要望事項の詳細はこちらから【PDF】

平成25年度
商工業振興対策に関する要望事項
1.市街地活性化について
(1)買い物弱者支援事業に対する継続的な支援について
前橋市内でも高齢化が進み、商店の閉店や大型店の相次ぐ撤退など日常の買い物や生活に必要なサービ
スを受けるのに困難を感じる方々が増えています。今後市民の暮らしを支え、生活の質を向上させていく
ためには、地域住民や買い物弱者にも分かりやすく、利便性の高い公共交通網の整備の検討が必要だと考
えます。
買い物弱者支援事業については、平成23年度に前橋中心商店街協同組合、前橋市、前橋商工会議所の
三者で、買い物弱者を応援するために低コストで継続的な運営が可能な仕組みづくりを検討いたしました。
平成24年度は、前橋中心商店街協同組合で宅配マップの充実を図り、中心市街地への「まちバス」の運
行等社会実験を実施しましたが、継続的に実施するには採算性や既存バス運行等の関係等様々な課題が検
証されました。
つきましては、買い物弱者支援事業に対して下記の事項について要望いたします。
記
ア
マイバスやデマンドバスと路線バス等をうまく連携させた中心市街地へのアクセスの利便性向上と高
齢者や買い物弱者等が利用しやすいシステムの構築
(2)中心市街地の「空き店舗対策事業」の拡充強化について
従前より中心市街地空き店舗対策として、新規出店時の費用負担を減らし、出店意欲を高めるための補
助金として「熱血店舗開店支援事業」があります。平成23年度からは中心市街地活性化区域を駅前まで
広げるとともに、重点区域については、補助限度額を増やすなどの施策を講じていただいております。
しかし、現段階では小売業や飲食業等の業種や補助の枠が限られており、出店しても継続していけず、
再度空き店舗となってしまうなどの問題が懸念されます。魅力ある商店街の形成や、中心市街地の活性化
を図るためにも、新規出店及び出店後も継続していけるサポートができるよう下記の事項について要望い
たします。
記
ア
出店時の改装費等イニシャルコスト補助だけでなく、経営が軌道に乗るまでの間家賃や人件費、宣伝
費等ランニングコストの一定期間補助
イ
小売店・飲食店以外の業種への補助対象の拡充
ウ
出店後、経営が黒字経営となるまでの経営指導や広報活動のサポート
〔例〕広報紙への掲載、チラシの配布協力等
(3)中心市街地の回遊性向上について(重点項目1)
平成19年12月のオープン以来、中心市街地活性化の一翼を担っている前橋プラザ元気21(以下、元
気21)は年間140万人もの方が来場しており、年々減少が続く中心市街地の通行量にあって、元気21
周辺ではそれほど通行量に変化はありません。
現在、国土交通省も商店街や河川を活用したオープンカフェについては、規制緩和し全国各地で社会実
験し、にぎわいの効果も出ているようです。
1 / 12
つきましては、中心市街地に存在する歴史や文化・自然を十分活用し、イベントだけに頼ることなく、
恒常的に多くの方が中心市街地を歩いて楽しめる仕掛けづくりについてご検討くださいますよう下記の事
項について要望いたします。
記
ア
商店街や広瀬川河畔等へのオープンカフェ設置など積極的なはたらきかけ
イ
魅力的な中心市街地を形成するためのゾーニングや商店街の集約化
ウ
ICT(デジタルサイネージ等)を利活用し、来街者に分かりやすい案内表示とまちなか情報の積極
的な情報発信
エ
市有施設と駐車場の関係性を踏まえた有効策
(4)中心市街地へのバスターミナル的機能の設置について(重点項目1)
前橋市民は、休日を郊外や遠方で過ごす人が多く、中心市街地に出かける人が減ってきています。少子
高齢化がますます進む中、中心市街地に行きやすくするためには、現在運行しているマイバスや検討中の
デマンドバス等、気軽に足を運べる公共交通機関や料金システムを整備するとともに、バスターミナル的
な機能やまちなか情報を分かりやすく得られる拠点の設置などが求められます。高齢者や交通弱者、健康
や環境問題への配慮、にぎわいの創出など、より豊かな生活や魅力ある街づくりのために、下記の事項に
ついて要望いたします。
記
ア
中心市街地への誰にも分かりやすく利便性の高い公共交通機関の発着場所(バスターミナル的機能)
の設置
(5)「まちなかキャンパス」・「いきいきまちの駅」への支援について
人を街中に集める仕組みとして平成18年度よりスタートした「まちなかキャンパス」は7年目を迎え、
本年7月からは前橋市との共催事業となり、市民や企業人をはじめ、県内外からさらに多くの方に参加い
ただいております。
また、前橋市・前橋中心商店街協同組合の協力のもと、国際交流広場で運営している「健康情報発信拠
点いきいきまちの駅」においても、中心商店街での集いの場所として好評いただいております。
今後も中心市街地を核として子供からお年寄りまで集い、語らい、様々な体験を通し学習意欲や興味心
を満たしたり、悩みや不安を和らげ心の拠り所として活用されるよう、
「まちなかキャンパス」
、
「いきいき
まちの駅」の更なる質的な向上を図りたいと考えております。
そこで、市民サービスの一環としても「まちなかキャンパス」や「いきいきまちの駅」を利用できるよ
う下記の事項について要望いたします。
記
ア
前橋市中央公民館や前橋テルサ、前橋文学館など様々な施設で開催されている市民公開講座や催しの
連動性を図るため、情報の共有化や講座の開催・企画・運営が連携して行える推進組織の設置
イ
にぎわい商業課が毎月発刊している「まちなか情報」の拡充・強化
ウ
「広報まえばし」を活用した市民への定期的情報発信
エ
いきいきまちの駅事業に関し、事業収入による自主運営が見込めるまでの期間、事業に対する補助金
や支援
2 / 12
(6)「アーツ前橋」開館におけるホスピタリティの充実について(重点項目1)
平成25年秋開館予定の「アーツ前橋」は、前橋市民による芸術文化施設運営検討委員会も設置され、
前橋市初の公立美術館として公私一丸となって開館準備を進めていただいており、企画や展示物、イベン
ト等、素晴らしい文化・芸術施設になることが期待されます。
しかし、中心市街地に文化・芸術施設を開館するにあたっては、周辺の景観や環境美化が必要であり、
言い換えればそれが文化度の高い前橋としてのおもてなしの充実であると考えます。
また、ハコモノとしてそこだけで完結してしまう施設ではなく、周辺の文化・歴史施設、そして商店街
との結びつきである「線」の充実も必要であることから、下記の事項について要望いたします。
記
ア
「アーツ前橋」の夜8時までの営業及び中心商店街と併せた休館日(水曜日)の設定
イ
文化・芸術施設の設置に相応しい周辺景観の整備と美化及び高齢者や子供、女性1人でも気軽に施設
周辺を歩けるような環境整備
ウ
大型バス駐車場の設置並びに誘導方法の確立
エ
文化芸術施設に相応しい誘導案内板の設置
オ
周辺の文化・歴史施設、商店街との間を結ぶ周遊を高める「線」の充実
3 / 12
2.地域活性化について
(1)西部環状線の早期整備について
国道17号高崎前橋バイパスは昭和41年の開通以来、前橋市と高崎市を結ぶ大動脈として重要な役割
を果たし、また産業道路や南部環状線といった国道17号を補完する道路整備も進むことで地域経済の発
展に大きく寄与してまいりました。
そのような状況下、国道17号に東側から西部環状線が交差する元総社町南交差点付近は県内の幹線道
路の中でも最も交通量が多く、朝夕のラッシュ時に渋滞が頻発する場所となっております。その要因とし
て、国道17号に西側から交差する道路(市道)は狭隘区間となっていることが挙げられ、幅員に対して
交通量が多く渋滞の発生や安全面で問題となっております。
この区域については、すでに昭和36年に都市計画決定されており、昨年度より事業化が図られ区画整
理にあたっての予備調査が行われているところであります。また狭隘区間にある現道についても昭和32
年都市計画決定され、区画整理に伴って都市計画道路、西部環状線として拡幅する予定となっております。
つきましては、元総社町南交差点に交差する市道区域に関する下記の事項について要望いたします。
記
ア
西部環状線の整備に向け、土地区画整理事業と都市計画道路の一体的な整備の早期実現
(2)国道50号本町二丁目五差路の早期改良整備について(重点項目2)
国道50号本町二丁目五差路は、桐生方面からの車両が右折できず上毛電鉄中央前橋駅や赤城方面への
通行に不便をきたしているほか、群馬大橋方面や前橋駅方面からの車両も右折できないなど分かりづらく、
スムーズな通行が困難な交差点となっており、ここで発生する渋滞が国道17号まで影響を及ぼしており
ます。
また、前橋駅北口から中心市街地への動線であるけやき並木もこの五差路が歩行者にとって不便をきた
しており、高齢化社会に対応したバリアフリーのまちづくりという見地からも早急な対応が求められてお
ります。
こうした状況の中で前橋市においても、本年度渋滞や交通規制、歩道橋の利便性などの諸課題を抜本的
に解消するため、まちづくりの総合的な視点で調査を実施すると伺っております。当所としても長年、協
議をしてきた本懸案事項が改善に向けて推進されることについて、非常に期待を寄せているところであり
ます。
つきましては、将来のまちづくりを視野に入れ、国・県と協議し、市道・国道50号・県道前橋赤城線
が交差する変則五差路が早期に改良整備できますよう要望いたします。
(3)駒寄スマート IC 周辺道路整備の早期実現について
関越自動車道駒寄スマートインターチェンジ(以下、駒寄スマート IC)は、パーキングエリア接続型の
スマート IC として平成18年10月の本格運用から約6年が経過したところであります。駒寄スマート IC
の周辺地域は、近隣に大きな観光地を控えていることに加えて、幹線道路の整備が逐次進んでいることか
ら前橋市にとっても広域アクセス拠点として更なる地域振興が期待されております。
このような中、
駒寄スマート IC へのアクセス道路として一般県道南新井前橋線バイパスの第1期工区(大
松交差点~駒寄スマート IC 間)の整備工事が進められ平成24年度供用となり、車長12メートルの大型
車でも利用できるように着々と整備が進められていることはたいへん喜ばしいことであります。
しかし、駒寄スマート IC から主要地方道高崎渋川線を結ぶ第2期工区は前橋市が主な整備区域となって
おりますが、事業開始の目処が立っておらず第1期工区整備の実効性が上がらない状況であります。今後、
上武道路の開通が見込まれるなか、連絡性向上等によって大型観光バスやトラックなどの業務車両の利用
増が予想され、県内の観光振興や産業振興に多大な効果をもたらすことが期待されております。
つきましては、駒寄スマート IC 周辺整備が早期完成できますよう下記の事項について要望いたします。
4 / 12
記
ア
駒寄スマート IC から主要地方道高崎渋川線までの第2期工区についての早期完成並びに周辺整備
(4)上武道路の早期全線開通並びに「道の駅」の設置について(重点項目3)
国道17号の大規模バイパスである上武道路は、平成24年中に県道赤城線まで開通され、市内の渋滞
緩和や観光を含めた経済全体の活性化が期待されておりますが、一方で単なる通過道路となってしまい地
元の経済効果がうすれてしまうことも懸念されます。また、現状の上武道路では、一般車や大型観光バス
やトラック等のドライバーが安全に駐停車し、休憩できるスペースが十分ではありません。
そこで、上武道路沿いの赤城南面に大型車も利用できる休憩スペースを確保していただくと共に、地産
地消の食が味わえたり、前橋市が奨励する「赤城の恵ブランド」の特産品が購入でき、市民や来訪者が憩
い楽しめる前橋市のイメージアップにつながる複合的な施設「道の駅」が必要だと考えております。
つきましては、上武道路に関わる整備が促進されるよう、下記の事項について要望いたします。
記
ア
上武道路の早期全線開通
イ
上武道路沿い(赤城南面)への「道の駅」設置
(5)JR 両毛線の複線化について(重点項目4)
JR 両毛線は首都圏からの来橋者や日常の通勤・通学者また交通弱者に対する利便性のためには欠かすこ
とのできない路線です。また、先般の大震災のような災害が首都圏直下で発生した場合に、首都圏の外縁
部を循環する大変貴重な役割を担っています。さらに北関東自動車道にあわせ、北関東3県を結ぶ鉄道網
として水戸線までも視野に入れることにより、前橋駅がさらに活性化され、街の魅力度もアップし、定住
人口の増加、環境負荷の軽減、高齢者の移動等が図られることが期待されます。
そのためには、まず首都圏との大動脈である高崎線との接続を円滑にする必要があります。また、これ
まで要望してまいりました湘南新宿ラインの前橋駅始発便の増便や東北縦貫線の乗り入れ、パターンダイ
ヤ化等をより確実に実現させるためにも、単線である新前橋駅~前橋駅間を複線化することがボトルネッ
クを解消する最善策であると考えますので、下記の事項について要望いたします。
記
ア
「JR 両毛線駅活性化研究会」における活発な協議活動ができる環境整備と実現に向けた積極的な取り
組み
イ
新前橋~前橋駅間の複線化実現に向けた検討組織の設置並びに JR 他関係機関への積極的な働きかけ
(6)北関東自動車道全線開通における企業誘致、救援物資ロジスティクス・ネットワーク等の拠点整備につ
いて
北関東自動車道が全線開通して北関東3県間が直結されたことにより、移動時間が大幅に短縮されまし
た。また、関越自動車道、上信越自動車道、東北自動車道、常磐自動車道と連結されたことで、物流効率
の高まりや観光・医療・文化などの様々な分野での交流が密になり地域経済発展への期待も高まり、沿線
各地では商業・工業・物流・観光等の誘致合戦が繰り広げられております。
5 / 12
こうした中、東日本大震災という未曽有の大災害に直面し、高速道路が持つ災害時の緊急輸送路として
の重要性も増しており、首都圏が有事の際に必要不可欠な救援物資等のロジスティクス・ネットワークの
構築について研究をすすめていくべきであります。
つきましては、北関東自動車道が全線開通し県央地域を交点とした地域連携の強化が叫ばれている今、
県央地域における都市戦略を考慮し、下記の事項について要望いたします。
記
ア
群馬県と連携した物流基地等の企業誘致の積極的な働きかけ
イ
救援物資ロジスティクス・ネットワーク等の拠点整備の調査・研究
(7)赤城山周辺地域の放射能物質汚染問題及び風評被害に対する積極的な対応について
本市を代表する観光資源の1つである赤城山は、山頂の大沼を初め覚満淵など四季折々の風景と行楽が
あり“パワースポット”としても広く認知されております。
特に、9月から解禁されるワカサギ釣りは、関東近郊にファンも多く、シーズン中には多数の行楽客が
訪れており、経済面でも多大な効果があります。しかしながら、大沼は昨年3月の福島第一原子力発電所
事故による放射能物質の汚染問題で、完全な解禁には至っておらず、他方面に渡っても大きな打撃であり
早期の解決が望まれております。
さらには、赤城山麓は豊富な農産物の生産地であり、風評被害の影響は依然として終息していないのが
現状であり、本市観光・飲食業、農畜産業はもとより製造業に至るまで広範に及び、産業界への影響は多
大なものがあります。このような風評被害も早期解決を図って、安心安全快適な街づくりを推進していく
ためには、様々なメディアを活用して正しい情報を発信していく必要があると思われます。
市当局におかれましては、様々な機会をとらえて放射能物質の汚染問題解決及び風評被害防止に努めら
れていることと存じますが、問題解決には長期化が予想されることから、専門家の知識を組入れるなど、
下記の事項について要望いたします。
記
ア
放射能物質汚染問題の早期解決に向けた、専門家を交えたプロジェクトチームの設置
イ
風評被害防止のため、あらゆるメディアを活用した適切で積極的な情報発信
6 / 12
3.中小企業振興策について
(1)中小製造業への支援強化について(重点項目5)
国内経済の停滞とともに超円高状況が続いているため、大手企業は製造拠点を海外へ移転する動きを加
速しており、また、国内取引先へコスト削減を求める動きが強化されております。要求に応じられなけれ
ば海外調達にシフトされ受注が急減する状況となっております。この状況が続けば国内製造業の空洞化が
進み、雇用も維持することが困難となることが懸念されます。これまで日本のものづくりを支えてきた我々
中小企業は、仕事がなければ技術を残すことも、人を育てることもできません。
そこで、市内大手企業の移転や中小企業の事業廃止を防ぐために、他都市に先駆けて現状に即した新規
中小企業優遇支援策を策定するとともに、優良企業の誘致を実行することが求められております。行政や
商工会議所が仲介役となり地元企業との接点を持ち、
「仕事づくり」、
「仕事まわし」をしていただくことが
重要であると考えます。
つきましては、下記の事項について要望いたします。
記
ア
中小企業とそこに関わる人々が誇りを持って生きる「ふるさと前橋」を築けるような、中小企業振興
の理念の骨子たる指針の作成
イ
時代に即した具体的な支援策や補助金・資金調達制度を実施いただくための地域中小製造業との情報
交換の場づくり(現況調査・施策への反映)
ウ
一社でも多くの企業が存続できるよう行政が主体となった産学官+「金」(金融機関)への取り組み強
化
エ
既存工場の移転・改修に対する優遇措置制度の新設
オ
進出企業の負担となる造成に関わる文化財調査費等について軽減措置
(2)建設業界の健全育成支援について
市内建設業者は地域経済や雇用を支えるとともに、インフラの維持管理や災害発生時の復旧作業、除雪、
鳥インフルエンザ等家畜伝染病への対応など、地域社会の安心・安全を維持するために大変大きな役割を
担っております。
しかしながら、建設投資の大幅な減少により建設業界はかつてない厳しい状況に直面し、若年層の入職
者は減少の一途をたどるなど、このままでは建設業界の疲弊による地域経済や雇用へ及ぼす悪影響、災害
対応機能の低下は、計り知れないものがあります。
つきましては、地元建設業界の健全発展のために下記の事項について要望いたします。
記
ア
社会資本の整備更新等は災害防止の観点からも重要性を増すことから、公共工事の発注量についての
引き続いての確保
イ
資材や人件費の高騰、建設関連従業者の不足などが懸念されるため、年間を通した発注の平準化や適
正工期の確保について更なる配慮
ウ
建設業に携わる若年層の労働者が減少し、技能・技術の承継が課題となることから、技能労働者育成
助成金制度等の充実、周知徹底並びに業界イメージ向上対策への支援
エ
建設産業の技術革新を図るための技術開発支援制度の更なる充実
(3)公共的建築物への県産材の積極的活用について
7 / 12
現在、わが国では10年後までに木材自給率を 50%以上にすることを目指し、国産材の利用拡大に取り
組んでおりますが、森林資源の蓄積が増加しているにもかかわらず、依然として国産材は充分な消費がさ
れておりません。
戦後、造林された人工林が資源として利用可能な時期を迎える一方で、木材価格の下落等により伐採や
手入れが十分行われず、わが国の森林はかつてないほどの悪循環に陥っています。
この悪循環から脱却し、森林の再生をはかるためには、木材の消費が必要不可欠であります。
つきましては前橋市におかれましても木の地産地消、顔の見える県産材の公共的建築物への積極的活用、
特に低層建築物においての木造率を高めていただき、木材利用の推進とともに、施工に際しては市内事業
所へ発注いただきたく、下記の事項について要望いたします。
記
ア
教育施設(学校校舎、体育館、公民館等)の新築及び増改築工事における積極的な県産材導入の継続
イ
市営住宅の新築及び改修工事における積極的な県産材の導入
(4)小口資金融資制度における信用保証料補助の拡充について(重点項目6)
個人事業主を始め中小企業者にとって、経営の安定と発展に大きな役割を果たすとともに、最も身近な
制度融資として高い利用率で定着している小口資金融資制度は、現在群馬県と前橋市よりあわせて 0.8%の
信用保証料の補助が行われております。
しかしながら、長引く円高やデフレ経済が続くなか、厳しい経営を余儀なくされている中小企業者にと
って、信用保証料は大きな負担となっております。
つきましては、中小企業者の負担軽減を図るため、信用保証料の補助率を現在の 0.4%からさらに引き上
げられますよう要望いたします。
(5)前橋市中小企業設備資金の信用保証料補助について(重点項目6)
前橋市中小企業設備資金は、前橋市と金融機関との協調融資により、生産設備の近代化や合理化を図る
ことを目的に、機械器具装置等の購入資金として長期、低利で融資されております。
これからの厳しい競争環境のなかで、中小企業の存続、発展を図るためには設備の近代化や合理化を進
め、コスト競争力をさらに高めることが不可欠であります。
つきましては、中小企業者の負担となっております信用保証料の全額を補助していただき、融資利率が
0.4%低い 1.6%で、前橋市中小企業設備資金の融資が受けられるよう要望いたします。
(6)小口資金及び経営振興資金における借換融資条件を緩和された保証制度の実施期間の延長について
厳しい経済環境下にある中小企業にとって、これからの資金繰りの安定と円滑化を図るためには、複数
の保証付き借入債務の一本化等を促すことにより、月々の返済額を軽減することのできる小口資金及び経
営振興資金における、借換融資条件を緩和された保証制度の存続が不可欠であります。
つきましては、平成25年3月31日までとなっております、小口資金及び経営振興資金における借換
融資条件を緩和された保証制度の実施期間の更なる延長を要望いたします。
(7)地元中小企業のニーズに即した人材育成並びに支援制度新設・拡充について
8 / 12
市内の教育機関から輩出される人材の多くは、進学や就職のために地元に残らず市外へ流出する傾向に
あります。国内外の情勢が急激に変化する昨今、労働力不足の問題は、将来の日本にとって深刻な問題と
なっており、地元中小製造業の生産性や技術力の低下、さらに優良企業の誘致にも支障をきたすと考えら
れます。
このような状況を打破するために、下記の事項について要望いたします。
記
ア
地元中小製造業がどのような人材を望んでいるのか、アンケート調査や積極的な意見交換による現状
把握
イ
現状の施設や講師陣での企業ニーズにあった人材育成の実施
ウ
地元の産業を支えている、輸送機器、食料品、金属製品製造業等の中小企業の即戦力となる学生を輩
出する、少人数制・実務指導型教育機関の実現
エ
地元教育機関(高校や専門学校など)と市内中小企業の接点の創設
オ
前橋市内の中小企業が市内に工場等を新設し、新たに市内居住者を採用する場合の雇用促進奨励金制
度の新設
カ
障害者の雇用促進を図り、中小企業の負担にならないように雇用奨励金 10 万円(対象労働者1人につ
き)が支給されているが、障害者の方が働きやすい環境整備を進める上で必要な事務所や工場内の改
修費用等の継続的な支援
(8)物品購入や契約等について
現在、市内企業を取り巻く経営環境は、厳しさを増すばかりで先行きの不安を拭うことはできません。
そうした状況の中、事業所は年々減少しております。市内事業所数の減少は、法人税等の減少ばかりでな
く雇用の減少もまねき、市全体に及ぼす影響は多大であります。
つきましては、地域企業の事業継続のためにも、前橋市や関係団体等における物品の購入や契約等につ
いて、市内企業への優先的発注の徹底をいただきたく要望いたします。
9 / 12
4.国際化への対応について
(1)国際見本市各種展示会等出展補助金の制度拡充について
現在前橋市においては、中小企業が自社製品や技術を海外市場へ積極的にプロモーションすることによ
り受注機会の拡大を図り、販路開拓を支援するため、国際見本市各種展示会等出展費補助金により出展に
係る小間料などの経費の一部が補助されております。
今後国内市場の縮小や経済のグローバル化の進展に伴い、中小企業においても成長著しい新興国など海
外市場へ販路を開拓する必要性がますます高まってくるものと予想されます。
また国際見本市等への出展を支援することは、海外市場における販路開拓や取引促進を図るとともに、
マーケティング力や販売力を強化することにより市内中小企業の経営基盤の強化や活性化にもつながるも
のと考えられます。
つきましては、国際見本市等への出展を希望するより多くの市内中小企業が、少ない負担で利用できる
よう下記の事項について要望いたします。
記
ア
国際見本市各種展示会等出展費補助金の制度拡充
(2)海外の認証取得費用に対する補助制度の創設等について
製品を輸出する際には、輸入国が要求する安全規格を満たすため製品試験及び認定工場となるべく審査
を受けて認証を取得しなければなりません。また、輸入各国においては安全規格が異なるため、輸入国ご
とに認証を取得しなくてはならないというのが実情であります。
今後国内市場が縮小するなかで、新たな販路を求めて海外に展開しようとする市内中小企業にとって、
手続の煩雑さはもとより費用負担が輸入国の認証を取得する際のボトルネックとなっております。
つきましては、厳しい経営環境が続くなか、海外市場への販路開拓を進めようとする中小企業の負担を
軽減するため、下記の事項について要望いたします。
記
ア
海外の認証取得に係る費用についての補助制度の創設
イ
中小企業研究開発資金による低利の長期融資
(3)多文化共生のできるまちづくりについて
現在の社会情勢は、グローバル社会の中で否応なしに外国の方々と共生していく必要性があります。
前橋市においても外国人住民が増加し、異なる文化や習慣を持つ人々と日常的に交流する機会が拡大し
ています。多様な文化を持つ住民がお互いに理解し、それぞれの良さや特長を活かして地域に根ざした文
化を育んでいく多文化共生のまちづくりを進めるとともに、こうしたグローバル化の波を前橋市民や商工
業者にとって飛躍のチャンスと成し得るよう下記の事項について要望いたします。
記
ア
中心市街地や主要施設等の各種案内・標識に加え、日常生活に必要な施設の案内表示板全てへの英語
またはローマ字表記並びに観光パンフレット等の外国語表記の充実強化
イ
前橋市と前橋市国際交流協会の連携強化による、国際人としての前橋市民力の強化と、在住外国人が
安心して市民生活が出来るような諸事業の強化
10 / 12
5.環境対策について
(1)高齢化社会・低環境負荷社会に向けた低公害車の普及促進について
群馬県は一人当たりの自家用車保有率が高く、自動車による二酸化炭素の排出量削減は地球温暖化を防
ぐ上での課題となっています。このため、前橋市では地球温暖化対策の一つとして走行時に二酸化炭素を
排出しない電気自動車(EV 車)の公用車導入や貸し出しの実施、購入者への助成、さらには普及する上で
の課題であるインフラ整備として充電器を設置し一般開放するなど様々な取り組みを進めていただいてお
ります。
全国的に環境への関心の高まり、公共交通の衰退、高齢化に伴う買物や外出の減少などが顕在化する中
で、より一層二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)・粒子状物資(PM)などの排出抑制を図り、低環境
負荷の自動車社会を構築することが求められます。このような中で、国も新たな社会生活の構築を目指し、
高齢者にも安心して利用できる「超小型モビリティ」の導入について検討を進めております。
つきましては、こうした国の動きに対する前橋市としての対応を検討いただき、電気自動車及び改造E
V車を始めとした低公害車の普及に向けた種々の取り組みを積極的に推進し、更なる環境に配慮した都市
づくりを推進していただくため下記の事項について要望いたします。
記
ア
前橋市公用車として電気自動車並びに改造EV車・低公害車などの率先した導入
イ
低公害車購入者に対する補助制度の拡大並びに法人購入に対する補助制度の新設
ウ
EV 車貸出制度の拡大
(2)エネルギーの安定供給並びに情報発信について(重点項目7)
東日本大震災の発生に伴う福島第一原子力発電所の事故の影響により、電力の供給不安、電気料金のコ
スト上昇により、国内産業の停滞や製造業の海外移転が懸念されます。とりわけ、電気料金の値上げは昨
今の厳しい価格競争の中では価格に上乗せできず、特に製造業では利益幅が減らされ、経営を圧迫するこ
とにつながります。
一方、安心・安全な市民生活のためには安定かつ適正価格による電力供給と地域に合った災害対策が必
要であることから、下記の事項について要望いたします。
記
ア
太陽光発電をはじめ、水力・風力・地熱などクリーンエネルギー導入に対する補助や助成金など制度
の拡充
イ
クリーンエネルギー関連産業の育成や技術開発支援の拡充並びに、既存エネルギーと効率よく組み合
わせたベストミックスによる安定したエネルギー供給による低炭素社会の構築推進
ウ
前橋市地域防災計画の具体的促進策として、緊急時の対応や避難場所として想定される学校、公民館
など公共施設に対する、災害時にも対応可能なエネルギーの貯蔵システム(例:バルクシステム、蓄
電池等)の設置補助や助成
エ
本年7月より開始した「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」をはじめ、各制度や補助金、また
それに伴う企業や市民が受けるメリット・デメリットなどについての情報発信の強化
(3)循環型社会の実現に向けた啓蒙活動の強化について
前橋市で 1 年間に排出されるゴミ・資源の量は平成23年度では 134,056 トンと年々減少にありますが、
全国や群馬県平均と比較すると依然として排出量は多く、リサイクル率も低い水準にあり、企業のみなら
11 / 12
ず市民も含めた全市的な対応が求められます。
平成16年の「前橋市環境都市宣言」の基本理念を守り、ごみの排出を減らし、資源を有効利用する循
環型社会を構築するため、下記の事項について要望いたします。
記
ア
廃棄物の回収や処理に関する情報、前橋市の状況や取り組みなど、資源に対する市民や企業の意識の
高揚を図るための積極的かつわかりやすい啓蒙活動の強化
12 / 12