横浜国立大学 地域実践教育研究センター News 第2号

Global-Local Education Research Center
Yokohama National University
横浜国立大学 地域実践教育研究センター News
第2号
今号は、横浜国大独自の全学的な教育プログラムであり、当センターの主要な事業でもある「地域交流人材育
成教育プログラム」を特集します。全学の学生を対象とするこの教育プログラムは、コア科目・関連科目・地域
課題プロジェクトからなる「地域交流科目」の受講及び参画により「地域交流人材育成教育プログラム修了証」
の取得を可能とします。これにより、地域の課題解決を担う素養を持つ人材を実践的に育成しています。
平成18年度後期 地域交流人材育成プログラム修了証 7名に授与
地域交流人材育成プログラムはH17年度の開始より2年が経過し、今年の春の修了生を含め計23名を輩出してい
ます。平成19年6月11日には第4回修了証授与式が行われ、コア科目および関連科目の所定単位と地域課題プロジ
ェクト参画が認められた7名の学部生ならびに大学院生に修了証が授与されました。GPA3.0以上という通常の学部
の卒業要件よりも高いハードルを乗り越え、地域課題にも積極的に取り組んだ修了生の声を聞きました(下欄)。
同修了証の取得に必要な単位(コア科目4単位と関連
経済学部国際経済4年 庄子沙織
科目6単位以上)を取り終えるためにはそれなりの期間
を要しますが、就職活動での自己PRの材料としての活用
地域課題プロジェクトの魅力は、いま現在地域が
も期待できます。単位取得例を掲載しますので、学生の
抱えている問題や、それに対する地域の人々の取
みなさん、ぜひ計画的に地域交流科目を修得して修了証
り組みを身近に感じるともに、自らもその取り組
取得を目指してみて下さい。
みに関わっていけるところにあると思います。 「地域の問題を自分の問題としてとらえ、解決し
また、修了証認定のためには、春季と秋季の募集時期
ていこうとすること」について、授業と実践の両
に所定の申請書類を学務部教務課へ提出する必要があり
方から深く学ばせていただいた結果として修了証
ます。詳細は年度始めに配布される地域交流科目授業概
をいただけたことは、私の学生生活においてひと
要(シラバス)や当センターホームページで参照できま
つの達成点になったと感じています。
す。ご不明な点はセンターへ直接お問合せ下さい(電話
:045-339-3579、E-mail:[email protected])。
地域交流科目修得科目例
工学府建築 Hさん
コア科目
地域連携と都市再生A(2)
地域連携と都市再生B(2)
地域連携と都市再生A(2)
地域連携と都市再生B(2)
関連科目
地域経済政策(4)
地方財政(2)
居住空間の計画(2)
屋外気候と建築環境(2)
都市と都市計画(2)
都市と自然環境(2)
〒240-8501横浜市保土ヶ谷区常盤台 79-3
横浜国立大学社会科学系総合研究棟Ⅰ-406室
045-339-3579 / [email protected]
地域課題プロジェクト 現況レポート
平成19年7月2日(月)に経済学部講義棟211室を会場として,地域課
題プロジェクトの学生活動宣言会が公開で行われました。全13プロジェ
クトの今年度の活動目標や進捗状況が紹介されました。地域交流科目開
始当初または昨年度から継続して活動するプロジェクトが6件,今年度
新たにスタートしたものが7件,うち学生からの公募プロジェクトが3件
と内容の充実度に差は見られましたが,取り組むテーマはいずれも地域
実践に向けて独自のアプローチ方法によるもので,精力的に行おうとい
う姿勢が伺えました。ここでは,昨年度から活動を継続する「数字で捉
える地域経済」と,今年度から活動を開始した「地域参画による学校環
境のリ・デザイン」のこれまでの活動を各プロジェクト代表から紹介し
てもらいます。
地域課題プロジェクト学生活動宣言会の様子
数字で捉える地域経済 プロジェクト代表 陳延天(国際社会科学研究科博士課程2年)
横浜市中区役所と連携し、市民にわかりやすい経済白書作りへの協力
および地域再生の取り組みの評価を行っています。
去年はメンバーが特に関心を持った『寿町高齢者福祉』と『横浜市中
区子育て支援』を掘り下げて調査し、中区に現代日本が抱える大きな問
題(少子化・高齢化)の縮図を観ることができました。さらに、その成
果を『横浜市中区白書Web版』への掲載につなげました。本年度は理論だ
けでは見えてこない現実経済の複雑さを実地調査や関係団体との議論を
通じて理解していこうと考えています。また、横浜市中区と白書作りで
コラボしていく予定です。
(メンバー構成)担当教員:長谷部、岡部、相馬(経済学部)
学生:国際社会科学(1名)、経済学部(5名)
横浜市内子育て支援施設への調査風景
地域参画による学校環境のリ・デザイン プロジェクト代表 菅原宇彦(工学部建設学科4年)
地域交流人材育成
プログラム修了証
神奈川区魅力さかせ隊
修了証には、地域課題プロジェクト成果も添付
される。写真は報告書の担当箇所。
コア科目「地域連携と都市再生」
コア科目は教養教育科目であるとともに、地域人材育成教育プ
ログラムの必修科目でもあります。今年度は前期に「地域連携と
都市再生B」(2単位)が開講され、神奈川県内で活躍するNPOや
自治体等で活躍するゲストスピーカーを迎えて、地域経済の視点
から地域再生・都市再生のあり方を講究するというものでした。
1,2年生を中心として、全学から約250名の学生が受講しました。
また、後期は「地域連携と都市再生A」(2単位)が始まり、都
市計画の視点から横浜市をフィールドとして都市再生の方策を、
約350名の学生が学んでいます。後期は参画型の授業を目玉とし
既に横浜市内の各地に受講生達が実際に足を運び、様々な視点で
各地域を評価しました。今後は評価マップに基づき授業を展開す
る予定です。これらの授業の自習向けに当センターホームページ
では,今秋新たに「リレーコラム」を開始しました。担当講師が
授業に関連した都市計画や横浜市の行政資料等やその収集法など
を紹介しており、市民向けにも活用できるものと思います。
今後はコア科目の受講生達から、実践の場となる「地域課題プ
ロジェクト」への参画者が出ることに期待します。
1
発行:2007.11.30 横浜国立大学 地域実践教育研究センター
http://www.crd.ynu.ac.jp/chiki-ct/
※下表( )内は単位数
経済学部国際経済 Sさん
地域課題
プロジェクト 地域経済政策
Global-Local Education Research Center
小学校の環境を改善するために、横浜建設業青年会、常盤台小学校と共に活動しています。改善にあたり5
年生児童を対象にアンケートで「改善したい場所」や「どう改善したいか」を調査し、代表児童と話し合いの
場を設け様々な案を出していきました。
先日はその材料となる間伐材を山梨県
道志村に調達しに行きました。また,敷
地の測量を行うなど現在は実施設計が行
われており,2月に実施予定の協働での
施工へ向けて着々と活動を進めています
(メンバー構成)担当教員:藤岡(工学部)、
三輪(地域実践教育研究センター)
学生:工学府(5名)、工学部(2名)
道志村で間伐材を調達 常盤台小学校の児童との話し合い
教員向け情報
地域課題プロジェクト公募始まる
センターホームページで公開中の
「地域連携と都市再生リレーコラム」
講師が授業に関連する資料等を紹介している
地域実践教育研究センター 所在地・問合せ先
地域課題プロジェクトは毎年全学の教員からテーマ
を募集し、審査を経て次年度のプロジェクトを決定し
ています。テーマは自治体やNPOとの共同研究や様々
な地域課題の解決に向けた教員独自の研究テーマなど
が対象です。参画学生の指導にあたることが必須条件
となりますが、テーマ遂行にあたり予算が支給されま
す。11月より2008年度のテーマの公募を開始しており
ます。詳細のお問合せは地域実践教育センター・三輪
までお願いします([email protected],内3579)。
2
※地域実践教育研究センターは、グローバルな視野をもって地域課題を解決できる21世紀型人材育成を目指し、その基盤となる先端的かつ複合的な
実践教育研究活動を推進する拠点として、平成19年4月に発足しました。
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横浜国立大学 地域実践教育研究センター News
第2号
今号は、横浜国大独自の全学的な教育プログラムであり、当センターの主要な事業でもある「地域交流人材育
成教育プログラム」を特集します。全学の学生を対象とするこの教育プログラムは、コア科目・関連科目・地域
課題プロジェクトからなる「地域交流科目」の受講及び参画により「地域交流人材育成教育プログラム修了証」
の取得を可能とします。これにより、地域の課題解決を担う素養を持つ人材を実践的に育成しています。
平成18年度後期 地域交流人材育成プログラム修了証 7名に授与
地域交流人材育成プログラムはH17年度の開始より2年が経過し、今年の春の修了生を含め計23名を輩出してい
ます。平成19年6月11日には第4回修了証授与式が行われ、コア科目および関連科目の所定単位と地域課題プロジ
ェクト参画が認められた7名の学部生ならびに大学院生に修了証が授与されました。GPA3.0以上という通常の学部
の卒業要件よりも高いハードルを乗り越え、地域課題にも積極的に取り組んだ修了生の声を聞きました(下欄)。
同修了証の取得に必要な単位(コア科目4単位と関連
経済学部国際経済4年 庄子沙織
科目6単位以上)を取り終えるためにはそれなりの期間
を要しますが、就職活動での自己PRの材料としての活用
地域課題プロジェクトの魅力は、いま現在地域が
も期待できます。単位取得例を掲載しますので、学生の
抱えている問題や、それに対する地域の人々の取
みなさん、ぜひ計画的に地域交流科目を修得して修了証
り組みを身近に感じるともに、自らもその取り組
取得を目指してみて下さい。
みに関わっていけるところにあると思います。 「地域の問題を自分の問題としてとらえ、解決し
また、修了証認定のためには、春季と秋季の募集時期
ていこうとすること」について、授業と実践の両
に所定の申請書類を学務部教務課へ提出する必要があり
方から深く学ばせていただいた結果として修了証
ます。詳細は年度始めに配布される地域交流科目授業概
をいただけたことは、私の学生生活においてひと
要(シラバス)や当センターホームページで参照できま
つの達成点になったと感じています。
す。ご不明な点はセンターへ直接お問合せ下さい(電話
:045-339-3579、E-mail:[email protected])。
地域交流科目修得科目例
工学府建築 Hさん
コア科目
地域連携と都市再生A(2)
地域連携と都市再生B(2)
地域連携と都市再生A(2)
地域連携と都市再生B(2)
関連科目
地域経済政策(4)
地方財政(2)
居住空間の計画(2)
屋外気候と建築環境(2)
都市と都市計画(2)
都市と自然環境(2)
〒240-8501横浜市保土ヶ谷区常盤台 79-3
横浜国立大学社会科学系総合研究棟Ⅰ-406室
045-339-3579 / [email protected]
地域課題プロジェクト 現況レポート
平成19年7月2日(月)に経済学部講義棟211室を会場として,地域課
題プロジェクトの学生活動宣言会が公開で行われました。全13プロジェ
クトの今年度の活動目標や進捗状況が紹介されました。地域交流科目開
始当初または昨年度から継続して活動するプロジェクトが6件,今年度
新たにスタートしたものが7件,うち学生からの公募プロジェクトが3件
と内容の充実度に差は見られましたが,取り組むテーマはいずれも地域
実践に向けて独自のアプローチ方法によるもので,精力的に行おうとい
う姿勢が伺えました。ここでは,昨年度から活動を継続する「数字で捉
える地域経済」と,今年度から活動を開始した「地域参画による学校環
境のリ・デザイン」のこれまでの活動を各プロジェクト代表から紹介し
てもらいます。
地域課題プロジェクト学生活動宣言会の様子
数字で捉える地域経済 プロジェクト代表 陳延天(国際社会科学研究科博士課程2年)
横浜市中区役所と連携し、市民にわかりやすい経済白書作りへの協力
および地域再生の取り組みの評価を行っています。
去年はメンバーが特に関心を持った『寿町高齢者福祉』と『横浜市中
区子育て支援』を掘り下げて調査し、中区に現代日本が抱える大きな問
題(少子化・高齢化)の縮図を観ることができました。さらに、その成
果を『横浜市中区白書Web版』への掲載につなげました。本年度は理論だ
けでは見えてこない現実経済の複雑さを実地調査や関係団体との議論を
通じて理解していこうと考えています。また、横浜市中区と白書作りで
コラボしていく予定です。
(メンバー構成)担当教員:長谷部、岡部、相馬(経済学部)
学生:国際社会科学(1名)、経済学部(5名)
横浜市内子育て支援施設への調査風景
地域参画による学校環境のリ・デザイン プロジェクト代表 菅原宇彦(工学部建設学科4年)
地域交流人材育成
プログラム修了証
神奈川区魅力さかせ隊
修了証には、地域課題プロジェクト成果も添付
される。写真は報告書の担当箇所。
コア科目「地域連携と都市再生」
コア科目は教養教育科目であるとともに、地域人材育成教育プ
ログラムの必修科目でもあります。今年度は前期に「地域連携と
都市再生B」(2単位)が開講され、神奈川県内で活躍するNPOや
自治体等で活躍するゲストスピーカーを迎えて、地域経済の視点
から地域再生・都市再生のあり方を講究するというものでした。
1,2年生を中心として、全学から約250名の学生が受講しました。
また、後期は「地域連携と都市再生A」(2単位)が始まり、都
市計画の視点から横浜市をフィールドとして都市再生の方策を、
約350名の学生が学んでいます。後期は参画型の授業を目玉とし
既に横浜市内の各地に受講生達が実際に足を運び、様々な視点で
各地域を評価しました。今後は評価マップに基づき授業を展開す
る予定です。これらの授業の自習向けに当センターホームページ
では,今秋新たに「リレーコラム」を開始しました。担当講師が
授業に関連した都市計画や横浜市の行政資料等やその収集法など
を紹介しており、市民向けにも活用できるものと思います。
今後はコア科目の受講生達から、実践の場となる「地域課題プ
ロジェクト」への参画者が出ることに期待します。
1
発行:2007.11.30 横浜国立大学 地域実践教育研究センター
http://www.crd.ynu.ac.jp/chiki-ct/
※下表( )内は単位数
経済学部国際経済 Sさん
地域課題
プロジェクト 地域経済政策
Global-Local Education Research Center
小学校の環境を改善するために、横浜建設業青年会、常盤台小学校と共に活動しています。改善にあたり5
年生児童を対象にアンケートで「改善したい場所」や「どう改善したいか」を調査し、代表児童と話し合いの
場を設け様々な案を出していきました。
先日はその材料となる間伐材を山梨県
道志村に調達しに行きました。また,敷
地の測量を行うなど現在は実施設計が行
われており,2月に実施予定の協働での
施工へ向けて着々と活動を進めています
(メンバー構成)担当教員:藤岡(工学部)、
三輪(地域実践教育研究センター)
学生:工学府(5名)、工学部(2名)
道志村で間伐材を調達 常盤台小学校の児童との話し合い
教員向け情報
地域課題プロジェクト公募始まる
センターホームページで公開中の
「地域連携と都市再生リレーコラム」
講師が授業に関連する資料等を紹介している
地域実践教育研究センター 所在地・問合せ先
地域課題プロジェクトは毎年全学の教員からテーマ
を募集し、審査を経て次年度のプロジェクトを決定し
ています。テーマは自治体やNPOとの共同研究や様々
な地域課題の解決に向けた教員独自の研究テーマなど
が対象です。参画学生の指導にあたることが必須条件
となりますが、テーマ遂行にあたり予算が支給されま
す。11月より2008年度のテーマの公募を開始しており
ます。詳細のお問合せは地域実践教育センター・三輪
までお願いします([email protected],内3579)。
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※地域実践教育研究センターは、グローバルな視野をもって地域課題を解決できる21世紀型人材育成を目指し、その基盤となる先端的かつ複合的な
実践教育研究活動を推進する拠点として、平成19年4月に発足しました。