Express5800/ft サーバ (Windows モデル) よくある環境不正について 本書では、Express5800/ft サーバ(対象機種は以下を参照)において、お問い合わせを多数いただ く環境不正について説明します。 該当する事項がありましたら、サーバの安定稼動のために対処をお願いします。 対象機種:320La(-R), 320Lb(-R), 320Lc(-R), 310Lc(-R), 320Lb2-R 320Mb-R, 320Mc-R 340Ha-R, 340Hb-R 第二版 2010 年 3 月 -1- 改版履歴 2007 年 . 7 月 初版 2010 年 .3 月 第二版...... Windows Server 2003 SP2 の対応にともない、「お願い」の内容を変更 ............... 「4.未サポート USB 機器が接続されている」の記載を追加 ............... サイト編成にともなった、リンク先の修正 -2- お願い Windows のサービスパックやロールアップ及び ft 制御ソフトウェアの最新バージョンでは、 システムダウンに関連する問題を含む多数の問題が修正されています。 サーバの安定稼動のためにも、最新環境へのアップデートをお願いします。 最新環境(2010 年 3 月現在) ft 制御ソフトウェア 機種 *1 320La(-R), 320Lb(-R) , 2.3 Windows 2000 Service Pack 4 SP4 用の更新プログラムロールアップ 1 330Mb-R, 340Ha-R *2 320Lb(-R) , 320Lc(-R), Windows 3.1.2 Windows Server 2003 Service Pack 2 310Lc(-R), 320Lb2-R, 320Mc-R, 340Hb-R *1 Windows 2000 モデル *2 Windows Server 2003 モデル ※ Windows のサービスパックを適用する際に、ft 制御ソフトウェアのバージョンアップや修正モジュ ールの適用が必要なことがあります。適用の際は、必ず以下の WEB サイトを確認の上、実施して ください。 NEC サポートポータル・製品・技術情報 ・Express5800/ft サーバ Windows2000 ServicePack4 対応 https://www.support.nec.co.jp/View.aspx?id=3140000893 ・Express5800/ft サーバ WindowsServer2003 ServicePack2 対応 https://www.support.nec.co.jp/View.aspx?id=3140000895 ※ 「SP4 用の更新プログラムロールアップ 1」については、以下のマイクロソフト社の WEB サイトを確 認の上、適用してください。 Windows 2000 Service Pack 4 対応の更新プログラム ロールアップ 1 と既知の問題 http://support.microsoft.com/kb/891861/ja -3- 目次 1 Windows 2000 SP4 をサポートしていない環境に SP4 が適用されている................................... 5 2 LAN アダプタを Teaming(二重化)したまま無効化されている.................................................... 7 3 シリアル(COM)ポートに機器が接続されている ...................................................................... 8 4. 未サポート USB 機器が接続されている ................................................................................ 8 5. SNMP サービスの設定が停止・手動開始となっている............................................................. 9 6. ft 制御ソフトウェア Ver:3.0 環境で、「ft 制御ソフトウェア Ver:3.0 Update モジュール No.001」が適用 されていない ................................................................................................................. 11 7. メモリダンプ採取の設定が不正となっている........................................................................ 13 8. BrightStor ARCserve 関連のサービスが自動開始となっている .............................................. 14 9. BackupExec がインストールされた環境で RSM(Removable Storage サービス)が無効になっていない ................................................................................................................................... 15 10. pcAnywhere11.0.1 がインストールされている ..................................................................... 16 11. VERITAS Storage Foundation の Dynamic Multipathing(DMP)オプションがインストールされている ................................................................................................................................... 16 -4- 1 Windows 2000 SP4 をサポートしていない環境に SP4 が適用されている [症状] CPU/PCI モジュールが正常に二重化しないことがあります。 また、予期しない動作となることがあります。 [対処] SP4 を適用する場合は、下表に示す SP4 サポート環境である必要があります。これら の環境以外に SP4 を適用されている場合は、下記の復旧手順により環境を正しくしてく ださい。 Windows 2000 SP4 サポート環境 機種 320La(-R) ft 制御ソフトウェア Ver:1.3 + SP4 対応修正モジュール*4 または ft 制御ソフトウェア Ver:2.3 以降 320Lb(-R) ft 制御ソフトウェア Ver:2.0.1 + SP4 対応修正モジュール または ft 制御ソフトウェア Ver:2.3 以降 330Mb-R, 340Ha-R ft 制御ソフトウェア Ver:2.3 以降 <復旧手順> 320La(-R)の場合 ft 制御ソフトウェア Ver:1.3 より前のバージョンの場合 ① USB ドライバを置換する。*5 ② ft 制御ソフトウェア Ver:2.3 へアップデートを行う。 ft 制御ソフトウェア Ver:1.3(SP4 対応修正モジュール*4 を入手済み)の場合 ① SP4 対応修正モジュールを適用する。 ft 制御ソフトウェア Ver:1.3(SP4 対応修正モジュール*4 を未入手)の場合 ① USB ドライバを置換する。*5 ② ft 制御ソフトウェア Ver:2.3 へアップデートを行う。 320Lb(-R)の場合 ft 制御ソフトウェア Ver:2.0.1 より前のバージョンの場合 ① USB ドライバを置換する。*5 ② ft 制御ソフトウェア Ver:2.3 へアップデートを行う。 ft 制御ソフトウェア Ver:2.0.1 の場合 ① SP4 対応修正モジュールを適用する。 330Mb-R、340Ha-R の場合 ft 制御ソフトウェア Ver:2.3 へアップデートを行う。 -5- *4 320La(-R)用の「SP4 対応修正モジュール」は公開を終了しています。 *5 USB ドライバについて 一部の環境では、SP4 の不正適用により USB ドライバが ft サーバに対応していない モジュールに置換されている可能性があります。アップデート前に以下の手順により 正しいモジュールに置換してください。 ① 以下に示すコピー元からコピー先に正しいモジュールをコピーする 対象モジュール 正しいバージョン 不正なバージョン OPENHCI.SYS 1.0.170.0 5.0.2195.xxxx USBD.SYS 1.0.170.0 5.0.2195.xxxx (xxxx には任意の数字が入ります。) コピー元:C:¥PNPDRVRS フォルダ配下 コピー先:C:¥winnt¥system32¥drivers フォルダ配下 ② OS を再起動する。 -6- 2 LAN アダプタを Teaming(二重化)したまま無効化されている [症状] PCI モジュールのランプ表示に影響することがあります。 [対処] 該当デバイスを一旦有効にし、PROSetII で Teaming を解除後、再度無効にしてくださ い。 例として以下のデバイスが無効にしてある場合について説明します。 [対象デバイス(例)] Stratus emb-82559 10/100 Enet Adapter Stratus emb-82559 10/100 Enet Adapter #2 Intel(R) Advanced Network Services Virtual Adapter ※ 「Stratus emb-82559 10/100...」の 2 つの LAN アダプタを Teaming し、 「Intel(R) Advanced Network...」を形成している場合。 手順実行時に、一時的にネットワークが不安定になったり、システムの再起動が必要 になる場合がありますので、運用に影響のない時に実施してください。 1. デバイスマネージャを起動し、対象デバイスで右クリックし、「有効」をクリックする。 [対象デバイス(例)] Stratus emb-82559 10/100 Enet Adapter Stratus emb-82559 10/100 Enet Adapter #2 Intel(R) Advanced Network Services Virtual Adapter 2. PROSetII を起動し、対象デバイスの Teaming を解除する。 3. デバイスマネージャを起動し、対象デバイスで右クリックし、「無効」をクリックする。 [対象デバイス(例)] Stratus emb-82559 10/100 Enet Adapter Stratus emb-82559 10/100 Enet Adapter #2 -7- 3 シリアル(COM)ポートに機器が接続されている [症状] サーバの動作が不安定になり、システムが応答停止、または、リブートすることがあり ます。 [対処] シリアルポートに接続している機器を取り外してください。 また、シリアルポートを使用するソフトウェアやドライバがインストールされている場合 は、アンインストールしてください。詳細は以下をご覧ください。 <ft サーバインフォメーション> http://www.nec.co.jp/pfsoft/ftserver/ →旧ページ/Windows 版 →一般注意・制限事項/全機種共通事項 →COM(シリアル)ポートは保守用のみ 4. 未サポート USB 機器が接続されている [症状] [対処] サーバの動作が不安定となり、以下の状態になることがあります。 応答が停止する 予期しないリブートが発生する 起動時やシャットダウン時にストールする ft 制御ソフトウェアのインストール/アップデート時に処理が停止する 未サポートの USB 機器を取り外してください。 Express5800/ft サーバでサポートしている USB 機器は、特定のキーボード、マウス、 及び、フロッピーディスクドライブのみです。 -8- 5. SNMP サービスの設定が停止・手動開始となっている [症状] ESMPRO/ServerAgent の SNMP 通報イベントの滞留が発生し、サーバの IO、CPU 負 荷が高くなることがあります。 [対処] 以下の手順で滞留している通報イベントを削除し、SNMP サービスを起動してください。 1. 通報サービスの停止 ① 「管理ツール」の「サービス」を起動します。 ② 「Alert Manager Main Service」で右クリックし、「停止」をクリックします。 ※ 依存関係のあるサービスも停止して良いかというダイアログが表示され た場合は、それらのサービスも停止します。ここで停止したサービスは後 で起動しますので、メモしておいてください。 2. 通報イベントファイルの削除 ESMPRO/ServerAgent をインストールしたフォルダにある、以下の★印のファイ ルのみを削除します 。(ESMPRO/ServerAgent のデフォルトのインストールフォ ルダは、「C:¥ESM」フォルダとなります。) C:[\] + [ESM] + [AlertMan] + [Work] + [alv] + [Data] + [sck] + NEWFILE? ★ + SCHFILE? ★ + IF00???? ★ + NE00???? ★ ※ [xxxx] は、フォルダを示しています。 ※ ? には数字が入ります。 ※ 上記のファイルは存在しない場合もあります。 ※ [Work]フォルダ配下には[Data]等のフォルダもありますが、絶対 に削除しないでください。 -9- 3. 通報サービスの開始 ① 「管理ツール」の「サービス」を起動します。 ② 「Alert Manager Main Service」で右クリックし、「開始」をクリックします。 ※ 手順 1 で依存関係により停止したサービスも開始してください。 4. SNMP サービスの開始 ① 「管理ツール」の「サービス」を起動します。 ② 「SNMP Service」で右クリックし、「開始」をクリックします。 ③ プロパティから「スタートアップの種類」を「自動」に設定します。 - 10 - 6. ft 制御ソフトウェア Ver:3.0 環境で、「ft 制御ソフトウェア Ver:3.0 Update モ ジュール No.001」が適用されていない [症状] サーバ起動時に二重化処理が停止し、以下の状態となることがあります。 <ステータスランプの状態> ステータスランプの状態が以下のようになります。 モジュール名 ステータスランプ 1 ステータスランプ 2 PCI モジュール 1 緑点灯 赤点灯 PCI モジュール 2 緑点灯 赤点灯 CPU モジュール 1 消灯 アンバー点灯 CPU モジュール 2 赤点灯 消灯 ※ システム再起動後に二重化処理が停止した場合、両 CPU モジュールのステータス ランプ 1 は消灯、ステータスランプ 2 は緑点灯となります。 なお、上記のステータスランプの状態は、二重化処理が停止するタイミングで変化 することがあります。 <イベントログの状態> システムイベントログに以下のイベントが登録されます。 ソース Service Control Manager 種類 エラー イベント ID 7022 説明 Stratus ftServer Provider Manager サービスは起動時に停止 しました。 ソース Service Control Manager 種類 エラー イベント ID 7022 説明 Stratus ftServer Storage Manager サービスは起動時に停止し ました。 ソース Service Control Manager 種類 エラー イベント ID 7031 説明 Stratus ftServer Maintenance and Diagnostics (MAD) サービ スは予期せず終了しました。これは 3 回発生しています。次の 修正動作が 0 ミリ秒以内に行われます: 構成された回復プロ グラムの実行 - 11 - ソース Service Control Manager 種類 エラー イベント ID 7031 説明 Stratus ftServer Maintenance and Diagnostics (MAD) が予期 せず終了したあと、修正動作 (構成された回復プログラムの実 行) を試みましたが、この動作は次のエラーで失敗しました: 指 定されたファイルが見つかりません。 <サービスの状態> サービスの状態が以下のようになります。 [対処] サービス名 状態 Stratus ftServer Maintenance and Diagnostics(MAD) 停止(空白) Stratus ftServer Provider Manager 開始中 Stratus ftServer Storage Manager 開始中 以下の WEB サイトをご確認の上、「ft 制御ソフトウェア Ver3.0 Update モジュール No.001」を適用してください。 <ft サーバインフォメーション> http://www.nec.co.jp/pfsoft/ftserver/ →旧ページ/Windows 版 →一般注意・制限事項/全機種共通事項 →システム起動時の注意事項について ※ 本現象は、ft 制御ソフトウェア Ver:3.1 において根本原因が修正されております。 「ft 制御ソフトウェア Ver3.0 Update モジュール No.001」を適用した後に、 ft 制御ソフトウェア Ver:3.1 以降へのアップデートを強く推奨します。 - 12 - 7. メモリダンプ採取の設定が不正となっている [症状] メモリダンプが採取できません。 [対処] 以下の設定を確認し、該当する事項があったら対処してください。 (本確認手順は Windows Server 2003 のものとなりますが、Windows 2000 でもほぼ 同様の手順となります。) ページファイルが C ドライブに設定されていない。 <確認手順> ① [マイ コンピュータ]の[プロパティ]を表示する。 ② [システムのプロパティ]ウィンドウの[詳細設定]タブを表示し、 [パフォーマンス]の[設定]ボタンをクリックする。 ③ [パフォーマンス オプション]ウィンドウの[詳細設定]タブを表示し、 [仮想メ モリ]の[変更]ボタンをクリックする。 ④ [仮想メモリ]ウィンドウにて、C ドライブにページファイルが設定されていること を確認する。 メモリダンプの出力先フォルダが存在しない。 <確認手順> ① [マイ コンピュータ]の[プロパティ]を表示する。 ② [システムのプロパティ]ウィンドウの[詳細設定]タブを表示し、 [起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。 ③ [起動と回復]ウィンドウの[ダンプ ファイル]のパスを確認する。 ④ 手順③のパスがシステムに存在することを確認する。 メモリダンプ出力先のドライブに十分な空き容量がない。 <確認手順> ① [マイ コンピュータ]の[プロパティ]を表示する。 ② [システムのプロパティ]ウィンドウの[詳細設定]タブを表示し、 [起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。 ③ [起動と回復]ウィンドウの[ダンプ ファイル]のパスを確認する。 ④ 手順③のパスが存在するドライブに物理メモリ+12MB 以上の空き容量があ ることを確認する。 - 13 - 適切なメモリダンプ種類が選択されていない。 システムダウンの調査には、OS 内部の動作からアプリケーションレベルの動作状 況を確認する必要がある場合があります。カーネルメモリダンプの場合、情報が 不足し詳細を確認することができないことがあるため、完全メモリダンプを選択さ れることを推奨します。(ただし、物理メモリを 2GB 以上場合は、完全メモリダンプ は採取できないため、カーネルメモリダンプを選択してください。) <確認手順> ① [マイ コンピュータ]の[プロパティ]を表示する。 ② [システムのプロパティ]ウィンドウの[詳細設定]タブを表示し、 [起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。 ③ [起動と回復]ウィンドウの[デバッグ情報の書き込み]が適切なダンプファイル の種類となっていることを確認する。 8. BrightStor ARCserve 関連のサービスが自動開始となっている [症状] テープデバイスの認識に失敗することがあります。 [対処] 以下の文書を参照し、サービスの設定を変更してください。 <ft サーバインフォメーション> http://www.nec.co.jp/pfsoft/ftserver/ →旧ページ/Windows 版 →PP の注意・制限事項 →BrightStor ARCserve Backup →「BrightStor ARCserve,Backup Exec をご使用になるお客様へのご注意」 - 14 - 9. BackupExec がインストールされた環境で RSM(Removable Storage サー ビス)が無効になっていない [症状] サーバの動作が不安定になることがあります。 [対処] Removable Storage サービスの設定を以下のように変更してください。 サービス名 Removable Storage スタートアップの種類 無効 サービスの状態 停止 【参考】 <ft サーバインフォメーション> http://www.nec.co.jp/pfsoft/ftserver/ →旧ページ/Windows 版 →PP の注意・制限事項 →BrightStor ARCserve Backup →「BrightStor ARCserve,Backup Exec をご使用になるお客様へのご注意」 - 15 - 10. pcAnywhere11.0.1 がインストールされている [症状] シャットダウン時に真っ暗な画面で停止、または、STOP エラーが発生することがありま す。 [対処] pcAnywhere11.0.1 をアンインストールしてください。 (アンインストール後の最初のシャットダウン時には発生することがあります。) 【参考】 Express5800/ft サーバ上で、 Symantec pcAnywhere の利用を検討しているお客様へ http://support.express.nec.co.jp/care/techinfo/pcanywhere.html 11. VERITAS Storage Foundation の Dynamic Multipathing(DMP)オ プションがインストールされている [症状] ft 制御ソフトウェアが正常に動作せず、PCI モジュールのステータスランプが正しく点灯 しません。 [対処] Dynamic Multipathing(DMP)オプションをアンインストールしてください。 【参考】 <ft サーバインフォメーション> http://www.nec.co.jp/pfsoft/ftserver/ →旧ページ/Windows 版 →PP の注意・制限事項 →VERITAS Storage Foundation for Windows (VSFW) の対応 (WindowsServer2003 環境) - 16 -
© Copyright 2025 Paperzz