) 【 道 路 輸 送 コ ス ト( ト ン ・ キ ロ )】 0.86 ル ピ ー ムンバイ 【平均速度】 36.6km/時 間 (参考) 【 距 離 ( 鉄 道 )】 1,382 km 【鉄道輸送コスト】 ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 44,925 ル ピ ー 【港での通関リードタイム】 22 時 間 道 路 の 総 延 長 は 約 1,540km で 、 ル ー ト の ほ と ん ど は 4 車 線 ( 片 側 2 車 線 ) 道 路 と な っ て い る 。 路 面 状 況 は お お む ね 良 好 で 、 20 フ ィ ー ト ・ 40 フ ィ ー ト コンテナ輸送、易損品輸送を含む全ての貨物輸送が可能である。 ア フ マ ダ バ ー ド ~ バ ド ー ダ ラ ー 間 は 、2001 年 に 開 通 し た イ ン ド で 最 初 に 開 通した高速道路で結ばれている。 また、将来的には後述するように、ムンバイ~デリー間の貨物専用鉄道の 建設も予定されている。 (デリー~バンガロール) デ リ ー ~ バ ン ガ ロ ー ル 間 は 2,088km あ り 、フ ァ リ ダ バ ー ド( Faridabad)、 ア グ ラ ( Agra)、 グ ワ リ オ ル ( Gwalior)、 ジ ャ ー ン シ ー ( Jhansi)、 ナ ー グ プ ル( Nagpur)、ア デ ィ ラ バ ー ド( Adilabad)、ニ ザ ー マ バ ー ド( Nizamabad)、 ハ イ デ ラ バ ー ド ( Hyde rabad )、 ア ナ ン タ プ ル ( Anantapur )、 バ ガ パ ッ リ ( Bagapalli) を 経 由 す る 。 116 【 距 離 ( 道 路 )】 2,088 km 【料金所数】1 カ所 【道路輸送時間】 110 時 間 【道路輸送コスト】 デリー ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 59,290 ル ピ ー (道路貨物料、道路通行料、運送 業者への片荷追加料金を含む) 【 道 路 輸 送 コ ス ト( ト ン ・ キ ロ )】 0.60 ル ピ ー 【平均速度】 35km/時 間 (参考) 【 距 離 ( 鉄 道 )】 2,457 km 【鉄道輸送コスト】 バンガロール ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 55,265 ル ピ ー デリー~からグワリオルまでは、4 車線への整備が終了しており、路面状 況 も お お む ね 良 好 で 、40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 輸 送 、20 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 輸 送 、 易損品輸送を含む全ての貨物輸送が可能である。しかし、グワリオルからバ ンガロールまでは、全線が 2 車線(片側 1 車線)道路であり、一部に道路状 況 が 良 好 で な い と こ ろ が あ る 。ま た 、デ リ ー 周 辺 、ア グ ラ 、バ ン ガ ロ ー ル は 、 交通渋滞がある。 デリー~バンガロールルートは、他のルートに比べて整備が遅れている。 しかし、同ルートは、重点開発ルートである南北回廊、東西回廊を少なから ぬ区間で含むことから、近い将来には、4 車線、さらには 6 車線への整備が 期待されている。 (チェンナイ~バンガロール) チ ェ ン ナ イ 港 は 、 JNTP に 次 ぐ イ ン ド 第 2 の コ ン テ ナ 取 り 扱 い 港 で あ る 。 チェンナイ港に寄る幹線船舶は、シンガポールからとジャカルタからであ る。ムンバイと同様、ほとんどがシンガポールからのフィーダー船舶によっ て行われている。 117 【 距 離 ( 道 路 )】 325km 【料金所数】5 カ所 【道路輸送時間】 12 時 間 【道路輸送コスト】 ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 31,987 ル ピ ー (港湾ターミナル取扱手数料、税 関代理店手数料、倉庫使用料、道 路貨物料、道路通行料、運送業者 への片荷追加料金を含む) 【 道 路 輸 送 コ ス ト( ト ン ・ キ ロ )】 1.56 ル ピ ー 【平均速度】 38.3km/時 間 (参考) バンガロール 【 距 離 ( 鉄 道 )】 362km チェンナイ 【鉄道輸送コスト】 ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 18,675 ル ピ ー 【港での通関リードタイム】 84 時 間 チェンナイ港はチェンナイ市の中心部にあり、港湾周辺の道路も非常に混 雑 し て お り 、日 中 の ト レ ー ラ ー の 移 動 に は 制 限 が あ る 。こ の た め 、日 中 は 30% し か コ ン テ ナ 輸 送 が 行 わ れ ず 、 夜 間 に 70% が 輸 送 さ れ る 。 ま た 、 日 中 に は 迂 回ルートの利用が義務付けられており、いっそうの時間を要する。 チェンナイからバンガロールまでの経路は、シュリペランバドゥル ( Sriperambadur)、 ラ ー ニ ー ペ ト ( Ranipet)、チ ッ ト ー ル ( Chittor)、パ ル マ ニ ー ル ( Palmaneer)、 コ ー ラ ー ル ( Ko lar) を 経 由 す る 。 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 の 4 車 線( 片 側 2 車 線 )道 路 で 、総 距 離 は 325km で あ る 。路 面 状 況 は お お む ね 良 好 で 、 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 輸 送 、 20 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 輸 送 、 易 損 品 輸送を含む全ての貨物輸送が可能である。 ルート沿いには、サムスン、ノキア経済特別区、タミールナドゥ州産業振 興公社の経済特別区、ボルボなどが立地している。 (ムンバイ~プネ~バンガロール) ムンバイ~バンガロールルートは、ムンバイからプネ、パンダリプル ( Pandaripur )、 ビ ジ ャ プ ル ( Bijapur )、 ア ル マ ッ テ ィ ( Almatti )、 ホ ス ペ ト ( Hoospet)、 チ ト ラ ド ゥ ル ガ ( Chitradurga)、 ト ゥ ム ク ル ( Tumkur) を 経てバンガロールに至る。 118 【 距 離 ( 道 路 )】 1,238 km 【 料 金 所 数 】 14 カ 所 【道路輸送時間】 40~ 60 時 間 【道路輸送コスト】 ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 64,247 ル ピ ー (港湾ターミナル取扱手数料、税 関代理店手数料、道路貨物料、道 路通行料、入域税を含む) 【 道 路 輸 送 コ ス ト( ト ン ・ キ ロ )】 0.97 ル ピ ー ムンバイ 【平均速度】 プネ 32km/時 間 (参考) 【 距 離 ( 鉄 道 )】 1,204 km バンガロール 【鉄道輸送コスト】 ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 34,497 ル ピ ー 【港での通関リードタイム】 22 時 間 ム ン バ イ の JNPT か ら プ ネ ま で は 、 6 車 線 の ム ン バ イ ・ プ ネ 高 速 道 路 ( イ ンド初の 6 車線コンクリート舗装、高速、通行制限のある有料高速道路)に よって結ばれており、所要時間はおよそ 2 時間である。道路状況は極めて良 好 で あ り 、 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 輸 送 、 20 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 輸 送 、 易 損 品 輸 送を含む全ての貨物輸送が可能である。 パンダリプルからチトラドゥルガまでは 2 車線道路となるが、路面の状態 は 良 好 で 、 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 輸 送 、 20 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 輸 送 、 易 損 品 輸 送を含む全ての貨物輸送が可能である。 (デリー~コルカタ) デ リ ー ~ コ ル カ タ 間 ( 国 道 2 号 線 ) は 1,488km あ り 、 フ ァ リ ダ バ ー ド ( Faridabad)、 マ ト ゥ ー ラ ( Mathura)、 ア グ ラ ( Agra)、 フ ィ ロ ー ズ バ ー ド ( Firozabad)、 エ タ ワ ー ( Etawah)、 カ ー ン プ ル ( Kanpur)、 ア ラ ハ バ ー ド ( Allahabad )、 バ ラ ナ シ ( Varanasi )、 サ サ ラ ム ( Sasaram )、 ダ ン バ ー ド ( Dhanbad)、 ド ゥ ル ガ プ ル ( Durgapur)、 ハ ウ ラ ー ( How r a) を 経 由 す る 。 119 【 距 離 ( 道 路 )】 1,488 km 【料金所数】3 カ所 【道路輸送時間】 148.5 時 間 【道路輸送コスト】 デリー ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 50,768 ル ピ ー (道路貨物料、道路通行料、西ベ ンガル州への入州許可費用を含 む) 【 道 路 輸 送 コ ス ト( ト ン ・ キ ロ )】 コルカタ 0.64 ル ピ ー 【平均速度】 38km/時 間 (参考) 【 距 離 ( 鉄 道 )】 1,461 km 【鉄道輸送コスト】 ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 40,725 ル ピ ー 道路はほとんどが 4 車線であるが、一部の地域では拡張されていない区間 も あ る 。近 い 将 来 、6 車 線( 片 側 3 車 線 )へ の 拡 張 が 進 め ら れ る 予 定 で あ る 。 路 面 状 況 は お お む ね 良 好 で 、 20 フ ィ ー ト ・ 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 輸 送 、 易 損 品輸送を含む全ての貨物輸送が可能である。デリー周辺は渋滞のひどい区間 である。また、一部区間には強盗多発地帯が含まれる。 インド政府は、デリー~コルカタ間の貨物ルートを産業動脈にすることを 計画しており、これが実現すれば、ルート沿線のインフラ整備に加え、経済 開発も進展することが期待されている。 120 (チェンナイ~コルカタ) チ ェ ン ナ イ ~ コ ル カ タ 間 は 、 全 て の ル ー ト の 中 で 最 長 の 1,883km で あ る 。 【 距 離 ( 道 路 )】 1,883 km 【料金所数】4 カ所 【道路輸送時間】 120 時 間 【道路輸送コスト】 ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 74,110 ル ピ ー (道路貨物料、道路通行料、西ベ ンガル州への入州許可費用を含 む) 【 道 路 輸 送 コ ス ト( ト ン ・ キ ロ )】 コルカタ 0.82 ル ピ ー 【平均速度】 36km/時 間 (参考) 【 距 離 ( 鉄 道 )】 1,662 km チェンナイ 【鉄道輸送コスト】 ( 40 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 、 22 ト ン ) 44,245 ル ピ ー 本ルートには、ナクサライトと呼ばれる極左思想を持ち、貧困層、部族民 の利益擁護を掲げて武力闘争を行う過激派グループの活動地域(チャティス ガール州、オリッサ州)が一部含まれており、危険地域、事故多発地域とな っている。夜間走行も難しく、制約が多い。 ( 3) イ ン ド 市 場 の 特 性 か ら み た 市 場 開 拓 に 際 し て の 問 題 点 イ ン ド に お い て ビ ジ ネ ス を 進 め 、成 果 を 上 げ て い く た め に は 、イ ン ド 市 場 の 特 性 を よ く 理 解 し 、対 応 し て い く こ と が 必 要 と な る 。こ こ で は 、特 に イ ン ド で ビジネスを進める上での阻害要因についてみていくことにする。 ①インドにおける商慣習 a.代 金 回 収 の 難 し さ インドにおけるビジネスの難しい点の第 1 に、代金回収の難しいことが挙 げられる。よく、中国では代金回収が難しいといわれるが、中国とインドの 両方のビジネスを経験した人でも、インドのほうが中国よりたいへんである 121 と指摘するケースが少なくない。 代金回収が難しいという意味は、大きく分けて 2 点ある。第 1 は、支払い を行わないケースであり、第 2 は、支払いの約束をしていても期日を守らな いというケースである。 第 1 の支払いを行わないというケースの場合には、支払いの段階ごとに、 前払い段階、納入時の支払い段階、納入後一定期間後の支払いなどがある。 支払い条件の交渉は非常に重要であるが、インドでは前金を支払ってもらう こ と も 簡 単 で は な い 。 こ の た め 、 イ ン ド で は 前 金 で 100% 支 払 っ て も ら う こ とはまず困難であると認識したうえで、前金の割合をできる限り多くするよ う交渉することが極めて重要である。次に、後払いの割合が少しでも低くな るよう、前金に加えて、納入時の支払いの割合もできるだけ高くなるよう交 渉することが必要である。分割払いの場合には、前金 4 割、納入時の支払い 3 割 、納 入 30 日 後 の 支 払 い 3 割 程 度 の 配 分 で あ れ ば 決 し て 悪 い 結 果 で は な い 。 前金と納入時の支払いのそれぞれの割合がこれ以下にならないように交渉す る こ と と 、 納 入 後 の 支 払 い が 60 日 後 、 90 日 後 と 遅 い 条 件 に な ら な い よ う に 気をつけることが求められる。少しでも自社側に有利な支払い条件を相手か ら引き出すよう交渉していくことが必要である。 また、期日になっても、様々な理由をつけて支払わないこともよく見られ るケースである。当然のことながら契約によって支払期日と期日ごとの支払 い金額を契約によって明確に規定し、かつ、期日になっても支払がないので あわてることがないよう、期日前に余裕を持って支払期日と支払い金額に関 する通知を出しておくことや、事前に電話や訪問で再度念を押しておくなど の準備が必要である。支払い前にも、支払期日を過ぎても支払いがない場合 にも、相当のフォローアップが必要であるということである。 このような支払いの交渉や取立てを行う場合、日本人では言葉のハンディ もあるため事情に精通したインド人に任せることが望ましい。 また、日本製工作機械の知名度と評判を高め、インド側から購入を求めて くるようなモデルが構築できれば、有利な支払い条件で契約交渉を進めるこ とも可能になる。 b.流 通 の 未 発 達 インフラの整備の遅れに加え、国土が広いうえに、州をまたぐ取引や配送 多 く の 制 約 が あ っ た こ と か ら 、近 代 的 な 物 流 の 発 達 が 遅 れ て い る 。こ の た め 、 インド全国に配送網を持つような物流業者が存在しない。また、州を越えた 物流についても、複数の州をカバーできるような物流業者も限られている。 さ ら に 、州 内 で の 物 流 で あ っ て も 、都 市 部 と 農 村 部 で は 大 き く 事 情 が 異 な る 。 特に農村部では、道路の舗装率も低い。一方、製造業の立地は都市部では制 約があり、また、地価も都市部と農村部とでは大きな差があるため、都市部 の周辺にある準農村部やさらに遠くの農村部に立地せざるを得ない企業もあ る。 122 このような問題を改善していくことは、一朝一夕には困難である。この状 況 下 で 、自 社 で 独 自 の ネ ッ ト ワ ー ク を 開 拓 し て い く こ と に は 限 界 が あ る た め 、 外部の力を可能な限り利用していくことが必要になる。 第 1 は、需要産業の集積の進む地域に立地するユーザーへの販売を拡大す ることである。非集積地域に比べると、集積地域においてはより多くの取引 が行われ、工作機械に限らず様々な完成品、部品、材料の配送がより頻繁に 行われている。インフラも集積地内や集積地間を結ぶ幹線交通のほうがより 進んでいる。集積地から離れたユーザーに配送する場合に比べれば、リスク は相対的に軽減される。 第 2 は、日系物流業者の利用である。日系物流業者はインドでの物流ネッ トワークの構築に力を入れており、今後、日本企業が必要としているインド における配送ネットワークの構築について、ある程度までのソリューション を 提 供 し て く れ る こ と は 間 違 い な い 。特 に 、日 本 企 業 の 利 用 の 多 い 港 湾 か ら 、 日本企業が集積するインド国内の主要な拠点への配送や主要拠点間を結ぶ物 流について整備を進めつつあり、近い将来には物流が改善されていくことは 間違いない。 第 3 は、日印共同プロジェクトへの期待とその将来的な活用である。日本 と イ ン ド と の 協 力 で 進 め ら れ て い る プ ロ ジ ェ ク ト と し て 、2006 年 末 に 両 国 の 首 脳 が 合 意 し た デ リ ー ・ム ン バ イ 産 業 大 動 脈 構 想 ( De lhi-Mumbai Industrial Co rridor Project: DMIC) が あ る 。 プロジェクトの中心となるのは、円借款を活用したデリー・ムンバイ間約 1,500km の 間 に 貨 物 専 用 鉄 道 を 敷 設 す る 計 画 で あ る 。 し か し 、 同 プ ロ ジ ェ ク トでは単なる貨物鉄道の整備に留まらず、民間資金を活用しながらこの沿線 地域に充実したインフラを有する工業団地や物流基地などを整備し、一大産 業 地 域 を 形 成 し よ う と す る も の で あ る 。 総 事 業 費 は 900 億 ド ル に 達 す る と も 言 わ れ る 。 こ の デ リ ー と ム ン バ イ を 結 ぶ 対 象 地 域 は 、 イ ン ド の 国 土 の 16% 、 全 人 口 の 17% を 占 め 、ま た こ の 対 象 地 域 を 含 む 関 係 6 州 は 、農 業 生 産 の 50% 、 輸 出 額 の 60% 、 直 接 投 資 額 の 52% を 占 め る 。 対象地域では、インド最大のコンテナ港であるムンバイのジャワハルラ ル・ネルー港を窓口に、ムンバイとデリーを結ぶ途上の各拠点を含めた拠点 間での物流インフラ環境が著しく改善されることが期待されている。また、 対象地域における工業団地の開発なども計画されており、産業の集積が進展 する可能性も高い。従って、デリー周辺やムンバイ周辺を含む同プロジェク トの対象地域への立地企業への納入は、インドの中で最も早く整備が進むイ ンフラ面の進展の恩恵を受けることが可能となる。 さ ら に 、 DMIC の ほ か に 、 日 本 の 経 済 産 業 省 は イ ン ド 南 部 の タ ミ ー ル ナ ド ゥ州とも、インフラ開発に関する覚書を締結した。今後、道路と港湾のイン フラ整備、工業団地開発、チェンナイとバンガロールを中心とする「南部イ ンド産業回廊構想」を三つの柱とする開発プロジェクトが計画され、インド 南部でも、いっそうの産業集積とインフラ状況の改善が期待される。 123 c.パ ー ト ナ ー 選 定 の 難 し さ インド企業との合弁や提携ができれば、インドビジネスを拡大して行く大 きな原動力となる。しかし、適切なパートナーを選定することは簡単ではな い。資金力、業界におけるポジション、優良ユーザーを有していること、物 流ネットワークやメンテナンスのためのネットワークを保有していることな どの条件に合致する企業の数は必ずしも多くない。また、ある程度の規模の 相手となれば、公営企業や財閥系企業がターゲットとして上がってくること ことになるが、公営企業の一部には、非効率で意思決定にも時間のかかる企 業もある。また、財閥系企業の一部には、旧態依然とした同族経営が行われ ているところもあり、相手を選ぶことが必要になる。 パートナーの必要性については、そのメリット、デメリットの双方を判断 した上で、最終的な決定を行うことが重要である。 イ ン ド に お い て は 、外 国 企 業 が 単 独 で 行 う よ り も 、よ い パ ー ト ナ ー を 選 び 、 そのパートナーのリソースを最大限に生かしながらビジネスを進めていくこ とができれば、限られた自社のリソースを補い、最大限の成果を得ることも 不可能ではない。ユーザーを一から見つけるよりも、パートナーが既に構築 したユーザー層への売込みができればそれに越したことはない。また、物流 網の整備や代金回収、交渉などの面でも、インド側パートナーの力を借りる ことができれば、大きなメリットとなる。 ②輸入税制と国内流通にかかわる税制 インドでのビジネスにおいて押さえなければならないことの一つに複雑な 税 制 が あ る 。特 に 輸 入 に 関 す る 税 制 と 、国 内 取 引 に か か る 諸 税 の 問 題 で あ る 。 イ ン ド に 現 地 法 人 を 持 つ 場 合 も 、 法 人 所 得 税 ( 30% ) や 個 人 所 得 税 ( 0% 、 10% 、 20% 、 30% ) は 必 ず し も 高 く な い が 、 国 内 取 引 に か か る 諸 税 が 複 雑 か つ高率であることには、やはり注意が必要である。また、現地法人を設立し ても輸入が必要な場合がある。 これらの問題について、制度自体が一朝一夕に改善されるということはあ まり期待できない。従って、インドでビジネスを進めていく場合に、これら の問題は日本企業にとって大きな阻害要因であるが、制度の中身を十分に理 解することが何よりも重要である。 インドに輸出する場合、①基本関税、②追加(相殺)関税、③特別追加関 税 に 加 え 、 ④ 教 育 目 的 税 が 課 せ ら れ る 。 こ の た め 、 基 本 関 税 率 が 5~ 10% と 低くても、全ての諸税を含めた輸入コストは非常に高くなってしまう。さら に、これらの諸税がかかった場合の税額の合計を算出する場合に、算出方法 が複雑で判りにくいという問題がある。 基本関税は、いわゆる通常の輸入関税である。関税率は品目により異なる が 、 基 本 税 率 は 5~ 10% と な っ て い る 。 追加(相殺)税は、国内で物品税が課せられる品目を輸入する場合に、物 124 品税率と同率の課税を行うものである。税率は品目により異なるが、通常 10% と な っ て い る 。 特別追加関税は、販売税、付加価値税などのインド国内の取引に対して課 せ ら れ る 税 金 と の 均 衡 を 図 る た め に 課 せ ら れ る も の で 、 現 行 の 税 率 は 4% と なっている。 教育目的税は、特定目的のための税金で、輸入品のみならず国内のほとん どの取引に対しても課せられるものである。 以 下 で は 、 基 本 関 税 率 10% 、 追 加 ( 相 殺 ) 関 税 率 10% の 場 合 の 、 輸 入 に かかる諸税を計算したものである。 【輸入にかかる諸税の算出方法の例】 CIF イ ン ド 港 --------------- 100.00 ----- (a) み な し 荷 揚 費 用 -- 1.0% ---- 1.00 ----- (b)= (a)×1% 小 計 ① ----------------------- 101.00 ----- (c)= (a)+ (b) 基 本 関 税 --------- 10% -----10.10 ----- (d)= (c)×10% 小 計 ② ----------------------- 111.10 ----- (e )= (c)+ (d) 追 加 ( 相 殺 ) 関 税 -10.0% --- 11.11 ----- (f)= (e)×10% 教 育 目 的 税 I ------ 3.0% ----- 0.33 ------ (g)= (f)×3% 小 計 ③ ---------------------- 122.54 ------ (h)= (e)+ (f)+ (g) 教 育 目 的 税 II ----- 3.0% ----- 0.64 ------ (I)= [(d)+ (f)+ (g)]×3% 小 計 ④ ----------------------- 123.18 ----- (j)= (h)+ (I) 特 別 追 加 関 税 ---- 4.0% ------ 4.92 ----- (k)= (j)×4% 合 計 -------------------------- 128.10 ----- (l)= (j)+ (k) 輸 入 関 連 税 合 計 -------------- 28.10 ----- (l)- (a)- (b) このような輸入にかかる諸税に加え、国内取引にかかる諸税にもさまざま な種類がある。 <国内取引にかかる諸税の例> ・付加価値税 特 定 の 州 内 で 、物 品 を 販 売 す る 際 に 課 税 さ れ る 州 税 。販 売 時 、あ る い は 物 品 の 使 用 権 の 移 転 時 に 適 用 さ れ る 。税 率 は 州 に よ り 異 な る が 、大 半 の 州 で は 12.5% ま た は 4% と な っ て い る 。一 部 の 州 で は 15% ま た は 5% の 税 率 が 適 用 さ れ る 。製 品 の 場 合 は ほ と ん ど の 場 合 、税 率 が 12.5% あ る い は 15% となっている。 ・中央販売税 州 を 越 え た 販 売 に 対 し て 課 税 さ れ る 連 邦 税 で あ る 。一 定 の 条 件 を 満 た す 場 合 に は 優 遇 税 率 2% が 適 用 さ れ る が 、 多 く の 場 合 は 通 常 の 税 率 が 適 用 さ れる。税率は、物品が販売された州の付加価値税率と同率である。 ・入域税 消 費 ま た は 販 売 を 目 的 と し た 物 品 が 、他 の 州 か ら 該 当 す る 州 に 入 っ て き た際に、該当する州により課税される。税率は州により異なる。 125 ・入市税 消 費 ま た は 販 売 を 目 的 と し た 物 品 が 、特 定 の 該 当 す る 市 や 町 に 入 っ て き た 際 に 、該 当 す る 市 や 町 に よ り 課 税 さ れ る 。税 率 は 場 所 に よ り 異 な る 。な お 、一 般 に 、入 市 税 は 入 域 税 が 課 せ ら れ て い な い 物 品 に 対 し て 課 せ ら れ る 。 ③インド国内のインフラ整備の遅れ インフラ整備の遅れは、長年に渡って、インドの最も大きな投資阻害要因 である。具体的には、電力、港湾設備、道路、鉄道など多岐にわたる。 イ ン ド 商 工 会 議 所 連 盟 ( FICCI ) に よ れ ば 、 イ ン ド の イ ン フ ラ 整 備 状 況 に つ い て 、特 に 電 力 、輸 送 シ ス テ ム 、道 路 に つ い て 、「 悪 い 」と 回 答 す る 企 業 の 割 合 が 50% を 超 え て い る 。イ ン フ ラ の 未 整 備 を 改 善 す る た め 、連 邦 政 府 は 第 11 次 5 カ 年 計 画 ( 2007~ 2011 年 度 ) に お い て 、 既 に 述 べ た よ う な 主 要 な イ ンフラの整備計画を打ち出している。 し か し 、全 プ ロ ジ ェ ク ト の う ち 、約 30% の プ ロ ジ ェ ク ト が 計 画 通 り に 立 ち 上げが行われていないなど、政府の計画の達成は困難な状況となっている。 電力については、需要に供給が追い付かず、停電が各地で頻発している。 また、発電容量の増強も計画通りに進んでいない。 また、既存送電施設・送電網における送電ロスの改善も大きな課題となっ て い る 。 需 給 状 況 に つ い て み る と 、 2010 年 4 ~ 12 月 の 電 力 の ピ ー ク 需 要 117,409MW に 対 し て 、ピ ー ク 供 給 は 105,409MW で 、不 足 率 は ▲10.2% と な っ て い る 。 た だ し 、 こ の 数 字 は 2009 年 度 の 12.7% と 比 較 す る と 、 若 干 な が ら改善している。 一方、輸出・輸入の両面において、港湾整備の遅れが問題となってきてい る。コンテナヤードなどの基礎的設備の整備遅れのため、貨物量の増加に港 湾施設の数と処理能力が追いつかない状況が続いている。 現地でのヒアリング調査に基づき、インドにおける物流インフラの状況と 問題について取りまとめると以下のとおりである。 ・ インドにおける物流問題のほとんどの場合、インフラ整備の問題、人 に起因する問題、その他の問題のいずれかに起因している。 ・ ムンバイ近郊のナバシバ港からデリーに貨物を運ぶ場合、鉄道でデリ ー 近 郊 の 内 陸 コ ン テ ナ デ ポ に 輸 送 す る 。こ の 場 合 の 問 題 と し て は 、68% が 時 間 の か か る こ と 、 16 % が 貨 物 の ダ メ ー ジ 、 そ の 他 が 手 続 き や 盗 難 の問題である。 ・ 所要時間の問題としては、港湾のキャパ自体が慢性的に不足している ( 処 理 能 力 : 中 国 1 億 3000 万 TEU、 イ ン ド 700 万 TEU、 こ の う ち ム ン バ イ が 400 万 TEU( う ち 200 万 TEU が デ リ ー に 搬 送 さ れ る )、チ ェ ン ナ イ が 200 万 TEU)。 処 理 能 力 が 追 い つ か ず 、 時 間 が 読 め な い 状 況 である。また、税関手続きに時間のかかることもある。さらにヤード が 狭 い た め に コ ン テ ナ を 構 内 に お い て お け ず CFS で 処 理 し な け れ ば な らないが、その移動にまた時間がかかる。 ・ 貨 物 の ダ メ ー ジ と し て は 、 港 湾 で 10% の physical inspectio n が 行 わ れる際に出し入れの取り扱いが粗いためにダメージを生じること、モ ンスーン期には屋根があっても天井から水が入ることにより生じる水 126 ・ ・ ・ ・ 濡れ、インフラが未整備のため道路がでこぼこで揺れが激しいことに よる破損などがある。 鉄道の積み込み待ちに 7 日間もかかることがあり、港に到着してから デ リ ー 到 着 ま で に 21 日 も か か る こ と が あ る 。タ イ か ら ナ バ シ バ ま で の 海 路 が 5~7 日 程 度 に 比 べ て 、 イ ン ド 到 着 後 の 時 間 が か か り す ぎ る 。 こ の 理 由 は 、 鉄 道 が 片 道 1 本 ず つ の 複 線 で あ る た め 、 1 日 25 本 し か 走 ら せ ら れ な い こ と が あ る 。 通 常 は 、 貨 車 は 18 本 割 り 当 て ら れ て い る が 、 夏 休 み 期 間 な ど は こ れ が 9~ 10 本 に 減 ら さ れ る 。 さ ら に 、 こ れ に モ ン スーン期が重なると貨車に載せるまでに 1 カ月近くかかることもある。 鉄道に頼れないためにトラック輸送も多い。マルチスズキは、現在ム ン バ イ ~ デ リ ー 間 1500 キ ロ を 全 て ト ラ ッ ク 輸 送 し て い る 。ま た 、ト ヨ タ も 、チ ェ ン ナ イ ~ バ ン ガ ロ ー ル 間 350 キ ロ を ト ラ ッ ク 輸 送 し て い る 。 しかし、こちらもダメージが大きい、時間がかかるなどの問題がある。 また、人に起因する問題も大きい。例えば、デリー~コルカタの標準 ト ラ ン ジ ッ ト タ イ ム は 6 日 で あ る が 、 7~ 9 日 も か か る ケ ー ス が 少 な く ない。ドライバーに携帯電話で連絡しようとしても、電源を切ってい て通じないケースがある。渋滞の問題もあるが、それは都市部や周辺 のごく限られた地域に限定される。人の問題はカーストの問題でもあ る。トラック輸送はサブコントラクターに頼らざるを得ないが、ドラ イバーの質は高くない。配送時間、ダメージや汚れ、英語によるコミ ュニケーションの問題などがある。 税制の問題もある。州をまたぐ取引には中央売上税が課税される。こ のため、各州にサテライト倉庫を置き、中央倉庫から配送して在庫し ておき、その倉庫から州内に配送を行うときに売上を立てる。これは 課税を逃れるのには有効であるが、余分な在庫と時間がかかる。 また、マハラシュトラ州ではオクトロイが徴収されるため、市内に運 ぶ場合に税金が徴収される。 インドのインフラは、現時点においては十分に整備されておらず、また、 政府の整備計画にも遅れがでているのが実情である。しかし、主要空港にみ られるように、成果を挙げている例もある。さらにデリー・ムンバイ産業大 動脈構想のように、日本の官民が積極的に協力して、インフラ整備の推進を 後押ししているケースもある。南部インド産業回廊構想も含め、このような 日本との協力の結果、日本企業が特に必要としている産業集積が進んだ 3 地 域とこれら拠点間を結ぶインフラについては、他の地域に先行して整備が進 む可能性が高まっている。 その他の地域についても、経済成長が急速に進む中で、時間は多少多くか か っ て も 、必 要 と さ れ る イ ン フ ラ は 、早 晩 整 備 さ れ て い く こ と は 間 違 い な い 。 ④その他インド市場に固有の要因 上 記 以 外 に も 、以 下 に あ げ る よ う な イ ン ド に 固 有 の さ ま ざ ま な 問 題 が あ る 。 ・ 様々な要因で機械が壊れやすい(道路の未整備、停電、電圧の変化、 ほ こ り 、 湿 度 、 高 温 、 不 適 切 な 取 り 扱 い 、 定 期 メ ン テ ナ ン ス な ど )。 ・ 停電が頻発する。 ・ 電 圧 の 変 化 が 大 き い ( 20~ 30% )。 127 ・ 国土が広く、サービス、メンテナンスのネットワークを築くのが簡 単ではない。自社での対応が難しい地域について、よいディーラー を見つけることが簡単ではない。 ・ 中小企業が多くエンジニアが不足し、機械の適切な管理が困難なと ころが少なくない。定規的なメンテナンスができておらず、壊れた ら修理に来てもらえばよいという考えが一般的。 ・ 機械は壊れるのは当たり前との認識がある。壊れたときにいかに対 応するかが評価され、サービスが重要となる。 ・ 優秀な人材も多いが、できる人を雇おうと思えば、それなりの対価 を払うことが必要になる。 ・ インド人を使いこなすことも重要である。日本人だからというだけ で言うことを聞くわけではない。入社後のケア、英語でのコミュニ ケ ーション、プ ライ ドが高い のでそれ をインド 式に立て てやるこ と 、 キャリアプランの提示や権限の委譲などが必要となる。 ・ 人材の流出が大きな問題である。3 年続けばましなほうで、1 年か 2 年でやめてしまうことも少なくない。現実に転職をすれば収入が増 え るし、い ろいろな 経験を積 めること になるの でどうし ようもな い。 ・ 進出企業に対する優遇制度がほとんどない。 ・ 日本人駐在員にとって、生活環境がいろいろな面で厳しいこと。 5. 工 作 機 械 の 使 用 状 況 ( 1) 企 業 規 模 に よ っ て 異 な る 工 作 機 械 ニ ー ズ イ ン ド に お け る 工 作 機 械 の ユ ー ザ ー 産 業 は 、全 く 違 っ た 二 つ の 種 類 が あ る 。 その一つは、従業員数が 1 万人を超す超大手企業もしくは公営企業であり、 も う 一 つ は 従 業 員 数 が 100 名 以 下 の 中 小 零 細 企 業 が 中 心 の 産 業 で あ る 。 ①大手企業における工作機械 大手企業を中心とした産業は、自動車製造業、家電製造業、トラクターな どの農機製造業、建機製造業などである。この分類に区分けされる企業にお いては、家電の一大手企業といえども、家具、一般日用雑貨品から宇宙ロケ ッ ト ま で 幅 広 い 品 目 を 製 造 し て い る 点 が 他 の 国 と 異 な る 。 自 動 車 “ナ ノ ”で 有 名 な TATA グ ル ー プ の 事 業 は 、 自 動 車 製 造 に 限 ら ず 、 放 送 局 や 新 聞 社 等 の マ スコミ産業からデパート等の物品販売流通業まであらゆる事業を営んでいる。 日 本 で 言 え ば 「 ○○財 閥 系 列 」 と い う べ き 超 大 手 企 業 グ ル ー プ に あ た る 。 大 企 業 群 の 工 場 で は 、 CAD/CAM 等 の 技 術 も 発 展 し て い る 事 か ら 、 同 時 5 軸制御マシニングセンタ等の新鋭工作機械が設備の中心である。これらの企 業の設備は、主として幹部技術者からの提案や要望によるところが大きい。 この提案や要望を出す場合には、投資に対してどのような利益を得られるか の 指 標 で あ る ROI が 重 要 視 さ れ る た め 、技 術 者 は そ の 提 案 書 類 を 作 成 す る 必 要 が あ る 。当 然 な が ら 、こ の ROI を 高 め る に は 製 造 工 程 全 体 で の 提 案 が 求 め ら れ る こ と に な り 、「 自 動 化 」、「 省 人 化 」、「 高 精 度 化 」 が 最 優 先 課 題 と な る 。 また、これらの提案・採用権限を持つ優秀な技術者は、大卒の技術者や欧米 128 を中心とした海外で経験を有した人材が中心になっている。 ②金型製造企業に見る中小零細企業における工作機械 もう一種類の産業に分類される中小零細製造企業の中心は、大手企業に納 入 す る 部 品 製 造 企 業 や 金 型 製 造 企 業 で あ る 。日 本 の よ う に 大 手 企 業 の「 系 列 」 に属さない独立した企業として存在している。 この中小零細企業の中で最も大きな工業会としては、インド金型工業会が ある。インドにおける金型工業会は、日本の「金型を製造販売する金型専業 者 」 が 結 成 し て い る ( 社 ) 日 本 金 型 工 業 会 と は 異 な る 。 正 式 名 称 は 「 Tool & Gauge Manufacturers Association of India( 略 称 TAGMA)」 で あ り 、 日 本 や ア ジ ア 地 域 で 「 金 型 」 の 意 味 と し て 使 わ れ る 「 Die & Mould」 の 表 記 は 無 い。つまり、インドにおける金型工業会は、欧州諸国の場合とまったく同様 の 「 基 盤 産 業 」 全 体 の 集 合 体 と 見 る べ き で あ る 。 TAGMA に 参 加 し て い る 企 業 数 は 、 既 に 述 べ た と お り 460 社 に 上 る 。 こ の TAGMA へ の 加 入 条 件 は 、少 な く と も ISO9000 の 取 得 を 行 い 、そ れ に 従って製造を行うほどの品質管理が出来ている優良企業に限ることになって い る 。 ISO9000 の 取 得 を 行 え な い よ う な 企 業 が 中 心 と な る 金 型 産 業 を 考 慮 す る と 、 イ ン ド に お け る 金 型 企 業 の 数 は 5,000 社 を 超 え る も の と 推 測 さ れ る 。 しかし、多くの金型企業があっても、インドの金型需要を満たすことは出 来 ず 、 2010 年 時 点 で 40% 程 度 ( 金 額 ベ ー ス ) は 輸 入 に 頼 っ て い る 。 輸 入 先 としては、韓国・中国・台湾が大半を占め、日本からの輸入は一部の日系セ ットメーカーが自社で持ちこんだものに限られている。 TAGMA の 幹 部 に よ れ ば 、イ ン ド の 基 盤 分 野 に お け る “モ ノ づ く り ”産 業 の 成 長 は 、年 率 20% を 超 え る ほ ど で あ る が 、供 給 が 追 い 付 か な い こ と を 考 慮 す る と、金型の輸入比率は、今後もしばらく続くものとみられる。 中小零細企業では、古くからの旋盤やフライス盤、汎用平面研削盤等の研 削盤に加え、既に日本では使われなくなっているシェーパーやプレーナー、 ラジアルボール盤、ガンドリルマシン等の古い工作機械が中心である。中に は動力源も一台ずつモーターを持つのではなく、天井から回転動力を得る所 謂「ベルト掛け駆動」工場での稼働機械も存在している。 比較的高精度の工作機械を導入する企業があるのは、工場の近代化や効率 化 を 主 た る 目 的 と し て い る の で は な く 、「 特 定 の ユ ー ザ ー か ら 部 品 加 工 の 仕 事を受注したために、それを作るためだけに工作機械を導入する」といった 「受注対応型導入」が中心になっている。そのため、導入された新鋭工作機 械 は 必 ず し も CAD/CAM に 直 結 さ れ た も の で は な く 、 多 く の 場 合 、 プ ロ グ ラ ムは個別工作機械の場所で「プログラマー」と呼ばれる特別な技術者により 行 わ れ て い る 。 ATC を 持 ち な が ら 、 使 っ て い る 工 具 は 「 一 種 類 か 二 種 類 」 と いった使い方も少なくない。また、工作機械を扱う作業者は、工作機械技術 者 で は な く 、 単 に 「 機 械 の テ ー ブ ル に 加 工 物 を セ ッ ト →ス タ ー ト ボ タ ン を 押 す →加 工 終 了 後 セ ッ ト か ら 加 工 物 を 外 す 」 だ け の 作 業 に 専 念 す る 安 価 な 賃 金 129 ですむ従業員が行っている例が少なくない。 こ れ ま で 述 べ た 二 つ の 業 態 に 加 え 、 最 近 に な っ て 100 名 以 上 1000 名 以 下 の い わ ゆ る「 中 堅 “モ ノ づ く り ”企 業 」も 増 加 し つ つ あ る 。こ れ ら の 企 業 で は 、 先 進 国 で 行 っ て い る「 TPM 活 動 」を 積 極 的 に 採 用 す る と こ ろ も 増 え つ つ あ り 、 工場全体の稼働を考慮に入れた、システムとしての工作機械導入を図るよう になってきていることも事実である。 ( 2) 地 域 に よ っ て 異 な る 工 作 機 械 の ニ ー ズ 既に述べたように、デリーを中心とする北部、ムンバイ・プネなどの古く から製造業が発展している西部、チェンナイのように最近になって製造業が 集積し始めた南部の 3 地域が主たる製造業の発展地域であるが、それぞれの 地域で工作機械の使用状況も多少異なっている。 ①インド北部(デリー周辺)における工作機械 北部では古い汎用工作機械が多く存在し、それを使う職人の数もある程度 は存在する。そのため、工作機械の価格も中国製や台湾製の比較的安価な汎 用工作機械が流通しやすく、 「 安 く な け れ ば 買 わ な い 」風 潮 も 一 部 に 存 在 す る 。 ②インド西部(ムンバイ・プネ)における工作機械 西部は大きく分けて、ムンバイとプネの 2 地域に分類することが出来る。 こ の う ち ム ン バ イ は 、イ ン ド に お け る 近 代 的 工 業 地 域 と し て 古 く か ら 発 展 し 、 中小製造業を含めた企業数から言えば、インドでは最大の企業数を持つ地域 である。 しかしながら、あまりにも多くの企業が存在し、その各々が発展を続けて いることもあり、最近では工場が手狭になり拡大をしようとしても場所自体 を確保することが出来ないばかりか土地や建物の賃貸料が高騰するという問 題が起きている。 そのため、ムンバイの南東に位置するプネに工場を移設するなどの動きが 活発である。2 年ほど前、日系の大手金型標準部品販売企業が、インド全域 で販売するための販社をプネに設立したが、プネは製造業が最も活発でかつ 将来も発展し続ける都市であると位置づけたことが進出の理由となっている。 この地域には大手製造業も存在するが、製造業の大部分は中小製造企業であ る。これら企業の工作機械等の設備は、企業オーナーもしくは社長が選択権 及び決定権を握っている。 ③インド南部(バンガロール・チェンナイ)における工作機械 チ ェ ン ナ イ の よ う な IT や 携 帯 電 話 に 代 表 さ れ る 電 子 機 器 製 造 企 業 が 集 ま る地域では、最新鋭工作機械の導入意識が高く、価格よりも機能が優先する と同時に、 「 Made in Ge rmany」も し く は「 Made in Japan」と 言 っ た ブ ラ ン 130 ドを好む傾向がある。この傾向は、それらのユーザーが欧米系や日系企業で あることにもよる。 ④各地域に共通する金型産業 金型産業が工作機械産業にとって大きな市場であることは、インドでも同 様である。しかし、インドと日本の金型産業の違いは他にも存在する。その 一 つ は 、「 金 型 内 製 化 率 ( 自 社 使 用 の 金 型 を 社 内 で 製 造 す る 率 )」 が 高 い こ と で あ る 。 イ ン ド の 内 製 化 率 は 、 2009 年 度 時 点 で 30% 程 度 で あ る 。 日 本 の 金 型 内 製 率 が 2010 年 度 で も 10% 程 度 で あ る こ と を 考 慮 す る と 非 常 に 高 い が 、 これはアジア全域共通したことであまり驚くべき数値では無い。アジア地域 では徐々に内製化率は減少し日本と同レベルに落ち着くと思われるが、イン ドにおいては国土も広く、多種類の金型を必要とする点を考慮すると、この 内製化率が今後日本のように急激に下がることは考えられない。 従って、セットメーカーや部品メーカーの「金型の内製」は今後も続き、 放電加工機、ワイヤー放電加工機の販売先としても可能性がある。 一方、その設備投資意欲を妨げる不安要素として、設備投資を行う際の銀 行金利の上昇が挙げられる。 古くから製造業を続けて利益を確保し比較的資金的余裕がある企業と、新 たな資金調達が必要な新規企業とでは格差が生じ、資金的余裕がある企業は 益々拡大し、資金に余裕が無い企業は設備投資が出来ないという状況が今後 も続くことは間違いない。新たな資金調達の必要がある企業の比率が高い市 場 に お い て 、工 作 機 械 の 販 売 を 図 っ て い く 場 合 、日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー は 、 日本の復興時代に「割賦販売」などの様々な方策を行ってきた経験があるこ とから、欧州の工作機械産業には無いノウハウを持っていると言える。この ような過去に経験したことのある施策をインド流にモディファイし、インド の経済状況に即した流通政策を考えていく必要がある。 ( 3) 競 合 状 況 と 評 価 イ ン ド 資 本 に よ る 現 地 工 作 機 械 企 業 が 立 ち あ が っ て は い る が 、全 体 か ら み るとその比率は低く、インド全体としては輸入工作機械に頼っていると言え る。 そ の 輸 入 工 作 機 械 は 、高 精 度・多 軸 制 御 工 作 機 械 に つ い て は 、ド イ ツ や ス イスを始めとする欧州製が中心である。一方、安価の汎用工作機械は台湾・ 韓 国 製 が そ の 大 半 を 占 め て い る( 2011 年 1 月 イ ン ド 金 型 工 業 会 会 長 か ら 面 談 の 上 聴 取 )。 切 削 工 具 や ク ラ ン プ 冶 具 な ど 周 辺 治 具 に 関 し て は 、欧 州 の 大 手 メ ー カ ー が インドを中心とした製造を以前から行っていることから、比較的に出回って いる。 いずれにしろ、欧米や韓国・中国・台湾に比べて、多くの面でインドと日 本の産業間の関係が薄いのが現状である。 131 日 本 製 は 価 格 が 高 い と い う の は 、「 韓 国 ・ 中 国 ・ 台 湾 製 に 比 べ て 」 と い う 一般論であり、欧州と比較すると、高くなくむしろ安価という評価もある。 た だ し 、最 近 の 円 高 の 進 展 に よ り 日 本 製 が 割 高 に な り 手 が 届 き に く く な っ たという印象もあることを忘れてはならない。 ま た 、イ ン ド の 大 手 企 業 の 場 合 、イ ン ド 独 立 以 来 あ る い は 創 業 後 の 欧 州 と の結び付きが強い。現在販売が好調な欧州勢いは早い段階でインド市場に進 出したところが多く、サービス体制の整備も含め市場に浸透しているケース が多い。 一般論として、インドではドイツ製については、精度面でも機械寿命の点 においてもゆるぎない信頼がある。欧州企業が販売拡大のための重要な項目 として位置づけているサービスの充実は、インド市場では特に重要であると 言える。今回の調査においては、ユーザー企業からの声として日本の工作機 械はサービスの点で不十分という指摘が多くあった。一方で、日本企業でも インドに既に拠点を持っているところは、サービスにも問題はないという指 摘もあった。また、サービスを自社で行っているところは評価が高いが、エ ージェント任せの場合は不十分とする指摘があった。インドは国土が広いた め自社で全てをカバーするのは難しく、良いエージェントなどをみつける必 要がある。 サ ー ビ ス 充 実 の 必 要 性 指 摘 以 外 で は 、「 競 合 状 態 と そ の 評 価 」 に 関 し て 、 今 回の調査では以下のようなものを見出すことが出来た。 ① 機 械 を 売 る だ け で は 不 十 分 で 、効 率 的 な 使 い 方 の 指 導 、配 置 、ラ イ ン を ど う するかなどのアドバイスができることが重要である。 ② 生 産 管 理 や TPM に 関 す る 助 言 が で き る の は 日 本 勢 の 強 み で あ る 。 ③ 自 動 車 産 業 に お い て は 小 型 車 生 産 が 中 心 で あ り 、部 品 の コ ス ト ダ ウ ン 要 求 が 熾 烈 で あ る 。こ の た め 、日 本 企 業 で あ っ て も 、一 定 以 上 の 精 度 が 確 保 で き る のであれば、台湾製を使うケースもある。 ④ 台湾製は価格が安いがある程度までの精度には対応できる。 ⑤ イ ン ド の 工 作 機 械 メ ー カ ー で 、世 界 の 先 端 の 技 術 力 を 持 っ て い る と こ ろ は な い。 ⑥ ソ フ ト ウ ェ ア 分 野 で は 、イ ン ド が 強 み を 持 っ て い る が 、そ の 基 と な る 規 格 は 欧州規格である。 ( 4) 日 本 製 工 作 機 械 に 対 す る 評 価 イ ン ド の 工 作 機 械 市 場 に は 、イ ン ド 国 産 の 工 作 機 械 、ド イ ツ や ス イ ス を 中 心とする欧米製、台湾製、韓国製などが参入しており、日本製と競合状況に ある。ただし、これら各国の工作機械が必ずしも同じ市場で競合しているわ けではなくユーザーが要求する技術水準や価格などから、市場はセグメント に分かれている。 技術的に最上位にあるのが欧米製と日本製であり、これに台湾製、韓国製が 続くことは、他のアジア諸国における状況と変わりない。インド製はこの序 列以下の廉価品として位置づけられている。 132 総 じ て 、日 本 製 は 性 能 が 優 れ て い る が 価 格 が 高 い 。し か し な が ら 価 格 面 で 言えば欧米製の価格も同様に高く、同一セグメントの中で日本製が特に価格 競争力に劣ることはない。 イ ン ド の 大 手 ユ ー ザ ー か ら 、「 日 本 製 は 耐 久 性 が あ る の で 、イ ニ シ ャ ル コ ス トの比較で劣位にあっても、ライフタイムで考えると優位にある」との指摘 もあった。例えば、台湾製工作機械を使用していたものの耐久性に問題があ り、日本製に切り替えたというところもあった。このようなことから、日本 製工作機械は、高い品質が要求されるセグメントでは比較的広く使用されて いる。 し か し 、イ ン ド 地 場 メ ー カ ー に は 、イ ニ シ ャ ル コ ス ト だ け で 判 断 す る と こ ろが多いのも事実である。特に、最大需要産業である自動車や金型産業にお いては、日本製を必要とする工程はそれほど多くない。 イ ン ド 地 場 企 業 に と っ て 、工 作 機 械 購 入 を 決 定 す る 最 大 要 因 と し て 、コ ス トパフォーマンスの高さが挙げられる。日本より技術水準が低いといわれる 韓 国 製 や 台 湾 製 は 、コ ス ト パ フ ォ ー マ ン ス の 高 さ か ら 多 用 さ れ て い る 。ま た 、 日系自動車部品メーカーの中にも、自動車メーカーからのコストダウン要求 に応えるために、コストパフォーマンスの面から日本製ではなく台湾製など を採用する動きも出ている。次にメンテナンス、サービス体制が充実してい ることが不可欠となる。また、サービスは英語で行われるため、英語を主言 語とする国で作られた工作機械に優位性がある。 インドのユーザーは、特にドイツとスイス欧米製を評価している。逆に日 本製機械は過小評価の傾向がある。インド企業が持っている認知は、単純な 歴史的背景に拠るものとは言えない。実際、外国製工作機械メーカーのイン ド に お け る 宣 伝 ・広 報 活 動 は 活 発 で あ る 。 IMTEX2011 を 例 に と れ ば 、 中 国 、 チェコ、ドイツ、イタリア、シンガポール、スペイン、台湾、米国は、それ ぞれが国を挙げてグループで出展していた。国別の出展企業数を見ると、ド イ ツ が 最 も 多 く 、 137 社 に 上 っ た 。 6. イ ン ド 市 場 の 開 拓 に 向 け 取 り 組 む べ き 課 題 ( 1) タ ー ゲ ッ ト 分 野 イ ン ド 市 場 の 開 拓 を 図 る う え で は 、市 場 の 特 性 を 十 分 に 把 握 し 、そ れ に 即 した対応を図ることが必要である。それにはまず、ターゲット分野をどうす るかについて検討することが必要である。 ①産業分野 工 作 機 械 の 主 要 ユ ー ザ ー と し て は 、自 動 車・自 動 車 部 品 産 業 が あ る 。特 に 、 自動車産業においては、現地自動車メーカーのみならず欧米、韓国の自動車 メーカーに加え日本の殆どの自動車メーカーが進出している。自動車産業に おける製造に関しては、開発途上国に多く存在するノックダウン方式ではな 133 く、部品を基本的にはインド国内で製造することを基本とした製造方法とな っている。 しかし、インドには自動車産業以外にも、農業機械産業、建設機械産業、 防衛機器産業、鉄道機器産業、医療機器産業、金型産業などが存在し、アジ ア諸国において最も多様な市場を構成している。これらの産業は、どれ一つ を と っ て も 市 場 が 大 き く 、全 て の 分 野 が 成 長 を 続 け て お り 、「 衰 退 産 業 」と い う 言 葉 は 存 在 し な い 。 こ の 背 景 に は 、 11 億 人 を 超 す 人 口 に 支 え ら れ 、 国 内 需 要が拡大を続けていることがある。 自 動 車 以 外 の ユ ー ザ ー は 大 企 業 や 外 資 系 企 業 だ け で な く 、 中 堅 ・中 小 企 業 があり、工作機械の需要が存在している。インドにおけるこれらユーザー産 業の将来の市場規模のうち、主要な産業については前述した通りである。 ②日系以外のローカル系企業 インドのローカル系企業の多くは、日本製工作機械に対して漠然としたイ メージしか持っていない。自動車や電気電子機器に代表される日本メーカー の品質の高さなどを反映して、日本製工作機械も高い性能を持っているとの イメージはあるが、そのイメージが必ずしも日本製工作機械の購買に繋がっ ていないのが現状である。 この点についてのローカル系企業へのヒアリング調査では、日本の工作機 械メーカーのインド市場におけるプレゼンスが希薄なことが原因であること が指摘された。日本の工作機械メーカーの中には、インドでの販売を商社に 委託しているところも多いが、その教育が不十分であることや、十分な広告 宣伝が行われていない例が多く、市場での認知度は甚だ低い。 本 来 は 自 前 で 拠 点 を 展 開 す る こ と が 望 ま し い が 、広 大 な 面 積 を 持 つ イ ン ド 市場を考えると、インド企業との提携や業界全体での取り組みなども考慮す る 必 要 が あ る 。日 本 製 工 作 機 械 は 欧 州 製 や 韓 国・台 湾 製 に 比 べ 、「 操 作 経 験 が 無い従業員でも使える機能」が多く搭載されており、インド市場における労 働の特性を鑑みると、むしろ「インドに適合している工作機械」である可能 性が高い。そのため、インドのローカル企業に対する販売は「いかに宣伝す るか」にかかっていると言える。 ( 2) 販 売 戦 略 タ ー ゲ ッ ト 分 野 を 特 定 し た 次 の 段 階 と し て 、イ ン ド 市 場 で ど の よ う に 販 売 していくかという販売戦略が必要となる。 ①各種サービス 日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー に と っ て 、イ ン ド 市 場 に お け る メ ン テ ナ ン ス ・サ ー ビス網の拡充が喫緊の課題である。 インドにおいては、気候や使用環境、インフラの未整備、機械の取り扱い や日常のメンテナンス、オペレーターの問題など様々な要因から工作機械の 134 ト ラ ブ ル が 起 こ り や す い 状 況 に あ る 。 こ の た め 、 工 作 機 械 の 能 力 を 100% 引 き出すためのサポートや、トラブルが起こった場合の迅速な対応が極めて重 要になっている。また、ユーザーとの信頼関係の構築や満足度の向上という 意味からも、商社や代理店任せではなく、直接ユーザーに販売することが必 要である。 また、工作機械の購入決定要因としてアフターサービス体制が充実してい ることが高く評価されており、どのように構築していくかが大きな課題とな っている。 ②コストダウン 日本製工作機械は、日本の他の商品群と同様に、国内競合に基づいて作ら れたオーバースペック仕様のものが多い。インド市場では「無駄なものが付 い て い る 、こ の 余 分 な 仕 様 分 が コ ス ト に 含 ま れ て い る た め 高 価 に な っ て い る 」 と捉えられる可能性が高い。 た だ し 、「 日 本 製 工 作 機 械 は 高 品 質 で あ る 」 と い う ブ ラ ン ド を 保 つ た め に は、価格を下げるために品質までも下げることは避けるべきである。インド 市場で求められている機能への絞り込みや、付加価値をつける方向を変える ことを検討していく必要がある。 ③インド仕様への対応 イ ン ド で は い ま で も 単 機 能 の 工 作 機 械 に 対 す る 根 強 い 支 持 が あ る が 、今 の ところ日本の工作機械メーカーの対応は十分ではない。 インドと日本では、対象とされる産業や加工分野が同じであっても、製造 工程やオペレーターの役割などが異なることもあり、必要とされる工作機械 の仕様も異なってくる。日本市場で要求される仕様のものをそのままインド 市場へ持ち込むことは、結果的にオーバースペックになる可能性がある。 インドのユーザー企業が求める仕様はできる限り取り込みつつ、不必要と される機能については思い切ってカットしていくことが必要となっている。 ( 3) 個 別 企 業 の み な ら ず 企 業 協 力 や 業 界 と し て の 対 応 が 必 要 な 分 野 一企業単位での努力は引き続き地道に行っていく必要があるものの、企業 間の協力や業界としての対応が極めて重要な分野がある。以下では、このよ うな分野について述べる。 ①ブランド認知 一 般 に 、イ ン ド に 早 く か ら 進 出 し て い る 企 業 は 現 地 で の 認 知 度 も 高 く 、ま た、サービス体制が整備されており、評判も良い。ある程度のブランドイメ ージが確立されていないと、インド市場への浸透には時間がかかることにな る。 前 述 し た よ う に 、日 本 製 工 作 機 械 は「 信 頼 が お け そ う だ 」と い っ た 漠 然 と 135 し た 高 級 ブ ラ ン ド 認 識 は あ る も の の 、プ レ ゼ ン ス の 低 さ が 問 題 と な っ て い る 。 例 え ば 、ド イ ツ 製 は 日 本 製 に 対 し て ブ ラ ン ド 認 知 度 が よ り 高 い と 言 わ れ る が 、 それはドイツのインドにおけるプレゼンスの高さに拠るところが大きい。 曖 昧 な が ら も 基 本 的 に は 高 い 評 価 を 受 け て い る 日 本 製 を 、イ ン ド の ユ ー ザ ーに具体的な存在として認知してもらうことが必要となっている。このため には、各企業が今まで以上にインド市場においてプレゼンスを高めていくこ とが、重要である。 こ れ に 加 え て 、展 示 会 や 種 々 の 広 告 宣 伝 に お い て 、「 日 本 と し て ま と ま っ た 行動」を取り、プレゼンスを高めていくことも必要となる。 ②日本標準 技術の基になる工業標準についてみると、欧州基準と米国基準に加え、材 料や工具基準の基となる日本基準、各国の自動車メーカーの指導による企業 基準が混在している。それぞれの基準は、インドの中の地域や業種によって その使用頻度が大きく違っている。このため、インドのユーザーからの質問 も 、「 何 の 基 準 で 考 え て い る か 」を き か な い と 正 確 な 答 え が 出 来 な い 状 況 で あ る 。こ の こ と は 、“イ ン ド の モ ノ づ く り ”に お い て も 大 き な 課 題 に な っ て い る 。 特 に 、金 型 な ど の 標 準 部 品 は 欧 州 製 、日 本 製 に 加 え て 米 国 製 ま で 入 っ て お り 、 同じものでもその名称が違うなど混乱に拍車がかかっている。今後インドで 進 化 が 進 む と み ら れ る 「 CAD/ CAM ソ フ ト 」 を 構 成 す る う え で も 、 こ の こ とが大きな障害になることは間違いない。インドの人材教育面でドイツやオ ラ ン ダ が そ の 主 導 権 を 握 っ て い る こ と に も 起 因 し て 、イ ン ド で は ISO 規 格 を 中 心 と し た DIN 規 格 等 の 欧 州 規 格 を 使 わ ざ る を 得 な い 状 況 下 に あ る 。 日 本 が 強 み を 持 つ 分 野 で の 日 本 標 準 ・基 準 を い か に イ ン ド で 広 め て い く か が大きな課題となっている。 ( 4) 現 地 生 産 ・ 供 給 戦 略 イ ン ド で の 販 売 が あ る 程 度 の 規 模 に 達 し た 場 合 に は 、現 地 生 産 や 周 辺 国 か らの供給の検討も必要となる。現地生産のメリットとしては、さらなるコス トダウンが図れること、ユーザーニーズが容易に汲み取れること、輸出に関 わる諸規制に影響を受けないこと、などが挙げられる。 一方、日本と異なる商慣習、雇用制度、インフラ、法制度、部材調達など の下で、日本では想定できない様々な困難が生じる可能性も大きい。また、 日本の製造拠点が空洞化する恐れもある。 さ ら に 、 工 作 機 械 の 調 達 ・ 生 産 ・販 売 を 最 大 化 す る の に イ ン ド で の 現 地 生 産が最適であるかどうかを検討するに当たって、周辺諸国における生産との 比較の視点も重要である。 7. 日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー へ の 提 言 インド市場の状況やニーズ、日本企業のこれまでのプレゼンスなどを踏まえ 136 ると、今後日本の工作機械業界が取り組むべき課題は以下のようになる。 ( 1) タ ー ゲ ッ ト 分 野 の 選 択 ①インド市場の特性を理解し、適切な対応を図る イ ン ド 市 場 の 開 拓 に 当 た っ て は 、こ れ ま で 見 て き た イ ン ド 市 場 の 特 性 を よ く理解したうえで、自社の持つリソースをどうすれば最大限に生かすことが 可能になるかを検討することが重要である。 インド市場の特性として、①異なった 2 種類のユーザー産業が存在するこ と、②地域により性格の異なるユーザー産業の集積がみられること、③ユー ザー産業の金型内製率が高いことの 3 点が挙げられる。 異 な っ た 2 種 類 の ユ ー ザ ー 産 業 が 存 在 す る こ と に つ い て は 、大 企 業 、中 小 零細企業のそれぞれについて、異なるアプローチを取る必要がある。 大 企 業 に つ い て み る と 、自 動 車 や 二 輪 車 の セ ッ ト メ ー カ ー 、農 業 機 械 、建 設機械、エネルギー関連施設、防衛機器、鉄道機器の場合、国営企業や財閥 系企業が多く、また、外国企業と提携関係にある企業も多い。このような大 企業に対しては、新鋭のマシニングセンタなどが有望である。 これに対し、中小零細企業の場合には、機能を限定した汎用性の高い機械 や、各企業が抱えるニーズへのピンポイントでの対応が必要となる。自動車 部品産業や金型産業の場合でも、非常に高い精度が要求されるケースは少な い。このため、ある程度の精度の加工ができれば問題はなく、イニシャルコ ストの低い機械が求められる傾向にある。 第 2 に 、地 域 に よ り 性 格 の 異 な る ユ ー ザ ー 産 業 が 集 積 し て い る こ と に つ い ては、北部や西部の場合には、古くから製造業が発展している地域であり、 部品メーカーや金型メーカーなどの中小零細企業を中心に、比較的安価な汎 用工作機械が求められている。これに対し、南部の特にチェンナイの場合に は、最近になって製造業が進出・発展したという経緯があり、最新鋭の工作 機械が求められ、価格よりも機能が重視される。集積については、この地域 に は 建 設 機 械 の 集 積 が 多 い の も 特 徴 と な っ て い る 。ま た 、バ ン ガ ロ ー ル に は 、 国営や民間の重機械工業が集積している。 また、ターゲットとすべき地域については、当然のことながら、これまで 見てきたように三大集積地域に的を絞ることが効率的である。3 地域では、 工作機械のユーザー産業の集積が進んでいることに加え、ビジネスのベース となるインフラなどの整備も、インドの中では他の地域に比べ進んでいる。 ただし、その中でも三大地域の優先順位のつけ方は、基本的には、自社の強 み・弱みをもとに判断すべきである。 ま た 、今 後 の 地 域 の 発 展 と そ れ が 集 積 に 与 え る 影 響 に も 目 を 配 っ て お く べ き で あ る 。現 時 点 に お い て 注 目 す べ き 動 き と し て は 、デ リ ー ・ム ン バ イ 産 業 大 動 脈 構 想 ( DMIC ) が あ る 。 既 に 述 べ た と お り 、 こ の プ ロ ジ ェ ク ト で は 、 デ リ ー ・ム ン バ イ 間 及 び そ の 沿 線 地 域 の 物 流 環 境 が 、大 幅 に 改 善 さ れ る こ と が 期 待されている。またこれに加え、沿線地域における工業団地の開発が計画さ 137 れている。インドに日本企業が進出するうえで、現在大きな障害となってい るのが、工業用地の確保が難しいことである。インドでは、東南アジアのよ うに計画的に開発されたいわゆる工業団地が少なく、製造業投資を計画して い る 日 本 企 業 に と っ て 大 き な ネ ッ ク と な っ て い る 。 DMIC の デ リ ー よ り の 地 域で大規模な工業団地の開発が進めば、日本企業のみならず現地企業にとっ ても大きなメリットとなる。特に、ハリアナ州グルガオンからムンバイ方向 への途中に位置するラジャスタン州あたりまで集積範囲が拡大することが期 待され、工業団地の整備が進めば、集積が集積を呼ぶ相乗効果で、北部への 集積が一気に拡大する可能性もある。また、同地域は、将来的にインドへの 投資を検討する場合に、有望な投資候補先の一つである。 ま た 、 チ ェ ン ナ イ の あ る 南 部 の タ ミ ー ル ナ ド ゥ 州 で も 、 DMIC と 同 様 の 開 発計画の構想があり、今後の動向が注目される。一方で、ムンバイ周辺は大 規模な工業用地の開発が困難な状況にある。近隣のプネでは開発の余地があ るものの、他の 2 地域に比べると拡大の余地は相対的に小さい。 こ の よ う に 、現 状 の 集 積 状 況 に 加 え 、今 後 の 地 域 の 発 展 と 拡 大 の 可 能 性 を 考慮すると、北部、南部、西部の順にポテンシャルが大きいといえる。 一方、物流面においては、インド最大のコンテナ港を要するムンバイは、 輸入貨物の受け取りという意味で優位な位置にある。また、ムンバイから指 呼の間にあるムンバイも同様である。一方、コンテナの処理能力では及ばな いものの、東方にある東アジアからの玄関口としては、西部にあるムンバイ よ り も チ ェ ン ナ イ が 優 位 な 位 置 に あ る 。ま た 、バ ン ガ ロ ー ル は 南 部 に 位 置 し 、 チェンナイとの距離が比較的近く、チェンナイからバンガロールへの輸送に はあまり問題はない。これに対して、北部の場合は内陸に位置し、輸入貨物 の受け取りはムンバイ、あるいはチェンナイからということにある。将来的 に物流インフラの整備が進むことが期待されているものの、現状においては 長距離の輸送には問題が少なくない。 第 3 に 、ユ ー ザ ー 産 業 の 金 型 内 製 率 が 高 い こ と に つ い て は 、特 に 大 手 の セ ットメーカーや大手部品メーカーにおいて顕著であり、例えば、放電加工機 やワイヤー放電加工機などの金型製造用の工作機械の有力なターゲットとし ても期待される。 大手セットメーカーのほとんどが、三大集積地かその至近に工場を有して おり、特にあらためて集積地以外の地域を攻略しなければならないケースは 少ないといえる。 <インド市場の特性と対応策の方向性> インド市場特性 ①異なる 2 種類のユーザー 産業の存在 対応策の方向性 【大企業】 →新 鋭 工 作 機 械 【中小零細企業】 →簡 易 型 マ シ ニ ン グ セ ン タ な ど 機 能 限 定 、 ピ ン ポ 138 ②地域により性格の異なる ユーザー産業の集積 ③ユーザー産業の金型内製 率が高いこと イントニーズへの対応 【 北 部 ・ 西 部 】( 古 く か ら 製 造 業 が 発 展 ) →比 較 的 安 価 な 汎 用 工 作 機 械 【 南 部 ( チ ェ ン ナ イ )】( 最 近 に な っ て 製 造 業 が 進 出・発展) →最 新 鋭 工 作 機 械 (「 価 格 よ り も 機 能 」) 【大手セットメーカー・部品メーカー】 →放 電 加 工 機 ・ ワ イ ヤ ー 放 電 加 工 機 な ど 金 型 製 造 用工作機械 ②自動車産業分野以外の産業分野へも目を向ける インドの工作機械市場は自動車産業だけではなく、農業機械、建設機械、 防衛機器、鉄道機器、医療機器、金型などの産業市場が存在し、全ての分野 で成長を続けている。従って、インドへの工作機械販売は自動車産業のみに ターゲットを絞るのではなく、広い視野で様々な産業を見据え、販売拡大を 図っていくことが必要である。 こ こで考慮 しなけれ ばならな いのは、イン ドで は、日本 のような「特 定産 業向けの製造業者」は少なく、多岐にわたる分野の市場をユーザーにしてい るということである。 今 後 、 イ ン ド 進 出 に 向 け て 市 場 調 査 を 進 め る 場 合 に は 、「 自 動 車 市 場 は ど うか」だけで進出調査活動を行うのではなく、常に広い視野に立っての調査 を行うことが必要である。 ③日系企業以外のローカル系企業への拡販 イ ン ド に は 既 に 進 出 し て い る 日 系 製 造 企 業 は 存 在 す る が 、例 え ば 中 国 へ の 進出企業数などと比べると、現時点においてはほぼゼロに近い比率にとどま るといっても過言ではない。このため、インドへの進出日系企業のみをター ゲットにした販売では量は期待できないことになる。 また、欧州系企業がインドにおいて日本の工作機械をわざわざ購入するこ とは可能性が低く、残る日本の工作機械の市場ターゲットは現地企業という ことになる。 既に述べたとおり、日本製工作機械メーカーのインド市場におけるプレゼ ンスが希薄なことが、日本製工作機械に対するイメージが漠然としており、 認知度が低い大きな原因となっている。この背景には、インド市場の潜在的 な魅力は認識しているものの、現時点においては必ずしも大きな成果が上が っていないことがある。本来は自前で拠点を展開することが望ましいが、広 大な面積を持つインド市場を考えると、インド企業との提携や業界全体での 取り組みなども考慮する必要がある。 一 方 で 、日 本 製 工 作 機 械 は 欧 州 製 や 韓 国・台 湾 製 に 比 べ 、「 操 作 経 験 が 無 い 従 業 員 で も 使 え る 機 能 」が 多 く 搭 載 さ れ て お り 、 「インドの地場企業の作業者 の 置 か れ た 状 況 に 極 め て 適 合 し て い る 機 械 」、「 誰 で も 使 い や す い 機 械 」 で あ 139 ることから、 「 イ ン ド に 適 合 し て い る 工 作 機 械 」で あ る 可 能 性 が 高 い と い え る 。 そのため、インドのローカル企業に対する販売は、このことを「いかに宣伝 するか」が極めて重要となっている。インドの現地企業にこの良さを認識し てもらい、日本製を採用してもらうための「宣伝活動」を活発化させること が必要である。 イ ン ド 企 業 を タ ー ゲ ッ ト と す る 場 合 、大 手 企 業 へ の 宣 伝・販 売 は 工 作 機 械 展 示 会 な ど で 行 え る が 、中 小 零 細 企 業 へ の 宣 伝 販 売 は そ れ で は 不 十 分 で あ る 。 こ の た め 、 特 に TAGMA 機 構 へ の 浸 透 を 図 る こ と 、 ま た 、 AOTS( 海 外 技 術 者研修協会)の研修修了生との交流を図ることが早道である。 ( 社 ) 日 本 工 作 機 械 工 業 会 と イ ン ド 工 作 機 械 工 業 会 ( IMTMA ) と の 交 流 も 重 要 で あ る が 、イ ン ド 工 作 機 械 工 業 会 は あ く ま で も 競 合 す る 工 業 会 で あ る 。 今後は、ユーザー市場の工業会との交流をより活発化させることが重要とな る。 ( 2) 販 売 戦 略 ①メンテナンスサービス網の拡充 日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー に と っ て 、イ ン ド 市 場 に お け る メ ン テ ナ ン ス ・サ ー ビス網の拡充が喫緊の課題である。 機械のトラブルが起こったときに、日本あるいは近隣諸国の事務所からエ ン ジ ニ ア を 送 る よ う で は 、ユ ー ザ ー と し て も 大 き な 不 安 を 抱 え る こ と に な る 。 工作機械の需要が大きいチェンナイ、バンガロール、プネ、ムンバイなど にサービス事務所を設置し、スペアパーツの在庫を持つとともに、エンジニ ア あ る い は 営 業 を 兼 ね た セ ー ル ス ・エ ン ジ ニ ア な ど を 配 置 す る こ と で 、ユ ー ザ ーの信頼を勝ち取ることが必要である。 日本の工作機械メーカーのほとんどはこの様な多拠点展開を行うことは困 難であることから、数社もしくは工業会全体で「サービスセンター」の設置 をするなどの対応を模索することも必要である。 日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー が 連 携 し 、工 作 機 械 の 常 設 展 示 を 含 め た「 サ ー ビ スセンターの設置」などのサービス網を拡充することを早急に検討すること が必要である。 また、このようなセンターに、実際に日本製工作機械を使った教育訓練機 能があれば、さらに望ましい。 ②仕様のムダの削減、品質を落とさないコストダウンの実施で販売価格の改 善を図る 既に述べたように、日本製工作機械は国内競合に基づいて作られたオーバ ースペック仕様のものが多く、インドのユーザー企業は余分な仕様がコスト に含まれているため高価になっているとみている。 インド市場では、品質を落とさずに「無駄な仕様」を省くとともに、イン ド市場に合致した新たな付加価値を付け、一方で販売価格の見直しを行って 140 いくことが必要である。 「 日 本 製 工 作 機 械 は 高 品 質 で あ る 」と い う ブ ラ ン ド を 保つためには、価格を下げるために品質までも下げることは避けるべきであ る。 インド市場への浸透を考えた場合、まずは機能の絞り込みが考えられる。 次 に 、付 加 価 値 を 付 け る 方 向 を 変 え る こ と で あ る 。個 々 の 機 械 の 機 能 を 増 やすことだけが付加価値を高めることではなく、インドにおける広範囲に及 ぶ市場特性を踏まえたうえで、工作機械の周辺に位置する治工具やソフトウ ェアなどを含めた、システムとしての付加価値を高めることが必要である。 日 本 に は 工 作 機 械 産 業 を 取 り 巻 く 、特 殊 金 属 や 超 硬 材 料 等 の 材 料 産 業 、冶 工具産業、測定器産業のほか、工作用機器に含まれる工具把持具産業、ロボ ット産業などインドでは未発達であり、世界的にみても優れた様々な産業群 がある。これらの産業群は、工作機械産業に比べると企業数や全体の販売量 も少ないため、単独でインド進出はできない状況下にある。これらの産業と 連携を取ってインド進出戦略を考えることは、単に「低価格工作機械製造の ためのコストダウン」を考えるよりも有効であるとみられる。 工 作 機 械 の パ フ ォ ー マ ン ス に は 、本 来 、工 作 機 械 本 体 だ け で な く 、ソ フ ト ウ ェ ア の 使 い や す さ 、治 工 具 の 性 能 、メ ン テ ナ ン ス ・サ ー ビ ス の 質 な ど も 含 ま れてくる。日本製機械は、これらを含めたトータル・コストパフォーマンス で 競 合 す る こ と が 望 ま し い 。特 に 、メ ン テ ナ ン ス ・サ ー ビ ス は 重 要 で あ る 。金 型 製 造 な ど で は 工 作 機 械 の 24 時 間 操 業 が 要 求 さ れ る こ と も 多 く 、 こ の よ う な機械の高い稼働率を維持するために、トラブル時の速やかな対応は必須で ある。 ま た 、価 格 が 相 対 的 に 高 い な か で 工 作 機 械 の 販 売 を 図 っ て い く 場 合 、日 本 の復興時代に活用した「割賦販売」などの様々な方策を行ってきた経験を生 かすことも重要である。過去に経験したことのある施策をインド流にモディ ファイし、インドの経済状況に即した流通政策を考えていく必要がある。日 本企業はこのような意味で、欧州の工作機械産業には無いノウハウを持って いると言える。 ③インド仕様の工作機械作りの模索 イ ン ド 地 場 企 業 へ の ヒ ア リ ン グ 調 査 結 果 に よ れ ば 、 多 軸 の NC 工 作 機 械 な ど よ り も 、 汎 用 性 の 高 い 単 純 な NC 工 作 機 械 に 対 す る ニ ー ズ が 高 く 、 現 地 中 小企業向け工作機械は、脆弱な電気供給事情や高温多湿な工場環境、測定器 不足及び測定能力不足などを考慮したインド向けの仕様を考える必要がある。 中 小 零 企 業 に お い て は 、従 業 員 体 系 の 違 い も あ り 、単 純 作 者 向 け の「 単 機 能工作機械」への要望は多い。汎用性を保ちながらも、治具、フィクスチャ ー、ツールホルダーなどインドでのニーズを踏まえた標準装備をセットで提 供すれば、それが付加価値となる。台湾製や韓国製は付属装置がオプション であることが多く、ユーザー企業が個別のニーズを反映させようとすれば、 最終価格が高くなりがちである。インドで本当に必要な装備をつけて、価格 141 が安いと感じさせることができれば、日本製に対する評価は高まることは間 違いない。 加えて、脆弱な電気供給事情などのインフラ整備の遅れを勘案したインド 市場向けの「新製品開発」も必要である。 インドの豊富な需要市場からみて、このような「インド市場向け新製品」 の成功率は非常に高いとみられる。 ④日本の強みを生かした総合的な支援策の提供 日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー は 、単 に 機 械 を 売 る だ け で は な く 、効 率 的 な 使 い 方、配置などのアドバイスを行うことが可能である。特に、ローカル系の中 小零細企業ではエンジニア、現場のオペレーターともに十分や技術や知識を 持っているとは限らない。イニシャルコストが高くても、機械の効率的な利 用でランニングコストを下げることができれば、ユーザー企業にとっても大 きなメリットとなる。 また、日本製工作機械は耐久性に優れており、ライフサイクルが長い。長 期的な視点でみれば、台湾製や韓国製に比べてコストパフォーマンスは高い ともいえる。台湾製や韓国製は耐久性が劣るという指摘がある。問題は、イ ンド企業がイニシャルコスト重視のところが多いことと、そもそもこのよう な耐久性の比較を行っていないことや、ランニングコストの観点から捉えて いないことである。このようなことをよく説明し、日本製工作機械の利点を 十分に説明することが必要である。 さ ら に 、 生 産 管 理 や TPM に 関 連 し た ア ド バ イ ス が で き る の も 日 本 製 の 強 みであり、代理店に任せることが多い台湾製ではこのようなことは難しい。 インド市場において、このような日本の強みを生かしていくためにも、代理 店やエージェント任せではなく、自社による直接の販売体制の確立が重要で ある。インド人エンジニアは頭でっかちなところがあるが、メーカーの技術 スタッフとコミュニケーションを取ることが好きである。設備投資のベース となるのも彼らの提案であり、インド人エンジニアとの関係を深め、日本製 工作機械について正しく理解してもらう上でも、自社スタッフによるコミュ ニケーションと十分な説明が必要である。また、日頃からユーザーの現場に 足を運んでおけば、すぐに受注に結びつかなくとも、ユーザーの置かれた状 況を踏まえた改善提案を行うことも可能となる。 ( 3) 個 別 企 業 の み な ら ず 企 業 協 力 や 業 界 と し て の 対 応 が 必 要 な 分 野 ①ジャパンブランドの構築 既 に 述 べ た よ う に 、日 本 製 工 作 機 械 の 場 合 、イ ン ド に お け る プ レ ゼ ン ス の 低さや価格の高さがブランドの高さを相殺している。 インド市場において忘れてはならないことは、ユーザーによっては、必ず し も「 Made in Japan」で は な く 、「 Made by Japan」で も 構 わ な い こ と で あ る。インドでは、日本で製造した機械は日本のコスト高を反映して価格が高 142 く、多くのインド企業にとっては手が出ない存在である。しかし、日本企業 が 他 の ア ジ ア 諸 国 で 生 産 し た 「 Made by Japan」 で 、 価 格 も あ る 程 度 安 け れ ば、導入したいと考えているインド企業は少なくない。 今 後 、「 Made in Japan」あ る い は「 Made by Japan」の ブ ラ ン ド を 浸 透 さ せ、日本製工作機械の販売を促進していくためには、展示会や種々の広告宣 伝 に お い て 、「 日 本 と し て ま と ま っ た 行 動 」を 取 り 、プ レ ゼ ン ス を 高 め て い く ことも必要となる。 例 え ば 、 TAGMA な ど の 工 業 会 の 機 関 誌 へ の 広 告 掲 載 料 は 、 イ ン ド で は 驚 くほど安い。従って、企業単位での定期的な広告の掲載も可能であるが、こ れ以外に、業界を代表する工業会の立場からの継続的な広告の掲載が望まれ る。 残念ながら、インドにおける工作機械は、過去から現在及び将来に至るま で、欧米系企業がその市場シェアを拡大しつつある。 日 本 の 工 作 機 械 産 業 が イ ン ド 市 場 に お い て シ ェ ア を 拡 大 す る た め に は 、今 後 、他 の 関 連 す る 産 業 と 連 携 し て 行 動 し 、「 ジ ャ パ ン ブ ラ ン ド の 構 築 」を 図 る こ と が 必 要 で あ り 、そ の 役 目 を 担 う の は「( 社 )日 本 工 作 機 械 工 業 会 」で あ る 。 イ ン ド 工 作 機 械 展 示 会( IMTEX2011)で は 、日 本 は ブ ラ ン ド ア ピ ー ル の 点 では、完全に欧米諸国の工作機械工業会に遅れを取ってしまった。次回の工 作機械展示会ではこの轍を繰り返してはならない。インド市場では、日本の 工作機械メーカーが単独でブランド構築を成し遂げることは容易ではない。 各 工 業 会 の 業 界 誌 な ど へ の 定 期 的 な 広 告 の 掲 載 、特 に 単 な る 製 品 の 紹 介 に 留 ま ら な い 、日 本 製 工 作 機 械 の 強 み の 紹 介 、導 入 し た 場 合 の 事 例 の 紹 介 な ど 、 ブランドステータスが全体として高まるような内容を検討していく必要があ る。 ②産官学連携した日本標準の浸透 イ ン ド に お い て は 、 欧 米 系 の 標 準 が 主 流 と な っ て い る 。 本 来 、 “モ ノ づ く り ”業 界 に お い て は 、日 本 基 準 で 進 め る こ と が 望 ま し い 。し か し 、イ ン ド の 人 材教育面でドイツやオランダがその主導権を握っていることにも起因して、 イ ン ド で は ISO 規 格 を 中 心 と し た DIN 規 格 等 の 欧 州 規 格 を 使 わ ざ る を 得 な い状況下にある。 し か し 、 日 本 と し て は 、「 日 本 の 得 意 と し て い る 点 」 を 基 盤 に し た 展 開 を 図ることが可能である。日本が強くインドが弱い産業としては、金型などに 使 わ れ る 特 殊 金 属 材 料 産 業 、金 型 部 品 を 構 成 す る 標 準 部 品 産 業 、「 カ イ ゼ ン 活 動 」、「 5S 活 動 」な ど の 品 質 向 上 技 術 ノ ウ ハ ウ 供 給 産 業( コ ン サ ル タ ン ト 産 業 ) などが存在する。 これらの日本基準をインド金型工業会やインド工作機械工業会を通じて、 積 極 的 に イ ン ド に 宣 伝 し 、広 め る こ と か ら 始 め る 必 要 が あ る 。そ の た め に は 、 日本工作機械工業会とインドの各種工業会との親密な関係を築くことが必要 である。残念ながら、標準つくりのうまさにおいては、欧米企業が日本より 143 も は る か に 先 ん じ て い る 。欧 米 企 業 に 対 抗 し 、日 本 標 準 を デ フ ァ ク ト ・ス タ ン ダ ー ド に す る の は 、日 本 の 工 作 機 械 メ ー カ ー が 単 独 で な し え る こ と で は な く 、 システムとしての標準つくりが重要である。工作機械工業会が中核になりな がらも、治具、工具、超硬工具、測定機器、試験機、研削砥石などの関連工 業会が協働し、さらには官を巻き込んで、標準つくりを進めることが、イン ドにおいても求められている。 イ ン ド に お け る 基 準 や 標 準 は 、今 の と こ ろ 製 造 業 で は 欧 州 基 準 で あ り 、IT 産業では米国基準で進められている。残念ながら、日本標準や日本基準はそ の浸透度がはなはだ低いのが現状である。 こ の よ う な 状 況 を 打 破 す る た め に は 、官 や 学 を 巻 き 込 ん だ 活 動 で 日 本 標 準 の浸透を図る必要がある。現在のところ、日本が欧米諸国の競合国に比べ優 れている点としては、以下が挙げられる。 地道な努力ながら着実に日本製工作機械の底辺を広げる活動としては、 AOTS の よ う な 人 材 育 成 の 継 続 的 な 実 施 が 挙 げ ら れ る 。日 本 に お け る 研 修 は 、 参加者のステータスを向上させ、本人の満足度を高める意味でも非常に有意 義である。しかし、コストがかかることから、参加させることのできる人数 には限界がある。そこで、インドでもトレーニングセンターを設け、そこに 日本製機械を置いて様々な技術研修、スキル研修を定期的にかつ頻繁に行う ことができれば、日本製工作機械の使用者の裾野を広げるとともに、正しき 理解者を数多く輩出していくことが可能となる。 ま た 、大 学 レ ベ ル で の 人 材 育 成 へ の 関 与 も 極 め て 重 要 で あ る 。将 来 の エ ン ジニア予備軍に対して、日本製工作機械に対して正しく理解してもらう場を 提供することは極めて重要であるといえる。 ①全ての種類の高精度工作機械産業を持っていること ②世界一の金型産業を持っていること ③きめ細かいあらゆる種類の特殊金属材料を持っていること こ れ ら 三 つ の 優 位 性 の 総 合 力 の 結 集 が 、欧 米 標 準 に 勝 ち 日 本 標 準 を 浸 透 さ せる鍵であると言える。 ( 4) 現 地 生 産 ・ 供 給 戦 略 イ ン ド に お け る 現 地 生 産 や 、他 国 か ら の 供 給 を 検 討 す る 場 合 に は 、既 に 進 出 し て い る 企 業 へ の ヒ ア リ ン グ を 含 め 、 念 を 入 れ た 調 査 ( F/S ) を 行 う こ と が大切である。 ま た 、FTA へ の 取 り 組 み が 進 み 、近 隣 諸 国 と の 間 で の 経 済 統 合 が 進 み つ つ あ る 。工 作 機 械 の 調 達・生 産 ・販 売 を 最 大 化 す る の に イ ン ド で の 現 地 生 産 が 最 適であるかどうかを検討するに当たって、周辺諸国における生産との比較の 視点も重要である。 インド市場は広大かつ膨大である。従って、全てを日本から輸出すること 144 は出来ない。 工作機械販売を有効かつ利益性の高いものにするには、近隣諸国を含めた 海外生産も視野に入れ、インド市場へのアプローチを図っていくことが必要 である。この場合、全ての生産をインドで行うという意味では無い。インド での生産は、現地の方が製造に適しているものに限るべきである。自動車産 業 で は 、既 に 現 地 で 生 産 し た も の を 日 本 に 逆 輸 入 す る と こ ろ も 出 て き て い る 。 また、工作機械産業においても、既に海外生産が主体になっている企業もあ る 。「 最 適 生 産 」 は ど う あ る べ き か を 、 根 本 的 に 考 え る 必 要 が あ る 。 以 上 、「 日 本 の 工 作 機 械 産 業 が イ ン ド 進 出 す る た め に な す べ き こ と 」を い く つ か提案した。当然ながら、これが全てではない。個々の企業が持つ特徴によっ て他の方法も考えられるが、ここでは、あくまでも日本の工作機械産業が共通 に取り組むべき項目について取り上げた。 “モ ノ づ く り 産 業 ”に お け る イ ン ド の 新 た な 展 開 は 、今 ま で の 中 国 市 場 と 違 い 、 日本の工作機械産業のビジネスの将来を大きく変える可能性がある。いつの間 にか、世界の工作機械の競合の主戦場が、中国からインドに移るということも ありえないことではない。 しかしながら、現在のところその主戦場において、日本は未だ欧米諸国や台 湾 、 韓 国 、 あ る い は 現 地 企 業 か ら み る と 、 “土 俵 に も 上 げ て も ら え て い な い ”状 況である。 日本が今後インド市場に対して何もしないで手をこまねいていると、その影 響は確実にアジア地域全域の戦いにも影響を及ぼし、アジア地域での競合で、 苦しい戦いを強いられることになる。早急にインド市場に目を向け、他国の工 作機械産業に戦いを挑む必要がある。日本の持つ工作機械技術やノウハウを持 ってすれば、同じ土俵上での戦いで、勝てないはずは無い。日本の工作機械産 業存続のためにもインド市場での戦いに今すぐ参加すべきである。 【参考文献】 ・ 日 本 機 械 輸 出 組 合 「 イ ン ド の 機 械 産 業 の 実 態 と 輸 出 ・ 投 資 環 境 調 査 」( 2006 年 3 月) ・ACMA (Automotive Component Manufacturers Association of India) [2010]. “VISION 2020 Indian Auto Comoponent Industry” ・ CMIE (Centre For Monitoring Indian Economy Pvt Ltd) [2010]. “Industry Market Size & Shares (April 2010)”、 他 145 禁 無 断 転 載 平成22年度 「インドにおける工作機械需要見通し等調査研究」 報 告 書 平成23年3月 Ⓒ2011.(社)日本工作機械工業会 東京都港区芝公園三丁目5番8号 〒105-0011 電話 03(3434)3961
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