連合東京・2016春季生活闘争方針

連合東京・2016春季生活闘争方針
2015 年 1 月 13 日 執行委員会
1.情勢について
(1)経済状況
日本経済は 2014 年 4 月消費税引き上げ後の需要回復が本格的なものとなっていない。
内閣府の
月例経済報告では毎月報告で上下修正が繰り返され、穏やかな回復基調が続いているとしている
がその実態感は薄い中、回復期待感は強調されている。
先行きについては、アメリカの金融政策の正常化が進み中、
「中国をはじめとするアジア新興国
等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある」
(10.11.12 月報告)としてお
り、円安にもかかわらず輸出量指数が伸び悩やむ状況となっている。
企業業績が全体として増収・増益動向にあるものの企業収益の改善が賃上げや設備投資に向か
うことにはなっていない。中小企業の利益は上がらない中、大手上場企業は順調に利益を伸ばし
史上最高利益を更新し、内部留保は 350 兆円(法人企業統計)を越え、企業保有現預金額も 180
兆円となり、マクロの労働者への配分率の低下を引き起こしている。
物価はここのところ横ばいとなっており、2015 年 12 月では総合指数では前年同水準。2015 年
の日銀予測のでは 0.1%(生鮮食品を除く総合)
、民間予測数値平均 0.13%となっている。
(2)雇用情勢と賃金の動向
雇用環境は改善している。11 月の有効求人倍率は 1.25 倍、完全失業率は 3.3%と 25 年、30 年
ぶりの状況で、完全雇用状態ともいわれる状況にまで至っている。正社員の有効求人倍率はいま
だ 1 倍を切る 0.79 倍状況となっているが、2014 年 7 月以降の求人数の増加率は、非正規を上回
る状況となっている。しかしながら、いわゆる「不本意非正規」は、313 万人(労働力調査)もお
り、非正規から正社員への転換が未だ大きな課題となっている。
賃金の動向は、厚労省「毎月勤労統計調査」では、2013 年-1.3%、2014 年-3.3%の実質賃金マイ
ナスからようやく本年 6 月以降は僅かなプラス傾向であったが、
11 月には▲0.4%とマイナスに転じた。
(3)東京都内の情勢の特徴 (連合東京分析)
①都商工部調査(2015 年 12 月発表」
)によれば、11 月の都内中小企業の景況感(業況が「良
い」とした企業―「悪い」とした企業割合)は当月▲30(前月▲25)という状況で大規模、
小規模ともに前月の改善傾向から悪化する月別変化の状況となっている。
②東京における雇用情勢は、11 月分有効求人倍率は、1.85 倍となっており、昨年同月の 1.61
倍を大きく上回り、有効求人数は 67 ケ月連続で前年同月を上回る状況となっている。また、
東京都内では、正社員の求人数も 1.17 倍となり人手不足感が様々な産業と進行している。
2.連合・2016 春季生活闘争の考え方 (本部方針から)
(1)「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」をめざす
2016 春季生活闘争は、
「総合生活改善闘争」の位置づけのもと、国民生活の維持・向上をはかる
ため、労働組合が社会・経済の構造的な問題解決をはかる「けん引役」を果たす闘争である。20 年
近く続くデフレからの脱却には時間を要するが、日本経済の「デフレからの脱却」と「経済の好循
環実現」のためには全ての働く者の賃金の「底上げ・底支え」と「格差是正」の実現が不可欠であ
る。そのために、月例賃金の改善にこだわる取り組みを継続するとともに、あらゆる手段を用いて
それぞれの産業全体の「底上げ・底支え」
「格差是正」に寄与する取り組みを展開する。
春季生活闘争が持つ日本全体の賃金決定メカニズムを活かしつつ、とりわけ中小企業で働く仲間
や、非正規労働者の処遇改善に向け、より主体的な闘争を進め、大手追従・大手準拠などの構造を
転換する運動に挑戦する。
1
—1—
(2)「世界一働きやすい国」をつくろう
政府は「日本を世界で一番企業が活躍しやすい国にする」などサプライサイドに偏った成長戦略
を掲げ、労働者保護ルールの改悪をはじめとした規制緩和を強引に推し進めようとしている。こう
した「人を犠牲にした経済成長」は、一部の企業の短期的な利益をもたらしても、持続可能で自律
的な経済・社会の発展にはつながらない。われわれはデフレと低成長の「失われた 20 年」の間に
「合成の誤謬」に陥った経緯を忘れてはならない。これら政府や経済界の一部の動きに対して厳し
く対峙する必要がある。
連合は、社会・経済の活力の原動力であり、付加価値創造の源泉である「働くこと」の価値を高
め、働く者が安心して働き続けられる環境整備こそが政府の成長戦略の核心であることを訴えてい
く。また、短期的な利益追求に偏った企業運営から、生産性三原則の考え方や企業倫理を重んじる
企業運営への転換を求めていく。
(3)日本が抱える構造問題への対応
わが国は、急激な超少子高齢化・人口減少という人口動態の変化に直面している。経済成長の担
い手である労働力人口の減少は、潜在成長率を下振れさせ、経済規模の縮小をもたらす。また、社
会保障制度の持続可能性にも大きな影響を及ぼすなど、社会のあらゆる面に大きな影響を与える。
このような社会の構造変化のもとで、持続可能な経済・社会を維持していくためには、多様な人材
の活躍とそれを包摂する社会の構築が不可欠である。限られた「人財」の活用について、社会全体
の問題として検討を加えるとともに、人材の確保・育成のための「人への投資」を求めていく。労
働力不足において生産性の向上と、
「ディーセント・ワーク」の両立をめざし、労使での議論とと
もに、あらゆる場を活用した社会対話など社会的運動を展開する。
(4)働く者・国民生活の底上げをはかるために果敢に闘おう!
労働者を労働力ではなく人として尊重する社会の実現のためには、労働組合自らが仲間を増やし
すべての職場や地域で集団的労使関係を拡大していくことが重要であり、組織拡大に全力で取り組
む。連合・構成組織・地方連合会・単組がこれらの観点について意思統一し、社会の不条理や格差
の拡大を許さず、働く者・国民の生活の底上げをはかるために「すべての働く者の処遇を改善! 『底
上げ・底支え』
『格差是正』で経済の好循環実現!」をスローガンに掲げ、
「働くことを軸とする安
心社会」の実現に向けて果敢に闘おう。
3.地方連合、連合東京としての春季生活闘争の闘いの基本姿勢
春季生活闘争を通じた「クラシノソコアゲ・応援団! 2016RENGO行動」の展開
(1)連合方針、春季生活闘争を通じての取り組みの徹底を通した組織強化
-中小労組の大手準拠・追従型から絶対水準重視・改善の自主的運動転換への運動支援・賃上げ方針の考え方の学習、方針徹底、セミナー開催や情報発信、決起集会など
・各構成組織は産業全体の労働者の処遇改善のソコアゲという意識、行動方針の理解促進
(2)春季生活闘争における賃上げ、時短の必要性アピール・労働条件改善への環境づくりと組
織内、社会的波及を高める取り組み
・月例賃金改善や総合的労働条件改善の必要性の社会的アピールと経済団体、その他要請
・街頭行動を含む積極的で徹底した社会に向けたアピール力を強化する中で行動展開
・社会対話でより開かれた春季生活闘争をめざす中、経済団体、業界団体など様々な組織
との連携や「地域フォーラム」企画・実施を検討
・集中回答賃上げ結果を中小労組と更には未組織企業への社会的波及力を高める
・賃金回答前の集中的な街頭宣伝やヤマ場以降も中小企業の賃金改善アピールを継続
2
—2—
(3)徹底した「底上げ・底支え」
「格差是正」
「より自主的」への視点に立った取組み
・すべての非正規労働者の処遇改善に、構成組織はその交渉を行い、連合東京はそうした環
境づくりの他、今年度重点として派遣、介護、保育関係労働者の対策の実施(集会での重点
化、国、東京都への処遇改善施策拡充を求める集会や団体署名を展開)
・中小労組向けの学習会、中小労組独自の決起集会開催で企業規模間格差の是正を強くアピ
ールしての取り組み
・公正取引の実現に向け、優越的地位の濫用防止、適正な価格転嫁を求める行動展開
(4)中小地域共闘
・連合東京での情報交換と共闘体制、地協を中心とする地域共闘づくり(地域決起集会、産業
間情報交換)
・回答情報・集計、広報、中小労組や非正規労働者の決起集会開催、賃金セミナー開催
(5)
「連合東京労働基準」への総合的労働条件の具体的提起
・雇用をリードする東京での労働基準・東京プレミアムの指標への要求づくり
・地域ミニマム、連合リビングウエッジ、最低賃金、公契約条例の取り組み
(6)首都東京における連合政策制度要求・実現
・
「労働者保護ルール改悪阻止」行動の展開、工夫ある情報発信
・連合政策制度実現に向けた取り組み
(7)(1)~(6)を通じた中で、連合としての組織拡大、地域政策実現に向けて、また、参議院選
挙の取り組みと繋げてゆく。
4.賃金・一時金の具体的取り組み
(1)賃金要求指標
―月例賃金を改善することー
連合全体方針
賃上げ要求水準は、それぞれの産業全体の「底上げ・底支え」
「格差是正」に寄与する取り
組みを強化する観点から 2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含
め 4%程度とする。
① すべての組合は月例賃金にこだわり、賃金の引き上げをめざす。要求の組み立ては、定
期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を確保したうえで、
「底上げ・底支え」
「格差是正」
にこだわる内容とする。
② その際には、賃金水準の上げ幅のみならず、めざすべき賃金水準への到達など「賃金水
準の絶対値」にこだわる取り組みを進める必要がある。構成組織はそれぞれの産業ごとに設
定する個別銘柄の最低到達水準・到達目標水準を明示し、社会的な共有に努める。
単組は組合員の個別賃金実態を把握し、賃金水準や賃金カーブを精査しゆがみや格差の有
無を確認したうえで、これを改善する取り組みを行う。
③ 賃金制度が未整備の組合は、構成組織の指導のもと、制度の確立・整備に向けた取り組
みを強化する。
連合東京、中小共闘要求方針
(A)賃上げ総額で平均 10,500円以上
(全国方針)
(B)連合東京設定目安 平均12,000円程度
(C)連合東京労働基準 <35歳東京モデル> 320,000円*を目標とした検討
今春季生活闘争の重要な柱である「底上げ」「格差是正」をはかるため、中小労組では、大手準拠、
大手追従から当該単組が自主的意識を以て、賃金調査、格差の認識から賃金絶対額の格差是正を中心と
して交渉し、中期的な賃金改善計画・展望を以て交渉に臨むことが必要である。
3
—3—
(A)具体的な賃上げ目標は、従前と同様、中小組合の平均賃金を基準とした引き上げ額をベースとした上で、
「格差是正」「底上げ・底支え」をはかる観点で、連合加盟組合平均賃金との格差の拡大を解消する水準
を 設定する。連合加盟組合全体平均賃金水準の2%相当額の6,000円と全国中小労組賃金カーブ維持分
4,500円を含め総額で10,500円以上を目安に賃金引き上げを求める。
(B)連合東京中小労組賃金調査などで明かになっている都内所在中小労組(300名以下)の賃金カーブ維持分平
均額は、今年度5,148円(2014年:5,846円、2013年:5,824円、2012年:6,123円、2011年:6,367円)と調査年
毎の集計組合による変動があるが、5,500円程度となっている。また、連合の賃金カーブ維持2%+賃金改善
2%程度という指標からも東京は12,000円程度を目安として併記する。
(C)5年程度の中期的な期間で中小労組がめざすモデル金額として連合東京が2012年の東京労働基準の労働条
件基準で指標化したもので、賃金構造基本統計調査、中労委調査、連合主要組合高卒・事務技術系モデル
賃金などを参考に設定、単組が単年度の具体的要求の参考値として活用できるものとして確認している。)
*参考
連合全体の月例賃金 2014 年 生産・事務技術労働者、所定内賃金(全国)
30歳 主要組合平均 269,662 円
35歳 主要組合平均 310,401 円
③ 時給で働く労働者の場合
ア・「誰もが時給1,000円」の取り組みの展開
イ・連合リビングウエッジ* を参照に時間給として東京では1,090円以上の額をめざす。
(参考:H25 年、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」での企業規模 10 人以上の短時間労働者の1時間
あたりの所定内給与平均額・男女計 東京都 産業計 1,212 円)
ウ・ア、イの額を超える場合、時給の引き上げは、中小共闘の賃金引き上げ目安の時間換算
1時間37円引き上げ目安として要求する
(2)最低賃金に関する取り組み
① 指標A.
「連合リビングウエッジ・東京」
(連合が示す必要生計費)
<単身世帯>
177,000円
<2人世帯(父子)> 241,580円
東京のリビングウエッジ月例は、単身世帯 177,000 円(所定内 165 時間)
*(2013 年)連合はさいたま市で食費、住居費、光熱費、家具・家事用品、保険、医療費、教育・娯楽費など年
間必要生計費を計算、これを基に今年の修正地域物価指数を掛け合わせて各都道府県の生計費を計算。単身者の
埼玉県の生計費は、153,000 円となり、単身者の東京での最低生計費の時間額は、1,090 円、月額は 177,000 円
となる。 *参考:H27 年度、人事院・都内標準生計費 1 人 142,210 円、2 人 197,030 円、4 人 270,320 円
② 指標B.東京労働基準・
「連合東京、地域ミニマム賃金」
(これ以下では働かせない)
都内所在の従業員規模 300 名未満の中小労組賃金実態調査から、各ポイント年齢・賃金水準を参
考に年齢別最低水準の第一十分位を参考に、労働組合の運動でこれ以下では働かせない賃金として
2016 年設定の「連合東京ミニマム賃金」
。
18 歳 160,000 円、35 歳 222,000 円以下の賃金をなくす目標
(参考値)連合東京 2015 地域ミニマム賃金調査(全産業 300 名以下規模 男女)単位:円
第1十分位 第1四分位
中 位
第3四分位
第9十分位
平 均
20 歳
180,700
164,400
166,500
177,100
193,100
204,100
30 歳
236,300
196,700
211,600
232,500
261,200
288,300
35 歳
256,800
212,300
231,200
254,300
276,000
308,400
*2015 年 12 月に集計した中小労組、ミニマム賃金調査に協力頂いた 13 構成組織、101 組合 12,278 人
分の個人賃金調査結果より 300 名以下企業分を集計
4
—4—
<業種別都内中小労組(300 名以下)の賃金実態>
(サービス・一般 )
1 年 1 歳間差 6,067 円
第1十分位 第1四分位
中 位
第3四分位
第9十分位
平 均
20 歳
181,500
166,100
172,600
172,600
174,000
202,000
30 歳
236,000
193,800
198,600
222,600
277,900
307,300
35 歳
252,700
215,800
240,000
249,800
268,900
306,900
(商業・サービス業 )
1 年 1 歳間差 5,292 円
第1十分位
第1四分位
中
位
第3四分位
第9十分位
平 均
20 歳
192,400
168,100
185,100
192,900
203,500
205,200
30 歳
242,600
196,600
212,400
233,000
270,100
300,800
35 歳
262,000
219,000
239,800
259,000
282,500
312,400
(情報・出版業 )
1 年 1 歳間差 5,671 円
第1十分位 第1四分位
中 位
第3四分位
第9十分位
平 均
20 歳
170,300
165,100
165,300
165,500
172,900
177,300
30 歳
226,200
207,100
216,600
228,800
235,100
247,100
35 歳
252,300
221,100
233,000
264,300
287,300
326,700
(食 品 )
1 年 1 歳間差 4,227 円
第1十分位 第1四分位
中 位
第3四分位
第9十分位
平 均
20 歳
166,300
164,300
164,900
165,300
167,600
168,300
30 歳
219,000
177,700
202,100
205,000
247,500
270,400
35 歳
244,800
205,600
214,600
232,500
268,500
305,700
(製造業 )
1 年 1 歳間差 5,052 円
第1十分位 第1四分位
中 位
第3四分位
第9十分位
平 均
20 歳
169,800
164,300
165,100
167,700
174,800
179,200
30 歳
231,100
197,900
207,100
231,000
256,000
266,400
35 歳
251,200
206,400
223,600
250,600
272,000
300,400
(金属 )
1 年 1 歳間差 5,473 円
第1十分位 第1四分位
中 位
第3四分位
第9十分位
平 均
20 歳
172,000
162,500
169,200
174,800
179,000
179,200
30 歳
234,300
210,300
219,200
233,000
250,000
265,200
35 歳
260,400
214,900
237,400
263,500
277,700
295,400
参考数値 連合登録組合の水準(全国 826 組合) 高卒生産労働者所定内賃金実態モデル
金 属
食
品
サービス一般
情報・出版
交通・運輸
平 均
20 歳
176,904
175,749
178,417
182,175
183,700
173,064
30 歳
250,586
252,646
277,807
244,588
285,850
232,706
35 歳
279,089
287,662
326,350
266,325
346,875
250,354
③ 企業内最低賃金の取り組み
企業内の全ての労働者を対象にした企業内最低賃金を協定化する。また、より多くの構成組
織、単組における取り組みとなるよう運動を強化する。
全ての賃金の基礎である初任給については、社会水準を確保する。
<参考: 18 歳高卒初任給の参考目標値
168,000 円>
5
—5—
(3)一時金 月例賃金引き上げにこだわりつつ、年収確保の観点から水準の向上・確保をはかる。
5.総合的な労働条件改善を進める
(1)ワーク・ライフ・バランス実現の取り組み
① 過重労働、長時間労働の是正
労使において、所定外労働時間管理の適正化の点検を強化する。また、過重労働、長時間労
働を是正する環境作りと36協定の点検(特別条項付協定)
、適正化への取り組み、インター
バル規制などを設ける。
② 総実労働時間の短縮
ア・年間所定労働時間 2,000 時間以上の組合をなくし、目標の 1,800 時間をめざす。
イ・割増率の引き上げは、法定割増率以上に引き上げをはかり、長時間労働の抑制をはかる。
改正法では時間外労働 60 時間超での割増率 50%適用など中小企業の猶予措置があるが、
全ての組合が取り組むこととする。
ウ・年次有給休暇取得率向上へ平均取得率 80%(東京労働基準)の取り組みを行う中、
「働き方」
「休み方」の意識改革を進めていく。
エ・従業員 50 人未満の事業場においても安全衛生委員会の設置と労働時間把握を行う。
オ・両立支援の推進をはかる。
(2)男女平等課題に関する取り組み
男女がその持てる能力を発揮できる社会を作っていくことは日本の社会・経済の活性化と持続可
能性維持に極めて重要である。職場における男女平等の実現に向けて、以下の事項に取り組む。
1)職場における男女平等と男女間の賃金格差の是正
2)女性の職業生活における活躍の推進(女性活躍推進法)
3)改正男女雇用機会均等法の定着・点検
1).職場における男女平等と男女間の賃金格差の是正
① 各単組の賃金データに基づいて男女別・年齢ごとの賃金分布を把握して「見える化」
(賃金プ
ロット手法など)をはかるとともに問題点を点検し、改善へ向けた取り組みを進める。
② 住民票上の「世帯主」を要件とすることは、支給が一方の性に偏り、実質的な間接差別とな
ることから、生活関連手当の支給など(福利厚生、家族手当)における「世帯主」要件の廃止に
ついて取り組む。
2)・女性の職業生活における活躍の推進(女性活躍推進法)
女性活躍推進法が成立し、2016 年 4 月 1 日から法律が施行される。国や地方公共団体、民間事
業主は女性の活躍に関する状況の把握、改善すべき事情についての分析を行い、行動計画を策定
することとなった(300 人以下の民間事業主については努力義務)ことを受け、2016 春季生活闘
争において、連合策定の「事業主行動計画策定等のガイドライン」に基づいて取り組みを進める。
① 女性の昇進・昇格の遅れ、配置や仕事の配分が男女で異なることなど、男女間における賃金格
差の背景と状況を実証的に点検し、女性に対する研修の実施や女性の少ない部署への優先配置な
どについて労使協議を行い、積極的な差別是正措置(ポジティブ・アクション)により改善をは
かる。
② 女性活躍推進法にもとづく企業などの行動計画策定に労使で取り組む。策定に当たっては、以
下の必須項目については必ず把握・分析するとともに、厚生労働省令で定める 21 の任意項目お
よび各事業所の状況にもとづいて、現状を把握・分析し、必要な目標や取り組み内容を設定する。
【必須項目】
①採用した労働者に占める女性労働者の割合(雇用管理区分ごと)
、②男女の勤続年数の差異(雇
6
—6—
用管理区分ごと)、③月ごとの労働者の平均残業時間などの長時間労働の状況、④管理職にしめ
る女性比率 ③法律や行動計画の内容について、学習会の場を設置するなど周知をはかる。④計
画が着実に進展しているか、PDCAに積極的に関与する。
3) 改正男女雇用機会均等法の定着・点検
・改正男女雇用機会均等法の定着・点検に向け、以下の課題に取り組む。交渉・協議にあたっては、
できる限り実証的なデータにもとづく根拠を示し、改善を求めていく。
①配置や仕事の配分などの男女の偏在を具体的に検証し、その是正をはかる。
②昇進・昇格など基準の運用で、結果として男女に不平等が生じていないか、結果と原因を検証し、
是正をはかる。
(4) 両立支援の促進(育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法)
・改正育児・介護休業法の定着に向け、以下の課題に取り組む。
①改正育児・介護休業法の周知・点検をはかるとともに、両立支援策の拡充の観点から、これを上
回る内容への拡充について労働協約の改定に取り組む。
②有期契約労働者へ制度を拡充する。
③育児休業、介護休業、子の看護休暇、短時間勤務、所定外労働の免除、介護休暇の申し出や取得に
より、解雇あるいは昇進・昇格の人事考課などにおいてマイナス評価とするなど、不利益取り扱い
が行われないよう労使で確認・徹底する。
④3 歳までの子を養育する労働者の短時間勤務制度と所定外労働の免除制度、介護休暇制度の周知・
点検と、就業規則や労働協約の改定などのルール化に取り組むとともに、組合員への周知を行う。
・マタニティハラスメントやパタニティ・ハラスメント、ケア(介護)ハラスメントなどをはじめ
とする、あらゆるハラスメントを一元的に防止する取り組みを各企業に働きかける。同時に、妊産婦
保護制度や母性健康管理について周知されているか点検し、妊娠・出産およびこれに関わる制度を利
用したことによる不利益取り扱いの禁止を徹底する。
・次世代育成支援対策推進法にもとづく企業などの行動計画策定に労使で取り組む。
①ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた労働組合の方針を明確にし、労使協議を通じて、計画期
間、目標、実施方法・体制などを確認する。さらに、作成した行動計画の実現による「くるみん」
マーク、および「プラチナくるみん」の取得をめざす。
②「くるみん」マーク、および「プラチナくるみん」を取得した職場において、その後の取り組み
が後退していないか労使で確認し、計画内容の実効性を高める。
③合理的な理由のない転居を伴う転勤がないかどうか点検し、是正をはかる。
④妊娠・出産などを理由とする不利益取扱いの有無について検証し、是正をはかる。
⑤セクシュアル・ハラスメント防止措置の実効性が担保されているか検証する。
⑥セクシュアル・ハラスメントには、同性間セクハラ、ジェンダー・ハラスメントも含まれることを
周知する。
(5)2016 春季生活闘争におけるワークルールの取り組みについて
雇用形態にかかわらずすべての労働者の雇用の安定と公正な処遇を確保する観点から、ワークルー
ルの取り組みを以下のとおり進める。
1)改正労働者派遣法に関する取り組み
2015 年 改正労働者派遣法の施 行を踏まえ、「改正労働 者派遣法に関する連合 の取り組み」
(2015.11.20 第 2 回中央執行委員会確認)にもとづき、①派遣労働者の労働条件の点検・改善、②
派遣労働者の受け入れ開始時や派遣期間を延長して受け入れる際における確実な要員協議や意見表
明などを行う。
7
—7—
2)長時間労働の是正・過労死ゼロに関する取り組み
健康で働き続けられる労働時間と過労死ゼロの実現に向け、①中小企業における月 60 時間を超え
る割増賃金率の 50%以上への引き上げ、②勤務間インターバル規制(原則 11 時間)の導入、③特
別条項付き 36 協定を適用する場合における構成組織ごとの年間上限時間の設定(750 時間を上限と
し、限りなく 360 時間に近づける)
、④36 協定の遵守状況の点検とそれを踏まえた労使協議、⑤労
働時間管理の徹底などを実施する。
3)若者雇用に関する取り組み
若者雇用促進法の成立を踏まえ、
「若者雇用促進法に関する連合の取り組み」
(2015.11.20 第 2 回
中央執行委員会確認)にもとづき、①新卒者募集における職場情報の積極的情報開示、②求人情報
における適切な労働条件提示、③職場への定着促進に向けた時間外労働、休日などの改善が行われ
るよう労使協議を通じて取り組む。
4)障がい者雇用に関する取り組み
改正障害者雇用促進法の施行を見据え、「改正障害者雇用促進法に関する連合の取り組み」
(2015.8.27 第 23 回中央執行委員会確認)にもとづき、①障がいを理由とする差別禁止の確保、②
合理的配慮の提供に向けた体制整備の確認などを行う。
5)安全な職場づくり
「改正労働安全衛生法に関する連合の取り組みについて」
(2014.6.19 第 9 回中央執行委員会確認)
などにもとづき、メンタルヘルス対策(ストレスチェック)
、長時間・過重労働対策、受動喫煙防止
対策、パワーハラスメント対策など、労働安全衛生法令の遵守と安全配慮義務の履行に関する企業
内での対応状況の確認と改善を行う。
6)有期労働契約(無期転換ルールの特例)に関する取り組み
有期特措法の施行を踏まえ、
「連合専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法の施
行に関する取り組み」
(2015.2.19 第 17 回中央執行委員会確認)にもとづき、第一種・第二種計画
の実施状況の点検など、無期転換ルールの特例の対象労働者の雇用の安定に向けた取り組みを行う。
(6)非正規労働者の均等待遇に向けた処遇改善
今春季生活闘争の大きな課題である非正規労働者の処遇の改善に取り組む。公務職場を含めて、
総合的な労働条件を、以下の視点によりその処遇改善を進める。
1)総合的な労働条件の改善 <2016 年重点項目>
(雇用安定に関する取り組み)
①正社員への転換ルールの導入促進・明確化
②無期労働契約への転換促進
(均等処遇に関する事項)
①昇給のルールの導入・明確化
②一時金の支給
③福利厚生全般及び安全管理に関する取り組み
④社会保険も加入状況の点検(*)と加入促進
⑤年次有給休暇の取得促進
⑥育児・介護休暇制度を雇用形態にかかわらず利用できるよう整備
⑦再雇用者(定年退職者)の処遇に関する取り組み
8
—8—
(*)2016 年 10 月よりこれまでの対象者に加え、ア・1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること、イ・月額
賃金が 8 万 8 千円以上(年収 106 万以上)
、ウ・継続 1 年以上雇用されることが見込まれること、エ・学生でない
こと、オ・501 名以上の従業員の企業で雇用されていることに該当する労働者に社会保険が適用される。適用確認
と適用を免れるための従業員への不利益変更をさせないことの点検が必要。
2)賃金関係は、前記
6.春季生活闘争体制強化と中小労組支援、非正規処遇改善の共闘強化
① 連合東京の対外的、社会的活動を強化しての活動を展開する。経営者団体、各級議員要請行動
など一層広範な取組みを展開し、積極的な情報発信と本部と連携した広報活動に取り組む。
② 連合東京の情報交換は、執行委員会や中小・労働条件委員会で行う他、春季生活闘争を通じ
ての組織強化をはかる。
連合東京「中小・非正規共闘」の強化・充実をはかる。
*また、全体の闘争情報交換会の実施、地域段階での春季生活闘争セミナー開催や情報交換を
促進する。
○1/31 中小労組(未加盟組合含む)
「春季生活闘争学習会」を開催
○4月 06 日には、未妥結組合を中心に「連合東京・中小労組決起集会」開催
③ 賃金低下に歯止めをかけるには、
「賃金セミナー」開催の他、個別賃金調査にもとづく賃金
体系維持と改善が絶対条件で各構成組織のアドバイス機能、分析能力の向上をはかる。連合発
行の「賃金テキスト」などの活用をはかる。格差是正のために各構成組織や各ブロック地協と
連携し、中小労組、地場組合への支援体制として激励訪問活動、学習・交渉支援など強化する。
○2/06 連合東京「賃金セミナー」
④ 賃上げを含む闘争情報の開示と波及効果(中小、地場、未組織)
構成組織の協力で代表銘柄と都内中小労組の要求・妥結状況把握と共闘組織への情報開示、情
報発信に更に参加組織を増やす中で情報はよりオープンにより活用をはかる回答集計を実施。
⑤ 公正取引実現に向けた適正価格転嫁、優越的地位の濫用禁止を強く街頭でアピールする。
⑥ 2月「パート、契約・派遣、委託労働者の処遇を改善する集会」を開催して、処遇改善を春
季生活闘争の重要な取り組みとして、当該労働者からのアピールを込めた集会運営を行う。
⑦ すべての非正規労働者の処遇改善に向けて、構成組織は同じ職場で働く者の処遇改善のため
の交渉を行う。また、連合東京は社会的な処遇改善意識を高める取り組みの中、とりわけ、今
春季生活闘争においては、派遣労働者、介護、保育労働者の非正規労働者の処遇改善に焦点を
当てて、構成組織、市民団体に呼びかける中で東京都と国への処遇改善施策の充実を要請する
団体署名活動を展開する。
⑧ ディーセント・ワーク実現のため最低賃金の引き上げに向けて、団体要請署名には労働組合
以外の団体などにも要請し社会性を拡げる他、中小企業で働く者、非正規労働者向けに労働者
権利を広報する取組みを展開する。
⑨ 公契約条例の一層の拡がり向けて取組み、関係組織と連携し個別自治体対策を強化する。
⑩ 連合東京加盟の単組支援対応として、連合東京春季生活闘争ハンドブック、春季生活闘争ポ
スターはじめ様々な支援器材作成と配布、HP などによる情報発信を行う。
⑪ 未解決中小組合向けに学習会を開催し、中小労組の早期解決に向けた支援体制をヤマ場以降
の情勢を把握する中で、
「2016 春季生活闘争方針その2」(4 月)で第2次「中小労組決起集会」
など具体的な行動確認を行う。
⑫行動企画においては、
「組織拡大・組合づくり」との関連を意識した取り組み。
9
—9—
7.政策制度の実現に向けた取り組み
「2016年度 政策・制度 実現の取り組み」と「2016春季生活闘争における労働条件改善の取り
組み」を「運動の両輪」として取り組む。
1.景気の好循環に向けた中小企業・地場産業への支援強化
○健全な経済の発展に向けた公正な企業間取引の確立
○公契約の適正化に向けた公契約基本法・公契約条例の制定の促進
2.雇用の安定と公正労働条件の確保
○派遣労働者の保護を後退させないための改正労働者派遣法の点検と検証
○長時間労働の是正と過労死ゼロに向けた労働時間規制の強化
○障がい者の雇用促進と就労支援に向けた取組の推進
○有期雇用労働者特別措置法における対象労働者の雇用安定の取り組み推進
○労働者の健康・安全を守るための改正労働安全衛生法の実効性の確保
○良質な就労と職場定着に向けた若者雇用対策の推進
○すべての女性が活躍できる職場環境の整備
3.社会保障と税の一体改革の推進によるセーフティネットの充実
○短時間労働者に対する社会保険の適用拡大の取り組み推進
○企業年金制度を整備するための取り組み推進
○事業所内保育所の整備など子ども・子育て支援新制度の着実な実施
○税による所得再配分機能の強化
4.子どもの貧困と教育格差の解消
○教育の機会均等実現に向けた教育の原則無償化
○高等学校教育における給付型奨学金制度の拡充
9.闘いの進め方
(1) 闘争本部の設置
① 闘争方針の確認以降、闘争本部を設置する。
② 闘争委員会の構成は、執行委員会メンバーを以て行う。
③ 闘争方針にもとづく闘争情報や構成組織間の情報交換は、闘争委員会(執行委員会)の他、
中小・労働条件委員会及び各地域協議会、地区協議会などで行う。
④ 4月段階で、その後の中小労組の早期解決を含めた取り組みを情勢把握などから「連合東
京・2016 春季生活闘争方針 その2」を策定して取り組む。
(2)ブロック地協・地区協における取り組み
連合東京方針に基づき、各地協での春季生活闘争方針を確認する。
*各地協、地区協における春季生活闘争の取り組み課題に関わる検討事項、
(底上げ、賃上
げ、非正規課題、景気の好循環への取組み、公正取引など幅広く取り組む →幅広くアピー
ルする工夫
*一層の社会性に向けての行動)
以下の可能な取り組みを実施する。
① 街頭行動展開で賃上げ、時短、政策制度課題のアピール行動
② 春季生活闘争における重要課題(賃上げ・労働条件改善など)の学習促進
③ 組織内単組への激励行動
④ 地域における春季生活闘争課題学習会、情報交換会開催(幹事会)
⑤ 春季生活闘争を通じ地場・未加盟組合へのオルグ
⑥ 未解決中小労組の春季生活闘争、早期解決への情報交換会
⑦ 地区経営者団体への要請行動、都民に向けた連合のアピール
10
— 10 —
⑧ 公正取引、適正価格転嫁を求める行動、要請
⑨ 非正規労働者(派遣、介護、保育など)
、東京最低賃金改善など重点対策の市民団体まで
含む団体署名活動
⑩ 政策実現に向けた自治体要請行動
⑪ デーセントワークの公契約実現、条例制定を求める
⑫ 年金問題に関わる議会意見書への取り組み
⑬ 労働相談活動の強化
東部ブロック地協
西北ブロック地協
中南ブロック地協
三多摩ブロック 地協
2月26日(金)18:30~
2月23日(火)18:00~
2月19日(金)18:30~
2月17日(水)18:00~
曳舟文化センター
みらい座池袋
航空会館(デモあり)
たましん RISURU ホール
10.東京労働基準をめざす取り組み (総合労働条件改善の視点)
具体的な労働諸条件の改善への取り組み
これまでの春季生活闘争における「労働条件改善の視点」に加え、昨年確認した「東京労働基
準」を基にした具体的取り組み指針を参考に各組織が中期的な取り組み目標をおいてその実現を
はかることとする。 (東京労働基準:各項目を参考)5年の中期的取り組み
(1)賃金基準
1)ミニマム基準
① 企業内協定最低賃金 月給 160,000 円を下回らない (早急に 177,000 円以上とする)
(各産業別組織においては、それぞれの考え方から企業内でのパート労働者など短時間労働者を除く者
の最低賃金を協定化するための水準設定を行っている。
)
② 時給1,000円を下回らない
(早急に 1,090 円以上とする)
(5年以内の東京都最低賃金目標との整合性から「1,000 円を下回らない」としている。また、連合リ
ビングウエッジ:東京額、1,090 円を早期にクリアすること。
)
③ 連合東京・年齢別ミニマム賃金を下回らない(月給:前記)
2)平均モデル基準
① 35歳賃金 月給 320,000円
② 定年時・退職金 1,900万円
③ 65歳までの雇用延長とその処遇、月額28万円以上と一時金支給
(2)労働時間・ワーク・ライフ・バランス基準
1)ミニマム基準
① 年間所定内労働時間 2,000 時間以下とする。
② 法の定める育児、介護休業、次世代育成措置などを労働協約、就業規則で明記
③ 時間外労働手当60時間超 50%完全適用(中小)
2)平均モデル基準
① 年間総実労働時間1,800時間以内
② 有給休暇所得率を80%以上
③ 時間外・休日・深夜など割増率と看護休暇、ボランティア休暇など多様な休暇制度の導入
ア・時間外割増率
30%
イ・月45時間以上
50%
ウ・休日労働手当
50%
エ・深夜労働
30%
(3)労働安全衛生(セーフティ)基準
11
— 11 —
1)ミニマム基準
① 安全衛生委員会設置と月1回の開催
② 安全衛生管理者、産業医の完全配置
2)平均モデル基準
① 労災補償法定外補償 最高(有扶養者死亡)3,000万円以上
② リスクマネジメント推進、年複数回の安全衛生確認への職場点検活動(PDCA)完全実施、
「作
業環境測定」の完全実施。
③ メンタルヘルスやセクハラ、職場での嫌がらせに関わる毎年1回以上の教育、研修の実施、
相談窓口設置
(4)非正規労働者の均等待遇基準
*前記
(5)男女平等の取り組み基準とその実行
ア・女性新卒採用数の向上と正社員・職員の拡大
イ・男女間賃金格差の是正
ウ・教育課程での男女平等
エ・母性保護の強化
(この基準については数値目標をおくことはないが、5年間で各項について実態の点検を行い、是正を
はかること自体をモデル基準とするもの。
)
11.春季生活闘争における展開(今後の予定)
① 要求組み立てゾーン(12月~1月)
「クラシノソコアゲ!応援団 2016RENGO-TOKYO キャンペーン」開始 2015.12/04~
春季生活闘争セミナー (12/10)
連合本部・非正規共闘・中小共闘担当者会議 (12/01)
非正規労働センター担当者会議 (12/18)
連合白書説明会 (1/7)
中小・労働条件委員会(1/08)
連合東京方針確認と闘争体制確立 (1/14 執行委員会)
連合東京闘争委員会設置(1/14)
中小労組(未加盟組合含む)春季生活闘争学習会(1/31)
春季生活闘争街頭宣伝活動開始~
② 闘争展開ゾーン(2月~3月)
各地域協議会街頭宣伝活動開始~
各団体への要請、広報活動
労働者派遣法改正を職場で活かす学習会
闘争開始宣言中央総決起集会(2/05)
連合東京賃金セミナー (2/06)
労働者派遣法内容理解と社会で活かす取り組み学習会 (2/08)
第2回闘争委員会 (2/15)
中小・労働条件委員会 (2/18)
労働組合による労働者派遣法改正説明会(2/25)
連合本部・非正規共闘・中小共闘担当者会議
三多摩ブロック地域協議会、決起集会 (2/17)
中南ブロック地域協議会、決起集会 (2/19)
西北ブロック地域協議会、決起集会 (2/23)
東部ブロック地域協議会、決起集会 (2/26)
連合東京・
「パート、契約・派遣社員、委託労働者の処遇改善を求める集会」
春季生活闘争・政策制度実現中央集会 (3/03)
12
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国際女性デー (3/08)
連合東京、賃上げ回答ヤマ場(3/14~18、3/22~25)前後街頭宣伝活動~
闘争情報交換会
第3回闘争委員会 (3/16)
連合本部・非正規共闘・中小共闘担当者会議
連合東京、要求・回答集計情報発信開始~7 月執行委員会まで定期的に発信
各経営者団体への要請行動(東京経協、東京商工会議所、中小企業中央会など)
中小労働条件委員会(3/29)
③ 解決促進ゾーン(4~5月) として連合東京、地協の取り組みを検討する。
中央共闘推進集会 (4/01)
連合東京・中小未妥結労組決起集会 (4/06)
闘争委員会(4/13)
2015 春季生活闘争方針 その2確認(中小労組の賃上げ、早期解決に向けた取組み)
早期解決一斉行動
中小労働条件委員会(4/22)
妥結・回答状況広報
メーデー (4/29)
連合本部・非正規共闘・中小共闘担当者会議
闘争委員会(5/18)
中小労働条件委員会(5/25)
以 上
13
— 13 —
2016 春季生活闘争、連合東京・闘争委員会設置声明
2016.1.13
連合東京・第 1 回闘争委員会
連合東京は、春季生活闘争期間を通じて、
「クラシノソコアゲ・応援団」としての取り組み
を徹底して展開する。
連合 2016 春季生活闘争方針では、解決すべき社会・経済の構造的問題が山積する中、こ
の総合生活改善闘争が国民生活の向上をはかるための牽引役の役割を果たさなければならな
いことを明確にした。そして、
「世界一働きやすい国」をつくろう社会に呼びかけ、働くこと
の価値を高め、安心して働ける環境整備を訴えた。
我々は、そのために月例賃金の引き上げにこだわった要求を行い、企業の短期的な利益追
求を排除し、しっかりと企業・団体の将来像と我々の働き方を議論し、徹底して従業員への
公正な配分を求めていく。
経済の好循環実現のためには、すべての働く者の賃金の「底上げ・底支え」と「格差是正」
の実現が必要となっているのである。これまで通り、そしてこれまで以上に中小企業で働く
者の格差是正、非正規労働者の雇用安定と処遇改善を進める。
中小労組は、主体的な闘争が必要だ。大手準拠・追従ではなく、格差是正には賃金絶対額
を重視し、根拠ある中期改善目標を設定する中での粘り強い交渉が求められる。連合東京・
中小共闘は、こうした闘いを進める中小労組支援を一層強化する。また、中小企業の利益確
保のために、公正取引問題や優越的地位の濫用防止をアピールする行動も行う。
非正規労働者の処遇改善では、更に一歩進んだ行動を展開する。各組織内では単組交渉を
通じて短時間、有期労働者の賃金をはじめとする処遇改善を行い、派遣・委託先労働者の処
遇改善の視点も忘れずに持つことを要請する。
連合東京は、法改正で雇用安定・処遇改善が必要な派遣労働者、社会的に改善が求められ
る介護と保育に関わる労働者、非正規労働者の処遇改善を国、東京都に要請する行動に全て
の構成組織の協力を求めたい。しっかりとその処遇改善を進めよう。
政府は「一億総活躍国民会議」や「新3本の矢」として「GDP600 兆円」
「出生率 1.8」な
らびに「介護離職ゼロ」の目標設定と緊急実施対策をまとめた。少子高齢化の中、働き方改
革、女性活躍、両立支援、高齢者雇用対策などなど矢継ぎ早な対応策が政府から打ち出され
ている。必要な事項に労使議論でしっかりと対応する。
しかし、労働法制の改悪をはじめ選挙対策の現金バラマキなど許されない。予算案をめぐ
る国民のための国会審議を強く求め、制度政策実現の取り組みを強化しつつ、
「クラシノソコ
アゲ・参議院選挙」とするために行動する。
以 上
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